キャラ崩壊
一部オリジナル設定注意
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こずえ「…ふわぁ…あなた、だぁれぇー? …ぷろでゅーさー? …えぇー…かわいいー? …あいどる? うんー…いいよー…やるぅー…あいどるやるぅー。…で、なにするのー? …わらうのー? …ふわぁ」
それは彼女の今の生活のきっかけとなる記憶。
特になんの目的地もなく散歩していて偶然出会った人
彼は、いつの間にか彼女が手を握っていることに気づいた
こうして出会った彼女に彼はアイドルとしての素質を見出した
ただし彼、プロデューサーにとって一つだけ腑に落ちない点がある
彼女のスカウトまでの経緯を知った他のアイドルたちも同じ疑問をもった。
早苗「あのさー、こずえちゃん......どうして見ず知らずのはずのP君の手なんて握ってたのかな?」
こずえ「...............」
こずえ「............ふわぁ」
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女子寮
ある一部屋
周子「フンフンフフーン、シオミリカー♪」
周子「.....うーん、やっぱこのフレーズ、フレちゃんじゃなきゃダメだね」
周子「しゅーこたんはしょっくです。よよよ...」
寝そべって雑誌をめくりつつ独り言を漏らす少女が一人。
彼女は塩見周子。白い肌に白い髪、距離を感じさせない気さくな性格のクール所属アイドルである。
周子「さーて、と 明日は朝早くからレッスンだし、もう寝ちゃおっと」
ピーンポーン
周子「ん?」
基本的に夜型で、眠りに着くのは大抵深夜帯だった周子だが、アイドルを始めてからは規則正しい生活を心がけている。
そんな彼女が褥に伏そうとしていたとき、出し抜けに部屋のチャイムがなった。
周子「はいはーいっと」
ここが女子寮である以上来客はアイドルである。ここにはプロデューサーすら滅多に訪れないのだ
だから周子も風呂上がりの寝間着姿のまま普通に応対した。
ガチャ
周子「どちらさまー?」
こずえ「ふあ......しゅこー」
周子「あり?こずえちゃん、どしたのこんな時間に」
そこにいたのはアイドル仲間である遊佐こずえであった。
夜闇を背景に、周子に似た白い髪をモコモコふわふわと揺らしながら立っている。
周子「(...こうしてみるとこずえちゃんって羊っぽいかな...)」
周子「こんな遅くにどしたの?よい子としゅーこはおネムの時間だよ?」
こずえ「こずえねー、......きょうはひとりなのー......」
こずえ「だから、ぷろでゅーさーが......だれかのへやに......とめてもらいなさいってー......」
周子「.....なるほどねー、それであたしのところに」
周子「しかしこずえちゃん、いまけっこー遅い時間だけど、あたしの部屋にくるまでなにしてたの?」
こずえ「じむしょでー.....おひるねー?」
周子「なーるほど、一応安全な場所にいたみたいでしゅーこちゃんは安心しました♪」
こずえ「しゅこー、...あんしん?」
周子「しゅこーしゅこー、じゃなくてしゅーこね。じゃ、こずえちゃん、入っておいで」
こずえ「......はぁーい...」
こずえの説明にはいろいろ欠けているところがあった。
寮においてこずえの相部屋のペアだったアイドルが明日まで仕事でいないこととか、
なぜあえて周子の部屋を訪れたのかとか、
お風呂やご飯は済ませたのかとか、
しかしそれを特に気にしないのが周子らしさだった
投下は一旦ここまでです。
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「えっ!?君だれ!?」
「?えっと......こずえっていうのが君の名前か...」
「...自己紹介が遅れたかな。」
「僕はシンデレラガールズというアイドル事務所のプロデューサーなんだよ」
「えっと...つまり、そう!君みたいな子をアイドルにするのが仕事のなんだ」
「いきなりな話で驚くだろうけど......だけど君もいきなり僕の手を握ってきたしおあいこだね」
「アイドル、やってみないかい?」
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こずえは一人、目を覚ました。
まず、気づいたのは目を開けたにもかかわらず閉じていた時と変わらぬ暗闇に包まれていること。
次に、自分が何かに包まれていることに気づき、その感触を探る。
細いけどびくともしない
ひんやりとしていて、しかし熱い
硬いけれど肌触りは柔らかい
それは人の腕だった。
そしてこずえは自分が誰かの腕の中で寝ていたことに気づいた。
周子「...すぅ......すぅ」
こずえ「.........」
時刻は深夜。
月明かりのない室内
すぐそばから届く寝息が肌をくすぐる
こずえはもう一度目を閉じる。
規則正しい寝息を子守唄に、しっとりと背に回された手のひらの温度を感じながらすぐに眠りにおちた。
こずえ「...............すぅー...」
ああ
またあのゆめをみてしまう
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朝
周子「......ん」
周子「えっと、今の時間は、と.........よし、レッスンにはよゆーで間に合うかな」
枕元に、寝返りを打てばすぐに時刻を読めるよう置かれた時計で時刻を確認する。
起きてすぐ時間を確かめる。これはアイドルを始めてから周子についた習慣であった。
このあと起き上がる、着替える、と続くのかいつもである。
ただし今日はいつもと違った。
周子「ほらこずえちゃーん、起きてー」
こずえ「......ふわゅうゅ...ん......」
ゆるくしがみつくようにして、自分の胸元に顔をうずめているこずえを揺り起こす。
こずえ「......んー......うー...?」
周子「首を傾げられてもねー......ほーら、しゅーこちゃんだよー?」
寝ぼけているのか、周子から手を離したあともぼんやりとした視線を離さない。
周子「こずえちゃんは今日なんか仕事の予定とかないのかな?」
こずえ「......おひるからー......おしごとだよー?」
周子「そっか、じゃ、アタシは朝から予定あるんだけど、こずえちゃん放っては行けないし、後で一緒に事務所行こっか?」
こずえ「......うんー...」
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事務所
?「...それで、こずえちゃんと周子さんが一緒に来たんですね......」
周子「そーゆーこと」
こずえ「...そーゆーことなのー......」
周子「ってことでアタシはレッスンだから、こずえちゃんはPさんに任せたいんだけど......あれ?いないっぽいね」
こずえ「...ぷろでゅーさー......いないのー?」
?「......あ、えっと...ご、ご迷惑でなければ...プロデューサーが戻るまで私がこずえちゃんのこと見ておきますよ?」
周子「ん、ありがと、じゃあお願いするね」
周子「じゃ、こずえちゃん、アタシは行くからこのお姉ちゃんと良い子にしてるんだぞー」
こずえ「......ふぁーい...」
?「......あの、周子さん、......く、くれぐれも事故や怪我に気をつけてくださいね?」
周子「ん、りょーかーい」
スタスタ
バタン
周子が事務所から出てレッスン場に向かった後、事務所にいた少女は手に持っていた台本を静かに膝の上に置いた
ソファの隣にはいつの間にかこずえが腰掛けている
?「えっと......こずえちゃん?...な、なにかしたいことある?」
こずえ「......したいことー?」
こずえ「...うー...んー...」
こずえ「......こずえ...ほたると...おひるねするー...」
白菊ほたる「私と?」
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こずえ「...んー...きもちーのー...」
ほたる「そ、そう?...よかった」
小さな子供の平熱はやや高い。
膝の上に乗せられたこずえの頭を撫でながらそんなことを思った
ほたる「(...こうやって事務所でのんびりして、他の子と仲良くできるなんて、...昔じゃ想像もつかなかったな......)」
彼女は過去、思い出すのもうんざりするような回数事務所の倒産を経験し、その度に移籍を繰り返してきた。
悪い偶然、不幸。
自分がその不幸を呼ぶ体質だったからか、
本当にただの偶然だったのか
そして現在、最後にたどり着いた事務所、シンデレラガールズプロダクションで不幸と呼べる不幸は起きていない。
そこで彼女の不安定だったアイドル生活もようやく落ち着いたものとなったのだった。
こずえ「...ふわあ.....」
こずえが膝上でみじろきした。
頭の位置を調整して本格的に寝るつもりらしい。
太腿を通じてほたるにも体温が伝わる。
ほたる「こずえちゃん?...おやすみするなら......タオルケットでも、持ってこようか?」
こずえ「...んーんー......このままで...いいのー...」
もぞもぞと体を動かした後、寝やすい位置を見つけたらしく、スカート越しとはいえほたるの腿に頬ずりするような姿勢で静かになった。
ほたる「まだ、早い時間だからこずえちゃんも眠かったんだね。」
ほたる「......私なんかの膝でよかったらゆっくり休んでね...?」
癖の強い髪に指が引っかかったりしないようにゆっくり頭を撫でる
ほたる「(...確か今日の予定だとあと一時間もすれば美優さんが来るんだけど......)」
三船美優。
クール所属アイドルではあるが、冷たさを感じさせない温かみ、母性を持ち、よく年少アイドルに懐かれている。
市原仁奈をはじめとした小さいアイドルが彼女の膝上で眠っているのは事務所の日常風景の一つとなっていた。
私なんかより彼女の膝枕ならこずえももっと快適に眠ることができたのに
今の事務所に来てからは少なくなったとはいえ、こういったネガティブな思考が出し抜けにほたるの頭をよぎることがあった
こずえの頭を撫でる手が止まる。
ほたる「............」
こずえ「...ほたるー?.....こずえのこと...なでてくれないのー?」
ほたる「あっ、ごめんね?......ちょっとぼんやりしてて...」
こずえ「ほたるのおひざ......あったかくて......きもちーのー...」
ほたる「そ、そう?...ありがとう...」
こずえ「...いま...しあわせー...」
ほたる「!」
眠気がこずえの瞼を重くする
降りてきた瞼でゆっくりと視界が狭まっていく
視界には、膝の上から見上げた顔、
驚いて、そして泣きそうなのにとても嬉しそうな表情をしている。
それがこずえが二度目の眠りにおちる前に記憶した風景だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「遊佐さん」
「遊佐こずえさん!聞いていますか!」
「...返事はハキハキと!先生はそう教えましたね?」
「まぁ、この件は後にしましょう。...ではつぎに遅刻の理由を先生に説明できますか?」
「ちょうちょ?」
「蝶を追いかけて?...それで、そのたどり着いた公園で何をしていたんですか?」
「四つ葉のクローバー探しを手伝っていた、...誰の手伝いですか?」
「知らない!?」
「一人で知らない人と一緒にいて!何かあったらどうするつもりだったんですか!」
この夢は学校にいた頃の記憶
なにかと自分を気にかけてくれていた女性教師の記憶
アイドル候補生として上京してからは何の連絡もとっていなかったがしっかり記憶されていた。
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午後
あるロケ地
??「お疲れ様でしたーっ!」
こずえ「......おつかれー...さまー...」
番組関係者「はいお疲れ様。今日も良かったよ!またよろしく頼むね」
??「へへっ♪こちらこそっ!」
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??「いやー、今日の仕事もうまくいってよかったねぇ!こずえチャン!」
こずえ「...ふわあー...うん...おしごと...たのしかった...のー」
二人は今ロケ地での撮影を終え、事務所までの帰路を徒歩で進んでいた。
その二人は少し身長差があるが、こずえの手をもう一方がしっかりと握り、こずえの歩幅と歩くペースに合わせているためこずえが苦労している様子は伺えない。
もう一方もゆっくりな進度に焦れることなくコロコロと表情を変えながら話を続けている。
??「そこでアタシがぐさぁーっ!! ってぴにゃこら太を刺すふりしたら穂乃香がねー」
こずえ「...ぴにゃ......こらたー?」
こずえ「...ゆずー......さしたら...だめー」
喜多見柚「へへっ♪ダイジョーブだよフリだから」
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事務所
柚「そういやこずえチャンって台本とか覚えるのすっごく早いよね!一回よんだらそれで覚えちゃうんでしょ?」
こずえ「うんー...だいほん...あたまのなかに......はいってくるのー」
柚「ナルホド~スゴい能力かも・・・」
いま二人は事務所のソファに並んで座っている。
柚は相変わらず元気にこずえに話しかけ、こずえはそれにのんびりと応えている。
それぞれが独特のマイペースの持ち主だが、仲良くやれているらしい。
柚「あ、そうだ!ピョッキー食べる?」
こずえ「たべるー......」
あくまでマイペースな柚がふと今思い出したように懐から細長い菓子の入った箱をひょいと取り出す。
こずえもこずえで、いきなりのお誘いに動じることはない。
柚「じゃあ、こずえチャン! ハイ!」
まずは一本と、いうが早いか箱から取り出したピョッキーを一本こずえの前に差し出す。
しかしこずえは動かない。目の前にピンと立ったおやつを不思議そうに見て、その後おやつ越しに柚に焦点を合わせた。
こずえ「..........」
柚「・・・・・・・・・・・・」ハイ
こずえ「..........」
柚「・・・・・・・・・」
こずえ「..........?...」ンー?
柚「・・・・・・・・・?・・・」ンー?
柚としてはフツウに手渡しただけのつもりだったのだが、こずえにとってはなにか不可解なことでもあったのだろうか。
お互いに顔を向き合わせたまま同じ方向に首をかしげる。
こずえ「......たべさせてー......くれないのー...?」
柚「・・・うん?」
どうやらこずえはおやつを目の前にほいと差し出され、そのまま食べさせてもらえると思ったらしい
マイペースなはずの柚も流石に反応が遅れた。
柚「よし!・・・・・・じゃあ、あーん」
こずえ「......あー...んー」
さっきはまっすぐ立てて渡そうとしていたピョッキーを小さく開いたこずえの口元に向ける。
こずえ「...あむー......」
柚「アタシも食べよっと」
こずえに使っている方とは別の手にはピョッキーの入った箱があったが器用にも箱を持ったまま指で長い菓子を引っ張り出し口にくわえた。
こずえ「...んむ...あみゅ...むぁ」アム...アム
柚「ピョッキーうまー!」ポリポリポリ
こずえ「...はむ...ふう...」アム...
柚「・・・?・・・」ポリポリ
こずえ「...んむー...」アムアム
柚「・・・にほんめ食ーべよー」ポリッ
こずえ「...ぁむ...」ハム
柚「・・・・・・」ポリポリ
柚「・・・・・・こずえチャン、食べるのゆっくりすぎない? こずえチャンのピョッキーまだ半分いってないんだケド」
こずえ「?」アム?
細長いお菓子というのは大抵端っこから囓るなり舐めるなりしていくのが定石である。
こずえもそのセオリー通り、柚に差しだしたままのピョッキーの端に囓りついてはいる、のだが
柚は既に2本目の半分ほどにまで食べ進んでいるにもかかわらずこずえの進行度はまだ一本目の半分。かなりスローだ
こずえ「んむ...んむ...」ハムアム
柚「(・・・こ、こずえチャンが、アタシをじっと見ながらじわじわ近づいてくる・・・)」
じわじわ 確かにその表現が当てはまった。
お菓子の端っこを口に含み、そのはしっこをゆっくり咀嚼してはまた少しだけ口に含む。
体の小ささ故なのだろうか、しかし食べることをやめる様子はなく実にゆっくりと食べ進んでいる。
小さい唇の間に飲み込まれたままのピョッキーが口内でふやけていく。
咀嚼音はほとんど聞こえない
ハムスターなどの小動物がカリカリと素早く餌をほほに詰め込んでいくのは見たことがあるが逆にここまで緩慢な食事は見たことがない。
蛇が中型動物を飲み込む時だってもう少しスムーズだろう。
そんな未知の体験に元より好奇心旺盛な柚は若干テンションが上がっていた。
こずえ「...はむ...ふぅ」
柚「(・・・食べるのに疲れて休憩してるよ・・・・・・ピョッキーくわえたまま)」
こずえがのんびり咀嚼するたびにピョッキーを通じて柚の指にそのリズムが伝わっていく。
柚「・・・・・・こずえチャンの舌が動いてるのがわかっちゃうんだケド・・・」
こずえ「...?...」モゴ...
柚「おっと!・・・そろそろいいかな?」パッ
観察、というかなにか目を離せない雰囲気にのまれ集中していたせいかいつの間にかこずえのピョッキーは(見えている範囲では)残り短くなっていたので柚は指を放した。
このままでは自分の指まで飲み込まれてしまいそうだった。
こずえ「ん......あむー...」
こずえは柚の指という支えがなくなった菓子をそのまま囓りきった
まだ口の中には残っているらしく頬が少し膨らんでいる。
こずえ「ゆずー......ありがとー...」
柚「こっちこそいいもの見れてありがとカモ!」
こずえ「...いいものー?...」
柚「んにゃ、なんでもない! そだそだ、こずえチャン、もう一本食べる?」
こずえ「んー...もういいー...」フルフル
柚「・・・・・・そっかー」
もう一本上げていたらまたさっきの奇妙なおやつタイムが訪れていたのだろうか
また見たいような、一回で十分なような、と柚はほんの少しだけ悩んだ。
こずえ「ぴょっきー......おいしかったのー...」
こずえ「...たのしい......おもいでー......たくさんで...うれしいー...」
柚「!・・・・・・そっか!へへっ♪こずえチャンがそう言ってくれるとアタシも嬉しいよっ!」
こずえ「えへへ...おもいで......もっと...ほしいー...」
柚「そーだねっ!」
こずえ「...もっと...もっと.........」
こずえ「...たのしい...おもいでだけで...きおくをいっぱいにできるまで...」
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「...どうしたのこずえ?」
「新しい絵本?」
「おとといに三冊買ってあげたでしょう?あれはなくしてしまったの?」
「......もう覚えた?どういうこと?」
「文字も絵も...頭の中に入っているから次のが欲しい?」
「正直に飽きたと言えばいいでしょう!」
「嘘をつくならもっとマシな嘘をつきなさい!」
この夢は幼稚園児だった頃の自宅での記憶だ
積み木で遊ぶでもなく、外を駆け回ることもなく、ぼんやりと窓の外を行き交う鳥類や人を眺めていた頃の記憶だ
親の本棚にあった本をパラパラとめくってはページいっぱいに並んだ小さな文字を何でもかんでも頭の中に入れていたら絵本を買い与えてもらった。
かわいらしい絵は気に入ったのだが一度頭の中に入れてしまえばその絵本のページをめくることはもうなかった。
思い出そうと思えばいつでも目の前に描き出されたように浮かんでくるのだからその必要がない
ただどうも周りの人にはわかってもらえなかったようだが
???????????????
どうやら寝ていたらしい
夕焼け色に染まった壁を薄く開いた視界で捉えながらこずえは目を覚ました。
こずえ「.........」
こずえ「......ん...」
口の中から甘い味がする
柚にお菓子を食べさせてもらったあと寝てしまったらしい
その柚もいない。ソファの上にはいつの間にか毛布をかけられていたこずえしかいなかった。
そもそも自分がいた事務スペースにはほかのアイドルはおろか事務員すら見当たらない。
みんな忙しいのだろう、他に誰もいない空間はしんとしている
こずえ「.........」
だがこずえは記憶している
机の上の雑誌の配置や、なぜか床に転がされたままだったの野球ボール、絨毯に走った皺まで
こずえ「......だれか...かえってきたのー?」
乱雑に置かれた雑誌が一冊増えている。野球ボールがどこかにしまわれて見当たらない。絨毯の上にだれかの足跡のような皺がよっていた。
おそらくこずえが眠りに落ちる直前、柚と入ったときとは事務所の景色が少しだけ変わっている。
柚は雑誌など持ってはいなかった、ならこれは自分が寝たあとに入ってきた誰かのものだろう。
こずえ「........」
体にかかっていた毛布から抜け出す、ソファから降りる
こずえは事務所内の探索を開始した
こずえ「...ひとりは......やー...」
ぺった ぺった
がちゃ
こずえ「........やー...」
あのゆめはみたくない
あのゆめのつづきはみたくない
でもじぶんのきおくすぐにはきえない
ゆめにまででてくるほど
だから
せめて
ゆめからさめたらだれかといっしょに
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~~~~~~~~~~~~~~~~~
仮眠室
??「うー、やっと仕事おわったー、だるっ」ゴロゴロ
??「帰って寝たいけど帰るのがもうめんどくさい」グデー
??「こうなったらもうプロデューサーに家まで送ってもらおう!うん、そうしよう」
ガチャ
??「ん?プロデューサー?」
こずえ「ふわあ...」
こずえ「?...あんずー...?」
双葉杏「あり?こずえじゃん もう起きたの?」
こずえの読み通り仮眠室には一人のアイドルがいた。
長く伸びた金髪をだらしなく床に広げたままにして眠るでもなくゴロゴロしている
彼女はキュート所属アイドル、双葉杏
だらけることに関しては右に出る者はいないとまで言われる、個性はアイドルの一人である
こずえ「あんずー...ゆずはー...?」
杏「んー、柚?・・・杏が帰ってきたときはこずえが毛布かぶって寝てただけだったけど柚もいたの?」
こずえ「んー...もういなーい...」
杏「そっか、じゃあ杏は今からだらけるついでに寝るけどこずえも一緒にどう?」
といってもこずえはさっきまで寝ていたところで今はまさに寝起きといったところなのでこれはちょっとした冗談だったのだが
こずえ「うんー...こずえ....あんずとねるー...」
杏「あり?」
杏にとってちょっとだけ予想外の答えが返ってきた。
杏「こずえ、二度寝になるけど大丈夫?夜眠れる?」
こずえ「...?」
こずえ「じゃあ...あんずのいえで...ねるー...」
杏「・・・・・・・・・はい!?」
杏にとってかなり予想外の答えが返ってきた。
杏「いや、こずえ女子寮でしょ、誰だったか忘れたけど相部屋の人いたんじゃないの?」
こずえ「きょうねー......こずえのうち...だれもいないよー...?」
杏「ああそうなの・・・んー、確かにこずえみたいな子を一人にはできないねー」
こずえ「?...えへへー...」ニヘー
杏「あら素敵なぴかぴか笑顔」
杏「じゃなくて、とりあえずこずえは誰かの家に泊まったほうがいいわけか~」
杏「杏じゃなきゃダメ?」
こずえ「......だめ...?...」
こずえ「......」
杏「・・・・・・・・・」
こずえ「......」
杏「・・・・・・・・・」
こずえ「..........くすん...」ジワッ
杏「!?」
あまり表情が大きく変化する方ではなにこずえではあるが、今は誰の目にも明らかに泣き出しそうな顔をしていた。
泣き真似とかそういうのじゃなく、杏が消極的なことに対する悲しさで溢れている。
こずえ「...ふぇ......ぅゅ......」ウルウル
杏「ちょ、こずえ!?そんな泣くことないじゃない!?」
こずえ「...やー...なのー...ひとりは...やー」
こずえ「ひとりはー...やー...」
杏「?」
結局間をとって杏が一人暮らしをしている自宅よりは事務所からほど近い女子寮のこずえの部屋の方に杏が泊まりに行くことになった
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??「それにしてもこずえ、君の記憶力はなかなかもって大したものじゃないか」
??「いやもはや大した、というレベルではないな」
こずえ「?...こずえー......へんなこー?」
??「いや、別に異常だというわけじゃないよ、私が保証する。世界にはその手の能力に異常特化した人もいるという話だし、その記憶力は君の立派な個性だよ」
こずえ「...こせー?...あきはー...なにそれー...?」
池袋晶葉「こずえの可愛いところ、という意味だ」
こずえ「こずえ......かわいいー?...えへー...」
晶葉「ところでこれは好奇心で訊くんだが、君の記憶力はいつから発揮されていた?」
晶葉「物心ついた頃、とも言えるな」
晶葉「一歳か二歳、あるいはもっと早く、生後半年ほどか」
晶葉「人によっては極まれに母親から生まれてきた瞬間をぼんやりと覚えているというのも聞いたことがあるが」
晶葉「君は自分の人生をいつから覚えている?」
こずえ「......」
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
女子寮
深夜、目を覚ます
ここは女子寮の自分の部屋
こずえ「ふわ...」
杏「・・・・・・・くぅ・・・むにゃむにゃ」
同じ布団の中では杏がすやすやと寝息を立てている。
おかげで布団の中はいい具合にあったかく、寝心地は実にいい
しかしこずえは目を覚ました
こずえ「.....」
あの夢はつい最近、同じキュートアイドルの一人とした会話の記憶。
愛くるしいデザインのロボで満たされた楽しい空間でのことだった。
アイドルのみんなとの時間はすごく楽しい、幸せな記憶だ
---自分の人生をいつから覚えている?---
こずえ「.........」
~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~
「あらおはようこずえちゃん!ちゃんと挨拶ができてえらいわねー!」
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「はじめまして、隣に越してきた遊佐です。こちらは娘のこずえです」
「あらあら、ご丁寧にどうも~ んまっ!可愛らしい娘さん!」
「ふふっ、こずえ、あなたのこと可愛らしいだっdffdhbdsatて」
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「ほhらa見てごr覧nこずえ、こkこがあaなたnのおうちyよ」
「はは、はやとちりだな、まだこhずえには言r葉は分からsなnいよ。こん1なにちっちゃhrいんだ5から」
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???????????????
「ほ5ら1あなhrた、あそこsnで寝ているhrnnのが私ssが産んだr子hよ」
「お、どdsgっちかとtrghsいうと君fgに似てるgfんじゃgfnfないか?」
「やegね、まだそvsd2んなdff細dかいdとこまdでわdかgfらなgnfいじゃsないnの」
「わかgfadるさ。なんdfdたって父親なzdgんだgfnからgfn」
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「cftgnjdymkdtu,fdyi,.fuyi,fuyitrtndfg」
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「tr gwtr87yw845tm 9nusdfboskmtsttgm」
「sntgnhdydrtrsvff!!!!」
「いsrdhbきWO sdftdfおおきくvbhmjhv SUって!」
「fhgfgftyuあsfたtまがDEてきまgfgnfghnしたdfgfdycvv,jk!」
「もmoうuすsksksこoossしdeddですdsddsdsdsdsよooyoゆuuuuuuさsssさaaaaaaaんnnn!」
「uuuうmaまれeeemましsisiたata!!kakakaかawawwwわいeeieiieeいioioおんnnnaaなのkkこですsssssssuよooyyoo!!」
~~~~~~~~~~~~~~~
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これいじょうはいけない
これいじょうまえをおもいだしてはいけない
おもいだしてはいけない
おぼえていてはいけない
もっとたのしいおもいでを
しあわせなきおくをおもいだそう
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起こしていた体を布団に潜り込ませる
眠っている杏の腕の中に身をひそませる
柔らかくて暖かい
こずえ「......ふわぁ...」
こずえ「...きもちーのー...」
だいじょうぶ
あれはここじゃないところのきおく
のいずがまじっていって
いつかはきえておもいださなくなるきおく
杏「・・・・・・んん」
杏がみじろぎをしてこずえを抱きしめる
こずえ「......んぅ」
あしたもたのしいひでありますように
あしたからもしあわせなひがつづきますように
こずえはこころからそうねがってめをとじた
~~~~~~~~~~~~~~~~
ここじゃないどこかのきおく
「uuuうmaまれeeemましsisiたata!!kakakaかawawwwわいeeieiieeいioioおんnnnaaなのkkこですsssssssuよooyyoo!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~
「uうmaまれemましsiたata!!kakaかawwわいeeいioioおんaaなのkkこですsssuよooyo!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「うmaまれmましsiた!!kaかwわいeeいioioおんnaなのkkこですsuよo!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~
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「うまれました!!かわいいおんなのこですよ!!」
~~~
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「うまれました!!かわいいおんなのこですよ!!」
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「もうすこしですよゆささん!」
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「あたまがでてきました!」
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「いきをおおきくすって!」
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「先生!! 219号室の遊佐さんが産気づきました!」
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こ
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以上で終了です
駄文失礼しました
自分で思い出せる一番古い記憶ってなんでしたっけ
遊佐こずえちゃんは自分のストライクゾーンの子です
持てるアイテム全投入の末、フェス上位報酬のこずえは手に入れ損ねました
過去作
小日向美穂「お昼寝のお供」
星輝子「ドロヘドロ...?」荒木比奈「そっス」
次回予定作
渋谷凛「アイドルサバイバルin仮想現実」
ありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
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