勇者「なにやってるの、安価ちゃん!?」【安価スレ】 (93)


―――謁見の間―――


王様「勇者よ……魔王討伐、任せたぞ」

勇者「はっ! 必ずやご期待に沿って見せます!」

王様「こちらも満を持して、王国最高戦力をそなたに同行させよう」

勇者「王国最高戦力……?」

王様「入るがよい」



安価「おはよーっ! よろしくねっ」ブイ



王様「紹介しよう。この娘は『安価』という。能力を一言で表すならパルプンテじゃ」

勇者「パルプンテって、ランダムでなにかを起こすというアレですか……?」

王様「すべてが理解を越えておるが、まともに機能すれば実力は確かじゃ。おぬしならば、こやつを上手く使いこなせると信じておるぞ」

勇者「はっ! では行ってまいります!」

安価「いってきまーっす!」フリフリ




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―――大平原―――


スライムがあらわれた!


勇者「早速だけど、安価ちゃん。キミの実力を見せてほしいんだ」

安価「ん? オッケオッケ! 任せちゃってよ! 任せまくっちゃってよ! へいへい!」

勇者「それじゃあ、あのスライムを攻撃してみてくれるかな」

安価「っしゃー燃えるぜー! ぬおりゃー!」




――――――――――――

なにが起きた?

↓+1



スライム「ピギー」ズモモモモモモッ

勇者「うわっ、スライムがすっごい増えた!? なんで敵を増やしちゃうの!?」

安価「あやっべ、ミスっちった」テヘッ

スライムs「ピギギー」ドドドドドッ

勇者「うわ、襲ってきたし!」ズバッ スバッ

安価「なにこれきもっ」

勇者「ちょっとなに見てるの!? 安価ちゃんも手伝ってよ!」ズバッ ズバッ

安価「やべぇなんか猛烈に焼きそば食べたい! ちょっと買ってくるわ!」ダッ

勇者「安価ちゃーん!?」ズバッ ズバッ


>勇者のレベルがあがった!

>勇者は「回転斬り」をおぼえた!




勇者「無駄にレベルがあがっちゃったよ……いや無駄じゃないけどさ……」

安価「焼きそばうめぇ」ズルズル

勇者「さっきのは逃げたんじゃなくて、ほんとに焼きそば食べたくなっただけなんだ……」

安価「え? あたりまえじゃん」キョト

勇者「……まぁいいや。それじゃあ、王国から出て、まずはどこに行きたい?」

安価「ねーねー疲れたからもう帰らない?」

勇者「魔王倒すまでは帰れないのっ! っていうか安価ちゃんは焼きそば買いに行っただけでしょ!?」

安価「じゃああの村に行こ? なんか賑やかだし」

勇者「え? あ、ほんとだ、人だかりができてる。なんかあったのかな?」



盗賊「……くそ」

勇者「盗賊が捕まったんだね。悪いことはできないなぁ」

安価「ほんとほんと」

村人「こいつはかなり手癖の悪い男でね。この辺りじゃ有名な盗賊なのさ」

盗賊「この縄解きやがれオラァ!」

安価「うわ、こわっ」

勇者「もうしばらくすれば王国の人が迎えに来て、投獄されるんだろうな」

安価「ふーん、えいっ!」キラキラ

勇者「ちょっ!?」



――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2


ジー……

3

2

1

盗賊『かあちゃん、はらへったー』

母『ごめんね……なにも食べるものがなくって……』



盗賊「えっ!?」

村人「な、なんだこれ……?」

勇者「この映し出されてる子供、この盗賊じゃない……?」

安価「あちゃー、やっちった」テヘッ

盗賊「おいその映像止めろーっ! やめてくれーっ!!」




30分後……


村人「この男に、こんな事情があったなんて……」シクシク

勇者「なんて悲劇的な生い立ちなんだ……」シクシク

安価「カルボナーラ食べたい」シクシク

盗賊「もういっそ殺してくれ……」シクシク

村人「仕方ない、こんな事情があるのなら、今回だけは見逃してやる」

勇者「おおっ、寛容ですね」

安価「人類皆兄弟だねっ」ブイ

勇者「安価ちゃんも役に立つことがあるんだね」

安価「あったぼーだよ! むしろ役にしか立たないよ!」





勇者「そういえば、なにか足りないと思ったら、仲間がいないじゃないか!」

安価「私は勇者のこと、仲間だと思ってるよ!」ブイ

勇者「ありがとう、でもそういう意味じゃない!!」

安価「仲間がほしいの?」

勇者「いや、べつにそういうわけじゃないけど、やっぱり先人たちの形を真似するのは大事かなって」

安価「ふーん。てりゃっ!!」キラキラ

勇者「ちょっ、余計なことしないで!?」


ーーーーーーーーーーーー

何が起こった?

↓ 2




安価「」ズバン

勇者「ちょっ!?」///

安価「うわおっ!」///

勇者「なにやってるの!? ほんとになにやってるの!?」

安価「うへへ、やっちった」テヘッ

勇者「もう! これ着なよっ!」

安価「さんくすさんくすっ」

勇者「これに懲りたら、余計なことはしないようにね!」

安価「ふあーい」





―――そこそこな街―――


安価「ねーねー、どっちがいいと思う?」

勇者「どっちでもいいと思うよ……」

安価「どっちも似合うってこと? きゃー!」

勇者「いいから早くしてよ! 服選ぶのにどんだけ時間かけてるのさ!?」

安価「そんなことよりカルボナーラ食べようよ!」

勇者「ちょっと前に焼きそば食べたでしょ! 夜まで我慢して!」

安価「ええー?」

勇者「まったく……ん? ねぇ安価ちゃん、ちょっと待ってて。あのお婆ちゃんの荷物が重そうだからさ」

安価「うん、金目のものが入ってるといいねっ」

勇者「運ぶのを手伝うんだよ!!」

安価「それなら私がなんとかしてあげるよ。えいっ!」キラキラ

勇者「うわーやめろぉ!!」



――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2




婆「……おやおや」フワッ

勇者「え?」

婆「ふぇっふぇっふぇ……ついに私にもお迎えが来たのかい」ヒューン

勇者「おばあちゃん!? おばあちゃんが空を飛んで……!」

婆「今行くよ、爺さん」キラーン

勇者「おばあちゃあああああああんっ!?」

安価「あーあ、行っちゃった」フリフリ

勇者「なにやってるの!? おばあちゃんをどこへやったの!?」

安価「お婆ちゃんが行きたいと思った場所にだよ。どこかは知らないけど」

勇者「ちゃんとこの世界にある場所だったらいいな……」

安価「あ、服はこれに決めた! よーし行こっか!」

勇者「……いいのかなぁ……」




安価「うわー見て見て勇者くん! わんちゃんだよ! ゲロマブだね!」

勇者「ほんとだ、可愛いね」

犬「なに見とんねんワレ」

安価「よしよし、かーわいいーねー!」ヨォーシヨシヨシヨシヨシヨシ

勇者「首輪が付いてないから、野良犬なのかな」

安価「え、じゃあ飼おうよ!」

勇者「どこで!? 僕たち魔王討伐の旅の最中なんだけど!?」

安価「ちぇー。じゃあ、えいっ!」キラキラ

勇者「これ以上被害者を増やさないで!?」


――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2




賢者「」バフンッ

勇者「えええっ!?」

賢者「え……あれ?」キョロキョロ

安価「うわお、人間になっちった」

勇者「この服装からして、賢者……? え、なんで?」

安価「これなら飼ってもいいでしょ!?」

勇者「飼うって表現はどうかと思うけど……」



>賢者が仲間になりたそうな目でこちらを見ている。

仲間になるか否か。賢者の性別年齢も。

↓+2 




勇者「うーん、安価ちゃんだけじゃ頼りないからなぁ……しょうがない、ちゃんと面倒見るんだよ?」

安価「うん! わーい、よろしくね賢者ちゃん!」

賢者「は、はぁ。こちらこそ」

勇者「とりあえずもう日が暮れそうだし、この街で休もうか」

安価「やった! カルボナーラ食べよーよっ!」ダッ

勇者「はいはい、わかったよ……賢者ちゃん、行こう」テクテク

賢者「は、はい」テクテク




安価「ねーねー店員さーん、このカルボナーラ、ベーコン少なくなーい? なくなくなーい?」

店員「す、すみません……」

安価「故障もちょっと多いしさー、カルボナーラを舐めてんじゃないのー?」

店員「もうしわけございません……」

勇者「安価ちゃん、どうしてキミは店員さんに対してそんなに尊大になれるんだい……?」

賢者「……食器」カチャカチャ

勇者「大丈夫? フォークはね、こうやって持つんだよ」

賢者「フォークは、こう」フムフム

安価「へいへい店長を呼びなよー。へいへーい」

勇者「安価ちゃんいい加減にして!? 周りのお客さんからの視線が痛いんだよ!」


―――翌日―――


>スライムがあらわれた!


勇者「よし、賢者ちゃん。キミの実力を見せてもらうよ」

賢者「頑張ります」フンス

安価「がんばー!」フリフリ

勇者「とりあえず、得意な方法でスライムを倒してみて」

賢者「じゃあ、魔法で……」

安価「いよっしゃー、私も手伝うよ!」キラキラ

勇者「うおおおおいっ!?」



――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2



安価「ん?」

安価『んん?』

安価「『おおーっ!? 私が増えたー!』」

勇者「うわあああああっ! 最悪な事態が発生しちゃった!! 手に負えねぇ!」

賢者「えいっ」ボッ

スライム「ピギー」ブシャァ

賢者「倒しましたっ」ドヤッ

勇者「ごめんみてなかった!! あまりに僕の視線を釘付けにする事態が発生したから!!」

賢者「……むぅ」シュン

安価「いやー私の美貌に瞳が釘づけだなんて、そんなそんなー」テレテレ

安価『いやー美しいってのは罪なことですなー、うへへー』テレテレ

勇者「うわー! いますぐ王国に戻ってクーリングオフしたい!!」




―――しがない森―――


安価「うっひょー! キレイな滝だねー! マイナスイオン吸いすぎて興奮してきた!!」ダッ

安価『泳ぐ!? 泳いじゃう!? よーし競争だー! 目指せ金メダル!』ダッ

勇者「泳がないでよ!? 絶対だからね!?」

賢者「水着、ないです」

勇者「泳がないって言ってるでしょ!?」

賢者「あ、ごめんなさい」シュン

安価「もー、勇者くんてはイケズなんだからー」

安価『こうなったら、えーい!』キラキラ

勇者「ぎゃあああっ! 増えたほうもソレできるんだ!?」



――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2




竜「」チャプッ

勇者「えっ」

安価「うわー、キレイな竜だね!」

安価『乗っけてもらおうよー!』

勇者「いやいやいや……!」

竜「……」ポワワワ…

勇者「……なんだかすごい心が癒されてきた……マイナスイオンの影響かな……」

賢者「あの竜は、人の心を癒すみたいです」

安価「よっしゃー泳ぐぞー!」ダッ

安価『おおーっ!』ダッ

勇者「癒されたけどそれはダメ!!」ガシッ




安価『んっ?』ザザッ…

安価『』シュン

安価「あれ! もう一人の私が消えちゃった!!」

勇者「よかったぁ! ずっとこのままだったらどうしようかと思ったっ!!」

安価「えー? 賑やかだし楽しかったのにー。ね、賢者ちゃん?」

賢者「え、あ、はい」

勇者「賢者ちゃんを毒さないで! まだこの子は純粋なんだから!!」

安価「それよりうどん食べようよ、うどん」

勇者「こんな森の奥で突然!? っていうか、安価ちゃんの麺類に対する並々ならぬ執念はなんなの!?」

安価「うりゃーっ!!」キラキラ

勇者「それやめてってばー!!」



――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2




安価「おおっ、焼きそばの屋台が出て来た!」

勇者「どうして今頃に焼きそば!? うどんじゃないんだ!?」

安価「いや、でもソースの焼ける匂いを嗅いだら食べたくなってきた! ねーねー勇者くん作ってー?」

勇者「なんで僕が……っていうかソースの匂いにつられて魔物がいっぱい集まってきたじゃんかー! もぉーっ!!」

賢者「えいっ」ボッ

スライム「ピギー」ボシュ

勇者「ありがとう賢者ちゃん! キミを仲間にしておいて本当に良かった!!」ザシュッ スバッ

安価「勇者くんは、キャベツの芯は入れる派? 入れない派?」

勇者「入れない派だよッ!!!!」ズババババッ

賢者「わっ、回転斬り」




安価「焼きそばパワーで、なんとか森を抜けきったね!」

勇者「くそぉ、くやしいけどすごく美味しかったね……」

賢者「はい、おいしかったです」

勇者「とりあえず疲れたから、あそこの街に入ろう」


衛兵「あ、ちょっと待ちなさい」


勇者「え?」

衛兵「今この街には、魔物騒ぎが起こっているんだ。入らないほうがいい」

勇者「そうなんですか? ご親切にありがとうございます」ペコッ

賢者「ます」ペコッ

安価「まーすっ」キラキラ

勇者「貴様ァ!!」




――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2




勇者「」ヒュンッ


兵士「なっ、誰だキミは!?」

勇者「……え?」

ドラゴン「グオオォォ」

勇者「えええっ!? なにこのドラゴン!?」

兵士「向こうの山の麓から、ドラゴンの子供が降りてきたようなんだ!」

ドラゴン「ゲェアア!!」バッ

勇者「うわあああっ!?」サッ

安価「あっ、あそこにいた! おーい勇者くーん! ファイトー!」

勇者「安価ちゃん、キミほんとになにやってんの!?」

ドラゴン「グォォオオ!!」

勇者「うぅ、戦うしかないか!」ダッ




勇者「ゼェ……ゼェ……」ボロッ

ドラゴン「キュゥ……」バタッ

兵士「す、すごい……子供とはいえドラゴンを1人で倒すとは」

安価「さっすが勇者くん、私の見込んだ男だネっ」ブイ

勇者「お、覚えてろよぉ……」ゼェゼェ

賢者「このドラゴン、どうするんですか?」

兵士「親ドラゴンに見つかる前に、さっさと処分してしまいたいものだな」

安価「ふむふむ、なるほどなるほど」キラキラ

勇者「うおおおおおおっ!?」



――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2





ドラゴン「ガウッ!!」ガバッ

勇者「うわ!?」

兵士「ああっ!?」

ドラゴン「キュウン」ペロペロ

勇者「……え?」

安価「わー、勇者くんに懐いちゃったみたいだね!」

勇者「ええっ!?」

兵士「……このままそのドラゴンを連れて行ってもらえると助かるんだが」

勇者「そりゃ街の外まで連れていくならいいですけど……」

賢者「……飼わないんですか?」

安価「飼おうよー!!」

勇者「ええー……?」



>ドラゴンが仲間になりたそうな目でこちらを見ている。

仲間にするか否か。

↓+2




勇者「……」

ドラゴン「ガウッ♪」ドシドシ

安価「うっひょー、ドラゴンに乗れば移動がらくちんだね! ドラゴンを仲間にしてよかったね、勇者くん!」

勇者「いいのかなぁ……これ」

賢者「動物は嫌いですか……?」シュン

勇者「いや、そういう問題じゃなくってさ……」

安価「っていうか、うどん食べてなかった! やばい! 食べなきゃ!!」

勇者「キミは本当に自由ですね?」

安価「あそこの村でうどんをせびろうよっ! そし、ドラちゃんレッツゴー!」

ドラゴン「ガウッ!」ドシドシ

勇者「あー、村人の寿命が縮むだろなぁ……」





安価「ねーねー、うどんまだー? おなかへったー」

ドラゴン「ガウッ」

村人「ひぃ! お、お待ちください、今すぐお持ちいたしますので……!」

勇者「これ脅迫だよね? そうだよね?」

安価「ちがうよぉ、ただドラゴンに乗りながら目の前まで近づいてお願いしただけだよー」

賢者「すごい怯えてました」

勇者「うん、そうだろうね。四捨五入したら脅迫だよね」

安価「へいへーい、早くうどんをもってこないと、どんどん面白いことが起こっちゃうぜーい」キラキラ

勇者「やめろォ!!」




――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2




大人ドラゴンs「グァァアア!!」バサッ バサッ


村人「うひぃいいい!?」ガタガタブクブク

勇者「ぎゃああああああああっ!! かつてない大惨事の予感!」

安価「あちゃー、やっちゃったね」テヘッ

賢者「この村、地図から消えちゃいますよ……?」

ドラゴン「グァッ!!」バサッ バサッ

勇者「ドラゴン!?」

安価「ドラちゃん、まさか説得に行ってくれたんじゃないかな?」

勇者「お願いドラゴン! せめて僕と賢者だけは助けて!!」

安価「ちょっ、私もね! 私もっ!!」フリフリ




勇者「安価ちゃんが麺類を食べたがる度に、悲惨なことが起こってる気がするよ……」

安価「まーまー、ドラちゃんが誘拐されたんじゃないって説得してくれて、どうにかなったんだから」ブイ

ドラゴン「グアッ♪」バサッ バサッ

賢者「ドラゴンちゃん、空飛べたんですね」

勇者「僕と戦ったばっかりで、さっきは疲れてたんじゃないかな」

安価「このまま魔王城までひとっ跳びできそうだねっ!」

勇者「まさか魔王も、ドラゴンに乗ってやってくるとは思わないだろうね……」




―――魔王城―――


側近「やれやれ、こうも城が広いと、用を足すにも一苦労ですな……」テクテク

側近「……おや、あれは……?」

側近「ドラゴンが、なぜ魔王城に飛んで……」

側近「ちょ、まさかっ―――!?」


ガッシャァァアアンッ


ドラゴン「グアッ!!」ドシン

安価「到☆着!!」ビシッ

勇者「賢者ちゃん、大丈夫?」スッ

賢者「はい、ありがとうございます」ニコッ

側近「なっ、なんですか貴方たちは!?」

安価「あやっべ! てやっ!」キラキラ

勇者「ちょっ!?」



――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2




バヂヂヂッ!!!!


魔王「何者だ、このワシを呼ぶ命知らずは……」バシュゥゥンッ


勇者「ぎゃあああああっ! 魔王来ちゃったーっ!?」

賢者「ううっ……」ゾクッ

ドラゴン「キュゥン……」ゾクッ

安価「ふっ、この私を罠にはめるとはね……」ゴクリ

勇者「違うでしょ!? これは10割方キミの自滅ッ!!」

側近「魔王様、こやつらは侵入者でございます!」

魔王「ほう……? さきほどのワシを呼んだ魔力といい、大した実力者がいると見える」

安価「いやぁ、そんなそんな……///」テレテレ

勇者「照れてないで、今こそキミの意味わかんない力でどうにかして!?」

安価「ペスカトーレが食べたいな」ブイ

勇者「帰ったら死ぬほど食べさせてあげるから!!」

安価「よっしゃー、へいへーい! 私に任せんしゃい!」キラキラ

魔王「ムッ?」



――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2



勢いで安価下にしちゃったけど、よく考えたらべつに魔王の下着散乱させても問題はなかった。




安価「とわーっ!」キラキラ

魔王「ムッ!? なんだ、これは……」

側近「魔王様!? いかがなさいましたか!?」

魔王「ふん、このワシを魅了にかけようとは、面白い小娘だ」

勇者「なにが起こってるのかさっぱりわからないけど、がんばれ安価ちゃん! あとひと踏ん張りだ!」

賢者「がんばって……!」

ドラゴン「ガウッ!」

安価「よっしゃ! もういっぱつ!!!」キラキラ




――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2





魔王「さぁ、次はどうくる?」

安価「はああああっ!!」キラキラ

勇者「ひぎゃああああああっ! すさまじい勢いで魔力が吸われていくぅぅぅ!?」シュゥゥゥ…

安価「おおっ、力がみなぎっていく……これが勇者くんの魔力! 私たち、やっと一つになれたんだねっ!」

勇者「こんな一方的な搾取を、夢のある言い方しないでッ……!」カラカラ

賢者「勇者さん、私の魔力をあげますっ!」パァァ

勇者「ありがとう賢者ちゃん! 本当にありがとうっ!! キミだけがこの世界で唯一の希望だ!」ポロポロ

安価「ふふふ、勇者くんと一つになって完全に覚醒した私を、今までと同じだと思わないことだね……」ゴゴゴゴゴ…

側近「今までって、まだ会って3分も経ってないのだが……」

安価「うっせ! はあああっ!!」キラキラ



――――――――――――

安価ちゃんはなにをやらかした?

↓+2





安価「はぁぁああああああっ……!!!!」バヂバヂバヂッ

魔王「そ、その魔力は……! ふん、このワシと魔法で張り合おうとはな!!」ゴゴゴゴゴッ

安価「私はここまで、たくさんの悲劇を見て来た! 魔王、あなたのせいでたくさんの人々が苦しんでいた!」

魔王「それがどうした、ワシは魔王! 虫けら共の叫びなど聞こえんわ!!」

安価「悲劇はここで終わりにする! この魔法は、勇者くんが最期に私へと託してくれた、希望の光だ!!」

魔王「くだらんっ! すべてを葬り去ってやろう!! はあああああああっ!!!」


安価「イオナズンッ!!!!」




ピッシャァァアアアンッ!!!!!





 「……ゃん……安価ちゃん!」


安価「っ!!」パチッ

勇者「よかった! 目を覚ましたんだね、安価ちゃん!」

安価「ここは……うっ」ズキッ

賢者「動いちゃだめです。いま回復してますから」パァァ

安価「勇者くん、どうして……だってキミはあの時、魔王の攻撃から私を庇って……!」

勇者「うん、安価ちゃんの中で、都合のいい感動的な記憶改竄が行われているのは知ってた」ニコッ

ドラゴン「ガウッ」ペロペロ

安価「ドラちゃん……はっ、魔王は!?」

勇者「魔王は……」チラッ


魔王「……クク……見事だ、勇者よ……」ボロッ

側近「……」プスプス


勇者「魔王が安価ちゃんの顔を見ながら勇者よって言ったのはさておくとして……」

賢者「魔王はもう、長くありません。私たちの勝ちです」

勇者「魔王城もご覧のとおり、安価ちゃんの極大魔法のおかげで消し飛んじゃったからね」

ドラゴン「ガウッ!!」

安価「そっか……私たち、勝ったんだね……!」ムクッ

勇者「起きて大丈夫なの?」

安価「賢者ちゃんのおかげでね。それに、早く王国のみんなに知らせないと」


魔王「」

側近「」


安価「魔王が死んだことで、魔王城を中心として空を覆っていた瘴気も晴れていくね……」

勇者「え、そんな設定あったっけ!?」



安価「よぉし、それじゃあ帰ろう! 王国へ!!」




―――王国―――


勇者「3年経ったね―――魔王を倒してから……そして、安価ちゃんが姿をくらませてから」

賢者「もうそんなになるんですね……。ドラゴンちゃんも、すっかり大きくなっちゃいました」

ドラゴン「キュゥン…」

勇者「まったく、調子に乗ってあんなよくわからない魔法を使いまくるから、消息不明になったりするんだよ……」

賢者「でもあの人なら、不思議とどこかで元気にやっているような気がします」

勇者「……そうだね。きっとどこかの誰かに、また迷惑をかけてるんだろうね」

ドラゴン「ガウッ!」

勇者「いたらいたら騒がしいけど、いなくなったら、それはそれで寂しくなっちゃうんだから、ほんとに困った子だよ」

賢者「勇者さん……」

勇者「さて、湿っぽい話はやめにして、そろそろお昼にしようか! そうだなぁ、ペスカトーレでも作ろうか!」

賢者「ふふっ、私もお手伝いします」


コンコン


勇者「ん? 誰か来たみたいだ」

 『頼もーう! ペスカトーレと聞いて駆けつけましたっ!! 頼もーうっ!!』

勇者「―――っ!!」

賢者「こ、この声って……!」

ドラゴン「ガウッ!!!」

勇者「まったく、連絡も寄越さないで失踪したと思ったら、ふらっと帰って来て勝手なこと言うなんて……」



勇者「なにやってるの、安価ちゃん!?」

安価「うっへへー、メンゴメンゴ♪」




 おしまい。





ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

なぜバレたのか皆目見当もつきませんが、たしかに私は正義感の強い人です。

今回はちゃんと終わらせられて一安心です。安価が優しくて助かりました。

それでは、またどこかのスレでお会いしましょう。ありがとうございました。

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