男「公園のトイレでアナル姦したった」(171)
宝くじを当ててしまった。
それもかなりの金額。
つましく暮らせば一生食べられるくらいの額。
夢ではないかと二度三度頬をつねって確認したあと、すぐさま銀行へ。
帰宅してすぐに引っ越しの用意をする。どうせ暮らすなら慣れた地元がいい。
仕事もこれ幸いと辞めてしまった。
もともと食い扶持を稼ぐために働いていたのだから問題ない。
独り身はお気楽である。
しかし、いざ辞めてみるとずいぶん時間が余るものだ。
引っ越しのドタバタがすむと途端に暇になった。
もとより趣味もないし友人も少ない、一日の大半が無為に過ぎてゆく。
日がな一日酒に酔っていたり、徹夜でゲームをしたり、電車で遠出してみたり、たまには図書館へ通ったり、などなど。
そんな暮らしをかれこれ半年。
怠惰に毎日を過ごしていると不思議なことに仕事が恋しくもなったりする。
かといってまた働く気もなし。せめて気分だけはと、スーツを着て散歩してみることにした。
やってみるとこれが意外と面白い。
リーマンやOLに紛れて通勤列車にのると、ふっとあの倦怠感が蘇ってくる。
もう半年もたったというのに染み付いた感覚はなかなか抜けないようだ。
そうして現状のありがたさを噛みしめる。
これはいい。
生活のリズムを保つためにも週に数日はスーツを着ることにした。
とはいえなにか目的があるわけでもなく、適当な駅で降りては午前中いっぱい散歩して帰ってくるだけのことだ。
そんなある日のことである。
その日はすこし郊外の駅で降りて、コンビニで遅めの朝食を買った。
いつものように惣菜パンとコーヒーを一つずつ。
無職の特権、チューハイも一本。
今日はいい天気だ。
奮発してウイスキーの小瓶もカゴに入れた。
近くの公園に入ってベンチに腰掛けパンをかじる。
平日の朝だ。
公園はガランとしている。
ベッドタウンなのだろう。
通勤時間のあとは通行人もめっきりへった。
もそもそとゆっくりパンを詰め込み、コーヒーを一口。押し流す。
煙草に火をつけて一息。
幸せだ。
一本をゆっくりと吸いおえ、もう一本と一緒にチューハイを開けようかという時、公園の入り口に人影があらわれた。
一瞬ドキリとする。
なにもやましいことはないのだが、それでもなにか気まずいものがある。
わざとゆっくりと首を動かしてみると、入ってきたのは少女らしい。
年の頃は14、15か……いや、あの制服は見覚えがある。
この近くのお嬢様校の制服だったはず。すると高校生にちがいない。
思えば男子校時代にはあの制服にもずいぶんと憧れをもっていたものだ。
昔を懐かしんでいると、その少女はずんずんこちらへ向かってくる。
しかも、視線もまっすぐこっちだ。
近づくにつれて、容姿がはっきりとしてきた。
少し灼けた肌に、肩にかかる茶髪。勝ち気そうな目つきに通った鼻筋、ムッスリと閉じられた唇。
全体的に彫りが深く、どこか南国の匂いを感じる。
明らかに校則違反だろう短さのスカートからスラリと伸びた太ももが眩しい。
スポーツでもしているのだろう。しなやかで、引き締まった身体をしていた。
かなりレベルが高いな、というのが第一の印象。
次に、遊んでそうな娘だな、と思う。
そんなことを考えているうちに近くまで来てしまった。
関わると面倒そうだ。
わざと興味が無いように視線をそらして、煙草をふかす。
さっきまでジロジロ見ておいてこれは無理があった。
目の前で止まる。
「よう、おっさん」
声をかけられた。
まだおっさんという年じゃないのに心外だ。
「おっさん、仕事、サボり?」
「お前こそ、学校はどうした」
そんな感じで話がはじまった。
下手に彼女が可愛かったのもいけない。
とっとと逃げてしまえばよかったのだが、惜気がでたのだ。
そうして一度話してしまうとなかなか席を立ちづらい。
いつの間にか隣りに座って、勝手にチューハイを開けて飲んでいる。
抗議したものの、無視された。
まあ、まだウイスキーもあるし、いいことにする。
タバコもねだられたが、これは拒否した。
学生時代を地味にすごすと、こうした連中のノリはどうも苦手になる。
黙っていても勝手にべらべら喋る。
ちがう生き物にちがいない。
ほんのりとするいい匂いは流石女子高生。
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