【番外編】苗木「超高校級の欠点か…」霧切「…そしてこれがカメ太郎ちゃんよ」 (376)


※※※ ATTENTION ※※※

もし希望ヶ峰学園が超高校級の「才能」ではなく超高校級の「欠点」をもった生徒たちの集まりだったら…というIF設定で展開していた本編の【おまけ】スレ


行事ネタや小ネタを中心にだらだらと書いていけたらな~と思います


本編読んでねぇよ!って人は

【安価】苗木「超高校級の欠点か…」
【安価】苗木「超高校級の欠点か…」江ノ島「完結編だゴラァ!」ファック!

をまず読んでみよう!



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1393934241


☆本編のまとめ

苗木 >>>「超高校級の欠点」を持った生徒たちが集まる希望ヶ峰学園に毎年抽選で選ばれる『平均値の学生』として入学したごく普通の男子高校生

大和田 >>>『超高校級のヘタレ』でなにに対してもビビりやすいたちだったが、苗木の助言で自信をつけたため最近態度がデカい。大の犬好き。自慢のリーゼントはウィッグ

石丸 >>>『超高校級の暴君』だったが、いろいろあって丸くなった。意外と冗談も言える。しかし規律には非常にうるさい。桑田とは兄弟と呼び合う仲

不二咲 >>> 『超高校級のパソコンオンチ』だが、アルファベットは習得した。両手の人差し指と親指を駆使しながら必死にキーボードを叩く姿はさながら地上に舞い降りた天使

桑田 >>> 『超高校級の肩関節不安定症』で肩が非常に外れやすく、上半身を使うスポーツはご法度。ひょんなことから『超高校級の料理人』としての才能に目覚めた…が、そのため江ノ島にこき使われている

十神 >>> 『超高校級の器用貧乏』。文字通りの意味でなんでもできるがお金がないため恵まれない境遇で生きてきた超高校級の苦労人。非常に努力家で休日返上のバイトで稼いだお金をやりくりしながら人生の大逆転を虎視眈々と狙う

山田 >>>描く絵描く絵にミジンコが踊る『超高校級の画伯』。彼の絵は誰にも理解出来ないが、描きたいこと描いてるんだから仕方が無いよね

葉隠 >>> 『超高校級のお人好し』。過去の苦い経験から全く占いができず深刻な大金恐怖症だったが、いろいろあって克服を決意した。いいやつ


大神 >>> 強くなりたくてプロテインを飲み続けたら図体だけ大きくなってしまった『超高校級の見かけ倒し』。見た目に反し筋力は皆無だが特訓中

舞園 >>> 『超高校級の無愛想』だったが、苗木のアドバイスで自然に笑えるようになった。歌うことが好きで、アイドルになることを夢見る

江ノ島 >>> 『超高校級の存在感皆無』だったが、治った。いまはクラスの賑やかしやかき回し担当のムードメーカー。苗木が大のお気に入り

戦刃 >>> なんでもソツなくこなし、気が利き、面倒見がよく、非の打ち所がない超高校級の良妻。ただミリタリーオタクで女の子なのに怪我が絶えない『超高校級のけが人』なのが玉にキズ(という設定は忘れられがち)

霧切 >>> 『超高校級のバカ』。学習能力に乏しく知能も低いが最近は改善傾向にある。時に意地っ張りで、謎のカメ好き

朝日奈 >>> 水に顔をつけるだけて失神する『超高校級のカナヅチ』だったが、努力の結果うきわでプールに入れるまでにはなった。夢はみんなでプールで遊ぶこと。他のスポーツは全般にできたりする

セレス >>> 何をやっても相手より下の目を出すという因果律レベルの『超高校級のカモ』。しかも負けず嫌い。セレスの意思と逆の目に賭ければ世界を制す。プレゼントにもらったしゃべるモノクマ人形を常に持ち歩いている

腐川 >>> 『超高校級の悪文作家』。彼女の書いた文字は誰にも理解されず、それが卑屈な性格の原因になっていた。でも書きたいことを書くと決めた。強い衝撃を体に受けると陽気な裏人格「ジェノサイダー翔」が現れる(特に実害はない)のは公認の事実

【安価】苗木「超高校級の欠点か…」

【安価】苗木「超高校級の欠点か…」江ノ島「完結編だゴラァ!」ファック!
【安価】苗木「超高校級の欠点か…」江ノ島「完結編だゴラァ!」ファック! - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388326899/)



お久しぶり、…かな

なんだかこうして言うと照れちゃうよね

あれから元気してた?

ボクは元気だよ

…他のみんな?

もちろん!毎日毎日バカやってるよ

例えば今日だって…


………
……



江ノ島「すんげー暇だから今流行りのスクールアイドルとか作ろうぜ!!」ガタァ!!

苗木「ちょっと入り方唐突過ぎない!?」


>>Ep.001 スクールアイドルを作ろう


山田「賛成ですぞー!!」ガタァ!!

苗木「いの一番に食いつかなくていいよ」

桑田「じゃあオレは料理作るわ」

苗木「それはいらないよ」

霧切「グループ名は『タートルズ』でいいわね………」

苗木「なんで霧切さんが決めちゃうの!?でもビートルズみたいでちょっといいね」

舞園「そんなの嫌です!やる以上はちゃんと考えませんか!?」バンッ!

苗木「舞園さんが熱い!やる気だよ!センター狙ってるよこの人!」


戦刃「衣装は作っとくね」

苗木「納 得 の 安 心 感」

葉隠「俺は見てるだけでいいべ」

苗木「安心してだれも誘ってないよ!」

江ノ島「野郎はお呼びじゃねーっての!ただしこのクラスの女子は全員強制参加だからな!」

朝日奈「えー、恥ずかしいよぉ」

大神「そもそもどういうことをするのだ…?」

江ノ島「なんか衣装きて適当に客集めて歌って踊ればいんじゃね?」鼻ほじー

苗木「企画しといて雑!雑!」


十神「フン、募金箱の設置なら任せるがいい…」メガネくいっ

苗木「どうせならもっとちがうことしてよ。段取りとか」

戦刃「じゃあ寸法測るよー」メジャーシャー

不二咲「僕、男の子だよぉ…」

腐川「あ、あたしはやらないわよ!あんたたちで勝手にやってなさいよ」

セレス「わたくしも見てるだけでいいですわ」ズズッ…

江ノ島「えーみんなノリわるくなーい!?女子が断るなら男子誘わざるをえないんですけどー」

石丸「それはそれで面白そうだな!よし、そうしよう!!」ハッハッハッ

舞園「冗談じゃないです…」ゴゴゴ

石丸「す、すまない…!!」たらーっ


江ノ島「じゃあメンバーは私様とおねーちゃんと舞園と不二咲と朝日奈ね」

山田「お、きれいかつまともなところ集めた妥当な人選ですな」

セレス「あ”?」

朝日奈「えーできないよぉ」

大神「我は…」

大和田「じゃあまずは自己紹介とファンとの掛け合い決めようぜ。アイドルっつーたら掛け合いだろ」

苗木(詳しいな)

十神「任せろ。俺がお前らをプロデュースしてやる」


………
……


十神「……よし、じゃあこれを読め」

舞園「えっと…、これ十神くんが考えたんですか?」

葉隠「男子みんなで考えたべ!」えっへん

大和田「やっぱ男受けしなきゃダメだろこういうのはよ」キリッ

山田「三次元には興味はないですが、今回は特別にちゃんと考えましたぞー!」キターッ

朝日奈「すごくイヤな予感しかしないよっ!」

桑田「まあまあ読んでみろって」

朝日奈「えっとなになに…」


『朝日奈:(ぼん、ぼん、ぼん、ぼん、ぼっきゅんぼーん!)
ドーナッツのシンデレラといえば?
(あおいぃ???↑↑)
谷間は恋の落とし穴、朝日奈葵です☆
※注、胸を寄せながら上目遣いで』


朝日奈「」


苗木「露骨!」

朝日奈「あんたらねぇ…」ゴゴゴ

桑田「痛い痛い!なんでオレの耳ひっぱんだよ!!」

朝日奈「どうせ考えたのあんたか山田でしょ!」

山田「な、…!」


山田「ばれてしまいましたな」ドヤァ


ボコォ!!

山田「げふぅ!」

朝日奈「サイッテー」

朝日奈「もう私帰る」ガタッ


十神「少し待ってもらおうか」

朝日奈「…なによ」

十神「なぜお前は自分の持っているものを最大限に生かそうとしないんだ」

朝日奈「へ?」

十神「その挑発的な胸をここで生かさなくてどこで生かすのかと聞いている!!」バンッ

朝日奈「」


十神「この世には持つものと持たざるものがいるんだ」

十神「天は時には二物も三物も与えるし、何も与えられないものもいる」

十神「だがそれは運命だ。持たざるものはそれなりに努力しそれなりの人生を送って行くしかない」

十神「だが、持つべきものが与えられたものを生かさないで誰に示しをつけるというのか」

十神「お前は天からその恵まれた体を与えられたんだ」

十神「それを全力で活かせ。そして世の男どもを魅了するんだ」

十神「それが胸を持つものの使命だ」


朝日奈「……!」


朝日奈「私、……やるよ!やってみせるから!」

苗木「いやいやいやいや」


江ノ島「巨乳胸だしキャラは私様がいるんだけどなー」鼻ほじー

戦刃「ちょっと女の子がはしたないよ!」

十神「ところでセンターはどうするんだ」

江ノ島「は?そんなの私様に決まってんじゃん」

舞園「……ダブルヒロインでいいのではないでしょうか」ニコ…

霧切「タートルズなんだからやっぱりカメたろうちゃんを…」

舞園「却下で」

霧切「どうしてよ」


葉隠「よーっし、ここは俺っちがセンターを占ってやるって」

苗木「いらないって」

葉隠「ムムム!センターは腐川って出たべ!」

腐川「はぁ!?急にぶっこんでくるんじゃないわよ!」

セレス「ではわたくしも予想させてもらいましょう…」

セレス「センターはまいぞ…」

舞園「やめてください!本当に!!」ガタァ!!

モノクマ『うぷぷぷ』


桑田「もうくじ引きでいいんじゃね」たりーっ

大和田「じゃああみだつくんぞ」

苗木(こいつら飽きてきたな)



センターは誰だ!
安価↓


大和田「んーと、…舞園だな」

舞園「えっ!」ガタッ!

江ノ島「はぁーあ!?」

桑田「まあ妥当だな。江ノ島ちゃんも捨てがたいが」

舞園「あ、ありがとうございます…」ブワッ

不二咲「おめでとう~」えへへ

朝日奈「舞園ちゃんなら安心だね。がんばって」パチパチ

舞園「私、頑張ります」キラキラ

十神「しっかり稼いでくれよ」フッ…

舞園「はいっ!」


霧切「じゃあセンターのあなたにはこれをあげるわ」スッ

舞園「え、なんですか、これ」

霧切「甲羅よ。タートルズのセンターはこれをつけて踊ってもらうわ」

葉隠「どこの学芸会だっての!」カッハッハッ

舞園「」

亀仙流かな?


舞園「いや、冗談ですよね?」ふふっ

十神「…なるほど、面白そうだな。今はアイドルの戦国時代。可愛いだけのアイドルなんで流行らない」

十神「センターがカメの美少女か。つかみは完璧だな」メガネくいっ

霧切「…でしょう?」ドヤァ

舞園「あのぉ…」

戦刃「じゃあそんな感じで衣装作っとくねー」

舞園「」



舞園さやかの運命はいかに!?

スクールアイドルを作ろう編 つづく


なんかこんなノリでいくのでよろしく

2キャラも出せたら、いいな

とりあえず、安価でお題募集します!

安価↓

可能な範囲で先輩(2キャラ)達との交流


>図書館

桑田「……」ペラ…ペラ…

苗木「あれ、珍しいね。何読んでるの?」

桑田「んー、みりゃわかんだろ料理本だよ」


>>Ep.002 イタリアンにモテたいアン


苗木「イタリア料理?パスタでも作るの?」

桑田「おうよ。パスタ嫌いな女子なんかいねーだろ」ペラ…

苗木「誰かに作ってあげる約束でもしたの?」

桑田「んにゃ、そーじゃねーけどさ。さっとパスタでも作れたらモテんじゃん」ペラ…

苗木「なんか桑田くんって行動原理が徹底してていっそ清々しいね」

桑田「当たり前だろ。じゃなきゃ誰がこんなスカした本を熱心に読むかよ」ペラ…ペラ…


苗木「まあ、最近は『料理できる男子はモテる!』とかいうもんね」

苗木(できすぎても逆に女子にプレッシャー与えてかえってモテないらしいけど)

桑田「しかしなんでこうもイタリア料理ってのはよくわからねぇ食材ばっかり……えっと、ペコリーノ トスカーノ スタジオナート?なんだこりゃ」

苗木「説明みる感じだとチーズかな?」

桑田「バージンオリーブオイルに岩塩、ブラックペパーは必須ねぇ…」

苗木「スーパーに売ってんのかな」

桑田「仮にあっても高えーだろ。あーやってらんねー」

苗木「別に代替品でいいんじゃないかな」

桑田「わかってねぇーな。食材にこだわらねぇと一流ったぁいえねぇだろうが」

苗木「形から入りたいタイプなんだね」


桑田「あーあ、ここ出たらどっかの一流イタリアンレストランで修行しよっかな。そしたら材料好きなだけ使えんだろ」

苗木「よくわかんないけど、そーいうとこって最初は皿洗いからじゃないの?」

桑田「あー、それはマキシマムにだるいわー。俺そういうのマジでムリだわー」

桑田「あーもうちっちゃいとこでいいわ。隠れ家的なとこ。腕はあるから雇ってくれんだろ」

苗木(ナメくさってんなこいつ)

桑田「いや店とかいろいろめんどくせぇーし、いっそもこみちポジでもいいんだけどなぁー」ふわぁ…


苗木「でもまずは基礎をちゃんと身につけなきゃいけないよね」

桑田「あーそれもそうだな。いまなんとなくやってなんとなくできてっけど、プロになろーとしたらそうもいかねぇしな」たりー

苗木(なんとなくでやってたのかこいつ)

桑田「だれかこの学園にそういうの教えてくれるやついたらいーんだけどなー。まあいねぇーだろうな」

苗木「まあ、こういう学園だしね。ここ」

桑田「いやまあ、基礎くらい本とかみりゃなんとかできんだろーし。やっぱ実践だよ実践。だれか材料費支援してくれねぇかなーできれば年上美人ねーちゃんで!」

苗木「年上ねぇ…」たはは…

桑田「そういえばこの学園の先輩、結構美人多かったよな…」ぶつぶつ

桑田「よっしゃ、そうと決まったらいくぞ苗木ィ!」ガタァ!

苗木「え、なに、ちょっと」


桑田「作戦はこうだ」

桑田「まず、お前がこれを持って廊下に立つ」ひょい

苗木「なにこれプラカード?えっと、…『おいしいイタリアンあります』…?」

桑田「それで食いついてきた美人なねーちゃんたちを食堂に連れてこい」

苗木「えー」

桑田「んで、食堂で待ち構えてる俺がねーちゃんたちにイタリアンを振る舞う」

桑田「その素晴らしい味に酔いしれる→もっと食べたい!→レオンくんのためなら材料費だすわ!→もうあなたなしでは生きられないの!→モテる→勝利!!」

桑田「完璧!!」ガッツ!

苗木「はぁ、…」ポリポリ

苗木「でもその作る材料はどうすんの」

桑田「食堂にあるやつで適当に代替すればなんとかなんだろ」たりー

苗木(一流のこだわりはどうした)

桑田「よーし、じゃあ行ってこい」バンッ

バタンッ

苗木「え、ちょっと、もー」

苗木「やれやれ。すぐ戻るとうるさいだろうし、ぐるっとまわって帰ってこよ」


>廊下

苗木「……」とぼとぼ

ヒソヒソ…

苗木(先輩の視線が痛い…やっぱこんなプラカードもってたら目立つよな…)

苗木(こんなのだれも話しかけてこないだろ…早足で通り抜けて帰ろ…)

???「ねぇ、」

苗木「え、あ、はい!」

苗木(誰か話しかけてきたー!)


だーれだ

安価↓ 先輩(2メンバー)だれでも

日向


日向「君、下の学年の子だよな?こんなとこでなにしてんの?」

苗木「あ、えっと、これはその…」

苗木(あちゃー男の人か、ここはてきとうにごまかして…)

日向「ん?『おいしいイタリアンあります』…?なんか出店でもやってんのか?」

苗木「え!あ、その、これは…」

苗木「…!」ピコーン

苗木「そうなんです!僕たちのクラスで最高に料理うまい友達がいるんですけど、いま食堂で無料でイタリアンを振る舞ってて…」

苗木「よかったら、先輩どうですか?そう、…気になる女の子とかも誘ってみるとすごくいいと思いますよ(強調)」ニコッ

日向「はは、気になる女の子か…んー、あいにく気になってるやつはいないけど、どうせなら俺の知り合いの女子誘ってお邪魔させてもらおうかな」

苗木「はい、それがいいと思います!」

苗木(まあなんとかなったかな…)ほっ

日向「えっと、食堂に行けばいいのか?じゃあ女子呼びにいってくるよ」タッタッ

苗木「はい!じゃあ食堂でお待ちしてますんで」



苗木「…僕もいったん帰るか」とぼとぼ


>食堂

ガラガラ…

桑田「おせぇぞ、苗木!…つか、肝心のねーちゃんはどうしたんだよ!」

苗木「ごめんごめん、でもちゃんと連れてきた…と思うよ?」

桑田「どういうことだよ」

苗木「いや、男の先輩がつれちゃってさ。でもその人が知り合いの女子連れて来てくれるって言ってくれたから、多分大丈夫」

桑田「ふーん、まあいいや。で、いつくんの?もう用意はできてっけど」

苗木「もうすぐくるんじゃないのな?」

ガラガラ

日向「邪魔するぞー」

???「お邪魔しまーす」


日向が連れてきた人は?

安価↓

七海は不二咲が『超高校級のパソコンオンチ』の場合存在するのかな?


七海「ふわぁ、ねみー」ゴシゴシ

桑田「苗木!ちょっとこい」ぐいっ

苗木「え、なに?」

桑田「マジでグッジョブ!!」ガッツ

苗木「ど、どうも…」はは…

七海「ねぇ日向くん、この子達が美味しいイタリアン作ってくれるの?」

日向「って聞いたんだが…君が作ってくれんのか?」

桑田「はい!作るのは俺、桑田レオンっす!あの、よければ先輩方の名前も知りたいなーって」チラチラ

七海「私は七海千秋だよ。その…、よろしくね?」

桑田「こちらこそ!いっぱいサービスしちゃうんで、よろしくお願いします!!」グイグイ

七海「あ、うん。よろしく、ね…?」たじ

日向「俺は日向創だ。そっちの君は…そういえば名前まだ聞いてなかったよな」

苗木「あ、えっと。僕は苗木まこ…、」

桑田「先輩たちはどういう関係なんすか?!」グイグイ

七海「えっと、友達…だと思うよ?」

桑田「だと思う、っすか?」

日向「いやいや、ちゃんとした友達だよ友達!そこはハッキリいってくれよ」

七海「あ、うん。ごめんね」

桑田「なるほど、じゃあクラスメイト的なあれっすか?」

日向「いや、クラスメイトではないんだが…」


七海「日向くんはね、予備学科の人なんだよ」


桑田「…え?」

日向「七海!」

七海「あ、ごめん。黙ってた方がよかった…かな?」


桑田「先輩、予備学科の人なんすか!?」ガタッ!

日向「いや、その。…まあな」ポリポリ

桑田「その俺、そんなことつゆも知らなくて!!いつもありがとうございます!!」ビシッ

日向「はは、やめてくれよ…」ぽりぽり


苗木「ねぇ予備学科ってなに?」ヒソヒソ

桑田「お前しらねぇのかよ!実質この学園に出資してくれてる人たちだよ!俺らがこうやって学園生活送れてんのも予備学科の人たちの出資で成り立ってんだぞ!!」ヒソヒソ

苗木「え、なにその物好き集団」


日向「おーい」

桑田「あ、すみません!すぐ用意するっす!」タッタッ

日向「こうなるから嫌なんだよな…」たはは…

七海「くかー」zzz


………
……


桑田「お待たせしました!カルボナーラっす!」カチャカチャ

日向「お、すごいいい匂い」

七海「カルボナーラ?」

日向「え、七海はカルボナーラ食ったことないのか?」

七海「うん。初めて…だと思うよ?」

桑田「そうなんすか?まあ、味は保証するんで、ささどうぞどうぞ」

七海「うん。…じゃあ、いただきまーす」

日向「いただきまーす」

ズルズル…


…かちゃん…

七海「……日向くん、」ぽろぽろ
日向「……ああ、分かるよ。いま俺も七海と同じ気持ちだ」ぽろぽろ


「「うますぎるよ!!」」ガツガツガツガツ


<いままでのパスタなんてニセモノだったんだよ!
<そうだよ日向くん!私、あまりの衝撃にいま饒舌になってるよ!

苗木「大好評だね」

桑田「当然だな。しかし苗木」

苗木「ん、なに?」

桑田「お前マジでグッジョブだぜ。本当は年上のおねーさんと行きたいところだったが、予備学科の先輩を味方につけたらもうこっちのもんだ」ヒソヒソ

苗木「ああ、まあいわゆるお金持ちなわけなんだしね」

桑田「そうそう、もう俺の将来は安泰ってもんよ。成功したら苗木にも何割かやるよ」

<お代わりもらってもいいか!?
<はやく!はやく!

桑田「はーい!ただいま!……ところで、となりの七海さんって人は本科の人だよな?」

苗木「だと、思うけど?」

桑田「本科の女の先輩は一通りチェックしてたんだが、あんな人いたっけなぁ…」

苗木「予備学科、なのかな?」

桑田「でもクラスメイトじゃねぇんだろ?…ま、いいや。お近づきになって損はねぇだろ」

桑田「よっし、おかわり運ぶぞ。手伝え苗木」カチャカチャ

苗木「はいはい」カチャカチャ


桑田「お待たせっす」カチャカチャ

七海「ねぇねぇ日向くん!これなに!このパスタなに!?」

日向「七海!これはナポリタンだ!」

七海「ナポリタンだね!覚えたよ!私覚えたよ!ナポリタン!!」

日向「そうだナポリタンだ!このパスタ、食わせてもらう!」

七海「ナポリタン!ナポリタン!!」

ズルズル!

七海「これがナポリタン!!」パアァ…

日向「ああこれがナポリタン!モノホンのナポリタンなんだよ!!」

七海「ナポリタン!私もう三食ナポリタンでいいと思う!!思うよ!!!」

日向「うん、俺もそう思うぞ!!!」

ズルズルズルズル!!

七海「私、もういっそナポリタンになりたい!!」

日向「早まるな七海!でもそれに賛成だ!!」



苗木「相変わらずすごいね」

桑田「正直自分でも怖い時がある」


七海「おかわり!」カチャン!

日向「いや、これ以上タダで食わせてもらうのはさすがに…いや、でも。いや…」ぐぬぬぬ

七海「でも私もっといろんなパスタのこと知っていきたいよ!」ふんすふんす!

日向「むしろ、こんなおいしいパスタをすでにタダで食わせてもらっていることにすでに心が痛むんだ」

七海「いくら払えばいいの!ねぇ!」

桑田「いや、この場はボランティアみたいなもんなんで…ただ今後材料費をちょーっとだけ支援してくれるとありがたいっすけど…」チラチラ

七海「わかった!日向くんいくら持ってる?」

日向「あいにく今は持ち合わせが…」

七海「貯金は?」

日向「学費払うだけで精一杯だから…だが、んー…」ぐぬぬぬ

七海「どうしよう…私も持ち合わせがないし…」

桑田「ちなみに次のメニューはボロネーゼを、」

「「……ごくり」」

桑田「…作りたいんっすけど、先ほどのパスタで材料が底をついてしまって…はぁ…」

日向「…………わかった」

七海「日向くん!?」

日向「知り合いからお金借りてくる」ガタッ!

七海「ほんとに!?ほんとのほんとに!?」

日向「ちょっと待っててくれ!すぐ戻ってくる!!」

ガラガラ!!

七海「ボロネーゼ!ボロネーゼ!!」ふんすふんす!!



苗木「人身掌握までお手の物だな…」


………
……

ガラガラ!

日向「連れてきた!」

七海「遅いよ日向くん!なにやってるの!?」

日向「落ち着け七海!これでボロネーゼが食べれるぞ!!」

七海「ボロネーゼ!ボロネーゼ!!」

日向「さあ、入ってくれ!」

???「えっと、…」



日向が連れてきた人とは?

安価↓


ソニア「日向さんに連れてこられたのですが、一体…」

桑田「おい、またすげぇ美人がきたぞ!あの先輩の交友録はどうなってんだよ!」ヒソヒソ

苗木「し、知らないよ」ヒソヒソ

ソニア「あの…、よろしいですか?」

桑田「はい!俺がシェフの桑田レオンっす!んで、こっちが助手の苗木です!」

苗木「助手て」

ソニア「なるほど。シェフさんなのですね!わたくしの名前はソニア・ネヴァーマインドです。よきにはからってください」

桑田「ははーっ!」

ソニア「シェフということはなにか料理をなさるんですよね?」

桑田「はい、今しがた先輩がたにパスタを振舞っていたところでして」

七海「ボロネーゼ!ボロネーゼ!!」ふんすふんす!

ソニア「なるほど…」

桑田「ですが、ちょっと材料が切れてしまって…」

日向「だからソニア頼む!少しでいいから金を貸してくれ!!」土下座!

七海「ボロネーゼ!!!」土下座!!

ソニア「こ、これがジャパニーズ土下座なのですね!……いやそうではなくて、やめてください!顔をおあげください!」

日向「頼む!後生だ!」スリスリ

七海「ボロネーゼ!!」スリスリ

ソニア「仕方ないですね…ここまでされて断るほどわたくしは冷たくはなれないです」

日向「やったぜ!」

ソニア「逃亡資金を少し崩しましょう。いくらあれば足りますか?」

桑田「…逃亡資金?」

日向「ああ、ソニアさんはヨーロッパの小国の王女様でいま国際指名手配されてて各国を逃げ回ってるんだ」

ソニア「マカンゴ狩り、一度ハマると辞められないんですよね……いやその話はいまはよろしいでしょう」


桑田「なんかよくわかんねぇけど大丈夫かこの人…」ヒソヒソ

苗木「多分…」ヒソヒソ


ソニア「とりあえずいま日本円の持ち合わせが50万ほどしかないのですがよろしいでしょうか?」ドサッ

桑田「ご、ご、ごじゅうまん!?」

ソニア「あら足りないですか…ドルでも良ければもう50万ほど…」ドサッ

桑田「いやいやいや!日本円で充分っす!つか50万もいらないっす!」

ソニア「そうなのですか?謙虚な方なのですね」

日向「よし、お金はたんまり用意できたぞ!さあ思う存分つくってくれ!」

桑田「え、ちょ、ちょ、苗木!」

苗木「ぼ、僕に助けを求められても困るよ」

ソニア「さあ、日向さんの舌を唸らせる絶品パスタというものをいただこうではありませんか」ドカッ

ソニア「わたくしは逃亡生活の中で各国の絶品料理を食べていますから相当に舌はこえていますよ」


桑田「なんかちょっとキャラ変わってきてね!?」ヒソヒソ


ソニア「あの、早くしていただけますか?」


桑田「た、ただいま!」ひー


………
……

桑田「お待たせしました。ボロネーゼです」カチャカチャ

ソニア「遅いです」

桑田「す、すみません!」

ソニア「金は払ったのですからそれ相応の働きをしていただかなければ困ります」

桑田「すみません…」

七海「ねぇ食べていい?ボロネーゼ食べていい!?」

ソニア「そうですね、まずは毒味をしていただけますか?」

桑田「え、」

ソニア「一応追われている身ですので…」

桑田「いや、毒なんでそんな」

ソニア「仕方ないですね。日向さん、そこのキャリーバッグをとっていただけますか?」

日向「これか?」コロコロ

ソニア「ゴソゴソ…では、これで」ボンッボンッ

桑田「えっと、これは…」

ソニア「2千ユーロです。日本円でおよそ30万ほどでしょうか…」

桑田「さんじゅ、っ…」

ソニア「足りませんか。まあ毒味はリスクもありますからね…ではもう千ユーロ…」ドカッ

桑田「いや、そうじゃなくて!」

ソニア「はあ…ジャポネーゼの考えることはよくわかりません。一体なにが不満なのですか?」

桑田「いや、俺は金が欲しいわけじゃな…」

ソニア「ジーザス!シット!金は用意したんだからさっさと毒味しやがれってんだこのドチクショウめが!!」バンッ

桑田「ひっ!わ、わかりました!」

ズルズル

桑田「も、問題ないっす」

ソニア「ご苦労。下がってください。では日向さん、いただきましょうか」

日向「よし、食うぞ!」

七海「腹の虫がなりすぎてやばいよ!いただきます!!」


桑田「な、なんだってんだよぉ…」


ズルズル…

ソニア「うむ。これはなかなかに美味ですね。わたくしの期待をはるかに凌いでいます」

日向「だろ!だろ!?」

七海「来世はボロネーゼでもいいかなぁ…」

桑田「こ、光栄です」

ソニア「…いくらで雇えますか?」

桑田「へ?」

ソニア「いくらで雇えるのかと聞いているのです」

桑田「え、えっと…」

ソニア「はぁ…日向さん」

日向「これでどうだ!」ドンッ!ドンッ!

ソニア「これは二千元ですね。今のレートですと日本円で…」

桑田「な、苗木ぃ…」

苗木「が、がんばれ」


その後、桑田君は半ば押し切られる形でソニアさんの専属の料理人になってしまった。

先輩三人はその後もパスタを食い散らかし、動けなくなってその場でごろ寝を始めた。


>厨房

桑田「もうお金はいらねぇ…見たくもねぇ…」

苗木「このお金どうしようか…」

桑田「知らねぇ…もう、どっかにやってくれ…」

苗木「どっかにやってと言われても種類もバラバラだし…とりあえず大きな袋に隠しとこうか」ガサゴソ

桑田「この腕がにくい…」

苗木「ほんとどうしよこれ…」

ガチャ

???「あれ、なにしてんの?」


だれか訪ねてきたぞ!

安価↓ (1メンバー)

十神


桑田「と、十神ぃ……助けてくれよおお!!」

十神「なんだなんだ、揃いも揃って浮かない顔をして…」

苗木「その、…要約すると桑田君がソニア先輩に買収されて…」

十神「なんだと、…桑田の腕は俺が先に狙ってたんだぞ…」ぐぎぎ

苗木(狙ってたのか)

桑田「このお金全部やるからあの女どうにかしてくれよマジで…」

十神「一体いくらもらったんだ。……ッ」

苗木(袋の中身をみた十神君の顔がひきつったぞ)

十神「こ、これは俺の手に負えん。ケタが違いすぎる…」メガネかたかたかたかた

苗木「とりあえずお金を返して、なかったことに…」

桑田「できねぇだろ…あの王女さま、金払えばなんでも思い通りになると思ってやがる…返したところで額が気に入らないと思われたと受けとって、また大金積んでくるぞ」

十神「くそ、金持ちめッ…」


<あの、デザートはないのですか?
<デザート!デザート!


桑田「勘弁してくれってマジで…」ガタガタ

十神「とりあえず、様子見だ。その間になにか手を考えておこう…」メガネかたかたかたかた

桑田「頼むぜマジで……はい、ただいまー!」

ソニアは超高校級の国際指名手配犯?それとも悪政王?


………
……

桑田「で、デザートのティラミスです…」カチャカチャ

ソニア「ご苦労です。下がってください」

日向「うっひょぅ!デザートは別腹だぜ!」

七海「ねぇ日向くん!たべていい!?ねぇねぇ!!」

日向「ああ、たんと食え!」

ソニア「それではいただきましょうか」

「「いっただきまーす!!」」


十神「少し待っていただこうか」


ソニア「なにやつ!名を名乗りなさい!」

十神「十神白夜だ」

七海「十神白夜…くん?」

ソニア「えっ、いつのまにそのようなダイエットに成功されたのですか!?」

桑田「な、知り合いなのか?」

十神「知らん…貴様らは何を言っているんだ」

日向「いや、同姓同名の別人だろう…雰囲気もちがうし…顔は似てるけど…」

十神「何の話が知らんが…、貴様らうちの桑田に随分とちょっかいを出してくれたようじゃないか」

ソニア「ちょっかい、ですか?わたくしは正当な取引だったと認識していますが」

日向「金なら払ったぞ!」

十神「フン。どういう了見か知らないが、雇い主の了承なしに勝手に事を進められても困るといっているのだ」

七海「雇い主…?十神君が桑田君の雇い主ってことなのかな?」

十神「そうだ」

ソニア「おかしいですね。わたくしが今の雇い主のはずですが」

十神「だからそれを現雇い主の俺が許可してないと言っているんだ」

ソニア「……おいくらで雇われたんですか?わたくしがその上の額を提示しましょう」

十神「いくら積まれようが譲る気はない」

桑田「十神ぃ…」

十神「このお金も返しておこう」ドサッ

ソニア「………ほう」


ソニア「桑田さん、この方があなたの雇い主というのは本当なのですか?」

桑田「そ、そうだよ!俺はすでに十神に雇われてんだよ!だからお金なんかいくら積まれてもなびかねーっての!おとといきやがれってんだ!」べろべろばー!

ソニア「………そうですか。分かりました」ガタッ

ソニア「行きましょう、日向さん、七海さん」

日向「えっ」もぐもぐ

ソニア「このお金は食事代としてとっておいてくださって構わないです。ごちそうさまでした」

七海「帰るの?」もぐもぐ

ソニア「ええ、ここは一旦身を引かせてもらいます」

十神「随分と素直だな」

ソニア「わたくし無用な争いは好みません」

ソニア「…またお迎えに参ります」

ソニア「その日まで、ごきげんよう」

ガラガラ…

日向「ちょっと待ってくれよー!」もぐもぐ

七海「ソニアさんのやつ持って帰ってもいいかな?」もぐもぐ

桑田「お前らもさっさと帰れ!」


<ごちそうさまー

ガラガラ…ガラガラ…


十神「フン。やっと帰ったか」

桑田「ぐあぁ…つかれたぁ…」

十神「お前はもうその腕を封印しろ。その腕は争いを生む」

桑田「言われなくてもそうするっての…」とほほ…

苗木「でも、あの人また迎えに来るっていってたね」

桑田「ひぇぇ…勘弁してくれよぉ…」

十神「安心しろ。あの女が何をしてこようと、この俺がいる限りお前を守り抜いてやる」

桑田「十神、お前マジ頼りになるわ…」

苗木「…で、このお金どうする?」

十神「とりあえずこの額は扱いきれん。日本円ならまだしも…とりあえず部屋のクローゼットにでもしまっておけ」

桑田「苗木、頼むわ」

苗木「え、困るよ」

十神「桑田の部屋のクローゼットに入れて厳重に鍵をかけておけ。そもそも不純な動機で始めたお前に非があるんだ。そのくらいは甘んじて受けろ」

桑田「へいへい…」トホホ

十神「じゃあ、このことは俺たちだけの秘密だ。さっさと皿片付けて部屋に帰れ」

「「はーい」」


その後は僕らは先輩が食い散らかした皿や鍋をせっせと洗って部屋に帰った。

ソニアさん…あの人にはあまり関わらないようにした方がいいな。

でも嫌な予感しかしないんだけどね…

はは…


イタリアンにモテたいアン編 つづく…?


>>Ep.003 もしこのメンバーでコロシアイが起きていたら…プロローグ編


※学園生活の記憶を消されているため性格は初期仕様です


モノクマ「お前らにはここでコロシアイをしてもらいます!」

大和田「く、クマのぬいぐるみがしゃべったあああ」ビクビク

モノクマ「ぬいぐるみじゃないよモノクマだよぉ!この学園の学園長なのだ!」

霧切「え、………おとうさんなの………?」

朝日奈「え、あのクマ霧切ちゃんのおとうさんなの!?」

モノクマ「いや、違うけど」

霧切「どういうことなの…………」

朝日奈「どういうこと………」

桑田「ああ”?コロシアイだぁ!?誰がテメェの言うことなんか聞くかこのアホボケウンコタレ!」ガシィ

モノクマ「おっと、君が掴みかかる役なんだね!学園長への暴力は校則違反だよー!!」ジタバタ

モノクマ「」ピコーンピコーン

霧切「………?」

江ノ島(戦刃)「な、投げた方がいいような気がする!」

桑田「へ?お、おう」ブンッ

ガクッ

桑田「ぐおおお!肩が肩がぁ!!」ポロッ

ドッカーーーーン!!


桑田DEAD!


モノクマ「えっと…」


もしこのメンバーでコロシアイが起きていたら…プロローグ編 おわり


不二咲「僕、牛丼を食べてみたいんだ!」

大和田「へ?」もぐもぐ


>>Ep.004 ちひろ、ぎゅうどんをくらう


大和田「食えばいいじゃねぇか。食堂にも普通にあんだろ」

不二咲「いやそういうのではなくて、その、お店に食べに行きたいんだぁ…」

大和田「あー、あれか牛丼チェーンてやつか?吉○とかす○家とかそういう系の…」

不二咲「そう!そういう系のあれだよ!」

大和田「ほーん。なんでまた急に」

不二咲「この前テレビで見たんだぁ…Uの字テーブルの向かいに座った人といつ喧嘩が始まってもおかしくない、刺すか刺されるか、そんな殺伐とした雰囲気の中で一心不乱に肉をかきこむ」

不二咲「いわゆる男飯ってやつなんだよね!僕も一度は体験しておきたいなぁって!」

大和田(何それ怖い)


不二咲「大和田くんは行ったことあるのかな?」

大和田「んにゃ、俺は、ねぇかな」もぐもぐ

大和田(なんか怖ええし)

不二咲「お揃いだねぇ!じゃあ大和田くんも今日の放課後一緒に行ってみようよ!」

大和田「お、おう…」

大和田(マジかよ)


………
……

>街中

不二咲「うぅ…緊張するなぁ…」

大和田「雪すげぇし、さっさと中入ろうぜ

ガラッ

<いらっしゃいませー

不二咲「うわぁ、人いっぱいるね」

大和田「サラリーマンっぽいやつばっかだな」

店員「…?お持ち帰りでしょうか?」

大和田「え、いや、」

不二咲「ふ、2人です」ドキドキ

店員「あ、あぁ。お好きな席にどうぞ」

不二咲「え、あ、はい」

大和田「勝手に座れパターンだったか!」ヒソヒソ

不二咲「どうしよう…みんなカウンターに等間隔で座ってるけど」ヒソヒソ

大和田「カウンターの奥の方が空いてるみたいだぞ」

不二咲「じゃあそこにしようか」

いそいそ

不二咲「これがメニューかなぁ」

店員「……」待機

客「よっこらせっと。…牛丼並」

店員「牛丼並いっちょー」

大和田「これ、もしかしてすぐ決めて言わなきゃいけないパターンじゃないのか?」ヒソヒソ

不二咲「え、ちょっと待ってよぉ」ヒソヒソ

店員「…決まったらまたお呼びください」

不二咲「す、すみません」


大和田「おい決めたか?」

不二咲「だいたい目星はつけてきたんだけど…大和田君は?」

大和田「俺は特盛頼んじゃおっかなー」

不二咲「特盛!?そんなに食べれるの!?」

大和田「おう」

大和田(多分)

不二咲「んーじゃあ僕も大盛りにしよっかなー」

大和田「よしじゃあ呼ぶぞ…す、すんませーん!」

店員「はいはい」

大和田「特盛で」

不二咲「大盛り つ ゆ だ く で」ドヤァ

大和田「つ、つゆだくぅ!?」

不二咲「つゆだくっていうとつゆが多めになるんだよ!」えっへん

大和田「なん、だと…」

大和田「お、俺のもつゆだくで!!」

店員「大いち、特いち、だくだくでー!」

大和田「あとは待つだけだな」

不二咲「ふーなんか緊張してきたよぉ」ドキドキ


大和田「しかし今日はひえ…、」

店員「はーい、大盛りと特盛のつゆだくでーす」ボンボンッ

大和田「おい、もうきたぞ!」

不二咲「早さと安さが売りだもん!よーし、じゃあさっそく食べよっか」

大和田「えーっと、お手拭きは?」

不二咲「ないよ」

大和田「えっ」

不二咲「箸」カチャカチャ

大和田「はい」

不二咲「僕、紅生姜のせちゃおーっと」えへへぇ

大和田「うまいのか?」

不二咲「…たぶん。みんな乗せてるし…」キョロキョロ

大和田「俺ものせよ」ドカドカ

不二咲「の、のせすぎじゃないかなぁ?」

大和田「そ、そうか?じゃあ…」

不二咲「ちょっと一度取ったのをもどしたらダメだよぉ」あせあせ

大和田「そ、そうか」あせあせ


不二咲「えっとぉ…じゃあ、いただきます!」

大和田「いただきます」

もぐもぐ

大和田「ん、なかなかイケるじゃねぇか」もぐもぐ

不二咲「結構甘めの味付けなんだね!美味しい!」もぐもぐ

大和田「こりゃサラリーマンに人気なのも分かるわ」ガツガツ

不二咲「これが男飯なんだねぇ!」ガツガツ

不二咲「ガフッゲホッ……器官に入った」げほげほ

大和田「おい大丈夫かお前、一気にかきこみすぎなんだよ」

不二咲「えへへぇ」

もぐもぐ

もぐもぐ

不二咲「ちょっと休憩」げぷ

大和田「どうしたどうした、不二咲には大盛りは厳しかったか?」ニヤニヤ

不二咲「そ、そんなことないよぉ。一気にかきこむとまた詰まっちゃうから、一旦熱いお茶で……」スズ

不二咲「ってあれ、」

大和田「ん、どうした?」

不二咲「あそこに座ってる人、もしかして…」

大和田「んん?」



おや、店内に誰かがいたようだ

一体誰だろう? 安価↓


不二咲「戦刃さんだよね、あれ」

大和田「ん、どこだよ?」

不二咲「ほらレジ横のイスの」

大和田「お、ホントだ。あの携帯いじってる奴か」

不二咲「お持ち帰りなのかなー」

戦刃「………!」目が合う

戦刃「………」ふりふり

不二咲「手振ってくれたよ。よく来るのかな」ふりふり

大和田「さーてな。どうせ持ち帰りは江ノ島の分だろうがな」もぐもぐ

店員「並四っつのつゆだくでお持ち帰りのお客様~」

戦刃「はーい」

大和田「ほら…って四つ!?」

不二咲「よ、四つも食べるの!?」

大和田「いやぁ、多分他のやつに頼まれてんだろ。多分」

不二咲「そ、そうだよね。うん」


戦刃「やっほー二人?」

大和田「おう」

不二咲「戦刃さんここよく来るの?」

戦刃「お持ち帰りだったらたまに来るかな、盾子ちゃんに頼まれて。なーんか定期的に食べたくなるんだよね」

不二咲「じゃあ、それって…」

戦刃「うん?あぁ、これも盾子ちゃんと私で食べるよ」

大和田「そ、そんなに食うのか…」

戦刃「うんまあね。それに特盛より並二つの方がお得だし」

大和田「そうなのか!?」

戦刃「あ、ごめん。大和田くんのそれ特盛か。まあ通の楽しみ方だよね」

大和田「ぐぬぬ」

戦刃「じゃあ、私早く戻らなきゃだから。また明日ねー」ふりふり

不二咲「また明日ー」

ガラガラッ…

不二咲「女の子も食べにくるんだねぇ」もぐもぐ

大和田「だな」もぐもぐ

大和田(次は並二つ頼も)


不二咲「ごちそうさま!」カチャ

大和田「ごちそさん」カチャ

不二咲「おいしかったけどお腹パンパンだよー」

大和田「だな」げぷ

不二咲「それじゃあお会計してもらおっか」ガタッ

大和田「おう」ガタッ


………
……


ガラガラ…

不二咲「うう、外寒い…」

大和田「この後どうする?」

不二咲「時計時計…えっと、いま五時だね。牛丼付き合ってもらったし、大和田くんの行きたいところあるなら付き合うよぉ」

大和田「んじゃあ、ちょっとあそこ付き合ってもらおっかな」

不二咲「あそこ?」



どこ? 安価↓


>ペットショップ

不二咲「ベットショップだぁ」

不二咲「あ、ふれあいコーナーがあるよお!」

<キャンキャン

不二咲「みてみてこのワンちゃんかわいいー!」ひょいっ

犬「キャンキャン」ぺろぺろ

不二咲「ちょっとくすぐったいよぉ。ねぇ、大和田くん!」

大和田「お、…おう」ビキビキッ

不二咲(大和田くん、顔怖っ!)

大和田「へへ、へへ…ゆっくり、ゆっくりな」ジリジリ

不二咲「う、うん…」

不二咲(渡して欲しいのかな…)

大和田「さあ…さあ…」

不二咲「肩の力抜いて、リラックスリラックスだよぉ…」

犬「?」

犬「キャンキャン!!」バシバシ!

大和田「や、やめろ!俺の髪で遊ぶんじゃねぇ!!」

不二咲「うわっうわっ!」

犬「キャンキャン!キャンキャン!」バッ!

不二咲「大和田くーーーーぅん!!!」

大和田「デジャブ!!!!」


………
……

不二咲「だ、大丈夫?とりあえず柵の中に戻してもらったけど…」

大和田「ああ、まだ道のりは遠いみてぇだな…」

不二咲「そうみたいだね…」

不二咲(ウィッグズレてる…)

大和田「今日は見るだけでいっか…」

不二咲「うん、見るだけでも楽しいと思うよぉ!」

不二咲「ここのペットショップ大きいからいろんな種類のいきものがいるみたいだし、ぐるーっと一周してみようよ」

大和田「そうだな」


???「なあ」


大和田「んあ?」


おっと、誰かが話しかけてきたみたいだ
誰だろう 安価↓


田中「貴様、どうやらあのおぞましき魔獣に襲われたようだな…」ズイッ

大和田「な、なんだおめぇ」

田中「フン…隠さなくてもいい。その程度、お前の額についている十字に切り裂かれた傷をみれば容易に察することができる」

田中「奴らは非常に気性が荒い。なにせ、かの俺様でも手に負えないのだからな…」フッ…

田中「無闇に近づくべきではないと忠告しておこう」

田中「フハハハハハ・・・!! 」

不二咲「なにこの人怖い」ヒソヒソ

大和田「こりゃ関わらないほうがいいタイプだ。ムシるぞ」ヒソヒソ

不二咲「う、うん」ヒソヒソ

田中「しかし、あのような魔獣を公共の場で放し飼いににしておくなど愚行の極み…!」

田中「俺様のこの腕が犠牲になるだけならまだしも、子供が不用意に近づき永久に癒えることのない傷を負ってしまったら一体誰が責任を取るというのだ…!」ぐぬぬ

田中「貴様らもそう思うだろう!」

不二咲「あー!このネコかわいいねぇ」

大和田「この犬飼いてぇ…」

田中「おいっ!」


田中「おい貴様ら、聞いてるのか」

不二咲「あっ!あっちにうさぎさんいるよぉ!見に行こうよ!」

大和田「ちょっと待て、もう少しこいつと会話してぇんだ…」

犬「くうぅーん…」

田中「なっ!貴様、この悪魔の番犬と意思疎通を図ることができるというのか!?」

大和田「チッチッチッ」くいくい

犬「くぅん?」

大和田「ほらこっちだ、チッチッチッ」くいくい

犬「ぷいっ」

大和田「くっそぉ~…」

田中「フハハハハ!てんで駄目ではないか!!」

大和田「テメェまだいたのか」

田中「貸してみろ。俺様が手本を見せてやる」グイグイ

田中「いでよ封印されし俺様の左腕ッ!!!」シュルシュル

不二咲「うわっ、うわっ、腕が噛み跡だらけっ!?」

田中「そう、俺様の左腕は魔物を引き寄せる能力があるのだ…この呪われし鬼の手を今こそ解放してくれるッ…!!」シュルシュル

田中「ひれ伏せ!俺様の名は田中ガンダム!!」ビシィ!!!

ワンワン!キャンキャン!!ワンワン!がううう!!ギーーキャーーー!!ワンワンワン!!!がうううううう!!!!

バリン!バリン!!!

店員「きゃああああーーー!ゲージの犬たちが!!!」

ワンワン!!キャンキャン!!がルルるるる!!!

客「なに!?なんなの!?」

田中「フハハハハ!!!さあこの呪われし左腕に最初に噛み付くのはどこの魔獣だ!!!」

大和田「おい!ペットショプ中のありとあらゆるいきものがゲージを飛び出してやつの元に集まっていっているぞ!!」

バリンバリン!!がうがうバウバウ!!キャシャーーーーン!!!!

田中「さあ集え、闇の宴をはじめぶっ!!」

ばうばうがうがう!!!

田中「おいこら!大人しくしろ!言うことがきけなぶ!!」ばうばうがうがう!!!

田中「貴様、この俺様に逆らぶ!!」バウバウキャシャーーーン!!!

田中「いたいいたぶ!!」ガルルルルーーーンバウバウニャーーーン!!!

田中「」グウオオオオーーーーン!!!バウバウニャーーンちゅうちゅう

パオーーーーン!!
ゲシゲシガシガシボコボコデュクシデュクシ………


………
……

田中「………はっ!」ガバッ

大和田「おめぇ大丈夫か?」

田中「な、これは…………クソッ、どうやらまたもこの腕をうまく制御することができなかったようだな…」ぐぬぬ

不二咲「いろんな生き物に押しつぶされて気絶してたんだよぉ。店員さんが総出でなんとかしてくれたからよかったけどぉ…」

大和田「ペコペコと頭下げ疲れたぜ全く」

田中「そ、それはすまなかった…」

田中「その、…………………ありがとう」

大和田「まあなんでもいいんだけどよ、なんなんだよその左腕は。包帯まき直したら暴動も収まったが…」

不二咲「巻いたのは僕だけどねぇ(大和田君はずっと隠れてたし)」

田中「フン、聞きたいか?この腕はいわば”特異点”だ。あらゆる生命の野生本能を刺激し解放させる、悪魔に魅入られし呪われた左腕……」

大和田「お、おう」

田中「この腕のせいで俺様は随分と苦労させられてきた。たがこれもまた逃れえぬ宿命。今ではこの縁で国家機密組織に厄介にもなっている」

不二咲「国家機密組織!?もしかして、すごいひとなのぉ!?」

大和田「おい不二咲、真に受けるな」

田中「フン、貴様らも噂くらいは聞いたことがあるだろう…」

田中「日本全国津々浦々、学園に選ばれし超高校級の能力をもつ者だけが入学できる、国家機密組織!!」


田中「そう!俺様は希望ヶ峰学園の『超高校級の邪気腕の使い手』、田中ガンダム!!!」ドドーーーーーン!!!




大和田「俺たちもその希望ヶ峰の生徒なんだが…」

田中「なんだと…」


田中「貴様らも選ばれし者だったのか…」

不二咲「うん、まあ…」

大和田「一緒にされたくはねぇが…」

田中「フッハハハハハハハ!なるほど、そうか、そうだったのか!」

田中「では貴様らに友好の印として俺様の相棒を紹介してくれようじゃないか…」

大和田「結構です」

田中「出でよ!破壊神暗黒四天王!!!」バッ!!!

ちゅうちゅうちゅう!!

不二咲「うわぁ!ハムスターだぁ!」

田中「そう言えば、貴様らにまだ聞いていない事があったな」

大和田「ん?なんだよ」

ちゅうちゅう!

田中「フン、貴様の真名を…くしゅんっ!…明かしてもらおうか。」ズピー

不二咲「まな?」

田中「そうだ。グズゥ…真名を教えるのに抵抗があるのなら偽名でも…クシュン!…構わんぞ」

ちゅうちゅう!

大和田「ぎめい…あぁ、名前のことか?俺は大和田モンドだ」

不二咲「僕は不二咲チヒロだよぉ。よろしくねぇ」

ちゅうちゅう!

田中「ズピ…フン、いい名前だな…」

大和田「おい、そんなことよりお前さっきから顔赤くないか…?」

田中「フハハハハハ…何を言う…ズピーー」グスグス

ちゅうちゅう!

田中「さあ破壊神暗黒四天王…そろそろ我が体が限界だ。一旦巣に戻ってくれ」

ちゅうちゅう!!

田中「げほがほげほっ!!」

大和田「おめえ本当に大丈夫かよ!!?」

不二咲「ど、どうしたの急に!?」


田中「実は俺様は、…

ハムスター性アレルギーだ…ゲホガホゲハッ!!」


大和田「帰れ!!」



ちひろ、ぎゅうどんをくらう編 おわり


スポット当ててほしいキャラとかいたらリクエストお願いします↓↓


狛枝、日向、七海、偽神と。
了解です!


>日向の扱い

設定的な意味でなら、
ごく普通の一般的な学生。ただ希望ヶ峰学園に特別な思いをもっており、本科の平均値枠とは別に予備学科生として特別入学した生徒。
実質的に学園の出資者であり、悪くいえばただの物好きなので、どちらと受け取られてるかで本科生からの扱い(評判)は変わってくる。
…って感じかな


石丸も了解です!


ついでなんで、他の登場済みの先輩まとめも

七海>>>日向の友だち。本科の生徒と思われるが、桑田曰く見かけた覚えがないらしい。

ソニア>>>『超高校級の国際指名手配犯』。ヨーロッパ系の小国の女王で、逃亡の身であるらしい。各国を飛び回っている関係であらゆる種類の通貨をもっており、金を積めば相手が言うことを聞くと思っているきらいがある。

田中>>>『超高校級の邪気腕の使い手』。あらゆる動物の本能を目覚めさせ暴走させる呪われた左腕を持つ(普段は包帯で封印されている)が、全く扱いきれていない。ハムスター性アレルギーをもつ。



ちなみに、まだ登場してないですが狛枝は平均値枠です


??「ねぇ、」

苗木「え、あ。はい?」

??「君が苗木誠クン、かな?」


>>Ep.005 僕は欠点という名の絶望に微笑む


苗木「そうですけど…、」

??「やっぱりだ!やっと会えたね、ボクは嬉しいよ」

苗木「えっと…」

??「おっと、自己紹介がまだだったね。ボクは狛枝ナギト。学年は一つ上になるけど、君と同じ、平均値の人間として入学した何の変哲もない普通の高校生さ」

苗木「そ、そうなんですね」


苗木(図書館でマンガ読んでたら知らない先輩に話しかけられた…)

狛枝「あ、ゴメンね?いきなりこんなやつから話しかけられたら誰だって身構えちゃうよね。でも、ボクはずっと君と仲良くなりたくて……となりいいかな?」

苗木「ど、どうぞ」

狛枝「それじゃあ、お邪魔させてもらうよ」

苗木「どうも…」

狛枝「ところで、……苗木クンは、どうしてこの学園に入学したのかな?」

苗木「どうして、…ですか?」

狛枝「そう!苗木クンはどうしてこんな学園なんかに入学したのかなって思ってさ」


苗木(どうして、…か)

苗木「そうですね…ボク、特別突出した才能があるわけじゃないし、このまま普通に普通の高校に進学するよりも、抽選という形ですけど、平均値の学生として役にたてるのならそれもいいかなって思って。それに選ばれたのもなにかの縁なのかな、とか…」

狛枝「……それだけ?」

苗木「…え?」

狛枝「つまり君は『この学園のみんなの役に立ちたいな~』っていう、たったそれだけの理由でこの学園に入学した、っていうことなのかな?」

苗木「それだけ、…ですか?」

狛枝「…ガッカリだよ」

苗木「え?」

狛枝「いや、こっちの話」

苗木「はあ…、」


狛枝「ボクがいうのもおこがましいけど、苗木クンもなかなか物好きだよね」

狛枝「好き好んでこんな学園に入学するなんて、さ…」

苗木「そうですかね…?」

狛枝「そうか、そうなんだね…ボクの気持ちなんてわかるはず、ないか」

苗木「えっと…」

狛枝「ちょっと期待はずれだったけど、…話ができてよかったよ」

狛枝「じゃあ、ボクいくね」ガタッ

苗木「あ、はい…」

狛枝「邪魔して悪かったよ。じゃあ」


ガラガラ


苗木「なんだったんだろう…」


狛枝『”たったそれだけ”の理由で……”好き好んで”こんな学園に入学するなんて、さ……』

苗木「そんな言われ方って……やめよう。第一、ボクは自分の意思でこの学園に来たし、後悔なんかしてない」

狛枝『…ボクの気持ちなんてわかるはず、ないか』

苗木「あの人は……自分の意思でここに来たわけではないのかな……」

苗木「…………」


僕は欠点という名の絶望に微笑む つづく


しとしと…

霧切「雨ね………」


>>Ep.007 あめあめフレフレ、もっとフレ


霧切「………」

霧切「………散歩にでも行ってこようかしら」

ゴソゴソ

霧切「傘…あったわ」

霧切「……カメごろうちゃんも一緒に行くかしら?」

カメ「?」ジタバタ

霧切「ふふ…甘えん坊さんね」ポケットにぎゅむぅ

カメ「……!……!?」ジタバタ

霧切「さあ、行きましょうか………」


ガチャ……


>廊下

てくてく…

霧切「雨は嫌いじゃないわ……」

霧切「だってあなたに出会ったのもこんな日だったもの………」

カメ「?」ひょこっ

霧切「…………ふふ」


霧切「このあたりでいいかしら……そうね。このベンチ座りましょう」

ビチャァ………

霧切「………ッッ!!?」

霧切「あらスカート濡れちゃったわ……」

霧切「ちゃんと見ないとダメね……ふふ」

カメ「?」ジタバタ


………
……


霧切『………ただいま』ガチャ

仁『おかえり~きょ、…響子!?』

霧切『………なに?』

仁『どうしたこんな服びちょびちょにして!傘持って行ってなかったのか!?』

霧切『………持って行った』ふるふる

仁『まさか学校の誰かに取られたのか!?』

霧切『………ううん』ふるふる

仁『じゃあなんで……、』

霧切『置いてきた』

仁『置いてきた?どこに』

霧切『そこの電柱のとこ……』


………
……



しとしと……


霧切『カメ』

カメ『……』

仁『なんで道ばたにカメなんか……誰かが捨てたのか……?』

霧切『雨に濡れてかわいそうだったから……』

仁『なあ響子。カメは水で生活している生き物だから雨に濡れても平気なんだぞ?』

霧切『……でも、……』

仁『それに、……響子が濡れて風邪引いたらこのカメさんも悲しむと思うぞ?ほら、傘持って帰ろう?』

霧切『………』

霧切『…………わかった』

霧切『…………またね』

カメ『……』


>霧切の部屋

霧切『………』ペラペラ

霧切『カメ………あった』ペラペラ

霧切『カメは、…むしつな?カメめに……される…むしるいのそう…。ぜつめつした……ぐるーぷおよび、げん…する……あめと……あめのにあめで……される。 げんうまれとかせきのべつなく、すべてのしゅが…からだを……としているてんが……となっている。……』

霧切『………読めない』

霧切『あとでお父さんに読んでもらおう………』

霧切『……………』

とてとて…

窓からじーーっ

霧切『あのカメ、さっきから全然動いてない………』

霧切『………』


仁『え?あのカメ連れて帰りたい?』

霧切『……うん』こく

仁『カメか…カメなぁ………まあ、手間はかからないっていうが…』

霧切『……ダメ?』

仁『ダメとは言わないがなぁ……(うぅ、そんな目するなよ)』

霧切『…………』じーーー

仁『わかった。今回は特別だぞ』

霧切『ほんと!?』

仁(まあ最近あまり構ってやれてないからな…遊び相手だと思えば…)

霧切『じゃあ連れてくる』タッタッ

仁『こらこら待て待て。おとうさんが連れてきてあげるから部屋でぬくくして待ってなさい』

霧切『……わかった』


………
……


ガチャ

仁『ほら、連れてきたぞ』

霧切『カメ』とてとて

仁『しかし、…なんだかこのカメ弱ってるな…』

カメ『……』くたぁ

霧切『……』

霧切『貸して』

仁『うん』ひょい

霧切『冷たい……』

仁『おとうさんネットで調べてくるよ。もしかしたら病気かもしれないからな』

霧切『………わかった』

霧切『………リビングに行きましょう。あっちはぬくいから……』

カメ『キューーッ』

霧切『………変な鳴き声』くす


>リビング

霧切「……」ふきふき

カメ「……」パクパク

霧切「……なんだか息もあらいわね……」

ガラガラ

仁「倉庫にケースがあったからとりあえずこれに入れてやろう」

仁「響子が幼稚園のとき、カブトムシ買ってたやつだ」よいしょ

霧切「それに水いれるの?」

仁「ああ、陸地も必要みたいだが……今日は用意がないから、とりあえず庭のレンガをいれておくか……」

仁「用意してくる」タッタッ

ガラガラ…

響子「……お父さんが準備してくれるって。もうちょっと待っててね」

カメ「………」パクパク


………
……


カメ『……』ちゃぷちゃぷ

仁『んー………』

霧切『泳ぎ方…変…』

仁『なんだか体が傾いているな…』

霧切『………』

仁『このカメ、さっき息荒くしてなかったか?』

霧切『してた』

仁『キューーッ…とか、変な声で鳴いてなかったか?』

霧切『……鳴いてた』


仁『………もしかしたら風邪ひいたのかもしれないな……』


霧切『かぜ…?カメもかぜひくの?』

仁『ああ、カメは変温動物だから寒いところに放置すると風邪を引くこともあるらしい…ネット情報だが』

霧切『へんおん……?』

仁『あーとな、変温動物っていうのは周りの温度に合わせて体の温度も変化する動物のことだ。ちなみに僕たち人間は恒温動物っていって…』

霧切『ふーん……でりけーとなのね』

仁『とりあえず暖かくしてやらないと…エサはなにを食べるんだったか…』

仁『ちょっと、自室にもどる』

ガラガラ…

霧切『………かぜひいてたの?』

霧切『ふふ……じゃああなたはきっとお利口さんなのね……』

霧切『バカは風邪ひけないって……クラスの人たちがいってたもん』

霧切『霧切はバカだから……って』

霧切『…………』

霧切『お利口さんお利口さん』よしよし


………
……


カメ『……』

霧切『……エサ、食べないのね』

仁『元気がないんだろう。さ、あんまり構いすぎてたらカメくんのストレスになるから僕らもご飯食べよう』

霧切『……うん』

………
……


<なんでやねーん!
<ギャハハハハ!!!

仁『いやぁ、久々にみたがお笑い面白いなぁ響子!』

霧切『……うん』チラチラ…

仁(気が気じゃあないみたいだな…)

霧切『…………』チラチラ…

仁(…………)もぐもぐ


カチ…コチ…

仁『響子、いま何時だと思ってるんだ。そろそろ部屋戻って寝なさい』ふわぁ

霧切『……今日はリビングで寝る』

仁『コラ、こんなところで寝たら風邪ひくぞ。ほら部屋のベット戻りなさい』

霧切『じゃあこの子部屋に持って帰っていい?』

仁『ダメだ。カメくんはおとうさんがちゃんと見とくから、響子は部屋に戻りなさい』グイグイ

霧切『いやぁ』ズルズル

………
……


>霧切の部屋

霧切『追い出されちゃった……』もぞもぞ

カチ…コチ…

霧切『……おとうさんのケチ』

カチ…コチ…

霧切『……ふんっ』ごろん

カチ…コチ…

霧切『…………大丈夫かな…』

カチ…コチ…

霧切『……』

カチ…コチ…

霧切『…』

霧切『すぅ…』zzz

………
……


ぴょぴょ…

霧切『寝ちゃってた…』

霧切『……カメ』


とてとてとてとて!!


>リビング

ガラガラ!

霧切『カメ!』

仁『くかーーー』zzz

霧切『おとうさんがソファーで寝てる……』

霧切『かぜひくからっていったくせに……』

霧切『………』

霧切『………昨日はいっぱい構ってくれてありがとうね』

霧切『………布団もってきてあげる』

ガラガラ……

仁『くかーーー』zzz


………
……


霧切『うんしょ、よいしょ』

ドサドサ!!

仁『!?』ガバッ

霧切『あら…』

仁『お、おはよう響子…なんだこの布団は…』

霧切『かぜひくといけないと思って……』

仁『響子…、これは敷布団だ』

霧切『………』

仁『……でも、ありがとうな』よしよし

霧切『………うん』



カメ『もぐもぐ』


………
……





霧切「その時のカメがあなたのお父さんのカメたろうちゃん。それから数年たって……あなた生まれたの。……ちょうどこんな雨の日にね………」

カメ「?」のっそのっそ

霧切「……おとうさんいつも忙しそうで本当に数えるくらいしか構ってもらった覚えがないけど……でもカメたろうたちと一緒にいる時はさみしくなんてなかったわ」

霧切「……だって、カメたろう見てるとおとうさんが頭をなでてくれたときのこと思い出すから……」

霧切「…………」

霧切「それに…………最近はおかあさんにも会えるし」

カメ「?」のっそのっそ

霧切「…………そういえばまだ紹介してなかったかしら」

霧切「ふふ…………また、こんどね」


霧切「さて………かぜひくといけないから帰りましょうか」ひょい、ポケットぎゅむぅ


霧切「………」とてとて


とてとて……


……しとしと



あめあめフレフレ、もっとフレ編 おわり

更新まだですかー?


>>118

次の話どんなのしよっかなーとか考えてたらすっかり放置してました、すみません

ぼちぼち更新しようかな
そうだ編やります


それは突然だった。

どっがーーーーーーん!!

??「ひぎにゃああああああああ!!!」

苗木「!?」


>>Ep.008 そうだ、そうだにそうだんだ!


苗木「……廊下の奥の方からこの世のものとは思えない叫び声が……」

苗木「………」

苗木「様子見に行った方がいいのかな……」そろー


>廊下のはしっこ

??「くっそーまたやっちまった…」

苗木(すごい目に痛い配色の人が廊下のすみで頭抱えてる…先輩かな)

苗木「あの…大丈夫ですか?」

??「!?…んあ、あー。大丈夫、いや大丈夫じゃねーな…」

苗木「なにか手伝いま…、」パキッ

苗木「………ってなんか踏んだ。え、なんだこれ」

??「あー、それはPSvitaだったものだ…」

苗木「ぴ、PSvita…ですか?(ただの鉄の塊にしか見えないんだけど…)」

??「オレがスイッチいれた途端にそうなっちまったんだよ…あー、やべぇ…」

苗木「スイッチをいれた途端、ですか…?」


舞園「…聞いたことがあります。上の学年に”超高校級の壊し屋”という触れた電気製品を全て鉄塊にしてしまう能力をもつ先輩がいるっていう噂…」

苗木「うわ、急に出てこないでよ。ていうか能力って言っちゃったよ」

舞園「エスパーですから」

??「マジかよ、オレ有名人なのかよ…」

左右田「ま、なんつーか…オレの名前は左右田和一ってんだ。これも何かの縁ってことでよろしくな」

苗木「えっと、そうだ…が名字ですか?」

左右田「んあー、その質問かー。ちょい待ち」ゴソゴソ

左右田「これオレの生徒手帳。これが漢字表記な」

苗木「あれ………この手帳、紙?」

左右田「んあー、なんかオレすぐぶっ壊すから代わりに紙媒体の手帳を特別に支給されてんだよ」

舞園「これは相当ですね…」


左右田「いやいやんなことはどうでもいいんだよ!あーやべぇ…このPSvita借り物だってのにチクショー…」

苗木(なんでその人も左右田さんに貸したんだろう)

舞園「とりあえず事情を話して謝るしかないですよね…」

左右田「だな…つーか事情もなにもスイッチ押したら爆発しただけなんだけどな…」

舞園「えっと、借りたのは同級生の方ですか?」

左右田「ああ、…」


左右田に貸したのだーれだ?

安価↓


左右田「西園寺っていう、…!」ササッ

苗木「え、な、どうしました?」

左右田「あいつだ正面から歩いてきてるあの…」ガタガタ

左右田「とりあえずオレ隠れてっから、オメーらてきとうにあしらっといてくれ!!」ドヒュン!

苗木「え、ちょ」

西園寺「あー!ねぇねぇそこのアンテナくん!なんかこっちにピンクのボサボサの髪の毛に黄色のだっさいツナギを着た歯がギザギザのヘンテコリンなやつこなかったー?」

苗木「み、見てませんけど…?」

西園寺「ほんと?ほんとにほんと?」じー

苗木「は、はい…」

西園寺「えーおっかしぃーな。あんなの嫌でも視界に入ってくると思うんだけど。もしかしてその二つのお目々は節穴なのかなー?」

西園寺「じゃあそっちの女の子はー?」

舞園「さあ、…すみません」

西園寺「ちぇっ。まあ、いいや。どうせこの学園からは逃げられやしないんだし。…くすくすくす!」

西園寺「左右田の部屋でグミ食べながら待ってよーっと!」たったったっ



舞園「…………行きましたよ」ヒソ

左右田「わりぃ、…あいつにPSvita壊したとかいったら何言われるかわかったもんじゃねぇからな…」


舞園「でも借りたんですよね?なんで追いかけられてるんですか?」

左右田「実は……」


………
……


>教室

左右田『おっ!これPSvitaじゃん!』ぱあぁぁあ!!

左右田『すげー!すげー!』

左右田『昔からこういうの買ってもらえなかったからよ~!……ちょっとだけ遊んで見てもいいよな?』

ガラガラ!

西園寺『ちょっと!わたしの机で何してんの?このロリコン!』

左右田『!、な、なにもしてねぇし!誰もオメーの机になんか興味ねーんだよ!アホアホ!』サッ

西園寺『ふーん?ならいいけど。つか用がないならのけてよ。いまから小泉おねぇとゲームして遊ぶんだから』

左右田『うっせうっせ!今出ていくとこだったんだよ!ほんじゃあな!』タッタッ

ガラガラ!

西園寺『…ったく。あれ、わたしの机に置いておいたPSvitaがないんだけど!?』







舞園「………自業自得ですね」

左右田「……ああ」


舞園「謝りに行きましょう」

左右田「で、でもよ~…」

舞園「下手に引き伸ばしても拗れるだけですよ」

左右田「そうだな…」

苗木(そうだな…)

舞園「なんでしたら私たちもついて行きますし」

左右田「……いやぁ、わりぃ」


………
……


>左右田の部屋の前

左右田「さっきの感じだとオレの部屋で待ち伏せしてるって行ってたからな…」

苗木「西園寺さん、左右田さんの部屋の中に入れるんですか?」

左右田「ああ…先日鍵の部分を壊しちまって…」

苗木「ああ…」

左右田「入るぞ……」キー

苗木「お邪魔しまーす……うわ」

舞園「お邪魔しま……うわ」

左右田「え、ってなんだこりゃあああああ!?」


ぐっちゃあああああ…


西園寺「あっ、おかえりー!」


………そこには下着一丁で左右田のベットに横たわる西園寺の姿が!


西園寺「もー!待ちくたびれたんだからーっ!PSvita盗んだの左右田のおにぃでしょ?いまなら全校生徒に盗人ロリコン野郎の汚名を貼るだけで許してあげるからさっさと返してよ!」くっちゃくっちゃ

左右田「いやいやいや!ロリコンは余計だろ!つか、まずこの部屋の惨状を説明しろ!!」

舞園「なんですか、この…ゴミ屋敷…」

苗木「これはポテトチップスと…グミの袋かな…?あと、キャンディの包み紙とかがそこら中に…」

西園寺「左右田のおにぃが待たせるのが悪いんでしょー!?」くっちゃくっちゃ

左右田「いやいや!待たせたっつーてもほんの数十分間にお菓子食い散らかしすぎだろ!つか着物どこいったんだよ!」

西園寺「ちょっと見ないでよロリコン!左右田おにぃってこういうのに興味があるんだ!?」くっちゃくっちゃ

左右田「ねーよ!オメーの貧弱ボディーになんか一切興味ねーよ!服着ろ服!」

西園寺「やーだよっ!こっちのほうが楽だもん!」くっちゃくっちゃ

左右田「だからってオメーその…胸、」

西園寺「なに意識してんのよ!きもっ!出て行ってよ!」

左右田「うっせうっせ!だからここはオレの部屋だっつーの!!」


ギャアギャア!!



舞園「……そういえば聞いたことがあります。上の学年には"超高校級の自堕落"と呼ばれる、滞在した部屋を自分の食べたお菓子のゴミカスでゴミ屋敷に変えてしまう先輩がいるって……」

苗木「……舞園さんはさっきから何キャラなの?」

舞園「……迷走中です」


ガチャ…

小泉「はぁ…なかなかアタシの部屋に来てくれないと思ったらこんなところにいたのね」

西園寺「あっ小泉おねぇだ!ねぇ聞いて!左右田おにぃがさっきからわたしの体を舐め回すように視姦してくるの!」くっちゃくっちゃ

左右田「おいこら!」

小泉「別に左右田の趣味なんてどうでもいいんだけどさぁ…日寄子ちゃんも女の子なんだから、男の部屋でパンツ一丁になったらダメでしょ?部屋もこんなに汚して……アンタたちは後輩の子?ごめんね迷惑かけて」

苗木「いえ…」はは…

西園寺「えー、だってこの方が楽なんだもーん」くっちゃくっちゃ

小泉「言い訳しないの!ほら片付けて、服も着て!」

西園寺「はーい」ぺっ

小泉「着物の着付けならアタシがしてあげるから、ほら」

西園寺「え、いいよ……」

小泉「なにいってんのよ、前より上手くなったのよアタシ。任せて!」

西園寺「こ、今回は左右田おにぃにやってもらうから……」

小泉「ほら遠慮なしなし!ほら立って」ニコニコ

西園寺「………!、!」チラチラ



舞園「…どうしたんでしょうか。助け求めてるように見えますけど…」

左右田「……ああなった小泉はもう止められないんだ」


小泉「えっと、こっちが前だったかな~」

西園寺「逆だよおねぇ……」

小泉「あれ?そうだったっけ?あはは。じゃあ帯つけるからここ押さえてて」

西園寺「シワが………」

小泉「あれ、ホントだ!ごめんごめん」ぐいっぐいっ

西園寺「余計によれたよ…」

小泉「いいのいいの多少のことは気にしちゃダメダメ。よし次は帯っと」しゅるしゅる

ぎゅむむむむ

西園寺「き、つい…」

小泉「あれ?ホント?でもこのくらいにしめといたほうがほどけにくいし」ギュッギュッ

西園寺「おねぇ…いたいよ…」

小泉「ほら、わがままいっちゃダメでしょ?」

小泉「よしできた!どう?なかなか上手にできたと思うけど」

西園寺「う、うん……そうだね…」

小泉「よし、じゃああとは部屋をちゃんと片付けて帰るんだからね?わかった?」

西園寺「わかった……」

小泉「じゃあアタシ先に部屋戻っとくからね」タッタッ

西園寺「うん」

ガチャ

西園寺「……」



西園寺「帯ほどいて、左右田おにぃ……」

左右田「固結びかよ!縦結びなのかよ!」

舞園「なるほど。噂の”超高校級の不器用”とは彼女のことだったんですね……」

西園寺「ぶきっちょなとこ以外は優しくていいおねぇなんだよ…ほんとに…」


左右田「固ってえええ!どんな力で帯しめてんだよ!!」ぐぐぐぐ

西園寺「うわーん!お腹がキツくて気持ち悪いよぉ!助けてぇ!!」びえぇーーん!!

西園寺「ぐぶ…言ったそばからグミがでそう……」

左右田「出すならオメーの部屋で出せよ!?」

西園寺「もぅやだぁ…」ぐすぐす

苗木「どうしよう。どうしてもほどけないならハサミで切るとか…、」

西園寺「はああああ!?着物の帯をハサミで切るとか本気でいってんの!??そんなことできるわけないじゃん!!!」

苗木「いや、その、一つの案として…」はは…

舞園「でも帯を一切傷つけずに外すとなると…難しいですね…」

西園寺「どうにかしてよ左右田おにぃ~そもそもあんたのせいなんだからぁ~」ぐすぐす

左右田「いやまあそうだけどよぉ、それは……」

西園寺「こんなんじゃお風呂もトイレも入れないじゃーん」びええーーん

左右田「お前、お風呂は普段からあまり…、」

西園寺「黙れモブ!」

舞園「本当どうしたものでしょうか……」

苗木「うーん……」


苗木「……!そうだ戦刃さんを呼ぼう!」

舞園「神の啓示ですか?」

苗木「うん、なんか万能感半端ないし!」

左右田「その戦刃ってやつに頼めばほどけるのか?」

西園寺「なんでもいいからはやく呼んできてよ~ずっと締め付けられてるからトイレ行きたくなってきたよ~」

苗木「すぐ戻るので待っててください!」

タッタッタッ



………
……


ガチャ

苗木「連れてきたよ!」

戦刃「はじめまして」

西園寺「あいさつはいいから早くぅ~」ぐすぐす

戦刃「えっと苗木くん。私は何をすればいいのかな?」

苗木「この帯をほどいてあげて欲しいんだけど…」

戦刃「わかった。では失礼します……あちゃぁ、こりゃまた固いね」ぐいぐい

戦刃「でもこのくらいなら根気良くやればほどけるとおもうよ」

西園寺「ほんと?ほんとにほんと?」

戦刃「はい。コツさえおさえれば難しくはないと思います」

左右田「なんつー頼りがいのある女なんだ…」

西園寺「ただ引っ張るだけの能無しのあんたと違ってねーくすくす」

左右田「うっせ!うっせ!つーか憎まれ口たたけるぐらいには元気なんじゃねぇか!」

西園寺「ガマンしてるんだもーーん!!」

戦刃「あ、動かないでくださいねー」きゅっきゅっきゅっ


きゅっきゅっきゅっ…

するん

しゅるしゅる

西園寺「えっもう!?」

舞園「なんということでしょう…」

左右田「ひぎにゃああああああああ」

苗木「え!あんなに固かったのにどうやったの?」

戦刃「帯の出たところを結び目を挟んで反対側にきゅっきゅって引っ張って、下の帯を反対側に引っ張りながら少しづつズラしていけばいいんだよ。昔、七五三のときに盾子ちゃんの帯がなかなか外れなかった時に覚えたやり方なんだけど」

苗木「なんというか、さすがだね」

戦刃「このくらいのことなら全然だよ」

西園寺「えっと。その、あ、ありがと」

戦刃「いえ、よかったです。またなにか困ったら呼んでもらっていいので」

西園寺「……じゃあ、そうする」ぷいっ

左右田「一件落着だな」





西園寺「……で、わたしのPSvitaは?」

左右田「………」


西園寺「ねぇ聞いてるのー?ねぇねぇ」

左右田「……」

西園寺「聞こえてんでしょー?ねぇー無視ィ?もしかしてそのお耳は飾りなのかなー?」

左右田「分かった。じゃあ西園寺、手を出してくれ」

西園寺「なによ」

左右田「これがお前に借りてたPSvitaだ」ぽん

西園寺「なにこれ」

左右田「PSvitaだったも 西園寺「なにこれ」

左右田「だ 西園寺「なにこれ」

西園寺「なにこれ」

左右田「ごめんなさい」

西園寺「今日から、お前、奴隷、決定」

左右田「はい……」




舞園「身から出た錆ですから…」

苗木「だね」

戦刃「そうなんだ。大変だね」


………
……


とぼとぼ…

苗木「…とまあ。なんとか一件落着してよかったよ」

舞園「しかし戦刃さんに来ていただけて本当によかったです。あのまま締め続けてたままだと、下手したら腸が腐っててかもしれませんし」

苗木「何それ怖い」

戦刃「そんな大したことはしてないんだけどな」はは…

苗木「それにしても、…上の学年の人たちもなかなか濃いメンツだよね。他にも何人か会ったことあるんだけど」

舞園「そうですね。壊し屋、自堕落、不器用…噂はかねがね聞いてましたがなかなかどれも甲乙のつけがたい個性的な人たちばかりで!他にも噂によると桑田くんの腕をつけ狙っている国際指名手配犯とか、邪気腕をもつ人とかもいるみたいですけど!」ふんすふんす!

苗木「舞園さんはそろそろ帰ってきて」

戦刃「まあでも同じ校舎で生活してる者同士だしまた交流あるかもね。現に西園寺さんとは連絡先も交換したし。…先輩だけどなんかもう一人妹ができたようなかんじだよ」

苗木「江ノ島さん嫉妬しちゃうかもね」はは…

戦刃「いやでも盾子ちゃんにはそろそろおねぇちゃんのありがたみってもんを味合わせないとねー」


ドッガーーーーーーーン

<ひぎにゃあああああああ!!
<ちょっとアンタ何してくれてんのよ!!


苗木「噂をすれば……」

戦刃「さっきの先輩と盾子ちゃんだね……ランドリーかな」はぁ…


>ランドリー

もくもくもくもく
もくもくもくもく…

江ノ島「やばいってやばいって…」

苗木「うわ部屋一面泡だらけ…ってなんかいつの日だかを彷彿とさせるんだけど…」

舞園「はぁ…今度はどうしたんですか?」

左右田「いやぁ、西園寺の服を洗ってやろうと洗剤入れてスイッチ押したら洗濯ドラムごと爆発して……」

江ノ島「今回はマジでこいつが悪いんだからな!うげ、顔に泡ついた」ぺっぺっ

戦刃「盾子ちゃんのところからは現在進行形で泡が溢れてるけどね」

江ノ島「えっマジ?うわマジだ。ヤバっ!止まんないし!」ぽちぽちぽち!

左右田「なあ戦刃、頼むわ…」

江ノ島「おねぇちゃん、私様のとこのもお願い!」

戦刃「……やれやれ。世話のかかる弟まで増えちゃったみたいだね」はぁ…

戦刃「盾子ちゃんと左右田さんは渇いた雑巾、苗木君はバケツに水、舞園さんはは廊下に立ち入り禁止の看板お願い」テキパキ

「「はーい!」」

戦刃「返事だけはいいんだから、もう」とほほ




………こうして戦刃さんのおかげでまた一段とランドリーが綺麗になったのは言うまでもないだろう。有能。

西園寺さんと左右田さんのことだから、今後もなにかとトラブルが絶えないだろうが、戦刃さんのことだから今後もしっかり面倒をみてあげることになるだろう。

妹たちが自立するのが先か、戦刃さんが過労死するのが先か………言うまでもなく後者だろうけど。頑張れ戦刃さん



そうだ、そうだにそうだんだ!編 おわり



左右田「つかこのタイトル”そうだそうだ”言いたかっただけだろ!」

西園寺「黙れモブ!完全に戦刃おねぇに最後のしめを食われてるくせにメイン面してんじゃねぇぞ!」

左右田「なんでオレっていっつもこんな…」とほほ

ちゃんちゃん


☆登場済み先輩まとめ

左右田>>『超高校級の壊し屋』。本人の意思とは無関係にその手に触れた電気製品をことごとく木っ端微塵に破壊する能力をもつ。いままでどう生活してきたのかは不明。漂う不憫オーラ

西園寺>>『超高校級の自堕落』。常にお菓子袋を持ち歩き、食っちゃねしてるクチャラー。滞在した部屋は他人の部屋であろうとお菓子のゴミで汚くする。気を抜くと着物を脱いでパンツ一丁になる(サービス要員予定)

小泉>>『超高校級の不器用』。世話焼きで決して悪い人ではないが、不器用。何をやらしても裏目に出るが、本人が好意100パーでやっているために誰も文句を言えない。なので自覚もしていない。




……ってまとめてて我ながらヒドイ設定だなって思いました。ファンのひとすみません。怒らないでくださいぃぃい

俺、十神白夜は混乱している。

一体なんだというのだ、この目の前で道をふさいでいるゲバゲバとした女と小太りの男は…
あんぐりと開けた口をパクパクさせたアホ面をこちらに晒しやがって。
廊下の角でバッタリ遭遇してから時が止まったかのようにかれこれ数分もこの体制だ。

いつまで待たせる気なんだ。用があるなら言え。ないならそこを退けろ。時は金なりという言葉を知らぬのかこいつらは。

俺は流石にしびれを切らし「おい」と一喝しようと大きく息を吸い込む。

が、そいつらは唐突に、もはや悲鳴に近い叫び声をあげた。

「「ほ、ホンモノだあああああああああ!!!」」


>>Ep.009 絶望☆二人の白夜ちゃん!

十神「はぁ…?」

??「きゃーーー!!白夜ちゃんもいいっすけど、ホンモノの白夜ちゃんはやっぱり違った魅力に溢れてるっすぅ~!唯吹感激っすよぉ~!!」

??「やっと会えました…」ぐすぐす

俺は本能的に察した。こいつらは関わってはいけない人種だと。

??「サインもらっちゃっていいっすか!?」うっきゃー!

??「サインなんておこがましいです!で、ですがせめて握手だけでも…」ハァハァ

十神「失礼する」そそくさ

??「あ、待ってください!!」

??「逃がさないっすよぉーー!!」

俺は走った。柄にもなく全力で。

<ドスドスドスドスドス!!

しかし後ろから地鳴りのような音が響く。俺は命の危険すらも感じだした。


??「コラ!観念するっす!!」

クソ、先回りされたかッ!

??「な、なんで逃げるんですかぁ?」

??「そうっすよ!唯吹たちは白夜ちゃんのファンっす!決して怪しいものではないっすよ!」

??「そうなんです!僕たち十神さんのファンで……」

俺のファン……?
何を言っているこいつらは。
第一俺はお前らのアイドルではない。
目立つようなことをした覚えもない。
新手の詐欺か……?

それによく見ればこの小太りの男……

??「あ、気づいてもらえましたか!」

??「そうっす!白夜ちゃんは白夜ちゃんのことが好きすぎて服装、髪型、メガネに至るまで全て白夜ちゃんとお揃いのものにしてるっす!」

??「どうですか?」キラキラ

確かに俺の着ている服の薄汚れ具合、メガネのフレームの傷、髪のツヤのなさ。全てをコピーしているらしい。
頑張りは認めるが、こんな小太りのやつに再現されると、より一層惨めさを体現されているようで、どちらかというと不愉快だ。

??「憧れすぎてその人と全てを同化したくなる…一時期流行った言い回しでいくと、ビャクラーってやつっす!そう白夜ちゃんは重度のビャクラー!”超高校級のビャクラー”っす!」

この感情を表現する言葉が見当たらない……そうだ。ドン引きだ。


??「あ、すみません。僕たちは自己紹介から始めたほうがいいかな?」

日向「今さらかよッ!」アッハッハッ

??「そうっすね!じゃあ唯吹からはじめるっす!」

十神「誰だ今の」

澪田「澪田唯吹っす!漢字は~澪田唯吹の澪に~(略」

十神?「僕は十神白夜です。よろしくお願いします。」ぺこり

十神「いや待て。それは俺の名前だ。貴様の本名をなのれ」

澪田「白夜ちゃんは、白夜ちゃんに憧れるあまり名前まで戸籍ごと変更しちゃったっす!だから十神白夜が白夜ちゃんの本名なんすよー!」

澪田「きゃっはー!さっきから白夜白夜とややこしいっすー!」

豚神「では便宜上、僕のことは豚神と呼んでください」

十神「そういう話ではない」


十神「つまりまとめると貴様らは俺のファンで、好き好んで俺の真似をしてると。そういうことか」

豚神「そうなんですよー!」

十神「ハン、わかった。存在を認めたくはないがそれでは埒が明かぬから百歩譲ってここは理解することにしよう。俺に憧れるのも勝手にすればいい。…だか、その格好は大変に不愉快だ。即刻やめろ。いいな」

澪田「えーー!!白夜ちゃんのアイデンティティを否定しちゃうんすかー!!??」

豚神「そ、そんなぁ~!!」

十神「文句があるなら貴様の部屋の中だけでやれ。その格好で校内を歩き回られるのは不快だと言っているんだ」

澪田「ひどいっすー!そんなのあんまりっすよー!!」

豚神「十神さんには一切迷惑をかけませんからぁ~!」

十神「ダメなもんはダメだ」

澪田「仕方ないですね。こうなったら唯吹と勝負っするっす!唯吹が勝ったら白夜ちゃんのこと認めてもらうっす!!」

豚神「澪田さん……!」

十神「どうしてそうなる」

澪田「勝負を受けないなら不戦敗とみなすっす」

十神「だから…、」

澪田「よーし!じゃあこれで勝負っす!」


勝負の内容とは!?

安価↓


澪田「ズバリ!1日で何人の人助けができるかっすー!」

十神「おい。俺は貴様らと違って常に時間に追われているんだ。お前らと話しているこの一分すらをも惜しいというのに、なぜ一日も貴様らに時間を割かなければならん」

豚神「澪田さん、十神くんに一日も割いてもらうのはさすがにおこがましいよ…」

澪田「そおっすか?白夜ちゃんズはワガママっすねー!じゃあちょっくら改変するっす」

澪田「いまからここを通りがかった3人の人助けをして、より多く感謝された方の勝ちってことにするっす!」

澪田「これならそんなに時間も割かないと思うっすよ!うっきゃー!唯吹ちゃんてんさーいっすー!」

十神「……いいだろう。その代わりこの勝負に勝ったら金輪際、俺の真似をしない、関わらないというのを約束しろ」

十神(こいつらの駆け引きに付き合うのは大変シャクだがそれを約束するというなら…)

澪田「どうするっすか?白夜ちゃん」

豚神「……わかりました。その代わりこちらも本気で行かせてもらいます。例え憧れの十神さんであっても…いや、だからこそ…!」

豚神「僕がどれだけ本気かというのを見せて差し上げます!!」ビシッ

澪田「きゃー!白夜ちゃんかっこいー!!」

十神「フン、せいぜい頑張るがいい。さて最初のターゲットは誰だ」

澪田「そおっすねー…お、ちょうど向こう側から誰か来たみたいっすよ!」


だーれだ↓


ソニア「あら、これはこれは澪田さんに十神さんに…まあ!十神さんが二人もいらっしゃいます!」

ソニア「ぽっちゃり系の十神さんと細身のスマートな十神さん!二人並べるとダイエット番組のビフォーアフターみたいでとっても愉快ですね!」ふんすふんす!

澪田「おーっそう言われれば確かに見えるっす!でも驚くべきことにこの二人はれっきとした別人なんっすよね。左手に太い白夜ちゃん、右手に細い白夜ちゃん!一度で二度美味しいまさに両手に白夜ちゃん!うっきゃー!唯吹幸せー!!」

ソニア「あらまあ!こんなにもそっくりなのにお二人は別人だというのですか?ジーザス!シット!なんてこったい!そのクローン技術を我が国によこしなさい!」

十神「………ソニア、お前とは面識があったはずだが?」

ソニア「………あら、そうでしたか?わたくし興味のないことはすぐ忘れてしまうタチなもので申し訳ないです。よきにはからってください!」ビシィッ

澪田「おろろ?白夜ちゃんはソニアちゃんと面識があるんすか?唯吹嫉妬っすー!!」ムキー!

十神「………まあいい。早く始めろ」

澪田「かしこまりっすー!ソニアちゃん、ソニアちゃん!最近何かお困りなことないっすか?今なら二人の白夜ちゃんがソニアちゃんの悩みを解決しちゃうキャンペーン実施中っすよー!」

ソニア「まあ!それは素敵です!ですが困りごとですか……うーん、そうですね……」


澪田「なんでもいいっすよ!」

ソニア「しかし大抵のことはお金で片付いてしまいますからね……強いて言うなら国際警察が最近この学園に目星をつけ始めたようなので何らかの手立てを早急に講じる必要が……」

澪田「うっきゃー!なんでもとはいったっすけど、さすがに逃亡の手助けはキツイっす!!」

ソニア「でしたら、そうですね。ちょうど3時ごろですし、スイーツの手配でもしていただけますか?わたくしちょうど小腹が空いてたところなんです」

澪田「スイーツ対決っすね!そのくらいなら白夜ちゃんたちには朝飯前っす!」

豚神「基本食べる専門だけど頑張らせてもらうよ」

十神「フン、勝負にもならないだろうがな」

ソニア「早急にお願いしますね。時間はそうですね、…30分。美味しければなんでも構いません。当然それなりの報酬も支払わせていただきます」ドカッドカッドカッ

澪田「うっきゃー!いちいち出してくる現ナマの額が豪快すぎて唯吹の中の金銭感覚が混乱中っすー!」

豚神「よしじゃあいきましょう十神さん」

十神「フン……」


十神(しかし困ったな。あの場では強気でいったが冷静に考えると俺は”スイーツ”とかいう贅沢品を口に入れたことがない)

十神(あの女が提示している”スイーツ”というのは恐らく、レストランのコース料理の最後に出てくるような甘いデザートのようなもののことを指しているのだろう………フン、これは本の知識だ)

十神(…こっちは毎日の食費をいかに最低限に抑えるかに四苦八苦しているというのに…食後の”スイーツ”だと!?)

十神(しかも、なにが”そろそろ小腹がすきました”だ。俺は少し前まで一欠片のパンを細かくちぎって三食をしのいでいたんだぞ……!)ググ…

十神(節制して貯めたなけなしのお金でコンビニのプリンを買うことが精一杯の贅沢だというのに……!!)ぷるぷる

十神(……………)

十神(………やめよう。考えたら無性に腹が立つ。そもそも生きてる世界が違うんだ。俺にあの女を理解することなど不可能だ)

十神(あいつは”与えられた者”だからな)

十神(…………)



十神(協力を求めるのはダメとは言われていない。スイーツのこと、あいつに相談してみるか……)


あいつとは ↓


十神(……まあこういうのは桑田に聞くのが一番か。……待てよ、確かあいつはいま腕は封印してるんだったか。なにせ俺がそう指示したからな。……が、話を聞くだけでも参考にはなるか……時間が惜しい。部屋に急ぐぞ)


>桑田の部屋

ピンポーン

桑田「はいはいどちら様ですかーっと……んあ?十神?そっちから訪ねてくるとは珍しいな」ポリポリ

十神「時間がないから三秒で答えろ。お前のイメージする最高のスイーツはなんだ」

桑田「す、スイーツ!?」

十神「できればすぐ用意できるやつだとなお良しだ」

桑田「突然んなこと言われてもよー…なんでだよ?」

十神「いいから考えろそして答えろ」

桑田「んー………あー、そういえばけっこう前に作ったあれ、なかなか好評だったな~」

十神「それはなんだ」

桑田「んーと… 」


あれだよあれ ↓安価


桑田「そう、草餅だ!」パンッ

十神「く、草餅ぃ……?」

桑田「あー草餅っていうのはなヨモギをすり潰したものを混ぜた餅でアンコをつつんだ……」

十神「そのくらい分かる。バカにするな」

桑田「いやーさ、この前日向先輩にどうしてもって床に頭をこすりつけながら懇願されて渋々作ってみたんだけど、あれ材料さえあれば結構簡単なんだぜ?」

十神「あの男まだお前に接触をはかってたのか。そもそもお前も相手をするなとあれほど………………いやそれについては今はいいだろう。それより…、その、草餅は”スイーツ”に入れていいのか……?」

桑田「スイーツって早い話が甘いもん系のことだろ?その点では和菓子も立派なスイーツってやつじゃねーの?」

十神「そうか………参考になった。恩に着るぞ」

桑田「お、おう。どういたしまして?」




十神(さて厨房で草餅をさっと作るとするか。いやその前に図書館によってレシピを覚えねばな……時間がない、急げ)タッタッ


………
……


澪田「そろそろ約束の時間っすね~まだかな~まだかな~?」チラ…チラ…

ソニア「あら、噂をすればなんとやらのようですよ」

十神「フン、待たせたな…」

豚神「お待たせしましたー!」

澪田「うっきゃー!二人ともギリギリ間に合ったみたいっすねー!」

ソニア「うむ、よきにはからえ。それでは早速ですがスイーツをお願いしてもよろしいですか?実は待ちくたびれるあまり先ほどからお腹の虫が大合唱をしていまして」ぐるぐるぐる…

澪田「ではまずは白夜ちゃんたちが何を用意してきたのか順番にご開帳おねがいするっすー!」

十神「フン、ではまずは俺のからだな」


十神「 草 餅 だ 」ドンッ


澪田「渋っ!和菓子!そして草餅というまさかのチョイスに唯吹の心はもうすでに鷲掴みっす!!」くはっ!

澪田「眼光鋭い白夜ちゃんが厨房でせっせと餅をこねこねしている風景を唯吹をぜひ同行したかったっすね~」

豚神「さすが十神さん。インパクトで相手のこころを掴む作戦にきましたか」ぐぬぬ

豚神「しかし僕も負けてませんよ!僕が用意したものはこれです!くらえっ!」



豚神の用意したスイーツとは!?

安価↓


そして勝敗判定

このレスのコンマ→十神の点数
安価レスのコンマ→豚神の点数

大きい方の勝ち


豚神「僕が用意したのはザッハトルテです!」ドドン!

澪田「うっきゃー!唯吹にはよくわからないっすけど名前の時点できっとオサレ度100パーのスイーツっすー!」

豚神「ザッハトルテは、オーストリアの代表的な菓子だよ。チョコレートケーキの一種だね。」

澪田「かはっ、博識な白夜ちゃんも素敵っす」

ソニア「ジャパニーズ和菓子にザッハトルテ……あら、これはなかなか面白い組み合わせです」

澪田「アンコとチョコの食べ合わせはさすがの唯吹も試したことないっすねー」

澪田「んじゃまソニアちゃん、さっそく召し上がるっす!んで、どちらが好みにあってたかビシッと決めちゃってっ!」

ソニア「では、この草餅からいただきますね」パクッ





ソニア「………………なるほど」


澪田「あ、熱いお茶もあるっす」とぽとぽ

ソニア「あら、よきにはからってください」ズズッ

十神「……で、どうなんだ味の方は」

ソニア「そうですね、これは正直に申し上げていいものなのでしょうか………



強いて点数をつけるなら9点といったところです」

十神「き、9点だと……!何故だ、レシピも分量も完璧なはずだ!たまたま食堂にいた苗木にも味見させた!不味いはずがない!」

ソニア「確かに不味くはなかったです。ただ、ジャパニーズ和菓子というものはどうもこう甘みがくどいようで……早い話がわたくしの口には合わなかったのですね……」

澪田「いやぁ好みばっかりはどうしようもないっすからねー。和菓子という選択が痛恨のミスだったみたいっす!白夜ちゃん残念!」

十神「なんだと……」

豚神「ごめんなさい十神さん。この勝ちは譲ってもらいます」

十神「クソ、クソ、クソおおおおおお!!!」


………
……


ソニア「こちらのザッハトルテですが………やはり本場のシェフのそれには遠く及ばないようです。強いて点数をつけるなら23点ってとこですね」

澪田「辛口ッ!スイーツなのに評価は辛口ッ!でもやはり白夜ちゃんの勝利は揺らがなかったっす!」くはっ!

豚神「23点か……誇れるような点数じゃないけど、一勝ありがたくいただきます」

十神「…………」ぶつぶつ

ソニア「………あら、もうこんな時間。途中ですけど、次の用事があるのでここら辺でお暇させてもらいますね」ガタッ

澪田「いえいえーあとはスタッフという名の唯吹が美味しくいただいちゃうので大丈夫っす!ご協力に感謝っす!」

ソニア「よきにはからってください。それではご機嫌よう」

スタスタ………




十神「…………」ぶつぶつ

澪田「なに落ち込んでるんすか白夜ちゃん。まだ一戦目っすよ?挽回の余地まだまだあるっすから諦めちゃダメっす!」もぐもぐ

十神「………この俺が落ち込んでるだと……?」

澪田「どうみても落ち込んでるようにしかみえないっす」もぐもぐ

十神「フン、……クックックッ、フッハッハッハッ!!俺が落ち込んでるだと!?たった一回の敗北で!柄にもなく手間暇をかけて作った草餅を好みを理由に酷評を受けたくらいで落ち込んでいると!?ハンッ!俺も舐められたものだな!」

澪田「……ショックだったんっすね。よしよし。唯吹は白夜ちゃんの草餅、わりと好きっすよ」もぐもぐ

十神「慰めなどいらん。惨めになるだけだからな。………フン、こんなの小手調べだ。今回は分が悪かった。だが次こそは必ず勝ってみせる………ここまでコケにされたんだ。倍返しですむと思うなよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

澪田「うっきゃー!プライド高い男の復讐は怖いっす!けど、それでこそ唯吹の白夜ちゃんっす!唯吹は応援してるっすよ!」もぐもぐ

澪田「んじゃ景気付けに一緒にこの草餅食べるっす」もぐもぐ

十神「フン………」もぐもぐ




十神「…………実に美味だな」もぐもぐ

澪田「…………同感っす」もぐもぐ


澪田「長くなりそうなので今日はここで一旦きるっす!次の人助けターゲットだけ決めて寝るっすよ!」


次の人助けターゲットは~
安価↓


??「テメーら何してやがんだ!」

澪田「むむっこの声は冬彦ちゃん!こんなトコロで会うなんて偶然っすね~!」きゃはーっ!

九頭龍「おう…ってんなこといいに来たんじゃねーんだよ!テメーらなに廊下の真ん中にしゃがみこんで草餅なんか食ってんだよ!どこの予備学科だっての!通行人の邪魔になるだろうが!」

十神「フン。騒々しいやつだな。おい澪田、移動するぞ」

澪田「冬彦ちゃんは唯吹の友だちっす!唯吹がたしなめてくるっすから見ててほしいっす」ヒソッ

十神「おい、何を企んでいる」

澪田「きゃっはー!冬彦ちゃんも一緒に草餅たべるっすー!!」タッタッ


九頭龍「ハン、だれがんなもんいるっつだよ、このボケが」

澪田「ほらほら~!冬彦ちゃんの好きな甘い甘いお菓子っすよ~!」

九頭龍「い、いらねーよ…別に好きじゃねーし」

澪田「唯吹と冬彦ちゃんの間に遠慮なんか無しっすよ~!」ぐいぐい

九頭龍「い、いらねっつってんだろが!!」

澪田「ぎゅむむむむむむ~!!」ぐいいいい

九頭龍「ふごはごふぐぐぐー!(無理やり口に詰め込んでくんじゃねー!)」

澪田「飲み込むまで絶対に口開けさせないっす」がしっ

九頭龍「ふがもがふがー!!(畜生がー!!)」

十神「おいお前はさっきから何をしてるんだ…」

澪田「まあまあ見てるっすよー」

…ごっくん

九頭龍「う、……うまい」ピカーーーッ!!!

十神「うおっ、眩しい」


九頭龍「メチャメチャうめーじゃねぇか!!!」ピカーーーーッ!!!

澪田「今日は一段と後光が眩しいっすーー!うっきゃーー!!!」

十神「どういうことだ、説明しろ澪田!!」

澪田「実は冬彦ちゃんは甘いものを食べると後光が指す”超高校級の極楽道”っす!」

十神「意味が分からん!他になにかいいのがなかったのか!」

澪田「こればっかりは唯吹に言われても困るっす!」

九頭龍「おい、この草餅どこで売ってるやつだよ!」ピカーーー~ッ!!!

澪田「この草餅は他でもない白夜ちゃんが作ったものなんっすよー!つか冬彦ちゃんが眩しすぎて目が開けられないっすぅー!!」きゃはーっ!

九頭龍「白夜ァ?……ってテメーか、十神………十神!?どうしたんだよテメーやせ細りやがって!誰にヤられた!」ピカーーーーーーーーッ!!!

十神「こっちを向くな眩しい。そして俺はお前の知っている十神じゃない方の十神だ。ちなみに俺が本家だ」

九頭龍「はぁ……?」ピカーーーーーーーーッ!


澪田「早い話が他人の空似っす」

九頭龍「なんかよくわかんねぇーけど……んなことよりテメーがこれ作ったってマジかよ!」ピカーーーーーーーーッ!!

十神「ああ、事実だ」


澪田「まあ自己紹介はこの辺りにしといて、実はいま白夜ちゃんと白夜ちゃんが人助けに奔走してるんす!冬彦ちゃんもなにか困りごとがあったら教えてくれると白夜ちゃんたちが頑張っちゃいますっすよー!」

九頭龍「そうだな……じゃあ、その、カリン…、」

澪田「それはさっきの対決とかぶっちゃうので却下っす」

九頭龍「なんだとテメー!できねぇってのかよ!」ピカーーーーーーーーッ!!!!

澪田「いくら後光を強くしてもダメっす!他のことなら善処するっすよ!」


九頭龍「チッ……じゃあ、ペコのことでちと困ってることがあるんだけどよ…」

澪田「ムムッペコちゃんのことっすね!どうしたっすか?最近うまくいってないんっすか?なんなら唯吹たちがキューピッドになっちゃってもいいっすよー!」うっきゃー!

九頭龍「そ、そんなんじゃねぇよ!」カーッ

十神「ならなにに困っているんだ。言いたいことだけを簡潔に述べろ」

九頭龍「その、なんだ。ペコのやつが最近素っ気ないっつうか……なんだか様子が変つうか……」

澪田「ふむふむ、ペコちゃんの様子がねぇ…んで冬彦ちゃんは白夜ちゃんたちにどうしてほしいんすか?」

九頭龍「俺もちと気になるからよ、原因を探ってきてほしいんだよ……」

澪田「それなら冬彦ちゃんが自分でいけばいいじゃないっすか?」

九頭龍「俺がいったらなんかやらしいだろうが!」カーッ

十神「俺たちがいく方が怪しいだろう…」


澪田「仕方ないっすね。それが冬彦ちゃんの困りごとということなら白夜ちゃんズも一肌脱ぐしかないっす!今回の勝負はペコちゃんの悩みを探りいち早く冬彦ちゃんに報告した方を勝ちとするっす!」

豚神「よーし、次も負けませんからね!」

澪田「お、白夜ちゃんおかえりっすー!お片づけご苦労様っすー!」

十神「フン、いいだろう。こちらも後がないからな。次こそは全力で行かせてもらおう」

九頭龍「ガセネタつかんできやがったら承知しねぇからな!」

澪田「白夜ちゃんはそんなズルはしないっすよ!んじゃ始め!まずはペコちゃんを探すことからっすねー!」

豚神「よーし!ではお先に行きますよ十神さん!」

ドスドスドスドスドス!!

十神「なんであいつはあんな体であんなにも俊足なんだ…いやそれはいい。おい澪田、とりあえずそのペコとかいうやつの情報をよこせ。いくらなんでも顔も知らないのは不利というものだろう」

澪田「それもそうっすねーじゃあ白夜ちゃんには特別に情報を少しだけ開示してあげるっすー!」たはーっ!

………
……


十神「というわけでそいつの情報が書かれた”唯吹ファイル”とやらを入手したが、辺古山ペコ……というのか。変わった名前だな」ペラ…

十神「身長 172?、体重 51?、胸囲 85?、血液型 O、誕生日 6月30日、好きなもの 黒色、嫌いなもの キャンディ、特記 超高校級の………フン、くだらん」パサッ

十神「銀髪を後ろに三つ編みでまとめた全身黒っぽい眼鏡女ってことだけ分かればいい」

十神「さてと、…しかし居場所の目星が全くつかん…今回も誰かに協力を頼むか…」


あいつとかどうだろうか

安価↓


十神「苗木か。あいつは何気に先輩との面識があるみたいだからな、聞いてみる価値はあるだろう」


………
……



>苗木の部屋の前

ピンポーン

苗木「はーい。…あ、十神クン。どうしたの?なにか用かな」

十神「フン、用もないのにお前の部屋にわざわざ訪ねてくる訳もなかろう」

苗木「まあそれもそうだね。で、どうしたの?」

十神「この女を探している。行く当てを知っていれば教えてくれ」

苗木「辺古山ペコさん…?先輩か。ちょっと分からないかな、ごめんね」

十神「そうか。ならいい、時間を取らせたな」

<どうしたー?

十神「ん、誰か部屋に遊びに来てるのか?」

苗木「うんちょうど一緒にゲームしてて…あ、そうだ。ちょっとその人にも聞いてみるよ」


誰が遊びにきてた?

安価↓


苗木「日向さん、ちょっといいですか?」

日向「どうした?って十神か。この前ぶりだよな」

十神「なぜ貴様がいる」

日向「新作のゲーム手に入れたから付き合ってもらってたんだよ」


十神「おい、苗木」ぐいっ

苗木「え、なに」

十神「桑田の件であいつとは付き合うなと言ってあっただろう。なぜ言うことを聞かん」

苗木「だって、どうしてもってドアの前で床に頭を擦り付けながら土下座されちゃったからさ…無下にもできないっていうか」たはは…

十神「お人好しめ…」


日向「おーい」

苗木「あ、ごめんなさい。えっと、十神クンが人探しをしているみたいで…この人なんですけど、日向さんは知り合いなんじゃないですかね?」

日向「どれどれ…ああ、辺古山か。知ってるぞ」

十神「居場所の心当たりを聞きたい。少し用があるんでな」

日向「辺古山に用か?んーそうだな…いるとしたらあそこかなって見当はあるが…」

十神「それはどこだ」

日向「えっとな……」



あそこだよあそこ(場所指定)

安価↓


日向「武道場だろうな」

十神「わかった。恩に着る」

日向「で、辺古山に何の用なんだ?」

十神「フン、貴様には関係な、…」

十神(……いや待てよ。辺古山との知り合いならもしかしたらそいつの悩みについてもしかしたら知ってるかもしれんな……)

十神「おい」

日向「ん?どうした?」

十神「この女について…最近変だなと思うようなことはないか」

日向「変だなと思うこと?…ああ、最近話しかけてもなんだかうわの空なことはあったな。それがどうかしたのか?」

十神「こっちが質問している。その原因までは貴様は知らないのか?」

日向「そこまではな…九頭龍ってやつといつもいるからそいつに聞いた方が早いんじゃないか?」

十神「そうか(そいつから依頼を受けているんだが……これは伏せておくか)」

七海「ねぇ日向くん、辺古山さんがどうかしたの?」

十神「貴様もいたのか」

七海「あ、十神くん。この前ぶり………かな?うん。いま日向くんと苗木くんと遊んでたんだ」

日向「さっきまでぐっすり寝てたみたいだけどな」ははっ

苗木「日向さんと七海さんっていっつもセットですよね。仲良いんですか?」

日向「え?あ、…まあな」はは…

七海「友だち………ってやつだったかな?」

苗木「?そうなんですね」


十神「んなことはどうでもいい。貴様も辺古山と知り合いか?なにかあいつの最近の変化について心当たりはないのか」

七海「辺古山さん?んー…………ちょっと分からないかな。ごめんね?」

日向「十神は辺古山の変化の原因を探ってるのか?」

十神「まあそんなところだ……依頼だがな。フン、なにか貴様らに心当たりがあるならと思って聞いただけだ。なければ直接聞くしかなかろう。……時間をロスってしまったな、俺は武道場に向かうこととする。じゃあな」くるっ

日向「おい、ちょっと待ってくれよ。俺のこと忘れてんじゃないだろうなー!」

十神「…なんだ。貴様への用は終わったぞ」

日向「そういうことなら面識のない十神が聞くより同級生の俺とか、なんなら同性の七海が聞いた方がいいんじゃないのか?」

十神「…フン、協力でもしようというのか」

日向「ああ、俺も少し気になるしな。なあ七海」

七海「くかーーー」zzz

日向「だそうだ」

十神「………」


十神(こいつらに借りをつくるのは大変にシャクだが、やつの言うことにも一理ある。………背に腹もかえられんし、ここは割り切るしかないか。フン…)

十神「……いいだろう。ならその女を借りて行くとしよう」

日向「なら俺も一緒にいくよ」

十神「断る。話を聞くだけなら同性のこの女だけで十分だ。俺はこいつに影から指示を出す。あまり大人数で行っても逆に怪しまれるだろう。貴様は苗木とゲームをして待っていればいい。なんなら結果は伝えてやる」

日向「その、なんだ……それだと困るっていうか……」

日向「頼む!邪魔しないから俺も七海と一緒に連れて行ってくれ!」

十神「断るといってるだろう」

日向「ならば交換条件だ。俺を連れて行かないなら七海を貸すことはできない」

十神「貴様……まさかこいつとデキてるのか?」

日向「そ、そんなんじゃないんだが…」

日向「とにかくこれは取引だ。本当に邪魔はしないから、な?いいだろ?」

十神(煩わしいな……しかしこいつともめている時間もない……)

十神「フン、好きにすればいい。ただ邪魔だけはするな。いいな?」

日向「分かった。約束する」

十神「なら急ぐぞ。……お前もだ」ぐいっ

七海「くかー」ズルズル…


………
……



>武道場

<……、………。
<………?……、……。

日向「武道場についたが……中に誰かいるのか?」

十神「………チッ、どうやら豚神に先をこされてしまったようだな」

十神「おい、そこの女。このイヤホンをつけろ。そして俺の指示通りに辺古山というやつ探りをいれてこい。いいな?」

七海「ラジャー」ビシィ

十神「時間がない。よし、いけ」

七海「あいあいさー」


ガラガラ………


辺古山「………七海か。こんなところで会うとは珍しいな」

豚神「あ、七海さん。こんにちは」

七海「よっす」

十神『こんなところで二人で何をしているかを聞け』無線

七海「うん、分かった。えっと、二人はこんなところにで……なにしてるのかな?」

辺古山「大したことではない。ちょっとした世間話だ」

豚神「うん、ほんとに他愛もない会話だよ」

十神『そいつが邪魔だな。間に割り込め』

七海「わかった。……ちょっと間を失礼するよ」ズカズカ

豚神「わっと、どうしたの?」

十神『そこの女と女同士の話がしたい。豚神には退出願え』

七海「うん。分かった。………辺古山さんと女同士の話があるから……えっと、十神くんは退出してもらってもいいかな?」

豚神「え、そんな」

辺古山「なんの用かは知らんが…そういうことならばすまないがすこし席を外してもらおう」

豚神「困ったな…分かったよ。終わったら呼んでくれるかな?」

辺古山「ああ…」

十神『よし、うまくいったな』

七海「えっと、……よし、うまくいったな」

辺古山「?」

豚神「?」


ガラガラ………


辺古山「……さて、十神には席を外してもらったが。かしこまって聞く用とはなんだ?」

七海「その、ちょっと待ってね。指示があるはずだから」

辺古山「指示?」

十神『要らないことは言わなくていい。そうだな、……直球に聞こう。最近様子がおかしいがどうかしたのか?』

七海「おっけー。えっと……直球に聞くよ。最近様子がおかしいけど………どうかしたのかな?」

辺古山「な!な、…なんの話しだ」

十神『動揺が見られるな。カマをかけるか……なにか悩んでいるんじゃないのか?よかったら話を聞くが?、だ。』

七海「動揺してるね、カマをかけよっか。えっと………なにか悩んでいるんじゃないのかな?私でよければ話を聞くよ?」

辺古山「カマ……?」

十神『おい、要らないことは言わなくていいと言ってるだろう。指示されたことだけを言え』

七海「うん。…えっと、いらないことは言わなくていいよ。指示されたことだけを言ってくれるかな」

辺古山「え、あ…」

十神『はぁ………』

七海「はぁ………」

辺古山「その、すまない……」おろおろ


辺古山「………しかしよく気づいたな。ああ、実はその通りなんだ。最近少し悩んでいることがあってだな……」

十神『よし、いい調子だ。そのままそっと肩を寄せ合って、遠慮しないで私に相談して、だ』

七海「うん。……よし、いい調子だよ」グイグイ

辺古山「ど、どうした急に」

七海「遠慮しないで私に相談して………もいいと思うよ?」ぴとっ

辺古山「!そ、その申し出は嬉しいが……だが、話してどうこうなる問題でもないんでな……」

十神『遠慮するな。話さないと分からないだろう?もしかしたら話すことで気が楽になるかもしれないだろ?、だ』

七海「わかった。……遠慮はいらないよ?話さないとわかんないし………………えっと、」

十神『話すことで気が楽になるかも、だ』

七海「そうだった。その、…話すことで気が楽になるかも………………しれないよ?」

辺古山「そこまでいうなら………分かった。話そう。だが、くれぐれも他言無用で頼む。その………すこし恥ずかしいのでな」

十神『よしっ!!これで勝利は我が手のものだ!!フッハッハッ!!!』

七海「よしっ!!これで勝利は我が手のものだ………と思うよ!!えっと、………ふっはっはっはっ!!!」

辺古山「七海………?」


今日はここで切る…………と思うよ?


辺古山「先ほどから気になっていたのだが、その…」

十神『おい七海。貴様は先ほどから…言うことと言わなくていいことの区別もつけられないのか!一体何度言えば理解するんだ!いい加減にしろ!これで怪しまれて口を閉ざされたらどう責任を取ってくれるんだ!?』

七海「ッ…ご、ごめんね……次はちゃんとやるから。だからその、怒鳴らないで………ほしいな」

十神『怒鳴らないで欲しいならちゃんと指示された仕事をちゃんとやれと言ってるんだ!なにも難しいことは一つも………なんだ日向、』

七海「ごめんなさい、ごめんなさい…ちゃんとやるから怒らないで…」ぷるぷる

辺古山「いや、責めているわけではなくてだな…」あわあわ


……………

>廊下

日向「なあ十神。その、…あまり七海を責めないでやってくれないか」

十神「なにを言う。俺はこの女の足りていない部分を指摘しただけだ、なにも不当なことは言っていないが?」

日向「それはそうなんだが…その、七海はすこし特殊で…。素直な分、相手の裏の意図を読むのが苦手なところがあってさ…」

十神「ハン、こいつも高校生なんだろう?ならばなおさら叱って自分の不足を自覚させた方がいいだろう。もう半分大人なんだ」

日向「そ、そうなんだが……その、…」

十神「………なんだ。先ほどから歯切れが悪いな。俺が何か間違っていることを言ってるなら指摘してくれても構わないぞ」

日向「……………とにかく、怒鳴るのはやめてあげてくれ。頼む、俺からのお願いだ」

十神「……………」


……………

>武道場

七海「ごめんなさい、出来損ないで…ごめんなさい…」

辺古山「私が悪かった。すまないな、悪気はなかったのだがなにか七海の気にしているところに意図せず触れてしまったのだろう…七海は悪くなんかないぞ」

七海「ごめんなさい、ごめんなさい…、…怒鳴らないで…」

辺古山「ああ、怒鳴らないぞ。怒ってもいない。だから安心するんだ。な?」ぎゅっ

七海「ごめんなさい…ごめんなさい…」

日向『おい、七海!』

七海「…日向くん?」

辺古山「え?」

日向『とりあえず、一旦こっちに戻ってこい。な?ちょっと落ち着こう』

七海「分かった…ごめんね辺古山さん、ちょっと一旦戻るね」

辺古山「ああ、…そうだな。すこし休むといい」

七海「うん、ありがとう……」


ガラガラガラ……


>廊下

日向「七海!」

七海「ごめんね日向くん、十神くん。上手くできなくて…ごめんね」

日向「大丈夫だよ七海。誰も怒ってないから、七海はよくやってたぞ?な?」

七海「…ほんとに?怒ってない…?」

十神「……………ああ」

七海「よかった………」

十神「フン、……………俺もすこし言い過ぎた。悪かったな。あとは俺がなんとかするから戻ってくれていいぞ」

七海「でも………、」

十神「でもじゃない。イヤホンを渡せ。戻ってもいいと言ってるんだ」

七海「もう一回………」

十神「……………ん?」

七海「もう一回やらせてもらえないかな?」

十神「あのな…、」

日向「………十神」

十神「………チッ、じゃあ好きにすればいい」

七海「ありがとう、十神くん。次はちゃんとやるから……みててほしいな」

十神「………ああ」

七海「いってくるね」

ガラガラガラ……

十神「………たく」

日向「すまない。でもこれもあいつにとっての勉強なんだ。分かってくれ」

十神「ハン、そんなこと知ったことではない。これでちゃんとやってくれるなら文句は言わん」カチャ

七海『……ただいま、辺古山さん』


……………

>武道場

辺古山「ああ七海か。早かったな」

七海「さっきはごめんね?気にいないで……くれてもいいよ?」

辺古山「いや気にしてなどいない。むしろ七海は大丈夫か?その…」

七海「辺古山さんは悪くないよ。だから……」

辺古山「ならいいのだ。それならばな」

七海「うん。えっと、……話の途中だったよね。その、……辺古山さんの悩み、よかったら聞くよ?」

辺古山「そのいいのだろうか……無理はしなくていいぞ?」

七海「無理なんてしてないよ。辺古山さんが嫌じゃなかったら……だけど」

辺古山「ああ、ならば話そう。いや、そんなに大した話でもなくて恐縮なのだがな…」

七海「なんでも話して?私聞くから」

辺古山「その、………」


辺古山「最近もふもふにさわれてなくて落ち着かないのだ」


七海「もふもふ……?」

辺古山「そうだ。もふもふだ」

七海「もふもふかぁ…」

辺古山「……しょうもないな。すまない、こんな悩みで」

七海「いやそんなことない……と思うよ?」


辺古山「いいのだ。元よりなかなかわかってもらえないのでな……こんななりでもふもふとかいうのも変な話だろう」

辺古山「はあ、そのあたりに手頃なもふもふが落ちてないものか…」

七海「じゃあさ。もし誰かに……もふもふしたものプレゼントされたら、やっぱり嬉しい……かな?」

辺古山「そりゃあもう飛び上がるほど嬉しいぞ!……だが、まさか私がもふもふが好きだと誰も思わないだろうし、そんなプレゼントなど…」

七海「分かった」

七海「ちょっと、一旦戻るね。うん、すぐ戻ってくるから」

辺古山「え、ああ。」


ガラガラ

>廊下

七海「日向くん、十神くん、聞いてた…かな?」

十神「ああ、上出来だ」

日向「よくやったぞ七海」ガシガシ

七海「よかった…」

十神「そうと決まれば…九頭龍に報告してくるか」

日向「九頭龍に?」

十神「ああ、今回の依頼者は九頭龍だ。辺古山の悩みを調査してこいというな。お前らの協力には感謝する。じゃあな」

七海「私もいくよ」

十神「……九頭龍のところにか?」

七海「うん。私からも頼みたいことがあるから…」

十神「……まあいいだろう。急ぐぞ」

タッタッタッ…

豚神「…七海さんが十神さんサイドだったとは。やっぱ一枚上手だなぁ…マジリスペクトです十神さん」ぐぬぬ


………
……


澪田「おっ!やっと戻ってきたっすー!」

十神「待たせたな。情報は手に入ったぞ」

澪田「さすが白夜ちゃん!白夜ちゃんはまだ到着していませんから、情報の信憑性次第で白夜ちゃんの完全勝利っす!」うっきゃー!

日向「俺たちが証人になるから信憑性は完全だ」

九頭龍「…って、予備学科もいたのかよ。まあいい。はやく情報をよこしやがれ」

十神「ああ、いいだろう。七海、話してやれ」

七海「うん。えっとね、辺古山さんはもふもふに最近さわれてなくて落ち着かないんだって」

九頭龍「もふ…もふ…?」

澪田「もふもふっすかー」

十神「ああ、もふもふだ」

日向「もふもふねぇ…」

七海「もふもふだよ」

七海「でね、誰かからもしもふもふをプレゼントされたら飛び上がるほど嬉しいとも言ってたよ」

九頭龍「プレゼントか……」

澪田「きゃっはー!ここは冬彦ちゃんが行くしかないっすねー!」

九頭龍「は?なんでだよ!」

七海「明言はしてなかったけど、こういうのって一番身近なひとからもらうのが一番嬉しいんじゃないかって。その点では九頭龍くんが適任………だと思うよ?」

七海「私のことわかってくれてるんだ……ってさ、それってとっても嬉しいことだと思うんだ」

日向「七海…」

九頭龍「な、なんで俺がそんな…、やらしいだろ!」

十神「フン、お前が依頼したんだ。だからこの情報をどう活用しようがお前の自由。あとは分かるな?」

九頭龍「………チッ、わかったよ」


澪田「では二人の動向はまた唯吹が追ってリポートするってことで!今回は白夜ちゃんの勝ちっす!!」

豚神「いやぁ、さすがです。十神さん」パチパチ

十神「フン、当然だ」

澪田「これでお互いに一勝一敗!うんうんいい展開っすね~これで泣いても笑っても次が最後っす!」

七海「じゃあ私たちは部屋に戻るね」

澪田「りょうかいっすー!」

十神「協力に感謝する。しっかり休んでくれ」

日向「ああ、またな。十神」

九頭龍「感謝するぜ、またな」

十神「ああ」



十神「……それで最後の依頼者は誰だ?」

澪田「そうっすね、最後の依頼者は………この唯吹っす!」きゃっはー!

澪田「最後は唯吹の困りごと解決してもらうっすよー!!」

十神「……だろうな、とは思っていた。んで、依頼内容はなんだ」

澪田「クール!どこまでもクールっすね白夜ちゃんは!そこにシビれる憧れるゥ!!」ぐぎぎぎ

豚神「これが最後ですからね。気合い入ったのお願いしますよ澪田さん」

澪田「そこは安心してくれて大丈夫っす!飛びっきりのを用意してるっすよ!」


澪田「では発表するっすー!唯吹の困りごとは……」




1.バンド仲間がいないっす!だから一緒に演奏して唯吹を満足させるっす!
2.最近干からびてるっす!だからデートをして唯吹を満足させるっす!

安価↓


十神「ここで切る。フン、貴様に拒否権などない…」

なにこのエピソード長い
次、次で終わらすよ。うん


澪田「最近干からびてるっす!だからデートをして唯吹を満足させるっす! 」

十神「ほう…」

豚神「なるほどね。十神さんと交代で澪田さんをデートに誘って、より澪田さんが満足したほうが勝利ってことだね」

澪田「つまりそういうことっす!もちろんデートコースは白夜ちゃんたちが決めちゃってくれればいいっす!」

十神「フン、くだらん。最後の最後に随分と張り合いのないものがきたものだな」

澪田「チッチッチッ、白夜ちゃんは桜餅並に甘々っすねー。唯吹、最近そーいうことは随分とご無沙汰っすから期待度マックスMAXっすよ!!」

澪田「きっと憧れの白夜ちゃんのことだからステキなデートコースを提案してくれるはずっす!うっきゃー!ハードルは雲を突き抜けて遥か上空っすー!」

豚神「お互いに一対一。泣いても笑ってもこれが最後です。こちらも守るべきものがありますから、全力で行かせてもらいますよ十神さん!!」

十神「いいことを言ってる風だが俺はパクられ側の被害者だ。…フン、まあいいだろう。ここまできたらお前らの余興にとことん付き合ってやる。だがこれが本当に本当の最後だ。それだけは忘れるなよ?」

豚神「はいっ!絶対に僕のことを認めさせてやりますから!」

澪田「じゃあ、さっそくこの印付き割り箸で先攻後攻決めるっすー!」




この投稿のコンマが偶数で白夜ちゃん(オリジナル)、コンマが奇数で白夜(豚足)ちゃんが先攻


ほいっ

澪田「おっ!白夜ちゃんが先攻みたいっすねー!」

十神「フン、…じゃあ先に行かせてもらうぞ」

豚神「プレッシャーかかっちゃいますが、その分待ち時間でじっくり考えれるからよしとしますか」たはは…

十神「ところで時間はどのくらい取るつもりだ」

澪田「そうっすねー …あんまり時間かけすぎると次の白夜ちゃんの時に日がくれちゃうんで、きっかり一時間にするっす!」

十神「フン、十分だ。…行くぞ澪田。ついて来い」

澪田「うっきゃーさすが行動早いっすー!でももう唯吹、白夜ちゃんとデートってだけで興奮しちゃって心臓バクバクなんっすから少し落ち着く時間がほしいっすー!」ぐぎぎ

十神「お前が言い出した話だろう。そんな悠長なことをしている時間などない。ほら行くぞ、俺がお前の望むデートというやつに導いてやる」ぐいっ

澪田「うっきゃーーーー!!!強引な白夜ちゃんのリードに唯吹はもう頭とろけてどうにかなっちゃうっすーーー!!!」ずるずるずる



豚神「う、羨ましいです、唯吹さん…」ごくり…


………
……
….

てくてく…

十神(デート、か…)

十神(くだらん……)

十神(…………)

十神(……一生縁のないものだと思っていたが、……………)

澪田「さすがの白夜ちゃんでも女の子をエスコートするのには頭を悩ませるんすねー。さっきから白夜ちゃんうわの空が過ぎるっすよー?」なむなむ

澪田「デートなんっすから、こういう行き帰りの道でも会話を楽しまなきゃダメっす!減点対象っすよ!」

十神「フン、これが俺のスタイルだ。黙ってついてこい」

澪田「なるほど、白夜ちゃんは三歩後ろを歩く大和撫子を求めてるんっすね。ならば唯吹もあわせるっす」

十神「それでいい」



十神(……しかしどうしたものか)



1.そういえばこの前桑田がエスコートの仕方について何かほざいてたな…
2.とりあえず、適当にどこか入るか。(場所指定)
3.この際クラスの誰かに余興でもさせるか…(人物指定)
4.他

安価↓2


十神(フン、…その手があったな)

十神「おい澪田。これからお前には特別に俺の友人を紹介しよう」

澪田「ええっ!白夜ちゃんの友人にっすか!?」

十神「に、ではない。を、だ。ほら行くぞ。こっちだ」ぐいっ

澪田「そんな、そんなえっ、ちょっと、白夜ちゃんっ!ああもうどこまでも強引っすううう」ずるずるずるぅ

………
……



>葉隠の部屋

葉隠「……ってことで俺の部屋に来たんか?」

十神「…ああ。突然押しかけてすまないな」

葉隠「分かってるなら遠慮してほしかったべ…んで、そちらは」たはは…

澪田「澪田唯吹っす!今は白夜ちゃんのガールフレンド(仮)やってるっす!なにとぞよろしくお願いしまっす!えっと、そちらのお名前聞いちゃってもいいっすか?」きゃはーっ!

葉隠「俺は葉隠ヤスヒロだべ。しかし十神っちとは正反対のハイテンションな女性とお見受けするべ。どういう事情がしらねぇけど、十神のことをよろしく頼むって、一友人としてな。」

澪田「はい、分かりました!」ビシッ

葉隠「オカルト話じゃねぇぞ?真剣に付き合わねぇと、俺が十神に代わって末代までたたってやるからなっ!」

澪田「唯吹、絶対に白夜ちゃんを裏切るような真似はしないっす!だって、唯吹は白夜ちゃんの世界、いや銀河一の白夜ちゃんファンなんっすからね!!」

葉隠「それでよしっ!その目は嘘をついてないやつのそれだべ。お前になら十神っちを託せれそうだべ!俺の占いは当たる!当たるとおもったら当たるっ!」

澪田「やったっす!白夜ちゃんの友人に認めてもらったらもう怖いものなしっす!」うっきゃー!



十神「フン、コントはそのくらいにしておけ。さっそくだが葉隠、今日はお前に頼みがあってきたんだ」

葉隠「よかったべ、ほんとにガールフレンドを紹介にしにきただけってんならシャレにならなかったべ」

十神「まあ紹介もついでだ…ガールフレンドではないが…だがこの後に本題が続く」

葉隠「なるほどな。んで、なんだべ?できることなら協力すっけど…まさか、なにか余興でもしてくれってんならさすがに勘弁、」

十神「フン、そのまさかだ」

葉隠「…ほえ?」




葉隠「だべべ~~~~!!??」


ぐいっ

葉隠「いや無理だって」ヒソヒソ

十神「なんでもいい。お前の得意なもので構わん」ヒソヒソ

葉隠「っても、こっちにも心の準備ってもんが…」ヒソヒソ


澪田「チラッチラーッ」


十神「何かの形で礼はさせてもらう。いいな」ヒソヒソ

葉隠「拒否権ないべ……」はぁ…


澪田「なに二人でコソコソしてるんすか!唯吹、嫉妬しちゃうっすー!!」ぐぎぎ

十神「フン、まあ見てるがいい」

葉隠「だべぇ……じゃあ、せっかくだから二人の今後の運勢でも占うとすっか」

澪田「うっきゃー!恋占いはデートの定番っすね!」

葉隠「んじゃこの水晶………をみてても何もうつんねぇから、……トランプでシンプルに占うべ」

シャッシャッシャッ

澪田「白夜ちゃん、唯吹ドキドキしてきたっす~~~!!」

十神「騒ぐな」


葉隠「んじゃ並べるべ…」

サッサッサッ

葉隠「よし、これで準備は整ったべ」

十神「横に五枚、縦に五列か」

澪田「これはどういう占いなんっすか?」

葉隠「モンテカルロっていう有名なトランプ恋占いだべ。この表向きにした5×5枚のトランプを眺めて縦横斜めに同じ数字が重なったら取り除いて、残りの山札からおろしたり、横につめたりしながら、最終的にカードできるだけ少なくするようにするんだべ」

澪田「ふむふむ、それで少なければ少ないほど好相性ってわけっすね」

葉隠「そういうことだべ。まあまずはやってみるべ」

十神「澪田、お前がやってくれていいぞ」

葉隠「十神っちのことを考えながらやるべ」

澪田「言われなくても唯吹は四六時中白夜ちゃんのことしか考えてないっすよー!」きゃはーっ!



澪田「もっちで相性100パー目指すっす!さてさて同じ数の数字はいずこにあるでしょーっか」チラッチラーッ


※コンマ判定
98~90→サイコーっす!やばいっす!
89~60→なかなかっす
59~40→ふつうっす
49~20→うん、…。
19~01→……。
ゾロ目→ミラクル

安価↓


………
……


澪田「これとこれが一緒っすね、あ!これもっす。移動させて、またゲットっす!」

葉隠「すげえ!あっという間にカードがすくなくなってるべ!」

十神「フン、移動すべきか山札から出すべきかを判断できているあたり、見た目に反し頭は悪くないようだな」

澪田「インシュピレーションっす!んで今度はこれを移動させて山札からー……ひゃっほぅ!これで全部なくなったっす!唯吹てんさーいっ!!」

葉隠「こりゃもう文句無しの両思いだべ…」

十神「本人が目の前にいるが……まあいい。無粋な真似は控えよう」

澪田「白夜ちゃん!!」だきっ

十神「うわっ、なんだ急に」

澪田「唯吹は白夜ちゃんと両想いってことが分かって今猛烈に感激してるっすうううう!!!」ぎゅううううう

十神「やめろ、暑苦、……」

澪田「唯吹、本当に嬉しいっす…」ズビズビ

十神「……なにを泣いている。たかが占いだろう。…それに服が汚れるだろうが」

澪田「分かってないっすね~たかが占いだろうとなんだろうと、唯吹は嬉しいっす。だから今だけは許して欲しいっす…」ズビズビ

十神「…………フン、なら勝手にしろ」

澪田「白夜ちゃんツンデレっすか?」

十神「黙れ」

澪田「そんな白夜ちゃんも唯吹は大好きっすよー!」ぎゅううう

十神「はぁ、……」






葉隠「……俺、トイレ行ってくるべ。後はお二人でごゆっくり……って聞いてねぇか。だべべ~」

ガチャ…


後半へ続く
続くったら続く


ガチャン…

十神(葉隠のくせに気を利かせやがって…)

澪田「白夜ちゃんほどじゃないっすけど白夜ちゃんの抱き心地もなかなか至福っすね~」

十神「おい、いつまで抱きついている。デートの残り時間を消費する気か?」

澪田「唯吹としては白夜ちゃんとこうして近くに入れるだけで天まで登りそうなほど嬉しいっす。だから…」

十神「フン…、」


十神「……一つ聞いてもいいか?」

澪田「なんっすか?」


十神「何故お前らはこんなにも俺に入れ込むんだ」


十神「俺はお前らとは初対面だ。俺は有名人でもなければアイドルでもないし、はてはテレビや雑誌に露出した覚えもない。なのにお前らはどうして…、」

澪田「…初対面ではないっす」


澪田「白夜ちゃんにとっては唯吹たちは初対面でも、唯吹たちにとっては白夜ちゃんは初対面じゃないっす」


十神「…要領を得んな。どこかで俺を見かけたというのか」

澪田「唯吹もビャクラー族の中ではニワカの部類っすので…でも、白夜ちゃんはきっと白夜ちゃん自身が思っている以上に有名人っすよ」

澪田「その堂々とした佇まい、溢れるオーラとカリスマ性!ただ白夜ちゃんが道を歩いているだけで、街じゅうのみんなが振り向くっす!」

澪田「唯吹も最初はみんなこぞってなにを見てるんだろう?チラッチラーッしたのがきっかけっす」

澪田「しかしこの瞳に白夜ちゃんを捉えた瞬間にうっきゃー!もう唯吹のハートは白夜ちゃんの虜っす!」ぐぎぎぎ

十神(たしかに注目を浴びていたのは知っていた。だが、それはみすぼらしい姿の俺を珍しがった好奇の視線かと思っていたが…)

十神「……」ぶるるっ(寒気)


澪田「早速、唯吹は有志のファンクラブにも入って、オフ会に行ったり、署名活動や募金活動に参加したり、会費を払うためにせっせとバイトしたり……唯吹の学生生活は白夜ちゃんに捧げたといっても過言ではないっす」

澪田「ちなみに集められた会費は白夜ちゃんへの支援物資として服や食料にあてられて白夜ちゃんに届けられているはずっす」

十神「たまに道端で絡んでくる集団はお前らだったのか……」ぐぎぎぎ

澪田「まあ、いままで一度も受け取ってもらったことはないみたいっすけどね」

十神(だれが他人から…しかも道端で絡んでくる集団からの施しなぞ受け取るというのか)

澪田「白夜ちゃんと出会ったのも、そのオフ会っすね~その日は『白夜コスDAY』っていってみんな白夜ちゃんと同じ格好をして集まるオフ会だったっす」

澪田「その中でも一際異彩を放っていたのが白夜ちゃんっすね。もう何から何までクオリティが唯吹たちとは段違いっした。さすがファンクラブの中では”長老”と呼ばれるだけあって、白夜ちゃんのことならなんでも知りつくりてるっす!」


澪田「でも、それを棚に上げたりせず、決して気取ってない白夜ちゃんはニワカ丸出しの唯吹にも優しく接してくれたっす!何度か交流を深めるうちに仲良くなって、いまでは活動から派生した”白夜ちゃんコピーバンド”も鋭意活動中っす!」きゃはー

十神「ここまでくると嫌悪感を通り越して理解不能をも飛び越えて、もはや感心の領域に達する」

澪田「それだけ白夜ちゃんのカリスマ力は老若男女を動かす力があるっつーことっす!」

十神「フン、そして度を越したお前らはこの学園に入学するまでになってしまったのか。…もはやストーカーだな」

澪田「かはっ否定はできないっす!でもそれだけ活動が評価されたと唯吹は捉えてるっすよ」ぐぎぎぎ

澪田「でも、白夜ちゃんがこの学園に入学したってのは本当に偶然の産物っす!だって唯吹たちのほうが一年先輩なんっすからね!」

十神「妙だな…まあ逆だったならば本当にどうしようもなかったが」

澪田「そう!だからこそ唯吹はこれが奇跡だと思ってるっす!きっと唯吹たちのディープラブに天が答えてくれたんっすね!きゃっはー!他のビャクラー族に嫉妬されちゃうっす!」かはっ!

澪田「あっ決して学園長に直談判したわけじゃないっすからね!そこは唯吹たちもプライドがあるっす!!」


十神「まあ俺に実害がない分はどうでもいい。現にこの学園にいて今日までお前らの存在には気づかなかったからな」

澪田「こんな広くて狭い校舎っすから、会いに行こうと思えばいつでも会いにいくことはできたっす。ただ、ビャクラー族の間でルールがあって」

澪田「”白夜ちゃんに迷惑をかけない”ってことが大前提として掲げられてるっす」

澪田「つまり”みだりに後をつけたり、積極的に近づいていったり、私物を盗んだり”するのはビャクラー族の間では御法度とされていて、ばれた暁には数多にのぼるビャクラー族からフルボッコにされた上、今後一切関わらないという血判状を書かされたあげくに村八分っす」

澪田「唯吹は過去にそんな目にあったビャクラーを何人も見ているので、決してそんな真似はしなかったっす」

十神「民度は高いようで安心した」

澪田「でも偶然出会った場合のみ、間近で観察したり、迷惑にならない程度に会話を交わしたり、触れ合ったりすることが特別に許されてるっす」

澪田「だから、廊下で白夜ちゃんとばったり出くわした時は、もう頭がショートしちゃって!」

澪田「あ、唯吹、逃げる白夜ちゃん追いかけちゃってましたね。でもまあ他のビャクラー族には見られてないっすからセーフっす」たはーっ

澪田「だって唯吹、本当に嬉しかったんっすから!仕方ないっすよね!」


十神「とにかく、……お前らの思いはよく伝わった。受け取るかは別としてな」

澪田「こうして思いを直接伝えられただけでも光栄の極みっす!だからもうこれで充分っす」

十神「フン、だが忘れたとは言わせないぞ?この勝負に俺が勝ったらお前らは一切俺に関わらないという約束…」

澪田「ふむむぅ?十神ちゃんも忘れているようっすね~。最後のジャッジを決めるのは他でもない唯吹なんっすよ?」

十神「お前、まさかはなから…」

澪田「たっはー!どうやらタイムアップっす!今回はここまでっすよ~」ガタッ

十神「おい、」

澪田「短い時間だったけど楽しかったっす。ありがとっす白夜ちゃん!唯吹とのデート楽しかったっすか?」

十神「フン、どうだろうな」

澪田「白夜ちゃんらしい答えっす」


澪田「でも最後に一つだけ」


澪田「白夜ちゃんには唯吹たちをはじめとしてたくさんの応援している人がいるってこと。そのことをどうか忘れないでいて。」


澪田「…へへ。照れるっすね。これだけはちゃんといっときたかったっす。さっ、帰りましょっか。白夜ちゃんがきっと待ちぼうけしてるっす」

十神「そうだな…その答えは考えておくとしよう」

澪田「よーしっ、じゃあ白夜ちゃんのところまで競争っすー!」きゃははー!!

タッタッ

十神「最後まで元気なやつだ…」やれやれ

十神「………フン、」


………
……


澪田「ただいま帰りましたっ~!」うっきゃー!

豚神「も~すっかり待ちくたびれちゃったよ。じゃあ次は僕の番だね」よっこらせっと

澪田「そうっすね!じゃあ次は白夜ちゃんがお留守番を…」

十神「その必要はない」

澪田「え?」


十神「俺はこの勝負を降りることにした」


豚神「え?それってつまり……、」

十神「フン、お前らの存在を認めてやってもいいということだ」

「「え、…ええええええええええええ!!?!?」」

澪田「うっきゃー!白夜ちゃんマジ最高っす!!もう大好きっ!!!」ぎゅううう

豚神「え?え?どういうことですか!?て、ズルイよ澪田さん!僕も!!!」ぎゅううううう

十神「やめろ、!、暑苦しい、!」ぐぎぎ

澪田「もう唯吹たちは影でこそこそ活動せず、公認の下に活動を行えるんすね!うっきゃー!嬉しさで頭がおかしくなるっす!!」

十神「おい、誰がそんなことをいった。話は最後まで聞け!」ぐぎぎ

豚神「澪田さん、とりあえず離れて十神さんの話を聞こうよ」ささ

澪田「そうっすね」ささ

十神(聞き分けがいいな)


十神「コホン。あー、確かにお前らのことは認めてやる。だがあくまで”特別に”だ。決してお前らの活動全体を公認したわけではない」

澪田「えーーっ!」

十神「だが、存在の否定はしない。俺自身も今後も一切関わるつもりもない。つまり”勝手にしろ”ということだ」


十神「……言いたいことは分かるな?」


豚神「そんな、うっ……ぐすっ……」

豚神「光栄の極みですぅ……ひっく」

十神「男が泣くな。見苦しい」

豚神「ひっく、でも、嬉しくて…」

十神「フン、大げさな。泣くほどのことか」

澪田「だから言ったじゃないっすか!唯吹たちにとって、白夜ちゃんに存在を認識してもらえるだけでも身に余る光栄っす!」

澪田「必死に応援してきた声がやっと本人に通じた。それだけでもう唯吹の胸は風船のようにはち切れそうっす!」


十神「…フン、貴様らの気持ちなど知ったことではない。…勝手にしろ」

豚神「はいっ!勝手にします!」

澪田「これからも唯吹たちは勝手に白夜ちゃんを応援して、勝手に白夜ちゃんを見守っていくっす!」

豚神「そして勝手に十神さんの三歩後ろを追いかけ続けます!」

澪田「うっきゃー!勝手勝手言い過ぎてゲシュタルト崩壊っす!」

豚神「でもそれが、」


「「ビャクラー冥利!!」」


……その後あいつらは廊下で狂喜乱舞の踊りを始めやがったので俺はドサクサに紛れて自室へ逃げ戻った。

いち早くそのことに気づいた澪田が追いかけようとしたようだが、”ビャクラーの掟”を気にしてか二度足を踏み『ぐぎぎぎ』とその場でのたうちまわっていた。…変なところで律儀なやつらだ

ビャクラーか……意図的に追いかけてきたり、待ち伏せしてきたり、私物を盗んできたり……そういうことをしてこないだけの良識がある分、まあ良しとするか。……だが一応なにかやらかしたら解散させる血判状でも作らせるべきだったな


『白夜ちゃんを応援している人がいるってこと。そのことをどうか忘れないでいて』


フン、くだらん。

応援など、いつ誰が求めたというのか。



……まあ勝手にすればいい

俺は知らん。




………次に”偶然”鉢合わせした時、


その時にまた思い出してやるとしよう


フン………、



絶望☆二人の白夜ちゃん! 編 おわり

生存報告ーっ!
前回の投稿からもう一ヶ月て…

純粋に忙しいのと、次の話のネタが思いつかないのダブルアタックです。ごめんちい

書きたいことはあるんで、その、…気長に待っててね!!



☆(いまさら)登場済み先輩まとめ

豚神>>十神白夜の追っかけ、通称ビャクラー族の長老的存在。服装や髪型の薄汚れ具合など細部に渡るコピーはおろか、戸籍を変更し名前まで同姓同名にしてしまうその『超高校級のビャクラー』のクレイジーさとは裏腹に、その性格はというと人当たりがよく、いたって良識的である。

澪田>>ビャクラー族ではニワカの部類だが、豚神と友好関係にあり、族から派生した”白夜ちゃんコピーバンド”を主軸に活動をしている。ゲリラライブも度々行っており、それに影響されビャクラー入りする若者も後を絶たない『超高校級の活動家』。

九頭龍>>普段は悪ぶっているが(甘いものを摂取するなど)テンションが上がると途端にまばゆいばかりの後光が指してしまう『超高校級の極楽道』とかいうよく分からない体質。本当によく分からない。

辺古山>>九頭龍の幼なじみてきなあれ。展開の都合でまだ欠点がよく分からない。今後に期待。

このスレの舞台裏とか見たいな

定期的に保守してくれている人ありがとうございます!涙がちょちょぎれる

今夜か近日中に更新できると、思います!



>>251 舞台裏?

桑田「ことあるごとに肩外れる演技するの大変だぜ全く…最近はすくねぇけど」ポキポキ
朝日奈「なにいってんの!水中で気絶してるフリよりは全然楽じゃん!」
霧切「もう限界よ…いい加減頭がどうにかなってしまうわ……」プルプル
葉隠「ん?俺は自然体で演技してたべ」


こういうのですか?わかりません(><)


大体のことに説明がつく、のか…?

まあもっとも劇中劇なんて裏設定はございませんので、残念じゃない残姉が見えるのはこのスレだけ!やったね!


ではボチボチ投下します


霧切「…というわけよ。ここまで言えば分かるわね……?」

>>Ep.010 お前の頭はさながらフレンチクルーラー

苗木「いやぁ、その…」

霧切「りかいりょくがないのね……」はぁ

苗木「霧切さんにだけは言われたくなかったな、それ」

霧切「もう一度言うわ。私の家にはいま…そう、15匹のカメちゃんがいるの。どれもこれも大きく育ってしまってみんな狭いすいそうできゅうくつに過ごしてるの……」

苗木「うん」

霧切「かわいそうだと………思わないのかしら……?」

苗木「それは思うよ」

霧切「だったら………」

苗木「いや、だからそれとこれとは話が別だってボクは言いたいんだけど…」はは…

霧切「苗木くんって不感症なのね。しつぼうしたわ……」

苗木「それをいうなら冷血漢、かな?」

霧切「もういい…ふん」タッタッタッ


桑田「……苗木お前、まーたアホ切に絡まれてたのかよ。ご苦労なこったな」

苗木「まあね、ここんとこ毎日あれだよ…」はぁ

桑田「クラス一通り声かけてみんなに門前払いくらってっから、苗木にいかに押し付けるか必死なんだろ」

苗木「いい迷惑だよホントさ」たはは…

ガラガラガラガラガラ!!!!!

石丸「諸君ッ!!!静粛にしたまえッッッッ!!!!」ビシィッ!!!!

大和田「きゅ、急に大きい音立てたらヒビんだろうがごらああああああ!!!!!!」ビクビクゥ!!!!

江ノ島「むしろお前らがうるさいっつーの」鼻ほじー

戦刃「盾子ちゃん、いくら暑いからってスカートめくってうちわで風送るのはやめようよぅ」あせあせ

腐川「全くどこの女子校生よ……」

山田「んー、モロパンは逆にありがたくないですなぁ……いや、アリか、いや…」むむむ

朝日奈「キモい」


石丸「……」

苗木「ちょっとみんな、石丸クンの話を聞こうよ(なんか目が怖いし)」

ザワザワ……ひそひそ……

「「…………」」

石丸「………」カチッ

石丸「…!、……ッ!!」ぶわぁっ!!!

不二咲「ど、どうしたの、石丸くん…?」

石丸「僕は悲しいッッ!!!皆が静かになるまで1分13秒!!!1分13秒もかかってしまったッッッッ!!!!」鼻水ブッシャーッ

山田「今度はどこの校長先生ですか…」

大和田「ちと大げさだろ…」

石丸「何を言う!1分13秒だぞ1分13秒!!皆の気が緩んでいる証拠ではないのか!!!否ッ!!緩み切ってる!!!これが七月ボケなのか!!??それとも僕の指導力が足りないというのか!??どちらにせよ誠に遺憾ッッッッ!!!!」

石丸「遺憾だ遺憾んんんんッッッッ!!!、!!!」鼻水ズルズルブッシャーッ!!!!

江ノ島「やーい!泣かした泣かしたー!せんせーにいっちゃーろー!」ぎゃはは!!

腐川「煽ってんじゃないわよ……」


不二咲「とりあえずみんな石丸くんに謝っとこうよぉ」

大神「そうだな…すまなかった、石丸よ。すぐに皆を静かさせなかったこと、これは我の手落ちだ」

山田「なんで比較的静か組から積極的に謝ってるんですかねぇ…」

朝日奈「ううん!さくらちゃんは悪くないよ!!一番最後まで騒いでたの男子だし!!主に桑田!!」

桑田「あぁ!?おめぇだって黙るのこそ早かったが最後の最後までドーナッツもぐもぐしてたじゃねぇかよ!!」

朝日奈「し、してないもん!」

セレス「あら、朝日奈さん、お口に…」

朝日奈「えっ!?ついてる!?」ふきふき

セレス「ついてる……とは一言も言ってませんでしてよ」ふふ

朝日奈「え?……ちょっとぉお~!!」

桑田「ほーらやっぱりもぐもぐしてたんじゃねぇかよ、このくいしんぼう」やーいやーい

朝日奈「う、うるさいなぁ!それとこれとは関係ないでしょ!?」

モノクマ『うっぷっぷっぷ!』

ガヤガヤガヤガヤ


ガタッ

霧切「……ふもうね」

霧切「誰が一番うるさかっただとか、誰がもぐもぐとくやしくドーナッツをむ…むさ…」

苗木「(卑しく、貪ってって言いたいんだろうな…無理に難しい言葉使わなくていいのに)」

霧切「むさ…ム……、、」

霧切「……つまり、ふもうだと言いたいの。……ここまで言えば分かるわね……?」キリッ

苗木(諦めた)

葉隠「そういうことだべ!だからみんなとりあえずこの場は静かにして、大人しく石丸っちの話を聞くべ!じゃねーと、…いい加減話が進まねぇだろ!」キリッ

江ノ島「さんせーい!つーわけで、今から喋ったやつは死刑ねー!はい、よーいスタート!!」パンパン

「「………!!」」


石丸「………ッ!ッ!!…ッ!?」

((お前は喋れよ!!))


………
……


石丸「…と、いうわけだ!ここに範囲の書かれたプリントを貼っておく!各自目を通し、精々勉学に励み、高校生として恥ずかしくない結果を残すように!以上、解散!!」ビシィッ!!

ガラガラガラガラ!!ビシャン!!!

大和田「なんかとおもったらテスト範囲の発表かよ……」

山田「そういえばもうそんな時期ですなぁ……」

朝日奈「えーーー対策とか何もしてないし、どうしよぉ、さくらちゃん~」

大神「焦るでない。我らはまだ一年生だ、内容も基礎的な範囲。あと二週間、真面目に努力すれば結果はついてくる」

朝日奈「はーい…」


桑田「真面目に努力ね~俺そういうの一番ムリだわ~」はんっ


苗木「まあそう言わずに頑張ろうよ。夏休み補習で埋めちゃってもいいの?」

桑田「はんっ!補習ってアレだろ?欠点とっちまった奴のアレだろ?ねぇって!まだ一年生のこんな段階で赤点とかありえねーって!なあ?」

葉隠「だべ。桑田っちのその謎の自信がどっから湧いてんのか気になるけっど、普通に授業を理解してればそうそう赤点とかねぇべ」

桑田「そゆこと!こんな一年の一学期の期末からんなダッセー真似できるわけねーじゃんマジで!」

朝日奈「ふーん、言うじゃん。中間で奇跡的に赤点なかったからって調子のってると痛い目見るんだから。ま、それだけ大見得切って結局赤点とか取っちゃったらホントどうしようもないけどさ」

桑田「だから赤点なんか取らねーっての!マジでアリエネー」

朝日奈「じゃあさ!もし一つでもとったらみんなにドーナッツでも振舞ってもらおっかな~!それも教室に溢れるくらいのドーナッツ!どうせ取らないんだからこんくらいの約束できるでしょ?」

桑田「いいぜ!ドーナッツでもベーグルでもなーんでも好きなやつを好きなだけ作ってやるよ!…そうだな、クラスと言わず全校生徒、なんならプロペラで空からばらまいてやるよ!………ま、赤点とかありえねーから実現はしないだろうがな」オレカッケー!

ザワザワザワザワ!


朝日奈「えっ本当に!?その約束忘れんじゃないわよ!?」

苗木「ちょっと桑田クン、いくらなんでもその約束はムチャじゃない!?」

桑田「へんっ男に二言はねーってのっ!」

朝日奈「言ったからね!男に二言はなしだからね!一つでも取っちゃったら絶対ゼッタイぜーったい実現してもらうから!!」

桑田「おうおう、せいぜい結果を楽しみにしてろってこった」ケッケッケッ

苗木「なーんか悪ぅい予感がするんだよなぁ…大丈夫かなぁ…」

セレス「ふふふ、これは面白そうなことになってきましたわね」

江ノ島「うっぷっぷっぷ」


ーーーいやぁまあなんつーか、
最初はそんなに真剣には考えてなかったんっすよ
言ってもあと二週間もあるし、なんだかんだで大丈夫だろうと

つかなんかあんだけ大見得切って必死に勉強するのかっこ悪くね?っていうか
『え、俺?全然してねぇーし!』とか余裕ぶってみてーじゃん

な、そうだろ?そんなもんだろ?

………
……


桑田「そうして気づいてみたらテスト3日前だった」

苗木「いままでなにしてたのさ…」

桑田「どうもこうもこのザマだぜ…」

苗木「自業自得じゃん…」

苗木「調子にのってゲームばっかしてるからだよ」

桑田「明日から本気出せばなんとかなると思ってた」

十神「普段からためてないやつがどこから本気を絞り出すというのか」

桑田「何も言えねぇ」

苗木「で、どうすんの、これ」

桑田「わかんねぇから苗木の部屋に来てんじゃねぇかよ…」

苗木「でもさぁ、ワークの基礎問題の初っ端からつまづいてる状態だしさ…」

桑田「だってわかんねぇーんだよぉ~公式も見たことねぇのばっかだし!」

苗木「先週の授業で嫌になるほど問題解いたじゃん…まあ、もっとも桑田クンは寝てたみたいだけど…」


桑田「どうしようガチで。マジでアリエネーって。つかヤバくね?」

苗木「もう諦めなよ」

桑田「簡単に言うなよ…分かってんだろ?」

苗木「……朝日奈さん?」

桑田「あいつ、最近会うたびにプレッシャーかけてくんだよ、『どう?勉強すすんでる?そろそろプロペラの手配しといたほうがいいんじゃない?笑』ってよぉ…」

苗木「なんであんなよく分からない約束したのさ…いまからでも謝って取り消してきなよ…」

桑田「んなカッコ悪りーことできねぇよ…クラス中の奴らのまえで大見得切ったのに、直前でチキって取り消しとかマジで卒業までの笑いものじゃねぇかよ…」

十神「身から出た錆だろ。それが嫌なら赤点を少しでも回避できるよう
死ぬ気で頑張るんだな」

桑田「それは分かってんだよ!分かってんだけどよぉ…あー、過去の自分を殴りに行きたいアポアポアポアポ…」

ガチャ!

??「話は聞かせてもらった!」


↓ 突 然 の 人 物 安 価 下 ↓


い、石丸ううう

んじゃま気になる続きはまた明日(以降)ということで、ではでは


石丸「話は聞かせてもらったぞ兄弟いいいッッッ!!!!」ビシィッ!!!

バアアアアアン!!バシーーーンッ!!!

苗木「うわっビックリしたぁ……」

十神「おい、ドアは丁寧に閉めろ。壊れたらどうする」

石丸「詳しい事情は知らない……否ッ!理由などどうでもいいのだ。ただ兄弟がとても困っていることはよく分かるぞ!僕には!分かる!!しかしなぜそれを僕に相談してくれないんだ!?困った時には助けあう、それが兄弟というものだろうう!!!???」


桑田「さすが兄弟!そうなんだよ俺困ってんだよ!助けてれってマジで!!!」

石丸「なにやら兄弟には絶対に赤点を取れない事情があるようだ…フン、普通に授業を受けていれば赤点など些事ほども気に留めるものではないが、兄弟は少々頭の出来が悪いからな。おまけに授業も聞かない、宿題もしない」

桑田「う、…」

石丸「だからあれほど僕は普段から…!!……いや、今は現実を見るべきだ!そう、これからいかに赤点を回避すべきかッ!」

桑田「そ、そうなんだよ!なんかなんかいい方法ねぇかな?な?な?」

石丸「ないことはない。だが、兄弟に耐え切れるかどうか…」

桑田「この際赤点が回避できるならなんでもいい!そのための方法を教えてくれ!!」

石丸「いいだろう。兄弟のためだ。僕は鬼にでもなるぞっ!!!!その方法は……」

桑田「その方法は……?」






石丸「サウナ勉強法だあああああああ!!!!」
桑田「どーせんなことだろうと思ったぜええええええ!!!!」


石丸「何を言う!侮ることなかれよ兄弟!サウナという極限状態に自分を追い込み、その上で覚えるべきことを片っ端から叩き込んでいくのだ。もちろん、全てを完璧に覚えるまで出ることはおろか水分さえも断つ!!本能的な危機反応とその対応力を最大限に引き出す勉強法なのだッッッ!!!」ビシィッ!!!

桑田(ねぇわ…)
苗木(ちょっとね…)
十神(………)

石丸「フッハッハッハッ!なーに安心したまえ!そんなことで人は死にはしない!なにせ現に僕はピンピンしている」

桑田「そういう問題じゃ…、」

石丸「さあっ!この押し問答している時間すらも僕らには惜しいッッッ!行くぞ桑田くん!」ぐいいっ!!

桑田「うわああっ、ちょい服ひっぱんなって!うわっちょっおいっ!!」ぐいいぃ~

石丸「ではしばし桑田くんをお借りするとしよう!なーに命の保証はするさ。もちろん、成績のほうもな!僕に任せれば全てが万事解決だッッッ!!フッハッハッハッ!!!」

ガチャ!バーンッッッ!!
<助けてくれえええぇぇぇぇ……
ズルズルズルズル……


苗木「ど、どうしよう。石丸クンに連れ去られちゃったよ…」

十神「石丸のやつめ……」


十神「ドアくらいちゃんと閉めていけ、壊れたらどうするんだ全く」キーガチャン
苗木「いま心配するのはそこじゃないでしょ!?」


十神「ほっとけ。石丸もさすがに人は殺さんだろう」ペラッ

苗木「いやいやいや!のんきに読書なんかしてないでさっ!?」

十神「騒々しいやつだな。あいつは少し痛い目を見とくぐらいがちょうどいいんだ。そんなに心配なら一人でサウナ室の様子でも見てこい。巻き込まれても俺は知らんがな」ペラッ

苗木「どうしよう…」




1.今すぐ様子を見に行こう
2.ちょっと時間を置いて様子を…
3.ま、いっか。そのうち帰ってくるでしょ

安価↓


苗木「うーん……じゃあここは石丸クンを信用して、あとでチラッと様子でも見に行こうかな」

苗木「ボクも宿題とか終わらさなきゃだしね」

苗木「うん、よーし頑張るぞ」

カキカキ……

………
……


……そして一時間後

>大浴場前

苗木「と、勉強に集中してたら結構時間経っちゃったけど、…さすがに死んではないよね?」あはは…

苗木「というよりまだいるのかな?失礼しまーす」

ガラガラガラ……

霧切「……あら、苗木くん」

苗木「あ、霧切さん。どうも…ってちょっ、なんで霧切さんいるの!?」

霧切「なんでって……体を洗いにに決まってるじゃない……」

苗木「まあそうだよね。それ以外で大浴場で裸で突っ立ってる理由が……って裸!?ちょっと、その、そこらへん隠してよ!!」あせあせ

霧切「?、なんでお風呂に入ってるのに体を隠さないいけないのよ」

苗木「なんでって、そりゃ裸で入るのは普通だけども!こうやって男とかが急に入ってきたら恥ずかしさとかでキャーって、その、局部を隠すとかさ!」

霧切「きょくぶ………?」

苗木「あーなんていうか、その男のロマンっていうかさ!…うん、とにかくこのバスタオル巻いて、ゴメン!」あせあせ

霧切「……苗木くん、あなた今日変よ?」

苗木「変でもなんでもいいから、とにかく!ゴメン!」

霧切「いいけど………」


クルクル……

霧切「これでいいのかしら……?」

苗木「ああ、ありがとう。助かるよ」

霧切「そう………。で、苗木くんは何しにここに来たのかしら?服を着たままだけれど……」

苗木「あ、そうそう忘れるところだった!霧切さん、石丸クンと桑田クン見なかった?たぶん奥のサウナにいると思うんだけど」

霧切「そうなの?ただ私がここに来てから誰ともここで顔を合わせていないわ。苗木くんが来るまでね」

苗木「そっか、じゃあ霧切さんが入ってきてから今までずっと篭ってたってことか……」

霧切「そう言われてみれば確かに奥から罵声やケモノのうめき声みたいなのが聞こえてきてたわね……」

苗木「なぜ不審に思わなかったの……」


霧切「気に留めていなかったわ……とに
かく奥に桑田クンと石丸クンがいるのね?」

苗木「そういうことかな。で、服着たまま入るのもなんだし、悪いけどちょっと中の様子見てきてくれないかな?」

霧切「いいけど………苗木クンも服を脱いで中に入ってくればいいじゃない」

苗木「いやぁ…、なんていうか…。(霧切さんといえど女子の前で裸を見せるのはなんかなぁ…)」

霧切「そう……。まあ、いいわ。中を見てくればいいのね?」

苗木「うん、よろしく」

霧切「仕方ないわね……」

とてとてとて……


霧切「煙で中がよく見えないわ……」

苗木「話し声とかもしない?」

ぴとっ

霧切「そうね……。話し声はしないけど…ハァハァハァって息遣いが聞こえるわね……」

苗木「中にいることは間違いなさそうだね」

霧切「あと時々タオルが擦れる音とか、あぁっ…うっ…やめっ……みたいな声も、」

苗木「あ、そこの描写は詳しくしなくていいや」

霧切「そう………で、どうするの?」

苗木「そうだな……」


1.突入…しよっか?
2.でも巻き込まれるの怖いし、中の様子を伺いつつ外で待っとこうか

安価↓


苗木「まあ生きてることは確認できたし、ちょっと外で様子見がてらに待たせてもらおうかな」

霧切「そう。なら苗木くんもお湯につかって待つといいわ。浴場の入り口で服着たまま立ってたから汗がダラダラよ」

苗木「ホントだ。汗でちょっとシャツがびちょびちょだね……でも、まあ大丈夫だよ」

霧切「そのままだと風邪引くわよ?着替えた方がいいわ。ほら」グイグイ

苗木「大丈夫だって、てか自分で脱げるから!ちょっと、霧切さん積極的ッ」あせあせ

グイグイ、びりっ…
ブチッ

苗木「あ、ボタン…」

霧切「邪魔するから…」


霧切「そうね……ズボンとパンツは自分で脱いでもらえるかしら…///」

苗木「なんかそういうとこはちゃんと恥ずかしがるんだよね」

苗木「はぁ、ここまで脱がされたらもう入るか……」ぬぎぬぎ

霧切「……準備はできたかしら///」チラッチラッ

苗木「うん。全部脱いだよ(もちろん大事なところはバスタオルで隠させてもらってるけどね)」

霧切「そう……。じゃあそこに座ってもらえるかしら。背中を流してあげるわ」

苗木「え、いいよ。汗流すだけで」

霧切「だめよ。ちゃんとキレイにしなきゃビョーキになるわよ」

苗木「お、大げさだな……」

霧切「ふふ。苗木くんは特別にこのカメちゃんできれいにしてあげるわ」ごそごそ

苗木「え?カメ?」

霧切「そうよ……よく汚れが落ちるから重宝してるわ」

苗木「汚れが?カメで?……あ。」

霧切「学園ちょ…じゃなくてお父さんが買ってきてくれたのよ…」

苗木「それは、…」

霧切「そう。カメちゃんタワシよ……」ドヤァ……

☆参考画像
http://download5.getuploader.com/g/muru213/5/image.jpg


苗木(痛い。これは痛い。やられる自分が。てかそもそも体を洗うものなのかそれ)

霧切「さーて、始めるわよ」

苗木(霧切が気合を入れて腕まくり…のポーズ…をしだした。これガチだ)

苗木「ちょ、ちょっとストップ」

霧切「……どうしたの?」

苗木「ちょっと、それで背中をこするのは少し痛いんじゃないかなーって……」はは…

霧切「そうかしら」

苗木「そうだよ」

霧切「でも汚れはよく落ちるわよ?」

苗木「体の?」

霧切「ええ。お父さんも泣いて喜んでくれたわよ?」

苗木「え、お父さんとお風呂入ってるの?」

霧切「そうじゃないわ。父の日に背中を流してあげただけよ」


苗木「そ、そうなんだ」

霧切「ええ、これお父さんから誕生日プレゼントにもらったものなの。でも汚れを落とすのに使うのが可哀想だからずっと飾ったり散歩したりしたりしてたのだけれど。でもそのままじゃタワシとしての使命が果たせないとおもって、お父さんで初仕事を果たしてもらったのよ……」

苗木(散歩…?)

霧切「苗木くんにもこの学園にきてからとてもよくしてもらってるから……感謝の意味を込めて、カメちゃんで背中を流してあげようと思ったのだけど……」

霧切「迷惑だったかしら……」

苗木「そ、そんな迷惑なんか…(おい、その流し方はズルイぞ)」

霧切「だったら……」

霧切「ここまでいえば分かるわね?」ジャキン

苗木「うん、わかったよ…霧切さんに任せるよ(男を見せろ苗木誠)」

霧切「じゃあ行くわよ」

苗木「うん……」

ガシ

霧切「はっ!」

ガシガシがしがしがし!!!

苗木「痛ッ!?ちょ痛いって痛いいいたいたいたいたいたいたいたたい!!?!?!?」

霧切「どう?痒いところはないかしら?」ガシガシがしがしがし!!!

苗木「タンマタンたいたいたいたいたいたいたああたねやはにたかな!?!?!?」ジタバタ


霧切「ふふふ……」ガシガシがしがしがし!!!!

ガラガラがっしゃーーーーん!!ばーーーん!!!

石丸「騒がしいッッッ!!!!!神聖なサウナ空間に不快な叫び声を響かせてるんはどこのどいつだゴラァ!!??!?!?」ビシィ!!!

霧切「あ、出てきた……」ガシガシがしがしがし

苗木「あだだだだだ!!!!!」ジタバタ

石丸「な!んな、ッ!?!?学校の浴場で裸の男女が、カメタワシで皮がすりむけるほどこすりあっているゥ!?一体これはどういう、とど、どういうことかね!?説明したまえ
苗木くん!?」

霧切「私は苗木くんに日ごろの感謝を込めて背中を洗ってあげていただけよ」ガシガシがしがし

石丸「感謝だと!?否、それは特別な感情があって行為に及んでるのではないのかね!?」

霧切「違うわ。この気持ちは私のお父さんに対する感情と一緒のものよ……」ドヤァ…


石丸「なるほど。ならば不純異性交遊ではないということか。フン、ならいい」

苗木「石丸くんの判断基準がわからないけど、とにかく、霧切さん!ここで終わり!日ごろの感謝はおしまい!このままだともうボクうつ伏せにしか寝れなくなるから!!」

霧切「ええ……」しょぼん

苗木「そんな顔してもダメ!ていうかそんなことより、石丸クン!桑田クンは!?」

石丸「桑田くんかね?もちろん、サウナで僕と一緒に勉強中だ!!なんだ苗木くんも混ざりたかったのかね!!一言そういってくれたら、」

苗木「ちがうちがう!!ボクはいいんだけど、その……どう?桑田クン勉強は順調?」あはは…

石丸「当たり前だろう!ボクを誰だと思っている!僕のサウナ式勉強法で見事、桑田クンはまるで別人のように、それはそれは見違えるほど熱心に暗唱を繰り返しているぞ!!!」

石丸「このまま順調にいけば、赤点回避は間違いないだろう!!」ふっはっはっはっはっ

苗木「そう、ならいいけ…、」

その時ボクは見てしまったんだ。
解放された扉から湯気が放出され、その隙間から見えた人影を……

そう。虚ろな目でしきりに何かをブツブツとつぶやいている桑田クンの姿を見てしまったんだ…

苗木(あ、これあかんやつだ)


苗木(どうしよ、桑田クン完全に目が死んでるし…石丸クンは悪気はなさそうだけどそのことに気づいてなさそうだし…)

石丸「……くん!」

苗木(とりあえず一回外に連れ出して涼しい空気に当てた方が……)

石丸「苗木くん!!!」ビシィ!!!

苗木「うんぁ!?びっくりした、耳元で大きな声出さないでよ…」

石丸「何やら先ほどからサウナ室をじーと見ながら考え事をしているようだが……」

苗木「あ、うん、ゴメン。全く関係ないこと考えてた」あはは……

石丸「?…そうか」

苗木(とりあえず桑田くんをサウナから出さなきゃ。でもどうしよ)


苗木(この空気を変える何か……!!)



ガラガラ~

??「るんるーん、お風呂はいろー」

救世主現るか!?

安価↓2

連投なので、一個下で



ガラガラ~

葉隠「るんるーん、お風呂入るべー!」

苗木「あ、葉隠クン!」

葉隠「おおっ、これは苗木っち!それに石丸っちと霧切っちまでいるべ!今日一段と賑やかだなぁ~……、ってなんで霧切っちもいるんだべ!?」

霧切「なによ。いちゃいけないの?」

葉隠「いやぁ…、浴場で裸の男二人が女一人を囲んでる状況って、なんかいろいろとアウトじゃねーかなーって思うんだが……」

石丸「なっ、なな、言われてみれば確かに…、」

霧切「いいえ。私たちの間には父親と娘の間のそれと同じ感情しかないから問題はないわ」ドヤァ…

葉隠「……へ??」

苗木「いやどういうことだよ」


霧切「ふふふ…」

石丸「つまり、そういうことなのだ葉隠くん!!これは決して不純異性交遊ではないから安心したまえ!!!」ビシィ!!

葉隠「はぁ…、まあなんでもいいべ。俺は湯船につかりにきたんだって!ちょっくらお邪魔するべぇー」

ジャバジャバ

葉隠「ふひぃ~、体の筋肉がほぐれるべ~」モミモミ

霧切「……お父さんみたい」

苗木(って、こんなことをしている場合じゃない!桑田クンを助けないと!)

苗木「それはそうとさ葉隠クン!葉隠クンはサウナとか入らないの??」


葉隠「サウナ?そりゃあたまには入るけど、…それがどうし、 石丸「それは本当かね!!??」ガタッ!!!

葉隠「げっ……、いやぁ、でも最近はそうでもねぇっていうか……」

石丸「そうだったか、そうだったのか!いやぁ、みんな僕がサウナに誘うと揃って苦々しい顔をするもんだからてっきりサウナが嫌いなのかと思っていたが、なんだみんな遠慮していただけだったのだな!!」

葉隠「いやぁ、その………なんつーかその……」たべべ…

石丸「さあ、葉隠くん!そうと決まったらいざサウナだ!ほらっ!いまなら桑田クンもいるぞ!!」ぐいい!!

葉隠「いややっぱ今日は遠慮するって!!つか桑田っちもいんのか??どういうことだべ??」ズルズル

苗木「葉隠クン!」

葉隠「な、なんだべ苗木っち!?」

苗木「桑田クンの命運は葉隠クンに託したからね!!」ビシィ

葉隠「なんとなく状況はさとったけど、今はそんなことより俺を助けてくれってえええええええ」ズルズルズルズル

バタんっ!!

<んぎゃあああああ

苗木「葉隠クンは犠牲になったのだ……」


……数分後

霧切「……叫び声もやんで、物音一つしなくなったわね」

苗木「葉隠クン……」

葉隠クンには荷が重すぎたみたいだ!▽





苗木「ボクはどうすればいいんだ?なにか桑田クンを救う手立ては…!」

ガラガラ~

江ノ島「るんるーん、風呂だ風呂~♪」

苗木「あ、」
霧切「あら、」

江ノ島「お、よっす苗木。苗木も風呂入りにきたんだ。マジ奇遇~!」きゃっきゃっ


江ノ島「つか、なんでお前ら揃いも揃ってバスタオルつけてんだよ?てめぇらの方がおかしいだろフツーに!」

霧切「だって苗木くんがつけろっていうから……」

江ノ島「えっなに、苗木ってそーいう趣味なわけ……?」ドンビキ

苗木「それはどういった趣味なんだよ…」

ガラガラ…

戦刃「ちょっと盾子ちゃん置いてかないでよ~、……って……キャッ!?」ガラガラビッシャーーーーーン!!!

戦刃『な、ななななんで苗木くんがいるの!?!?え?!??』ドア越し

江ノ島「なにいってんのおねーちゃん、男女共用浴場なんだからいて当たり前じゃん」はなほじー

苗木「いや当たり前のようにいわないでよ。普通は戦刃さんの反応が正しいんだからね??」


戦刃「えー、どうしよー。いくら苗木くんでも混浴はちょっと恥ずかしいなぁ…」ドアの隙間からチラーッ

江ノ島「なにモジモジしてんのよ。先に湯船はいるからね~」ジャブジャブ

戦刃「えーちょっとぉ!ってあっ霧切さんもいるんだ。どうも~」ふりふり

霧切「マジキグウ~」ふりふり

戦刃『私もバスタオルつけてはいるか…水分吸って体に張り付くからあんまり好きじゃないんだけどな…』ゴソゴソ

戦刃「よしっ、盾子ちゃんお待たせ~」ガラガラ

江ノ島「おっそーい!じゃあ盾子ちゃんがおねーちゃんの背中流してあげる~♪」

戦刃「えーいまバスタオルつけたばっかりなのに~」

ワイワイ、ガヤガヤ……


苗木(ていうか冷静に考えてこの状況……バスタオルつけてるとはいえ、女3に男1って……うち一名全裸で本格的に目のやり場に困るし……)

苗木(なんだかんだでスタイルのいい江ノ島さんに、健康的なムチムチ体型の戦刃さんに、意外と安産型の霧切さん………この光景は墓場まで持っていく宝物の一つになるだ、……)ぽけー

苗木「…ってボクはこんなことに現を抜かしている場合ではないんだ!」じゃばぁ!

霧切「……バスタオル取れてるわよ」

苗木「なっ……」

霧切「見なかったことにしておくわ………」

苗木「……うん、ありがとう…」

苗木「………」


苗木「いや、そのやり取りはどうでもいいんだよ!ねぇ江ノ島さんに戦刃さん頼み事があるんだッ!!」

江ノ島「ん?なに急に?藪棒?」

苗木「面倒くさいから説明は省くけど、ボクと協力して桑田クンを助けほし 江ノ島「ダルい」

苗木「いや 江ノ島「めんどい」

苗木「 江ノ島「おやすみ~」

江ノ島「くかー」

苗木「……」

戦刃「えっと……、桑田クンを助けたいんだ?」

苗木「戦刃さん……!」

戦刃「なんだか知らないけど、まあ協力できることなら……だけど。で、いま、どこにいるの?」

苗木「うん、そこのサウナ室にいるんだ。桑田クンの他に石丸クンと葉隠クンも 戦刃「えっ?」

苗木「えっ? 戦刃「えっ?」

戦刃「そこのサウナ室に男子が三人もいるの……?」

苗木「そうだけど……」

戦刃「////////~~~!!?!?!?」ぼっ


苗木「えっと戦刃さん……?」

戦刃「盾子ちゃん!起きて!バスタオル!!」

江ノ島「んん~なに?」

戦刃「いいから早く!ほらっ!」グイグイ

江ノ島「え~なんでよ~」

戦刃「ごめん苗木クン、私たちちょっと出るね!霧切ちゃんもまたね!」

江ノ島「ちょっと今来たばっかじゃん~!!」

戦刃「盾子ちゃんもだよ!」グイグイ!!

ガラガラビッシャーーーーーン!

江ノ島『ちょっとおねーちゃんーー!!』

霧切「急にどうしたのかしら……」

苗木「なんか悪いことしたな……」

戦刃さんにとって他の男子三人も同じ空間の浴場を使っているということが恥ずかしかったみたいだ ▽

苗木「ボクがいるのは別によかったのか……」


苗木「もう誰も頼れない……やっぱり、自分でなんとかしなきゃいけないんだ……」

苗木「…霧切さん」

霧切「なに?」

苗木「ボクはいくよ」

霧切「ええ……」

苗木「十五分経っても出てこなかったら誰でもいい、誰か呼んできてサウナ室のドアをぶち破って突入してきてくれないかな」

霧切「わかったわ……」

苗木「それじゃあ……」

ボクはサウナ室のドアノブを握りしめる

そのドアの上にある小さな窓から中の様子を伺うことはやはり難しかった

霧切「苗木くん」

苗木「……どうしたの?」

霧切「これ、…お守りに」

苗木「これは……」

それは先ほどのよりふたまわりほど小さい手のひらサイズのカメちゃん(たわし)だった……


霧切「けんとうをいのるわ……」

苗木「うん、ありがとう……じゃあ」

ボクは再びドアに向き直る

霧切さんの目にはボクの後ろ姿はどう映っているんだろうか…

苗木「またね」

霧切「ええ」

ガチャ……キーー……

ボクの決意とは裏腹にドアの感触は思ったよりも軽かった

濃い湯気、立ち込める熱気…

ボクは一歩一歩中に足を踏み入れる

そうして、視界が三つの影を捉える

そのうちの一つがボクの姿を見て立ち上がった…


??「ムッ!苗木クンかね!君もやはりサウナに…」

ボクは大きく息を吸い込(もうとしたらむせた)み、そしてこう言い放った

苗木「それは、違うよッ!!!!」
ズッキャーーーーーン!!!

??「じゃあ君は一体……?」

苗木「石丸クン!君のやり方は間違っているよ!こんな方法、だれも幸せになんかなれないんだ!!」

石丸「なんだと……?」

苗木「君には目を覚ましてもらわないといけない……そう、ボクが覚まさせてあげるよ!!」

苗木「そして、桑田クンと葉隠クンを返してもらう!!!」ビシイッ!!!

葉隠「ナエギッチィ……」
桑田「ポ…………」

石丸「君はさっきから何を……君の言い草では僕がまるで悪者みたいじゃないか……フンッ、心外だね」

苗木「石丸クン、ボクと勝負をしよう……どちらの意見が正しいか、それを議論するゲームを」

石丸「………」

苗木「名付けてダンガンロンパ!!」ドドーーーーン!!!!



石丸「フンッ面白い……クックック……ブワッハッハッハッ!!!この僕に議論で勝てるでも思ってるのかね!?いいだろう!その勝負受けてたとうじゃあないか……ああ、面白い、実に面白い提案だ!!!」ドドーーーーン

石丸「さあ位置につけ。準備はできたか?早速ゲームを始めよう」

苗木「後悔はないね。遠慮もいらないよ。僕も本気で行かせてもらうよ」

石丸「クックックッ………」
苗木「じゃあいこうか……」

「「それは違うよ!!!」」ドドーーーーン!!!!



>>(非)日常編おわり


~その頃

>大神の部屋

朝日奈「ふふふ~んふ~ん♪」雑誌ペラペラ

大神「朝日奈よ、今日は随分とご機嫌だがテストの勉強は進んでいるのか?」

朝日奈「そりゃバッチリに決まってんじゃん!わたし頭は良くないけどノートとかはちゃんと取る派だからね~今回の範囲なんてちょろーっとノート見直して、これは出るって問題をちゃちゃっと片付けちゃえばオッケーっしょ」へっへーん!

大神「ならいいのだが。……しかし、桑田は不安だな。学校で見かける時は大抵寝てるかゲームをしているようだが……」

朝日奈「桑田のことだからどーせ部屋に帰ったら人知れず猛勉強……ってわけでもないだろうしねぇ」ペラペラ

大神「ふむ……」

朝日奈「あんだけ大見得切ってマジで赤点とかサイコーにカッコ悪いけど、なにせ言い出したのはあっちだもん」

朝日奈「さすがにプロペラはムリだろうけどその代わり腹いっぱいドーナッツおごってもらおーっと!」ふんふんふーん♪

大神「……ふむぅ……」



大神「……悪いが朝日奈よ、少し出てくるぞ」


>サウナ室

苗木「…まずこの事件の概要を振り返ることにしよう」

苗木「今回の事件の発端は二週間前の『テストの範囲発表』だった。石丸くんによって告げられたそれにクラス中が一喜一憂する中、桑田クンは見栄で『赤点取るとかマジありえねーって!』と発言してしまい、それを拾った朝日奈さんによる『じゃあ、一つでも赤点とったらドーナッツおごりだからね!』と煽りに『おう、なんならプロペラでドーナッツをばら撒いてやるよ!』と売り言葉買い言葉してしまって引くに引けなくなってしまった桑田クンの哀れな物語なんだ」

苗木「もちろんテストまでには二週間という猶予があたえられていたのだけど、それにも拘らず舐め腐って日々を浪費していた桑田クンはテスト三日前になっていよいよ焦り始めるんだ。根拠もなく湧いてくる自信で今まで余裕ぶってたんだけど、気まぐれでテスト対策を始めると思いの他に問題に手が付かないことに気付いしまったんだ。見栄とカッコつけの塊の桑田クンにとって、クラスの面前であんな大見得を切っといて、マジで赤点をとるとか、『マキシマムにカッコ悪い。つかシャレにならない。いやガチで』」


苗木「そんな彼がワラにもすがる思いで最初に頼ってきたのはボクと十神クン。ボクも一友人として懸命に教えたけど、彼の理解力はボクらの想像を遥かに下回っていたんだ。なにせ、普段から授業を聞いていないものだから前提から話を進めないといけない。十神クンに至っては早々にさじを投げてしまった」

苗木「そんな八方塞がりの中乱入してきたのが、…そう石丸クンだよ。石丸クンはなんだかんだいっても勉学面で十神クンと双璧をなす優秀生だ。桑田クンは救世主とも呼べる石丸クンの登場に飛びつくが、『サウナ勉強法』という提案にさすがに二の足を踏む……余地もなく石丸クンに連れ去られてしまったんだ」


苗木「……そして今もこのサウナ室で石丸クンと桑田クンはサウナ勉強法を実践しているわけだけど……石丸クン、桑田クンの勉強は進んでいるのかな?」

石丸「ああ、もちろんさ。桑田くんはそれはもう熱心に勉強をしてくれているよ。なあ兄弟!」

桑田「…26433832795028841971693993751058209749445923078164…」 ぶつぶつ

石丸「見たまえ!ほら!」

桑田「…06286208998628034825 3421170679821480865132823066470938446095505822317253594081284811174502841027019385211055596446229489…」ぶつぶつ

苗木「この数列って、まさか…」

石丸「そう、何を隠そうこの数列は…」

桑田「…54930381964428810975665933446128475648233786783…16、4……なんだっけ、……くそっまた最初から……3.1415 苗木「円周率かよ!!!!」


苗木「円周率なのかよ!!!!!!」

石丸「なっ!そんな大きな声を出してくれるな苗木くんよ!ビックリするではないか!!」ビシィ!!

苗木「こっちはビックリを通り越して驚愕の域だよ!なんで円周率なんだよ!!なんで円周率を丸暗記なんだよ!!!もっと他にも覚えることあるよね?ね??」

石丸「なにをいう!円周率を丸暗記することで、単純な数列への暗記力の向上と、数字への抵抗力をなくし、そこから相乗効果を狙って……」

苗木「確かに勉強に対する『楽しさ』を見つけることで勉強が捗るというのはあるのかもしれない。でも、」

苗木「でも君のそれは違う!!」ズッキャーーーン

石丸「なっ、な、なにぃ!?」

苗木「石丸クンの勉強法を否定するつもりはないけど、でもこれだけは言わせてもらうよ」

苗木「桑田クンはサウナを出た瞬間に円周率は頭から抜け落ちる、絶対にね!」


石丸「なぜ、なぜそんなことが言える!?」

苗木「仮にいくらそれが素晴らしい勉強法だったとしてもそこに『強制』が入った瞬間にその場では覚えていたものも決して長く持続はしないんだ」

苗木「だって、それは所詮『その場しのぎ』だからさ。本当に楽しくて興味をもって、あるいは明確な意思をもってしたそれとは全く質が異なるんだ!」

石丸「そんな、僕は、僕は間違っていたのか、僕のやり方は…!!」

苗木「…人それぞれのやり方があって、向き不向きがあるんだ。石丸クンにとってはそれが最上の手段だったとしても、桑田クンにとってはそうとは限らないってことなんだ」

石丸「そ、そんな…、」

バターーーーーーンッ!!

石丸「な、なっ!?兄弟!どうしたのかね!!」

桑田「……やっぱ、もうムリ、マジで」ピク…ピク…

石丸「ぼ、ぼぐばっ、桑田ぐんになんでこどを…!!」ぶわわっ!!

苗木「大丈夫、軽い脱水症状になってるだけだよ!早く涼しい空気に当てて水分を取らせないと!運ぶの手伝って!」

石丸「兄弟ぃいい!今助けるぞおおおお!!」ぶわわっ!!


えっこらよっこら…


石丸「なぜ、なぜそんなことが言える!?」

苗木「仮にいくらそれが素晴らしい勉強法だったとしてもそこに『強制』が入った瞬間にその場では覚えていたものも決して長く持続はしないんだ」

苗木「だって、それは所詮『その場しのぎ』だからさ。本当に楽しくて興味をもって、あるいは明確な意思をもってしたそれとは全く質が異なるんだ!」

石丸「そんな、僕は、僕は間違っていたのか、僕のやり方は…!!」

苗木「…人それぞれのやり方があって、向き不向きがあるんだ。石丸クンにとってはそれが最上の手段だったとしても、桑田クンにとってはそうとは限らないってことなんだ」

石丸「そ、そんな…、」

バターーーーーーンッ!!

石丸「な、なっ!?兄弟!どうしたのかね!!」

桑田「……やっぱ、もうムリ、マジで」ピク…ピク…

石丸「ぼ、ぼぐばっ、桑田ぐんになんでこどを…!!」ぶわわっ!!

苗木「大丈夫、軽い脱水症状になってるだけだよ!早く涼しい空気に当てて水分を取らせないと!運ぶの手伝って!」

石丸「兄弟ぃいい!今助けるぞおおおお!!」ぶわわっ!!

えっこらよっこら…


>保健室

ゴクゴク…

桑田「…ふひー、だいぶ気分良くなってきたわ…」

石丸「よかったぞ兄弟いいいい!!一時はどうなることかと!!、なんと詫びたらいいのか、ぼぐは!ぼぐばぁ!!!」鼻水ぶっしゃー!!

桑田「べ、別に石丸は悪くねぇって、なんつーか俺の自業自得だし、その…」

大神「その通りだ。弁解の余地はなかろう…」

桑田「うう…つかなんで大神がいんだよ。その、看病してくれたのはありがてぇけどよ」

苗木「桑田クンを運んでる途中に出会ったんだよ」

大神「しかし気絶している人間というのは思いの外重いな。我も力添えをしたがなかなか苦労したぞ……」

苗木(一寸も持ち上がってなかったどころか引きずられてけどね)


石丸「看病は大神くんが積極的に動いてくれたんだ。是非とも僕からも感謝の意を述べたい!恩に着るぞ!!」

大神「…我にできることをしたまでだ。しかし、…」

大神「これからどうしたものか。桑田よ、」

桑田「………そうだな。もういいわ、オレ。なんつーかこれも身から出た錆だし。もうどーにでもなーれつーか。いまさらもうメンツがどうこう、…」

大神「………ドーナッツ」

桑田「……………」

桑田「…………今月ピンチなんだよなぁ……ガチでシャレになんねぇんだよなぁ………」

大神「……………桑田よ、我に提案がある」


………
……



朝日奈「えぇ!?わたしが桑田に!?」

大神「そうだ。少し教えるくらい何のこともないだろう。教えることで自分の勉強にもなる」

朝日奈「それはそうだろうけどさぁ…でもなー」

桑田「俺だってそんなオメーなんかにわざわざ…、 大神「…桑田よ」

桑田「ッ…なんつーか…その、朝日奈的に出そうなとこ教えてくれよ。なんならノート見せてくれるだけでもいいからさ…」

大神「桑田も今回の一件で反省している。だからクラスメイトとして少し協力してやってくれないか朝日奈よ」

朝日奈「さくらちゃんがどうしてもっていうならいいけどさ……汚さないでよ?」ほら

桑田「よ、汚さねぇよ!つか、」

桑田「結構キレイに書いてんじゃん……」ペラペラ

朝日奈「う、うっさいなぁ!用事すんだら出てってよ」

桑田「ひっでぇな!せっかく頼ってやって…、 大神「桑田よ…」

桑田「ぐぬっ……なんつーかその、……ウィース……」


朝日奈「べ、別に。ていうかさくらちゃんの頼みで仕方なく貸してあげたんだから赤点とか絶対取らないでよね!!取ったらドーナッツ、忘れてないからね!!」

桑田「だーかーらー、赤点とかありえねぇって!俺がそんなダッセーもん取るわけねぇじゃん!ホントは余裕だったんだけど大神がどーしてもっていうから… 大神「………」

桑田「ッ、その、……ま、頑張るわ。ノート貸してもらったし」

朝日奈「…うん」

桑田「んじゃ、その、ありがとな。ウィース」

朝日奈「……いいよ…」

桑田「え?」

朝日奈「わ、分かりづらいところあったら聞きにきてもいいよっていったの!!」

朝日奈「ていうか、そのノートわたしも使うんだからさっさと勉強してさっさと返してよね!!」グイグイ

桑田「え、ちょ、ま」

朝日奈「じゃ、また明日!」

バタン!

桑田「お、おう……」

大神「………あとは桑田次第だ…。朝日奈の好意を決して無駄にするでないぞ、さもなくば……」

桑田「う、ウッス……」


……こうして、桑田クンは朝日奈さんのノートの使ってせっせと勉学に勤しんだ

朝日奈さんの好意をムダにしないよう(というか大神さんが怖い)珍しく集中して取り組んでいるようだ

朝日奈さんも結構基礎でつまずくタイプのようで、その辺りを詳しくメモしているノートは桑田クンにちょうどあっているみたいだ

…ま、一気に点数は伸びないだろうけど、山を張って赤点をしのぐ程度には十分だろう



肝心の結果は、ま……ご想像にお任せということで



そういえば、…

苗木「葉隠クン、サウナに置いてきっぱなしだ」


>サウナ室

葉隠「3.2434……いや、3.152……ちがうな、3.42………んんん?」ブツブツ

苗木「葉隠クン!!!」

葉隠「苗木っち…俺、もうこれ以上は無理ダベ…」バターーーーーン!!

苗木「一桁も言えてないじゃないか!せめてもうちょっと頑張ってよ!!!」ゆっさゆっさ

葉隠「苗木っちスパルタだへぇ……」がっくがっく

ガラガラ!

霧切「…あら、倒れてる」

苗木「どうしよう!とりあえずサウナからだして水分を…って重い!葉隠クン重い!デカイ図体しやがってちくしょう!」ズルズル…

霧切「私たちだけで運ぶのは無理そうね…」

苗木「誰か呼んでこなきゃ…」

霧切「待って」


霧切「そ の 必 要 は な い わ」ファッサドヤアアアア


霧切「私に考えがあるの、苗木くん」

苗木「ちょっと待って、今の何」

霧切「私たちの手で運べないなら自ら動いてもらえばいいのよ」


苗木「え?でもだって葉隠クンは…」

霧切「ええ、気絶しているわ」

苗木「だったら……」

霧切「けがれ落とし…」

苗木「え?」

霧切「ここまで言っても分からないかしら、私はすでに苗木くんにそのヒントを渡しているはずよ?」

苗木「渡している……?」


苗木「……まさか!」


アイテム
?カメちゃんタワシ(S)


苗木「これだっ!!!」ズッキャーーーーーン!!!


霧切「…遠慮はいらないわ。カメはちょうじゅの象徴。葉隠くんをげんせに呼び戻すために必ずや一役を買ってくれるわ。そのカメちゃんを葉隠くんに擦りつけて葉隠くんの魂を呼び戻すのよ!!」

苗木「なんか超理論だけど分かったよ!!ごめん葉隠くん、いくよ!!!」


苗木「希望は絶望に負けないんだ!!!」


ゴシゴシゴシゴシゴシ!!!

葉隠「!?ちょ、いたいたいた苗木っち!?いた、いたいたいたあちいたあまてらかまのむ!?!?!?

ひぎゃにゃあああああああああああああああああああ!!!!

ああああああ!!!

あああ……

あ…………


その後の浴室の惨状は語るまでもないだろう……



お前の頭はさながらフレンチクルーラー 編 おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月08日 (火) 13:09:54   ID: 3XTC3n2E

わーい、久々に更新されてる~

2 :  SS好きの774さん   2014年11月16日 (日) 22:51:15   ID: Tar4a9Z6

亀の甲羅背負ったアイドルがセンターか……センタートルとか思いついて一人で笑ってたやつ俺な

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom