エレン「予知夢を見た」(15)
エレン(この・・・でかい害虫が)
エレン(今からオレが駆除してやる)
エレン(―――・・・、○○○○○・・・)
エレン(この裏切りモンが―――!!)
・・
エレン(引きちぎってやる)
エレン(バラバラに・・グチャグチャに・・・)
エレン(細かくしてから・・・喰ッテヤル)
エレン(この世カラ・・・一匹残ラズ・・・)
エレン(モットダ・・・ モットコロス・・・)
エレン(モットコロシタイ)
エレン(モット・・・イッパイ)
エレン「食ってやる」
・・・
アルミン「・・・エレンっ」
エレン「・・・あ、・・・アルミン?」ハアハア
アルミン「大丈夫かい・・・ひどいうなされようだったよ」
エレン「あ、ああ・・・(夢か・・・)悪いな、今は・・・」
アルミン「朝の5時だ。今日は訓練休みだから、みんなまだ寝ているよ」
―グオー グーグー ムニャムニャ
エレン「そうか・・・ありがとよ、起こしてくれて。気分スッキリさせたいから、散歩でもしてくるよ」
アルミン「わかった、いってらっしゃい」フア
・・・
スタスタ
エレン(嫌な夢だった・・・)
エレン(巨人になっちまう夢なんて。・・・でも)
エレン(ずっと、妙に高揚していた・・・巨人をぶっ殺してたからかな。あんな気持ちは初めてだ、夢だけど)
エレン「ん?」
ベルトルト「・・・1、2、3・・・・10。芽がでた」サクサク
エレン「ベルトルトか。なにしてんだ・・・っう!」ズキン
―――「お前が蹴り破った扉の破片が俺の家に直撃したから・・・」
―――「どう思った? あのとき・・・」
エレン(なんだ・・・夢で聞いたのと同じ声が・・・)クラ
エレン「う・・・」フラッ
ベルトルト「? あ、エレン。・・・!」
―――「お前らは・・・ただの人殺した。大量殺人鬼だ」
エレン「!」トサ
ベルトルト「エレン、大丈夫か?」
エレン「ベルトルト・・・」
ベルトルト「立ちくらみかい? 倒れそうになってたから、駆け寄ったんだけど・・・立てる?」
―――「この世界を地獄に変えたのはお前らなんだぞ! わかってんのか、」
エレン「この人殺しが」
ベルトルト「・・・えっ・・・?」
バキッ!!
ベルトルト「・・・!?」ドサ カラン
エレン「殺してやる・・・」(ベルトルトが持ってたスコップ・・・)ヒョイ
ベルトルト「エレン、・・・何を・・・っ、!? キミ、目の色が金―――」
ガツンッ
ベルトルト「・・・!!」ガク
エレン「なるべく苦しんで殺せるよう、努力するよ」ニヤ
・・・
夕方、男子寮
エレン「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ・・・10」
ガチャ
アルミン「ただいま~、あれエレン、部屋にいたのかい?」
エレン「おう、おかえりアルミン・・・」
アルミン「? 今日はみんなやけに出払っているね、いつもより静かな気がするよ」
エレン「そうだな」
アルミン「エレンはずっと部屋にいたの。・・・なに見てるんだい?」
エレン「ん、今日駆逐した記録を眺めてたんだよ」パタン
アルミン「・・・? そう、エレンらしいね」(なにか棒みたいなものが並んでるのが見えたけど・・・木製の巨人像の一部か
何かかな? 蓋を閉めたから一瞬しか見えなかった)クル
スタスタ・・・
アルミン「とりあえず着替えちゃおう・・・街も人が多くてさ」ヌギ
エレン「・・・」ジッ
アルミン「・・・、・・・。・・・それで、見かけた学術書の続きを探していたらこんな時間に・・・、エレン? 聞いてる?」クル
アルミン「あ」
・・・
同日、朝
―――「モットダ、モットコロス」
クリスタ「エレン、おはよう」
クリスタ「・・・? エレン、その包丁どうしたの」グサッ
クリスタ「・・・え”っ?」
クリスタ「え? いや・・・、っ嘘でしょ・・・? エレ、・・・イヤ、イヤだ・・・ッ! わたし、こんな半端なとこで」ズバッ
・・
ユミル「お、エレン。クリスタ見なかった?」
ユミル「アイツ、顔洗いに行って、そのまま帰ってこねえんだよな~」
ユミル「・・・お前、その刃物、!」ヒュンッ
ユミル「危ねえ・・・、お前、気でも違ったのか? ・・・!」
ユミル「・・・その血、まさか、クリスタ、を」ドスッ
ユミル「・・・テメエ・・・ッ、殺す、殺して、や、」ズバッ
・・
サシャ「お腹へった・・・朝ごはんまだやろか」
サシャ「! え、エレン! いたんですかちょっと失念していました・・・」アワワ
サシャ「・・・? エレン、あなた男の人なのに、なんだか血のニオイが・・・」クル
サシャ「・・・ウソ」グサ、ズパッ
・・
コニー「・・・99、100!」
コニー「ふはー、これだけ懸垂したら1mmくらい・・・お、エレン。お前も朝練か?」
コニー「なあ、なんとかこのまま10位以内キープしたいよな。お互いがんば、」グサ
コニー「・・・、う、うあ、・・・!?? ・・・オマエ、まさか初日にバカにしたこと怒って」ドスッ
・・
マルコ「・・・で予定は、・・・の訓練の後、・・・ここで試験勉強かな。よし、来週はこれで・・・」カリカリ
マルコ「ん? あ、エレン、おはよう」パタン
マルコ「来週はいよいよ雪山訓練だね。雪に慣れていないから不安で――、エレン?」
マルコ「キミ・・・なにを持っているんだ? 鶏を捌いた? 違うよね・・・」
マルコ「・・・教官のところへ行こう。キミは優秀な兵士だ、きっと・・・、!! うぐっ!」
マルコ「なんだこの力・・・っ、離せ、エレン、キミは」グサッ
マルコ「えれ」グサッグサッ
・・・
ジャン「・・・で、出力をXとして、距離がY・・・、ん、・・・んだよ死に急ぎか」
ジャン「テメーは脳筋らしく朝練でもしてたらどうだ? どうでもいいからジャマすんじゃねーよ」
ジャン「チッ、約束してたマルコは来ねーし、コイツは来るし、イヤな休日だ・・・あ”あっ!?」グサッ
ジャン「おま、おまえ・・・っ、なにしてくれんだ、手・・・ッああ!!」グサッ
ジャン「イヤだ、やめてくれ・・・っアンカー握れなくなっちまうっ、・・・兵士になれなくっ」ドスッ
・・・
アニ「・・・200、201、202、」ブンッブンッ
アニ「・・・。・・・何か言いたいことあるなら言ったらどう」
アニ「じっと見られると、集中できないんだよ・・・。この技を覚えたいなら」グサッ
アニ「・・・!! エレン。あんた、これは洒落にならないよ。・・・っ」
アニ「・・・」
アニ「間合いが近すぎると、技をかけれない。弱点、よく見抜いてるね」ドスッ
・・
ライナー「よう、どうも血なまぐさいと思ってたら・・・まさかお前とはな」
ライナー「一体どうした? 話をしよう。何がお前をそうさせて、おっと」ヒュッ
ライナー「正直、お前の気が違ってようが、知ったこっちゃない。だが傷つけられちゃ困るヤツがいるんだよ。・・・」ヒュンッ
ライナー「いい加減にしろ、な」ガシッ! グイ
ライナー「身体能力が上がっているな・・・目の色もおかしい。金色じゃなく緑だったろ・・・お前、なにがあった? とにかくこのナイフはもらっとくぜ」ググ
ライナー「・・・? 血が蒸発した跡・・・。・・・嘘だろう、姿が見えないと思ったら、!」グイッ グサッ
・・
ミカサ「エレン、おはよう。今朝は練習してないの?」
ミカサ「え、エレンが嫌じゃなかったら・・・いっしょに湖まで30往復走り込みをしよう」
ミカサ「・・・? エレン、なにかついてる」ゴシ
ミカサ「・・・エレン? なにを」
ミカサ「えれ」
・・・・・
アルミン「・・・エレン、起きて」ユサユサ
エレン「・・・あ? ・・・・」
ワイワイ
ジャン「オイオイ死に急ぎ野郎・・・今日はボーッとしてたのかよ。これじゃ死に急ぎじゃないタダの野郎だな」ハッ
マルコ「心配してるんだよ、コイツは・・・。エレンは街に出てなかったんだね」
エレン「・・・、・・・ああ・・・」ボーッ
ライナー「オイ、大丈夫か? 疲れが溜まってるんじゃないか」ポン
エレン「ん? イヤ平気だよライナー、ありがとう」
コニー「今日は久々に街に出て楽しかったなー」ノビーッ
ジャン「夕飯行こうぜ」
アルミン「うん・・・あ、ベルトルトは?」
ライナー「ああ、食事当番だったな。エレン、行くぞ」
エレン「ああ・・・」フアア
食堂
クリスタ「はーい、スープどうぞ」
ライナー「クリスタも当番だったのか・・・」
クリスタ「うん。あ、今日は・・・、って、ユミル!」
ユミル「オイ、後ろつかえてんだよ。さっさと行け」グイグイ
サシャ「おいしい! 今日は街で遊んできたので、いつもよりおいしいですー!」パクパク
コニー「お前あんだけ買い食いしといてよく食えるな・・・」
サシャ「胃がいい感じにあったまってるんです」グルル
ミーナ「わたしは買い食いでお腹いっぱいかも・・・アニ、パンいる? 自主練してたんでしょ」
アニ「わたしはいいよ・・そこの猛獣に狙われたくないんでね」
アルミン「今日はみんな出かけていたんだね・・・。静かなはずだよ」
エレン「そうだな」
アルミン「そういえば・・・今朝うなされていたようだけど、あれから気分は大丈夫かい?」
エレン「ああ。朝は、・・・・・・を殺す夢を見てたんだ・・・」
アルミン「? 巨人・・・じゃないか。・・・・刃物を扱う生活でナーバスになっていたんだよ、きっと」
エレン「そうだよな・・・。人を、なんて。・・・、ハハ、イヤ、なんてな。ウソだよウソ、アルミン」
・・
ガチャガチャ カチ キイ
エレン「・・・」
エレン「ウソだよ、なあ?」
エレン「お前は人じゃねえ・・・ただの大量殺人鬼だ、・・・ッ!」
グサッグサッグサッ、ズパアッ
エレン「・・・・ハア、ハア・・・っ。動かなくなった。討伐数11・・・」
ブチッ
エレン「またくるぜ○○○○○」
キイイイ バタン ガチャ
終わり
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