佐天「写輪眼を開眼する能力かぁ」(266)

立つか?

佐天「うーいーはーるー!」

初春「どうしました、佐天さん」

佐天「やったよ、初春。ついに能力に目覚めたんだよ」

初春「へぇ、どんな能力なんですか?」

佐天「知りたい? ねぇ、知りたい? えー、どうしようかなー」

初春「……知りたいので教えてください」イラッ

佐天「へぇ、そんなに知りたいんだ。仕方ないなぁ、初春は親友だから教えてあげる!」

初春「おねがいします」

初春(めんどくさ)

佐天「実はね、初春。写輪眼を使うことができるようになったんだ」

初春「しゃりんがん? なんですか、それは」

開眼するには愛する人が死ぬようなショッキングなことがないとだめなんだけど誰か死んだの?

親友・・・あっ・・・(察し)

>>11
佐天「…正しくはこれから使えるようになるわけだが…」ズバッ

初春「佐天…さん…?」

こうですかね

親友が死ななきゃならないのは万華鏡の方じゃ…

サスケェ「ここが学園都市かェ…」

ナルト「ついに到着したってばよ!」

サクラ「ちょっとあんたたちキョロキョロしないでよ、田舎もんだと思われるでしょっ!」

ナルト「ごめぇ~んサクラちゃん 俺ってば都会慣れてないから興奮しちゃったってばよ」

カカシ「はいは~い、みんなちゃんと付いてきてね~」

ナルト「迷子はごめんだってばよ!」

サクラ「ほんと気をつけなさいよねあんた!」

カカシ「あれ?サスケェ…は?」

ナルト「サスケェの奴…プップップ…迷子になったってばよ?wwwwwwww」

サクラ「そんなわけないでしょ!あんたじゃあるまいし…」

~~~~~~~

サスケェ「…(ワクワクドキドキ)」

御坂「(誰よアイツ…見ない顔ね…)」

サスケェ「…?!」

みたいなナルト視点のも見てみたいなぁ

佐天「うーん、私も詳しくはよく分からないけど、こうババーッと高速移動するモノを見切ったりできる能力なんだー」

初春「それって要するに固法先輩みたいな能力ですか?」

佐天「うーん、透視能力とはまた違うんだよね」

初春「レベルは何なんですか?」

佐天「一応、強能力なんだ」

初春「いきなり強能力者!? 凄いじゃないですか、佐天さん!」

佐天「えへへ、それほどでも」

>>13
写輪眼も万華鏡も結局どっちも親しい人が死んで悲しむことじゃね

初春「御坂さん達には報告は」

佐天「うーん、まだしてないよ」

初春「それじゃあ、今から」

佐天「あっ、ごめんね。今からちょっと先生のところに行かないといけないんだ」

初春「そうですか。それじゃあ、明日は」

佐天「あ、うん。明日は大丈夫だよ、多分」

初春「じゃあ、白井さん達を誘っておきますね」

佐天「うん、分かった」

>>16
写輪眼は危機的状況になったりすればいいっぽい

佐天さんと別れ、初春の帰り道。

初春「♪」

初春(佐天さんも能力者になれたんことだし、明日はちょっと奮発して…)

初春(それにしてもいきなり強能力者。凄いですね、佐天さん。私も頑張らないと…)


「ねぇ、そこの君。ちょっと良いかね」


初春「はい?」


―――――――

>>18
>生命の危機等をトリガーとして開眼する。
原理的には、愛情を知ったうちは一族がその喪失を感じて深い悲しみ・怒りの感情に飲まれた時や、また己の力不足に対する憤りを爆発させると、脳から特殊なチャクラが発生し、視神経が影響を受けることで開眼する。


サスケの場合は慕っていた兄貴の裏切りとうちは虐殺の恐怖からの開眼?
よくわからんね

一方、その頃。佐天さんは、とある研究室にいた。

佐天「あの、えっと…ここは一体」

「あ、少し散らかってると思うけど気にしないで頂戴」

佐天「いえ、そういうことではなくて…それにあなたは」

芳川「そういえば自己紹介がまだだったわね。私は芳川桔梗。あなたの能力開発を任されたのよ」

佐天「あ、そうなんですか! わ、私は」

芳川「佐天涙子さんよね。ふふ、もっと楽にしていいわよ」

ちょっとご飯いってくる。保守オナシャス。それと再放送ではないからな。前に書いたのがバッドエンドに終わったから今回はハッピーエンドを目指すお

>>23
天照は…
熱量反射できるのは未だに納得できない。

>>24
これは思う。分子の振動の向きを自在に返られる固体を液体に変えたりもできそうだよな

>>25
分子運動の向き変えてもエネルギーは増減するわけじゃないから熱量は変わらないぞ

>>27
分子運動の向きを変えるということは、分子の振動を演算子に組み込んだ上、その向きを変えるんだろ?
それに分子運動の向きを変えたところで熱量が増大しないのは理解している。
だけど物質の大半が分子の移動によるものなんじゃないの?
固体を液体に変えるのは無理でも、液体を気体に変えたりはできそう

佐天「そ、それでその、芳川さんが私の能力開発を?」

芳川「ええ、あなたのその能力はまだ分からないことだらけなのよ」

佐天「へ?」

芳川「最初は透視能力の類だとは思っていたみたいだけれど、それとはまた違う。書庫に登録されている能力とは類を見ない能力なのよ」

佐天「えっと、そうなんですか。そんなに凄い力なんですか?」

佐天(あ、あんまり実感わかないなぁ)

芳川「―――というわけであなたの能力開発に私が回されたというわけ」

佐天「よ、よろしくおねがいします!」

芳川「こちらこそ」

芳川(ふぅ、それにしても統括理事会は何を考えているのかしら。私にはあの実験もあるのにその合間を縫ってこの子の能力の開発。完全に寝かせない気ね)

芳川「とりあえずあなたの能力を見せてくれる?」

佐天「はい、分かりました!」

 芳川の要望に応じる彼女は、目を閉じ、開いた。

佐天(写輪眼!)

 彼女の両方の瞳の色が変化していた。朱色の瞳に瞳孔を囲うように三つの勾玉が浮かんでいた。

芳川「それが写輪眼というやつね。もういいわよ」

佐天「あ、はい、分かりました」

 佐天が瞬きをした直後、もう元の瞳に戻っていた。

佐天「それで次は何をすれば」

芳川「あー、ごめんなさいね。今日は能力を確かめる為だけに呼んだのよ」

佐天「そうですか…」

芳川「そう落ち込まないで。明日は予定あるかしら?」

佐天「明日、ですか?」

佐天(明日は初春と遊ぶ約束が…)

芳川「無理、かしら?」

佐天「えっと、その……」

芳川「無理にとは言わないわよ?」

佐天「……明日ですね。分かりました」

佐天(初春なら分かってくれるよね)

芳川「そう。それじゃまた明日」

佐天「はい、それでは失礼します!」

佐天の退室とほぼ同時に一方通行が入ってくる。

一方通行「おいおい、なンだ今のガキは」

芳川「あら、来てたの。今の子は普通の学生よ」

一方通行「普通の学生がこンな場所にくるわけねェだろ」

芳川「…それで? あなたがここにくるなんて珍しいわね」

一方通行「ふン、来たくて来たンじゃねェよ。次の実験はいつか聞きにきただけだ」

芳川「……渡した書類に書いてなかったかしら? 次の実験は今日の18時からよ」

一方通行「そォかい。そンじゃ愉快で楽しい実験まで準備でもするかァ」

一方通行(写輪眼か、ちとばっか書庫でも漁ってみるかァ)

翌日。

佐天「うーいーはーるー!」バサッ

初春「ひゃっ!?」バッ

佐天「おっ、水玉かぁ。今日も可愛い下着だね、初春」

初春「も、もう佐天さん! やめてください!」

佐天「あはは、ごめんごめん」

初春「ごめんじゃないですよ、まったくもう」

初春「あっ、そういえば佐天さん! 今日の放課後―――」

佐天「ごめん!」

初春「ふぇ?」

佐天「ごめんね、初春。今日も行けないかも」

初春「えっ、どうして…」

佐天「いやぁ、今日も放課後に研究室に行かないといけないんだ」

初春「…そ、それは仕方ないですね。それじゃ…予約はキャンセルしておきますね」

佐天「うん、ホントにごめんね、初春」

初春「いえ、それは仕方ないことですよ。頑張ってくださいね、佐天さん」

佐天「うん、頑張るよ。ありがと、初春」

佐天「あっ、そうだ。明日は暇だと思うからあの店のパフェを奢るよ!」

初春「えっ、良いんですか!?」

佐天「うん、今日の埋め合わせに、ね」

初春「そ、それじゃ、お言葉に甘えて」

佐天「初春は甘いものが好きだからね。ってもうこんな時間。そういえば今日は職員室まで先生に呼ばれてたんだった」

初春「……佐天さん。また何かしたんですか?」

佐天「失敬な。私ほど模範的な女子中学生は他にいないよ。あっ、やばっ、じゃーね、初春!」

初春「はい、佐天さん。また後で、ってもういない」

柵川中学、職員室。

佐天「し、失礼します」

担任「お、来たか」

佐天「先生、おはようございます!」

担任「おう、おはよう」

佐天「それで一体」

担任「佐天、今日からしばらくの間、授業に出なくていいぞ?」

佐天「……え?」

担任「お前には専用のカリキュラムを用意した。そっちに出ろ」

佐天「そっ、そんな、なんでいきなり!」

担任「そんなの決まっているだろ。お前の能力を開発するにはこの学校の授業では無理なんだ」

佐天「………」

担任「分かったか」

佐天「……でも」

担任「駄々をこねるな。お前は我が中学始まって以来の強能力者なんだ。分かってくれ。それに聞いた話ではまだ伸び代があるみたいじゃないか。
それにもしかすると大能力者、いや超能力者になりうる可能性を秘めているんだ」

佐天「………」

佐天(私は普通が良いのに、もしかして御坂さんもこんな気持ちだったのかな?)

放課後。

佐天「………」

佐天(……疲れた。慣れない環境だったからかな。はやくウチに帰って休みたいけど、この後まだ芳川さんのところに行かないといけないんだよね)

佐天「…はぁ」

とある研究室。

芳川「ふふ、遅かったわね」

佐天「…はい、ちょっと色々あって、すいません」

芳川「冗談よ。どう? コーヒーでも飲む?」

佐天「あ、はい。お願いします」

芳川「砂糖はどれくらい?」

佐天「えっと、多めでお願いします」

芳川「分かったわ」

芳川「はい、出来たわよ」コトッ

佐天「ありがとうございます」

芳川「それで随分と疲れた表情をしているけど、何かあったのかしら?」

佐天「えっと、まだちょっと慣れなくて…ふー…ふー…ズズズ…あっ、おいしいです」

芳川「ふふ、それはよかった」

佐天「それで能力開発はいつ頃はじめるんですか?」

芳川「………」

佐天「…芳川さん?」

芳川「私はそのままでも十分に使える能力だとは思うけど、それじゃあダメなの?」

佐天「………強くなれるならもっと強くなりたいです!」

芳川「………そう。分かったわ。それじゃあそろそろ能力開発を始めましょうか」

佐天「はい!」

天井の高い広々とした部屋。その室内には障害物となるものが一切ない。

佐天「あの、芳川さん。ここは」

芳川「佐天さん。あなたはここであるひとと戦ってもらうわ」

佐天「あるひと?」

芳川「…ええ。あなたにとっては最悪の相手かもしれないわね」

佐天「最悪の相手?」

芳川「…それじゃあまた後で」

 その言葉を佐天に掛けて芳川は、その部屋を後にした。

佐天「えっと、あの、私はここで誰と戦えば良いんですか…!」

佐天(返事はない。芳川さん、どこに行ったんだろ)

佐天「あのー! よーしーかーわーさーん!!」

シーーーン

佐天「お願いですから返事してください!!」

 その時、向かいの扉からひとりの少女が入ってきた。頭に花飾りを乗せ、柵川中の制服を着たショートカットの少女。その少女の容姿を佐天は知っていた。

佐天「えっ、うそ、なんで…ここに」

 あまりのことに動揺を隠せず、思考をそのまま口に出してしまう。

佐天「……初春。なんで、今日は御坂さん達と…」

 佐天の視線の先にいる少女“初春飾里”は何も答えない。

佐天「ね、ねぇ、初春? もしかして今日のこと怒ってるの?」

初春「………」

佐天「ごめんね。明日こそ絶対に―――」

 その時、佐天の言葉を遮るようにマイク音声が響き渡った。

『―――これより佐天涙子の能力の開発を始めます』

佐天「…へ?」

『佐天涙子が大能力者になる方法。それは佐天涙子が最も大切に思っている友達を殺害することです』

佐天「っ!?」

『それでは始めてください』

佐天「な、何を言って! そんなことできるわけっ―――」

 その直後、佐天の頬が横一線に切れた。咄嗟に回避行動を取らなければ眼球が潰されていた。

初春「………」

 無言の初春の手には刃渡り15センチ程のナイフがあった。その切り口には真新しい血痕が付着している

佐天「う、いはる…?」

初春「…………」

 再度、ナイフを振るう。その動作を見た瞬間、反射的に両目が変わり、写輪眼になる。そして、初春の一閃を屈んで回避した。

佐天「初春! もうやめ、やめて!」

 初春によるナイフの連撃を全て紙一重で避け、必死に説得を試みる。その様子に痺れを切らしたのか再びマイク音声が佐天の耳に飛び込んでくる。

『何をしている。はやくそのナイフを奪って首をはねろ!!!』

 それに反発するように佐天が怒鳴った

佐天「うるさいッ!」

佐天「ね、ねぇ、初春! お願い、もうやめて!」

 そんな佐天の心からの叫びなどには一切耳を貸さず、躊躇なく佐天の急所に向け、ナイフを振るう。

佐天「…初春ッ!」

 写輪眼のおかげで初春の動きは手にとるように分かる。だけど初春が今考えていることは何ひとつ分からなかった。

佐天(なんで、初春。どうして…)

初春「………」

 ナイフの連撃に写輪眼の先読み。流石に二人とも疲労が体に蓄積しているようだ。もはや満身創痍である。

佐天「…はぁ…はぁ…っ…」

佐天(こうなったら……もう…一か八かの賭けにでるしかない)

初春「……………」

 初春は、佐天の左胸にナイフを目掛けて刺そうとするが、それを読んでいた佐天は、初春の手首を掴み、そのまま後方に回り込んだ。そして、初春のスカートに手をかけ、

佐天「う…いーはーるー!」

 勢いに任せてめくりあげた。可愛らしい犬の絵がプリントされたパンツが見えた。

佐天「!?」

 佐天が初春の下着に気を取られ、微かに動きが止まった。

その一瞬の隙を見極めて初春はナイフを振るう。それを間一髪で防ぎ、腕に切り傷がついた。

危うく頸動脈をバッサリと切られるところだった。

佐天「…痛っ」

『佐天涙子。早い内に初春飾里を殺さねば逆に殺されるぞ』

佐天「…ねぇ」

『……なんだ』

佐天「…あの子は誰?」

『何を言っている。それはお前の友人の初春飾―――』

佐天「ううん、あの子は初春じゃない」

『……現実逃避か?』

佐天「ううん、そんなんじゃないよ」

『ならば何故そう思う?』

佐天「……だって」

『………?』

佐天「初春の今日のパンツは水玉模様なんだよ!」

『……は?』

佐天「それに初春は風紀委員だけど、あんなに運動能力に長けてない」

『…………』

佐天「ねぇ、あの子は誰なの? 初春の双子の妹?」

『なるほど。下着の模様は盲点だった。まさかそんなところで判断されるとは……』

佐天「ね、ねぇ」

『良いだろう。教えよう』

佐天「うん」





『ソレは初春飾里のクローン体だ』


佐天「……えっ?」


『とはいってもソレは未完成だ。寿命も長くて三日。お前に殺される為だけに生まれてきたものだ』

佐天「く、くろーん? なに言って」

『初春飾里。彼女は佐天涙子の能力開発の役に立つのならとDNAマップを我々に提供してくれた。それを元にそこにある模造品を作り出した』

佐天「………」

『とはいえ、時間が足りなかった。故にソレは未完成のままそこにある。お前に壊される為だけの人形だ。何を躊躇する必要がある。大能力者になりたいのだろう?』

佐天「……誰かの犠牲の上に成り立つ力なんて…そんなのはいらない!」キッ

『………』

『……仕方ない。分かった。検体番号01番。自害しろ』

佐天「なッ!?」

初春「分かりました」

 初春は自らの手にあるナイフの刃先を首筋に押し当て、佐天の制止など聞かず、そのまま頸動脈を切り裂いた。

佐天「―――――――――ッ!!!!!」

 首筋からドクドクと溢れ出す血液。直ぐさま佐天は初春を抱き寄せ、止血を試みるが止まる気配がない。

 初春の顔色も徐々に色を失っていき、青白くなる。

 その時、本人は気付いてなかったのだが佐天の瞳は変化していた。彼女の両方の瞳には六芒星の模様が浮かんでいた。

ごめんなさい。ごめんなさい。超電磁砲の原作は五巻までしか読んでないんだ。それにアニメも一期しかみてない。本当に申し訳ない

実験終了後、佐天は芳川の研究室に血濡れた制服のまま体育座りしていた。

芳川「やっぱり友人と全てが同じ遺伝子の子が目の前で死ぬのはショックだった?」

佐天「………」

芳川(それはそうよね。まだ中学一年生なんだもの。それが友達じゃなくてもショックに決まってるわ)

佐天「……あの」

芳川「?」

佐天「……レベルを上げるには…皆こんなことを…?」

芳川「…そうね。皆というわけではないけれど一部のひとはこういうことをしてレベルを上げているわよ」

佐天「そう、ですか…」スクッ

芳川「あら、どこに行くの?

佐天「……すいません。今日はもう…」

芳川「送っていこうか?」

佐天「いえ、大丈夫です」

暗澹たる空に薄暗い路地裏。ふらふらと歩いていた佐天は、偶然スキルアウトの者の肩を掠め、因縁を付けられていた。

佐天「…………」

不良A「おいおい、なんだよ。人様にぶつかっておいて謝罪のひとつもなしか?」

不良B「うわー、肩が複雑骨折したよ、死ぬわー、マジ死ぬわー」

不良C「うわっ、これヤバくね? マジ慰謝料もんじゃね? あーあ、やっちゃったなー」

佐天「…………」

佐天(うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ――――――うるさい)

不良A「んで? どう落し前つけてくれるんだ?」

不良B「うわー、この肩はもうダメかもしんないよー、やばいよ、マジやばいよ」

不良C「あーあ、これは慰謝料だけじゃたんねぇな。そうだ、良いことを考えた。おい、嬢ちゃんよぉ。そのカラダでオレ達を癒してくれよ」

不良A「ギャハハハハ、そりゃあ良い考えだな。流石、オレらのグループでの知将だ」

不良C「そんなに褒めるなよ」

不良B「痛いよー」

佐天「………」

 不良たちの馬鹿げた談笑の最中、佐天の瞳は変わった。六芒星の模様が浮かんでいる瞳に頬を伝うように赤い液体が溢れ出る。

佐天(天照!)

 気付いた時にはもう手遅れだった。気付いたときには三人の不良の焼死体の前に呆然と突っ立ていた。

佐天「これは…私が……」

 自分が仕出かしたことの重大さを脳が処理した瞬間、彼女はその場にしゃがみ込み、軽い過呼吸に陥っていた。

佐天(どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう)

 その時、いきなり彼女の背後から声が聞こえてきた。

「ジャッジメントですの!」

 それは普段の彼女にとっては味方だけれど、今の彼女にしてみれば敵である。

 佐天は恐る恐る声のした方向に視線を向ける。

佐天「白井、さん」

白井「何やら女の子が不良に絡まれているとの通報がありましたの。ご無事ですか、佐天さん!」

佐天「白井さん、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」

白井「えっ、い、いきなりどうしたんですの!?」

佐天「わ、たし、恐くて、やっちゃ…いました」

白井「い、一旦、落ち着いてくださいまし。それで、何をやってしまったんですの?」

佐天「不良のひとたちを…ボワッと…」

白井「???」

白井「こ…これは酷いですの…」

白井(性別の判別すら不可能なほどに焼き尽くされてる。これは……)

佐天「ごめんなさい、ごめんなさい」

白井「これ、本当に佐天さんがひとりでおやりになりましたの…?」

佐天「……はい」

白井(だとすると佐天さんの能力は発火能力。それが暴走してしまい、彼らを炎に包み込んだ。それにしてもこれほどまでの火力は大能力者……いやもしかすると超能力者クラスかもしれませんの)

結局、佐天さんの能力の暴走ということで捜査は打ち切られた。

佐天さんには何のお咎めもないまま、そのまま彼女は能力の検診ということで研究所に送られた。

佐天「…っ…ここは…」

「はっ、おいおい、なんだよ、目覚めたのか」

佐天「……えっと…あなたは?」

「いや、実験動物なんぞに名乗る名は持ち合わせて―――」

「木原博士! 佐天涙子のプロフィールを持っ、ぶほっ」

木原「なぁ、おい、ひとが実験動物の相手をしてやってんのに横から水を差すようなマネはやめとけよ?」

「しゅ、しゅみましぇん」

木原「ま、別に良いけど次からは気をつけろよ」

「ひゃ、ひゃい! ひ、ひつれいひまひた!」タッ

木原「あーあ、シラけちまったな。そんでどこまで話したっけ?」ギロッ

佐天「ひっ」ビクッ

木原「あー、大丈夫、大丈夫。別に危害を加えるつもりなんてないから」

佐天「…えっと、あのっ、まだ名前も教えてもらって…ないです」

木原「おー、そういやそうだったな。実験動物との会話なんていちいち覚えてねぇんだわ」

佐天「っ」

木原「あー、オレは木原っつーうんだけど別に下の名まで教える必要はねぇよな?」

佐天「っ、はい」

木原「ちッ、アレイスターの野郎。こんな面倒事を押し付けやがって」

佐天「そ、それで木原さん…」

木原「あ?」

佐天「あのっ、なんでこんなとこに」

木原「あー、それはあれだな。アレイスターのクソ野郎に任されたからに決まってんだろ」

佐天「ア、アレイスター?」

木原「とりあえず一ヶ月だっけか。それまでにお前を使えるように鍛えろって言われたんだよ」

佐天「えっ、それって一体」

木原「ま、お前の能力を見た限りだと一週間あれば、それなりに使えるようになんだろ。一ヶ月も必要ねぇか」

佐天「あの、何の話をして」

木原「はっ、感謝しろよ。このオレが直々に能力開発をしてやるんだ」

佐天「えっと」

木原「ま、このオレの手に掛かれば超能力者になるのは容易だけど。どうする?」

佐天「……お、お願いします」



続く?

済まぬ。もう眠いんだ。次は一方通行戦を考えてるお。

佐天が木原の元に送られてから一週間が経った。たった一週間の日数だけど佐天が打ち解けるには、そう短い時間ではなかった。そんなある日、佐天は木原に呼び出された。

佐天「失礼しまーす」

木原「おっ、来たか」

佐天「はい、来ましたよー」

木原「そろそろ学校に戻るか?」

佐天「えっ、それって」

木原「いや、まさか一ヶ月の訓練メニューをたった一週間で終わらせるとは驚いた。それも写輪眼の力か?」

佐天「まぁ、そんなところですね」

木原「それに能力開発も順調なんだろ? このままいけば八人目になれるかもしれねぇな」

佐天「そんなこと」

木原「まぁ、とりあえず後は能力開発だけだな。それでどうしたい?」

佐天「何がです?」

木原「いや、お前なら常盤台にも入れると思うんだけどよ、転入手続きするか?」

佐天「……止めときます。私は柵川中学に通います」

木原「あっそ。別にどっちでもいいけどよ、もう表で殺人はやめとけ。どうしてもの場合はバレないようにやれ」

佐天「はい、分かりました」

佐天が木原の研究所を去り、柵川寮に戻った。

その翌日、柵川中学校の通学路。

そこに伏せ目がちに歩き、目の下には凄いクマが出来ており、フラフラと歩を進める初春の背後まで忍びより、佐天は初春の名を声高らかに叫びながら彼女のスカートをめくり上げ、その下に見えるパンツを確認する。

どうやら今日の初春は星模様が至る所に散りばめられたパンツのようだ。

初春「キャ、キャアアアアアアア!!」

 あまりにいきなりだったものなので警戒心が完全に緩んでいた。約一週間ぶりのスカートめくりに初春は複雑な感情を抱いている。

初春「さ、ささささ佐天さん! いきなり何をするんですか!」

佐天「やっほー、ちょっくら所用で出掛けてたんだ。はい、お土産」

初春「あっ、はい、ありがとうございます」

佐天「一応、綺麗な花を摘んできたんだけど」

初春「……佐天さん。これを私にどうしろと?」

佐天「付けてみれば?」

初春「分かりました。後に枯れ花として額縁にでも入れて飾っておきますよ」

済まない。本当に済まない。申し訳ない。もう本当に眠い。途中で何度か意識が飛びかけたったwww宜しければ朝まで保守をお願いします。残ってたら続きを書かせていただきます。

初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」

初春「百番煎じのSSは、書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねぇ」

初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」

初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」

佐天「初春?」

初春「結果として面白くないのは許せます。許せるだけで面白くはないんですが」

初春「パクリ二匹目のドジョウ百番煎じは許せませんね。書いてて恥ずかしくないんですか?」

初春「ドヤ顔してる暇があればとっとと首吊って死ねよ」

初春「そうネットに書いてありました」

佐天「なあんだネットかあ」

初春「一番の害悪はそういったSSを持ち上げてる人たちなんですけどね」

佐天「ふーん」

初春「そんなことはどうでもいいです! それより今までどこにいたんですか!? 連絡のひとつも寄越さないで……心配したんですよ?」

佐天「あはは、ごめんごめん。この間のような能力の暴走がもう起きないように私の能力を開発してたんだ。場所はいえないけど学校終わったらまた研究所に行かないといけないんだ」

初春「また、ですか。どういうことをしてるんですか?」

佐天「それは秘密」

初春「もう! 最近、佐天さんや御坂さんは付き合いが悪すぎですよ!」

佐天「へ? 御坂さんも何か予定でもあったんだ。やっぱり能力開発のこと?」

初春「さぁ、詳しくは分かりませんけど白井さんが言うには何か思い詰めたような顔をしているみたいなんです」

いや、パクリも何も佐天「写輪眼を開眼させる能力かぁ」を書いたのは俺なんだけど、それの他に写輪眼を題材にした佐天のSSってある?

佐天「ふーん。それじゃあ最近は白井さんと一緒にいるの?」

初春「まぁ、そうですね。風紀委員でも私事でも顔を合わせてるのでもう見飽きましたよ」

佐天「あはは」

初春「それで佐天さん」

佐天「…なーに?」

初春「佐天さんはその、今日の放課後も」

佐天「あ、うん。今日の放課後も能力開発がある」

初春「そう、ですか。分かりました。頑張ってくださいね」

放課後。木原の研究室。

佐天「こんにちわー」

木原「よう」

佐天「それで今日は…」

木原「とりあえず能力測定をしてみろ」

佐天「はい、分かりました!」

佐天「―――どうですか?」

木原「あー、そうだな。一応は超能力者だけどな…」

佐天「?」

木原「もうその天照だっけ? それは使うな」

佐天「えっ、な、なんでですか!?」

木原「はぁー、お前も薄々感づいてるんじゃねぇか?」

佐天「な、なにをです?」

木原「お前、視力が落ちてるだろ? そのまま使い続ければいずれは失明するぞ」

佐天「ッ…」

木原「あー、それと月読も禁止だ」

佐天「そんなぁ」

木原「つーかよ、それらを使わなくともお前はもうそこらのやつらは容易くあしらえるだろ」

佐天「それは、そうだと思いますけど」

木原「分かったか?」

佐天「……はーい、分かりました」

木原「よし、それでいい」

佐天「あっ、そうだ。木原さんにひとつ聞きたいことがあったんです」

木原「あ?」

佐天「今、御坂さ……第三位の超電磁砲は能力開発してるんですか?」

木原「あー、知らねぇな」

佐天「そう、ですか。やっぱり知りませんか」

木原「………だがな。最近、とある研究施設が立て続けに襲撃されてるらしいんだよ。それも電撃使いの高位能力者によ」

佐天「えっ、それって」

木原「さぁな。それが超電磁砲だという確証はないが、どうだ? 確かめにいってみるか?」

佐天「……え、その、でも」

木原「俺は所用でいけねぇが、ひとりで不安なら猟犬部隊を貸してやるよ」

佐天「……ッ」

木原「それによぉ、間違った道に行きそうになったら正しい道に戻してやんのが本当の友達だろ」

佐天「……木原さん。そうですね、分かりました!」

木原「それでいい。ほらよ」

佐天「えっ、なんですかこの地図は」

木原「次に超電磁砲が狙う研究所だ。おそらくはそこを襲撃すんだろ」

佐天「あ、ありがとうございます!」

木原「ついでに研究所内部の見取り図も付けておいた。ま、適当に頑張れよ」

佐天「はい!」

木原「あ、それとな。今日はもう帰っていいぞ」

佐天「えっ、でもまだ能力測定しか」

木原「それでいいんだよ。元々、今日は能力測定だけの予定だったんだ」

佐天「…そうですか。分かりました! 失礼します!」

木原「ああ、次の予定はまた後で連絡する。じゃーな」

佐天「はい!」

バタン






木原「あー、こちら木原。これで良いのか、アレイスター?」

アレイスター『……上出来だ』

木原「なぁ、アレイスター」

アレイスター『……余計な詮索はするな』

木原「…了解」

木原(アレらが潰し合うことのメリット。はっ、俺には想像もつかねぇなぁ。アレイスターの野郎はなにを考えてやがる)

その日の夜。とある研究施設。その内部。そこにある大量の研究機材に電撃を浴びせ、中身のデータもろとも破壊していく。

御坂「……これで…ようやく」

 その光景に耐え兼ねて佐天は御坂の前に飛び出した。

佐天「御坂さん!」

御坂「さ、佐天さん!?」

佐天「御坂さん、なんでこんなこと…」

御坂「っ…佐天さんはどうして…ここに」

佐天「質問に答えてください!」

御坂「…………無能力者に答えることなんてないわよ」

佐天「っ!?」

御坂「どうして佐天さんがここにいたのかは聞かないわ。だからさっさと消えてくれない?」

佐天「……嫌です」

御坂「……はぁ。分からないの? 無能力者がうろちょろしていると迷惑なの、それくらい分からないかな?」

佐天「…御坂さんがどうしてこんなことをしているのかを聞くまでは絶対に帰りません!」

御坂「……単なる憂さ晴らしよ。あんた達みたいな格下どもを相手にいつもニコニコなんてストレスが溜まる一方なの。それで八つ当たりしているわけ。分かった?」

佐天「……分かりました」

御坂「そう、それじゃ―――」

佐天「……御坂さんの本音を聞き出すには対等の立場にならないといけないことが分かりました」

御坂「は!?」

佐天「御坂さん、私と戦ってください」

御坂「…正気? あんたは単なる無能力者。あいつと違って私の力を無力化する術を持ってないのよ!」

佐天「へぇ」

御坂「?」

佐天「やっぱり私の心配をしてくれるんですね」

御坂「ッ! うるさい! 私はただ殺人犯になりたくないだけよ!」

佐天「それに私の心配は無用ですよ」

御坂「は?」

佐天「ああ、そういえば御坂さんには私の能力のことは言ってませんでしたか。白井さんに聞いてませんか?」

御坂「聞いてないわよ。ふーん、能力に目覚めたんだ。おめでとう。それで、それがどうかした? もしかして能力が使えるようになっただけで私に勝てるとでも思ってるの?」

佐天「いえ、今のは単なる報告です。だけど私はこの能力で御坂さんに勝つつもりですよ」

御坂「へぇ、やれるもんならやってみなさい!」

 御坂の前髪から青白い火花が散り、いつでも電撃を出せるようにと臨戦体勢に入った。

佐天「絶対に御坂さんを倒します!」

佐天(写輪眼!)

 それに対する佐天は瞳が変わる。朱色の瞳に瞳孔を囲うように表れた三つの勾玉。写輪眼だ。

アスペ

御坂「へぇ、それが佐天さんの能力なんだ。透視能力の類か何か?」

佐天「御坂さんがここでなにをしていたのか答えてくれたら教えてあげますよ」

 その言葉を区切りに佐天が先に動き出した。

御坂「そう、なら聞かないわ」

 眼前まで迫り、拳を振り上げる佐天に向けて失神する程度の軽い雷撃を放った。が、佐天はそれを容易く回避し、御坂の鳩尾に拳を叩き込んだ。

 御坂は思わずその場にしゃがみ込み、溝口を抑え、苦痛に顔を歪める。

御坂「…ッ」

御坂(…そんな、嘘。威力を最小限に抑えたとはいえ、私の電撃を……有り得ない。今のは空から降る雷を目で見て避けるようなものよ。まさか今のが)

佐天「―――そうです。だけど今のは私の能力の一端ですよ、御坂さん。相手が格下だと思って油断しましたね」

御坂「…ッ」

>>171
済まぬ。文章チェックをせずに投下してるんだ。会話に違和感あるかもしれないけど見逃してほしい

御坂「……確かに…ッ…油断…し」

 言い終わる前に佐天はもう動き出していた。溝口に対する打撃は確かに効果抜群だけど直ぐに回復するのが難点だ。しかし、完璧に回復する前に佐天は次の攻撃を仕掛けていた。

佐天「はッ!」

 身を屈め、御坂の足を払い、そのまま転倒した御坂の足を全体重をかけて踏み付ける。

御坂「ッ―――!」

 佐天はあの一週間の間、能力開発の他にやっていたことがある。プロの格闘家たちの闘いのビデオを見て、それを模倣し、猟犬部隊の隊員を相手に練習していた。

 それに写輪眼を合わせた佐天には、近接戦闘で右に出る者はいないだろう

 佐天は足をどけ、今まで踏んでいた御坂の足に視線を落とす。完全に折れていた。これではもう立てないだろう。

佐天「御坂さん。勝負ありましたね。私の勝―――」

御坂「まだ…よ!」

 御坂は這うように壁際まで移動し、それを支えに立ち上がる。片足は折れているにも関わらず立った。

佐天「どうしてそこまで……もうやめてください!」

御坂「私は、こんなとこで、絶対、そうよ。こんな痛み、あの子たちの苦しみに比べれば、なんでもないようなもの」

佐天(あの子? 誰だろ―――)

 その思考を遮るように雷撃の槍が飛んできた。今度はさっきの弱々しい電撃ではなく、ひとひとりくらいなら容易に殺せそうなレベルの電撃だった。

佐天「あ、ぶな」

 もうちょっと反応が遅れていたら完全に直撃だっただろう。

佐天「い、今のは完全に私のことを」

御坂「――るさい。うるさい。黙れ」

 御坂の前髪を軸に電撃が溢れ、彼女を取り囲むように青白い雷撃が数多に放出する。

 それは御坂を外に出さない為の鳥かごのようだ。そして、それはまるで外部からの御坂に対する害悪を完全に遮断するバリアのように見える。

佐天(うーん、どうしようかな。あれじゃあ迂闊に近寄ることすらできない)

 幾多の鞭のように曲折に伸びる雷撃の槍を避けながら次の手を考える。

また誤字った。変換機能クソすぎ

 近寄れない。遠距離攻撃。この二点のことを考えた時、佐天は次の手を思い付いた。

佐天「…仕方ない。あれを使お」

 雷撃の鞭を避けながら御坂に視点を合わせる。これは直接、相手の目を見る必要がある。

佐天「よしっ、今だ!」

 瞬間、御坂の見ていた世界が変わった。いつの間にか足の痛みも消えている。それどころか折れていたはずの足が元通りになっていた。

御坂『……ここは…なに…』

 その時、御坂の視線の遥か先にひとつの人影がある。本来、その位置からだと声は聞き取れないだろう。だけど、まるで耳元で囁かれているかのように鮮明に聞き覚えのある声が聞こえてきた。






『ようこそ、私の月読の世界へ』

 それは佐天の声だった

御坂『さ、てんさん?』

佐天『はい、何ですか、御坂さん』

 いつの間にか視線の先にいる佐天は消え、御坂の隣に立っていた。

御坂『こ、ここは』

佐天『安心してください。これは幻です』

御坂『…幻?』

佐天『私の能力の内のひとつなんですよ、御坂さん。ちなみにこの世界では、御坂さんの能力は使えませんよ?』

御坂『………本当みたいね。何もできない…』

佐天『これでゆっくりとお話できますよ』

御坂『…話?』

佐天『はい、研究施設を襲撃していた本当の理由です』

御坂『………』

佐天『話してくれるまで帰しませんよ? ちなみにこの月読の空間は時間さえも私の支配下にありますから時間切れを狙うなんてことは無理ですよ?』

御坂「…はぁー、分かったわよ。佐天さん達を巻き込みたくはなかったんだけど……仕方ないわね」

佐天「御坂さん達のおかげで面倒事には慣れてますから」ニコッ

御坂「だけど、良い? 今から話すことは他言しないでくれる?」

佐天「はい、分かりました」

御坂「それじゃ――――」


絶対能力進化計画を説明中

御坂『―――というわけよ。ふざけてるでしょ。だから私は』

佐天『そんなことがあったんですか。それでその実験に関わりのある研究施設を潰してまわってるんですね』

御坂『そうよ。だけど潰しても潰してもキリがないのよ』

佐天『……そうですか』

御坂『だけど、ようやく実験を止められる手を見付けたの。だからお願い。早くこの空間から出して』

佐天『嫌です』

御坂『な、なんで』

佐天『だって御坂さん。死ぬつもりでしょ?』

御坂『ッ』

佐天『なんでそれを、って顔をしていますね。分かりますよ、それくらい。短い付き合いとはいえ、友達じゃないですか』

御坂『だって、でも、そうしないとあの子たちが……』

佐天『……一方通行の相手は私がやります。なので御坂さんは見ていてください。必ず妹さん達を助けてきます』

御坂『!?』

御坂『ダ、ダメ! そんなの…』

佐天『大丈夫です。少しは私のことも信じてください、御坂さん』

御坂『…っ…あっ……』

御坂『(な、に、これ。いきなり…ねむく…なっ…)』

佐天『……おやすみなさい、御坂さん』

佐天「っ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…ゲホッ…ゴホッ…」

佐天(一方通行、か…)

佐天(…ああ、その前に御坂さんを病院に運ばないと…)

佐天(………)

佐天「御坂さん、さようなら」

 壁に背を預け、眠る御坂の額に軽く唇を触れさせ、白井に御坂を迎えにくるように電話した後にその場を後にする。

 佐天は走っていた。先に使用した月読のせいで体力が大幅に削り取られ、疲労困憊にも関わらず走っていた。

 ただ、闇雲に走っているわけではない。彼女は以前に初春飾利のクローンと相対したことがある。

 そのことを思い浮かべた佐天は、その時に彼女の能力開発を担当していた芳川に電話をかけ、問い質してみた。結果は当たりだった。芳川は絶対能力進化計画に加担していたようだ。

 初めは難航するかと思いきや、絶対能力進化計画のことを尋ねると直ぐさま次の実験のことを教えてくれた。おかげさまで容易に次の実験の場所まで来れた。

佐天「…はぁ…ッ…はぁ…はぁ…こ…はぁ…ここ……はぁ」

 何もない。普通のコンビニの前だ。

佐天(も、もしかして…ダマされた?)

佐天「…っ…やっぱり…あの研究所まで行けばよかったかな…」

 息を整え、ブツブツと愚痴をこぼしていると不意にコンビニの自動ドアが開き、大量の缶コーヒーの入ったコンビニ袋をぶら下げた白い少年が出てきた。

 佐天は咄嗟に道を譲り、その少年を見送った。

佐天(…うわぁ、白いなぁ。それに細い。羨ましい。あの髪は染めてるのかな。ビジュアル系?)

 そんな風に思考を巡らせていた直後、少年のカラダに高速の鉛玉が襲い掛かる。

佐天「…あ!」

 が、信じられない光景を見た。少年を貫通するはずの弾丸が元の軌道に戻り、跳ね返った。

 佐天はその力を知っていた。その能力を駆使する者を知っていた。本名は不明。書庫にも本名は登録されていなかったのだが、通称はある。彼の通称は一方通行。彼女の探していた倒すべき敵である。

佐天「一方通行!」

一方通行「あン?」

一方通行(…このガキはあン時の、なンでこンなとこに)

佐天「今ここであなたを倒す!」

一方通行「……は?」

一方通行「あァ、オレは今からやらねェとならないことがあンだよ。それが終わったら相手してやるから待ってろ」

佐天「御坂さんの妹さんのところには行かせない!」

一方通行「……」ピクッ

一方通行「おいおい、なンでオマエがあの実験のことを知ってンだァ?」

佐天「私を倒したら教えてあげる」

一方通行「あン、上等だ。泣いて詫びいれてももうおせェぞ、このクソガキ」

 その言葉を終えるのと同時に一方通行は佐天の眼前まで移動する。

 彼に少しでも触れられたら終わりだが、その直線的な動きに佐天は一方通行の伸ばした腕を容易に避ける。

 何度も何度も佐天に触れようと手を伸ばすが、まったく掠りもしない。

一方通行「…ちッ」

佐天「………」

佐天(なにこれ。このひとの動きはまるで素人。一回も喧嘩をしたことがないような動き方…)

一方通行「ちょこまかと逃げてンじゃねェよ!」

 一方通行は地に固められたコンクリートを踏み砕き、それを佐天に蹴り飛ばす。

佐天「…っ」

 佐天は何とか避けたのだが、飛来するコンクリートの塊ばかりに気を向け、その影に隠れていた一方通行には気が付かなかった。

一方通行「よォ、とりあえず一発ぶン殴ってもいいよなァ」

佐天「!?」

 咄嗟に両方の腕で一方通行の拳を防いだものの佐天は吹き飛び、ビルの壁に激突した。両腕の骨が完全に砕け、さらに肋や背骨まで折れてしまっている。もう立つことすらできない状態だった。

一方通行「ギャハハハハハ、どォだァ、今の気分はよォ」

佐天「…うっ…ま…だ…」

一方通行「ちッ、正義の味方気取りのバカが、そこであの人形どもが壊れていく様を指くわえて見ていろ」

佐天「…ッ…」

佐天(…天照)キッ

 直後、一方通行の身体が黒い炎に包まれた。

一方通行「おいおい、何だ、なンだよ、これは」

 どれだけ黒い炎を反射しても燃え続け、一方通行の体を包み、蝕んでいく。

一方通行「…ッ…オ…マエ…なンだ…くっ…」

 天照の黒炎によるダメージはない。だけど一方通行が反射を続けることにより、天照はさらに範囲を広げ、周囲の酸素まで燃やし続ける。

一方通行「オ、マエ、酸欠、狙いか」

一方通行「…くっ…はッ…こンな最後の悪あがきは無駄なンだよォオオオッ!!」

 咆哮と共に暴風が吹き荒れ、黒炎を吹き飛ばそうとするが、まったく消える気配がない。

一方通行「なンだよ、なンなンだよ!! なンでオレの邪魔をすンだオマエは!」

 一方通行はコンビニを持ち上げ、佐天に向け、投擲する。

佐天「…ま…だ…」

佐天(これで…最後……)

 迫る巨大な物体。月読では防げない。天照でも間に合わない。

佐天「…須佐能乎」

 それと同時に佐天を包み込むように巨体が顕れ、手にある盾を使い、迫る巨大な塊を防いだ。が、その衝撃で投擲されたコンビニは瓦礫に変わる。

一方通行「なンだ、そンなのもあンのか」

 須佐能乎は刀を振り上げ、そのまま振り下ろす。それを受けた一方通行の足元にはヒビができていた。

一方通行「…なッ」

一方通行(反射ができねェ、いや違う。このオレの反射膜ごと)

一方通行(それに、この黒い炎、はやく消さねェと)

 次は横に薙ぎ、一方通行を吹き飛ばす。

一方通行「……くっ…そ」

一方通行(っ、流石にやべェな、意識が朦朧としてきやがった。…ちくしょ…)

 そのまま一方通行は意識を失った

佐天「………ぉ………わ……り…」

 そして佐天はついに目の前から完全に光が消え、何も見えなくなってしまった。

――――数日後。佐天は白い空間で目を覚ました。

佐天「こ、こは」

「さ、佐天さん! 目が覚めたんですね!! ここは病院です」

 隣から見知った友人の声が聞こえる。この声は初春だろうか。

佐天「ういはる?」

初春「はい、そうです!」

 佐天は手探りで初春を探し、何かに触れるとペタペタ触った。

佐天(やわらかい)

初春「……佐天さん。そのっ、目は…」

佐天「?」

初春「い、いえ、何でもないです」

佐天「……大丈夫だよ、初春」

初春「佐天さん…」

 その時、扉が開いた音がした。誰かが入ってきたのだろうか。

「お見舞いにきたんですの。佐天さんの具合は」

 この独特な声は白井さんだ。

初春「えっと、その……」

佐天「大丈夫ですよ、白井さん。ちょっと目が見えなくなって歩けなくなっただけですから命に別状はありませんよ! えっと、御坂さんは…来てないんですか?」

「……佐天さん」

佐天「あっ、御坂さん。嫌だなぁ。来てたんなら一声かけてくださいよ」

御坂「…ッ…ごめんなさい!!」

佐天「…? どうして謝ってるんですか? 謝るのは私の方ですよ。あの時は足を折ってごめんなさい!」

御坂「そんな、佐天さんは私を止めようと―――」

「やれやれ、ここは病院だよ? もう少し静かにしてほしいんだけどね」

 また声が聞こえた。今度は知らないひとの声だ。

佐天「…へ? えっと…ごめんなさい」

「それとキミ達、彼女はまだ面会は禁止のはずだよ」

初春「え、あっ、はい。ごめんなさい!」

白井「ほら、お姉様。はやく出ませんと」

御坂「あっ、黒子たちは先に行ってて、私は佐天さんに伝えないといけないことがあるから」

白井「ですけど、お姉様。佐天さんはまだ安静に―――」

佐天「白井さん、お願いします」

白井「もう仕方ないですの。ほら、初春行きますわよ」

初春「わ、わ、引っ張らないでください、白井さーん」

御坂「えっと、ちょっとだけ時間良いですか?」

「やれやれ、僕は医者だよ。患者のことが大優先なんだ」

佐天(お医者さんなんだ…)

佐天「…えっと、御坂さんと二人でお話したいので、ダメですか?」

「はぁー、僕は患者に必要なモノは全て用意するんだ。患者の君がその子との会話を必要だというのなら僕に止めることはできないよ」

佐天「ありがとうございます!」

佐天「それで、御坂さん。お話とはあの実験のことですよね? あれはどうなりましたか?」

御坂「一応、実験は無事に凍結。被験者の一方通行は植物状態になり、入院中」

佐天「そうですか。良かったですね、御坂さん!」

御坂「……なんとお礼をしたらいいのか分からない。私に出来ることなら何でもするわ。何かしてほしいことはある?」

佐天「ううん、お礼とかは別に良いです。私はただ―――」

御坂「?」

佐天「いえ、やっぱり何でもないです」

御坂「え、なにそれ。途中まで言って止めるなんて気になるじゃない! ねぇ、佐天さん! 何を言おうとしたのか教えてよ」

佐天「秘密です♪」

御坂「もう!」





佐天(私はただ―――折角できた繋がりを断ち切ることなんてできないんですよ。その繋がりを守る為なら私は全てを捨てることも厭わない)

おわり

途中、誤字がいっぱいあったお。ついでに溝口さんを盾にしたことは悪く思うな

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