ジョジョの奇妙なジャンケン大会 (105)

『グー』は『チョキ』に勝ち、
『チョキ』は『パー』に勝ち、
『パー』は『グー』に勝つ。

3種類の指の出し方により、勝敗を決めるゲーム『ジャンケン』。
単純なゲームではあるが、最も身近な『心理戦』でもある。

このジャンケンを、スタンド使い同士で『戦う』としたら——



※『ジョジョの奇妙な冒険』登場キャラクター16名による、
トーナメント形式のジャンケン大会です。

いくつか特別なルールを追加しております。
通常のジャンケンとはかなり毛色が『違います』。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367972283

『ルール詳細』

�大会の開催場所は『仮想世界』のスタジアムです。観客もいます(そしてスタンドが見えます)。

�出場選手の名前とスタンド情報をまとめたプリントが配布されます。
これにより観客を含む全ての生物は、選手全員のスタンド能力をある程度『知る』ことができます。

�他プレイヤーに対して攻撃を行った場合、失格となります。

�上記で挙げた『攻撃』とは、『身体にダメージを与える』ことを言います。
ようは傷をつけること、です。逆に言えば傷をつけなければ『攻撃』とはみなされません。

�指の出し方はグー・チョキ・パーの三種類のみです。
本体でもスタンドでも構いませんが、必ず『手』を用いてください。

�勝負は一回勝負。あいこの場合は、勝負がつくまで行われます。時間無制限。

�最初はグー→ジャンケンホイ→あいこでしょ、の流れで行います。

�試合開始時間に10分以上遅延した者は、失格とします。ただし決勝戦にこの適用はありません。

�リタイアとなったプレイヤーは蒸発するように体が消え、退場します。

以下、特殊ルール

『タクティクス制』
プレイヤーは一度の試合で、下記三つのタクティクスを使用できます。
一度使用したタクティクスは、次の試合になるまで再使用はできません。

また1ターンに二つ以上のタクティクスを使用することはできません。

使用方法:
タクティクスはカードとして配られ、『最初はグー』の前に宣言することで使用できます。
この時、使用するプレイヤー以外は『どの』タクティクスを使うかはわかりません。
全てのタクティクスは、使用宣言をした1ターンのみ有効となります。

・復活⇒対象の手を復活させることができます。

・消失⇒『復活』の効果を打ち消すことができます。下記の『罠』には優先できません。

・罠⇒相手プレイヤーが『消失』のタクティクスを使用した場合のみ効力を及ぼします。
『消失』を無効化し、かつ相手プレイヤーが今使えるタクティクスの内一つをランダムで失わせます。


『シークレットルール制』
公表されない『シークレットルール』が一つ存在し、気付いた者だけがそのルールの適用を受けれます。

『参加キャラ一覧』
※各キャラはスタンド使い全盛期の肉体と、死亡時までの記憶を持っています。
※スタンドの紹介文は、配布されるプリントと同様の文章です。


空条承太郎(6部)
スタープラチナ:『最大で5秒、時を止めることができる』

イギー ※ザ・フールでケン(グー、チョキ、パー)を出します。
ザ・フール:『砂を操るスタンド』

フォーエバー(オランウータン)
ストレングス:『ボロ船を巨大な貨物船に変形させる』

カーン(床屋のおやじ)
アヌビス神:『一度戦った相手の攻撃・動作を完璧に記憶できる』

テレンス=T=ダービー
アトゥム神:『YES or NO形式で対象の心を読む』

ケニーG
ティナー・サックス:『射程範囲内の生物に幻覚を見せる』

静=ジョースター ※if設定キャラです。13歳程とみなしております。
アクトン・ベイビー:『自身及び周囲を透明にすることができる』

音石明
レッド・ホット・チリペッパー:『電気を操り、電気と同化するスタンド』


サーレー
クラフト・ワーク:『物体を固定することができる』

リゾット=ネエロ
メタリカ:『鉄分を操作するスタンド』

ディアボロ ※ドッピオはいません
キング・クリムゾン:『予知と、時間を消し飛ばす能力』


エンポリオ=アルニーニョ
バーニング・ダウン・ザ・ハウス:『「物」の幽霊を使うことができる』

エンリコ=プッチ
メイド・イン・ヘブン:『時間を加速させる』

グッチョ
サバイバー:『大脳の闘争本能だけを引き出し、人間同士を闘わせる』


ポコロコ
??:『超幸運』

リンゴォ=ロードアゲイン
マンダム:『6秒間、時を戻すことができる。6秒以上間隔を空ければ何度でも戻すことができる』



拙い文章ですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

第一話 『憶えた』


ワアアアァァァッ!!

ポルナレフ「さぁ、いよいよジャンケン大会の幕が開けようとしております!
実況はわたくし、J=ピエール=ポルナレフ。
解説はジョセフ=ジョースター、大柳賢(ジャンケン小僧)でお送り致します」

ジョセフ「よろしく」

大柳「何でぼくが解説なんだッ!?選手として戦いたいのに!
ぼくの異名は『ジャンケン小僧』だぞッ!?」

ポルナレフ「(確かにこれはひどい。鯛の入っていない鯛焼きみてーじゃあねえか)」

ジョセフ「まぁまぁ。解説役も中々名誉なことじゃぞ?それだけ、ジャンケンの実力を買われているんじゃしな」

大柳「そ、そうなのかッ?」 ニコニコ

ポルナレフ「おッ、早速一回戦の組み合わせが発表されたようですね」


「一回戦」
�カーンvsフォーエバー
�イギーvsリンゴォ

�サーレーvsエンポリオ
�プッチvs音石

�静=ジョースターvsダービー
�リゾットvsディアボロ

�承太郎vsケニーG
�ポコロコvsグッチョ

ポルナレフ「ジョースターさん、そして大柳さん、お二人の優勝予想をお聞かせ頂けますか?」

ジョセフ「わしは承太郎じゃな。ダービーも面白いが、時を止められればどうにもならんしのう」

大柳「ぼくはディアボロだと思うな。『キングクリムゾン』の能力は強力だよ」

ポルナレフ「そうですか。では第一試合のカーンとフォーエバーの勝敗はどうでしょう?」

大柳「おそらくカーンじゃあないかな。フォーエバーはストレングスで変形させるものもないし。
ただ『野生の勘』は魅力的だなぁ、ジャンケンは『精神力の戦い』でもあるからね」

ジョセフ「……いや、この戦いは『確実』にカーンが勝つじゃろう」


実況や解説の声はスタジアム中に流れており、
当然選手であるカーンの耳にも届いている。


ジョセフの台詞を聞き、カーンはニヤリと笑った。

カーン「フフフ…その通りだジョセフ=ジョースター。このゲームのルールの中に、
おれにとって圧倒的に有利な『ルール』がある。それさえあればおれは『絶対』に負けない」

ポルナレフ「それでは第一試合の選手が入場します!」

ワアアアァァァッ!!


『パーのフォーム、憶えたぞ…!後になればなる程強くなる!カーン!』

『野生の勘よ冴え渡れッ!人間の言葉を理解できる知能はあるぞッ!フォーエバー!』


ポルナレフ「各出場選手も見守る中!いよいよ第一試合が始まります!…両者位置につくッ!」

カーン「オランウータン、知能はあるのか?最初に何をするのかわかっているか?」

フォーエバー「ホッ」

カーン「ちッ!人間を舐めてやがるなッ!」

ポルナレフ「そして試合開始のゴングが今……鳴るッ!」


「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

カーン「最初はグーッ!」 フォーエバー「フォッホ!」

ジョセフ「『これ』じゃッ!」

ポルナレフ「え?」

カーン「じゃんけんッ!ホイッ!!」 フォーエバー「ウキャア!」

カーン『チョキ』 フォーエバー『チョキ』

ポルナレフ「最初のケンは『あいこ』ですッ!しかしジョースターさん『これじゃッ!』というのは一体?」


ドドドドドド…

ジョセフ「カーンが負けない理由は、『最初はグー』にあったのだッ!」

ポルナレフ「つ、つまりどういうことでしょう!?」

ジョセフ「最初はグーで『グー』を憶える。相手が『グー』を出してきても既に『憶えている』から、
動きを見て『パー』を出せばいい。もし『グー』の動きでなければ、今みたいに『チョキ』を出せばいい。
残りの手は『パー』か『チョキ』じゃから『チョキ』を出しておけば負けることはない。そして…」

カーン「『グー』と『チョキ』の動きは既に『憶えた』。
つまり貴様が何を出そうがおれはもう、絶対に…絶対に絶対に
絶っ……〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜対に!負けなあああいィィィッ!!」

フォーエバー「グフ…」

カーン「今度のケンには耐えられるかな?あいこでッ!しょッ!!」 フォーエバー「ウキャアッ!!」

カーン『チョキ』 フォーエバー『パー』

カーン「勝ったッ!仕留めたッ!」

フォーエバー「キャバ!?」

ドヒュウウゥゥゥ

≪フォーエバー、リタイア≫

ポルナレフ「つ……強いッ!?
(オレと戦った時も厄介な奴だったよなああ〜〜〜)」

ジョセフ「アヌビス神の前には心理戦なんぞ全く無意味じゃ!」

大柳「確かに『強い』。どの選手も必ず『最初はグー』をしなければならないしね。
これどうするの?時を止める承太郎くらいしか勝てないんじゃない?」

カーン「そういうわけだッ!『最初はグー』がある限りッ!
何も通用しなあああいいッ!!」

ポルナレフ「か、彼を止める選手は現れるのかッ!?第一試合勝者はカーンだあああぁぁぁっ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪to be continued≫

第二話 『策』


「一回戦」
�カーン
�イギーvsリンゴォ

�サーレーvsエンポリオ
�プッチvs音石

�静=ジョースターvsダービー
�リゾットvsディアボロ

�承太郎vsケニーG
�ポコロコvsグッチョ


プッチ「ここ…座っていいかい?」

静「あなたはエンリコ=プッチ。ええ、もちろんいいわよ」

プッチ「中々洒落たサングラスをしているね」

静「そーお?ありがとう。それで何の用?あたし試合見たいんだけどさあ〜」

プッチ「一つ、頼み事がある」

静「ゲーッ!『敵』に塩を送れっていうのォ〜?」

プッチ「わたしは昔、承太郎の記憶を見たことがある。
その中に、ジョセフ=ジョースターとの冒険譚もあったなァ〜〜そういえばァァ〜〜」

静「そ、そういうのは早く言ってよね!さっ、話を聞かせて♪
(父さんは何でか知らないけど、自分の話をあまりしてくれなかったのよね〜)」

ポルナレフ「それでは続いて第二試合です。イギーとリンゴォの入場だッ!」

ワアアアァァァッ!!


『シンプルがゆえの応用力!砂のザ・フールで何を狙うのかッ!?イギー!』

『勝てるまで時を戻す!優勝候補の一人!リンゴォ=ロードアゲイン!』


ポルナレフ「個人的にはイギーを応援したいところですが、勝敗予想はいかがでしょうか?」

ジョセフ「イギーには悪いが、リンゴォの勝ちじゃろうなあ。
勝てるまで『マンダム』で時間を戻せばいい」

大柳「そうですね。確かに能力で言えば圧倒的に不利だ。
しかしイギーの『あの目』。あの目は何か考えている目ですよ。『策』がオレにはあるぞ!…ってね」

リンゴォ「名はリンゴォ=ロードアゲイン。改めて……よろしくお願い申し上げます」

イギー「(なめんじゃあねーぞッ!オレの『策』を見せてやるッ!)」

「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

イギー「(最初はグーッ!じゃんけんッ!……)」 リンゴォ「最初はグーッ!じゃんけんッ!……」

イギー「(今だ!ザ・フール!)」

ザザアァッ!!

ポルナレフ「イギーが大量の砂を捲き上げたぞッ!
これは砂の『かまくら』だッ!イギーの姿が見えない!」

ジョセフ「なるほど!これはマンダムへの対策じゃッ!かまくらで自らのケンを『隠した』!
リンゴォがイギーの『ケン』を視認できなければ、時を戻すことはない!」

大柳「イギーは6秒の時間戻しをこれで無力化するつもりだ!これで勝負はわからないッ!」

リンゴォ「『マンダム』への対策として、砂を捲いたか。
だがそれではオレに勝つことはできない。
受け身の『対応者』はここでは必要なし!」

イギー「(ホイッ!)」 リンゴォ「ホイッ!」

乗り越えなくてはならないものがある。

スタンドや特殊ルールを用いない公正なる『ジャンケン』は、
きっと自分自身を生長させてくれるはずだ——



ポルナレフ「お互いがケンを出して6秒以上経っている!
砂のかまくらが解除されるッ!さぁ結果は…!?」

ドドドドドド…

イギー『チョキ』 リンゴォ『グー』


リンゴォ「感謝いたします」

イギー「(ち、ちくしょう!?)」

ドヒュウウゥゥゥ

ポルナレフ「一手目で決まったァッ!第二試合勝者はリンゴォ=ロードアゲインッ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪イギー、リタイア to be continued≫

第三話 『パーが強い理由』


「一回戦」
�カーン
�リンゴォ

�サーレーvsエンポリオ
�プッチvs音石

�静=ジョースターvsダービー
�リゾットvsディアボロ

�承太郎vsケニーG
�ポコロコvsグッチョ


ポルナレフ「それでは次の試合にまいりましょう。第三試合です。サーレーとエンポリオの入場だッ!」

ワアアアァァァッ!!


『固定の能力でどこまで戦えるかッ!?サーレー!』

『物知り博士がやってきた!心理戦なら任せておけッ!エンポリオ=アルニーニョ!』


ジョセフ「心理戦か……。なぁ大柳君。君は好きな『ケン』はあるかのう?」

大柳「ぼくは『パー』ですかね。結局、『パー』が一番勝率が高かった気がします」

ジョセフ「なるほどのう」

サーレー「なぁ……。お前は死んだ後、『どこ』にいたんだ?」

エンポリオ「どこ?どこって…場所はわからないけど、何もない空間っていうのかな。そこにいたよ」

サーレー「そうか、オレと一緒だな。ならばお前も聞いたことがあるか?
『奇妙な噂』。願いを叶える者を選出するゲームのことを」

エンポリオ「……いや、ない」

サーレー「オレは気が付いたらこのスタジアムにいた。最初は戸惑ったぜ。
だが…この大会に出場できたってのは嬉しいことだ。
だってよ、『願い』を叶えるなんて話、信じられねーじゃねーか。
しかし、大会に賞品は付き物だ。この大会で『優勝』すればッ!
『願い』を叶えられる可能性はマジにあるって事だ!」

エンポリオ「……」 

サーレー「ええ!希望とやる気がムンムンわいてくるじゃあねーかッ!」

ササッ
エンポリオは幽霊の『塩』を幽霊の『パスタ』に振りかけ、それを食べている。

サーレー「……何の真似だ」

エンポリオ「あぁ、このパスタは本物じゃないから食べてもお腹は膨らまない。
モグモグ…。味はするよ。とっても『おいしい』」

サーレー「その行動の意味を聞いているんだ!小僧ッ!」

エンポリオ「意味?『サーレー(sale)』、イタリア語で『塩』の意味……だよね」


ゴゴゴゴゴゴ…


サーレー「お召し上がりになってみろよコラアァーーッ!!」

「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

エンポリオ「タクティクスを使用する!」

サーレー「なにィッ!?『もう』使うのか!?」

エンポリオ「ではいくぞ!最初は…」

サーレー「ま、待てッ!オレもタクティクスを使うッ!」

「おおおぉぉぉっ!」

ポルナレフ「序盤から両者動きます!最初の一手は何でくるのかッ!?」

エンポリオ「(よし、サーレーはほぼ間違いなく『パー』か『グー』を出す。
挑発と速いタクティクスの宣言で、サーレーは『焦っている』からだ。
『チョキ』の形は普段の生活では使わない形。
焦っている時は咄嗟に形にしやすい、『パー』か『グー』を出す確率が高い。
この一手目は『パー』を出しておけば、ぼくは負けることはないはずだ!)」

サーレー&エンポリオ「最初は……グーッ!」

ググッ…

エンポリオ「(あ…あれ?体が動かないぞ?まさか…!)」

サーレー「じゃんけんッ!ホイッ!!」

サーレー『パー』 エンポリオ『グー』

エンポリオ「な、何ィーッ!?『グー』のままだって!?
まさか、固定できる『物体』というのはぼくの体までも…!」


ドドドドドド…

サーレー「家の鍵を閉め忘れちまったことに気付いた時のような顔をしてたなァ?
その通りだ、既にリングを伝い肉体の『固定』は完了している」

エンポリオ「(つ、強過ぎる!?『最初はグー』のまま固定されれば、
誰もサーレーには勝てないじゃあないかッ!?)」

ポルナレフ「そして使用したタクティクスの判定は!?
エンポリオが『消失』、サーレーも『消失』だッ!」

サーレー「しっかり味わったみたいだな、
『クラフトワーク』を。こっちもよ、うまかった…だろ?」

ドヒュウウゥゥゥ

ポルナレフ「第三試合勝者はサーレーだあああぁぁぁっ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪エンポリオ=アルニーニョ、リタイア to be continued≫

第四話 『初めから』


「一回戦」
�カーン
�リンゴォ

�サーレー
�プッチvs音石

�静=ジョースターvsダービー
�リゾットvsディアボロ

�承太郎vsケニーG
�ポコロコvsグッチョ


ダービー「久しぶりですね、空条承太郎」

承太郎「ダービーか」

ダービー「ここ…随分レトロなスタジアムですよね、自動ドア一つないとは。
(ん?あれは…エンヤ婆!?いや、非常に似ているが……違うか?)」

承太郎「やれやれ、オレと世間話がしたかったのか?」

ダービー「いえ…あなたの考えを聞きたくてね。
あなたが一番の難敵だと思う選手はどなたですか?」

承太郎「……二人いる。ディアボロとポコロコだ」

ダービー「ポコロコですか?ディアボロは、まぁわかりますがね。
時を止める瞬間を消し飛ばす能力。まさにあなたの天敵だ」

承太郎「どの程度の幸運かはわからないが、運を味方につけるというのは恐ろしい『能力』だ。
(プッチもそうだった。運命を味方につけることの恐ろしさは十分に知っている…)」

ダービー「運、ねぇ。(冷静な判断力と度胸、
そして時を止める能力。わたしはあなたが一番恐ろしいですよ…)」

承太郎「そろそろ試合が始まるようだな」


ポルナレフ「続いて第四試合が始まります!プッチと音石の入場だッ!」

ワアアアァァァッ!!


『加速できる時に抗える者はいるのか!?優勝候補の一人ッ!エンリコ=プッチ!』

『クレイジーダイヤモンドを上回るスピード!電気も満タンだッ!音石明!』


承太郎「(プッチ…奴と戦うのは決勝か。
奴には『でかい』借りがある。決して許さねぇ。この大会でオレが必ず倒す)」

「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

プッチ「(奴の切り札は『一度』しか使えないだろう。『電気』だからな。
そのタイミングで『消失』を使ってくるはずだ。そこを見極めねば…)」

音石「(オレの切り札は『一度』しか使えない。
奴が『復活』を使う可能性がある時に『消失』を使いたい。確実に仕留める為に…)」


プッチ「(動きがないな……何を考えている音石明)」

音石「(時を加速されれば、チリペッパーのスピードでも見切れないかもしれねえ。
となれば、最初の一手目に全てを賭けるしかない!) タクティクスを使う!」

プッチ「(きたかッ!) こちらもタクティクスを使う!」

「おおおぉぉぉっ!」

ポルナレフ「この試合も両者早々に動きます!最初の一手は何でくるのかッ!?」


プッチ&音石「最初は……グーッ!」

音石「(今だッ!) レッドホットチリパッパーーッッ!!」

ビカアアァァーーーッッ!!

ポルナレフ「こ、これはッ!?まっ、まぶしい!この輝きはッ!この電磁波はッ!
目…目がくらむッ!げ、限界なく明るくなるぞおおォォーーッ!」

音石「いかに素早く動き、ケンを見極めることができようがッ!
この輝きの中でそれを行うことは不可能ッ!勝負だプッチ!」

プッチ&音石「じゃんけんッ!ホイッ!!」

ポルナレフ「結果はッ!?結果はどうなったのか!徐々に目が慣れてきたぞ!」





ドドドドドド…

プッチ『パー』 音石『パー』

音石「!? な…何ィィーッ!?」

プッチ「……かろうじて。かろうじてだが貴様のケンの動きが『見えた』。
やはり『借りていて良かった』。この静=ジョースターの…『サングラス』を」

静「まあ、ここで使うことはわかってたけどねえ〜〜。ごめんね音石さん。
(それにしてもプッチの加速。初速が早過ぎる。サングラスをつける瞬間すらわからなかった…)」

ポルナレフ「あいこ!あいこですッ!そして使用したタクティクスの判定は!?
プッチが『罠』、音石が『消失』だッ!これにより音石のタクティクスが一つ減ります!
ランダムで選ばれた結果……『復活』が使用不能になったぞッ!」

大柳「ああっ!見て!音石明のスタンドが…!」

ポルナレフ「これは!?チリペッパーの電気の輝きがなくなった!
錆びた鉄クズのような色になったぞ!先程の電気でスタンドパワーがなくなっているのかッ!?」

プッチ「さて、『あいこ』だな。……続きをどうする?音石明」

プッチが凄みを利かせ睨み付けると、音石は観念したのか棄権を宣言した。

音石「続きか……ダメだ、『棄権』する。
光も、タクティクスも読まれていた。心理戦も完敗。
さらにサングラスをかけた瞬間すらわからないスピード。スタンドパワーの失われたチリペッパー。
やるだけ無駄だ。こうなってしまっては、オレの負けだ」


ドヒュウウゥゥゥ

ポルナレフ「あ〜っと!音石は『棄権』だ!」

プッチ「こうなってしまっては、だと?
人が敗北する原因は…『恥』のためだ。人は『恥』のために死ぬ。
『足掻く』のをやめる程度の精神力でわたしに勝てるものか。貴様は『初めから』負けていたのだ」

ポルナレフ「第四試合勝者はエンリコ=プッチィィッ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪音石明、リタイア to be continued≫

第五話 『知っていた』


「一回戦」
�カーン
�リンゴォ

�サーレー
�プッチ

�静=ジョースターvsダービー
�リゾットvsディアボロ

�承太郎vsケニーG
�ポコロコvsグッチョ


ポルナレフ「では続いて第五試合!静=ジョースターとダービーの入場だッ!」

ワアアアァァァッ!!


『透明になるレディ、静=ジョースター!父親譲りの心理戦に期待ですッ!』

『アトゥムのその目が光って唸る!イエスかノーか問いかけ続ける!テレンス=T=ダービー!』


ポルナレフ「お二人共、今回の予想はどうでしょうか?」

大柳「うーん、多分ダービーじゃないかな。透明になっても読心できれば、だけど」

ジョセフ「大柳君と同じ意見じゃな。アトゥム神が通用するかどうか。
…しかし、頑張るんじゃッ!頑張るんじゃぞ……静ッ!!」 ハラハラ

ポルナレフ「(ジョースターさんが、初めて包丁を握った子供を見るような目で見ている…)」

ポコロコ「くあああぁぁ……眠い。
さっきの眩しさで一回起きちまったぜ。もう一眠りしよっとおォ〜〜」

ザワ…ザワ…

観客「おい…あれポコロコだぜ?なんで観客席で寝てるんだ?」


ポルナレフ「ダービーはスタンバイしていますが、静=ジョースターはまだ姿を現しませんね」

ダービー「いや……静=ジョースター、すでにそこに『いる』な?」

静「お、やっと気付いた?あぁ、いるぜェーッ!それじゃあ始めようかッ!」

ポルナレフ「あーっとッ!アクトンベイビーにより透明化していたようだッ!
それでは第五試合を始めましょう!」


「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

ダービー「(さて、アトゥム神は通じるかどうか。奴の出そうとしているケンは『グー』か?)」

シーン……

静「あなたは『まさかアトゥム神で読心できないとは。意志も透明化しているといったところか』と言う…」

ダービー「まさかアトゥム神で読心できないとは。意志も透明化しているといったところか……ハッ!」

ドドドドドド…

ダービーは自身の台詞を読まれ、冷や汗を垂らした。
読心を得意とするダービーではあるが、心を『読まれる』ことには慣れていない。


ダービー「……見事だ。血は繋がっていないとはいえ、さすがはジョセフ=ジョースターの娘」

静「あたしは父さんを『尊敬』している。『駆け引き』の勝負、楽しみだわダービーッ!」

静の自信に満ちた声がスタジアムに響き渡る。

ダービー「随分『ノってる』じゃあないか。確かに透明化でわたしのアトゥム神は使えない。
静=ジョースター、その点に関してはお前に『風』が吹いている。
しかし一流の勝負師は、風を止めようとはしない。その風に『帆』を張るのだッ!いくぞ!」

静&ダービー「最初は……グーッ!じゃんけんッ!ホイッ!!」

静『チョキ』 ダービー『グー』


ポルナレフ「こ、これはッ!?またしても一手目で勝負がついたぞッ!」

静「そんなッ!?あたしが読み負けた!?な、何かイカサマをしたんじゃあねーのかてめェーッ!?」

ダービー「イカサマはしていない。しかし……この結果は『知っていた』がな」

リゾット「(『知っていた』……だと?)」

ポルナレフ「ダービーが純粋に読み勝ったのでしょうかッ!?」

大柳「わからない。でもダービーの口振りから、何かタネがありそうだね」

ドヒュウウゥゥゥ


ポルナレフ「第五試合勝者はテレンス=T=ダービーだああぁぁっ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪静=ジョースター、リタイア to be continued≫

第六話 『逆襲のリゾット』


「一回戦」
�カーン
�リンゴォ

�サーレー
�プッチ

�ダービー
�リゾットvsディアボロ

�承太郎vsケニーG
�ポコロコvsグッチョ


ポルナレフ「では続いて第六試合です。リゾットとディアボロの入場だッ!」

ワアアアァァァッ!!


『冷静沈着な暗殺チームのリーダー!リゾット=ネエロ!』

『予知し、時間を消し飛ばす!ジャンケン界の帝王になれるのかッ!?ディアボロ!』


ポルナレフ「因縁の二人による対決だッ!手元の資料によると…
どうやら生前リゾットは、自分の組織のボスであるディアボロに『殺された』ようですね。
(さすがはディアボロといったところか…!暗殺チームのリーダーすらそのザマとは)」

ザワ…ザワ…

ジョセフ「リゾットとしては、何が何でもリベンジを果たしたい相手というわけじゃな!」

大柳「(いやいや、何を会場中に物騒なこと広めてるわけ!?こ、『殺された』!?)」

リゾット「ボス。最も危険な敵とは、どういう人物を指すかわかるか?」

ディアボロ「……貴様でいうところの、わたしのことか?」

リゾット「『半分』正解だ。かつてのボスは、最も危険な敵だった」

ディアボロ「……」

リゾット「『二番目に危険な敵とは、自身よりも力や影響力が大きく優れている相手』だ。
『そして一番危険な敵とは、その存在すらもわからない相手』だ」

ディアボロ「なるほど、暗殺者らしい考え方だ」

リゾット「…今までと逆だッ!
この戦いを経て、貴様にとってオレこそが最も危険な敵となるッ!いくぞ『ディアボロ』ッ!」

ディアボロ「フン。どれ程息を巻こうと『キングクリムゾン』の前に貴様は無力だッ!」


「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

スウウゥーー……

ポルナレフ「あーーッと!リゾットが姿を消した!全身が見えない!
メタリカにより鉄分を操作し、背景と同化しているのか!?これではケンが見えない!
予知ができようが、リゾットのケンが見えなければ意味はないッ!!」

ディアボロ「フフフ、随分と得意げになっていたが『メタリカ』のことは、
わたしもよくわかっている。『予想通り』だ!『ケンを隠す』なんてことは……
答案用紙の最初に名前を書くことくらいッ!わかりきっていることなんだよォーーッ!!」

リゾット&ディアボロ「最初は……グーッ!」

ディアボロ「(フハハハ!見えるぞ!『勝敗』の結果がな!
ケンを隠そうが、『勝敗』を予知すれば何も問題はないッ!)」

リゾット「……」

ディアボロ「(わたしはこれから『グー』を出す。しかし予知では『負けている』。
なるほど、リゾットは姿こそ見えないが『パー』を出しているのか。
ならばこの未来を消し飛ばし、『チョキ』を出せばわたしの勝ちだッ!!)」


ドドドドドド…

ディアボロ「勝負あったな!『キングクリムゾン』!
貴様のメタリカなぞッ!水のない井戸と同じように何の役にも立たんッ!」

リゾット&ディアボロ「じゃんけんッ!ホイッ!!」

リゾット『??』 ディアボロ『チョキ』

ポルナレフ「ディアボロは『チョキ』だ!『チョキ』を出したぞ!
しかしリゾットのケンは見えない!判定は…ッ!?」


勝者『リゾット=ネエロ』


ディアボロ「な、何だとッ!?」

ポルナレフ「リゾットの勝ちだッ!!見事な策により、
『キングクリムゾン』を封殺!素晴らしい戦いを見せてくれましたッ!」

ディアボロ「馬鹿なッ!?奴は『パー』のはずだ!なぜ負けている!?
予知では『グー』で負け、そして今『チョキ』でも負けただと!?
何か…奴には『謎』があるのか!?メタリカの新たな能力なのかッ!?
わからない!わからなあいいいィィ!?」

ゴゴゴゴゴゴ…

リゾット「…これで『理解した』だろう。
最も危険な敵とは、『その存在すらもわからない相手』だと」

ドヒュウウゥゥゥ

ポルナレフ「第六試合勝者はリゾット=ネエロッッ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪ディアボロ、リタイア to be continued≫

第七話 『究極の後出し、究極の強運』


「一回戦」
�カーン
�リンゴォ

�サーレー
�プッチ

�ダービー
�リゾット

�承太郎vsケニーG
�ポコロコvsグッチョ


ポルナレフ「では続いて第七試合です。空条承太郎とケニーGの入場ッ!」

ワアアアァァァッ!!


『負ける姿が想像できない!時を止める彼に勝てる選手はいるのか!?空条承太郎!』

『幻覚の使い手!彼の出しているケンは真実なのか!?ケニーG!』


ポルナレフ「今回の予想はいかがでしょうか?」

大柳「これは承太郎でしょ。無敵のスタープラチナがあるからね」

ジョセフ「……いや、わからんぞ」

ポルナレフ「ジョースターさん?一体どういうことでしょう?」

ジョセフ「相手の『ケン』が出た瞬間に時を止め、自身のケンを変える。
『究極の後出し』が可能な承太郎じゃが、幻覚は相性が悪い。
出ている『グー』が本当は『チョキ』かもしれんからのォ〜〜」

大柳「でも所詮『幻覚』でしょ?対戦相手との距離は2m。いる場所もわかってる。
時を止められる5秒の間に、幻覚かどうか触って『確認』することはできると思うけど」

ポルナレフ&ジョセフ「あ……」





ドヒュウウゥゥゥ

ポルナレフ「瞬殺ですッ!第七試合の勝者は空条承太郎ッ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪ケニーG、リタイア≫

ポルナレフ「続いては一回戦最後の試合、ポコロコとグッチョの入場です!」

ワアアアァァァッ!!


『強運の黒い彗星が参戦だッ!ジャンケン大会においても優勝をかっさらうのか!?ポコロコ!』

『心理戦を要するジャンケン戦の毒蜘蛛ッ!冷静さを失わせて勝機を見いだす!グッチョ!』


ポコロコ「……しかしグッチョはまだ来ねーのか?このまま不戦勝になったりして?」

ポルナレフ「ポコロコは既にスタンバイしていますが、グッチョはまだのようです。おや?係員が…」

係員「た、大変だッ!グッチョ選手がスタジアムのトイレで…!」

ゴゴゴゴゴゴ…

係員「こ、これはッ!?グッチョ選手がトイレでのびている…!?」

観客「あー。俺さっき見たんだけどさぁ。グッチョが何人かの観客に連れこまれるところを…」

係員「な、なんだってッ!?」


グッチョは『サバイバー』により観客の怒りを買い、喧嘩に巻き込まれていた。

その後、彼が時間内にフィールドに現れることはなかった——


ポコロコ「つ、ついてるぜェーッ!」

ポルナレフ「第八試合は50億人に1人の強運!ポコロコの不戦勝だッ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪グッチョ、リタイア to be continued≫

ここまでお読み頂きありがとうございます。

本日はここまでとさせて頂きます。

続きは二週間以内にまた書かせて頂きます。
またお読み頂ければ、嬉しいです。

それでは。

第八話 『くだらない』


ポルナレフ「さぁベスト8が出揃いましたッ!
ここで二回戦の組み合わせを確認しておきましょう」

�カーンvsリンゴォ

�サーレーvsプッチ

�ダービーvsリゾット

�承太郎vsポコロコ


サーレー「不思議だ。腹も減らないし、観客も食ってる様子はないのに…
なぜかレストランが存在している。厨房もある。不思議だ」

観客「おッ!あんた『サーレー』だよな!俺あんたのファンだよッ!
シンプルでいて強力な能力!憧れるぜ〜〜〜」

サーレー「そ、そうかッ!?」

観客「ああ。ところでこの折れた杖、あんたの力で『固定』してくれねえか?」

サーレー「(おべっかはそういうことかよォォ〜)」

ポルナレフ「二回戦第一試合が始まります。カーンとリンゴォの入場だッ!」

ワアアアァァァッ!!


『「最初はグー」、このルールがある限り絶対に負けないッ!カーン!』

『憶えられるのは覚悟の上、時を戻し持久戦で勝負かッ!?リンゴォ=ロードアゲイン!』


ポルナレフ「いよいよ二回戦です。今回の勝敗予想はいかがでしょうか?」

大柳「ねぇ、この試合って『決着』つくのかな?リンゴォは勝つまで『時間を戻す』。
でもカーンは決して『負けない』。泥仕合の予感がするんだけど……」

ジョセフ「確かにそうじゃな。カーンが『何か』をすることで、
リンゴォが時間を戻すタイミングを誤れば別だとは思うが……」

カーン「聞いたか?どうやら解説の奴らは理解しているようだぜ。
おれが決して『負けない』ってよォ〜〜〜ッ!」

リンゴォ「……一つ、話がある」

カーン「なんだァ〜〜?」

リンゴォ「この試合では、スタンドを一切使わないと予め決めておきたい」

カーン「なに〜〜〜?マヌケがッ!誰がそんな挑発に乗るかよ!
スタンドを使わないなら、てめーだけが勝手にしやがれ!」

リンゴォ「だからそう言っている。わたしは『マンダム』を使わない」

ゴゴゴゴゴゴ…

ポルナレフ「ク、クレイジーだ!リンゴォ=ロードアゲイン!!
マンダムなしでどう『アヌビス神』と戦うのかッ!?」

カーン「(ああ〜?何考えてんだこいつ。何か企んでるのか?
それとも勝てる気がしなくなって『ヤケ』になってんのかァ〜〜?)」

リンゴォ「改めて……よろしくお願い申し上げます」

カーン「どちらにせよ『アヌビス神』は最強だッ!ウシャアーーッ!」


「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

カーン&リンゴォ「最初は……グーッ!」

カーン「貴様の『グー』の動き、憶えたぞ…!
なんてことはないなッ!これで貴様の負けは決まったッ!」

リンゴォ「……」

カーン&リンゴォ「じゃんけんッ!……」

カーン「(このフォームは『グー』じゃあねえ。ってことは『チョキ』を出せば…
ヒヒィィーッ!おれは『絶対』に負けないぜーーッ!!勝ったッ!)」

大柳「ち、違うッ!こ、これは『盲点』だ!盲点をついた…『誘導』!」

カーン&リンゴォ「ホイッ!!」


カーン『チョキ』 リンゴォ『グー』

ポルナレフ「こ、これはッ!?」

カーン「く…くだらねえッ!てめーまさかこんなくだらねーことで!
右手でケンを出す寸前に、『左手』でケンを出し直しやがったッ!?」

ジョセフ「最初の『グー』は『右手』で憶えさせ、『左手』で勝負を賭けたのか!?
フォームが違えば『チョキ』を出すと見越しての『左手のグー』!完璧に読み勝ったッ!」

リンゴォ「『くだる』、『くだらない』は所詮ココの使い方次第だ。
その『くだらない』ことに負けたのはお前なんだからな。……感謝いたします」

ドヒュウウゥゥゥ

大柳「あいつスタンドを使わないで勝ったよ!純粋なジャンケン勝負で!
『くだらない』?とんでもない!良い…!ぼくもリンゴォとジャンケンがしたい…!
スタンドも特殊ルールも使わない!!良いよ!あいつッ!」

ジョセフ「お、落ち着くんじゃ大柳君ッ!」

ポルナレフ「二回戦、第一試合勝者はリンゴォ=ロードアゲインだッッ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪カーン、リタイア to be continued≫

第九話 『固定と加速』


「二回戦」
�リンゴォ

�サーレーvsプッチ

�ダービーvsリゾット

�承太郎vsポコロコ


ジョセフ「大柳君……落ち着いたか?ところで君は『シロップの味』の話を知っとるかのう?」

大柳「?? 何のことです?」

ジョセフ「日本にいる時知ったんじゃ。『カキ氷のシロップ』、
苺もメロンもレモンも、『全部同じ味』だって知っとったか?」

大柳「ええ!?その話は初めて聞きましたよ!」

ジョセフ「食べて味が違って感じられるのは『着色料と香料』のせいなんじゃよ。
安く売られとる市販のワサビも同様。マスタードに緑の色とわさびの香りをつけた『だけ』。
『思い込み』を利用した商品ってところなのかのォ〜〜」

ポルナレフ「(一体なんの話をしているんだ……)」

ポルナレフ「続いては二回戦第二試合ッ!サーレーとプッチの入場だッ!」

ワアアアァァァッ!!


『「最初はグー」のまま固定するッ!弱点はあるのかッ!?サーレー!』

『見事な立ち回りで一回戦を突破!時の加速の真価が見れるかッ!?エンリコ=プッチ!』


サーレー「よお、『天敵』ってあるよなァ?」

プッチ「……」

サーレー「カタツムリの天敵はマイマイカブリ。
オニヒトデの天敵はホラ貝。
なぁ…あんたは『自分』の天敵は何か考えたことはあるかい?」

ドドドドドド…

プッチ「……わたしの天敵は、君だと言いたいのか?」

サーレー「appunto!(その通りだ!)
『加速』の天敵は…このオレの『固定』だッ!!
どんなスピードをもゼロにできるこの『クラフトワーク』のよォォ!」


「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

いや、カエルということになってる

プッチ「ディオは言っていた。
どんな者だろうとそれぞれの個性にあった『適材適所』がある。同感だな。
『最強』の概念はない。わたしのメイドインヘブンを封殺できる可能性を、確かに君は持っている」

サーレー「……」

プッチ「氷河の時代、生き残ったのは最も強い種ではない。
環境に適応できる種が生き残ったのだ。君は生き残れるのか?この…『加速の時代』でッ!!」

サーレー「話を理解できてないスカタンがァァーーーッ!
やってみろッ!『固定』されなきゃあなッ!」

サーレー&プッチ「最初は……グーッ!」

サーレー「ここだ!クラフト……」

バッ!
突如、プッチがレストランからくすねてきた『塩』を空中へ放り投げた。

サーレー「し、『塩』だとッ!?どいつもこいつもオレをコケにしやがってェーーッ!!」

プッチ「『一手』……遅れたようだな、『メイドインヘブン』」

サーレー「!? な…なんだッ!?どういう……ハッ!?」


ドドドドドド…

サーレー『グー』 プッチ『パー』

>>53
カエル<ヘビ<ナメクジ<カエル ?
まさにジャンケンと同じ関係性じゃあないですか!

ポルナレフ「こ、これはッ!?一瞬の内にケンが『出されていた』ぞ!?」

ジョセフ「時間じゃ!プッチが時間を加速させたんじゃッ!」

プッチ「わたしが『固定』の前に時を加速させた」

サーレー「と、時の加速がこれ程の速さだとは…!」

プッチ「生き残る為には『学習』することが大切だ。
貴様は一回戦での音石明の敗因から学習『しなかった』。
メイドインヘブンの初期加速、そして何かしらの道具を使う可能性」

ドヒュウウゥゥゥ

プッチ「サーレー、貴様は『甘かった』ぞ」

ポルナレフ「二回戦、第二試合勝者はエンリコ=プッチッッ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪サーレー、リタイア to be continued≫

第十話 『謎』


「二回戦」
�リンゴォ

�プッチ

�ダービーvsリゾット

�承太郎vsポコロコ


観客「おい…あれ見ろよ、ポコロコだ」

ポコロコ「YO!YO!YO!」

観客「あいつさっきはそこで寝てたぜ?今度は携帯ゲームかよ、バカツキの奴は余裕だな」

ポルナレフ「(携帯ゲームだと?な、何やってんだァーッ!?)」

大柳「本当だ……ず、随分余裕だね」

ポルナレフ「(……まぁいいか、次の試合に移ろう)
で、では続いて二回戦第三試合です!ダービーとリゾットの入場だッ!」

ワアアアァァァッ!!

『必殺の読心術は健在!静=ジョースターを打ち破った謎の策にも期待だ!テレンス=T=ダービー!』

『ディアボロを破った実力派!アトゥム神相手にはやや分が悪いか?リゾット=ネエロ!』


リゾット「謎の策…か。その謎は暴く必要すらない。『もう』使えないんだからな」

ジョセフ「もう使えない…じゃと?ハッ!まさか…!
わかったぞ!一回戦でのダービーの勝因がッ!」

ポルナレフ「どういうことです!?ジョースターさん!」

ジョセフ「『ディアボロ』じゃ!ダービーはディアボロを利用していたんじゃッ!
静の心が読めずとも、ディアボロの心を読むことはできる。
予知が発動しているディアボロに『静が出すケンはグーか?』等と問いただしておったんじゃろう!」

リゾット「そういうことだ。しかしディアボロはリタイアしている。もう未来は読めない」

ダービー「グッド!……理解していたようですね。素晴らしい。
しかし、静=ジョースターとあなたは違う。あなたは読心を防ぐ手段を持ち合わせていないッ!」


「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

ダービー「どうしました?一回戦同様に姿を消さないのですか?
わたしのアトゥム神をかいくぐることができる か も しれませんよ?」

リゾットは右手を突き出し『パー』の形を作って見せた。
リゾット「その必要はない。この手のままだ、オレは『パー』を出すと決めている」

『YES!YES!YES!』

ダービー「(何言ってんだこのスカシ野郎がァ〜〜〜!
だがマジだ。マジに『パー』を出すつもりのようだ)」

リゾット「いくぞ、ダービーッ!」

ダービー&リゾット「最初は……グーッ!じゃんけん……」

ダービー「(以前手は『パー』のままだ。だが目の前の動きは信じない。
アトゥム神だけをわたしは信じる。もう一度確認だ。奴は本当に『パー』を出す気か?)」

『YES!YES!YES!』

ダービー「ニヤリ(これでわたしの勝ちは決まったな)」

ダービー&リゾット「ホイッ!!」


ダービー『チョキ』 リゾット『パー』

ポルナレフ「宣言通り『パー』を出したリゾット!
しかしダービーは『チョキ』だ!これはダービーの勝ち……な、何ィ!?」

勝者『リゾット=ネエロ』


ゴゴゴゴゴゴ…

ダービー「ば、馬鹿な!?貴様は確かに『パー』を出したはずだッ!!」

ダッ!ガシィッ!
ダービーはリゾットに詰め寄り、右手の『パー』に触る。

ダービー「こ、これは!?『メタリカ』で細工もしていないッ!
正真正銘の『パー』だ!なぜだッ!?『チョキ』を出してなぜ『パー』に負けるッ!?
イカサマだ!イカサマをしただろう貴様ーーーーッ!!」

『NO!NO!NO!』

ダービー「(イ、イカサマではないのか!?ハッ!
ま、まさか貴様…これは『シークレットルール』によるものか!?)」

『YES!YES!YES!』

ドヒュウウゥゥゥ


リゾット「(なぜあの『言葉』がルールに書いてあるのか不思議だったが…
一回戦の時と同様、シークレットルールの謎はまだ誰も解き明かしていない。
それは間違いない。オレの優勝の可能性が出てきた…!)」

ポルナレフ「一回戦同様、メタリカでケンを錯覚させたのでしょうか!?
二回戦、第三試合勝者はリゾット=ネエロッ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪テレンス=T=ダービー、リタイア to be continued≫

第十一話 『究極 対 究極』


「二回戦」
�リンゴォ

�プッチ

�リゾット

�承太郎vsポコロコ


ポルナレフ「(……あ、あれは?) ジョースターさん。あそこの観客、見て頂けますか?」

ジョセフ「ん?どれじゃ?……あれは『エンヤ婆』…似の女性か?隣にいるのはプッチ?」

大柳「二人共どうしたの?『女性』?ジョースターさんの好みのタイプでもいたの?」

ジョセフ「知り合いに似てる人がいただけだ。それにわしは生涯妻一筋じゃッ!!」

ポルナレフ「ジーン……(さすがジョースターさん、最高の紳士だぜ)」

大柳「(あれ?仗助さんって確か……)」

ポルナレフ「それでは続いて二回戦最後の試合です!承太郎とポコロコの入場だッ!」

ワアアアァァァッ!!

『究極の後出し!史上最強と誉れ高きスタンドはスタープラチナ!空条承太郎!』

『究極の強運!運だけで最強のスタンドに勝てるのか!?ポコロコ!』


ポルナレフ「この試合の勝敗予想は、いかがでしょうか?」

ジョセフ「いくら強運とはいえ、限度があるはずじゃ。承太郎には勝てんよ」

大柳「……いや、ぼくはポコロコが勝つと思う。ぼくもそういう経験がある。
『運』が味方している時っていうのは、本当に敵がいないんだ。
寄せ付けないっていうのかな。
網とかとは違う、ダムのように敵意を『完全』に塞き止めるんだ」

承太郎「やっつけてやるぜ、ポコロコ」

ポコロコ「オジンはリタイアしてなッ!」


「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

承太郎「(奴がケンを出しきる直前だ。ケニーGの時と同様、
『物理的』にケンの出し直しができないところで時を止めれば…)」

ポコロコ「(とはいえ、このジョータローのスタンドはヤバイ。
『時を止める』だって?そんなの勝てっこねぇぇーッ!)」

??「おいポコロコ!リングに『くぼみ』があるぜッ!『くぼみ』ダカラナッ!」

ポコロコ「!? おお!おめーはッ!」

??「安心しろって!オメエさんにゃあ、幸運の女神がついてるんだ。
幸運しかねぇんだよォォォォ!『しか』だッ!」

ポコロコ「そ、そうだよな?オレは本物のラッキー・ガイだよな!?」

??「そうだ、信ジロッ!今までだってそうだっただろ?オマエは絶対に勝つッ!」

ギン!

承太郎「(……ポコロコの目つきが変わった!?)」

承太郎&ポコロコ「最初は……グーッ!じゃんけんッ!ホイ……」

承太郎「(ここだ!)スタープラ……!?」

ポコロコ「う、うおッ!?」 グラリ

ポルナレフ「おーっと!ポコロコがリング上のくぼみに足をとられ、
態勢を崩したァーッ!しかしケンは止まらないッ!」

承太郎「(ちッ!スタープラチナ・ザ・ワールド!)」


ドオォォーン!


承太郎「やれやれ。咄嗟に左手一本で倒れこむのだけは回避したようだな。
こいつの右手のケンは『チョキ』か。ならばオレは『グー』に変えて…
残り3秒…2秒…1秒…ゼロ。時はうご…」

おかしい——
瞬間、承太郎はそう思った。

こいつの左手。くぼみに足をとられ、倒れまいと床についた『左手』が…
『パー』の形をしている。普段なら不思議とは何ら思わない。
手をつく当たり前の恰好だ。『パー』で当然。しかしこいつの『強運』の場合は……

まさか…まさか!?『シークレットルール』というのはッ!?


≪to be continued≫

ここまでお読み頂きありがとうございます。
コメントを頂いた皆様もありがとうございました。
三竦みネタの話は、しっかりメモさせて頂きましたw

続きは、また日を改めて書かせて頂きます。

それでは。


承太郎『グー』 ポコロコ『チョキ』

ポルナレフ「決着だッ!勝者はじょ……い、いや違う!?」


勝者『ポコロコ』


ポルナレフ「勝者は、な、なんと『ポコロコ』ッ!?」

ジョセフ「な、なんじゃとッ!?」

ポルナレフ「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
『グー』の勝ちだと思っていたら、『チョキ』の勝ちだった。
な…何を言っているのかわからねーと思うが、オレも何があったのかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった…メタリカだとかティナーサックスだとか、
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ!もっと不可思議なものの片鱗を味わったぜ…」

リゾット「……」

ジョセフ「ポルナレフ、口調が変わっとるぞッ!」

ポルナレフ「ハッ!?」


ゴゴゴゴゴゴ…

承太郎「…『やはり』だ。わかったぜ『シークレットルール』とやらが何か!
ポコロコが出していたのは『チョキ』だけじゃあなかった。『パー』も出していたのだ」

ジョセフ「どういうことじゃ承太郎ッ!?」

承太郎「つまりだ。……出せるケンは『両手』だった」



第十二話 『両手』

ポルナレフ「うそだろ承太郎!」

大柳「(またポルナレフの口調が……)」

承太郎「見な、スクリーンが展開されていく。
おそらくシークレットルールの説明があるんだろう。そしてやれやれ、オレもここまでか」

ドヒュウウゥゥゥ

≪空条承太郎、リタイア≫


ポコロコ「驚きだよオオ!YEEEEHAAHHHッ!
幻覚じゃあねぇッ!オレの幸運だッ!オッタマげェェだぜェーッ!」

ポルナレフ「に、二回戦!第四試合勝者は……恐るべき強運の男、ポコロコだあああッ!!」

ワアアアァァァッ!!


リゾット「(リタイアこそしたが、その冷静な判断力。恐ろしい男だ空条承太郎。
しかし…これでオレの優位性がなくなってしまったな)」

ウイイイーン…

ポルナレフ「スクリーンが下りてくるッ!どうやらシークレットルールの説明があるようです!」

<シークレットルール>

その中身は、『両手ジャンケン』である。


�『向かい合った手同士』が勝負の対象となります。
※自身の右手と相手の左手、自身の左手と相手の右手

例:Aが右『パー』と左『チョキ』
  Bが左『グー』と右『チョキ』 ⇒ Bが左手を失い、プレイ再開


�片手対両手の場合は、片手の『ケン』が両手共に判定対象となります。

例1:Aが『グー』と『チョキ』 Bが『パー』 ⇒ Aの勝ち
例2:Aが『グー』と『チョキ』 Bが『グー』 ⇒ Aが左手を失い、プレイ再開




〜下記は読み飛ばして頂いても問題ありません〜


<リゾットについて>

一回戦(第六話):ディアボロは予知の『グー』で負け、現実の『チョキ』でも負けた。
この時のリゾットのケンは『パー』と『グー』。メタリカで両方のケンを隠していた。

二回戦(第十話):ダービーは『パー』を出すと読心で判断した。それは半分正解。
この時のリゾットのケンは『パー』と『グー』。メタリカで『グー』のみ隠していた。


<ヒント箇所>

タクティクス制の復活欄にある『対象の手を』という部分です。
手を選択できることから、両手の可能性を示唆していました。

対象の意味:はたらきかけの目標や目的とするもの

ジョセフ「な〜〜にが『両手ジャンケン』じゃ!常識外れにも程がある」

大柳「いや、そうとも言えないんですよ。
この『両手ジャンケン』、日本の地方でも行われています。実際に存在するものなんです」

ポルナレフ「そ、そうなのかッ!?」

大柳「はい。本来のルールは『両手共違うケンを出さなければならない』というものでして、
難易度としてはけっこう高いんです。大人といえど、左右の手に違う指令を連続で出すのは中々難しいんですよ」

ジョセフ「むむ……今両手でやってみたが、
何回か目には『同じケン』を出してしまいがちじゃ。確かに難しい」

「準決勝」
第一試合 リンゴォvsプッチ
第二試合 リゾットvsポコロコ


ポルナレフ「さて『ジャンケン小僧』の異名に恥じない話をして頂いたところで、
続いて準決勝第一試合にうつります。リンゴォとプッチの入場だッ!」

ワアアアァァァッ!!


『一切「スタンド」を使わずに勝ち上がってきた規格外の精神力!リンゴォ=ロードアゲイン!』

『事前の準備とスタンドを生かした戦略が光る!エンリコ=プッチ!』


リンゴォ「『公正』に話しておこう。わたしは君に『勝てない』」

プッチ「……?」

ポルナレフ「え……?」

ジョセフ&大柳「……?」

観客「……??」

プッチ「す、すまない。今なんと言った?」

リンゴォ「わたしは君に『勝てない』と言ったのだ」

観客「ギャハハハ!何だよあいつッ!ギブアップかーーッ!?」

観客「随分潔いじゃあねーかッ!このヘタレチンポコ野郎ーーッ!」

会場中のあちこちから嘲笑が飛ぶ。


プッチ「……貴様の狙いは何だ?」

リンゴォ「このオレと『ジャンケン』をして欲しい。
スタンドやタクティクスを用いない公正なる『ジャンケン』は、
きっと自分自身を生長させてくれる。卑劣さはどこにもなく…
純粋なる意志によるジャンケンは、人として未熟なこのオレを
聖なる領域へと『高めてくれる』」

プッチ「……」

リンゴォ「『神聖さ』は『修行』だ。
乗り越えなくてはならないものがある」


プッチ「『乗り越えなくてはならないもの』か…」

プッチはこの言葉に反応した。かつてエンポリオに殺されてから、
ずっと疑問に抱えていたことだからだ。

ジョースターの血統は『乗り越えた』。
しかし、『何か』を乗り越えていなかったからこそ、エンポリオに敗北した。
その『何か』はいずれ乗り越えなければならない。

そうでなければ、『ディオの求める天国』へ共に行くことなど、決して叶わない。
プッチはそう悟っていた。


リンゴォ「よろしくお願い申し上げます。どうする?決めるのは君だ」

プッチ「……いいだろう。その申し出を受けよう」


≪to be continued≫

第十三話 『ジャンケンの世界』


「準決勝」
第一試合 リンゴォvsプッチ
第二試合 リゾットvsポコロコ


プッチ「スタンドは使わない」

リンゴォ「そしてタクティクスも使わない。『公正』にだ…」


観客「この大会に対しての!反社会的行動じゃあねーのかッ!?」

観客「ただのジャンケンが見たいんじゃあねーぜッ!オレ達はよおおおッ!」

ポルナレフ「あーっとブーイングだ!観客の言うことも、もっともな気はしますが…」

大柳「それは違うよポルナレフ。これはそんなものじゃあ『ない』。
勝利への価値観は一つじゃない。ぼくにはわかる。
匠がいる。偉人がいる。溢れんばかりの富よりも、パンを選ぶ者がいる。
彼らが辿り着いた世界は、社会という『常識』からは外れている世界。
これはその一つ……『ジャンケンの世界』だ」


リンゴォ「よろしくお願い申し上げます」

プッチ「(不思議な気分だ。人と人との『引力』を感じる。
リンゴォはわたしにとっての乗り越えるべき『何か』なのか?)」


「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

リンゴォ&プッチ「最初はグーッ!じゃんけんッ!……」

プッチ「(一手目をどうする?視線、筋肉の動きから予想を…)」

リンゴォ「汚らわしいぞッ!」

プッチ「!?」

リンゴォ&プッチ「ホイッ!」

リンゴォ 右『チョキ』、左『グー』
プッチ  左『パー』、右『グー』

ポルナレフ「片手分、リンゴォが勝利したッ!これでプッチは崖っぷちに立たされたぞッ!」


ドドドドドド…

リンゴォ「まだお前は『対応者』に過ぎない!」

プッチ「(……クッ!落ち着け、素数を数えて落ち着くんだ。23…29…31…37…)」

次第に落ち着きを取り戻すプッチ。

リンゴォ「すぐに自分を『取り戻した』か。しかし『取り戻す』だけではわたしには勝てないッ!」

プッチ「『公正』だ。もう決して……後には引けないッ!!」

ギン!

リンゴォ&プッチ「じゃんけんッ!ホイッ!!」

リンゴォ 『チョキ』、『グー』
プッチ  『グー』

ポルナレフ「すぐさまプッチが返すッ!これでお互い片手だッ!」

ジョセフ「気迫が上回ったのか!?プッチが覚悟を決めた『眼』をしておるッ!」


ドドドドドド…

プッチ「再びか?リンゴォ『再び』かァァーーーッ!!」

リンゴォ「いい『眼光』になった!おもしろくなってきたぞォォーーーッッ!!」

——

————

——————


お互い片手ずつの状態から、17回の『あいこ』が繰り返された。
リンゴォとプッチの体からは、汗がしたたり始めている。

『グー』 『グー』

『グー』 『グー』

『チョキ』 『チョキ』


ポルナレフ「ま、また『あいこ』だッ!!果たして決着はつくのかッ!?」

リンゴォ&プッチ「あいこでッ!……」

そして23回目のケンを出す直前。
プッチの脳裏に、ある光景が浮かんだ。



暗い——

何も見えない、暗闇の世界

ピチャン…
そこに一滴のしずくが零れ落ち…波紋となって広がった


曇りのない鏡の如く静かに湛えた水の如き心 『明鏡止水』


プッチには確かに見えた 『水の一滴(ひとしずく)』が——





ドドドドドド…

リンゴォ『チョキ』 プッチ『グー』

ポルナレフ「プ、プッチだッ!激戦を制したのはエンリコ=プッチッッ!!」

プッチ「はぁ…はぁ…はぁ…(勝った。だが…クソッ!これ程の『疲労』を…)」


リンゴォ「見事だエンリコ=プッチ。『何か』を……掴んだようだな。
だが、それでもまだ乗り越えたわけではない。いいか、『自分』を乗り越えろ。
ポコロコは強い。対応者では決して勝てない。
矛盾していると思うかもしれないが、後出しでは決して勝てない。

だから『時を加速するな』

そうすれば光り輝く道が、おまえにも見える筈だ。
オレはそれを祈っているぞ。そして感謝する」

プッチ「……」

リンゴォ「ようこそ……『ジャンケンの世界』へ……」

ドヒュウウゥゥゥ


≪リンゴォ=ロードアゲイン、リタイア to be continued≫


リンゴォ戦は、静かな決着に終わった。
プッチは観客席の最前列に座り、腰を下ろした。

そして疲労の為か、間もなくして眠ってしまった。







ワアアアァァァッ!!

プッチ「む……しまった、眠ってしまっていたか。何だ今の歓声は……こ、これは!?」



ゴゴゴゴゴゴ…

リゾット 『グー』
ポコロコ 『パー』、『グー』



第十四話 『NO断念!!』

リゾット「だ…駄目なのかッ!?メタリカによるどんな錯覚も通じない…!
日本の諺で『勝負は時の運』というものがあるが…その『運』を奴は完全に支配しているッ!」

ジョセフ「ここまで勝ち上がったリゾットを、何の…何の抵抗もさせずに勝ちおった…!」

ドヒュウウゥゥゥ

ポルナレフ「準決勝第二試合勝者は!圧倒的ッ!圧倒的な強運の持ち主!ポコロコだッッ!!」

ワアアアァァァッ!!


≪リゾット=ネエロ、リタイア≫


プッチ「やはり、決勝の相手は『ポコロコ』か……」

ポルナレフ「いよいよ!本大会も最後の一試合を残すのみとなりました!
それでは早速両選手に入場して頂きましょうッ!エンリコ=プッチ!そしてポコロコの入場だッ!!」

ワアアアァァァッ!!


『時の加速!リンゴォ戦で磨かれた精神力!運を制することができるのかッ!?エンリコ=プッチ!』

『承太郎、リゾットを寄せ付けない究極の強運!運は時をも制するのかッ!ポコロコ!』


ポコロコ「よォ、ずっとあんたに聞きたかったことがあるんだけどさァ〜〜〜」

プッチ「……なんだ?」

ポコロコ「あんたって黒人?白人?肌は浅黒いけどよォー」

プッチ「白人だ。イタリア系のな」

ポコロコ「へェェェ〜〜ッ!『白人』かッ!
スッキリしたぜ。髪形見てどっちか悩んでたんだよなァ。でもスッキリした。
疑問がさ、解決する時のスッキリって良いよな。スカッと爽やか!っつーの?あんたもそう思うだろ?
観客もさ、今『どっちが勝つ』んだろう?って悩んでるよなァ〜〜」

ドドドドドド…

ポコロコ「そろそろこの大会もスッキリ!……文字通り『白黒』つけようぜェェーーッ!!」


「ジャンケンファイト!!レディィィゴォォォォォーッ!!」

プッチ「『メイドインヘブン』、時は加速するッ!!」

ポルナレフ「あ〜〜っと!時の加速だ!は、速いッ!空がッ!
太陽が沈んだぞォーーーッ!!早くも星々が出ているッ!」

ポコロコ「げッ!?本当だ!星が出ている……あ!もう夜が明けそうだ…!す、すげえ」

??「おいッ!ポコロコ!ヨソ見シテンじゃあナイゼッ!」

ポコロコ「!?」

??「『ビビって』んのか?任セロ!オレが全てから守ってやるからなあああ〜〜〜〜」

ポコロコ「そ、そうだよな!?オレにはおめーがついてるよなッ!?」

ギン!

ポコロコ「おいオジンッ!
せっかくリンゴォが『時を加速させるな』っつーヒントをくれたのによォ。
いいのか?ありがた〜〜〜いアドバイスを早速台無しにしちまってよ〜〜ッ!」

プッチ「『これでいい』。わたしにはわたしの考えがある。貴様の『運』を砕く為の考えがな」

ポコロコ「じゃあオレはおめーの『心』をよ、砕いてやるぜッ!
いくら時を加速しようと、オレの運には決して勝てねェェーーッ!」

プッチ&ポコロコ「最初は……グーッ!」

プッチ&ポコロコ「じゃんけんッ!ホイッ!!」

プッチ  右『パー』、左『チョキ』
ポコロコ 左『パー』、右『グー』


プッチ「馬鹿な!?これだけ加速した時の中でなぜわたしと同じタイミングで『ケン』が出せる!?」

ポコロコ「まずは一つ…」

ドドドドドド…

ポルナレフ「こ、これは!?プッチが早々に追い込まれたぞッ!」

プッチ「(こ…こいつ『凄み』だ!凄みと強運で加速についてきているッ!)
……もう後がない、タクティクスを使うッ!」

ポコロコ「ん?タクティクスゥゥ〜〜?勝手に使ってな!オレにはタクティクスなんか必要ねェーーッ!」

??「その通りだぜポコロコ!小細工はいらねえッ!
おまえさんの進む先には幸運しか待っていねぇんだぜ〜〜〜〜」

ポコロコ「そうだよな!?オレは『最強』だッ!」

プッチ&ポコロコ「じゃんけんッ!ホイッ!!」


プッチ  『チョキ』
ポコロコ 『グー』、『チョキ』

ポコロコ「勝ったッ!ジャンケン大会完!」

プッチ「!? …まだだッ!右手を『復活』させる!」

ポルナレフ「プッチが使用したタクティクスの判定は!?『復活』です!
これにより今敗れた『右手』が復活します!勝負はまだわからないッ!」

ポコロコ「今のは燃え尽きる前のロウソクかァ?イタチの最後っ屁かァァーッ!?
もう『復活』もない。ケンも一つしかない。
次で…終わりだ。
チェスや将棋で言うところの『チェックメイト』なんだよおおおッ!!」

プッチ&ポコロコ「じゃんけんッ!……」


プッチは追い込まれた。完全に追い込まれたのだ。
会場中の人間が、ポコロコの『勝ち』を確信していた。

ポルナレフ「さぁ、これが最後の一手となるかッ!?」

ジョセフ「プッチにはポコロコを上回る強運はない。ここまでじゃな」

大柳「ジャンケンにおける『運』には、誰も抗えない…」



しかし、時の加速は『奇跡』を起こした——


プッチ&ポコロコ「ホイッ!!」





ゴゴゴゴゴゴ…

プッチ  『パー』
ポコロコ 『グー』、『パー』


ポコロコ「ば…馬鹿なッ!?」


≪to be continued≫

最終話 『最後の一手』


- 回想 -


プッチ「わたしに何か用か?」

エンヤ似の老婆「ヒッヒッヒ。アドバイスをあげようと思ってのう〜〜〜」

プッチ「アドバイス?」

エンヤ似の老婆「そうじゃよ。あの『無敵のスタンド』の、唯一の弱点じゃ」

プッチ「興味深いな。しかしなぜわたしにそれを教えようとする?」

エンヤ似の老婆「ババアの気まぐれじゃよ〜〜〜ヒッヒッヒ」




エンヤ似の老婆「2ヶ月じゃ…いや長くとも4ヶ月くらいじゃな。絶頂期はそこで『終わる』。
そこまで時を『加速』させることができれば……お前さんにも勝機はあるよォ〜〜〜」

- 今 -


ドドドドドド…

プッチ「『時は万物を消し去る。
時の前にあらゆるものは古くなり、あらゆるものは忘却の彼方に消える』
アリストテレスの言葉だ。

どうやら…消え去りつつあるようだな。貴様の『強運』さえもッッ!!!」


ジョセフ「な、何が起こったんじゃ!?まさか…!」

大柳「プッチが…ポコロコのケンの片方を打ち破ったッ!」

ポルナレフ「これで勝負はイーブンッ!お互いのケンは残り一つずつだッ!!」

ワアアアァァァッ!!


ポコロコ「ク、クソッ……!『絶頂期』が終わったっつーのかよォォッ!!
だがオレはまだ『負けて』ねえッ!
オレの人生は『幸せ』だった!レースが終わった後も『幸せ』だった!
『運』はオレにずっと味方してくれた!これからもだ!お前をここで倒してッ!
もっともっとハッピーな未来を手に入れるんだよおおあああッ!!」

プッチは既に時の加速を止めていた。
次の一手が、『最後の一手』になるだろう。


プッチ「(ポコロコに対し、『チョキ』では通算で二回負けている。
悪運のチョキだ。もう『チョキ』は出せない。
この大会中、負けていないケンは『グー』だ。これしかない)」

直感でそう思っていた。

しかし、その時。
時の加速を止めたことにより、後出し戦略をなくしたことにより、
一つの『予想』がプッチの脳内を駆け上がった。

直感に委ね繰り出すはずだったケンを、この予想が『変えた』のだ。


プッチ「(ち、違うッ!『グー』ではない。ここで出すべきケンは…!)」


ドドドドドド…

プッチ&ポコロコ「最初は……グーッ!!」


もっとも難しい事は、『自分を乗り越える事』だ。


ありがとう、リンゴォ。
ありがとう、承太郎。
ありがとう、全ての選手達よ。

君達がいなければ、わたしは乗り越えられなかっただろう。

本当に…本当に…『ありがとう』。それしか言う言葉がみつからない。


プッチ&ポコロコ「じゃんけんッ!ホイッ!!……」


ポコロコは『チョキ』で承太郎に負けている。
そしてわたしには『グー』を出し負けている。

ポコロコが出すケンは間違いない。『あのケン』だ。





全てはこの『一手』のために——








プッチ『チョキ』 ポコロコ『パー』

一瞬、スタジアムを静寂が包んだ。
それは花火が爆発する前と同様の、一瞬の静けさだった。


ポルナレフ「け、決着ゥゥーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

実況の声が高らかに響き渡る。


ワアアアァァァッ!!!!
ワアアアァァァッ!!!!

観客の歓声がスタジアムにこだまする。


勝敗は決した。


勝者『エンリコ=プッチ』

ポコロコ「そ、そんな……」

プッチ「……」

ポコロコ「お、おいッ!なぜ最後に『チョキ』を出した!?
その『チョキ』はオレに負け続けたケン!『悪運のチョキ』だったはずだッ!」

ジョセフ「確かに。わしも『チョキ』だけは出さんと思っていたが…」


プッチ「……わたしの『チョキ』は敗北寸前まで追い込まれた。君が言うように、
わたしも最後まで無意識の内に避けていたよ。負けるイメージがこびり付いたケンだった。
しかし逆だ。『負けたケンは出しづらい』という意識。
その意識に気付いた時、それは『君も同じ』では?と考えた」

ポコロコ「……」


プッチ「君は試合に勝ったとはいえ、片手は承太郎に負けた。負けたケンは『チョキ』。
そしてわたしには『グー』で負けている。『負けたケンは出しづらい』のならば…
君の最後のケンは『パー』しかない。そう予想したのだ。
信じられないか?
他選手の試合中に眠っていたりゲームをしていたり、君は情報収集を軽んじた。
ジャンケンはな。運や精神力、相手の動きや心理、そして『データ』を基に繰り出すケンを決める……

『心理戦』なんだ」


プッチ「わたしは情報から得た予想で、自身のケンを『グー』から『チョキ』に変えた。
おまえは自分の『強運だけ』を頼った。わたしは自分の力で直感を『変えた』。

『自分を乗り越える』っていうのは、そういうことなんだ」


ポコロコ「オレの負けだ……完全敗北だ……」

ドヒュウウゥゥゥ

≪ポコロコ、リタイア≫



プッチ「……感謝、いたします」


——こうしてジャンケン大会は、

『エンリコ=プッチ』の優勝で幕を閉じた。


≪to be continued?≫

エピローグ『天国へ』


プッチ「…という大会があったんだ」

パチ…パチパチ…

ディオ「おめでとうプッチ。素晴らしいな。
数々の強敵、そして最後は己自身をも乗り換えた戦いぶり、見事だ」

プッチ「ありがとうディオ、君にそう言ってもらえると本当に嬉しい」

ディオ「ジャンケンは、『偶然によって簡便になんらかの物事を決定する必要があるときに使われる手法』
くらいにしか思っていなかったが。まさかそのような大会があるとは」

プッチ「今回は特殊ルール等があったからね、結局普通のジャンケンとは別物だよ」

ディオ「そうだ。優勝賞品は結局何だったのだ?」

プッチ「あぁ。賞品は、以前君が同じような大会で優勝した時と全く一緒だ。
『何でも一つ願いを叶えられる』と、『自分と任意の一人を「1日」生き返らせることができる』」

ディオ「ほう。わたしもまだ願いは叶えていないが、君はどうするんだプッチ?」

プッチ「そのことでディオ、君に話があるんだ」

ディオ「話?なんだ?」

プッチ「……ぼくと一緒に『天国』へ行かないか?」

ポコロコ「おいおいおい!やっぱりオレはラッキー・ガイだぜェェーッ!
準優勝でも『願い』を一つ叶えられるのかよッ!どうすっかな?
ただ生き返るにしても、あの絶頂の『幸運』はもうねえだろうしなああ〜〜」




リゾット「自分と誰か一人を『1日』生き返らせることができる…か。
オレが14歳の時に、いとこが飲酒運転に巻き込まれ死んだ。
あの事件がキッカケでオレは暗殺の世界に入った。
暗殺者になったオレをあいつが知ったら何を思うか、聞いてみたい気もするな……」




リンゴォ「自分と誰かを『1日』だけだが生き返らせることができる。どうするか…。
どこかの牢獄で病死したらしい父は、『なぜ』戦場を逃げ出したのか?
父が逃げ出さなければ、家を転々とすることもなく、母と姉達も殺されることはなかった。
神は『納得』を得る為の機会を与えてくれているのか……?」

「じゃんけんッ!ホイッ!」

ポルナレフ『グー』 大柳『パー』


大柳「またぼくの勝ちだッ!おまえは『悪運のグー』だッ!」

ポルナレフ「ただの『グー』に何言ってんだよおめえは〜〜」

ジョセフ「もう何度目じゃ?二人共よく飽きんのう」

大柳「飽きないよ!ジャンケンは本当に面白い!」

ポルナレフ「(オレはとっくに飽きてるぜーッ!マジかよこのガキ〜〜)」

ジョセフ「(ポルナレフの奴、既に飽き飽きしとるな?しょうがない…)
わしも加わろうかのう?3人ジャンケンなら、趣向も変わるじゃろ?」

ポルナレフ「おおッ!そいつはナイスな案だぜジョースターさん!」

大柳「3人ジャンケンはあまりしなかったなぁ〜〜」

ジョセフ「それじゃあいっちょジャンケンの『年季の違い』を見せてやるかなァ」


「じゃんけんッ!ホイッ!!」

ディオは思った。

『この世で大切なことは、今自分がどこにいるかではなく、
どこに向かって進んでいるかである』、と。

天国へはやはり辿り着かなければならない。
信頼できる『友』もいればなおさらだ。

あとはその時期だけだが、今がそのタイミングなのかどうか。



プッチ「どうだいディオ?」

ディオ「(まぁ…運命なぞ信じてはいないが、委ねてみてもいいか——)」


ディオ「いいだろう。ただし……」

プッチ「ただし?」

ディオ「このディオに『ジャンケン』で勝ったら、な」



≪ジョジョの奇妙なジャンケン大会 −完−≫

最後までご覧頂き誠にありがとうございました。
ジャンケン大会はこれで完結です。

それでは。

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