雪乃「もう支払期限を三日も過ぎているのだけれど、これはあれかしら私と友達でいるのは嫌ということなのかしら」
結衣「ち、違うよゆきのん!ただ、今月ちょっと厳しくて……」
雪乃「言い訳は聞きたくないわ。お金がないなら稼げばいいじゃない。馬鹿だ馬鹿だとは思っていたけれど、そこまで馬鹿だとは思わなかったわ」
結衣「うう……」
結衣「あ、あのねゆきのん。もうすぐ期末テストがあるじゃない?」
雪乃「ええ。それがなにか?」
結衣「えっとね、テスト勉強もしなくちゃいけないし、来月まとめて払うからそれでゆるしてもらえないかな?」
雪乃「……ええ、払ってくれるのならそれで構わないわ」
結衣「やったあ!ありがとうゆきのん!それじゃあ早速サイゼで一緒に勉強しよ!」
雪乃「え?嫌よ」
結衣「え!?」
八幡「おい雪ノ下、今月の恋人料金はまだかよ。もう三日も過ぎてるんだが」
雪乃「え、ええすぐに払うから待ってて。ほら、さっさと払いなさい由比ヶ浜さん」
結衣「」
雪乃「あたりまえでしょう。貴方今いったわよね?来月まとめて払うって。ならその料金が支払われるまでは私たちは友達じゃないの。あたりまえの理屈でしょう?」
結衣「そんな……酷いよゆきのん……」
雪乃「酷い?何を言っているのかしら。だいたい貴方と一緒に勉強したところで私が一方的に教えるばかりで、全くメリットがないじゃない。だったら金銭という形で対価を支払うのは当然でしょう」
結衣「友達って、メリットとか対価とかそういうものじゃないよゆきのん……」
雪乃「そう?ならもうお友達料金は払わなくても結構よ。そして二度とココにも来ないでもらえるかしら。私は一人でいた方が気楽なの」
結衣「やだよ!ゆきのんと友達じゃなくなるのは絶対にいや!」
雪乃「そう、なら早めの支払いを薦めるわ。利子って怖いものね」
結衣「利子取るの!?」
結衣「分かったよ。何とかしてお金は作るからもうそんなこと言わないで……」
雪乃「そう、期待しないで待ってるわ」
結衣「……今日はもう帰るね。バイバイゆきのん、ヒッキ―」
八幡「お、おうじゃあな由比ヶ浜」
雪乃「……」
結衣(挨拶すら返してくれないなんて……)
八幡「……おい雪ノ下、今のは何だよ」
雪乃「今の、では分からないわ。生憎私にはミジンコの脳内を察するだけの能力はないの」
八幡「さっきの由比ヶ浜に対する態度だよ。えっと、お友達料金?なにそれそんなもん実在するの?陰湿な掲示板のSSなの?」
うんこしてくる
戸塚「おい比企谷、先月の友達料金まだだぞ」
八幡「う・・ちょ、ちょっと待ってくれないか。おい雪ノ下!今月の友達料金まだかよ!」
雪乃「ごめんなさい・・もう少し待ってもらえないかしら・・。ちょっと由比ヶ浜さん!」
結衣「うぅ・・ゆきのんごめん・・ちょっと待っててね・・」ダッ
材木座「おや?またかい?まぁいいだろう・・それじゃあよろしく」ボロン
雪乃「比企谷くん、あなた友達いないでしょう?」
八幡「ああ、そうだけど今更何言ってんのおまえ」
雪乃「では貴方は分からないかもしれないけれど、お友達料金というのはごくごくありふれたものなのよ?」
八幡「はぁ?」
雪乃「能力のないものが優秀なものを利用したいと思うならそれなりの代償があるに決まっているでしょう」
八幡「なるほどそうなのか……っていやいやねーよ。流石の俺でもそれはねーって分かるよ。その理屈じゃあこの奉仕部自体成り立たなくなっちまうじゃねえか」
雪乃「何故かしら?奉仕部に依頼に来た生徒たちからはきちんと謝礼金を受け取っているわよ。なにも問題ないじゃない」
八幡「ええ!?金取ってんのお前?材木座も戸塚も葉山も戸部も金払ったの?」
雪乃「ええ。当然でしょう」
八幡「俺貰ってないんですけど」
雪乃「貴方の報酬はこうして私と話すことで消費されているもの。金が欲しければもっと頑張ることね」
八幡「お前守銭奴すぎるだろう……なんなのワタミなの?」
雪乃「私は別に働くことに喜びは感じないけれど……。比企谷くん、ひとつ教えておいてあげるわ」
八幡「ああ?」
雪乃「お金持ちっていうのはね、他の人が考えもつかないようなお金もうけの手段を実行できるからお金持ちなのよ」
八幡「さいですか……」
由比ヶ浜自宅
結衣「どうしよう。早く三万円稼がないとゆきのんとお話し出来ないよ……」
結衣「でも、バイトする時間もないし、定期代節約して自転車通学に変えたところで全然足りない……」
結衣「はぁ、どうしよう。何か短時間で稼げる方法ないかなぁ」
八幡「戸塚はいくらで彼女になってくれんのかな」
翌日2-F教室
結衣「やっはろー……」
三浦「おーす結衣」
海老名「どうしたの?元気ないね?」
結衣「うん、ちょっとお金に困っててね……」
海老名「お金?何か買いたいものでもあるの?」
結衣「そういう訳じゃないんだけど、ちょっとね」
三浦「親に前借でもしたらいいんじゃね?」
結衣「えっと、それは無理なんだ先月もう前借りちゃってて」
海老名「そんなに高いものなの?」
結衣「高いっていうか、毎月払わなくちゃいけないっていうか……」
海老名「ねえ結衣、じゃあ一緒に同人誌売らない!?いまはやはち本作ってるんだけど」
結衣「うーん私絵書けないしなあ。それにその本売れないと思う……」
海老名「そんなことないよ!はやはちはマストゲイ!例え二人の存在を知らない人でも腐の心があれば必ず心にくるカップリングなんだよ!」グヘヘ
結衣「あぁ、そうなんだ……」
三浦「あんさぁ、結衣」
結衣「なあに優美子?」
三浦「短時間で高収入なバイト、紹介してあげようか?」
結衣「え?ホントに!?ありがと優美子!」
三浦「きーすんなって。あーしら友達っしょ?そんなわけで今日の放課後開けときな」
結衣「うん!」
放課後JR千葉駅
結衣「お待たせ!優美子!」
三浦「おっし来たね。んじゃいこっか。歩いてもいいけど時間ないしモノレール乗るよ」
結衣「うん分かった」
千葉モノレール栄町駅
三浦「さて着いたよ結衣」
結衣「なんだか人の少ないところだねえ。焼肉屋さんに、あれはなんだろう派手な建物だけど」キョロキョロ
三浦「あーあれはクラブみたいなもんだから。あそこならすごく簡単に金稼げっから」
結衣「そうなんだ。こんなに人通りがないのにすごいコスパ良いね!」
三浦「だしょ!?いやー喜んでもらえてなによりだわ。やっぱあーしら親友ジャン?困ってるときは助け合わないとだめっしょ?」
戸塚「比企谷くん、実は友達料金今月から値上げするんだ…」
ヒッキー「ああ、いくらになったんだ?」
戸塚「七万円なんだけど…」
ヒッキー「支払いは任せろ!」バリバリ
戸塚「ありがとうハチマン、僕達ずっと友達だね!」
ピンクサロン「やはり俺の性処理方法は間違っている」
三浦「さて、ここだよ結衣」
三浦「おつかれっすー」
黒服「お疲れ様ユミちゃん。今日シフト入ってないよね?」
三浦「あー今日はあーしじゃなくてこの子。お金欲しいって言ってたから連れてきたんだけど」
結衣「初めまして!由比ヶ浜結衣っていいます!割のいいバイトがあるって優美子から聞いて来ました!」
黒服「紹介か。そういや昼に店長がそんなこと言ってたなぁ」
三浦「んじゃそういう訳だから紹介料頂戴よ」
黒服「おっけ。この子凄く可愛いし奮発して5万円ね」
三浦「サンキュー。これで今月はもう働かずにすむわ」
黒服「あはは。あんまり出勤しないとNO1から落ちちゃうぞ?」
三浦「だいじょーぶだいじょーぶあーしかわいいから」
黒服「それじゃあ、ゆいちゃんだっけ?こういう所で働くの初めて?」
結衣「はい。これまではマックでちょっとバイトしたくらいで他はあまり」
黒服「そっか。でもゆいちゃんかわいいしおっぱい大きいからすぐに稼げるようになると思うよ?」
結衣「お、おっぱいって何言ってるんですか!?」
三浦「ははは。結衣は初心だねえ。そんなんじゃここでやってけないよ?」
結衣「えっと優美子?どういうこと?」
三浦「だってここ風俗店だよ?ちんぽ何本も相手しなきゃいけないのにおっぱいくらいで同様すんなし」
結衣「風俗店……ってええ!?それってその、エッチなことするお店のこと!?」
結衣「ちょっと優美子!どういうこと!?聞いてないんだけど!?」
三浦「いや、短時間で高給なバイトなんてこのくらいしかないし、普通に分かってたと思ったんだけど」
結衣「分かるわけないでしょ!?無理無理私そんなの絶対無理!」
三浦「大丈夫だって。ここは口でするだけだだから膜は無事だし、変なの来たらそこのくろいのがなんとかしてくれっから」
結衣「そういう問題じゃないよ!それにまだ私たち高校生なんだよ!」
三浦「だいじょーぶだって店内くらいからわかりゃしないよ」
結衣「無理!私帰る!」
三浦イラッ「……あんあさ結衣、さっきからその態度何なの?」
結衣「え?」
三浦「あーしが折角割のいいバイト紹介してあげたのにさあ、その態度はなくない?」
結衣「だって、その……まさかそういうお店だとは思わなかったし……」
三浦「は?なにそれ別にそれあーしのせいじゃないじゃん」
結衣「でも……」
三浦「それにさあもうあーし紹介料貰っちゃたし、今更できませんとか言われても困るんだけど。金返さなきゃいけないし面目丸つぶれだし、結衣は友達がそんな目にあって平気なわけ?あーしら親友でしょ?」
結衣「それは……そうだけど……」
三浦「じゃああーしの顔を立てるためにもきちんと働いてよ。困ってる時には助け合いっしょ?」
結衣「うん……分かった。ここで働くよ……」
親友は友達料なんて取らないよね
結衣(ここでお金をかせげばゆきのんと友達に戻れるし、優美子とだってケンカせずに済む)
結衣(私が我慢すればすべてうまくいくんだ。ならやるしかない……!)
結衣(二人の親友のために私は……ごめんヒッキ―……)
三浦「まじで!?あんがと結衣!流石親友!困ったときはやっぱ助け合いだねえ」
結衣「うん、私、頑張るよ……。ありがとう優美子」
三浦「気にすんなし。そんじゃあーしこのお金で隼人とご飯食ってくるから、じゃーねー」
同時刻 奉仕部
八幡「おっす」
雪乃「こんにちは、比企谷くん。由比ヶ浜さんはどうしたのかしら?まだ姿を見せないのだけれど」
八幡「あぁ、そういやなんかバイトするとかいってたな。三浦の紹介で」
雪乃「聞き耳を立てていたのかしら。気持ち悪いわね。早く死んでくれないかしら」
八幡「あいつらのグループが無駄に声でかいから嫌でも聞こえちまうんだよ。むりやり罵倒につなげるな」
雪乃「バイト?昨日は時間がないと言っていたのに奇妙ね」
八幡「なんでも割のいいバイトだとかなんとか。詳しくは知らん」
雪乃「そう、べつにお友達料金さえ払ってもらえれば私はどうでもいいのだけど」
八幡「なあ雪ノ下、なんであいつお前に金払ってんの?」
雪乃「言っておくけど私から強制はしていないわよ。最初にお金を差し出してきたのはあの子だもの」
八幡「ふーん。で、お前はそれを受け入れたってわけか」
雪乃「ええ。せっかくもらえるものを無下に返すのも悪いしね。最初はジュースをおごってもらう程度だったのだけれど、いつの間にか額が上がっていったの。私から頼んだわけではないのに不思議ね」
雪乃「じゃぁこの話はこれまでね」
結衣「わっ、ごめん、これっ、これあげるから待って」
って流れか
八幡「でもお前その金何に使ってんの?」
雪乃「秘密よ。今はまだ……ね」
夜 由比ヶ浜家
結衣「オエェ、グェッ」ゲホゲホ
結衣(気持ち悪い。まだ喉に精液が絡みついてるような感覚がする)
結衣(醜悪な臭いが記憶に染みついて頭から離れない)
結衣(胸には客に強く揉まれた跡が付いちゃった。赤くなってる)
結衣(でも、これでまたゆきのんと仲良くできる……!)
翌日放課後 奉仕部部室
結衣「やっはろーゆきのん、ヒッキ―!」
八幡「おう」
雪乃「……」
結衣「あのね、ゆきのん今月のお友達料金持ってきたよ。遅くなってごめんね。今度から気を付けるからまた仲良くしてくれないかな……なんて」
雪乃「そう……悪いわね。別に無理をしなくてもいいのよ」
結衣「そ、そんな無理なんてしてないよ……。私はただゆきのんと仲良くしたいだけだから」
雪乃「そう」
結衣「ねえゆきのんテスト勉強見てくれないかな?」
雪乃「ええ、構わないわよ」
結衣「やったあ!ありがとうゆきのん!」
雪乃「ふふ、おおげさね。私たちお友達でしょう?」
八幡(現金すぎるだろこいつ……)
まあ実際の栄町はソープばっかでピンサロないけどな!
雪乃「それじゃあ比企谷くん。私たちはこれで」
八幡「あ、ああ」
結衣「じゃあねヒッキ―」
八幡「おう、じゃあな」
八幡「お友達料金ねえ。そんなもん払う位なら一生ボッチのままでいいけどな俺は」
数日後
八幡(期末テストも終わり、いよいよ冬休みが近づいてきた)
八幡(雪ノ下と由比ヶ浜は期末の打ち上げだかなんかで部室には来ていない)
八幡(打ち上げってなんだよ。ただファミレスで飯食うだけなのに何言ってんの?)
八幡(そんなわけで俺は奉仕部の部室を独占して、一人優雅に読書(ラノベ)をしていたのだが)
ドア「コンコン」
八幡「あ?」
葉山「ヒキタニくん、居るかい?」
八幡「葉山?何しに来たんだよ。今日は俺しかいなくてな。依頼を受け付けてないんだ。悪いが出直してきてくれ」
葉山「いや、そちらの方が都合がいい。大岡」
大岡「ああ、そうだな」
八幡(童貞風見鶏がなんの用だ?)
葉山「すまない女子二人がいたのでは話しづらいことなんだ。」
八幡「ちっ。何だよ。聞いてやるから簡潔に話せ」
葉山「ありがとう、ヒキタニくん」
葉山「大岡」
大岡「ああ。ヒキタニくん。これから話すことは誰にも言わない、ここだけの秘密にしておいてほしい」
八幡「信用ねーのは分かるが誰にも言わねえよ。てか、言う相手がいないよ」
葉山「……」
大岡「実は、先週の金曜日、期末テスト明けの憂鬱な気持ちを晴らすために風俗に行ったんだ」
八幡「風俗!?」
八幡(やべえこいつ童貞こじらせすぎだろ)
大岡「無論俺はまだ学生で金がないし、それに、その、初めては好きな人としたいからさ、安上がりなピンサロにいったんだよ」
八幡(知らねえよ気持ち悪い)
大岡「それで、栄町で適当な店見繕って入ったんだけど、その店の女の子の写真が由比ヶ浜そっくりだったんだよ」
八幡「……は?」
大岡「ほら、これを見てくれ」
携帯渡す
八幡「どれ、ゆい(18)T158B88W57H84……」
大岡「由比ヶ浜に似てると思わないか、目線を手で隠しているからはっきりしないけど」
八幡「……」
大岡の口調が分からない
これでいいのかな
八幡「……気になるなら指名してみればいいだろ」
大岡「いやそれはないっしょ。ヒキタニくん勇気ありすぎっしょ。風俗で知り合い出てきたときの気まずさときたらないからねマジで」
八幡「知らねえよ」
葉山「それでヒキタニくん。なにか心当たりはないかい」
八幡「心当たり?」
葉山「ああ。これが結衣なのかどうかは分からない。だけどもし結衣ならこんなこと辞めさせないといけないと俺は思う」
八幡「んなこと言っても、由比ヶ浜と一緒にいる時間はお前らの方が長いんだし、そんなもん……」
葉山「ヒキタニくん?」
八幡「お友達料金」ボソ
葉山「え?」
八幡「由比ヶ浜の奴、お友達料金を払うために金稼がなきゃとかいってたなそういや」
葉山「お友達料金だって!?」
八幡「あ、ああ」
葉山「そんなもの一体誰に払っているっていうんだ?」
八幡「……さぁな。俺みたいなボッチがあいつの広い交友関係を把握してるわけじゃないし知らん」
葉山「……じゃあ、やっぱりこれは……」
大岡「由比ヶ浜なん?やっべ興奮するわあ」
葉山「大岡、お前少し黙れよ」カベドン
大岡「うげえ」
八幡「別にこの風俗嬢が由比ヶ浜って決まったわけでもないだろう」
葉山「だけど!」
飯作んないといけないから2時間くらい保守してくれるとうれしいな
八幡「大体、お前はどうするつもりなんだ?店に電話して確かめるか?それとも直接顔を見に行くのか?」
葉山「くっ……」
八幡「そこで伸びてる童貞風見鶏も言ってただろ。風俗で知り合いが出てきたら超気まずいって。客でさえああなんだ。嬢側なんて尚更だ」
八幡「相手を助けようとした結果、その相手を傷つけてしまうなんて本末転倒だ」
葉山「それでも!俺は!」
八幡「話は終わりか?ならば帰ってくれ。どうしても調べたいなら好きにしろ。俺は止めん」
葉山「比企谷……見損なったよ。君は少なくとも結衣とは安からぬ絆を持っていると思っていたのに……俺の買い被りだったのか?」
八幡「全く持ってその通りだね。俺はただのボッチだ。お前らみたいに誰かと心から通じ合うことなんて、通じ合った気になるなんて出来ねえよ」
葉山「そうかよ……」
最終的にヤク漬けになろうがAV流出しようが妊娠しようがゆきのんに貢いでる限り二人とも幸せじゃね?
八幡(葉山は軽蔑のまなざしを向け、大岡を引きずりながら部室を後にした)
八幡「そう。俺はぼっちだ。お前らのような足かせはない」
八幡「俺の行動の結果で周囲がどうなろうが、周りから俺がどう見られようがそんなものどうだっていい」
八幡「だから行こう。俺のしたいことを、身勝手に、我儘にするために」
千葉モノレール栄町駅
八幡(一度着替えに戻ったら、既に日は沈みかけていた)
八幡(店の名前は確か『やはり俺の性処理方法は間違っている』か。ひでえ名前だな。アニメだったらゼロ話切りされるぞ)
八幡(おっとここか)
八幡(由比ヶ浜は今日打ち上げでいない。なら、今日中に済ませよう)
黒服「いらっしゃいませー」
八幡「あ、あの、えっと初めて利用するんですけど……」
黒服「はい、当店は45分9千円、別途指名量に千円かかりますが本日お客様は初回ということで指名量は無料とさせていただきます」
八幡「え、えっと、一番若い子を指名したいんですけど……」
黒服「はい、それでしたらA子ちゃんがお勧めですよ。30分ほどお時間いただきますがよろしいでしょうか?」
八幡「は、はい大丈夫です」
黒服「はいでは、お会計9000円になります。はいちょうどお預かりします。それではそちらの椅子に掛けてお待ちください」
ちなみに栄町はそこそこ若くてかわいい子いるけど店員の態度はくっそ悪いことが多い
>>109
おすすめの店と嬢は?
黒服「お待たせいたしました。女の子の準備が整いましたので、3番席に座ってお待ちください」
八幡「は、はい」
八幡(やべえ緊張してきた)
A子「初めまして、A子でーす」
八幡「あ、ど、ども」
A子「お客さん、今日は仕事帰りですか?」
八幡「え、いや学生、あ大学生なんで」
A子「学生なんだぁすごーい若ーい」
八幡「き、君も随分若く見えるけど、いくつなのかな?」
A子「えへへ、秘密ですよ。なんと私16歳でーす」
八幡(ビンゴ)
八幡「え、それってヤバいんじゃないの?刑法的に」
A子「大丈夫ですよーばれなきゃ」
八幡「ばれなきゃ、ね」
A子「それじゃあズボン脱いでくださいねぇ」
>>111
行きつけの店はソープだけど若さかわいさ以外はホント糞みたいな店だから他人にお勧めはできない
サービスも微妙だけどね
飯の仕上げに入るからまたちょっと抜けます
黒服「ありがとうございました」
八幡(結局、緊張しているだのなんだの理由を付けてなんとか息子は死守したわけだが)
八幡(ぼっちの俺には45分間話を繋ぐことなどできず、非常に気まずい空気が3番席に流れていた)
八幡(さてと、あとは……)
翌朝
結衣「やっはろー!」
海老名「おはよ、結衣」
三浦「おっす結衣。ちょっと来て」
結衣「え、何?」
三浦「いいから」グイ
廊下
三浦「あんたは大丈夫だった?」
結衣「え?何のこと?」
三浦「あんた……少しはニュースとか新聞見た方がいいわ。昨日店が摘発されたんだけど知らないの?」
結衣「店って、まさか」
三浦「そう、あーしやあんたが働いてる『俺はいる』のこと」
結衣「(何その妙な略し方)えぇ!?」
三浦「何でも18歳未満を働かせてるってタレこみがあったらしくてね。結衣あんた店に私物とか置いてないよね?」
結衣「うん、大丈夫だけど」
三浦「そ、ならいいわ」
朝のHR
担任「あー今日は皆に悲しいお知らせがある」
担任「わがクラスの比企谷が、その、十八歳未満立ち入り禁止の、そのなんだ、風俗店を利用したことがあることが明らかになって、無期限停学となった」
葉山「な!?」
大岡「ギク!」
戸部「比企谷くん超ぱねえわwwwww」
相模「キモい。そういえばあの時もう↑ち↓のこといやらしい目で見ていた気がするわ」
結衣「ヒッキ―……」
>>130
いくらなんでも、こんな仔細に担任言わないだろ・・・
中学んとき覚醒剤と援交でパクられた後輩の女の子だって「家庭の事情」でとかなんとか誤魔化されてたぞ
>>132
俺の高校だと教師にキレて大外刈りキメたやつが停学になった時に子細な説明があったから……
同時刻比企谷家 八幡個室
八幡(あれから俺はA子ちゃんとの会話を録音したヴォイスレコーダーを持って千葉中央警察署に向かった)
八幡(警察はすぐに動き、ピンクサロン『やはり俺の性処理方法は間違っている』は摘発された
)
八幡(ただ、当然こちらの身元も確認されてしまい、俺もその場で補導と相成った)
八幡(その結果が今の状態である親父にはぶん殴られるわおふくろは泣き出すわ、なんだかんだ俺になついていた小町に汚物を見るような目で見られた時は本気で死にたくなった)
八幡(ただ、唯一の救いは、あの店が正確な従業員名簿を作っていなかったことである)
八幡(ぶっちゃけこれは賭けだった。ただ、未成年を平気で働かせるような店ならば名簿はないと俺は睨んだ)
八幡(店側としても罪が重くならないように、あの場にいた以上に未成年を雇っていたとは話さないだろう。あとは警察の取り調べが厳しくないのを祈るばかりだ)
八幡(ま、これで由比ヶ浜はあの店からノーリスクで離れることができたってわけだ。まあ本当にアレが由比ヶ浜かなんて俺には分からんがな)
放課後 廊下
結衣「平塚先生!」
平塚「ああ、由比ヶ浜か。どうした」
結衣「あの、ヒッキ―が、ヒッキ―が……!」
平塚「ああ、知っている。昨日ラーメン食ってる途中に呼び出されたよ」
平塚「あいつのことだ、どうせまた事情があるんだろうが、全く馬鹿なことを……」
結衣「私の、私のせいでヒッキ―は……」
平塚「それは違う」
結衣「え?、でも!」
平塚「この件にお前がどうかかわっているのか私は知らん。今だけ聞かないでおいてやる。けど今お前が口を出せばあいつの被った汚名が、不名誉が、全て無為なモノになってしまうのは確かだ」
結衣「だけど!それじゃあヒッキ―が、ヒッキ―がかわいそうで……!私が悪いのに、私のせいで……!ヒッキ―が!」
平塚「それならなおのことだ。あいつのためを思うなら余計なことはするな」
平塚「それに、そんな不器用な奴だからこそ、お前はあいつを好きになったんじゃあないのか?」
結衣「……私、ヒッキ―に会いに行きます。今思ってること私の気持ちを全部ぶつけるために……!」ダッシュ
平塚「停学中の生徒に接触するのは禁止、って聞いてないか」
平塚「私もなにも聞いていないっと」
千葉市内路上
結衣「ヒッキ―の電話、つながらない……なら!」
prrrrrrr
小町「はい、もしもし小町です」
結衣「あ、小町ちゃん!?ヒッキ―いる?」
小町「あぁ、結衣さんお兄ちゃんなら今部屋で寝てますけ」
結衣「ならなんとか外に出るように誘導してくれないかな?ヒッキ―と話したいんだけど電話つながらなくて!」
小町「はいはい別にいいですけど……何かあの変態に用ですか?」
小町「昨日のこと、に関係がある話ですか?」
結衣「……うん。会って話したいの。お願い小町ちゃん。私をヒッキ―に、比企谷八幡に会わせて!」
小町「……一つだけ教えてください。結衣さん。貴方は昨日のことの関係者なんですか?」
結衣「……うん。そうだよ……」
小町「そうですか。少し見損ないました結衣さん」
結衣「……」
小町「でもよかったです。やっぱりお兄ちゃんは私の大好きなお兄ちゃんだったみたいです」
結衣「小町ちゃん……」
小町「お兄ちゃんには近所のファミマにファミチキとアイスを買いに行ってもらいます。あとはそちらでなんとか合流してください。ファミマの位置は分かりますか?」
結衣「うん、大丈夫!サブレの散歩でなんどか通ったことがあるよ!」
小町「そうですか。では10分ほどで現地に到着すると思うので、それまでにそちらもたどり着いてください」
結衣「10分!?……わかった、頑張るよ!」
小町「はいはいそれではー」
結衣「ありがとう、小町ちゃん」
小町「……頑張ってくださいね。結衣お姉ちゃん」ブツ
十分後 ファミリーマート
八幡「ったく、小町の奴機嫌直ったかと思ったら急に買い物行ってこいとかなんなんだよ」
八幡「大体停学中って本当はこうやって出歩くのもいけないんだけどわかってんのかよ」
八幡「ま、別にどうでもいいけどな。学校には戸塚くらいしか執着ないし。どうせ今回の話で戸塚にも引かれただろうし」
八幡「小町の機嫌が直るなら、停学が伸びるくらいどうということは……」
結衣「ヒッキ―!!!」
八幡「由比、ヶ浜、お前、なんで……」
結衣「はぁ……はぁ……何とか、間に合ったよ……」
八幡「……停学中は在校生と接触しちゃいけないから帰るわ」
結衣「待って!」手を掴む
八幡「……!!」
結衣「ずるいよヒッキ―。どうしていつも、今回だけじゃない、そうやっていつも私を置いて行っちゃうの?」
八幡「はぁ?何言ってんの。俺の停学とお前に何の関係があるんだよ」
八幡「学校でどれだけ噂になってるかは知らんが大体その通りだよ。俺が性欲に負けて馬鹿なことをした。そしてこのザマだ。お前には関係ない」
結衣「そういうの、もうやめてよ」
八幡「俺はぼっちだからな。専業主夫目指すなんて言っても一生あんなことできそうになかったからな。だから店で卒業しようと思ったんだ」
結衣「やめて」
八幡「ま、自業自得って奴だ。いつものことだから気にする必要は」
結衣「黙って」
八幡「」
八幡(な!?キスされた!?)
結衣「……そうやって、自分を粗末にするの、もうやめてよ。凄くつらい」
八幡「俺は自己保身の塊のような人間だぜ?そんなわけ」
結衣「ううん。それは違う。私には分かる」
結衣「だって、ついきのうまで、私もそうだったから」
結衣「ゆきのんと友達になるため、優美子の面目を守るためだって、自分に嘘をついて、自分の心と身体を傷つけてた」
結衣「私が我慢すれば全て穏便に済む。そう思っていたから」
結衣「でもそれは間違いだった。だってヒッキ―、優しいもん」
結衣「私が馬鹿だったせいで、ヒッキ―に迷惑をかけた。だから、同じことをヒッキ―に、大好きな人にしてほしくないの」
八幡「由比ヶ浜、お前何言って……」
結衣「今回だけじゃない。私の作った不味いクッキーを食べてくれた、私が優美子に責められている時に助けようとしてくれた、他にも数えきれないくらい、ヒッキ―に助けられたよ」
結衣「だから何度でも言うよ。あなたに伝わるまで。由比ヶ浜結衣は、比企谷八幡が大好きです」
八幡「……」
ああ手コキ専門店にしとけばよかった
当初は由比ヶ浜ルートに入るつもりはなかったのに
八幡「はは……何の罰ゲームだよこれは」
八幡「トップカーストのお前が俺みたいな変態ぼっちが好き?そんなことあるわけがないだろ」
八幡「どうせその辺の角にでも三浦や戸部あたりが隠れているんだろ?」
八幡「残念だったな由比ヶ浜。俺はそういう罠は食らいなれているんだ。今更通用せ」パシン!
八幡「」
結衣「さっき言ったよね。あなたに伝わるまで何度でも伝えるって。私はヒッキ―が好きなの!優美子が何?戸部っちが何?そんなに周りの目が怖いの?結局今のヒッキ―は平気なふりをして面倒事から逃げてるだけじゃない!」
結衣「他の人は関係ない。私は私だけの意思でヒッキ―が好き!ヒッキ―のためなら友達だって全て捨てられるって、やっとわかった。私のことなら何も心配はいらない!だからお願い!返事をして!」
八幡「俺は……」
八幡「俺は、ひねくれていて、悲観的で、卑屈で、協調性もない」
八幡「人を信じることに臆病で、今だって、いつお前が裏切るかビクビクしてる」
八幡「だけど……そんな俺でも、由比ヶ浜、お前が本当にこんな俺が好きだって言うのなら……」
八幡「俺も、こう答えよう。比企谷八幡は、由比ヶ浜結衣が好きです。俺と付き合ってください」
結衣「はい・・・・・・」チュ
新学期停学明け初日 奉仕部部室
八幡「うっす」
雪乃「久しぶりね、エロ谷くん。停学の感想はどうだったかしら?」
八幡「別に、停学っつてもほとんど冬休みと被っていたしな。いつもの長期休暇とかわんねーよ」
雪乃「そう。随分とお気楽なのね。今や全校の女子の唾棄すべき存在になり下がったというのに」
八幡「そうかもな……そういえば由比ヶ浜は来てないのか?」
雪乃「由比ヶ浜さんならあなたが停学になった日から部室に来てないわね。お友達料金も滞納してるし、もうこの部活に愛想が尽きたのでしょう。まあこんな変態がいるのだもの。それが正常だわ」
八幡「……」
雪乃「これでは専業主夫なんてまた夢の夢ね」
雪乃「だから比企谷くん」
雪乃「貴方、私のモノになりなさい」
雪乃「ここに1億5千万円あるわ」
雪乃「大卒平均年収(データは2005年)のおよそ半分強に匹敵する金額よ」
雪乃「私の全財産と、由比ヶ浜さんから頂いたお友達料金を転がしてここまで増やしたの」
雪乃「貴方、働きたくないのでしょう。なら私のモノになってしまいなさい。私がこのお金で貴方を買い取ってあげます」
八幡「雪ノ下」
雪乃「何かしら」
八幡「それは無理だ」
雪乃「金額が足りなかったかしら?大丈夫よ。まだまだ増やせるし貴方が心配することなんてなにも」
八幡「いや、そういう問題じゃなくてだな。俺、由比ヶ浜と付き合ってるし」
雪乃「……え?」
雪乃「えっと、貴方が一体何を言っているのか分からないのだけど。妄想はほどほどにしておいた方が精神衛生上のためよ?」
八幡「妄想じゃねえよ、ホレ」ケータイ差し出す
携帯「キスプリクラ写メ」
雪乃「そんな、どうして……私の方が、私の方が顔だっていいし、頭もいい、お金だってあるわ。なのに!」
八幡「悪い。雪ノ下、俺、奉仕部辞めるわ」
雪乃「ま、待って!」
八幡「さっきの言葉、嬉しかったぜ。春のお前に言われてたら、多分頷いてた」
八幡(まだ誇り高く、穢れを知らない、俺が憧れた雪ノ下に言われていたらな)
平均年収→生涯平均年収
友達料金は総額100万くらい
ぶっちゃけそこまで足しになってません
ただお金さえあれば人の心も買えるとゆきのんが勘違いしてしまったきっかけと考えてください
払い過ぎだろ…100万って…ガハマさんの頭大丈夫か
廊下
平塚「よう比企谷」
八幡「平塚先生……」
八幡「すいません。雪ノ下のこと、俺……」
平塚「君に落ち度はないよ。気に病むことはない」
八幡「けど俺止められなかった……あの雪ノ下が、あんなふうになってしまうのを」
平塚「確かに金はこの世でもっとも大切なものかもしれない。だけどすべてではないんだ」
平塚「今回の一件で、雪ノ下もきっとそのことを学ぶだろう。そのことに気が付くのはいつかまでは分からんがね」
八幡「先生……」
平塚「由比ヶ浜と、幸せにな。奉仕部卒業、おめでとう」
八幡「……ありがとう、ございました」
完
>>210
実際金で友達作って退学になったやつがうちの中学にいてだな
一番貰った奴で300万くらい貰ってたとかなんとか
くぅ疲(略)
やっぱ非処女はだめやな
書いてて後悔した
ただガハマメインなSSが少なかったから増えてほしいだけだったんだ
とりあえず乙。あれ?由比ヶ浜ルートに入るはずじゃなかったというのは?
>>219
無駄に重い恋愛ものにする気はなかったんだ
当初はな
本来の構想は
ガハマさんを本来のあるべき場所に返すためにわざと辛くあたるゆきのん
耐えるガ浜さん
真実を知り二人の友情はより強固に
みたいな友情モノだった
そもそも八幡すら出す気はなかった
ヤンデレゆきのんの逆襲はよ
>>228
君が書くんだ
俺はつかれた
乙
ガハマさんの告白シーンで外野からツッコミの嵐になってて吹いた
>>238
素人童貞に告白シーンなんて無理だったんだよ
次はコナンや昔のけいおんみたいなマジ基地SS書きたい
雪乃「比企谷くんが唯で由比ヶ浜さんと付き合うわけがない。そうだわ。」
雪乃「何かの理由で由比ヶ浜さんに脅されて付き合わされているのよ。そうだわ、そうに決まっているわ。」
雪乃「絶対に許さないわ、由比ヶ浜さん。」
雪乃「ふふ…絶対に救ってあげるわ。比企谷くん」ニコッ
みたいな感じで書いてくださいオナシャス!
>>1書いてくださいオナシャス!
このSSまとめへのコメント
童貞の妄想の好例