男「…誰も困らなければそれでいいだろ」(338)


嫌な夢を見た

その内容は覚えていない

でもどこか悲しい夢だった

…なんで覚えてもないのに悲しいとかよくわからんけどな



…時間は5時

これ以上眠れそうにない

ちょっと早すぎる気もするけど起きることにした

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1361171715


せっかく早起きしたんだし今日の朝食は俺が作ることにする

ちなみに両親は仕事で海外にいる

実質妹と姉の3人暮らしだ

実は兄もいるのだが大学が遠い場所にあるため一人暮らしをしている

ちなみに俺は高2で姉が高3、妹が中3である


「あれ?なんでこんな早い時間からいんの?」

今起きてきたのは姉のほうだ

スポーツマン体質のためか朝はかなりの早起きだ

姉「へぇ~?あんたが早起きなんて珍しいじゃん」

男「姉さんこそ」

姉「あたしはいつだって早起きだよ!」

男「まあ取り柄といえばそれくらいだもんな」

姉「そうそうあたしは早起き以外何にも――
                  
  てちゃうわ!!!!」
「……だいたい誰が家事全般を引き受けてるとおもって」ブツブツ

男「冗談だってば」
「まあそのお詫びと言っちゃなんだけど今日は俺が朝食作るから」

姉「え!?ほんと!?やったーーーー!!!」
「姉!弟くんのごはんだーーいすき!!!」

男「ははは…」

姉のキゲンは安いものだった

男「何かリクエストある?」

姉「一番いい料理を頼む!」

いちいちネタが古いのは突っ込まないほうがいいのだろうか…





まあそんなこんなで時間もいい時間になってきた

妹はまだ起きてこないのだが…

姉「あいつはいつ起きてくるんだ…」

姉も同じことを考えてるようだ

男「姉さん起こして来たら?」

姉「え~?やだめんどくさい」

男「まあそういわずにさ」

姉「じゃあ男が起こしてきてよ」

男「え?」

呼称が安定してないですよ姉さん…

姉「というわけで先行ってるからね~」

てかいつのまに玄関に!?てかなにがというわけなんですか!?

姉「遅刻しないようにね!!じゃ行ってきます!!」ガチャバタン








男「………」

まあ仕方ない…

確かに妹をほっとくわけにもいかんし…

とりあえず妹の部屋へ




男「妹~?起きてるか~?」コンコン

返事があるわけない

だって妹は寝てるんだものの

妹はちょっとやそっとのことじゃ起きない

不思議なくらい睡眠時間が長い

まあ長いだけならまだましなんだけどね

男「妹~!入るぞ~」

このままじゃ埒が明かないので部屋に突入する

男「お邪魔しm」ガチャ

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!!!!!!!!!!!!

男「!?」

そこにはおびただしい数の目覚ましが

いや知ってますけどネ……

てか入るまで音が聞こえないってどんなすごい防音処理だ!!

とりあえず止めないことにはどうにもならん

俺は鼓膜が破壊されるのを覚悟に目覚ましの大群に立ち向かうことにした









ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ――――パシ






男「……………はぁ」

つかれた………ものっそいつかれた

でもまだあと一つ試練が残ってるんだよな

そこでいまだに寝ているお姫様………ていうようなキャラじゃないよな

男「おーい起きろー遅刻するぞー」

妹「…………あと一年」

男「いやどんだけスケールでけぇんだよ」

てか起きてる?

妹「……………zzz」

男「………」

この後20分ほど努力してみたがいっこうに起きる気配がない

意地でも起きないつもりですかこのやろう

ならば俺にも考えがある

男「どうしても起きないつもりなら…」ピポパ

男「あ、もしもし妹友?ちょっといまからうt――

妹「」ガバァ

男「おはよう妹」ニヤニヤ

妹「………」












男「ハイ、スミマセンデシタモウシマセン」ボロボロ

妹「まあ本当に呼んでたらこの程度じゃすみませんでしたけどね」

男「…………」

だったらどうやって起こせばいいんですか

なんて今の妹には口が裂けても言えないのだった

結局早起きしたもののいつもと変わらない時間…

いや、いつもより遅刻ギリギリの時間に出ることとなった

妹に関しては中学校の距離が近いため何の問題もない時間なんだが…

男「不公平だ…」

ちなみに高校までは電車で二駅のところにある

今の時間だと一本逃すとやばい…

男「……はぁ」

駅まで走ることとなった












結果的にいうと電車には間に合った

だけど一駅進んだところでドアの点検とかで止まってしまった

男「厄日ですかコノヤロー」ブツブツ

このままだと間に合うか間に合わないかぎりぎりだな

しかしこのまま待つしか方法ないもんな…

仕方ないあきらめるか

そう考えてた矢先
「あの~」
と声をかけられた

俺はその声のほうに振り向くと
















えらい美人がそこにいた

……俺も姉のこと言えないな…ハハ

でもなんでだ?

なんで俺に声をかけた?

ほかにもカッコいいやつとかいるぞ?

こんな冴えない野郎を選ばなくても

とか考えていると

男「どうかしましたか?」

普通に俺受け答えしちゃってるよ!?

いや今の状況だとそれがベターなんだろうけど!!

?「もしかして○×高校の方ですか?」

……この人超能力者か何か?

なんで俺の学校を?

………ん?

てか制服同じじゃ~ん

でも見たことないな、下級生か?

男「はい、そうですが…
「もしかして転校生の方ですか?」

は?なに勝手にしゃべっちゃってんの俺

てか転校生って考えに到達してなかったんですけど

?「はい!そうなんです!」

なんか急に元気になりましたよこの子

?「でもよく私が転校生ってわかりましたね!」

男「まあ見たことない人だったからあてずっぽうですけどね」

?「でも優しそうな人でよかったです!あ!私女っていいます!」

男「俺は男です」

女「男さん、ですか?」

男「どうかしましたか?」

女「いえ、なんでもないですよ」

俺の名前を聞いたとたんちょっと様子がおかしかったな

まあその理由を聞いたところで初対面の俺にとっては関係ないけど

女「でもよかったですよほんとに…」

男「何がですか?」

女「転校初日から寝坊するし電車は止まるしで運勢よくないなって思ったんですけど」
「このまま堕ちていくなら玉砕覚悟でって思って話かけたら優しい人だったんですから」

堕ちていくならってすごい表現だな

それに初対面の人にやさしいって……

男「そんなちょっと話をしただけの相手を信用するなんて
   いつか痛い目見ますよ」

女「そんなことありません男さんは優しい人です」

男「いやだから…」

女「優しい人です」

男「………」

ずっと俺の目を見ている

そんなに見つめるなよ照れるじゃないか…



















あのあと女さんが家に迎えに来てくれるように連絡した

一緒に送ってくれるとのご厚意だったので甘えることにした

学校には遅刻した

担任「お前が遅刻なんて珍しいな」

担任がさわやかな笑顔を向けてくる

眩しいよ。いろんな意味で

担任「今変なこと考えたことは不問にしてやる。だからさっさと席につけ」

おっとこれ以上は逆鱗に触れそうだ、おとなしくしよう

友「おっす」

男「おう」

今話しかけてきたのが友

学年のイケメンランキングがあるなら間違いなくこいつがトップって言われるくらいイケメン

成績優秀、運動神経抜群、そんでもって性格もいいときた

そんな奴がもてないはずはない

普通なら俺みたいな凡人は関わらんと思うのだが…

まあなりゆきってやつですな、うん

友「そういや今日転校生がくるらしいな」

男「ふ~ん」

まあ俺は知ってるんだけどね

友「あんま興味なさそうだな」

男「実際そんなに興味は湧かないな」

友「美人だったら?」

男「それでも変らないよ」

友「そういやお前はそういうやつだったな」

男「今更気づいたか」

友「いんやずっと前から」

男「マジか…」

友「わざとらしい…」

友とは仲良くなってからこんなわけのわからないやりとりをしている

いわば恒例ってやつだ

担任「お前らも知ってると思うが今日から転校生が来る」

てかこのクラスなのか

担任「入っていいぞ~」

ガララ

女?「………」

担任「じゃ、自己紹介してくれるか?」

女?「女です、以上」

えらい短い挨拶だった

ていうか雰囲気がちがう、どういうことだ?

担任「ま、まあとりあえずみんなよろしくしてやってくれ」

先生も大変だな

担任「席は…男のとなりがあいてるな」

男「!!」

なんというご都合主義…

男「まあ、よろしく」

女?「………」

無視ですか?

まったく訳が分からない

さっきとまるっきり態度が違うじゃないか

確かに顔は女さんなんだけど性格が正反対っていうか…

まあ細かいことは気にしないとして

なんというか人を寄せ付けないタイプかな?

女生徒「女さんってどこからきたの?」

女?「え?△◇ってところだけど」

ええええぇぇぇぇ!!?普通に答えるんかい!!

女生徒「そうなんだぁ!結構遠いよね?」

女?「そうね。この辺にも初めて来たというか…」

女生徒「そうなの?まあわかんないことあったらなんでもいってね!!」

女?「ありがとう。そうさせてもらうわね」

女生徒「うん!これからよろしくね!」

女?「えぇ、よろしく」

なんかめっちゃ仲良くなってるな

もしかしてさっきの挨拶聞こえてなかったのか?

だったら話は早い

男「女さん!」

女「…………………」

え?

女「…………チッ」

男「!?」

なんなんだ?いったい…

よくわからんやつだ

俺が何をしたっていうんだ…

やっぱ今日厄日だ…

もうできるだけ関わらない様にしようそうしよう














教師「ん?女の教科書はまだないのか?だった男!みせてやりなさい」

男「!?」

女?「…………はあ」

いやため息つきたいのこっちだよ!!

仕方ないここで食い下がっても無駄だろう

ここは素直に従うとしよう

男「……」ス

また舌打ちされるのを覚悟した

だが

女?「ありがとう。遠慮なく見させてもらうわね」

?????

反応は意外だった

さっきまで無反応+舌打ちだった彼女からお礼を言われたのだ

まったくわけがわからないよ…









それからしばらくたったが…

てか気まずい!

いや気まずいなんてもんじゃない!

なんかこの辺だけ黒い靄が立ち込めてるとかそんなかんじ

いや女?さんもさっきみたいな態度をとらないのが逆に気味が悪いというか…

もう…ほんと今日は胃が痛い

キーンコーンカーンコーン


やっとおわった…

やっと昼休みだ…弁当タイムだ!!

さて屋上にダッシュ

しようとしたところで
「ちょっとあなた」
と呼び止められた

なんだと振り返ると

女?さんがそこにいた

男「?」

女?「教科書のお礼は言っておきます」
「ですがあなたと馴れ合うつもりは毛頭ないのでそのつもりで」

男「…………????」

なんだかわけのわからん宣言をして去っていった







とりあえず気にしないようにしよう

俺は屋上に向かった

弁当は忘れた

飯食べてきます

今日中に戻れたら続き書きます


そして時間は放課後

弁当を忘れ、お金すらない俺は飢え死に寸前だ

限界に近付いた俺はさっさと帰宅することを選んだ

昇降口に差し掛かったころ

「男く~ん」

なんか変な声が聞こえた

男「なんか用ですか?先輩」

先輩「え~?男君なんか言い方に棘があるよ~」

いや腹減ってるんですよ

男「いや、まあそんなつもりはなかったんですけど…」

先輩「先輩は悲しいよ…オヨヨ」

男「すみませんごめんなさいじゃあサヨナラ!!」

先輩「あ!待った!ストップ」

と言いながら俺の腕を掴んでくる

そしてそのまま…

男「あべし!!」

背負い投げをくらった

男「ぐぅ………ちょっと何するんですか…」

下手すりゃ死んでますよ

先輩「先輩は待ってほしいって言ってるんだよ!」

男「なら最初からそう言ってくださいよ」

先輩「えへへ~ごめんごめん」

この人は先輩(♀)

身長が低く、言動も子供っぽいのでとてもそうは見えないけど

俺に構ってほしいのかよく突っかかってくる

ちなみに俺に拒否権は無い

なぜなら柔道段持ちの彼女に毎回のように投げ飛ばされてしまうから

武道はそういうことに使っちゃダメって教わりませんでした?

先輩「今日は駅前のアイスクリームショップがカップルDAYなのです!」

男「で、俺にどうしろと」

先輩「だから一緒に来てほしいかなーって」

男「つまり俺しか頼める人がいないと」

先輩「ちちちちがうよ!!普段はい~っぱいいるよ!!」
「でも今日はた・ま・た・まみんな予定が入ったの!!」

男「行ってあげたいのは山々ですけど(財布取り出し)」

先輩「大丈夫大丈夫何とかなるって!!」

男「え?チョっ」

そのまま引きずられるように連れてかれた

―駅前―

先輩「ん~おいひ~」

男「………」

結果からいうと俺の財布は無事だった

ただ先輩に連れられて余計体力を消耗した

やばい腹の虫が大変なことに…

先輩「今日はありがとね!」

男「イエイエカマイマセンヨ」

先輩「………ごめんね無理につき合わせちゃって」

確信犯ですかこのやろう

先輩「でもこうでもしないと男くんわたしと遊んでくれないかなって思って」

俺このひとにどんな人間だと思われてるんだ?

男「……行きますよ」

先輩「…え?」

男「そんな理由つけなくったって遊びたかったら言ってくださいよ」

先輩「男くん…」

男「あ、でも背負い投げは勘弁してほしいですね」

先輩「ぶぅ~男くんのいじわる」

先輩(でも……ありがとう)

男「はは、どういたしまして」

先輩「!!?」

男「でもなんで理由つけないと遊んでくれないなんて思ったんですか?」

先輩「う~んとね……なんでだろ?」

ガク

男「いや俺に訊かれても」

先輩「たぶんね、男くんが眩しいからだよ」

………は?

男「それは…どういう」

先輩「わたしにもわかんない。でもきっとそうなんだろうなって」

男「よくわかんないといいますか曖昧といいますか」

先輩「まあ細かいことは気にしちゃだめだよ!ってこと」

男「まあそういうことにしておきます」

相変わらず変な人だ

昔は苦手だったけど今は逆に悪くない

先輩「ねえ男くん」

男「なんですか?」

先輩「………アイス…こぼしちゃった」グスン

男「………………」

子供かあんたは



先輩「今日は楽しかったよ!ありがとう!」

男「俺も楽しかったですよ」

さっきアイスこぼしたのをもう忘れたみたいだ

先輩「じゃ~ね!また明日!!」

男「また今度」

いまいち噛み合わない挨拶を交わした後先輩はそれがなんでもないよう(というか気づいてない?)に
そそくさと帰って行った

男「…………あぁ」グギュルルルウル

やばいもうお腹限界

これはもうまじでやばいかもしれんね…

とりあえず家までもってくれ俺のsoul…











「あ、男さん!」

…へ?

女?「朝以来ですね!」

いやずっと学校で一緒だったでしょ

男「馴れ合うつもりはないんじゃなかったですか?」

女?「え?私そんなこと一言も言ってないですけど」

男「はい?」

なんだか混乱してきた

女?「………もしかしてなんですけど」

男「?」

女?「男さんのクラスってA組ですか?」

男「そうだけど、ってか一緒でしょ?」

女?「やっぱり…」

男「へ?」

女?「男さん!」

男「はい」

女?「今から少々お時間よろしいですか?」

男「いや、もう家に帰って美味しいご飯を――

―喫茶店―

男「え?俺金もってないけど大丈夫?ねえこれ食べても大丈夫!?」

女?「え、ええ遠慮なくどうぞ」

男「よっしゃイタダキマス!!」ガツガツムシャムシャ

女?(すごい食べっぷりです…惚れ惚れします…///)









男「ふぃ~くったくった~」ゲップ

女?「あの~…」

男「ごちそう様でしたっと……なんでしょう」キリッ

女?「そろそろお話のほうを」

男「ああそうでしたねこれは失礼」キリッ

女?「ではさっきの話ですが…」

男「はい」キリッ

女?「…その前にその顔やめってもらっても…プフゥ」

男「はい」シュン…

女?「まあ結論からいうと男さんが学校であったのは私ではありません」

男「へ?」

女?「その子、私の妹です」

男「……ポ~」

女?「ちなみに私はD組ですよ」

男「でもてn

女?「転校生は一人とは誰も言ってなかったですよね」クス

男「…いやまあ…はい」

女「そんなわけで女?改め女です」

男「あ、どうも」

女「でですね、話をぶり返すようで悪いですけど」

男「ん?」

女「家の妹がだいぶ迷惑かけたようで」

男「あ~まあ気にしてないんで」

女「いえでも――

男「問題ないですよ。むしろ迷惑とも思ってないですし」

女「そうですか…」

男「気持ちだけ受け取っときますよ」



男「今日はありがとうございました。この分は今度返しますんで」

女「いえいえいいんですよこれくらい!」

男「でもやっぱ――

女「いいんです!!」

男「はい」

女「それに私も楽しかったですし…」

男「え?」

女「なんでもないですなんでも!」

男「はあ」

女「また誘ってもいいですか?」

男「まあ、いいですけど」

女「あと!!敬語やめてくださいね」
「同じ学年なんですし」

男「いやそれなら女さんだって」

女「私はいいんです!!!」

男「」

女「では、また明日」

男「また今度」

女「明日、ですよ!」

男「……また明日」
「…といつのまにこんな時間か」

「姉さんに連絡するの忘れてたな」

「ま、大丈夫だろ」



男「さて、帰るか」
















ガチャ

姉「お帰りー!!」
「処刑にする?拷問にする?それとも血★祭★り?」

妹「今ならもれなく妹の愛のない鞭が付いてきます」

男「」

とりあえずここまで

続きは次回

酉つけます

―――翌日
―教室―


昨日はなんだかんだ酷い一日だった

あのあと連絡しなかったってだけであそこまで怒るとは…

ベランダに追い出され土下座させられ眠れたのは朝の4時

まあ命が助かっただけ良しとしよう

友「よ!……ってどうしたそんな疲れ切った顔をして」

男「おう……ちょっとした寝不足だ」

友「てか顔色やべえって…」

男「そうか…」

友「悪いこと言わねえ保健室いけ。な!」

男「いや大丈夫…」

友「どう見ても大丈夫じゃねえよ」

男「お前の目はふs――

友「節穴だろうがなんだっていいさっさと行くぞ!!」ガシ

男「やだ……私を無理やり…」

友「キモイからやめれ」

―保健室―

男「そうしてあっという間に連れてこられたと」

友「当たり前だ馬鹿野郎」

男「そんなにまで俺のことを…」

友「は?」

男「今日から君はホモダチだ」

友「冗談でもやめれ、すげえうざい」

男「へいへい」

友「口だけは達者だな」

男「…でもいいのか?」

友「何が?」

男「たぶん…今頃騒ぎになってるぞ…主に女子が」

友「あ~…考えてなかった」

男「やばいんじゃないの?」

友「…教室帰りたくねえ」

男「まあがんばれ。俺は限界だからねる」

友「看病という名目でここにいてはだめだろうか?」

男「リアルにホモ疑惑発生しそうだからやめとけ」

友は渋々戦場に戻って行った

周りの女子にキャーキャー言われてゲッソリな姿が目に浮かぶ

はたから見たらハーレムなんだろう

でもあれは見てて羨ましいと思ったことはない

てかそろそろ限界……















ガララ…

?「…………」

「先生………いない…?」キョロキョロ

zzz




……ん?

なんか気配を感じる?

いや中二病とかそんなんじゃなくて

保健の先生か?

重い瞼を何とか開く

?「…………」ペラ…

知らない女の子がそばにいた…

?「……ん…?」

あ、こっち気づいた

?「…………」ペラ

あ、また本に目を移した

男「…えっと…どちらさま?」

?「!」

男「あ、ごめん…驚かすつもりはなかっただが」

?「………」

男「あの~…聞こえてる?」

?「………無口」

男「え?」

無口「私の名前…」

男「あ、そっすか」

無口「………」ジィ~

男「……え~っと」

無口「………」ジィ~

男「お~い…」

無口「……名前」

男「へ?」

無口「あなたの……名前」

男「あ、そっかそっか忘れてた!」

無口「名乗らないのは…失礼…」

男「ごめんな、俺は男」

無口「……おとこ?」

男「そう、男。よろしくな」

まあまた会うかわかんないけど社交辞令として…

無口「………」コク

……なんか息苦しいなおい…

男「で、無口さんや」

無口「………?」

男「…どうして初対面の相手のベッドの横に座って本読んでるんだい?」

無口「………」

男「………」

無口「……なんでだろ」

ガク

男「おいおい」

無口「たぶん……なんとなく」

なんだこいつよくわからん

無口「それに……心地いい」

男「そ、そうか…」

ますますわからん

無口「………」ペラ

また本読み始めた

男「あ、そういえば」

無口「……?」

男「保健教師まだきてないのか?」

無口「………さっきまでいた」

男「さっきまで?」

無口「…今……お昼休み…」

男「…へ?」

そんな時間まで寝てたのか俺…

無口「………」

てかこの子はいつからここにいるんだ?

男「えっと…いつからここに?」

無口「………」

男「………」

無口「………1限が始まる前」

ということはずっとやん…

もしかしてあれですか?

保健室登校とかいうやつ?

無口「教室には……あまり行かない」

あ~もしかしなくてもそのぱたーんですよ

無口「必要……ないから…」

いや必要あるでしょこれ!!

男「そっか…」

なんも言えない

何言っても傷つける予感しかしない…

あ~気まずい

無口「…………」ペラ

この子あんまりしゃべらないし気まずい

とりあえず退散しようそうしよう

もうすぐ昼休みも終わるころだし

男「じゃあ、俺そろそろ授業でるわ」

無口「………そう」

男「じゃ、またな」

無口「………また」

保健室のドアを出るときに見た無口さんの顔が少し寂しそうに見えたのは
俺の自意識過剰だろうか?

とりあえず今日はここまで

続きはまた次回

―放課後―

男「まだなんかだるいな…」

昨日はああだったし今日は早く帰るようにしよう

男「友~……」
「…もう帰ったのか…」

まあ、さっさと俺も帰るとしよう




「あ!男さーん!」

男「ん?」

女「昨日ぶりですね!」

男「そうだな」

女「午前中一度教室にお伺いしたんですけどいなかったんで心配しましたよ」

男「あ~ちょっと寝不足で…保健室借りてた」

女「つまりサボってたんですね!」

男「断じて違う!!」

女「冗談です」

男「はは…」

サボりに憧れてるのかってくらいのスマイルだな

女「今から帰りですか?」

男「まあ…そんなとこだ」

女「よろしければご一緒させていただいても…」

男「別に問題ないけど」

女「ほんとですか!?」

男「別にただ帰るだけだぞ」

女「それでいいんです!」

男「じゃあ、一緒に帰ろうか」

女「はい!」









女妹「………」

ブー、ブー、

女「あ、ちょっとすみません」

男「おう」

女「……あの~…」

男「ん?」

女「こちらから誘っておいて申し訳ないのですが…」

男「そっか」

女「すみません…妹に買い物につきあってくれと」

男「俺のことは気にすんな」b

女「本当にすみません!」

男「じゃあまたこn……明日」

女「!…はい!また明日!」




男「………」
「後ろから見てるのバレバレだからな」


女妹「!」

男「かといって俺に何かできることもないんだけどな」
「早くいかないとお前の姉さん待ちぼうけだぞ」スタスタ…











女妹「…………」


「なによ……」

―駅前―

男「…あれは」

友と……女の人か

やっぱ彼女いたのか…

そりゃそうだよな

いないほうがおかしい

今日は早く帰ろうと思ったが…

男「ちょっとだけ…」

まあ…好奇心ってやつだ

後をつけることにした






男「ここは……公園だな」

お…ブランコに座った

男「なんか話してるみたいだけど…聞こえん」

まあ盗み聞きはよくないな…うん

え?覗き見はもっとよくないって?

こまけぇこたあきにすんな!!

男「お?」

なんか空気が変わった

そして女の人が立ち上がった

そしてさった!

……え?

あれ?これって…

別れ話だった?

なんということでしょう

男「……」

そういえば女のほう泣いてたな

男「…よし」
「見なかったことにしよう」

友「何を見なかったことにするって?」

男「おわっ!!友!!なぜここに!!」

友「覗き見とかタチわりぃなお前」

男「ななななんのことでしょう!?」

友「とりあえず落ち着け」

男「はい」

友「………」

男「………」

友「………」

男「なんのことでしょう」

友「いやそれもういいから」

友「でだ、なんで覗き見なんてしたんだ?」

男「いやお前の彼女がどんなやつか気になって」

友「え?彼女?」

男「おう」

友「誰が?」

男「さっきの女の子」

友「誰の?」

男「お前の」

友「あ~…別にそういうのじゃねえよ」

男「へ?」

友「むしろまともに話したの初めてかもしれねえし」

男「ほう」

友「今日いきなり誘われて告られた」

男「で、トラウマレベルの振り方をしたと」

友「別にトラウマになることはしてねえよ。振ったのはそうだけど」

男「バカヤロウ!!」

友「?」

男「女の子はな!!繊細なんだぞ!!」

友「………」

男「振り方とかそんなんじゃねえ!!振られたという事実がトラウマなんだ!!」

友「………」

男「女の子の気持ちになって考えてみろ!」
「今日話しかけるのだって心臓バクバクだったと思うぞ!」

友「いや、あのな」

男「それをお前というやつは!」

友「だから相手も――

男「一度痛い目にあってみればいいんだーーーーーーーーー!!!!」

友「………」

男「ハア……ハア……どうだ…」

友「………」

男「感動してものも言えないか……ハア…ハア…」

友「いや……お前にだけは言われたくないですよと」

男「なぬ!!」

友「第一なんだその熱血キャラ。似合わないしうざい」

男「はい」

友「それにお前女の子の気持ちなんて考えたことねえだろ」

男「はい」

友「なんか名言ぶったこといってかっこつけたいみたいだけど物凄くダサいからな」

男「そこまで言われると流石に傷つきます。はい」

友「それに今回のことはしっかり話し合って相手も納得してくれた」

男「………」

友「でもやっぱり割り切れないってのもあるんだろうな」

男「……」

友「正直申し訳ないと思うけど俺は今誰ともつきあう気はない」

男「やっぱモテるやつは言うことが違う」

友「……お前それ本気で言ってんのか?」

男「へ?」

友「……まいっか、俺には関係ねえし」

男「なんだイチイチ気になる言い方だな」

友「ま、いずれその発言を後悔することになるってだけいっとくわ」

男「ますます気になる言い方だな」

友「じゃ、帰るか」

男「そうだな」

友「ゲーセンでもよってくか?」

男「いんや、今日は普通に帰るわ」

友「そっか、じゃあ俺一人で寂しく遊んでくるわ」

男「そっかまたな」

友「またな薄情者」





友とは高1からの友達だが喧嘩というものをしたことがない

まあそれはあいつの性格によるものがおおきいか…

そういや…あいつが怒ったとこ見たことないな

不思議なやつだ






男「ただいま~」

シーン…


男「まだ誰も帰ってないのか」

時間は…18時くらいか

姉さんはともかく妹がまだ帰ってないなんてな

仕方ない…すぐにでも寝たいところだが

飯の支度が先だな

続きはまた次回






今の時間は…19時30分か…

…おかしい

あの二人が全く連絡をよこさないなんて

さてどうしたものか…

男「流石に心配に…」

いや、心配してるのか?

ただ飯が冷める…そんだけだな

どうやら俺は薄情者のようだ

さっさと飯食って寝よう













「ねえ、おにいさんひとり?」

ああ、一人だ

「そうなんだ~。ねえねえ」

ん?

「よかったらいっしょにあそぼうよ」

俺を怪しい人とか思わないのか?

「ん~…だいじょうぶだよ!」

なんでだい?

「だって、おにいさんやさしいめをしてる」

???

「あのね!わたしね!」

「あ、おむかえがきちゃったみたい」

そうか

「ねえおにいさん」

ん?

「よかったらこんどあそんでくれる?」

俺でよかったら

「やくそくだよ!」

ああ、約束だ

「ばいばい!」


なんか不思議な女の子だ…

…ん?

なんで涙が…?







男「………」

なんか変な夢を見た気がする…

なんか目が腫れぼったい…

てかますますだるい

男「なんだってんだ…」

時間は…7時…

寝たのは10時ごろ

たっぷり寝れたな…

男「さって起きるか……?」

体が動かない

てか関節痛い

なんだこれ

やばいどうしたんだ?これ…

コンコン

姉「男~。まだ寝てんのか~?」

ちなみに姉は9時ごろ帰ってきた

なんでも電車の中で寝過ごして何往復かしてたらしい

連絡できないわけだよ

妹は飯食ってる時に帰ってきた

遅くなった理由を聞いたら「兄さんには関係ないです」と言われた

しかし姉さんは知ってるらしく心配いらないとのことだった


男「おきてま~す」

姉「ならはやく……」
「勝手に入るけどいい?」

男「……う~い」

姉「その返事は肯定とみなす!」ガチャ

男「どうしたんだ?」

そんな真剣な顔して

姉「…ちょっと黙ってて」ス

男「!!」

ちょ!?デコ近い顔近い!!

姉「…熱い」

男「…あの~…」

姉「今体温計持ってくる」

男「あ、はい」

なんでそんな鬼気迫ってるの?













姉「38°4……」
「今日は休みなさい」

男「はい」

姉「それとあたしも休むからそのつもりで」

男「……へ?」

なにいってんだい?あんたは

男「でも…今は大事な時期」

姉「あんたはそんなこと気にしない」

…なんで?

男「これくらい俺一人でも」

姉「御託はいいから黙って寝てろ」

男「…………」

ただの風邪でそんな大げさな

姉「じゃあ妹起こしてくるから」

男「………おう」




サッサトオキロヤゴルァァァァァ!!!!

ドウガラガジャーン!!!!!

ヒィィィィィオキマス!!!オキマスカラアァァァ!!!!


男「………」ブルブル

あんな起こし方絶対真似できない




40ビョウデシタクシナ!!!!

ハイ!!!トテモムリデゴザイマス!!!

ゴタクハイイ!!!サッサトイッテコイ!!!

イエ!!!マダデルニハハヤスギルカト!!!

ジュウブンオセェェェ!!!

ヒエェェェェェ!!!


男「………ハハハ」

あんなにハキハキしゃべる妹なんてかなりレアだな

続きはまた次回

―病院―


医師「風邪だね」

男「そうですか…まあわかってましたけど」

医師「万が一ってこともあるからね」

男「はあ…」

姉「ありがとうございます」

医師「うむ……」









姉「ちょっと先生と話したいことあるから先出てて」

男「え…?もしかして先生のこと」

姉「え?なんか言った?」ゴゴゴ…

男「いえなんでもありません」



…大体俺がいたらできない話なんだろ?

じゃあやっぱそういうことなのか…

まさかあんな倍以上年齢差のある人と

姉さん……俺、応援するから

男「…………暇だ」

ん?

友からメールがきてるな

男「なんだ?」


From:友

―――――――

生きてるか~?

まさか仮病こじらして死んだか~?

男「………」

仮病を拗らせるのができるならしてみたいもんだな

To:友

――――――――

どうやら俺は死んだようだ

今天国からこのメール送ってる

――――――――

男「送信」

我ながら返しにくいメールを送ったものだ

さて、年寄り好きの姉さんを待つとしますか

ドン

男「!!おっと」

やべ、誰かにぶつかった

?「あ…すみません…大丈夫ですか?」

男「いえこちらこそ申し訳ない」

?「いえいえボクのほうは大丈夫ですから」

男「そうですか。じゃあ」

あんまりくどいのは好きじゃないから早めに切り上げよう

しかしなんというか…男の子だよな?

僕って言ってたくらいだし多分声変わりのしていない年齢…

って何考えてるんだ多分もう会わないだろうし…




でもこういうのって漫画とかでは再開するんだよな

それもすぐに…

?「あの!」

そうそうこうやって声かけられてさ

後ろ振り返るとついさっき別れたばかりの人が立ってたり

男「………」

?「あの…ボクの顔に何か?」

男「いや…なんでもない。なんだもないんだ」

?「そうでした!これ」

男「あ」

財布だ…俺の

特に大事なものが入ってるわけじゃないから問題ないんだけどね

男「わざわざこれだけのために?」

?「だけって…大事なものでしょ!?」

男「ああ、そうだな…ありがとう」

?「いえいえ、次からは気を付けてくださいね!」

こいつ…盗もうとか考えなかったのか?

?「ではボクは失礼しますね」

男「あ、ちょっと待った」

?「え?」

男「ジュース、飲む?」

?「なんですか?急に」

男「お礼というか…そんな感じ」

いい子はほっとけない性分なんです

?「いえいえ悪いですってそんな」

男「そうか…って」

俺周りから見たらめっちゃ怪しい人やん!

?「でも…そうですね、ボクの話し相手になってください」

男「ん?」

?「ボク今暇なんですよ。ちょっとした理由で」

まあちょっとした理由っていうのが気になるけど訊かないほうがいいんだろうな

?「見たところあなたも暇そうですし、お礼したいのならいい機会だと思いますよ」

男「まあそういうことなら」

?「交渉成立ですね」

気になる…

この子、一体いくつなんだ?

?「あ!そうそう!まだ自己紹介してませんでしたね!」

眼鏡「ボクは眼鏡っていいます」

男「男です」

眼鏡「男さんですね!ところで話変わるんですけど…」

男「唐突だな!でなんだ?」

眼鏡「男さんってかっこいいですね!!」

男「はい!?」

いきなり何をいいだすんだ?この子は」

眼鏡「いわゆるイケヅラってやつですか??」

なんだその用語は…

それを言うならイケメンじゃないのか?いや間違っても俺はイケメンじゃないけど

眼鏡「もしかして照れてます?」

男「いや…まあそんなこと言われたの初めてだし…」

眼鏡「うっそだぁ~」

男「ははは…お世辞でもうれしいよ」

眼鏡「お世辞なんかじゃないですよ!」

困ったなんだこいつ

男「そもそも俺はイケメンでもないし」

眼鏡「本気で言ってるんですか?モテるくせに~」

男「いやモテたことはないというか彼女いない歴=年齢だから!」

眼鏡「そういえば男さんっていくつなんですか?」

人の話聞かねえなおい

さっきのいい子ちゃんはどこいった?

あ~朝よりは大丈夫だけど頭くらくらする

べ、別に今思い出したとかそんなんじゃないからね!!

男「一応まだ16……もうすぐ17だな」

眼鏡「え!?じゃあボクの一個上なんですね!」

なん………だと………

男「はーそうなのかーははー」

動揺を隠せない

ガキだと思ってたのが俺の一個下だって…

でももうこれ以上驚くこともないだろう

眼鏡「でも、周りの人ももったいないですね」

男「何が?」

眼鏡「ボクが近くにいたら猛アタックですよ!!」

ホモオォォォォォォ!!!??

こいつなんてカミングアウトしやがる!!

やばいぜ…さっきあれ以上の驚きはないっていったけど確実にあれを上回った

もうなにがきてもおかしくないな

眼鏡「それとも………かもしれませんね」

おい途中何言ったか聞こえねえぞ

眼鏡「男さん」

男「なんだ?」

眼鏡「同性愛者ですか?」

男「悪いが俺はノーマルだ」

眼鏡「何が悪いんですか?」

男「俺はノーマルだからお前の気持ちには答えられん」

眼鏡「え?何言ってるんですか?」

男「え?」

眼鏡「え?」










眼鏡「」ズーン…

男「いや本当に申し訳ない」

眼鏡「いやもういいです…」

結果的にいうと…またも驚かされた

こいつ…女の子でした

眼鏡「ボクがボクボク言ってるから悪いんですよね…」

男の子だと思われてたことに相当ショックを受けてさっきからこんな調子だ

男「まあお詫びと言っちゃなんだが俺にできることならなんでもする」

眼鏡「……今なんでもするって言いました?」

男「俺にできることならな」

眼鏡「じゃあ付き合ってください」

男「はい!?」

眼鏡「さっきなんでもするっていいましたよね?」

男「いや、だがな?まず初対面だし」

眼鏡「一目惚れです」

男「それはなにかの気の迷いだ。まず誰これ構わずってのはよくないぞ」

眼鏡「何言ってるんですかこれが初めてですよこんな恥ずかしいこと易々できるわけないじゃないですか」

男「へ?」

眼鏡「二度も言わせんな恥ずかしい」

男「…まあお互いをよく知ってからでも遅くないと思うぞ。うん」

眼鏡「……男には二言も三言もあるんですか?」

男「そうは言ってもだな……」

眼鏡「………ヘタレ」

男「な!!?」

眼鏡「いいですよ。じゃあ連絡先教えてください」

男「ま…まあそんぐらいなら…」

眼鏡「お互いをよく知ってからならいいんですよね?」

男「………」

眼鏡「次は二言は無いようにお願いしますよ」

男「…善処します」












男「お?姉さんもう話終わったのか…」

眼鏡「話?」

男「いや俺にもよくわかんないけどな」
「じゃ、俺はそろそろ」

眼鏡「あれ?お礼する立場の人が先帰っちゃっていいんですか?」

男「うっ!!」

眼鏡「なーんて冗談ですよ」

男「いや、その…悪い」

眼鏡「いいですよ。楽しかったですし」

男「そういってもらえると助かる」

眼鏡「ほら早く行かないとお姉さんまってるんじゃないですか?」

男「ああ、じゃあまた」

眼鏡「………」フリフリ


















眼鏡「………」

「男さん……かぁ…」

続きはまた次回

―自宅―

そのあとはというと姉に世話されっぱなしでした

よくある看病ってやつですよ

ですがね…

男「……」

姉「……」

男「あの…」

姉「ん?」

男「自分で食べれるんですが…」

姉「ん?そう?」

男「さっきから言ってますよね?」

姉「そうだっけ?」

男「なので置いといてもらえると助かるんですが…」

姉「まあ気にしない気にしない!」

さっきからこんな調子だ

なんか面白がってやがる

てかそのあからさまなニヤニヤ顔はなんだ

姉「いや~人が弱ってんのって見てると面白いよね~」

悪魔や…悪魔がここにおるで…

もういやや…

姉「まあわりと堪能したしこのくらいにしといてやるか」

ほんとそうしてください

ガチャ

姉「それ食べたら薬のんで寝なよ」

バタン

男「言われなくてもそうする…」














姉「………」









人が弱ってるのをいいことに…

いつか仕返ししたいもんだ

返り討ちに会うのは目に見えてるけどな

男「……うまい…」

あいつの家事スキルは高い…と思う

馬鹿だけど

正直ありがたいと思ってる自分がいる

男「…さて、言われた通りに寝るとしますか」

とりあえずこういう時は寝るのが一番いい

疲れているのか案外早く眠くなってきた












ここは…

俺はいつの間に知らない場所に…?

「ねえおじさん!」



「おじさんってば!」

ん?俺のことか?

「おじさん以外に誰がいるんだ!」

はっはっは失礼だな誰がおじさんだって?

「おじさんはおじさんでしょ!」

ちがう!おにいさんと呼べ!

「うわきんも!」

クソガキが……大体誰だてめえ

「え…?」

どうした?名前くらい言ったらどうだ

「そっか…」

何がそっかなんだ?

「いや……いいんだ」

なに一人で納得して一人に解決してんだ?

「おじさんには関係のない話だよきっと」

なんだよそれ。意味わかんねえし

っておいどこ行きやがった

せめて名前くらい教えてけ!!

どこだ!!どこに消えた!!





…なんだったのか今のガキは…








男「………」

どんな夢だよ…

というかもう朝なのか…

……どんだけ寝たんだ俺















男「熱も下がったみたいだしもう大丈夫だろ」

学校へ行こう

―学校―

男「ういーっす」

?「お!無事であったか!男氏!」

男「……おう」

…こいつはオタクです、以上!

オタク「心配したでござるよ」

こんなしゃべり方実際する奴いるなんて思わねえって普通

男「ただの風邪だ」

オタク「いや無事でなによりでござる」

友「うっす!って男!風邪はもういいのか?」

男「ああ俺は一度死んでよみがえったからな」

オタク「流石男氏!!」

友「ははは…まあ元気そうで何より」



男「ん?」

友「どうした?男」

男「いや机に…なんだこれ?」

オタク「そ………それは…まさか」ガクガク

友「ラブレターじゃね?」

オタク「いや友氏某が言いたかったでござる…」

男「いや~……ないだろ」

友「まあとりあえずあけてみろって俺らは見ねえから」

オタク「え!?見ないでござるか!?」

友「オタク、お前は空気を読むことを覚えようか」ガシ

オタク「…はい」

男「……放課後屋上にて待つ」

まるで果たし状みたいな書き方だな

差出人は…不明

一応相手間違ってる可能性もあるし…

まあ俺の机に入ってたんだから俺が行くべきだよな

ガララ

男「あ、女妹さんおはよう」

女妹「……チッ」

相変わらずだ

―放課後ー屋上―

男「さて…果たし状を送ってきたのは」

?「待っていたぞ……男よ」





















男「誰?」



――― to be continued―――

今日はここまで
一応プロローグ終了
次から1話目に入ります

ここまでの登場人物

・男:一応主人公、最近変な夢を見るようになった

・友:イケメン

・オタク:オタクでござる

・姉:キャラ定まらない

・妹:朝起きれない

・女:天使

・女妹:舌打ち

・先輩:ちっこい

・無口:保健室に生息

・眼鏡:ボクっ子

・担任:出番ください

・医者:ダンディ

・その他モブ一同

続きはまた次回

どうも2日ぶりです
ここから1話目です

では再開

episode1【その日の外出は雨の味】

俺は驚いてる

なんというか…その…

目の前の人物に

女子の制服を着てるんだが…

明らかに背が高い。180超えてますね

その雰囲気はまさに世紀末とかにいそうです

?「私はこの日を待ちわびていた」

男「誰ですか?」

思わず敬語になってしまう

後輩「私は後輩だ!」

男「あ~はいはい後輩さんね、でっなんのようでしょう?」

後輩「先輩の中に強い人がいると聞いた」

男「ほうほう…って、え?」

後輩「知り合いに名前を聞いたところ[男]という名前だそうだ」

男「はい!?」

後輩「で、貴様が男だな?」

男「違います」

後輩「な!?」

男「じゃ、そんだけなら帰ります」

ここは逃げるが得策

後輩「待て!!貴様男ではないのか!?」

男「違います」

早く見逃してくれ

後輩「ならば男はどこだ!?同じクラスなのだろう!?」

男「さ、さあ…」

後輩「ちゃんとどの席に誰がいるかも調べさせた!間違いなどありえん!!」

な、なにしちゃってんの?それストーカーにエスカレートするパターンよ!

後輩「写真も撮らせてある!!」ピラ

男「!!」

もうストーカー確定やないすか…

後輩「うむ!間違いない!!よって貴様が男だ!!」バーン

男「……で、見つけたところでどうすんの?拳王さんとやら」

後輩「後輩だ!!」

男「やべ、素で間違えた」

後輩「それはもちろん、私と勝負して頂きたい」

男「は?」

後輩「勝負をしていただきたい」

男「はあ…」

後輩「受けてくれるか?」

男「いや、俺一般人です、その辺の人と同じなんで断ります」

後輩「いやいや謙遜するでない」

男「いや謙遜じゃ…

後輩「武勇伝は聞かせてもらっている」

男「は?」

後輩「面白い話をいくつかな」

男「……なんだそりゃ」

後輩「他校の不良グループを一人で倒したそうじゃないか」

男「はぁ!?」

いやいやなんですかそのデマ

後輩「他にも他校の女生徒を輩から救い出したとか」

男「うん?」

確かに助けた覚えはあるが…

その時は一目散に逃げ出したはず

後輩「他にもいくつかあるぞ」

あ、わかった

たぶん友だ

あいつなら武勇伝あってもおかしくない

男「後輩さんとやら」

後輩「なんだ?」

男「それ俺じゃないっす、友ってやつです」

後輩「なぬ!?」

一旦外します

たぶん22時には戻ってきます

再開します

――――――――――――――――――


男「まず俺は不良退治とかやりませんし」

後輩「そうなのか?」

男「まあ友って決まったわけじゃないですけどね」

後輩「それならば確認すればいい」

男「じゃ、頑張ってください」

後輩「待て」ガシ

男「!!?」

後輩「その友とやらはどこにいる?」

男「いやたぶんもう帰ったと…」

後輩「ならば家まで連れてけ」

男「はあ!?」

後輩「それが一番手っ取り早い」

男「いやおかしいでしょ」

後輩「なぜだ」

男「今日初めて会った知らんやつになぜそこまで義理立てする必要があるんですか?」

後輩「後輩!15!趣味は裁縫!どうだ!」

男「どうだって?しかも年下かよ!?」

後輩「なにをいまさら」

男「だってどう見ても…

後輩「言ったではないか!強い先輩を探してると」

男「じゃあなんで思いっきり上からなんだ?」

後輩「そんなもの私より強いものにしか敬意を払う必要がないからな!」

男「……なんてやつだ…」

後輩「では知り合ったところで友の居場所を教えてもらおうか」

男「てかなんでそんなに強さにこだわるんだ?」

後輩「……貴様に教えたところで意味はない」

男「なんだよそれ…」

後輩「さあもういいだろう!早く友の居場所を「あ!!死兆星が!!」」
「なぬ!?っと貴様!!死兆星が私に見えるわけがないだろう!!」







シーン…






後輩「………謀ったな…男」





男「ここまでは追ってこないだろう…」

あんなのにつきあってられるか

逃げるが勝ちってやつだ

友「お?男じゃねえか」

オタク「今帰りでござるか?」

男「…おう、友とオタクか…」

友「そんな血相変えてどうしたんだ?」

オタク「これは血沸き肉躍る戦争の後!?」

男「んなわけねえだろ……あと友」

友「なんだ?」

男「明日からがんばれよ」

友「はあ?」

―自宅―



男「ま、こんなもんかな」アクビ

ブー、ブー

男「ん?なんだこの番号…シカトで」





ブー、ブー

男「なんだしつこいな」ピ
「はい、石川五右衛門です」

『あ、すいません間違えました』

男「女さん!?」

女『あ、はい!そうですが』

男「俺だよ、オレオレ」

女『俺ばっかじゃわかんないです…』

男「男だよ」

女『……よかった~間違えたかと思いました』

男「そっか、でなんで俺の番号を?」

女『本来なら直接訊くべきなんですけど最近女妹ちゃんが…』

男「あれがどうしたの?」

女『男さんには近づくなと』

男「…はあ」

女『すごい好かれてるんですね』

男「いや物凄い嫌われてるんですが」

女『え?そうなんですか?』

男「今日だって舌打ちされたし」

女『そっか…女妹ちゃん…』

男「第一俺は何もした覚えないんですよ…」

女『そうですか…ふふ』

男「な、なに笑ってんの?」

女『いえ、なんでも』

女『それでですね、男さんと仲の良かった人を探して訊いてみたんです』

男「ちなみに誰から?」

女『幼馴染さんって人からです』

男「……そっか」

幼馴染…

その名前を聞いたのはいつ振りだろうか

確かに中2までは仲良かった

だけどそれ以降はだんだん疎遠になって

高校になったころにはすでに会話もしてないな

このままお互い忘れてく…そう思ったんだけどまさかこんなところで聞くことになるとは

女『昔は仲が良かったって言ってましたよ』

男「まあな…」

女『なんで話さなくなったんですか?』

男「さあ……自然にそうなったとしか」

女『そうですか…』

男「それより番号を聞き出したくらいなんだからなんか用があったんじゃないのか?」

女『あ!そうなんですよ!男さん!』

男「おおう…」

女『明日の休みは予定空いてますか?』

男「え?まあ空いてるけど」

女『では一緒にお出かけしましょう!』

男「どこに?」

女『それは明日のお楽しみですよ!』

男「はあ」

女『では明日10時に駅前に』

男「了解」




男「……でだ」
「お前はいつの間に入ってきてたんだ?妹よ」

妹「それは……神のみぞ知る」

男「そうかそうか、でなんで俺の部屋にいるんだ?」

妹「宿題教えてもらおうと思って」

男「そうかそうか、じゃあさっさと終わらせような」

妹「でもやっぱりやめた」

男「え?なんで?」

妹「面白いことを聞いてしまった」

男「は?」

妹「明日出かけるんでしょ?」

男「まあ」

妹「じゃあ私も行く」

男「は?」

妹「じゃまはしないので」

男「お前は何を言ってるんだ?」

妹「兄さんのデートの慌てっぷりが見たい」

男「別にデートじゃないしただ出かけるだけだ」

妹「だったら余計にOK」

男「…そんなに行きたいのか?」

妹「うん、兄さんなんかに興味を持つ人なんてビックリだからここは拝見」

男「ハア……わかった」

妹「本当?」

男「どうせだめって言ってもついてきそうだし」

妹「わかってらっしゃる」

男「明日駅前に10時な」

妹「了解、お休み」

男「おう」





ん?ここは…

最近よく来る場所ような気がする

…誰かいないのか?







ん?あれは…誰だ?

どこへ行くんだろう?

もしかしたら出口?

じゃあ早く追いかけないとな






おかしい

なんで走ってるのに追いつけない

それどころか離れていく

おい、待ってくれよ

俺を置いてかないでくれよ!

こんな何もないところで一人取り残されるのかよ!!

冗談じゃねえ!!

なにがなんでも追いついてやる!!














ガバ!!!

男「……夢?」

今回の夢はおぼろげながら覚えている

誰かを追いかける夢

一体最近の俺はどうしたのだろう…

男「さて、起きるか」


そこで衝撃の光景を目の当たりにする

妹「おはよう、寝坊助兄さん」

妹が起きている…だと?

妹「今8時…普通の人なら起きてる時間」

いやあんた普通じゃないでしょ

妹「今失礼なこと考えた」

男「いや、事実だし」

妹「傷ついた、これはもうアイアンクロー」

男「いやわけわからんし」


姉は珍しく寝ていた

まあ最近疲れてるんだろ

というわけでそっとしておくことにした



そんなわけで駅前に到着……したのだが

女妹「……チッ」

女「……」アハハ

幼馴染「……」

妹「……」

男「おいなんだこの状況」

女「さあ…私にもさっぱり…」オロオロ

妹「これは修羅場というやつですか?」

幼馴染「いや違うとおもうね」

女「………ハア」

幼馴染「それよりも、男、久しぶり」

男「…なんでここに?」

幼馴染「いたら困ることでも?」

男「いや別に」

幼馴染「私は困るかも」

男「なんだそりゃ?」

幼馴染「妹に呼ばれて駅前に来たらあら不思議、先日知り合った友達とずっと疎遠だった人がいるんだからね」

男「……犯人お前か」

妹「さあ…何のことでしょう」







女「なんだか私展開が読めてません」

女妹「安心してお姉ちゃん、私もよくわかってないから」

女「ってなんで女妹ちゃんいるの!?」

女妹「いまさら!?」

男「で、女さん」

女「は、はい!」

女妹「」キッ

女妹さんなんで俺を睨むのかな~

男「とりあえず今日の予定は?」

女「あ、え~っとですね…」

幼馴染「近くにデパートもあるんだし買い物とかどうだろう?」

女「え?あの…」

女妹「そうね」

女「え?え?」

妹「いいと思います」

女妹「そうときまればさっそく行くわよ!」ガシ

女「え?ちょっと女妹ちゃん!?引っ張らないで!」




幼馴染「さ、私たちも行こうか」

妹「そうしましょう」

男「……う~む」

今日はここまで
続きはまた次回

再開します。


―――――――――――
ーデパートー


女妹「じゃああそこに行きましょう」

女「ちょっと!勝手に決めないでってば!」

幼馴染「いいんじゃないかな?私もちょうど行きたかったし」

女「でも服屋さんだと男さんが……って引っ張らないでってば~」








妹「………」

男「…せっかくだからお前も行ってこい」

妹「兄さんは?」

男「適当にどっかぶらぶらしてる」

妹「じゃあそうさせてもらう」



男「さあ暇になったな…」

さてどうするか…

?「あれ?男くん?」

その声は…

先輩「やっぱ男くんだ~!こんなところにいるなんて珍しいね!」

男「やっぱ先輩ですか」

先輩「でもこんなところでなにしてるの?」

男「いえ…まあ…暇つぶしといったところです」

先輩「暇つぶし?」

男「実はですね…カクカクシカジカ…」

先輩「そっか~、そんなことがあったんだ~」

男「先輩はここで何してるんですか?」

先輩「それがね~、弟と買い物してたら弟が迷子になっちゃって」

迷子なのは先輩のほうではないだろうか?

先輩「いまなんか失礼なこと考えたでしょ?」

男「イイエ、ソンナコトアリマセンヨ」

先輩「なんで片言なのさ!!」

男「さあ…」

先輩「意地悪」

男「ははは…ごめんなさい」

先輩「ほんとにごめんなさいって思ってる?」

男「思ってます」

先輩「じゃあ今から先輩に付き合ってもらおうか」

男「へ?」

先輩「ここのデパートに新しいスイーツショップがあるのだよ」

男「いや、弟さんは?」

先輩「今はスイーツのほうが大事なのだ!」

男「弟さん心配してるんじゃないんですか?」

先輩「そんなのはぐれるほうが悪い!」

男「え~…」

弟さん、大変そうだな

先輩「というわけで、いざ甘味の園へレッツゴー!!」

男「うわ!!ちょ、引っ張らないで!!」




先輩「うんま~い!!」

男「先輩そんなに食べて大丈夫ですか?」

先輩「甘いものは別腹なのだよ」ドヤァ

一体その小さな体にどうやって入るんだろうな

先輩「男くんはもう食べないのかな?」

男「はい、大丈夫です」

先輩「そんな遠慮しなくて大丈夫なのに」

男「もう見てるだけでお腹いっぱいですよ」

先輩「そう?…じゃあ」

男「?」

先輩「はい!あ~ん」

男「!!」

なん…だと…

先輩「わたしだけ食べてちゃ男くんつまらないでしょ?」

男「い、いやでもお腹いっぱい…」

先輩「嘘と遠慮はいけないな~」

男「いや、ですからね」

先輩「先輩のいうことは素直に聞くものだよ」

そうはいいますけど…

周りの視線とかどうするんですか?

先輩「ほらほらはやくぅ~」ニヤニヤ

この人わざとか!!

だから苦手なんだ!!

なんだかんだ逆らえないんだからな

男「わ、わかりましたよ」

先輩「それでいいのだよ!じゃ、あ~ん」

男「……」パク

先輩「どうかな?」ワクワク

男「う、うまいです」

恥ずかしくて味なんかわからないけどな!!

先輩「でしょでしょ!!じゃあ今度はね~」

男「なんですか?…フォーク?」

先輩「わたしに食べさせてほしいな!」

男「はあ!?」

先輩「だめ?」

男「いやだめというか人の目が…」

先輩「そんなの気にしたほうが負けだよ!」

なにに!?

いやもう覚悟を決めるしかないのか?

どうせ逆らえないんだからな

男「…一回だけですよ」

先輩「やった!!じゃさっそく…」

?「何をやってるんだ?」

先輩「……その声は」

?「どこほっつき歩いてた?」

先輩「アンタには関係ないでしょ?」

なんだこの人

長身ですらっとしてさわやか系

もしかして先輩の彼氏?

それってやばくね?俺殺される可能性あるんじゃ

?「……そういうことか」

男「へ?」

なんだ?俺のほう見て納得しちゃって

先輩弟「俺はそこのチビの弟です」

男「……は?」

先輩弟「そこの馬鹿姉貴が世話になりました」

男「え?え?」

弟?いやいやいや

身長とか雰囲気とか何から何まで違う

まああえて言うならあなたが兄さんに見えます

先輩弟「さ、もう帰るぞ」

先輩「ちょっと待ってよ!なんで勝手に「冷蔵庫のアイスは全部俺のでいいんだな?」
「え!?わかった!!帰る!!帰るからハー○ン○ッツはだめ!!」

先輩弟「ちなみに今日はなんの日だ?」

先輩「え?何の日?」

先輩弟「親父の誕生日だろうが!!」

先輩「あ!!そうだった!!」

先輩弟「親父が帰ってくる前に急いでパーティの準備だ!!」

先輩「アイアイサー!!」

男「………」

先輩弟「あ、姉貴!ちょっと先行っててくれ」

先輩「え?わかった!男くん!!またね!!」

男「は、はいまた」



先輩弟「ちょっといいですか?」

男「なんでしょう?」

先輩弟「もしかして…姉貴の彼氏さん?」

男「いや違います」

先輩弟「え?違うんですか?」

男「ただの先輩後輩の関係です」

先輩弟「ただの…ね」

男「?」

先輩弟「あ、あと俺には敬語必要ないですよ」

男「へ?」

先輩弟「だって俺高1ですし、見たところ同い年か一個上ってところでしょ?」

男「まあ高2だけど…」

先輩弟「じゃあ俺のことは気軽に先輩弟とよんでください」

男「じゃあそうさせてもらう。俺のことも気軽に男でいいからな」

先輩弟「まあ男さんと呼ばせていただきますよ」

男「そうかい」

先輩弟「じゃあ俺もそろそろお暇いたします」

男「じゃ、またな」

先輩弟「またそのうちに」








男「ますます似てない」

男「さて、とりあえず出るか……ん?」

会計伝票

男「………うそ~ん…」



アリガトウゴザイマシター

男「…ハア」

今日は運が悪いのかね…

いろいろおかしい気がする

男「さてと…もうあいつらどうしてるかなっと」

着信:15件

男「誰からだ?」

不在:女
不在:女
不在:女






男「マジかよ…」

?「なにがマジなんですか?」

男「うおう!!」

女「というか男さんどこ言ってたんですか!?探したんですよ!!」

男「いや悪い悪い」

女「あの後男さんに申し訳ないと思って逃げてきたらもういないんですよ!!」
「どれだけ心配したと思ってるんですか!?」

男「いや本当に申し訳ない」

女「電話かけても全然でないですし、嫌われたかと…」ウルウル

男「いや、それは無い!!それは無いから!!」

女「じゃあどこ行ってたんですか?」

男「え?」

女「ただ暇してただけなら電話も出れますよね?」

男「それは…」

女「どこ行ってたんですか?」

男「それは…そこの…」ユビサシ

女「…新しくできたところですね」

男「うん…そう」

女「でもここスイーツ専門店ですよ」

男「はい」

女「男さん一人で行ったんですか?」

男「え?」

女「他に誰かいたんですか?」

男「いや~…」

女「というかそこのスイーツ専門店に行った証拠はあるんですか?」

男「え?……あ、そうだ」

女「レシートですか…」

男「まあ証拠にはなるだろう」

女「でも男さんこんなに食べるんですか?」

男「え?」

女「だってこれ明らか一人で食べるような量じゃないですよね?」

男「いや、まあ…」

女「やっぱ他にだれかいたんですね」

男「…いたけど」

女「誰ですか?」

男「…先輩とその弟」

女「そうですか男さん」

男「はい」

女「電話にもずっと出ないほどその人達との時間が大切だったんですね?」

男「いやそんなことは…」

女「いやこれは結構傷つきますね」

男「…ごめんなさい」

女「いえいえいいんですよそんな無理して謝らなくても」

男「いや無理はしてない!」

女「…ほんとですか?」

男「お詫びと言っちゃなんだが俺にできることならなんだってする」

女「そうですか…では」

男「……」ゴクリ

女「一緒に買い物して頂きましょう」

男「へ?」

女「いやなんですか?」

男「いやそんなことはない!むしろそんなのでいいのか?」

女「いいですよ、もともとそういう予定でしたから」

男「じゃあそういうことならさっそく行くか」

女「はい!」


怖かった…

なんというかすごい威圧感

淡々と喋ってるんだがそれがまた怖い

あまり怒らせないようにしないとそのうち殺されそうだ

ま、機嫌が直ったようだから良しとしよう


はい、機嫌が直ったとか思ってました

はっきり言ってなめてました

俺が馬鹿でした

ー下着売り場ー

女「男さーん!早く早く!」

男「いや!これはまずい!いろいろと!」

女「大丈夫ですよ!」

男「俺店の外で待ってるよ!」

女「今日は一緒にいてくれるんですよね?」

男「」ゾク

女「早速裏切るんですか?」

男「いや……ここにいます」

その他にも

ー服屋ー

男「ここはさっきのとことは別だな」

女「はい!本当はこっちのほうが行ってみたかったり…」

男「そうなのか?」

女「こっちのほうが私の好きなタイプです!」

男「よくわからんな俺には」

女「私の服男さんに選んでもらうんですからね!」

男「…え?」

女「だからあんまり興味なさそうにしないでくださいね」

男「いや、俺が選ぶの?」

女「はい、そうですけど」

男「……」

そして…

―喫茶店―


女「結局お昼は食べてないので食べ物何か頼みますね」

男「俺コーヒーだけでいいや」

女「え?なにか食べないんですか?」

男「いや、お腹いっぱいなんだけど」

女「他の人はよくて私はだめなんですか?」

男「……食べます」

女「喫茶店は大体軽いものなんで大丈夫ですよ!」

男「……はい」


うん、お腹いっぱいだね

女さん思いのほか小食で結局俺がだいぶ食べました

絶対狙ってたとしか思えません



女「今日はありがとうございました!」

男「いえいえ…」

女「…いろいろ振り回しちゃってごめんなさい」

男「え?」

女「迷惑だったかなって」

男「なんでそう思う?」

女「だって有無も言わさずに…」

男「いや、俺は自分のやりたいようにやってるだけだ」

女「……え?」

男「確かに振り回されたようにも見えるけど俺自身楽しんでた」

女「……」

男「たまにはこういうのも悪くはないって思った」

女「…でも」

男「またどっか遊び行こう」

女「…ありがとう」

男「お礼をいうのは俺のほうだけどな」

女「振り回されてお礼をいうというのもおかしいですね」

男「はは…そうだな」


?「なんだ、こんなところにいたのかい」

男「ん?」

幼馴染「探したよ」

女「すいません、勝手にいなくなって」

男「そうか、じゃあまたどっか行ってる」

幼馴染「おや?まだ誰を探しているとは言ってないんだが」

男「…じゃあどっちに用があるんだ?」

幼馴染「両方だよ」

女妹「こんなところにいた!!探したんだから!!」

女「女妹ちゃん!?」

妹「私は特に探してませんでしたけど」

男「へえそうかい」

女妹「そこにいる変な男に何かされなかった!?」

女「むしろ私が連れまわしたというか…」

男「てか俺の扱い酷いな…」





男「じゃあそろそろ帰るか」

女「そうですね」

幼馴染「そうだね、もう買うものも買ったようだし」

女「はい!」





ザァーーーーーー

女妹「…すごい雨」

女「…傘持ってきてないね」

妹「…ふむ」

男「女さん」

女「はい」

男「これ使ってくれ」つ傘

女「え?…でも男さんが」

男「俺はなんとかする」

女「なんとかって…」

男「一応大きめの傘だ。二人は入れる」

女妹「…なに?恩でも売るつもり?」

男「んなわけねえだろ。女さんに対するお礼だよ」

女妹「なにそれ……馬鹿じゃないの?」

男「なんで?」

女妹「それで自分が帰れなくなったら本末転倒じゃない」

男「そうだな」

男「でも誰かを置いて自分だけが帰るなんてできるほど薄情じゃないんでね」

女妹「は?偽善ね」

女「女妹ちゃん!」

男「いやいいんだ女さん。そんなの俺が一番わかってるんでね」

女「…男さん」

男「こういうときにかっこつけたいもんなんだよ」

女妹「ほんと馬鹿みたい。だから男ってのは嫌いなのよ…」

男「嫌いで結構、男ってのはそういうもんだあきらめろ」

女妹「……ふん」

女「で、では傘は借りていきますね」

男「ま、今返そうとされても無理やり突っぱねるんで」

女「はい。そんな気がしてました」

男「じゃ、また」

女「はい、また。女妹ちゃん」

女妹「……うん」






初めて会話できたな

まあ会話と呼べるか微妙な内容だけどな

さて、じゃあ妹にでも


妹「ん?」

幼馴染「ん?」


男「妹よ」

妹「……」

男「お前も傘忘れたのか」

妹「…私は幼馴染姉さんの傘に入る予定でしたので」

幼馴染「そういうこと。残念だったね、男」

男「そうかい」

幼馴染「じゃあ雨が止むまで一緒に待っててあげようか」

男「いやいい、お前がそういうことをしないってことくらいわかってる」

幼馴染「よくわかってるね」

男「[元]幼馴染だからな」

幼馴染「………」

男「どうした?」

幼馴染「私はいまでも……いやなんでもない」

妹「幼馴染姉さん…」

幼馴染「じゃあ先に帰らせてもらうよ」

男「おう、じゃあな」

幼馴染「…ああ」

妹「兄さん」

男「ん?」

妹「帰ったら梅干し」

男「は?」



ま、傘なんて買えばいいんだけどな~


男「……oh」

必要な金以外は財布には入ってない

そして必要な金は大体スイーツの餌食に

男「さて、どうすっかな~?」

とりあえずデパートなんかあんま来ないからな

いろいろ散策してみるか







―ゲーセンー


オタク「HI--------------HA-----------!!!!!!!!」バンバンバン

男「………」

今日はここまで
続きはまた次回

再開します

――――――――

オタク「汚物は消毒だ!!」バンバンバン

モブ「すげえこのガンシューティングむずいって評判なのに」

モブ2「ダメージどころか一発も外さないとは…」

モブ3「極めてるな」

オタク「こいつでジエンドじゃあ!!」

モブ「ノーミスクリアかよ!!」

ワーキャースゲー

男「お前何しとんねん」

オタク「男氏!?何故ここに!?」

男「いちゃ悪いか?」

オタク「いやそんなことはないでござる」

男「それよりお前こんな雨の中何してんだよ」

オタク「それが、某傘を忘れてしまった故こうして止むまでの間少々余興を…」

男「余興で記録塗り替えるか普通」

オタク「いやいや何のこれしき簡単なものでござる」

男「簡単だったらあんなにギャラリー集まんねえよ」

オタク「ギャラリー?何のことでござるか?」

男「お前気づいてないのか?」

オタク「某世界に入り込んだ故」

男「ああそういう設定いいから」

オタク「設定とは失礼でござる!!」

男「悪い悪い、じゃあ俺帰るわ」

オタク「待つでござる!」

男「ん?」

オタク「見たところ男氏も傘を忘れているようす」

男「え?いやこれは」

オタク「これは某と勝負するしかないでござる」

男「は?」

オタク「まあまあ遠慮せずに」

男「ちょっと待て!!俺はまだ何も」

オタク「いいからくるでござるwww」




なにがあったって?

いろんなゲームやらされて全部オタクの圧勝

俺はいろんな意味でボコられた


オタク「いや~楽しかったでござる!!」

男「お前が一方的に楽しんだだけだろうが」

オタク「またまた~結構楽しんでたくせにwww」

男「うぜえ」

?「ちょっちそこの君たち~?」

男「ん?」

?「なんかさっきから調子のってんじゃね?」

オタク「なな、なんでごじゃるか!?」

男「…誰?」

目の前にいるのはなんというか…ヤンキーっていうの?

なんていうかあからさまなイケイケってやつ?

いまどきこんなのいるんだな

DQN「てめ何さっきから見てんだこら」

男「いやなんでも」

DQN「言いたいことあんならはっきり言えや」ムナグラツカミ

オタク「ややややめるでござるよ!!こんなところで!!」

DQN「じゃあちょいとこっち来いや」

男「いやなに勝手に「いいからこいや!!」」

「……」







―お花畑(便所)―


男「………」

オタク「」ガクブル

DQN2「なにこいつチョー震えてんじゃんww」

DQN3「漏らしちゃう?ねえ漏らしちゃう?」

DQN4「つかとなりの奴何?やせ我慢?」

DQN「こいつも内心ブルっちゃってんぜwww」

男「で?なんの用?」

DQN「あ?」

男「なに?意味もなく連れ込んだわけ?」

DQN2「テメなに調子こいてんだ?」

DQN4「誰が喋っていいって言ったよ?」

DQN3「ケツの穴から手突っ込むぞコラ」

DQN「俺はな、一番じゃねえと気が済まねえんだよ」

男「…ん?」

何言ってんだこいつ

DQN「それはな、ゲームだろうが関係ねえ」

男「??」

DQN「つまりな…」

男「つまり?」

DQN「俺の記録勝手に塗り替えてんじゃねえぞコラ!!」

男「…え?」

DQN「なんだよあれ!!どのゲームも俺の上にOTAって名前があんだよ!!」

男「いや知らんし」

DQN「もう顔割れてんだよ。二人組のゲーセン荒らしってな」

男「いや俺何もしとらん」

DQN2「じゃあ誰がやったんだコラ!!」

DQN4「言ってみろやコラ!!」

DQN3「ケツの中で小便すんぞコラ!!」

男「そいつ」

DQN「あ?」

男「いやだからそいつ」

オタク「…お、男氏…?」

男「俺無理やり連れられただけだし」

オタク「ちょ!?なに言ってるでござる!?」

DQN「おめえの友達はああ言ってんだけどそこんとこどうなん?」

オタク「違うでござる!!一緒に遊んでたでござる!!」

DQN「つーかなに?そのござるとかいうのwww」

DQN2「マジウぜえwwww」

DQN4「てかキメエwwww」

DQN3「てかヒイヒイ言わしてえwww」

オタク「うぅ…」

男「俺無関係なんですけど」

DQN2「あ?なんだてめえ」

DQN「こいつがどうなっちゃってもいいの?ww」

オタク「お、男氏助けて…」

DQN4「友達が大変なことになっちゃうよwww」

DQN3「はーいwww脱ぎ脱ぎしましょうねwww」

オタク「え?ちょ!!待って!!」

DQN3「……」ゴス

オタク「ゴフッ!?」

DQN2「?どうした3」

DQN3「…いや別に」

DQN「ほらほら早く助けないとこいつボコボコにしちゃうよwww」

男「…で?」

DQN「あ?こいつどうなってもいいのか?」

男「いや俺はどうすればいいわけ?」

DQN「あ、やっぱこいつのこと心配なんだwww」

男「いや別に」

オタク「お、男!?」

DQN2「なんなのお前」

DQN4「はっきりしろやオラ」

DQN3「なんならおめえが代わりにケツ出してもいいんだぜ」

DQN「てか3おめえそろそろ黙れ」

DQN3「へい」

DQN「おめえみてえなすまし顔の奴見てるとむかつくんだよな」

男「で?」

DQN「…おめえら、やれ」

DQN234「へい!!」

ドカバキボコグシャ

DQN「あ~あ、おめえが調子乗っちゃうから」

オタク「あ…あぁ…」

DQN「大事な友達が大変なことになっちゃったねww」

オタク「」ガクブル

DQN「どうすんの?あれ」

オタク「……ください」

DQN「あ?」

オタク「なんでもします!!お金も出します!!だから男を解放してください!!」

DQN「……そうか」ニヤリ

DQN「だってよおめえら!!聞こえたか!?」

男「うん聞こえた」

DQN「な!?」

オタク「男!?」

DQN「てめ!!あいつらはどうした!?」

男「いやそこに突っ立てるけど」

DQN2「そ、それが」

DQN4「いくら殴っても…」

DQN3「立ってきやがるんで」

DQN「んなもん立ち上がれなくなるまで痛めつけりゃいいだろうが」

DQN2「流石に死んじまうんじゃ」

DQN「んなもんかまわねえんだよ!!この役立たずどもが」

男「じゃあお前やればいいじゃん」

オタク「なんで他人事!?」

DQN「んだとてめえ…」

男「なに?怖いの?」

DQN「てめえマジで殺す」

男「おお怖い」

DQN「いまさらブルってんじゃねえぞ」

男「じゃあブルったんで帰っていいですか?」

DQN3「何今更ビビっちゃってんのwww?」

DQN4「帰ってママのおっぱいでも吸ってろよwww」

男「あ?」

DQN2「なんだよもしかしてほんとに吸ってんのwww?」

男「…オタク」

オタク「な…なに?」

男「ちょっとそこらへんで待ってろ」

オタク「う、うん」

男「お前等全員まとめて外行くぞ」

DQN「上等だコラ!!」

DQN2「袋叩きにしてやんよwww」

DQN3「ついでに頂戴してやんよwww」

―外(雨)―



DQN「オラァ!!!」

ドカバキグシャ

男「」

DQN「ど、どうだもう立てねえだろ…」ゼェハァ

DQN2「パネエ」

DQN4「最高っす」

DQN「へ、いきがってたわりには大したこと…!?」

男「よっこいしょっと」

DQN「な、なんなんだよおめえ…」

男「……」ポリポリ

DQN2「てめ余裕こいてんじゃねえぞ!!」

男「じゃあもっと本気でこいや!!」

DQN‘S「!?」

DQN「……上等だ」E鉄パイプ

DQN4「どっからそんなものを!?」

DQN「こいつは殺す」

DQN2「ちょ!!それはマズいって!!」

DQN3「死んじゃう!!それ死んじゃう!!」

DQN「んなもん関係ねえ……こいつがどうなろうと知ったこっちゃねえ」

男「オラこいや!!」

DQN4「おめえも挑発すんな!!」

DQN2「マジで死ぬぞお前!!」

男「死なん!!」

DQN3「いや死ぬから!!」

DQN「おめえらどけぇ!!!おらぁぁぁ!!」

男「……」

?「お痛はそこまでにしていただきましょうか」

DQN「あ?なんだてめえ」

執事「私は執事と申します、以後お見知りおきを」

男「……」

DQN2「マジで誰?」

DQN4「俺らてきには助かったけど」

DQN3「……ポ」

執事「一人相手に四人…これは見過ごせませんな」

DQN「あ?」

執事「輩にはお仕置きというものが必要ですな」

DQN2「え?」

DQN4「もしかして俺らも?」

DQN3「…俺はかまわねえぜ///」

DQN「いいぜ…老いぼれ…ぶっ潰してやるよ」

執事「やれやれ…口が悪いですな。少ししつけてあげましょう」

あれ?なんだ?

体が動かん

無理しすぎたか…

そりゃあんだけ殴られればな

最後の鉄パイプくらったらマジで死んでたかも

てかあのじいさん何者だよ

あっという間に片付いちまった

ん?こっちに来てる?

なんか言われそうだ

でも限界…意識が

なんかもう一人来てるみたいだけど…

そんなの考える余裕ない












ん?…ここは…

男「………知らない天井だ」

?「男!!」

男「ん?」

ガバァ!!

男「!?」

?「よかった!!気が付いて!!」

男「え?え?」

誰?このお嬢さん

?「あ!そっか!」

ゴソゴソ

?「これでどうでござる?」ヘンシン

男「……もしかして…いやでも」

おいおいおいおい

男「もしかしてだが…オタク?」

オタク「正解でござる!!」

男「え?いやだってお前」

オタク「驚いたでござるか??驚いたでござるか??」

男「そりゃ驚くにガフ!!」

オタク「あ!まだ動くのは禁物でござる!!」

男「あつつつ…」

オタク「無理しすぎでござるよ」

男「それはそもそもお前がだな…」

オタク「ごめんなさい!!」

男「え?」

オタク「ここからはオタクとしてでなく一人の娘として謝らせてください」

男「はい?」

オタク「この度は助けていただきありがとうございました」

男「いや助けたのは俺じゃなくてだな」

?「それは私のことですかな?」

男「ん?んん?」

執事「私のことはお気軽に執事とお呼びください」

男「いやそうじゃなくてなんであんた」

オタク「それは私の執事だから!」

男「いやそんな得意げに言われても…」

オタク「だって執事ほんとすごいんだから!!」

男「それは執事さんがすごいんであってアンタ関係ないだろ」

オタク「こ、細かいこと気にしない…」

執事「はっはっは、しかし今回は私一人ではどうにもならなかったのも事実」

男「とはいっても俺は殴られてただけでしたから」

執事「そういった行動の一つ一つが大切なのです」
「男さまが身を挺して庇ってくれたおかげでお嬢様がご無事だったわけです」

オタク「………」

男「?」

オタク(一度私を見捨てようとしたことは黙っておいてあげる)

男「」ゾク

男「ん?あああ!!!」

オタク「いきなりなに!?」

執事「どうかなされましたか!?」

男「い、今何時だ?」

執事「22時31分53秒を過ぎたところですが」

男「やべぇ……やべぇよ…」

オタク「え?なにが?」

男「家に連絡してない」ガクブル

オタク「あ~その点なら大丈夫」

男「え?」

オタク「執事」

執事「はい、すでに自宅のほうに連絡をいれさせていただきました」

男「え?俺番号教えてない」

オタク「そんなのいくらでも調べることもできるって」

男「で、なんて連絡したの?」

執事「男さんは友達の家に泊まると」

オタク「世間一般じゃ男性で通ってるからね」

執事「で私はおじいさんということに」

男「お、おう」

オタク「というわけで男は今日家に泊まること確定したんで」

男「え?そうなの?」

執事「男さまのご家族にはすでに了承済みです」

オタク「そういうこと、まあその怪我じゃ動けないけどね」

男「その通りです、はい」

オタク「じゃあゆっくりしててね!」

執事「私たちは一度席を外します故」

男「はあ…」







男「眠れん」


あんまり気にしない様にしてたんだけど

何この部屋…

あからさまに金持ちの部屋だな

んでもってファンシーっていうかいかにも女の子ってかんじ

オタクだからもっとああいう部屋を想像してたんだが

…てかここオタクの部屋?

…………

いかん、いかんぞ!

煩悩は捨て去るべきだ!

…………

男「ちょっとだけ」クンカクンカ



は!!俺は何を!?

これじゃまるで変態じゃないか!!

……でも…

やっぱ女の子なのか…

とても安らぐ香りですた

い、いかん!!

俺は今マズいことになっているんじゃないか!?

主に股間のあたりが

どこかでいちど落ち着かないと

男「……さてと」

ちょっと冒険に出かけますか


ガチャ

メイド「どうかなさいました?お客様」

男「い…いやちょっとお花を摘みに…」

メイド「お花?…あ~なるほど」
「でしたらご案内しますね」

男「いやあの…ハイお願いします」













メイド「こちらでございます」

男「あ、はいありがとうございます」

メイド「あ、そうだ!」

男「?」

メイド「換気は程々にしておいたほうがいいですよ」

男「んなことせんわ!!」


広すぎだろ…

豪邸ですよまじで





…でもあいつお嬢様なんだよな

なんで出かけるのに護衛の一つもつかないんだ?

それに金持ちなら護身術くらい教わってても不思議じゃないよな?

いろいろおかしいな




男「…ま、関係ないこと考えてもしょうがないけどな」ジョロロロロロ

?「何が関係ないのかね?」

男「?」

?「やあ」ジョロロロロロ

男「ど、ども」

?「君が男くんだね」ジョロロロロロ

男「は、はい」

?「娘が世話になったようだね」ジョロロロロロ

男「も、もしかして」

オタク父「あの子の父親だ」ジョロロロロロ

男「オタクさんにはいつも良くしてくださってます」

オタク父「そんな堅苦しい挨拶は必要ないよ」ジョロロロロロ

男「そうですか」

オタク父「娘の恩人だからね」ジョロロロロロ

男「いや恩人ではないです」

オタク父「謙遜しなくてもいいんだよ」ジョロロロロロ

男「はあ…」

オタク父「とにかく私からもお礼を言わせていただくよ」ジョロロロロロ

それにしてもこの人ションベン長いな

男「あの」

オタク父「ん?なんだい?」ジョロ…

男「ちょっと聞きたいことがあるんですが」

オタク父「遠慮せず言ってみたまえ」

男「オタクさんにはなぜ護衛が付いてない状態なんですか?」

オタク父「いきなり直球な質問だな」

男「すいません躾がなってないもので…」

オタク父「そういうことは自分で言わんものだ」

男「すいません」

オタク父「怒ったわけじゃないからそんな萎縮しなくていい」

男「はい」

オタク父「で娘の身辺警護のことだね?」

男「はい」

オタク父「実は護衛はつけているんだ」

男「え?」

オタク父「ただね、あの子は人を欺くのがうまい」

男「どういうことですか?」

オタク父「護衛をつけてもいつの間にか姿を消し、発信機を付けようものなら改造されありえない位置に座標をつけられ、盗聴器をつけようなら妨害電波を発生させられETC…」

男「………」

なにもんだよ…

オタク父「護身術を習わせようものなら私には必要ないと逃亡…」

男「…大変ですね」

オタク父「あの執事でさえ手を焼くくらいだからな」

男「……」

オタク父「私としてはいつもハラハラものだよ」

男「やはりオタクさんに信頼されてるような人がいれば…」

オタク父「私もそう考えているんだ」

男「でも中々人に心を開かないと」

オタク父「わかってるじゃないか!!」

男「まあそうですよね。学校でも話す人は絞っているみたいだし」

オタク父「そうなのか…」

男「そういえば…」

オタク父「なんだね?」

男「また直球な質問になるんですが…」

オタク父「言ってみなさい」

男「オタクさんはなぜ外では男子として生活してるんですか?」

オタク父「本当に直球だな」

男「すいません」

オタク父「私がいいと言ったんだ君が謝る必要はない」

男「ありがとうございます」

オタク父「それでなんで娘が男装してるってことだな」

男「はい」

オタク父「カモフラージュってやつさ」

男「…ん?」

オタク父「いわば気休めだが目くらましってやつさ」

男「目くらまし?」

オタク父「私に娘がいるということは知っている人は多いはずだ」

男「はい」

オタク父「だからあの子を男性、そして家の家系、親戚にも関係ない苗字と名前にすることで多少なりとも姿を隠せるわけだ」

男「なるほど」

オタク父「でもこんなのばれるのも時間の問題、いやもうばれてるだろうと思う」

男「誰にですか?」

オタク父「まあ悪い人たちとだけ言っておくよ」

男「そうですか…」

オタク父「だから心配で心配で…」

男「……でもいいんですか?」

オタク父「なにがだい?」

男「そこまで話してしまって…」

オタク父「はっはっはなぜだか君は大丈夫って思ったからかな!」

男「どんな根拠ですかそれ」

オタク父「心配することない!いざとなったら全力で潰すよ!!」

男「!?」

そんなまんねんの笑みでいわないでください

オタク父「私は君のことを気に入ってしまったようだ!!」

男「はい?」

オタク父「ついてきたまえ!!」

男「は、はい!」






以上、トイレの中の会話でした





オタク父「この部屋だ」

男「なんですか?この部屋」

オタク父「まあまあ入ってみたまえよ」

男「じゃあ」ガチャ


大量のフィギュア、ゲーム(アーケード台含む)超大型シアター、一面に張り巡らされたポスター、いろんなグッズETC…




オタク父「どうだい?壮観だろう?」

男「ハ、ハイソウデスネ」

オタク父「娘には入るなって言われてるんだけどそういわれるとつい入りたくなっちゃうよね~」

男「む、娘!?」

じゃあこれオタクさんの部屋?

オタク「何してるの?」

男「ひぃ!!」

オタク「……お父様?」

オタク父「な、なんだわが娘よ」

オタク「何してるのかな?」

オタク父「な、何もしてないぞ私は!!これは男くんが勝手に!!」

男「え!?」

オタク「ふ~ん…そう」

オタク父「そうなんだよ男くんも困った人だなHAHAHA」

男「ちょっと!?」

オタク「私ね、嘘つきって嫌いなんだ~」

オタク父「むむむ娘よ!!何が言いたい?」

オタク「お父様なんて大っ嫌い!!!」

オタク父「ガーーーーーーーン」
「反抗期だあぁぁあぁぁぁぁ!!!!」escape




男「…いいのか?あれ」

オタク「大丈夫いつものことだから」

オタク「それよりも…」

男「な、なんだ?」

オタク「何も見てないよね?」

男「はい、何も見てません」

オタク「もし見てたとしても?」

男「誰にも言わないです」

オタク「よろしい」

男「…あ、そうだ」

オタク「ん?」

男「俺今日どこで寝ればいいの?」

オタク「え?私の部屋だけど」

男「へ?客間じゃなくて?」

オタク「問題ある?」

男「いやありすぎるというか」

オタク「なにを心配してるかわかんないけど大丈夫よ、たぶん」

男「…不安だ」




男「……」

で一緒に寝ることにはなったんだけど

オタク「zzz…」

なんだこの状況

俺はオタクの抱き枕状態です

床で寝るって言ったんだけどオタクが
「このベッド広いし問題ないわよ」
っていって無理やり引きずりこまれた

こいつ狙ってんのか天然なのか…

でもあの部屋を見る限り…

オタク「わすれろぉ~…zzz」グググ
男「あががががが首しまってるって」

どうやら寝ててもあれは禁句なんだな





とにかく今日は眠れそうもない

今日はここまで
今日はわりと進みました


続きはまた次回

再開します

――――――――――

あ~…

頭がぼーっとする

結局眠れなかった…

こりゃ拷問だな

んでもって当の本人は
「おろかなり…zzz」
ほんとに寝言なのか疑わしいくらいしゃべってます

これ襲ってくれって言ってるようなものだろ…

コンコン

執事「執事でございます。お嬢様、男様、起床のお時間でございます」

男「……」

この状況、まずいんじゃないの?

執事「どうやら返事が無いようですね。ではここはこの執事、心を鬼にして」

男「おい!オタク!朝だ起きあががが」ギュウウウウ
「ちょ!!く…首が…」

執事「許可はとってまいりました。では失礼し…」

男「……」

オタク「zzz」ギュウウ

執事「………ふむ」

男「し、執事さん…」

執事「ほうほう」ゴゴゴゴゴ

ちょ!!なんかへんなオーラ出てますってば!

男「おい!オタク!お前も説明してくれ!」

オタク「んふふ~…おとこのへんたい~…zzz」

執事「ほほう…」ゴゴゴゴ

男「………」ダラダラ

あ、終わった…

さよなら俺の人生

できればもう一度母さんのごはん食べたかったよ…

















オタク「本当にごめん!!」

男「…いいんだ…疑いが晴れただけ」

執事「しかしあれはどう見ても事「言わせねえよ!!」」
「はい申し訳ございませんお嬢様」

オタク「まあ男はそういうことしないって信じてたし…」

男「いや買い被りし過ぎだろ」

オタク「でも悪い言い方するとヘタレ」

男「ぐっ…」

オタク「でももし男に襲われてたら…」

執事「その時は覚悟してもらいましょう…男様に」

男「俺が何をしたっていうんだ…」

執事「お嬢様、朝食の時間です」

オタク「あ、もうそんな時間?了解」

執事「男様もどうぞ」

男「え?俺もですか?」

執事「大切な客人だから是非と」

男「じゃあ…ご一緒させていただきます」

ブー、ブー

男「ちょっとすみません…もしもし」

?『あ!!やっと出た!!』

男「え?女さん?」

オタク「……」

執事「お嬢様?」

オタク「いいえなんでも。先に行ってましょ」

執事「かしこまりました」

女『電話に出なかったから心配してたんですよ!!』

男「あ~すまん」

女『…何かあったんですか?』

男「まああったというか…」

女『ええ!?』

男「わけあって友達の家に泊まってるんだ」

女『どんなわけですか!?』

男「ま…まああんな雨だったし帰れなかったじゃん?」

女『…やっぱ傘買う金も無かったんですね?』

男「はは…何のことだい?」

女『…もういいです』

男「まあそんなわけだ」

女『だからどんなわけですか!?』

男「だから友達に会ったんだよ」

女『なんかすっごい偶然ですね』

男「んでこの雨じゃ帰れないって話になって」

女『ふむふむ…』

男「で、うち来る?って話になって」

女『ん?』

男「で、現在にいたる…と」

女『説明が雑すぎます!!』

男「す、すまん」

女『まあいいです。無事でなによりです』

男「心配かけて悪かったな」

女『じゃあ心配ついでに訊きますけど』

男「ん?」

女『その友達って…女性の方ですか?』

男「!?」

男「な、なんでそんなこと訊くん?」

女『質問に質問で返すのはNGですね』

男「はい」

女『で?どうなんですか?』

男「…オトコノコダヨ」

女『本当ですか?』

男「ホントダヨ」

間違ってない、世間一般ではあいつは男性って認識のはずだ

女『ではなんでカタコトなんですか?』

男「そんなことはない!!そんなことはないぞ!!」

女『というかその友達ってだれなんですか?』

男「誰って…」

女『言えないんですか?』

男「だってたぶん知らないと…」

女『わかるかもしれないじゃないですか』

男「…オタクってやつ知ってるか?」

女『…男さんと同じクラスの人ですね』

男「知ってるんか?」

女『女妹ちゃんからそんな名前聞きましたね』

男「そうか」

女『一番嫌いなタイプのはずなのにそこまで嫌悪感を抱けないと』

男「??」

女『私にもよくわからないんですよね』

男「なんかすごい矛盾してるな」

女『ですね』

男「まああいつに本気で嫌われてる俺には関係ないけどな」

女『……』

男「どうした?」

女『いえ、なんでも』

男「って話が脱線したな。そういうわけだから」

女『もうあまり心配かけないでくださいね』

男「そうだな。じゃあまた」

女『はい、また』




男「……なんだったんだ?」

メイド「彼女とのお電話は終わりました?」

男「いやあいつはそんなんじゃ…って…」

メイド「またまた~」

男「いつからいました?」

メイド「ちょっとすいませんのあたりからですかね~」

男「最初からじゃねえか!!」

男「でもなんでここに?」

メイド「やだなぁ~待ってたんですよ」

男「なんでですか?」

メイド「どうせ迷うだろうなって思って」

男「い、意外と親切」

メイド「まあ本音は彼女に問い詰められて慌てふためく状況を見るのが楽しくて逃げそびれただけですけど」

男「うわ性格悪いですね」

メイド「褒め言葉です」

男「……」

メイド「というかたぶんお嬢様たちまってますよ急がなくていいんですか?」

男「あ!!そうだった!!」

メイド「もうこんなところで無駄話してる場合じゃないでしょ~」

男「話振ってきたのはそっちですよね?」

メイド「さあなんのことでしょう」

男「ほんと性格悪いですね」

メイド「褒め言葉です」






オタク「……遅い」

男「いやもうほんと申し訳ございません」

メイド「ばーかばーか」

男「!!?」

メイド「」~♪

オタク「執事」

執事「なんでしょう」

オタク「やっちゃって」

執事「かしこまりました」ガシ

メイド「え?ちょっとなんでしょうか」

執事「少々お話ししたいことがございまして」

メイド「あわわわわわ」

ゴメンナサーーーーーーイ




男「………」

オタク父「まあ気にしないでくれたまえ」

男「でもいいんですか?俺なんかが食事の席に同席してしまって」

オタク父「もちろんだとも!」

オタク「男?昨日何があったの?」

男「ん~?さあ」

オタク「???」

?「あらあら、あなたが男くん?」

男「はい、そうですが」

?「うふふ…」

男「もしかして、オタクさんのお姉さまでしょうか?」

?「あらあらそうなのよ~」

オタク「ちょっとお母様!?」

男「へ?」

オタク母「なによぅ…そんなに早くばらすことないじゃない」

若い、ほんとにお姉さんに見えるくらい

なんか変な薬でも使ってるんじゃないか?


オタク「あ、うちのお母様です」

オタク母「ども~」

男「男です、この度は食事の席に…」

オタク母「そんなに緊張しなくてもいいのよ?もっと楽にね」

男「は、はい」

オタク母「ふ~ん…」

男「あ、あの」

オタク「お母様!!男が余計緊張しちゃってるってば!!」

オタク母「ねえあなた、ちょっと提案があるんだけど」

オタク父「なんだい急に…」

オタク母「男くんに学校内での娘の身辺警護、任せてみない?」

男「!!!???」

オタク「!!!???」

今日はここまでです

たぶん次くらいに一話が終わってその次から二話目にいけそうですね
もう一つのスレも進めないとな…

では続きはまた次回

オタク「ちょっと待って!!なんでそんな話に!?」

オタク母「男くんはもう娘のこと察してるんでしょ?」

男「何を言ってるかわかりかねますが正直今日初めて話した相手を信用するのはどうかと…」

オタク母「あら、私こう見てても人を見る目は確かなのよ」

男「だから早計過ぎますってば」

オタク母「でも男くんの話題は娘からすでにリサーチ済みよ」

オタク「!!」

男「ど、どんな…?」

オタク母「それはもう「わーーーわーーー!!!」」

オタク「今そんな話関係ないでしょ!!」

オタク母「もう、いじわる…」

オタク父「ふむ…いいかもしれんな」

男「!!?」

あ、言い忘れてました再開します

―――――――

オタク「ちょっとお父様まで!!!」

オタク父「男くんのことは昨日話して大体わかった!!」

男「だから早計過ぎますってば!!」

オタク父「私を誰だと思ってる?だてに金持ちやっとらんよ」ニヤリ

男「笑顔が怖いです!!」

オタク母「何もボディーガードしろって言ってるわけじゃないのよ?」

男「へ?」

オタク「ほ?」

オタク父「学校の中では娘の正体を知ってるのは生徒では君だけだ」

オタク「まあそうだけど…」

オタク母「これまで何とかばれずに乗り切ってきたわけだけどこれからはそうはいかないかもしれない」

男「つまり…これから何かと不便なことがあるかもしれないからフォローにまわってくれと」

オタク父「そういうことになるね」

オタク母「もちろんボディーガードもしてほしいところだけどそれは贅沢すぎるもの」
「味方が一人いるだけでもとても心強いと思うのよ」

男「でも…だからといって一人の男性に任せるのもどうかと…」

オタク父「だからこそだよ!!男くんは誠実そうだし」

オタク母「そうね!とても誠実よ!それは証明済みよ!」

オタク「証明ってどうやって!?」

オタク母「あら、ここで言ってしまっていいのかしら?」ウフフ

男「………」

あれを見られたってのか?どうやって?そんな気配なかったぞ

オタク「なに?なんなの!?」

オタク母「うふふ…内緒よ」

オタク「……」ジトー

男「お…俺は何も知らん」

オタク父「なにも難しいことをやれと言ってるわけじゃない」

オタク母「ただ娘が平和に学園生活をおくれるよう協力してほしい…それだけなの」

オタク「お父様…お母様」

男「……わかりました」

オタク「男!?」

男「ただし、自分のような一般人にできることなど限られてます」
「自分にできることなんて何もないかもしれません」

オタク「……」

男「そんな役立たずの自分なんかでよろしければ協力させていただきます」

オタク父「……」

男「あともう一つ」

オタク「?」

男「四六時中一緒にいてフォローにまわることは難しいです」

オタク父「それはわかっているとも」

オタク母「いままでどおりでいいの。ただ危なかったら助けてくれるだけで」

男「…わかりました」

オタク「ねえ…」

男「ん?」

オタク父「なんだ?」

オタク「私を置いてきぼりにして話進めないでくれる?」

男「…すまん」

オタク母「ごめんね。でも自分でも限界感じることとかあるでしょ?」

オタク「それは、まあ」

オタク母「そんな時に助けてくれる人がいる、それだけでだいぶ心強いと思わない?」

オタク「…そうだけど」

オタク母「じゃあこう考えればいいのよ」

オタク「?」

オタク母「男くんとはいわば共犯者」

男「」ゾク

オタク母「もしばらしたらあなたと私、両方地獄行きよってね」

オタク「それは…そうね」

男「え!?」

オタク母「というわけで娘の了解も得たことだしよろしくお願いね!!」

オタク父「頑張ってくれたまえ!!」

男「…はい」

オタク「男!頼りにしてるから!」

男「…ああ」





俺はもしかしたらとんでもないことを引き受けてしまったのではないだろうか?






オタク「じゃあ男!行きましょ」

男「バス停のあるとこまで送ってくれれば大丈夫だからな」

オタク「何言ってるの?家まで送ってくに決まってるでしょ!」

執事「すでに車の準備はできております」

男「…はい」

オタク母「男くん、いつでも遊びに来て頂戴ね」

オタク父「困ったことがあったらなんでも言ってくれたまえ」

男「何から何までありがとうございます」

オタク父「はっはっは遠慮するな!今日から共犯者なんだからな!」

男「ははは……では」






オタク父「元気でなーーー!!」

オタク母「元気でね―――!!」


男「元気だな…」

―自宅前―

男「ふう…やっと帰ってきた」

オタク「ここが男氏の家でござるかwww」

男「……徹底してんなお前」

オタク「何のこと言ってるかわからないでござるwww」

男「…俺のフォローなんて必要なさそうで安心したよ」

オタク「デュフフwwwさっきからどうしたでござるかwww」

男「…まあいいや」

ガチャ

男「ただいま」

姉「……」ニオウダチ

男「ごめんなさい間違えました」

姉「待てい」

姉「まず言いたいことあるんじゃないの?」

男「ごめんなさい」

姉「で?だいたい事情は聞いてるけど」

男「こいつの家に泊まってました」

オタク「どもども某オタクと申す」

姉「は…はあ…」

オタク「そちらは男氏のお姉さまでござりまするか?」

男「そうだけど」

姉「ど、どうも姉です」

オタク「美人でござるwww」

姉「…男」

男「なんでしょうか」

姉「…友達くらい選びなさいよ」ボソ

男「俺にもいろいろ事情があるんだよ」ボソ

男「とりあえず送ってくれてありがとな」

オタク「これくらい問題無いでござる!!」

姉「男が世話になりました」

オタク「デュフwwお姉さまに労われたでござるwww」

姉「……」

男「じゃ、じゃあまた学校で」

オタク「また会いまみえることを楽しみにしてるでござる!!」







姉「…てかその怪我どうしたの?」

男「まあ…階段から落ちてな」

姉「……もっと自分は大切にしなさい」

男「おっしゃる通りです。とりあえず部屋で休んでます」

姉「おうそうしとけそうしとけ」



クンクン


姉「……なんか女臭いんだけど…」ボソ

―翌日、教室―


男「ういーっす」

オタク「おはようなぎでござる」

友「うっすってどうした?その怪我」

男「まあ階段から落ちてな」

友「ばっかで」

オタク「華麗にスルーwww」

ガララ

女妹「……」スタスタ

男「?」

女妹「…オハヨウ…コレ」つ傘

男「ああ、ありがとう」

女妹「勘違いしないで、おね…姉さんに頼まれただけだから」

男「あ、そう」

友「……なんかあったの?」

オタク「なんかいい雰囲気だったでござる」

男「いや一昨日ちょっとな…」

友「まあ会話が成立しただけ大きな進歩…だよな」

オタク「我らが男子にも希望が見えてきた…気がするでござる」

男「んな大げさな…」




ガララ

生徒1「!?」

生徒2「ま…まさか…」

生徒3「不良!?」


不良「……チッ」



男「なあ」

友「どうした?」

男「あいつ誰だっけ?」

友「それはわざと言ってるのか?」


――― to be continued―――

第一話終了です
ここまでの登場人物

・男:一応主人公、Мの兆候有、オタクの共犯者となる

・友:イケメン、今回やや空気

・オタク:実はお嬢様でござる

・姉:キャラ定まらない、臭いに敏感

・妹:楽しみがあると早起きできる

・女:めんどくさいって言ったやつ表でろ

・女妹:男性嫌い

・先輩:ちっこい、スイーツ山盛り

・無口:保健室に生息、今回出番なし

・眼鏡:ボクっ子、今回出番なし

・後輩:拳王

・幼馴染:妹に懐かれてる

・担任:ほんと出番ください

・医者:ダンディ、今回出番なし

・先輩弟:背が高い

・オタク父:娘に嫌いと言われると落ち込むがすぐ立ち直る

・オタク母:あらあらうふふ

・執事:爺さん

・メイド:ばーかばーか

・DQNたち:次から出番あるか不明

・不良:???

・その他モブ一同

現在オタクの名前をお嬢にしようか模索中

サンプル
お嬢「デュフフwwwwござるござるwwww」

お嬢「男氏~空から親方が~」

お嬢「男!しっかりフォローしてよね!!」


う~んどうしよう…

というわけで次回から第二話[お…泳げないんです]になります

支援
お嬢のほうがいいと思うぞ

しばらくぶりです>>1です

>>221
たしかにオタクって名前だと違和感ありありですね

ちょっと見にくいかもしれませんが次からオタク→お嬢で統一したいと思います

では再開します

episode1【お…泳げないんです】




学校中は不良の話題で持ち切りだった

なんでも他校の生徒と問題を起こして謹慎中だったとか

ありきたりである

でもそれ以前にあんまり登校してないみたいだし面識がない

ほんとに誰?って感じだった






ー昼休み、屋上ー




男「……」

不良「……」

男「…おっす」

不良「…チッ」スタスタ

ガチャ…バタン


男「…なんだあいつ」

男「ああいうのは関わらないほうがいいな」

?「ああいうのとはどんなのだい?」

男「ん?そうだな……っておい」

幼馴染「ん?」

男「お前がどうしてここにいる?」

幼馴染「ここは公共の場だ。私がいてはならない理由にならないはずだが」

男「まあそうなんだが…ってそういうことではなくて」

幼馴染「昼食」

男「え?」

幼馴染「たまには屋上というのもいいと思ってね」

男「……」

幼馴染「ん?男が訊きたいのはこういうことじゃないのかい?」

男「いやあってるよ」

幼馴染「男はわかりやすいね」

男「うるせえ」

幼馴染「で…さっきのは不良に対してかな?」

男「なんでわかるんだよ…」

幼馴染「それはここに来るときにすれ違ったからね」

男「あっそ」

幼馴染「男もそんなにすぐ認めなきゃいいんだと思うけどね」

男「俺は根っからの素直体質なんだよ」

幼馴染「またまたご冗談を」

男「いちいちうるさいやつだ」スタスタ

幼馴染「ではうるさいついでに一つ」

男「なんだよ?」

幼馴染「明後日からのプール、楽しみだね」

男「……」ガチャ

バタン



幼馴染「……ふふ」


男「……」

なんてこったい…

やべえ…忘れてた

もう授業プールの時期じゃん

何がやべえって?

お…泳げないんです

そのせいで去年は恥かいたぜ

男「でもあと一日二日でどうこうできる問題じゃないよな」

?「なにがどうこうできる問題じゃねえんだ?」

男「うお!って友か」

友「ちょうどいいところに」

男「ん?」

友「あれなんとかしてくれ」

男「あれ?」




後輩「友よ待たぬかああああああ!!」ダダダ



男「……」

友「なんなんだあいついきなり追ってきてんだよ!!」

男「…友」

友「ん?」

男「骨は拾ってやる」

友「はあ!?」

後輩「友よおおおおおおおおお!!」

友「おい男てめえふざけんな後で覚えてろ!!」ダッシュ

後輩「まああたあああぬうううかあああああああ!!」


ギャアアアアア



男「友も大変なんだな」

眼鏡「そうですね」

男「……」

男「おい」

眼鏡「なんですか?」

男「なにナチュラルに出現してんだ?」

眼鏡「え?だってここ学校ですし」

男「それ説明になってない」

眼鏡「じゃあどう説明すればいいんですか?」

男「まずなんでお前がこの学校にいるかだ」

眼鏡「ははは~やだな~」

男「なんだその反応」

眼鏡「この学校の生徒だからに決まってるじゃないですか」

男「いやそんなこと一度も聞いてない」

眼鏡「だって訊かれなかったんですもん」

男「じゃあどうして俺がこの学校にいることを?」

眼鏡「それはスt……ゲフンゲフンたまたま見つけただけですよ」

男「おいいまなんかすげえ不吉なことが聞こえた気がしたんだが」

眼鏡「気のせいですよ!」

男「絶対気のせいじゃないよな!?」

眼鏡「細かいことイチイチ気にしてたら禿げますよ」

男「お前病院で会ったときとだいぶ性格違うんだが」

眼鏡「そんなの最初はいい子ちゃんぶるに決まってんじゃないですか」

男「な!?」

眼鏡「大体世の中心まで綺麗な女の子なんてのは幻想です!」

男「今そういう話をしてるんじゃないと思うんだが」

眼鏡「あ、そうですか。まどうでもいいですけど」

男「……」

眼鏡「元気出してくださいよ~。まるでボクが悪いみたいじゃないですか~」

男「…ハア」

キーンコーンカーンコーン

眼鏡「あ、予鈴。じゃボクはこれで」

男「はいはい」




眼鏡「……」



カチャ…



眼鏡「素の姿を見せることがどういうことか……わかってないんだろうな~」









眼鏡「ま、そのうち嫌でも気づきますけどね」フフ…

ー放課後、廊下ー

お嬢「そういえば男氏昼休みどこにいたでござるか?」

男「ああ、屋上だな」

お嬢「……」キョロキョロ
「ちょっとこいでござる!」

男「え!?」




ー空き教室ー

男「え?なに?なんでこんなとこ?」

お嬢「男…」

男「お?」

お嬢「私のことほっといて屋上?」

男「そうだけど」

お嬢「……」

男「なにか問題でも?」

お嬢「大有りじゃボケ!!」

男「!!」

お嬢「まず私の両親に何を頼まれた?」

男「ん?お嬢のフォロー」

お嬢「具体的には?」

男「正体がばれないようにする」

お嬢「そのためには?」

男「できるだけ俺はお嬢が見える位置が得策?」

お嬢「Good!では質問」

男「なんでしょうか」

お嬢「あなたは昼休み私が見える位置にいましたか?」

男「……すんまそん」

お嬢「別に謝れって言ってるわけじゃないの。ただどうだったか訊いてるの」

男「…もう完全に忘れてました」

お嬢「…最低だなあんた」

男「お嬢、口調が…」

お嬢「まあまずずっと一緒というのもおかしい」

男「はい」

お嬢「普段通りにふるまって少し気に掛けるだけでいい」

男「はい」

お嬢「でもさ、忘れるってどういうことよ」

男「ごもっともで」

お嬢「ていうかどっか行くならメールで報告なりできるよね?」

男「いや忘れてたらできないかと…」

お嬢「いや屁理屈とかいいから」

男「いや正論だよね!?」

お嬢「だまらっしゃい!!」

男「……」

お嬢「まあ今回は何事もなかったし許す」

男「……」

お嬢「でもこれから何か起こるかもしれない」

男「……」

お嬢「こっちとしては不安なわけですよ」

男「……」

お嬢「というわけで今度から離れるときは報告して」

男「……」

お嬢「返事は?」

男「……」

お嬢「あ、しゃべっていいよ」

男「はい」

ー帰路ー


お嬢「じゃあね、男」

執事「お疲れ様でございます、男さま」

男「いえいえ執事さんこそ」

執事「私の仕事はお嬢様のお出迎えだけですので」

男「はあ」












男「てかわりと理不尽な説教だったよな」

今日はここまで

続きはまた次回

再開します

――――――――


ー2日後ー

さて、学校ではそろそろ期末試験シーズン

みんな迫る試験に焦りながら勉強に励むことだろう

俺はそんな今更焦ってもって感じなんでもうどうにでもなれと思う

まあまだ二週間以上あるんだし

って何か忘れてるような気がするけど

まあ気にならないから大した問題ではないだろう

友「オラ男」ゲシ

男「…痛いではないか」

友「二日連続で見捨てた罰だ」

男「見捨てたなど心外な」

友「うっせ後輩にいろんな意味で殺されかけたわ」

男「はっはっはモテる男は辛いなあ」

友「……いっぺん死んでみるか?お?」

友「あ、そういえば」

男「ん?」

友「お前今日のプール…大丈夫か?」

男「え?プール?」

友「いやお前用意してんじゃんしらばっくれんな」

男「おっとなんで俺の荷物に水泳グッズが」

友「わざとらしいからやめろ」

男「へいへい」

友「でもほんとに大丈夫か?お前…」

男「まあ何とかなるだろう」

友「…死なないこと祈ってるわ」

女生徒「友くーん!!一緒にいこ!!」

友「おう!別に構わねえぞ!なあ男」

女生徒「え?男くん?」

友「あれ?いない…」

女生徒「男くん…さっきまでいたの?」

友「ああ。てか今の今までいたぞ」

女生徒「そっか…」

友「……」

男「……あれ?」

なんで逃げてんの?俺

明らかキモイ奴やん

男「さて今更出ても気まずいし別の道から」

無口「……」

男「……」

無口「……」

男「…どうも」

無口「……」コク

男「無口さん…でしたっけ?」

無口「……」コク

男「…じゃあ俺あっちから行くんで」

無口「……」コク




男「……」スタスタ

無口「……」スタスタ

男「……」

無口「……」

男「…あの」

無口「?」

男「もしかしてついてきてる?」

無口「……」コク

男「え?なんで?」

無口「学校…一緒」

男「まあそうだな」

無口「もしかして…迷惑?」

男「いやそんなことはないぞ!」

無口「なら…一緒に行っても…問題ない」

男「あ、ああそうだな」

男「……」

無口「……」

男「……」

無口「……」

男「……」

無口「……」

男「……」

無口「……」







き…気まずい…




ー学校ー


男「じ、じゃあ俺あっちだから」

無口「……」コク

男「じゃあまたな」

無口「お…男」

男「ん?」

無口「…楽しかった」

男「……へ?」

無口「だから…また…なんでもない」

男「また偶然出くわすこともあるよな」

無口「!」

男「そんときはまた一緒に行こうぜ!」

無口「…うん」ニコ

男「!!」

無口「……」タタタ

男「……」

ロボットみたいな奴とか思ってたちょっと前の俺ざまあ

女「あれ?男さん!おはようございます!」

男「ん?ああおはよう」

女「どうしたんですかそんなボーっとして」

男「いやロボットがな、笑ったときの博士の気持ちってこんな感じかな?って」

女「何わけわかんないこといってるんですか?ほんと今日の男さん変ですよ?」

男「いやなんでもない。なんでもないんだ」

女「……」

幼馴染「まあこういう時はほっとくのが無難だろうね」

女「そうなんですかね…って幼馴染さん!?」

幼馴染「そうだよ私が幼馴染だ」

女「突然出てきたんでビックリしました」

幼馴染「実は女が男に声をかけたときすでにいたんだけどね」

女「な!なんと!」

幼馴染「それよりも男」

男「ん?」

幼馴染「対策は見つかったかい」ニヤニヤ

男「…しらん」イラ

女「対策ってなんですか?」

幼馴染「ふふ……なんでもないよ」

女「?」

幼馴染「じゃあ私はこれで失礼するよ」スタスタ

男「……」

女「お、男さん?対策って?」

男「……」スタスタ

女「あれ?え?男さん?男さんってばぁ」









ー教室ー

友「よう男」

男「おう」

お嬢「今日もいい天気でござる!」

友「ちょっと話したいことがあるんだが」

男「俺にか」

友「ちょっとで済むから」

男「まあいいけど」









お嬢「スルー安定ワロタwwwワロタ…」

ブー、ブー

お嬢「ん?メール?」




友「なんで急にいなくなった?」

男「ん?ちょっとお花を摘みに…」

友「真面目に答えろ」

男「……」

友「まさか気を遣ったとかそんなくだらない理由じゃねえよな?」

男「気を遣うにしてもお前には遣わん」

友「じゃあなんでだ?」

男「遣ったとしたらあの女生徒にだ」

友「はあ?」

男「何か問題でも?」

友「お前それマジで言ってんの?」

男「ああ大マジだ」

友「…お前はそういうことしない奴だと思ったんだがな」

男「は?」

友「誰が気を遣えって言ったよ」

男「いやだからお前ではなくてだな」

友「あの子がお前のこと邪魔とか言ったか?」

男「言ってないが」

友「気を遣ってほしいなんて言ってたか?」

男「…言ってないな」

友「じゃあなんでだよ」

男「あの子友のこと好きっぽいんでつい…」

友「ふざけんな!!」

男「!!」

友「第一そいつのために友達に気を遣わせる関係なんてこっちから願い下げだ」

男「……」

友「…お前は他と違う…そう思ってたんだけどな」

男「……」

友「俺の思い違いだったみたいだわ」

男「……」

友「お前も他と同じ顔色窺うような奴だったんだな」




友「じゃあな」

男「……」



バタン





男「…何が悪い」




男「他人の顔色窺って……気遣って」




男「それの何がいけない…」





男「…誰も困らなければそれでいいだろ」


今日はここまでです

続きはまた次回

ー教室ー

男「……」

お嬢「あ、男氏お帰りでござる」

男「…おう」

お嬢「友氏の様子が変なのでござるが何か知ってるでござるか?」

男「別に…」

お嬢「……?」





女妹「…ふ~ん」

あ、再開します

――――――
ープールー

男「ついにこの時が来てしまった…」

お嬢「元気がないでござるな」

男「そういうお前はちゃっかり見学か」

お嬢「某事情があります故」キリ

男「その事情とやらが羨ましいぜ」

お嬢「男氏…もしかして…」

男「そ、そんなことないぞ!別に泳げないとか」

お嬢「まだ何も言ってないでござる」

男「は…はめやがった」

お嬢「勝手に自爆しただけでござるよ」

男「ちくしょう…」




友「……」

男「俺は昔のままじゃないもんね!」

お嬢「その昔とやらは知らんでござる」

男「もう克服してるもんね!泳げるもんね!」

お嬢「妄想乙」

男「ちくしょう見てろ!!」

お嬢「あ!こんなところで走ると危ないでござる!」

男「うわっとっとと……え?」

ザッパーン!

お嬢「あ~あ言わんこっちゃない」


男生徒「おいおい男のやつはしゃぎすぎだろwww」

男生徒2「そんなに楽しみだったのかよwww」

男生徒3「今日は男子だけなのによくはしゃげるなwww」

男生徒4「まあ男って馬鹿だからなwww」








男生徒「…なかなか浮いてこないな」

男生徒2「潜水でもしてんじゃね?」

男生徒3「すげえ息続くなwww」

男生徒4「あ、浮いてきた」





男生徒「……なんか様子おかしくね?」

男生徒2「てかやばくね?」

男生徒3「おい!!男!!大丈夫か!?」

男生徒4「先生!!男が!!」



友「……ちっ」








教師「…息はしてるが意識は朦朧としているな」

男生徒「あの状況でまだ息してるってどんだけ奇跡だよ」

教師「保健室に連れていく!というわけで今日の授業は中断だ」

生徒‘s「はい!」







お嬢「友氏…」

友「…なんだ?」

お嬢「ありがとうでござる」

友「…なんでお前がお礼いってんだよ」

お嬢「男氏の友達として…ではだめでござるか?」

友「んなもん俺だってあいつの友達だ」

お嬢「友氏…」

お嬢「…一つ聞きたいことがあるでござる」

友「…言ってみろ」

お嬢「男氏と何かあったでござるか?」

友「どうした?男になんか言われたか?」

お嬢「真面目に答えるでござる!」

友「……」

お嬢「某、そこまで信用ならないでござるか?」

友「そんなわけねえだろ」

お嬢「二人がこんなことになってるの初めて見るでござる」

友「……」

お嬢「正直ギスギスしすぎて見てられないでござるよ」

友「…やっぱそう見えちゃうか」

お嬢「某、頼りないかもしれないでござるが」

友「いや、話すよ」









ん?この感覚…

またわけのわからない夢?

いや、少し違う…

ここは…学校だ


あれは…俺?

…一人だ

てかあれほんとに俺か?

めっちゃ顔怖いんだが






ああわかった

確かにあれは俺だ

一年前の


教室でもそうだ

誰が話しかけても曖昧な返事しかしない

そうすれば人は離れてく…自然と

いわゆるボッチって奴か

陰口たたいてるやつもいる

そりゃそうだわざと人に嫌われようとしてるとしか思えないような奴だもんな

こうやって一人のまま学園生活を送ってく

この時の俺はそう思ってたな




「よっす!冴えない顔してんな!」


あいつに出会うまでは




「てかなんでそんなしょぼくれてんの?」

「…しるか」

「なあなあ元気だせよ幸せが逃げてくぞ~」

「うざい消えろ」

「うわ!傷つくわーすげー傷つくわー」

「じゃあ傷つかんうちにどっかいけ」

「へいへいそうしますよー」



最初のあいつは今では考えられないようなやつだったな





「男!お前も一緒に食おうぜ!」

「……は?」

「たまには大勢ってのもいいもんだぜ!」

「……一人でいい」

「そんなこと言わずにさ!周りもたまには男と話してみたいってやつもいるしさ!」

「お前が勝手に言わせてるだけだろ」

「そう思うならなおさら確かめてみたいと思わんかね?」

「思わん」

「そっか!まあ一緒がよかったら遠慮なくいってくれよ!」

「そんなのは一生ないから安心しろ」



いくら避けようとしても引き下がらなかったな




しつこいと思いつつ俺も興味を持ち始めた

なんでそんなに俺に構うのか

なにが目的だとか


「男!ゲーセン寄ろうぜ!」

「お前が全部金出してくれるならな」

「ちょ!!マジ勘弁!!」

「じゃあ行かん」

「無理矢理でも連れていく」

「え?おい!!3人がかりは卑怯だ!!」

「観念しな男!!」


ただ目的とかそんなのは無かったな

ただ純粋に俺で遊びたかったらしい

いちいちムカつくやつだ





そんなこんなで俺はいつの間にかクラスに馴染んでいた

話しかけてくるやつも増えた

以前は素っ気なかった俺もすっかり丸くなってた


「お前ってさ…」

「ん?」

「友達ってどういうもんだと思う?」

「はあ?」

「まあいいから答えて見てくれよ」

「言ってることがわからん。まずそんなものに答えなんてあるはずないだろ」

「ははは…そうだよな」

「お前は何を言ってるんだ?」

「さあ…」

「でもさ」

「?」

「人の顔色窺ってそんでそれに合わせて」

「どうした?」

「んで気ぃ遣ってそんでどんどん疲れて…」

「聞いてるか?」

「それって友達って言えんのかなって思ってさ」

「…一応友達なんじゃないか?ただ安心できる存在ではないけど」

「やっぱ友達ってのはこうぶつかりあってさ!」

「うん?」

「いかにも青春!って感じのさ!」

「ははは何言ってんだお前」





…なんでこんな大事なこと忘れてたんだろうな







男「……」

?「あ、起きた?」

男「…ここは?」

保健教師「見ての通り保健室よ」

男「あ~もしかして」

保健教師「そ、溺れたってわけ」

男「…ハア」

保健教師「なによため息なんかついちゃって」

男「いや、かっこ悪いな俺って思って」

保健教師「そうねかっこ悪い」

男「はい」

保健教師「で?かっこ悪いからどうしたの?」

男「?」

保健教師「アタシからしたらむしろかっこ悪いことの何がいけないの?って感じだわ」

男「……」

保健教師「男の子は馬鹿なほうが好感持てるのよ。覚えておきなさい」

男「はあ」

保健教師「なに?アタシがアラフォーでまだ独身だから馬鹿にしてんの?」

男「いやそんなこと言ってないです」

保健教師「ばーか。冗談よ」

男「は、はあ」

保健教師「というかもう起きたならさっさと出てった出てった!もう下校時刻過ぎてんのよ」

男「あ、はいわかりました」

保健教師「もう二度と来るんじゃないわよ~」

男「約束はできません」

保健教師「冗談よ。何本気にしてんの?」

男「…はい」





ー教室ー

男「ん?」

お嬢「よ!寝坊助」

男「こんな時間まで何やってたんだ?」

お嬢「まあ駄弁ってたってやつ?」

女妹「そういうこと」

男「なんで女妹さんまで」

女妹「なに?私がいたら迷惑ってわけ?」

女「もうなんで女妹ちゃんすぐ起こるの?」

男「女さんまで…」

お嬢「驚いた?」

男「そりゃ驚くって……お前」

お嬢(大丈夫、まだばれてないから)ボソ

男(でもあきらか口調違うと不自然じゃないか?)ボソ

お嬢(ただござる口調に飽きたってことになってるだけだから安心して)ボソ


女「何こそこそしてるんですか?」

女妹「気持ち悪い」

男「いやなんでもない」

女「……」

男「それで結局こんな時間まで何やってんの?」

女「男さんを待ってたんです」

男「俺?」

女妹「あ、私待ってないからただ姉さんの付き添いだから」

男「はいはい」

お嬢「男を待ってたのは他でもない」

女「友さんという方と喧嘩してますね?」

お嬢「ちょ!言うの早い…」

女「え?ごめんなさい」

女妹「グダグダね」

男「べべ別に喧嘩してねえし!」

女妹「うわあからさまね」

お嬢「もうこれ認めちゃってるようなもんだよね」

女「男さん、嘘つくの下手すぎますよ」

男「…うるせいやい」

お嬢「もうすでに友から裏はとってるんで」

女「まず言い逃れはできませんよね」

女妹「この馬鹿でクズ虫でこの世の害悪のような糞野郎が言い逃れできると思わないけど」

男「なんか一人だけ毒はいってるなあ」

女妹「気のせいじゃない?クズ」

男「……」

女「でですね、原因を調べたんですけど…」

お嬢「とりあえず歯くいしばれ」

男「え?なんで!?」

女妹「いいから早くしろや糞野郎」

男「なにこれいじめ!?」

女「まあ観念してください」

男「は!?マジで!?」

お嬢「よし!いくぞ!!」

男「待った!!ちょっと待った!!」




お嬢「オラアァァァァ!!!!」

バキ

男「ヘブシ!!!」


まさかのグーパン


いたいです…




女妹「死ねえぇぇぇぇぇ!!!」


パシン

男「あべし!!」


何このついでにパターン


まさか女さんも?

女「……」ニコニコ

なんで笑ってるんすか?

男「てかなんで殴られなあかんの!?」

女「まあ…」

お嬢「なんというか…友の代わり?」

女妹「あ、私違うからなんかムカついたから殴っただけだから」

男「……」

お嬢「というかね?なんで友が怒ったかわかってる?」

男「…おう」

お嬢「ほらさりげなく某とも長い付き合いでしょ?」

男「某やめないんだ」

お嬢「今そんなことどうでもいいんだよ!!」

男「はい」

お嬢「でさ…今更だと思うんだよね」

男「……」

お嬢「なんでいきなりそんな友が嫌がることしちゃったの?」

男「それは…女の子のほうが友のこと好きそうだったんでつい…」

お嬢「あ~なるほど」

お嬢「うんじゃあ一つ言わせてもらおうか」

男「おう」

お嬢「ばーかばーか!!」

女妹「しーねクーズ!!」

女「女妹ちゃん?そろそろいい加減にしようか?」

女妹「ごめんなさい」

お嬢「まずその子は男と友が仲いいこと知ってるとする」

男「おう」

お嬢「そしたらまず友達を捨ててまで付き合いたいとは思わないんじゃないかな?」

男「まあ…そういうやつじゃなきゃ友は願い下げって言うだろうしな」

お嬢「じゃああとはもう大丈夫だな?」

男「ああ」

女「友さんとの初めての喧嘩で戸惑ってたみたいですけどもう大丈夫そうですね!」

女妹「このヘタレ糞虫が」

女「……」ギロ

女妹「はい」

お嬢「じゃあ行ってこい!!」

男「おう!」






















男「あれ?どこにいるんだ?とりあえずメールしてみるか」


女「じゃあ私たちも帰りましょうか」

女妹「そうね」

お嬢(こういう口調物凄く疲れる)

女「…お嬢さん?」

女妹「あれじゃないの?オタクってよく妄想に浸るじゃない?」

お嬢(確かにござるは飽きた…次は…)

女「お嬢さん!!」

お嬢「は!!了解であります!!」

女「あ…あります?」

女妹「……」

お嬢(これは……いい!!)

女「?」



女妹(ほんと男子って何考えてるかわかったもんじゃない……でも)

お嬢「では帰るでありますよ!!」

女妹(こいつは他の男子と何か違うような気がするのよね…)

今日はここまで

続きはまた次回

再開します

――――――

男「…ハア」

やっぱメールもシカトとな

こんなことならお嬢に場所訊いとくべきだったな

なんか今更訊いてもって感じだし

男「地道に探すか…」

あいつがいそうな場所…

でももう家に帰ってるかもな

…なんか引っかかる

あんな夢見たからだろうか…

……夢?

男「まさか…」

一つだけ心当たりが…

試しに行ってみるか

ー河川敷ー

男「ついつい来ちまった…」

俺も馬鹿だな

そんなそうそういるわけ

友「……」

いるし…

男「……」

なんて話しかけるべきなんだ?

誰かヘタレの俺に教えてくれ

男「……お…」

友「覚えてたんだな」

男「…へ?」

友「なんとなく来ると思ってた」

男「…そうか」

友「で?なんか用あってきたんだろ?」

男「ま…まあ」

友「……」

男「なんだ…その…ごめん」

友「……」

男「俺自身…なんであんな行動とったかわかってなかったみたいでさ」

友「……」

男「でもそれがなんだったのか俺考えてみた」

友「……」

男「たぶんさ…怖かったんだと思う」

友「怖かった?」

男「友達の関係なんてそのうちなくなるもんだと」

友「……」

男「たとえばお前に彼女がいるとする」

友「……それで?」

男「そしたらさ…自然に疎遠になってさ…」

友「わけわかんねえ」

男「お前がそのうち友達のこと忘れて」

友「は?」

男「俺にとってただ少ない親友が離れていくのが怖くなって」

友「……」

男「それなら今のうちに慣れて覚悟決めてしまおう…そう思った」

友「…おい」

男「……」

友「やっぱお前ムカつくわ」

男「……」

友「俺がそんな薄情な奴に思われてたわけだ」

男「……」

友「もう我慢ならねえ」

男「……」

友「ぶっ殺す」



バキ

男「ぐっ…」

ドカ

友「親友だって思ってたのは俺だけか!?」

ボコ

友「マジでふざけんな!!」

グシャ

友「俺がそんなすぐに離れてくような奴に見えるか!?」

ゴッ

友「何が覚悟決めるだ!?笑わせんな!!」

ドフ

友「てめえはヘタレだ!!クズだ!!」

バコ

友「結局は自分のことしか考えてない!!」

バキャ

友「悔しかったらやり返してみろや!!まあお前にはできねえだろうがな!!」

バキ

友「ただ友達の一人も信用できず殻に閉じこもってるような野郎にはな!!」









男「……うるせぇ」





ドゴォ




友「!?」





男「…さっきから…黙って聞いてりゃ…俺が気にしてることばっか言いやがって…」



友「…ほんとのことだろうが…」



男「…てめえみたいな野郎には…言われたかねえ…」



友「……あ?」



男「結局…上辺だけだろうが…てめえだって」



友「…もっぺん言ってみろや」



男「てめえこそ誰も信用せず怖がってる甘ちゃんのくせになに偉そうに言ってんだ!!」



友「……後悔すんなよ」



男「は?誰がだよ?」



友「この…腐れヘタレやろうが!!」

バキ

男「ぐっ!!…うっせえこのビビり野郎が!!」

ドゴ

友「がはっ!!…いってぇなこの野郎!!」

ゴッ

男「ごほっ!!てめえこそ痛えじゃねえか!!」
























友「ハア…ハア…」


男「ハア…ハア…ゴホ…」


友「や…やるじゃねえか…」


男「ゴホ…てめえこそ…」


友「ハア…痛え…」


男「ハア…ゴホ…マジでここまで殴られるとは」


友「当たり前だ…本気だからな…」


男「…ちくしょう」


友「てめえこそ…本気だったろ…」


男「…当たり前だ…まあ死にたくないからな…」





友「まあ…なんだ…俺も悪かったな」


男「…どうしたいきなり…」


友「ヘタレ呼ばわりして…」


男「ああ…ほんとのことだから気にすんな…」


友「そんなことねえ…お前のパンチ…かなり効いた」


男「お世辞でもうれしいな…」


友「馬鹿野郎…俺がお前相手にお世辞なんて言うわけねえだろ」


男「……」


友「まあ…なんだ…おかげでスッキリした…」


男「…どうやら殴られ損でもないようだ」

友「それを言うなら俺もかなり殴られてんだけど?」


男「ピンピンしてるくせに何言ってやがる」


友「これでもボロボロで今にも倒れそうだ」


男「うるせえやい…」


友「ははは…」







男「なあ…」


友「なんだ?」


男「なんか…青春って感じじゃね?」


友「……お前、もしかして」


男「なんかさ…ぶつかり合って…そんでもってこうして仲直り」


友「……やっぱさ」


男「ん?」







友「お前って他と違う…変な奴だな!」







男「…当たり前だ!馬鹿だからな!」










男「おっとそういえば言い忘れてた」


友「?」


男「今日のプールで助けてくれたのお前だろ?」


友「…さあなんのことやら」


男「ありがとうな」


友「だから俺は知らねえって」


男「じゃあ適当に聞き流してくれや」


友「へいへい」


男「…さて…そろそろ帰るか……!?」


友「どうした?ってまあそうだよな」


男「もう体中痛くて立てん…」


友「安心しろ。俺もだ」


男「……ま!そのうちなんとかなるだろ!」


まあそんなこんなで帰りは結局夜になりました



ー自宅ー

男「た…ただいま~…」

姉「さて、何か遺言は…ってどうした!?その怪我」

男「…階段から落ちた」

姉「嘘乙」

男「な!?なんで見破られた!?」

姉「え?冗談で言ったんだけど」

男「な!?」

姉「つーかこの前も怪我して帰ってきたよね?」

男「はい」

姉「なんで懲りないのかな?」

男「ごめんなさい」

姉「というわけで私が手当てしてあげようではないか!!」

男「いえ遠慮しておきます」

姉「大丈夫大丈夫痛いのは最初から最後までだから」

男「いやそれ全部だよね!?」

姉「よいではないかよいではないか」

男「うわSの顔だ!!この人やだ!!」

姉「いいじゃないのこのどM」

男「は!?なんで!?」

姉「今日だってプールで自分を戒めるためにわざと溺れたんでしょ?」

男「だからなんで!?というかなんで溺れたの知ってんの!?」

姉「当たり前じゃん私も保健室に見に行ったんだし」

男「え?」

姉「一応あんたの姉なんでね…」

男「…姉さん」

姉「というわけでそこで大人しくしてな!!」

男「!?」





アンギャアアアアアア

ー翌日、教室ー

友「…よう」

男「…おう」

友「その様子だとあの後大変だったみたいだな」

男「お前こそ」

友「まあな!」

お嬢「二人とも!おはようであります!」

男・友「おっす」

お嬢「その様子だと仲直りしたでありますな!!」

友「おうこの通りだ」

男「心配かけたな」

お嬢「我が輩なにもしてないでありますよ!」

男「我が輩?」

お嬢「NEWお嬢であります!!」

友「はは…元気だな」


女妹「……」ジー

お嬢「ん?我が輩の顔に何かついてるでありますか?」

女妹「べ…別に」プイ

お嬢「?」

友「……ほほう」

お嬢「友氏どうしたでありますか?」

友「いんやなんでもない」

お嬢「?」

女生徒「友くんと男くんどうしたの!?その怪我」

男・友「階段から落ちた」

男・友「!?」

男生徒「二人そろってか!?」


ガララ

担任「HR始めるぞ~」





担任「さて…一学期最後のイベントとはな~んだ?」

男生徒「なんですか?」

男生徒2「あれじゃね?担任の出番が完全になくなる儀式とか?」

担任「泣いちゃうよ?」

女生徒「で結局なんなんですか?」

女生徒2「早く言わないとモブより出番少なくなる呪いかけますよ?」

女生徒3「というか今の時点で出番少ないような…」

担任「本当に泣くぞ」

男生徒「じゃあ早くいってくださいよ」

担任「期末だよ!!期末試験!!」

全員「!?」


男「まあ…そりゃそうなるよな」

友「」

お嬢「」

女妹「」

担任「一応明日も授業あるけど俺明日出張なんだわ」

男生徒3「マジすか~」

担任「んでもって明後日から休みでついでに月曜日も休みでしょ?」

男生徒4「マジすか~」

担任「で火曜日から2週間前だから今のうちに宣告しておけばいっかな~って」

女生徒4「まじすか~」

担任「じゃあお前等精々苦しめ!!あばよ!!」

全員「最低だあの教師…」

友「」

お嬢「」

女妹「」

男「大丈夫か?お前等」

友「お…男」

男「ん?」

友「俺たち親友だよな?」

男「おう」

友「じゃあ親友の頼み、聞いてくれるか?」

男「なんだまどろっこしい」

友「じゃあ単刀直入にいうわ」

男「ん?」

友「勉強教えて!!」

男「……え~…」

友「おいさっき聞いてくれるって…」

男「…まあ一人くらいならいいか」

友「心の友よ!!」

男「大げさだ」




お嬢「……」ニヤリ



女妹「……」







男「……」ゾワ

友「どうした?」

男「なんかすごい悪寒が」

ー日は飛んで土曜日、自宅ー


とりあえず俺の家でやることになった

なんだかんだで友の家には行ったことあるが家に呼んだのは初めてである

まあ妹とかの勉強も見るしそのついでだと思えば…

そう思ってたんだが…

友「……」

女「……」ニコニコ

女妹「お姉ちゃ…姉さんの付き添いだし」

お嬢「……」ニヤニヤ

幼馴染「久しぶりだね」

眼鏡「ここが男さんの家ですか~」

後輩「ぬん」


男「おいなんだこの大所帯」

しかもなんだこの組み合わせいつの間に知り合った?

友「済まぬ…済まぬ…」


今日はここまで

続きはまた次回




男「で?なんでこんなことになってんだ?」

友「まあ…話せば長くなるんだが…」


~回想、友~

友「今回も何とか乗り切れそうだな」

「他の人に頼んでもよかったかもだがなんかその時だけ利用するってのも悪いし」

「その点男ならお互い拳で語り合った相手でもあるしな」

「でも男の家ってなんだかんだ初めてだよな~俺の家に呼んだことはあるけど」

?「ぬぅん!!!」

ガシ

友「!?」

後輩「ようやく見つけたぞ友よ」

友「な!?なんでてめえが!?」




後輩「ふん!!それは強き相手と会いまみえるためには手段は選ばぬ!!」

友「つまりストーカーしたと」

後輩「いや蝶々と戯れていたら友とめぐり合わせてくれただけだ」

友「バレバレな嘘乙」

後輩「まあそんなことはどうでもよい」

友「じゃあなんだよ?」

後輩「今日こそ勝負だ!!」

友「お断りします」

後輩「なぬ!?この私とのことより大切なことでもあるのか?」

友「男ん家に行く。ちなみに俺にとってお前の優先順位は一番下だ」

後輩「ぬぅ…今のは流石に効いたぞ…」

友「知らん、そんじゃ」

後輩「待てい!!」

後輩「ならば私も男の家に行ってやろうではないか!」

友「頭湧いたか?」

後輩「失礼な!!男は友と実力を並べるもの!その男のいる場所に出向くことの何が悪い!!」

友「さっきからお前は何を言ってるんだ?」

後輩「河川敷の語り合い。拝見させてもらったぞ」

友「!?」

後輩「実に素晴らしき闘いであった」

友「み…見られていただと…?」

後輩「男も水臭いやつだ。自分のことを弱いと言っておきながら」

友「ちょっと待て」

後輩「なんだ?」

友「お前男と知り合いなのか?」

後輩「知り合いも何も友のことを教えてくれたのは男だからな!」

友「!?」


友「マジかよ…」

後輩「どうかしたのか?」

友「いやなんでも」

後輩「というわけで私も行くぞ!」

友「だからなんでだよ!?」

眼鏡「まあ後輩ちゃんは一度決めたことはそれなりの理由がないと止められないですからね」

友「…どっから出てきた…というか誰だ?」

眼鏡「男さんの未来の恋人。眼鏡です!」

友「あ~男の知り合いか~…で未来の恋人ってなんなんだ~?」

眼鏡「そのままの意味ですよ。今は違くてもいずれは男さんと二人でですね」

友「あ~妄想とかいいから」

眼鏡「妄想ではないです理想です!」

友「わりとどうでもいい」

眼鏡「わりと毒舌ですね」

友「うんありがとう。でそれなりの理由があればあきらめてくれるんだっけ?」

眼鏡「そうですね。後輩ちゃんはそういう人ですよ」

友「よしわかった。後輩」

後輩「帰れというならまずこの私を倒してからにしてもらおうか」

友「俺さ、勉強しに行くんだわ。つまり遊びじゃねえんだわ」

後輩「ぬう?そうなのか?」

友「だから邪魔されたくねえんだ。というわけであきらめてくれや」

後輩「…そういうことならば」

眼鏡「後輩ちゃん後輩ちゃん」

後輩「ん?」

眼鏡「耳貸して…ゴニョゴニョ…」

後輩「うむ…うむ…友!」

友「断る!!」

後輩「まだ何も言っておらん!!」

友「なんか嫌な予感する!」

後輩「なぜだ!?私も勉学に励もうと思っているのに!」

友「嘘つけ!!」

眼鏡「友さんや友さんや」

友「お前の入れ知恵だな?」

眼鏡「後輩ちゃんは有言実行タイプですから大丈夫ですよ」

友「なにが大丈夫なのか説明してくれ」

眼鏡「だって私が見張るんですから」

友「うん、その自信はどこからくるのかな~?」

眼鏡「自信ではなく確信ですよ」

友「うん何言っても通じないね~」

後輩「眼鏡はそういうやつだ。未だに口喧嘩で勝てたためしなしだ」

友「どうしよう俺すごくここにいるの辛い」

眼鏡「まああきらめてくださいよ友さん」

友「なぜあきらめる必要がある」

眼鏡「できればボクだって手荒な真似したくないんですよ」ピラ

友「ん?なんだこれ……!?」

後輩「ん?なんなのだそれは」

友「お前は見なくていい!!てか見ないで!!」

後輩「そういわれると気になるではないか」

友「わかった!!許可する!!男ん家行こう!」

後輩「ぬう…それならば」

友(なんでその写真を…?)

眼鏡(さあ?なんででしょう)ニヤニヤ

友「やべぇ…やべぇよ…」

眼鏡「男に二言はありませんよね?」

友「…はい」

~現在~

友「ということなんです」

男「お前は何を見せられたんだ?」

友「人には知られたくないことの一つや二つあるんすよ」

男「でもそれだとあいつらが来てるのおかしくね?」



女妹「へぇ~あの変態クズ虫の家にしちゃわりと普通ね」

女「あんまりそういうこと言わないの!」

幼馴染「男、冷蔵庫は勝手に漁ってもいいんだよね?」



友「そ、それはだな」

お嬢「それは我が輩が説明しようではありませんか!」


後輩「眼鏡ちゃんあの人我が輩とか言ってるよ~」

眼鏡「しっ!見ちゃいけません!」

男「何やってんだお前等」

~回想、お嬢~

ー喫茶店ー

お嬢「さて、同市諸君!」

女妹「別に同士じゃないわよ」

お嬢「まあ細かいことは気にすんなでありますよ!」

女「質問いいですか?」

お嬢「なんでありますか?」

女「私たちはなぜ集められてるんでしょうか?」

お嬢「それを今から説明するんでありますよ!」

女妹「じゃあ早くしなさいよ!」

お嬢「な、なに怒ってるんでありますか?」

女妹「べ、別に怒ってないわよ…」

女「女妹ちゃん?」

お嬢「とにかく!同志諸君に集まってもらったのは他でもない!」

女妹「だから同志じゃないってば!」

女「話進まないからスルーして」

女妹「はい」

お嬢「奴のアジトに突入するためであります!!」

女・女妹「奴?」

お嬢「奴はこともあろうに親友である我が輩をほったらかしにして友と二人っきりで勉強だそうであります!」

女妹「あーなるほど」

女「女妹ちゃんなにかわかったの?」

お嬢「だが勉強というのは名ばかり!二人っきりになったことでアッ―んなことやこんなこと…」

女「!」

女妹「あーんなことやこんなこと?」

女「女妹ちゃんは知らなくていいの!!」

女妹「へ?」

お嬢「これは阻止せねばならんのでありますよ」グヘヘ

女「ま…まあ不純な行為はいけませんね」

女妹「ねえ…何が不純なの?」ジトー

お嬢「というわけで今から奴の居城に乗り込むであります」

女妹「ねえ話聞いてる?」

女「で、その奴とは?」

お嬢「…男であります」

女「!!」

女妹「うん私最初からわかってた」

女「まさか!男さんが?…そんな…」

お嬢「厳しいがこれが現実であります。奴は新しい世界に足を踏み入れた…」

女「そんな…そんなことって…」

女妹「あ、苺パフェください」

お嬢「だがまだ間に合う!女氏!」

女「はい!」

お嬢「奴らを止めることができるのはあなただけであります」

女妹「パンケーキメイプルシロップ多めで」

お嬢「いざ…薔薇園へ」

女「…はい!」

?「なにやら面白そうなこと話しているね」

女「あ、幼馴染さん」

幼馴染「やあ」

お嬢「あ……ドモ」

女妹「なに急にどもってんのよ!!」

お嬢「だって…だって…」

幼馴染「君はもしかしてお嬢くんかい?」

お嬢「ソッス…ドモ…」

女妹「だからなんでどもってんの!?」

幼馴染「私は幼馴染。特に緊張しなくても大丈夫だよ」

お嬢「アソッスカ…ヨシクオネガイシャーッス」

女妹「もうツッコまないわよ」

お嬢「やん!突っ込むなんて女妹さん大胆!」

女妹「キショい!!」

女「ちょっと言い過ぎじゃ」

幼馴染「ははは…楽しい人だね」

お嬢「いやぁ~それほどでもあるんですけど~」

女妹「あれ?もうどもらないの?」

お嬢「もう慣れたんで」

女妹「ほんと頭の構造がどうなってるか知りたいわ…」

幼馴染「で、さっきは誰かの家に遊びに行くってことでいいのかな?」

お嬢「失礼な!これは遊びではない!任務であります!」

女「実際遊びに行くようなものですけど」

女妹「あ、チョコパフェ一つ」

幼馴染「では是非私も混ぜてもらってもいいかな?」

女妹「まあ断る理由もないし…」

女「もちろんいいですよ!」

幼馴染「ではお言葉に甘えさせてもらうよ」

お嬢「もう一度言っておく!これは任務であります!」

幼馴染「君は愉快な人だね」

お嬢「な!?馬鹿にされた!?」

幼馴染「これでも褒めてるんだけど…」

女「お嬢さん、そろそろ行かないと…」

お嬢「なぬ!?もうそんな時間でありますか!」

幼馴染「ちなみに誰の家なんだい?」

女「男さんです!」

幼馴染「…これは楽しみだ」

女妹「……」モッチャモッチャ…




お嬢「なあなあ女妹さんや…」

女妹「なに?」

お嬢「この金額はどういうこと?」

女妹「さあ…?」

お嬢「さあ…って…」

女妹「であります口調はやめたの?」

お嬢「いや驚いただけだから今そんなこといってらんない」

女妹「あっそ」

お嬢「わりと安めのとこのはずなんだけどな……」

女妹「細かいこと気にすんな!」

お嬢「はいはい…」




~現在~

お嬢「というわけであります」

男「うん、わからん」

友「同じく」

お嬢「てか我が輩放置とか男酷くね?一応親友でありますよ?」

男「まあお前なら家庭教師なりなんなりでなんとかなるって思ってたから」

お嬢「……」

男「あ、そうださっきの話で気になることが一つ」

お嬢「ん?」

男(なんで金額に驚いたの?お前金持ちだから大丈夫じゃね?)ボソ

お嬢(そんなの最低限の金しか持たないに決まってんじゃん)ボソ

男(どういうことだよ)ボソ

お嬢(まず金持ってたら特定される可能性あるだろ)ボソ

男(考えすぎじゃないか?)ボソ

お嬢(バカヤロウ、私は世間じゃ一般人という認識だ)ボソ

男(あ、そっか)ボソ

お嬢(それ抜いても安もんの喫茶店じゃ見たことない金額だったけどな)ボソ

男(ちなみにいくら?)ボソ

お嬢(……円)ボソ

男(マジかよ…)ボソ

友「お前等さっきから何話てんの?」

女妹「てか何男同士くっついてんの?キモ…」

女「ま…まさか男さん本当に…?」

眼鏡「え?男さんそっちなんですか」ハアハア

幼馴染「男の新しい一面が見れてうれしいよ」

男「お前等は何を勘違いしている不健全な」

お嬢「////」ポッ

男「そしてお前はなぜ頬を染める」

お嬢「いやー…つい乗りで」

男「というかさっさと勉強を始めないか?いやなやつはさっさと帰れ」

友「そ、そうだなさっさと済まさないとな!」

眼鏡「まあこっちは準備万端ですが」

後輩「勉学というのはなかなか憂鬱な気分になるな」

お嬢「合点であります!!」

幼馴染「追い出されたくはないから素直に従うよ」

女「一応持っておいてよかったです」

女妹「私はやらないから」

男「帰れ」

女妹「は?」

男「帰れ」

女妹「いきなり何!?喧嘩売ってんの?」

男「ここは勉強するところだ。それ以外は必要ない」

お嬢「言ったでありますよ。これは遊びではないと」

友「というか本来ならお呼ばれしてない奴が我儘通せば普通に追い出されるわけで」

女妹「……」グググ

女「一緒に勉強しよ?」

女妹「……わかった」

男「女さんの言うことは素直に聞くんだな」

女妹「う、うるさいわね!!」


妹「うるさいのはお互い様」

女妹「!?」

男「やっと起きたか」

妹「妹は今日も平常運転」

今回はここまで

続きはまた次回


妹「それにしてもすごい大所帯」

男「だよな…邪魔だったりしたら言ってくれな。どっか図書館なり行くから」

妹「問題ない。奴がいなければ大丈夫」

男「そうか」

友「奴?」

男「まあ俺らは関係ないから大丈夫」

友「はあ…」

男「とりあえず俺の部屋にこの人数はキツイからリビングでいいな?」

女「問題ないです」

幼馴染「じゃあ私だけ男の部屋にということで」

男「お前は何を言ってるんだ?」






友「男。ちょっといいか?」

男「ん?」

友「ここの式がイマイチわかんねえんだけど」

男「あ~ここはこうしてだな」

友「おお!なるほど!」

後輩「男」

男「え?なんだ?」

後輩「全部わからん」

男「帰れ」

後輩「私は真面目に言っておる」

男「もっと自分で考えろ」

後輩「ぬう…」

お嬢「お~と~こ~」

男「なんだなんだ?」

お嬢「もう疲れた休憩しよ」

男「まだ30分しか経ってない。あと30分がんばれ」

お嬢「もうだめ…頭パンクしそう…」

男「お前は頭がいいと思ってたんだが…」

お嬢「それは偏見というやつですよ」

男「どうやらそうみたいだ(だが素が出てるぞ気を付けろ)」

お嬢「!」

女妹「?」

お嬢「な…なんでありますか?」

女妹「な、なんでもない」

お嬢「?」

幼馴染「男、ちょっといいかい?」

男「できればお前からの質問は受け付けたくないんだが」

幼馴染「最近股間の換気はいつしたんだい?」

男「うんお前もう帰れ」

幼馴染「友達ならありきたりの質問だと思わないかい?」

男「今は勉強の時間だ。邪魔すんな」

幼馴染「全く乗りが悪いな」

眼鏡「ですね」

男「お前まで入ってくんな」

眼鏡「だって聞こえたんですもん」

男「でももだっても無いやなら帰れ」

眼鏡「わかりましたよ…男さん」

男「くだらない質問だったらつまみ出すぞ」

眼鏡「トイレどこですか?」

後輩「眼鏡ちゃんよ。女の子が軽々しくトイレなど口にするでないぞ」

男「世紀末に言われたくないと思うけどな。ちなみにトイレはあっちだ」

眼鏡「ありがとうございまーす借りますねー」スタスタ

幼馴染「……」

お嬢「さて…」

男「どうした?」

幼馴染「なんでもないよ」

お嬢「それより洗面所かりていい?」

男「別にいいけど」

お嬢「じゃあ借りる」

幼馴染「……」スタスタ





男「なんなんだ?あいつら」

友「さあね」

女「……」カリカリ

後輩「もう何もかもがわからぬ」




眼鏡「……」スッ

カチャカチャ

?「さて、ここは化粧室じゃないはずだけど?」

?「なにをしてるんだ?」

眼鏡「!!」

お嬢「もう一度訊く、何をしている?」

眼鏡「べ、別に何も」

幼馴染「ではその手に持っているものはなんだい?」

眼鏡「……」

幼馴染「それにここは男の部屋だよね」

お嬢「白状したら?」

眼鏡「くっ…」

眼鏡「…お嬢先輩…でしたっけ?」

お嬢「そうだけど」

眼鏡「さっきのあります口調はなんなんですか?」

お嬢「素であんなしゃべり方する奴いるわけないって」

眼鏡「あれですか?オタクってやつですか?」

お嬢「悪い?」

眼鏡「正直引きます…なんなんですか?」

お嬢「他人には関係ない。それより話を逸らさないでもらおうか」

幼馴染「そうだね、今は君の問題のはずだよ」

眼鏡「…男さんには言わないでください」

お嬢「それはあんたの態度しだいですな」

眼鏡「…ちょっと男さんのことが知りたいだけだったんです」

幼馴染「知りたい?」

お嬢「ほう」

眼鏡「別にどうしようとかそういうことは考えてないです」

お嬢「…まさか…盗撮?」

眼鏡「いえ盗聴です」

幼馴染「え?え?」

お嬢「いやどっちにしろ犯罪だからね」

眼鏡「はい」

お嬢「まだ未遂で済んだから良かったものを…」

幼馴染「え?何もそんなことまで想像してなかったんだけど」

眼鏡「?」

幼馴染「精々パンツ盗むとかそのくらいって思ってたんだけど」

お嬢「……生ぬるいな」

眼鏡「その手があったか…」

お嬢「おい」

眼鏡「というかこの際だからもらってっちゃいましょうよ」

幼馴染「ま、まあそういうことならやぶさかではないよね」

お嬢「いやいやおかしいでしょ」

眼鏡「ばれやしませんよパンツの一つくらい」

幼馴染「というか女子のプライベート覗き見なんて無粋だよお嬢くん」

眼鏡「しまいには叫びますよ」

お嬢「え?私が悪いの?」

幼馴染・眼鏡「私?」

お嬢「あ」

幼馴染「…君はもしかして」

お嬢(やばいやばいやばいやばい…)

眼鏡「…おかまさんですか?」

お嬢「違うわ!!」

眼鏡「いやいや隠さないでいいんですよ!趣味はそれぞれですから」

幼馴染「そうだよ別に私たちは気にしないから」

お嬢「違うから!!違うから!!」

男「お前ら何やってんの?」

3人「!!」

男「てか俺の部屋勝手に入るな」

眼鏡「ごめんなさい出来心だったんです」

幼馴染「私と君との中じゃないか許して」

お嬢「我が輩止めましたー!!もう必死に止めましたー!!」

幼馴染・眼鏡「ず、ずるい!!」

男「どうでもいいさっさと部屋から出てけ!」

3人「はい」

眼鏡「あ、お嬢先輩」

お嬢「な、なに?」

眼鏡「誰にも言いませんから!」

お嬢「ぐっ!」

―――――――

眼鏡「…まあ何とかばれずに済みましたね」

「なんとか二人もフェイクに引っかかってくれたおかげで事なきを得ました」

「これで男さんのことをもっと知ることができる」

―――――――

お嬢「どさくさに紛れてカメラを設置することに成功した」

「音声?時代は映像なのだよ!」

「超小型カメラだ。金持ちなめんなよ」

―――――――

幼馴染「ようやく手に入れることができた」

「この肌触り、臭い、何年も我慢してきた感触だよ」

「使用済みではないのが残念だが我儘は言わない。私は幸せ者だよ」

―――――――


男「な、なんか悪寒が…」






友「とりあえず今日はこんなところか…」

男「さてそろそろ飯時だが…」

女「この人数は流石に…」

眼鏡「じゃあどこか食べに行きませんか?」

男「まあそれしかないよな」

妹「それなら私も行く」

女妹「すごく神出鬼没ね」

妹「もっとほめて」

女妹「褒めてない」

女「……」カリカリ

女妹「お姉ty…姉さんいつまでやってるの?」

女「え?」

後輩「腹が減っては戦はできぬ」

お嬢「というわけでいくであります!」

ーファミレスー

女妹「ファミレスに女子連れてくる男子とか…」

男「この人数だ、我慢しろ」

女妹「マジ引くんですけど~」

女「女妹ちゃん。周りに迷惑になるから」

友「あ、そういえば男」

男「ん?」

友「今日男の姉さんいなかったよな?」

男「ああ、先輩のところらしい」

友「先輩って、あのやや小さめの?」

男「ああそうだ」

友「あの二人って知り合いだったのか」

男「意外だよな」

妹「幼馴染姉さん機嫌がいいみたい」

幼馴染「わかるかい?」ツヤツヤ


?「おやおや何やら楽しそうですな~」

妹「!!」

男「お前は…妹友」

プロローグの最初のほうから名前は出てたけど一向に出てくる気配がなかったけどここにきて出たか妹友

俺から見たらただの変な奴なんだが

妹友「そうですアタシが妹の永遠の恋人、妹友です!」

男「というかなんか用か?」

妹友「いえいえアタシの妹レーダーが反応したもんで」

男「どういうレーダーだよ…」

妹「……い…」

幼馴染「妹?」

男「!!」

妹「いやあああああああ」ダダダ

幼馴染「妹!?」

男「ちっ!!」ダダ

妹友「いや~ははは…」

幼馴染「…君は妹に何をしたんだい?」

妹友「いやいやちょっとしたスキンシップでっせ」

女「スキンシップであんなすごい形相で逃げていくものなんでしょうか?」

女妹「まずありえないから」

後輩「もしや闘気!?」

眼鏡「そっちのほうがありえないから」

友「まあ…なんというか」

お嬢「絶対トラウマ植えつけられたとかそんな感じでありますな」

妹友「面目ない…」

友「ほんとに何したんだよ…」

幼馴染「場合によっては容赦しないが?」

妹「ごめんなさいたぶん魔が差して度が過ぎた感じです、はい」

今日はここまで

続きはまた次回

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