P「みんなでカラオケ」(273)
亜美「今日はみんなで→!」
真美「カラオケ!大会だZE→!!」
やよい「だぜー!ですー!」
伊織「やよいまではしゃいじゃってまぁ…」
あずさ「あら~伊織ちゃんもはしゃいでいいのよ~?」
伊織「なっ…!あずさ!」
あずさ「うふふ~」
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春香「今日はみんなそろってよかったね!」
真「仕事のあとだけどね…」
美希「どうせなら一日休みにしてほしかったの…あふぅ」
千早「カラオケ…」
春香「ど、どうしたの?千早ちゃん」
千早「私カラオケはあまり…くっ」
雪歩「そ、そんなことないよ!私毎回千早ちゃんの歌すっごく楽しみにしてるもん!」
千早「萩原さん…」
真「そうだよ!世間から歌姫って呼ばれてる千早の生歌なんだからさ!」
千早「真…ありがとう」
春香「えへへっ…楽しくいこうよ楽しく!!」
千早「ふふっ…そうね」
小鳥「ふふ…みんな楽しそうですね」
律子「ええ。最近合わせて休みなんて取ってあげられなかったですからね」
小鳥「今回もプロデューサーさんが骨を折ってくれたんですか?」
律子「はい。やっぱりみんなでの時間は大切だからって…」
律子「ま、その本人が仕事で遅れるらしいですが!」
小鳥「あ…はは」
律子「しかし仕事終わりに時間調整してなんとかみんな集まれるなんて…」
律子「売れてきて嬉しいやら大変やら…」
小鳥「ふふっ。もうすっかりお母さんですね」
律子「ええ…って何言ってんですか小鳥さん!」
小鳥「ぴよ~♪」
<リッチャーン!アミタチサキハイッチャウヨー!
律子「はいはい!」
―店内
真美「いっちば~ん!!…て、あれ?」
亜美「真美~?…ってくさっ!!この匂いは…!!」
響「残念!一番は自分たちだぞ!」
真美亜美「やはりひびきん…!」
貴音「」ズルズル
真美「とお姫ちんだね」
亜美「お姫ちんのラーメンの匂いだったんだね」
亜美真美「びっくりしたよ~!あっはっはっ!」
響「なんだか知らないけど、なんとなくイヤな気分だぞ…」
律子「…いくらお腹が空いていたからといって、こんな個室でラーメンなんか食べたらどうなるかわかるでしょう?みんながこれから来るってわかってるんだから…アーダコーダ…」
貴音「」ションボリ
あずさ「ま、まぁまぁ律子さん。それぐらいで…」
響「そうだよー!それに止めなかった自分にも責任あるさー…」
貴音「いいえ、響は悪くありません。全て私の不徳の致すところ…!」
伊織「何政治家みたいな言い方してんのよ…」
律子「ふぅ…まぁいいわ」
亜美「りっちゃ~ん、亜美たちもお腹すいたよ~」
春香「確かにね~仕事終わりですぐ来たから」
やよい「うっうー!おなかぺこぺこですー!」
千早(お腹空いてる時でも元気な高槻さんかわいい)
小鳥「律子さん、プロデューサーさんも来るまであともう少し時間ありますし…」
律子「そうね。じゃあまずは各自好きな食べ物でも頼んじゃって」
真美「いぇ~い!さすがりっちゃん、ビールっ腹!!店員さ~ん!」オマタセッシター
真「真美それを言うなら…もういいか。あ、ボクこの『キャピキャピガールズパフェ』で!」
雪歩「焼肉は…うぅ、ないですぅ」
美希「ミキはおにぎり!30個ぐらいで我慢するの!」
春香「やよい、何にする?」
やよい「…えっと…じゃあもやし炒め…ってないですかねー…」
一同「(´;ω;`)」ブワッ
伊織「…この最高級サーロインステーキ人数分よ!!」
やよい「えぇ!い、伊織ちゃん…!」
伊織「大丈夫、この伊織ちゃんのおごりよ!」
小鳥(全部経費で落とすんだけどね)
小鳥「…あずささん?」
あずさ「うふふっ、小鳥さんも好きですね~」
小鳥「生中2つで!」
響「あ、ソーキそばがある!自分これにするぞ!」
貴音「!?」ガタッ
貴音「あぅ…」ショボン
律子「どうせみんなこうなるんだから」
貴音「律子…」
律子「…今度からは少しだけ待ちなさい。ほら好きなの頼んで」
貴音「…!」パァァァァァ
亜美「おんやおや~りっちゃんのツンデレ発動ですなぁ~」
真美「なるほど~みんなで一緒に食べたかったからお姫ちんがフライングしたのが寂しかったんですなぁ~」
貴音「なんと!そうなのですか律子!」
律子「あ、あんたたち何適当なこと言ってるのよ!」
貴音「私はそんな律子の気持ちに気づかず…不覚…!」
貴音「店長殿!」
スタッフA(店長じゃねーけどな)
貴音「らぁめんの醤油、塩、味噌、とんこつ、そして四川風坦々麺、そーきそば、盛岡冷麺を2つずつお願いします!」
律子「」
スタッフA「」
亜美「お、お姫ちん…2つずつって…?」
貴音「もちろん…私と律子の分です」ニッコリ
律子「」
春香「千早ちゃんは?」
千早「…牛乳」
スタッフA「てんちょー」
店長「あーん?」
スタッフA「さっき入った14人の団体さんなんすけどー」
スタッフA「注文、軽く40人前はありますよー」
スタッフB「」
店長「…全員体育会系の大学生か何かだろ」
スタッフA「今んとこ全員女の子でしたけどねー」
店長「」
・
・
・
貴音「♪」ズルズル
律子「ぅぷ…」
やよい「こ…これが真のおにく…!」
伊織「まぁまぁね」
真「これで乙女度アップだー!うぉぉぉぉぉぉぉぉ…」
あずさ「ぷはぁ…生き返るわねぇ♪」
真美「どれどれ真美にもひとくち…」
小鳥「ちゅうもぉく!………………ゲプ」
亜美「どーしたのぴよちゃん?」
小鳥「食べながらでいいので、聞いてください」
小鳥「実はここに来る前に社長から手紙を預かってきてます」
真美「なぁんだ、しゃちょーかー」
響「なんだって…」
亜美「どーせ『せいぜい楽しんでくれたまえ!』とかそんなとこっしょー」
雪歩「ど、どーせ…」
律子「真美亜美!ちゃんと聞きなさいよ………………ウプ」
小鳥「『やぁ、今日はみんなでカラオケだそうだね!』」
小鳥「『最近まとまった休みも取れずみんなには済まないと思っている』」
小鳥「『私も時間があれば顔を出したかったが、なにぶん多忙なものでね!』」
美希「社長、この前社長室でゴルフの練習してたの」
真「社長室でゴルフの練習?…あ、素振りとか?」
美希「ううん、みんゴル。Wiiのやつだったの」
律子「」
小鳥「『そこで、普段頑張っているみんなに何かご褒美でもと考えたんだが…』」
春香「社長がティンと来た時ってあんまり…」
雪歩「は、春香ちゃん…それは言わないのが優しさだよぅ…」
小鳥「『とはいえ君たちもトップアイドルだ。何がいいか考えるのに苦労したよ』」
伊織「相変わらず前置き長いわね…」
小鳥「『そしてティンときた!これならば喜んでくれるだろうと!』」
小鳥「『君たちのうち、一人だけ、1日休みをあげよう!』」
一同(スッゲー普通)
やよい「わー!おやすみいただけるんですかぁ!」
小鳥「『ふっふっふ、普通だなぁと思っているだろう』」
小鳥「『しかし、トップアイドルの君たちが好きな日、好きな曜日に休みを取れるというのは素晴らしいことじゃないかね!』」
響「まぁ…」
小鳥「『ただし、当然全員調整できるわけではないので、1人だけのプレゼントだ』」
小鳥「『せっかくカラオケということだし、カラオケで勝敗でも決めてみたらどうかね』」
小鳥「『何事も競い合うとより楽しいからね!』」
小鳥「『それではよいカラオケライフを!みんなを愛する社長より』」
伊織「…なぁーんかねぇ」
真「まぁありがたいけど…」
美希「予想を上回る普通さだったの」
千早「ええ…」
律子「ま、まぁまぁせっかくくれるって言ってるんだし!」
雪歩「そ、そうですね!」
春香「でもせっかく遊びに来たのに勝負になっちゃうとなぁ…」
春香「あ、休みはどうしても事情があって欲しい人に譲るってことで、今日はわいわい楽しくやるってことで…」
一同「さーんせ…」
小鳥「『追伸…』」
春香「え…」
あずさ「つ、追伸~?」
小鳥「『追伸…プロデューサー君の次の休みは確か再来週の金曜だったなぁ』」
一同「「「!!??」」」
小鳥「以上…です」
シーン…
千早「…春香?」
春香「わひゃっ!?な、なに!?」
千早「春香はさっき休みは事情がある人に譲るって言ってたわよね…?」
春香「…」
千早「…ということは、少なくとも春香は休みを調整する必要はないってことよね?」
春香「!?そ、それは…!」
真美(亜美!)
亜美(真美!間違いない、こいつは…!!)
伊織(…もう勝負は始まってる、ってわけね)
美希(ただ休みが調整できるだけだったらそんなに魅力はなかったの)
真(ただ、丸々一日の休みなんて半年に一回あるかないかのプロデューサーの…)
雪歩(たまの休みでも、その休みの日をなかなか教えてくれないプロデューサーの…)
あずさ(休みが事前にわかっているなんてね~、うふふ♪)
やよい(も、もし一日一緒にいることができたなら…はわわ…!)
律子(普段できないあんなことやこんなことを…!…………ふぅ)
響(これは絶対に負けられないさー!絶対に…!)
貴音(夢のらぁめんくいだおれつあーを!)
小鳥(アイドル相手じゃ勝ち目が無いぴよ…)orz
千早(ごめんなさい春香…でもこれ…戦争なのよね…)
春香「あー、そういえばおばあちゃんが危篤だったなー!」
千早「!?」
春香「お見舞いに行ってあげないとなー!でも確かしばらく休みなかったしなー!」
律子(こ、このあっさり身内を危篤にする黒さ!)
あずさ(春香ちゃん…スイッチ入れ替えてきたわね)
美希(ミキの記憶によれば春香のおばあちゃんは危篤になるのが5回目なの!)
春香「おばあちゃん…お見舞い行ってあげたいんだぁ…千早ちゃん」
千早「くっ…!」
春香(甘い!甘いよ千早ちゃん!)
春香(私が今まで裏返らなかったのは…そう、この日のためだったんだわ!)
伊織(千早…終わったかしら)
真(社会人でもずる休みしたいときに思いつく理由ランキング堂々一位の『身内の不幸』!)
律子(大抵は良心が邪魔をして使わないものだけど…)
響(もし使えるとしたら、その破壊力は抜群さー!)
雪歩(普通の人なら「春香に譲るわ」って言っちゃいますぅ!)
やよい(うっうー…春香さんのおばあちゃん、心配ですー)
P「おつかれー…」ガチャ
美希「ハニー!」ダキッ
P「おっとと…やっぱ俺が最後か」
律子「ええ。とりあえずご飯食べて待ってました」
亜美「兄ちゃん遅いYO!」
真美「真美たちちゃんと待ってたんだからね!」
P「はは、先に盛り上がってくれててもよかったのに」
P「でもありがとう」
春香「プロデューサーさん、お疲れさまです!」
春香(ちっ…千早ちゃん、命拾いしたね)
千早「お疲れさまです!」
千早(ああ…!やはりあなたは運命の人…!)
P「おうお疲れー」
あずさ「プロデューサーさん、何飲まれますか~?」
小鳥「もちろん大人組ですものねぇ!」
P「あ、はい。えーと…」
律子「いいですよ。今日はちゃんと終電の時間考えてますし」
P「やった!生中で!」
あずさ・小鳥「わぁ~」
小鳥(なに?あの律子さんの嫁ポジション!)
あずさ(やはり律子さんは要警戒ね~)
貴音「あなた様…ここはからおけですが美味なるらぁめんが揃っていまして…どうぞ」
響「だったらこのソーキそばも食べるさー!自分の地元の味だぞ!」
P「あぁサンキュ。ただその前にトイレ行かせてくれ」ガチャ
律子「…今のうちにルール確認を」
小鳥「時間もないですしね…基本的な進行は私が」
雪歩「あのぅ、しょ、勝敗の決め方は…」
律子「それは当然採点の…」
千早「プロデューサーに決めてもらうというのでどうかしら?」
春香(千早ちゃん、攻めるわね!)
真(まぁ千早の場合は当然かな)
雪歩(だって千早ちゃんの場合採点だと…)
千早「なぜか私は特定の点数しかカラオケで出ないの」
亜美真美(自らぶっこんだーーーーーーー!?)
千早「相性が悪いのかしら…ふふ」
伊織(余裕そうに見えるけど…胸はえぐられるような気分のはず…!)
響(その証拠に…直接的な数字は出してないぞ…)
貴音(如月千早…賞賛に値します)
春香(えぐれる胸があればね…ふふ)
やよい(なんだか春香さんの後ろから黒いモヤモヤが出てるかなーって…)ケムリ?
律子「いいでしょう…確かにカラオケの採点は、歌が上手くても低い点数が出ることも多々あるからね…」
律子「じゃあ点数は参考程度に、プロデューサー殿に最後に決めてもらいましょう」
千早「律子…ありがとう…」
律子「あんたの勇気…見事だったわ」
千早「…」
あずさ「ほらほら~かわいいお顔が台無しよ~」
千早「…っ…はい…」グス
真「早くもこの状況…!」
雪歩「惨劇になる予感がしますぅ…」
美希「はいは~い!律子…さん!」
律子「はい美希」
美希「誰が一番良かったかは最後にハニーにさりげなく聞いて欲しいの」
律子「…理由を」
美希「だって勝負のこと伝えたり、誰が一番だったってみんなで聞くと、ハニーは『みんな上手かった』って言うに決まってるの!」
真美「そりは…」
亜美「確かに…」
美希「だから最後に律子がさりげなく聞けばいいと思うな!あ、小鳥は証人でそばで聞いてて欲しいの!」
律子「一理あるわね…採用」
伊織「じゃあ勝負してるってこともアイツには言わない方向で、ってことね」
貴音「…選曲は、どのように?」
律子「…各自、自由に選曲。もちろん持ち歌可よ」
響「選曲から重要ってことかー…」
伊織「…なんでもあり、ね…」
春香「勝てばいいのよ、敗者に口無し、ってね…ふふ」
律子「それじゃ大まかなルールはそんなところね」
律子「…勝っても負けても恨みっこなしよ」
やよい「うっうー!みんな歌が上手いからとっても楽しみですー!」
雪歩「…プロデューサー…」
真「デートデート…よぉーっし!やるぞぉぉぉぉぉぉ!」
伊織「デ、デート!?わ、私は別にデートなんか…!」
亜美「ま、亜美たちのせくち→さでイチコロだね!ね、真美」
真美「う、うん…兄ちゃん…」
美希「『みんなよかったよ』さえなければ、ハニーはミキを選ぶに決まってるの!」
響「自分の完璧さでプロデューサーに選ばれてやるさー!」
貴音「あなた様…ご一緒できますよう…」
あずさ「あらあら~、本気出しちゃおうかしら~」
千早「優…お姉ちゃんに…力を…!」
春香「ククク…」
P「ふぅ…あれ!?まだ歌ってなかったの!?」バタン
とりあえずここまでかな…
続きはできれば明日中には…!
※作者より注意書き
①このあと急激に方向転換するおそれがあります。ただのギャグSS読みてーんだよ!という人は
ここまでで「いったい誰が優勝するのか!?」って感じで脳内補完してください
②キャラの扱いに軽重が出る恐れがあります。てか出てます。全体的に平等に扱いたかったんですけど…orz
メインは千早と春香、裏春香です。支援キャラであずささん、律子、貴音、美希、伊織あたりかな…
名前が無いのは出てはいますが…察してください
以上のことをご了承の上お読みいただければ幸いです
小鳥「…それでは一番手は誰が行きましょうか?」
P「カラオケってこんな厳粛な空気でやるものでしたっけ?」
小鳥「人生の分かれ道は突然に訪れるものなんです」
P(もう酔ってんのかな?)
律子(さすがにみんな牽制し合ってるわね…)
伊織(なんの競技でも一番は採点の基準にされやすい…)
千早(それにあとからもっと上手いのが出てきても手のうちようがないものね…)
春香「はいは~い!」
真(!?)
雪歩(春香ちゃんいくの!?そんなの春香ちゃん…いえ、閣下らしくない!)
あずさ(これはなにかあるわね~)
春香「わたし、やよいの歌ききたいな~」
やよい「へぅっ!?わ、私ですかぁ?」
亜美(そうきたか!)
真美(確かにやよいっちは採点機にすら愛される…いわば神の子!)
響(一番手に持ってくるなんて、相当場が荒れるぞ!)
美希(閣下…今回の負のエネルギー量はかなり危険なの!)
春香(ふふ…みんな甘いわね)
春香(やよいは神の子…それは認めるわ)
春香(ただ!やよいの場合それが最高であってそれ以上は望めない!)
春香(プロデューサーさんも『やよいはやっぱりかわいいなぁ』といつも通りよ)
春香(それに…ここで高得点を見せつけたら他の子の心もへし折れる!)
春香「どうかなやよい?」
やよい「う~、一番手は緊張しますけど…」
やよい「春香さんに聞きたいって言ってもらえて嬉しかったので頑張ります!うっうー!」キラリン
春香「ぐっ…!?」
律子(!?春香がダメージを受けてる!?)
千早・伊織(当然ね)
貴音(春香…諸刃の剣と知りつつそれでも…)
律子(春香…!大丈夫なの?そんな状態で聖歌隊のコーラスとも言うべきやよいの歌を聞いたら…!)
春香(これは諸刃の剣…それは私自身が一番よくわかってる)
春香(それでも賭けるだけの価値は…!)
P「お、やよいかぁ」
やよい「はい!頑張って歌いますから、ちゃんと聞いててくださいね!」
P「」ズキュゥゥゥゥゥン
小鳥「えー、プロデューサーさんにはすでに高評価の模様です」
小鳥「それでは765の誇る天使of天使!みんな元気にハイターッチ!高槻やよいさんで曲は…!」
小鳥「『キラメキラリ』!どうぞー!」
『ふれーふれーがんばれぇさぁいこお ふれーふれーがんばれぇさいこお!』
P・千早・伊織「さいっこう!」
春香「」ガタガタ
『…はれがあぁってぇあめがあって たにしができれぅ~』
P・千早・伊織「舌っ足らずなやよいマジ神!」
春香「まだだ…まだ終わらんよ…!」ガタガタ
『…きらめきらり~ずぅっとちゅうっとぉ~』
P・千早・伊織「ちゅちゅ!」
『ちきゅうでぇかがやくひかりぃ~』
P・千早・伊織「きらりん!」
律子「春香…!もう…!」
春香「…マダ…」ガクガク
『ふれーふれーがんばれぇさぁいこお ふれーふれーがんばれぇさいこお!』イェイ☆
千早「感動よ!」ポタポタ
伊織「最高よ!」ポタポタ
P「結婚してください!」ポタポタ
小鳥「おまわりさんこいつです」
やよい「えへへ…ありがとうございますー!」
響「やよいはいいなぁ…」
雪歩「存在が天使ってずるいですぅ…」
真「5割くらいかわいさくれないかなぁ…」
やよい「がんばりましたー!春香さんどう…春香さん!?」
春香「」
やよい「は、春香さん!口から赤いものが…」
春香「ダイジョウブ…大丈夫…よ。これはただのトマトジュースだから…」
やよい「そ、そうなんですかー…」
春香「ええ、素晴らしかったわよ…」
やよい「はい!春香さんのためにいつもより頑張っちゃいましたー!」
春香「ぐふっ!!」
美希「…追い打ちなの」
小鳥「さぁそれでは採点の方は!?」
P「あ、忘れてた」
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『天使』
P「なんだこれ?そんなことわかりきってるじゃないか」
千早「ええ」
やよい「何点なんでしょー?」
ヂャララララララララララララ…
P「あ、またいくんだ」
律子「…どうやら歌の印象が言葉でも出るみたいですね」
ジャン!!
『999点』
響「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
真「こんなのあるの!?」
貴音「面妖な…!」
P「まぁ当然だな」
伊織「当然ね」
やよい「やりましたぁ!これっていい点数ですよね!」ピョンピョン
春香(計算…通り…)
律子(…って顔してるわね。まぁ最近やよいもチート性能だからね)
春香(人間の…心理的に…完璧な一番は選びにくい…ものよ)
P「よしよし。さすがやよいだな」
あずさ(ある意味勝負はここからね)
律子(春香は…動く気配はないわね)
春香(ふふ…自ら動かなくても)
亜美「じゃ、じゃあ次は亜美たちがいくよ!」
真美「がってん承知之助!」
春香(焦った子から勝手に動いてくれるわ)
貴音(…)
亜美(亜美たちが勝ったら権利は真美にあげるからね!)
真美(うぅ…ありがと亜美)
P「お、亜美真美か。期待してるぞ」
亜美「まかしてよ兄ちゃん!」
真美「んっふっふ~、真美たちが魅力的すぎて、襲いかかってこないでね!」
千早(魅力的すぎて…ということは曲は…)
小鳥「それじゃ行きましょう…おぉっと!双海姉妹は持ち歌以外で攻めてきています!」
小鳥「それでは歌っていただきましょう!765プロの核弾頭!えっ!?角砂糖!?曲は『ラムのラブソング』!!」
『あんまりそわそわしないでー あなたはいつでもきょろきょろー』
千早(正統派ラブソング…点数狙いよりも)
律子(プロデューサー殿へのアピールに重きを置いたわけね)
『よそみをするのはやめてよー わたしがだれよりいちばん!』
真(そ、その手があったかぁ!)
春香(って真あたりは考えてるわね。でも…)
『すきよ すきよ すきよ うっふん!』
春香(亜美真美はアレンジするのが好きだし上手い。しかしカラオケの採点ではそれはマイナスね)
春香(アピール重視とはいっても…ふふ、数字で出されるのは意外と応えるよ?)
亜美・真美『いぇい!』
P「うん、らしさ全開だったな!」
亜美「んっふっふ~、兄ちゃん結構きちゃったんじゃないの~」
真美「やよいっちに言ったセリフ、真美にも言っていいよ~」
P「ん?俺なんか言ったっけ?」
律子(無意識なのね)
小鳥「それでは採点結果はー…!」
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『下田は天才』
亜美「なんじゃこれ?下田?」
真美「これ壊れてんじゃないの?」
P「まぁ点数は次だから」
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『74点』
亜美「えぇ!?マジ!?」
真美「」
春香「残念だったね…」
亜美「はるる…」
春香「でも」
のヮの「ちかたない、よね…ふふ」
亜美「…!?」
真美「…ぐす」
亜美「…ま、真美…」
真美「だ、いじょうぶ…大丈夫…だから」
P「そうだなぁ、アレンジ入れたのがマイナスになっちゃったのかな?」
律子「ちょっと、プ…」
P「まぁおれはその方が好きだけどな」
真美「え…」
P「ほらどう考えても普通に歌うよりお前たちっぽいだろ?すごくよかったよ」
亜美「…!兄ちゃんすごく良かったって!当然だよね、真美!」
真美「…!うん!次は点数でも兄ちゃんびっくりさせんだからね!」
P「はは、期待してるよ」
春香(…なぐさめられて良かったわね、亜美真美…ふふ)
貴音(…)
雪歩(…)
春香(さて…)
春香「千早ちゃんはまだ行かないの?」
千早「ええ…もう少し」
春香(ふぅ~ん)
春香(ま、もしいこうとしたとしても私が止めたけど)
春香(これでしばらくは動かなくてもいいかな…たぶん次は)
響「じゃあ自分いくさー!」ハイサーイ
小鳥「はいさーい!うちなー!えーと…我那覇響!!曲は『涙そうそう』!!」
春香(さっきの点数なら勝てると思った響とか)
『なだ~そう~そう~』
『アンダーギー』『83点』
響「うがー!微妙だぞー!」
P「う~ん、非常に響っぽくて良かったがなぁ…あ、気になったら聞いてみてね」
真「菊地真、いっきまーす!」マッコマコリーン
小鳥「765プロの王子様!いやそろそろ王様か!?曲は『自転車』!!」
春香(ラブソングでアピールするべし!の乙女な真とか)
『好きだぁぁぁああああああああああああ!!』キラリン
『男の娘』『79点』
真「くっ…ってか男の娘ってなんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
P「おれも好きだぁぁぁぁああああああああああああ!!」
春香(ふふ…ホント、手のひらの上でコロコロコロコロ…かわいいったらないわ)
春香(さて、あとは…雪歩、あずささん、四条さん、律子さん、美希、伊織…そして千早ちゃんね)
春香(まずは誘導しないと動かなそうな雪歩からかしら…)
春香(力量的にあずささんは危険…次点で四条さん、律子、美希、伊織…ここは並んでるってとこかしら)
春香(千早ちゃんは大丈夫…私のためにもうちょっとおとなしくしててね…ふふ)
小鳥「えー…じゃあ次は…」
春香(さてじゃあ雪歩を動かしに…)
雪歩「私が行きます」
春香(…?)
P「お、雪歩か」
雪歩「はい…プロデューサー?」
P「うん?」
雪歩「…初めて指切りしたときのこと、覚えてますか?」
P「ああ…故郷村の時のことか?」
雪歩「はい!」
P「それが…?」
雪歩「ふふ…覚えていてくれてるならいいんです!私の歌、聞いててくださいね!」
P「…」
小鳥「それではいきましょう!今日も明日も穴を掘る!そのうち日本沈んじゃいますぅ!萩原雪歩で曲は『ALRIGHT』!!」
『READY SET GO! 行きたいとこ行ってみようよ―』
雪歩(私には今はこの歌を歌うことぐらいしかできないけど)
『歩いたり 走ったり 休んだりして―』
雪歩(少しでも春香ちゃんに届きますように…)
『―ALL LIGHT 笑顔の光で ALL LIGHT 夢に太陽を上げよう』
雪歩(春香ちゃん達と一緒のステージで歌った、この歌が―)
『今すぐ どこまでだって さあ出発 オーライ!』
春香(…)
小鳥「ありがとうございましたー!それでは採点です!!」
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『ドリラー』
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『88点』
雪歩「えへ、まだまだですぅ」
P「…雪歩、何かあったか?」
雪歩「え?」
P「いやなんとなく…普段よりいっそう歌に気持ちが…」
P「点数だって(天使を除けば)今んところ最高点だ」
雪歩「ふふっ、内緒です!…プロデューサー、私信じてますから」
P「…」
雪歩「ぷぅ…」ポスッ
のヮの「ゆ~きほ!惜しかったねぇ…」
雪歩「うん…でも気持ちよかった」
春香「そう、それは良かった」
雪歩「…春香ちゃん、覚えてる?」
春香「…なにを?」
雪歩「『ALRIGHT』って春香ちゃんと真ちゃんがいたから歌うことができたんだよ」
春香「…」
雪歩「あのステージ、すっごく楽しかった」
春香「…そう」
雪歩「…私も、って言ってくれないんだね」
春香「も、もちろん私も楽しかったよ!」
雪歩「うふふ、冗談だよー。あ、私飲み物取ってくるね!」
春香「うん…」
春香(…なんなの?)
―数分前
律子(今回のやり方は…)
貴音(律子…もし)
律子(貴音!?あ、あんた人の思考に…!?)
貴音(何を言っているのですか、律子の考えなど目を見ればわかります)
貴音(…春香のことでしょう)
律子(…そうよ)
貴音(…確かに今回は度が過ぎるようです)
律子(ええ…ただ、残念ながら春香のせいじゃないのよ)
貴音(はい。春香についたあの負のえねるぎー…)
貴音(どこから来てるかはわかりませんが、あれが春香の意識を支配しているようですね)
あずさ(あらあら~それは困りましたね~)
律子(あ、あずささんまで!?)
あずさ(目を見れば律子さんの考えていることなんて丸分かりですよ~)
律子()
貴音(それよりも春香をどうするかです)
律子(…春香は前から時々ああなります)
律子(今までは出てもすぐ消えたり、たまにちらっと、あれ?出てる?って思うくらいだったんですが…)
あずさ(今回は長時間にわたって支配され続けている…)
あずさ(…真美ちゃんも泣かされましたしね)
律子(あずささん…怒ってます?)
あずさ(うふふ)
貴音(…思うに、今はあの者の思う壺といったところでしょう)
律子(ええ…)
貴音(ならばあの者の計画をなきものにすればおそらく消えてなくなるのでは)
律子(…つまり、私たちのうち誰かがプロデューサー殿に選ばれるということですか)
あずさ(甘いですよ~)
律子(…え?)
あずさ(それじゃ『今回は失敗、さぁ次』っていつまでも変わりません~)
あずさ(もう出てこれないくらいコテンパンに、ううん春香ちゃんの元からキレイさっぱり消し去らないと~)
貴音(…ふふ、怖いですね)
律子(…ぐ、具体的には?)
あずさ(そうね~…もちろん今回は私も本気で頑張ってみますが、鍵は千早ちゃんだと思うわ~)
律子(…千早?)
あずさ(幸いこちらに注意は向いてないようだし~、残ってる人を集めて作戦会議しましょうか~)
・
・
・
千早(…)
美希(やっぱり春香今日おかしかったの…)
雪歩(何とかしてもとの春香ちゃんに戻って欲しいですぅ)
伊織(それで…?何か策があるから呼んだんでしょう)
律子(あずささんが何か考えがあるらしい…って!?もう真終わるわよ!?)
伊織(ちょ、次誰が行くか決めないと!)
雪歩(…私いきます!)
律子(雪歩…)
雪歩(わ、私が行きます…私でも時間稼ぎくらいはできますぅ…)
美希(雪歩…)
雪歩(そ、その代わり春香ちゃんを元に戻す計画、よろしくお願いしますぅ!)
雪歩(…春香ちゃんに、元に、戻って欲しい…です)
律子(…ええ)
小鳥「えー…じゃあ次は…」
雪歩「私が行きます」
律子(雪歩がくれた時間を無駄にはできないわ…あずささん、お願いします)
あずさ(ええ…とは言ってもすごく単純なんだけど)
あずさ(カラオケで100点を出せばいいのよ~)
律子(え?…そ、それだけ!?)
あずさ(はい~おそらく向こうの計画は…)
春香(ふふ、今のところ順調ね)
春香(あとは他の人たちを消化しつつ)
春香(最後に私と千早ちゃんの2人が残ればいい…)
春香(でもいくらプロデューサーさんの判定で決まるとはいえ…)
春香(100点が出てしまえば『100点だから』が勝負の決め手になる可能性が高い)
春香(ふふ…カラオケで100点を出すのはほぼ不可能だけどね。それはこちらも同じ)
春香(となればやはり状況を味方につけるしかない)
春香(今までの甘甘な選曲とのギャップ、トリという補正、そして…)
春香(前の人物との点数の差、ね)
春香(ごめんね千早ちゃん…でも…ふふ)
春香(どんなに歌が上手くても千早ちゃんは…)
あずさ(「72点なんだから」)
千早(…!!)
あずさ(ごめんね千早ちゃん、でも今の話を聞いてどう思った?)
千早(それは…)
あずさ(当ててあげるわ)
あずさ(やっぱり、って思ったでしょう。自分はやっぱり…って)
千早(…)
あずさ(そこにあちらはつけ込んできてるのね~)
千早(私…私は…)
律子(まずい、もうすぐ雪歩も終わるわ!)
伊織(しょうがないわね…貸し1よ)
律子(伊織…いいの?)
伊織(大体計画はわかったわ。それに…)
伊織(ここに残ってるのは、律子、美希、あずさ、貴音、千早でしょ)
伊織(歌で言ったらこの伊織ちゃんと同等レベルね、安心して後を任せられる)
伊織(だから肩のこらないここら辺でいっとくわ)
あずさ(伊織ちゃん…ありがとう)
伊織(その代わり!ちゃんと春香を元通りにしなさいよ!)
小鳥「はぁ~い、それじゃ次は…」
伊織「スーパーアイドル伊織ちゃんよ!」
亜美「よっ!待ってましたぁ!」
やよい「うっうー!伊織ちゃんがんばれー!」
伊織「当然ね!100点出してあげるわ!」
小鳥「では!スーパーデコデコアイドル伊織ちゃんで…『あ~よかった』?」
伊織「なによ?」
P「てっきり持ち歌だと思ってたけどなぁ」
伊織「いいでしょ?今日はバラードっぽい気分なのよ!にひひっ」
千早(…)
律子(計画は大体分かりました。つまり私たちは基本的には100点を狙えばいいってことですね)
貴音(それが一番可能性が高そうですね…承知しました)
あずさ(ええ。おそらくあちらは自分を最後に、そしてその前を千早ちゃん)
あずさ(そうすれば負けないって思ってるはずだから)
美希(ミキ、難しい話はよくわかんなかったけど、それで春香が元に戻るの?)
あずさ(おそらく…ね)
美希(ふーん…)
律子(美希…デートも大事だと思うけど)
美希(ぷ、律子…さん、ミキそんなこと考えてないの)
律子(え?てっきり…)
美希(ミキね、最近一緒にいる友達のこともすっごく大事だと思うんだ)
美希(だからもちろん協力するの!もちろんハニーのことも同じくらい大事だけどね!)
律子(美希…)
美希(それより千早さん、だいじょうぶ?)
千早(!?え、ええ…)
あずさ(…大丈夫よ、千早ちゃんは)
貴音(…それではこの先の順番も決めておきましょうか)
律子(ま、次はあたしですかね)
律子(あずささん…本気出すんですよね?)
あずさ(うふふ…はい~、久々に)
律子(じゃあなおさら時間稼がなきゃなんないですしね)
律子(それに、千早、貴音には歌じゃかなわないし)
貴音(そのようなことは…)
律子(美希は…美希ねぇ…)
美希(な、なんなのなの!?そのリアクション!)
律子(違うわよ…私はこれでも美希のこと認めてるんだから)
美希(そ、そうなの!?)
律子(ええ…これからも頑張りなさいよ)
美希(律子…さん。なんだか死にに行くみたいなの)
律子(あんたねぇ…あ、伊織もうすぐ終わるわね)
・
・
『but I’ll be right beside you from now on. So on … 』
小鳥「…ありがとうございましたー!」
真「へぇ~伊織バラードもいけるんだね!」
伊織「ま、当然よね」
春香(…とは言いつつ)
春香(スローテンポの曲で、しっかり音程を気にして…ふふ、当てに来てるじゃない)
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『くぎゅううううううううう』
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『89点』
伊織「まあまあね」
P「伊織も気合入ってたな」
伊織「ええ。正直できれば100点取りたかったわね」
P「?…のわりに意外と悔しそうじゃないな」
伊織「私がダメでも、他がまだいるもの」
P「え?」
伊織「なんでもないわ」
伊織(…頼んだわよ)
小鳥「さぁ続いては…」
律子「私いきます」
小鳥「おぉ~っと!ここで765が誇るメガネップル!リッチャンハカワイイデスヨ秋月律子だぁ!」
P「小鳥さんあとでしばかれますよ…」
小鳥「選曲は…持ち歌『魔法をかけて』!張り切ってどーぞ!!」
美希(…次は誰が行くの?)
貴音(力量的に、私ですね)
貴音(…あずさは、もう少しかかるのでしょう?)
美希(?)
あずさ(そうね~。ごめんなさい、私ってスロースターターだから~)
貴音(問題ありません。まぁ私も歌うからには満点を狙います)
美希(…歌の上手い方が後なら、美希の方が先じゃなくていいの?)
美希(正直貴音の方がミキより…)
貴音(美希、自信を持ちなさい)
貴音(あなたの力は、まだまだこんなものじゃありませんから)
美希(貴音…)
貴音(…千早)
千早(…?)
貴音(…あなたもそろそろ、自分自身を信じなさい)
貴音(あなたは、以前のあなたとはまるで違います)
貴音(あなたに、越えられない壁などありません)
千早(…四条さん)
『恋を夢見るお姫様は いつか素敵な王子様に巡り会える―』
律子(…元はといえば春香があそこまでなる前に予兆はいくつかあった)
『早くそんな日がきますように そっと瞳閉じるから―』
律子(それを忙しさにかまけて…プロデューサー失格ね。だから…)
『―魔法をかけて!』
律子(…できれば私が!)
春香(あらあら、頑張っちゃって…ふふ)
・
・
律子「…ふぅ…ふぅ」
真美「ヒューヒュー!まだまだアイドルいけるよりっちゃーん!」
律子「…あはは…はぁ」
小鳥「それでは採点です!」
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『からあげクン』
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『88点』
律子「ダメか…ふぅ」
P「よかったじゃないか。律子ってあんな歌上手かったっけ?」
律子「遠まわしに馬鹿にしてません?」
P「ソンナコトナイデスヨ」
律子(あとはよろしく…貴音、美希、あずささん…千早)
のヮの「惜しかったですねぇ!律子さん!」
律子「そうね」
のヮの「あれ?それだけですかぁ?」
律子(なんか普通に腹立つわね…)
小鳥「さぁ続いて参りましょう。続いては…!」
貴音「私が参ります」
小鳥「きました、貴音さんの胃袋はどうなってるんですか!?それはとっぷしーくれっと四条貴音ぇ!」
小鳥「曲は…『月のワルツ』?」
貴音「はい…私の好きな曲です」
小鳥「それではお願いします!」
美希(あずさ、次はミキ?)
あずさ(そうね~、もうちょっとチャージしたいからお願いできる?)
美希(ちゃ、ちゃーじ?まぁいいの…)
あずさ(あ、でももちろん100点取っても構わないのよ~うふふ)
千早(美希…)
美希(千早さん…)
美希(…ミキね、今すっごく燃えてるの)
千早(え…?)
美希(…たぶん、律子…さんと貴音が、期待してるって言ってくれたからなの)
美希(それを思うとなんだか力が湧いて来るって感じ!)
美希(千早さんは…何を考えると勇気が出るの?)
千早(私…私は…)
美希(ふぅ…まだ元気ないの)
美希(じゃあこれだけ覚えておいてなの!)
美希(千早さんは、あずさと並んでミキの歌の目標なの)
千早(美希…)
美希(あとは…)
美希(春香を救えるのは…たぶん千早さんなの)
千早(…!)
『こんなに月が蒼い夜は 不思議なことが起きるよ』
貴音(春香のあの負のえねるぎーは…どこかから来ているというよりもむしろ…)
『愛することは信じること いつかその胸に抱かれ』
貴音(いえ、今はこの歌に全力を注ぎましょう)
『眠った夢を見る―』
貴音(仲間を…取り戻すために)
・
・
小鳥「ありがとうございました…!」
響「貴音…こんな歌歌えたのか…」
やよい「すっごく四条さんらしい歌でしたー!」
貴音「ふふ、ありがとうございます」
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『お尻ちん』
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『90点』
小鳥「おぉーっと!ここで本日初の90点台!」
貴音「まだまだ、精進が足りませんね」
P「え?すごいじゃないか!」
貴音「ふふ、目標は高く持ちませんとね」
貴音「…」
春香「…なんですか?」
貴音「…いいえ」
貴音(あとはお任せしますよ…)
小鳥「さぁ続いては…!」
美希「ミキなの!」
小鳥「出ました765プロの眠れるアイドル!そんなに眠って大丈夫か!?星井美希!」
美希「ハニー、ごめんね?」
P「?…いきなりどうした?」
美希「ミキ、ハニーのために『ふるふる☆フューチャー』歌ってあげたかったんだけど…」
美希「ちょっと100点取らなきゃいけない事情ができちゃったの」
美希「だから歌で考えたときに、上手く歌える歌に変えちゃったの…」
P「そうか…でも」
P「美希の曲はなんでも大好きだから、大丈夫だよ」
美希「ハニー…!元気百倍なの!それじゃあ行くの!」
小鳥「さあそれでは行きましょう!曲は『マリオネットの心』!!」
あずさ(ふふ…美希ちゃんも成長したわね~)
あずさ(どう?千早ちゃん…気分は)
千早(…あずささん…!)
あずさ(なぁに?)
千早(お願い…!100点を取ってください!私は…!)
千早(私には…できない…できません!)
あずさ(…あらあら~困った子ね~)
千早(私には…できないんです…!)
千早(何度やってみても…何度歌っても!)
千早(本当に何度も何度も試したんです!でも…!)
千早(スコアボードに表示されるのは…同じ数字ばかり…!)
千早(私には…壁は超えられません!)
あずさ(…)
千早(…うっ…っ…)
あずさ(そっか…それならしょうがないわね)
千早(っ…)
あずさ(ならとりあえず私が歌うのを聞いていて。それでも無理そうなら諦めてくれていいわ)
あずさ(ただ…)
あずさ(私がダメだったら、春香ちゃんがどうなるか、ちゃんと考えてみてね)
千早(…それは)
あずさ(ふふ~本気で歌うのなんてどのくらいぶりかしら~)
千早(…いつもは…あんなに上手いのに…)
あずさ(もちろん本気よ~、でも本気のレベルが違うわね~)
あずさ(…ねぇ千早ちゃん。本当に、本気で歌を歌った覚えってある?)
千早(…どういうこと…ですか)
あずさ(私ね~、あ、私だけかもしれないけど、本当に本気を出すと寿命が縮まっちゃうんじゃないかしら~、って思うくらい疲れちゃうの~)
あずさ(それに集中するのに時間かかるし~だからいつもはセーブしてるんだけど~)
あずさ(今回はみんなのおかげでチャージ完了!エネルギー満タン!!って感じかな~)
千早(どうして…そこまで…)
あずさ(春香ちゃんのためよ~、もちろん。それ以外に理由がいるかしら~)
千早(…私にはできません)
あずさ(そんなことないわよ~)
あずさ(…一度、声が出なくなった事があったわよね?)
千早(…っ!…はい)
あずさ(あの時の復活ライブの時なんか、千早ちゃん本気~って感じだったわよ~)
千早(…)
あずさ(あの時は、何が千早ちゃんの力になったのかしら~)
千早(…)
あずさ(まぁ、あまり深く考えずリラックスリラックス!私がんばるから~)
あずさ(…だから見ていてね)
あずさ(私の本気を)
『ねえまだ私のこと見つめてくれますか? 何もできない それがマリオネット』
美希(貴音、律子、あずさ…みんな期待してくれたの)
『貴方に気持ち届かない Ahもどかしい ほらね 涙一粒も出ない』
美希(期待されるのには慣れてるけど…期待に応えたいって思ったのは久しぶりなの。だから…)
『心がこわれそうだよ―』
美希(春香、さっさと戻ってくるの!)
美希「はぁ…はぁ…」
P「美希…」
小鳥「これはいい結果が期待できそうだぁ!さぁ採点の方は…!」
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『あふぅ』
律子「もうここ適当になってきてるわね」
ヂャララララララララララララ…ジャン!!
『95点』
小鳥「で、出たぁーーー!95!95点です!本日の最高記録です!!」
美希「あ…」グラ
P「美希っ!!」ガシ
美希「あ…ハニー…えへ…惜しかった…の…」
P「ああ!よくやったぞ!よくやった!最高にキラキラしてたよ!」
美希「あは…ダンサブルな曲は…疲れるの…」
P「ああ…!ゆっくり休め…!」
小鳥「感動です!感動の嵐です!わたくし前がくもって…」
律子「いい加減にしないとぶっ飛ばしますよ」
小鳥「ぴよ…」
律子「さて…きましたね」
春香「わぁ~あずささんですね!」
春香(真打登場…か)
春香(まぁあずささんがいくら歌が上手くてもカラオケで100点は不可能ね)
春香(ふふ…王手かしら…!…なに!?)
P「」
小鳥「」
小鳥「あ…ずさ、さんですよね?」
あずさ「はい」
P「雰囲気が…というかオーラが半端ない…!」
P(ぶっちゃけ今より20年は場数を踏んだかのような…!)
亜美「あ、あれは本気モードのあずさお姉ちゃんだよ!」
P「本気モード!?」
亜美「普段竜宮で行動を共にしている亜美たちですらほとんど見たことはない幻の…!」
P「い、伊織は知ってるのか?」
伊織「…2回しか見たことないわ。今日で3回目ね…」
亜美「ちなみに1回目の時は、ライブ後観客が3時間帰らずにアンコールしてたYO!」
伊織「2回目の時は…」
律子「…居酒屋の時ね。周囲から通行人はおろか犬、猫、カラスまで集まってきて大変な騒ぎになったわね…」
P「」
亜美「歌で心を操る都会の人魚として一部ではUMA扱いされてるよねー」
伊織「地球の自転にわずかにだけど影響を及ぼすとも言われているわね…」
小鳥「」
あずさ「始めましょう」
小鳥「は、はい…曲は…」
真美(ぴよちゃん、せっかく作ってきたキャラ忘れてるYO→!)
春香(くっ…!何か隠しているとは思っていたが、ここまでとは…!)
小鳥「曲は……『隣に…』…!?」
P「なん…だと…!?」
千早「あずささん…」
亜美「うあうあ→!!これ本気中の本気のやつだYO→!!」
伊織「もしもし新堂?カラオケ店の周りにSP配置。ええ…避難まではさせなくていいわ…たぶん」
春香(くっ…だが、さすがに機械まではどうしようもあるまい!)
春香(三浦あずさも所詮ヒトの子!ヒトを捨てなければ100点を超えることは…!)
『―空にだかれ 雲が流れてく 風を揺らして 木々が語る―』
P「」
春香「くっ…これは…!」
『目覚めるたび 変わらない日々に 君の抜け殻 探している―』
P「……キン…グ…………」
春香(三浦あずさ…そういう…ことか…!)
『Pain 見えなくても 声が聞こえなくても 抱きしめられたぬくもりを今も覚えている―』
あずさ(おそらく100点は出せないわ…)
あずさ(いくら本人が歌おうとそれほどカラオケの機械は…でも)
『この坂道を登るたびに あなたがすぐそばにいるように―』
あずさ(あなたはやよいちゃんの攻撃(?)で弱っている…)
あずさ(やけにみんなに話しかけていたのは、弱っているのを隠すため…でしょう?)
『感じてしまう 私の隣にいて 触れて欲しい―』
春香(ぐっ…確かにこれ以上…は…!!)
あずさ(春香ちゃんを…返しなさい…!)
・
・
あずさ「ありがとう、ございました」
P「キング…」
律子「キングね…」
小鳥「サ、サイテン…ドーゾ…」
ヂャララララララララララララ…
あずさ「…」
ジャン!!
『キング』
律子「本命は次よ…!」
ヂャララララララララララララ…
春香「あずささん…」
あずさ「春香ちゃん…」
春香「惜しかった…ですね、ふふ」
ジャン!!
あずさ「…そうね」
『99点』
貴音「くっ…!」
伊織「…」
律子「そんな…」
P「あずささん…」
あずさ「ふふ…100点取れませんでしたね」
P「ええ…それより顔色が…」
あずさ「大丈夫ですよ。少し休めば…」
P「しかし…」
あずさ「大丈夫ですから…それより」
あずさ「まだ終わってないですから…次の子の歌を…ちゃんと…」
P「はい…」
あずさ「ふふ…少し…疲れたので…休…」
あずさ「…」
P「…」
P「…素晴らしかったです」
今日中に終わらせるはずだったのに…もし継続して読んでくれてる人いたらすんませんorz
絶対明日中には完結します!
>175 バレるもんですね^^;文体に特徴でもあるんでしょうか?
小鳥「つ、次…」
小鳥(ちょ、ちょっと律子さん!次いきます!?)
律子(え…?)
小鳥(だってみんな抜け殻のようになってますよ…?)
律子(そうですね…)
小鳥(これは…)
春香「こっとりさーん!次ですよ、次!」
小鳥「は、春香ちゃん…」
春香「最後なら私行きたいんですけどー」
春香「あ、『最後なら』ですけど。『もう他に歌える人がいなければ』ですけどねー!」
律子「…っ!」
春香(千早ちゃんに出てきてもらわなきゃ困るんだけどなぁー)
春香(やっぱりもう少しハッパかけなきゃ…)
千早「春香」
春香「…なぁに千早ちゃん?」
千早「…私がいくわ」
律子(ち、千早!?)
貴音(千早…)
春香「あっれー?そっか、千早ちゃんまだ歌ってなかったねー」
伊織(くっ…なんて白々しい!)
千早「ええ。あなた、最後の方がいいんでしょう?」
春香「ええー?まぁどっちでもいいんだけどねー」
千早「なら…私が先にいくわ」
春香(計画…)
春香「そっかーうんいいよ!じゃあ私最後ね!」
春香(…通り!)
小鳥「じゃ、じゃあ次は千早ちゃんね…」
千早「ええ、お願いします」
律子「ち、ちは…!」
美希「…だいじょうぶなの」
律子「美希!あんた…」
美希「千早さん…もうだいじょうぶだよ、きっと」
律子「…」
P「千早か…」
千早「はい…」
P「…がんばれよ」
千早「…!はい!」
春香(ふふ…ありがと、千早ちゃん)
春香(正直、あずささんの99点には驚いたし)
春香(このまま千早ちゃんが出てこなければ危なかったわ…)
春香(…いつも千早ちゃんは私のために動いてくれるわね、ふふ)
春香(じゃ、精々がんばって…)
春香(…いつもの点数、よろしくね。あははは!)
小鳥「…それでは千早ちゃんで…」
小鳥「…『約束』」
春香「…約束?」
雪歩「…千早ちゃん」
真「絶対カラオケとか…」
真美「ううん、ライブでも…」
亜美「滅多に歌わなかったのに…」
伊織「これはみんなの…」
響「みんながくれた歌だからって…」
貴音「絆の…歌だからと…」
美希「でもきっと…」
やよい「今歌うのにふさわしいかなーって!」
あずさ「ふふ…」
律子「千早…がんばって…!」
『ねぇ今 見つめているよ 離れていても』
春香(効かない…効かないよ千早ちゃん!ふふ…はははははは!)
?(…)
『Love for you 心はずっと 傍にいるよ』
春香(高槻やよいほどの、いや三浦あずささえ超えていないお前に何ができる!)
?(…)
『もう涙を拭って微笑って 一人じゃない どんな時だって』
春香(一応感謝をしておこう。お前が出てこなければ計画は完成しなかったのだから)
?(…ヤチャン)
『夢見ることは生きること 悲しみを越える力』
春香(ありがとう、私の踏み台さん…なんだ!?)
?(チハヤチャン!!)
『歩こう 果てない道 歌おう 天(そら)を越えて』
春香(これは…本体…!)
春香(千早ちゃん!)
『想いが届くように 約束しよう 前を向くこと』
裏春香(くっ…お前が出てきて何になる!世界は私を求めているのに!)
春香(…)
『Thank you for smile―』
裏春香(世界がお前に何をしたか忘れたか!…元々私は…!)
春香(…)
『歩いて行こう 決めた道 歌っていこう 祈り響かすように』
裏春香(私たちは一つだった!お前が私を生み出したのだろう!)
春香(そうだね…)
『そっと誓うよ 夢を叶える』
裏春香(それなのに…お前が…お前も私を…いらないと…)
春香(そうだね…私の責任…)
『君と仲間に―』
裏春香(…)
春香(そうだよね…元々私が…)
『約束―』
春香(ごめんね、千早ちゃん…)
千早「ありがとう…ございました」
春香「…」
小鳥「さ…採点いくんですか」
律子「…」
千早「お願いします」
小鳥「ち、千早ちゃん…」
律子「本人が言ってるんです…やってください」
小鳥「で、でも…」
P「千早」
千早「はい」
P「素晴らしかった。それだけだ」
千早「…はい!」
小鳥「じゃ、じゃあ採点行きます!」
ヂャララララララララララララ…
千早「…」
P「…」
春香「…」
ジャン!!
『72』
律子「…あ…」
伊織「そんな…」
春香「うふ」
貴音「!?」
春香「うふふふふふ」
美希「春香…!」
春香「うふふふふふふふふふふふふふふふ!」
春香「残念だったねぇ、千早ちゃん!やっぱり…!」
P「まだだ」
春香「はい?」
P「まだだって言ってるんだ」
千早「…」
ヂャララララララララララララ…
春香「!?」
ジャジャン!!
『73点』
春香「…!そんな…はずは…!」
千早「あ…」
律子「ち、千早…!」
千早「…私…わた、し…」
P「千早」
千早「…!」
P「…おめでとう。73点だ」
千早「…ぁぁぁぁ」
真「千早!」
雪歩「千早ちゃん!」
響「さすが千早さー!」
貴音「真、感服いたしました」
やよい「うぅ…ちはやさぁん!!」
亜美「びっくりしちゃったYO→!」
真美「でも千早おねーちゃんなら当然かもね!」
美希「さっすがミキの目標なの!」
律子「おめでとう、千早!」
あずさ「おめでとう…そして、ありがとう、千早ちゃん」
千早「う…うぁぁああ…あっ…ああ」
千早「…ぷっ、ぷろでゅ…さぁぁぁ…」ガシ
P「よくやった…本当に…」ギュウ
千早「あっ…ああああぁぁぁぁぁぁ…」
P「よくやった…」
春香「ちょ、ちょっと待ってよ!おかしくない!?」
春香「ねぇ聞いてよ!」
P「…」
春香「一回、72点って出たじゃない!あれがホントの点数なんじゃないの!?」
P「お前こそよく見たのか」
春香「何を!」
P「あの時の72の後ろには『点』と付いてなかった。一回目の言葉の意味での72だったんだろう」
春香「そんな…!」
P「今回の73は横に『点』が付いてる…こっちが正式な点数だ」
春香「つっ…!それでもよく考えてみてよ!73点だよ!?」
春香「今のところ最低点だよ!それなのに…!」
春香「価値ってなんですか!?1点アップしました、それだけでしょ!?」
P「…時には1点と10点は等価値じゃない」
春香「はい!?」
P「今日は70点だった、次の日やったら80点だった、でもその次の日は60点だった」
P「だいたいそんなもんさ、大抵は…でもな」
P「ときどき、壁にぶつかるんだ」
P「何度挑んでも越えられない、下がることはあっても上がらない。そんな時が…」
千早「うぐっ…ふぇぇぇ…」ギュウ
P「本当に何度も何度もぶつかって…骨が折れても、血が出ても…」
P「それでもその壁は越えられないんだ」
雪歩「プロ…デューサー…ぐす」
P「…そのうち、この壁はどうやっても壊せないんじゃないか、もうこれ以上きっと進めないだろう…そう思うようになってくる」
P「そのことを、人は…限界って呼んだりする」
P「そうなったとき、人は2種類に分かれる」
真「諦めるか…諦めないか…」
P「そうだ…そして諦めてしまった人間は、壁を壊そうと頭をぶつけ続ける人間のことを羨ましがる」
P「そしてそのうち嘲るようになる『無駄なことをしている』『あの壁は壊れないのに』」
P「…『ここで行き止まりなのに』」
P「そうすると、少しでも早く諦めた自分は賢いと思えて、救われた気分になるからだろうな」
P「諦めない人間はそれでも挑み続ける。『あいつは馬鹿だ』『また失敗してやがる』そう言われながら」
やよい「うぅ…」
P「普通の人間だったら恥ずかしくもなるだろう。…残念ながら諦めの早い人間が多いからな」
P「それでも諦めずに挑み続けることのできる人は…とても強い人だと思う」
P「ましてや千早の場合は…常に72点だった」
P「上がるどころか下がりもしない…まるで運命に決められているかのように」
P「そんな状態でも諦めずにもがき続けることが…できるか?」
貴音「…あなた様」
P「…千早はそれでも今日、諦めずに壁にぶつかることを選んだ」
P「…自らの意思で」
P「そんな人だけが…壁を壊せるのさ」
千早「…うぐぅ…ちがっ…みん、な…みんなが、いた、から…あぅぅ…」
P「…それも、諦めなかったからだよ」
P「諦めずに頑張っている人のところには…応援してくれる人が集まるんだ」
美希「…そうだよ、千早さん」
P「『あの人まだ頑張ってる』『すごいな』『応援しよう』」
P「そしていつかは…その応援の力もあって、壁を壊せる日が来るんだ」
千早「…ぅん…うん…」
P「ただそれだってその人が諦めなかったからだよ。だから…」
P「それはその人の…千早の、力だ」
千早「…っつ…ふぇぇぇぇぇ……ぅぁぁぁああん…!」
P「…そんな1点を笑うことなんて…1点アップした『だけ』なんて…お前にはこの価値がわからないか?」
春香「くっ…!」
P「お前には歌えるのか?今の千早以上の歌が…?」
春香「…!バカにしないで!いけるわよ!小鳥さん!」
小鳥「え、ええ…曲は…」
春香「『I want』!!」
・
・
・
春香「ふぅ…どうでしたプロデューサーさん?」
P「…」
春香「じゃ、採点してください」
小鳥「ええ…あれ?」
春香「…?」
『 』ビーッビーッ!!
春香「なに…?」
『採点不可』ビーッビーッ!!
春香「なっ!なんなの!これ!?」
『採点不可』ビーッビーッ!!
春香「なんなの…なんなの!?」
貴音「面妖な…」
律子「採点できないんじゃ…勝負あったわね」
春香「はぁ!?意味わかんない!こんなのおかしいよ!」
美希「いいからさっさと春香を返すの!」
春香「意味わかんない!春香は私よ!私は春香よ!!」
P「これは…」
千早「…プロデューサー…」
P「ああ…」
雪歩「は、春香ちゃんをもとに戻してぇ!」
春香「だから私ははるかを!…私が…あれ…!」
P「春香…」
春香「プロデューサーさん!?プロデューサーさんも私を…!!」
P「…お前は」
P「お前は…春香だ」ギュ
春香「だから私がはる…え?」
P「春香だ…春香だよ。大丈夫だから」ギュウ
春香「え…私…はるか…」
律子「…どういうこと?」
貴音「…それは、千早に聞きましょう」
伊織「…千早?」
千早「…ええ…説明…出来ると思うわ…」
千早「あの春香は…」
・
・
P「…気づいてやれなくて、済まなかった」
春香「…え?私…」
P「お前も春香だ。もともと一つだった、春香だろ」
春香「私…はるか…」
P「ああ…」
・
・
千早「もともと春香はデビュー当時から庶民派アイドルを売りにしてきました」
律子「歌うことが大好きな普通の女の子、ってやつね…」
千早「…ええ。ただ、心無い声が聞こえることも多くて」
千早「特徴がないとか、キャラがないとか…そういったものが」
伊織「…そんなのアイドルにはつきものでしょ」
千早「そうね…春香も『困ったなぁ』って笑ってたわ…けど」
真美「思ったより、気にしちゃった…?」
千早「そう…そんな時に偶然にもある設定が春香ファンの間で話題になったの」
千早「高圧的な態度、他の人を見下したり裏で悪いことを考えたり人をおとしいれたり…」
亜美「それがあのはるるんなわけ?」
千早「…みんな、映画の第一弾のことは覚えてる?」
真「第一弾…って『無尽合体キサラギ』?」
千早「その時の春香の役は?」
響「あー!ハルシュタイン閣下か!?」
千早「そう…あの子はそこを原点に生まれたのね」
千早「その後そういう設定が広がってしまって…本当の春香はまったくそんなことないのに…」
千早「ファンから『実は春香ちゃんって腹黒?』とか『裏では何やってるの?』とか」
雪歩「春香ちゃん…」
千早「『罵ってください!』『踏んでください!』とかね…」
貴音「面妖な…」
伊織「私んとこにもたまにそんなの来るわね」
千早「でも春香はああいう子だから…」
あずさ「…そういうキャラを作った方が、ファンのため、と思ったのね…」
千早「半分正解です」
やよい「はんぶん?」
千早「…もう半分は」
・
・
春香「私…わたしがよわかったからぁ…!うぅ…!」
P「うん…」
春香「そう、いう設定が…欲しかった…つく、られた設定…でも…いいから!」
P「うん…」
春香「特徴な、し、って…言われなくなり…たくて…ぐす」
P「…そうだな」
春香「…弱い…よわいわたっ、わたしは…そう演じよう…って…えぐっ」
P「…つらかったな」
春香「そ、し、たら…いつの間にか…本当に…演じてるじっ、じぶんが…」
春香「どれがホントの…じぶんなの、か…わがんなくなってぇ…ぇぇぇぇぇ!」
P「うん…」
・
・
律子「いつの間にか本当に性格が分離しちゃった…ってこと?」
千早「おそらく…」
美希「春香…」
千早「…元の春香は今だに自信がなく、自分の都合で生み出してしまったもう一人に罪の意識を持っている」
千早「生み出された春香は、元の春香が怯えていることを知っている。だから自分が必要に応じて『ファンに望まれている春香』として表に出てきていた…」
千早「…今回はそれが暴走してしまった、といったところですかね」
千早「元の春香の喜ぶことをしてやりたい、って思ったのかもしれないわね…」
伊織「ったく、人騒がせね…」
律子「でも…そこまで春香が思いつめていたことにもっと早く気づいていれば…」
律子「はぁ…プロデューサー責任ね…」
響「自分たちのせいでもあるさー…」
千早「…そうね、もう少し早く本当のことに気づいていれば」
千早「…『春香を返して』『あなたはいなくなりなさい』なんて言わなくてすんだかも…」
貴音「…あの春香も、よくよく考えれば本物の春香…」
美希「そう考えると…ひどいこと言っちゃったの…」
千早「そうね…『一人を消す』のではなく、『一つに戻す』ようにすべきだったわ」
千早「でも…たぶんもう大丈夫よ」
雪歩「そ、そうなんですかぁ?」
千早「ええ、きっと…」
千早(プロデューサー…)
・
・
P「…落ち着いたか」
春香「はい…」
P「ちなみに…『どっちの』春香なんだ?」
春香「ふふ…『普通の』春香です」
P「そっか…もう一人は?消えちゃったわけじゃないんだろ?」
春香「はい…拗ねちゃったみたいで、あはは」
P「!?そ、そんなことわかるのか?」
春香「はい…今回はっきりとお互い自覚しましたから…」
P「そうか…」
春香「『悪かったな』…だそうです」
P「マジで…?」
春香「マジです…それと本当にすいませんでした。これは私から…」
P「いいさ…」
春香「…ぐす…」
P「あー!泣くな泣くな!」
春香「すびばぜん…うぅ…」
P「とりあえず一件落着だし…ただな?」
春香「…ヴぁい?」
P「これだけは覚えておけよ?少なくとも765プロのみんなは」
P「春香に特徴がないなんて思ってないぞ」
春香「…ふぇ?」
P「そうだろ。リボンだし、お菓子作り趣味だし、遠距離通勤だし…」
春香「…」
P「おっちょこちょいだしあわてんぼだし、暇さえあればどんがらがってるし…」
春香「なんかいいところないじゃないですかぁ…」
P「…たぶん一番優しさを持ってるよ」
春香「…えへ」
P「もうひとりにも言っとけよ。おれたち全員好きだって」
春香「ふふ…『かっかと呼べ』ですって」
P「…マジで?」
春香「マジです」
・
・
律子「…いつまで抱き合ってるんですかぁ?」
P「んがっ!?」バッ
春香「ヴぁい!?」バッ
律子「まったく…元はといえばですねぇ、あなたが…」ガミガミ
P「おれが悪いの!?えぇ~…」
亜美「おやおや~兄ちゃんまた怒られてやんの~」
真美「りっちゃんはああなったら長いですからな~」
やよい「はるかさぁん!!」バッ
春香「わっ!?やよい…えーと、ごめんね?」
やよい「?なにがですかぁ?」
真「春香っ!」
雪歩「春香ちゃん!」
春香「真!雪歩!」
真「よし!いつも通りの春香だね!」
雪歩「よかったですぅ」
春香「ありがとう…」
あずさ「あらあら~良かったわぁ」ギュウ
春香「く、苦しいですあずささん…」
伊織「まったく!溜め込む前に相談ぐらいしなさいよね!」
春香「あは、ごめんねー…」
響「お、もうすっかり春香だぞー!」
美希「いつもどおり過ぎて顔見てたら眠くなってきたのー…あふぅ」
貴音「もう一人にもよろしくお伝えください。暇なときは出てきなさいと」
春香「はは…はいー…」
千早「春香…」
春香「千早ちゃん…」
千早「…ごめんね」
春香「え!?ちょちょ…!」
千早「春香がそこまで思いつめていたなんて気がつかなくて…私は…」
春香「千早ちゃん!」
千早「な、なに!?」
春香「…私も『ごめんね』って気持ちあるけど、やっぱり『ありがとう』って気持ちの方が大きいんだ」
春香「だから『ありがとう』千早ちゃん…『約束』聞こえてたよ!」
千早「…!私こそありがとう…それと…」
千早「おかえり…春香」
春香「ただいま、千早ちゃん!」
のヮの「結局私の休みを千早ちゃんの休みに合わせてもらって、ケーキ食べに行きました」
のヮの「美味しかったです!わっほい!」
終わり!
長いのに読んでくれた人ありがとう!
ほんとはただのわいわいするSS書きたかったのに…ドウシテコウナッタ orz
毛色はだいぶ違うけど
P「いつもありがとう、雪歩」伊織「あ~よかった」もよかったら読んでください!では!
おまけ
P「ふぅ…ただいま戻りましたー」
小鳥「あ、お疲れさまですプロデューサーさん」
P「まぁ今日はこれで終わりなんでいつもよりは…」
P「音無さんは?」
小鳥「私ももう終わりですね。ちょうど終わってゆっくりしてたところです」オチャドーゾ
P「あ、ありがとうございます…音無さん?」
小鳥「はぁい?」
P「このあと予定ありますか?」
小鳥「ぴよーーーーーーーーーーー!」ガチャン!!!
P「お、音無さん!?」
小鳥「す、すいません手が滑っただけなんでほんときにしないでくださいだいじょうぶですからええもんだいないですとも!」
P「は、はぁ…」
小鳥(え、なにこれ!?ドッキリ!?)
小鳥(落ち着け落ち着くのよ小鳥!今日は…土曜日!うん、間違いないわね!)
小鳥(今日の下着は…まずい!!上下揃ってないピヨ!!)
小鳥(ええと、フラグ、フラグは何かあったかしら!?今日は朝いつもどおりに出社して…!)
P「で、どうですか?今日はおれがおごりますけど…」
小鳥「えっとそれはもちろん…」
P「ただ1つお願いがあって…」
小鳥「え?」
小鳥(条件付き!?ま、まさかおごる代わりに…「オレんとこ来ないか?」キラリン)
小鳥(なんてなんて!「だ、ダメですプロデューサーさん!私まだ心の準備が…!」)
P「音無さんの歌が聞きたいんですよ」
小鳥(「オレもう我慢できないよ…音無さん…いや、小鳥。小鳥の歌が…」…?)
小鳥「…歌?」
P「はい」
小鳥「orz」
P「ど、どうしたんですか!?」
小鳥「なんでもないです…」
P「この間カラオケ行ったじゃないですか」
小鳥「ああ、あの大騒ぎだったやつですね」
P「ええ、その時音無さんだけ歌ってなかったじゃないですか」
小鳥「最後よくわかんない展開になりましたしね…」
小鳥「まぁそれじゃなくてもあんなアイドルだらけのところで歌えませんよ」
P「うーん、でも律子が…」
小鳥「え?」
P「いや帰り道そんな話になって『一回聞いてみたほういいですよって』」
小鳥「えぇ~…律子さんてば…」
P「だから、お願いできません?1曲だけ!」
小鳥「ええ!?恥ずかしいですよぉ!」
小鳥「いつもアイドルの歌を聞いてるプロデューサーさんに聞かせるレベルの歌じゃないですから!」
P「お願いしますよ」
小鳥「ダメダメ!それに私が歌うためだけにカラオケに行くんですか?」
P「え?ここでいいじゃないですか」
小鳥「アカペラ!?」
P「あ、音源ありますよ」ドンッ!
P「律子が貸してくれました」
小鳥(律子さん…恨むピヨ!)
P「いいじゃないですか~おれ一人しかいないんだし~」
小鳥「あ、あのですね…他人の前で歌うより、知り合いの前の方が恥ずかしいですよ…」
小鳥「しかも…プロデューサーさんの前でなんて…ピヨピヨ」
P(この流れ…ここで律子が教えてくれた…!)
P「…小鳥」
小鳥「ピヨッ!?」
P「小鳥の歌が…聞きたい」キリッ
小鳥「…はい」ポワァ
P「よっし!キタコレ!」
小鳥「はっ!私は一体…!?」
P「じゃあどれがいいですか?」
小鳥「もう…わかりましたよ!一曲だけですからね!」
P「えっと、律子が用意してくれたのは…」
小鳥「『花』『光』『空』…ですね」
小鳥「…どれがいいですか?」
P「う~ん…全部知らないしなぁ」
P「任せますよ。てか全部知ってるんですか?」
小鳥「…そうですね、歌えます」
P「あ、じゃあこの中で元気になりそうな曲ってあります?」
小鳥「元気になりそうな曲…ですか」
P「ええ、仕事終わりですし…」
小鳥「ふふ、じゃあ『空』でいきましょうか」
P「『空』ですね…いやぁ楽しみだなぁ」
小鳥「久々だから緊張します…」
小鳥「あんまり期待しないでくださいよ」
P「またまた。いきますよー」ポチットナ
小鳥「それでは聞いてください…『空』」
・
・
『つがる☆れいんぼぉ~』
P「結婚してください!」
小鳥「ふぅ…おそまつさまでした」
P「」
小鳥「満足しましたか?プロデューサーさん」
P「決めました」
P「3で小鳥さんがプロデュースできなかったらバン○ムに殴りこみます」
小鳥「は、はい?」
P「こちらの話です…すごいじゃないですか」
小鳥「ふふ、ありがとうございます」
P「ホント、アイドルでもいいんじゃないかってくらい…素晴らしかったです」
小鳥「またまた」
P「いえ本当に…アイドルとか目指さなかったんですか?」
小鳥「…」
P「…あの」
小鳥「私は今のポジション、結構気に入ってるんです」
小鳥「たまにですけどこんなふうに歌えるだけで…」
P「小鳥さん…」
小鳥「ふふ…そういう生き方もあるってことですよ」
P「今度またカラオケ行きましょうか!」
小鳥「えぇ!?」
P「いやぁもっと聴きたくなっちゃって、小鳥さんの歌が」
小鳥「もう…ただその前に」
小鳥「今日もおごりですからね!」
P「もちろん、約束ですから」
小鳥「やった♪」
P(あれなにこれスッゲーかわいい)
小鳥「その日から『小鳥さん』って呼ばれるようになりました」
小鳥「みなさんこれって脈アリですかね!?どう思います!?ぴよーーーー!」
ほんとにおわり!
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