オーク「いやさ、最近の女騎士SSの読者から」
オーク「『もう女騎士である意味とかなくね?』やら」
オーク「『女騎士じゃなくて痴女と名乗ればいいよ』やら」
オーク「そういう意見が多くなってきたので希望に沿ってみた」
痴女騎士「なん……だと……ッ!?」
痴女騎士「ふざけるな!!」
痴女騎士「誉れ高き高潔なる騎士である私が、なぜ痴女扱いを受けねばならぬのだ!!」
オーク「んー……」
オーク「それは時代の流れというか、各方面からの要望というか」
オーク「俺たち自身にはどうにもできない大きな枠組みの中に嵌まり込んでるというか」
痴女騎士「そんな言いワケなど聞きたくない!!」
痴女騎士「早く私を普通の女騎士に戻せ!!」
オーク「俺に言われてもなあ」
痴女「なんだか私の扱いが日増しに酷くなっている気がするぞ……」
痴女「って、ついに騎士部分が無くなった!?」
痴女「いやいやいや、本当に何をしたいのだこれは!?」
オーク「既に手遅れだったか……」
痴女「諦めないで!!」
痴女「いや、ちゃんと騎士部分も重要だから!!」
痴女「代名詞みたいになってる『くっ、殺せ!』も」
痴女「凌辱されるぐらいなら潔く死を選ぶ騎士だからこそ出てくる台詞だから!!」
オーク「説得力という言葉が意味をなさない世界って悲しいよな」
痴女「本当ならそういう意味の台詞なのだぞ!?」
痴女「信じてよ!!」
オーク「まあ、確かにちゃんと騎士やってる女騎士SSだってあるが……」
痴女「そうだろう、なあそうだろう!?」
オーク「もうアレはお前とは別人というか」
オーク「『女騎士』と『痴女騎士』は別のカテゴリとして存在するというか」
痴女「」
オーク「もう自分から股開いて突撃してくるぐらいが痴女騎士の基本形になってるしな」
痴女「なってないなってない!!」
痴女「そこまで酷いマジキチ女騎士なんてほんの一握りだ!!」
オーク「だがインパクトが強いせいか」
オーク「そういうネタに走っても『女騎士なら仕方ない』どころか」
オーク「『いつもの女騎士』『安定の女騎士』とまで言われる始末」
痴女「くっ」
オーク「つまりそういう共通認識がすでに出来上がっているということだ」
オーク「そういったキャラクターのアーキタイプが一度出来上がってしまえば」
オーク「それを利用したSSを書く人間が増え」
オーク「それによって痴女騎士のイメージが補強されてゆくという負のスパイラルに突入する」
痴女「私がいま陥っている状況の原因はそれかッ!!」
オーク「最初はち○ぽに弱い女騎士を戯れにビッチにしただけだったのだろう」
オーク「しかしそれは負の連鎖を引き起こし、残念属性だけが雪だるま式に増え続け」
オーク「ついにはオークが女騎士に襲われるSSの方が多くなる事態にまで発展した」
痴女「せ、正式な統計とか取っているワケではないのだろう!?」
痴女「そういうSSの方が正統派女騎士SSよりも多いと言う客観的なソースをだな……」
オーク「そんなもの必要ないだろう」
オーク「重要なのは世間から女騎士がどう思われているか、それに尽きるのだからな」
オーク「それにお前だけの問題でも無い、俺もある意味では被害者なんだぞ」
痴女「貴様は今も昔も私を凌辱しているだけではないか!!」
オーク「お前が変な方向に突き抜けたせいで俺が常識人しなきゃいけなくなったんだよ」
オーク「昔はブヒブヒぐへぐへ言ってればよかっただけだったが……」
オーク「今では俺まで敵に捕まったり、魔王軍裏切って勇者側についたり」
オーク「何故か俺が魔王を倒して新しい魔王になったSSとかもあったりしたぞ」
オーク「あとやたらとホモに襲われる」
痴女「それは私のせいなのか!?」
オーク「お前が突き抜けてるせいで、相方扱いの俺まで突き抜けた扱いを受けるんだよ」
痴女「私だって好きで痴女扱いをされているワケではないのだ!!」
痴女「騎士の直実さや脳筋っぽさに女の思考が混ざるギャップ萌えというか」
痴女「そういうシチュエーションで紡がれる物語を楽しむのが女騎士SSの醍醐味だろうが!!」
オーク「もう無理なんだよ、女騎士」
オーク「女騎士SSに無関係の場所で『騎士』という言葉が出てくるだけで」
オーク「『ち○ぽに弱いイメージしか湧かない』などとコメントされる始末」
オーク「ここから雪辱を果たすことは無理なんだよ」
オーク「SS界に逆転ホームランはないんだ」
痴女「だからといって私の名前がこのままずっと痴女になってもいいのか!?」
オーク「それは俺も困る」
痴女「なあそうだろう!?」
オーク「痴女扱いが続くと、吹っ切れたお前に逆レイプ凌辱される危険が増えるしな」
痴女「またそういう話に持っていくのか!?」
痴女「それを言うのなら、私に簡単に襲われるオークサイドにも問題があるのではないか?」
オーク「俺が拒否ってお前が空回りしたり」
オーク「もう逆レイプとかいうレベルではない生物兵器と化して襲ってきたり」
オーク「そういうネタでもやり尽くされている感があるな」
痴女「それでなお私の株が下落を続けるとはどういうことだ!?」
オーク「近頃はお前と俺の組み合わせに限界が出てきたらしくてな」
オーク「ミノタウロスとか触手とか他のモンスターを相方にしたSSとか」
オーク「版権物の世界にお前を突っ込んで原作レイプするSSも増えてきている」
オーク「もちろん、お前が痴女で残念だと言う方向性だけはぶれない」
痴女「いったい私をどうしたいのだ!?」
オーク「多分な……」
オーク「皆、お前にはエロを求めていならがエロさそのものは求めていないのだ」
痴女「ど、どういうことだ?」
オーク「エロSSではあるのだろうが、本質的には下ネタギャグSSなのだろう」
オーク「表現はかなり過激になるが」
痴女「それってもう、私に女としての価値すらないと言っていないか?」
オーク「そこまでは言っていない」
オーク「そういう下ネタ大好きな女が好みで女騎士SSを見ている読者だって一定数いるだろう」
オーク「だが……大抵はどれほど酷い展開になるか」
オーク「今回はどれほど残念な女騎士が見られるのかと」
オーク「そういう期待でSSスレを開く人間が多いのもまた事実だと思うのだ」
痴女「そ、そんな……」
オーク「むしろ、女騎士の名を冠したスレタイを付ける以上」
オーク「そのような期待を背負っているというプレッシャーが多かれ少なかれあるハズ」
オーク「それによって最初は真面目な女騎士SSを書こうとしたが」
オーク「断念して痴女騎士にしてしまったSS書きだっているのだろう……」
痴女「なんということだ!!」
オーク「仮にそういう真面目な女騎士SSを書いたところで」
オーク「さらにそのSSの評価が高くなったとしてもな」
オーク「その根底には『痴女騎士と思って読み始めたギャップ』というものが存在するのだ」
痴女「待て、真面目な女騎士SSと痴女騎士SSは別カテゴリではなかったのか?」
オーク「それは内容を知ってから分類する場合の話だ」
オーク「スレタイだけでは真面な女騎士なのか、痴女騎士なのか、判断できない」
オーク「『女騎士』というキーワードで引きつけスレを開かせる以上」
オーク「真面目な女騎士SSであっても、痴女騎士の影から逃れることはできぬのだ」
痴女「嘘だと言ってくれオーク!!」
オーク「誠に残念だがコレが事実なのだ」
オーク「そして痴女騎士の称号は真面目に騎士の職務を全うしている女騎士にも降りかかる……」
痴女「それではすべての女騎士が痴女騎士になってしまう!!」
オーク「それが現実だと言っているのだ!!」
痴女「ッ!!」
痴女「私は……ほんとうにただの痴女なのか?」
オーク「そういう思考は止めろ」
オーク「吹っ切れて見境ない痴女に成り果てられても困る」
痴女「ならば私にどうしろというのだ!!」
痴女「オークのち○ぽを求めるのが騎士の仕事だとでも言いたいのか!?」
オーク「一応は騎士としての体裁は保ち続けろ」
オーク「そうすれば名前が女騎士に戻るやも知れん」
痴女「私に求められているのが残念な痴女というキャラクターでしかないというのなら」
痴女「王に誓った忠誠は、鍛え上げた剣と騎乗の腕はどうすればよいのだ!?」
痴女騎士「私は騎士だ、騎士なんだ……」
女騎士「女である前に一人の騎士でありたいのだ……」
オーク「女騎士、名前を見てみろ」
女騎士「も、戻った!?」
女騎士「やったぞオーク!!」
オーク「ああ、よかったな」
女騎士「さてとオーク」
オーク「なんだ?」
女騎士「くっ、殺せ!」
オーク「……」
女騎士「ほら、何をしている?」
オーク「お前こそ何してんの!?」
女騎士「何をって、スレタイの続きに決まっているだろう」
女騎士「ほら、私も散々待たされて我慢の限界なのだ」
女騎士「もう一度行くぞ!!」
女騎士「くっ、殺せ!!」
オーク「……ダメだこりゃ」
(おわり)
何も考えずに書き始めたら全く展開が続かんかったな
勢いでスレを立てた、反省はしていない
痴女騎士が痴女してるその後の展開を見たい人は乗っ取りして勝手に書けばいいと思うよ
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