モバP「ストレスで胃に穴があきそう」 (88)

P「芸能事務所に勤めております、Pと申します」

P「職場の人たちが原因で……」

のあ「……」

留美「……」

千秋「……」

雪美「……」

凛「……」

P「胃に穴があきそうです」


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Case1

留美「ねえP君、少しいいかしら?」

P「はい」

P(彼女の名前は和久井留美。元は大企業の秘書として働いていたようで、俺の仕事の管理の仕方も彼女から教わったりしています)

P(隙のないクールできれいなキャリアウーマンな方なのですが……)

留美「最近私料理を始めてみたの。お弁当を作ってきたんだけれど食べてみてもらえないかしら?」

P「いいですよ。いただきます」

パクッ

P「おお!おいしくできてますよ!でもどうしていきなり料理を?」

留美「私ももう二十代後半だから結婚について考えていたの。やっぱり女としては料理のスキルがないといけないと思うでしょ?」

P「……はい」

留美「結婚するなら仕事ができて家事もしっかりできる女がいいわよ、P君」

P「……そうですね、確かにそう思います……」

P(俺の方を熱いまなざしでじーっと見つめながら結婚についてほのめかしてきます……)

P(正直つらい……)

Case2

凛「プロデューサー、この書類ここにおいておくね」

P「うん、ありがとう、助かるよ」

P(彼女の名前は渋谷凛。俺の事務所を代表するアイドルです)

P(彼女と共に俺もこの事務所で働き始めました。最初は無愛想な子だと思っていましたが、そんな事はなく渋谷凛は気の利くとてもいい子です)

P(ただ……)

凛「ねえ、プロデューサー、どうして私と話すときより他の人と話す時間の方が長いの?」

留美「凛ちゃん、P君が困ってるじゃない」

雪美「P……困ってる……」

凛「今話してるのは私とプロデューサーです。二人だけで話をさせてください」

P(……彼女が原因で事務所の雰囲気が悪くなる事もしばしば……特に留美さんとはおりがよくないようです)

凛(年増が……)

Case3

千秋「Pさん、この仕事に関して話がしたいんだけど」

P「いいぞ、どうした?」

P(この人は黒川千秋。留美さんとは違うタイプのクールな人です。とてもストイックなひとで基本的に仕事は断らずに受けてくれるのですが……)

千秋「ここでドレスを着た私がエスコートをされるシーンなんだけど、この俳優は嫌よ、変えて頂戴」

P「いや、そこは変えられないぞ。我慢するしかない」

千秋「私は嫌よ。エスコートをしてもらう人はもう決まっているもの」

P「これは仕事なんだ、あんまり我が侭を言わないでくれ」

千秋「でもここは……」あーだこーだ

P「だけど……」あーだこーだ

P(最近目に見えて我が侭になっている気がします……)

P(信頼されているからこその我が侭だろうけど、疲れてしまう事はたまにあります)

Case4

ガチャッ

雪美「……ただいま」

雪美「……P」キュッ

P「おかえり雪美」

雪美「…私……今日、も……がんばった……」

P「見てたぞ!勝ててよかったな!」

雪美「……ふふ」

P(彼女は佐城雪美。うちに事務所にいる最年少のアイドルです。とっても小さくてかわいらしい子なんですが……)

雪美「P……ご褒美……欲しい……」

P「いいぞ!何でも言ってくれ!」

雪美「……Pの、家………行きたい」

P「俺の家は駄目だなぁ」

雪美「……じゃあ……抱きしめて……」

P「まあそれくらいなら……」

雪美「強く……抱きしめて……」

P「……」ギュッ

雪美「ふふ……」ギュッ

P「どうした?」

雪美「私たち……心……魂……つながった……」

P「?」

雪美「あとは……体だけ……」ニコッ

P「」ゾクッ

P(……たまにこの子が10歳とは思えないときがあります……)

Case5

のあ「私の空白は…貴方が埋める…。貴方に足りぬ力は…私が授ける…。P、私たちの関係はそういうもの…覚えておいて」

P「は、はい……」

P(高峯のあ、この事務所のラスボスです。この事務所にはクールな方達が集まりますが、この人は特に異彩を放ちます)

P(まるで人間ではないような……不思議な雰囲気を放ちます)

P(ただ……)

のあ「……服は外観を印象付け…私を社会の一部として位置づける」

のあ「…私は貴方と過ごす時間を面白く思っている。…それが答えよ」

P「あ、ありがとうございます……」

のあ「全ての事象は可能性に基づく…起こり得ることしか起きない…」

P「そうなんですか」

のあ「ええ、そうよ」

のあ「……器を2つ用意した意味…○○は理解している?」

P「わからないっす」

のあ「……」

P(俺は未だかつてこの人とまともに会話を続けた事がありません……)

P(こんな事務所ですが、毎日楽しくお仕事をさせていただいています)

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和久井留美(26)

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渋谷凛(15)

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黒川千秋(20)

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佐城雪美(10)

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高峯のあ(24)

次の日

ちひろ「おはようございます、この前受けた人間ドッグの結果が帰ってきてますよ」

P「本当ですか?」

P(何もなければいいんだけど……)

人間ドッグ

胃に以上あり:要再検

P「え、マジで?」

ちひろ「どうかされました?」

P「いえ、なんか胃に異常が見つかったみたいですね。要再検って書いてあります」

ちひろ「それってすぐにでも病院に行った方がいいですよ!」

P「え、でも」

ちひろ「今日は私がなんとかしますから!今すぐ行ってきてください!」

P「は、はい!」

病院

看護師「モバP様、モバP様、内科診察までお越し下さい」

P(考え過ぎだと思うんだけどなぁ……)

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医者「胃潰瘍ですね」

P「え?」

医者「しかも三カ所できてます」

P「まじ?」

医者「とりあえず大事を取って三日間入院しましょう」

P「」

入院一日目

P「……結局本当に入院してしまった」

P(ひどいストレスを感じるとなりやすくなっちゃうみたいだけど、心当たりが多すぎて……)

P「まぁ、ちひろさんから休みももらえたし、三日間ゆっくり休むかな!」

ガラガラッ

のあ「……お見舞いにきたわ」

P「うっ」ズキッ

P(今一番会話をしたくない人が来ちゃった……)

のあ「……あなたがいなければ、私は完成しない」

P「お、おう……」

P(うっわ、来た)

のあ「……どうして目を逸らすの?話をするときは目を見て」

P「……今は少し休むよう先生に言われたんです。というよりよく俺の部屋がわかりましたね。個室でもないのに」

のあ「あなたの事はすべて把握している。あなたがここにいる理由も、ここにいなければならない理由も」

P「……?」

のあ「……」ギュッ

P「あっ……」

P(手が……)

のあ「……迷惑をかけてしまったわね、ごめんなさい……」

P「迷惑だなんて、そんな」

のあ「私は……あなたをからかってた。あなたが可愛らしい反応をするから」

のあ「……それがあなたにとってストレスになっている事に気がつけなかった」

P「……」

のあ「……あなたを二度とこんな姿にはしたくない……今後はもっとわかりやすい言葉であなたと接していきたい」

のあ「あなたには、私という人物についてもっと知ってほしいから……」

P「……もう一度あのメイド服を着てくれるなら許してあげます」

のあ「……わかったわ、ありがとう……」

P(……俺はのあさんの事を少し勘違いしていたかもしれません)

P(その後雪美と凛、そして留美さんがお見舞いに来てくれました。この前の険悪な雰囲気はなくのあさん同様、俺がこうなった事に責任を感じたみたいで、謝ってくれたんですが)

P(俺自身は、そんな事よりも三人がちゃんと仲良くなってくれた事の方が嬉しかったです)

P(さすがに雪美が……)

雪美『P……一緒に寝る……』

雪美『私が……病気……治してあげる……』ニコッ

P(っと言い出したときは焦りましたが……)

P(今夜は久々にぐっすり眠れそうです……)

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のあメイド

入院生活二日目

P「コーヒー買いに行くか」

自販機前

ズキッ

P「あいててて……」

チャリーン

「大丈夫ですか?落としましたよ?」

P「ああ、ありがとうございます……」

P「!!」

P(今まで見た事のないタイプの女の子だ……)

P「あ、あの!」

「はい?」

P「アイドルやってみませんか!?」

「えええ!?」

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P「ごめんね、いきなり」

「いえ、確かに驚きましたけど……嬉しかったです」

P「きみならアイドルとしての素質は十分にある!もしなってみたかったらこの番号まで連絡して欲しいんだ」

「ありがとうございます」

P「ああそうだ、俺はモバPと申します。君の名前を伺ってもいいかな?」

藍子「はい、わたし高森藍子と言います」

P「高森さんか……ありがとう。じゃあ俺はもう戻るけど、もしアイドルとしてやってみたい気持ちがあれば連絡してね」

藍子「はい、わかりました」

藍子「あ、あの!」

P「うん?」

藍子「どうして私をスカウトしてくれたんですか?」

P「そうだな……高森さんからはふんわりした雰囲気があるんだ。うちのアイドルはみんなクールな感じの子が多いから……」

P「高森さんといるとゆったりした気持ちになれるんだ。うちの事務所にも新しい子が欲しいと思っていたからね」

藍子「そうなんですか……」

P「また機会があればよろしくね」

藍子「はい……ありがとうございます!」

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P(高森藍子……あの子といるとゆったりした気持ちになれるな……ゆるふわ系って言うのかな?うちに欲しいな……)

胃が少し楽になった気がした

P(この日もぐっすり、穏やかな気持ちで眠れました)

とりあえずここまで

http://i.imgur.com/HjSKAXA.jpg
http://i.imgur.com/nDYkAgL.jpg
高森藍子(16)

この場合の「特技」は、履歴書とかである「趣味・特技」じゃないからな
ポケモンの「とくしゅこうげき」とかああいう類いのモノじゃなかったっけ

入院生活3日目

P(この日は千秋が来てくれました。今まで我が侭を言ってきた事に対して謝ってくれたのですが、やっぱりこれからの方が大事という事で宥めました)

P(痣ができるかと思うくらい強く抱きしめられたのはちょっと意外でした)

P「もう三日目か……体調よくなると暇になるんだよな……」

ガチャッ

ちひろ「お久しぶりです。体調はどうですか?」

P「だいぶよくなりました。ありがとうございます、ちひろさん」

ちひろ「いいえ、お体の方も大事にしてもらわないと……」

P「もう大丈夫ですよ、明日からまた働きます」

ちひろ「無理してませんか?」

P「大丈夫ですよ」

ちひろ「ならがんばってもらわないと駄目ですね!あの子たちの管理って結構大変なんですね……」

P「まあ、これからは大丈夫でしょう」

P(そのあとは事務所で起きたちょっとした事件や、みんなが自分でとれた仕事を聞かせてもらえたりしました)

そして夜

P「明日からまた仕事か……心配だなあ」

P(先生の話によると胃潰瘍は一回できると完治は不可能だそうです。今後この病気とつきあっていく必要があるので、ストレスコントロールをしっかりするよう言われました)

P「高森さん……きてくれるかな?」

翌日

ちひろ「今日からPさんが復帰します。皆さん事務所で話し合った事を忘れないようお願いしますね」

P「(事務所で話し合った事?)みんな休んでてごめんな。今日から復活するからがんばろう!」

雪美「P……病気……治った?」

P「ああ、ばっちり治ったから安心してくれ」

雪美「……よかった……」

P(それからはみんなでまた一緒にがんばって活動を始めました。そして異臭間がたったある日の事……)

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藍子「……じゃあ、私本当にアイドルとして活動できるんですか?」

P「うん、高森さんが本気なら俺ももちろん本気になってがんばるよ!」

P(一週間ぐらい前に声をかけた高森さんが事務所まで来てくれました)

藍子「……私に至らない点はたくさんあると思うけど、精一杯がんばります!よろしくお願いしますね」

P「まかせろ!高森さんの決意を無駄にはしないから!」

藍子「私の事は藍子でいいですよ」

P「それじゃあ改めて、よろしくな、藍子」

藍子「はい!」

P(こうして藍子と俺は一緒にアイドルとして活動をするようになりました)

P(藍子の性格もあって、事務所のみんなとすぐに打ち解け、前と比べてすごく事務所に雰囲気が良くなりました)

雪美「藍子……抱っこして……」

藍子「うふふ、いいですよ♪」

ダキッ

雪美「……暖かい」

藍子「ありがとう♪」ナデナデ

雪美「藍子……Pと……違う……暖かさ……」

雪美「藍子……ふわふわ……P……ぴったりする……」

藍子「いいな、Pさんの抱っこ……」

異臭……だと……!?

藍子「私もしてもらおうかな?」

雪美「駄目」

雪美「Pの膝……私の……」

藍子「お願い、雪美ちゃん!」

雪美「……じゃあ、少しだけ……」

雪美「藍子……特別……」

藍子「ありがとう♪」

雪美「……ふふ」

P(こんなゆったりとした事務所ですが、今日も忙しくお仕事をさせてもらっています)


>>83
間違えた、一週間です

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