唯「必修プログラミング!」(10)


澪「我が校にもIT化の波がやってきた」

澪「というわけで、これから予習をします!」

律「ぅえ~、今はまだいーじゃ~ん」

澪「あとから困るよりはいいだろう、それにちょっと興味もあったし」

唯「澪ちゃんじつはリケジョ!?」

澪「いや、というか、ほら、…アプリとかそういうの」

紬「まあ…!」

澪「テレビでさ、私たちと同じくらいの子が作ってるっての見て…」

紬「それで興味を持ったのね」

澪「…//」

律「ほ~、澪ちゅわんもかぶれることがあるんですな~」

澪「う、うるさいっ」

紬「それなら私、お役に立てるかもしれないわ!」

澪「え?」


紬「ちょうどスマホ持ってて、自分でも何か作れないかっておうちでやってたの♪」

唯「えぇい?!」

律「なんたる抜け駆け…!」

澪「そ、それでどんなの作ったんだ…っ!?」

律「澪、おちつけ」

紬「私ね、じつは、菊田裕樹や下村陽子のゲーム音楽が好きで…」

澪「うんうん」

唯(ムギちゃんが…ゲーム…)

律(なんだか意外な話になってきた…)


紬「キーボードに興味を持ったのもそういう理由なの」

紬「それで、街中を歩いてるときに、その場所にあった曲を聴けないかなって思って、
  そういう、場所とBGMをマッチングさせるアプリを作ってみました…!」

澪「…」

澪「す、」

唯「す?」

澪「すごいじゃないか!」

律(あ~こりゃハマったな)


澪「そ、それってどれくらい利用されたんだ!?」

紬「さあ…ランキングも検索しないと出てこないほど埋もれちゃってるし…」

紬「そもそも、位置情報とその場所の属性を手動でマッチングさせてるから、
  ここらへんの地域でしかちゃんと動作しないの…」

澪「てことは、歩いて回って手入力してるのか」

唯「グーグルカーだね!」

律「よく知ってるな唯」

唯「えっふんす!」

紬「まさにそうね…趣味でやってるから、お手伝いさんに頼むのも気が引けるし」

紬「一応、食べログみたいな要領でユーザーが場所の属性を書き込めるように
  クラウドも利用してるんだけど」

澪「なん…だって…」


紬「いきなりレンタルするのは怖かったから、App Engineを使って」

紬「それでも、最初にどれだけ利便性があるかがアプリの善し悪しになるから…」

律「なるほどな~、でも、家に入ったらそれっぽい曲、
  街に出たらフィールド曲、って聴けたら楽しそうだな」

紬「でしょ! でもさすがに、曲をシェアすることはしないで、ユーザーの音楽ライブラリから
  室内、街路、という場所にどの曲を使うかを選択してもらう方式にしたけのだけど…」

律「あ~、それっぽい曲持ってないと楽しめないなそれ」

紬「まさにそう…歌を流してもなかなか楽しさは伝わらないし…」

澪「ブツブツ…ブツブツ…」

唯「み、澪ちゃん…?」

澪「いいアイディアが浮かびそうだ…これで私も…」フフッ

ガチャ

梓「失礼しま~す」


唯「あっずにゃ~ん! 今ね、ムギちゃんがね!」

澪「…フフッ…よし…」

律「澪~、戻ってこ~い」

梓(…まったく文脈がわからない)

梓「って、みなさん何の話を?」

カクシカ

梓「なるほど」

唯「ムギちゃんすごいよね~、まさにリケジョ!」

律「唯それ気にいってんな~」

紬「…//」

澪「…フフフフフフ…」


梓「あの、ところで」

梓「練習は」

澪「練習?」

澪「ああそうだった、これから練習だ練習!」

澪「プログラミングのな!」

梓「え」

唯律紬「おぉー!」

梓「なんでそうなるんですかー!?」


帰路

梓(まったく先輩たち…、結局あのあと練習できなかったなぁ…)

梓(先生にパソコン借りにいったり、いろいろセッティングしたり…)

梓(いったい何がおもしろいんだか…)スマホナデナデ

ニャー

梓(……)

梓(このつみネコみたいなのも、プログラミング覚えたら作れるのかな…)

梓(…よしっ)


唯「…でね、ムギちゃんがグーグルカーでね、澪ちゃんが…」

和「そうなんだ」

和(この子、軽音部にいるのよね…?)

唯「和ちゃんは、ぷろぐらみんぐしたことある~?」ニヤァ

和「まあ、人並みには」

唯「ひ、人並みぃ!?」

唯「そそそ、それじゃあ何か作ったことが…?」

和「えぇ、まあ、テキスト処理するようなつまらないものだけど」

和「生徒会の雑用をこなすのには役立ってるわ」

唯「そっか~、でもすごいなぁ」

唯「私なんてまだプログラミング言語の違いとかもわからなくて…」

和「そう…」


和「ねえ唯、Lispって知ってる?」

                おしまい!

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