響「何なんだいきなり……」
P「いやね。ちょっと魂の叫びを」
響「それにしたって……どういうことさー!」
P「いやいや字面まんま。響と甘く濃厚にイチャつきたい」
響「気持ち悪いぞ……」
P「照れ隠し?」
響「何も隠してない!本音を言ったまでだぞ」
P「だよね!俺と響の間には隠し事なんて必要ないよね!」
P「本音と本音のぶつかり合い……。お互いをさらけ出す……!まさしくハダカの付き合いってヤツですね」プチンプチン
響「ぎゃー!おもむろにワイシャツのボタンを外していくなー!」
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P「ねぇねぇ響ー」
響「…………なぁに?」
P「俺と今晩夜景の見えるレストランで食事しない?」
響「しない」
P「今度の週末二人っきりで動物園に行かない?」
響「行かない」
P「ちょっと俺に後ろからハグされてくれない?」
響「くれない」
P「じゃあ……」
響「しつこい!すばらしくしつこいぞ!」
響「ふぅっ。今日のレッスンはちょっと疲れたぞ」
P「お疲れひびきーン!」
響「うわぁ。また出た」
P「疲れてるだろー?ほら、お飲み物をどうぞ!」
響「あ、ありがと……」
響「………………」ジトー
P「そんな疑いの目を向けるなってー!別に何も入れたりしてないから。
……おっと。でも安心してくれ。俺の溢れんばかりの愛は存分に込められている!」
響「一気に飲む気が失せたぞ」
P「そう遠慮するなってー」
響「……ねえプロデューサー。このアクエリアス、最高にぬるいんだけど。……ちょうど人肌位の温度」
P「そりゃそうだろう。俺が響の為にずっと懐で温めていたから!」
響「もっ……、もういらない!」
響「ねえプロデューサー」
P「なんだいマイスウィートハニー」
響「最近の自分の仕事、妙にグラビアの比率が増えてる気がするんだけど」
P「ん?言ってなかったけ?響のグラビアってめちゃめちゃ評判いいんだぜ」
響「え、本当か?」
P「うん。向こうの方から仕事がたくさん入ってきてるんだ。響のグラビアのオファーの数は、ウチじゃああずささんと並んでトップだね」
響「そ、そうだったのか……えへへ……」
P「うん。さすがは俺のマイラブリーエンジェル」
響「…………でも、なんで毎回グラビアの仕事にはプロデューサーがついて来るんだ?」
P「そりゃーもちろん響の弾ける水着姿を肉眼でバッチリ堪能するために決まってるだろ」
響「へ、ヘンタイ!やっぱり変態プロデューサーだったぞ!」
P「響ー!疲れてなーい?」
響「うーん。ちょっとだけ疲れたかもだぞ」
P「マッサージしてあげよう」
響「丁重にお断りするぞ」
P「遠慮するなってー!」
響「イヤだ!」
P「なんで!」
響「鼻息荒いもん!」
P「いやだなぁ。いつだって俺の鼻息はMAX全開噴射だったじゃないか」
響「生まれながらの変質者体質じゃないか!」
P「さぁお嬢さん。どこらへんがお疲れかな……?」ワニョワニョ
響「その指の動きおかしい!絶対にマッサージの動きじゃないぞ!」
P「響ー。おはようー」
響「おはようプロデューサー」
P「…………よしっ」カチッ
響「プロデューサー。手に持ってるのは……何だ?」
P「ん?これ」
ボイスレコーダー「ハァイ」
響「な、なんだよこれー!?」
P「ふっふっふ。こういう事だよ」カチッ
ボイスレコーダー「おはようプロデューサー」ヒビキボイス
P「これを目覚ましのアラームにセットしようかと思いまして」
響「自分の声を無断使用するなー!」
P「出来れば”早く起きて。プロデューサー!”っていう声も欲しいのですがっ……!」
響「ぜぇ~ったい言わないからな!その期待顔はやめるさー!」
P「あいうえお作文って知ってる?」
響「馬鹿にしないでほしいぞ」
P「ってなワケで、俺も作ってみました!ジャジャン!」
響「そうなのかー」
P「お題は当然”がなはひびき”です」
響「そ、そうなのかー……」
P「んじゃあコールをよろしく」
響「”がなはひびき”の、がー」
P「ガバッとしたい!」
響「……”がなはひびき”の、なー」
P「なでなでしたい!」
響「…………”がなはひびき”のはー」
P「ハグしたい!」
響「も、もういい!聞きたくないぞ!」
P「別パターンをお望みかな」
響「パターンがあるのか!」
律子「プロデューサー殿。ちょっといいですか?ここなんですけど……」
P「ん?どれどれ、見してみ。……ああ、ここはな……」
小鳥「プロデューサーさん。ちょっと頼まれちゃってくれませんか……?」
P「ははは。なんですか小鳥さん。いいですよ。遠慮なくどうぞ」
千早「あの……。プロデューサー?次のシングル曲について、相談があるんですけど……」
P「ん?どした千早。いいぞ。言ってみ」
響「…………………」
響(仕事してる時はすごくマジメなんだけどな……」
P「ふぅっ、一息入れようかな。……ンひーびきーン!」
響「うわっ、来たぞ……」
今日はこれで
また来ます
P「唐突ですが。響ー」
響「なぁに」
P「今日、夢で響と会えました!」パンパカパーン
響「夢の中まで出勤させないで欲しいぞ」
P「んでんでー。その中で俺と響は何してたと思う?」
響「へっ、ヘンな事してないだろーなプロデューサー!」
P「ひたすら俺が響のアホ毛をいじくっていました!」
響「すばらしくシュールだぞ……」
P「この夢を僕は正夢に変えとうございます」ニヘラァ
響「ひっ……。一瞬にして顔と動きが放送禁止レベルにぃ……!やめて!来ないでくれぇ!」
P「伊織ー。今度から始まるドラマの役、取ってきましたー」
伊織「あら。いいじゃない。主役じゃないのがちょっと惜しいけれど」
P「雪歩にもドラマの仕事な。深夜枠だけど、準主役だぞ」
雪歩「あ、ありがとうございます!」
P「亜美ー、真美ー。約束してた二人でのバラエティ出演、オッケーでーす」
亜美「おーっ!」
真美「やっるじゃん兄ちゃーん!」
P「貴音も同じくバラエティな。グルメリポートのロケ、頼みましたー」
貴音「心が踊りますね……」
P「響ー。響は雑誌の巻頭グラビアよろしくー」
響「自分はまたグラビアかぁ」
P「当然俺もついていきますよー。よろしくぅ!」
響「またついてくるのか!いいよ!自分一人でやれるからぁ!」
カメラマン「いいよー響ちゃん!じゃあ次はそこに座ってみようか!」パシャパシャ
響「オッケーだぞ!」
P「………………」ジーッ
響(結局ついてきてるし……)
響(うわぁ……社会人としてギリギリアウトなトリップ顔だぞ……)
響(あ……!ヨダレが……ヨダレが垂れてきて……あ、拭いた。またニヤけた)
響(引いてる!周りの人引いてるぞ!なんで気づかないんだプロデューサー!)
響(あ、声かけられた。……一瞬で表情が締まった!切り替え早い!)
P「今日のお仕事は握手会です」
響「はいさーい!自分頑張るぞー」
P「毎回言ってるように、どんな人が来てもそれは響を応援してくれている大切なファンだ。
あんまし迷惑なのはちゃんとこっちで取り締まるから、響は安心して元気でやってください」
響「ん。了解してるぞー」
P「んじゃ俺は裏に行くから。後は頼んだ。頑張れよ」
響「分かったぞー」
響(人前に出るとプロデューサーはいっつもちゃんと態度をわきまえるんだよな)
響(でも、この前の撮影みたいに漏れ出しちゃう事もあるけれど)
響(基本的には真面目な人なんだけどなー。どうしてああなっちゃったんだろう。謎だぞ)
ファン1「応援してます!」
響「はいさい!これからもよろしくだぞー!」アクシュ
ファン2「頑張ってください!」
響「うん!ありがとうだぞ!」アクシュ
P「いつも見てます!」
響「ありがとう!自分、もっと……ってプロデューサー!?」ヒソヒソ
P「はぁい、ラブリーマイエンジェル。会いに来・た・よン」ボソボソ
響「さっき少しでもあんな事を考えた自分が恥ずかしいぞ」
響「もーっ、プロデューサー!何やってるんだ!」ウガーッ!
P「いやぁ、俺も響と握手したかったんだもん!」
響「だもん!じゃないぞ!結局握手することになっちゃったし……」
P「嗚呼……。響の手のひらのぬくもり……今も鮮明に思い出せるよ……!」
響「自分も思い出せるぞプロデューサーの手のひら。すごく汗ばんでた……」
P「ふむ。それはアレだ。興奮の現れかと」
響「押さえつけて!」
P「嗚呼……。響の手のひらの小さ可愛さ……」
響「過去を振り返らないで!」
P「これだけで俺は残りの人生何があろうと生きていける……!」
響「燃費いいな!」
P「プロデューサー権限を振りかざして列に割り込んだ甲斐があったよ……!」
響「職権乱用!」
今日はここまで
毎回ちょっとずつになると思うけど、勘弁してください
響「うーん……」
P「ひーびきーン!どーぅしたんだぁーい?」
響「これほどまでにうっとおしいテンションは見たことないぞ……」
P「お悩みかなお嬢さん。どれ、オジサンに話してごらん」
響「数学の課題なんだけど、最後の問題がどうしても解けなくって……」
P「どれどれ、俺に見せてごらん……ふむ。ここはね……」
響「あっ、ス、ストップ!」
P「ん?」
響「自分のチカラで解いてみたいんだ。だから悪いけれど教えてくれなくって大丈夫だぞ!」
P「ふむ……そっかそっか。さすが俺の響」
響「一箇所訂正して言い直して欲しいぞ」
P「ふむ……そっかそっか。さすが俺の嫁」
響「そこじゃない!」
響「うーん……」
P「ひびきー。あれからもう40分経ったぜー。そろそろ諦めよ?この手の問題の解法教えたげるから」
響「うぅ……。悔しいけれど、よろしく頼むぞ」
P「お任せあれ」
響「でも、プロデューサーに解けるのか?」
P「お嬢さん。ワタシを見くびってもらっては困るなぁ。これでも俺は高校時代、クラスで6番だった男さ」
響「凄いけれどなんかしょぼいぞ!」
P「……んで、後はここで出た値を代入して、終わりってワケ。分かった?」
響「うぅ……。まさかスラスラと解いていくなんて……。しかも無駄に分かりやすかったし……」
P「おっ、惚れちゃった?」
響「プロデューサーの頭の中で今どんな風にそういう考えに至ったのか凄く気になるぞ」
P「まぁ、数学ならいつでも教えたげるから、また分かんなかったら俺の家に来なよ」
響「いやココで教えてよ」
響「さてと。それじゃあ律子に答えの確認をしてもらってくるぞ」
P「あれっ、ひょっとして俺信用されてない?」
響「律子ー。この問題の答えって、これで合ってるー?」
律子「ん?どれどれ……?うわ、これかなり難しい問題よ。よくこんなに綺麗に解けたわね」
響「えっ、そんなに難しいのか?この問題」
律子「末恐ろしい事言ってくれるわね……」
響「で、答えは合ってるのか?」
律子「見たところ多分合ってると思うわ。でも解答見た方が確実ね。解答持ってるんでしょ?」
響「あっ、そうだった」
響(プロデューサーって、実は頭いいのかな……?)
P(あれ、響解答持ってるじゃん)
P(それならもっと早く諦めて答え見ちゃえばいいのに……。四十分もうんうん唸ってて……)
P(まったく。可愛いヤツだなぁホントに)
響「プロデューサー。律子も多分合ってるって」
P「そっかそっかー。そりゃ良かった」
響「一応今から答えで確認を……って、なんでプロデューサーが解答冊子を持ってるんだ?」
P「え?あ。……ああ、な~んでだろ~ぅ?」
響「まさかぁ……。ひょっとして最初っから答え見てたのか!だからあんなに完璧な解答を!」
P「響のためならばどんな事でもする男……!それが俺さ!」
響「騙されたぞー!」
P「あっはっはっはっは!」
ここまで。
また明日来ると思います。
毎度毎度短くてごめんね。
響(はいさーい!今日は久しぶりのオフだぞ!)
響(でも、皆は仕事中だから、仕方なく一人で街をぶらぶらする事にしたんだー)
響(たまには別の道から行こうと思って、ついつい裏道に入ったのが自分の運の尽きだったぞ……)
響(知らない場所……。知らない建物……)
響(うぅ。一気に不安になってきたぞ)
響(こういう時に限って携帯は充電切れだし……)
響(人に道を聞くにしても、自分、これでもアイドルだからなー。騒がれたら大変だぞ)
響(それに、迷子になったなんて事が知られたら……。恥ずかしすぎるぞ)
響(どうしよう……うぅ……)グスッ
「へい。そこの可愛いお嬢さん。お困りかな?」
響「え?あ、いや!自分、全然困ってないぞ!平気だぞ!あ、あはは!……は?」
P「うーん、俺にはそうは見えなかったけれど」
響「ぷっ、プロデューサー!?」
P「チャオチャオ」
響「どうしてここに?仕事はどうしたんさー!?」
P「マッハで小鳥さんに押し付けてきました」
響「そこは自力で片付けようよ!」
P「いやぁ、だって響が困ってたんだもん」
響「そうだ!それ!なんで分かったんだ?自分が……その……迷子になったって……」
P「俺には響レーダーがあるからな!知らない道に入り込んでいく響を感知したのです」
響「著しく信憑性に欠けるぞ!」
P「ままま、とりあえずさっさと帰ろうぜ。僕の車で送るよ……さあさ、どぞどぞ」
響「うぅ……。仕方ないから、よろしくお願いします……だぞ」
P「あぁんもう響ぃン!後部座席じゃ無くって助手席に座ってくれて構わないのに!なんなら俺の膝の上でも!」
響「事故の危険性考えて!」
P「そっか!後ろから俺に
”だ~れだっ?”
”その柔らかい手の平とキュートなハニーボイス!それとその甘い太陽の香り!僕だけのスウィートエンジェル我那覇響ちゃん!”
”正解だぞプロデューサー!そんな優しくてカッコいい自分だけのプロデューサーへの賞品は……”」
響「長いぞ!とにかく長い!あと自分そんな事しないぞ!結構な確率で事故るから!」
P「響と一緒に最後を迎えられるなら……もうどうなってもいいかも俺」ゾクゾク
響「やっぱ自分歩いて帰るぞ」スタスタ
P「んもーうひーびきーン!冗談に決まってるじゃんかーン!」ズダダダダッ!!!
響「びっくりするくらいの笑顔とマジ走り!?」
P「響ー」
響「なぁに」
P「ひ・び・きー」
響「な・あ・に」
P「呼んでみただけー」ニヘラン
響「…………」イラッ
P「おっと響!そこは
”じゃあ自分も!……プロデューサー!”
”なんだい響……”
”呼んでみただけー!”
”ウフフ””アハハ””こいつめこいつめー!”
っていう展開だぜー?」ヘイ!カモンカモン
響「……じゃあ」
響「プロデューサー」
P「ンなぁんだい響ーン?」
響「あっちに行ってくれ」
P「完璧に突き放された!」
P「んー……」
響「……プロデューサー、顔色悪いぞ。風邪でも引いたのか?」
P「そうかもしれないな~。でも熱あるかどうか微妙ってところだー」
響「ああ、それならここに……」ガサゴソ
響「あ、あったぞ。はい、体温計」
P「…………………」
響「…………?どうしたんだ?」
P「おでこ」
響「おでこ?」
P「こういう時はおでことおでこをくっつけて熱を測るのが一般的でしょ?ほら!」カモンカモン
響「ほら!じゃないぞ!さっさと家に帰って寝て安静にしてろーっ!」ウガーッ
今日はここまで。
読んでくれている人達どうもありがとう!
これからもよろしくお付き合い下さい。
P(ふむ……)
P(今まで響には色んな仕事をやらせてみた)
P(その中で……一番響の魅力が生きると思うのは……やっぱバラエティだな)
P(バラエティで明るいキャラを全面に押し出しておいて、グラビアではそのプロポーションをもってしてギャップを狙う……)
P(絶対にいけると思います)
P「響ー」
響「なんだー?」
P「俺と一緒にダンスを踊ってくれないか?」
響「…………」スタスタ
P「ちょっ、うそうそ。本題あるから本題!」
P「えー、響」
響「?」
P「今バラエティの仕事が来てるんだけど、出てみないか?」
響「バラエティ?自分がか?」
P「うん、そう。具体的には”今をときめくアイドル対抗抜き打ち常識クイズバトル”……っていう、クイズ番組」
響「ふーん。ん、了解だぞー。自分に任せておくといいさー!」
P「よーし、それでこそ響だ!」
P「司会は大御所さん。響は前に一回共演したことあったよな」
響「あぁ。うん!あの人いい人だから、自分、好きだぞー!」
P「俺と比べたら?」
響「比べるまでもないぞー!」
P「YES!俺、圧勝!」
響「勝敗逆!」
P「よし響。まずは大御所さんトコに挨拶に行くか」
響「了解だぞー」
P「よし」コンコン
「どうぞー」
P「失礼します」ガチャ
響「し、失礼します!」
大御所「おお、我那覇くんに765プロの。わざわざ悪いなー」
P「今日はウチの響がお世話になります」
響「よろしくお願い……します!」
大御所「ははは。我那覇くんの敬語は聞きなれなくてなんだか面白いな」
響「え、っと……。こ、光栄です?」
大御所「いやいや、光栄はおかしいやろ!」
大御所「ん、我那覇くん。もうすぐリハーサルだけど。もう行ったほうがいいんやない
か?」
P「あ、ホントだ……。じゃあ響、そろそろ行くか。大御所さん。失礼します」
大御所「ん。いや、俺も出ようかな」ヨッコラセ
響「自分はちょっと先に戻るぞー。失礼しました!」
大御所「Pくん」
P「はい」
大御所「我那覇くんは久々に見ていて元気の出る、気持ちいいアイドルや。しっかりと
育ててやってくれよー」ハッハッハ
P「はい。ありがとうございます!」
大御所「んじゃー、この問題の答えを見ていきましょう。……我那覇!」
響「うえぇ!じ、自分か?」
響の答え「フラダンス」ピンポンピンポーン
大御所「えええぇぇっ!我那覇が当てた……!」
響「自分さっきも正解したじゃないかー!」
大御所「カンニング疑惑が浮かび上がってきたよね」
響「自分の隣誰もいないさー!」
大御所「そんな公共の電波で堂々のぼっち宣言をしなくてもいいのに……」グスッ
響「ひ、ひどいぞ!さっきから自分ばっかりいじめてぇ……。本番前は自分にわらび餅
くれたのにぃ!」ウガーッ!
大御所「わっ、わらび餅関係ないやろ!」ワハハハハハ
アイドル1「………………」
アイドル2「………………」
P(響……。すっかり立派になって……)ホロリ
P(今の響、最高に輝いてるぜ!超可愛い!マジ可愛い!)ニヤニヤ
P(それにしても、やっぱり俺の予想通りといったところかな)
P(響以外のアイドルはほとんど皆、大御所さんにいじってもらっても可愛い外面を取り繕うばかりだ)
P(正直言っちゃうと、見てて全然面白くない)
P(無理やりに頭を捻って面白いコメントを言おうとしている娘もいるけど……。やっぱ無理があるよな)
P(皆もっと素を出していけばいいと思うんだ。たとえそれがキツイ反応になったとしても、それは向こうが笑いに変えてくれる。一種のキャラとしてくれる)
P(だって、向こうはそういう事のプロなんだもん。任せておけばいいんだ)
P(まあ、”そんな変なイメージなんてイヤだ!”なんて言われたらそれまでだけど……ね)
P(……ん。今のリアクション良かったぞ響)
P「お疲れー響。良かったよホンットに」
響「そ、そうか?なんかひたすら自分いじめられてた気がしないでもないんだけれど……」
P「それがまたいいんだよ響ぃん」
響「へ、ヘンタイ!」
P「大御所さんはタレントをいじって魅力を引き出すのが上手だから。響との相性はバッチリなんだよ」
響「まぁ、あの人本当に丁寧で優しい人だから、全然悪い気はしないけどね!」
P「うん。やっぱり芸能界で勝ち残って行くには実力は勿論のこと、人柄も結構重要になってくるんだよね」
響「そうだなー」
P「その点で言うと、響は全く問題ナシだな!さぁすが響!完璧可愛い!はぁぁぁあん!」ゾクゾクッ!
響「ぷ、プロデューサー!地が出てるよ!抑えて!」
P「おっと失敬」
今日はここまでです。
ちなみにこのエピソードはもうちょい続きます。
P「ん」
アイドル1「ヒソヒソ……ガナハ……ヒソヒソ……」スタスタ
アイドル2「ダイタイ……ボソボソ……」スタスタ
P「……………………」
P「ふむ」
P「響。じゃあ大御所さんにお礼言ってきな。俺ちょっと用事があるからさ。悪いけど一人で頼むな」
響「ん。了解したぞー!」
P「俺が隣にいなくて、寂しいだろうけど……」
響「いらない心配だぞ」
P「そうだな!響の言う通りだ!……何故なら……俺と響は……常に心と心で繋がっているのだから……!」
響「………………」スタスタ
P「そう!例え、二人の距離が遠く離れてしまったとしても……!」
P「ってあれ?いない?響ー!響ー?響ぃーん!?」
響「うるさいぞプロデューサー!!」ウガーッ
アイドル1「あぁーっ。マジダルイわー。つーか超意味分かんねえんですけど。今日私殆どカメラ映ってなくない?」
アイドル2「最近なにかと流行りの765プロの我那覇?だっけか?前出すぎっつの。どんだけ目立ちなん」
アイドル1「何人かの連中みたいにバカキャラ演じても良かったんだけどー、やっぱ私そんなアホなイメージついたらヤダしー」
アイドル2「つかアイツらやりすぎっしょ。自分見えてんの?ってカンジ。演技モロバレだっての」
(廊下の影にP)
P「………………」
P「ハァ…………」カチッ
アイドル1「つかあの司会のオッサン我那覇好きすぎっしょ!デキてんのかってカンジー」キャハハハハ
アイドル2「やっべそれ超ウケるわー。てかめっちゃ話題の種になるんじゃね?リークしてやろっか?」キャハハハハ
P「あ!本日はどうもありがとうございました!」
アイドル1「!?」ビクッ
アイドル2「!?」ビクッ
P「あ、すみません。私、765プロでプロデューサーを務めさせて頂いている者です」
アイドル1「あ!今日はどうもありがとうございました~!」(やっべー。765プロ来ちゃったよマジやっべー)
アイドル2「またご一緒した時は、よろしくお願いしまぁす~!」(聞かれてないよね?だよね?)
P「今後とも、ウチの響とよろしくお願いします」フカブカ
アイドル1「あ、いえいえ~。こちらこそ~」(めちゃめちゃお辞儀綺麗なんですけど!マジウケるー!)
アイドル2「響ちゃんとの共演は楽しいですよ~」(あー。早くどっか行ってくんないかなー)
P「それで、お二人に少し話したい事があるのですが……。よろしいですか?」
アイドル1「はぁい!なんでしょう?」(んだよメンドクセーなコイツ)
P「はい。大変恐縮ながら、本日の収録を見ていて、一つ助言……といいますか」
アイドル2「わぁ!私達の事も見ていてくれたんですね~!」(助言とか!何様よマジで!!)
P「まずはコレを」
ボイスレコーダー「つかあの司会のオッサン我那覇好きすぎっしょ!デキてんのかってカンジー」
ボイスレコーダー「やっべそれ超ウケるわー。てかめっちゃ話題の種になるんじゃね?リークしてやろっか?」
アイドル1「」
アイドル2「」
P「こんな所であまりそういう事は言わない方が賢明だと思いますよ」
P「出演者の愚痴を言うな……とまでは言いませんが、そういう事は自宅で思いっきり吐き出すものです」
P「しかもあんな大声で話すなんて……。正直に言いまして、聞いてくれとでもいうようなものですよ」
P「現場での評判は、その後の仕事に大きな影響を与える……。
貴方達の事務所では、そんな事も教えていないのですか?……いや、そんな筈は無いでしょう」
P「本気で売れたいと、上に行きたいと思うならば、普段の生活から心がける事です」
P「他人を貶す暇があるなら、自分自身を高めていった方が良いと思いますが」
アイドル1「う……うるせぇよ!なんなんだよオマエ!」
アイドル2「大体なんでボイスレコーダーとか持ち歩いてるん!?キモ!」
P「諸事情で」
アイドル1「偉っそうに講釈たれやがって!なんだよ!良い人気取ってんじゃねーよ!」
P「別にそういうつもりは無いんですけども」
P「私の中のアイドル像を守りたかった……と言いますか。どちらにしろ気持ち悪い事には変わりないですね。すみません」
P「…………アイドルはファンに夢を与えるものです」
P「貴方達にも、応援してくれるファンがいるのでしょう?
それを裏切る様な事をするのであれば、貴方達にアイドルという称号を背負う資格はありません」
P「まあ勿論。一番の理由は」
P「ウチのアイドルを散々言ってくれたことに対してただただ腹が立っただけですけど」ジロ
アイドル1「………………」
アイドル2「………………」
P「まあ、ひとまずこのデータは消しておきます」
P「………………最後に一つ言っておくけど」
P「もっと自分を出していったほうがいいと思うよ。外面取り繕うんならそれでいいけど、やるんなら徹底的にやる必要がある。
けど、それって結構キツイんだぜ?それよか、素の自分で勝負したほうが、気持ちいいだろ」
P「ありのままの自分を好きになってもらえるって、結構嬉しい事なんだよ」
アイドル1「…………あの」
P「何?」
アイドル1「いや……いい」
P「そか。それじゃあ、頑張れ。俺が見たところで申し訳ないけど、あなた達ならもっと上に行けると思うよ。お世辞抜きでさ」
P「それでは。長々と失礼しました」ペコリ
アイドル2「……アンタだって外面取り繕ってんじゃん」
P「これは外面じゃねえ。営業スマイルだ。社会人としての必須スキルだよ」
アイドル2「ふぅん」
P「興味ねーなー……。まあいいや。それじゃホントに……それでは」ペコリ
響「あー!プロデューサー!何してたんだよー!」
P「おーぅ!愛しのひーびきーン!僕の事を探してくれたのかーい!」
響「当然だろー。プロデューサーがいないと帰れないんだから」
P「嗚呼……嬉しいよ。響がこんなにも俺の事を必要としてくれていたなんて……」グスン
響「いや、だって自分車運転できないし」
P「お抱え運転手扱い!?それもまた……グフ。至極なり」グフフフ
響「うひゃあ!今日はどうしたんだプロデューサー!一段とヘンタイっぽいぞ……」
P「ささ、帰ろうか。遠慮せずに助手席に座ってくれ」
響「いや後部座席で」
P「ンもう響ぃ!」
響「その笑顔やめてくれ!」
P「響は可愛いなぁ!」
響「と、当然だぞー!自分、完璧だからな!」
P「さすが響!完璧可愛い!」
響「うっ、うるさいぞ!」
P「ハッハッハー!それじゃー、帰ろっかー」
響「うぅ……。よろしくだぞー……」
今回はいつもと違う感じになりました。
期待を裏切る形になっていたら申し訳ない。
明日はまたいつも通りになると思います。
P「響ー?何見てるのー?」
響「んー?雑誌の占いさー」
P「ほほぅ。ちょっと見せてくれ……。ふむふむ……へぇぇ」
響「ど、どうしたんさー」
P「響!俺、山羊座!」
響「そ……それが?」
P「ここを見るんだ響!山羊座と天秤座……今月は恋愛運がMAXだ!」ヒャッホォォォウ
P「天も俺たち二人のこれからを祝ってくれてるんだよぉう!」キャッホォォォウ
響「でも今月のBESTカップルってヤツは天秤座とかに座ってなってるぞ」
P「よし、もっかい生まれてくる。今度は七月に」
響「人生やりなおす程の事じゃないさー!」
P「あっ、血液型占いもあるじゃん。えと、A型とB型は……」
響「プロデューサーB型だったんだな」
P「おうよ。是非とも覚えていてね。ちなみに誕生日は……」
響「うん。別に教えてくれなくていいぞ」
P「もう響ぃン!プロデューサーと過ごす日なら毎日が誕生日ってこと?」
響「曲解しすぎ!」
P「えと……相性は……バツ……だと!?そんな!バカな!!」
響「ちなみにA型と相性がいいのはO型さー」
P「よし。今すぐ血を入れ替えてくる」
響「どうやって!?」
P「簡単さ。一度全部抜いてまた入れればいいのさ」
響「ひょっとしてプロデューサーバカなのか!バカなんだな!?」
P「ひびきー。お疲れお疲れー」
響「あー。自分、お腹減ったぞー」
P「あぁ、もう2時回ってるもんなー。……よし、次の仕事までちょっくら時間あるし、飯食いに行きますか!
もちろん!ふたりっ……き・り・で」
響「最後の言葉が無ければ前向きに考えられたのに」
P「こういう時の為に用意しておいた響との妄想擬似デートから、最高の店をご紹介しようではないか……!」
響「プロデューサー……もっとマシな事に頭使った方がいいぞ」
P「……よし!『デートNO.207番~響と二人っきり、結婚10周年の一日~』より、最高級イタリアンのお店を選択しました!」
響「多いな!何パターンあるんだ!?」
P「昨日新たにNO.332が生まれました」
響「中学二年生もビックリの溢れる妄想力だな!」
P「さぁ、行こうぜ響ー」
響「じっ、自分、そういう堅苦しい所はニガテだぞ……」
P「んー。じゃ、この前貴音に教えてもらった塩ラーメンが美味い店に行こうか。ここから徒歩4分」
響「最初からそれを出してくれ!」
P「響ー。この前の写真集、ついに今日発売したよー」
響「うん。実は今朝こっそり本屋に寄ってたから、知ってるぞ。すっごいたくさん置いてくれてた!なんか恥ずかしいな……」テレテレ
P「ふふん。もちろん僕も買いましたよ。ほら!」ジャジャン
響「あっ、ホントだ!……って、どんだけ買ってるんさー!」
P「在庫全部」グフフフフ
響「ファンの人たちに回してよ!」
響「だいたい、そんなに買ってどうするんさー」
P「えーと、観賞用と保存用とデータ保存用と陳列用と……」
P「残りは全部、使用する為に」
響「何に!?」
響「はぁ」
貴音「どうしたのです?響」
響「あっ、貴音ー。実はプロデューサーが……」
貴音「なるほど……。その事でしたか」
響「最近プロデューサーの行動が段々と真人間から外れてってる気がするぞ」
貴音「ふふふ……。響とあの方。とても仲が良く見て取れますよ」
響「ジョーダンじゃないさー!あんな変態プロデューサー!」
響「貴音も見てないで助けてくれると嬉しいさー」
貴音「なるほど……。承知いたしました。では、限度を超えた……とわたくしが判断した時には、あの方をわたくしが責任を持って止めましょう」
響「ありがとう貴音ー!心強いぞー!」
P「おおっと!最近の激務による疲れからか立ち上がった瞬間に目眩が!」
P「あぁ!しかもよろけて転んでしまいそうだ!」
P「なんと!転倒方向には俺のエンジェル響がいるじゃないか!」
P「くそう!このままだと俺は、響の小柄な体からは想像も出来ないくらいに豊満なその両の胸に顔を……!」
貴音「あなた様」スッ
P(な……なん……だと!?人差し指一本を額に当てるだけで止められ……!)
貴音「おいたが過ぎますよ」
P(な……なんだこの迫力は……!か、勝てない!所詮俺は井の中の蛙……。
大いなる大海を知らずに小さな井戸の中でチョーシをこいていただけのチキンリトルボーイだ……!)
P「すみませんでした」ドゲザー
響「おおっ!貴音凄いぞ!」
貴音「ふふふ……」
響「あー!プロデューサー、アイス食べてるー!」
P「ん?食べる?」
響「平然と自分が舐めてたヤツを差し出さないで欲しいぞ」
P「ジョーダンだって響ぃん!冷蔵庫まだアイス入ってるから、食べていいよ」
響「ん。ありがとうだぞー」
響「じゃあ自分は牧場絞り取りのクッキー&クリームを……」
P「違う!違うよ響!!」
響「うあっ!プロデューサー!?」
P「響にはこっちだ!こっちを響に食べてもらいたかったんだよ!」
響「とろける練乳入りバニラアイス……?コレか?」
P「そう!それそれ!さあ!早く!ペロペロ行っちゃおう!!」カメラ・オン!
響「そのビデオカメラはなんなんだー!?」ウガーッ
響「律子ぉぉ~」
律子「どうしたのよ響」
響「プロデューサーが!プロデューサーがぁぁ……!」
律子「またあの人か……困ったものねぇ。で、今回はどうしたの?」
響「実は……」カクカクシカジカ
律子「はぁ……。またあの人は……。どうして響の事となると、人が変わるのかしら。よっぽど好きなんでしょうねきっと」
響「カンベンしてほしいぞ」
律子「でも、プロデューサーは響の事、本当にしっかり考えてるのよ。だから……」
P「んひーびきぃーン!響の為に歌を作ったんだー!聞いてくれるかい?」
律子「もーっ、プロデューサー!」
今日はここまで。
ついにストックが切れた。
明日は投下できるかな……。
つまり
響「プロデューサーがちゃんと仕事してる!?」
P「残像だ」
こういう事か
亜美「ひびきんひびきん」
響「ん?なんだー亜美?」
亜美「ひびきんと兄ちゃんって、実際のところ、どーなの?」
響「どーなの?って……どういうことさー?」
亜美「兄ちゃんのこと、好きなの?」
響「うぇっ!?……い、いきなり何言うんだー!?」
伊織「あら。でも、私が見てた感じだと、二人結構仲良く見えるけれど」
響「い、伊織までそんなコト言うのか!?」
伊織「にひひっ。思ったことを言ったまでよ」
亜美「で?実際どうなのー?YOU!言っちゃいなYOU!」
響「うっ、うるさいぞ二人とも!」
響「自分、あんな馬鹿で変態な……」
P「ただい……」ガチャリ
響「プロデューサーなんか、大っ嫌いだぞ!!」
P「ま…………?」
伊織「あっ……」
亜美「兄ちゃん……」
響「えっ!?」
P「……はははは」
響「え、えと……」
P「おう。三人とも。今日はもうオフ……だったっけな。冷蔵庫に人数分のプリン入れといたから、食べていいぞ」
響「あ、あの……」
P「おっと、もう時間がないんだった!またすぐに出ないと行けないんだ。……くぅ~っ。社畜は辛いぜ!」
響「プロデュー……!」
P「そ、それじゃな!」ガチャ バタン
響「さ……ぁ……」
亜美「ごめんひびきん!まさか兄ちゃんがあんなタイミングで帰ってくるなんて!本当にごめん!」
伊織「ごめんなさい。私たちが響をからかったから……」
響「ぜ、全然気にしなくていいぞー!」
亜美「亜美たちも一緒に兄ちゃんに謝るよ」
響「だ、だから……大丈夫だって……!」
伊織「…………」チラリ
亜美「…………」チラリ
伊織「……響。そもそもの原因である私たちが、強くは言えないけれど、やっぱりちょっとまずかったわよ」
亜美「兄ちゃんに一言謝ろうよー!」
響「ホントに大丈夫だぞ!あのプロデューサーが、あれしきで凹むハズないさー!……それに」
伊織「……それに?」
響「それに……自分別に……ホントのコト……言ったまで……だし」
亜美「ひびきん……?」
響「じっ、自分、もう今日は帰るぞー!皆にご飯作ってあげなきゃだからなー!それじゃなー!」タタタッ ガチャ バタン
伊織「…………はぁ」
亜美「どうしよう、いおりん」
伊織「まさかこんな事になっちゃうなんて……。数分前の自分を引っぱたいてやりたいわ」
亜美「ひびきんの言う通り、兄ちゃんが特に気にしてないってカノーセーもあるけど」
伊織「…………それは……無いと思うわ……多分」
亜美「どして?」
伊織「うーん……。なんと……なく?」
伊織(響って、いつもいっつもプロデューサーに色々変なことされて、ほとほと迷惑してる……なんて言ってたけど)
伊織(プロデューサー自体の事を嫌ってるような言葉は、一度も聞いたことが無いのよね)
伊織「亜美」
亜美「何?いおりん」
伊織「もしあの二人の間に何か起きたら、私たちでなんとかしましょう」
亜美「うん……。元々は亜美達のせいだしね……」
P「………………」
P「大っ嫌い……か……」
P「ははは……」
響(大丈夫。大丈夫。なんくるないさー)
響(どうせあのプロデューサーの事だから、気にせず今日も自分にヘンな事してくるハズさー!)
響(って、なんで自分朝っぱらからプロデューサーの事なんか心配してるんだ!?)
響(でも、今日はちょっとだけだけど優しくしてあげないと……だな)
P「おはようございまーす」
響(来たぞ……)
P「ん?」
響「ぷっ……」
P「響か。おはよう。今日も可愛いぞ」
響「あ……うん……。ありがとうだぞー……」
P「さぁて、今日のスケジュールは……っと」スタスタ
響「………………っ」ダッ
P「響?」
響(全然大丈夫じゃなかった!)
響(やっぱりプロデューサー、自分の言葉に傷つけられてたんだ……!)
響(自分……自分……)
響(悪いこと……。しちゃったぞ……)
P(なぁにやってんだ。俺)
P(…………俺のせいか?俺のせいだよな?だって俺しか響に話しかけてねーもんな!?)
P(アレだよな?可愛いがまずかったんだよな?)
P(そりゃそーだよな!嫌いな男に可愛いなんて言われて女の子がどう感じるかなんて、考えるまでもないよな!)
P(嫌われてる人間が親しくなんかできないから、ちょっと距離をおいてみたんだけど……)
P(これでもダメ……か。そっか。そうだよな)
というわけで、今日はここまでです。
また少し話が真面目モードになります。
果たして需要はあるのだろうか。
(翌日)
P「あ……響」
響「ぷっ、プロデューサー……」
P「おはよう、響」
響(あ……謝らないと……!プロデューサーに……!)
P「…………?響?」
響「…………!」(ケド、どうやって切り出せば……?)
P「………………」
響「あ、あのっ……」
P「我那覇……さん」
響「…………えっ?」
P「我那覇さん。おはよう」
響「…………お、おはよう……だぞ」
P「………………」
響「………………」
P「それじゃ……」
響「ああ……うん」
P「………………」
響「………………」
律子「…………ど、どうしたんでしょうプロデューサー達……」ヒソヒソ
小鳥「何かあったんでしょうか……?」ボソボソ
亜美「……いおりんいおりん」
伊織「……分かってるわよ。これは……マズイわね。かなり」
亜美「ど、どうしよう!?亜美達のせいだよねこれってきっと!?」
伊織「まぁ……。そうなるわね」
伊織(まあ、響ももう少し素直になってもいいんじゃないかって思うけれど)
伊織(アイツもアイツだわ。ショック受けたのは分かるけれど、態度に出しすぎ!)
亜美「なんとかしないと……。でも、どうすればいいんだよー!」
伊織「当然のこと、響がまずアイツに謝るのが一番だわ。私たちから、アレは誤解なのよって言っても、
二人の間に生まれたぎこちなさは消えないでしょ。やっぱり本人の口から聞かないと」
亜美「でも、この前のひびきんの様子を見るに……」
伊織「謝らないわ。っていうか、響は謝りたくっても謝れてないわね」
亜美「ひびきん、何回か兄ちゃんに何か言おうとしてたもんねー」
伊織「ええ。ところがそこでタイミングよくアイツが被せている」
亜美「まったく……。兄ちゃんてばぁ!」
伊織「下手に響に説得しても、響って妙に頑固な所があるから、かえって逆効果だわ」
亜美「じゃあ、ひびきんが自分から謝るのを待つしかないってことー?」
伊織「……アイツは見ての通りの響愛好家。今のこの状況はそうとう辛いはず。そして恐らく、響も少なからず……」
伊織「この数日を見るに、アイツは徹底して響と二人っきりになることを避けている」
亜美「じゃあ、兄ちゃんとひびきんを二人っきりにしておけば……」
伊織「まあ、うまくいくかは分からないけど、正直それくらいしか対策が思いつかないわ。とりあえずやるだけやってみましょ」
亜美「あいあいさー!」ラジャッ
亜美「兄ちゃん兄ちゃーん」
P「亜美か。どうした?」
亜美「今晩空いてるー?」
P「なんなんだいきなり……。えっと、6時半から8時ちょっと前までなら空いてるけれど」
亜美「うん!ジューブンだね。……と、言うわけで、今晩亜美とデートしよー!」
P「え?……待て。話が見えない」
亜美「見るんじゃない!感じるんだ!」
P「知らんがな」
亜美「えっとねー。それじゃ、7時くらいに駅近くの公園によろしくぅ!」スタコラサッサ
P「お、おい!亜美!……逃げられたか。ったく、しょうがないな。えっと、7時に駅前公園……っと」メモメモ
亜美(まったく、優しいよね兄ちゃんったら。今回はそれをちょっとばかし利用させてもらうよ。ゴメンね)
伊織「響。ちょっと……いいかしら?」
響「んー?なんだ伊織?」
伊織「今日響、午前中で仕事終わりよね?もしよければ、ちょっと頼みがあるんだけど……」
響「うん。どんとこいさー」
伊織「実は、ちょっと響に相談事があって……」
響「うん?それなら、今でもいくらでも聞くさー」
伊織「………………」
響「皆には聞かれたくないコト……なのか?」
伊織「…………ええ」
響「なるほど。わかったよ!それじゃ、どこにするんだ?」
伊織「駅の近くに、ちょっとおっきい運動公園があるじゃない?そこで……」
響「ん。了解したさー」
伊織「私はまだもうちょっと仕事あるから、本当に悪いんだけれど7時くらいにお願いできる?」
響「問題ないさー」
伊織「ありがとう響……!」
伊織(まさかこんな所で演技のレッスンの成果が発揮されるなんてね。ちょっと複雑だわ)
亜美「上手くいったよーいおりん」
伊織「ご苦労さま。こっちもなんとかなったわ。後は……」
亜美「あの二人しだいだね」
伊織「ええ」
亜美「もー。さっさと仲直りして欲しいよねー。兄ちゃんもひびきんも、見てられないったらないよ。……まぁ、大きなクチは叩けないけどね」
伊織「二人が仲直りしたら、私たちも二人に謝りましょう」
亜美「うん。セーシンセーイ心を込めてね」
今日はここまで。
響とPがあんまし出てねぇ。
響「ふぅ。約束の時間よりもちょっと早めに着いちゃったぞ。伊織は……まだ来てないんだな」
響「まぁ、ベンチにでも座って待つとするさー。真面目な伊織だし、遅刻することは無いはずさー」
ザッザッ
響「ん、足音。伊織が来たのかな」
P「よし。時間10分前。とりあえずデートマナーは守れたかな?さて、……って、響!?」
響「ぷっ、プロデューサー!?どうしてここに……?」
P「ひび……我那覇さんこそ……」
響「…………じっ、自分は!伊織に、ここに呼び出さ、れて……」
P(伊織に?……ははぁ。なるほど。謀ったな。あの二人)
P「我那覇さん。どうやらあの二人に騙されたっぽい」
響「そ、そうなのか……?」
P「……帰ろうか」
響「う、うん……」
P「………………」スタスタ
響「………………」スタスタ
響「……あっ、あのっ。プロデューサーっ……」
P「ん。どうしたの我那覇さん」
響「…………その、我那覇さんって呼ぶの……」
P「え?」
響「……ど、どうして自分のコト、名前で呼んでくれないの……?」
P「え?……そ、それは……。だって……。我那覇さんが嫌がると思って」
P「だ、だってさ。ホラ!よくよく考えてみたんだけど、年頃の女の子が好きでも何でもない、
むしろ嫌いな年上のオッサンから馴れ馴れしく名前で呼ばれるってさ……イヤだろ?」
響「キライ……キライって……そんな……自分は……」
響「じっ、自分は!」
響「プロデューサーのコト、キライじゃない!!」
P「…………………」
響「プロデューサーは……!」
響「バカで、アホで、変態で、自分にいつもいっつもうっとおしく構ってきて……!」
響「普段は真面目なクセに、自分には変なコトしてきて……変なコト言ってきて……」
響「自分、いつも迷惑してたけど……だけど!自分、プロデューサーのコト、嫌いじゃない!嫌いじゃないぞ!!」
P「え……。け、けど……」
響「この前のコトは、ホントにゴメン!自分、売り言葉に買い言葉ってヤツで……。ホントにゴメン!
自分、ずっとずっと謝りたかったんだ!プロデューサーを傷つけて、本当にごめんなさい!!」
P「響……」
響「自分、プロデューサーが変なコトしても……嫌いにならないから!だから!」
響「お願い……許して……。前みたいに……。前みたいに、自分と話して!」
P「…………響」
響「……なに」
P「俺の事嫌いじゃないって……。本当か?」
響「もちろんさー……。本当に本当だよ」
P「………………」
響「……ぷ、プロデュー……サー?」
P「ひびきいいぃぃぃぃんん!!!」ウワァァァァン
響「うわっ、いきなり!」
P「俺、響に嫌われたと思って……。もう俺コレ死ぬしかないかなって……!もう生きてる意味ないよなって……!
良かったよぉぉぉ……!嫌われたんじゃなくてぇぇぇ……!」ビエェェェェン
響「じ、自分のコト、許してくれる?」
P「当たり前じゃないかぁぁぁ……!!」オロロォォォン
響「…………よ」
響「良かったぁぁ……。良かったよぉぉ……!」グスン ウワアァァァン
P「ひびきーん。響はどこだーい?」オーイ
響「おっ、大きな声で呼ばないで欲しいぞ!」
亜美「……いおりん。二人仲直りできて、良かったね」
伊織「ホント、心配かけさせるわ」
亜美「亜美たちも許してもらえて良かったよー。もし二人があのままだったら、亜美もどうなってたか……」
伊織「ええ。……それにしても」
亜美「どしたの?」
伊織「あの二人はやっぱりああしてるのが一番楽しそうね」
亜美「そうだね~。相変わらず兄ちゃんはヘンタイだけどさ~」
P「響ー。恥ずかしがるなってー。僕たちはもう、相思相愛の中なんだからー」
響「い、いつから!自分、そんな事言った覚えないぞ!」
P「え?だって、俺の事嫌いじゃないって」
響「好きとは言ってないぞ!どうしてそんなに両極端なんだー!」ウガー
P「響ぃん。この世に存在する概念はハイかイイエ!YESかNO!好きか嫌い!ツーパターンしか無いんだぜぇ?
さぁさぁ!言ってみよう!好きか嫌いかで!セイセイ!響はー、俺の事がー」
響「キライだぞ」
P「そこは好きって言う所じゃね!?」
響「そういう事言うから!」
P「響……。この前は俺がどんな事しても嫌いにならないって言ってくれたのに……」
響「べっ、別に嫌いな訳じゃないぞ。好き・普通・嫌いの三段階の真ん中ちょっと下くらい……」
P「そういう微妙な立ち位置が一番ツライのですが……」
響「そっ、そうか?」
P「まぁいずれその三段階を飛び越え、狂おしき程の愛を俺に……」
響「注がないぞ!ぜぇ~ったい!!」
P「もう響ぃん!」
響「まったく……。プロデューサーはやっぱりヘンタイだぞ……」
今日はここまで。
これでこのエピソードは終わりです。
全然引っ張れなくて申し訳ない。
俺の力ではこれが限界……だぜ……!
あと、響は超絶いい匂い。
俺は言うんだから間違いない。
あずさ「あれ?プロデューサーさん。袖のボタンがほつれて取れかかってますよ」
P「え、うそっ」バッ
響「あ、ホントだぞ」
P「マジか……。参ったな……」
響「んー。自分が直してあげよう……か?」
あずさ「あらあら」ウフフ
P「…………………」ワナワナ
響「……プロデューサー?」
P「是非」ガシッ
響「なんていう真顔!逆に気持ち悪いぞ!というか手を離して!」
響「…………ん。よし!これでオッケーだぞー」
P「おおぉぉぉ…………!」
あずさ「響ちゃん、上手ね~」
響「えへへ……。裁縫とか、編み物とか、実はすっごい得意なんだー」テレテレ
P「うんうん。響の嫁力は既にMAXだね」
響「妙な力の概念を作ったな……」
P「それだけ嫁力が高ければ、今すぐにでも大丈夫だよね。ウェルカム!」カモンカモン
響「何を呼び寄せようとしてるんだーっ!?」ウガーッ
P「うーん……」
響「プロデューサー?どうしたんだ一体?」
P「うん。実はさ。メアド変えようかと思ってるんだけど」
響「いい案が思いつかない?」
P「ううん。どんなのにしようかはもう考えてあるんだけどさ。色んな人にメアド変更のメール送るのがメンドくさくって」
響「ああ~。なるほど。そういうことか~。……ちなみに、どんなのにするんだ?」
P「こんな感じで」
hibiki-sexy-my-sweet-angel@*****
響「却下だぞ」
P「そんな!?」
P「……じゃあコレ。候補その2」
love-hibiki-P-love-forevor@*****
響「却下!」
P「一晩考えたのに!」
響「初めて彼女が出来て浮かれる中学生みたいなセンスだな!」
響「うーん……。なんだか眠いぞ……」ウツラウツラ
響「事務所には今自分一人しかいないから、話し相手もいないし……」
響「ちょっとだけ寝ちゃおう……」
響「ZZZ……」
P「ただいまーっ」ガチャ
P「ん?誰もいないのかな……」キョロキョロ
P「……あっ。おやおや」
P(響、いたのかー。ぐっすり眠ってるな)
P(ソファで丸まって寝てるな。ははっ。ホントに猫っぽい)
P(まだそんなに寒い時期でも無いし、大丈夫だろうとは思うけれど、万が一体調でも崩したら困るよな)
P(念の為にタオルケットでもかけとくか)
P(…………ん?)
P(前髪の上にホコリが……。取ってやらんと)
P(そーっと。そーっと。よし、取れた……)
響「ん?」パチ
P「あ」
響「んー?」ネボケネボケ
P(ヤダ。目が合った)
響「………………!……ぷ、プロデューサーのヘンタイ!!」
P「ゆ、許しておくれ!眠る響を見てたら、ついつい手が……!」
響「バカぁ!」ウガーッ
ここまで。
響を胸に抱きしめて眠りたい。
美希「響はズルいの」
春香「ズルいよ。響」
響「……えっ?な、なんだ突然」
美希「ハニーは響にばっかりデレデレしてぇ!ミキがハニーをどれだけ誘ってもまるで効果ナシなのに……!」
春香「完全にそういう対象としては見てもらえてないもんね」
美希「ズルいの」
春香「ズルいよ」
響「そっ、そんなこと言われたってぇ……」
響「だっ、大体、あんなプロデューサーのどこがいいのか、自分には全然分かんないぞー」
美希「ハニーは響に対してだけ、態度がヘンなんだよ。まあ、ミキ的にはすごくすっごく羨ましいんだけど」
春香「何となく適当そうに見えて、実は凄く優しくて、気配りが出来て、私達の事すごく大事にしてくれて……」
春香「ギャップにやられちゃった感じ……かなぁ?」
美希「それに、ハニーはとってもカッコいいって思うな」
響「自分はあんまりそうは思わないけれど……。どことなくにぃにと似てるし」
P「つまり、今すぐ俺が我那覇家の一員になっても、なんら違和感は無いってワケだな」
響「ぷっ、プロデューサー!一体どこから!?」
春香「あっ、あの……。プロデューサーさん……」
美希「ミキ達の話、どこから聞いてたの……?」
P「ん?”響はズルいの”ってところから」
響「最初っからじゃないかぁ!」
P「別に盗み聞きしたワケじゃないけれど、お前たち声大きいんだもの」
春香「じゃ、じゃあ……」
P「俺の事とっても良く言ってくれてありがとうな。感謝カンゲキ雨あられ。明日からもお前たちの為に頑張るよ!」
P「じゃあ俺仕事だから!」バーイ
響「な、何のために出てきたんだろう……?」
春香「我那覇家に入る為の下準備……?」
響「ぷ、プロデューサー、おムコさんになるつもりなのか!?」
美希「それにしても、やっぱり全然意識してくれなかったの!もう、ハニーは鈍感さんなの……」
P「ひびきいぃいぃん!」ウワアァァン
響「どっ、どうしたんだよプロデューサー!?」
P「落ち着いて聞いてくれ……実はな……」
響「……な、なんだ?」
P「響の海外ロケが決定したんだぁぁ……!」
響「おぉっ!自分、ついに外国に行けるのか!?いやぁ、実は今まで一回も日本から出たこと無かったから、楽しみだなぁ……。
……で、なんでプロデューサーは悲しそうなの?」
P「海外だぞ海外!日本みたいに治安が良いとは限らない、一般家庭にも銃が常備されてるような所に、響を送り出すなんて……」
響「そんなオーバーな……」
P「向こうの男たちがこんなに可愛い響を見てなんとも思わないワケがない!屈強な男達に攫われて!響が!俺の響があぁぁぁ……」ガッデェェェェム
響「こ、怖くなっちゃうだろー!あんまりそういう話はしないで!」
P「安心してくれ響。響は必ず俺が守る。……伊織に頼んで、ボディーガードを30……いや、50人付けてもらって……」
響「プロデューサー自身は何にもしてないじゃん!」
P「携帯の待ち受け変えてみました!」ジャン
響「へー。どれどれ……って、当然のように自分の顔が出迎えてくれたぞ……」
P「最高の笑顔だよね」
響「ちなみに変える前はどんなのだったんだ?」
P「ん?コレ」ババン
響「……まぁ、予想はしてたけれど。……自分だぞ」
P「究極の笑顔だよね」
響「……はぁ」
P「おっと、メールが」キミマーデートードキターイー
響「着メロもか!」
響「たっだいまー!」
響「ってあれ?誰もいないのかー?」
P「ZZZ……」
響「プロデューサーだけか……。しかも寝てるし」
響「………………」
響「ま、風邪でも引かれたら気分が悪いし、毛布でもかけといてあげるさー」
響「……よっ……と」ファサー
P「ん……」
響「あっ、起こしちゃったかな……?」
P「…………ス……」
響「……す?」
P「……ひび…………スキ……」
響「………………!?」ババッ!!
P「…………響とスキヤキ食べに行きたい……」
響「………………」
響「…………今度奢らせてやる」
今日はここまでです。
P「今日はこれで仕事は終わりな」←運転中
響「ん。そうだなー」
P「どこか行きたいとこでもない?連れてってあげるよ。君のためならどこまでだって……」
響「いや別に……」
P「遊園地行こうよ遊園地!」
響「いやだから自分は……」
P「お化け屋敷行こうお化け屋敷!」
響「いや自分は遊園地行くなんて一言も……」
P「で、怖がって俺に抱きつこうよ!ギュッと!ムギュッっと!!」
響「話を聞けえぇっ!」ウガーッ
(高槻家で夕食)
響「ふぅ~っ。ご馳走様だぞー」
伊織「美味しかった~。流石やよいね」
やよい「えへへ~。お粗末様でした!」
響「……なあやよい」
やよい「なんでしょう?」
響「やよいって、すっごく料理上手だけど、何かコツとかあるのか?」
やよい「う~ん。やっぱり、練習が一番かな~って思いますけど。でも」
やよい「誰か大切な人のためを思って作るっていうのも、すっごく大切だと思います!」
響「う~ん。大切な人かぁ……。自分は誰だろうなあ……?」
やよい「……?響さんの大切な人は、プロデューサーですよね?」
響「えっ!?その……。ち、違うぞーっ!」
やよい「えぇ~。でも、響さんとプロデューサー、とっても仲が良さそうだな~って」
響「……うぅ」
響(やよいはホントに純粋で、悪意が全く感じられないから、怒るに怒れないぞ……)
伊織(これぞ、やよいマジックね)
千早「~♪」
響「……千早はホントに歌が上手だなー!自分、羨ましいぞー!」
千早「ありがとう。でも、我那覇さんも十分上手いと思うけれど」
響「自分も、もっともっと練習して上手くならないとな!」
千早「ふふ……。歌の善し悪しって、単に技術だけで決まるものでは無いと思うの。
人それぞれの個性というのが重要なんだわ。私からしたら、我那覇さんの元気の出る声質が羨ましいもの」
P「その通り。皆違って、皆いい」
千早「プロデューサー!?」
響「毎度毎度神出鬼没だな……」
千早「いつから聞いてたんですか?」
P「そりゃもう最初っからよ。ドアの前に張り付いてたんだけど、気付かなかった?」
響「羞恥心という概念を学ぶことをオススメするぞー……」
P「それじゃあ、行ってくるよ響」
響「いちいち自分に言わなくても」
P「行ってきますのチュウは?」
響「いいからさっさと行ってくるさー!」ウガーッ
P「はっはっは。焦らすのが上手いなあ響は!」アディオス
響「待ってたって何もないからな!?」
響「全くもう。プロデューサーったら……」ブツブツ
真「ははは。でも、ちょっと羨ましいなー。新婚夫婦みたいでさ!」
雪歩「憧れちゃうよねぇ」
響「そ、それはやめてくれ……!」
真「いいなぁ。ボクもやってみたいなぁ……」
雪歩「わ、私と練習する?」
真「いいけど……。役柄は……どっち?」
雪歩「当然真ちゃんが夫役だよぉ!」ウキウキ
真「もぉっ!どうしていっつも!」
P「俺と響も練習する?」
響「あれっ!今出て行ったんじゃなかったのか!?」
P「細かいことはキニシナイキニシナ~イ」
響「さすがにそろそろ仕事、行ったほうがいいぞ。プロデューサー……」
真美「ひびきんひびきん」
響「んー?どうしたんだー?」
真美「真美ねー。今度ねー。ロケで沖縄行くことになったんだ~」
響「へぇーっ!そうなのかぁっ!沖縄はいいところさー。楽しみにしておいてよ!」
真美「うん!んっふっふ~。兄ちゃんにイロイロ買ってもらっちゃおうっと」
響「あれ?プロデューサーもついていくのか?」
P「うん。さすがに真美一人では行かせらんないからな~」
真美「むー。子供扱いはNGだよ~」
P「ははは。すまんすまん」
響「プロデューサーも、是非楽しんでくるといいさー」
P「おう。愛しの響が生まれ育った土地を、体中で堪能してくるよ」
響「……なんかイヤな表現だな」
P「ついでに響のご両親に挨拶しに行こうと思うんだけど」
響「一応聞いておくけど……なんて?」
P「娘さんをください……と」キリッ
真美「ひゅ~っ!兄ちゃんダイターン!」
響「一人で勝手に話を進めないで!」
小鳥「ああ~。愛が欲しい~。愛に飢えてるわぁ~」
響「ど、どうしたんだよぴよ子」
小鳥「響ちゃんはいいわよねぇ……。プロデューサーさんからあ~んなに愛されて」
響「そんなの、いくらでも譲ってやるぞ……」
小鳥「さっすが。余裕のある女は違うわ~」ケッ
響「めんどくさい!ぴよ子も結構めんどくさいぞ!」
P「ああ~。マフラーが欲しいな~。新しいマフラ~が~」
響「…………………」
P「マフラー欲しいな~。可愛い子が編んだマフラーが~」
響「…………………」
P「黒髪褐色ポニーテールの小柄で可愛い沖縄出身の元気っ子が編んだマフラーが欲しいな~」
響「素直に自分に編んで欲しいって言えー!」ウガーッ
P「えっ!?いいの?」キャッホォォォウ
響「白白しいにも程があるぞ……。それよりも、まだまだマフラーの時期には早いと思うんだけど」
P「いやいや。響が編んだマフラーだもん。一年中付けるよ。例え38度の真夏日でも」
響「無理しすぎだぞ!」
P「俺の溢れる汗を響マフラーに……ひゅうっ!興奮してきたァー!」ウッヒョォォォ
響「ぜ、絶対にあげないから!もうあっち行ってくれ!」
P「ああそんな!ひびきいぃぃいぃぃん……」
響「…………まったく」
響(クリスマスプレセント、早くも決定……だぞ)
少し遅くなりました。すみません。
今日はここまでです。
響「………………」
P「………………」
響「……あ……。ダンスレッスン行かなきゃ……」スクッ
P「へい、ちょいお待ち響」
響「……ん?どうしたんだー」
P「今日はレッスンサボって、響んち行こっか。勿論、ボクもついて行きます!」
響「な、何言ってるんさー……。早く、レッスン行かなきゃ」
P「ひーびきーん。それで隠しているつもりぃ?俺の目は誤魔化せないぜ。この俺の目は!常に響しか見えていないこの両の目は!」
P「風邪ひいてるでしょ?熱あるでしょ。悪化したらマズイし、家帰って休みな」
響「で……でも」
P「残念。もうレッスンの中止は向こうに伝えてあるんだ。悪いね」
P「ささ。早く帰ろうぜ。送ったげるから」
響「分かった……。じゃあ、今日は帰る……」
P「さぁて、ついたよー響ン。……あれ、寝てる」
P(…………うわ、悪化してるよ。マズイな……)
P(……とりあえず、家まで運ぶか)ヨッコラセ
P(……うぅん。柔らかい。響の感触。響の匂い!……っと、今はそんな事してる場合じゃないな)
P(さて、とりあえずベッドには寝かせた。熱も測った。38度7分。結構な高熱)
P(ハム蔵たちも、響が体調悪いのを見て、みんな静かになった)
P(……ホントに家族だなぁ)
P(……響、着替えさせないと……いけないよなぁ)
P(……………………)ゴクリ
P(……動物たちの目が怖い)
P「ちゃんと小鳥さんに頼むって。だからそんな目で俺を見るなよ……。特にわに子」ピポパ
P「すいません小鳥さん。今ちょっと時間ありますか……?」
P(小鳥さん到着まではまだ暫しの時間があるらしい)
P(この響を放っておく……なんて事は人間として許されない。イバラで鞭打たれても足りない罪深さだ)
P(えー……っとそれじゃ、まずは熱さまシートを……っと。……どこだ?あるかな?)
ハム蔵「ヂュ」(付いてきな、兄ちゃん。こっちだ)
P「お、ハム蔵。案内してくれる?ありがたいありがたい」
P「…………ん。あったあった」
P(これ綺麗に貼るの苦手なんだよなー。上手くいくかなー)
P「ちょっとピヤッとするよー」
響「…………んっ……」ブルッ
P(……おし。完璧だ)
P(えーっと、次は……)
P「冷蔵庫、失礼します」ガチャ
P(えっと、ポカリ発見。買いに行く必要なし)
P(うーん、それじゃあ……)
響「…………ん」パチ
小鳥「……あ。目、覚めた?響ちゃん。具合どう?」
響「んー……。まだちょっとダルい……かも」ムクリ
小鳥「あぁ、起きなくていいわよ。寝てて寝てて」
響「……あれ、プロデューサーはー……?」
小鳥「私に響ちゃんを預けて帰ったわ。皆の仕事もあるし」
響「……そっか」
響「…………あの。一つ聞きたいんだけど」
小鳥「なあに?」
響「……自分の服、着替えさせたの……。ぴよ子?」
小鳥「…………ふふっ。プロデューサーさんじゃなくってごめんね」
響「べっ、別にそういう訳じゃ……!」
小鳥「さて、お粥があるわよ。……食欲、ある?」
響「うん。ちょっとお腹減ったぞ……」
小鳥「はい。あーん」
響「あーん」パクッ
響「……美味しい。ただのお粥なのに。……ぴよ子が作ってくれたのか?」
小鳥「いーえ。これはプロデューサーさんが作ってくれたのよ」
響「えっ、そうなんだ。……イマイチ信用出来ないぞ……」
小鳥「それならホラ。ここにプロデューサーさんの書置きが」
書置き『響ンの為に、俺の愛とソウルを込めて作ったよ。今世紀最高傑作!是非味わって食べて、早く治してくれ。もし気に入ってくれたなら、
これから毎日でも作ってあげようじゃないか!住み込みで!……それじゃ、これもいい機会と思って、よく休みなよ』
書置き『愛しの響へ プロデューサーより俺の全てを込めて』
響「…………バカだなぁ。プロデューサーは……」
小鳥「早く元気になって、プロデューサーさんにお礼言いましょ」
響「……まぁ、今回は……ありがとう、かな」
ここまでです。
また明日か明後日くらいに来れると思います。
P「ひびきんの~ひの字ぃは~どう書ぁ~くのぉ~」
響「………………」
P「こう書いてー、グイッとしてクイッ」グイッ クイッ
P「ひびきんの~びの字ぃは~どう書ぁ~くのぉ~」
響「………………」
P「こう書いてー、グイッとしてクイッとしてチョンチョン」グイッ クイッ チョンチョン
響「……あの」
P「何?」
響「その歌、なんなんだ?」
P「特に~、意味は~なぁあぁあぁあぁあいい」
響「無意味に美しいビブラートが癪に触るぞ」ウムムム
響「…………」グビグビ
響「うーん……」
響「…………」グビグビ
P「どうしたの響?」
響「いや……。その……」
P「身長でお悩み?」
響「えっ!?なっ、なんでっ、えっ?べっ、別にそんなんじゃ……ないぞー!」アセアセ
P「おっとっと、牛乳が溢れる!」
響「あっ、危ない危ない……」
響「……それより、なんで分かったんだー。自分の考え事……」
P「なんでって、そりゃあ……」
P(この前番組で長身モデルと共演してから、姿鏡を見ては落ち込み、牛乳を睨みつけ、貴音に縋り……)
P「響は小さい方が可愛いよ。俺が言うんだから間違いない!」
響「むうぅぅ……。自分、諦めないからなー!」グビグビ
P「お腹は壊すなよ。もうやめときなさい」パッ
響「あぁっ、まだ半分残ってるのに……」
P「俺が飲みます」クイッ
響「あっ、そこから飲んじゃダメー!」バッ
P「えっ?どういう事!?」
響「はいっ!ここから飲んでよ!絶対にコップ回しちゃダメだからな!」
P「一体どういう…………あぁ。なるほどなるほど」クイクイッ
響「だから飲んじゃダメー!」
(コンビニにて)
響「おっ、チロルチョコの新商品が出てるぞ。3つ……いや4つだなー」ゴソゴソ
P「響ー。飲み物何がいい?」
響「んー。ちょっと待ってくれ。自分で見るー」
P「……俺はどうしよっかなー。ミルクティーに……ん?なんだコレ」
響「抹茶ソーダ……」
P「怪しいな……」
響「怪しいぞ……」
P「…………よし!」ガラン
響「買うの?」
P「新商品という言葉は民衆を惹きつける呪いのワードってね。味が気になる」
響「んー……。よし、自分もそれにする!」
P「え?いいよ。俺のちょっとあげるから」
響「お断りだぞー!」ゴロン
P「バッサリですね……。俺、悲しいよ響……」シクシク
響「……………………」
P「……………………」
響「……プロデューサーから先に飲んでよ」
P「よかろう。……いざ!」グビッ
響「…………どう?」
P「あっ。お~いし~い~」パァッ
響「ほっ、ホントか?…………」グビッ
響「…………うぇっ!まずい!……これ、ものすっごくまずいんだけど……」
P「うん。まずいな。商品開発担当部の連中の舌を引っこ抜いてやりたいレベル」
響「だ、騙したのかぁ!?」
P「顔を歪める響も可愛いよぉ~!」パシャパシャ
響「どこに隠し持ってたんだその一眼レフ!」ウガーッ
響「お、おはようだぞー!」ガチャ パタパタ
P「おう。ご機嫌よう響。……あれ?今日髪の毛結んでないんだ?」
響「うん。ちょっと寝坊しちゃって……。まぁ、変装も兼ねてって感じでなー」
P「いいじゃん。可愛いよ響ン!もちろんいつもいつでもいつまでも俺の響は可愛いけれどね!」
響「うぅ……。素直にありがとうと言いたくないぞ……」
P「ハッ!閃いてしまった……!」
P「へい響、これ付けて」
響「……伊達メガネ?」スチャ
P「はい響、これ持って」
響「……聖書?」スッ
P「はい響、律子のポーズ」
響「……えっ!?な、なんだそれ……。えーっと……」
響「……こ、こんな感じ?」シャキーン
P「あらあらあら……!知的!可愛い!……いやぁ、これだけで大分イメージ変わるもんだね」
響「そ、そうかな……?自分ではあんまり分かんないけど……」テレッ
P「ひょーっ!今の表情最高ォォー!もっかい!もう一回お願いします!」
響「……うっ……うるさいぞー!」ウガーッ!
今日はここまでです。
P「ひーびきぃぃぃいんんン!!!」
響「うわぁっ!い、いつにも増してテンションが高いぞ!」
P「そりゃー今日は特別な日だからなー」
P「ひびきン!誕生日おめでとぉぉぉう!!」ワアァァァ パチパチパチパチ
(数千数万の拍手が事務所内に鳴り響く)
響「あ……ありがとう。……なんか今、物凄い量の拍手が聞こえた気が……?」
P「それはアレだ。日本全国に散らばるプロデューサー達だな」
響「……?よく意味が分からないぞ……」
P「で、そんなおめでたい日を祝って、響にプレゼントがあります!」
響「えっ、そうなのか?」
P「俺から愛しの響へ送るプレゼントは……」
P「そう!俺自身!!」シュルシュルシュル
響「どこからその赤いリボン出したんだー!?で、なんで自分に巻きつけ始めるの!!」ウガーッ
P「今日という日、10月10日を、これからは響の誕生日というだけでは無く……」
P「俺たちの結婚記念日にしよう」キリッ
響「…………いや、真っ赤なリボンと複雑に絡み合って動きが取れなくなってるようなヒトに言われても」
P「あのね。ワリとマジで失敗した。動けない。助けて響!」
響「もう。しょうがないなプロデューサーは……」
響「んんっ。ここの所、どうなってるんだー?取れないぞ……」
P「んー。あっ。よし響。もう大丈夫だ。ありがとう。後はなんとかしてみるよ」
響「どうやって?」
P「フハハハ。こうやってさ」ビリビリバリバリ
響「うわぁっ!リ、リボンを引き裂いた!?……って、なんでスーツまで脱ぐの!?」
P「それはだね……俺の首元にご注目!」
響「え?……あ。キレーなネックレス……だぞ」マジマジ
P「はい。誕生日プレゼント」
響「こ、これを……自分にくれるのか?」
P「もち!……正直、こういうのって自信無くってさ。直感でパッと選んできたんだけど」
響「……ううん。自分、これ気に入ったぞー!すっごく綺麗だな!」
P「ホントか!?良かったぁー!」イヤッフゥゥ
響「ありがとうプロデューサー。自分、大切にするよ!」
P「ああ……。それを俺だと思って、毎日撫で撫でしてやってくれ……」
響「……そ、それはちょっと……」
P「まあ、何はともあれ……だ。もっかい言うぞー!」
P「響、誕生日おめでとう!これからもよろしくな!」
響「うん、こちらこそ!だぞー」
P「来年こそ俺を、俺自身を受け取ってくれ……」
響「厳重にダンボール詰めにして返品だなー」
P「どこに!?」
響「母なる美ら海に!」
P「それ、シャレになってないから!」
響「ふーん。いつものお返し、だぞー!」フフン
ここまで!
響、誕生日おめでとう!
社長「最近ニュースになってる連続女性暴行事件についてだが」
P「ええ。分かっています。アイドルの子達にもよく言い聞かせてあります。絶対に一人では出歩かせません」
社長「うむ。くれぐれもよろしく頼むよ。なにせ、犯行はこの近辺でも起きているのだからね」
P「早く犯人が捕まってくれると安心なのですが……。アイドル達も、顔には出していませんが少なからず不安は抱えているでしょう」
社長「すまんな。今回は音無くんも律子くんも守るべき対象。頼れるのは君しかいなくてね。
もちろん、私に出来る事があれば協力する。何でも言ってくれ」
P「はい。ありがとうございます。……では、失礼します」
社長「うむ」
P「……と、言うわけだ。皆、くれぐれも一人では外を出歩かないでくれ。用があるなら俺や社長と一緒にな」
律子「わ、私は別に……」
P「何言ってんだ。律子も絶対に一人で出て行っちゃダメだ」
律子「でも、それだと業務に差支えが……」
伊織「その点については心配ないわ。私が家にお願いして、皆にボディーガードをつけるよう依頼しておいたから」
P「うん。そういう事だ。今後、送迎とか、俺や社長だけでは手が回らない所は伊織の家の人にお願いすることにした」
千早「随分と用心しているんですね」
P「当たり前だろ。皆に何かあってからじゃ遅いんだ。大体、犯行はこの近辺でも起きているんだぞ。皆ももっと注意してほしい」
美希「うーん。ミキ的には、ハニーか真クンに守って欲しいかなーって」
真「相変わらずボクの扱いが……。でも、ああいう卑劣な犯罪は絶対に許せないよね。もしボクの前で何かあったら、このボクが……」
P「何バカな事言ってんだ真!構わず逃げろ!絶対に危ないことはするな!自分の身を守ることだけ考えろ!」
真「で、でも……」
P「でもじゃない。真だって、普段からよくよく言ってるじゃないか。……真は、女の子なんだぞ。
完全に守られる対象なんだぞ。いいな。用心して、もし何かあったら全力で逃げろ。大声あげてな」
真「……は、はい……」
P「よし。それじゃあ、今から皆に防犯ブザーを配る。必ず常備してくれ。それから……」
響「随分大変な事になってるみたいだなー」
P「響までそんなこと言うのか……。もっと用心してくれって言ったろ?このあたりの学校でも、集団下校が行われてるんだぞ」
響「うーん。確かに危ないっていうのは分かるんだけど、やっぱり皆自分は大丈夫だって心のどこかで思ってるんだと思うぞ」
P「かもしれない行動で行こうよ。もし愛しの響に何かあったら……俺は……!もう生きていけない。下水道に身を投げるよ」
響「も、もうちょっと綺麗な所でも……」
P「響。好きな女の子一人守れないような男は最低の最低なんだよ。そんな男に、綺麗なところで死ぬなんて贅沢な事は許されないのさ」
P「…………ところで、”死ぬなんて言っちゃダメだぞ!プロデューサー!”とは言ってくれないんだね……」シクシクメソメソ
響「これまでの空気が台無しだぞ」
P「さ、響。そろそろ仕事に行こうか」
響「……うん。それは分かったけど。…………近いぞ」
P「これも響を守るためなのさっ……」フッ
響「……防犯ブザー、鳴らすべき……なのか?」
滅茶苦茶短いですけど、キリが良いので今日は一旦ここで終わりです。
バレバレだと思いますけど、またこれから少しだけ長くなります。
そして、これがラストの話になります。
もう少しだけお付き合い下さい。
P(アイドル達に話をしてから一週間が経った)
P(以前犯人グループは捕まらず……か)
P(こうも足取りがつかめないとなると、単なるチンピラの集まりとは考えにくい)
P(そうこうしてるうちに、また新たな被害者が出てしまった)
P(早く捕まってくれよ……。さすがにアイドル達も少し怖がってるんだから)
響(うーん、予定よりも早く撮影が終わっちゃったなー)
響(まだ迎えのまでには時間があるぞ)
響(ちょっとその辺でも見てみようかなー……)
響(……………………)
響(いや。やっぱりやめた。早く来てくれるように連絡するぞ)
青年「あ、あの」
響「……えっ?あっ、な、何?」
響(変装は一応してるから、バレてはないハズ……だけど)
響(知らない男の人……かぁ……)
青年「すいません。僕、この辺りに慣れてなくって。ちょっと道をお伺いしたいんですけど」
響「あ、はい。どこなん……ですか?」
響(うーん。やっぱりイマイチ敬語は慣れないぞ……。今度練習しないとなー)
青年「実は、友人とこういう名前の店で待ち合わせしているんですが、道をよく覚えていない上にスマホの充電も切れちゃって……」
響「あ、ここなら自分、知ってるよ」
青年「本当ですか!?」
響「うん、まずはあそこに見えるでっかいビルを目印に歩いて行って、そしたら左に曲がって、それから次はローソンが見えるから……」
青年「……えっ、と。はい」アセアセ
響「……で、そこにある緑色の看板が、そのお店だ……です。……分かった?」
青年「え、えと……。あ、はい!」
響(絶対に分かってないなこの人)
青年「すみませんどうもご親切に!ありがとうございました!えーっと、まずはそこの角を左に……」
響「あっ、違う違う!あそこのビルの所まで行ってから、左だぞー!」
青年「あっ、すみません重ね重ね……!」
響(うーん。なんとも心配だなー。時間はあるし、自分が連れてってあげても……)
響(あ……。でも、プロデューサーが用心するようにって、言ってたなー)
青年「……あれ?ビル行って左曲がって……えと、なんだっけ?あ、コンビニを目指すんだよな。コンビニっつったらデイリーヤマザキ……」
響(……自分、確かにローソンって言ったはずなんだけど……)
響(ええい!困ってる人を放っておくなんて、サイテーの人間のすることさー!)
響「自分、今ちょっと時間あるし、案内してあげるよ。ついてきて!」
青年「え?いいんですか?ありがとうございます!」
響(それに、悪い人には見えないからなー)
響「ん、ここだなー」
青年「本当にありがとうございます!わざわざご親切に!」ペコペコ
響「あっ、どういたしましてー」ペコペコ
青年「いやー。いるもんですね~。このご時世にも、こんな優しい人が」
響「いやぁ……。えへへ」テレテレ
青年「おかげで仕事がやりやすい」
響「えっ?」
青年「知ってますか、ここの通りなんですけどね」
青年「この時間、人通りがめちゃくちゃ少なくなるんですよ」ニヤリ
響「………………えっ?」
ここまで。
多分今月中くらいには終わると思います。
もう日常編のネタはとっくに切れてるんだ……ご勘弁を……!
P「響が戻ってない!?」
律子「時間になって迎えに行っても、響の姿が見当たらなかったようで……。携帯にも出ないんです!」
P「なんだと……!……撮影は確かに終わっていたんだな?」
律子「もう向こうには連絡を済ませてあります。……非常にスムーズに。予定よりもかなり早く終了したそうです」
P「…………………!!」
律子「今社長が撮影現場周辺を探してくれているんですが……あっ、社長」
社長「ただいま帰ったよ。……我那覇くんは……見当たらなかったよ」
律子「そ、そんな……」
社長「念のため、我那覇くんの自宅にも行ってきた。……人がいる気配はなかったよ」
P「仕事はとっくに終了している……姿は見えない……携帯にも出ない……」
律子「迷子……なんて、ありえないです……よね……」
P「まさか……」
P「誘拐……!」
貴音「……!あなたさま……!今、なんと……?」
春香「響が誘拐って……、どういうことですか!?」
P「みんな……!聞かれてたのか」
P「いや、分からない。ただの俺のネガティブな想像に過ぎないのかもしれない。……けど」
小鳥「現に……響ちゃんは戻っていない……」
P「……………………」
伊織「け、警察には!?」
社長「すまない……。まだ連絡していないんだ……。マスコミに嗅ぎつけられて、下手に騒がれでもしたら……」
真「そんな事、今はどうでもいいでしょう!響の身が第一じゃないんですか!?」
社長「すまない、菊池君。全くもって君の言う通りだ。すぐに連絡する。その上で、世間には公表しないよう最新の注意を払ってもらおう」
小鳥「……!待って下さい、社長」
プルルルルル
P「…………電話だ」
真美「ひびきん!?」
P「……はい。765プロです」
『……あ、確かにここ765プロで合ってる?』
P「はい。合っています」
『いやぁ、良かった良かった。実はさぁ』
P「……………………」
『御宅のアイドル、一人こっちで預かってるんだけど』
P「…………!おい!!響は!!響は無事なんだろうな!!」
律子「…………!」
貴音「響!響がいるのですか!?」
『そう熱くなんなって。……まぁ少し話そうぜ』
P「ふざけるな。おい、本当に響には手を出してないんだろうな!?」
『しつこいねぇ……。そんなら……ホラ』
響『……ぷ、プロデューサーぁ……。ごめんね……自分……』
P「響か?大丈夫なんだな?」
響『う、うん!自分は大丈夫だぞー!……それより、コイツら、例の……』
『おっと、余計な事は喋らなくていい』
『……と、まあ、これでこっちの言ってることが本当だって分かっただろ?』
『それにしても、いやぁツイてるわぁ。とんだ拾い物したもんだなぁ。……アイドル、返して欲しいんだろ?』
P「……何が言いたい」
『察しが悪いなぁ。バカは嫌いだぜ。……金払えよ。金』
P「…………身代金ってヤツか。……いくらだ』
『そうだなぁ。おたくら、結構稼いでるみたいだしな。ここはどんと一億とでも言っておくか』
P「……ふざけんなよ……。遊びの一環みたいに言いやがって」
『っはははは。良いトコ付いてるぜ』
『そんじゃ切らせてもらうわ。金に期限は設けないけど、まぁ、俺たちが今まで何やってきたかって考えたら、そうそうのんびりはしてらんないよな』
P「…………!おい!待てよ!響には――!」ツー ツー
P「クソっ!」ガシャン
社長「我那覇くんを誘拐したのは……」
P「……はい。例の集団で間違いないみたいです。奴らは響の開放に金を要求してきました」
律子「いくらですか……それ」
P「一億円……だ、そうだ」
伊織「そ、そんなもの、ウチに頼んですぐにでも払わせるわよ!」
P「待て。伊織」
伊織「どうして!?響が誘拐されてるんでしょ?一億円あれば開放してもらえるんでしょ!?何をグズグズしてるのよ!!」
P「違うんだ、伊織。奴ら、金の要求はしたが、どこに振り込めとか、どこまで持って来いとは一言も言わなかった」
P「金を払うには、こちらから奴らに呼びかけるしかないんだ。でも、そんな事したら……」
小鳥「騒ぎになって、響ちゃんが誘拐された事が世間に知れ渡る……」
千早「連続婦女暴行事件の犯人グループに捕まったアイドル……。どんな噂が流れるのかを想像するのは、そう難しいことではないわね……」
春香「どうすればいいんだろう……」
P(ちくしょう。せめて、奴らの居場所さえ分かれば……!)
P(………………ん?)
青年「さて……と」
響「………………」
青年「そう怖い顔するなよ。笑顔を振りまくのがアイドルの仕事ってヤツじゃないんですか?」
響「……どうして。どうして、こんな事するんだ?」
青年「どうしてって言ってもな……。面白いからとしか言いようがないな」
響「な……なんだそれ……」
青年「警察のバカ共は俺たちを捕まえられない。世間は大騒ぎだ。これも全部、俺がやった事。俺が世間に与えている影響。
俺一人の力で、こんなに世界を動かせるんだと気づいたら、楽しくてしょうがない」
響「ふ、ふざけるな!」
青年「……どうでもいいけど、態度はわきまえた方がいいよ。俺は正直そういうの全く興味ないけど、他の連中はそうもないみたいだから」
男たち「ニヤニヤ」
青年「縛られたアイドル目の前にして、黙ってられる程彼らは忍耐強くないってさ」
響「………………!」ゾクッ
青年「でもま、お宅んトコの人にも、手は出さないって約束しちゃったし、安心してよ」
青年「……って、言いたいのは山々なんだけどな。そうもいかねぇんだ」
青年「アンタには顔を見せちまったしな。口封じ……しとかないとな」
響「……じ、自分を……殺す……のか?」
青年「まさか。んな事する訳ないだろ。流石に殺人はマズイって」
青年「写真に、ビデオ。響ちゃんが普段人に見せないような所を……ね」
響「………………!!」
青年「ちょっとでも変な動き見せてみろ。すぐにバラ撒くぞ。色んな所にな。……とでも言っておけば、大丈夫かな?」
青年「さてと。じゃあ皆後は任せた。いつも通りに頼むよ」
青年「そういや響ちゃんは純粋で売ってるアイドルだったけな。くれぐれも、優しくしてやれよ」
今日はここまでです。
また明日来ます。
男1「やべー。ホンモンの我那覇響じゃん」
男2「俺超好きなんだけど!夢みてえだな!」
男3「オイ。俺たちだけで盛り上がってどうすんだよ。響ちゃんが寂しそうにしてるぜ?」
男4「響ちゃんはぁ。どんな下着付けてるのかな?」ニヤニヤ
響「……や……ヤだぁ……」
男3「オイオイ聞いたか今の!?」
男1「いいじゃんいいじゃん響ちゃん!興奮させてくれるじゃん!!」
男4「なあ……。また遊んでいいか?」
男2「お前……。ホント性格悪いよな。まあ楽しいからいいけど」
響「…………えっ?」シュルシュル
男4「さて響ちゃん。縄はほどいてやった。君は自由だ。……10秒やるから好きな所に逃げな」
男1「まあ、逃げるところもないんだけどな」ヒャハハハ
男2「追いかけるのが楽しいんだよな」ヒヒヒヒ
男2「響ちゃん、逃げないの?」
響「っ!」ダッ
男3「おっ、早いなぁ。……こりゃ楽しみだ」
響(誰か……誰か助けて……!誰かぁ……!)ダダダッ
男2「9……10。さて、行くよ~」ダッ
響(どこか逃げるところは……!どこかないのか……!!)ダダダッ
響(……扉!)
響「だっ、誰かぁ!誰か助けて!お願いだぁ!」ガンガンガン
男1「響ちゃん。扉は開くわけないし、人が来るわけもないよ。残念ながら」
男4「捕まえた」ガシッ
響「ひっ……!やだ……!いやだぁ!放せぇ!」ジタバタ
男3「おい。暴れんなよ」
響「いやだぁぁ!」バタバタ
男4「チッ……。大人しくしろって……!」
男4「言ってんだよ!!」バァン!!
響「…………ッ!」ビクッ
男2「響ちゃーん。いい加減諦めようって」
男1「折角可愛く生まれたその顔滅茶苦茶にされたくなかったら、大人しくしてろって。……おい。脚持てよ」
男3「さっすが。肌すべすべだな」
響(助けて……!みんな……!)
響(プロデューサーっ……!!)
「…………ンンン響ィィィィーーーーンン!!!!」
響「…………!!」
青年「……何だ?どこから……?」
男3「…………!扉が……破られる……!!」ドンドンドン
響(この……。この声は……!!)
バン!!
P「うらぁぁぁ!!さっさと開けろよなコラァァ!!」バタン!
響「プロデューサー!!」
ここまで。
次回より華麗なるP無双が……!
P「響ぃぃ!!無事か!!無事なんだな!?」
響「自分は……自分は大丈夫さー!」
P「良かった!間に合った……!」
青年「…………へぇ。アンタが響ちゃんのプロデューサーか。……どうしてここが分かった」
P「それは企業秘密だ」
青年「はっ。ふざけてるねえ」
P「……電話の男は、お前だな。お前がこの集団のリーダーだな」
青年「何言ってんの?俺は何もしてないよ」
P「とぼけられるとでも思ってんのか。ナメやがって」
青年「舐めてるのはどっち?この状況見える?分かる?……ほら。さっさと命乞いでもしたらどうよ?」
青年「…………口聞けなくなる程度にしとけ」
男1「オイおっさぁん。準備はいいかよ?」
P「黙れ。俺はおっさんって年じゃねぇ。まだそれなりに若い。……響。俺の後ろに隠れろ。絶対に守る」
P「…………俺はいつでも準備万端さ。かかってきな」コキコキ
男3「言ってくれんじゃねぇかッ!!」ダッ
響「ぷっ、プロデューサー!!」
目の前から殴りかかってくる男。
Pはそれの腹を目掛けて。
P「…………心配するなって響」
男3「オラァッ!」
P「俺は」
思い切り拳をねじ込んだ。
男3「っ…………!」ドサリ
P「こんな奴らには負けないから」
響「………………えっ!?」
青年「……ふぅん。最近のプロデューサーってのは鍛えてないとダメなもんなんだ?」
P「いや?そんな訳じゃないけどな」
男2「舐めんなっ……よ」ヒュッ
P「おっと。……バカだな。蹴りならカッコつけないで膝とか脛狙えば良かったのに。
無駄にハイキックなんかしちゃうから、こんな風に簡単に受け止められちゃうんだよ」ガシッ
そう言うと、Pは受け止めた男の足をギリギリと捻り上げる。男は痛みにうめき声を漏らす。
Pは素早く足を放すと、目の前の男の顔を思いきり殴り上げる。
男1「あんまチョーシに乗んなよ?オッサン」
男4「そろそろ死ねや。な?」
P「だからまだオッサンじゃねぇって……。ってオイオイ。どこに鉄パイプなんざ隠し持ってたんだよ。ズルいね」
男1「口が減らねえオッサンだな。まあちょっと黙っとけって!」ブンッ
P「うっ……。危ないな。頭に当たったらどうするつもりなんだお前ら」
男4「は?お前がくたばるだけじゃん?」ビュッ
P「…………あ、そう。ならいいけど」
男1「いつまで余裕ぶっこいてんだ……よ!」ブンッ
Pは男が振り回した鉄パイプを靴の裏で受け止める。
そして、素早くそれを掴むと、ひねり上げるようにして男の手からパイプを奪い取った。
男1「あっ!……チッ」
男4「余所見してんじゃねぇよ!」ビュッ
P「危ねえっ……!」ギィンッ
P「おう……。結構な衝撃」
鉄パイプ同士がぶつかった事による衝撃で、Pは強い手の痺れに一瞬怯む。
その隙に、後ろから男の蹴りがPの背中に襲いかかる。
Pは痛みに一瞬顔を歪めたが、動きは止めることなく、振り向いた勢いもそのままに、男の顔面を思い切り殴りつける。
そして、再び鉄パイプを振り上げたもう一方の男の胸を、空いた片手に握り締めたパイプで鋭く突いた。
Pの前後で、男二人はほぼ同時によろめく。
その隙を狙い、Pは体勢を整え、身体を回してパイプ持ちの男の脇腹を蹴り抜き、回転の勢いを利用して、もう一方の男のこめかみを裏拳で打ち抜いた。
倒れる男たち。
自らが打ち倒した四人の男が地面で気を失うのを一瞥すると、手に持っていた鉄パイプを放り捨てる。
そして、無表情で一連の戦いを眺めていた青年に向き直った。
P「さて。後はお前だけだな」
青年「……………………」
響「……す、すごいぞ。プロデューサー……」
ここまで。
まさかの地の文。
会話文と擬音だけだと、どうしても上手く書けなかったので、苦肉の策です……。
あと、Pが居場所を特定できたことについては、一応理由はあるけど、あんまり期待しないで下さい。
真相は皆さんの予想の遥か下を虚しくくぐり抜けているのですよ……。
乙
P「こんな事もあろうかと響の服に発信器を付けておいたのさ!」
これだな
P「もうじき警察が来る。腹くくって神妙にお縄につきな」
青年「俺は捕まらない」
P「なぁに寝呆けた事言ってんだ。お前、自分が今までに何したか分かってるんだろうな」
青年「当たり前だろ。俺はボケ老人じゃない」
青年「でももう一度言う。……俺は捕まらない」
青年「俺の父は有名な政治家だ。そして俺は日本でもトップクラスの成績を誇るエリート。全国でも指折りのエリートだ」
青年「俺は将来を約束されてるんだ。人の上に立つ者としての将来が」
P「…………それがどうした。何の関係も無いだろうが」
青年「ウチには権力があるんだよ。日本のトップと親父は繋がってる。勿論、警察とも、芸能界とも」
青年「アンタ達みたいな小さい事務所潰すのなんざ、簡単だぜ?」
P「そんなんで潰れてちゃアイドルなんざやっていけねーのよ」
青年「ハッ。アイドルとか!持って生まれた顔だけでやってる連中の総称……だっけか」
P「…………おい。お前今なんつった」
青年「ただテレビの前で作り笑いで手を振ってりゃ金が貰えるんだからな。全く、羨ましい限り……」
P「黙れ!」
P「……お前には分からないだろうな。そりゃそうだろう。アイドルは絶対に努力してる所なんざ見せない。
どんなに辛くったって、それを押し殺して、それを表に毛程にも出さずにファンの人達を楽しませるのがアイドルってもんだからな!」
P「お前が今馬鹿にしたテレビの中の笑顔の裏に、どれだけの努力と苦労が隠れてると思ってる!
彼女達の立つ輝くステージの下に、どれだけの汗や涙が積み上げられてると思ってる!!」
P「お前がそれを知らないのも無理はない。……でもな」
P「持って生まれた才能だとかで、そんな一言で片付けて、彼女達の努力を馬鹿にするようなお前のその発言を、俺は絶対に許さない!!」
青年「……熱いよ。オッサン。苦しいぜ」
P「ああ。こんなに熱くなったのは久しぶりだ。初めて響と出会った時以来だな」
青年「でもま。残念だったよなあオッサン。アンタがいくら俺の事を許さない!
……って言ったって、何の効果もない。俺にとっては痛くも痒くもないわけだからなあ」
青年「俺はアイツら4人に脅されて、無理やり協力させられてただけ。暴力を武器にして、アイツらは俺をリーダーに仕立て上げた」
青年「アイツら4人も同様の証言をすれば、俺は晴れて犯罪に巻き込まれた哀れな勤勉学生ってワケだ」
青年「証言なんざ、いくらでも捻じ曲げられるんだよこっちは。お前らがいくら喚こうと……無駄なんだよ」
P「へぇ。そうか。それは大層ご立派な計画だな。……さて、これを聞いても同じことを喋れるかどうか……見ものだな」
ボイスレコーダー「舐めてるのはどっち?この状況見える?分かる?……ほら。さっさと命乞いでもしたらどうよ?」
ボイスレコーダー「証言なんざ、いくらでも捻じ曲げられるんだよこっちは。お前らがいくら喚こうと……無駄なんだよ」
青年「…………………!!」
P「いやぁ。予想外の大活躍だなあコイツは。家帰ったら拝もう」
青年「……やってくれたな……!たかがアイドル事務所のプロデューサー風情が……!」
P「……たかが……か。また言ったな。お前も懲りないな……」
P「いいぜ来いよ。お前が今までに傷つけた人達全員に変わって、俺が相手になってやる」
青年「どこまでカッコつけりゃー気が済むんだ……よぉぉ!!」ダッ
響(ナイフ……!危ない!プロデューサー!!)
P「…………!随分と物騒なもん持ってんじゃん。趣味悪いね」
青年「ほら、どうしたんだよ!助けてって言ってみろよ!」ブンッ
P「お前なんかに助けられるようじゃ、オシマイだよな」
青年「ハッ!そろそろ黙っとけよ!」
青年がナイフを振り回す動きは、勢いに任せて振り回しているだけで、無駄な部分が多かった。
Pは青年がナイフを振り上げ切った隙に一気に間合いを詰めると、青年がナイフを握る手をパシッと鋭く手の甲で払い除ける。
青年「くっ……そっ……!」
くるくると回転しながら吹っ飛ぶナイフ。
怒りに口元を歪めながら、青年はそれを見た。……その一瞬の隙。
Pは右手をキツく握り締めると、
P「後悔しな!自分が今までにしでかした罪!アイドル達を馬鹿にした事!そして、俺の響に手ェ出した事をなァ!!」
P「アイドルッ……!ナメんじゃねえええぇぇぇぇッッッ!!!」
目の前の青年の顔面目掛けて、まっすぐにその拳を振り抜いた。
P「……………………」
P(最後の最後まで、とんだクソ野郎だったな。……ま、せいぜいしっかりと自分の罪を認識して、償って、更生するこった)
P「…………響。……響ぃ!」
響「……大丈夫だよプロデューサー。ホントにありがとうな」
響「プロデューサーが来てくれなかったら、自分……もうホントに……ダメかと思った……!」グスン
響「怖かったよぉ!うわあぁぁぁあん!!」グッスン ヒッグ
P「響……。ゴメンな怖い思いさせて。よく頑張ったな。……さぁ、俺の胸で泣くといい」
響「イヤだよぉ!うわあぁぁぁあん!!」グッスン ヒッグ
P「ええええ!なんでよ!ここ感動のシーンじゃん!二人抱き合おうよ!キツく!強く!」
響「そんなの絶対にお断りだよぉ!うわあぁぁぁあん!」グッスン ヒッグ
ここまでです。
最後はカッコよく締めさせない。
明日でラストになると思います。
P「ああ。警察にもう身柄を引き渡したよ。もう大丈夫だ。社長にも礼を言っといてくれな。騒ぎにならずに済んだ。……ん。色々悪いな。それじゃ」ピッ
P「……さて、響ン。事務所に帰ろうか。皆心配してるってさ。律子が言ってたよ」
響「うん。……皆にも、迷惑かけちゃったな……」
P「気にするな響。無事に帰って来れたんだから、それで良しなんだよ。765プロは家族みたいなもんだからな」
響「…………うん」
響「…………あ、そういえばプロデューサー」
P「なに?」
響「どうして、自分の居場所が分かったんだ?」
P「前にも言ったろ。俺には響レーダーがあるって」
響「そんなこと言ってたっけ……?って、そんな冗談じゃなくって!」
P「冗談じゃないよ。ほら」
レーダー「ピコーンピコーン」
響「」
P「いやぁ、実はさ」
(回想)
P(………………ん?)
P「ああっ!思い出した!!」
律子「……な、何をですか!?」
P「確か……俺の引き出しの中に……!どこだ……?どこにある……?」ゴソゴソ ガサガサ
真美「兄ちゃん、何探してるのー?」
P「……あっ!あった!やった!!」
P「動け……動けよ…………!よし!!」
P「響……待ってろよ。すぐに助けに行くからな……!」
社長「まっ、待ちたまえ!どこへ行くんだ!?」
P「響を助けに行ってきます!」
小鳥「でも、場所が……」
P「分かるんです!分かったんですよ!早く助けに行かないと!響ぃぃぃ!!」ダッ
春香「ぷっ、プロデューサーさぁん!!」
P「…………と、言うわけで」
P「ほら。これこれ。ここが現在地」
響「ぷっ……プロデューサー!なんてもの作ってるんだー!?」ウガーッ
P「響のためなら、俺はなんだって出来るんだぜ……!」フッ
響「……それ、どういう仕組みになってるんだー……?」
P「えーっとね。単純に発信機を付けて、それを追いかけるだけだよ」
響「発信機なんてどこに……」
P「ハム蔵。響のポケットからそろそろ出てこい」
ハム蔵「ヂュ……!ヂュヂュヂュ……!」(な……なんだよ?終わったのか?終わったんだな?)ガクガク ブルブル
P「ホラ響。ハム蔵のお腹に」
響「んー……?」
発信機「ピコーンピコーン」
響「」
P「な!」
響「な!じゃないぞ!」
響「まったく……。それはそうと、そんな便利なものがあるんだったら、最初っから使っててくれれば良かったのに……!」ジトー
P「うっ。すまん響。製作したはいいんだけど、さすがにずっと響の動きを監視してるのは、倫理的にどうかと思ってさ」
響「そこまでやっといて躊躇するのか!?」
P「ああ。俺は響を愛する者として、響が不快に思うことは絶対にしたくないんだ」
響「そのレーダー作られた時点で、中々に不快だぞ……」
P「そんなこんでこの機械は封印してて。ハム蔵に発信機つけてた事も忘れてたってわけ」
響「もう!それは没収するからなー!」
響「……それにしても。プロデューサー、すっごく強かったなー!ちょっと意外だぞ」
P「ああ。古今東西あらゆる武術を学び習得したからな」
響「なんでまたそんな事……?」
P「荒ぶる暴漢達から、響ンを颯爽と救い出すために決まってるじゃないかぁ!」
響「うがーっ!目的を達成させてしまったぞ!」
P「俺の目が黒い内は、絶対に響を守ると誓うよ」
響「…………まぁ、心強い……かな」
響「…………よろしくね」
P「お任せあれ!」
ここで一息。
これが響発見の真実でした。
>>276
ニアピンおめでとう。
君のせいで俺は今からでも内容変更するかどうか真剣に悩んだよ。
では、本当に最後。
エピローグです。
響「……プロデューサー」
P「ん?どうした響ン」
響「この前のお礼。……何か自分にして欲しいことないか?何でもいいぞー!」
P「本当ですか!?んじゃあ……」
響「あっ……!えっ……エッチなのは絶対に却下だからなー!」
P「……………………!!!」
響「そんな絶望に暮れた表情するなー!」ウガーッ
P「んー。じゃあ、ここに座って」
響「ん」
P「………………………」ピンピンピン
響「………………………」
P「………………………」ピンピンピン
響「…………あの」
P「…………なあに?」ピンピンピン
響「何……してるんだ?」
P「ん?響のアホ毛をいじくってる」
響「すっごく地味!」
P「長年の夢が……今……叶っているよ……!」
響「もっと壮大な夢を持とうよ!」
P「しかし、このアホ毛二人凄いよね。いついかなる時にも変わらずに立っているんだもん」ピンピンピン
響「確かに……そこだけは濡れても寝ないんだよなー」ウーン
P「……雨にも負けず。風にも負けず」
響「……有名な詩だな」
P「よし。今日から右の毛はミヤザワ。左の毛はケンジだな」
響「勝手に命名するなぁ!」ウガーッ
P「はぁ~ん。満足満足ぅ!」テカテカ
響「まったく……プロデューサーは一体何がしたいんだー……?」
P「俺がしたいこと?んなこと決まってるじゃん!」
P「俺はただ、響とイチャコラしたいだけさ!」
響「だっ、だから、そういう恥ずかしい事を大声で言わないで欲しいぞ!」
P「俺はただ、響とイチャコラしたいだけさ!」ボソボソ
響「小声でもダメー!」
P「そんな!……ははぁん、なるほど」
P「さては響ぃん。恥ずかしがってるなー。このこのー」
響「勝手な妄想はやめるさー!」
P「はっはっは!いやー。まったく。響は可愛いなぁ!」
響「もぉぉぉ~っ!」
響「プロデューサーのっ、ヘンタイ!」
終わりです!
一ヶ月程、ですか。
お付き合いいただき、本当にありがとうございました!
投下する度に皆さんがコメントをくれるから、最後までモチベーションを下げずに書ききれました。
また調子に乗って何か書きにくるかもしれないので、その時はまたよろしくお願いします。
響ン可愛い!!
ありがとう、終わっちゃうのが残念ですが乙でした!
http://imefix.info/20121020/191045/
http://imefix.info/20121020/191046/
乙
最高だったぜ…
終わりだなんて耐え切れないわ
次回作は美希で頼むよ
乙!!
次回は真をお願いします
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