海未「冬は、日が落ちるのが早い」 (15)
海未「全く……今日は絵里たちのせいで、きちんと練習が出来ませんでした……」
ことり「あはは……」
穂乃果「まぁまぁ、1日くらいいいじゃ」
海未「良くないです!時間は無限じゃないんですよ?」
穂乃果「そ、そりゃ、そうかもだけど……」
ことり「…………」
ことり(時間は無限じゃない、か……)
ことり(そうだよね……後1ヶ月もしたら、絵里ちゃんたちは……)
ことり(それに、いつかは……)
ことり「私たちも……」
穂乃果「ん?何か言った?」
ことり「えっ?あ、ううん……なんでもない」
穂乃果「……?」
フワァー…
海未「しかし、今日は風が気持ちいいですね」
穂乃果「そうだねー、ここのところ凄く寒かったけど、今日はちょっと、あったかい……」
ことり「ふふっ、そうだね」
穂乃果「冬がずーっと、こんなだったらなぁ……」
海未「ですが、それでは雪が降りませんよ?」
穂乃果「そっかー、それもやだなぁ……」
海未「わがままですね……」
ことり「……絵里ちゃんたちも、こんな話してたのかな?」
穂乃果「まっさかー」
海未「そうですよ、まさか絵里たちがこんな会話……」
ことり「うーん、そうかなー……?」
穂乃果「っていうか、もう真っ暗だよ」
海未「冬はほんとに、日が落ちるのが早いですね」
ことり「5時くらいには、まだ少し明るかったのにね」
穂乃果「一気に暗くなるよねー」
海未「日が少しでも出ているのと、そうでないのとでは、全然違うのでしょうね」
穂乃果「なるほどなぁ……」
穂乃果「あっ、そう言えば……」
海未「……?」
穂乃果「もうすぐ3月だね」
ことり「……っ」
海未「そうですね」
穂乃果「3月って言うと……ひな祭りとか、後は……あっ」
海未「……!」
穂乃果「そっか、3月……」
ことり「…………」
穂乃果「……もう、そんな時期かぁ……」
海未「そう、ですね……」
穂乃果「3年生のみんなは……もうすぐ、この学校からいなくなっちゃうんだなぁ……」
ことり「…………」
穂乃果「そしたら、やっぱりμ'sも……かいさ」
ことり「穂乃果ちゃん」
穂乃果「ふぇっ?」
ことり「あんまり、そういうこと……」
穂乃果「えっ?……あぁ、ごめん……」
穂乃果「…………」
ことり「…………」
海未「……そ、そう言えばっ」
穂乃果「……?」
海未「真姫が、もうすぐ新曲が完成しそうらしいです」
海未「も、もし完成したら……」
穂乃果「うん……」
海未「い、いっぱい、練習しましょうね!」
穂乃果「……うん」
ことり「…………」
海未「…………」
穂乃果「…………」
ことり「……はぁ……」
海未(……この状況、どうすれば……)
ことり「……じゃあ、私」
海未「そうだ」
穂乃果「……?」
海未「久々に……あの公園、行ってみませんか?」
ことり「あの公園……?」
海未「はい!」
……
穂乃果「おー……懐かしいねー!」
ことり「そう、だね」
海未「どうです?たまには、童心に帰って……」
ことり「わ、私は、遠慮しようかな……」
穂乃果「えー、いいじゃんいいじゃん!遊ぼうよー」グイグイ
ことり「今は、そんな気分じゃ……」
穂乃果「そんなこと言わずにー」グイグイ
ことり「やっ……やめ、てっ!」バシッ
穂乃果「あっ……」
ことり「っ……!ご、ごめん……」
穂乃果「い、いいよ、無理やり引っ張った穂乃果が悪かったから……」
ことり「…………」
穂乃果「…………」
海未(逆効果、だったでしょうか……)
ことり「……ねぇ、穂乃果ちゃん、海未ちゃん」
穂乃果「……?」
海未「なんですか……?」
ことり「…………」
ことり「……遊ぼっか」
穂乃果「えっ……?」
ことり「ごめん……なんか私、ヒステリー起こしてた……」
ことり「卒業とか、解散とか……そういうの、認めたくなくて……」
ことり「でも、どれだけ嫌だって言っても、その日は来るんだよね……」
穂乃果「……うん」
ことり「……だから、今はそういうこと忘れて、思いっきり遊びたい」
海未「ことり……」
穂乃果「……そうだね……」
穂乃果「……うん、わかった!遊ぼう!」
ことり「……!穂乃果ちゃん……!」
穂乃果「嫌なことは忘れて、いっぱい遊んじゃおー!」
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