夏目漱石「765プロダクション?」 (15)

大根

代行ありがとうございます!
過去に同じようなスレがありますが、被らぬように進めていきます
では、早速スタートです

夏目「うむ。非常に素晴らしい」

夏目「今度の小説は、偶像を主題にしたものにしようと思うのだがね」

編集者「いいですね。哲学ですか? いわゆる実存主義的な」

夏目「否、哲学小説として書くつもりはない」

編集者「と、言うと?」

夏目「うむ。つまり、人気を集める、ある人物たちを半ば偶像化するというわけだ」

編集者「なるほど、難しいですが、夏目さんがやる気になってくれるのは非常にありがたい! 原稿待ってます」

夏目「うむ。まずはひと通り政治犯などの文献を漁ることから始めたい」

現代
律子「へ~」

小鳥「どうしたんですか?」

律子「夏目漱石の未発表原稿が発見ですって」

小鳥「へ~。凄いことなんですか?」

律子「完結してるかどうか分からないですけど、解読して出版するんじゃないですか?」

小鳥「そしたらめちゃくちゃ売れるでしょうね」

律子「そうでしょうねえ~やっぱり、なんてったって、天下の夏目漱石ですから」

小鳥「律子さんも読むんですか?」

律子「いや、私はすこししか読まないかな。こころとか、そんぐらいですよ」

小鳥「私、こころとか、現代文の時間しか読んだことないですよ~」

夏目「こころか……」

律子・小鳥「……ん?」

律子「あ、あの~」

夏目「何か?」クルッ

律子「ど、どちらで?」

夏目「どちらって、君。さっき文献を要求しただろう。夏目だよ」

律子「……へ?」

律子「こここここここここここ」

小鳥「分かってます。私も、何がなんだかわかりません」

律子「そ、そのわりには」

小鳥「ええ。妄想力を酷使しています」

律子「私も、妄想しておけばよかったな……」

夏目「何をぼそぼそと話とる。と、いうか。君たちは誰だ? ここも、図書館の待合室にはずいぶんと違うようであるが」

律子「ひィ!?」

小鳥「な、夏目ってことは、あ、あの漱石?」

夏目「そうだ」

律子「あ、頭がおかしくなりそう」

夏目「何か可怪しいところはあったか」

律子「お、可怪しいも何も……」

数十分後
夏目「なるほど。わけがわからんが無理やり理解した」

律子「ど、どうも」

夏目「困ったな……原稿も何も書けん」

律子「げ、原稿って、あの何か書こうとしてたんですか?」

夏目「ああ。こころに続く、もう少し難解な話を」

律子「そ、そうですか」

夏目「こころか。あれは当時もかなり反響があった。ちょうど私が世間に広く知られていた時期だったからなあ」

小鳥「そ、その前に、どうやって帰るか考えなくちゃ」

夏目「いや、別に帰らなくてもよかろう。私はどうせ過去に帰っても死ぬだけだ。思うに未来というのだからそれなりに楽しいところだろう。満喫したい」

律子「は、はあ」

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