上条「あの日、もしかしてお前は、俺以上に」(724)

SS初書きです。

マイガールの最終巻を読んでテンションあがってつい書きたくなりました

見苦しいとこだらけですが投下していきます

美琴「じゃあ、そろそろ行くから。見送りありがとう」

上条「向こうについたら連絡くれよな」

美琴「……うん」

麦野「おーい。第三位! 飛行機でちまうぞ。はやくしろ」

美琴「待ってくれてなくていいから。多分、向こうの第二学園都市からもどらないだろうし」

上条「それでも俺は「じゃあね」

上条の言葉を遮りながら顔を近づけ、一瞬だけの口づけを美琴は送る
そのまま、踵を返し行ってしまう。一度も振り向かずに

それが上条当麻にとって御坂美琴の最後の記憶

垣根「おい、上条」

上条「あ、わりい。なんだ」

垣根「テストの採点済んだか。今日は合コンだからな。さっさとすましちまえ」

上条「いかねえってんだろ。だいたい警備員が合コンなんて生徒に示しが付かねえだろ」

垣根「何バカ言ってんだ。警備員だからモテんだろうが」

上条「とりあえず、上条さんは行きませんからね。土御門か青ピでも誘え」

垣根「付き合いわりいな。それともアレか。まだ引き摺ってんのか」

上条「何だよ」

垣根「第三位のことだよ。全く、5年も前だろ。三位以下がアメリカの第二学園都市に行っちまったの」

上条「んなわけねーだろ」

???「上条さん。教材の発注の件で話がありますとミサカは話に割り込みます」

上条「あ、悪いな、御坂妹。俺がやっとくから別にいいぞ」

御坂妹「そうですか、ありがとうございますとミサカはお礼を行ってこの場を去ります」

垣根「ま、引き摺ってたら、昔の女と同じ顔の職場にはいられないか」

上条「ったりまえだろ」

嘘だ。ただ、御坂妹を御坂と違う、一人の人間と見ているだけだ。
本当は……

上条「御坂が……」

美鈴『ええ。研究所の事故で……』

目の前が真っ白になった

前に座る麦野のすすり泣く後ろ姿で、この女でも泣くのだなとぼんやりと上条は考える
それ以上は、頭が動かなかった

上条「このたびは……」

御坂の母に型どおりの挨拶を告げる。口が勝手に動いてくれた

美鈴「――――」

何か言われてるのはわかる。でも、少しも頭に入ってこない

美鈴「だから、美琴には5つになる娘がいるの」

上条「え?」

美鈴「だから、あなたと美琴の娘。あの子はそう言ってたわ」

その場で固まった

垣根「おい、ガキども最終下校時間だぞ。とっとと帰りやがれ」

少したった平日。教師としての仕事を終え警備員として同僚の垣根と見回る

垣根「で、第三位のガキのオヤジがおまえだって?」

上条「ああ、そう言われた」

垣根「お前絶対良いように使われてるぞ」

上条「良いようってなんだよ」

垣根「だから言い訳に使われてんだよ。向こうでガキできちまって」

上条「わかってる」

垣根「わかってねえ。あ、俺学校戻るから、適当に引き上げとけ」

上条「おう」

???「あの」

不意に声を掛けられ振り向く。小さな人影

少女「あんちすきるのひとですか」

似ていた。打ち止めに、妹達に、番外個体に、何よりも彼女に。

上条「お、おい。もう最終下校時刻だぞ……」

そんな言葉しか出てこなかった

少女「ごめんなさい。でもひとを、さがしてます」

上条「誰を探しているんだい」

少女「カミジョウトウマっていうひとです」

上条「上条当麻は俺だけど……」

少女の瞳が見開かれ、上条を見つめる

少女「……ツンツンあたま! ママのいってたとおりです!」

上条「つんつん頭はひどくないか」

おもわず苦笑してしまう。やっぱりこの少女は

少女「はい! ママからです!」

少女が何枚かの封筒を差し出す。宛名は上条当麻、差出人は御坂美琴

美琴『当麻へ。麻琴がいるって分かった時、真っ先にあなたに迷惑を掛けちゃいけないって思いました。私はレベル5の第三位でどうとでもなるけど、貴方の未来は貴方のもので可能性を奪いたくないから。貴方は優しくてまっすぐだから、私のためにつらい道を選んじゃうから』
『教師になったと聞きました。また、警備員の資格もとったそうですね。正義感の強い貴方にぴったりなお仕事だと思います。体に気をつけて頑張ってください。私も研究所勤めが決まりそうです』
『――----』
『―――――――』
『‐--------』
『逢いたい』

上条(あの日、もしかしてお前は、俺以上に)

泣いていたのかもしれない

少女「ないてるんですか? どこかいたいんですか?」

気がつくと、当麻は手紙を握りしめて泣き崩れていた。少女が心配そうにのぞきこんでいる

上条「大丈夫さ。心配しないでいいぞ」

返す言葉も強がりが滲んでいて

だから少女は

少女「マコトがないてると、ままがこうしてくれました」

精一杯背伸びして

上条「……ありがとな」

上条の頭を優しくなでててくれた

上条「おま、君はこれを届けるためにきたのか」

まこと「はい! あと」

上条「あと?」

まこと「ママがすきだったまちを、みてみたかったんです」

上条「おうちのひとがしんぱいするだろ」

まこと「おばあちゃんは、『とうまくんがいるからだいじょうぶ』っていってました」

上条「まったく、あの人は……。連絡の一つでも入れてくれれば、あ!」

そこで気がつく。携帯電話を取り出し確認……

上条「こ、壊れてやがる」

するまでもなかった

上条「不幸だ……」

まこと「ふこう?」

上条「いや、何でもない」

もうこの口癖は使わない

上条「今日はもう遅いし、泊ってくか」

まこと「はい!」

少なくともこの子の前では

とりあず、ここまでです。

初書きなので至らない事だらけですが、気長に書いていきたいと思います

マイガール最終巻でたの?
つーかあれ打ち切り?

まぁ何はともあれ乙だ!期待してるぜ

>>13 一応けりはついてました。面白かったんですが、もっと続けれそうな感じも……


上条「座っててくれ、すぐに飯にするからな」

まこと「はい!」

まことの目が机の上の古い携帯電話でとまる。そう、そのストラップに

まこと「げこただ!」

古びたストラップのマスコットに手を伸ばす。それはまことの母が大事にしていたものと良く似ていて

上条「お! おまえもそれ好きなのか?」

盆に夕食を乗せた上条が入ってくる

盆に夕食を乗せた上条が入ってくる

!」まこと「はい! ままもすきでした!」

上条「懐かしいな、たしか御坂にペア機種のストラップがほしいからと言われて」

何度か機種を変更したがこの携帯だけは捨てられず、つい手元に残してしまう

上条「お、そうだ」

画面を操作し、古いデータを呼び出す
今使っているのは壊れたのに、なぜか古いほうだけは動く

上条「ほら」

まこと「ままだ

画面に映った中学時代の美琴をみて、まことが歓声を上げる

まこと「まま、がつこうの、おようふくきています」

上条「ああ、常盤台の制服だな」

まこと「ときわだい?」

上条「みさ…美琴が通ってた中学だよ」

まこと「まこともおっきくなったら、いけますか」

上条「うーん。学園都市の名門校だしなぁ。よそから通えないし、なによりも難関だしな」

まこと「まこと、がくえんとしでくらします! いっぱいがんばります!」

上条「そりゃ、美鈴さんに聞かないとな」

まこと「……とうまくんは、まことがいたらめいわくですか」

少しだけ、顔を俯かせる。その表情が、かつての御坂に、さらに以前のインデックスに重なる。
だから

上条「迷惑じゃねえよ」

まこと「とうまくん」

上条「お前がここにいたいんなら、いくらでもいていい。でも、美鈴さんが良いっていったらな」

まこと「はい!」



美鈴『そうなの。あの子が……』

上条「はい。よろしければ、俺が預かりますが」

なにがよろしければ、だ。美琴たちのことを知らずにのうのうと暮らしてきた癖に良く言う
こんな都合のいい発言は断られて当然だ

美鈴『じゃあ、お願いね』

上条「え?」

美鈴『どうしたの? 変な声出して』

上条「いえ、正直断られると思ってましたから」

美鈴『だって親子で暮らすのに反対する必要もないでしょう』

上条「はい」

美鈴『あの子も寂しいのよ。だから、美琴が見てきた景色に憧れている』

上条「はい、わかります」

美鈴『だから、よろしくね。困ったことがあったら連絡を頂戴。できる事はするから』

上条「はい、ありがとうございます」

なにも分からないうちに幻想を作り始めていたのかもしれない。
あの子と一緒にいる資格が無いと。

上条「じゃあ、ちゃんと家族しないとな」

まこと「とうまくん?」

上条「おばあちゃんの許可がでました! 今日からお前はうちの子だ!」

まこと「はい! ありがとうございます!」

上条「良い返事だな!」

ちゃんと父親はやれるのだろうか。そんな不安がよぎる。できることなら、高校生の頃の自分に幻想だと否定ほしい。
でも、今は大人なのだやっていくしかない。

とりあえず、おもったより早くかけた分を投下しました

こっからはペース落ちると思います。

レスを下さった方ありがとうございます

ハードル上げないで!

続き少しいきます


垣根「よーし! 今日は上条んち行くぞ!」

上条「いきなり何を言い出すんでせうか、ていとくんは」

垣根「いや、お前が第三位のガキ引き取って、一か月じゃん。顔、見たいじゃん」

上条「お前がじゃんじゃん言ったってキモイから。黄泉川先生の真似すんな」

垣根「おい、俺の上司へのリスペクトをバカにするんじゃねえ」

上条「上条さんの常識とリスペクトの意味が違うんだが」

垣根「俺に常識は通用しねえ」

上条「はいはい」

垣根「で、行くからな」

上条「勝手に決めんな」

御坂妹「ミサカも同行しますと、ミサカはさりげなく自分の意思を伝えます」

垣根「お、いいねえ。土産とかひつようじゃね? ガキが喜びそうなもの」

御坂妹「ファンシーグッズや、お菓子が良いでしょうと、ミサカは進言します」

垣根「OK、途中で買ってくか」

上条「おい、勝手に決めんなって言ってんだろ。御坂妹まで」

御坂妹「ミサカには会う権利があります」

上条「権利?」

御坂妹「はい、お姉様の娘なら、ミサカの姪にあたります。親戚として会いたいとミサカは買うお菓子を考えながら言います」

上条「そうだな。妹だからな」

垣根「よし、決まったか。じゃあ、さっさと行くぞ」

上条「なんで、お前がしきんの!」

垣根「いいじゃん! 幻想殺しで無茶するお前のフォローしてるの俺じゃん!」

上条「仕方ないだろ! お前みたいな超能力者じゃないんだから、つか、じゃんじゃんやめろ!」

御坂妹「早くしないとおいてきますよと、ミサカは優しく急かします」

上条「ああもう! 勝手だなお前ら!」

ここまでです。

レスくれた方、ありがとうございます

続き行きます

垣根「ようし! みやげも買ったし! いよいよ突入だな」

御坂妹「了解ですと、ミサカはメルヘン同僚に返答します」

垣根「行くぞ! 二等兵!」

御坂妹「さー、いえっさーと、ミサカはノリをあわせます」

上条「いや、合わせなくていいから。ほっといていいから。ま、いっか」



上条「ただいまー」

まこと「とうまくん!」

とてとてと足音が近づいてくる

上条「良い子にしてたか、まこと」

まこと「はい!」

上条「えらいな、さすがだな」

褒めると嬉しそうにまことが目を細める。

垣根「しっかし第三位そっくりだな」

上条を押しのけるように垣根が入ってくる。マジで常識が無い

まこと「おきゃくさんですか?」

垣根「おう、俺は垣根帝督、パパの友達さ。ていとくんでいいぞ」

まこと「はい、ていとくん。こんばんは!」

上条(そのあだ名気に入ってんのかよ)

垣根「おう。挨拶できて偉いな。ほらみやげだ」

まこと「わぁ」

上条「よかったな。ちゃんとお礼言うんだぞ」

まこと「はい、ありがとうございます! ていとくん!」

垣根「うん! 良い返事だな! 誰かさんと誰かさんのこどもとは、思えないな」

上条「どういう意味でせうか」

御坂妹「ミサカが選んだおみやげもあります。一人の手柄にしないでくださいとミサカは注意します」

垣根を押しのけて御坂妹が入ってくる

そこで

まこと「ま、まま……」

時が凍りつく

しまった!)

考えが足りなかった。上条当麻にとって、御坂妹は御坂美琴では無い
全く違う人間だ

でも

このおさない少女にとって……

まこと「まま!」

そんなことが分かるはずもない

まことが御坂妹に飛びつく。上条が固まっている間に

御坂妹「いえ、ミサカはママではありません」
優しく、まことを抱きとめながら、ミサカが言う

まこと「!」

まことの表情が凍る

まこと「……っさい」

上条「おい、まこと……」

まこと「ごめんなさい!」

叫んで、まことがとびだす。

誰一人反応ができない。

上そして、条にとっては永遠に近い沈黙が横たわる

御坂妹「ミサカはあの子になにかしてしまったのでしょうか」

ようやく、御坂妹が口を開く

上条「いや、お前はわるくねえよ」

悪いのは考えが足りなかった自分だ



垣根「とりあえず探すぞ。ガキの足だから遠くには行けねえ

上条「ああ」

垣根「俺は未元物質で空から、上条は足で。お前は待機な」

御坂妹「分かりました」

上条「頼む……」

いつまで自分は考えなしのだろうか。インデックスのときも美琴の時も、そして今回も。

とりあえず、以上です

続き書き溜めてきます

>>35
>上そして、条にとっては永遠に近い沈黙が横たわる

何時の間に上/条になっていたんだ…

>>40
すいません
推敲しようとして、逆に誤字りました

余計なことするんじゃなかった!

一方「あン?」

目の前でうずくまる小さな影に一方通行は声を上げる

一方(前にもあったなァ。こンな事)

それは「今」の一方通行を形作る最初の大切な記憶。とても小さな、しかし大切な光をくれた少女との出会い。

まこと「だれですか」

一方「誰でもいィだろ。つか、お前は迷子ですかァ」

少女が顔を上げる。似ていた。一方通行の大切なあの少女に。

まこと「……はい」

俯いた表情が、また一方通行の記憶を揺さぶる

一方「お前ェ、さんし…上条のとこのガキかァ」

第二位から聞いた話を思い出しながら少女に問う。

まこと「とうまくんをしってるんですか?」

やっぱりか。あのガキに似た子どもといえばそれしかないのだろう。

一方「まあな。送っててやンよ」

あ、と少女が声を上げる。戸惑うようなその表情

一方「帰りたくなのかァ?」

まこと「……かえりたいです。でも、いまはいやです」

一方「ちっ、メンドクセェこといってくれちゃって。どこかのクソガキですかァ」

まこと「ごめんなさい」

一方「おィ。ついてこい」

まこと「え?」

一方「今は帰りたくねェンだろ。帰りたくなったら送ってやっから」

一方「とりあえず、ウチに来ィ」

珍しいタイプの誤字だなww

垣根は走っていた。空を飛んでみたものの、暗くて地上が良く見えずにあきらめたのだ。

垣根(ちくしょう! 俺が余計なことした)

垣根は逆の結果を想定していた。幼い少女は母の似姿をみて単純に喜ぶと思い込んでいた。
だからこそ、御坂妹が近くにいるときに上条の家に行くと言い出したのだ
しかし、少女は飛び出してしまった。すべて自分の責任だと垣根は思う。

だから走るのだ。少女の無事を祈って

とりあえずは以上です。続きはまた

>>44

文を足そうとして、足す場所がずれました。

つづきます。これからは、書き込む前の再確認を強化します



まこと「おじゃまします」

一方「おゥ。あがれェ」

まことを促して、部屋に上がらせる。昔と違って整理を心がけているので、子どもをあげても問題は無い。まあ、うるさい誰かに言われてしぶしぶ片付けている側面もあるが

一方「なんか食ゥか?」

まこと「……いいです」

一方「ガキが遠慮なンかすンな。オマエの叔母さンなんか初対面でハンバーグ奢らせやがったぞ」

まこと「おばさんですか?」

一方「おゥ。その後もアレが食べていだァ、これが欲しいだァ。好き勝手言ってくれちゃいましてよォ」

???「わぁ、いつかはやるとミサカは思ってたよ」

また書き溜めしてきます

ミサワは俺の嫁だぞ

>>52
大丈夫、分かってますから

続き行きます

上条「ちくしょう、何やってんだ俺は……!」

飛び出すまことの姿に反応できなかった。
どうしようもなく、過去が重なってきてしまって
信仰の道を選んだインデックス
一人で背負った美琴

どっちも止められなかった
美琴はインデックスの時の失敗はしないと誓っていた癖に

いつの間にか、仕方が無かったとあきらめている
言い訳だけが上手い大人になってしまった
上条「くそっ!」

でも

(夫婦は別れれば他人だけど、親子兄弟の血のつながりは切れないってさ)

昔、美琴から聞いた言葉が頭をよぎる。妹達のための言葉だったと思う。

上条「ん」

買い換えたばかりの携帯が鳴る

表示される番号は御坂妹

まこと「ままそっくりです」

まことが、番外個体を見上げながら呟く

番外個体「はじめましてだね。ミサカは番外個体、あなたのママの妹のひとりだよ」

まこと「はじめまして、かみじょうまことです」

驚いた表情を浮かべながらも、まことが返事をする

番外個体「お、挨拶できて感心だね。流石ミサカ達の遺伝子」

一方「何しにきやがったンですかァ」

番外個体「アレ? ご機嫌斜め? お楽しみの邪魔しちゃったかな」

一方「どういう意味ですかァ!」

番外個体「そのまんまの意味だけど。幼女と戯れるのが趣味なんでしょ」

一方「違いますゥ! つか、質問に答えやがれェ!」

番外個体「用はもうすんじゃった」

一方「はァ?」

番外個体「うん。10032号に頼まれちゃってさ。迷子の捜索。で、まこと」

まこと「はい?」

番外個体「かえろっか。みんな心配してるよ」

まこと「でも……」

一方「おい、帰りたくねェなら無理させンな」

番外個体「ロリコンは黙っててよ」

一方「違げェ!」

まこと「おねえちゃんたちはままの、いもうとなんですか?」

番外個体「そうだよ」

まこと「まこと、おねえちゃんをままとよんじゃいました」

番外個体「仕方ないよ。みんなそっくりだもん、お姉様に」

まこと「とうまくんが。なきそうなかおします」

一方「三下がァ? どういう事だァ?」

まこと「まことがママのこというと、とうまくんわらってくれます。でもなきそうです」

ちいさく、「げこた」をみつけたときにと、まことが付け加える

番外個体「なるほど」

一方「え? わかるのォ、オマエ?」

まこと「いぎりすがテレビにでてもです」

一方「あァ、あのシスターか」

まこと「だから、まこと、ままのこといわないようにしてます。でも、でも……」

番外個体「いいよ」

泣きそうなまことを、番外個体が抱き締める

番外個体「ママの事、言っていいんだよ。悲しいの仕方ないでしょ。大好きだったんだもん。君の知らないママのことも聞いていいし、あのひとが知らないママのこと話していいんだよ」

まことを懐かしい体温が包む。でも。

番外個体「ミサカ達はママじゃないし、ママにはなれないよ。でも」

だからこそ

「ミサカとしてあなたの味方だから、全員ね」

ここまでです。

書き溜めしてきます

面白いんだが毎度の報告が余計だな
その日始まりと終わり報告してくれればそれで良いのに

>>63
了解です
初書きなんでつい不安になって報告してました

やはり、自分が悪いのかもしれない。御坂妹は自問自答する
無意識のうちに、自分には姉の真似をしてしまっているところがあるのだろう
些細なしぐさやたち振る舞いで
それは、クローンゆえの苦悩からかもしれないし、ただ、ツンツン頭の同僚の気を引こうとしてなのかもしれない。

でも、自分は御坂美琴ではない。それは絶対だ

それでも、あの子の味方でいたい。悲しい時にそばにいて、嬉しい時に喜んでやりたい。
そう思うのだ

上条一家の夏休みの人?

俺も味方だからな
そう言って一方通行はまことを送り出した

まこと「やさしいひとでした」

番外個体「そう? どっちかというと、やらしい人じゃない?」

まこと「やらしい?」

番外個体「あ、ごめん。忘れてよ」

まこと「はい!」

番外個体「良い返事だね。お、きた」

御坂妹からの連絡を受けてから、足に意思が漲る
MNWからだと、教えてくれた情報が
前に進ませてくれる

上条「まこと!!!!」

腹の底から声を絞り出す
恥も外聞もない
ただ、娘に向かって走り出す。

まこと「とうまくん!」

まことが駆け寄ってくる
両手を広げて、小さな体を抱きしめる

上条「心配させんなよっ!」

まこと「ごめんなさい」

上条「いい! 悪いのは俺だ!」

大切な小さなぬくもりを離さないように

まこと「でも!」

上条「でもじゃねえ! 俺が悪い! だからもう失敗しねえ!」

かつて、インデックスに、美琴に言えなかった言葉を

上条「俺がそばにいる! お前が大人になるまで!」

違う立場で、紡ぐ。

上条「大人になっても、お前が困ったら何より先に助けに行く!」

まこと「とうまくん! まことは、まことは」

上条「だから! 俺からはなれんじゃねえ!」

やっと、自分の幻想を上条当麻はぶち壊したのだろう

>>67
いえ、初書きです



番外個体「じゃあ、ミサカは行くから。10032号によろしくね」

まこと「はい!」

上条「世話になったな。一方通行によろしくな」

番外個体「一方通行のことはミサカに関係ないんだけど」

そう言って、番外個体は帰って行った。

???「ぜぇ、ぜぇ。やっと見つけたぞ……」

上条「垣根!」
まこと「ていとくん!」

垣根「おう、ぜぇ、み、見つかったな……。良かったぜ」

上条「お前、走ってきたのかよ」

垣根「はぁ!? 何言ってんですか! 超飛んできたんですけど! 超優雅でした!」

上条「はぁ」

垣根「あ、疑ってますぅ? 何なら証明してあげますけどぉ!」

上条「何だよ。証明って」

垣根「お前ら二人抱えて、飛んであげますぅ」

まこと「ほんとですか!」

垣根「このていとくんに常識はつよしねえ! あ、噛んじゃった」

上条「ま、まことが喜んでるならいいけどな」


垣根「到着!」

まこと「すごいです! とんでました! すごいです!」

上条「良かったな」

垣根「喜んでくれて結構。まぁ、第三位も飛んだとか飛ばないとかいうしぃ、頑張ればお前も飛べるかもな」

まこと「ほんとうですか! まこともとべますか!」

垣根「おう。頑張ればな」

まこと「はい! がんばります」

上条「頑張れよ」

御坂妹「おかえりなさいとミサカは三人を迎えます」

上条「おう、ありがとうな。留守番」

御坂妹「いえ、大丈夫です。では、そろそろ良い時間ですし、ミサカはそろそろお暇します」

上条「送ってくか?」

御坂妹「いえ、大丈夫ですとミサカは気遣いをさりげなく断ります」

まこと「あの、おねえちゃん」

御坂妹「なんですか?」

まこと「また、あそびにきてくれますか」

御坂妹「はい、喜んで……」

まこと「ありがとうございます!」

御坂妹「あなたが大きくなって、父さんを嫌いになって汚物扱いする時期になっても、ミサカはみかたです」

上条「いま、そういうこと言うのやめててくれます? つか、それお前も俺を汚物扱いするみたいなんですけど!」

御坂妹「まこと、またきますからねと、ミサカは名残惜しみつつ別れを告げます」

まこと「はい! またこんど!」

垣根「よし、冷蔵庫開けるぞ」

上条「あ、お前は帰らないんだ。予想してたけど」

垣根「のど渇いちまったからな。あ、違うぞ。上空を飛んでの気圧差とかだからな」

上条「はいはい」

まこと「とうまくん」

上条「なんだ?」

まこと「ままととうまくんは、どうやってであったんですか」

上条「どうやってって、そりゃあ……」

美琴から聞いた知らない出会いの話をするべきか

記憶にある自販機での出会いを話すべきか

上条「ま、いっか」

まこと「?」

上条「長くなるぞ?」

両方話せばいい

まこと「はい!」

どんなに長くなったっていい

これからは一緒なのだか

ずっと


終わった!!

思ったより早く一日で終わった!!

本当は禁書らしくバトルだ!
と、上条さんを逆恨みした魔術師相手に、垣根と一方さんが活躍するエピソードもかんがえたり、

上条、御坂妹、佐天さんの三角関係とかも考えたけど!

そのへんは無理でした!


読んでいただいてありがとうございました!

すいません、続き思いついたんで
続き書いてきます

今度こそ完全にゆっくりだとおもいます

『次のニュースです』

当麻が夕食を手に、居間にはいるとTVではニュースが流れていた
まことが見ていた子ども番組は終わって、娘は絵本を読んでいた

上条「よし! できたぞ」

まこと「はい! はこぶのてつだいます」

上条「いいから座ってなさい。危ないだろ」

まこと「へいきです。ままのこともてつだってました」

上条「そうか。じゃ、軽いのだけお願いします」

まこと「はい! お願いされます!」

『よって、十字教のイギリス清教から数名の来賓が学園都市を訪れます』

上条「ありがとうな。まこ……」

TVに映るのはかつて大切だった人
何度も死線をくぐり抜けた仲間たち

上条「インデックス……」

まこと「とうまくん?」

上条「いや、なんでもない。冷める前に食っちまおう」

まこと「はい」

でも今大切なのは目の前の家族なのだ
だから、TV画面から目を逸らす

まこと「とうまくん……」

娘の視線に気づかないまま

が、がんばります




続きです

一方「インデックス?」

自分で保育園に迎えに行けない時、上条は友人の誰かにかわりを頼む
そして、それは高い確率で暇な一方通行となる

まこと「はい、いんでっくすです」

一方「懐かしィ名前だな」

まこと「しってますか?」

一方「昔、オマエの親父の家に居候してヤツだなァ」

まこと「いそうろう?」

一方「まァ、なんつうかなァ、家族みてーなもンかな」

まこと「かぞくだったんですか」

一方「だいたいそンなかんじだな」

まこと「かぞく……」

一方「昔の話だァ。オマエが気にする事ねェ」

まこと「とうまくんにとってたいせつですか」

一方「気にすンなよ」

まこと「おしえてください」

一方「……ああ。昔はなァ」

まこと「とうまくんにとって、たいせつ……」

一方「ほら、気にすンな。アレだァ。パフェくわせてやっから」

まこと「ありがとうございます!」

まことは一方通行に手をひかれなが、考える
父親の大切を

垣根「イギリス清教の護衛?」

黄泉川「資料は手元に配ったじゃん」

垣根「へえ、ホテルの中庭の警護か。これじゃあVIPは拝めそうにないな」

上条「おう。良かったな」

垣根「いや、良くねえよ。見たいだろ、シスターとか」

上条「いや、興味無いから」

垣根「いや、枯れてんなこの親バカちゃんは」

上条「親バカは関係いないだろ」

垣根「あ、否定しないんだ」

黄泉川「なお、垣根と上条は向こうの警護代表のステイル氏と打ち合わせがあるから残るじゃん」

垣根「ち、居残りかよ」

上条「すまん、垣根」

垣根「あ、何だよ」

上条「急に腹が痛くなった。おまえ一人で打ち合わせしてくれ」

垣根「あ、何言ってんの、この子」

上条「じゃあな! 頼んだぞ!」

垣根「おい! 逃げんな」

???「相変わらずだな。上条当麻……」

気がつくと、二人の前に赤髪の大男が立っていた

上条「げ」

ステイル「数年越しの挨拶がそれか」

垣根「え、何知り合い?」

まこと『しずりちゃん』

麦野『なんだ、御坂のヤツまだなのか』

まこと『はい。ごほんよんでください』

美琴と同じ研究所に勤めている麦野は、よくまことの世話をしてくれていた
まことにとって姉とも、もう一人の母とも言える
とても大切な存在だ

麦野『しょうがないな。ほらどれがいいんだよ』

まこと『これがいいです』

麦野『なんだ、七夕か』

まことは麦野の本を読みあげる声が好きだった
普段はてれやさんで、乱暴な言葉を使っている彼女の
飾らない声音に安らいだ。

まこと『どうして、おりひめとひこぼしはあっちゃだめですか』

麦野『おこらせたからな。でも。一年に一度だけでもあえりゃましだろ』

まこと『そうなんですか』

美琴『ごめん! お待たせ!』

まこと『まま!』

麦野『おせえぞ! 第三位!』

美琴『ごめん、ごめん。なにしずりおばちゃんにご本読んでもらっての?』

まこと『はい! 七夕のお話です!』

美琴『よかったわね』

麦野『おい、だれがおばちゃんだコラ』

美琴『へえ、どうだったの』

まこと『はい! おりひめとひこぼしはいちねんにいっかいだけあうんです』

美琴『そう。良かったね』

麦野『お前は会いに行かないのかよ』

美琴『え?』

麦野『太平洋なんて、天の川にくらべになんねえくらいなんでもないだろ』

美琴『ちょっと……』

麦野『会おうと思えば、会いに行けるだけマシなんだよ』

美琴『どういう意味?』

麦野『アタシが土下座しなくちゃなんねえヤツは、天の川より遠くにいるんだよ』

美琴『……ごめん』

麦野『ま、後悔のないようにな』

この時の麦野の言葉は、まことにはまだよくわからなかった
ただ、まことたちのために言っているということだけは、
わかってはいた

「……こと」

「……まこと」

そこで目を覚ます

「……おねえちゃん?」

御坂妹「お目覚めですかと、ミサカは確認します」

まこと「はい、こんにちは……」

御坂妹「あの人が今日は警備員の仕事でおそくなるので、ミサカがかわりに夕食の準備をします」

まこと「はい。ありがとうございます」

御坂妹「いえ、ミサカもあなたといると嬉しいのでかまいません」

まこと「……あの、おねがいがあります」

御坂妹「はい、なんでしょうか。ミサカはどのようなおねだりにも応対する構えです」

まこと「……あの」

たいせつなひとにまだあえるのなら

御坂妹「垣根先生と、ミサカは同僚を事務的に呼びとめます」

垣根「ん、どうした」

イギリス清教のVIPが休息するホテルの中庭で、御坂妹は垣根を呼びとめる

御坂妹「いえ、明日の小テストの問題にミスがあるとミサカは指摘します」

垣根「ええーうそだぁー。ミスなんてねえよ」

御坂妹「ざーとらしい演技の共犯者に、ミサカはひそかにため息をつきます」

垣根「つーか、それ校正前のヤツだろー。決定稿は冷蔵庫の中ですー」

視界の隅で小さな侵入者が潜入するのを確認しつつ、もう少しだけ
猿芝居につきあう

御坂妹「冷蔵庫に入れんなよと、ミサカはしごく常識的な意見を述べます」

垣根「俺にー常識はーつうようしねー」

御坂妹(幸運を、まこと)

インデックスはホテルの一室で、TVを見ていた。
何年振りだろうか、日本の番組をみるのは
ゴト

インデックス「……誰」

物音に対し誰何の声をあげる

まこと「はじめまして、いんでっくすさんですか」

インデックス「はじめまして。そう、私がインデックスだよ。あなたは? 可愛らしい侵入者さん」

まこと「かみじょうまことです」

インデックス「上条?」

とても懐かしい名前。今のインデックスを救ってくれたひと。
少女の顔を見る。かつて出会った科学の少女の面影がみえる。

インデックス「そう。まことちゃんっていうんだね。どんなご用事かな」

まこと「あの」

インデックスは柔らかく微笑み、少女の言葉を待つ

まこと「とうまくんにあってください」

インデックス「どうして?」

まこと「いんでっくすさんが、とうまくんのたいせつだからです」

まこと「たいせつなひとに、あえなくなってかなしいのはいやです」

インデックス「そう」

インデックスはまことに近づき、優しく頭を撫でる

まこと「いんでっくすさん?」

インデックス「やさしいんだね。まことは」

まこと「やさしい?」

インデックス「とうまの気持ちが悲しくなるのが辛いんだね。もう泣いてほしくないんだよね」

インデックス「……ステイル。聞いてるんでしょ。とーまを呼んできて」

インデックス「こんな子を心配させるなんて、丸齧り確定かも」

そう言って、インデックスは少女のように笑った

『迷子のお知らせをします。第7学区からお越しの上条麻琴ちゃんのお連れ様、603号室でお子様がお待ちです。とっと来るんだよ』

上条「は?」

垣根「わりぃ、まことの後学のため俺が連れてきた」

上条「はぁ! 何してんの! アンタ!」

垣根「おい、早く行けよ。待ってるぞ」

上条「てめえ! 覚悟しとけよ!」

駆け出してゆく上条

垣根「全く、なんで603号室なのか考えもしねえんだな」


インデックス「ひさぶりだね、とーま」

603号室に入ると、まことに膝枕をしているインデックスがいた

上条(はめられた!)

インデックス「アレ? とーまはお父さんなのに挨拶もできないんのかな? まことはできたのに」

上条「……ひさしぶりだな」

インデックス「はい、よくできたんだよ」

上条「何だよ、それ」

苦笑しながら、上条は答える
どことなく、なつかしい感覚が胸に広がる

インデックス「ま、積もる話も無いわけじゃけど、本題に入るんだよ」

上条「な、なんだよ本題って」

インデックス「この子、とーまにあって欲しいってここに来たんだよ」

上条「まことが?」

インデックス「とうまが落ち込んでるって思ったみたい」

上条「俺が……」

インデックス「それにね、たいせつひとに会えなくなって悲しいのは嫌だからって」

上条「そうなのか」

インデックス「この子は自分も悲しいのに、とーまのことを思ってここに来たんだよ」

上条「俺のため」

インデックス「だから、とーまはこの子を心配させたことをまず、反省しなさい」

上条「ああ」

インデックス「よくできました」

上条「ガキ扱いすんなよ」

インデックス「子どもに心配を掛けるのはガキなんだよ」

上条「そうだな」

インデックス「素直でよろしい、まことを悲しませちゃだめだよ」

上条「ああ」

インデックス「まことを悲しませたら、飛んでって丸齧りにしてやるかも」

上条「そいつは怖いな」

インデックス「おかげさまで歯は丈夫なんだよ」

上条「なんだよ、それ」

インデックス「さあ、まことを早く連れ帰ってお布団に入れる。風邪ひいたら大変なんだよ」

上条「わかったよ」

立ち上がってまことを背負う

上条「インデックス!」

最後に振り向きながら

インデックス「なにかな」

上条「会えて嬉しかった」

インデックス「口説いても無駄なんだよ」

上条「わかってる」

そのまま振り向かずに、扉をあける

会えてよかった。大切だった人
でも、今はもうこの背中のぬくもりしか考えられないから

だから次は

友達としてまた会おう

まこと「……ん」

上条「お、起きたか」

まこと「いんでっくすさんは?」

上条「あったよ。おまえに風邪ひくなってさ」

まこと「とうまくんは、あえてうれしかったですか」

上条「ああ、嬉しかったよ。でも、もうこんなことすんなよ」

上条「俺が、一番会えなくて悲しいのはお前なんだからな」

まこと「はい!」

インデックス編 了

今日の分は以上です

読んでいただいた方ありがとうございます

まだ、続きます

近いうちに投下します


次は青ピと一方編かな

どうも>>1です。

投下してきます

打ち止め「お待たせ! 今日はミサカがお迎えだよとミサカはミサカは学校帰り!」

まこと「はい! ありがとうおねえちゃん!」

打ち止め「よし! じゃあ帰ろう! 途中でクレープでも買おうってミサカはミサカは気前の良いところ見せたり!」

青ピ「あ、打ち止めちゃん、ちょっとええか」

上条の古い友人で、この保育園で勤務する青い髪の男が、珍しく真面目な声で話しかけてきた。

打ち止め「ん? 何?」

青ピ「ちょっと奥で、まことちゃん、ちょっとだけ待っててな」

まこと「はい」

青ピ「あの子道具箱の中にこれ隠してたんや」

くしゃくしゃに丸めた紙を青ピが広げる。

打ち止め「プリント? 何のお知らせだろってミサカはミサカは確認してみる」

青ピ「うちの保育園の運動会のおしらせや」

打ち止め「運動会?」

青ピ「そ、大覇星祭で学園都市自体が慌ただしくなる前に、うちは運動会するんや」

打ち止め「?」

青ピ「僕のミスやな。直接上やんに連絡好きやったな。大覇星祭の準備で上やんが忙しいんはわかっとたのに」

番外個体「つまり、忙しい上条当麻に気を使ってかくしてたってこと?」

打ち止め「そう! 高校教師で警備員は忙しいの!ミサカはミサカは肯定する!」

一方「ガキが遠慮すンなよな」

番外個体「で、上条当麻はどうするの?」

打ち止め「その日は午前中に補習授業があるけど、終わったら行くって」

番外個体「じゃあ、ミサカ達が午前中から応援にいこうか」

打ち止め「でも一つ問題が! ミサカはミサカは予定表を取り出してみる!」

番外個体「なになに? 午前のラストに『父と子の二人三脚』?」

一方「!」

打ち止め「そう!どうしようかな?」

番外個体「んー」

一方「ゴホッ! うォっほン」

番外個体「上条当麻が間に合うのを期待するかなぁ」

打ち止め「でも、間に合うかなってミサカはミサカは心配」

一方「チョーカーの改良すげえなァ、これ一日持つンじゃねェ?」

番外個体「上条が教師やってる高校と保育園って近くでしょ」

打ち止め「うん。でも補習だよ?」

一方「イチニッ! サンシ! 軽やかに動けンなァ、俺!」

番外個体「そうだねー」

打ち止め「どうしようか?」

一方「……」

番外個体「なんか解決策ないかな?」

打ち止め「うーんミサカはミサカは熟考中」

一方「無視すンなやァァァァァァァァァ!!!!!」

打ち止め「どうしたの? 急に大声出して」

番外個体「近所迷惑だよ」

一方「だから! 三下が間に合わねェ時はァ! 俺が出るって言ってるンですゥ!」

打ち止め「言ってないよってミサカはミサカは突っ込んでみる」

番外個体「もやしのあなたが?」

一方「もやしじゃねェ!」

打ち止め「ケガしたら危ないよって、ミサカはミサカは虚弱体質のあなたを気遣ってみる」

番外個体「保育園の運動会で能力全開は、大人げないよ」

一方「ンだと! よし! じゃあ、俺がもやしじゃねェって、証明してやらァ! 外で走りこんでくるゥ!」

それだけ言って、一方通行は外に飛び出す。ちょっと目頭を輝かせながら。

打ち止め「………」

番外個体「………ねぇ」

打ち止め「何?」

番外個体「運動会って三日後だよね」

打ち止め「うん」

番外個体「今から走りこみ?」

打ち止め「……そうみたいだね」

番外個体「……」

打ち止め「……」

一方「ちくしょう! あいつらァ……、馬鹿にしやがって」

信号を待ちながら、ひとり呟く

一方「ぜってェ、見返してやるゥ」

青ピ「あれ? あっくんやん」

振り向くと見慣れた顔が一つ。

一方「おう、オマエか。今帰りかァ?」

青ピ「そんなとこや」

上条を通しての友人であり、なにより最近まことの送り迎えで遭遇するこの男を、一方通行は嫌いではない。むしろ、友人が少ない一方通行としてはちょっとテンションが上がるが、そんなことは顔には出さない。絶対に

一方「お前ンとこの運動会、俺も応援にいくからな」

青ピ「まことちゃんの?」

一方「他に誰がいンだよ」

青ピ「ウチの子らに惚れてまったかと」

一方「ねェよ! なんでどいつもこいつも俺をロリコン扱いしやがるンですかァ!」

青ピ「冗談や」

一方「……」

青ピ「運動会のことなんやけど」

一方「?」

青ピ「父と子の二人三脚、提案したの僕なんや」

一方「ほォ」

青ピ「二人三脚って前もって知らせとけば、上やん、時間とって練習するかもしれんやろ? まことちゃんと」

一方「そうだなァ」

青ピ「あの時期、上やん忙しいからなぁ、まことちゃんと過ごす口実にできると思ったんやけど」

一方「あのガキが変に気ィまわして裏目にでたと」

青ピ「せやな」

一方「間抜けなオマエらしい」

青ピ「ひどいやん」

一方「事実だろォが」


青ピ「どういう意味や。……あ、この話、上やんにはオフレコな」

一方「おォ」

青ピ「ところで、あっくんは何しとるんや?」

一方「……健康のためのジョギングだァ」

青ピ「ジョギング?」

一方「ジョギング」

小萌「じゃあ、上条ちゃん補習頑張ってください」

上条「……はい」

小萌「小テストを何度か挟んで、全員が目標点を取れるまでですから。みんなが頑張ればすぐ終わりますよ」

上条「……はい」

小萌「みんな昔の上条ちゃんみたいな子たちですから、だいじょうぶですよ」

上条「……そう言われると不安になるんですけど」

小萌「早く終わらして、まことちゃんのとこ行ってあげてくださいね」

上条「……頑張ります」

小萌「じゃ、頑張ってくださいね」

上条「……大人になっても、補習まみれかよ。立場は違うけど」

そう考えると学生時代に自分が、この子どもにしか見えないかつての恩師にして、現在の上司にどれだけ迷惑を掛けていたかもわかる。
わりと命がけの理由での、欠席も多かったが。

御坂妹「開会式が始まったそうですとミサカはMNWからの報告を伝えます」

上条「あー、打ち止めたちが行ってくれてるんだったな」

御坂妹「はい。さらに一方通行が応援席の真ん中で筋肉痛で唸ってることもミサカは付け足します」

上条「は? 一方通行が」

御坂妹「はい。まさかあのもやしに、痛くなる筋肉があったとは。骨と皮だけではなかったという新事実にミサカは驚愕します」

上条「いや、そういうことじゃなくて」

垣根「おい、生徒たちまってるぞ。無駄話してんなよ」

上条「おう、悪い」

ため息をついて職員室を出る。そこで気持ちを切り替える。生徒たちは今は嫌なだけかもしれない。
しかし、大人になってこの補習が財産になる事もあるかもしれない。
今の上条のように。だから、手は抜けないのだ。

保育園

打ち止め「ビデオカメラ確認! ミサカはミサカは録画開始!」

番外個体「まことー。あ、こっちふりむいた」

一方通行「おォ、うーン、てっ」

打ち止め「流石にカメラ映りいいね! ミサカはミサカは叔母バカぶりを発揮してみたり」

番外個体「プログラム、プログラムっと。あ、あった」

一方「うゥ…。おおおゥッ」

打ち止め「かけっこにも出るんだよねとミサカはミサカは確認してみたり」

番外個体「ま、保育園でできる種目もかぎられるし結構出るんじゃない?」

一方「ぐっふ」

打ち止め「……。ねえ大丈夫?」

番外個体「まさかの筋肉痛だね」

一方「筋肉痛じゃありませン……。深呼吸してるだけですゥ」

打ち止め「はぁ、意地張っちゃって」

番外個体「ほんと、上条当麻が間に合わなかったらどうしようか」

一方「だ、だからァ……。お、俺がでるってンだろォ」

打ち止め「……」

番外個体「まことー。こっちむいてー」

そういえば打ち止め居んな
死んだのは会えないらしいから浜面のみか

はまづら死んでんのかww

>>153 >>154

いえ、紛らわしい言い方なだけで生きてます。多分

上条「じゃあ、ここでキリにして小テストを始めるぞ」

生徒たち「ぶー!ぶー!」

上条「はっはっはっ。ぶー垂れてもテストはしますよ。70点以上のヤツは補習終了でかえっていいぞ。さぁ。頑張れ!」

――――

上条「……(残り時間半分か)」

生徒たち「終わりました!」

上条「え! まだ時間半分だぞ」

生徒A「俺たち頑張ったんです!」

女生徒A「だって先生、今日娘さんの運動会でしょ」

生徒B「早く行ってやれよ!」

上条「……お前たち」

目頭を押さえ、回収した答案を採点していく

生徒C「さあ、急いで先生」

上条「お前たち!」

生徒たち「先生!!」

上条「ひ、ひとりも」

生徒たち「はい」

上条「一問もあってない……」

生徒たち「……あれ?」

打ち止め「やった! まことが一等賞! ミサカはミサカは決定的瞬間の撮影に成功したり!」

番外個体「写真もバッチリだよ」

一方「俺の応援のおかげだなァ」

打ち止め「あれ? あなたは筋肉痛で呻いてたんじゃ」

一方「だからァ、深呼吸ってンだろ。呼吸成功なンだよ」

番外個体「……(チョーカーがオンになってる)」

一方「にしても三下来ねェな」

打ち止め「うん。もうすぐ始まっちゃうよ」

番外個体「補習だからね、時間がかかるのはしかたないよ」

上条「……さあ、三度目の小テストだ」

生徒たち「……」

上条「ちなみにこれまでの合格者は0だ……」

上条「だけどな! お前たちはやればできる子なんだよ! 今回こそ大丈夫だ!」

生徒たち「おおお!!!!」

上条「はじめ!!!」

―――――――

上条「……(残り時間半分か)」

ガララッ

上条「ん? 垣根?」

垣根「上条先生、ちょっといいですか」

上条「あ、はい」

廊下

上条「で、なんだよ」

垣根「大したことじゃねえよ」

上条「大したことないんなら行くぞ」

垣根「あ、ちょっと待て! やっぱ大したこと!」

上条「何だよ……。テスト中なんだよ、今」

垣根「だーかーら、代わってやるよ、補習」

上条「え?」

垣根「俺のクラス早めに終わったんだよ」

上条「え、あ、いいのか?」

垣根「いいんだよ。ほらさっさと行け」

上条「でも、アイツラは俺の生徒で」

垣根「お前のために、無い知恵絞って問題といてる連中だ。この程度じゃ怒んねえよ」

上条「しかし、責任が……」

垣根「お前の責任はまことにもあるんだろうが! 俺とガキどもが良いってんだ! さっさと行け!」

上条「……悪いな」

垣根「気にすんな」

まこと「とうまくんは?」

打ち止め「ごめんね。まだ来てないんだ……」

まこと「そうですか……」

番外個体「もう次が二人三脚かぁ……」

まこと「とうまくん、いそがしいのでしかたないです」

打ち止め「まことちゃん……」

まこと「だいじょうです。せんせいにいってきます」

一方「おィ、待ちやがれェ」

まこと「あっくん?」

一方「オマエはァでたいのか」

まこと「とうまくんいそがしいです」

一方「出たいかどうか聞いてンだ、イエスかノーで答えろ」

まこと「……でたいです」

一方「そうだ! 良く言ったァ。前に言ったよなァ、ガキが遠慮すンなって」

まこと「……はい、でも」

一方「でもじゃねェ! 確かに全部が全部かなえてはやれねェ。でもな、できる事はしてやるンだよ」

まこと「……あっくん」

一方「俺がでてやる」

まこと「……っ、いいんですか!」

一方「あったりめェだ。前に番外個体が言ったろォ『ミサカ達はオマエの味方』だって」

まこと「はい」

一方「なら、俺も味方なンだよ」

保育士「あの杖をついた方の参加は……」

一方「かてェ事いうなよ。どーせガキどものペースに合わせンだ、変わンねえだろ」

保育士「でも……」

青ピ「どうぞ参加してください」

一方「オマエ」

保育士「先生!」

青ピ「こいつ、能力者です。能力使ってる間は大丈夫。それに何かあったら僕、責任取りますんで」

保育士「……しりませんからね」

青ピ「おおきに」

一方「悪ィな」

青ピ「気にせんでええ」

まこと「せんせい、ありがとうございます」

一方「じゃ、行くかァ」

青ピ「あっくん、まことちゃん」

一方「なンだ」

青ピ「頑張ってな」

一方「ああ」

まこと「はい!」

「位置について、よーい」

「どん!」

一方「いくぜェ! まことォ!」

まこと「はい!」

一方(よし! 良いペースだァ)

まことのペースに合わせ、一方通行は進む
能力を使っても、まことにあわせなければ意味が無い
トップではない、しかし、遅れてもいない

まこと「あっくん、だいじょうぶ?」

一方「ガキが気にすンなってンだろォ」

1、2、1、2、1、2、1、2、

だんだんと、トップとの差が詰まってくる

まこと「あっくん! いそいで!」

一方「おゥ!」

まことの言葉に笑みが零れる
わがままを言わせることができた

上条「まこと! 頑張れ!」

ようやく来た人の声が二人に伝わる
これでもっと頑張れる



「ゴール!」

番外個体「おしかったね」

二人三脚後の昼休憩、弁当を取り出しながら番外個体が言う

打ち止め「二人とも頑張ったよとミサカはミサカはねぎらってみる」

上条「まこと凄かったぞ」

まこと「ありがとうございます」

一方「二位じゃ碌なもンじゃねェよ。俺の知ってる二位見てればわかる」

上条「いや、アイツも結構あれで……」

番外個体「あ、これおいしい」

打ち止め「ちょっと、勝手に食べないでよってミサカはミサカは抗議してみる!」

番外個体「だってもうお昼だからね」

上条「まことは何が食べたい?」

一方「おい、俺の分まで食うンじゃねェ」

まこと「おちゃとってください」

上条「はいよ」

青ピ「上やん、僕も一緒していい」

上条「おう、でもどうした」

青ピ「いやー同僚の女の子、怒らせちゃって気まずいんや」

上条「相変わらずだな」

一方「おィ」

青ピ「なんや、あっくん」

一方「アレか、さっきのかァ」

上条「ん、なんかしたのかよ」

一方「実はさっきなァ「僕が同僚にメイド服について語ってるとこ、あっくんにみられたんや」

上条「なにやってんだよ、おい」

まこと「とうまくん」

上条「どうした?」

まこと「かえりにクレープやによりたいです」

上条「なんだ、珍しいな」

まこと「だめですか」

上条「たまにはいいかな」

まこと「ありがとうございます!」

打ち止め「あ、ミサカもお供します!とミサカはミサカは話に割り込む!」

番外個体「いいね。10032号にも連絡しとくよ」

上条「いいぞ、みんなで行こう」

まこと「はい!」

一方「おィ、からあげ取ってくれェ」

一位は取れなかった
しかし、まことの顔をみると
これも悪くないと思う

もちろん、次の機会は絶対に勝つつもりだが





一方&青ピ編のはずだった運動会編  了

今日の分は終わりです

一方さんと青ぴのカッコいい話のつもりだったんですが……

読んでくれた方ありがとうございます


次は回想とかで美琴が出てくる話を投下したいとおもいます

名前消し忘れてましたぁぁあ!!!
ごめんさない!

>>182
いえ、大丈夫です

マイガールの場合は、主人公の男は女の後輩で、女が身ごもった時まだ学生の身
女が子供出来た事を主人公に知らせず、単身渡米してそこでひっそり子供を産んでるんだよな
境遇が色々と違うけど、まあ近しい何かがあったんだとは思う

そういえば元ネタはドラマ化された気がする

相葉君が出てたね

>>187
説明ありがとうございます。
この話では先輩と後輩を、レベル5とレベル0におきかえて下さい。

>>189>>190
俺はドラマ版のおかげで嵐の脳内評価がぐんとあがりVS嵐さえ見るようになりました



では、今日の分投下しはじめます

上条「うっぷ、飲み過ぎた……」

大覇星祭の一日目、ガンガンする頭と、こみ上げえてくる吐き気に耐えながら上条はマンションの自室の扉を開ける

上条「ただいまー、あっ」

静寂
上条の背後から差し込む廊下の明かりと、幾つかの電子製品の電子表示だけに照らされた闇。

上条「……つい言っちまった」

大覇星祭の最初の三日間、警備員の勤務が詰まりかつ、担当クラスの参加種目が集中していたため、まことを実家の両親のもとに預けていた。しかし、後半は一緒に大覇星祭を楽しむつもりだ

だが、そのことを女上司二人に知られてしまったのが運の尽きだった。「じゃあ、今日は遅くなっても平気ですねー」「じゃんじゃん呑むじゃん」

垣根は逃げ、のこされたのは上条と、絶対に呑ませてはいけない(と上条が思ってる)御坂妹だけであった。だから、一人で犠牲になったのだ

上条「……もうしばらく酒はいいや」

明かりをつけ、ネクタイをゆるめながらソファに腰掛ける

上条「なんか、広いな……」

一人で暮らしてきた時には、そう感じる事はなかったのに

上条「よってんな、俺」

立ち上がり、夜風に当たろうとベランダに出る

上条「あー良い風」

何となく夜景に目を落とす。
広がるのは見慣れた街並み

『よし、アンタここにしなさいよ!』

上条「やばいな、酒のせいで弱気になってんのか」

見慣れているからこそ、思い出してしまうこともある

ごく当り前で、だからこそ大切だったあの日を……

店員『こちらは駅から五分で……』

美琴『うーん。でも間取りがねぇ』

上条『おい』

店員『でしたらこちらはいかがでしょう』

美琴『わるくないわね。でもエレベーターなしの四階かぁ』

上条『だから、おい』

店員『では、こちらは……』

美琴『そっちはどうなの?』

上条『だから! なんで上条さんの部屋探しで美琴さんが仕切ってんの!』

美琴『うるさいわね。アンタ一人じゃ失敗しそうだから手伝ってんじゃないの』

上条『それはどうも! でも少しは俺の意見も聞いて!』

美琴『だいたい、アンタが一人選ぶと、またなんかあって不幸だーとか言い出すんでしょ』

上条『ぐぅ』

美琴『たび重なる建物への負担で、急速な老朽化って何があったのよ。今住んでるとこ』

上条『ま、魔術師が……』

美琴『それに私が手伝えば、何かあった時に私のせいにもできるでしょ』

上条『へ?』

美琴『さ、次のは……』

上条『?』

美琴『ん、この住所で、この間取りだと……。よし! この部屋良いですね。ちょっと現物みせてもらってもいいですか?』

店員『かしこまりました』

上条『? 美琴?』

美琴『ほら! ぼっーとしてないで! さっさと移動するわよ』

上条『お、おう』

店員『ではこちらになります』

美琴『へえ、良い感じですね』

上条『一人で暮らすには広くねえか』

店員『彼女さんが遊びに来ても大丈夫な広さです』

上条『いえ、そんなこと聞いてませんから』

美琴『では、確認……』

美琴が窓を開け、ベランダに出る

上条『おい、美琴』

外に出た美琴に上条が声を掛ける




『よし、アンタここにしなさいよ!』


急かされながら、上条もベランダに出る

上条『どうしたんだよ』

美琴『ほら、見てあの公園……』

上条『あれは……』

美琴『やっぱりここからだとよく見えるでしょ』

上条『お前が蹴りまくってた自販機が』

美琴『そうそう……。って違う!! いや、違わないけどそうじゃなくて!』

美琴は上条を見つめながら、そっと微笑んで

美琴『ベランダに出れば、いつでも思い出せるでしょ』




『アンタが最初に私に出会ったとき』



上条『……いや、もっと前なんだろ、ホントは』

美琴『そっちは私が思い出すからいいの。それに仕方ないわよ』

上条『まぁ記憶喪失だからな……』

美琴『だから、時々思い出してよ。アンタの中で私と出会った日をさ』

上条『お前の顔見りゃすぐに思い出すよ』

美琴『……うん。そうだね』




上条「アイツがあっちに行くって聞く、少し前の話だったかな……」

まことのために今度こそ強くなる
そう決めたのに

上条「ホントに、今日は呑まされたんだな。全然酔いがさめねえ」

思い出すだけで

上条「やべ、吐きそう」

胸が苦しくなる

でも

ぱん! 両手で勢いよくほおを張る

上条「よし! 酔いさめた」

思い出を捨てる事はしない

約束したから

上条「まことに心配かけちまう」

話すと

大切だったアイツとの思い出を

今、一番大切なあの子に

ピンポーン

上条「何だ? こんな時間に」

一方「バカですかァ。なンで酔っ払いに酒持ってくンですかァ」

垣根「二日酔いには迎え酒ってんだろ。コーヒーしか持ってきてねえやつがいうな」

一方「オマエ、コーヒー馬鹿にすンじゃねェ! カフェイン漬にすっぞ!」

垣根「できるもんならやって見やがれ! つか、カフェイン漬ってなんだよ!」

一方「カフェインの漬けだよォ!」

垣根「そのまんまかよ!」

土御門「落ち着け二人とも。近所迷惑だ」

青ピ「かーみーやーん。見まいにきたでー」

ガチャ

上条「お前ら……、こんな時間になんだよ」

土御門「上やんが、呑み過ぎてグロッキーってきいたから様子を見に来たにゃー」

垣根「おい、聞いてくれよ。こいつコーヒーしか持ってきてねえんだぜ」

一方「酒持ってきたやつが言うンじゃねェ!」

上条「……ただ、遊びに来ただけか」

土御門「そうともいうにゃー」

上条「ま、あがれよ」

しかし

わかっている
こいつらは
まことがいない事で上条が落ち込んでないかと
心配で来たことを

上条「素直じゃねェな」

一方「あン? 何か言ったかァ」

上条「いや、何でもない」

人は言葉の裏にも表にも想いを込める
あの日の美琴のように

でも、丸ごとあの子に届けよう

上条「はやく、四日目にならないかな」

表か裏だけでは、足りないから


呑んだくれ編  了

今日の分投下終了です

次は麦野来日編かステイルお使い編かリアルゲコ太遭遇編に
なったらいいなと思います

読んでくださった方ありがとうございます

どうも、今日の分投下してきます

超合金スーパーエヴァンゲリオンで遊んでたせいで
ちょっと少なめかもしれません

ステイル「では、これを日本とアメリカに届ければいいんだね」

インデックス「そう。お願いするね」

ステイル「ああ、任せてくれ」

インデックス「魔術的には意味は薄いけど、神学的に貴重な書物だから、ちゃんと大学に届けてね」

ステイル「大丈夫さ」

インデックス「それと、仕事を頼んどいてなんだけど……」

ステイル「何かな?」

インデックス「体、大丈夫? ここのところ働きすぎじゃない?」

ステイル「心配いらないよ。そんなにやわじゃないからね」

インデックス「……ならいいんだけど。あ、そうだ」

ゴソゴソと机の引き出しをあさるインデックス

インデックス「学園都市に行ったら、これをまことに届けて」

ステイル「……イギリス銘菓、ロンドンせんべい?」

インデックス「そう、とっても美味しいんだよ」

ステイル「わかった。ちゃんと届けるよ」

インデックス「お願いなんだよ」

まこと「とうまくん!」

帰宅した当麻を愛しい娘の元気な声が迎える

上条「ただいま。どうした、なんか嬉しそうだな」

まこと「はい! しずりちゃんがきます!」

上条「へえ、麦野が」

まこと「はい! とってもたのしみです!」

上条「そうか、よかったな。浜面たちは?」

まこと「……おしごとでこれません」

上条「残念だな。でも、そのうち会えるさ」

まこと「はい!」

アメリカ 日本行きの旅客機

ステイル「えーと、僕の座席は……あ、あった」

指定された座席の隣にはステイルより少し年上に見える日本人女性が座っている

ステイル「すいません、席となりなので」

麦野「あ、はいどうぞ」

女性が立ち上がり、ステイルの通るスペースを作ってくれる

ステイル「ありがとうございます」

麦野「いえ、お気になさらずに」

ステイルが席に座ると、女性も席に腰を下ろす

麦野「ご旅行ですか?」

ステイル「いえ、仕事です。学園都市まで。あなたは?」

麦野「私はお墓参りに。あと、友人の子の様子もついでに見てこようかと」

ステイル「そうですか。良い旅を」

麦野「ええ。あなたも」

学園都市、空港

まこと「しずりちゃん、まだですか」

上条「便はついてるし、もう来るだろ」」

まこと「たのしみです」

上条「そうか」

麦野「まこと、上条!」

まこと「しずりちゃん!」

まことが駆け出し、麦野に飛びつく
麦野はそれを優しく抱きとめ、にっと笑う

麦野「しばらく見ないうちに、ちょっと大きくなったんじゃないか」

まこと「はい! せがのびました!」

麦野「そうかぁ! よかったな!」

上条「麦野、ひさしぶりだな」

麦野「上条か。悪いわね、迎えに来させちゃって」

上条「気にすんな。まことが会いたがってたしな」

まこと「しずりちゃん、あえてうれしいです」

麦野「アタシも嬉しいよ」

上条「じゃ、絹旗んとこまで、送ってやるよ」

麦野「ああ、頼む」

上条「じゃあ、また明日な」

まこと「まちをあんないします」

麦野「ありがとうな。二人とも」

絹旗「麦野、この先の花屋に超予約してますから」

麦野「絹旗もありがと」

上条とまことが去っていく

麦野「浜面と理后も、来たがったんだけど……」

絹旗「仕事じゃ、しょうがないですね」

麦野「じゃ、行こうか……」

絹旗「はい…」

ステイル「では、たしかにお届けしましたよ」

職員「はい、ご苦労様です」

ステイル「では、失礼します」

仕事を終え、届け先の研究室をでる

ステイル「さてと、インデックスから上条当麻の娘への贈り物を届けに行くか」

インデックスのためにできる事は全てしてやりたいと思う
たとえ、こんな単純なお使いでも彼女のお願いなら喜んでやろう

ずっと昔にそう決めたから

ステイル「上条当麻の家は、……うっ」

突如、鈍い痛みが頭に響く

ステイル「少し、疲れたかな。まだまだ若いつもりなんだけど……」

ここのところ仕事を詰め過ぎたのかもしれない
インデックスにも心配させてしまっているようだったし。

ステイル「これ届けたら、早めに休むか……」

この街に帰ってきた一番の目的を終え、麦野は絹旗と歩く

絹旗「さて、これからどうしますか」

麦野「明日はまことを遊びに連れてってやるつもりだけど」

絹旗「じゃあ、これから映画でも行きますか」

麦野「んー、アンタの選ぶ映画かぁ」

絹旗「どういう意味ですか、超失礼です」

麦野「んー」

ふと、向こうから歩いてくる人影に気がつく
知り合いでは無い
しかし、見覚えはある

「あ、飛行機の……」

絹旗「知り合いですか」

麦野「ああ。飛行機で隣の座席だった」

それは、たしかに飛行機で隣り合った麦野より少し年上にみえる白人の青年だ
これも何かの縁だ。麦野は青年に近づく

麦野「すいません」

ステイル「ああ、あなたは……」

麦野「はい、飛行機で一緒でしたね」

そこで青年の様子がおかしいことに気がつく
顔色が悪い

麦野「あの、大丈夫ですか、ひどくお疲れみたいですけど」

ステイル「いえ、すこし疲れてますけど……だいじょ」

ばた
マンガみたいな音を立てて
青年が地面に倒れる

麦野「だ、大丈夫ですか! 絹旗!」

絹旗「はい! もしもし、きゅ、救急車を!」

ステイル「ん、ここは……」

風にたなびくカーテンが視界の隅に映る

ひどく懐かしいこの場所は……

ステイル「学園都市の、病院……」

麦野「気がつきました?」

絹旗「全く、急に倒れるとは、超驚きましたよ」

ステイル「……どうやら、迷惑を掛けてしまったみたいですね」

ステイル・・・
だからあれほど禁煙しろといったじゃないか

麦野「困った時はお互い様です」

絹旗「その通りです。でも無理しちゃだめですよ」

ステイル「ありがとう」

麦野「でも、街で倒れるまでなんて」

絹旗「どういう生活してるんですか」

ステイル「仕事が忙しくて……。いや、そうだけど、そうじゃない」

麦野「?」

ステイル「昔から、大切なヒトのそばで働いていてね。彼女のためって言い聞かせてちょっと無理をしてしまったかな」

初対面の人たちに話すような話ではない
しかし、恩人である彼女たちに誤魔化しはしたくなかった

絹旗「恋人か、奥さんですか?」

ステイル「……いや」

麦野「そうですか」

ステイル「情けないな、僕は」

結局、どうでもいい愚痴を吐いてしまった

ステイル「すまない、変な話をしてしまった。忘れてくれ」

麦野「ずっとそばにいるだけ、凄いと思います」

絹旗「麦野?」

麦野「アタシは、同じ街で暮らしているくせに、距離を取ってる。今回だって、アイツらと予定が合わない日をわざと選んで……。それに、一時期は同僚の子育ての手伝いまでバリアーにして」

絹旗「そうだったんですか」

ステイル「……」

麦野「同僚の子育て自体は、たくさん得るものがありました。あの子は私にとっても家族だと思います。でも、手伝い始めた理由は……」

絹旗「麦野……」

ステイル「……」

麦野「アイツと違う街で暮らすこともできない。友達として、少しだけ離れてる。だから、そばにいるだけでも」

「アンタは強い」

麦野「すいません、アタシこそ、変な話しちゃって」

ステイル「いえ、ありがとうございます。元気が出ました」

「げこたです! そっくりでした!」

「いや、だからただの医者だぞ」

「おいしゃさん……。まことがびょうきになれば……」

「こら! そういうこと言っちゃだめだろ」

「ごめんなさい」

「はい! 素直でよろしい。さてと、ここか」

上条「ステイルー! 見まいにきたぞ、ってあれ?」

まこと「しずりちゃん!」

ステイル「知り合いかい」

上条「まあな。つか、お前たちこそ」

絹旗「この人が倒れた時に、超近くにいましたから」

上条「そうだったのか。いや、迷惑掛けたなふたりとも」

麦野「気にすんな」

ステイル「そうだ、せっかくだから……。すまない僕の荷物をしらないか?」

絹旗「ああ、ベッドの下です」

ステイル「ありがとう。はい、まこと」

まこと「ありがとうごじます! なんですか・」

上条「……イギリス銘菓、ロンドンせんべい」

まこと「あけてみんなでわけていいですか」

上条「いいか、ステイル?」

ステイル「構わないよ」

まこと「ありがとうございます」

まことが開けると、整然とならんだせんべいの上に

ステイル「ん? 日本語の診察券?」

上条「手紙もあるぞ」

『とーまへ。最近ステイルが疲れてるみたいなので、なだめすかして騙して冥土帰しの病院に連れてってあげて。 インデックス

追伸 まことを泣かせたら丸齧りだよ』

ステイル「インデックス……」

上条「心配されてんな、お前」

ステイル「みたいだね……」

そう言ってステイルは笑う。
たった二枚の紙で、これから先も頑張れる
そんな確信が、ふっと湧いてきた

来日編 了

今日の投下は以上です

なんか、ステイルと一方さんと番外個体が他に比べて書きやすいです

まだ続き書きたいと思います

>>238

むしろ、吸えない飛行機に乗りまくった禁断症状かもしれません

読んでくださっている方ありがとうございます


次は当麻VS常盤台入学金~接触編~

にしたいかと思ってます

どうもです

年については大体8~10年後位のつもりです

続き投下します

上条「高ッ!」

パソコンに表示された金額に、思わず口から声が漏れる

まこと「とうまくん?」

テレビを見ていた娘が不思議そうな顔をする

上条「いや、なんでもない。まことは気にしなくていい」

まこと「?」

上条「ちょっと、パソコンでお仕事してて失敗しちゃっただけだから。もう直したから大丈夫」

まこと「はい、わかりました」

上条「悪いな。でかい声出しちゃって」

誤魔化しつつ、もう一度ディスプレイ上の金額に目を落とす

『常盤台中学入学金』

その項目を何度も確認する

上条「……やっぱり高いな」

何度確認しても、当然ながら一円も安くはならなかった

上条「金がねえ……」

職員室で一人ため息をつくと、隣の男が反応した

垣根「どうした? また財布でも落としたか」

上条「いや、そう何度も落とさねえよ」

垣根「じゃあ、アレか、また車に隕石が激突したとか」

上条「んな事が何度もあってたまるか」

垣根「じゃあ何だよ。どんな珍事件があったんだよ」

上条「珍事件じゃねえよ」

垣根「じゃあ、何があったんだよ」

上条「いいだろ、別に」

垣根「教えろよ」

上条「……はぁ。実はな」

簡単に昨日調べた入学金の事を話す

垣根「……バカか、オマエ」

上条「な、いきなりなんですか!」

垣根「お前、まことは今、どこにいる?」

上条「どこって……。保育園だろ。あ、でもそろそろ一方通行が迎えに行ってるかもしれん」

垣根「さて、お前を悩ますのは、何の金?」

上条「さっきも言ったろ、常盤台の入学金……」

垣根「何年後の話だよっ!」

上条「な、良いだろ別に! 前もって考えてた方がいろいろと……」

垣根「まあ、それも一つの手だな」

上条「おおう。そ、そうだろ」

垣根「じゃあ、小学校行ったら塾とかも考えてんのか?」

上条「え?」

垣根「それに学力だけじゃねえ、レベル3以上だろ、あそこ」

上条「あ、ああ」

垣根「親子でも同じようにレベルが上がるとは限らねえだろ」

上条「そうだな」

垣根「だったら、レベルが上がらない事もある。まことのレベルが上がってきてから、考えたらどうだ」

上条「……かもしれない。でも、俺は」

学生時代の美琴の写真を見た時の、まことの表情を思い出す

上条「今から、できる事はしてやりたいんだ」

垣根「じゃ、そうしろよ。とりあえず節約して金でもためとけ」

上条「ああ。ありがとな」

垣根「へ」

青ピ「じゃあ、また明日なまことちゃん、あっくん」

一方「おゥ」

まこと「さようなら」

一方「スーパーよってプリンでも買うかァ。どンなのがいい?」

まこと「いいんですか?」

一方「遠慮すンな」

まこと「じゃあ、プッチンってなるのがいいです」

一方「おゥ。多分、打ち止めと番外個体も食いやがるから、4つ、いや三下の分も含めて5つだなァ」

まこと「……あ」

常盤台の制服を着た少女たちと擦れ違う。
学校帰りなのだろう、仲よさそうにおしゃべりをしている。

一方「だいたい、打ち止めも番外個体も勝手に人ン家来て、人様の冷蔵庫開けやがる、アイツら人をなンだと……。どうした?」

まことは擦れ違った少女たちの後ろ姿を見つめていた。
一方通行に呼び掛けられ、誤魔化すように笑って

まこと「なんでもないです」

それだけ言った

一方「そっか、じゃ、スーパー行くぞォ」

一方通行も、それ以上は聞かなかった

まこと「とうまくん、おでんわです」

上条「お、ありがとな」

机の上に置きっぱなしだった携帯が鳴りだし、それをまことが持ってきてくれた。
受け取り、電話に出る

一方『おゥ、三下ァ、今大丈夫か』

上条「ん、大丈夫だけどなんか用か」

一方『さっきな、まことの様子で気になったンだが』

上条「まことの?」

上条に携帯を渡した後、絵本を開きすれを熱心に読んでいる

一方『大したことじゃねェかもしれねェが……』

上条「なんだ、とりあえず話してくれ」

一方『今日、帰りによォ、常盤台のガキと擦れ違ったンだが、ソレをまことがずっと見てたんだ』

上条「……常盤台?」

一方『しらねェガキだったし、俺が気がつくと見るのやめやがったンだが』

上条「そうか……」

一方『あ、あの年で年上趣味の百合に目覚めたとかへンな心配はすンじゃねェぞ』

上条「いや、してないから。どっからそんな発想がでてくるんだよ」

一方『でも、女子校にはそーゆーの多いイメージがァ』

上条「話ずれてるから、百合とかいいから」

一方『ああ、そうだな。やっぱりアレかァ』

上条「……美琴の母校だからな」

小さく、昔の写真見せちまったからな、と付け加える

一方『ま、仕方ねェ、まだ一年たってねェしな』

上条「ありがとな、教えてくれて」

一方『気にすンな。俺はあのガキの味方だからなァ』

一方通行との電話を切ると、まことが本を読みながら寝てしまっている事に気がつく

上条「風邪ひくぞ」

いいながら、起こそうとした時

まこと「……まま」

上条「!」

まことの寝言が上条の動きを止めてしまう

まこと「……あいたい」

上条「……俺も会いたいよ」

罰ゲームと言われて、街中で振り回されたい
映画の感想でケンカしたり、外食を食べて仲直りしたい
失った記憶の中のように勝負を挑まれてもいい
彼女の言ってたように、呆れた顔で受けて立ちたい

上条「……よし」

起こさないようにまことを抱きあげベッドまで運ぶ
せめて夢の中で、この子が彼女に再会しますように

でも、夢から覚めたこの子のために、何がしてやれるのだろうか

警備員の勤務を終え、夕飯の材料を手に薄暗くなり始めた街を歩く

上条「……常盤台か」

入学金はどうにかなると思う
しかし、レベルと学力は本人しだいだ
どのような応援ができるのだろうか

刀夜「当麻!」

上条「……親父」

刀夜「偶然だな。ちょうどお前のところに寄ろうと思ってたところだったんだ」

上条「なんで、ここに」

刀夜「仕事でこの近くまで来てな。ついでにお前とまことの顔を見に来た」

上条「まことはともかく、俺の顔もかよ」

刀夜「いくつになっても、お前は私の子どもだからな。心配くらいさせてくれ」

上条「心配か」

心配のしすぎで、偶然に魔法陣をつくり上げた男を見る
しかし、その気持ちが以前よりもわかる気がする

刀夜「ん、お前もまことの事で心配でもあるのか」

上条「……まあな」

刀夜「ふっ」

上条「何笑ってんだよ」

刀夜「いや、嬉しくてな。お前も大きくなったとな」

上条「……なぁ、結局自分には応援する事しかできないって時どうする」

刀夜「応援する。お守りでも渡す」

上条「あんたはそうかもしれないけど」

刀夜「嫌だったか?」

上条「そうじゃねぇけどよ」

刀夜「そうか。ありがとうな」

上条「なんだよ」

刀夜「いや、お前が嫌がって無い事が嬉しかったんだよ」

上条「嬉しかった?」

刀夜「ああ、心配してるポーズだけしてるっていわれても仕方ないからな」

上条「そんわけないだろ」

そうだ
自分の不幸体質を心配しての行動は、結果として偶然に事件を引き起こしたもの
その行動は嫌では無かったと思う
自分を見守っている事をはっきりと示された気がして

上条「ああ、そっか」

だったら自分も自分のやり方で
まことを応援すればいい
すぐそばにいると言う事を示し続ければいい

刀夜「どうした。一人で」

上条「ありがとな、なんかすっきりした」

刀夜「そうか。じゃあ、帰ろうか。まことが待ってるぞ」

上条「ああ」

この男のように
大切なヒトのために
行動し続ける男と示し続けよう

あの子が寂しくないように

常盤台入学金~接触~編 了

今日の分はここまでです

次はおやこけんか編とか考えてます

読んでくださった方、ありがとうございます

どうも、こんばんは

今日の分投下してきます

あと、今回からちょっと時間を進めます
前回よりも4年後くらい



垣根「そういや、まこと今何年生だっけ?」

上条「小学校の三年生だな」

垣根「そうか。結構でっかくなったな」

上条「ああ。家事とかも手伝ってくれるし、しっかりしてきたよ」

垣根「昔から、お前よりしっかりしてたけどな」

上条「どういう意味だよ」

黄泉川「二人とも。今日はお前たちが完全下校時刻前の見回りじゃん」

上条「あ、はい」

垣根「わかってまーす」

垣根「じゃあ、俺ゲーセンとか見て回っから、お前は寮とかのヘンな」

上条「ああ、わかった」


おばあさん「あの、ちょっといいですか」

まこと「はい?」

学校帰り、まことは見知らぬ年配の女性に呼び止められる

おばあさん「ちょっと道を教えてほしいんですけど」

昔に比べて開放的になった学園都市ではこのように外の人間も、それなりやってくる

まこと「はい、どこですか?」

おばあさん「この地図の場所に行きたいんだけど……」

地図はここから離れた場所であり、目的地は学生寮の一室であった
また、その周りには同じような寮が密集していてわかりにくくなっている

まこと「いっしょにさがします」

おばあさん「いや、そこまでしてもらうのは悪いよ」

まこと「大丈夫です。一人でさがすより、ふたりでさがすほうがはやく見つかります」

おばあさん「そう、ありがとうね」

まこと「はい! では行きましょう」

まことが思っていたよりも時間がかかってしまった
目的地の周囲の学生寮に似たような名前が多く
一つ、一つ確認していたためだ

おばあさん「お嬢ちゃん、もう遅くなってきたしここからは一人で探すから……」

まこと「さいごまで手伝います」

しかし、残りの学生寮は少ない
もう終わるはずだ

おばあさん「でもねえ」

まこと「大丈夫です。あ、ここです」

地図と、学生寮の看板を確認する

おばあさん「ありがとうね。本当なら上がってもらってお茶でも飲んでってほしいけど」

まこと「いえ、気にしないでください」

おばあさん「そうだ、せめてこれを」

老女が財布を取り出して、中の現金をまことに渡そうとする

まこと「いいです、では、さようなら1」

まことは受け取るのを拒み、そのまま走り出す

すっかり遅くなってしまった
急いで家に帰ろうと、足を速めると、

「まこと!」

声を掛けられ、足を止める
恐る恐る振り向くと

上条「……こんな時間になにをしてるんだ」

まこと「まいごのおばあさんをあんないしてました」

上条「こんな時間までか」

まこと「……はい」

上条「そんなのは場所だけおしえればいいだろ! なんでこんな遅くまで!」

まこと「ほっておけって、とうまくんは言うんですか!」

上条「そうは言って無いだろ!」

まこと「言ってます!」

二人はにらみ合い、そんまま顔を逸らす

うちに帰っても互いに一言も言葉を交わさなかった

垣根「で、今朝もまだケンカ中と」

上条「……まあな」

垣根「お前が悪い」

上条「……やっぱりか」

垣根「わかってんじゃねえか」

上条「遅くまで外にいると、危ないじゃないか。でも、だからって言いすぎた」

垣根「そのへんは、ちゃんと言って聞かせろ。でも道案内した事自体は褒めてやれよ」

上条「……ああ」

垣根「あと、ちゃんと話は聞いてやる。つか、生徒の話ならちゃんと聞けてるじゃねえか」

上条「あいつのことだと、ついな」

垣根「教師と父親の目線の違いってやつだな」

上条「かもな、それに」

垣根「なんだよ」

上条「人助けがエスカレートして、アイツみたいに無茶される気がしちまった」

1万人の命のために、自分の身を犠牲にしようとしたあの表情
眠り続ける子どもたちのために、無茶をしたという話
もちろん規模も違うし、誰かが傷つくようなものでは当然無い

しかし、昨日のまことの姿につい重ねてしまう

上条「多分、心配のしすぎだけどな」

かけがえないからこそ、つい考え過ぎてしまうのだろう



番外個体「で、ケンカ中と」

まこと「はい! とうまくんはひどいです!」

打ち止め「ははぁ、ご立腹だねとミサカはミサカはちょっと驚いてみる」

一方「はやく仲直りすンだぞ」

まこと「まこと、まちがってません。おばあさん困ってました!」

番外個体「でも、上条当麻に心配かけたよね」

まこと「……でも」

打ち止め「あの人は、困ってる人を助けた事は良いと思ってるはずだよ」

まこと「……」

番外個体「ただ、そのうちに危ない事するかもしれないって思って、怒ってるんじゃない」

まこと「あぶないこと?」

打ち止め「誰かを助けようとして、自分が何も傷つかずに済む事ばかりじゃないからね」

まこと「そうなんですか」

番外個体「ちょっと心配っていうか、考え過ぎだとおもうけど」

一方「ま、アイツらのガキじゃ、困ってるヤツを見過ごせなくて当然かァ」

まこと「あっくん?」

一方「アイツらは二人とも、困ってるヤツがいりゃァ、自分のことなンて気にせずに突っ込むヤツらだったからなァ」

遠くを見る様な目をして、一方通行が言う
そこに宿る感情がなんのかは、まことにはまだわからない

まこと「とうまくんとままが……」

一方「だからこそ、そういうとこアイツは厳しいンだよ」

まこと「どうしてですか?」

一方「結構それで、あぶねェ目にあってンだよ。アイツ」

まこと「とうまくんがですか」

一方「そゥ。だから、オマエがそのうちトラブルに巻き込まれるンじゃねェかって気にしてンだな」

まこと「……」

一方「ま、ババァの道案内くらい、いくらでもしてやれェ。でも」

一方通行はニヤリと笑い

一方「なンかあった時はまよわず呼べ。すぐに行ってやる」

まこと「あっくん」

一方「でも、心配かけたことはァ、謝っとけ」

まこと「……はい」

番外個体「さ、行こうか」

打ち止め「仲直りしないとね」

まこと「……はい!」


警備員の勤務の無い平日
学校帰りの上条の前に現れる小さな人影

上条「まこと」

まこと「とうまくん」

上条の前に立ち、少しの間俯き続ける
しかし

まこと「あの、ごめんなさい。遅くまで外にいて」

顔をあげ、上条の目を見ながら言う

上条「……もう、心配かけないでくれよ」

まこと「……はい」

上条「俺も言いすぎた。あと、おばあさんの道案内、偉かったな」

まことと目を合わせ、頭を撫でながら言う

まこと「はい」

上条「でも、遅くなる前に大人に頼むとかしてくれよ、これからは」

まこと「……はい!」

「あの……」

振り向くと、年配の女性が立っていた

まこと「きのうのおばあさん」

おばあさん「昨日はありがとね。お嬢ちゃんのおかげよ」

まこと「はい」

おばあさん「お父さんですか」

上条「はい、娘がご迷惑をかけたみたいで」

おばあさん「いえ、大変助かりました。よくできたお嬢さんですね」


上条「……はい、俺の自慢の娘です」

おばあさんと別れ、手を繋いで二人で歩く
沈み始めた太陽が、少しだけ優しい光をくれる

上条「夕飯、何が食べたい?」

まこと「はい! ええと……」

出会ったころよりも、確実に大きくなっていく
その掌をどうしようもなく大切に思う


親子けんか、というか心配し過ぎ編  了

今日の分は以上です

次は小学校らしく授業参観編とか考えてます

読んでくださった方ありがとうございます

>>271
え?美琴死んでるの?え?

>>308
美琴に未練たらたらの上条さんが、一方や垣根に支えられて子育てする話です
最初はマイガールの影響で書き始めたのにどうしてこうなった

今日の分投下してきます

御坂妹「明日ですね、まことの授業参観とミサカは世間話をきりだします」

上条「ああ。明日なら普通に出れるから、助かった」

御坂妹「一方通行が『かわりに出てもいいンだぜ』と言っていたと、MNWごしの情報をミサカは伝えます」

上条「気持ちだけもらっとく」

御坂妹「一方通行の『誰がロリコンだァ!』と言う最新の情報をお伝えします」

上条「いってねえよ!」

垣根「てめえがロリコンなのは、初対面からわかってるぜってつたえてくれ」

御坂妹「わかりました。では上位個体と番外個体にメッセージをミサカは送ります」

上条「ちょっとまて!」

御坂妹「はい。『泣くぞォ! コラァ!』と一方通行は言っているようです」

垣根「ああ、なかしちまったな」

上条「おまえがな!」

母親だらけの教室に、少しだけ居心地の悪さを感じながら上条は、
作文を読み上げるまことを眺める

まこと「……だからとうまくんはわたしの自慢のお父さんです」

まことの作文を聞きながら、
上条の胸に恥ずかしさと嬉しさがないまぜになった感情が、湧き上がる
作文のテーマは「わたしのおとうさん、おかあさん」
しかし、また気を使ったのだろう、美琴については触れていない
その事が少しだけ、辛い

白井「はい、よくできましたの。まことちゃんのおとうさんは、生徒さんや街のみんなのために頑張っていますのね」

まこと「はい!」

白井「では、次は右太郎君、お願いしますの」

右太郎「はい」

白井に指名され、少年が立ちあげる。
西洋人の血が入っているのだろうか、顔の彫が深めだ

右太郎「ぼくのお父さんは……」

???「右太郎―! もっと大きな声で!」

少年の父親らしき声が飛ぶ
自分以外にも父親がきていたとは
興味本位で声がした方に顔を向ける

上条「あ」

フィアンマ「ん」

見覚えのある顔だった

授業参観の翌日

右太郎「おい、かみじょう」

まこと「右太郎くん? どうしたの」

右太郎「お前んちも、父さんだったな昨日」

まこと「右太郎くんもそうだったね」

右太郎「お前んちも、母さん出てったのか」

まこと「ううん。まことが小さいときに事故で……」

右太郎「ごめん。わるいこと聞いた」

まこと「きにしないで」

右太郎「……おれもがんばらないと」

小さく、右太郎が呟く

まこと「右太郎くん?」

右太郎「なんでもない」

まこと「そう」

エツァリ寿司

ショチトル「いらっしゃいませ!」

フィアンマ「上条当麻―! こっちだ」

上条「おう」

フィアンマ「ひさしぶりだな」

上条「ああ。何年ぶりだろうな」

フィアンマ「さあな」

他愛もない話を重ね、寿司をつまみ、酒を飲む


上条「しっかしお前に子どもがいるとはなぁ……」

フィアンマ「お互い様だ」

上条「だな、奥さんはどんな人なんだ?」

フィアンマ「日本人だ。別れたがな」

上条「悪い。変な事聞いちまった」

フィアンマ「気にするな。お前の方はどうなんだ」

上条「昔、事故でな……」

フィアンマ「そうか」

上条「ああ」

二人とも黙りこみ、しばし盃を傾ける

フィアンマ「昔、お前に世界を見てみろって言われた事があったな」

上条「ああ、なんか言った気がする」

フィアンマ「世界には辛い事も、悲しい事もある。だけどそれ以上に素晴らしい」

上条「そうだな」

フィアンマ「何より、俺様には今は右太郎がいる」

上条「わかるよ」

フィアンマ「アイツのために俺様はやっていけるんだと思う」

上条「……そうか」

フィアンマ「だが、ときどき、寂しい思いをさせてるんじゃないか、我慢させてるんじゃないかと考えちまう」

上条「……」

同じような事を考えるんだなと、かつての敵の話を聞きながら上条はぼんやりと思う

学校帰り、友達と別れ一人まことは通学路を歩く

まこと「右太郎くん?」

目の前に遠くの親子連れを見つめる右太郎

右太郎「……かみじょうか」

まこと「どうしたの」

右太郎「なんでもない」

まことも右太郎が見つめていた親子連れをみる
若い母親とまことたちよりも幼い男の子

まこと「……おかあさんにあいたいの」

右太郎「そんなんじゃない」

まこと「ほんとに?」

右太郎「だいたい、女子のおまえががまんしてるのに、おれがあいたいわけないし」

まことから顔を背け、何かを堪える様に震える右太郎
何をこらえているのか、まことにはわかってしまう
だから

まこと「右太郎くんのままにあいにいこう。わたしもいっしょに行くから」

右太郎「はぁ? できるわけないだろ」

まこと「できます」

右太郎「だいたい、遠くにいるんだ。子どもだけであいにいけるわけないだろ」

まこと「だったら、大人を呼びます」

上条に持たされた子ども携帯を取り出し、よく使う番号を呼び出す

まこと「もしもし、あっくん……」

上条「……ただいま」

打ち止め「お帰りなさい!」

上条「打ち止め? どうしたんだ?」

打ち止め「ミサカはまこととあのひとの伝言をもってきたの」

上条「伝言?」

打ち止め「じつはね……」

打ち止めから、まことが母と離れて暮らす友達をお母さんのもとに連れてくと言い出した事
それを一方通行が車で送ってくことになった事を、上条は聞かされる
その子どもがフィアンマの息子だとも

上条「……だいたいわかった」

打ち止め「どうするの?」

上条「……心配だけど一方通行がついてれば大丈夫だろ。もちろん急に言い出した事は帰ってきたらお小言だけど。あと、フィアンマに連絡してアイツが怒ったら、連れ戻しに行くからな」

打ち止め「じゃあ、一緒について行ってる番外個体に連絡しとくね」

上条「すまん、頼む。……あ、」

打ち止め「どうしたの」

上条「一方通行ってさ、曜日の感覚あるのか。今日は金曜日だけど、月曜日には学校だぞ」

打ち止め「……だ、大丈夫だよ、あの人は11時の深夜番組を毎日、楽しみにしてるからってミサカはミサカはフォローしてみたり」

上条「……とりあえず、フィアンマに連絡してくる」


授業参観編  了

今日の分はここまでです

次はドライブ編かと思います

読んでくださった方、ありがとうございます

実は向こうの学園都市で冷蔵庫になって生きてて、
ある日身体も万全になって帰ってくるハッピーエンドとかだったらなぁ…
とか毎日思う。

黒子は教師になったのか
美琴死んだ時どうだったんだろ

どうも

今日の分投下してきます

>>329
ボロボロに泣いてますが、>>5のシーンでは上条さんもいっぱいいっぱいで黒子まで
気が回ってません

一方「ミ、番外個体さン……。スピード出し過ぎじゃ、ありませンかァ?」

番外個体「えー、これくらい普通だよ、高速だし。それに疲れたから運転変われって言ったの誰だっけ」

一方「俺です。……近ィ、近ィ! もっと車間距離をォ!」

番外個体 グイ

一方「あ、アクセルをさらに踏み込んだァ! オマエェ何考えてやがるゥ!!」

番外個体「……きゃは」

一方「え?」

番外個体「ミサカは風! 風になるの! きゃははははは!」

一方「ちょ、オマエェェェェェェ! と、止まれェェェェ!」

番外個体「車は急には止まれない! そしてミサカは風! いやむしろ……」

前方の車両をジグザグに車を滑らせながら、何台も追い抜いていく

番外個体「ミサカは雷!! きゃははははははは!」

一方「ガキどもォ!! 俺にしっかりつかまってろォ!! 二人とも俺が守ってやるゥゥ!!」

まこと「おねえちゃんすごいです!!」

右太郎「……」

ハイになった番外個体と、必死な一方通行、楽しそうなまこと、怯える右太郎を乗せて
車は進んでいく

フィアンマ『……なるほどな』

上条「すまん。うちの娘が迷惑を掛けちまって。どうする? 帰ってこさせるか?」

フィアンマ『……お前が一緒にいる一方通行を、信用しているのだろう』

上条「ああ」

フィアンマ『ならば、問題無い。かわいい子には旅をさせろと言うしな』

上条「そうか。一応何かあった時のために携帯には出られようにしといてくれ」

フィアンマ『わかった。……やはり、母親が恋しいのか』

上条「まだ小学生だからな、仕方ねえよ」

フィアンマ『そうだな。すまん、忘れてくれ』

上条「ああ」

フィアンマ『月曜に間に合わんかもしれないな。一応、担任には連絡しておこう』

上条「わかった。じゃあな」

フィアンマ『ああ』

電話を切ると、急に部屋が静かになったような気がする

上条「今日は一人か……」

ビールでも買ってきて、ベランダからあの公園を眺めて呑もう。
そうでもしないと、寂しすぎるから

一方「もう絶対、オマエにはハンドル握らせねェ」

サービスエリアでコーヒーを啜りながら、一方通行が呟く

番外個体「えー、ミサカのドライビングテク凄かったよね、まこと」

まこと「はい! はやかったです!」

一方「悪影響与えンな!」

番外個体「ひっどーい」

一方「ひどくねェ! ……俺トイレ行ってくらァ、先、車に戻っとけ」

右太郎「あ、おれも」

番外個体たちと離れ、二人で男子トイレに向かって歩く

右太郎「あのさ」

一方「ン、何だ」

右太郎「どうして、ここまでしてくれるの。おれのために」

一方「お前の為じゃねェよ」

右太郎「? どういうこと」

一方「あのガキがオマエのために言い出したンだ。アイツに感謝しろ」

右太郎「……。女子のアイツががまんしてるのに、おれは母さんにあいたいなんて」

一方「会いたくて当然だろォ、ガキなンだしな」

右太郎「でも、父さんをほっとけないし、あの人、おれがいないとせんたくもたためないんだぜ」

一方「バーカ。ガキが細かいこと気にすンな」

右太郎「こまかい?」

一方「オマエはおふくろさンに会えたらうれしいかァ」

右太郎「……うん」

一方「だったら素直にアイツに感謝して会いに行けェ。ガキはそれで良いンだよ」

右太郎「……おっさん」

一方「まだ、おっさンじゃありませン! ギリギリだけど!」

用を足し、二人は車に戻る

一方「……、おィ」

番外個体「どうしたの」

一方「なンで運転席に座ってンですかァ!」

番外個体「早い者勝ち?」

一方「うるせェ! オマエにはハンドル握らせねェって言ったはずだァ!」

番外個体「いーやー、ミサカが運転すーるーのー」

一方「いーやーじゃねェ!」

右太郎「なにしてんだろ、この二人」

まこと「二人とも、いつもこうだから」

白井「聞きましたわよ!」

高校で事務仕事をしていた上条の前に、瞬間移動で娘の担任が現れる

上条「おう、白井いつもまことが世話になってます」

白井「いえいえ、こちらこそ……! そうではありませんの!」

上条「ウチの高校へ小学校から飛び級とか?」

白井「違いますの!」

上条「じゃあ、何だよ」

白井「私のかわいい児童を、ロリコンが連れ去った事ですの! しかも二人も!」

上条「……お前も一方通行のこと、そういう認識なんだ」

白井「あったりまえですの!」

垣根「まあ、常識だな」

上条「大丈夫だって、アイツなら」

白井「仮に一億5000万歩ゆずってロリコンじゃないとしても! あの男に曜日の感覚があるとは思えませんの!」

御坂妹「ミサカも同意します」

上条「大丈夫だろ、多分」

白井「どーして信用できますの!」

上条「番外個体もついてるし、何よりも」

垣根「信頼できるからな、あのバカ」

御坂妹「残念ながら、同意いたします」

白井「はぁ、月曜日に遅刻したら、保護者とおまけもろとも、お説教いたしますからね」

上条「覚悟しとくよ」

一方「ここだな」

カーナビを確認して、一軒家の前に車を止める

右太郎「……ありがとう、おっさん、お姉さん、かみじょう」

番外個体「さ、はやく行ってきなよ」

促されて、右太郎は車を降りて一軒家に入っていく
続けてまことが降りようとして

一方「待ちなァ、オマエはここでお留守番だ」

一方通行に止められる

まこと「? どうしてですか」

一方「男の子にはよォ、女の子に見られたくねェ場面があるんだよォ」

まこと「?」

一方「ま、帰りにどっか寄ってやるから我慢しろォ」

まこと「よくわかりません」

一方「そのうちわかるようになンだよ」

しばらくして、右太郎が家から出てくる

一方「さ、どうするゥ」

右太郎「かえろう。父さんが待ってる」

一方「了解」

まこと「おかあさんにあえましたか」

右太郎「うん、あえて嬉しかった。でも」

日曜日の午後、もうすぐ戻るとの連絡を受け
上条とフィアンマは二人で待つ

フィアンマ「そろそろだな」

上条「ああ」

二人の目の前に、一台の車が止まる
そこから降りてくるには

右太郎「父さん!」

フィアンマ「……お帰り」

右太郎「ごめん、しんぱいかけて」

フィアンマ「きにするな」

右太郎「おれ、おれ」

フィアンマ「母さんと暮らしたいか?」

右太郎「うん、でも父さんとくらす」

フィアンマ「いいのか」

右太郎「だって父さん、おれがいないとだめだから」

フィアンマ「言うようになったな」

そう言って、フィアンマは息子の頭を撫でる
世界の歪みなんかよりも、ずっと大変でずっと大切で

まこと「とうまくん」

上条「驚いたぞ。急だったからな」

まこと「ごめんなさい」

上条「一方通行と番外通行にもお礼を言うんだぞ」

まこと「はい!」

上条「じゃ、帰ろうか」

一方通行たちに別れを告げ
帰路に就く
今日はベランダで呑む必要はない
隣にこの子がいるから

ドライブ編  了

今日の分は以上です

次は白井黒子編になると良いと思います


読んでくださった方ありがとうございます

>>345
番外通行ってなってるが、いつの間にか結婚してたのか

>>347
ぐぁ、すいません、誤字です
○番外個体
×番外通行

一方通行「番外…通行…?」
打ち止め「演算切るよ…」
一方通行「ちょwwwwwwおまわyfh9そあw-df@言うds;vf」

嫁「私、フィアンマと結婚するのが夢だったの~」

フィアンセだろ

>>353
布衣 安世

こんな感じですか

どうもです

いつもよりもさらに短いですが

今日の分投下します

その児童が昔の知り合いの子だからと言って
白井黒子は贔屓したりしない

白井「では、今日はここまで。みなさんさようなら」

児童達「さよーならー」

白井がその日の最後の授業の後片付けをしていると
一人の児童が近づてくる

まこと「先生、てつだいます」

白井「ありがとうございますの。でも、先生だけで大丈夫ですから」

それの知り合いが御坂美琴で、その児童がどんなに彼女に似ているとしても
贔屓や特別な目で見たりはしないようにしたい

まこと「はい!」

でも、つい

児童「まことちゃーん、はやく帰ろー」

まこと「うん、すぐ行くね。せんせい、さようなら!」

その表情に、仕種に、

白井「はい、さようならですの」

御坂美琴をさがしてしまう

エツァリ寿司

絹旗「確かに、だんだんと御坂美琴に超似てきてますね」

寿司屋でつい洩らした愚痴に、同僚が軽く口調で返す

白井「超ってほどじゃありませんの。ただ、表情とか、仕種とか、後ろ姿とかがちょっと似てきてますの」

絹旗「超細かく見てますね」

白井「お黙りなさい。たまにですの。たまに、お姉様を思い出してしまうだけですの」

絹旗「なら、いいじゃないですか。贔屓しないんなら」

白井「それは、そうですの」

絹旗「昔の戦友が、大切ってのはわからなくありませんけどね」

白井「……はい、お姉様は私の憧れでしたから」

いろんな事があった
美琴のおかげで学んだことも多い

絹旗「そうですか」

それ以上はその話題に触れず、二人は食事を続ける

よく晴れた休日、たまった買い物でも済まそうと白井黒子は街を歩く
公園の脇を通りすがった時

「やっぱり、みつからないよ」

「大丈夫だから、ね、いっしょにさがそう」

「でも、こんなにさがしてもみつからないんだよ」

「もういちど、さがしてみよう、ね」

涙声とそれを慰める声

その片方に聞きおぼえがあった

白井「どうしましたの?」

まこと「せんせい!」

少女「……だれ?」

やはり、まこと。そして泣いている見知らぬ少女

まこと「わたしの学校のせんせい! あのね、せんせい……」

まことの説明によれば、公園を通りがかった時、泣いている少女の声がしたという
話を聞くと、家のカギを亡くしてしまったというので一緒に探していたとの事だ

まこと「せんせいもいっしょにさがしてください」

白井「ええ、かまいませんの」

まこと「ありがとうございます!」

困っている人を見過ごせないところも、似ていると思う
いつも首を突っ込んで風紀委員だった自分もフォローして

白井「それで、どこで落としたか、心当たりはありませんの?」

ふっと湧いてきた思い出を押し込めながら、少女に問う

少女「わかんない、いつも入れてるかばんのポケットになかったの」

白井「そうですの。ちょっとそのお鞄を先生に見してくださいまし」

少女「はい」

白井「どのポケットにいれてましたの?」

少女「……そこ」

少女が鞄の側面のポケットを指さす
白井黒子も開けてみるがカギはそこには無い

(もしかすると)

鞄を開け、内ポケットが無いか確認する
鞄の内部に小さなファスナーを見つける

白井「ありましたの」

少女とまことが、驚いた表情を浮かべる

白井「きっと、いつもと違うポケットに入れてわからなくなったんですのね」

カギと鞄を少女に差し出し、しっかりと握らせる

白井「はい、いつものポケットに入れなおしなさいな」

少女「うん、せんせいありがとう」

少女がはにかんで笑顔を見せる
合わせて白井も笑う

まこと「よかった」

少女「ありがとう。いっしょにさがしてくれて」

少女がまことにも礼を言う
まことも笑顔を浮かべる

まこと「いえ、みつけたのはせんせいです。せんせいすごいです」

まことが、きらきらした目を白井黒子に向ける

白井「これぐらい朝飯前ですの」

(ああ、そういうことですの)

かつて、尊敬する先輩で憧れの目標だった御坂美琴にこの子が、似ていっても
戸惑う必要はないのだ

まこと「どうやってわかんたってんですか」

この子は、教え子なのだ

いくら、美琴と同じところを見つけても
お互いの立場が違うから

白井「ふふふ、内緒ですの」

だからこそ

まこと「えー、おしえてくださいー」

まことに教えるに足る人間であろう

いつか、美琴から受け取ったものを彼女に伝えるためにも

小学教師 黒子編  了

今日の分は以上です

短ッ!

次は季節外れですが父の日編とか考えてます

読んでくださった方ありがとうございます

ども、今日の分投下し始めます

黒子「もうすぐ父の日ですね。みなさんも日ごろの感謝を込めて、お父さんにお礼をしてみて
はいかかがでしょう」

まこと「……父の日」

黒子「では、今日はここまでですの。さようなら」

児童達「さよーならー」

ともだち「まことちゃん、かえろう」

まこと「うん。でもちょっと待ってて」

友達に少しだけ時間をもらい、一人の男子児童に近づく

まこと「右太郎くん、父の日にお父さんになにをあげるんですか」

右太郎「べ、べつになんでもいいだろ」

まこと「おしえてください」

右太郎「……まごのて」

まこと「あのせなかをかく?」

右太郎「そうだよ! わるいかよ! まえにほしそうに見てたから……」

まこと「ううん、いいと思う」

右太郎「ふん」

まこと「ありがとう。じゃあね」

右太郎に別れを告げ、友達のもとに向かいながら
父への贈り物を考える
なにがいいのだろうか

昼休憩の職員室

垣根「何見てんだ?」

上条「ああ、卒業した生徒が手紙くれたんだ」

言いながら、上条は同僚に紙束を示す

垣根「……俺よりも多いな」

上条「そうか?」

垣根「特に女子が多いのが許せねぇ」

上条「女の子の方が筆まめなだけだろ」

垣根「この時代に手紙でこんなにもらってるのがむかつく」

上条「お前だってもらってるだろ」

垣根「……そうだな。こういうのは量じゃなくて、気持だからな。だからくやしくない」

御坂妹「つまり悔しくは無いが、羨ましくはあるのですねとミサカは推論します」

垣根「うらやましくもないもん!」

上条「すねるなよ」

その時、一方通行は自室で録画した深夜番組を見ていた
用事があって見逃した回とお気に入りの回をまとめて視聴する

一方「うン。ドラゴ○ボール芸人か。わるくねェな。……よし!」

テレビに相槌をうっていた一方通行は立ち上がり、格闘技の構えを取る

一方「はァァァァァァ!! かァー、めぇー、はァー、めェ―」

「波ァァァァァァァァァァ!!!!!」

「あっくん! いますか!」

一方「!」

まこと「あっくん?」

一方「オ、オマエ……、見てたか?」

まこと「はい? なにをですか?」

一方「いや、見てないンならいいだ。気にすンな。ふゥ」

番外個体「うん、まことは見てなかったよ」

一方「よーし、良かったァ」

番外個体「ミサカは見てたけどね」

一方「!」

番外個体「まことは波―の後で入ってきたけど、ミサカは……よし! からいたよ」

一方「オ、オ、オマエェ、そのなンだァ……。アレがあーしてェ」

番外個体「で、まことどうしたの、 何か用だったんじゃない?」

まこと「はい! 父の日です」

まことは番外個体とへこんでいる一方通行に今日、学校で父の日の話を聞き
上条への贈り物を考えている事を話す

番外個体「ふーん。父の日ねぇ」

一方「そンなの決まってンだろ」

まこと「きまってるんですか!」

一方「おゥ! 昔から父の日と言えば肩たた「肩叩き券とかべたなこといわないよね」

一方「……肩叩かれ券だァ」

まこと「かたたたかれけん?」

番外個体「何それ」

一方「この券を提示するとな、見せた人間の肩を叩けるという……」

番外個体「セクハラグッズ?」

一方「違ェ! あー何つーか、アレだ、まこと!」

まこと「はい?」

一方「あれだ、お駄賃やるからァお使い行って来い。それでプレゼント買え」

まこと「いいんですか!」

一方「ガキが遠慮すンな。ほらコーヒーと醤油な」

そう言いながら一方通行はまことに財布を渡す

まこと「はい! 行ってきます」

一方「車に気をつけろよォ」

まことが財布を握りしめ、外へと出ていく

番外個体「はじめてのお使いだね」

一方「おゥ」

番外個体「こっそりついてってりしないの?」

一方「だ、だれがそンなことするかよ!」

番外個体「そう。ミサカは心配だからこっそりついて行くけど」

一方「え・」

番外個体「じゃ、行ってきます」

一方「……行ってらっしゃい」

居間で宿題をしながら、まことは父の日の贈り物について考える
しかし

まこと「……どうしよう」

一方通行に相談し自分でも考えてみたが思い浮かばない

上条「まこと、宿題頑張ってるな」

まこと「とうまくん」

まことは上条の手にある紙束に気がつく

まこと「それなんですか?」

上条「ああ、手紙。卒業した生徒がくれたんだ」

まこと「おへんじ書くんですか」

上条「書きたいけどなぁ。こいつら、気合の入った感じ書いてるしで、ボールペンで返事ってわけにもいかなしなぁ」

まこと「じゃあ、ちゃんとしたペンがあればいいんですか」

上条「んー、あと時間があればなー」

まこと「はい! わかりました」

上条「ん? おう」

父の日の直前の土曜日
まことは打ち止めと買い物に来ていた

打ち止め「プレゼント買えたね。一人でよくできましたとミサカはミサカは頭をなでなで!」

まこと「ありがとうございます」

打ち止め「じゃあ、あとは花屋だね。バラだっけ父の日」

まこと「はい」

花屋 黒妻や

打ち止め「すいませーん。バラくださーい」

店員「はーい。ちょっと待ってください」

まこと「お願いします。……あっ」

並べられた花の中に一輪のカーネーションを見つける

まこと「……母の日」

打ち止め「どうしたの?」

まこと「……なんでもありません」

打ち止め「そう。……すいませーん」

店員「はい?」

打ち止め「カーネーションもください」

まこと「おねえちゃん?」

打ち止め「ついでに、母の日もしちゃおうか。お姉様のトコに寄って」

まこと「……ありがとうございます」

打ち止め「さ、行こうか!」

まこと「はい1」

バラの花とカーネーションを一輪ずつもって、店を出る
まずは、カーネーションで今はいない人に感謝しよう
そして次は

まこと「とうまくん」

上条「ん、どうしたんだ」

まこと「これ、父の日のプレゼントです」

まことがそう言って、バラの花と小さな包みを差し出す

上条「! ありがとうな」

包みと花を受け取る
どうしようもないくらい、気恥ずかしさと嬉しさ
なによりも誇らしさが湧いてくる

まこと「どういたしまして。あけてください」

上条「……万年筆」

まこと「はい! まこと、これからからもっとお手伝いします。それでできたじかんで、せいとさんにおへんじしてください」

上条「ありがとうな、ホントうれしいよ」

まことが、上条と生徒たちの事を思って選んだ
贈り物が上条の胸を暖かくしてくれる

上条の手の中でバラの花が二人を見守って揺れている
そして、遠くでカーネーションも

父の日編 了

今日の分は以上です

一方さんが止まらない

次は手紙編かな


読んでくださった方ありがとうございます

マイガールと聞いて魔が差してしまった。
ttp://convini.ddo.jp/imguploader/src/up5557.jpg

>>400
ぐはぁ、す、素敵なイラストありがとうございます

なんか、素敵すぎて自分の悪行を反省しました

エツァリ寿司ってなんだよ、俺……。

どうもです

昨日と同様に短いのですが

投下していきます

まこと「とうまくん、お手紙、書いてるんですか」

上条「ああ。せっかく、まことがペンくれたしな」

まこと「はい。あげました!」

居間の机で上条は、卒業した生徒たちへの返事を書く
対面にすわり、静かにそれでいて少し楽しそうにその様子を眺めるまこと

上条「どうしたんだ? 遊びに行かないのか」

まこと「ちょっとだけ見てていいですか」

上条「別にいいけど。なんで」

まこと「プレゼントつかってくれるのが嬉しくて、それに」

上条「それに?」

そこでまことはちょっとだけ、寂しさを笑顔に混ぜて

まこと「ままがお手紙かくときも、こうしてみてましたから」

上条「……そうか」

まこと「はい」

上条「なぁ、美琴がどんな様子で手紙を書いてたか、教えてくれないか」

まこと「……はい、わかりました」

娘は、ゆっくりと、自分自身の言葉をかみしめるように
思い出を語り始める
上条のしらない美琴の姿を

美琴『ああっもう! 沈利のやつぅ! めんどくさい事ばかり押し付けて! 昔、鉄塊入りの人形ぶつけた事、いまだに根に持ってるんじゃない!』

そう、ぶつぶつ文句を言いながらパソコンに向かう母は、言葉とは裏腹にそんなに怒っているようには見えなかった。
おそらく、母もまことのように麦野の事が好きなのだろうと思う

まこと『まま、おしごとですか』

美琴『あ、ごめんね。せっかくのお休みなのに』

まこと『だいじょうぶです。おえかきしてます』

そう言って、母の仕事の邪魔にならないように、机に向かいクレヨンで画用紙に絵を描き始める

美琴『……よし!』

まこと『まま?』

美琴が立ち上がり、紙とペンを持ってまことの対面に腰を下ろす

美琴『今日はもう、お仕事はお休み』

まこと『ままもおえかきですか』

美琴『ううん。ままはお手紙をかくの』

まこと『おてがみ?』

美琴『そう。遠くにいる大事なヒトに、言いたい事を紙に書くの』

まこと『だいじなひと? おじいちゃんですか? それともおばあちゃん?』

美琴『ううん。当麻に』

まこと『とうま?』

美琴『遠くにいる、ままの大事なヒト』

まこと『どんなヒトなんですか』

美琴『……どんなヒトかぁ。ホント、どうしようもないくらいバカで、お人好しで、苦労性で』

母の言葉は、先ほど麦野の事を語るとき以上に優しくて

美琴『でも、とっても優しくて真っ直ぐなヒトだったな』

だから、とてもその人の事が、好きなのだろうとまことは思う

しばらく、しずかにクレヨンを走らせる
同様に母がペンを走らせる音も響く

美琴『書けた!』

まこと『かけたんですか』

美琴『うん。でもどうしようかな』

まこと『ださないんですか』

美琴『うん。……あ、そうだ』

まこと『まま?』

美琴『これから公園にお出かけしようか』

まこと『はい!』

よく晴れた太陽の下、近所の公園に母娘は赴く

美琴『あっついわねー』

まこと『いいおてんきですから』

美琴『そうね。まことの言うとおりだね』

まこと『はい!』

まことは、母と来るこの公園が好きだった
かけっこしたり、木に登ったり
楽しい事がここにはたくさんある

美琴『この辺でいいかな』

そういうと、美琴は鞄から紙を取り出す

まこと『さっきのおてがみですか』

美琴『そう! これをこーして、ああ折って、……じゃーん!』

まこと『かみヒコーキ!』

美琴『せいかーい! 見てなさい! それ! とんでけ!』

美琴が飛ばした紙飛行機は、風に乗って少しだけ高く空を舞う
しかし、やがて失速し地面に落ちてしまう

まこと『おちちゃいました』

美琴『やっぱ、当然かな』

まことは落ちた紙飛行機に駆け寄り、拾い上げる

美琴『ん? 欲しいの』

まこと『はい』

美琴『よし! まことはいい子だからあげちゃう!』

まこと『ありがとうございます』

美琴『じゃ、ちょっと遊んでこっか』

まこと『はい!』

母と手を繋ぎ、公園を駆ける

今日のように美琴は書いた手紙を、紙飛行機にして飛ばして
まことが追いかけて拾う
それはいつの間にか、習慣になって


でも、今は遠い日の、優しい記憶

上条「その紙飛行機にした手紙って、もしかして……」

まこと「はい。このまちに来た日に、もってきたてがみです」

上条「そっか。……よし!」

まこと「とうまくん?」

上条「手紙、書こうぜ」

まこと「てがみを?」

上条「そう、ままへの手紙。俺も書くからさ」

まこと「……でも」

上条「いいからさ。今、アイツに伝えたい言葉を、紙に書いちまおう」

まこと「……はい!」

父子は静かに手紙をしばし書き連ねる
伝えたいことは溢れるほどあって
ペンは簡単には止まらない

そして

上条「書けたか」

まこと「はい! かけました」

上条「じゃあ、出掛けるか」

まこと「もしかして……」

上条「そう、公園だよ」

彼女との思い出が詰まった公園に上条は娘と赴く
懐かしい自販機の前で足を止める

上条「じゃ、紙飛行機作ろうか」

まこと「はい」

彼女への想いを綴った手紙を
ゆっくりと折っていく

上条「じゃ、一緒に飛ばそうか」

まこと「はい」


2つの紙飛行機は、仲良く飛んでいく
しかし、だんだんと失速して最後には落ちてしまう

まこと「やっぱり、落ちちゃいました」

上条「いや、これいいんだ」

まこと「とうまくん?」

上条「美琴の紙飛行機は、落ちちゃっても届いただろ」

まこと「……とうまくん」

上条「だから、いつか届くさ」

まこと「はい!」

まことが駆け出して、二つの紙飛行機を拾い上げる
歩いて追いかけながら、彼女への手紙へ綴った言葉を思い出す

『時々、あなたがいない事がどうしようもなくなりますけど、二人で元気にやっていきます』

手紙編 了

今日の分は以上です

次は完全に季節はずれな夏休み編とか考えてます

読んでくださった方ありがとうございます

どうもです

今日の分投下してきます

今日も長くは無いです

垣根「今日も補習だ、うれしいなー」

上条の隣で、同僚が極めて適当さの溢れる歌を歌う
正直、邪魔で仕方ない

上条「おい、ちょっとは静かにしろよ」

垣根「教師になればー、夏休みたくさんーだと思ったのにー」

上条「おい、黙れよ」

垣根「ところでさ」

唐突に歌を止め、垣根は上条に向き合う

上条「なんだよ」

垣根「まこと、どっかに連れてってやったか。夏休み」

上条「……あっ」

御坂妹「忘れていましたね。ミサカは若干呆れながら言います」

垣根「おいおい、今年もかよー。去年も俺が言うまで気付かなかったよな」

上条「……ほんと、申し訳ないです」

御坂妹「謝るのはミサカにでも、このメルヘンにでもありません」

垣根「メルヘン言うな」

上条「はい、すいません」

垣根「ま、今年も忙しかったし、次の休みにでもどっか連れてってやれ」

御坂妹「あの子が自分で言い出すよりも前に、遊びの約束をするようにしてください」

上条「……ああ」

娘のことを第一に考えて行動しているつもりでも、こういう当たり前のことをたまに見落としてしまう
そんな自分にフォローしてくれる仲間がいる事は、ありがたいと思う
無論、できる限り自分でしっかりすべきなのだが

友達「じゃあ、まことちゃん、またね」

まこと「うん、さようなら」

友達と別れ、まことは一方通行の家に向かう
上条の帰りが遅い日は、そうするように約束している
それに、一方通行の家に行く事は嫌いではない

玄関で呼び鈴を押し、しばし待つ

一方『おゥ』

まこと「あっくん、こんにちは」

一方『おゥ、はいれ』

まこと「はい」

中に入ると、いつものように一方通行、打ち止め、それに番外個体が揃っていた

まこと「こんにちは、おじゃまします」

一方「おゥ」

番外個体「うん、こんにちは」

打ち止め「こんにちは! あ、お菓子持ってくるね」

まこと「ありがとうございます」

打ち止め「ちょっと、待っててね」

そう言って、打ち止めは台所へ向かう
まことが来ると、こうして打ち止めか番外個体がおやつを用意してくれる
ふたりともいないときは、一方通行が
「あいつらにはァ言うなよ」と口止めをしながら出してくれる

番外個体「そういえばさ、夏休みどっか行くの? 山とか」

まこと「ううん。とうまくん、いそがしいので」

一方「昔から言ってンだろ。ガキが遠慮すンなよってなァ。遊びに行きたいとか言えよ。海とか」

番外個体「海?」

一方「山ァ?」

番外個体「まこと、山がいいよね。ピクニックとかキャンプとか楽しいよ。バーベーキューとかしてさ」

まこと「バーベーキューですか。楽しそうです」

一方「バーベーキューなら海でもできンだろ。海なら泳げるンだぞ。わざわざァ、暑い山に行く必要はねェ」

まこと「およぐのは気持ちいいです」

番外個体「だめだよ、海だと水着になるんだよ。変質者にジロジロ見られちゃう」

一方「おィ、変質者でこっち見ただろォ。どう言う意味だコラ」

番外個体「あっれー、自覚あったぁ? ロリコン変質者の」

一方「だからロリコンじゃねェ。つか、まことの前でロリコン連呼すンな。教育に悪い」

番外個体「あなたほど連呼してないけどぉー」

一方「ンだと」

番外個体「何よ」

一方「海だよな! まこと!」

番外個体「山だよね! まこと!」

まこと「え、は、はい」

急に話を振られて、まことは慌てて考える
自分が行きたいのは……

打ち止め「二人とも! ストップ! ってミサカはミサカは制止する!」

お菓子と飲み物を机に置きながら、打ち止めが二人の間に割って入る

一方「おォ」

番外個体「きゃ」

打ち止め「どこに行きたいかは、まことが自分で決めるべきでしょ!」

一方「でもよォ」

番外個体「でもー」

打ち止め「でも、じゃありません! ……まこと」

まこと「はい」

打ち止め「ゆっくり考えてね。この人たちは、きにしなくていいから」

まこと「はい!」

自分がどこに遊びに行きたいのか
その問いかけが、まことの古い記憶を呼び起こす

美琴『じゃ、沈利たちが戻ってくるまで、ベンチで休んでよっか』

まこと『はい!』

その日、まことは美琴と遊園地に来ていた
美琴の友人の麦野、浜面と理后もいっしょだ
いくつかの乗り物を楽しんだ後、麦野達が軽食を買ってくるのを母と待つ

美琴『どう、楽しい?』

まこと『はい! とってもたのしいです!』

美琴『そう。良かったわね』

まこと『はい! ままはたのしいですか』

美琴『うん。楽しんでるよ。遊園地も久しぶりだしね』

まこと『まえにもきたことがあるんですか』

美琴『……うん。ここじゃなくて、違う遊園地にね』

まこと『どこですか?』

美琴『ままが昔住んでた、日本の学園都市の遊園地』

まこと『たのしかったですか?』

美琴『……うん。とっても』

しかし、そういう母の顔は少しだけ寂そうで

まこと『まま?』

美琴『何でもない。さ、沈利たちが帰ってきたら、何に乗るか考えとこっか』

でも、その寂しさはすぐに消えて

まこと『はい』

だから、素直にその日を楽しんだ
大切な思い出の一つ

まこと「……ゆうえんち」

打ち止め「遊園地?」

まこと「はい! ゆうえんちがいいです! みんなで」

まことは、打ち止めたちに向かってはっきりと自分が行きたい場所をつげる
すると、三人はそれぞれの笑顔を浮かべ

番外個体「うん。じゃあ、帰ったら上条当麻に伝えないとね」

一方「ダメって言われたら、しばらくごねろォ」

まこと「……はい!」

打ち止め「じゃ、おやつ食べよう! とミサカはミサカは手を伸ばしてみたり!」

4人でわいわいと、騒ぎながら過ごす
これもまことにとって、大切な時間

上条「ただいま」

まこと「おかえりなさい!」

帰宅した父親に、元気よく挨拶しながら
どう切り出すか考える
いそがしいこの父にできるだけ、迷惑をかけないように

上条「……なあ、まこと」

まこと「はい?」

上条「来週、休みが取れるんだけど、どっか行きたいとこあるか」

父から、聞いてくれた
だから、一方通行の言うように、遠慮してはいけないのだと思う

だから

まこと「……ゆうえんち」

素直に思いを告げる

上条「遊園地?」

まこと「はい! がくえんとしのゆうえんちがいいです」

上条「遊園地なら、もっと遠くのでも大丈夫だぞ」

まこと「ううん。がくえんとしのがいいです!」

上条「そっか。わかった、一緒に遊ぼうな」

まこと「はい!」

母の思い出の場所を、自分の思い出の場所にしたいから
そんな思いは、すこしだけ閉じ込めて
ただ、今はたのしみにしよう

夏休み編  了

今日の分は以上です

調子に乗って毎日投下してきましたが

明日はスパロボの発売とかなので

今後はペースが落ちると思います

次は遊園地編かな

読んでくださった方ありがとうございます

どうもです

どうせkonozamaだろうと書き溜めしてたら
普通に発売日に届きました
予想外!

でも、書き溜めも一回の投下分はかけてしまったので
投下してきます

初春「先生―、原稿回収に来ましたー」

初春が担当している作家は一度大ヒット作を生み出し、さらに次回作もヒットさせた
超売れっ子だ
だが、今作になってから怠け癖がついてしまった
だんだんと原稿を落とすことが多くなり、ついには年に1、2回しか載らない状況が続いている
だから、今日も上司に命じられて、初春が直接赴くはめになった

初春「先生―? 入りますよ」

返事が無い事を不審に思いながら、合鍵(以前、あまりに怠けるので強引に奪った)で中に入る

やはり、おかしい

常に本人か、出入りする2、3人の女の子がいるのに気配がない

初春「先生―、どこですかー。ん?」

机の上の書置きに気づく

初春「何? これ」

『花女へ 
三下ンちと遊びに行ってきますゥ
原稿手をつけてなくてゴメンネェ♡

あくせら☆れーた』


初春「……」

「逃げやがったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! あのモヤシぃぃぃっぃぃぃぃ!!!」

家主のいない家に、初春の叫びが木霊する

まこと「ゆうえんちです!」

上条「こら、走っちゃ危ないだろ」

まこと「はい、ごめんなさい」

一方「よーし、入口まで競争だァ、第二位ィ」

垣根「ほえ面かかせてやるぞ、第一位」

上条「あんたら、俺の話聞いてなかったのぉ!」

御坂妹「あんなのはほっといて行きましょうとミサカは促します」

打ち止め「チケット買ってきたよ」

番外個体「まこと、まず、何に乗る?」

まこと「はい! ええと……」

上条は娘や友人たちと遊園地に来ていた
他にも声を掛けたが、都合がつかず、結局
上条親子に同僚二人と、いつも娘を預かってくれるトリオというメンツになった

上条「ここに来るのも久しぶりだな」

前に来た時は隣にいた人はもういない
でも

まこと「いきましょう! とうまくん!」

いま、隣にこの子がいる

上条「ああ」

だから、なんとか笑う事ができていると思う

番外個体「じゃあ、まずジェットコースター系のなんか乗ろう」

まこと「はい! 乗りましょう!」

垣根「じぇ、ジェットコースター……」

一方「お、おィ、まことの身長制限はだいじょうぶなのかァ……」

打ち止め「学園都市だからね。子どもが乗っても大丈夫な絶叫系くらいいくらでもあるよ」

一方「そ、そゥかァ……」

垣根「あれ? お前ビビってんの?」

一方「び、ビビってませン。つか、オマエこそなんか汗かいてねェ」

垣根「な、なわけねーだろ。ちょっと日差しが強いだけだ」

一方「そうかァ、今日は夏にしては涼しいってニュースで言ってたぞ」

垣根「気のせーだろ。おまえこそ、微妙に震えてね?」

一方「武者震いですゥ―。オマエこそ……」

垣根「お前こそ……」

一方・垣根「あーだ、こーだ! 喧々諤々!」

御坂妹「何しているんですか二人とも。ミサカは大人げなく言い争う二人に問いかけます」

まこと「ジェットコースター! 楽しかったです」

一方「え?」

垣根「もう乗ってきたの?」

番外個体「うん。二人が罵りあってるうちに」

打ち止め「結構並んでたよねってミサカはミサカは行列を思い出してみたり!」

上条「じゃ、次どこにしようか」

まこと「はい! 次は……」

一方「……」

垣根「……」

一方「……行くか」

垣根「……おう」

二人はとぼとぼと他のメンバーの後を、追いかける
最強の第一位と第二位が

一方「じゃ、次なに乗るンだ」

ジェットコースターの後、幾つかの乗り物を楽しんだ後
一方がまことに問いかける

まこと「はい! おばけやしきです!」

番外個体「……お化け屋敷?」

まこと「はい!」

番外個体「し、身長制限とかだいじょうぶかな」

一方「ジェットコースターが大丈夫なら、平気だろォ」

番外個体「そ、そうかな……」

一方「ビビってんのか?」

番外個体「そ、そんなわけないじゃない! さらっと行ってくるよ」

「ぎゃーーーーーーー」

「おばけすごいです!」

「よくできていますねと、ミサカは称賛します」

番外個体「ぜぇ、ぜぇ、……さらっと行ってきたよ」

一方「涙目じゃねェかァ」

番外個体「そ、そういうあなたこそ、平気なの? モヤシのくせに」

一方「モヤシ言うな。昔は苦手だったンだがァ」

番外個体「だが?」

一方「オカルトっぽいものも解析すりゃァ、反射できるってわかってから平気になった」

番外個体「ちっ、チートロリコンが」

一方「おィ、ロリコンじゃねェって前から言ってンだろ」

まこと「あっくん、おねえちゃん! はやくつぎいきましょう!」

番外個体「うん、行こう」

一方「おィ、話は終わってねェぞ」

手を繋いで、歩き出すまことと番外個体の後を、慌てて一方通行が追いかける

上条「大分、上がってきたな」

まこと「はい! みんなちっちゃいです」

まこと上条は、観覧車の乗っていた
この遊園地が誇る大型の名物観覧車であり
開園当初から存在している

まこと「……むこうでも、ままとかんらんしゃにのったことがあります」

上条「そうか」

まこと「ちっちゃかった時、ままと、しずりちゃん、しあげくんにりこうちゃんで行ったんです」

上条「楽しかったか?」

まこと「はい、そのときにままが、このゆうえんちに昔行ったって言ってました」

上条「美琴が……。そうか、だからここに来たがったのか」

まこと「はい、ままの思い出のゆうえんちですから」

上条「ああ、懐かしいな」

ここに以前、美琴と来た思い出がよみがえる
付き合い始めたばかりの頃で、いろいろ怒らせて
ビリビリされてしまった。でも

上条「あれは楽しかった。……覚えててくれたんだな」

当たり前の事かもしれない
でも、それがどうしようもなく嬉しい

まこと「とうまくんときたんですか」

上条「ああ、まこと今日は楽しいか」

まこと「はい! みんなといっしょですから」

上条「良かったな。……そうだ! 美琴と回ったコース、案内するよ」

まこと「ホントですか! ありがとうございます!」

親子を乗せた観覧車がゆっくりと、地上に近づいて行く
降りたら、彼女との思い出をこの子に

一方「よーし、つぎは何に乗るンだァ」

「見つけましたよ!」

一方通行が振り向くとそこには

一方「お、おゥ。花女、オマエも遊園地かァ?」

初春「遊園地かぁ? じゃありません! 締切、何時だと思ってんですか!」

一方「締切? 何それ? 食えンの」

初春「ふざけんなぁ! このモヤシがぁ!」

一方「誰がモヤシだァ!」

番外個体「間違いなくあなただね」

垣根「ああ、まちがいねぇ」

一方「ちっ、オマエらァ、……あ、UFO」

初春「え?」

初春の気がそれた瞬間に、ダッシュで逃げだす一方通行

番外個体「古っ」

初春「あ、にがしませんからね!」

慌てて追いかける初春、
それを眺めつつ親子は

上条「さ、行こうか」

まこと「はい!」

上条「まず、最初にショップでファンシーグッズあさりに付きあわされたな」

まこと「まま、かわいいもの好きでしたから」

上条「そうだな」

彼女との記憶を、この子と辿る
自分の中の彼女と、この子の中の母が重なって
どうしようもなく、うれしくなってしまう

遊園地編 了

今日の分は以上です

次からはだいぶペース落ちると思います

次は初春編かなんかを

読んでくださった方ありがとうございます

一方通行「ペンネームどうすっかなァ…」
打ち止め「そろそろカキが美味しい季節だよねって、ミサカはミサカはおねだりしてみたり!」
一方通行「よし、かきふらいで良いかァ」
打ち止め「やったー!ってミサカはミサカは嬉しがってみる!!」

どうもです

あっくんの職業は自宅アンチスキルだと、ていとくんや上条さんとアンチスキルの部分が被るので
苦渋の決断で設定しました

投下してきます

初春「というわけで、原稿を回収するまで! 帰りませんから!」

一方「ふーン。あっまことォ、お茶おかわりいるかァ」

まこと「はい! おねがいします」

初春「人の話を聞け! あ、私はミルクティーで」

一方「どっこいしょ、じゃ、おかわり持ってくらァ」

初春「書け! 早く! あと、ミルクティーは砂糖2つでお願いします」

一方「ずゥずゥしいなァ。あと、何で今回そンなに熱心なンだよ」

初春「ドラマ化決まったんですよ。だからタイアップで新作短編を書いてもらわないと困ります」

一方「あー、そうだったなァ。ま、ゆっくり書くわァ」

初春「早く書けって言ってんです!」

番外個体「ほら、初春さん困ってるでしょ。いい加減にしないと上位個体に言いつけるよ」

一方「ちっ。わっかりましたァ。書きゃいいンだろ。書きゃァ」

初春「ようやくですか」

一方「ただし、俺が書いてる最中はァ、決して覗いてはいけませン」

番外個体「……何言ってんの」

まこと「つるのおんがえしみたいです」

初春「わかりました。ちゃんと書いてくださいよ」

一方「はいはィ」

生返事をしながら、一方通行が部屋を出る
その足取りに、ひとかけらのやる気も感じ取ることはできない

初春「ようやくですか、まったく!」

番外個体「ホントに書き終わるまで帰らないの? 結構かかると思うよ」

まこと「あっくんがおしごとしてるとこ、はじめて見ました」

初春「ええ、今回は絶対に書いてもらいます!」

まこと「熱心だね」

初春「はい、さっきのドラマの主演が佐天さんに決まりましたから」

番外個体「佐天さん?」

まこと「テレビによくでてるひとです」

番外個体「……ああ! あのグラビアの」

初春「はい、ようやく念願の女優のお仕事で、気合入ってましたから」

番外個体「なんか、知り合いみたいな言い方だね」

初春「古くからの友達です。中学の時に白井さん、御坂さんも含めた四人でよく一緒でした」

まこと「……ままとせんせいも」

番外個体「へー、世間は狭いね」

初春「佐天さんの為にも、原稿回収するまで帰りませんから! 
あ、ご心配なく寝るのはこの居間ですから。お二人の邪魔はしませんよ。ごゆっくりどうぞ、ぐふふふ」

番外個体「ブッーーーーーーー!!!」

番外個体の形の良い唇から、盛大に琥珀色の液体が噴射される
薄い霧となり、小さな虹をつくりだす

まこと「おねえちゃん、大丈夫ですか」

まことに身振りで返事をしながら、番外個体は初春に向き合う

番外個体「な、何言ってるの。ミ、ミサカとあのモヤシはそんな関係じゃ……」

初春「えー、私ぃ『邪魔はしません』って言っただけですよ。そんな関係ってどんな関係ですかぁ」

番外個体「え、あ、いや、その、じょ、上位個体もいるし、そんな」

初春「いま、打ち止めちゃんは関係ないですよねー。そんな関係って何なのか聞いてるだけですしー」

番外個体「ええぅ。……あ、そうだ! お茶!」

まこと「おちゃですか」

番外個体「そう! おかわりとってくる!」

初春「私はミルクティーで、砂糖三つでお願いします」

番外個体「う、うん」

そのまま慌てた様子で番外個体が部屋を出る
途中、一方通行の積みゲーにつまずいたりしながら

まこと「おねえちゃん、かおがまっかでした」

初春「反応が御坂さんみたいでしたね」

からかいがいがあると、口の中で初春は小さく呟く

まこと「ままと、おともだちだったんですか」

初春「はい、中学時代に白井さんと風紀委員やってましてその縁で知り合いました」

まこと「ままは昔、どんな子だったんですか」

初春「そうですね。真っ直ぐで優しくてでも、強がりでさびしがりな、普通の女の子でした」

まこと「ふつうの?」

初春「そう、恋人が前の彼女の贈り物を、まだ持っていることにすねちゃうような」

「ごく普通の女の子」

そう、たしかあれは初春が中学三年せいのころだった……
まだ、子どもでおとなになろうとしてもがいて
いろんな事を学んでいた、あの頃

美琴『あのバカ! ホント信じらんない!』

いつものファストフード店で
どなりながら、美琴はハンバーガーをかっ込む
ヤケ食いというやつなのだろう

初春『御坂さん、荒れてますね。どうしたんですか』

初春は小声で隣の佐天に問いかける
佐天も困った様子で

佐天『なんかね、彼氏さんの家に行ったらさ、見つけちゃったんだって』

初春『何をですか?』

佐天『前の彼女のプレゼント』

初春『あー、それで』

美琴『こそこそ隠しちゃってさ! やましいコトがあるんじゃないの!』

初春『あるんじゃないですかねー』

美琴『え?』

佐天『そうだねー。あるかもねー』

美琴『……あるのかな』

初春『さぁ、私たちはその人のこと、御坂さんや白井さんのお話でしか知りませんし。あ、写メは見せてもらいましたけど』

佐天『プレゼント持ってた事、そんなに嫌なんですか? ま、私だったら確かに嫌ですけど』

美琴『……持ってた事は嫌じゃない』

初春『では何が嫌なんですか』

美琴『あの娘の事、簡単に忘れるようなヤツじゃないし、忘れて欲しくもない。でも、隠してた事が……』

佐天『なるほど』

初春『でも、相手に気を付かったりして秘密にする事ってのもありますよね』

美琴『気を使ってかぁ』

佐天『御坂さんが気を悪くするって思ったんじゃないですか。逆効果になったみたいですけど』

美琴『……そうかも』

初春『それに御坂さんだって、心配かけないように秘密にしたりするかもしれないじゃないですか。何かあった時』

美琴『するかも』

佐天『あっ』

初春『どうしたんですか?』

佐天『いやいや、そとそと。うひひひひ』

美琴『ど、どうしたのよ』

初春『あ、あの人』

ガラス張りの壁の向こうに見える
汗だくになって必死に走り回るその男は

美琴『……アイツ』

確かに以前、写メで見せてもらったツンツン頭に間違いはなく

初春『必死に誰をさがしてるんですかねー』

佐天『そりゃ、大切な人じゃないですかねー』

美琴は顔を真っ赤にして

美琴『い、いや、そ、そんなこと……。ああ! もう!』

立ちあがって外に走り出し
その男の前に立つ

佐天『何話してるんですかねぇ。初春さん』

初春『そりゃ、もうアレじゃないですか。ぐふふふ』

ガラス越しに、恋人たちを見守る
その顔は店の中からでもわかるほど、お互い真っ赤で

いまでも、簡単に思い出せる
微笑ましいころ

まこと「おねえちゃん?」

初春「ん、ちょっと。まことちゃんのままが、可愛らしかった事を思い出してました」

まこと「そうなんですか。……どんなふうにですか」

初春「そうですね。長くなるので、その前に一度先生の様子を見に行きましょうか」

まこと「でも、あっくんはのぞいちゃだめって」

初春「堂々と見るので覗きじゃありませんよ」

まこと「そうなんですか」

初春「そうなんです」

二人で一方通行が仕事をしているはずの部屋に向かう
下手に声を掛けて逃げられないように、いきなり扉を開け放つ

扉を開けたとたん、湧きたつ溶剤の匂い

一方「お、オマエ覗くなって言ってンだろ」

ニッパーと細々としたプラスチックを持った一方通行
塗料のふたが足もとに散乱している
机の上にはアニメのロボットが描かれた箱

初春「何ガ○ダム作ってんですかぁぁぁぁぁぁぁ!」

一方「ガンダ○じゃありませン! ジェガ○ですゥ! 全くこれだからド素人はァ」

初春「そういうこと言ってるんじゃありません! 原稿書けってんだろうがぁ!!!」

一方「オマエ、あんまり大声出すなよォ。近所迷惑だぞ」

初春「誰が出させてると思ってんですか!」

番外個体「お茶入れて来たのに、何でこんなところに」

まこと「おねえちゃん。あっくんのおしごとをみにきたら」

番外個体「またさぼってたんだね」

まこと「みたいです」

番外個体「まったくこのモヤシは……。よし!」

番外個体がパソコンに近づいて、手をかざす

番外個体「はい! 二人ともこっち見て」

一方「なンだ。今ジェ○ンの偉大な戦果について語ってンだ。邪魔すンな」

初春「今、労働の素晴らしさについて言い聞かせてるんです。邪魔しないでください」

番外個体「二人とも、ケンカやめないと、全力の電流を流しちゃうよ」

パソコンと番外個体を見比べたあと、一瞬静止して
一方通行が

一方「! すいませンでしたァァァァ」

倒れるかのごとき勢いで
土下座する

番外個体「はい、じゃあお仕事する!」

初春「とっと書いてください!」

一方「はァい」

まこと「おねえちゃんすごいです」

番外個体「ま、このくらいはね」

初春「はぁ、これからもサボったらおねがいしますね」

初春の言葉に
にっと笑う番外個体とつられて笑うまこと
その二つの笑顔としぶしぶと机に向かう一方通行に

初春「仲いいんですね。ホント」

旧友の、彼女が過ごすはずだった日常を
想像してみる
ほんの少しだけ

初春取り立て編  了

今日の分は以上です

あと、途中の前の彼女うんぬんは、初春さんと佐天さんの解釈です
真相は>>87からのインデックス編にあるといいと思います

次は佐天編かな

読んでくださった方、ありがとうございます

どうもです。

投下していきます

あと、なにか期待されても多分、俺は裏切りますよ

TRPGするとき、僧侶で回復取らずに何とかしようとしたことがある人間ですよ
防御魔法で何とかなると言ってGMとほかのプレイヤーに全力で突っ込まれましたよ

あれ、何の話でしたっけ

初春「それで、何が不安なんですか」

初春は受話器越しに、古くからの親友に問いかける
そういえば、かれこれ一時間半は彼女の愚痴に付き合っていると思う

佐天『うん。主人公の仕事が学園都市の警備員でしょ。ちょっと想像しきれなくて』

初春「学生時代には身近だったじゃないですか」

佐天『そーなんだけど、学園都市を離れて結構たつし。初春は、結構帰ってるけどさ』

初春「好きで帰ってるわけじゃありませんけど」

あのモヤシが締め切りを守らないために、
わざわざ学園都市に回収しに行っているだけなのだ
あの白髪さえしっかりしてれば、たまに黒子たちに会いに行くだけですむのに

佐天『せめて、実際の警備員の話さえ聞ければなぁ』

初春「佐天さん」

佐天の不安と意気込みもわかる
ようやく念願の主演、それも連続ドラマなのだから
これまでの努力を知っているからこそ
とりとめのない愚痴に付き合える、それに

初春「私に任せてください」

佐天『初春?』

初春「これでも原作の担当編集ですから、主人公のモデルに心当たりがあります」

佐天『ホント!』

初春「ええ。話す機会を作りますので……」

佐天『初春最高!!! 愛してる!』

初春「はいはい。日程は後で連絡しますから、今日のところは」

佐天『あ、ごめん。長々と付き合わせちゃって』

初春「いいえ、このくらい。ではまた」

佐天『うん。じゃあね。今日はありがと』

電話を切るとそのまま、モヤシの番号を呼び出す。
いつも迷惑をかけられているのだ
このくらいの協力は当然だろう

一方「つーわけでェ、明日二時なァ。俺はいかねェけど、花女は行くらしいからわかンだろ」

垣根『何で、俺が行くことが決定してんだよ』

携帯電話から不機嫌そうな第二位の声が響く
深夜二時にかけたくらいで、器の小さいやつだ
と一方通行は思う

一方「アレだ。今度のドラマの主人公のモデルがァ、オマエだからだな」

垣根『それは聞いた。なんで俺がせっかくの休みに、野郎と会わなきゃいけねえんだ!』

(アレ? 確か主人公は第二位がモデルにしつつも、花女の提案で女にしたはずなンだがァ……)

ちょっと不思議に思うが、多分ドラマらしい原作改変だろう
売り出したい俳優や、女優に合わせてキャラの性別くらい変えてしまうのだろう
多分。良く知らないけど

一方「良いじゃねェかァ。どーせ暇なンだろ」

垣根『たしかに暇だけどよぉ』

一方「よし! 決定なァ!」

そのまま通話を切る
これで花女との約束は果たしたと思う
問題無い

佐天「初春には感謝しないとな。なんか奢ろうかな」

たしか、エツァリ寿司という店が美味しいと情報誌に載っていた
話が終わったら、初春を連れて行こう
そんな事を考えながら、しばらくぶりの学園都市を歩く
目まぐるしく変わっていくはずのこの街に
懐かしさをいくつもみつけて、何となく嬉しくなる

佐天「主役のモデルになった人ってどんな女性なんだろ」

今日、初春が会わせてくれるはずだ
いろんな事を聞いて、良いものを作ろう
初春と、その人のためにも

「じゃあ、また明日!」

「ばいばい、まことちゃん」

小学校低学年くらいの女の子が一人、反対側から歩いてくる
とてとてと、元気が良い

(あれ?)

どこかで見たような気がする
というよりも、誰かに似ているような気がする

女の子「あの、おねえさん、もしかして……」

ちょっと考え込んでいると、女の子の方から話しかけてきた

佐天「うん? 何かな」

腰をかがめて、女の子の視線に合わせる
少女の愛らしい顔立ちもどっかで見たような気がする
少女の髪につけられたゲコ太の飾りも

(ん? ゲコ太?)

そういえば、あの人も好きだった

女の子「さてんるいこさんですか?」

最初はレベル5だから付き合いづらいのではないかと思ったけど
予想外に気さくな普通の女の子で

佐天「そうだけど……。君は?」

一つ年上だけど、気がつくと大切な友達になっていた

女の子「かみじょうまことです」

以前、黒子から聞いていた名前
それは、あの人の……

垣根「あー、めんどくせぇ。ちきしょう、あのロリコンがぁ。……やっぱサボっちまうか」

ぶつぶつ文句を言いながらも、約束の場所に向かう

垣根「ん、あれは」

「じゃあ、まことちゃんも常盤台に行きたいんだ」

「はい、レベルも2になりました! もうすぐ3です!」

「すごいな。私なんか0だったよ」

「そうなんですか」

「そ、でも君のママの言葉で、0でもガンバろって思ったんだ」

「そうですか。がんばる……」

道端で同僚の娘が、綺麗な女性と話している
女性の方も、なんとなく見覚えがあるのだが思い出せない
気のせいなのかもしれない

垣根「おーい。まことー!」

まこと「ていとくん!」

佐天「しりあいなの?」

まこと「はい! とうまくんのどうりょうのアンチスキルさんです」

垣根「どうも。はじめまして垣根です」

佐天「あ、はい。はじめまして。佐天です」

佐天と言えば、テレビでよく見るグラビアアイドルだ
しかし、こんなところにそんな有名人がいるわけがない
ただ、同じなだけなのだろうと、垣根は考える

垣根「あなたもこの子のお知り合いで?」

佐天「いえ、この子とは初対面です。ただ、この子のお母さんと古い友人でして」

垣根「ああ。第三位の」

と言う事は、多分その縁で見た事があったのだろう

まこと「おねえさんに、ままのお話をきいてました」

垣根「そっか。良かったじゃねえか」

佐天「あの、警備員の方なんですよね」

垣根「そうだけど。なんかあったの」

警備員が必要なトラブルなのだろうか
少しだけ気を引き締める

佐天「いえ、そういう訳では無くて、ちょっとお話を聞きたくて」

垣根「お話?」

まこと「おはなし?」

佐天「はい」

女性は少しだけ緊張した様子で
垣根に向き直り

佐天「どうして、警備員になったんですか」

垣根「ん? どうしてって何で」

佐天「あ、すいません。……失礼でした」

垣根「いや、べつに良いよ。そうだなぁ」

改めて聞かれると、言葉にまとめるのに
すこし戸惑う
自分が警備員なのは日常すぎて

垣根「いろんな理由で警備員なったやつがいるなぁ。この街で、警察や軍人みたいなことがしたくてとか。教師はただ資格だけってやつもいるし」

佐天「あなたもそうなんですか」

垣根「いや、俺は逆かな」

垣根「いや、俺は逆かな」

佐天「逆?」

垣根「教師になった時に、つい思っちまったんだよ」

多分それは、隣いる少女の父親の、真っ直ぐな正義感の影響もあって

「守りたいってな」

柄では無いとも思うけども

佐天「守りたい……」

垣根「俺なら当然できることだしな」

佐天「自信たっぷりですね」

まこと「ていとくんかっこいいです」

垣根「自信がなきゃ、できることもできねえよ」

佐天「……そうですね。ありがとうございます」

垣根「いいこと言うだろ。俺」

まこと「はい!」

佐天「ふふふ」

垣根「よし、まこと家まで送ってやるよ」

まこと「いいんですか」

垣根「おう。ホントは用があったんだけど、せっかく美人と知り合ったんだ。この後野郎のツラなんて見たくねえよ」

もう一人、かわいい女の子(20代後半)もいて
そっちの方はは少しもったいなくもないが、すでに知り合いだから
まあいいやと思う

佐天「美人って、褒めても何も出ませんよ。私も用があるので行きますね」

垣根「男?」

佐天「残念ながら、女の子2人です」

まこと「ていとくん、ついて行きたいって、かおしてます」

垣根「そ、そんなことねえよ。じゃ、いくぞまこと。じゃあな美人さん」

まこと「さようなら!」

佐天「はい、さようなら」

同僚の娘を連れて、夕暮れの道を歩く

まこと「おねえさんは、ままのおうえんでがんばったそうです」

垣根「そっか。お前も誰かを応援してやれよ」

まこと「はい!」

垣根「じゃあ、まずはさっきのお姉さんと俺からな」

まこと「はい! がんばれていとくん! がんばれさてんさん!」

ていとくん「なんか、新聞の四コマみたいだな」

そういえば、
さっきの女性はなにか悩んでいたようだが
何かあったのだろうか

垣根「ま、大丈夫だろ」

この子の母の応援で、がんばった過去があるのなら
たまに、落ち込んだりしても、
また頑張れるだろう

少なくとも、あの同僚はそうなのだし

佐天編  了

今日の分は以上です

あと、今回垣根×佐天さん見えたかもしれませんが
これがカップリングなのかはよくわかりません


次は寿司屋の大将編かな

読んでくださった方ありがとうございます

佐天さんおばちゃんなのにグラビア?

>>542
若干ごまかしてるんですよ、きっと
公称21歳くらいで

かなり行き当たりばったりに書いてるので、後付けですけど

どうもです

今日の分投下していきます

エツァリ寿司

初春「まったく! あのメルヘンは! 羽根だけじゃなくて頭まで鳥なんですか!」

佐天「まあまあ、その主人公のモデルさんにも都合があったんだよ」

カウンターで女性客が騒ぎ、それを連れがなだめている
騒いでいる方は一方通行の担当だったはず
もう一人も、TVでよく見る顔だ
それに、二人とも別の理由で昔から知ってはいた

初春「でも、せっかく佐天さんに時間を作って、学園都市まで来てもらったのに」

佐天「来たかいはあったよ。うん、なんか役が見えてきた」

初春「そうなんですか」

佐天「うん。初春のおかげだよ。あと、まことちゃんと、もう一人」

初春「もう一人?」

佐天「うん。偶然、話を聞けたアンチスキルのひと、参考になったよ」

初春「まあ、佐天さんが納得してるならいいんですけど」

佐天「ありがと、初春。ここは奢っちゃう!」

初春「では、遠慮なく!  大将―! うにといくら追加でー!」

大将「はい。すぐに用意いたします」

返事を返しながら、二人の為に握り始める
昔馴染みだ。気合を入れよう
もっとも、向こうはこっちの事など知らないだろうが

一方「おォーす。海原ァ―。来てやったぞォー」

ショチトル「いらっしゃいませ。何名様ですか」

打ち止め「大人三人に、子ども一人でお願いします」

ショチトル「かしこまりました」

番外個体「まこと、何食べる?」

まこと「はい! いくらとたまごといかと、えーと」

ショチトル「では、こちらへどうぞ」

店員に奥の座席へと案内されて
それぞれ席に腰を下ろす

大将「いらっしゃいませ。毎度ごひいきに」

一方「おゥ、海原。適当に見つくろってくれやァ」

大将「かしこまりました。……もう海原じゃないんですけどね」

一方「良いンだよ。俺にとってオマエは、いつまでも海原なンだからよ」

大将「ふっ。そうですか」

まこと「おみせのひとと、あっくんは、おともだちなんですか」

一方「違ゥ」

大将「違います」

番外個体「友達だね」

打ち止め「友達だよってミサカはミサカはかわりに断言!」

まこと「そうなんですか」

そう言って少女は
明るい声で屈託なく笑う
つられて彼女の妹二人も

ショチトル「いらっしゃいませ!」

黄泉川「さぁ、今日は呑むじゃん!」

小萌「はい! どんどんいきましょう!」

上条「あの、俺、まことが待ってるんで、今日はもう……」

御坂妹「まことは今日、上位個体の家に止まっているので大丈夫です、とミサカは退路を断ちます」

垣根「一人だけ逃げようなんざ許さねぇ」

上条「……はい」

見慣れた客たちを座敷席に案内させ
酒と寿司を運ぶ
上司二人が騒ぎ、男二人が絡まれる
彼女の妹は一人マイペースに箸をすすめる

上条「の、呑みすぎたぁ」

大将「大丈夫ですか。ウーロン茶でも運びますか」

トイレに立った上条に、カウンターから声を掛ける
かなり飲まされていたらしく
顔が赤い
足取りも、少し危なっかしくみえる

上条「すまん、頼む。いや、今水くれ」

大将「わかりました」

上条をカウンター席に座らせ
グラスに入れた水を用意し差し出す

上条「悪いな」

大将「いえ、このくらい」

上条がゆっくりと大事そうに水を啜る
よっぽど呑まされたのだろう

上条「なぁ、前から言おうと思ってたんだが……」

上条が水を啜るのをやめて
重たげに口を開く

大将「何ですか」

上条「あのさ、お前との約束……」

大将「はい」

上条「俺はさ、お前とも約束してたのに、俺はアイツを……」

大将「……はい」

上条「俺は、俺は約束を……っ!」

大将「守ってくれていますよ」

上条「え?」

大将「あなたは僕との約束を、今でも……」

上条「でも! 俺はアイツを!」

大将「たまに、一方通行があなたの娘さんを連れて来店するんですよ」

上条「……まことを?」

大将「あの子の笑顔を見てればわかります。あなたは約束を守り続けている」

「あのひとがいなくなっても、ずっと」

上条「……そうかな」

大将「はい。あ、そろそろ行かないと、一人でからまれてる第二位に恨まれますよ」

上条「……そうだな。水、ありがとな」

カウンターに呑みほしたグラスを置き
上条当麻は、座敷席に戻る

ショチトル「エツァリ、明日の仕込みの事なんだが……。おにいちゃん?」

大将「ん、どうしましたか?」

ショチトル「何か嬉しそう」

大将「ああ、古い友人が昔の約束を覚えていてくれたんですよ」

ショチトル「ふーん」

大将「ええ」

遠い日の約束は
確かに、あの少女の笑顔の中に生きている

だから大丈夫だろう
彼もあの少女も

寿司屋の大将編 了

今日の分は以上です


次は駄菓子屋編かな

読んでくださった方ありがとうございます

どうもです

今日の分投下していきます

いつもよりさらに短いと思います

一方「へェ、友達とよく行くンだな。その駄菓子屋に」

まこと「はい! みんなで行きます!」

その日、一方通行を預かるように、上条に頼まれていた
だから、学校帰りのまことを途中まで迎えに行き、一緒に歩く

一方「よし! じゃあ寄ってくかァ。なンか買ってやるよ」

まこと「ほんとうですか! ありがとうございます」

一方「良い返事だな。……打ち止めと番外個体にもなンか買ってくかァ」

あとあと、うるさいだろうしと口の中で小さく呟く

一方「ほォ、食堂もいっしょにやってンのか」

目的の駄菓子屋は定食屋も併設され、幅広い年代の学生で賑わっていた
レジの奥に厨房があり、窓際に机といすが並べてある
まことのように駄菓子を選ぶ小学生もいれば、
牛丼をかっ込む部活帰りの高校生もいる

まこと「こんにちは!」

結標「いらっしゃい!」

一方「あ」

結標「へ?」

見覚えのある顔だった

一方「しっかし、久しぶりだなァ」

結標「そうね。何年ぶりかしら」

まことに菓子を選ばせている間に
店主に話しかける

一方「オマエが駄菓子屋たァねェ」

結標「何よ、悪いの。子ども好きだし」

一方通行がまことに近づき
真面目な顔で話しかける

一方「まこと、友達と来るって言ったよなァ」

まこと「はい、いいました」

一方「その中に男の子はいンのか」

まこと「はい! いるときもあります!」

一方「男がいる時は気をつけるンだぞォ」

まこと「はい?」

一方「危険だからなァ」

結標「どう言う意味よ! そういうんじゃないから! 子ども好きって!」

一方「いや、だってオマエってショタコンだろォ」

結標「ちがうわよ!」

一方「そっかァ」

結標「まったく……」

一方「しかし、こンなところで駄菓子屋かァ」

結標「別にいいでしょ。小学校が近くにあるから、結構きてくれるし。食堂の方も男子校が近くに……」

一方「……男子高校?」

結標「中高一貫ね」

一方通行は無言で携帯を取り出し、短縮ダイヤルをかける

一方「もしもし、第二位かァ。変質者をみかけたンだが」

垣根『電話の向こうにロリコンがいるな。鏡でも見たか』

一方「違ェ! 今ショタコン犯罪者が居るンだよ。オマエ、警備員だろォが!」

結標「だっあぁぁぁぁ!」

結標が一方通行から携帯を取り上げ、電源を切る

一方「オマエ、何してンだよ。通話中だぞ」

結標「こっちのセリフよ! 誰がショタコン犯罪者よ!」

一方通行「オマエ」

結標「違う!」

一方「そっかァ、違うかァ」

結標「あったり前でしょ」

一方「ふー―ン。あ、そうだ」

結標「何よ」

一方「食堂の方は大丈夫なのかァ、味とか」

結標「どう言う意味?」

一方「だって、オマエ料理できンのか」

結標「当然でしょ。何年たったと思ってるのよ」

一方「なら、今度食いに来てやンよ。海原と土御門誘って」

結標「なに、同窓会でもするの。私たちで?」

一方「別に俺とオマエと土御門で、海原ンとこの寿司でもいいぞ」

結標「やめてよ、そんな柄じゃないでしょ」

一方「そっかァ」

結標「ま、お茶くらいなら行きましょう。そのうちに四人で」

一方「悪くねェな」

結標「ま、そのうちね」

一方「おゥ」

まこと「あっくん! これにします!」

まことがお菓子を入れた篭を一方通行に差し出す
篭の中には一口大のカステラとドーナッツ、それにヨーグルト菓子

一方「おゥ。じゃ、これと同じの四セットくれや」

結標「まいど、まことちゃん、また来てね」

まこと「はい!」

一方「じゃ、行くか。じゃあな」

まこと「さようなら!」

結標「またね」

まことに一人分の菓子だけ渡し
残りをビニール袋で下げる

一方「友達と良く行くンだったな、さっきの店」

まこと「はい! みんなでいきます」

一方「大事にしろよォ。そのうちウザかったり、めんどくさくなったり、何でこんな奴らといっしょなンだとか思ったりするかもしれねェ」

まこと「あっくん?」

一方「でもなァ、もっと後になると、一緒にいて良かったと思うンだよ」

まこと「大人になるとですか」

一方「人、それぞれだァタイミングはな。でも、いつかな」

まこと「はい! ともだちは大事にします!」

一方「良い返事だァ」

あの頃は、アイツらのことを友達どころか
仲間とすら思ってなかった気もする

でも、今は違うと思う

だから、この子にも……

駄菓子屋編 了

今日の分は以上です

次は研究所編とか考えてます

読んでくださった方ありがとうございます

上条「まこと、今日は一方通行の面倒みてやってくれ」
まこと「はい、わかりました」

違和感全くなし

ぐはっ 誤字です
○は ×を

ついでに思いついたけど、カットした会話です

結標「良く来てくれるあの子が、まさかあんたのとはね。どっちに産ませたの? 打ち止め? 番外個体?」

一方「違ェよ!」

結標「他の妹達? ……あの二人健気だったのに」

一方「俺の子じゃねェ! 三下とオリジナルのガキだァ!」

結標「ふーーーん」

以上、なんかパッとしなかったんで削りました

どうもです

今日の分投下していきます

まこと「しあげくん!」

浜面「ひっさしぶりだな。まこと」

上条「悪いな。迎えに来てもらっちゃって」

浜面「気にすんなよ」

上条は娘が生まれた街の空港に立つ
来るのは初めてで、
この街に住む友人に迎えに来てもらった

上条「まこと、また後でな。浜面たちの言う事をちゃんと聞くんだぞ」

まこと「はい!」

上条「じゃあ、まことの事頼む。あとで合流するから」

浜面「車で送ってくか?」

上条「いや、歩いてきたいんだ。帰りは頼む」

浜面「わかった。帰りに連絡くれ」

上条「じゃ、行ってくる」

まこと「いってらっしゃい!」

娘の声に見送られ、
上条は知らない街を歩きだす
でも、この街をあの子は知っている
彼女も、知っていた

上条「わりと、日本の学園都市と変わんないんだな」

案内や看板に英語の表記が多いくらいで、上条の街と良く似ている
その案内も移ってきた研究者のための日本語併記があり
ますます、いつもの街にいる様な気がしてくる

まるで、そのあたりの曲がり角から
彼女が飛び出してくるような気さえしてくる

上条「でも、やっぱ違うな」

いつもの道に似ていても、いつもの場所には着かない
そんな当たり前の事が、異国にいる実感となる

もちろん、彼女は飛び出してこない
当然だ

上条「土産、買わないとなぁ」

垣根や一方通行たちに今回この街に来るため、
多くの事で世話になり、迷惑も掛けた
礼をしなければならないと思う

上条「でも、いつかはここに来なくちゃならなかった」

呟いて、その建物を見上げる
その清潔感のある綺麗な外見からは
4年以上前に起きた事故の事など想像もできない

上条「ここに、アイツが居たんだ……」

そこは、彼女の、御坂美琴のいた場所


研究員「では、しばらくしたら迎えに来ます」

上条「はい、案内ありがとうございます」

研究員「いえ、ご遺族に事故の事を説明するのも、生き残った者の義務ですから」

上条「……」

研究員「特にあの人がレベル5の力で事故を押さえてくれなければ、私も今ここにいませんでした」

上条「そうなんですか」

研究員「はい、あの人は今いる研究員のほとんどの命の恩人です」

上条「……」

研究員「では、しつれいします」

上条「はい」

研究員が部屋を去り
一人なった上条は部屋を見渡す

上条「……悪いな、ここに来るのに四年もかかっちまって」

この部屋で、美琴は研究に打ち込んでいたと聞く
手前の椅子に座り、パソコンで作業をする彼女の姿を想像してみる

上手くいかない
どうしても、初めて出会った頃や最後に会った日の姿が
まことに見せてもらった写真の姿に、上書きされてしまう
知っている姿が浮かんでは消える

上条「それに、まだ、まことと一緒にここに立つ勇気もねぇ」

だから、浜面たちに預けてここに来た

上条「……いろいろ言いたい事が、あったはずなのにな」

彼女に伝えたい言葉が出てこない
伝えたい感情はある
ただ、溢れだしてきて言葉になる前にはじけてしまう

上条「ここに立ったら、流石に泣いちまうと思ってたんだけどな」

なぜか、涙はでてこない
多分、彼女との思い出と仲間たちと
なによりも、まことがいる事が
泣かないでいられる理由なのだろうと思う

上条「でも、これだけは言わせてくれ」

溢れてはじける想いを
強引にまとめあげて
ゆっくりと言葉を紡ぐ

上条「まだ、大好きです。きっと、これから先もずっと」

それだけ、やっと呟く

上条「今度は、まことも連れてくる。またな」

『約束だからね』

パソコンの前に上条の知らない
写真の中の彼女が座っている

だが、

すぐにかき消える


「……ああ、約束だ」

ちゃんと、返事はする
たとえ幻でも
彼女に会えたなら

上条「来て、良かったな」

呟き、携帯電話を懐から取り出し、
よく使う、子ども携帯の番号を呼び出す。
今すぐに、声が聞きたい、逢いたい。

まこと「とうまくん!」

上条「まこと、ちゃんと浜面の言う事聞いて、いい子にしてたか」

まこと「はい!」

浜面「おぅ。もういいのか」

上条「ああ、きょうはありがとな」

浜面「別にいいよ。車で理后と麦野がまってるし、行くぞ」

上条「ああ、行こうか」

まこと「はい! 行きましょう」

上条「まこと」

まこと「はい?」

上条「明日、街を案内してくれないか」

まこと「はい! わかりました」

明日、この子に聞いてみよう
彼女がこの街で、どんな風に暮らしてきたのか

彼女が好きな場所に案内してもらおう
まだ、想いつづけているのだから

研究所編 了

今日の分は以上です

次は完結編を考えてます

ただ、完結編のあとにおまけを少し書こうと思います

>>87以降ずっとおまけだったと言われれば、返す言葉もありませんが

おまけのおまけ?

読んでくださった方ありがとうございます

どうもです

では、今日の分、投下していきます

『…きなさい』

誰かの声がする
とても懐かしく、そして愛おしい声

美琴『起きなさい!』

上条『……何だ、美琴か』

美琴『何だ、美琴か……じゃないわよ! 何時だと思ってるの、とっと起きて支度する!』

上条『ふわぁ、もう少しだけ』

美琴『さっさと起きないと、超電磁砲かますわよ』

上条『わかったよ。起きます、起きればいいんだろ』

美琴『もう! 私が起こしに来る前に起きてよね。まことはもう起きてるわよ』

上条『えらいなぁ』

美琴『高校教師が、小学生より遅く起きてどうするのよ。私だって研究所に行くんだからね』

上条『わかりましたよー。もう少し寝てからな』

美琴『全然、わかってないわね。よし!』

上条『何だよ、突然』

美琴『罰ゲームをしましょう。寝坊した事の』

上条『罰ゲームかよ。懐かしいな、おい』

美琴『そうねぇ。何にしようかしら……。そうだ!』

上条『何だよ』

『あの子を、麻琴の事、お願いね』

上条が返事をする前に
すべてが静止していき

「……うまくん」

聞きなれた声が響き

「当麻くん! 起きてください!」

そこで、覚めてしまう

上条「……何だ、麻琴か」

麻琴「何だ、麻琴か……じゃありません! 何時だと思ってるんですか」

上条「悪い。さっさと支度するよ」

麻琴「朝ごはんは、できてますから」

上条「ああ。今日はお前の入学式だもんな。遅刻しないようにしないとな」

麻琴「なら、もう少し早く起きてください。じゃ、早く来てくださいよ」

そう言って、娘は上条の部屋を出る
その後ろ姿は、出会った頃の美琴そのものに近い
後ろ姿だけじゃなく、正面からだってそっくりだ。
顔のパーツは、ところどころ上条の母、詩菜に近いものも多い
でも、全体ではやっぱり、美琴に似ていると上条は思う

上条「……早くしないとまた怒られちまう」

呟いた時、机の上の書きかけの手紙の存在を思い出す
昨日、今日までに書きあげるつもりだったが、途中で寝てしまった

上条「……そうだな」

さらっと、一言だけ加えて手紙を完成させる
そのまま、鞄に突っ込む
そして、扉を開けて娘の待つ食卓へ向かう

上条「制服。似合ってるな」

麻琴「ありがとうございます! やっとママと同じ制服が着れました」

真新しい常盤台の制服を身に纏った娘と
朝の通学路を歩く
風に混ざる、草花の匂いが春を感じさせてくれる

上条「入学式終わったら、先に帰っててくれ。俺は高校にちょっと行くから」

上条の勤める高校は明日入学式であり、
本来なら今日も前日準備のはずだ
しかし、無理を言って娘の入学式に出させてもらった

麻琴「そうなんですか……」

上条「お前の入学祝いに、一方通行たちもくるからさ。みんなで待っててくれ」

麻琴「はい! わかりました!」

上条「わるいな。あ、そうだな。今渡しとくか」

上条はスーツの内ポケットから
年季のはいった金属製のネックレスを取り出す

麻琴「十字架ですか」

上条「ああ、昔、知り合いにもらったんだ」

『とーまとこれから出会う、とーまの大切なヒトが幸せでありますように』

そんな言葉とともに、別れ際に渡された

麻琴「そんな大事なもの……」

上条「だからこそ、お前に持っていてほしいんだ」

麻琴「……わかりました。大切にします」

上条「ああ、大事にしてくれ」

そのまま、のんびりと言葉を交わしながら
父娘は桜並木を歩いて行く
母が青春を過ごした学び舎へと

垣根「おっ、来たな」

上条「おぅ」

無事、入学式を終え
職場に顔を出す

垣根「まことの入学式、どうだったんだ」

上条「良かったよ」

垣根「そうか」

上条「御坂妹は?」

垣根「もう終わらして、お前んち行ったぞ。まことの入学祝いするんだろ」

上条「ああ、一方通行も来るぞ。お前もどうだ」

垣根「遠慮しとく。まことに、おめでとうだけ言っといてくれ」

上条「遠慮しなくてもいいぞ」

垣根「いや、仕事があるからな」

上条「お前の分、そんなにあんのかよ。朝からやってんだろ」

垣根「まあ、二人分だからな」

上条「二人分?」

垣根「お前の分もやってんだよ。ったく、来なくてもいいって連絡する直前に来やがって」

上条「……いいのか」

垣根「そのうち、俺が忙しいときに代わってくれりゃいい」

上条「ありがとな」

垣根「さっさと行け」

同僚に頭を下げ、職場をでる
こうやって、支えてくれる誰かがいるから
誰かの支えになれる

上条「早く帰らなきゃいけないけどな」

垣根の善意に報いるためにも
早く家で麻琴を祝おうと思う

でも、そのまえに一つだけ

上条「やっぱ、この自販機の前かな」

ずっと昔から、この公園に立ち続けている
思い出の自販機の前で、鞄から今朝の手紙を取り出す

上条「……ん! 電話か」

表示され番号は
上条麻琴のもの

上条「もしもし」

麻琴『当麻くん、まだお仕事ですか』

上条「いや、垣根がかわりにやっていてくれたんで、すぐに帰れるよ」

麻琴『そうですか』

上条「おめでとうって、垣根もいってたよ」

麻琴『ていとくんに後で、お礼を言わなきゃ』

上条「あ、それと話は変わるけど」

麻琴『なんですか』

上条「夏休み、ひさしぶりに浜面のところに行かないか。また、街を案内してくれよな」

一緒に行きたい場所もあるしな
そう、胸の奥で付け加える

麻琴「わかりました、行きましょう。早く帰ってきてくださいね」

上条「ああ。すぐに戻る」

娘との電話を終え、携帯をしまう
さきほどの手紙をおり、紙飛行機を作る

上条「さ、飛んでけ!」

大きく振りかぶって、紙飛行機を飛ばす
風に乗って高く、高く空を舞う

夢の中での彼女の言葉
それに対する返事を乗せて
どこまでも飛んでいく

『ああ、任せてくれ』

あの子が大人になって支え合える誰かを見つけるまで
傍にいるから
そのあとも、見守り続けるから

だから、安心してください
二人とも、元気にやっていきます

完結編 了

以上です

最初、マイガールの最終巻でテンションが上がって書き始めたのに
どんどん変な方向に進んでしまいましたが、なんとか終わらせることができました

読んでくださったり、レスを下さった方のおかげです

近いうちに、おまけを投下したいと思います

読んでくださった方、ありがとうございました」

どうもですパラレル

パラレルですパラレル

このおまけは、これまでの話とはパラレルです

では投下していきますパラレル

0と1の奔流の中で美琴は目覚める

美琴「webの中?」

その強大な電子操作能力の応用で、感覚的にwebにアクセスしたときに
このような0と1の羅列を視覚的に感じる
しかし、なぜ自分はアクセスしているのだろうか?

美琴「確か、事故を止めようとして……」

勤務する研究所で起きた事故
暴走する機材を止めるために、メインコンピューターにアクセスしたはず

美琴「全部、止めるのは無理だったから、少しでも被害を減らすためにプログラムを書き換えて」

同時に磁力をつかって、その他の機材を強引にまとめてバリケードも作った

美琴「みんなに逃げるように、放送して……」

逃げる?
自分はどうだったのだろうか
たしか、現場の一番近くで……

美琴「私は、逃げ切れなかった……」

記憶の中の最後の光景、爆発に呑みこまれる美琴自身の姿

美琴「そっか、私、死んじゃったんだ……」

では、今思考している自分自身は何なのだろうか?

0と1の奔流を眺めているのは誰なのだろうか

美琴「なにか、無いのかな」

そう考えた瞬間

視界が開ける
どこかの店の陳列棚
知らない国の国会
上空から見た大都会

音も聞こえてくる
ニュースキャスターが記事を読み上げる
どこかで誰かがケンカする声
赤ん坊の泣き声

Webに繋がった世界中のカメラが目となり
マイクが耳となる

美琴「もしかして、私は」

あの時、能力を通してWebに焼きついてしまった
御坂美琴の人格と記憶と演算の残滓

そんな正解にいきついてしまう

美琴「……まこと、どうしてるかな」

大切な娘を心配してしまう
そして

美琴「……アイツに逢いたいな」

誰にも聞こえないからこそ
ずっと奥底に秘めていた想いも出てきてしまう
電子の海に溺れながら

上条『青ピー。まこと迎えに来たぞー』

青ピ『おっす、上やん。ちょっと、まっててな』

まこと『とうまくん!』

上条『迎えに来たぞ。さっ、帰ろう』

まこと『はい!』

上条『じゃあな』

まこと『せんせい、さようなら』

青ピ『また、明日』

保育園に取り付けられた監視カメラ越しに
大切な二人の後ろ姿を見守る

美琴「これじゃ私、ストーカーみたいだ」

電話やwebに繋がったスピーカー使えば
声くらいは出せると思う
でも、できない

美琴「私は御坂美琴じゃないのかもしれないし」

そのただの残り滓、能力の反響にすぎないのかもしれない

だとすれば、もし上条の右手に触れてしまうと

美琴「消えちゃうのかな」

もしかすると、進んでそうするべきなのかもしれない
しかし、できない

美琴「遠くからでも、見守り続けたいなぁ」

未練ができてしまった
あの二人を見る事ができると気付いた瞬間から
それに

上条の右手に触れると言う事は

美琴「また、あの二人の前からいなくなる事になるのかな『御坂美琴』が……」

ただの残り滓が、そんな思いを二人にもたらしてはいけない
絶対に

初春『御坂さん!』

麦野『御坂!』

Webに漂う美琴に懐かしい声がかかる
いや、正確には音声こみのリアルタイムアクセスだ

美琴「ふたりとも、どうして……」

虚をつかれて、そんな言葉が出てきてしまう

初春『やっぱり御坂さんですね』

麦野『やっぱり、あのデータの痕跡はお前だったか』

最初に気づいたのは初春だった
原稿を出さなくなってきた一方通行のパソコンを、ハッキングしている際に
自分以外の侵入に気がついたらしい。それも何度も。
その侵入の際に、毎回まことがいる事に気付いた時に
偶然、麦野からハッカーとしての初春に、相談があった

御坂美琴の能力の痕跡がweb上で消えずに増え続けていると

美琴「そっか。それで気付いたんだ」

初春『はい! Webに御坂さんの人格や演算が残ってると』

麦野『やっぱり、正解だったわね』

美琴「うん。二人とも会えてうれしいよ」

初春『はい、私も嬉しいです……』

麦野『で、どうするの』

美琴「何を?」

麦野『私達よりも、もっと逢いたいやつらがいるだろうが』

美琴「逢えないよ」

初春『どうしてですか! 上条さんもまことちゃんも、御坂さんに逢いたいのに』

美琴『だめだよ。だって私は』

『御坂美琴の残り滓だから』

初春『!』

麦野『お前!』

美琴「じゃ、またね」

言いながら、美琴は電子の洪水に飛び込む
まるで、二人から逃げるかのように

上条『今日の夕飯何食べたい?』

まこと『なんでもだいじょうぶです』

スーパーの監視カメラ越しに、保育園の帰り
買い物をする父娘を美琴は眺めていた

どうしても、その姿に御坂美琴が混ざっている光景を想像してしまう

上条『遠慮せずに、何でも好きなもの言っていいんだぞ』

まこと『ええと、それじゃぁ。……わらっちゃだめですよ』

上条『笑わないぞ、さあ、言ってみろ』

まこと『……はんばーぐ』

上条『わかった、ハンバーグだな。でもなんでハンバーグが恥ずかしいんだ』

まこと『だってはんばーぐは、おとこのこのたべものだから』

上条『ぷっ』

まこと『あ! ひどいです! わらっちゃだめです!』

上条『悪い、悪い。お詫びにとっておきのハンバーグ作ってやるよ』

まこと『ほんとですか』

上条『ああ、任せとけ!』

美琴「いいなぁ」

そんな言葉が二人を見つめると出てきてしまう
でも、自分には許されないとも思う

初春『御坂さん!』

美琴「初春さん? どうしたの?」

初春『このデータの場所に行ってください! 麦野さんたちが待ってます』

美琴「いいけど、どうして?」

初春『いいから! 絶対ですよ!』

そのあと、にげんなモヤシ! との言葉を残して初春はいってしまう
データを解凍すると、日本の学園都市の研究所の一つが示されている

美琴「なんだろ、ここ」

とりあえず、行ってみる事にする
どうせwebなら距離はほとんど意味が無い

麦野「来たな」

美琴『これは、私? ううん妹達の誰か?』

初春に指示された研究所にいたのは
白衣の麦野と
機材の上に、横たわる美琴にそっくりな一人の女性

麦野「はずれ。アンタとアタシがどんな研究をしてたか、思い出しなさい」

美琴『……ロボット』

麦野「そう、アンタの姿をしたアンドロイドね」

美琴『完成したんだ。良かったぁ。でもなんで私の姿なの?』

研究者として、自分との共同研究を仲間が完成させてくれた事は素直にうれしい
しかし、その容貌はだれかをモデルにはしていなかったはずだ

麦野「アンタの新しい体だからよ」

美琴『え』

麦野「だから、このロボットに今web上にあるアンタの人格と記憶と演算を移すの」

美琴『……』

麦野「そしたら、逢いに行けるでしょ。まことたちに」

美琴『ありがとう。でもダメだよ』

麦野「何で!」

美琴『私は残り滓にすぎないから。そんなのが御坂美琴として逢いにはいけないよ』

麦野「だったら!」

御坂妹「では、ミサカ達の一人として、逢いに行ってください」

扉を開けながら、御坂妹が部屋に入ってくる

美琴『アンタ……』

御坂妹「残り滓だとか、そんなことはどうでもいいでしょう。大事なのは逢いたいかどうかです。お姉様は逢いたくは無いのですか」

美琴『……逢いたいよ、でも』

御坂妹「デモもストもありません。さあ、準備をしてください」

麦野「まかせな」

美琴『いいのかな』

御坂妹「母親が家族に逢いに行くのに、いいも悪いもありません」

美琴『……二人とも、ありがとう』

別人として、顔を見に行くくらいなら大丈夫じゃないだろうか
そう思ってしまったら、感情が止まらなくなってしまう
もう、見守るだけでは我慢できない

……逢いたい

上条「お、御坂妹か、どうしたんだ」

御坂妹「普段、学園都市の外のミサカがたまたま来てまして、まことに逢いたいと言うので、連れきましたとミサカは訪問の目的を述べます」

美琴『はじめまして、ミサカ11112号です』

上条「おう。はじめまして」

ずっと聞きたかった声が、集音マイクごしに聞こえてくる
言いたい事、伝えたい言葉はたくさんある
でも、それは口にできない

まこと「おねえちゃん!」

美琴「はじめまして、まこと」

まことが美琴に抱きついてくる
受け止めてそのまま髪を撫でてやる
触感センサー越しに伝わってくる慣れ親しんだ手触りが愛おしい

まこと「!」

御坂妹「どうしましたか、まこと?」

まこと「いえ、なんでもないです」

上条「いま、夕飯の支度してるからさ、あがって食ってけよ」

美琴『いえ、えん「では遠慮なくごちそうになります」

美琴の言葉を遮りながら、御坂妹が部屋に上がっていく
少し、躊躇したあと美琴も上がる

美琴(なつかしいな、ここ)

そもそもこの部屋を上条に進めたのは美琴なのだ
この部屋から、あの思い出も公園がいつでも眺めれるようにと

上条「適当に座ってくれや」

まこと「すわってください」

美琴 『わかりました』

そのまま、しばらく四人で言葉を交わす
ずっと夢見てきた光景に近い
でも、自分は……

上条「じゃあ、そろそろ用意してくるは」

御坂妹「メニューは何ですかとミサカは質問します」

上条「ハンバーグだよ」

美琴『ああ。まことの好きなものですからね』

まこと「!」

御坂妹「そうなんですか」

美琴『ええ』

まこと「どうして、しってるんですか」

美琴『!』

しまった、まことはハンバーグが好きな事を女の子らしくないと
秘密にしていたのに、これは

まこと「ままと、とうまくんにしかおはなししてません。もしかして」



「まま?」



まことのその言葉とともに、部屋を飛び出す
誤魔かすことも、なにも思いつかずに体が動いていた
機械の塊に癖に、感情にすぐに反応する

美琴『……ここは』

随分逃げたつもりだったのに、気がつくと
あの公園にいた

美琴『何やってるんだろ、私』

誤魔化しようはあったはずなのに、

上条「美琴!」

美琴『アンタ!』

ずっと逢いたかった
しかし、今一番会いたくない人が走ってきた

上条「御坂妹に聞いたよ」

美琴『そっか、聞いちゃったんだ』

上条「……帰ってきてくれて嬉しい、俺は、ずっと」

美琴『やめて!』

上条「美琴?」

美琴『私は、御坂美琴じゃない! その能力の残り滓なのよ!』

上条「違う」

美琴『違わない! だったら試しにその手で触ってみなさいよ! すぐに消えるんだから!』

上条「消えねえよ!」

不意に抱きしめられる

その、左腕だけで

上条「消えない、俺が消すのは幻想だけだ。だって、お前は」

抱きしめる力が強くなる。懐かしい体温が美琴を包む

「俺とまことにとって現実なんだよ!」

美琴『……当麻』

上条「俺の事、気を使って向こうに行ったんだろ。ありがとうな。でも、もう大丈夫だから」

美琴の耳元で上条が囁く

「もう、お前とまことを守れるくらい、強くなったから」

なんで、自分も麦野も涙を流す機能を付けなかったのだろうか

まこと「まま! とうまくん!」

御坂妹「申し訳ありません、どうしてもと言うので連れてきました」

まこと「まま!」

まことが再び美琴に抱きついてくる

まこと「もうどこにもいかないでください! いいこにしますから!」

美琴『まこと……』

上条「言っただろ。お前は俺たちのとって、現実だって」

美琴『……うん。まこと』

言いながら、まことを抱きあげる
ほんの少しだけ重くなった事をデータは示している
自分がいない間に大きくなったのだろうか

まこと「まま、まま」

美琴『ごめんね。これからは傍にいるから』

まこと「はい!」

このぬくもりと、包んでくれる体温を二度となくさないように
そんな誓いを言葉に込めて

美琴『ずっとね』

能力の残り滓でも構わない
自分は御坂美琴なのだ


二人が、認めてくれる限り

美琴『ねぇ、一つだけお願いがあるの』

上条「ん、なんだ?」

御坂妹がかえり、まことも寝付いてしまったあと
上条に声を掛ける

美琴『あの子がおっきくなって、貴方が長生きして、おじいさんになって、流石に死んじゃうかもしれない時に』

上条「時に?」

美琴『今度は、両腕で抱き締めてね』

それまでは傍に居させてください

上条「死ぬとか、縁起でもねぇ」

美琴『だめかな』

上条「さあな」


数十年後、学園都市

この日、長く教師を続けてきた一人の老人の葬儀がしめやかに行われた
喪主を務めるのは彼の娘の夫で、孫やひ孫、彼の友人や教え子たちが出席した

彼の娘のたっての希望で、棺には一体のアンドロイドが入れらる
彼の昔の恋人にして、娘の母親だった女性の姿を模して造られたという
それは、かれが生きている間ずっと傍にいて、彼が息を引き取ると同時に機能を停止した。

まるで、抱きしめられかのように彼に寄り添うそれは、
恋人に抱きしめられているようにみえたという


おまけ 了

以上です

おまけはこれまでとパラレルですのでお気を付けください

>>326の書き込みとトーキョーN◎VADのルールブック読み返したりで思いつきました

ホント、パラレルですので

次はそのうちに、一方さんがマッドサイエンティストになる話(カップリングは上琴)か
エヴァのシンジ×アスカ(ネット用語でLAS)とかを書きたいと考えてます


読んでくださった方ありがとうございます



でもどうせならクローン体を作ってそこに美琴を学習装置で書き込めば良かったんじゃないかとも思った

>>685

む、むぎのんは他の人が作るクローンより、自分と美琴が造ったロボを信用してたんですよ

あと、思いついたけど、本編で活かし方が分からなかった設定です

右太郎君は重力操作レベル4(のちに5)

彼の重力操作は巨大な手で、押さえつけられてるようだという

うん、使いどころないですね、この設定


次回作も楽しみにしてるよ
LASな人って上琴に流れやすいんだろうかww


>>685
クローンだと本来宿ってた人格を上書きするようなことになるかもだし
まぁ色々倫理的にアレだろう
自分が命を懸けて否定してきたことを覆すことになりかねないし

>>696

まじめに分析するといろいろ理由があるのでしょうが、
とりあえずは美琴さんアスカかっこいい、
シンジきゅん上条さんハァハァ
で良いんじゃないでしょうか

上条「いいぜ、てめぇがまことの選んだ男を否定するってんなら、まずはその幻想をぶち[ピーーー]!」

一通「ヒーロー!俺が間違ってたぜェ」


まこと夫「…………」

まこと「いつもの病気なので気にしないでください」

ここまでは脳内再生余裕でした

>>700
変わらないなwww

二人ともwww

まことの能力はやっぱ電気系?

>>703
そのつもりでした

あと、思いついたけど没にした会話その2

垣根「いよいよ大覇星祭だな。先生はみんなに多くは求めません、ただ、長点上機にだけは負けるな」

生徒A「せんせー、そこ超エリート校です。多くを求めてます」

垣根「ちっ、しょうがねえな。じゃあ、難易度下げてやる。長点上機の削板先生クラスに勝てばよしとする」

女生徒B「せんせー、そのクラスは特別優秀な生徒だけ集めてます。難易度上がってます」

垣根「先生は今年こそ『お前はやっぱり根性が足りんな』のドヤ顔をへこませたいんです」

生徒「せんせー、そんなのに生徒を巻き込まないでください」

垣根「うるせぇ、隣のクラスの上条先生は学生時代に、担任だった小萌先生のためにクラスを奮起させたらしいんだよ。おまえらもそれくらいやれ」

生徒「せんせー、上条先生の担任だったって小萌先生は一体いくつなんですか」

垣根「……俺が知りてぇよ」

以上です。うまく、本編に挟まりませんでした

html化スレに依頼してきます

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom