不殺オンライン【オリ】 (8)


※注意

 この物語は超低速です。

 よくある俺TUEEEE!!です。

 よくあるオンラインゲームの話です。

 よくある設定です。


 そして、よくいる主人公です。


 それでもおkな方はお読みください。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394997564


 とあるオンラインゲーム。

 そのゲームの僕のアカウントに届いたメールの内容は以下の通りだ。


題名:ひさしぶり!
名前:ヒメ
内容:

って、覚えてないかな?

一度、ダンジョンで助けてもらったヒメといいます。

チャットログからメールを出しました。

最近、君の噂で持ち切りだよ?

なんでレベル1のままなのかな?

今度会って理由を教えてほしいな。


お返事お待ちしております。ヒメ。



 まぁ、そのメールを僕が開くことはなかったので、どういう内容なのか最後まで知ることはなかったけど。

 僕が、ソロプレイヤーであり続けた僕がとある少女と冒険するのは、


 そのメールをもらった数日後のことである。


 不殺オンライン START...




 エターナル・ファンタジー・オンライン。

 センスの欠片もない名前のこのゲームは、なぜか日本で二番目に人気のあるオンラインゲームだ。

 豊富な職業、多様なイベント、結婚システム、キャラのカスタマイズなど、理由を挙げればきりがないが、


 何といっても、意識をオンラインに潜り込ませることのできるシステムがその人気の秘訣だろう。


 ちなみに第一位は戦争ゲームだから、実質このジャンルでは最も人気があるといえる。



 現在、世界中に1億人近くいるユーザーの中で、僕のいるこの第七階層まで訪れているプレーヤーは一万人だそうだ。

「つーか、第八階層はいつになったらいけるんだ?」

 攻略組の多くは第八階層に行くための条件を探って、毎日この第七階層を動き回っている。

 と言っても第七階層の開拓率は30%で、一万人のうち9割は最初の大陸から出られないでいた。


 第七階層最初の大陸を抜け出すための条件。


 それはおそらく“最初の大陸の魔物を一匹も殺さないこと”。


 多くのプレイヤーは新しい土地へ踏み込んだ瞬間、“目の前の魔物を片っ端から殺してアイテムを得る”ことを考える。

 そして、武器を作り防具を作り、町を探索しダンジョンを冒険する。

 その“冒険者として当然の行為”が、攻略を足止めする檻となっていた。


 一割の人間、僕を含む数十人のプレイヤーは最初の大陸で魔物を殺すことはなかった。

 他のプレイヤーがどうして殺さなかったのかは分からない。

 ただ、僕が殺さなかった理由ははっきりしている。


 それは、僕が縛りプレイが大好きだからだ。



 





『一度も敵を殺さずにこのゲームをクリアする』


 それが僕の掲げた目標であり、生きがいだ。

 幸い、パーティを組まない限り、同じ敵と戦っていても経験値の共有はない。

 だから、ボスを倒すことが条件の第五階層もクリアできた。

 平均レベル70を超す第七階層で、レベルが一桁なのは僕だけだった。いや、そりゃそうだろ。


 もちろん、目標をクリアするにあたって守らなければならないルールがある。


 一つ、戦闘不能にならない。

 一つ、課金しない。

 一つ、攻略サイトを見ない。


 これらのルールを破れば、それはレベルを上げたのと一緒だ。

 特に、一番最初のルールが極めてしんどい。



『ぐぉおおおおおっ!!』



 魔物が咆哮とともに武器を振り下ろす。

 僕は通常よりも多くのステップを踏んで距離をとる。

 大きな音とともにえぐれる地面。

 飛び散った岩が足に当たる。



残りHP10/15



  


 このゲームの売りであり僕の目標を邪魔するシステム。


 “リアル”。


 今のように飛び散った破片が体にぶつかったり、壁にぶつかったり、高いところから飛び降りたりすると、ダメージを受ける。もちろん、プレイヤー同士でぶつかってもお互いダメージを受ける。

 そのリアルさはプレイに緊張感を与え、より現実味のあるゲームへと昇華した。

 しかし、体力が15しかない僕にとっては飛び散った破片でさえ脅威であり、こと第七階層にいたっては敵の動きによる風圧さえもダメージになるのである。


(10はやばい。一度町へ帰ろう)


 僕は、道具袋を占領している帰還アイテムを使い戦闘を離脱した。

 一度でもまともに食らえば死ぬ僕にとって回復アイテムなど無意味なのだ。



 そして、第5階層に戻る。そこでは多くのプレイヤーであふれていた。



 異世界での生活を表現したこの階層には、ゲームを様々な形で楽しむ人々であふれていた。

 僕は、この階層が最も好きで、ホームタウンへと設定しているのだ。





 

いったんここまで。おやすみなさい。

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