シンジ「君だけは護ってみせる!!」(630)

エヴァのss

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ケンスケ「Mil55-D輸送ヘリ!こんなことでもなけりゃあ、一生乗る機会ないよ。まったく、持つべきものは友達って感じ!なぁ、シンジ!」

シンジ「え?」

ミサト「毎日同じ山の中じゃ息苦しいと思ってね、たまの日曜だから、デートに誘ったんじゃないのよ!」

トウジ「ええっ!?それじゃ、今日はほんまにミサトさんとデートっすか!?この帽子、今日のこの日のためにこうたんです?!ミサトさ?ん」

シンジ「で…どこに行くの…」

ミサト「豪華なお船で太平洋をクルージングよ!」

ケンスケ「おおーっ、空母が5、戦艦4、大艦隊だ!ほんと、持つべきものは友達だよなぁ!」

トウジ「これが…豪華なお船…?」

ケンスケ「まさにゴージャス!さすがは国連軍が誇る正規空母、オーバーザレインボー!」

シンジ「でっかいなあ…」

ミサト「よくこんな老朽艦が浮いていられるものね~」

ケンスケ「いやいや、セカンドインパクト前の、ビンテージものじゃないっすかぁ~?」





艦長「ふん…いい気なもんだ…オモチャのソケットを運んできよったぞ。ガキの遣いが!」

甲板

ケンスケ「おぉーっ!凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄すぎるーっ!!」

ケンスケ「男だったら涙を流すべき状況だね!これは!!」

ケンスケ「はぁーっ、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄~い……」

トウジ「待て!待たんかい!」

帽子「」ピュー

シンジ「ふぁ?あ…」

トウジ「くっそお…止まれ!止まらんかい!!」

帽子「」パサッ

トウジ「!!」パァァ

??「こんにちはミサトさん。お元気でしたか?」

ミサト「まっね~。貴女も背、伸びたんじゃない?」

??「はい!」

??「あっ、これ貴方のですよね?」 スッ

トウジ「お、おう…」

ミサト「紹介するわ。エヴァンゲリオン弐号機専属パイロット、セカンドチルドレン、霧島マナよ」

マナ「霧島マナで…」ピュー

マナ「キャ!!」バッ

トウジ「おぉ……」


マナ「うぅ……」

シンジ「えっと……大丈夫?」

マナ「え……えぇ…」

シンジ「その……あ、あんまり気にしない方がいいよ…」

マナ「気遣ってくれてありがと!えっと…貴方の名前は?」

シンジ「僕?僕は碇シンジです」

マナ「碇くん?ということは…」

ミサト「ええ。彼がエヴァンゲリオン初号機専属パイロットよ」

マナ「やっぱり!!」

マナ「これからよろしくね!碇くん!!」ギュッ

シンジ「う、うん…」

艦長「おやおや、ボーイスカウト引率のお姉さんかと思っていたが、それはどうやらこちらの勘違いだったようだな」

ミサト「ご理解いただけて幸いですわ、艦長」

艦長「いやいや、私の方こそ、久しぶりに子供たちのお守りができて幸せだよ」

ミサト「この度はエヴァ弐号機の輸送援助、ありがとうございます」

ミサト「こちらが非常用電源ソケットの仕様書です」 スッ

艦長「ハッ!大体この海の上であの人形を動かす要請なんぞ、聞いちゃおらん」

ミサト「万一の事態に対する備え…と理解していただけますか」

艦長「その万一の事態に備えて、われわれ太平洋艦隊が護衛しておる。いつから国連軍は宅配屋に転職したのかな?」

副長「某組織が結成された後だと、記憶しておりますが」

艦長「オモチャ一つ運ぶのにたいそうな護衛だよ。太平洋艦隊勢揃いだからな」

ミサト「エヴァの重要度を考えると、足りないくらいですが」

ミサト「では、この書類にサインを」

艦長「まだだ!エヴァ弐号機および同操縦者は、ドイツの第3支部より本艦隊が預かっている。君らの勝手は許さん!」

ミサト「では、いつ引き渡しを?」

副長「新横須賀に陸揚げしてからになります」

艦長「海の上は我々の管轄だ!黙って従ってもらおう」

ミサト「分かりました。ただし、有事の際は、われわれネルフの指揮権が最優先であることを、お忘れなく」

トウジ「かっこえぇ?」

シンジ「まるでリツコさんみたいだ…」

加持「相変わらず、凛々しいなぁ」

マナ「加持さん!」

加持「ども」

艦長「加持君!!君をブリッジに招待した覚えはないぞ!」

加持「それは失礼」

ミサト「では、これにて失礼します。新横須賀までの輸送よろしくお願いします」

トウジ「これがデートかいな!?」
ケンスケ「凄い、凄すぎる!!!」





艦長「チッ…子供が世界を救うというのか!?」

副長「時代が変わったのでしょう。議会もあのロボットに期待していると聞いてます」

艦長「あんなオモチャにか!?バカどもめ!そんな金があるなら、こっちに廻せばいいんだ!」


エレベーター

ミサト「なんであんたがここにいるのよ!!」

加持「彼女の随伴でね。ドイツから出張さ」

ミサト「迂闊だったわ!十分考えられる事態だったのに!!」

ミサト・シンジ「ちょっと!触らないでよ!!」

加持・トウジ「仕方ないだろ!!」

アナウンス「第3小隊は予定どおり発艦、到着の第7小隊は、第2デッキに上がってください」

加持「今、付き合ってる奴、いるの?」

ミサト「それがあなたに関係あるわけ?」

加持「あれ?つれないなぁ…」

加持「君は葛城と同居してるんだって?」

シンジ「えっ!?ええ…」

加持「彼女の寝相の悪さ、直ってる?」
マナ・トウジ・ケンスケ「えぇ?っ」

ミサト「なっ!なっ、なっ、何言ってるのよ!」

加持「相変わらずか?碇シンジ君」

シンジ「えっ、ええ…あれ?どうして僕の名前を?」

加持「そりゃあ知ってるさ。この世界じゃ、君は有名だからね。何の訓練もなしに、エヴァを実戦で動かしたサードチルドレン」

シンジ「いや、そんな…偶然です…」

加持「偶然も運命の一部さ。才能なんだよ、君の」





加持「じゃ、また後で」 ガタッ

シンジ「はい」

ミサト「冗談…悪夢よ、これは…」ブツブツ





加持「どうだ?碇シンジ君は」

マナ「とても優しい人ですね」

加持「そうだな。彼はとても優しい人間だ」

加持「しかも、エヴァンゲリオンの操縦もなかなかのもんだぞ」

マナ「そうなんですか?」

加持「ああ。なんせいきなりの実戦で、彼のシンクロ率は、40を軽く超えてるからな」

マナ「えっ!?」

マナ「それって…」

加持「普通ならありえない数字だ」

マナ「はい…」

加持「まあ、そんなことは気にしないでいいさ」

加持「多分彼もそんなことを気にされても嬉しくないだろうしな」

マナ「そうですよね…」

加持「ああ。ほら、彼の所に行ってみたらどうだ?シンジくんのこと気になるんだろう?」

マナ「そ、そんなことないですよぉ!!」

加持「ハハハ。ほら、行った行った」

マナ「もう…」スタスタ

加持「………」

加持「あの二人なら大丈夫そうだな…」




トウジ「しっかしいけ好かん艦長やったなぁ!」

ミサト「プライドの高い人なのよ。皮肉の一つも言いたくなるんでしょう」

シンジ「にぎやかで面白い人ですね。加持さん」

ミサト「昔からなのよ、あのぶゎーか!!」

マナ「碇くん!」

シンジ「ん?」

マナ「ねぇ、少し私と一緒にお散歩しよ?」

シンジ「う、うん…」

シンジ「へぇ~赤いんだ弐号機って」

マナ「うん!可愛いでしょ?」

シンジ「可愛い…かなぁ……?」

マナ「あっ!!碇くん、今絶対可愛くないって思ったでしょ!?」

シンジ「そんなことな…」

マナ「嘘ね」

シンジ「ご、ごめん…」

マナ「冗談だよ!流石にこの大きさで可愛いなんてないもんね」クスクス

シンジ「うん…まあね」クスリ

ドーン!!

シンジ「うわ!なんだ!?」

マナ「水中衝撃波よ!」

マナ「爆発が近いわ」バッ

シンジ「あれは!?」

ガギエル「」ズガン ズドン

シンジ「まさか…使徒!?」

マナ「あれが本物の!?」

シンジ「どうしよう!ミサトさんのところに戻らなくちゃ!」

マナ「ううん、ここで待機しましょう」

シンジ「でも!?」

マナ「ここにいた方が早くエヴァを動かせるじゃない?」

シンジ「確かにそうか…」





アナウンス「各艦、艦隊距離に注意の上、回避運動!」

副長「状況報告はどうした!」

無線「シンベリン沈黙、タイタス・アンドロニカス、目標、確認できません!」

艦長「くそぉ…何が起こっているんだ」

ミサト「ちわー、ネルフですが、見えない敵の情報と、的確な対処はいかがっすかぁ?」

艦長「戦闘中だ!見学者の立ち入りは許可できない!」

ミサト「これは私見ですが、どう見ても使徒の攻撃ですねぇ」

艦長「全艦任意に迎撃!」

ミサト「無駄なことを…」

加持「この程度じゃ、ATフィールドは破れない…か」

ミサト「しかし、なぜ使徒がここに…まさか、弐号機?」





シンジ「ちょっと!どこにいくのさ!?」

マナ「ちょっとお着替えだよ」

マナ「絶対覗いちゃダメだからね!」

シンジ「う、うん…」

マナ「絶対の絶対だからね?」

シンジ「わ、分かったよ」

マナ「私、碇くんのこと信頼してるからね?」スタスタ

シンジ「うっ…」





シンジ「なんで僕までプラグスーツに…」スタスタ

マナ「よく似合ってるよ」クスクス

シンジ「!?」バッ

シンジ「み、見た?」

マナ「えへへ」

マナ「ほら、行こう」

シンジ「え?」

マナ「エヴァに乗るの」

シンジ「でも、ミサトさんから許可が…」

マナ「もうこれ以上はマズイよ。全滅しちゃうよ」

シンジ「!?」

マナ「だから、一緒に乗ろうよ」

シンジ「う、うん」

ミサト「変ね…まるで何かを探しているみたい…」





加持「こんな所で使徒襲来とは、ちょっと話が違いませんか?」

ゲンドウ「そのための弐号機だ。予備のパイロットも追加してある。最悪の場合、君だけでも脱出したまえ」

加持「分かってます」

無線「オセロウより入電、エヴァ弐号機起動中!」

艦長「なんだと!?」

ミサト「ナイス、マナちゃん!」

艦長「いかん、起動中止だ、元に戻せ!」

ミサト「かまわないわマナちゃん、発進して!」

艦長「なんだと!?エヴァおよびパイロットは、我々の管轄下だ!勝手は許さん!」

ミサト「何言ってんのよ、こんな時に!段取りなんて関係ないでしょ!」

艦長「こら!」

副長「しかし、本気ですか?弐号機はB型装備のままです」

艦長・ミサト「えっ!?」

シンジ「海に落ちたらやばいんじゃない?」

マナ「落ちないようにしないとね」

ミサト「シンジ君も乗ってるのね!」
シンジ「はい!」

艦長「子供が2人…!」

ミサト「試せる…か?」

ミサト「マナちゃん、出して!」

シンジ「来た!!」

マナ「どこ!?」

シンジ「あっち!」

シンジ「あと58秒しかないよ!」

マナ「ミサトさん!もっとこちらに寄せて下さい!!」

ミサト「そんな時間はないわ!浮いている船を足場にして跳んできなさい!」

艦長「な、何を言っているだ!そんなことをしたら…」

マナ「そんなのダメです!!」

マナ「足場にした船の乗組員さんに被害がでてしまいます!」

ミサト「そんなことに構っている暇はないわ!早く!!」

マナ「もしかしたら死人も出てしまうかもしれないんですよ!!」

艦長「おお…」

マナ「使徒は私達で食い止めます!だから早く!!」

ミサト「でも…」

艦長「面舵いっぱい!目標オセロウ!!」

副官「聞いたか!?面舵いっぱいだ!!オセロウに接舷しろ!」

ミサト「どうして…」

艦長「セカンドチルドレンの考えに共感したまでだ。彼女は味方の被害を最小限に抑えようとしているんだからな」

艦長「我々はその誠意に応えようとしたまでだ」

ミサト「………」

艦長「ブリッジに外部電源を出しておけ」

乗組員「はっ!!」

シンジ「霧島さん。どうやって使徒を食い止める気なの?」

マナ「う~ん…」

マナ「そうだ!!」

シンジ「何か思いついたの!?」

マナ「うん!」

マナ「オセロウの艦長さん、聞こえますか?」

マナ「一つお願いしたいことが…」

トウジ「なんやなんや!?あの赤いやつ突然ピクリともせえへんようになったで?」

ケンスケ「電池切れか?」

ミサト「いや、まだ予備電源は生きているわ」

ミサト「……一体何をする気なの?」





マナ「いくよ、シンジくん?」

シンジ「うん。いつでもいけるよ」

マナ「じゃあ、始めよ?」

シンジ「うん!」

マナ「作戦開始して下さい!!」

オセロウ艦長「砲門全部開け!!」

オセロウ艦長「一発たりとも外すなよ!?」

オセロウ艦長「ってー!!!」ドンドンドン

ケンスケ「撃った!?」

ミサト「全く無駄なことを……」

ガギエル「!?」

ミサト「えっ…効いてる!?」

ミサト「どうして…」

副官「エヴァンゲリオン弐号機がATフィールドを中和しています!!」

艦長「ほう…」

マナ「頑張って碇くん!!」

シンジ「霧島さんも…頑張って!」

無線「敵影、オセロウから離れていきます!!」

艦長「よくやった!!早くオセロウに着けろ!」



マナ「ふぅ、間に合ったね」

シンジ「ヒヤヒヤしたよ」

マナ「ね!」

シンジ「それより、使徒の撃退はどうする?ATフィールドを中和して砲撃や雷撃をしても使徒はビクともしなかったし…」

マナ「う~ん…」

マナ「どうしようか?」

シンジ「どうしようかって…」

シンジ「武装は何があるの?」

マナ「プログナイフだけ」

シンジ「それだけなの!?」

マナ「うん、それだけだよ」

シンジ「それだけであの使徒をどうやって…」

マナ「あっ!いいこと考えた!!」

シンジ「ほんと!?」

マナ「うん!それはね………」

通信兵「弐号機より入電!」

艦長「なんと言ってる?」

通信兵「自分達がATフィールドを中和するから目標に向けて全艦一斉射撃をして下さいとのことです」

艦長「ふむ…何が作戦があるようだな」

通信兵「はい。それと……目標が本艦に向かう様に上手く追い立てて欲しいとも言っております」

艦長「………」

艦長「全艦に告ぐ!攻撃の合図に従って攻撃を開始しろ!細かい指示は作戦開始後に追って連絡する!!」

ミサト「一体…何を考えてるの……?」

ケンスケ「凄い!凄い!凄い!凄い!すっごーい!!!」

艦長「全艦、全砲門を開け!ってぇ~!!!」

ズドンズドンズドンズドン!!

ガギエル「!!!!!」

艦長「目標がコースを逸れるぞ!目標の右舷を狙え!!!」

艦長「そうだ!!気を抜くな!!次は左舷を狙え!!!」

ガギエル「!??」

艦長「よし、こっちに来たぞ!弐号機パイロット!!あとは任せるぞ!!」

マナ「分かりました!!では最後に目標の真下で爆発を起こして下さい!!」

艦長「機雷を点火しろ!!」ズドン!

ガギエル「!!!??」ザッパーン

ミサト「跳んだ!?」

マナ「いくよ碇くん!!」

シンジ「うん!」

マナ「いっけぇ!!!」ズバッ

トウジ「使徒を二枚におろしおった!?」

ミサト「ナイス!マナちゃん!!シンジくん!!」

シンジ「やった!!」

マナ「私達勝ったね!!」

シンジ「霧島さんのおかげだよ!霧島さんの作戦が上手く行ったんだから」

マナ「ううん。碇くんが私に合わせてくれなかったら多分負けてたもん」

マナ「それよりも……よかった…無駄な犠牲者が出なくて…」

シンジ「そうだね…」

シンジ「霧島さんって優しいんだね」

マナ「そんなことないよ」

シンジ「人のことをそこまで考えてあげられるじゃないか。やっぱり優しいよ」

マナ「そうかな?ありがと」ギュッ

新横須賀

リツコ「まさか使徒が飛び上がってくるタイミングに合わせてプログナイフを振り下ろすとはね…」

ミサト「ええ。しかもタイミングはドンピシャ。あの二人いいコンビになれるわ」

リツコ「そうね…」

リツコ「しかもシンクロ率の記録更新じゃない」

ミサト「たったの7秒間じゃ火事場の馬鹿力でしょ」

司令室

加持「いやはや、波乱に満ちた船旅でしたよ。やはり、これのせいですか?」

加持「既にここまで復元されています。硬化ベークライトで固めてありますが、生きてます。間違いなく」

加持「人類補完計画の要ですね」

ゲンドウ「そうだ。最初の人間…アダムだよ」

トウジ「ほんま、顔も性格もええ女やったな」

ケンスケ「まあ、俺たちはもう会うことは無いさ。残念だなぁ~」

トウジ「センセは仕事で会うことができるもんな」

ケンスケ「ズルいぞ、碇!!」

ガラガラガラガラ

トウジ・ケンスケ・シンジ「あっ!!」

マナ「霧島マナ…です。よろしくお願いします」

数日後

マナ「おはよう、碇くん」

シンジ「お、おはよう」

マナ「あれ?鈴原くん達とは一緒じゃないんだ?」

シンジ「うん…多分トウジとケンスケはは遅れて来ると思う」

マナ「そうなんだ~」

マナ「それじゃあさ、私と一緒に行こ?」

シンジ「えっ?あ、う…うん」

マナ「もしかして嫌だった?」

シンジ「そんなことないよ!」

シンジ「ただ、女の子と一緒に歩くなんてこと無かったから…」

マナ「碇くんってモテそうなのに以外!」

シンジ「モテたことなんて一度もないよ」

マナ「みんな見る目がないなぁ~」

マナ「そういえばさ、もう一人パイロットっているんだよね?」

シンジ「もう一人?綾波のこと?」

マナ「綾波さんって言うんだ」

シンジ「うん。多分綾波なら学校に行けば会えるよ。同じクラスだしね」

マナ「あんまり記憶にないなぁ」

シンジ「まあ、綾波は静かだからら」

マナ「分かった!それじゃ、行こ?」

シンジ「そうだね」





マナ「こんにちは、綾波さん。私は霧…」

レイ「霧島マナね」

マナ「あ、うん。よく知ってたね」

レイ「前に自己紹介してたから」

マナ「覚えててくれたんだ!」

レイ「ええ」

マナ「これからよろしくね!綾波さん」

綾波「………」

>>41 綾波「~→レイ「~

ネルフ本部

加持「少し、痩せたかな?」

リツコ「そう?」

加持「悲しい恋をしてるからだ」

リツコ「どうして、そんな事が分かるの?」

加持「それはね、涙の通り道にほくろのある人は、一生泣きつづける運命にあるからだよ」

リツコ「これから口説くつもり?」

リツコ「でも駄目よ、こわーいお姉さんが見ているわ」

ミサト「むぅぅ!」

リツコ「お久しぶり、加持君」

加持「やっ、しばらく」

リツコ「しかし加持君も意外と迂闊ね」

ミサト「こいつのバカは相変わらずなのよ!」

ミサト「あんた、弐号機の引き渡し済んだんならさっさと帰りなさいよ!」

加持「今朝、出向の辞令が届いてね。ここに居続けだよ」

加持「また三人でつるめるな。昔みたいに」

ミサト「誰があんたなんかと!!」

ブーブーブーブーブー

ミサト「敵襲!?」

青葉「警戒中の巡洋艦、榛名より入電!『ワレ、キイハントウオキニテ、キョダイナセンコウブッタイヲハッケン。データオクル』」

日向「受信データを照合…波長パターン青、使徒と確認!」

冬月「総員、第一種戦闘配置!」

ミサト「先の戦闘によって第3新東京市の迎撃システムは、大きなダメージを受け、現在までの復旧率は26%」

ミサト「実戦における稼働率はゼロと言っていいわ」

ミサト「したがって今回は、上陸直前の目標を水際で一気に叩く!」

ミサト「初号機ならびに弐号機は、交互に目標に対し波状攻撃、近接戦闘で行くわよ」

マナ・シンジ「了解!!」

マナ「頑張ろうね、碇くん!」

シンジ「うん。しっかりと合わせていこう」

マナ「は~い!」

シンジ「は、来た!!」

イスラフェル「」ザッパーン

マナ「いくよ、碇くん!!」ズダダダダダダダダ

イスラフェル「………」

ミサト「よし、怯んだ!!」

マナ「碇くん!コアを!!」

シンジ「分かった!!」ザクッ

イスラフェル「」

ミサト「よっしゃあ!!」

シンジ「やった…」

マナ「碇くん!後ろ!!」

シンジ「えっ!?」

イスラフェル乙「」

イスラフェル甲「」

ミサト「ぬぅあんてインチキ!!」バキッ







マヤ「本日午前10時58分15秒、2体に分離した目標甲の攻撃を受けた初号機は、駿河湾沖合い2キロの海上に水没、」

マヤ「同20秒、弐号機は目標乙の攻撃により活動停止。この状況に対するE計画責任者のコメント」

リツコ「無様ね」

マナ「………」

シンジ「………」

マヤ「午前11時3分をもって、ネルフは作戦の遂行を断念」

マナ「ごめんね、碇くん…もっと早く私が援護出来てたら…」

シンジ「いや、霧島さんのせいじゃないよ。敵を倒せたと思って油断してたのも僕だし…」

マヤ「国連第2方面軍に指揮権を譲渡」

冬月「まったく恥をかかせおって!」

マヤ「同05分、N2爆雷により目標を攻撃、」

冬月「また地図を書き直さなきゃならんな」

マヤ「構成物質の28%を焼却に成功」

冬月「しかしそれは足止めに過ぎん。再度侵攻は時間の問題だ」

加持「ま、建て直しの時間が稼げただけでも、儲けもんっすよ」





マナ「………怒られちゃったね」

シンジ「しょうがないよ」

シンジ「あの時僕が…」

加持「二人とも、お疲れ様」

シンジ「加持さん!」

加持「そんなに暗い顔をしてたっていいことないぞ」

シンジ「でも…」

加持「実際君達に責任は全くないんだからな」

加持「ほら、二人とも外に行くぞ。夕飯を奢ってやるよ」

シンジ「あの、ミサトさんは?」

加持「後片付け。責任者は責任取るためにいるからな」

リツコ「関係各省からの抗議文と被害報告書。で、これがUNからの請求書。広報部からの苦情もあるわよ」

ミサト「ふ?」

リツコ「ちゃんと目を通しておいてね」

ミサト「読まなくても分かってるわよ、喧嘩をするならここでやれ、って言うんでしょう?」

リツコ「ご明察」

ミサト「いわれなくったって、使徒が片付けばここでやるわよ」

ミサト「使徒は必ず私が倒すわ」

リツコ「副司令官はカンカンよ。今度恥かかせたら左遷ね、間違いなく」

ミサト「碇司令が留守だったのは不幸中の幸いだったけどさ」

リツコ「いたら即刻クビよ。これを見ることもなく、ね」

ミサト「で、私の首がつながるアイディア、持ってきてくれたんでしょ?」

リツコ「一つだけね」

ミサト「さっすが赤木リツコ博士、持つべきものは心優しき旧友ね?」

リツコ「残念ながら、旧友のピンチを救うのは私じゃないわ」

リツコ「このアイディアは加持君よ」

ミサト「加持の?」

シンジ「ただいま~って誰もいないか」ガチャン

シンジ「な、何だこれ!」

マナ「あれ?碇くん。どうしてここに?」

シンジ「霧島さんこそどうしてここにいるのさ!?」

マナ「わ、私はミサトさんにここにおいでって言われたから来たんだよ」

シンジ「そ、そうなんだ」

シンジ「ミサトさん、どうするつもりなんだろ…」

ミサト「それはね」

マナ・シンジ「ミサトさん!?」

ミサト「お帰りなさい。早速上手くやってるじゃない」

マナ・シンジ「何がですか?」

ミサト「今度の作戦準備」

マナ・シンジ「どうして?」

ミサト「第7使徒の弱点は1つ!」

ミサト「分離中のコアに対する二点同時の荷重攻撃、これしかないわ」

ミサト「つまり、エヴァ二体のタイミングを完璧に合わせた攻撃よ」

ミサト「そのためには二人の協調、完璧なユニゾンが必要なの」

ミサト「そ・こ・で、あなたたちにこれから一緒に暮らしてもらうわ」

シンジ「えっ!!?」

シンジ「そんなこと言ったって、男女で生活なんて…」

ミサト「使徒は現在自己修復中。第二波は6日後、時間がないの」

マナ「分かりました」

シンジ「霧島さん!いいの!?」

マナ「うん。碇くんとなら別にいいかなって思うしね」

シンジ「でも!!」

マナ「それとも、私とじゃ嫌?」

シンジ「そんなことは…ないけど…」

マナ「それじゃあ決定!よろしくね、シンジくん!!」

3日後

トウジ「しかし、シンジの奴どないしたんやろ?」

ケンスケ「学校を休んで、もう三日か」

トウジ「あれ?イインチョやんか」

ヒカリ「三バカトリオの二人…」

トウジ「なんでイインチョがここにおるんや?」

ヒカリ「霧島さんのお見舞い。あなたたちこそどうしてここに?」

ケンスケ「碇くんのお見舞い」

トウジ「なんでここで止まるんや?」

ケンスケ「なんでここで止まるんだ?」

ヒカリ「なんでここで止まるのよ?」 ピンポーン

マナ・シンジ「はーい!」 ガチャ

トウジ「う、う、裏切りも?ん!」

ケンスケ「またしても今時ペアルック、イヤ?ンな感じ!」

マナ・シンジ「こ、これは、日本人は形から入るものだって、ミサトさんが…」

ヒカリ「ふ、不潔よっ!二人とも!」

マナ・シンジ「誤解だよ!」

ヒカリ「誤解も六階もない!」

ミサト「あら、いらっしゃい」

トウジ「ん?これは、どういう事か、説明してください」





トウジ「そうならそうと、はよ言うてくれたらよかったのに」

ヒカリ「で、ユニゾンは上手くいってるんですか?」

ミサト「まあ、びっくりするくらい良く合ってるんだけど…」

ブー

ミサト「あんな感じに、要所要所で合わないのよね…」

ヒカリ「そうなんですか…」

マナ「どうしよう…なかなか合わないよ…」

シンジ「うん………」

ミサト「しょうがないか…」

ミサト「レイ。やってみて」

レイ「はい」





トウジ・ケンスケ・ヒカリ「おお!」

マナ「ひゃ…百点…」

ミサト「これは…レイと組ませた方が………」

マナ「!!?」ダッ ガチャン

シンジ「あっ!?」

ヒカリ「マナちゃん!!」

ヒカリ「い?か?り?く?ん!」
シンジ「はぁ?」

ヒカリ「追いかけて!」

シンジ「え?」

ヒカリ「女の子泣かせたのよ!責任取りなさいよ!」





マナ「……」グスッ

シンジ「あの…霧島さん?」

マナ「あっ…シンジくん…」ゴシゴシ

シンジ「…泣いてたの?」

マナ「……駄目だよね…こんな弱い子じゃ…」

シンジ「…………」

マナ「こんなのだから私は外されちゃうんだよね…」

マナ「もっと強くならないといけ…」

シンジ「いいんじゃないな?」

マナ「え?」

シンジ「弱いままでいいんじゃないかな?」

マナ「シンジ…くん?」

シンジ「お互いの弱いところはお互い補えばいいと思うんだ…」

シンジ「確かに僕も弱い人間だけど…」

シンジ「トウジやケンスケ。綾波やミサト達に助けて貰ってる…」

シンジ「確かに逃げ出したくなることはたくさんあるけど…」

シンジ「みんなが僕を助けてくれるから僕は今ここにいるんだ」

シンジ「だから、霧島さんも一緒に頑張ろうよ」

マナ「シンジくん…」

シンジ「僕も霧島さんとシンクロ出来る様に頑張るからさ。霧島さんも一緒に頑張ろうよ」

マナ「うん…」

シンジ「よかった。それじゃあ戻ろうか霧島さ…」

マナ「マナって呼んで?」

シンジ「え?」

マナ「マナって呼んでよ」

シンジ「でも…」

マナ「私もシンジって呼ぶからさ」

シンジ「…………」

マナ「お願い!!」

シンジ「分かったよ」

シンジ「それじゃあ……帰ろうか…マナ」

マナ「うん!」ギュッ

二日後

マナ「ミサトさんは?」

シンジ「仕事。今夜徹夜だってさ。さっき電話が」

マナ「じゃあ、今夜は私達二人だけなんだ?」

シンジ「まあ…」

マナ「それならさ、一緒に寝よっか?」

シンジ「えっ!!?」

マナ「別に一緒に寝るくらいならいいでしょ?」ニコッ

シンジ「でも…一応僕も男だし……」

マナ「シンジはそんな酷い事はしないのは知ってるよ?」

シンジ「…どうして?」

マナ「シンジって凄く優しいもん。人が傷付くことをする人には思えないから」

シンジ「マナ…」

マナ「でも、少しくらいエッチなことされても私は大丈夫だよ」

シンジ「へっ!?」

マナ「アハハ」クスクス

マナ「ほら、寝よっか。お休みシンジ!!」カチッ

シンジ「お、おやすみ…」

エレベーター内

ミサト「やっだ、見てる!」

加持「誰が?」

ミサト「誰って…」

チン ガラガラ

ミサト「もう、加持君とは何でもないんだから、こういうのやめてくれる?」

加持「でも、君の唇はやめてくれ、とは言わなかったよ」

加持「君の唇と君の言葉、どっちを信用したらいいのかな?」

ミサト「むぅぅ…」

リツコ「今度はもう少し素直になったら?8年前とは違うんだから」

ミサト「変わってないわ。ちっとも大人になってない」

ミサト「さぁ?て、仕事仕事!明日は決戦だもんねぇ?!」

葛城宅

シンジ(………)

マナ「」スウスウ

シンジ(………)

シンジ(無理だよ!こんなんじゃ寝れないよ!)

マナ「……シンジ………」ギュッ

シンジ「へっ!!?ま、マナ!!?」

マナ「」スウスウ

シンジ(ヤバイ!ヤバイってこれ!!)

マナ「んん………」ズリズリ

シンジ(そ、それは………)

マナ「温かい…………シンジ…」

シンジ(うわぁぁぁぁぁぁ!!!)



>>62>>63の間に入れて下さい


リツコ「はい」コトッ

ミサト「あ、ありがとう…」

リツコ「今日は珍しく素直じゃない?」

ミサト「う、うーん、ちょっち、ね…」

リツコ「仕事?それとも、男?」

ミサト「う…いろいろ」

リツコ「ふーん。まだ好きなのかしら?」

ミサト「ぶっ!変な事言わないでよ!誰が、あんな奴と!」

ミサト「はぁ…いくら若気の至りとはいえ、あんなのと付き合っていたなんて、我が人生最大の汚点だわ」

リツコ「私が言ったのは加持君が、よ。動揺させちゃった?」

ミサト「あんたねぇ?!」

リツコ「怒るのは図星を突かれた証拠よ」

翌日

青葉「目標は、強羅絶対防衛線を突破」

ミサト「来たわね、今度は抜かりないわよ」

ミサト「音楽スタートと同時にATフィールドを展開!後は作戦通りに。2人とも…いいわね?」

シンジ・マナ「了解!」

青葉「目標は、山間部に侵入」

マナ「シンジ、最初からフル稼動、最大戦速で行くよ!」

シンジ「分かってるよ。62秒でケリをつける」

青葉「目標、ゼロ地点に到達します!」

ミサト「外電源、パージ」

ミサト「発進!」

62秒後

マナ・シンジ「いっけぇぇぇぇぇぇ!!!」ドンッ

イスラフェル甲・乙「」チュドン

マヤ「パターン青消滅!」

ミサト「よっしゃあ!!」

リツコ「エヴァは?」

青葉「通信回復します」

マヤ「エヴァ両機確認!」

日向「両機損傷無し!」

ミサト「よくやったわ、二人とも!」

シンジ「勝った…」

マナ「やったぁ!!」

マナ「私達、上手く出来たよね?シンジ!!」

シンジ「うん。最高だったよ」

マナ「シンジありがと!!」

シンジ「何が?」

マナ「私と組んでくれてだよ!」

シンジ「ううん。僕もマナと組めて良かったよ」

マナ「ほんと!?」

シンジ「本当だよ」

マナ「私、嬉しい!!」

日向「この6日間でずいぶんと仲が良くなった様ですね」

マヤ「そうですね。なんだか見てて微笑ましいです」

ミサト「ええ……仲がいいのは申し分ないんだけど…」

ミサト(この調子で毎日イチャイチャされたら私が困るわ…)

ミサト「ほら、二人ともいつまでもじゃれ合ってないで帰投しなさい」

マナ「はーい!!」

シンジ「分かりました」

ミサト「はあ…」

ミサト(前途多難だわ…)

>>57ヒカリの台詞
い?か?り?く?ん!→い~か~り~く~ん!

数日後

繁華街

マナ「次はこっちに行こ?」

シンジ「分かったよ」

シンジ「って…ここ水着コーナーじゃないか!」

マナ「シンジ~これなんかどう?」

シンジ「えっ!?えっと…」

マナ「こっちは?」

シンジ「い、いいと…思うよ?」

マナ「ほんと!?じゃあ、これ着てみよ!!」

マナ「ちょっと待っててね!!」シャー

シンジ「ちょ…」





マナ「お待たせ~!」

シンジ「!?」

マナ「どう?似合うかしら?」

シンジ「い……いいと思う…から……早く上を…」

マナ「あ!紅くなってる!カワイイ~」

シンジ「………」

マナ「ねえねえ、どう思う?シンジ~」

シンジ「ま、マナはスタイルが凄くいいからなんでも似合うと思う…」

マナ「ほんと!?じゃあ、今着てるこのビキニ買ってくるね!」

シンジ「あ…うん」

マナ「楽しみだね~シンジ!」

シンジ「何かあったっけ?」

マナ「沖縄だよ、沖縄」

マナ「うちの学校の修学旅行は沖縄なんでしょ?」

シンジ「まあ…一応そうなんだけど…」

マナ「どうしたの?いきなり黙っちゃって」

シンジ「うん…多分パイロットは行かせて貰えないんじゃないかな?」

マナ「え~~~!!!」

マナ「私達行けないの!?楽しみにしてたのに!」

シンジ「多分だけどね」

マナ「じゃあさ」

シンジ「?」

マナ「もしも行けなかったら私とプールに行こうよ」

シンジ「ええ!?」

マナ「いいじゃん!せっかく水着も買ったんだし!!」

シンジ「そうだけど…」

マナ「お願い!!」ギュッ

シンジ「わ、分かったから抱きつかないで!!」

マナ「え~、いいじゃん」

シンジ「ま、周りの人達がこっち見てるって!!」

マナ「しょうがないな~はい」

シンジ「ふう…」

ネルフ

マナ「修学旅行に行っちゃ駄目なんですか?」

ミサト「そ」

マナ「戦闘待機だからですか?」

ミサト「ええ」

マナ「ちなみに誰が決めたんですか?」

ミサト「作戦担当の私が決めたの」

マナ「分かりました」

ミサト「あら?思ったよりも聞き分けがいいわね?」

マナ「もしもダメだったらシンジと二人でプールにいく事になってるんです」

ミサト「へぇ~」

ミサト「そうなの?シンちゃん」

シンジ「まあ…」

ミサト「シンちゃんも隅に置けないわね」ニヤニヤ

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト「冗談よ。二人で楽しんでいらっしゃい」

マナ「は~い!!」

マナ「ほら、行こ?シンジ」グイグイ

シンジ「うん」スタスタ

空港

ヒカリ「マナちゃん!お土産買ってくるからね!」

ケンスケ「あぁーっ、二人とも残念だったなぁ!」

トウジ「お前らの分まで、楽しんできたるわ、ナハハハハー!」

マナ「みんな、行ってらっしゃ~い」

マナ「じゃあシンジ 、私達は修学旅行の変わりに二人だけでプール行こ?」

シンジ「そうだね」

トウジ・ケンスケ「なっ!!!!!?」

マナ「ほら、見送りも終わったし早く行こうよ!」

シンジ「うん」

トウジ「こんの、裏切りもん!!!!!」

ケンスケ「羨ましすぎる!!!!」

マナ「鈴原くんと相田くん、凄い顔してたね」クスクス

シンジ「帰って来た時が怖いよ」

シンジ「へんな噂も立ちそうだし…」

マナ「へんな噂?」

シンジ「僕とマナがどうのこうのって」

マナ「詳しく言って」

シンジ「……僕とマナが付き合ってる……とか…」

マナ「別にいいよ」

シンジ「えっ!?」

マナ「私は別にいいけどな~シンジと付き合ってるって言われても」

シンジ「それは…どういう…」

マナ「ほら、早くプールに行こうよ!」タタッ

シンジ「あっ!待ってよマナ!!」

ネルフ

オペレータ「浅間山の観測データは、可及的速やかにバルタザールからメルキオールへペーストしてください」

マヤ「……」

日向「ヒヒ、イヒヒヒ………」ニヤニヤ

青葉「フフンフンフンフンフンギュ~ン♪」 ブンブン

リツコ「修学旅行?こんなご時世に呑気なものね」

ミサト「こんなご時世だからこそ、遊べるときに遊びたいのよ、あの子達」

プール

マナ「じゃーん!!どう?シンジ」

シンジ「似合ってるよ」

マナ「う~ん…昨日見せちゃったから新鮮味がなくなっちゃったな~」

シンジ「そんなことないよ」

マナ「そうかな?」

シンジ「うん」

マナ「ならいいんだ!ほら、あっちのプール行こうよ!」グイグイ

シンジ「うわ!分かったから引っ張らないでよ!!」

シンジ「マナ、体調は大丈夫なの?」

マナ「大丈夫…くちゅん!」

シンジ「嘘はよくないよ。寒い?」

マナ「ごめんね…ちょっと疲れたかも……」

シンジ「無理しちゃ駄目だよ。とりあえずサウナに行こう」

マナ「うん…」

シンジ「よっ…」ザバッ

シンジ「ほら、掴まって?」

マナ「えっ?あ、ありがと」ギュッ

シンジ「よいしょっと…」グイッ

マナ「………」

シンジ「どうしたの?」

マナ「あっ、ううん!何でもないの!!」

シンジ「そう?」

サウナ

シンジ「どう?まだ寒気はする?」

マナ「ううん。もう治まったよ」

シンジ「良かった。それならそろそろ出ようか」

マナ「うん!それじゃあ浮き輪を…」

マナ「うわぁ!」

シンジ「どうしたの!?」

マナ「割れそう…」

シンジ「本当だ」

シンジ「確かこうなる理由って理科でやったような…」

マナ「熱膨張じゃない?」

マナ「温めれば膨らんで大きくなるし冷やせば縮んで小さくなる、ってやつ」

シンジ「そうそれ!」

マナ「じゃあさ、私の場合は、胸だけ暖めれば、少しはオッパイが大きくなるのかなぁ?」

シンジ「そ、そんな事聞かれたって、わかんないよ!!」

マナ「あはは!シンジ紅くなってる」

シンジ「それはサウナが熱いから…」

マナ「見たい?」チラッ

シンジ「!?」ゴクリ

マナ「冗談だよ~」

シンジ「マナ!!」

マナ「流石に今は他の人がいるから無理だもん」

シンジ「………えっ?」

マナ「プールに戻ろ?シンジ」

シンジ「………分かったよ」

ネルフ本部

冬月「これではよく分からんな」

青葉「しかし、浅間山地震研究所の報告通り、この影は気になります」

冬月「もちろん無視はできん」

リツコ「MAGIの判断は?」

マヤ「フィフティーフィフティーです」

冬月「現地へは?」

青葉「すでに、葛城一尉が到着しています」

ネルフ本部

冬月「これではよく分からんな」

青葉「しかし、浅間山地震研究所の報告通り、この影は気になります」

冬月「もちろん無視はできん」

リツコ「MAGIの判断は?」

マヤ「フィフティーフィフティーです」

冬月「現地へは?」

青葉「すでに、葛城一尉が到着しています」

>>85繝溘せ

多分最初で最後の質問です

アスカを出した方がいいですか?

浅間山地震研究所

所員「もう限界です!」

ミサト「いえ…あと500、お願いします」

アナウンス「深度1200、耐圧隔壁に亀裂発生」

所員「葛城さん!」

ミサト「壊れたらうちで弁償します。あと200」

日向「モニターに反応」

ミサト「解析開始」

日向「はい」

アナウンス「観測機圧壊、爆発しました」

ミサト「解析は?」

日向「ぎりぎりで間に合いましたね。パターン青です」

ミサト「間違いない、使徒だわ」

ミサト「これより当研究所は完全閉鎖、ネルフの管轄下となります。一切の入室を禁じた上、過去6時間以内の事象は、すべて部外秘とします」

ミサト「碇司令当てにA-17を要請して!大至急!」

青葉「気をつけてください、これは通常回線です」

ミサト「分かっているわ。さっさと守秘回線に切り替えて!」

委員「A-17?こちらから打って出るのか?」

ゲンドウ「そうです」

委員「駄目だ、危険過ぎる!15年前を忘れたとは言わせんぞ!」

ゲンドウ「これはチャンスなのです。これまで防戦一方だった我々が、初めて攻勢に出るための」

キール「リスクが大きすぎるな」

ゲンドウ「しかし、生きた使徒のサンプル、その重要性は、すでに承知の事でしょう」

キール「失敗は、許さん」

冬月「失敗か…その時は人類そのものが消えてしまうよ。本当にいいんだな?」

ゲンドウ「………」

シンジ「これが使徒?」

リツコ「そうよ。まだ完成体になっていない蛹の状態みたいなものね」

リツコ「今回の作戦は使徒の捕獲を最優先とします。できうる限り原形をとどめ、生きたまま回収すること」

マナ「できなかったときはどうするんですか?」

リツコ「即時殲滅。いいわね?」

シンジ・マナ・レイ「はい」

リツコ「作戦担当者は…」

リツコ「マナちゃん。弐号機で担当して」

マナ「は~い!」

リツコ「シンジくんは初号機でバックアップ」

シンジ「はい」

レイ「私は?」

マヤ「プロトタイプの零号機には、特殊装備は規格外なのよ」

リツコ「レイと零号機には本部での待機を命じます」

レイ「はい」

リツコ「A-17が発令された以上、すぐに出るわよ。支度して」

シンジ・マナ「はい!」

某所

女「A-17の発令ね。それには現資産の凍結も含まれているわ」

加持「お困りの方も、さぞ多いでしょうな」

女「なぜ止めなかった?」

加持「理由がありませんよ。発令は正式なものです」

女性「でもネルフの失敗は、世界の破滅を意味する」

加持「彼らはそんなに傲慢ではありませんよ」

浅間山

シンジ「何ですか?あれ」

リツコ「UNの空軍が空中待機してるのよ」

マヤ「この作戦が終わるまでね」

マナ「手伝ってくれるんですか?」

リツコ「いいえ、後始末よ」

マヤ「私たちが失敗したときのね」

マナ「どういう事ですか?」

リツコ「使徒をN2爆雷で熱処理するのよ。私たちごとね」

マナ「えっ!?」

シンジ「そんな命令、誰が出すんですか!?」

リツコ「碇司令よ」

シンジ「…」

アナウンス「レーザー、作業終了」

アナウンス「進路確保!」

アナウンス「D型装備、異常無し!」

マコト「弐号機、発進位置」

ミサト「了解。マナちゃん、準備はどう?」

マナ「いつでもいいですよ」

ミサト「発進!」

マナ「現在、深度170、沈降速度20。各部問題なし。視界は…ゼロ。何にも分からないです。CTモニターに切り替えます」

マナ「これでも透明度120か…」

マヤ「深度、400、450、500、550、600、650」

マヤ「900、950、1000、1020、安全深度、オーバー」

マヤ「深度1300、目標予測地点です」

ミサト「マナちゃん、何か見える?」

マナ「反応なし、何もいないです」

リツコ「思ったより対流が早いようね」

日向「目標の移動速度に誤差が生じています」

ミサト「再計算、急いで。作戦続行。再度沈降、よろしく」

日向「えぇっ?」

マヤ「深度、1350、1400」

オペレータ「第2循環パイプに亀裂発生」

マヤ「深度、1480、限界深度、オーバー!」

ミサト「目標とまだ接触していないわ。続けて」

ミサト「マナちゃん、どう?」

マナ「まだ持ちそうです」

マナ「さっさと終わらせてシャワー浴びたいですよ」

マナ「近くにいい温泉があるわ。終わったら行きましょ。もう少しがんばって」

マナ「温泉があるんですか!?」

マナ「シンジ、一緒に入ろうね!!」

シンジ「いや、マナ…それは…」

ミサト「マナちゃん、今は作戦に集中して」

マナ「はーい!」

マヤ「限界深度、プラス120」

マナ「!?」 ガキン

オペレータ「エヴァ弐号機、プログナイフ喪失」

マヤ「限界深度、プラス200」

日向「葛城さん!もうこれ以上は!今度は人が乗っているんですよ!」

ミサト「この作戦の責任者は私です。続けてください」

マナ「大丈夫ですよ…まだいけます!」

マヤ「深度、1780。目標予測修正地点です」

マナ「………いた…」

日向「目標を映像で確認」

ミサト「捕獲準備」

リツコ「お互いに対流で流されているから、接触のチャンスは一度しかないわよ」

マナ「分かりました…」

日向目標接触まで、後サンマル」

マナ「相対速度2.2。軸線に乗りました」

マナ「電磁柵展開、問題なし」

マナ「目標、捕獲しました」

日向「はぁ?」

ミサト「ナイス、マナちゃん!」

マナ「捕獲作業終了。これより浮上します」

シンジ「マナ、大丈夫?」

マナ「うん。大丈夫だよ!ありがとう」

アスカ「でもこれじゃあプラグスーツと言うよりサウナスーツだよ。あぁ、早く温泉に入りたいなあ」

リツコ「緊張がいっぺんに解けたみたいね」

ミサト「そう?」

リツコ「あなたも今日の作戦、恐かったんでしょ?」

ミサト「まぁね。下手に手を出せば、あれの二の舞ですものね」

リツコ「そうね。セカンドインパクト。二度とごめんだわ」

マナ「えっ!?何ですかこれ!」

サンダルフォン「ンキャー」モゾモゾ

リツコ「まずいわ、羽化を始めたのよ。計算より早すぎるわ」

ミサト「キャッチャーは?」

マコト「とても持ちません!」

ミサト「捕獲中止、キャッチャーは破棄!」

ミサト「作戦変更、使徒殲滅を最優先、弐号機は撤収作業をしつつ戦闘準備!」

マナ「分かりました!でも武器が…」

サンダルフォン「」

マナ「正面!?バラスト放出!」

マナ「は、早い!」

アスカ「見失うなっちゃった…視界が悪いし…どうしよう…」

ミサト「マナちゃん!今のうちに初号機のナイフを落とすわ。受け取って!」

マナ「了解!」

サンダルフォン「」ギュンギュン

マナ「いや!まだなの、シンジ!」

シンジ「ウオォォォォ!」 ブンッ

オペレータ「ナイフ到達まで、後ヨンマル」

日向「使徒、急速接近中!」

マナ「嫌ぁ!来ないでぇ!」

弐号機「」パシッ ブンッ

サンダルフォン「」グワッ

マナ「えっ!?」

リツコ「まさか、この状況下で口を開くなんて!」

マヤ「信じられない構造です!」

マナ「う…ぐっ」

マヤ「左足損傷!」

マナ「耐熱処置!」

リツコ「高温高圧、これだけの極限状態に耐えているのよ。プログナイフじゃ駄目だわ」

日向「では、どうすれば?」

シンジ「そうだ!」

マナ「さっきの奴!」

マナ「いっけぇぇぇ!」 ブシュゥゥゥ

リツコ「なるほど、熱膨張ね!」

マナ「冷却液の圧力をすべて三番にまわして下さい!!早く!」

弐号機「」ブシュゥゥゥ

サンダルフォン「」パラパラパラパラ

マナ「やった…」

弐号機「」ブチブチブチブチ

マナ「せっかくやったのに…ごめんねシンジ、約束を守れそうにないよ…」

マナ「シンジィ!!」グスッ

シンジ「マナ、掴まって!!!」ガシッ

マナ「……シンジ…?」

マナ「バカ、無理しちゃって…」

マナ「ありがとう…シンジ

>>85>>89ミスです

深夜

温泉宿

マナ「ねえ、シンジ起きてる?」コンコン

シンジ「どうしたの?マナ。こんな遅くに」

マナ「温泉に入らない?」

シンジ「さっき入ったけど…それに、マナもミサトさんと入ってたよね?」

マナ「そうじゃなくてさ…」

マナ「一緒に入ろうよ」

シンジ「一緒に!?」

マナ「うん…一緒に……入ろ?」

シンジ「でも………」

マナ「お願い!」

シンジ「分かったよ…」

露天風呂

シンジ「……入るよ?」

マナ「どうぞ」

シンジ「………」ガラガラ

シンジ「なっ!?裸!!?」

マナ「お風呂では普通裸でしょ?」

シンジ「そ、そ、そうだけど、今は!」

マナ「ほら、シンジもタオル取って」バサッ

シンジ「あっ!?」

シンジ「マナ!!」

マナ「お互い裸なんだから恥ずかしがらないでいいよ」

シンジ「そんなこと言ったって!」

シンジ「マナは恥ずかしくないの?」

マナ「…………」

マナ「恥ずかしいよ…」

マナ「でも、シンジは命をかけて私を助けてくれたんだよ?」

マナ「命をかけることに比べたらこれくらいなんてことないよ」

シンジ「だからって…どうして…」

マナ「私がシンジを好きだからだよ!」

マナ「好きな人のために尽くしたい…愛されたい…添い遂げたい…」

マナ「私はそう思うんだ…」

マナ「だから私はこんなことをしてるんだよ」

マナ「大好きな人に尽くしたいから…」

シンジ「マナ…」

マナ「変な話をしちゃってごめんね」

マナ「そんなことより身体を洗って湯船に入ろうよ」

シンジ「………うん…」

シンジ「………」ゴシゴシ

マナ「…………」ゴシゴシ

シンジ「…………」

マナ「…………」

シンジ「…………」

マナ「…………」

シンジ「あのさ…本当に良かったの?」チャプン

マナ「うん」

マナ「ねえ、シンジ」

シンジ「ん?」

マナ「助けてくれて本当にありがとう」

マナ「もしもシンジがあの時に助けてくれなかったら、私絶対に死んじゃってた」

マナ「実はさ、死んじゃうって思った時に真っ先に思い浮かんだのはシンジだった」

マナ「そして、もう一目だけでもシンジと会いたかったと思ったんだよ」

マナ「それくらい、私の中のシンジの存在が大きくなってる」

マナ「やっぱり私はシンジのことが大切なんだね…」

マナ「ううん……愛してる…」

シンジ「どうして…どうしてマナはそんなに僕の事を?」

マナ「それはね…」

マナ「シンジが優しかったからかな?」

マナ「初めて会った日から今まで私の事を気にして大切にしてくれたよね?」

マナ「それに、私のわがままにも文句一つ言わずに付き合ってくれた」

マナ「多分シンジは自覚ないかもしれないけど、本当にシンジは優しいの」

シンジ「そうかな?」

マナ「うん!」

マナ「例えばさ…ユニゾンの訓練の時も、私を追いかけて来てくれて励ましてくれたよね?」

マナ「実はね、あの時私は凄く嬉しかったんだよ?」

マナ「多分シンジが励ましてくれてなかったら立ち直れなかったかもしれない」

マナ「だけど、シンジのお陰でもっと頑張ろうって気になれた」

マナ「私の全てはシンジなんだよ」

シンジ「あのさ……」

マナ「?」

シンジ「僕はさ…マナの気持ち…凄く嬉しいんだ」

マナ「えっ!?」

シンジ「でもさ、だからこそお願いしたいことがあるんだ」

マナ「………」

シンジ「もしも僕に危険が迫っても絶対にマナが傷付くようなことはしないで欲しい」

シンジ「僕はマナを傷つけたくないから」

シンジ「そして、僕のせいで大事な人を失うのは嫌なんだよ」

マナ「…………」

シンジ「お願いだ。約束して」

マナ「……分かった」

マナ「でも意外だったな」

シンジ「何が?」

マナ「シンジが私のことをそう思ってくれていたなんて」

シンジ「うぁ………」カアア

マナ「その言葉を聞けただけで凄く嬉しいよ」

シンジ「うん……」

マナ「そろそろあがろうか?」

シンジ「そうだね」スッ

マナ「あ、ちょっと待って!」

シンジ「どうしたの?」

マナ「最後にもう一度言わせて」

マナ「……」ギュウウ

シンジ「マナ!?」

マナ「ありがと…シンジ。私、シンジのこと愛してるよ…」

シンジ「…僕もだよ……」

マナ「……うん…」


数日後

子供「わーい、当たった当たったぁ?!」

リツコ「これじゃあ毎回のクリーニング代もバカにならないわね」

マヤ「せめて、自分でお洗濯できる時間くらい、欲しいですね」

青葉「家に帰れるだけ、まだマシっすよ」

リツコ「あら、副司令」

リツコ「おはようございます」

マヤ・青葉「おはようございます!」

冬月「ああ、おはよう」

リツコ「今日はお早いです
ね」

冬月「碇の代わりに上の町だよ」

リツコ「ああ、今日は評議会の定例でしたね」

冬月「下らん仕事だ。碇め、昔から雑務はみんな私に押し付けおって…MAGIがいなかったらお手上げだよ」

リツコ「そう言えば、市議選が近いですよね。上は」

冬月「市議会は形骸に過ぎんよ。ここの市政は事実上MAGIがやっとるんだからな」

マヤ「MAGI?3台のスーパーコンピューターがですか!?」

冬月「3系統のコンピュータによる多数決だ。きちんと民主主義の基本に乗っ取ったシステムだ」

マヤ「議会はその決定に従うだけですか?」

冬月「最も無駄の少ない、効率的な政治だよ」

マヤ「さすがは科学の町、まさに科学万能の時代ですね!」

青葉「ふーるくさいセリフ」

冬月「そう言えば、零号機の実験だったかな、そっちは」

リツコ「ええ、本日ヒトマルサンマルより第2次稼動延長試験の予定です」

冬月「朗報を期待しとるよ」

リツコ「実験中断、回路を切って!」

マヤ「回路切り替え」

オペレータ「電源、回復します」

リツコ「問題はやはりここね」

マヤ「はい、変換効率が理論値より0.008も低いのが気になります」

オペレータ「ぎりぎりの計測誤差の範囲内ですが、どうしますか?」

リツコ「もう一度同じ設定で、相互変換を0.01だけ下げてやってみましょう」

マヤ「了解」

リツコ「では、再起動実験、始めるわよ」

エレベーター

加持「おーい、ちょいと待ってくれぇ?!」

ミサト「………」ポチッ

加持「」ガシャ

ミサト「チッ…」

加持「イヤー、走った走った!こんちまたご機嫌斜めだねぇ」

ミサト「来た早々、あんたの顔見たからよ!」

オペレータ「はい、しばらくお待ちください」

ゲンドウ「なんだ?」

シンジ「あ、あの…父さん…」

ゲンドウ「どうした!早く言え!」

シンジ「あぁ…あの…実は今日、学校で進路相談の面接があることを父兄に報告しとけって、言われたんだけど…」

ゲンドウ「そういう事はすべて葛城君に一任してある。下らんことで電話をするな。こんな電話をいちいち取り次ぐんじゃな」 ブチッ

シンジ「ん?」

ミサト「あら?」

加持「停電か?」

ミサト「まさか、ありえないわ」

ミサト「変ねぇ、事故かしら?」

加持「赤木が実験でもミスったのかな?」

マヤ「主電源ストップ、電圧、ゼロです」

オペレータ達「…」

リツコ「あ、あたしじゃないわよ…」

加持「どうだろうなぁ」

ミサト「でもまぁ、すぐに予備電源に切り替わるわよ」

シゲル「だめです、予備回線に繋がりません」

冬月「バカな!生き残っている回線は!」

職員「全部で1.2%、2567番からの9回線だけです!」

冬月「生き残っている回線はすべてMAGIとセントラルドグマの維持に廻せ!」

シゲル「全館の生命維持に支障が生じますが…」

冬月「かまわん!最優先だ!」

>>125シゲル「~→青葉「

ネルフ本部

リツコ「とにかく、発令所へ急ぎましょ。7分たっても復旧しないなんて…」

ミサト「ただ事じゃないわ」

加持「ここの電源は?」

ミサト「正・副・予備の3系統、それが同時に落ちるなんて、考えられないわ!」

加持「となると…」

ゲンドウ「やはり、ブレーカーは落ちたと言うより落とされた、と見るべきだな」

冬月「原因はどうであれ、こんな時に使徒が現れたら大変だぞ」

地上

マナ「それはシンジくんのお父さんが、本当に忙しかっただけじゃないのかな?」

シンジ「そっかなぁ…途中で切ったって言うより、なんか故障した感じだったんだけど」

マナ「何かあったのかなぁ?」

シンジ「あれ?」 シュッ

レイ「?」 シュッ

マナ「どうしたの?」 シュッ

マナ「あれ?」シュッシュッ

マナ「壊れてるのかな?」

シンジ「みたいだね」

司令官「統幕会議め、こんな時だけ現場に頼りおって!」

高官A「政府は何と言ってる?」

高官B「フン、第2東京の連中か?逃げ支度だそうだ」

隊員「使徒は依然健在、進行中」

司令官「とにかく、ネルフの連中と連絡を取るんだ」

高官A「しかし、どうやって?」

高官B「直接行くんだよ」

アナウンス「こちらは第3管区航空自衛隊です。ただいま正体不明の物体が本書に対し移動中です。住民の皆様は速やかに指定のシェルターに避難してください」

日向「ヤバイ!急いで本部に知らせなきゃ!

日向「でもどうやって…」

選挙カー「こういった非常時にも動じない、庵野、庵野秀明をよろしくお願いいたします!」

日向「…!?ラッキー!」

エレベーター

ミサト「それにつけても暑いわねぇ…」 パタパタ

加持「空調も止まってるからねぇ。葛城、暑けりゃシャツくらい脱いだらどうだ?今更恥ずかしがることもないだろう?」

ミサト「こういう状況下だからって、変なこと考えないでよ!」

加持「へいへい」

司令部

リツコ「まずいわね、空気が淀んできたわ…はぁ…これが近代科学の、粋を凝らした施設とは…」

マヤ「でも、さすがは司令と副司令、この暑さにも動じませんね」

冬月「……ぬるいな」

ゲンドウ「ああ…」

ウグイス嬢「当管区内における非常事態宣言に伴い緊急車両が通ります…って、あの、行き止まりですよぉ!」

マコト「いいから突っ込め!なんせ非常時だからなぁ!」

運転手「リョーカイッ!」

ウグイス嬢「いやぁ、もう止めてぇ!」

冬月「このジオフロントは外部から隔離されても自給自足できるコロニーとして作られている。そのすべての電源が落ちると言う状況は、理論上はありえない」

リツコ「誰かが故意にやったと言うことですね」

ゲンドウ「おそらくその目的はここの調査だな」

リツコ「復旧ルートから本部の構造を推測するわけですか」

冬月「シャクな奴等だ」

リツコ「MAGIにダミープログラムを走らせます。全体の把握は困難になると思いますから」

ゲンドウ「頼む」

リツコ「はい」

冬月「本部初の被害が使徒によるものではなく、同じ人間にやられたものとは、やり切れんな」

ゲンドウ「所詮、人間の敵は人間だよ」

マナ「こっちかな?どうかな?綾波さん」

レイ「大丈夫」

マナ「凄いね、綾波さんはさ」

レイ「どうして?」

マナ「全ての道を覚えてるなんて凄いよ」

レイ「全てじゃないわ」

マナ「それでも、施設の殆どは知ってるんでしょ?」

レイ「ええ」

レイ「黙って」

マナ「どうしたの?」

レイ「人の声よ」

マナ「?」

日向「使徒、接近中!使徒、接近中!」

マナ・シンジ「日向さんだ!おーい!」

日向「使徒、接近中!繰り返す、現在、使徒、接近中!」

マナ・シンジ「使徒接近!?」

レイ「時間が惜しいわ。近道しましょう」

マナ「綾波さん凄~い!!こんなところ知ってるんだ!?」

レイ「…昔からここにいるから……」

マナ「へぇ~そんなに長いんだ! ?」

レイ「ええ…」

マナ「私、綾波さんを尊敬しちゃうよ!」

レイ「どうして?」

マナ「だって、こんなところまで知ってるなんて普通出来ないもん!」

レイ「……そう…」

マナ「あ、次はどっち?」

レイ「右」

シンジ「マナ」

マナ「ん?どうかした?シンジ」

シンジ「いや、何でもないよ」

シンジ「べつに今話さないといけないわけじゃないんだけどさ」

マナ「なになに?」

シンジ「ねぇ、使徒って何なのかなぁ?」

マナ「う~ん…考えた事がなかったかも」

シンジ「使徒…神の使い。天使の名を持つ僕らの敵。なんで戦うんだろう?」

マナ「多分……私たちが生き残るためには倒さないといけないんだと思う…」

マナ「共存は出来ないんだろうね」

シンジ「そうなのかな…?」

マナ「確証はないけど、私はそう思うな…」

シンジ「うん…」

シンジ「あれ?ここで道が二つに別れてるよ?」

マナ「綾波さん、どっちかわかる?」

レイ「いえ…」

マナ「そう?それじゃあ、とりあえず右に行ってみようよ。そして駄目ならここまで戻るの」

シンジ「僕はそれでいいよ。綾波は?」

レイ「私もそれでいいわ」

マナ「じゃあ、行こっか」

シンジ「うん」

シンジ「なんか上り坂になってきたね」

マナ「うん…本部が上にあるわけないし、一旦戻ろうか?」

シンジ「そうだね」

マナ「それじゃあ、戻…」

レイ「待って」

シンジ「どうしたの?綾波」

レイ「ドアが見えて来たわ」

マナ「ほんとだ!」

シンジ「開けるよ?」ギィィ~

マトリエル「」コンニチハ

マナ「キャッ!!!」

シンジ「ッ!!!?」バタン

マナ「怖かったよぉ…」ブルブル

シンジ「早くミサトさんのところに行かなきゃ!!」

日向「現在、使徒接近中!直ちにエヴァ発信の要有りと認む!」

マヤ「大変!!」

ゲンドウ「冬月、後を頼む」

冬月「碇!」

ゲンドウ「私はケイジでエヴァの発信準備を進めておく」

冬月「まさか…手動でか?」

ゲンドウ「緊急用のディーゼルがある」

冬月「しかし…」





作業員s「よーいしょ、よーいしょ、よーいしょ、よーいしょ!」

作業員「了解、停止信号プラグ、排出終了」

ゲンドウ「よし、3機ともエントリープラグ挿入準備」

作業員「しかし、いまだにパイロットが!」

リツコ「大丈夫。あの子達は必ず来るわ」

マナ「シンジ、前見ちゃ駄目だからね」ゴソゴソ

シンジ「え?」 バッ

マナ「あぁ!見ちゃ駄目だよぉ~!今日あんまり可愛いの履いてないから見られたくなかったのに!」

シンジ「ご、ごめん!!」 ガタン

シンジ・マナ「えっ!?」

シンジ・マナ「わぁーっ!」 ドシン

シンジ・マナ「イタタタタ…」

リツコ「あんたたち!」

マナ「あれ?リツコさん?」

ゲンドウ「各機、エントリー準備!」

作業員「了解、手動でハッチ開け」

シンジ「エヴァは?」

リツコ「スタンバイできてるわ」

シンジ「何も動かないのに…?」

リツコ「人の手でね。司令のアイディアよ」

シンジ「父さんの?」

作業員&ゲンドウ「ふぬーっ!ふぬーっ!ふんぬーっ!!」

リツコ「碇司令は、あなたたちが来ることを信じて、準備してたのよ」

>>134 マコト「~→日向「~

マヤ「プラグ挿入」

リツコ「全機、補助電源にて起動完了」

ゲンドウ「第一ロックボルト、外せ」

作業員「2番から32番までの油圧ロックを解除」

マヤ「圧力ゼロ、状況フリー」

ゲンドウ「構わん。各機実力で拘束具を除去、出撃しろ!」

日向「目標は直上にて停止の模様!」

リツコ「作業、急いで!」

オペレータ「非常用バッテリー搭載完了!」

リツコ「よし、行けるわ!」

リツコ「発進!」


レイ「縦穴に出るわよ」

マナ「私が先に行くね」

マトリエル「」デロデロデロデロ

マナ「!?」

レイ「いけない、よけて!」 ドン

マナ「キャッ!」ガシャン

シンジ「うわ!」

レイ「目標は、強力な溶解液で本部に直接侵入を図るつもりね」

シンジ「どうしようか?」

マナ「ライフルは落としちゃったよ?」

シンジ「でも、ライフルがないと…」

レイ「作戦ならあるわ」

マナ「作戦?」

レイ「ここにとどまる機体がディフェンス。ATフィールドを中和しつつ敵の溶解液からオフェンスを守る」

レイ「バックアップは下降。落ちたライフルを回収しオフェンスに渡す。そしてオフェンスはライフルの一斉射にて目標を破壊」

レイ「これが一連の作戦」

シンジ「いいよ、それでいこう」

シンジ「フォーメーションだけど…」

レイ「ディフェンスは私が…」

マナ「私がやる」

シンジ「そんな、危ないよ」

マナ「ううん、私がやる。今度は私がシンジを助ける番だよ」

シンジ「でも…」

マナ「お願いシンジ、私を信じて!」

シンジ「分かった…」

マナ「それとさ、この作戦が終わったら抱きしめてね」

シンジ「…うん」

レイ「作戦を始めるわよ」

レイ「弐号機の人がディフェンス、碇くんがオフェンス、私がバックアップ」

シンジ「分かった」

マナ「それじゃあ、いくよ?スタート!!」ダッ

マトリエル「」ダラダラダラダラ

マナ「ウグッ!!?うぅぅぅぅぅぅぅ!」ジュワッ

シンジ「マナ!!」

マナ「大……丈夫だから………早く……」

シンジ「綾波ぃ!!早く!!」

レイ「受け取って、碇くん」ヒュッ

シンジ「マナ!離れて!!!」パシッ

マナ「うん!!!」バッ

シンジ「いっけぇぇぇ!!」ズダダダダダダダ

マトリエル「」ズドン

シンジ「よし!」





シンジ「マナ!!大丈夫!?」

マナ「うん…なんとか」

シンジ「怪我とかはないよね!?」

マナ「うん」

シンジ「よかった…」ギュッ

マナ「シンジ…約束……守ってくれたね…」

シンジ「えっ!?あっ!!」

青葉「」ニヤニヤ

マヤ「」ニヤニヤ

レイ「」

日向「」ニヤニヤ

リツコ「っほん…二人とも、早く控え室で着替えなさい」

シンジ「は……はい!!」バッ

マナ「あっ、シンジ…」

レイ「…………私も…」ボソッ

ミサト「も?ぅ!!何で開かないのよ?!!非常事態なのよ?!!はぁっ、もう、漏れちゃう!!」

加持「………」

ミサト「こら、もう!上見ちゃ駄目、って言ってるでしょ!!」

加持「はいはい…お?」 ガタッ

ミサト「やだ、ちょっと!」

加持「おっとっと!」

ウィーン

リツコ「…」

マヤ「…不潔」

シンジ「電気…人工の光が無いと、星がこんなに綺麗だなんて、皮肉なもんだね」

マナ「うん…本当に綺麗……」

シンジ「でも、人工の光がないと少し怖いかもね」

マナ「そうだね~」

チカチカ

シンジ「やっぱりこっちの方が落ち着くね」

レイ「人は闇を恐れ、火を使い、闇を削って生きてきたわ」

シンジ「だから人間って特別な生き物なのかな?だから使徒は攻めてくるのかな?」

マナ「どうなんだろうね。私には分からないや」

数日後

トウジ「済まんなぁ、シンジ、雨宿りさせてもろて」

ケンスケ「ミサトさんは?」

シンジ「まだ寝てるのかなぁ。最近徹夜の仕事が多いんだ」

トウジ「あー、大変な仕事やからなぁ」

ケンスケ「ミサトさんを起こさないように、静かにしていようぜ、静かに!」

トウジ・ケンスケ「シィーッ!」

マナ「あっ!こんにちは、鈴原くん、相田くん」

マナ「今日は二人とも遊びに来たの?」

シンジ「いや、雨宿りだよ」

マナ「そうなんだ。確かに雨強いもんね」

シンジ「二人にシャワーを貸してあげようと思うんだけど、いいかな?」

マナ「いいよ~」

マナ「あっ、でも…私、先に使っちゃった…」

シンジ「二人とも大丈夫だよね?」

トウジ「お、おう…」

ケンスケ「霧島が嫌じゃなければ俺らは大丈夫だけど…」

マナ「私は大丈夫。二人とも早めにシャワー浴びて温まった方がいいよ」

マナ「シンジも風邪を引かないように早めにシャワー浴びてね」

シンジ「うん。ありがとうマナ」

マナ「どういたしまして~」

マナ「それじゃあ、私は部屋に居るね。何かあったらいつでも呼んで?」スタスタ

シンジ「うん」

トウジ「……………」

ケンスケ「………………」

トウジ・ケンスケ「はぁぁぁぁぁ………」

シンジ「ど、どうしたの?」

トウジ「シンジ、お前どんだけええ思いしてるんや!!」

ケンスケ「甘い!甘すぎる!!」

シンジ「な、何がだよ!?」

トウジ「霧島と二人、毎日毎日あんな夫婦みたいな事してんかい!!」

ケンスケ「一つ屋根の下に男女が二人!いやーんな感じ!!」

シンジ「ち、ちがうよ!!マナとはそんなのじゃあ!!」

トウジ「このわしに誓えるか?」

ケンスケ「絶対にいやらしいことを霧島にしてないって誓えるのか?」

シンジ「そ…それは……」

トウジ「この裏切りもん!!」

ケンスケ「見損なったぞシンジ!!」

シンジ「いや…だって……」

トウジ「だっても糞もない!!」

ケンスケ「委員長に言いつけるぞシンジ!!」

シンジ「そんなぁ…」

ミサト「……」ガラガラ

トウジ「ん?お、おおおおお…」

ケンスケ「お邪魔してます!」

ミサト「あら、2人ともいらっしゃい」

ミサト「お帰りなさい、今夜はハーモニクスのテストがあるから、遅れないようにね」

シンジ「はい」

ミサト「マナちゃんは?」

シンジ「多分部屋にいると思いますよ?」

ミサト「それなら、あとでマナちゃんにも伝えておいてくれる?」

シンジ「分かりました」

ケンスケ「あぁん?わぁっ!?この度はご昇進、おめでとうございます!」 ビシッ

トウジ「お、おめでとうございます!」

ミサト「ありがとう…」

ケンスケ「いえ、どういたしまして!」 キリッ

ミサト「じゃ、行ってくるわね」

トウジ・ケンスケ「いってらっしゃ?い」

シンジ「どうしたの?ミサトさんに何かあったの?」

ケンスケ「ミサトさんの襟章だよ!線が2本になってる。一尉から三佐に昇進したんだ!」

シンジ「いつのまに…」

トウジ「マジに言うとるんけぇ?情けないやっちゃなぁ」

ケンスケ「ぬぁぁ!君には人を思いやる気持ちはないのだろうか!?」

ケンスケ「あの若さで中学生二人を預かるなんて、大変なことだぞ!」

トウジ「わしらだけやなぁ、人の心持っとるのは」

マヤ「0番2番、ともに汚染区域に隣接。限界です」

リツコ「1番にはまだ余裕があるわね。プラグ深度をあと0.3下げてみて」

マヤ「汚染区域ぎりぎりです」

リツコ「それでこの数値?たいした物だわ」

リツコ「これを才能というのかしら?」

オペレータ「まさに、エヴァに乗るために生まれてきたような子供ですね」

ミサト「本人が望んでいなくてもね」

ミサト「きっとあの子は嬉しくないわよ」





リツコ「3人ともお疲れさま」

リツコ「シンジ君、よくやったわ」

シンジ「何がですか?」

リツコ「ハーモニクスが前回より8も伸びているわ。たいした数字よ」

マナ「凄いねシンジ!!」

シンジ「そうかな?」

リツコ「10日で8ならたいした物だわ」

マナ「そうそう!自信持とうよ!」

シンジ「はぁ…」

マナ「もう!ここは胸を張るところだよ!」

シンジ「うん」





マナ「ねえねえ」

シンジ「どうしたの?」

マナ「あのさ、ミサトさんって昇級したんだよね?」

シンジ「らしいね」

マナ「それならさ、お祝いしない?」

シンジ「お祝い?」

マナ「そう!いつも私たちお世話になってるからさ、たまにはお返ししようよ」

シンジ「そうだね」

シンジ「それなら、人数はどうする?僕らだけでやる?」

マナ「う~ん…どうせなら皆を呼ぼうよ」

シンジ「わかった。それじゃあ、たくさんの料理が必要だね。僕が作ればいいよね?」

マナ「私も手伝うよ!シンジ一人じゃ大変だもんね」

シンジ「ありがとう。助かるよ」

マナ「それじゃあ、買い物に行こ?」

シンジ「うん。近くのスーパーでいいかな?」

マナ「うん!!」

マナ「シンジ、手を出して」

シンジ「え?うん」スッ

マナ「エヘヘ」ギュッ

マナ「行こっか」

シンジ「うん」

翌日

子ども達「おめでとうございまーす!」

ミサト「ありがとう。ありがとう、鈴原君!」

トウジ「ちゃうちゃう、言い出しっぺはこいつらですねん」

シンジ・マナ「……」 ニコッ

ミサト「ありがとう、二人とも」

シンジ・マナ「こちらこそ、いつも面倒見てくださってありがとうございます!」

ミサト「シンジくん…マナちゃん…」

ケンスケ「ユニゾンの訓練の成果が凄いな」

トウジ「せやな」ニヤッ

トウジ「せやけど、なんで委員長がここにおるんや?」

マナ「私が誘ったの」

マナ・ヒカリ「ねー!」

ミサト「レイは?」

マナ「誘ったんですけれど、来ないんです…」

マナ「あと、リツコさんと加持さんも呼んだんですが…」

ピンポーン

マナ「はい」ガチャ

加持「よう」

リツコ「こんばんは」

加持「本部から直なんでね。そこで一緒になったんだ」

ミサト「怪しいわね」

リツコ「あらやきもち?」

ミサト「そんなわけないでしょ!」

加持「いや、このたびはおめでとうございます。葛城三佐。これからはタメ口聞けなくなったな」

ミサト「何言ってんのよ、ばーか」

加持「しかし、司令と副司令がそろって日本を離れるなんて、前例のなかったことだ。これも、留守を任せた葛城を信頼してるって事さ」

シンジ「父さん、ここにいないんですか?」

リツコ「碇司令は今、南極に行ってるわ」

南極

冬月「いかなる生命の存在も許さない、死の世界…南極」

冬月「いや、地獄というべきかな」

ゲンドウ「だがわれわれ人類はここに立っている。生物として生きたままだ」

冬月「科学の力で護られているからな」

ゲンドウ「科学は人の力だよ」

冬月「その傲慢が15年前の悲劇、セカンドインパクトを引き起こしたのだ」

冬月「結果このありさまだ。与えられた罰にしてはあまりに大きすぎる…まさに死海そのものだよ」

ゲンドウ「だが、原罪の汚れなき、浄化された世界だ」

冬月「俺は罪にまみれても、人が生きている世界を望むよ」

オペレータ「報告します。ネルフ本部より入電。インド洋上、空衛星軌道上に使徒発見」

>>159
トウジ「済まんな~→トウジ「すまんな~

>>159
トウジ「済まんな~→トウジ「すまんな~





日向「二分前に突然現れました」

オペレータ「第6サーチ、衛星軌道上へ」

オペレータ「接触まであと2分」

青葉「目標を映像で捕捉」

職員「おおっ…」

日向「こりゃすごい!」

ミサト「常識を疑うわね」

青葉「目標と、接触します」

オペレータ「サーチスタート」

オペレータ「データ送信、開始します」

オペレータ「受信確認」

ミサト「ATフィールド?」

リツコ「新しい使い方ね」

ミサト「たいした破壊力ね。さすが、ATフィールド」

マヤ「落下のエネルギーをも、利用しています。使徒そのものが爆弾みたいなものですね」

リツコ「とりあえず、初弾は太平洋に大外れ。で、2時間後の第2射がそこ。後は確実に誤差修正してるわ」

ミサト「学習してる…ってことか…」

日向「N2航空爆雷も、効果ありません」

シゲル「以後、使徒の消息は不明です」

ミサト「来るわね、多分」

リツコ「次はここに、本体ごとね」

ミサト「その時は第3芦ノ湖の誕生かしら?」

リツコ「富士五湖が一つになって、太平洋とつながるわ…本部ごとね」

ミサト「碇司令は?」

青葉「使徒の放つ強力なジャミングのため、連絡不能です」

ミサト「MAGIの判断は?」

マヤ「全会一致で撤退を推奨しています」

リツコ「どうするの?今の責任者は貴女よ」

ミサト「………」

ミサト「日本政府各省に通達。ネルフ権限における特別宣言D-17。」

ミサト「半径50キロ以内の全市民は直ちに避難。松代にはMAGIのバックアップを頼んで!」

日向「ここを放棄するんですか?」

ミサト「いいえ。ただ、みんなで危ない橋を渡ることはないわ」

アナウンス「政府による特別宣言D-17が発令されました。市民の皆様は速やかに指定の場所へ避難してください 」

アナウンス「第6、第7ブロックを優先に、各区長の指示に従い、速やかに移動願います 」

アナウンス「市内における避難はすべて完了」

アナウンス「部内警報Cによる、非戦闘員およびD級勤務者の待避、完了しました」

リツコ「やるの?本気で?」

ミサト「ええ、そうよ」

リツコ「貴女の勝手な判断で、エヴァを3体とも棄てる気?」

リツコ「勝算は0.00001%。万に一つもないのよ?」

ミサト「ゼロではないわ。エヴァに賭けるだけよ」

ミサト「それに、リツコが言えたことじゃないわよ。第三使徒の時を覚えてるわよね?」

リツコ「葛城三佐!」

ミサト「現責任者は私です!」

ミサト「やることはやっときたいの。使徒殲滅は私の仕事です」

リツコ「仕事?笑わせるわね」

リツコ「自分のためでしょ?貴女の使徒への復讐は」

マヤ「使徒による電波撹乱のため、目標喪失」

ミサト「正確な位置の測定ができないけど、ロスト直前までのデータから、MAGIが算出した落下予想地点が、これよ」

マナ「こんなに範囲が広いの?」

シンジ「端っこまで随分ありますよ?」

リツコ「目標のATフィールドをもってすれば、そのどこに落ちても本部を根こそぎ抉ることができるわ」

ミサト「ですから、エバー全機をこれら三個所に配置します」

レイ「この配置の根拠は?」

ミサト「勘よ」

シンジ・マナ「勘!?」

ミサト「そう。女の勘」

マナ「手で使徒を受け止めるんですか!?」

ミサト「そう。落下予測地点にエバーを配置。ATフィールド最大で、貴方たちが直接、使徒を受け止めるのよ」

シンジ「使徒がコースを大きく外れたら…?」

ミサト「その時はアウト」

マナ「機体が衝撃に耐えられなかった時は?」

ミサト「その時もアウトね」

シンジ「勝算は?」

ミサト「神のみぞ知る…と言ったところかしら」

シンジ「成功するとしたら、それは奇跡ですね」

ミサト「奇跡ってのは、起こしてこそ初めて価値が出るものよ」

マナ「つまり、何とかするってことですよね?」

ミサト「すまないけど、他に方法がないの。この作戦は」

シンジ「これが作戦…ですか…?」

ミサト「ほんと、言えないわね…だから、嫌なら辞退できるわ」

マナ・レイ・シンジ「………」

ミサト「みんな、いいのね?」

ミサト「一応規則だと遺書を書くことになってるけど、どうする?」

「別にいいです。そんなつもりないので」

レイ「私もいい。必要…無いもの」

シンジ「僕もいいです」

ミサト「すまないわね。終わったらみんなにステーキ奢るから!」

マナ「ほんとですか!?」

ミサト「約束する!」

シンジ「わーい!」

マナ「忘れないで下さいね!」

ミサト「期待してて!」

マナ「ミサトさん…私たちがリラックスして戦えるように…」

シンジ「うん…僕らを気遣ってくれたんだよね」

マナ「優しいね、ミサトさん…」

シンジ「そうだね」

マナ「それにしても、ステーキか~」

マナ「あっ!綾波さんも今度はいっしょに行こうね!」

レイ「私、行かない」

シンジ「どうして?」

レイ「肉、嫌いだもの」





シンジ「ねえ、マナ」

マナ「なあに?」

シンジ「マナはどうしてエヴァに乗ってるの?」

マナ「シンジと出逢うまでは、みんなに乗れって言われてたから乗ってたの」

マナ「だから、私には何の目的も目標も無かった」

マナ「でもね…シンジと出逢ってからは、乗る理由が出来たよ」

シンジ「理由?」

マナ「うん…シンジと一緒に戦って、シンジを護って、そして最後にはシンジと一緒に笑い合うために乗ってる」

シンジ「!?」

マナ「私がエヴァに乗る理由はシンジだよ」

シンジ「マナ…」

マナ「だからさ…シンジ」

マナ「絶対に生きて帰ろうね!」

マナ「一緒に生きて帰って一緒に笑い合うの!」

マナ「死んじゃ駄目だからね!!」

マナ「約束だよ?」

シンジ「うん……約束だ」

なんか原作引用が過ぎないか?
適当にマナを捩じ込んでるだけに見える。

>>174 シゲル「~→青葉「

>>185もう少ししたら分岐させるのでお待ち下さい

オペレータ「落下予測時間まで、あと120分です」

ミサト「みんなも待避して!ここは私一人でいいから」

青葉「いえ、これも仕事ですから」

日向「子供たちだけを危ない目に逢わせられないっすよ」

ミサト「あの子達は大丈夫。もしエバーが大破してもATフィールドがあの子達を護ってくれるわ。エバーの中が一番安全なのよ」

青葉「目標を最大望遠で確認!」

日向「距離、およそ2万5千!」

ミサト「おいでなすったわね…エバー全機、スタート位置!」

ミサト「目標は光学観測による弾道計算しかできないわ。よって、MAGIが距離1万までは誘導します。その後は各自の判断で行動して。あなたたちにすべて任せるわ!」

青葉「使徒接近、距離、およそ2万」

ミサト「では、作戦開始!」

シンジ「行くよ!」

レイ・マナ「…」

シンジ「スタート!」

初号機「」ダダダダダダ

弐号機「」ダダダダダダ

零号機「」ダダダダダダ

シゲル「距離、1万2千!」

マナ「シンジ!」

初号機「」ダッ

シンジ「フィールド全開!」 キンッ

サハクィエル「」ググッ

シンジ「うあぁぁ!!!」

マナ「シンジ!!」

レイ「碇くん!」

マナ「お願い!もう少し頑張って!!」

シンジ「うぅ…綾波………マナ!!!」

マナ「ATフィールド全開!!」

マナ「綾波さん!!」

レイ「……」スッ ビリビリ ドスッ

サハクィエル「………」ヘナヘナヘナ

サハクィエル「」チュド~ン!


初号機「」ダダダダダダ

弐号機「」ダダダダダダ

零号機「」ダダダダダダ

シゲル「距離、1万2千!」

マナ「シンジ!」

初号機「」ダッ

シンジ「フィールド全開!」 キンッ

サハクィエル「」ググッ

シンジ「うあぁぁ!!!」

マナ「シンジ!!」

レイ「碇くん!」

マナ「お願い!もう少し頑張って!!」

シンジ「うぅ…綾波………マナ!!!」

マナ「ATフィールド全開!!」

マナ「綾波さん!!」

レイ「……」スッ ビリビリ ドスッ

サハクィエル「………」ヘナヘナヘナ

サハクィエル「」チュド~ン!


シンジ「ハアハア…」

マナ「やった!勝った!!」

マナ「やったよ!!シンジ!!」

シンジ「うん!勝った!!」

マナ「奇跡が起きたんだよ!!


シンジ「ううん、それは違うよ…」

シンジ「僕たちが奇跡を起こしたんだ」

マナ「そうだね…そうだよね!!」

青葉「電波システム、回復。南極の碇司令から、通信が入っています」

ミサト「お繋ぎして」

青葉「はい」

ミサト「申し訳ありません。私の勝手な判断で、初号機を破損してしまいました。責任はすべて私にあります」

冬月「構わん。使徒殲滅がエヴァの使命だ。その程度の被害はむしろ幸運と言える」

ゲンドウ「ああ、よくやってくれた、葛城三佐」

ミサト「ありがとうございます」

ゲンドウ「ところで初号機のパイロットはいるか?」

シンジ「あ、はい」

ゲンドウ「話は聞いた。よくやったな、シンジ」

シンジ「え?はい…」

ゲンドウ「では葛城三佐、後の処理は任せる」

ミサト「はい」





車内放送「次は~新宮ノ下~新宮ノ下~お出口、左側に変わりま~す」

マナ「今日は御馳走になります」

ミサト「はいはい、大枚おろしてきたから、フルコースだって耐えられるわよ」

ミサト(給料前だけどね…)





ラーメン屋前

ミサト「貴方達、本当にラーメンでいいの?」

マナ「はい!それに綾波さんもラーメンなら付き合ってくれるって言ってたので」

レイ「私、ニンニクラーメンチャーシュー抜き」

マナ「私は醤油ラーメンをお願いします!」

店主「へい!醤油ラーメンお待ち!」

シンジ「ねぇ、ミサトさん…」

ミサト「なぁに?」

シンジ「僕がエヴァに乗る理由が分かった気がするんです」

シンジ「僕がエヴァに乗る理由は…大事な人を護りたいからだと思いました」

マナ「シンジ…」

シンジ「うん」





マナ・シンジ・レイ「御馳走さまでした」

ミサト「いいのよ。それより貴方たち、ここから自分たちで帰れる?」

ミサト「私、まだ仕事が残ってるのよ」

レイ「はい…」

シンジ・マナ「分かりました」

シンジ「頑張って下さい」

ミサト「ありがと。それじゃあ、気を付けて帰りなさいよ」

シンジ・マナ・レイ「はい」

>>191 連投ミス





マナ「あのさ、さっき言ってたことなんだけど…」

シンジ「さっき?」

マナ「シンジがエヴァに乗る理由だよ」

シンジ「ああ…」

マナ「私、嬉しかったよ」

シンジ「分かっちゃってた?」

マナ「もちろん!」ニコッ

シンジ「そう…僕もマナが理由だよ」

シンジ「さっきマナに言われて気付いたんだ」

シンジ「今僕がエヴァに乗ってるのはマナがいるからだってね」

マナ「私たち、やっぱり一緒だね!」

シンジ「うん…一緒だ…」

オペレータ「エヴァ三体のアポトーシス作業は、MAGI-SYSTEMの再開後予定通り行います」

オペレータ「作業確認。450より670は省略」

日向「発令所、承認」

リツコ「さすがマヤ、早いわね」

マヤ「それはもう、先輩の直伝ですから」

リツコ「あ、待って、そこ。A8の方が早いわよ。ちょっと貸して」カタカタ

マヤ「さっすが先輩…」

ミサト「どぉ?MAGIの診察は終わった?」

リツコ「大体ね。約束通り、今日のテストには間に合わせたわよ」

ミサト「さすがリツコ。同じ物が3つもあって、大変なのに」 ズズッ

リツコ「冷めてるわよ、それ」

ミサト「ぐっ!」

オペレータ「MAGI-SYSTEM、再起動後、自己診断モードに入りました」

マヤ「第127次、定期検診異常無し」

リツコ「了解。お疲れさま、みんな、テスト開始まで休んでちょうだい」

リツコ「異常無し、か…母さんは今日も元気なのに、私はただ年を取るだけなのかしらね…」

マナ「また脱ぐんですか?」

リツコ「ここから先は超クリーンルームですからね。シャワーを浴びて下着を替えるだけでは済まないのよ」

マナ「どうしてオートパイロットの実験で、こんなことしなきゃいけないんですか?」

リツコ「時間はただ流れているだけじゃないわ。エヴァのテクノロジーも進歩しているのよ。新しいデータは常に必要なの」

シンジ・マナ「えぇ?!?」

チンッ

マナ「えっと…終わりましたがどこのあとどうしたらいいんですか?」

リツコ「では3人とも、この部屋を抜けてその姿のままエントリープラグに入ってちょうだい」

マナ「え!?でも、他の人も映像を観て…」

リツコ「大丈夫。映像モニターは切ってあるわ。プライバシーは保護してあるから」

マナ「本当に大丈夫なんですか?」

リツコ「大丈夫よ。信頼して」

シンジ「でも、どうしてこんなテストを?」

リツコ「このテストは、プラグスーツの補助無しに、直接肉体からハーモニクスを行うのが趣旨なのよ」

ミサト「ほら3人とも、目の前の通路をそのまま歩いて来て」

マナ「はい…」





オペレータ「各パイロットエントリー準備完了しました」

リツコ「テストスタート」

オペレータ「テストスタートします。オートパイロット、記憶開始」

オペレータ「シミュレーションプラグを挿入」

オペレータ「システムを、模擬体と接続します」

マヤ「シミュレーションプラグ、MAGIの制御下に入りました」

ミサト「おぉ?、早い早い!MAGI様々だわ。初実験のとき、一週間もかかったのが嘘のようね」

オペレータ「テストは約3時間で終わる予定です」

リツコ「気分はどう?」

レイ「何か違うわ…」

シンジ「うん。いつもと違う気がする…」

マナ「感覚がおかしいです。右腕だけはっきりして、あとはぼやけた感じで…」

リツコ「レイ、右手を動かすイメージを描いてみて」

レイ「はい」 ググッ

オペレータ「データ収集、順調です」

リツコ「問題はないようね…MAGIを通常に戻して」

リツコ「ジレンマか…作った人間の性格が伺えるわね」

ミサト「何言ってんの?作ったのはあんたでしょう?」

リツコ「貴女…何も知らないのね」

ミサト「リツコが私みたくベラベラと自分の事話さないからでしょ!」

リツコ「…そうね…私はシステムアップしただけ。基礎理論と本体を作ったのは…母さんよ」

冬月「確認しているんだな」

青葉「ええ、一応」

青葉「3日前に搬入されたパーツです。ここですね、変質しているのは」

冬月「第87蛋白壁か」

青葉「拡大するとシミのようなものがあります。何でしょう、これ」

日向「浸蝕だろ?温度と伝導率が若干変化しています。無菌室の劣化はよくあるんです、最近」

青葉「工期が60日近く圧縮されてますから。また気泡が混ざっていたんでしょう。ずさんですよ、B棟の工事は」

冬月「そこは、使徒が現れてからの工事だからな…」

日向「無理ないっすよ、みんな疲れてますからね」

冬月「明日までに処理しておけ。碇がうるさいからな」

日向「了解」

リツコ「また水漏れ?」

マヤ「いえ、浸蝕だそうです。この上の蛋白壁」

リツコ「参ったわね…テストに支障は?」

マヤ「今のところは何も」

リツコ「では続けて。このテストはおいそれと中断するわけにいかないわ。碇司令もうるさいし」

マヤ「了解」

マヤ「シンクロ位置、正常」

オペレータ「シミュレーションプラグを模擬体経由でエヴァ本体と接続します」

オペレータ「エヴァ零号機、コンタクト確認」

オペレータ「ATフィールド、出力2ヨクトで発生します」

ブーブーブー

リツコ「どうしたの!?」

オペレータ「シグマユニットAフロアに汚染警報発令!」

オペレータ「第87蛋白壁が劣化、発熱しています」

オペレータ「第6パイプにも異常発生」

マヤ「蛋白壁の浸蝕部が増殖しています。爆発的スピードです!」

リツコ「実験中止!!第6パイプを緊急閉鎖!」

マヤ「はい!」

オペレータ「60、38、39、閉鎖されました!」

オペレータ「6の42に浸蝕発生!」

マヤ「だめです!浸蝕は壁伝いに進行しています!」

リツコ「ポリソーム、用意!」

リツコ「レーザー、出力最大!侵入と同時に、発射!」

マヤ「浸蝕部、6の58に到達、来ます!」

一同「…」

レイ「きゃあっ!」

リツコ「レイ!?」

マヤ「レイの模擬体が、動いています!」

リツコ「まさか!?」

マヤ「浸蝕部、さらに拡大、模擬体の下垂システムを侵しています!」

ミサト「レイは!?」

マヤ「無事です!」

リツコ「全プラグを緊急射出!レーザー急いで!」

イロウル「」キンッ

ミサト「ATフィールド!?」

リツコ「まさか!」

ミサト「何、これ…?」

リツコ「分析パターン…青…間違いなく、使徒よ」

冬月「使徒?使徒の侵入を許したのか!?」

リツコ「申し訳ありません」

冬月「言い訳はいい。セントラルドグマを物理閉鎖、シグマユニットと隔離しろ!」

青葉「セントラルドグマを物理閉鎖、シグマユニットと隔離します」

ミサト「ボックスは破棄します!総員待避!」

リツコ「………」

ミサト「何してるの!早く!」グイッ

アナウンス「シグマユニットをBフロアより隔離します。全隔壁を閉鎖、該当地区は総員待避」

アナウンス「シグマユニット以下のセントラルドグマは、60秒後に完全閉鎖されます。真空ポンプ作動まで、後30秒です」

イロウル「」

加持「あれが使徒か…仕事どころじゃなくなったな…」

加持「よっ!」スタッ

加持「そういや、あいつらは…」

加持「よし」スタスタ

ジオフロント

シンジ「こ…ここは…」ガチャ

シンジ「ジオフロント…あっ!?」

シンジ「マナ!!」バシャバシャ

シンジ「マナ!!大丈夫!?マナ!!」ドンドン

マナ「シンジ…?」

シンジ「そうだよ。僕だよ」

シンジ「怪我はない?」

マナ「うん。大丈夫」

シンジ「よかった…」

シンジ「とりあえずここから出て本部に戻った方がいいよね?」

マナ「うん。でも…服が……」

シンジ「そうだよね…男の僕ならまだしも流石に女の子が裸で外にいるのは…」

マナ「うん…あっ…」


シンジ「どうしたの?」

マナ「一つ考えが浮かんだんだけど…」

シンジ「考え?」

マナ「うん…あのね…」

マナ「私がシンジの後ろに密着していれば一応…」

シンジ「へっ!?」

マナ「やっぱり無理だよね…?」

シンジ「う…でも、マナを一人でここに残して行くわけにもいかないし………」

シンジ「分かった…それでいこう」

マナ「いいの?」

シンジ「……まあね」

ガチャン

シンジ「えっ!?」

マナ「わっ!ここ地底湖の中だったんだ!!」

シンジ「マナ!!何も言わないで開けたら…」

マナ「別にいいもん。温泉の時にシンジには全部見せちゃったしね!」

シンジ「いや、そういう問題じゃ…」

マナ「照れてる!可愛い!!」

シンジ「そ、そんなことないよ!」

マナ「ほら~早く行こうよぉ~」ギュー ムニュッ

シンジ「!!?」

シンジ「わ、分かったからあんまり押し付けないで!!」

マナ「こうしないと見えちゃうもん」

シンジ「うぅ……」

マナ「それじゃあ、綾波さんを迎えにいこう!」ギュー

シンジ「うぁ……はい…」

シンジ「綾波~」コンコン

レイ「碇くん?」

シンジ「うん、そうだよ!僕らはネルフ本部に行くから、綾波も一緒に来て」

レイ「分かった」

レイ「………」ガチャン

シンジ「綾波!!?」

レイ「どうしたの?早く行きましょう」

シンジ「いや、なんで突然出てくるのさ!!」

レイ「急ぐんでしょう?」

シンジ「いや、でも!!」

シンジ「綾波は裸見られても何にも思わないの!?」

レイ「どうして?」

シンジ「………」

シンジ「ハァ…行こうか………」

バシャバシャ

シンジ「やっと岸についた…」

マナ「シンジ、よろしくね」ギュー

シンジ「っ…分かった」ザバッ

レイ「…」ザバッ

シンジ「………」テクテク

マナ「あっ!だれか向こうにいるよ!!」

シンジ「あれは…加持さん?」

加持「よお、シンジくん。なかなか凄いことになってるな」

シンジ「こ、これは…」バッ

加持「ハハッ、分かってるよ。マナを身体張って隠してたんだろ?」

加持「これはなかなか男らしいぞ、シンジくん」

シンジ「そ、そんなことよりも…」

加持「ほら、着替えだ」バサッ


シンジ「どうして!?」

加持「こんなことだろうと思ってシンジくん達のために服を拝借してきたんだよ」

加持「まあ職員用だが、それは勘弁してくれ」

シンジ「助かりました」

加持「気にするな。そんなことより、俺は向こうにいるから早いところ着替えてこっちに来るんだ」スタスタ

シンジ「はい」

マナ「ありがとうございます」

シンジ「早く着替えちゃおう」

マナ「そうだね」

レイ「ええ」





リツコ「マヤ!そっちは頼んだわよ」

マヤ「はい!」

加持「お~い、葛城~。シンジくん達連れて来たぞ~」

ミサト「加持、どうして」

加持「俺は非常事態は暇だからな、ちょいと君達に協力しただけさ」

ミサト「分かったわ」

ミサト「じゃあ、シンジくんは地上に出て初号機に乗り込んで」

ミサト「そして弐号機と零号機だけど、どちらかは本部に残ってもらいます」

マナ「どうする?」

ミサト「実はね、マナちゃん本部に残る方が危険なのよ」

ミサト「もしもの際に生き残れるかは分からないわよ?」

マナ「えっ………」

マナ「………」

レイ「私が乗るわ」

マナ「でも、そしたら綾波さんが!!」

レイ「碇くんは貴女が必要。だから私が乗る」

マナ「でも、死んじゃうかもしれないんだよ!?」

レイ「私が死んでも代わりはいるもの…」

マナ「綾波さん……」

ミサト「マナちゃん、弐号機に乗って地上に出なさい」

マナ「ミサトさん!!」

ミサト「それにね、マナちゃん。まだ私達が負けるとは決まってないわ」

ミサト「私達も全力を注ぎ込むわ。だから私達を信じて待ってて」

マナ「………はい…」グスッ

ミサト「泣かないの。ほら、早く行きなさい」

マナ「………っ!!」ダッ

ミサト「大丈夫、絶対に負けない…」





日向「きたっ!」

日向「バルタザールが、乗っ取られました!」

MAGI「人工知能により、自律自爆が決議されました」

ミサト「始まったの!?」

MAGI「自爆装置は、三者一致の後、02秒で行われます」

MAGI「自爆範囲は、ジオイド深度マイナス280、マイナス140、ゼロフロアーです」

MAGI「特例582発令下のため、人工知能以外によるキャンセルはできません」

青葉「バルタザール、さらにカスパーに侵入!」

冬月「押されてるぞ!」

青葉「なんて速度だ!」

MAGI「自爆装置作動まで、あと20秒」

冬月「いかん!」

青葉「カスパー、18秒後に乗っ取られます!」

MAGI「自爆装置作動まで、あと15秒」

ミサト「リツコ、急いで!」

MAGI「自爆装置作動まで、10秒」

リツコ「大丈夫、一秒近く余裕があるわ」

MAGI「9秒、8秒」

ミサト「一秒って…」

リツコ「ゼロやマイナスじゃないのよ」

MAGI「7秒、6秒、5秒」
リツコ「マヤ!」

マヤ「行けます!」

MAGI「4秒、3秒」

リツコ「押して!」 ポチッ

マヤ「!」ポチッ

MAGI「2秒、1秒、0秒」

MAGI「人工知能により、自律自爆が解除されました」

青葉・日向「いゃったぁーっ!!」

MAGI「なお、特例582も解除されました。MAGIシステム、通常モードに戻ります」

アナウンス「R警報解除、R警報解除、総員、第一種警戒態勢に移行してください」

マナ「勝った…の!?」

シンジ「勝ったんだ!!」

マナ「よかった………」

シンジ「後で綾波にお礼しないとだね」

マナ「うん。私達のために命をかけてくれたんだもんね…」

シンジ「でもさ、一つだけ怒らないと」

マナ「うん」

シンジ「綾波は綾波で代わりはいないんだってね」

マナ「私にとってもシンジにとっても綾波さんは大事な大事な友達だってこともね!」





アナウンス「シグマユニット開放、MAGIシステム開放まで、マイナス、03です」

リツコ「もう年かしらね…徹夜がこたえるわ」

ミサト「また約束守ってくれたわね。お疲れさん」コトッ

リツコ「ありがとう」 ズズッ

リツコ「ミサトが入れてくれたコーヒーを、こんなに美味いと思ったのは始めてだわ」

ミサト「う…ふ…ふん…」

リツコ「死ぬ前の晩、母さんが言ってたわ。MAGIは三人の自分なんだって」

リツコ「科学者としての自分、母としての自分、女としての自分。その3人がせめぎ合ってるのが、MAGIなのよ」

リツコ「人の持つジレンマをわざと残したのね」

リツコ「実はプログラムを微妙に変えてあるのよ」

リツコ「私は母親にはなれそうも無いから、母としての母さんは分からないわ」

リツコ「だけど、科学者としてのあの人は尊敬もしていた」

リツコ「でもね、女としては憎んでさえいたの」

ミサト「今日はお喋りじゃない…」

リツコ「たまにはね…」

リツコ「カスパーにはね、女としてのパターンがインプットされていたの…」

リツコ「最後まで女でいることを守ったのね…ほんと……母さんらしいわ」





シンジ「綾波!」

マナ「綾波さん!」

レイ「碇くん?」

シンジ・マナ「一番危ない役目を受け持ってくれてありがとう」

レイ「ええ」

シンジ「でもね、綾波…一つ…いや、二つ言わないといけない事があるんだ」

レイ「何?」

シンジ「あのさ…綾波は、綾波だ。決して綾波の代わりはいないんだよ。だからあんな事を言わないで」

レイ「………」

マナ「そしてね…」

マナ「私達にとって、綾波さんは大事な大事な友達なの」

レイ「友達……」

マナ「うん!そうだよ、友達なんだよ!!」

マナ「だからね、綾波さんが死んじゃったら私達は凄く悲しいし、そんなのは絶対に嫌!」

マナ「私達は綾波が自分から死にに行くような事をしないで欲しいの」

マナ「お願い!私達と約束して!そんなことはしないって…」

レイ「………」

シンジ「お願いだよ、綾波!」

レイ「分かった…」

シンジ・マナ「ありがとう!!」

レイ「ええ…」

レイ「心がポカポカする…どうして?」

シンジ「それはね…」

シンジ・マナ「嬉しいからだと思うよ!」

数日後

マヤ「ネクローシス作業、終了」

オペレータ「可逆グラフ、測定完了」

オペレータ「3機とも、シンクロ維持に問題なし」

リツコ「明日何着てく?」

ミサト「あぁ、結婚式ね。ピンクのスーツはキヨミのとき着たし、紺のドレスはコトコのとき着たばっかだし…」

リツコ「オレンジのは?最近着てないじゃない」

ミサト「あれね…あれはちょっち訳ありで…」

リツコ「きついの?」

ミサト「…そうよ!あぁ…帰りに新調すっか…」

ミサト「ふぁ?あ、出費がかさむなぁ」

リツコ「こう立て続けだと、ご祝儀もバカにならないしねぇ」

ミサト「ケッ!三十路前だからって、どいつもこいつも焦りやがって」

リツコ「お互い最後の一人にはなりたくないわねぇ」

リツコ「三人とも、あがっていいわよ」

リツコ「お疲れさま」

マナ「シンジ~私、ちょっと着替えて来るから待っててね」

シンジ「いっておいで」

シンジ「………」

レイ「………」

シンジ「ねえ、綾波」

レイ「何?」

シンジ「明日、父さんに会わなきゃならないんだ…」

シンジ「何話せばいいと思う?」

レイ「どうして私にそんな事聞くの?」

シンジ「いつか、綾波が父さんと楽しそうに話ているのを見たから…」

シンジ「ねぇ、父さんって、どんな人?」

レイ「分からない」

シンジ「…そう」

レイ「それが聞きたくて昼間から私のほうを見てたの?」

シンジ「うん…あ、掃除のときさ、今日の…雑巾絞ってただろ?あれって、何か、お母さん、って感じがした」

レイ「お母さん?」

シンジ「うん。何か、お母さんの絞り方、って感じがする。案外、綾波って主婦とかが似合ってたりして…あは、は…」

レイ「何を言うのよ…」

葛城宅

マナ「シンジさ、今日一日元気なかったね?」

シンジ「そうかな…そうかも」

マナ「やっぱり明日のお墓参りのせい?」

シンジ「うん…」

マナ「原因はお父さん?」

シンジ「うん…」

マナ「別にお墓参りに行くのが嫌ってわけでも、お父さんが嫌いっていうわけではないんだよね?」

シンジ「そうなんだけど…父さんに会うのが怖いんだ…」

マナ「そうなんだ…」

シンジ「………」

マナ「ならさ…」

マナ「いっそ、お墓参りに行かなきゃいいんじゃない?」

シンジ「えっ!?」

マナ「正確に言えば、お父さんとお墓参りに行くのはやめておけばってことだけどね!」

シンジ「でも…そんなことしたら……」

マナ「シンジが無理してお墓参りに言っても、シンジのお母さんは嬉しくないと思うよ?」

シンジ「あっ………」

マナ「なんなら、私と一緒に行く?」

シンジ「いいの?」

マナ「当たり前じゃない!シンジと一緒なんだから!」

シンジ「そうだね…じゃあ、お願いしようかな?」

マナ「うん!」

翌日

式場

スピーチ「三つの袋と言うものを心に…」

司会者「では、しばしご歓談のほどを」

ミサト「フーッ!」

リツコ「来ないわね、リョウちゃん」

ミサト「あのバカが時間通りに来た事なんて、一遍もないわよ!」

リツコ「デートのときは、でしょ?仕事は違ってたわよ」

加持「いやー、お二人とも!今日は一段とお美しい!時間までに仕事抜けられなくてさ」

ミサト「いつもプラプラ暇そうにしてるくせに。どうでもいいけど何とかならないの?その無精ひげ。ほら、ネクタイ曲がってる!」 ゴソゴソ

加持「お、お、お…これは、どうも…」

リツコ「夫婦みたいよ、あなたたち」

加持「いいこと言うねぇ、リッちゃん!」

ミサト「誰がこんなやつと!!」

霊園

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「なぜ来ない…シンジ…」

ゲンドウ「今日はユイの命日だから来いと伝えたはずだ……」

ゲンドウ「なぜ…」

ゲンドウ「レイ、シンジはどうした」

レイ「知りません」

ゲンドウ「レイ、なぜシンジは来ないんだ」

レイ「知りません」

ゲンドウ「………」

ゲンドウ「帰るぞ、レイ」

レイ「はい」

数時間後

シンジ「ここだ…」

マナ「ここがシンジのお母さんの…」

シンジ「うん…お墓だよ」

シンジ「父さん…来てたんだ」

シンジ「悪いことしちゃったな…」

マナ「ううん、昨日も言ったけど、シンジのお母さんはシンジが笑ってる方が嬉しいと思う」

マナ「だからしょうがないよ」

シンジ「うん…そうだね」ニコッ

マナ「シンジ、お線香ある?」

シンジ「うん」スッ パラパラ

マナ「あとは…お花だね」スッ パサッ

マナ「……………」

シンジ「……………」

マナ「……………」

シンジ「行こっか?マナ」

マナ「うん!」

シンジ「また…来年、マナと一緒に来るよ…母さん」

>>190 シゲル「→青葉「

葛城宅

シンジ「………」~♪

マナ「へ~、シンジってチェロ弾けたんだ?」

シンジ「5歳の時に始めてこの程度だけどね」

マナ「ううん、凄く上手いじゃない」

マナ「ねえ、ペンペン」

ペンペン「クァァァ」

マナ「アハハハハ」ナデナデ

ペンペン「クワァァ」

シンジ「でも、そんなに難しくないんだよ」

マナ「うっそ~!凄く難しそうに見えるよ?」

シンジ「音を出すぐらいなら初心者でもすぐにできるさ」

マナ「そうなの?」

シンジ「うん。なんならマナもやってみる?」

マナ「いいの!?」

シンジ「もちろん。ほら、こっちにおいで」

マナ「始めてだから少し緊張するな~」

シンジ「すぐに慣れるよ」

シンジ「ほら、弓をこうやって持って」

マナ「こう?」

シンジ「そうそう。そしてその弓をこっちに引いてみて」

マナ「音が出ないよ?」

シンジ「弦に弓を擦り付ける強さを色々と試してごらん?」

マナ「こうかな?」

シンジ「もう少し強く」

マナ「これくらいかな?」キー

マナ「出た!!」

シンジ「いい感じだよマナ!あとは身体全体で弓を動かすイメージで」

マナ「身体全体で…」ブォォォォ

マナ「あっ!!」

シンジ「よし!そのまま頑張って!!」





マナ「本当に簡単に音は出るんだね!!」

シンジ「でしょ?綺麗な音を出したいならもっと練習が必要だけどね」

シンジ「どうだった?楽しかったかな?」

マナ「うん!!」

マナ「また教えてねシンジ!」

シンジ「僕でいいなら」

マナ「シンジとだからいいの!」

シンジ「そっか」

ミサト「今更何言ってんだか…ちょっち、お手洗い」 スッ

加持「とか言って、逃げんなよ」

ミサト「ベー!」

加持「ヒールか…何年ぶりかな…3人で飲むなんて」

リツコ「ミサト、飲みすぎじゃない?なんだかはしゃいでるけど」


加持「浮かれる自分を抑えようとして、また飲んでる。今日は逆か」

リツコ「やっぱり一緒に暮らしてた人の言葉は重みが違うわね」

加持「暮らしてたっていっても、葛城がヒールとか履く前の事だからなぁ」

リツコ「学生時代には想像できなかったわよねぇ」

加持「俺もガキだったし、あれは暮らしって言うより共同生活だな。ままごとだよ。現実は甘くないさ」

加持「そうだ、これ、ネコの土産」

リツコ「あらありがとう。マメねぇ」

加持「女性にはね。仕事はズボラさ」

リツコ「どうだか。ミサトには?」

加持「一度敗戦してる。負ける戦はしない主義だ」

リツコ「勝算はあると思うけど?」

加持「リッちゃんは?」

リツコ「自分の話はしない主義なの。面白くないもの」

加持「遅いなぁ、葛城。化粧でも直してんのか?」

リツコ「京都、何しに行ってきたの?」

加持「あれ?松代だよ、その土産」

リツコ「とぼけてもムダ。あまり深追いすると、火傷するわよ。これは友人としての忠告」

加持「真摯に聞いとくよ。どうせ火傷するなら、君との火遊びでね」

加持「真摯に聞いとくよ。どうせ火傷するなら、君との火遊びでね」

ミサト「花火でも買ってきましょうか?」

加持「あー、おかえり」

ミサト「変わんないわね、そのお軽いとこ」

加持「いやぁ、変わってるさ。生きるって事は、変わる、って事さ」

リツコ「ホメオスタシスとトランジスタシスね」

ミサト「何それ?」

リツコ「今を維持しようとする力と変えようとする力。その矛盾する二つの性質を一緒に共有しているのが、生き物なのよ」

加持「男と女だな」

リツコ「そろそろお暇するわ。仕事も残ってるし」

ミサト「そぉ?」

リツコ「うん」

加持「残念だな」

リツコ「じゃあね」

ミサト「うん…」

加持「いい年して、戻すなよ」

ミサト「悪かったわね、いい年で…」

加持「年はお互い様か…」

ミサト「そーよー…」

加持「葛城がヒール履いてるんだもんなぁ。時の流れを感じるよ」

ミサト「無精ひげ、剃んなさいよ」

加持「へいへい」

ミサト「あとは歩く…ありがと…」

加持「ん」

ミサト「加持君、私変わったかな?」

加持「きれいになった」

ミサト「ごめんね、あの時、一方的に別れ話して。他に好きな人ができたって言ったのは、あれ、嘘。ばれてた?」

加持「…」

ミサト「気付いたのよ、加持君が、私の父に似てるって」

ミサト「自分が、男に、父親の姿を求めてたって、それに気付いたとき、恐かった。どうしょもなく、恐かった」

ミサト「加持君と一緒にいる事も、自分が女だと言う事も、何もかもが恐かったわ」

ミサト「父を憎んでいた私が、父によく似た人を好きになる。すべてを吹っ切るつもりでネルフを選んだけれど、でも、それも父のいた組織」

ミサト「結局、使徒に復讐する事でみんな誤魔化してきたんだわ」

加持「葛城が自分で選んだ事だ。俺に謝る事はないよ」

ミサト「違うのよ!選んだわけじゃないの。ただ、逃げてただけ…父親と言う呪縛から逃げ出しただけ!」

ミサト「シンジ君と同じだわ!臆病者なのよ…ごめんね、ほんと。酒の勢いでいまさらこんな話」

加持「もういい」

ミサト「子供なのね。シンジ君に、何も言う資格ない」

加持「もういい!」

ミサト「その上こうして都合のいいときだけ男にすがろうとする、ずるい女なのよ!」

ミサト「あの時だって、加持君を利用してただけかもしれない!嫌になるわ!」

加持「もういい!やめろ!」

ミサト「自分に、絶望するわよ!」

加持「…」バッ

ミサト「ん………」レロッ

葛城宅

マナ「ねえシンジ~」

シンジ「どうしたの?」

マナ「ミサトさんは?」

シンジ「遅くなるってさ。加持さんが一緒だから大丈夫だと思うけど」

マナ「へ~」

マナ「じゃあ、今夜は二人きりだ?」

シンジ「そうだけど…どうしたの?」

マナ「さあね~」クスクス

シンジ「ん?何かおかしいの?」

マナ「そうじゃないよ~」

シンジ「じゃあ、なんなのさ」

マナ「あのさ、今日は私とシンジ二人きりだよね」

シンジ「うん?」

マナ「ってことはさ…」

マナ「夜私達が何をしててもミサトさんにはバレないんだよ?」

シンジ「何を………あっ!?」

マナ「分かった?」クスリ

シンジ「いや、でも…」アタフタ

マナ「どうしたの?」ニコッ

シンジ「その……あの…まだ…僕達にそういうのは早いんじゃ…」

マナ「私とは嫌なの?」

シンジ「そ、そんなこと無いよ!!」

シンジ「ただ、まだ早いと思うんだ!!」

シンジ「確かに、そういうのも興味はあるけど……でも、これは違うと思うんだ!」

シンジ「それに、僕はマナを大事にしたいから…」

マナ「私のことを大事にしてくれるの?」

シンジ「当たり前じゃないか!」

マナ「私嬉しいよ、シンジ」

マナ「ねえシンジ、こっち向いて」

シンジ「ん?」

マナ「……」バッ チュッ

シンジ「……………」

マナ「……………」

シンジ「……………」

マナ「……………」スッ

マナ「これくらいは…いいよね?」

シンジ「うん…」

マナ「始めてだったんだよ…キスするの…」

シンジ「よかったの?」

マナ「当たり前じゃない…私はシンジが大好きなんだから」

シンジ「マナ………」

マナ「私、お風呂入って来るね」

シンジ「どうぞ」

マナ「一緒に入る?」

シンジ「入らないよ!」

マナ「残念」クスリ

マナ「じゃあ、待っててねシンジ」

シンジ「うん。ごゆっくり」

マナ「は~い」ガチャン





コンコン

シンジ「どうぞ」

マナ「入るよ~」ガチャ

マナ「久しぶりに一緒に寝ない?」

シンジ「いいよ」

マナ「おじゃましまーす」モゾモゾ

マナ「ふう…シンジの隣って落ち着くな…」

シンジ「そう?」

マナ「うん。シンジの匂いもすし、温もりも感じるんだもん」

シンジ「そうかもね」

シンジ「僕も、マナの匂いを感じると安心するよ」

マナ「私の匂いってどんな感じ?」

シンジ「う~ん……どこか甘い感じがほんわかとするかな?」

マナ「そうなんだ」

マナ「ふぁぁぁぁ…」

マナ「眠くなってきちゃった…」

シンジ「それじゃあ寝よっか?」

マナ「うん…」

シンジ「おやすみ、マナ」

マナ「シンジ…」ギュッ

シンジ「……」ギュッ



翌日

セントラルドグマ

加持「……」

??「」チャキッ

加持「やー、二日酔いの調子はどうだ?」

ミサト「おかげでやっとさめたわ」

加持「そりゃよかった」

ミサト「これがあなたの本当の仕事?それともアルバイトかしら?」

加持「どっちかな?」

ミサト「特務機関ネルフ特殊監査部所属加持リョウジ。同時に、日本政府内務省調査部所属、加持リョウジでもあるわけね」

加持「バレバレか」

ミサト「ネルフを甘く見ないで」

加持「碇司令の命令か?」

ミサト「私の独断よ。これ以上バイトを続けると、死ぬわ」

加持「碇司令は俺を利用してる。まだいけるさ。だけど葛城に隠し事をしてたのは、謝るよ」

ミサト「昨日のお礼に、チャラにするわ」

加持「ただ、司令やリッちゃんも、君に隠し事をしている」

加持「それが、これさ!」 ウィーーン

ミサト「これは…」

ミサト「エヴァ!?…いえ、まさか…」

加持「セカンドインパクトからその全ての要であり、始まりでもある…アダムだ」

ミサト「アダム!?あの第一使徒がここに!!?」

ミサト「確かに、ネルフは私が考えているほど、甘くないわね…」

数日後

ミサト「いただきます」ズズッ

ミサト「あれ?シンちゃん、おだし変わった?」

シンジ「ええ、カツオだし。リツコさんのお土産」

ミサト「へぇ~こっちも美味しいわね」

シンジ「そうですね」

ミサト「こっちの煮魚は?」

シンジ「それはマナが作ったんですよ」

マナ「ね~!」

ミサト「うん、こっちも凄く美味しいわよ」

マナ「ありがとうございます!」

ミサト「ほんと、家事をしてくれる子が二人も居てくれて助かるわ」

マナ「シンジに比べたら、私はたいしたことないですよ~」

シンジ「そんなことないよ。マナも色々やってくれてるじゃないか」

シンジ「僕はマナの料理とか凄く美味しいと思うよ?」

マナ「ほんと!?」

シンジ「うん。マナの味付けって絶妙だから真似出来ないんだ」

マナ「私はまだまだだよ」

マナ「言ってくれればもっとシンジ好みの味付けにするからね!」

マナ「シンジのためなら私頑張る!」

ミサト「あらあら、あなた達すっかり新婚夫婦ね」

シンジ「へっ!?」

マナ「そう見えますか?」

ミサト「ええ。もう結婚しちゃいなさいよ」ケラケラ

マナ「はい!」

マナ「結婚式の時はちゃんとミサトさんのこと呼びますからね」

ミサト「ありがと。でもその話はまだ早いわね」

マナ「そうですね。でもこうしていつもシンジと一緒に居られるんでいいんです!」ギュッ

シンジ「ま、マナ~ ミサトさんが見ている前でそんなこと…」

マナ「大丈夫だよ!私達ミサトさん公認だもん!」

シンジ「いや、恥ずかしいよ…」

ミサト「あら、私の事は気にしなくていいわよ」

シンジ「うん。マナの味付けって絶妙だから真似出来ないんだ」

マナ「私はまだまだだよ」

マナ「言ってくれればもっとシンジ好みの味付けにするからね!」

マナ「シンジのためなら私頑張る!」

ミサト「あらあら、あなた達すっかり新婚夫婦ね」

シンジ「へっ!?」

マナ「そう見えますか?」

ミサト「ええ。もう結婚しちゃいなさいよ」ケラケラ

マナ「はい!」

マナ「結婚式の時はちゃんとミサトさんのこと呼びますからね」

ミサト「ありがと。でもその話はまだ早いわね」

マナ「そうですね。でもこうしていつもシンジと一緒に居られるんでいいんです!」ギュッ

シンジ「ま、マナ~ ミサトさんが見ている前でそんなこと…」

マナ「大丈夫だよ!私達ミサトさん公認だもん!」

シンジ「いや、恥ずかしいよ…」

ミサト「あら、私の事は気にしなくていいわよ」

>>263 連投ミス

ミサト「でも、私もうかうかして居られないわ…流石にあなた達に先を越されるのはね…」

ミサト「あと4年以内になんとか…」

マナ「そういえば、加持さんとよりを戻したんですよね?どうなんですか?」

ミサト「いや、あいつとは…」

プルルルルル ガチャ

加持「よぉ、葛城。酒の旨い店見つけたんだ。今晩どう?じゃ」

ミサト「…………」

マナ「今日の晩御飯はいらないんですね?」

ミサト「ええ………」

マナ「じゃあ、私達も今日は外で食べようか?」

シンジ「そうだね」

マナ「やったぁ!!」





オペレータ「西区の住民避難、後5分かかります」

オペレータ「目標は微速で進行中。毎時2.5キロ」

ミサト「」スタッ

リツコ「遅いわよ」

ミサト「ごめん、どうなってんの?富士の電波観測所は?」

シゲル「探知してません、直上にいきなり現れました」

マコト「パターンオレンジ、ATフィールド反応無し!」

ミサト「どういうこと?」

リツコ「新種の使徒?」

マヤ「MAGIは判断を保留しています」

ミサト「も~、こんな時に碇司令はいないのよね~」

ミサト「みんな聞こえる?目標のデータは送った通り。今はそれだけしか分からないわ」

ミサト「慎重に接近して反応を伺い、可能であれば市街地上空外への誘導も行う」

ミサト「先行する一機を残りが援護。よろしい?」

マナ「はい!」

シンジ「それじゃあ、誰が先行する?」

マナ「私が行くよ!」

シンジ「でも、危ないよ。僕が…」

マナ「大丈夫!気をつけるから!」

レイ「分かった。では、私と碇くんはバックアップに回るわ」

シンジ「うん…気をつけてね、マナ」

マナ「は~い」

マナ「シンジ、綾波さん。そっちの配置はどう?」

シンジ「もう少し待ってくれるかな?」

レイ「私もあと少しで着くわ」

マナ「オッケー」

レリエル「」

マナ「あっ!?そっちは駄目!!シンジ下がって!!」

シンジ「えっ!?」

マナ「使徒がそっちに!!駄目ぇ!」バンバン

レリエル「」パッ

マナ「消えた!?」

レリエル「」ズズズズズズ

マナ「えっ!?何これ!!?いやあ!!」ヌプッ

シンジ「マナ!!」

マナ「シンジ!!!いやぁ!!」

シンジ「掴まって、マナ!!!」グイッ

マナ「シンジ!!!!」

シンジ「ウォォォォォ!!!」ズブッ

ミサト「ナイスシンジくん!!」

マナ「ありがとシンジ…」クルッ

マナ「シン…ジ?」

シンジ「よかった…マナが助かって…」

初号機「」グラッ ヌプヌプヌプ

マナ「シンジ!!!」

レイ「碇くん!」

ミサト「シンジくん!!!」

ミサト「一体何が!?」

マヤ「弐号機を救出した直後に足を踏み外しています…」

マヤ「それで足場から落下しました…」

マナ「嘘でしょ!?シンジ!!ねえシンジ!!!」

マナ「お願い!!答えてよ!!シンジ!!!」グスッ

マナ「私のせいだ……私があんなミスをしなきゃ!」ポロポロ

マナ「今私もそっちに行くから!!!」

レイ「駄目!!」ガシッ

マナ「離して綾波さん!!シンジがあの中にいるの!!」

レイ「貴女があの中に入っても碇くんを助けられるかは分からないわ」

レイ「それに、碇くんは貴女がそんなことをしても喜ばないと思う」

マナ「う…ぅぅ……」ジワッ

マナ「うわぁぁぁぁん!!シンジィ~~~!!!!!」

レイ「……………碇くん……」





マヤ「葛城三佐、辛いでしょうね」

リツコ「アンビリカルケーブルを引き上げてみたら、先はなくなっていたそうよ」

マヤ「それじゃあ…」

リツコ「内臓電源に残された量はわずかだけど、シンジ君が闇雲にエヴァを動かさず、生命維持モードで耐える事ができれば、16時間は生きていられるわ」

マヤ「………」

オペレータ「第二戦車小隊、配置完了」

オペレータ「了解、現在位置のまま待機」

オペレータ「サブレーザー、回線開きます。情報送る」

オペレータ「確認、C回線に発信」

青葉「国連軍の包囲、完了しました」

ミサト「影は?」

日向「動いてません。直径600mを超えたところで停止したままです。でも、地上部隊なんて役に立つんですか?」

ミサト「プレッシャーかけてるつもりなのよ、私たちに」





ミサト「じゃああの影の部分が使徒の本体なわけ?」

リツコ「そう、直径680メートル、厚さ約3ナノメートルのね。その極薄の空間を、内向きATフィールドで支え、内部はディラックの海と呼ばれる虚数空間」

リツコ「多分、別の宇宙につながっているんじゃないかしら?」

ミサト「あの球体は?」

リツコ「本体の虚数回路が閉じれば消えてしまう。上空の物体こそ、影に過ぎないわ」

ミサト「初号機を取り込んだ、黒い影が目標か…」

リツコ「作戦の説明をするわ。エヴァの強制サルベージをします」

ミサト「エヴァの強制サルベージ?」

リツコ「現在、可能と思われる、唯一の方法よ」

リツコ「992個、現存する全てのN2爆雷を、中心部に投下」

リツコ「タイミングを合わせて残存するエヴァ2体のATフィールドを使い、使徒の虚数回路に1000分の1秒だけ干渉するわ。」
リツコ「その瞬間に、爆発エネルギーを集中させて、使徒を形成するディラックの海ごと破壊する」

ミサト「でもそれじゃあエヴァの
機体が…シンジ君がどうなるか…救出作戦とは言えないわ」

リツコ「作戦は初号機の機体回収を最優先とします。たとえボディーが大破しても構わないわ」

ミサト「ちょっと待って!」

リツコ「この際、パイロットの生死は問いません」

マナ「!?」

マナ「それ、どういうことですか!?」

リツコ「今言った通りよ。機体の回収を最優先。パイロットの生死は二の次よ」

マナ「そんなことしたらシンジが!」

リツコ「ええ、間違いなく死ぬわ」

リツコ「でも、仕方ないのよ」

マナ「嫌です!私、この作戦には参加しません!」

ミサト「マナちゃん!」

マナ「シンジが助かる作戦じゃない限り私はエヴァに乗りません!!」

リツコ「なら、何か代案があるの?」

マナ「それは…」

リツコ「無いのね?」

マナ「………」


リツコ「なら、作戦に参加して下さい」

マナ「それは!」

リツコ「このままだと、生きているシンジ君はおろか、遺体すらも回収出来ないわよ?」

リツコ「それでいいのかしら?」

マナ「う…うぅっ……」ジワッ

リツコ「納得してくれたようね。では、作戦の準備に移って下さい」

マナ「………は…い……」

マナ「………………」

マナ「……シンジ…」

マナ「ごめんね……だけど…絶対に一人では行かせないから……」

ディラックの海

シンジ「ここは…」

シンジ?「………」

シンジ「君は?」

シンジ?「碇シンジ」

シンジ「それは僕だ!」

シンジ?「僕は君だ。」

シンジ?「どうして君がここにいるのか分かってるかい?」

シンジ「それは…僕が使徒に呑み込まれたから?」

シンジ?「そう。そして、もう二度とここから出ることは出来ない」

シンジ「嘘でしょ!?嫌だよ!!そんなのあんまりだよ!!」

シンジ「僕はマナと約束したんだ!絶対に死なないって!」

シンジ「なのに…そんな……」

シンジ?「じゃあ、君がここに来ることになった理由を思い出してごらん?」

シンジ「それは…マナを助けるために…」

シンジ?「そう、マナを助けるために君はここに来たんだ」

シンジ?「もしもマナがあんなミスを犯さなければ、または助けなければ君がこんなところに来ることはなかった…」

シンジ?「憎くならないの?霧島マナが」

シンジ「そんなことはないよ」

シンジ?「あんなに急激に接近して来ておかしいと思わなかった?」

シンジ「そんなことない!!」

シンジ「僕はマナを信じてる!!」

シンジ「それに、マナを助けたのも僕がそうしたかったからなんだ!!」

シンジ「もしもあの時にああしなかったらマナが死んでたかもしれない!」

シンジ「マナがいない世界で生きるなんて無理なんだよ!」

シンジ?「………」





シンジ「………」パチッ

シンジ「保温も、酸素の循環も切れてる…寒い…だめだ、スーツも限界だ…ここまでか…もう、疲れた…何もかも…」

シンジ「…もう一度……マナと…逢いたかった……な………」

シンジ「………マナ…」

青葉「エヴァ両機、作戦位置」

マヤ「ATフィールド、発生準備よし」

リツコ「了解」

日向「爆雷投下、60秒前」

レリエル「」パッ

レイ「何!?」

ミサト「状況は?」

日向「分かりません!」

マヤ「全てのメーターは、振り切られています!」

リツコ「まだ何もしていないのに!」

ミサト「まさか、シンジ君が!」

リツコ「ありえないわ!初号機のエネルギーは、ゼロなのよ!」

レリエル「」

初号機「ヴォヴ」ビリビリ

オペレータ「おおっ!」

マナ「シンジ!!!」

マナ「シンジ…シンジ!シンジ!!!」

シンジ「…」パチッ

マナ「シンジ、大丈夫!?シンジ!」

シンジ「…ただ逢いたかったんだ、もう一度…」

マナ「シンジィ~!!!」ギュッ

マナ「ごめんね!!ごめんね!!私のせいでこんな!!!」

シンジ「いいんだよ…マナ」ポンポン

シンジ「マナが無事でいてくれればいいんだ…」

マナ「うっ…ヒッグ……シンジ…シンジィ~!!!」

シンジ「………」ポンポン





病室

レイ「今日は寝ていて。後は私たちで処理するわ」

シンジ「うん…でも、もう大丈夫だよ」

レイ「そう、よかったわね」

マナ「また後で来るからね」

シンジ「うん。待ってるよ」

マナ「それじゃ、行ってくるね~」

シンジ「行ってらっしゃい」

シンジ「………」

シンジ「よかった…この幸せが壊れないで…」

数日後

マナ「昨日のロボット騒ぎってなんだったんだろう。夜なのに凄かったよね」

シンジ「うん。ほんと何だったんだろう?」

マナ「怪我人とかも出たらしいね…酷いよね…沢山の人がいるのに、暴れ回るなんて…」

シンジ「そうだね…」

シンジ「でも、何で僕らに出撃命令が出なかったんだろう…」

マナ「そうだよね。それが変なんだよね…」

シンジ「綾波は何か聞いてる?」

レイ「いえ…何も聞いてないわ」

シンジ「そうか…綾波も知らないか…」

アスカ「へ~、これが噂のエヴァンゲリオン初号機の専属パイロットか」

アスカ「これからよろしく」

シンジ「え?あ、うん…」

アスカ「ハッキリしない子ね~もっとシャキッとしなさいよ!シャキッとさ!」

シンジ「ご、ごめん…」

アスカ「まあいいわ。それでさ、シンジ」

シンジ「へっ!?」

アスカ「別にいいでしょ、名前で呼ぶくらいさ」

シンジ「いや、でも…」

アスカ「私のこともアスカでいいからさ。ほら、呼んでごらんなさいよ」

シンジ「それは…」

アスカ「あー、もー!いいわよ!そこまで無理しなくたって」

アスカ「気が向いたらそうやって呼んでくれればいいわ」

アスカ「それよりも、さっきの続きだけど…」

アスカ「私、今日からこの学校だから教科書持ってないのよ」

シンジ「あ、それは大変だね…」

アスカ「大変だね…じゃないわよ!あんたのを貸しなさいよ!」

シンジ「ええっ!?」

アスカ「ほら、早く!!」バッ

シンジ「あっ!?」

マナ「シンジ、私の隣においでよ。一緒に見よ?」

シンジ「ありがと、助かるよマナ」

マナ「こんなこと気にしないの!」





シンジ「マナ、これお昼ご飯だよ」コトッ

マナ「わー!ありがと~」

マナ「じゃあ、一緒に食べよ?」

シンジ「いいよ。一緒に食べ……」

アスカ「シンジ!」

シンジ「どうしたの?惣流さん…」

アスカ「………」

アスカ「まあいいわ…」

アスカ「屋上の場所を教えてくれない?」

シンジ「屋上なら廊下を…」

アスカ「一緒に来るのよ」グイッ

シンジ「いや、でもお弁当を食べてないし…」

アスカ「そんなの屋上で食べればいい話じゃない」

シンジ「マナと一緒に食べたいんだけど…」

アスカ「へ~、女のお願いも無下に蹴るんだ?こちとら、初めての学校で分からないことだらけだってのに」

シンジ「それなら、他の人も沢山いると思うよ?」

アスカ「私はあんたに言ってるの!」

シンジ「でも…」

マナ「いいよ、シンジ。今日は惣流さんと一緒に行ってあげて」

シンジ「いいの?」

マナ「うん!大丈夫だから安心して!」

シンジ「うん…」

アスカ「………」

アスカ「ほら、早く行くわよ!」

シンジ「分かったよ…」スタスタ

マナ「………………」

ヒカリ「マナちゃん、一緒に食べよ?」

マナ「うん…ありがと、ヒカリちゃん……」

ヒカリ「大丈夫、碇くんはマナちゃんを裏切ったりしないよ」

マナ「うん!」

屋上

アスカ「へぇ~なかなかの風景ね」

シンジ「そうだね。僕もここから見る風景は好きだよ」

シンジ「そういえば、どうして惣流さんは第三新東京市に来たの?」

アスカ「それは…」

アスカ「そう、パパとママが転勤でこっちに来たからよ!」

シンジ「ということは、ネルフの関係者?」

アスカ「違うわ。そんなのじゃない」

シンジ「じゃあ、何で…」

アスカ「私の話はどうでもいいでしょう!」

アスカ「ほら、これあげるわよ」

シンジ「これは?」

アスカ「見て分からないの?ネックレスよ!」

シンジ「いや、それは分かるけど、どうして惣流さんが?」

アスカ「それは…お礼よ。ここまで連れて来てくれたお礼」

シンジ「別にそんな気を使わなくたって…」

アスカ「ぐちゃぐちゃ言わないでいいから貰いなさいよ!」

シンジ「わ、分かったよ」

アスカ「よし」

アスカ「ほら、早く戻るわよ馬鹿シンジ」スタスタ

シンジ「一体なんなんだよ…もう…」

放課後

シンジ「ねえ、マナ」

マナ「どうしたの?」

シンジ「さっき屋上でこんなの貰ったんだ」

マナ「ネックレス?」

シンジ「うん…惣流さんに突然渡されたんだ」

マナ「どうして私に?」

シンジ「マナに隠し事をするのは嫌だからね」

マナ「ふふ」ニコッ

マナ「私はシンジのことを信じてるからいいの」

シンジ「今日はごめんね」

マナ「しょうがないよ。惣流さんに頼まれちゃったんだからね」

マナ「シンジは優しいから、お願いを断れないでしょ?」

シンジ「まあ…うん」

マナ「そのかわり!」

シンジ「?」

マナ「明日は一緒にご飯食べようね!」

シンジ「そうだね。明日は必ず一緒だよ」

シンジ「約束だ」

マナ「うん!」ギュッ

シンジ「それじゃあ、帰ろう」

>>286>>287の間のお話です
投下し忘れてました







学校

ヒカリ「起立!礼!着席!」

老教師「え?…本日より転校生がこのクラスに入ります」

老教師「では、入って来なさい」

ガラッ

マナ「惣流・アスカ・ラングレーです。よろしくお願いします」ニコッ

男子「おおっ!」

女子「キレ~イ!!」

シンジ「転校生か。あの子もネルフの関係者とかかな?」

マナ「どうだろ?そんな話はなかったよね?」

シンジ「うん…」

老教師「惣流さんの席は…」

老教師「碇君の横の席へ座って下さい」

アスカ「碇…シンジ君ね?」

シンジ「うん…そうだけど……」

翌日

アスカ「グーテンモーゲーン、シンジ」

シンジ「ぐ、グーテンモルゲーン?」

アスカ「おはようってことよ。朝から辛気臭い顔してんわね」

シンジ「別にそんなこと…」

アスカ「ほら、それよそれ!すぐ言葉尻を濁す!それが辛気臭いのよ!」

シンジ「そんなこと言ったって…」

アスカ「はっきりしない男はモテないわよ?」

シンジ「別にそれはいいんだけど…」

アスカ「はあ?あんたバカぁ?そんなの嘘に決まってるじゃない!」

アスカ「どうせ男ってのは、色んな女からイチャイチャされたいってだけの生き物じゃない!」

シンジ「いや、本当にそんなことないんだけど…」

アスカ「嘘ね」

シンジ「本当だって!僕はマナと一緒にいれれば、それだけでいいんだ」

クラスメート「ヒューヒュー」

トウジ「よく言ったで、センセ!」

マナ「シンジ…」

アスカ「……ふ、フン!そんな強がっちゃって無駄よ!」

アスカ「口では綺麗なことを言ったって、男は基本ケダモノなんだから」

マナ「シンジはそんなのじゃないです!」

アスカ「へ~。じゃあそう言えるだけの根拠がもちろんあるのよね?」

マナ「根拠は私です!」

アスカ「………どういうこと?」

マナ「私は一度もシンジに酷いことをされたことない。これって立派な根拠になると思いませんか?」

アスカ「そんなの、いつも一緒にいるわけじゃないんだから根拠なんて言えるわけないじゃない」

マナ「同じ家でずっと一緒に暮らしているとしてもですか?」

アスカ「はっ!?どういうことよ、それ!!」

マナ「言った通り、そのままの意味ですよ」

マナ「私とシンジは同じ家で朝から晩まで一緒にいます。それでもシンジは一度も私に乱暴したことないんです」

クラスメート「おお!」

レイ「………チェリー……」

マナ「それでもシンジに対してケダモノなんて言えますか?」

アスカ「……そんなの……あんたを油断させるために……」

マナ「シンジはそんなのじゃない!!!!」

アスカ「!?」

マナ「いつでも私のことを気遣ってくれて、しかも私が死の危険に面した時は自分の命すらも投げ捨ててくれた!」

マナ「それに人が傷付くようなことは絶対に言わないし、絶対にやらない」

マナ「それが碇シンジっていう人間なんです!」

マナ「なのに…こんな言われよう……酷いよ!!」ポロポロ

アスカ「でも……」

マナ「でも、何ですか?これ以上シンジを侮辱するんなら、私は絶対に貴女を赦さない!」

アスカ「……………」

アスカ「悪かったわよ……本当にそんなことは思ってないわ」

アスカ「悪かったわね、シンジ」

シンジ「別に僕はいいよ…それよりもマナはいいの?」

マナ「シンジがいいなら…」

シンジ「じゃあ、この話はこれで終わりだ。いいよね、惣流さん?」

アスカ「え、ええ…」

シンジ「よし。ほら、マナ泣くのはやめて」

マナ「うん……」

女子A「すごいね、マナちゃん」

女子B「あんなに碇君のことを想ってるなんて尊敬しちゃうよ」

女子C「それにしても、碇君ってそんなにカッコいいんだ?普段はそこまでピンと来ないから意外だったよ」

マユミ「私、妬けちゃうな」

女子A「碇君とはどこまでいったの?A?B?それともまさか…C!?」

マナ「えっ!?えっと…」

女子C「Cは無いわよ。さっき言ってたでしょ?」

女子A「そっか~じゃあBってところかな?」

女子C「そんな感じじゃないかな?」

女子B「マナちゃんと碇君って、もう愛し合ってますって感じだよね」

女子A「分かる~!!」





シンジ「今日は大変だったね」

マナ「うん…あの後色々言われたよ」

シンジ「ご苦労様。僕も男子から色々聞かれたよ…」

マナ「一応公認とはいえ、あんな大々的に言っちゃったから…」

シンジ「まあね」

シンジ「でも、嬉しかったよ」

マナ「あの後大変だったのに?」

シンジ「うん。それでもすごく嬉しかった」

シンジ「まあ、ちょっと恥ずかしかったけどね」

マナ「私も恥ずかしかったからお互い様」クスクス

マナ「それにしても惣流さんはどうしてあんな…」

シンジ「分からない。だけど、悪意は感じないんだ…」

マナ「でも、いくらなんでもあれは酷いよ!」

シンジ「まあね。でも、絶対彼女は悪い人じゃない。それは分かるよ」

マナ「………うん…」

マナ「でもね、シンジ」

マナ「私は、惣流が何かを隠してるようか気がするの…」

シンジ「何か?」

マナ「それはよく分からない…だけど、何かを隠してる…」

シンジ「そうか…」

シンジ「分かったよマナ」

シンジ「でも、この話はここでおしまい」

マナ「暗い話は嫌だもんね?」

シンジ「そういうこと」

シンジ「もう少しでミサトさんも帰ってくるから、御飯の仕度をしなくちゃ」

マナ「じゃあ、私がメインを作るよ」

シンジ「お願い。僕はそれ以外をやっておくよ」

マナ「よろしく!」





ミサト「ただいま~」

マナ「お帰りなさい」

シンジ「ミサトさん、ビールです」

ミサト「ありがと~」

マナ「もう御飯出来るのでもう少し待ってて下さいね」

ミサト「今日はマナちゃんの料理なのね」

マナ「シンジも作ってくれましたよ」

シンジ「まあ。でも、マナがメインですよ」

ミサト「いいわね!二人の御飯って美味しいから助かるわ~」

ミサト「でも、最近体重が…」

シンジ「なら、ビールやめますか?」

シンジ「マナは同じメニューでスタイルをキープしてますよ」

マナ「ちょっと、シンジ!!」

ミサト「ビールだけはダメよ!」

ミサト「でも、マナちゃんはホント細いわね~ 羨ましいわ」

マナ「そんなことないですよ」

ミサト「謙遜のし過ぎは嫌味になっちゃうわよ~」

マナ「本当にそんなんじゃないですって!」

シンジ「僕はいいと思うけど」

ミサト「あら、シンちゃんまでそう言ってるわよ」

マナ「シンジぃ~!」ポカポカ

シンジ「うわ!痛い!痛いってマナ」ニコニコ

マナ「だめ!赦さない!!」ニコニコ

ミサト「ほんと、仲がいいわね~」

翌日

学校

トウジ「飯や飯!ほなケンスケ、購買行くで」

ケンスケ「はいはい」

アスカ「………」

シンジ「惣流さん、お昼御飯は?」

アスカ「ないわよ」

シンジ「そんなの身体に良くないよ」

アスカ「別にいいでしょ。そんなの」

シンジ「そんなことないって」

アスカ「ああもう!渡しは料理作れないのよ!悪い!?」

シンジ「ご両親は作ってくれないの?」

アスカ「それは………忙しいから…」

シンジ「そうなんだ……」

シンジ「なら、僕が作ってあげようか?」

アスカ「なんであんたが!?それにわざわざそんな面倒くさいことを?」

シンジ「別に3つ作るのも4つ作るのもそこまで変わらないよ」

アスカ「でも…」

シンジ「遠慮しなくていいよ。僕もやりたくてやるわけだしね」

アスカ「それなら…お願いするわ」

シンジ「うん」

アスカ「あ、あと!」

シンジ「?」

アスカ「出来たら…お肉入れてくれる?」

シンジ「分かったよ」ニコッ





シンジ「というわけなんだ」

マナ「そうなんだ~」

シンジ「マナは嫌だった?」

マナ「ううん、そんなことないよ」

マナ「それに、シンジが決めたことだもん。私が否定するわけないじゃない」

シンジ「うん。ありがと」

マナ「それじゃ、明日は何にするの?私も手伝うよ」

シンジ「お肉が食べたいんだってさ」

マナ「それなら、ハンバーグとかかな?」

シンジ「そうだね。それがいいかも」

マナ「なら、今日の晩御飯の買い物と一緒に買っとこ?」

シンジ「うん」

翌日

シンジ「はい、これ」

アスカ「あ、ありがと…」

アスカ「」パクッ

アスカ「!?」

シンジ「どうかな?」

アスカ「ま、まあまあね」

アスカ「」ガツガツ

シンジ「フフッ…」

アスカ「何よ!?」

シンジ「いや、なんでもないよ」

アスカ「ふん!」ガツガツ

数日後

日向「戦自が司令部と直接の確認中」

青葉「放射線と有害物質の確認を至急確認願います」

マヤ「甲は自らの重量で岩を踏み崩し、バランスを失い花崗岩に激突」

ミサト「謎の移動物体は新型の人型兵器だと思われます」

ミサト「高速で移動中に崖を踏み崩し、そのまま岩盤に激突した模様です」

冬月「生存者はいるのか?」

ミサト「胴体の中央に人の入れるハッチのようなものがありますが」

冬月「許可はとってある。ハッチの中を調べてくれないか?」

ミサト「はい、そうします」

ゲンドウ「くだらん、あんなものに付き合っている暇は無いはずだ」

冬月「無視する訳にはいかないだろう?すぐ終わるさ」

ゲンドウ「シンジ」

ゲンドウ「シンジはいるか?」

シンジ「はい」

ゲンドウ「待機の必要は無くなった。実験棟の方に行き、テストの続きをしろ」

シンジ「でも、ミサトさん…いや、葛城三佐の指示を聞かないと」

ゲンドウ「命令だ」

シンジ「………はい」

マナ「シンジ!!」

シンジ「どうしたの?マナ」

マナ「今日謎のロボットが発見されたんだけどね、そのパイロットが収容されたの!」

シンジ「パイロット?」

マナ「私達と同じくらいの男の子。戦略自衛隊病院に収容されたの」

シンジ「戦略自衛隊病院?ネルフの中央病院じゃなくて?」

マナ「うん。どうしてだろう…何か変だよね?」

シンジ「分からない。だけど行ってみよう!」

マナ「そうね」

戦略自衛隊病院 ICU

シンジ「彼が例のロボットのパイロット?」

マナ「多分…」

アスカ「そんなわけないじゃない」

シンジ「惣流さん?」

アスカ「そこで寝てるのは私達の友達よ」

シンジ・マナ「友達?」

シンジ「どうしてここに?」

アスカ「何よ!友達のお見舞いに来ちゃ悪い?」

シンジ「そんなことないけど…」

シンジ「でも、彼はロボットのパイロットだって…」

アスカ「そんなわけないって言ったじゃない!」

シンジ「でも…」

マナ「ねえ、惣流さん」

アスカ「何よ」

マナ「…………」

アスカ「何かあるなら黙ってないで早く言いなさいよ!」

マナ「……もしかしたら、彼がパイロットだってこと前から知ってたんじゃないですか?」

アスカ「!?」

アスカ「それは………そんなことあるわけないじゃない…」

マナ「ちゃんと私を見て行って下さい!」

マナ「本当に……絶対にそう言い切れますか…?」

アスカ「………………」

アスカ「ええ」

マナ「……………」

マナ「分かりました…」

マナ「惣流さんのこと信じます」

マナ「でも…もしシンジを傷付けるようなことをしたら私、絶対に惣流さんのこと許しません」

アスカ「……………」

マナ「絶対にシンジを傷付けるようなことはしないで…」

アスカ「……………」

マナ「………………」

シンジ「帰ろう、マナ」

マナ「うん………」

シンジ「時間取っちゃってごめんね、惣流さん。また明日学校で」

アスカ「………………」

マナ「ねえ、シンジ」

シンジ「何?」

マナ「私ね、惣流さんのことを嫌いってわけじゃないんだ…」

マナ「多分、普通に話してれば仲良くなれると思う」

マナ「でもね……どうしても今の惣流さんは信じることが出来ないの。本当は人の事は疑いたくないのに…どうしても出来ないの…」

マナ「だってさっきも惣流さん…私の目を全く見てなかった……ずっと逸らしてるんだもん…」

マナ「辛そうな顔をして………」ポロポロ

シンジ「マナ……」

マナ「多分ね………ううん、間違いなく惣流さんは戦自に関係ある。恐らく……スパイ………」

マナ「もう…私……一体どうしたらいいか……分からない………」

マナ「もうこれ以上惣流さんを疑いたくない………だけど、シンジが危険な目にのはもっと嫌!」

シンジ「そんなにマナだけが背負う必要はないよ」

マナ「シンジ…」

シンジ「僕も背負うよ。マナと僕は一蓮托生だ」

マナ「シンジ……」グスッ

シンジ「ごめんね、マナ。マナだけに辛い思いをさせちゃって」

マナ「ううん…そんなことない。シンジのためならこんなの何てことないよ…」

シンジ「ありがとね、マナ。僕のためにそんな…」





シンジ「落ち着いた?」

マナ「うん…」

シンジ「惣流さんのことだけど、僕に任せて貰える?」

マナ「どうするの?」

シンジ「今まで通り接すればいいと思うんだ」

シンジ「もし、何か事が動いても僕達が後悔しない様に挑めばいい」

シンジ「そして、出来る限り惣流さんを助ける」

シンジ「これでどうかな?」

マナ「私はシンジと一蓮托生なんだよ?反対する筈がないじゃない」

シンジ「そうだね」ニコッ

翌日

シンジ・マナ「おはよう、惣流さん」

アスカ「えっ!?」

アスカ「な、何よ二人揃ってあいさつなんて。気持ち悪いわね」

シンジ「別に狙ってやってるわけじゃないよ。前にシンクロの訓練受けたからしょうがないんだ」

マナ「ね~」

アスカ「シンクロの訓練?もっと詳しく教えなさいよ」

シンジ「使徒と戦うためにマナと一緒の家で生活をして訓練をしたんだよ」

マナ「今一緒に住んでるのはその流れでなんだ」

アスカ「へ~、パイロットって大変なのね」

アスカ「そういえば、エヴァってどうやって操縦してるのよ?大変じゃないの?」

シンジ「流石にそれは教えられないよ。機密事項だからさ」

アスカ「そう…それならしょうがないわね」

ヒカリ「ほら、皆座って!」

シンジ「ホームルームだってさ。席に戻ろう」

アスカ「そうね」

ヒカリ「起立!礼!着席」

老教師「では、ホームルームを始めます…」

老教師「私が子供のころ………」





老教師「おっと…そろそろ一時間目が始まりますね。ではホームルームを終わります」

マナ「今日の一、二時間目ってなんだっけ?」

シンジ「調理実習だよ」

マナ「えっ!?」

マナ「どうしよう……私…エプロンとか持ってきてない…」

シンジ「そんなことがあろうかと…」ゴソゴソ

シンジ「はい、これ。マナのエプロンだよ」

マナ「ありがと~」

シンジ「今日はうっかりさんだったね」

マナ「からかっちゃやだよ」ニコッ

シンジ「ごめんごめん」

シンジ「ほら、時間がないよ。急ごう」

マナ「ほんとだ!」

先生「今日は里芋の煮転がしとほうれん草のソテー、目玉焼きです。各班それぞれで作って食べて下さい」





シンジ「よっと…」

シンジ「マナ」

マナ「はい、これでしょ?」

シンジ「ありがと。あ、これ使うよね?」

マナ「ありがと~」

トウジ「なんなんや…こいつら…」

ケンスケ「まるで熟年の夫婦だ…」

ヒカリ「マナちゃんと碇君すごい…」

アスカ「へ~、やっぱりあんた達上手いのね」

シンジ・マナ「そんなことないよ」

シンジ「マナの方が」

マナ「シンジの方が」

シンジ・マナ「上手いからね」

アスカ「あんた達…一人ずつ話してくれない?聞いてるこっちの方が頭痛いわ」

シンジ・マナ「でも…」

アスカ「だから!同じタイミングで喋るな!!」

シンジ「惣流さんはどうしたの?うちの班じゃないよね?」

アスカ「私は…」

トウジ「あまりにも料理が下手過ぎて戦力外通告されたんや」ニヤニヤ

ケンスケ「まあ、そういうことだよ」

アスカ「違っ……!!」

ヒカリ「あんた達も変わらないでしょ!鈴原!!」

トウジ「うわっ!鬼が来おった!」

ヒカリ「誰が鬼よ!?」

トウジ「かんにん!堪忍や!!」

ヒカリ「だめ!今日っていう今日は絶対に許さないから!」

トウジ「逃げるで、ケンスケ!」

ケンスケ「別に俺は…うわっ!」

ヒカリ「コラッ!待ちなさい!!」

トウジ「待てって言われて待つアホがおるか!!」

シンジ「トウジは相変わらずだな」

マナ「でも、ヒカリちゃんもどこか楽しそうだね」

シンジ「ほんとだ」

マナ「もしかして…」

シンジ「もしかして?」

マナ「ううん、まだ確証が無いから言うのはやめとく」

シンジ「そう?」





マナ「出来た!!」

シンジ「皆、出来たよ」

マユミ「ごめんね、碇君。完全に負んぶに抱っこで」

シンジ「別にいいさ。じゃあ山岸さんは皆を連れてきてくれるかな?」

マユミ「ええ」

マナ「私達の班が一番だったみたいだね」

シンジ「他の班は…」

トウジ「なんやねん!!!これ!!」

ヒカリ「ご、ごめんね…私が火元から離れたせいで…」

ケンスケ「これは…真っ黒な何かだよな…」

ヒカリ「ごめんね…本当にごめんなさい」

アスカ「まあ、食べてみれば美味しかったり…」パクッ

アスカ「……………」モグモグ

アスカ「……………」

ヒカリ「あ、アスカさん?」

アスカ「ちょっと…お手洗いに……行ってくるわね…」ダッ

ケンスケ「い、碇。お前のところってどんな感じに出来たんだ?」

ヒカリ「…………」グスッ

トウジ「………」パクッ

ヒカリ「鈴原!?」

トウジ「……」ゴクン

トウジ「普通にいけるやないか。食わないんちゅうならワシが食べるで」

ヒカリ「無理しなくていいよ、鈴原。それ、凄く不味いでしょ?」

トウジ「そないなことないわ。食わんならそれ貰うで」パクリ

ヒカリ「鈴原…」

シンジ「トウジ…」

マナ「ほんとは鈴原くんって優しいんだね」

シンジ「うん、トウジは凄く優しい人間だよ。妹さん想いだしね」

マナ「鈴原くんなら、ヒカリちゃんも大丈夫だよね…」

シンジ「えっ?何か言った?」

マナ「ううん、な~んでもない!」

シンジ「さっきからどうしたの?何か変だよ?」

マナ「シンジはもう少し待っててね。絶対に教えるからさ」

シンジ「う、うん…」

マユミ「マナちゃん、皆連れてきたよ」

マナ「ありがと、マユミちゃん。じゃあ食べよっか?」

班員「いただきます!」

数日後

アスカ「っつ!!」ガタン

シンジ「あ、おはよう惣流さん。どうしたの?そんな慌てて」

アスカ「いないのよ!」

シンジ「いない?」

アスカ「ケイタが病院にいないのよ!」

シンジ「えっ!?」

アスカ「シンジ達はケイタがネルフが引き取られたとか、そういう話は聞いてないの?」

シンジ「僕は全く。マナは?」

マナ「私も」

シンジ「とりあえずいってみよう!」

マナ「そうだね!」

戦略自衛隊病院

アスカ「ほら、見なさいよ」

マナ「ほんとだ…」

シンジ「別の部屋に移動したのかもよ?」

アスカ「そんなわけないわよ!私は全部の部屋を捜したのよ!」

シンジ「それなら…」

アスカ「引き戻されたのかも…」

シンジ「誰に?」

アスカ「奴らに…」

マナ「シンジ!!危ない!!!」

黒服「」ブワッ

シンジ「くそ!!」ドン

シンジ「二人とも逃げるよ!!」





黒服A「くそっ!どこに行った!!」

黒服B「くまなく捜せ!!必ず見つけ出すぞ!」ガッシャン

看護師「キャーキャー」

シンジ「出て行ったらまずい…」

マナ「………」プルプル

シンジ「とりあえず僕はネルフに、マナは警察に連絡」

マナ「うん…」

シンジ「ミサトさんですか?はい、僕です。僕たちの見張りの方々を戦略自衛隊病院に突入させて下さい」

シンジ「はい…はい……そうです。不信者が暴れています」

シンジ「このままだと僕らの命も危ないんです」

シンジ「はい、お願いします。僕たちは期を見て逃げ出します」

シンジ「僕らの見張りの方が救出に来てくれるって。マナは?」

マナ「あと数分で警察が来るよ」

マナ「でも、シンジはよく平然としていられるね。私なんか膝が笑っちゃってるよ…」

シンジ「平気なように見えるかな?」

マナ「うん。凄く頼りになるよ」

シンジ「実はさ、僕も凄く怖いんだ。ほら、触ってごらん」

マナ「あ…」

シンジ「心臓がバクバクなってるでしょ?」

マナ「でも、全然そうは見えなかった…」

シンジ「ここでもしも僕が取り乱したらマナや惣流さんが心配になっちゃったでしょ?」

シンジ「だから無理してでもたんだ…」

マナ「シンジ…強いね…」

シンジ「僕は弱いよ。ただ逃げるだけで何も出来なかった」

マナ「ううん。そんなことない…」

マナ「だって……」

黒服A「いたぞ!」ガチャ

アスカ「!!?」

マナ「いやぁ!シンジ!!」

シンジ「くっ…」バッ

黒服A「悪く思うなよ」

マナ「ダメ!!シンジ!!!」

ズドン

シンジ「………あれ?」

加持「逃げろ!!早く!」

シンジ「!?」

シンジ「マナ!アスカ!!」

マナ「うん!」ダッ

アスカ「…」ダッ

シンジ「ありがとうございます!」

加持「絶対に捕まるなよ。ほら、早く行け行け」バンッ





シンジ「はあ…はあ…」

シンジ「ここまで来れば大丈夫か…」

マナ「よかった…助かった…」

アスカ「ごめん…私のせいで…」

シンジ「そのことだけど、そろそろ詳しく教えてくれないかな?もちろん、惣流さんが嫌ならしょうがないけど…」

アスカ「…………」

アスカ「いいわ…話すわよ…」

シンジ「………」

マナ「………」

アスカ「多分あんた達も察しがついていたみたいだけど、私は……スパイよ」

シンジ「………」

アスカ「戦自所属の少年兵である私は、ネルフの対使徒決戦兵器であるエヴァンゲリオンについての情報を手に入れるという任務の為にここに送られた」

アスカ「そして、それと関係してもう一つの任務があったわ」

マナ「……エヴァンゲリオンパイロットへの接触ね」

アスカ「そうよ。特に異性である碇シンジが重要人物だったわ」

マナ「それって…」

アスカ「そう。男は女にめっそう弱いから」

アスカ「でも、現実は違った。シンジには霧島マナという心の支えがいたから、私は色仕掛けを断念したわ」

アスカ「それからは、友達として接触することによって情報を得ようとした」

アスカ「だけど、それでも殆ど情報は得られなかった…」

シンジ「じゃあ惣流さんは、僕らに対して何の感情も持ってないの?」

シンジ「ただ、任務だったから一緒にいたの?」

アスカ「それは!…………」

アスカ「……………」

アスカ「………いえ…そうよ…」

マナ「惣流さん…」

アスカ「だからさ、ここで友達ごっこは終わり」

シンジ「何を言ってるんだよ!」

アスカ「それが任務だったからしょうがないのよ」

アスカ「私はここで消える。私はムサシのところに戻るわ」

シンジ「ムサシ?」

アスカ「トライデントのもう一人のパイロット。私の仲間よ」

アスカ「それと、絶対私の事は追わないで。追ってきたら私も闘わないといけなくなる」

シンジ「ダメだ!そっちに行ったら死んじゃうかもしれない!こっちに…」

アスカ「ありがとシンジ…この数日間、あんたたちのお陰で少しだけ楽しかったわ」





マナ「これでよかったのかな…?」

シンジ「分からない…だけど、僕たちが惣流さんを止める方法は無かったよ…」

マナ「惣流さん…」

プルルルルル

シンジ「ミサトさんからだ!」

シンジ「はい。はい…出撃ですか!?」

マナ「えっ!?」

シンジ「………」ピッ

マナ「出撃ってまさか…」

シンジ「トライデントだ…」

マナ「嘘…でしょ…」

シンジ「僕達が出撃しなかったら確実に惣流さんとそのパイロットが死んじゃう」

シンジ「そうなるくらいなら僕達で助けよう。あの二人を」

マナ「そうね。このまま見殺しにするのは嫌だもんね」

シンジ「そういうこと。急ごう、マナ」





ミサト「みんな聞こえる?」

ミサト「先程芦ノ湖から例のロボットが現れました。目標は今は戦略自衛隊による足留めで移動はしていなませんが、進行は時間の問題です」

ミサト「なんとしてでも目標の進行を阻止して下さい」

シンジ「もしも進行を開始して、エヴァ3機を振り切った場合、目標はどうなるのですか?」

ミサト「その時は戦略自衛隊の航空部隊がN2爆雷にて処分するとのことよ」

シンジ「そんな!あの中には惣流さんが乗っているんですよ!」

ミサト「それでもあなた達は闘わないといけないの。このまま目標が市街地に出た場合の被害は計り知れないわ」

シンジ「でも…」

日向「目標、進行を開始!早い!!」

ミサト「みんな!作戦を開始して!!」

レイ「はい」

シンジ「くそっ!」

マナ「トライデントが市街地の方に!!」

シンジ「惣流さん!そっちはだめだ!!」

トライデント「」ダッダッダ

シンジ「このままだとN2爆雷で殺されちゃうんだ!!」

ミサト「シンジくん!何を…」

トライデント「」ダッダッダ

シンジ「お願いだよ!そっちに行っちゃだめだ!!」

シンジ「君が死ぬのを見たくないんだ!」

マナ「お願い惣流さん!ムサシさん!逃げて!!」

トライデント「」ピタッ

シンジ「海だ!海の方へ!!」

マヤ「厚木基地から飛び立ちました爆撃機があと1分で目標に接触します!」

ミサト「シンジくん!マナちゃん!レイ!これ以上追いかけたらあなた達も巻き込まれるわ!撤退して!」

シンジ「マナ!」

マナ「うん!」

マヤ「初号機、弐号機止まりません!」

ミサト「今すぐ戦自に連絡!爆撃機による爆撃を遅らせるように要請!」

日向「了解!」

シンジ「海が見えて来た!」

マナ「あと少し!」

日向「戦自より通信!これ以上は待てないとのことです!」

ミサト「エヴァがいるのよ!なんとしても中止させなさい!」

日向「ダメです!爆雷の投下は…10秒後です!!」

ミサト「二人とも止まりなさい!あなた達も巻き添えになるわよ!!」

日向「10」

アスカ「早く逃げなさい馬鹿シンジ!霧島マナ!」

日向「9」

マナ「惣流さん!」

日向「8」

アスカ「惣流さんか…」

日向「7」

アスカ「最期くらいは名前で呼びなさいよ」

日向「6」

アスカ「あんたらは生き残りなさいよ」

日向「5」

シンジ「そんなこと言うなよ!死んじゃだめだ!」

日向「4」

アスカ「私さ…」

日向「3」

アスカ「本当はあんたら二人のこと…」

日向「2」

アスカ「………」

日向「1」

アスカ「好きだったのよ」

日向「0」

バシャン ピカッ

シンジ・マナ「アスカ~!!!!」

ミサト「………」

ミサト「状況は…?」

青葉「あと3秒でモニターが回復します」

青葉「回復しました」

日向「うっ…」

マヤ「酷い…」

ミサト「目標は…?」

リツコ「残骸一つないわね。恐らく…消滅」

ミサト「……………」

ミサト「エヴァは」

マヤ「多少損傷はありますが問題ありません」

ミサト「そう…」

ミサト「現時刻をもって作戦を終了。初号機と弐号機を回収。及び爆撃地の復旧作業を急いで」

葛城宅

シンジ「…………」

マナ「…………」

シンジ「アスカ…助かったよね…」

マナ「…………」

シンジ「アスカは死んでないよね…」

マナ「…………」

シンジ「だって何もトライデントの残骸が無いじゃないか」

マナ「シンジ……」

シンジ「嘘だ…嘘だ嘘だ!どうして…!!!」

シンジ「僕の所為だ!僕がちゃんと作戦を考えられなかったから…」

マナ「そんなことない!シンジは良くやったよ!」

マナ「ダメなのは私なの!私…何も出来なかった…何にも出来なかったんだよ!」

マナ「どうにかしようって動いたシンジは何も悪くないんだよ!」

マナ「私がちゃんとしてれば…」ヒック

シンジ「そんなことない…僕の所為なんだ…」

シンジ「結局アスカを助けられなかった。そんなのじゃ何もしてないも同然だよ!」

シンジ「どうしてこんな事に…」

シンジ「!?」

マナ「どうしたの?」

シンジ「留守電だ!」

ピッ

アスカ「あーもしもし」

アスカ「馬鹿シンジ、霧島マナ。聞いてるわね」

アスカ「多分これを聞いている時には私は消えるなり捕まるなりしてるわね」

アスカ「そしてシンジにも迷惑をかけたと思う。それはごめん…」

アスカ「だけど、私のことでシンジが気に病む必要はないわ。そもそも私がスパイだったってことが原因なんだから」

アスカ「もしも、私の事を助けられなかった~なんてこと思ってたら絶対アンタのことを恨むから」

アンタ「シンジは私の事を気にせずに、霧島マナと幸せに生きていきなさい」

アスカ「そして、霧島マナ。アンタにも悪い事しちゃったわね」

アスカ「前にシンジの事で色々言っちゃったけど、あれは本心ではないからさ。ただ、からかってやろうと思っただけ」

アスカ「まさかあそこまで反発があるとは思わなかったのよ」

アスカ「本当にごめん…」グスッ


アスカ「……短かったけど、ここに来て私は楽しかった。…もっとここに居たいって思えるくらいに…」

アスカ「それはあなた達二人のおかげなのよ……」

アスカ「ありがとう。私はあなた達の事を死んでも忘れない」

アスカ「もしも…もしも私が生き残る事が出来たら…絶対に会いに行くから」

アスカ「それまではサヨナラよ」

アスカ「…………」

アスカ「それと、最後に……」

アスカ「馬鹿シンジ、やっと私の事をアスカって呼んでくれたわね。嬉しかったわよ」ブチ

ツーツーツーツーツー

シンジ「…………」ポロポロ

マナ「」ポロポロ

シンジ「なんなんだよ……!!死んでも忘れないって……死んじゃったら意味がないじゃないか!!」

マナ「アスカさん……」グスッ








シンジ「僕、決めたよ…」

シンジ「何があっても、もう友達を失いたくない…」

シンジ「だからこの命にかけてでも絶対に助ける…」

シンジ「何があっても……絶対に…」

マナ「でも…そしたらシンジが……」

シンジ「僕の命なんか…」

マナ「それはダメだよ!そんなことは絶対にアスカさんは望んでない!!言ってたじゃない!幸せになってって!」

マナ「シンジにとってそれが幸せなの!?」

マナ「それに私だってシンジが死んじゃったら生きていけないって言ったじゃない!」

マナ「私をもっと頼ってよ!一人で背追い込まないでよ!!」

マナ「お願いだから一人で苦しまないで…」ポロポロ

シンジ「ごめん…マナ……」

シンジ「……苦しい時、僕一人じゃどうしようもない時はマナに頼っていいかな?」

マナ「当たり前だよ」

シンジ「ありがとう…」

マナ「いいの…」

マナ(アスカさん…これでいいんだよね…?私が必ずシンジを幸せにしてみせるから…)

数日後

看護婦A「12号室のクランケ?」

看護婦B「例のE事件の救急でしょ?ここに入院してからずいぶん経つわね」

看護婦A「なかなか難しいみたいよ、あの怪我」

看護婦B「まだ小学生なのに…」

看護婦A「今日もきてるんでしょ、あの子」

看護婦B「そうそう。週2回は必ず顔出してるのよ。妹思いのいいお兄さんよねぇ」

看護婦A「ほんと、今時珍しいわね、あんな男の子」

ヒカリ「起立、礼、着席!」

老教師「あ、ああ…今日の休みはいつもの綾波と、相田か。あと、今日は小池先生がお休みで、4時限目の現国が自習となります」

シンジ「ケンスケ、どうしたの?」

トウジ「新横須賀。今日も軍艦の追っかけや。妙高とかいうんが入港しとるんやと」

老教師「鈴原!」

トウジ「は、はい!」

老教師「後で、綾波にプリントを届けておくように」

トウジ「はい!」

日向「とにかく、第一支部の状況は、無事なんだな!?いいんだよ!計算式やデータ誤差はMAGIに判断させる!」

冬月「消滅!?確かに、第2支部が消滅したんだな?」

青葉「はい、すべて確認しました。消滅です」

ミサト「まいったわね~」

日向「上の管理部や調査部は大騒ぎ、総務部はパニクってましたよ!」

ミサト「で、原因は?」

リツコ「未だ分からず。手がかりはこの静止衛星からの映像だけで、後は何も残ってないのよ」

マヤ「テンマイナス、エイト、セブン、シックス、ファイブ、フォア、スリー、ツー、ワン、コンタクト」

ミサト「酷いわね…」

マヤ「エヴァンゲリオン肆号機ならびに半径89キロ以内の関連研究施設はすべて消滅しました」

リツコ「数千の人間を道連れにね」

青葉「タイムスケジュールから推測して、ドイツで修復したS2機関の搭載実験中の事故と思われます」

マヤ「予想される原因は、材質の強度不足から設計初期段階のミスまで、32768通りです」

ミサト「妨害工作の線もあるわね」

日向「でも爆発でなく消滅なんでしょう?つまり、消えた…と」

リツコ「多分、ディラックの海に飲み込まれたんでしょうね、先の初号機みたく」

ミサト「じゃあせっかく直したS2機関も?」

リツコ「パーよ。夢は潰えたわね」

ミサト「訳の分からないものを無理して使うからよ」

リツコ(それらエヴァも同じだわ…)

>>361 リツコ(それらエヴァも同じだわ)→リツコ(それはエヴァも同じだわ)

ミサト「で、残った参号機はどうするの?」

リツコ「ここで引き取ることになったわ。米国政府も第1支部までは失いたくないみたいね」

ミサト「参号機と肆号機はあっちが建造権を主張して強引に作っていたんじゃない!いまさら危ないところだけうちに押し付けるなんて、虫のいい話ね」

リツコ「あの惨劇の後じゃ誰だって弱気になるわよ」

ミサト「で、起動試験はどうするの?例のダミーを使うのかしら?」

リツコ「…これから決めるわ」





リツコ「試作されたダミープラグです。レイのパーソナルが移植されています」

リツコ「ただ、人の心…魂のデジタル化はできません。あくまでフェイク、擬似的なものです」

リツコ「パイロットの思考の真似をする、ただの機械です」

ゲンドウ「信号パターンをエヴァに送り込む。エヴァがそこにパイロットがいると思い込み、シンクロさえすればいい」

ゲンドウ「初号機と弐号機にはデータを入れておけ」

リツコ「まだ問題が残っていますが」

ゲンドウ「構わん。エヴァが動けばいい」

リツコ「はい」

ゲンドウ「機体の運搬はUNに一任してある。週末には届くだろう」

ゲンドウ「後は君のほうでやってくれ」

リツコ「はい。調整ならびに起動試験は、松代で行います」

ゲンドウ「テストパイロットは?」

リツコ「ダミープラグはまだ危険です。現候補者の中から…」

ゲンドウ「4人目を選ぶか」

リツコ「はい。一人、速やかにコアの準備が可能な子供がいます」

ゲンドウ「任せる」

リツコ「はい」

ゲンドウ「レイ、上がっていいぞ」

レイ「はい」

ゲンドウ「食事にしよう」

レイ「はい」

リツコ「…」

ヒカリ「起立!礼!」

トウジ「さ?って、メシやメシ、学校最大の楽しみやからなぁ!」

マナ「お弁当、ないの?」

シンジ「ごめん、昨日は宿題で作る暇なかったんだ…」

マナ「そうだと思って…」

マナ「ジャーン!私が全部作っといたよ!」

シンジ「えっ!?でも今日のお弁当は僕が一人で作るはずだったのに…」

シンジ「それに今朝マナが作ってるとこを見てないよ?」

マナ「実は昨日シンジが夜遅くまで勉強してたから、朝早くに起きて作っておいたんだ~」

シンジ「なんで何も言ってくれなかったの?」

マナ「サプライズだよ、サプライズ」

マナ「そっちの方が嬉しいでしょ!」

シンジ「うん。ありがとう」

トウジ「なんや、また夫婦で惚気とるんかいな!」

クラスメイト「ワハハハハ!」

シンジ「ちがっ…」

マナ「私、シンジが大好きだからいいでしょ!」ギュー

クラスメイト「ヒューヒュー」

ヒカリ「マナちゃん!」

マナ「ごめんなさ~い」

ミサト「何よ改まって」

リツコ「松代での参号機の起動実験、テストパイロットは4人目を使うわよ」

ミサト「4人目?フォースチルドレンが見つかったの?」

リツコ「昨日ね」

ミサト「マルドゥック機関からの報告は受けてないわよ」

リツコ「正式な書類は明日届くわ」

ミサト「赤木博士。また私に隠し事してない?」

リツコ「別に」

ミサト「まあいいわ、で、その選ばれた子って誰?」 ペラッ

ミサト「えっ、よりにもよって、この子なの!?」

リツコ「仕方ないわよ、候補者を集めて保護してあるのだから」

ミサト「話づらいわね、このこと」

ミサト「レイはいいとして、シンジ君とマナちゃんは傷付くわね…」

ミサト「いい事無いもの…私たちとエヴァに関わったって。それを一番よく知っているのがシンジ君だものね」

ミサト「これ以上辛い思いは、させたくないわ」

ミサト「この前のロボット騒ぎの件もあるし…」

リツコ「でも、私たちにはそういう子供たちが必要なのよ、みんなで生き残るためにはね」

ミサト「奇麗事はやめろ、というの?」

男子A「じゃぁな?」

ヒカリ「鈴原、今日から週番なんだから、ちゃんとやりなさいよ!」

トウジ「何の事や?」

ヒカリ「プリント!届けてくれって先生が言ったでしょう!」

トウジ「なんやイインチョ、相方がおるやろう」

ヒカリ「綾波さんは今日休み!」

トウジ「綾波とワシなんか。そりゃしゃーないなぁ」

トウジ「でも、女の家に一人じゃ行けへんしなぁ」

ヒカリ「それなら私が一緒に…」

トウジ「シンジ!帰り頼むわ」

ヒカリ「…」

マナ「あれ?シンジどっか行っちゃうの?」

シンジ「うん。トウジと綾波のプリントを渡しにね」

マナ「そう?私も行こうか?」

シンジ「まあ、今日は大丈夫かな。マナは先に帰ってて

マナ「分かったよ~早く帰ってきてね」

シンジ「出来るだけ早く帰るよ」

マナ「は~い」

マナ「それじゃあヒカリちゃん、帰ろうか?」

ヒカリ「あ、うん」

綾波宅

シンジ「綾波、入るよ」

トウジ「女の部屋に黙って入るんは良うないと思うで」

シンジ「しょうがないよ、ここに入れても見ないだけだし」

シンジ「お邪魔するよ」

トウジ「なんや、これが女の部屋かいな!無愛想やなぁ」

トウジ「なんや、勝ってにいじって、叱られるで」

シンジ「片づけてるだけだよ」

トウジ「ワシは手伝わんで!男のする事やない!」

シンジ「うん…でもミサトさんに嫌われるよ、そういうの」

トウジ「……」

トウジ「かまへん!ワシの信念やからなぁ!」

トウジ「ほんま、変わったなぁ」

シンジ「何が?」

トウジ「シンジや」

シンジ「え?」

トウジ「初めて会うたときは、正直いけ好かんやっちゃと思うとったけど、人のために何かやる奴とも思えんかったし」

トウジ「ま、要するに余裕なんやろなぁ、そないなことは」

シンジ「それはマナが居てくれたからだよ」

ガチャ

トウジ「お邪魔しとるで」

レイ「何?」

トウジ「あれが溜まってたプリントや」

レイ「…?」

シンジ「ごめん、勝手に片づけたよ。ごみ以外は触ってない」

レイ「あ、ありがとう…」





アナウンス「第三管区の形態移行ならびに指向兵器試験は予定通り行われます。技術局3課のニシザイ博士、ニシザイ博士、至急開発2課までご連絡ください」

加持「せっかくここの迎撃システムが完成するのに、祝賀パーティーの一つも予定されていないとは、ネルフってお堅い組織だねぇ」

マヤ「碇司令がああですもの」

加持「君はどうなのかな?」

マヤ「いいんですかぁ?加持さん。葛城さんや赤木先輩に言っちゃいますよぉ?」

加持「その前にその口をふさぐよ…」 スッ

ミサト「お仕事進んでるぅ?」

加持「ま、ぼちぼち、だな」 パッ

マヤ「では、私は仕事がありますので、これで…」

ミサト「あなたのプライベートに口出すつもりはないけど、この非常時にうちの若い娘に手ぇ出さないでくれる?」

加持「君の管轄ではないだろう?葛城ならいいのかい?」

ミサト「これからの返事次第ね」

ミサト「地下のアダムとマルドゥック機関の秘密、知ってるんでしょ?」

加持「ハテ?」

ミサト「とぼけないで!」

加持「他人に頼るとは、君らしくないな」

ミサト「なりふり構ってらんないの、余裕ないのよ、今!」

ミサト「都合よくフォースチルドレンが見つかる。この裏は何? 」

加持「一つ教えとくよ。マルドゥック機関は存在しない。影で操っているのは、ネルフそのものだ」

ミサト「ネルフそのもの…碇司令が?」

加持「コード707を調べてみるんだな」

ミサト「707…シンジ君の学校を?」

シンジ「ミサトさん」

ミサト「なに?」

シンジ「リツコさんが、明日からの出張の打ち合わせだって」

ミサト「分かったわ、ありがとう」

ミサト「また今度ね」

加持「はいはい」

加持「」ストン

加持「たまにはどうだ?お茶でも」

シンジ「僕…男ですよ?」

シンジ「加持さんって、もっとまじめな人だと思ってました」

加持「安心してる相手だと遠慮がないな。碇シンジ君」

シンジ「あ、すみません!」

加持「いや、こっちこそすまない。嫌味のつもりはないんだ」

加持「そうだ、一つ、いいものを君に見せよう」

シンジ「スイカ…ですか?」

加持「ああ、可愛いだろう?俺の趣味さ。みんなには内緒だけどな」

加持「何かを作る、何かを育てるのはいいぞぉ~。いろんな事が見えるし分かってくる。楽しい事とかな」

シンジ「楽しい事ですか?」

加持「ああ。シンジ君は楽しい事、見つけたかい?」

シンジ「…はい」

加持「野暮な事を聞くが、シンジ君にとって楽しいことってなんだ?」

シンジ「それは…友達と平和に過ごすこと。そして、マナとずっと一緒にいることです」

加持「そうか…」

シンジ「だけどこの前、僕は友達を…アスカを助ける事が出来ませんでした…」

シンジ「もう僕は友達を失いたくないんです…」

加持「では、もしもシンジ君の友達の身に危険が迫ったら君はどうする?」

シンジ「それはなんとかして助けようとします」

加持「なんとかして助けるか…」

加持「甘いな…シンジ君」

シンジ「どういう事ですか?」

加持「君には覚悟が足りない」

シンジ「でも!僕はアスカが死んでからずっと悩んで!!」

加持「では聞くが、君は友達をその手で殺せるか?」

シンジ「何を言ってるんですか!?そんなの本末転倒じゃないですか!」

加持「ちゃんと答えてくれ。君は友達を救う為なら友達を殺せるか?」

シンジ「………」

シンジ「無理ですよ…友達を[ピーーー]なんて僕には無理です!」

加持「すまんな、俺の言い方が悪かった」

加持「改めて聞くが、君は友達を救うためなら友達を[ピーーー]覚悟で挑む事が出来るか?」

シンジ「………」

加持「もしもその覚悟が無いのならば、君は恐らく友達を助けることは出来ない。そしてマナが危険な目に合っても助けることは出来ないだろうな」

シンジ「そんな……」

加持「すまん。厳しいことを言って悪かったな」

加持「ただ、俺が言いたかったのは、時には友達を助ける為に、自らの手で友達を[ピーーー]覚悟が無いと助ける事が出来ない時があるってことなんだ」

加持「まあ、頭の片隅に置いといてくれればそれでいいさ」

加持「尤も、そんなことを決断する機会が無いことを願うがな」

シンジ「友達を自分の手で[ピーーー]覚悟ですか…」

シンジ「難しいですね…それって……」

加持「ああ、凄く難しいよ。下手をしたら自分で護るべき友達を[ピーーー]ことになるのだからな」

シンジ「はい…」

加持「俺はシンジ君なら出来ると信じてる。絶対に後悔をする様な道は選ぶなよ」

シンジ「はい。ありがとうございます」

マナ「シンジ~」キョロキョロ

加持「ほら、お姫様が来たぞ。今日はこれでお開きだ」

シンジ「加持さんってお兄さんみたいですね。今日は本当にありがとうございました」ペコリ

加持「………」

加持「弟……か…」

>>378>>379 ピーの部分は全て殺すです。

ヒカリ「起立、気を付け、礼!」

トウジ「さーって、メシやメシ!」

放送「2年A組の鈴原トウジ、鈴原トウジ。至急職員室まで…」

トウジ「何や?」

ケンスケ「なんかやったの?」

トウジ「いや、心当たり、ないわ」

トウジ「ほな、ちょっくら行ってくるわ」

シンジ「…?」





シンジ「昨日の新横須賀、どうだったの?」

ケンスケ「バッチシ!ところで、ちょいと気になる情報を仕入れたんだけど…」



シンジ「エヴァ参号機?」
ケンスケ「そう。アメリカで建造中だった奴さ。完成したんだろ?」
シンジ「知らないなぁ」

ケンスケ「隠さなきゃならない事情も分かるけど、なぁ、教えてくれよ!」

シンジ「ほんとに聞いてないよ!」

ケンスケ「松代の第2実験場で起動試験をやるって噂、知らないのか?」

シンジ「知らないよ」

ケンスケ「パイロットはまだ決まってないんだろ?」

シンジ「分からないよ、そんなの…」

ケンスケ「俺にやらしてくんないかなぁ、ミサトさん。なぁ、シンジからも頼んでくれよ!乗りたいんだよ、エヴァに!」

シンジ「ほんとに知らないんだよ…」

ケンスケ「じゃあ、肆号機が欠番になったっていう話は?」

シンジ「何それ?」

ケンスケ「ほんとにこれも知らないの?第2支部ごと吹っ飛んだって、パパのところは大騒ぎだったみたいだぜ?」

シンジ「ほんとに?」

ケンスケ「おそらくは」

シンジ「ミサトさんからは何も聞いてない…」

ケンスケ「やっぱ、末端のパイロットには関係ないからな、言わないって事は、知らなくてもいいことなんだろ?シンジにはさ」

シンジ「…」

ケンスケ「すまなかったな、変な事聞いて。しかし、トウジの奴、遅いなぁ」

放課後

放送「下校の時刻です。教室に残っている生徒は、早く帰りましょう」

ヒカリ「鈴原!」

トウジ「ん?」

ヒカリ「あの、週番なんだから、ちゃんと机ならべて、日誌付けなさいよ」

トウジ「ワシ、昼飯まだやったんやで。終わったらやるわ」

ヒカリ「鈴原っていつも購買部のお弁当だね」

トウジ「作ってくれる奴もおらんからなぁ」

ヒカリ「鈴原…君……」

トウジ「ん?」

ヒカリ「私姉妹が二人いてね、名前はコダマとノゾミ。いつもお弁当あたしが作ってるんだけど…」

トウジ「そら難儀やなぁ」

ヒカリ「だから、こう見えても、あたし意外と料理上手かったりするんだ」

トウジ「へぇ?」

ヒカリ「だからあたし、いつもお弁当の材料、余っちゃうの…」

トウジ「そらもったいないなぁ…」

ヒカリ「え? 」

トウジ「残飯処理なら、いくらでも手伝うで」

ヒカリ「え…うん、手伝って!」

シンジ「今日トウジ元気無かったな…」

マナ「うん。職員室から帰ってきてからだよね」

シンジ「うん。トウジがあんなに元気が無いの珍しいよ」

マナ「鈴原組、どうしたんだろうね?」

シンジ「………分からない…明日聞いてみようと思う」

マナ「そうだね、その方がいいかも」

マナ「もしもシンジ一人じゃどうしようもないことだったら私にも相談してね。私も出来る限り助けるから」

シンジ「うん。そうさせてもらうね」





シンジ「おはようございます」

ミサト「おはよう。マナちゃんは?」

シンジ「まだ寝てますよ」

ミサト「そう。マナちゃんがこの時間まで寝てるなんて珍しいわね」

シンジ「たまにはゆっくり休ませてあげましょうよ」

ミサト「そうね」

シンジ「あの…」

ミサト「ところで…」

ミサト「あはっ、どうぞ」

シンジ「肆号機が欠番っていう噂、本当ですか?何か事故があって爆発したって」

ミサト「ええ、本当よ。肆号機はネルフ第二支部と共に消滅したわ。S2機関の実験中にね」

ミサト「ここは大丈夫よ。3体ともちゃんと動いてるじゃない。パイロットもスタッフも優秀だし」

シンジ「でも、アメリカから参号機が来るって。松代でするんでしょ?起動実験」

ミサト「う~ん、ちょっち4日ほど留守にするけど、加持が面倒見てくれるから心配ないわよ」

シンジ「でも実験は…」

ミサト「リツコも立ち会うんだし、問題ないわよ」

シンジ「でもパイロットは…?」

ミサト「その、パイロットなんだけど…」

ミサト「シンジ君のクラスの鈴原君なのよ…」

シンジ「えっ!?」

シンジ「どうしてトウジが!?」

ミサト「彼が4人目のパイロット……フォースチルドレンに昨日選出されたの」

シンジ「でも!トウジの妹さんのサクラちゃんはエヴァの所為で怪我をしたし、トウジもエヴァに乗りたいなんて思ってないんですよ!?」

ミサト「パイロットの選出はマルドゥック機関がするから細かい事は分からないの」

ミサト「だから、私に言っても困るわ」

ミサト「もしも私に選ぶ権利があったとしたら、絶対に鈴原君は選ばないわよ」

シンジ「………」

ミサト「大丈夫、シンちゃん!彼の安全は私とリツコが保証するわ」

シンジ「………」

ミサト「じゃあ、行ってくるわね。加持によろしくね」

シンジ「………はい…」

265 :名無しさん@├\├\廾□`/:2011/11/27(日) 14:03:56.91 ID:DVYtUd4k

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266 :名無しさん@├\├\廾□`/:2011/11/27(日) 14:05:25.24 ID:DVYtUd4k
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 ヽノ   ノ  ノ  ヽノ    レ|   ヽ_/    _ノ   レ|   ヽ_/  レ  \_   (_


>>385 マナ「鈴原組→マナ「鈴原君





マナ「おはよ~!」

マナ「今日、ゆっくり寝すぎちゃったよ~」

シンジ「………」

マナ「シンジ?」

シンジ「………」

マナ「シンジ、おはよ!!」

シンジ「あ、ああ…おはよ…」

マナ「どうしたの?元気ないよ?」

シンジ「うん…ちょっと……」

マナ「ちゃんと言ってよ!何かあったの?」

マナ「それに昨日約束したばっかじゃない」

シンジ「………そうだね…」

シンジ「じゃあさ…驚かないで聞いてくれる?」

マナ「うん」

シンジ「さっきミサトさんから聞いたんだけど…」





リツコ「ちゃんとシンジ君に伝えたのね?」

ミサト「ええ、まあね…」

ミサト「でも、これで本当に良かったのかなって思うのよ」

リツコ「しっかりしなさいよ。自分で保護者役を買って出たんじゃない」

ミサト「そう…なんだけどねぇ…」

ミサト「で、いつ呼ぶの?パイロット」

リツコ「そうね。明日になるわね。準備もいろいろあるし」

ミサト「彼、パイロットに選ばれて喜んでた?」

リツコ「それはないわね。そこまで喜んでなかったもの」

リツコ「入院中の妹を本部の医学部に転院させてくれっていうのが彼の出した例の条件だったのよ」

ミサト「………」

リツコ「貴女の所為ではないわ。気に病む必要ないのよ」

ミサト「とは言っても…」

リツコ「シャキッとしなさいミサト。貴女らしくないわよ」

ミサト「そうね…」

ケンスケ「エヴァのパイロットって誰なんだろうな~やる気なら俺が一番なんだし、予備でもいいから使ってくれりゃあいいのに。なぁ、トウジ?」

トウジ「あ?ああ」

シンジ「おはよ…」

マナ「おはよう…相田君…鈴原君……」

トウジ「なんや、何時もイチャイチャしとるクセに、今日はエラい元気ないな…」

シンジ「うん……」

シンジ「あのさ…トウジ……お昼に話しがあるんだ……」

トウジ「……なんの話しや?」

シンジ「……………」

トウジ「……………」

トウジ「……分かったわ。昼に屋上来いや」

シンジ「うん…」





トウジ「待たして悪かったな」

シンジ「いいよ。それよりも話しがあるんだ…」

トウジ「ワシがパイロットに選ばれたってことやな?」

シンジ「うん」

トウジ「そいで、シンジは何を言いたいんや?」

シンジ「トウジはさ、エヴァのパイロットの危険さを知ってるよね?」

シンジ「出会ってすぐの頃、トウジとケンスケはエントリープラグの中に入ったよね。そこで僕が敵にやられて苦しんでいた姿を見たよね?」

トウジ「ああ」

シンジ「それ以外でも、僕やマナと話してればエヴァのパイロットがいかに危険だって事も分かると思う」

シンジ「下手したら死ぬこともあり得るんだよ…」

シンジ「なのに…なのにどうしてトウジはパイロットになることを了承したんだよ!」

トウジ「………」

シンジ「僕は、これ以上危険な目に合う人を増やしたくないのに!なのにどうしてトウジは!」

トウジ「………優しいのぉ、シンジは…」

トウジ「別にワシはエヴァに乗りたくて、ましてや敵と戦いたくてパイロットになった訳やない」

トウジ「むしろそないな事は真っ平御免や」

シンジ「ならどうして!?」

トウジ「サクラや…サクラのためや」

シンジ「!?」

トウジ「あいつはのぉ、今も怪我に苦しんどる…」

トウジ「そいで、今の病院じゃあ快復は無理やって言われとるのや」

トウジ「そないな時にネルフからパイロットの誘いがあった」

トウジ「ネルフの医療ならあいつを治せる。もしもネルフの病院に妹を移したいならパイロットになりなさいってな」

トウジ「こうなったらワシに選択肢は無い。勿論その場で承諾したわ」

シンジ「トウジ…」

トウジ「だけどな…だけどなシンジ…」

トウジ「怖いんや…エヴァに載って敵と戦うのが怖いんや!」

トウジ「もしもあんなわけの分からん化け物と戦うのもそうやし、何よりワシが死んだらサクラはどうなるのか考えると怖いんや!」

トウジ「ほら、見て見ぃシンジ。両手の震えがずっと止まらんのや!」

シンジ「………」

シンジ「大丈夫……トウジは死なないよ。僕が護るから」

トウジ「シンジ!?」

シンジ「もしもトウジが大変になったら僕が護る」

シンジ「約束だ、トウジ」

トウジ「すまんのぉ、ほんますまんのぉ、シンジ」

トウジ「ワシはお前みたいな友達を持てて幸せや…」





マナ「どうだった?」

シンジ「トウジがパイロットになった理由が聞けたよ」

マナ「止めなかったの?」

シンジ「うん。トウジがパイロットになった理由は大切は理由があったから…」

マナ「大切な理由?」

シンジ「そう、大切な理由…それは妹さんを助けるためなんだよ」

マナ「!?」

シンジ「ネルフの病院に入れる為にはトウジがパイロットになるしかなかった。しかもトウジの決意は凄く強かった。そんな人を説得なんて出来なかったよ」

マナ「鈴原くん…」

シンジ「だからさ、もしもトウジに何かあっても、絶対に僕等で護るんだ」

シンジ「それでいいよね?マナ」

マナ「うん」

アナウンス「参号機、起動実験まで、マイナス300分です」

アナウンス「主電源、問題なし」

アナウンス「第二アポトーシス、異常無し」

アナウンス「各部、冷却システム、順調なり」

アナウンス「左腕圧着ロック、固定終了」

リツコ「了解。Bチーム作業開始」

アナウンス「エヴァ初号機とのデータリンク、問題なし」

リツコ「これだと即、実戦も可能だわ」

ミサト「そう…良かったわね」

リツコ「気のない返事ね。この機体も納品されれば、あなたの直轄部隊に配属されるのよ」

ミサト「エヴァを4機も独占か…その気になれば世界を滅ぼせるわね」

リツコ「まだ気にしてたの?」

ミサト「まあね…」

アナウンス「フォースチルドレン、到着。第2班は、速やかにエントリー準備に入ってください」

ヒカリ「まだ来てないよねぇ、マナ?」

マナ「あ…今日は来ないかも…」

ヒカリ「今日こそはと思ったのに…」

ヒカリ「食べる?」





ケンスケ「参号機って、もう日本に到着してんだろ?」

シンジ「うん…昨日着いたみたいだけど…」

ケンスケ「いいなぁ、誰が乗るのかなぁ?トウジの奴かなぁ。今日休んでるしなぁ」

シンジ「ど、どうだろう…ね…」

オペレータ「エントリープラグ、固定完了。第一次、接続開始」

オペレータ「パルス送信。グラフ正常位置。リスト、1350までクリア。初期コンタクト、問題なし」

リツコ「了解。作業をフェイズ2へ移行」

オペレータ「オールナーブリンク、問題なし。リスト、2550(ニーゴーゴーマル)までクリア。ハーモニクス、すべて正常位置」

オペレータ「絶対境界線、突破します」

リツコ「実験中止、回路切断!」

オペレータ「だめです、体内に高エネルギー反応!」

リツコ「まさか…」

リツコ「使徒!?」

バルディエル「ウォォォォォォ!!!!!」ドカーン

青葉「松代にて、爆発事故発生」

オペレータ「被害、不明!」

冬月「救助、および第3部隊を直ちに派遣、戦自が介入する前にすべて処理しろ!」

日向「了解!」

青葉「事故現場に未確認移動物体を発見!」

日向「パターンオレンジ、使徒とは確認できません」

ゲンドウ「第一種、戦闘配置」

青葉「総員、第一種戦闘配置!」

日向「地、対地戦用意!」

マヤ「エヴァ全機、発進!迎撃地点へ緊急配置!」

オペレータ「空輸開始は20を予定」

シンジ「松代で事故?そんな…じゃ、ミサトさん達は…」

レイ「まだ連絡取れない」

シンジ「そんな……どうしよう…」

マナ「今は私たちでやるしかないよ…ミサトさんなら大丈夫。絶対に死なないわ」

シンジ「でも、使徒相手に僕らだけで…」

レイ「今は碇司令が、直接指揮を執っているわ」

シンジ「父さんが!?」

青葉「野辺山で映像を捉えました。主モニターに回します」

職員「おおっ…」

冬月「やはりこれか…」

ゲンドウ「活動停止信号を発信。エントリープラグを強制射出」

プシュッ

マヤ「だめです、停止信号およびプラグ排出コード、認識しません」

ゲンドウ「パイロットは?」

日向「呼吸・心拍の反応はありますが、おそらく…」

ゲンドウ「エヴァンゲリオン参号機は現時刻をもって破棄。目標を第拾参使徒と識別する」

日向「しかし!」

ゲンドウ「予定通り野辺山で戦線を展開、目標を撃破しろ」

青葉「目標接近!」

日向「全機、地上戦用意!」

シンジ「えっ?まさか、使徒…?これが使徒ですか?」

ゲンドウ「そうだ。目標だ」

シンジ「目標って、これはエヴァじゃないか…」

マナ「ねえシンジ…相手はエヴァなんだよね…」

シンジ「エヴァ…まさか!!」

シンジ「トウジ!!!」

マナ「シンジ、どうしよう!?」

シンジ「一旦下がってマナ!早く僕のところまで!早く!!」

マナ「分かった!」ザッ

シンジ「綾波も退却して、僕の後方で待機を!!」

レイ「どうして?」

シンジ「あの中にトウジがいるんだ!」

レイ「………」

シンジ「お願いだ、綾波!」

ゲンドウ「シンジ、勝手なことをするな」

シンジ「でも、父さん!このままだとトウジが!」

ゲンドウ「駄々をこねるな」

ゲンドウ「レイ、元の配置に戻れ。その場所から遠距離射撃だ」

レイ「………」

ゲンドウ「レイ、元の配置に…」

シンジ「父さ…」

青葉「碇司令、発言宜しいでしょうか?」

ゲンドウ「なんだ?」

青葉「ありがとうございます」

青葉「敵の能力が分からない以上、このままの配置では個別撃破をされる可能性が多いにあります。ここはエヴァ3機で連携をとった方が確実かと」

ゲンドウ「………」

青葉「司令!」

ゲンドウ「好きにしろ…」

青葉「はい!」

青葉「シンジ君、マナちゃん、レイちゃん、聞こえたか?連携攻撃に変更だ」

レイ「了解」ザッ

シンジ「青葉さん、ありがとうございます!」

青葉「これは作戦の内だ。シンジ君の為にやったわけでは無いんだ」

シンジ「それでも、ありがとうございます!」

青葉「ああ」

マヤ「弐号機、初号機に合流しました。零号機は初号機の後方に下がって援護砲撃の準備を」

レイ「了解」

日向「目標、初号機に接近!」

青葉「シンジ君、迎撃準備だ!」

シンジ「……トウジ………」

バルディエル「ウォォォォォォ」バシュッ

シンジ「うわっ!!?」ガンッ

シンジ「うわっ!!」

バルディエル「ヴォォォォ」ググッ

シンジ「ぐ…ぐあっ!」

マヤ「目標、初号機の頚部を圧迫開始!生命維持に異常発生!パイロットが危険です!!」

冬月「いかん!シンクロ率を60%にカットだ!」

ゲンドウ「待て!」

冬月「しかし、碇。このままだとパイロットが死ぬぞ!」

ゲンドウ「シンジ、何故戦わな…」

マナ「そんなこと…させない!」ドンッ

バルディエル「ヴォッ」

シンジ「マナ!ダメだ!逃げて!!」

マナ「私…決めた……シンジを護る為なら友達とも戦う!」

バルディエル「」ヒュン

シンジ「危ない!」

マナ「!?」サッ

シンジ「まずい…このままじゃマナが…」

シンジ「でも、トウジが………」

シンジ「どうしたら二人とも助け………」

シンジ「!!!?」

ただ、俺が言いたかったのは、時には友達を助ける為に、自らの手で友達を[ピーーー]覚悟が無いと助ける事が出来ない時があるってことなんだ

シンジ「友達を助けるためには………」

シンジ「…………」

シンジ「僕が……僕が助けるんだ!!」

シンジ「…待ってて…トウジ……」パカッ ギュッ

>>421 ピー→殺す

マヤ「初号機、未だ沈黙を守っています」

冬月「動かないか…」

ゲンドウ「パイロットと初号機のシンクロ率を全面カットだ!」

マヤ「カットですか?」

ゲンドウ「そうだ。回路をダミープラグに切り替えろ!」

マヤ「しかし、ダミーシステムはまだ問題も多く、赤木博士の指示もなく!」

ゲンドウ「今のパイロットよりは役に立つ!やれ!」

マヤ「待って下さい!!」

マヤ「初号機、プログナイフを装備!!」

ゲンドウ「……………」

シンジ「マナ、そこから離れて!!」ダッ

マナ「シンジは闘っちゃだ……えっ!?」

シンジ「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ザクッ

バルディエル「ヴォォォォォ!!!」

マナ「嘘……どうしてシンジが………」

マナ「シンジの親友なのに……どうして…!?」

マナ「シンジが親友を[ピーーー]ことになっちゃうんだよ!?」

シンジ「前に加持さんに教えて貰ったんだ…」

シンジ「友達を助けたいなら、時には自らの手で友達を[ピーーー]覚悟が必要になるんだって教わったんだ」

シンジ「もしもこのまま何も僕がしないで逃げ出したらトウジは助からない。だから僕が助けるんだ!」

シンジ「だからマナは下がって!」

マナ「シンジ……」

マナ「やっぱり私も闘う!」

マナ「一人でやるより二人でやった方が助けられる可能性は高いかもしれないから」

シンジ「……うん、お願い出来るかな?」

マナ「もちろんだよ!」ガシャン

>>424 ピー→殺す

バルディエル「ヴォォォォ!!」

マナ「ッ!!」ザクッ

バルディエル「ヴォォォォォォォォ!!」ググッ

シンジ「させない!」スパッ

バルディエル「ヴォォォォ!!ヴォォォォ!!」

日向「おおっ!」

マヤ「初号機…目標の右上腕部を切断しました!!」

青葉「いいぞシンジ君!そのままいっきにいくんだ!」

シンジ「マナ!そのまま刺してて!」

マナ「分かった!」

シンジ「トウジ!今助けるから!!」ギュッ

マヤ「初号機、目標の……これは…まさか……」

マヤ「目標のエントリープラグです!初号機は目標のエントリープラグを掴んでいます!」

シンジ「うわぁぁぁぁ!!」グッ ズボッ

青葉「抜けた!!」

シンジ「マナ!!」

マナ「えい!!」ザクッ ググッ バキン

バルディエル「」

マヤ「目標、沈黙しました!!」





ガチャッ

シンジ「トウジ!!トウジ!!!」

マナ「鈴原くん!」

トウジ「…………」

シンジ「トウジ!」ユサユサ

トウジ「ん………」パチッ

トウジ「なんや…シンジやないか……どないしてここに……」

シンジ「!!!!」

マナ「鈴原君!どこか痛いところは!?」

トウジ「霧島もおるんかいな……」

トウジ「そういや……ワシは………松代で参号機に……」

シンジ「もう大丈夫!!もう大丈夫だから!」

シンジ「今すぐ救護班の人達を呼んでくるから待ってて!!」

トウジ「ああ……」

シンジ「こっちです!!!こっちに来て下さい!!!」


松代

男「こっちにもいたぞーっ!生存者だ!息はある!急いで救護を廻してくれ!」

男「そうだ。レコーダーのプラグは、ペースト作業終了後、すべて、焼却処分にしろ!」

ミサト「生きてる…加持?」

加持「よかったな、葛城」

ミサト「リツコは…?」

加持「心配ない。君よりは軽傷だ」

ミサト「そう…エヴァ参号機は!?」

加持「使徒、として処理されたそうだ。」

ミサト「…私、私シンジ君に顔向け出来ない…」

ミサト「よりにもよってシンジ君の親友をシンジ君に傷つけさせるはめになるなんて…」

加持「大丈夫だ、シンジ君が彼を無事救出した」

ミサト「えっ!?シンジ君が!!?」

加持「ああ、シンジ君は強くなったよ。本当に…」

加持(本当によく頑張ったな…シンジ君…)

数日後

病院

ピッピッピッ

??「…はら……ずはら…」

トウジ「う………」

ヒカリ「鈴原!!」

トウジ「イインチョ?」

ヒカリ「よかった…やっと目が覚めた…」

トウジ「どうしてイインチョが…」

トウジ「そうか…3日もか…イインチョは…」

ヒカリ「ああっ、ここに来たのは委員長として、公務で来たのよ!それ以外の何でもないのよ…」

トウジ「ああ、分かっとるわ…」

ヒカリ「分かってないわよ…」

トウジ「済まんかったな…弁当、食えへんで…」

ヒカリ「いいのよ、そんなこと…でもごめんね、ここでお弁当食べさせちゃいけないんだって…」

トウジ「なら…退院したら食わせてくれや」

ヒカリ「う、うん!!」

数日後

病院

ピッピッピッ

??「…はら……ずはら…」

トウジ「う………」

ヒカリ「鈴原!!」

トウジ「イインチョ?」

ヒカリ「よかった…やっと目が覚めた…」

トウジ「どうしてイインチョが…」

ヒカリ「ああっ、ここに来たのは委員長として、公務で来たのよ!それ以外の何でもないのよ…」

トウジ「ああ、分かっとるわ…」

ヒカリ「分かってないわよ…」

トウジ「済まんかったな…弁当、食えへんで…」

ヒカリ「いいのよ、そんなこと…でもごめんね、ここでお弁当食べさせちゃいけないんだって…」

トウジ「なら…退院したら食わせてくれや」

ヒカリ「う、うん!!」

>>430ミスです

マナ「よかったね、シンジ」

シンジ「うん。助けることが出来て嬉しいよ」

シンジ「これが出来たのも加持さんのお陰だ。もしも加持さんが居なかったら助けられなかったかもしれない」

マナ「でも、シンジは決意した。すっごく怖いことなのにね」

マナ「あの時、シンジ…カッコよかったよ」

シンジ「えっ?僕が何?」

マナ「馬鹿……何でもないよ」

シンジ「気になるじゃないか~」

マナ「えへへ!ひ~み~つ!」

シンジ「ひどいなぁ、もう…」

マナ「ほら、鈴原君のお見舞い行こうよ!」グイグイ

シンジ「待ってよマナ~」

数日後

マナ「鈴原君、今日も学校来れなかったね」

シンジ「なんか、使徒に汚染されたかどうかの検査がまだ残ってるんだってね。だけどそれもあと少しで終わるってさ」

マナ「後遺症とかそういうのはないんだよね?」

シンジ「うん。それは大丈夫だってさ」

マナ「よかったね」

シンジ「そういえば、トウジ関係でもう一つあった」

マナ「ん?」

シンジ「トウジの妹さんの手術が成功したらしいよ」

マナ「確かサクラちゃんだよね?」

シンジ「そうだよ。ネルフは医療技術も高いから手術をする事が出来たんだってさ」

マナ「よかったね、シンジ」

マナ「シンジ、ずっと彼女のこと気にしてたでしょ?シンジが怪我させちゃったってさ」

シンジ「ま、まあ…」

マナ「やっぱりシンジは優しいね。私は聞いただけだけど、別にシンジが悪い訳じゃないのに責任を感じてるんだから」

シンジ「でも、やっぱり僕がちゃんと操縦出来てれば怪我をしなかったかもだし」

マナ「突然エヴァに乗せられたんでしょ?ならやっぱりしょうがないよ」

シンジ「う………どうかな…?」

マナ「少なくともシンジだけのせいじゃないよ!」

シンジ「うん…でも、お見舞いくらいは行こうと思うんだ」

マナ「なら私もついて行くよ」

シンジ「そう?ありがとう」

マナ「鈴原君は友達だし、やっぱり友達の妹とでも気になるからね」

シンジ「うん。じゃ、行こうか?」

病院

シンジ「ここだ…ごめん下さい」

サクラ「はい?えっと…どなたですか?」

シンジ「トウジの友達の碇シンジと…」

マナ「霧島マナです」

サクラ「碇シンジ…もしかして……」

シンジ「そうなんだ。ごめんなさい、君をこんな目にあわせちゃって」

サクラ「いやいや、そないな事な言わないで下さい、碇さん」

サクラ「私は碇さんのこと恨んでまへん」

サクラ「それにお兄ちゃんもいつも言ってるんです。『シンジはいいやつや。せやから絶対にワシはあいつのことを見捨てへん』って」

シンジ「トウジがそんなことを…」

サクラ「お兄ちゃんには私がいったって言わんといて下さいよ」

シンジ「分かった。約束するよ」








シンジ「思ったよりも元気そうだったね」

マナ「そうだね~」

マナ「それにすっごく可愛かったね!」

シンジ「うん。トウジの妹さんだなんて思えなかったよ」

マナ「あはは!同感だよ」

シンジ「また来よう、マナ」

マナ「うん!」

ブーブーブーブー

放送「巡洋艦霧島、使徒を発見!使徒はネルフ本部に向けて進行中!!総員戦闘準備!総員戦闘準備!!」

マナ「えっ!?」

シンジ「使徒!!?」

マナ「ど、どうしよう…」

シンジ「とりあえず本部に戻ろうう!」

シンジ「走るよ、マナ!」

マナ「えっ!?」

シンジ「手を!」ギュッ

マナ「あっ…」

シンジ「行くよ!!」ダッ





オペレータ「総員第一種戦闘配置、地対空迎撃戦用意」

冬月「目標は?」

青葉「現在、侵攻中です。駒ケ岳防衛線、突破されました!」

オペレータ「第1から18番装甲まで損壊!」

日向「18もある特殊装甲を、一瞬に?」

ミサト「エヴァの地上迎撃は間に合わないわ。弐号機をジオフロント内に配置、本部施設の直縁に廻して!」

ミサト「マナちゃんには目標がジオフロント内に侵入した瞬間を狙い撃ちさせて!」

ミサト「零号機は?」

マヤ「ATフィールド中和地点に、配置されています」

ミサト「それだけじゃダメよ!零号機は弍号機の後方から援護射撃を!」

日向「了解!」

ミサト「あとは…初号機ね…」

リツコ「初号機には近接戦闘をさせることをオススメよ」

ミサト「どういうこと?」

リツコ「新兵器が完成したのよ」

ミサト「新兵器?」

リツコ「マゴロク・E・ソード」

ミサト「分かったわ。初号機は目標が地上に降りると同時に攻撃を開始して」

ミサト「みんな、今回の使徒はかなり手強いわ。だけどあなた達なら出来るって信じてる」

ミサト「あなた達のベストを尽くして」

シンジ・マナ・レイ「はい!」

日向「目標、ジオフロントに侵入して来ます!!」

ミサト「作戦開始!!」

ゼルエル「」ズズズ

マナ「来た!!」ズガガガガガ

マナ「綾波さんも援護射撃お願い!」

レイ「了解」ズバババババババ

ゼルエル「………」

マナ「駄目!全く効いてない!」

マヤ「目標、地上に着陸しました!」

マナ「シンジ!お願い!」

シンジ「分かった!」ダッ

シンジ「うわぁぁぁぁぁ!!!」ザンッ

ゼルエル「」キンッ

リツコ「ATフィールド!?」

ミサト「こんなにもハッキリ見えるなんて…第5の使徒と同じ…いえ、それよりも……強い…」

シンジ「くっ………」

ゼルエル「………」スッ

マナ「逃げて!!シンジ!!!」

シンジ「!!?」バッ カスッ

シンジ「うわっ!!」

ミサト「マズイわね…近距離、中距離は勿論、遠距離攻撃も出来るなんて……」

マナ「シンジ!近接戦闘は危険すぎるよ!!」

シンジ「でも僕が逃げたらマナや綾波が危険になる」

シンジ「だから僕は逃げない!」

シンジ「ATフィールド全開!!」

シンジ「ぐぅぅぅぅぅ!!!」

シンジ「あと……少し…」

ゼルエル「………」スッ

シンジ「えっ!?」

ゼルエル「………」ヒュン

マナ「シンジ!!!危ない!!!!」バッ

弐号機「」

シンジ「マ………ナ?」

マヤ「弐号機の頭部が…」

ミサト「マナちゃん!!!」

ミサト「日向君!パイロットの状態は!?」

日向「弐号機の通信機能に以上発生!モニター出来ません!」

ミサト「何ですって!?」

シンジ「嘘だろ…マナ……返事をしてよマナ!」

シンジ「マナ!!!お願いだから返事をしてよ!!!」

弐号機「」

シンジ「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!!!」

シンジ「マナが死ぬなんてそんなの嘘だ!」

シンジ「僕の所為だ…僕の所為でマナは……」

ミサト「シンジ君!敵はまだ健在よ!早く体勢を…」

シンジ「…………はは…」

ミサト「シンジ…君?」

シンジ「あはははははははは!!!」

レイ「碇君…?」

シンジ「はははは…はは……」

シンジ「………………」

シンジ「マナの……」

シンジ「マナのいない世界なんて………いらない!」

初号機「ウォォォォォォォォ!!!」

ミサト「一体何が!?」

マヤ「シンクロ率が!?」

ミサト「シンクロ率がどうしたの!?」

マヤ「シンクロ率が凄まじい勢いで上昇しています!!」

マヤ「100%突破!120…150……200……280……350………400!?」

マヤ「シンクロ率……400%…」

リツコ「ありえないわ!そんなことになったらパイロットは……」

ミサト「シンジ君はどうなるのよ!?」

リツコ「人の形を保っていられなくなる…」

ミサト「なっ!!?」

初号機「ウォォォォォォォォ!!」ドンッ グシャ

ゼルエル「!!!!?」

初号機「」ドンッ グチュッ

ゼルエル「」

初号機「」グチュッ グチュッ グチュッ グチャッ ブチッ グシャ グシャ

ミサト「使徒を……喰ってる…」

リツコ「S2機関を自ら取り込んでいるというの!?エヴァ初号機が…」

マヤ「オエッ!!」ゲロロロロロ

初号機「」グチャッ グチャッ グチャッ グチャッ

初号機「」スタッ

初号機「」バリンッ

リツコ「拘束具が!?」

ミサト「拘束具?」

リツコ「そうよ。あれは装甲板ではないの。エヴァ本来の力を私たちが押え込むための拘束具なのよ」

リツコ「その呪縛が今、自らの力で解かれていく…私たちには、もうエヴァを止めることはできないわ…」

レイ「碇君…」

司令室

加持「初号機の覚醒と開放。ゼーレが黙っちゃいませんな」

加持「これもシナリオの内ですか?碇司令」

冬月「始まったな」

ゲンドウ「ああ、全てはこれからだ…」

数日後

ミサト「ケイジに拘束…大丈夫でしょうね」

日向「内部に熱、電子、電磁波ほか、化学エネルギー反応無し。S2機関は完全に停止しています」

ミサト「にもかかわらず、この初号機は3度も動いたわ」

ミサト「目視できる状況だけでは迂闊に触れないわよ」

日向「迂闊に手を出すと何をされるか分からない。葛城さんと同じですね」

ミサト「…」

日向「す、すみません…」

司令室

加持「いやはや、この展開は予想外ですな」

加持「委員会、いえ、ゼーレの方にどう言い分けつけるつもりですか?」

冬月「初号機はわれわれの制御下ではなかった。これは不慮の事故だよ」

ゲンドウ「よって初号機は凍結。委員会の別命あるまでは…だ」

加持「適切な処置です。しかし、ご子息を取り込まれたままですが?」

ゲンドウ「………」





マヤ「やはりだめです、エントリープラグ排出信号、受け付けません」

リツコ「予備と疑似信号は? 」

マヤ「拒絶されています。 直轄回路もつながりません」

マコト「プラグの映像回線つながりました。主モニターに廻します」

ミサト「何よ、これ!」

リツコ「これがシンクロ率400%の正体」

ミサト「そんな、シンジ君は一体どうなったのよ!」

リツコ「エヴァ初号機に取り込まれてしまったわ」

ミサト「何よそれ!エヴァって何なのよ!」

リツコ「人の作り出した、人に近いカタチをした物体、としか言いようがないわね」

ミサト「人の作り出した?あの時南極で拾ったものをただコピーしただけじゃないの!オリジナルが聞いてあきれるわ!」

リツコ「ただのコピーとは違うわ。人の意思が込められているもの。」

ミサト「これも誰かの意志だって言うの?」

リツコ「あるいはエヴァの」

ミサト「!」

ミサト「何とかなさいよ!あんたが作ったんでしょう!?最後まで責任取りなさいよ!!」

ミサト「シンジ君のサルベージ計画?」

リツコ「そう。シンジ君の生命と言うべき物は、まだ存在しているわ。」

ミサト「今度は人命尊重?」

リツコ「今はシンジ君を失うわけにはいかないのよ。」

ミサト「どーだか。ネルフがほしいのは彼の命ではなく、道具としての初号機でしょ?」

リツコ「否定はしないわ。」

マヤ「シンジ君の肉体は、自我境界線を失って、量子状態のまま、エントリープラグ内を漂っていると推測されます。」

ミサト「つまりシンジ君は私たちの目では確認できない状態に変化していると?」

マヤ「そうです。プラグの中のL.C.L.成分は、化学変化を起こし、現在は原始地球の海水に酷似しています。」

ミサト「生命のスープか。」

リツコ「シンジ君を構成していた物質は、すべてプラグ内に保存されているし、魂と言うべき物もそこに存在している。」

リツコ「現に彼の自我イメージが、プラグスーツを擬似的に実体化させているわ。」

マヤ「つまりサルベージとは、彼の肉体を再構成して精神を定着させる作業です。」

ミサト「そんな事できるの?」

リツコ「MAGIのサポートがあれば。」

ミサト「理論上は、でしょ?何事も、やってみなくちゃ分からないわよ。」

葛城宅

ミサト「ただいま…」

ミサト「…………」

ミサト「誰も…いないのよね……」

ミサト「シンジ君は初号機に取りこまれてしまった…マナちゃんはシンジ君を助けて昏睡状態……いつ意識が戻るのかも分からない……」

ミサト「全部……全部私の所為だわ!」

ミサト「ごめんね…ごめんね……マナちゃん…シンジ君…」

ミサト「本来、危険なことをするのは大人で子供にやらせるのは間違ってるのに…」

ミサト「保護者……失格ね…私……」

シンジ「なんだ、これ?どこだ、ここ?エントリープラグ?初号機の?でも誰もいない。僕もいない」

シンジ「なんだこれ、何だこれ、何だこれ?よくわかんないや…」

シンジ「この人達…そう、僕の知っている人たち、僕を知っている人たち。」

シンジ「そうか、みんな僕の世界なんだ」

シンジ「これは?僕の世界のはずなのに、よく分からない、外からのイメージ、嫌なイメージ」

シンジ「そうだ、敵だ!」

シンジ「てき、てき、teki、敵!使徒と呼ばれ天使の名を冠する僕らの敵!」

シンジ「エヴァの…そしてネルフの目標…ミサトさんのお父さんの仇…」

シンジ「なんで僕が戦うんだろう…こんな目に遭ってまで…」

シンジ「マナを失ってまで…」

シンジ「もう嫌だ…もう戦いなくない…」

アナウンス「現在、LCLの温度は36を維持、酸素密度に問題なし」

アナウンス「放射電磁パルス異常無し。波形パターンはB」

アナウンス「各計測装置は正常に作動中」

マヤ「サルベージ計画の要綱、たった一ヶ月でできるなんて、さっすが先輩ですね!」

リツコ「残念ながら原案は私じゃないわ。10年前に実験済みのデータなのよ」

マヤ「そんなことあったんですか?エヴァの開発中に?」

リツコ「まだここに入る前の出来事よ。母さんが立ち会ったらしいけど、私はデータしか知らないわ」

マヤ「その時の結果は、どうだったんですか?」

リツコ「失敗したらしいわ」




オペレータ「全探査針、打ち込み終了」

オペレータ「電磁波形、ゼロマイナス3で固定されています」

マヤ「自我境界パルス、接続完了」

リツコ「了解、サルベージ、スタート」

日向「了解、第1信号を送ります」

青葉「エヴァ、信号を受信。拒絶反応無し」

マヤ「続けて、第2、第3信号送信開始」

オペレータ「対象カテクシス異常無し」

オペレータ「デストルドー、認められません」

リツコ「了解、対象をステージ2へ移行」

ミサト「…シンジ君!」

マヤ「駄目です!自我境界がループ上に固定されています!」

リツコ「全波形域を全方位で照射してみて!」

リツコ「だめだわ…発信信号がクライン空間に捕われている…」

ミサト「どういう事?」

リツコ「つまり、失敗…」

ミサト「えっ…!?」

リツコ「干渉中止、タンジェントグラフを逆転、加算数値をゼロに戻して」

青葉「Qエリアにデストルドー反応、パターンセピア」

オペレータ「…に変化無し、水温、上がります!…38、41、58、79、97、160!」

日向「コアパルスにも変化が見られます!プラス0.3を確認!」

リツコ「現状維持を最優先、逆流を防いで!」

マヤ「はい!」

オペレータ「体内アポトーシス作業、予定数値オーバー、危険域に入ります!」

マヤ「変です、塞き止められません!」

リツコ「これは…なぜ…帰りたくないの!?シンジ君…」

マヤ「エヴァ、信号を拒絶!」

青葉「LCLの自己フォーメーションが分解していきます!」

日向「プラグ内、圧力上昇!」

リツコ「現作業中止、電源落として!」

マヤ「だめです、プラグがイクジットされます!」

ミサト「シンジ君!!!」

















マナ「ねえ、シンジくん」

シンジ「どうしたの?」

マナ「文化祭の出し物なんだけどさ、私と一緒にライブやらない?」

シンジ「えっ?ライブ!?」

マナ「そう。私が歌ってシンジくんが伴奏するの!」

シンジ「え、どうしよう…」

アスカ「ダメよ!!なんでシンジがあんたなんかと!」

マナ「別にアスカさんには関係ないもん。ねえ、シンジくん?」

シンジ「うえ!?」

アスカ「はっきりと断りなさいよバカシンジ!」

シンジ「いや、でも…」

レイ「私も…」

アスカ「何?」

レイ「私も碇くんとライブやりたい」

アスカ「はあ!?」

マナ「なっ…」

シンジ「いいんじゃないかな?多分そっちの方が楽しそうだし」

シンジ「どうかな?霧島さん?」

マナ「う、うん…」

シンジ「それじゃあ綾波も…」

アスカ「私もやるわ!」

シンジ「アスカ!?」

アスカ「私も出るわ」

シンジ「そ、そう?」

アスカ「じゃあ私がボーカルね」

マナ「それは私の役目だよ!」

アスカ「むぅ……!」

マナ「むっ!!」

シンジ「二人とも喧嘩はやめてよ!」

レイ「………」オロオロ





シンジ「アスカがギターボーカル、綾波がベース、霧島さんがドラムで僕がキーボード。これでいいよね?」

アスカ「私はそれでいいわよ!」

マナ「うう…」

レイ「うん」

シンジ「それじゃあ、曲は…」

マナ「洋楽がいい!」

シンジ「洋楽って言っても色々あると…」

マナ「ジャネット・ジャクソン!」

シンジ「名前は知ってるけど、曲は聞いたことないな…」

マナ「今度CDを貸してあげるよ!」

シンジ「あ、ありがと」

アスカ「駄目よ!そんな甘っちょろいジャンルなんて!」

シンジ「えっと…アスカは何がいいの?」

アスカ「ジャーマン!」

シンジ「え?」

アスカ「ジャーマンメタルに決まってるじゃない!」

アスカ「だからハロウィンやマスタープランをやるわよ!」

シンジ「ちょっと待ってアスカ!流石にそれは無理だって!」

アスカ「何でよ!!」

シンジ「技術的な問題だよ!」

アスカ「あっ…!」

シンジ「演奏技術のことは忘れてたでしょ」

アスカ「………」

シンジ「はあ……」

シンジ「綾波はどう?」

レイ「私!?」

シンジ「うん。綾波はやりたいジャンルとかある?」

レイ「えっと……………」

レイ「………………………………林原めぐみ…………」ボソッ

マナ「!?」ビクッ

シンジ「綾波は林原めぐみか…」

レイ「えっ!?」ビクッ

シンジ「ど、どうしたの?」

レイ「な、何でもない…」

シンジ「そう?

マナ「それじゃあ、明日から練習しようよ!」

シンジ「そうだね。あんまり時間が無いから早い方がいいよ」

シンジ「アスカと綾波はそれでいい?」

アスカ「別にいいわよ」

綾波「うん」

マナ「それじゃあ決定!」

マナ「じゃあ、明日は先生連れて来るから」

シンジ「先生?誰?」

マナ「ひ・み・つ」

アスカ「もったいぶらないで教えなさいよ」

マナ「明日になれば分かるよ!」

翌日

マナ「お待たせ~」

アスカ「遅いわよ!で、誰なの?先生って」

マナ「そんなに焦ってもいいことないよ?」

アスカ「あんたが遅刻してくるのが悪いのよ!」

シンジ「まあまあ、アスカ落ち着いて」

マナ「私を護ってくれてありがとうシンジくん!」ギュッ

アスカ「どさくさに紛れてなにやってるのよ!」

マナ「いいじゃない、減るもんじゃないし~」

アスカ「バカシンジもヘラヘラしてんじゃないわよ!!」

シンジ「そんなことないよ!!」

シンジ「そんなことよりも霧島さん、先生って人を呼んでよ」

マナ「はーい」

マナ「入って下さい!」

青葉「やあ」

アスカ「誰だっけ、こいつ」

シンジ「青葉先生だよ!」

アスカ「ああ、そんなのもいたわね」

シンジ「失礼だよアスカ!すみません青葉先生」

青葉「ははは、別にいいよ。気にしてないから」

シンジ「でも、どうして青葉先生が?」

マナ「ギターやベースが上手いんだよ。だから来てもらったの。惣流さんも綾波さんもギターやベースやったことないでしょ?」

シンジ「でも霧島さんは?一人で出来るの?」

ドカドカドカドカドカドカシャーン

マナ「どう?」ニコッ

シンジ「す、凄い…」

マナ「じゃあシンジくんは私が一緒に練習するから青葉先生は惣流さんと綾波さんに教えてあげて下さい!」

青葉「分かったよ」

アスカ「なんでマナがシンジと一緒なのよ!?」

マナ「だって惣流さんと綾波さんはギターとベース初めてだから青葉さんの補助が必要でしょ?」

アスカ「でも!」

シンジ「まあまあ、落ち着いてアスカ」

アスカ「うるさい!!」

シンジ「ごめん…」シュン

文化祭前日

アスカ「えぇ~!?何よこれぇ!!」

ケンスケ「フフフフフ…」

レイ「……………」

トウジ「クククククク」

マナ「これカワイイね!」

アスカ「なんで私たちがこんなのを着ないといけないのよ!」

ケンスケ「言ったろ、うちのクラスはコスプレ喫茶だって」ニヤニヤ

シンジ「でも流石にこれは…」

トウジ「おっとシンジ。シンジにも衣装があるで」

シンジ「はい!?」

ケンスケ「シンジにはうちの制服を着てもらう」

シンジ「な、何を言って…」

ケンスケ「つまりは……女装さ…」

シンジ「!?」

ケンスケ「誰かシンジに制服を貸してあげてくれないか?」

マナ「は~い!私の貸してあげるよ!」

シンジ「で、でも!!」

ケンスケ「サンキュー霧島。ほらシンジ、行くぞ」

シンジ「…………」





ケンスケ「お待たせ」

クラスメイト「おおっ!!!」

シンジ「……………」

アスカ「に、似合ってるわね…」

レイ「碇くん…」

マナ「私の服ピッタリだ!!」

ヒカリ「碇くん…可愛い…」

トウジ「ウワッハハハハハ、ゲホッ…ウワッハハハハハ」

シンジ「明日……文化祭出たくない…」

翌日


アスカ「シンジ!こっち手伝いなさいよ!!」

シンジ「わ、分かったよアスカ」

レイ「いらっしゃいませ~」

ヒカリ「碇君!こっちもお願い!!」

シンジ「は、はい~!!」

ケンスケ「凄えな、シンジの奴。人気NO.1だ…」

トウジ「あぁ…」

ガラガラ

シンジ「いらっしゃいませ~」

ゲンドウ「ユイ!?」

シンジ「えっ!?」

シンジ「ど、どうして父さんが…」

ユイ「ほら貴方!突っ立ってないで中に入って下さい!」

ゲンドウ「あ、あぁ…」

ユイ「ちゃんと頑張ってるわねシンジ」

シンジ「母さん!」

ユイ「よく似合ってるわよシンジ」

シンジ「や、やめてよ!!」

ユイ「ふふふ…」

ユイ「じゃあ、アイスコーヒー一つと温かい紅茶を一ついただこうかしら」

シンジ「う、うん」

ゲンドウ「ユイが……ユイが二人…」ブツブツ





シンジ「そろそろ交代の時間だね」

アスカ「そうね、終わったらライブの準備をしないと…」

マナ「大変!!」ガタン

シンジ「ど、どうしたの?霧島さん」

マナ「ライブの時間が早まることになったの!!」

シンジ「えっ!?」

マナ「前の発表がキャンセルになっちゃって…」

アスカ「うそ…」

シンジ「あとどれくらい余裕が?」

マナ「あと5分…」

アスカ「5分!?着替える暇すらないじゃない!!」

マナ「そうなの!だからもうこのまま行くしか…」

シンジ「分かった。行こう」

係員「来た!早く入場して下さい!!」

マナ「ありがとうございます!」

シンジ「行くよ、みんな」

レイ「ええ」

アスカ「あんたたち、つまらないミスなんてするんじゃないわよ」

マナ「うん。じゃあ行こう」スッ

観客「ワアアアアアアア」






シンジ「こんな可能性もあったのか…」

シンジ「使途に脅かされずに、みんなが幸せに過ごす平和な世界」

シンジ「そしてマナもアスカも死んでいない」

シンジ「もしもここに居続けたら
僕は幸せになれるんだろう」

シンジ「だけど……」

シンジ「ここは僕の生きるべき世界じゃない!」

シンジ「僕はあの血生臭い世界で生きていくんだ!」

シンジ「もしかしたらマナは生きていないかもしれない」

シンジ「でも…でも僕は元の世界に戻る!!」

??「それで貴方はいいの?」

シンジ「うん!」

??「本当に大丈夫なの?」

シンジ「うん。大丈夫」

??「そう…なら……頑張ってね…」

シンジ「うん…ありがとう…」

シンジ「ありがとう…母さん」

ユイ「………」ニコッ





マナ「……シンジ…………」



ミサト「人一人、人一人助けられなくて、何が科学よ…」

ミサト「シンジ君を返して…返してよ!」

ミサト「うぅ……」

ドサッ

ミサト「!?」バッ

ミサト「シンジ君!!」

マヤ「はい、はい。えっ!?」

リツコ「どうしたの?マヤ」

マヤ「マナちゃんの意識がたった今戻ったとのことです!!」

リツコ「何ですって!?」

ミサト「良かった…シンジ君…マナちゃん…」グスッ





カーラジオ「そりゃ分かるんだけど、オーラルステージの…心理学者が…つまり、母親といつまでも一緒にいたがる… いつも何かに頼って生きているのね。そういう奴が私の知り合いにもいてさ、良く似てるんだよね、そいつと」

リツコ「初号機の修復、明後日には完了するわ」

ミサト「結局、神様の力まで道具として使っちゃうのね、人間って奴は」

リツコ「どうかしら。委員会では凍結案も出ているそうよ」

ミサト「人造人間エヴァンゲリオン。人が作ったにしては、未知のブラックボックスが大きすぎない?」

リツコ「…」

ミサト「ま、結果としてシンジ君が助かったからいいけどさ。」

リツコ「私の力じゃないわ、あなたの力ね、多分…どぉ?久しぶりに飲んでかない?」

ミサト「ん、ごめん!今日は、ちょっち、ね…」

リツコ「そう…」

病院

シンジ「………」スウスウ

シンジ「んっ………」パチッ

シンジ「………」チラッ

マナ「…………」スウスウ

シンジ「良かった………やっぱり生きててくれたんだね…マナ……」

マナ「……シンジの声が…聞こえたんだ…」

シンジ「起きてたの?」

マナ「うん。ちょっと前からね…」

マナ「私ね、意識を失っていた間、夢を見てたの。アスカがいて、綾波さんがいて、みんながいて、そして…シンジがいる平和な…平和な世界…」

マナ「凄く居心地のいい世界だった…」

マナ「だけどね、シンジの声が聞こえたんだ…私の名前を呼ぶシンジの声が……」

マナ「それを聞いて私、戻ってくることが出来たんだ…不思議だよね…」

シンジ「うん…本当に…不思議だね……」

シンジ「それとね…ありがとう……マナ…」

マナ「うん…」

数日後

ミサト「拉致されたって、副指令が!?」

諜報部員「今より2時間前です。西の第8管区を最後に、消息を絶っています」

ミサト「うちの署内じゃない。あなたたち諜報部は何やってたの!?」

諜報部員「身内に内報、および先導したものがいます。その人物に裏をかかれました」

ミサト「諜報2課を煙に巻ける奴?…まさか!」

諜報部員「加持リョウジ。この事件の首謀者と目される人物です」

ミサト「で、私のところにきたわけね」

諜報部員「ご理解が早く、助かります。作戦課長を疑うのは、同じ職場の人間として心苦しいのですが、これも仕事ですので」

ミサト「彼と私の経歴を考えれば、当然の処置でしょうね」

諜報部員「ご協力感謝します。お連れしろ」





冬月「久しぶりです、キール議長。まったく手荒な歓迎ですな」

キール「非礼を詫びる必要はない。君とゆっくり話をするためには、当然の処置だ」

冬月「相変わらずですねぇ、私の都合は関係無しですか」

ゼーレ「議題としている問題が急務なのでね。やむなくの処置だ」

ゼーレ「分かってくれたまえ」

冬月「委員会ではなく、ゼーレのお出ましとは」

ゼーレ「われわれは、新たな神を作るつもりはないのだ!」

ゼーレ「ご協力を願いますよ、冬月先生」





ガチャン

冬月「君か…」

加持「ご無沙汰です。外の見張りには、しばらく眠ってもらいました」

冬月「この行動は、君の命取りになるぞ」

加持「真実に近づきたいだけなんです。僕の中のね」

独房

諜報部員「ご協力、ありがとうございました」

ミサト「もういいの?」

諜報部員「はい、問題は解決しましたから」

ミサト「そう…彼は?」

諜報部員「存じません」

某所

加持「………」

加持「よぅ、遅かったじゃないか…」

ズバン





ミサト「ただいま…」

シンジ「………」

マナ「………ミサトさん……」ポロポロ

ミサト「!?」ピッ

加持「葛城、俺だ。多分この話を聞いている時は、君に多大な迷惑をかけた後だと思う。すまない。リッちゃんにもすまないと謝っておいてくれ」

加持「あと、迷惑ついでに俺の育てていた花がある。俺の代わりに水をやってくれると嬉しい。場所はシンジ君が知ってる」

加持「葛城、真実は君とともにある。迷わず進んでくれ。もし、もう一度会える事があったら、8年前に言えなかった言葉を言うよ。じゃ」

電話「午後、0時2分です。」

ミサト「バカ…あんた、ほんとにバカよ…」

ミサト「うっ……うぅ………」グスッ

数日後

マヤ「やっと弐号機の修復も終わりますね」

リツコ「ええ。そうね」

マヤ「これでエヴァは3機とも駆動可能になりますね」

リツコ「ええ、“3機”は動かすことは出来るわね」

マヤ「?」

青葉「しかし、初号機は凍結命令が…」

リツコ「ええ、そうよ。だから初号機は動かせないわね」

マヤ「あとは、マナちゃん次第ですね。まだあれから全快はしていないわけですから…」

リツコ「そうね…あの子にはまだ戦闘は無理かもしれないわね」

マヤ「となると、実際に戦えるのは零号機だけですか。厳しいですね」

リツコ「………」

マヤ「先輩?」

リツコ「何でもないわ。マヤ、シンクロテストの準備を手伝って」

マヤ「はい!」

アナウンス「零号機の形態形成ミサト「…あのアダムより生まれし物、エヴァシリーズ」

ミサト「セカンドインパクトを引き起こした原因たるものまで流用しなければ、私たちは使徒に勝てない」

ミサト「逆に生きるためには、自分たちを滅ぼそうとしたものをも利用する」

ミサト「それが人間なのね…」

ミサト「やはり私はエヴァを憎んでいるのかもしれない。父の仇か…」

日向「葛城さん!」

ミサト「エヴァ拾参号機までの建造開始!?世界7個所で?」

マコト「上海経由の情報です。ソースに信頼は置けます」

ミサト「なぜこの時期に量産を急ぐの?」

マコト「エヴァを過去に2機失い、現在は事実上2機が戦闘不可能ですからね。第2次整備に向けて予備戦力の増強を急いでいるのでは?」

ミサト「どうかしら…ここにしてもドイツで建造中の伍&陸号機のパーツを廻してもらってるのよ。最近、ずいぶんと金が動いてるわね」

マコト「ここに来て、予算倍増ですからね。それだけ上も、せっぱ詰まってる、って事でしょうか?」

ミサト「委員会の焦りらしきものを感じるわね」

マコト「では、今までのような単独ではなく、使徒の複数同時展開のケースを設定したものでしょうか?」

ミサト「そうね…でも、非公式に行う理由がないわ。何か別の目的があるのよ…」

葛城宅

ミサト「ただいま~」

シンジ「あ、お帰りなさい。ミサトさん」

マナ「今日は早かったですね。あと少しでご飯できますから」

ミサト「そっか。ありがと」

マナ「あっ、それ取って~」

シンジ「どうぞ」

マナ「ありがと~」

シンジ「ふふふ」

マナ「どうしたの?突然笑っちゃって」

シンジ「マナの鼻の頭、小麦粉で白くなっちゃってるよ」

マナ「わっ!?も~早くいってよぉ~」ニコニコ

シンジ「あはははは」ニコニコ

ミサト(この子達はどんなに苦しくても二人でニコニコしてる……二人を引き離す訳にはいかないわ…)

マナ「どうしたんですか?ミサトさん」

ミサト「えっ、いや、何でもないわよ」





マヤ「マナちゃんのシンクロ率、最近低いですね…」

ミサト「あんなことがあったのだもの。仕方がないわ。今彼女に必要なものは心の休養よ」

リツコ「貴女にしては優しいわね」

ミサト「どういうことよ…リツコ」

リツコ「言葉の通りに取ってもらって結構よ。貴女、普段は人命無視するのが当たり前じゃない」

ミサト「そんなことないわよ!私は…」

リツコ「浅間山でのマグマダイブ」

ミサト「うっ………」

リツコ「第10使徒…」

ミサト「…………」

リツコ「何か反論はあるのかしら?」

ミサト「ごめんなさい…」

リツコ「分かればいいわ」

マヤ「先輩…怖いです…」

女子トイレ

ジャー

マナ「うっ………」

マナ「はあ………」キュッ

マナ「今回はちょっとキツかったな…」

マナ「でも………」キュッ

マナ「これはシンジと子供を作るためにはしょうがないんだよね」

マナ「私、いつシンジとああいうことするのかな~」

マナ「シンジってばそういうことに関しては奥手だからまだ先なのかな?」

マナ「でも、私が迫れば………」

マナ「ううん。シンジから望んでくれるまでは我慢しなきゃ」

マナ「………」

マナ「よし、シンジのところに戻らなくちゃ」

マナ「シンジ、何処にいるのかな~?」スタスタ

エレベーター

マナ「あっ、綾波さん!」

レイ「………」

マナ「………」

レイ「…………」

マナ「綾波さんってさ…」

レイ「何?」

マナ「シンジのこと、好きなんだよね?」

レイ「好き?私が?碇くんを?」

マナ「うん。どうなの?」

レイ「分からないわ。好きって気持ちが分からない」

マナ「そう?じゃあさ、シンジと一緒にいるとどう思う?」

レイ「碇くんと………」

レイ「碇くんと一緒にいるとポカポカする……」

マナ「それってね、綾波さん」

マナ「好きってことじゃないかな?」

レイ「これが好きって気持ちなの?」

マナ「うん。やっぱり綾波さんは人形なんかじゃないね。ちょっと鈍感だけど」

レイ「鈍感?意味が分からないわ」

マナ「鈍感だよ。だってシンジ、綾波さんのことも好きだと思うもん」

レイ「そうなの?」

マナ「そうだよ。これが女として好きなのか、その他の好きなのかは分からないよ。だけど、絶対に好きなんだと思う」

レイ「そう………」

マナ「だけど、私もシンジの事が好きだから綾波さんに渡したくはない。これも事実なんだ」

マナ「だからさ…」

マナ「お互いがんばろ?」

レイ「どうして私にそんなこと言うの?」

マナ「なんかね、フェアじゃないと思ったの」

レイ「?」

マナ「だってライバルとは言っても、それ以前に友達だもん」

レイ「友達………」

マナ「そう、友達。だから私は綾波さんにこんなことを話したんだよ?」

レイ「…ありがと……」

マナ「うん!!」

マナ「でもね、シンジは絶対に譲れない。それはごめんね」

レイ「いい。私達には絆があるから」

マナ「絆?」

レイ「そう…絆……」

マナ「そうだね。私達は絆で結ばれているのかもね」

マナ「私ね、綾波さんの事も大好きだからね!」

綾波「………」

マナ「忘れないでね。綾波さんがいなくなったら私、凄く悲しいからね?」

綾波「ええ。忘れないわ…」

マナ「えへへ!綾波さん、凄くいいこだね!!」ギュー

レイ「ヒャッ!?」

マナ「あ!可愛い声~」

レイ「………」ジロッ

マナ「そうそう!綾波さんはもっと顔に感情を出した方がいいって!その方が絶対可愛いよ!」

レイ「……考えておくわ…」

マナ「絶対だよ!」チンッ

マナ「あ、私この階だから降りるね!また明日学校でね、レイちゃん!」

レイ「………」

レイ「絆……友達……」

マナ「でもね、シンジは絶対に譲る」

レイ「いらない」

マナ「ナンダト」

レイ「ナンダ」

マナ「そうだね。私達は絆ないし」

マナ「私ね、綾波さんの事大嫌い」

綾波「ナンダト」

マナ「忘れないでね。綾波さんがいなくなったら私、凄く嬉しいから」

綾波「ナンダト」

マナ「えへへ!綾波さん消えろ」バキ

レイ「グオ」

マナ「馬鹿め」

レイ「………」ニコリ

マナ「そうそう!綾波さんはもっと顔に感情を出した方がいいって!どっちにしろ変」

レイ「ケッ」

マナ「絶対だよ!」バキ

マナ「あ、私この階だから降りるね!また明日学校でね、レイちゃん!」

レイ「………」

マナ「死んでるww」

マナ「でもね、シンジは絶対に譲る」

レイ「いらない」

マナ「ナンダト」

レイ「ナンダ」

マナ「そうだね。私達は絆ないし」

マナ「私ね、綾波さんの事大嫌い」

綾波「ナンダト」

マナ「忘れないでね。綾波さんがいなくなったら私、凄く嬉しいから」

綾波「ナンダト」

マナ「えへへ!綾波さん消えろ」バキ

レイ「グオ」

マナ「馬鹿め」

レイ「………」ニコリ

マナ「そうそう!綾波さんはもっと顔に感情を出した方がいいって!どっちにしろ変」

レイ「ケッ」

マナ「絶対だよ!」バキ

マナ「あ、私この階だから降りるね!また明日学校でね、レイちゃん!」

レイ「………」

マナ「死んでる」

青葉「使徒を映像で確認、最大望遠です!」

日向「衛星軌道から動きませんねぇ」

青葉「ここからは、一定距離を保っています」

ミサト「てことは、降下接近の機会をうかがっているのか、その必要もなくここを破壊できるのか…」

日向「こりゃ迂闊に動けませんね」

ミサト「どの道目標がこちらの射程距離内にまで近づいてくれないと、どうにもならないわ。エヴァには衛星軌道の敵は、迎撃できないもの」

ミサト「レイは?」

マヤ「零号機共に順調。行けます!」

ミサト「了解、零号機発進、超長距離射撃翌用意!」

ミサト「バックアップは………」

リツコ「初号機はもちろん弐号機も無理よ。パイロットの状態が良くないわ」

ミサト「………そうね…しょうがない…ここは零号機だけで…」

ゲンドウ「待て」

ミサト「碇指令!?しかし、他に出撃出来る機体が…」

ゲンドウ「アレを使う」

冬月「アレ…?まさかあいつを使う気か!?」

冬月「老人共が黙ってないぞ碇!」

ゲンドウ「今は使徒迎撃が優先だ。老人共も文句は言えまい…」

冬月「分かった…私からは何もないよ」

ミサト「指令?」

ゲンドウ「参号機をダミープログラムで起動。その後ロンギヌスの槍を使って使徒を迎撃させる」

ミサト「し、しかし参号機は破棄したはずでは………」

リツコ「秘密裏に復元したのよ。幸い重要なパーツの損傷は少なかったわ。だから弐号機の修復という名目で伍、陸号機のパーツを回して貰って修復していたのよ」

ミサト「貴女も知っていたのね…」

リツコ「ええ」

ミサト「…………」

ミサト「分かりました。では、作戦を決行します」

マナ「え?私達、出なくていいの?」

シンジ「でも、そしたら誰が使徒と戦うの?」

レイ「ダミープログラム」

マナ「それって何?聞いたことないよ」

シンジ「それって大丈夫なの?」

レイ「ええ」

シンジ「そうなんだ…」

レイ「私は待機だから行くわ。碇くんたちはここにいて」

シンジ「綾波は戦うの?」

レイ「いえ。あくまでも待機だから」

シンジ「うん。それじゃあ、また後でね、綾波」

レイ「ええ」

マヤ「参号機、地上に出ます」

ミサト「…………」

参号機「」ガシャン

ミサト「目標の動きは?」

マヤ「依然動きは…えっ!?」

アラエル「」ピカー

ミサト「どうしたの!?」

マヤ「目標、何かを参号機に向かって発射!」

ミサト「敵の指向性兵器なの?」

青葉「いえ、熱エネルギー反応無し」

ミサト「参号機に異常は?」

マヤ「全くありません」

ミサト「じゃあ、この光は一体…」

青葉「参号機、投擲体制!」

日向「目標確認、誤差修正よし!」

マヤ「カウントダウン入ります、10秒前、8、7、6、5、4、3、2、1、ゼロ!」

参号機「………」ビュン

アラエル「」バシュン

青葉「目標、消滅」

冬月「ロンギヌスの槍は!?」

日向「第一宇宙速度を突破、現在、月軌道に移行しています」

冬月「回収は不可能に近いな…」

日向「はい、あの質量を持ち帰る手段は、今のところ、ありません」





シンジ「綾波!!」

マナ「レイちゃん!!」

レイ「何?」

シンジ「使徒はどうなったの?」

マナ「被害はあるの?」

レイ「使徒は消滅したわ。そして被害もない」

シンジ・マナ「よかった~」

マナ「そうだ!レイちゃん?」

レイ「?」

マナ「一緒に御飯食べに行こうよ!私、緊張が解けたらお腹減ってきちゃった」

シンジ「そうだね。僕も少しお腹減ったかな」

レイ「…………うん」

マナ「やった!!ほら、行こ?レイちゃん!」ギュッ

レイ「あっ!?」

マナ「どうしたの?」

レイ「何でもないわ」

レイ「………」

レイ「ポカポカする…」ボソッ

数日後

加持「葛城、俺だ。多分この話を聞いている時は、君に多大な迷惑をかけた後だと思う。すまない。リッちゃんにもすまないと謝っておいてくれ」

加持「あと、迷惑ついでに俺の育てていた花がある。俺の代わりに水をやっといてくれると嬉しい。場所はシンジ君が知ってる」

加持「葛城、真実は君とともにある。迷わず進んでくれ。もし、もう一度会える事があったら、8年前に言えなかった言葉を言うよ。じゃ…」プープープー

ミサト「鳴らない、電話…か…」

学校

シンジ・マナ「おはよう、みんな」

トウジ「おおシンジ、霧島」

ヒカリ「おはよう、二人とも」

ケンスケ「相変わらずだな、シンジたちは」

レイ「おはよう、碇くん。霧島さん」

マナ「あ、おはよう!レイちゃん!」

ケンスケ「そしてあの綾波の態度が柔らかくなった」

ケンスケ「ちょっと前じゃ考えられないよ」

ヒカリ「ほら、席について。ト……鈴原」

トウジ「しゃあないなぁ」ストン

ケンスケ「…………」ポロポロ

ケンスケ「これは涙……泣いているのは僕…?」

学校

シンジ・マナ「おはよう、みんな」

トウジ「誰だ」

ヒカリ「お前こそ」

ケンスケ「お前こそ」

レイ「おはよう」

マナ「誰だ」

ケンスケ「そして誰だ」

ケンスケ「ちょっと前じゃ考えられるな」

ヒカリ「ほら、席について。誰だ」

トウジ「しゃあないなぁ」ポロポロ

ケンスケ「お前こそ」ポロポロ

ケンスケ「これは誰だ」

トウジ「それにしても、人が減ったのお」

ヒカリ「もう前の半分くらいになっちゃったもんね…」

ケンスケ「疎開だっけ?まあ確かにこの街は危ないけどさ…それにしても転校しすぎだよな」

マナ「うん…なんか…さみしいな……」

シンジ「大丈夫だよマナ。この戦いが終わればみんな戻ってくるよ」

マナ「うん…そうだよね。だから早く私達がこの戦いを終わらせないとね」

シンジ「そうだよ。そして平和な世界で幸せになるんだ」

マナ「平和な世界か~。楽しみだな~」

シンジ「僕も、だよ。マナと生きる平和な世界がね」

マナ「シンジ…」

トウジ「お熱いのぉ、シンジ」ニヤニヤ

ヒカリ「こ、こんなところでキスなんかしちゃ駄目なんだからね!!」

マナ「流石にそこまで非常識じゃないもん!」

放課後

シンジ「ねぇ、マナ」

マナ「なあに?」

シンジ「あとどれくらいでこの戦いは終わるんだろう?こんなこと誰も分かるはずがないけど…」

マナ「私ね、最近思うんだ。あともう少しで終わるって」

シンジ「あと少し?」

マナ「うん。確証は無いんだけどね。なんとなくそんな気がする」

シンジ「ふふ、僕もそんな気がしてきたよ」

シンジ「早くこんな戦いなんて終わればいいね」

マナ「うん!」

マナ「でも、もしもこのままでもシンジが隣に居てくれれば私は生きていける」

マナ「私にとってシンジの隣が楽園なんだから」ギュー

某所

ゼーレ「ロンギヌスの槍、回収はわれらの手では不可能だよ」

ゼーレ「なぜ使用した」

ゼーレ「エヴァシリーズ。まだ予定には揃っていないのだぞ」

ゲンドウ「使徒殲滅を優先させました。やむを得ない事情です」

ゼーレ「やむを得ないか。言い訳にはもっと説得力を持たせたまえ」

ゼーレ「最近の君の行動には、目に余るものがあるな」

ゲンドウ「冬月、審議中だぞ!」

ゲンドウ「…分かった」

ゲンドウ「使徒が現在接近中です。続きはまた後ほど」

ゼーレ「その時君の席が残っていたらな」

キール「碇、ゼーレを裏切る気か?」

ミサト「あと15分でそっちに着くわ」

ミサト「参号機の発信準備を…何?まだ調整中?急いで!」

ミサト「しょうがないわ。零号機を32番から地上に射出、弐号機はバックアップに廻して」

ミサト「そう、初号機は碇司令の指示に。私の権限じゃ凍結解除はできないわよ。じゃあ」プチッ

アルミサヘル「」

ミサト「使徒を肉眼で確認…か…」

15分後

青葉「目標は、大涌谷上空にて滞空。定点回転を続けています」

日向「目標のATフィールドは依然健在」

ウィーン

リツコ「何やってたの?」

ミサト「言い訳はしないわ、状況は!?」

青葉「膠着状態が続いています」

日向「パターン青からオレンジへ、周期的に変化しています!」

ミサト「どういう事?」

マヤ「MAGIは回答不能を提示しています!」

青葉「答えを導くには、データ不足ですね」

リツコ「ただあの形が固定形態でない事は確かだわ」

ミサト「先に手は出せないか…」

ミサト「マナちゃん、操縦はできそう?」

マナ「はい。なんとか」

ミサト「では、ディアルソーを装備して零号機の救援に向かって」

マナ「はい!」

ミサト「くれぐれも敵に気をつけて。うかつな行動をすると弐号機までもが侵食されてしまうわ」

マナ「わかっています!」

>>517 アルミサヘル→アルミサエル

>>518は無し

ミサト「レイ、しばらく様子を見るわよ」

レイ「いえ、来るわ!」

アルミサエル「………」ヒュン

ミサト「レイ、応戦して!」

日向「駄目です、間に合いません!」

零号機「」ガンッ

レイ「うっ…」

青葉「目標、零号機と物理的接触!」

ミサト「零号機のATフィールドは!?」

マヤ「展開中、しかし、使徒に侵蝕されています!」

リツコ「使徒が積極的に一次的接触を試みているの?零号機と!」

マヤ「危険です!零号機の生体部品が侵されて行きます!」

ミサト「エヴァ弐号機、発進、レイの救出と援護をさせて!」

マヤ「目標、さらに侵蝕!」

リツコ「危険ね、すでに5%以上が生体融合されているわ」

ミサト「マナちゃん、操縦はできそう?」

マナ「はい。なんとか」

ミサト「では、ディアルソーを装備して零号機の救援に向かって」

マナ「はい!」

ミサト「くれぐれも敵に気をつけて。うかつな行動をすると弐号機までもが侵食されてしまうわ」

マナ「わかっています!」

マナ「レイちゃん、もう少し頑張ってて!私が助けるから!」

マヤ「弐号機、ディアルソーを装備しました」

青葉「目標まであと500」

マナ「レイちゃんから離れて!!」ブンッ

アルミサエル「……」キンッ

マナ「ATフィールド…」

ミサト「マナちゃん、避けて!!」

マナ「!?」バッ

アルミサエル「」ガンッ

マヤ「目標の攻撃はディアルソーに……えっ!?」

マナ「レイちゃん、もう少し頑張ってて!私が助けるから!」

マヤ「弐号機、ディアルソーを装備しました」

青葉「目標まであと500」

マナ「レイちゃんから離れて!!」ブンッ

アルミサエル「……」キンッ

マナ「ATフィールド…」

ミサト「マナちゃん、避けて!!」

マナ「!?」バッ

アルミサエル「」ガンッ

マヤ「目標の攻撃はディアルソーに……えっ!?」

ミサト「どうしたの!?」

マヤ「ディアルソーの識別が目標と同じに…」

ミサト「どういうこと?」

ミサト「まさか…!?マナちゃん!今すぐディアルソーを破棄して逃げて!!」

マナ「えっ!?」

ディアルソー「」ザクッ スパッ

マナ「あぐっ!!!?」

マヤ「弐号機、右脚を切断されました!!」

ミサト「マナちゃん!!」

マナ「あ……あ……あぁ…」

日向「パイロット、シンクロ率が低下しています」

青葉「零号機への侵食も再開されました!」

ミサト「マナちゃん!レイ!!」





レイ「誰?」

レイ「私…エヴァの中の私」

レイ「いいえ、私以外の誰かを感じる」

レイ「あなた誰?使徒?私たちが使徒と呼んでいる人?」

レイ?「私と一つにならない?」

レイ「いいえ、私は私、あなたじゃないわ」

レイ?「そう…でもだめ、もう遅いわ」

レイ?「私の心をあなたにも分けてあげる。この気持ち、あなたにも分けてあげる」

レイ?「痛いでしょう?ほら、心が痛いでしょう?」

レイ「痛い…いえ、違うわ…寂しい…そう、寂しいのね…」

レイ?「寂しい?分からないわ」

レイ「一人が嫌なんでしょ?」

レイ「私たちはたくさんいるのに、一人でいるのが嫌なんでしょ?」

レイ「それを、寂しい、というの」

レイ?「それはあなたの心よ。悲しみに満ち満ちている。あなた自身の心よ」

レイ「…これが…涙…?泣いているのは、私?」ポロポロ

ミサト「レイ!!」

マナ「レイちゃん!!」

シンジ「綾波!!」

ゲンドウ「初号機の凍結を現時刻をもって解除、直ちに出撃させろ」

ミサト「え…」

ゲンドウ「出撃だ」

ミサト「はい…」

初号機「」ガシャン

ミサト「ATフィールド展開、レイの救出急いで!」

シンジ「はい!」

アルミサエル「!?」ヒュン

レイ「碇君!」

シンジ「はっ!」

アルミサエル「………」

レイ「これは私の心…二人と一緒になりたい…?」

レイ「駄目!」グッ

アルミサエル「!?」

マヤ「ATフィールド反転、一気に侵蝕されます!」

リツコ「使徒を押え込むつもり!?」

ミサト「レイ、機体は捨てて、逃げて!」

レイ「だめ、私がいなくなったらATフィールドが消えてしまう。だから、駄目…」

ミサト「レイ、死ぬ気?」

シンジ「ダメだ!綾波!!!」

マヤ「初号機もアンチATフィールドを展開!」

日向「目標が初号機の方に引き寄せられています!」

レイ「碇君、逃げて!碇君も死んじゃうわ」

シンジ「僕は逃げない!!もう誰も死なせたくないんだ!!」

シンジ「くっ………」

マナ「アンチATフィールド全開!!」

マヤ「弐号機もアンチATフィールドを展開しました!」

マナ「私も、手伝う!!友達を助けられないなんて嫌!!」

シンジ「マナ…」

アルミサエル「」グシュグシュ

シンジ「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

マナ「うぅぅぅぅぅ!!」

レイ「ハア…ハア…ハア…」

シンジ「ダメ」

マヤ「初号機もATフィールドを公開!」

日向「目標が初号機を食べた!」

レイ「碇君、イケ」

シンジ「僕は逃げる」

シンジ「へっ………」

マナ「逃げる」

マヤ「弐号機も逃げました」

マナ「私も、逃げる。友達とかシラネ」

シンジ「こいつ」

アルミサエル「逃げる」グシュグシュ

シンジ「逃げるのは僕だ」

マナ「お前は囮だ」

レイ「碇は囮だ」

ミサト「このままじゃ、三人共…」

ゲンドウ「参号機だ。参号機を上げろ」

リツコ「しかし、調整がまだ…」

ゲンドウ「かまわん。参号機は地上で爆破させる」

リツコ「!?」

ミサト「ど、どういうことですか?」

リツコ「つまり、参号機でアンチATフィールドを展開して自爆させるってことよ」

ミサト「しかし、いいんですか?指令」

ゲンドウ「ああ。早くやれ」

ミサト「はい。参号機、出撃準備!!」

参号機「」ガシャン

マヤ「参号機、アンチATフィールドを展開」

アルミサエル「」ズズズ

青葉「目標、参号機に対し侵食開始しました」

ミサト「みんな、今すぐATフィールドを全開にしてその場から逃げて!」

シンジ・マナ・レイ「はい!!」

シンジ・マナ・レイ「フィールド全開!」

青葉「エヴァ3機、目標の侵食から解放されました」

ミサト「みんな、早くその場から逃げて!」

マヤ「コアが潰れます!臨界突破!」

参号機「」ベキッベキッ ボコッ

ドーン!!!

青葉「目標、消失」

ミサト「現時刻をもって作戦を終了します。第一種警戒態勢へ移行」

日向「了解、状況イエローへ、速やかに移行」

ミサト「3機は?」

マヤ「無事です!損傷は軽微です!」

リツコ「しかし、参号機はもう無理ね。これじゃあ修復は出来ない」

ミサト「しょうがないわ。あの3人が無事だっただけでお釣りが来るわよ」

リツコ「そうね」

数日後

トウジ「おはようさん」ガラッ

ケンスケ「おはよう、トウジ」

トウジ「なんや、最近さらに人が減っとるな」

ヒカリ「しょうがないよ。流石にこの前の爆発で危険を感じて疎開する家族が増えてるから」

マナ「………」

シンジ「…………」

ヒカリ「あ、別に碇くんやマナちゃんの所為だとは思ってないわよ!」

ヒカリ「だけど…ほかの人が疎開しちゃうのも分かるんだ」

ヒカリ「ごめんね、3人は私達の為に戦ってくれてるのに」

マナ「そんなことないよ。そんなことよりもみんなが巻き込まれて怪我しちゃう方が嫌だもん」

シンジ「洞木さんやトウジ、ケンスケも危険を感じたらすぐに逃げてね。僕達のことは考えなくても大丈夫。ちゃんといつか戻ってきてくれればね」

トウジ「大丈夫やセンセ。わいはここに残るで」

シンジ「トウジ!

数日後

トウジ「おはようさん」ガラッ

ケンスケ「帰れ」

トウジ「おう」

ヒカリ「へ」

マナ「………」

シンジ「…………」

ヒカリ「ナンヤ」

ヒカリ「ナンヤ」

ヒカリ「ナンヤ」

マナ「ナンヤ」

シンジ「洞木さんやトウジ、ケンスケも危険を感じたら盾になれ。ちゃんと俺を守れ」

トウジ「は」

シンジ「トウジ!てめえ

数日後

トウジ「おはようさん」ガラッ

ケンスケ「おはよう、トウジ」

トウジ「なんや、最近さらに人が減っとるな」

ヒカリ「しょうがないよ。流石にこの前の爆発で危険を感じて疎開する家族が増えてるから」

マナ「………」

シンジ「…………」

ヒカリ「あ、別に碇くんやマナちゃんの所為だとは思ってないわよ!」

ヒカリ「だけど…ほかの人が疎開しちゃうのも分かるんだ」

ヒカリ「ごめんね、3人は私達の為に戦ってくれてるのに」

マナ「そんなことないよ。そんなことよりもみんなが巻き込まれて怪我しちゃう方が嫌だもん」

シンジ「洞木さんやトウジ、ケンスケも危険を感じたらすぐに逃げてね。僕達のことは考えなくても大丈夫。ちゃんといつか戻ってきてくれればね」

トウジ「大丈夫やセンセ。わいはここに残るで」

シンジ「トウジ!」

トウジ「シンジのことが心配やし、しかも妹もまだ退院できる状態にはなっとらんしな」

シンジ「サクラちゃん、経過はどう?」

トウジ「順調や。まだ出歩くのは無理やけどあともう少しで傷は消える」

マナ「よかった…」

トウジ「ああ。だからシンジは気にせんでええ。少なくとも妹が退院するまではこっちに残るで」

ヒカリ「私は鈴原に合わせるわ。一人にすると何するか分からないから」

マナ「あはは!いいね、ヒカリちゃん」

ヒカリ「ふふっ」ニコッ

シンジ「どうしたの?二人して笑っちゃってさ」

マナ「これは教えないよ」ニコッ

シンジ「うん。分かったよ」

トウジ「ケンスケ、お前はどうするんや?」

ケンスケ「まあ、僕はさらにサバイバル生活が出来るようになるから街は出ないよ」

ケンスケ「人が少なくなるとゲームが出来るフィールドが広くなるんだよ」

ケンスケ「そらにパパもここを離れる訳にはいかないみたいだし」

シンジ「あはは、ケンスケらしいや」

シンジ「てことは、僕とマナ、綾波、トウジ、ケンスケ、洞木さんの6人はここに残ることになるんだね?」

マナ「よかった…」

トウジ「どないしたんや、霧島?」

マナ「あ、うん…あのね、友達が居なくなったら寂しいから、嬉しいんだ」

ヒカリ「大丈夫、もしも仮に離れ離れになったとしても私達はマナちゃん達の味方だから」

マナ「うん、ありがとう!」

シンジ「それじゃあ、そろそろ僕達はネルフに向かおうか?」

マナ「そうだね。それじゃあ、またね~」

>>535 ミスです





カヲル「フンフンフンフンフン♪」

カヲル「歌はいいねぇ」

シンジ・マナ「え?」

カヲル「歌は心を潤してくれる。リリンが生み出した文化の極みだよ。そう感じないか?碇シンジ君、霧島マナ君」

シンジ「僕達の名を?」

カヲル「知らないものはないさ。失礼だが、君達は自分の立場をもう少しは知ったほうがいいと思うよ」

シンジ「そうかなぁ…?あの、君は?」

カヲル「僕はカヲル。渚カヲル。君と同じ、仕組まれた子供。フィフスチルドレンさ」

シンジ「フィフスチルドレン?君が、あの、渚君?」

カヲル「カヲルでいいよ、碇君」

シンジ「僕も、シンジでいいよ」

日向「フィフスチルドレンが、今到着したそうです」

ミサト「渚カヲル。過去の経歴は抹消済み。レイと同じくね」

日向「ただ生年月日は、セカンドインパクトと同一日です」

ミサト「委員会が直で送ってきた子供よ。必ず何かあるわ」

日向「マルドゥックの報告書も、フィフスの件は非公開となっています。それもあって、ちょいと諜報部のデータに割り込みました」

ミサト「危ない事するわねぇ」

日向「その甲斐はありましたよ」スッ

日向「碇所長の本当の計画の一部です」コソッ

ミサト「!?」

日向「フィフスのシンクロテスト、どうします?」

ミサト「……今日のところは小細工をやめて、素直に彼の実力、見せてもらいましょう」

リツコ「あと、0コンマ3下げて」

冬月「このデータに間違いはないな?」

日向「全ての計測システムは、正常に作動しています」

マヤ「MAGIによるデータ誤差、認められません」

冬月「よもや、コアの変換も無しに弐号機とシンクロするとはな、この少年が」

マヤ「しかし、信じられません!いえ、システム上ありえないです…」

ミサト「でも事実なのよ。事実をまず受け止めてから、原因を探ってみて」

リツコ「………」





カヲル「君がファーストチルドレンだね」

レイ「…」

カヲル「綾波レイ…君は僕と同じだね」

レイ「…あなた誰?」



冬月「フィフスの少年がレイと接触したそうだ」

ゲンドウ「そうか…」

冬月「今、フィフスのデータをMAGIが全力を挙げて当たっている」



ミサト「にもかかわらず、未だ正体不明…何者なの?あの少年…」

カヲル「おや?」

シンジ「カヲル君!」

カヲル「やぁ、僕を待っててくれたのかい?」

マナ「うん。ちょっと渚君に来てもらいたいんだ~」

シンジ「もしも急ぎの用が無ければ来てくれないかな?」

カヲル「いいよ。シンジ君の為なら僕は何でもするよ」

シンジ「ありがとう、カヲル君!じゃあ行こう!」

マナ「…………?」

カヲル「分かったよシンジ君。僕は君について行けばいいんだね?」





葛城宅

カヲル「ここは…確か……」

トウジ「お、やっと来たで」

ケンスケ「遅いぞ碇」

ヒカリ「準備出来てるよ、碇君、マナちゃん」

シンジ「お待たせ。みんなありがとね」

マナ「ごめんね、私達だけ手伝えなくて」

ヒカリ「気にしなくていいよマナちゃん。これは私達がやりたくてやってるんだから」

マナ「うん…ありがとね!」

シンジ「みんな、彼が渚カヲル君。僕等と同じパイロットなんだ」

カヲル「シンジ君、一体これは?」

シンジ「カヲル君の歓迎パーティーだよ。みんなもカヲル君と仲良くなりたいんだよ」

カヲル「そうか…リリンとはこういうものなのか…」





ヒカリ「あっ、もうこんな時間だ!」

マナ「ホントだ!みんなそろそろ帰る?」

ヒカリ「うーん…」

シンジ「今日はミサトさん帰って来ないから泊まっても大丈夫だと思うよ?」

トウジ「ホンマか!?」

シンジ「うん」

ケンスケ「それなら、僕は泊まらせて貰うよ」

トウジ「わいもそれでええけど、委員長はどうするんや?」

ヒカリ「どうしよう…ちょっとお家に電話してみるね」

マナ「うん。電話はそっちにあるから自由に使って」

ヒカリ「ありがとマナちゃん。じゃあ、ちょっと行って来るね」

シンジ「カヲル君はどうする?この後予定とかはあるのかな?」

カヲル「…………」

シンジ「カヲル君?」

カヲル「本当なら今夜予定があった。だけど……このままシンジ君と…リリンと夜を明かすのも悪くないね」

シンジ「ということは」

カヲル「今夜は御世話にならせて貰うよ。シンジ君」

シンジ「ほんと!?でも予定はいいの?」

カヲル「大丈夫さ。この予定は僕が勝手に決めていた予定だ。僕の意思でどうにでも変わる。今は君達リリンと一緒に愉しみを分かち合ってみたい」

シンジ「君が何を言ってるのかわからないよ」

カヲル「それは、好きってことさ」

シンジ「え?」

ヒカリ「お待たせ。今日は泊まってもいいって。お邪魔してもいいかな!」

シンジ「えっ、あ、もちろんだよ」

ヒカリ「どうしたの?」

カヲル「何でもないよ。さあ、夜を愉しもうじゃないか」





マナ「シンジ、まだ起きてる?」

シンジ「うん。みんなは寝ちゃったけど」

マナ「それはいいんだ」

シンジ「どうしたの?」

マナ「あのね…なんだか不安になっちゃって…」

シンジ「不安?」

マナ「うん…」

マナ「もしかしたら変なこと言っちゃうかもだけどいい?」

シンジ「いいよ。言ってごらん」

マナ「なんか…なんかね……」

マナ「シンジと渚君の距離が妙に近いと思っちゃって…」

シンジ「へっ!?」

マナ「ごめんね!やっぱり変だったよね!今のは忘れて!」

シンジ「マナ、こっちにおいで」

マナ「うん」

シンジ「………」ギュッ

マナ「あっ…」

シンジ「大丈夫だよ、マナ。僕はそういう趣味はないから」

シンジ「それにね、僕はマナが一番だから。それは絶対に変わらないから」

マナ「シンジ…」

シンジ「どう?安心した?」

マナ「うん…シンジの胸の中…暖かい……」

マナ「いつまでもここは私専用の席にしてくれる?」

シンジ「もちろんだよ。ここはマナだけのところだから」

マナ「ねえ…シンジ……いい?」スッ

シンジ「マナって甘えん坊だね」チュッ

マナ「ん……んん……んはぁ」レロッ レロッ チュパ

マナ「私…とろけちゃいそう…」

シンジ「マナの身体…熱くなってるよね……」

マナ「だって…気持ちよかったから…」

シンジ「もう一回したい?」

マナ「うん!」

シンジ「マナ…」チュッ

マナ「シンジ…」レロッ レロッ



トウジ「ねえ…シンジ……いい?」スッ

シンジ「トウジって甘えん坊だね」チュッ

トウジ「ん……んん……んはぁ」レロッ レロッ チュパ

トウジ「わい…とろけちゃいそう…」

シンジ「トウジの身体…熱くなってるよね……」

トウジ「だって…気持ちよかったから…」

シンジ「もう一回したい?」

トウジ「うん!」

シンジ「トウジ…」チュッ

トウジ「シンジ…」レロッ レロッ



翌日

シンジ「ん……」

シンジ「もう朝か…」

シンジ「マナは…」

マナ「………」スウスウ

シンジ「寝てるね…」

シンジ「さっ、起きる………」

トウジ「………」ニヤニヤ

ケンスケ「………」ニヤニヤ

ヒカリ「………………」

カヲル「やあ、いい朝だねシンジ君」

シンジ「どうしてみんな僕を見て………あっ!!?」バッ


ケンスケ「いやあ、流石にビックリしたよ。いつの間にか二人とも抱き合って寝てるんだからな」

シンジ「いや…これは……」

トウジ「センセもなかなか男前なところあるやないか」

ヒカリ「その…碇君とマナちゃん、あの……夜ああいうことしてたの……?」

シンジ「違っ!!」

カヲル「二つの魂と身体が愛し合って入り乱れお互いの魂を補完する。リリンはこういう存在なんだね。良かったら僕にも教えてくれないかい?」

シンジ「僕達はまだそんなことしてないよ!!」

ケンスケ「う、羨ましすぎる!!」

トウジ「なあセンセ、別に恥ずかしいことやない。堂々としとるのが一番や」

ヒカリ「マナちゃんと碇君ならしょうがないよ。だってマナちゃん可愛いし、何より二人とも愛し合ってるんだもんね」

カヲル「さあ、僕にも…」

シンジ「本当に違うよ!!!みんな誤解だから!!」

マナ「んんん………」

マナ「ん…シンジ……」モゾッ

シンジ「マナ、マナ。起きて」

マナ「シンジ…?」

シンジ「マナ、皆が!」

マナ「シンジの身体…あったかい……」ギュー

シンジ「マ、マナぁ!」

マナ「………」スウスウ

シンジ「…………」

トウジ「大丈夫やセンセ。ワイはちゃんと分かっとるわ」

シンジ「いや、誤解だよ!!」





シンジ「うう………あらぬ誤解が…」

トウジ「そやそや、そろそろ帰るわ」

ヒカリ「あ、私も帰るね」

ケンスケ「なら僕も帰るよ」

シンジ「そう?送ろうか?」

ケンスケ「大丈夫だよ。それよりもお前は霧島とイチャイチャしてろよ」

シンジ「ケンスケ!!」

シンジ「はあ……そうだ、カヲル君はどうだった?楽しかったかな?」

カヲル「そうだね。リリンと共に生きるのも悪くないかもしれないと思えたよ」

カヲル「ありがとうシンジ君。とても楽しかったよ」

シンジ「カヲル君が楽しんでくれたならよかったよ」

カヲル「また…」

シンジ「また?」

カヲル「また、皆でこうして集まるのを楽しみにしてるよ」

シンジ「うん!また皆で集まろう!!」

カヲル「ふふ…では僕達はこれでお暇するよ。お邪魔したね、シンジ君」ガチャン

>>560 トウジ「ワイ~」→トウジ「ワシ~」





マナ「んん……」

シンジ「あ、起きた?」

マナ「うん……あれ?皆は?」

シンジ「もう帰ったよ。今日はお寝坊さんだったね」

マナ「だって…夜遅くまで起きてたから……」

シンジ「ずっと起きてたの?」

マナ「うん」

シンジ「どうして?」

マナ「それは…シンジが近かったから…ドキドキしちゃって……」

シンジ「へっ?」

マナ「だって…」

シンジ「可愛いよ、マナ」ギュッ

マナ「うん」ギュッ

カヲル(さあ、僕はどうしようか)

カヲル(このまま使命を果たすか、それともリリンとの共生を選ぶか)

カヲル(本来なら僕はこのまま使徒として消えるかリリンを滅ぼすべきなのだろう…)

カヲル(しかし………)

カヲル(シンジ君や霧島マナ。そしてその他のリリン達と出逢ってしまった)

カヲル(リリンと一緒にいることに安らぎと愉しみを覚えてしまった…)

カヲル(もしかしたら…いや、僕自身はリリンと生きたいと願っている)

カヲル(ならば…)

カヲル「ならば僕は自分の信じる道を自分で選ぼう」

某所

ゼーレ「タブリスはどうした。何故行動に出ない」

ゼーレ「まさか我らを裏切ったのか」

ゼーレ「碇に続きタブリスまで…なんてことだ」

ゼーレ「タブリスが敵に回るとなると厄介だぞ」

ゼーレ「今からでも消して…」

キール「大丈夫だ。最後に嗤うのは我らの方だ。このまま碇共々泳がせておけ」

ゼーレ「だが…」

キール「約束の時は近い…そろそろアレを使おう」

数日後

マヤ「本部施設の出入りが全面禁止!?」

日向「第一種警戒体制のままか…」

マヤ「何故?まだ最後の使徒は倒して無いのに」

リツコ「最後の使徒は既に現れたわ」

マヤ「先輩!?」

リツコ「最後の使徒は個の繁栄よりもヒトと共生することを選んだ。だから『戦い』は起こらなかった」

マヤ「では、その最後の使徒っていうのは?」

リツコ「貴女達もよく知っているはずよ。渚カヲル。彼が最後の使徒であるタブリス」

マヤ・日向・青葉「!!?」

青葉「しかし、彼はマルドゥック機関から選出され送られてきたチルドレンでは…」

リツコ「いいえ、彼はゼーレから直接送られて来た。そしてこの命令もゼーレが裏で糸を引いているわ」

マヤ「まさか…」

リツコ「そう…ゼーレはネルフを潰しに来たのよ」

マヤ「でも…どうしてそんなことを!同じ人間なんですよ!!」

リツコ「そんなのは関係ないのよ。ゼーレの計画の障害になり得るネルフ。計画を成就させる為には障害たるネルフを潰さねばならない。至極妥当な結論ね」

マヤ「そんな……なら私達はなんのために…」

青葉「もしも俺達が使徒に敗れていたら人類は滅ぶ。これは事実だ。だから俺たちがやって来たことには意味がある」

マヤ「青葉君…」

リツコ「恐らく近い内に何かしらのアクションが来るわ。それに備えておいて頂戴」

某所

キール「約束の時が来た。ロンギヌスの槍を失った今、リリンによる補完は出来ん。唯一、リリスの分身たるエヴァ初号機による遂行を願うぞ」

ゲンドウ「ゼーレのシナリオとは違いますが」

冬月「人はエヴァを生み出すためにその存在があったのです」

ゲンドウ「人は新たな世界へと進むべきなのです。そのためのエヴァシリーズです」

ゼーレ「我らは人の形を捨ててまでエヴァという方舟に乗ることは無い」

ゼーレ「これは通過儀礼なのだ。閉塞した人類が再生するための」

ゼーレ「滅びの宿命は新生の喜びでもある。神も人も全ての生命が死をもってやがて一つになるために」

ゲンドウ「死は何も生みませんよ」

キール「死は君達に与えよう」

冬月「人は生きて行こうとする所にその存在がある。それが自らエヴァに残った彼女の願いだからな」

マナ「みんな、また明日ね~」

シンジ「帰ろっか、マナ」

マナ「なんかネルフに呼ばれてるんだよね、私」

シンジ「そう?なら僕も付き添うよ」

マナ「ありがと!!そうだ…レイちゃん、渚君。二人も一緒に行かない?」

カヲル「反対なんてしないよ。僕はシンジ君の行く所ならどこまでもついて行きたいからね」

レイ「私も行くわ」

マナ「うん!それじゃ行こ?」





ネルフ

マナ「ついた~」

シンジ「それじゃ、マナの用事を済ませにいこうか」

マナ「うん。あ、そうだ」

シンジ「どうしたの?」

マナ「私の用事が終わったらみんなで一緒に遊びに行かない?せっかく集まったんだしさ」

シンジ「いいよ。綾波とカヲル君は?」

カヲル「僕も喜んで参加させてもらうよ」

レイ「私も」

マナ「約束だよ!」

マナ「そうと決まったら早く…」

ブーブーブーブー

マナ「えっ!?何!?まさか使徒!?」

カヲル「いや…そんなはずは……」

カヲル「まさか…!?」

冬月「保安通信は青の回線に切り替えろ!衛星を開いても構わん!そうだ!敵の状況は!?」

オペレーター「外部との通信、情報回路が一方的に遮断されていきます!」

冬月「目的はMAGIか…」

青葉「全ての外部端末からデータ侵入!MAGIへのハッキングを目指しています!」

冬月「やはりか…侵入者は松代のMAGI2号か?」

青葉「いえ、少なくともMAGIタイプ5、ドイツと中国、アメリカからの侵入が確認出来ます」

冬月「ゼーレは総力を挙げているな…兵力差は1:5…分が悪いぞ」

日向「主データベース遮断…駄目です、進行をカット出来ません!」

マヤ「更に外郭部に侵入!予備回路も阻止不能です!」

冬月「まずいな…MAGIの占拠は本部のそれと同義だからな…」

リツコ「今戻ったわマヤ。私が手を打つから貴女達は何としてでも10分時間を稼いで」

マヤ「はい!」

ミサト「状況は?」

日向「おはようございます。先ほど、第二東京からA-801が出ました」

ミサト「801?」

日向「特務機関NERVの特例による法的保護の破棄及び、指揮権の日本国政府への委譲」

日向「最後通告ですよ。ええ、そうです。現在MAGIがハッキングを受けています。かなり押されています」

マヤ「伊吹です。今赤木博士がプロテクト作業に入りました」

ミサト「分かったわ。貴女達は全力でサポートして。私は各ゲートの見回りに警戒要請をします」

日向「分かりました。ではこれで」ブチッ

ミサト「これはちょっちヤバイかもね…」

マヤ「くっ……流石にMAGIタイプが攻めてくると……」

青葉「大丈夫だ。赤木博士がなんとかしてくれる。なんとしても死守するぞ」

マヤ「はい!」

日向「ん?ドイツのMAGIの様子が…」

青葉「止まった…いや!今度は中国のMAGIを攻撃し始めた!」

日向「ドイツとここのMAGIが中国のMAGIをハッキング成功!今度は3つがアメリカのMAGIを攻撃開始!」

青葉「アメリカも落ちたぞ!」

日向「他の2タイプは専守防衛に入りました。こちらのMAGIに対する攻撃は0。勝ったぞ!!」

マヤ「流石先輩!!」

日向「松代のMAGIもこちらの支配下に入りました」

青葉「どうやら、情報戦はこちらの勝ちだな」

某所

ゼーレ「まさか第666型防壁すら展開せずに他のMAGIを支配下に置くとは…」

キール「是非とも穏便に済ませたかったのだがな…」

ゼーレ「これは計画に支障が出るのでは?」


キール「問題はない。ネルフの目と耳を奪う事は叶わなかったが、それでもこちらの優位性は変わらない」

ゼーレ「碇め…我らの邪魔を…」

キール「仕方ない…本部施設の直接占拠を行う」





隊員「始めよう。予定通りだ」

ドーン

マナ「な、何!?」

シンジ「爆発!?」

マナ「どうして爆発なんか…」

アナウンス「何者かが侵入した!数は多数!!戦闘員は第一層のバリケード内で応戦準備!非戦闘員は最下層へ……だ、誰だ!!グワッ!!」ブツッ

マナ「う…うそ……」

シンジ「早く下に!!」

カヲル「とうとう始まってしまったか…」

カヲル「シンジ君。聞いてくれ」

シンジ「どうしたの?急いでカヲル君!」

カヲル「恐らく敵は僕達パイロットを捕らえに来るだろう」

マナ「どうして私達なの!?」

カヲル「敵にとって唯一の脅威であるエヴァを動かせるのは僕達だけだからさ」

レイ「なら、どうすれば?」

カヲル「君達三人はエヴァの格納庫に急行してくれ。僕は司令部に行って君達のことを伝える」

シンジ「でも…カヲル君一人じゃ危ないよ!!」

カヲル「大丈夫。僕は絶対に大丈夫だから。さあ三人共、行ってくれ」

マナ「渚君。約束、忘れないで」

カヲル「約束は守るよ。この後は必ずみんなで遊びに行こう」

カヲル「シンジ君。後は任せたよ」

シンジ「うん!カヲル君、また後で!!」

シンジ「行くよ、綾波、マナ!」

ネルフ職員「きゃあぁぁぁぁ!!」

隊員「」ズダダダダダダダ

ネルフ職員「」

隊員「パイロットはいたか!?」

隊員「こっちにはいない!そっちは?」

隊員「まだだ。行くぞ、ついて来い」

隊員「ああ」ダッ

シンジ「行ったか…」

マナ「………」ブルブル

シンジ「マナ……怖い…?」

マナ「………だって…同じ人間なのにどうして[ピーーー]の…?そんなのおかしいよ!」

シンジ「そうだよ。だからこそ僕達が早く止めるんだ!」

マナ「でも………」

レイ「私が貴女を護る。だから安心して」

マナ「ありがとレイちゃん…だけど私も頑張るよ」

レイ「えぇ」

シンジ「行くよ、あともう少しだから」

>>578 無し

ネルフ職員「きゃあぁぁぁぁ!!」

隊員「」ズダダダダダダダ

ネルフ職員「」

隊員「パイロットはいたか!?」

隊員「こっちにはいない!そっちは?」

隊員「まだだ。行くぞ、ついて来い」

隊員「ああ」ダッ

シンジ「行ったか…」

マナ「………」ブルブル

シンジ「マナ……怖い…?」

マナ「………だって…同じ人間なのにどうして殺すの…?そんなのおかしいよ!」

シンジ「そうだよ。だからこそ僕達が早く止めるんだ!」

マナ「でも………」

レイ「私が貴女を護る。だから安心して」

マナ「ありがとレイちゃん…だけど私も頑張るよ」

レイ「えぇ」

シンジ「行くよ、あともう少しだから」

隊員「いたぞ!!!!」

シンジ「なっ!?」

隊員「パイロットを三人発見。始末する」

隊員「悪く思うなよ」

シンジ「こ、殺すなら…」

隊員「なんだ?」

シンジ「殺すなら僕だけにして下さい!後ろの二人は助けてあげて下さい!!」

マナ「シンジ!!!駄目!!」

レイ「碇君!!」

隊員「悪いがそれは無理だ。こちらもこれが仕事なのでな」

隊員「この続きはあの世でやってくれ。じゃあな」スッ

シンジ「くそっ………」

ズドン

隊員「」ドサッ

シンジ「一体何が…」

ミサト「シンジ君、マナちゃん、レイ!!」

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト「間に合って良かったわ!行くわよ!!」

シンジ「格納庫でいいですよね」

ミサト「貴方たちを待ってる時間は無いわ。行き先は第七ケイジ。発進準備はもう終わってるわ」

シンジ「はい!」

隊員「こっちだ!!」

ミサト「ちっ…早いわね……みんなついて来て!」





ミサト「早く入って!!」

ミサト「ふっ!」ガシャン

ミサト「これで時間を少し稼げるわね…」

シンジ「ミサトさん。この後はどうすれば…」

ミサト「そのエレベーターに乗れば第七ケイジまで直行で行けるわ。早く乗りなさい」

シンジ「ミサトさんは?」

ミサト「私はここで敵を食い止める。ここで貴方達が捕まったら元も子もないからね」

シンジ「でも、そんなことをしたらミサトさんが!!」

ミサト「シンジ君、マナちゃん、レイ、ちょっとこっちに来て」

ミサト「レイ。貴女はこの先とても厳しい人生が待ってるわ。時には白い目で見てくる人もいるでしょう。だけど貴女のことを大切に思っている人達がいることを忘れないで」

レイ「………」

ミサト「シンジ君。貴方はとても優しくて、人の痛みも分かってる素晴らしい人間よ。貴方はもっと自分に誇りを持っていいの。そして貴方に愛を教えてくれたマナちゃんを絶対に手離しては駄目よ」

シンジ「………はい…」グスッ

ミサト「そしてマナちゃん。貴女は一生シンジ君に添い遂げてあげて。シンジ君はマナちゃん無しでは生きていけない。そして貴女が隣に居ればシンジ君は輝くことが出来るの。マナちゃんのその元気、忘れちゃ駄目よ」

マナ「ミサトさん……死んじゃ嫌!!」ポロポロ

ミサト「大丈夫よ、マナちゃん。私はそんな簡単には死なないわ」

ミサト「そうだ…マナちゃん、手を出して」チャッ

マナ「これは…?」

ミサト「私の大事なペンダント。もしもまた逢うことが出来たら返して頂戴」

マナ「………………」

ミサト「約束だからね?」

マナ「はい…」

ミサト「よし。じゃあ行った行った!」ガシャン

シンジ・マナ「ミサトさん!!!」

ミサト「頑張って、シンジ君、レイ、マナちゃん…貴方達の幸せ…願ってるわ…」

シンジ・マナ「ミサトさ~ん!!!!」ウィーン

ガンッガンッガンッ

ミサト「!?」

隊員「まだ空かないのか!?そこをどけ!RPGを使う!!」

ミサト「さて…最後の仕事ね……」

ズド~ン ガラガラ

隊員「空いたぞ!行…うわっ!!」ズドン

ミサト「ここは通さないわ。私の命に変えても」

隊員「敵は一人だ!弾幕を張れ!!一瞬たりとも切らすなよ!」ズダダダダダダダ

ミサト「ちっ…やりにくいわね……」

ミサト「なら…」ピッ コロコロコロ

隊員「伏せろ!!」

ズドーン!!!

ミサト「よし、これで…」クルッ


隊員「お前、いい腕をしてるな。しかし、これまでだ…」スッ

ミサト「!!?」

隊員「ここまでだ…」

ミサト「くっ………」

隊員「あばよ」

ズガン

586>> 隊員「ここまでだ」→隊員」残念だったな」

ミサト「…………」

ミサト「…………」

ミサト「?」パチッ

加持「待たせてすまないな」

ミサト「なっ…………!?」

加持「こんち、久しぶりの再開だってのになんて顔してるんだ?」

ミサト「どうして…死んだんじゃ……」

加持「詳しい話は後だ。とりあえず今は司令部に向かうぞ」

ミサト「でも!!」

加持「まあ簡単に言えば、俺も助けられたんだな、これが」

ミサト「助けられた?誰に?」

加持「それはだな…」

>>539 ケンスケ「そらに~」→ケンスケ「それに~」

>>587 無し

>>586 隊員「ここまでだ」→隊員「残念だったな」

>>588 指令所→第一発令所

第一発令所

青葉「くっ…次から次へとわらわら湧き上がりやがって…」ズダダダダダダダ

日向「くそ…ここままだと……」

隊員「進行の手を緩めるな!突げ…誰だ!!?」

ズドーン!

青葉「なんだ!?」

日向「敵が一気に!?」

ミサト「ごめん、待たせたわね」

日向「葛城さん!!」

加持「お久しぶり」

マヤ「か、加持さん!?どうして!?」

加持「説明は後だ。前線に居た奴らは消したが、後続の奴らはまだ来るぞ。今の内に体制を建て直してくれ」

ミサト「バリケードの再構築急いで!そして負傷者は後方に回して応急処置をして!!」

ミサト「あと伊吹二尉は、エバー三機の状況をモニターして!その他のオペレーションについては貴女の判断に任せるわ」

マヤ「はい!サツキとカエデは第三新東京市の敵の動きを、アオイは外の動きを監視して!」

ズダダダダダダダ

ミサト「来たわよ!みんな何とか持ち堪えて!」

第七ケイジ

シンジ「二人とも準備は?」

マナ「大丈夫!何時でも行けるよ!」

レイ「私も大丈夫」

シンジ「出撃した後、僕らは人の命を奪ってしまう事になるかもしれない。覚悟は出来てる?」

レイ「ええ」

シンジ「マナは?」

マナ「うん……頑張るよ…」

マナ「私はレイちゃんやみんな…そしてシンジとの日常を護りたい。そのためなら…私は頑張れる」

シンジ「僕も、護るために闘う。綾波やカヲル君、トウジやケンスケ、ミサトさん、リツコさん、父さん、他のみんな…」

シンジ「そして僕が愛するマナを護るために闘うんだ」

シンジ「僕らが、また元の日常に戻るために…」

レイ「ええ。必ずみんな一緒に帰りましょう」

シンジ「必ず……約束だよ」

シンジ「行こう…綾波、マナ」

シンジ・マナ・レイ「エヴァンゲリオン発進!!」

マヤ「エヴァ三機が地上に射出されました!」

ミサト「オーケー、分かったわ」

冬月「碇…このままだとマズイぞ」

ゲンドウ「ああ、分かってる…」

ゲンドウ「零号機を今すぐ戻せ!!」

マヤ「えっ!?」

ミサト「な、何を…」

ゲンドウ「これは命令だ!今すぐ零号機を戻せ。今すぐだ!」

ミサト「しかし、敵の攻撃が続いている以上零号機を戦線離脱させるのは得策ではありません」

ゲンドウ「命令だと言ったはずだ。」

ミサト「…………」

ミサト「命令には従えません」

ミサト「それに、この馬鹿から司令の計画を聞きました。私は司令の計画には死んでも賛同できません」

ミサト「サードインパクトを起こし、司令自らが神になるなんて!」

職員「!!?」

ゲンドウ「そうか…ならば死をもって償うが良い…」スッ

日向「止まれ!!もしもそれ以上動くなら撃つ!」チャッ

青葉「俺も司令の計画は賛同出来ません」スッ

加持「………」スッ

ゲンドウ「………面白い、撃つがいい」スッ

日向「くっ…」ズバン

キーン

ゲンドウ「………」ニヤリ

ミサト「ATフィールド…」

ゲンドウ「そうだ。俺の身体には第一の使徒アダムが寄生している。そのような銃程度では傷すらつかない」

マヤ「ば、化け物…」

ゲンドウ「もう一度言う。零号機を戻せ」

ミサト「………」ギリギリ

カヲル「その必要はないよ」


カヲル「ATフィールド全開」

ゲンドウ「なっ!?」

マヤ「パターン青…17番目の使徒…」

カヲル「その醜い腕は貰うよ」ズバッ ボトン

ゲンドウ「ぐあぁぁぁぁぁぁ!」

カヲル「お父さん、貴方の考えは好意に値しないね…つまり嫌いってことさ…」

ゲンドウ「な…何故…」

カヲル「サードインパクトが起きて人類が補完されたとてシンジ君は幸せになれない。シンジ君が望んでいるのはみんなでこの日常を幸せに過ごすことなんだ。だから僕はそのお手伝いをしただけさ」

カヲル「この腕は僕が貰うよ。一応これは僕自身でもあるからね」スッ

ゲンドウ「か…返せ!」

カヲル「さあ葛城三佐、この二人を捕らえてくれ」スタスタ

ミサト「か、確保!!身柄を拘束して!!」

職員「はい!!」

ゲンドウ「ユイ……ユイ…すまないユイ……やっと…やっと逢える筈だった…」

ゲンドウ「どうしてこうなった…どうして…」

カヲル「お父さん…」

ゲンドウ「……」キッ

カヲル「どうしてシンジ君の事を考えてあげない?シンジ君ももしかしたら貴方と同じ目に遭ったかもしれないのに」

カヲル「それに、きっと碇ユイはこんな事を望んではいないと思うよ」

ゲンドウ「!?」

カヲル「時間はたっぷりある。ゆっくり考えてみるといいさ」

ゲンドウ「…………」

ミサト「お連れして」

職員「はい」

戦自陣営

隊員「中隊長!」

中隊長「どうした」

隊員「第二小隊より入電。敵のエヴァ及びそのパイロットの捕獲に失敗。それに加えジオフロントへの射出を許してしまったとのことです」

中隊長「そうか…了解した」

中隊長「全機動部隊及び艦艇に通達する!敵の人型兵器が現れた。全火力をもって目標を迎撃しろ!」

シンジ「マナ!僕の後ろを援護して!僕は地底湖に浮かぶ巡洋艦を叩く!!」

マナ「任せて!」

レイ「私は地上の戦車部隊を掃討するわ」

シンジ「任せたよ!もしもアンビリカルケーブルを切断されたら必ず予備電源に付け替えて!」

レイ「分かってるわ」

巡洋艦「」ズドン ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ド

シンジ「無駄だよ!こっちにはATフィールドがある!それくらいじゃなんてことない!」バキッ

シンジ「次!!」

キール「忌むべき存在のエヴァ…またもや我らの妨げになるか…」

キール「やはり毒は毒をもって制するべきだな」

シンジ「これでラスト!!」ズドーン

シンジ「よし…やっと終わっ…」

レイ「碇君、上!!」

シンジ「あれは…!?」

マナ「エヴァシリーズ…完成していたの…!?」

量産型「………」バッサバッサ ヒュン

シンジ「嘘………」

マナ「どうして…」

レイ「これを倒さなければ私達の負けになるわ」

シンジ「そうだ……僕らは勝つんだ!」

シンジ「あと一踏ん張りだよマナ!」

マナ「うん!」

量産型「…」ブンッ

レイ「来た!」

量産型「………」ブンッ

シンジ「くっ…あの武器を…」

初号機「」ガッ

量産型「!?」

シンジ「よしっ!」

シンジ「まずは一つ!!」ザクッ

量産型「」バタン

レイ「………」ズドン

量産型「クギッ」バタン

マナ「絶対に負けない!!えい!」グシャ

量産型「」バタン





シンジ「これで…ラスト!!!」

量産型「」バタン

シンジ「はあ…はあ……倒した……」

レイ「ええ…目標の生命反応は無いわ」

シンジ「よかった……マナ」クルッ

シンジ「!!!?」

マナ「やっと終わったん…」

シンジ「マナ!!!!逃げて!!」ダッ ドンッ

マナ「キャッ!!」

シンジ「ATフィールド全開!」キンッ

諸刃の剣「」ヒュッ

ロンギヌスの槍「」

シンジ「ロンギヌスの槍…」

ロンギヌス「」ザクッ

シンジ「うわぁぁぁぁぁ!!!あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

マナ「シンジ!!!!!!」

レイ「碇君!!!」

ザクッ ザク ザク ザク ザク

シンジ「がぁっ!!!うわぁぁぁぁぁ!!!」

マナ「シンジ!!!!やだ!!!駄目!!!!」ポロポロ

レイ「!?」

量産型「ギィ…」ムクッ

ムクッ ムクッ ムクッ

マナ「嘘……どうして…………」

量産型「」バサバサバサ

量産型「」ブチッ ムシャムシャ

シンジ「うぐっ!!がっ!!!!!」

マナ「駄目!!!」グシャッ

レイ「碇君!!!」ズドン

量産型「」ザクッ

マナ「あぁ!!」

レイ「うぐっ…」

量産型「」バサバサバサ ブチッ グシャッ

マナ「あぁぁぁ!!イヤ!!!」

レイ「あ……ぁ…あぁ…」

マナ「誰か……誰か助けて!!!シンジ!!!!!!」

初号機「」

シンジ「………け……は…」

シンジ「……だけ……は……」

シンジ「君だけは護ってみせる!!」

シンジ「マナ!!!!!!」

初号機「ヴォォォォォォォォ!!!!!!!!!」

シンジ「赦さない…絶対に赦さない!」

シンジ「綾波を……マナをこんなに傷付けるなんて赦さない」ザクッ

量産型「ギッ!!?」バタン

量産型「………」グジュグジュグジュ

量産型「」ムクッ

マナ「そんな……倒しても倒してもすぐに回復するなんて反則だよ!」

シンジ「くそぉ!!!」ザクッ ザクッ ザクッ

シンジ「どうすれば…どうすれば倒せるんだ!」

ズドーン!!

量産型「ギィ…」バタン

量産型「………」

??「エントリープラグだ!エントリープラグを破壊しろ!そうすれば奴らは動けなくなる」

??「あんた達ってホント馬鹿ね。少し考えればすぐに分かることなのにね」

マナ「この声…」

シンジ「生きていたんだ……!」

ムサシ「騎兵隊登場!」

アスカ「はん!私はそんな簡単に死なないわよ。マナ!シンジ!!」

シンジ「アスカ!!!」

マナ「あの爆発でよく…」

ムサシ「海に潜りゃ爆発の衝撃や熱からは逃げられる。まあ、あんた達のおかげでもあるけどな」

アスカ「そういうこと。その後私達は『死んだ』から奴らの監視は消えて動きやすくなった」

ムサシ「とはいえ『死んだ』人間が表世界を堂々と歩いているとマズイからお前達の前に現れることは出来なかったが、裏で色々と調べ回った。するとある人物が引っかかった」

アスカ「加持リョウジ。彼はネルフ、日本国政府、ゼーレの三つの組織のスパイをしていた」

ムサシ「そこで俺たちは加持リョウジの尾行をし始めた」

アスカ「そしてある日彼がネルフの副司令を拉致した後暗殺されそうになった」

ムサシ「そこで俺たちは加持リョウジを助けて沢山の情報を教えて貰い行動を共にするようになったわけだ。『死んだ』人間としてな」

アスカ「で、実際にこの戦争が始まったからあんた達を助けに来たってわけよ。このトライデントでね」

ムサシ「さあ、無駄話の時間は終わりだ。敵さんも攻撃して来るぜ」

ムサシ「お前達は出来る限りATフィールドを中和しておいてくれ。そしたら俺たちの攻撃も通る」

アスカ「あともう一つ追加。敵のエントリープラグには人が乗っていないわ。入っているのはダミープラグよ」

シンジ「分かった。綾波とマナは動ける?」

レイ「行けるわ」

マナ「うん…何とか……」

シンジ「狙うのはエントリープラグ」

マナ「あと8体」

シンジ「必ず皆で帰るんだ!」

シンジ「行くよ!!」

シンジ「フィールド全開!!」

マナ「捕まえた!レイちゃん、今!!」

レイ「………」ザクッ

量産型「」バタン

シンジ「マナ、後ろ!!!」

量産型「……」ブンッ

ムサシ「邪魔だ!!」ズドン

量産型「!?」バタン

アスカ「あと6!!」

量産型×2「………」ブワッ

シンジ「遅い!!」スパッ

ムサシ「今の内に止めをさせ!再生するぞ!」

シンジ「分かってる!」ザクッ ザクッ

シンジ「あと4!」

ムサシ「いや」ズドン

ムサシ「あと3だ」

レイ「こっちも倒したわ」

マナ「こっちも!」

シンジ「うおぉぉぉ!!」ガキンッ

ムサシ「援護射撃!!」

レイ「分かったわ」ズババババ

量産型「ギィィィ!?」

シンジ「終わりだ!!」ザクッ

量産型「」バタン

マナ「これで…倒したの?」

シンジ「うん。僕らの勝ちだ!」

第一発令所

青葉「敵が…退却していく…」

日向「何故突然…」

マヤ「エヴァが敵のエヴァシリーズを殲滅しました。その結果ではないかと」

日向「そうか…そうなのか…」

青葉「勝った…のか?」

日向「ああ、勝ったんだ!戦自相手に俺らは」

青葉「よっしゃ~!!!!」

ウオォォォォォォ!!!

マヤ「青葉君、お疲れ様」ニコッ

青葉「!?」

リツコ「まだ安心は出来ないわ。復旧作業を急いで」

ミサト「いいじゃない。少しくらい」

加持「そうだぞ。少し肩の力を抜くといいさ」

リツコ「はいはい…」

マナ「ねえシンジ。これで、私達平和に暮らせるのかな?」

シンジ「暮らせるさ。僕とマナが二人で幸せに生活して、周りには友達がいる生活を」

シンジ「アスカやストラスバー…」

ムサシ「ムサシでいい」

シンジ「うん。アスカやムサシも帰って来た。これからは一緒に居られるよね?」

ムサシ「ああ、もう逃げる必要は消えたからな」

アスカ「まあ、この街に身を落ち着かせるのも悪くないわね」

シンジ「そっか」

シンジ「それじゃあ…みんな、帰ろう!」

数ヶ月後

碇宅

マナ「ねえ、シンジ~」

シンジ「どうしたの?」

マナ「どう?この服変じゃない?」

シンジ「大丈夫、よく似合ってるよ」

マナ「よかった~」

シンジ「僕の方はどうかな?」

マナ「ちょっと動かないでね」ゴソゴソ

マナ「はい。ネクタイが曲がってたよ」

シンジ「ありがとう」

マナ「どういたしまして」

シンジ「準備も出来たし、そろそろ行こっか」

マナ「そうだね!みんなもういるかな?」

シンジ「どうだろう。委員長や綾波はいそうだけど、トウジやアスカ達は遅刻かもね」クスクス

マナ「あはは、確かにそうかも」ニコニコ

マナ「そしてムサシ君はアスカを待ってて一緒に遅刻。渚君は…分からないや」クスクス

シンジ「そうだね、カヲル君は僕にもよく分からないよ」

マナ「こんなにずっと一緒にいるのにね。不思議だよね」

シンジ「うんうん」

マナ「ねえシンジ」

シンジ「?」

マナ「私ミサトさんのウエディングドレス楽しみなんだ」

シンジ「ミサトさんなら綺麗だろうね」

マナ「うん。それにね、ミサトさんもやっと好きな人と一緒になって幸せになれるんだもん」

シンジ「ミサトさんにはこのままずっと幸せでいて欲しいね」

マナ「加持さんなら大丈夫だよね」

シンジ「もちろんだよ」

マナ「私達は…あと4年後かな?」

シンジ「うん」

マナ「私も幸せになりたいな」

シンジ「今は?」

マナ「もちろん幸せだよ。シンジと二人で暮らせてるんだもん」

マナ「でもね、もっと、もっとシンジを知りたい。私をもっと知って欲しい。今よりももっとシンジの近くに行きたいの」

シンジ「僕もだよ」

シンジ「ねえマナ」

マナ「なあに?」

シンジ「僕はもう二度と君を離さない。絶対に君を裏切らないって誓うよ」ギュッ

シンジ「時にはマナとすれ違うことはあるかもしれない。意見が食い違うこともあるかもしれない。それでも僕は君を愛し続けるから」

マナ「うん…」ポロッ

シンジ「愛してるよ、マナ」チュッ

マナ「私も…愛してるよシンジ」チュッ

シンジ「…………」スッ

シンジ「そろそろ行こう」

マナ「シンジ、手を」

シンジ「うん!」ギュッ

マナ「これからもよろしくね、シンジ」

シンジ「もちろんだよ、マナ」

最後までこのSSを読んで下さりありがとうございました。

「みんなの暇つぶし」で過去のSSがまとめられているので、もしよろしければ探してみて下さい。


一応ですが載せておきます

過去作

シンジ「部活?」
http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/lite/archives/1824658.html#comments

剣心「ここは…どこでござるか?」
http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/lite/archives/1825329.html

アスカ「ねぇ、シンジ」
http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/lite/archives/1835373.html

シンジ「戦略自衛隊?」
http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/lite/archives/1837543.html

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