漆原「うどんは飽きた」
芦屋「魔王城は財政難だ。ありがたみを持って食べろ」
漆原「だからって、昼も夜もうどんはやりすぎだよ」
芦屋「元はと言えば貴様が8000円分もピザを頼むのが問題であって」
漆原「だって、たまにはパーっと食べたいじゃん」
芦屋「やりすぎだ!」
鈴乃「まったく静かに食べられないのか…って、魔王は何をしている?うどんが出来上がったぞ?」
真奥「…ああ。月が綺麗だなって」
鈴乃「!?」
■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~
鈴乃「という事があったんだ」
恵美「へぇ~…で、今の何が問題なの?」
千穂「『月が綺麗ですね』は『アイラブユー』って意味なんですよ」
千穂「ちなみに今回は『月が綺麗だな』だから、ギリギリセーフです!セーフなんです!」
恵美「なっ!?」
鈴乃「まったく魔王め…」
恵美「で、で、でで!返事はどうしたの!?プロポーズ受けちゃったの!?」
鈴乃「何を慌ててる…そんな事あるはずなかろう」
恵美「そ、そうよね」
千穂「私にも言って欲しいな~」
恵美「え?」
千穂「い、いえ。何でもないです。あはははは」
恵美「まったくデリカシーがない男よね…そういえば、私の時もこんな事があったわ」
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
真奥「あーたまにはもっと具が入った味噌汁とか食べたいなー」
芦屋「そうですね。今は余裕がありませんが、もっと収入が増えたら私も食べたいものです」
恵美「味噌だけって…せめてネギくらい入れなさいよ!ネギくらい!」
芦屋「貴様!ネギは意外と高いんだぞ!」
恵美「はぁ~…それくらい買いなさいよ」
芦屋「魔王城の家計の状況を舐めて貰っては困る!貴様の髪以上に真っ赤なんだぞ」
恵美「ちなみにうちの今日のお味噌汁は、豆腐、ネギ、しいたけ、大根を入れて作ったわ」
芦屋「ぐ、ぐぬぬぬぬぬ」
真奥「恵美!」
恵美「何?ああ、悔しかったかしら?もっと悔しがっていいのよ?味噌だけの汁なんて味噌汁と呼べないしね」
真奥「お前の味噌汁が食いたい!」
恵美「は、はぁ!?」
真奥「俺はお前の味噌汁が食いたい!」
恵美「あ、あなた何を!?」
芦屋「魔王様あああああああああああああああ」
真奥「芦屋!?」
芦屋「私じゃダメなんですか!?私が毎日作っている味噌汁では!」
真奥「たまには具が入ってるのを食べたい」
芦屋「わかりました!なんとかしますから!お願いですから、他の女性…ましてや勇者にそんな事を言わないでください!」
真奥「…ん?あ、ああ」
恵美「…」
■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~
鈴乃「ほう、そんな事が…」
千穂「そういえば、今日真奥さんが味噌汁に玉ねぎが入ってたって大喜びしていました」
恵美「…その程度で大喜びする魔王って…」
鈴乃「はぁ~」
千穂「って、何ですか!それ!私言って貰ったことありません!」
恵美「いや、別に私は言ってほしかったわけじゃないし」
千穂「でも、さっきの話をしている遊佐さんの顔は…」
恵美「え?私の顔がどうかした?」
鈴乃「嫌というより、自慢話をしているような顔だったな」
恵美「そんなわけないでしょう!」
千穂「じ、じゃあ!私だってとっておきの話!とっておきの話をします!」
恵美「う、うわぁ~、聞きたいわぁ~」
鈴乃「ど、どんな話なんだろうな~。気になるぞ~」
ちーちゃん「また胸が大きくなった」
貧乳×2「ぐぬぬ…」
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
千穂「真奥さん、今少し時間大丈夫でしょうか?」
真奥「今店もすいてるし。大丈夫だぞ」
千穂「あの、ここってこれがやりづらいじゃないですか」
真奥「ああ、前よりはよくなったけど、やっぱり無駄が多い気がするよな」
千穂「ですので、ここをこうやって、あーやれば…」
真奥「え?…ああっ!おおー!」
千穂「ってな感じで、効率化できると思うんですけど」
真奥「さすがちーちゃん!よし!さっそく木崎さんに提案してくる。もちろん、ちーちゃんの案としてな」
千穂「は、はい!」
真奥「じゃあ、レジは任せるから」
千穂「はい!任せてください!」
真奥「オッケーだ。後日時間を作ってから、一度試みてみるって」
千穂「あ、ありがとうございます!」
真奥「それはこっちのセリフだっての」
真奥「でも、俺もうかうかしてられないなー」
千穂「え?」
真奥「うかうかしていると、ちーちゃんにすぐ追い抜かれちゃうかもしれないなって」
千穂「そ、そんな事ありません!それに別に順位とかどうでもよくて」
真奥「そうだよなー、誰が凄いとか関係ないよな」
千穂「そうです!みんなでこのお店を凄くしていく事が大切だと思うんです」
真奥「そっかー。やっぱりちーちゃんから学ぶ事は多いなぁ~」
千穂「そんな事ありません。私だって真奥さんが凄過ぎて、毎日いっぱい教えてもらってますし」
真奥「そうだな。そうだ。よし!ちーちゃん?」
千穂「はい?」
真奥「これから、一緒にもっと楽しい職場にしていこうな」
千穂「はい!」
■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~
千穂「えへへ~。って事が」
恵美「…ん?」
鈴乃「えーと…魔王が清く働いているというのしか伝わってこないんだが?」
千穂「よく考えてください」
千穂「『一緒にもっと楽しい職場にしていこうな』の職場を家庭に置き換えると」
千穂「『一緒にもっと楽しい『家庭』にしていこうな』になるんですよ!真奥さんったら……きゃー」
恵美「!?」
鈴乃「何というか…千穂殿は妄想力が逞しいな」
千穂「女子高生では必須スキルです♪」
千穂「あと、あれはまだバイトを始めたばかりの頃なんですが…」
恵美「はいはい」
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
真奥「スマイルが難しい?」
千穂「はい。正直今まで無理矢理笑顔を作った事がなくて」
千穂「その…どうやったら自然な笑顔が作れるんでしょうか?」
真奥「ああー。そういえば、俺も最初はずっと自然な笑顔でいるのが難しかったな~」
千穂「そ、そうなんですね!」
真奥「うーん、じゃあ一般論から教えるね」
千穂「はい!」
真奥「イーってやってみて」
千穂「いー」
真奥「はい、口を閉じて」
千穂「んー」
真奥「そ、そんな感じ。目は笑ってないけど、最低限な笑顔かな?」
千穂「え?こんなんでいいんですか?」
真奥「いいや。あくまでも最低限ね。他の手段としては、あいさつ」
千穂「あいさつですか?」
真奥「うん。佐々木さんがバイトを始める時、みんなに挨拶するでしょ?」
千穂「は、はい」
真奥「その時の笑顔、俺は好きなんだ」
千穂「そ、そうでしょうか?」
真奥「だから、みんなに挨拶をしているつもりで、声には出さずに顔だけやってみて」
千穂「はい!」
千穂「…」ニコッ
真奥「おお!まだちょっと不自然だけどさっきより全然いいよ」
千穂「やった…ありがとうございます!」
真奥「じゃあ、最後に俺がやった事を教えるね」
千穂「はい!お願いします!」
真奥「幸せな時の事を思い浮かべる…かな?」
千穂「え?あっ…なるほど」
真奥「あっ、今普通だな~って思ったでしょう?」
千穂「すいません。でも、幸せな時…って、例えば真奥さんはどんな事を思い浮かべるんですか?」
真奥「俺は…飯の時かな?」
千穂「へ?」
真奥「ああ、前に住んでた所は、こんなに食文化が進んでなかったから」
真奥「飯ってこんなに美味しいんだって感動しちゃってさ」
真奥「だから、恥ずかしい話、毎晩の飯が楽しみでさ」
千穂(真奥さんって英語もペラペラだし、外国に住んでたのかな?)
真奥「だから、どんなに疲れている時でも、飯の事を思い浮かべれば楽しみで楽しみで笑顔になっちゃうんだ」
千穂「そうなんですね。でも、私…まだそういう思い浮かべるだけで笑顔になれるような、思い出が…」
真奥「これから作っていけばいいよ。俺の方が佐々木さんより長く生きてるけど、そんな幸せを見つけたの最近だし」
千穂「は、はい!がんばります!」
真奥「うん、がんばって」ニコニコ
千穂「あっ、もしかして、今…考えてます?」
真奥「はははは。わかるかな?」
千穂「だって、今すっごい笑顔してますよ?」クスッ
真奥「佐々木さんだって今笑顔だよ?」
千穂「え?あっ……私決まりました!」
真奥「え?何が?」
千穂「真奥さんのすっごい笑顔を思い浮かべます!」
真奥「え?えぇ!?」
千穂「だって、真奥さんのすっごい笑顔はすごいです!私も笑顔になっちゃうくらいですから!」
真奥「はははは。それは恥ずかしいなぁ~」
ピロリン♪
真奥「え?写メ?」
千穂「はい!脳裏に焼き付けていつでも笑顔になれるように特訓します!」
真奥「恥ずかしいな~。でも、無理せず頑張ってね」
千穂「はい!」
■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~
鈴乃「外面の魔王を想像するだけで気持ち悪い…」
千穂「で、で、で!これがその時の真奥さんの写メなんです!」
恵美「…」
千穂「あと、勉強の為と思って、この時の会話を録音していたんですが…」
真奥『その時の笑顔、俺は好きなんだ』
恵美「なっ!?」
千穂「さらに、これを編集した音声が…」
真奥『俺、ちーちゃんが…好きなんだ』
恵美「あいつ!な、ななんて事を!」
鈴乃「編集とは…さすがにやりすぎだ…」
千穂「えへへ~。毎晩聞いて寝てるんですよ~。もう幸せで寝不足です」
恵美「ぐぬぬぬぬぬぬ!」
鈴乃「エミリア?ドン引きするのはわかるが…顔がひどいぞ?」
恵美「え?そ、そうだったかしら?」
千穂「せっかく勇気を出して言ったのに、ドン引きしないでくださいよ!」
鈴乃「い、いや。想像以上でな。恋する少女はすごいな」
千穂「む~。そんな事言うんだったら…実は私、鈴乃さんのあれ知ってますよ?」
鈴乃「ん?何がだ?」
千穂「この前、漆原さんとちょっとだけいい雰囲気だったの…」
恵美「!?」
鈴乃「なぁ!?」
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
千穂「こんにちは。芦屋さん…って、魔王城の前で何をしてるんですか?」
芦屋「佐々木さん。静かに…これを…」
千穂「え?何を…って鈴乃さんと漆原さん?」
芦屋「静かに聞いていてください」
千穂「は、はい」
漆原「大丈夫だって。僕だって将来の事ぐらい考えているよ」
鈴乃「そうだな。考えるだけなら誰でもできるぞ?」
漆原「そうだ。考えるだけなら二流。それを実行できてこそ一流」
漆原「僕はそのうちやるから、一流予備軍なんだ」
鈴乃「ほら、訳のわからんことを言ってないで、今やれ」
漆原「えぇ~」
鈴乃「別にそんな大きい事をやれとは言っておらん」
鈴乃「まずはできる事…そうだな。掃除をやってみないか?」
漆原「無理」
鈴乃「そうか。では今すぐこのパソコンの電源を抜いても問題ないな?」
漆原「はあ!?何でそういう話になるわけ?問題ありまくりだよ!」
鈴乃「じゃあ、掃除をしろ。何、難しい事は言わない。アルシエルがいない時にちょっと掃除機をかけるくらいだ」
漆原「どこの母親だよ。まったく…僕はやらないからね!」
鈴乃「母親……ほう…私はそういう冗談は嫌いなんだが?」
漆原「え?あっ包丁!?ご、ごめん。悪かったって。ほら若妻というか」
鈴乃「そうだ。私はまだ二十代…それを忘れるなよ」
漆原「はいはい。じゃあ帰ってね。僕忙しいから」
スッ
漆原「首に包丁が!?」
鈴乃「さあ、選べ。死ぬか掃除するか?」
漆原「なんでその二択なんだよー。わかった。やるよ!やればいいんでしょう!」
………
漆原「はぁ~。終わったよ」
鈴乃「まぁ、六畳だからすぐだったな…ほらこれを見てみろ」
漆原「なに?」
鈴乃「普段アルシエルが綺麗にしているからわかりづらいが…どうだ?綺麗になっただろう?」
漆原「…」
鈴乃「掃除とはいいものだ。やるのは大変だが、やった後に何かこう達成感がある。身も綺麗になった気がする」
鈴乃「…どうだ?綺麗にした感想は?」
漆原「…別に悪くはないかも」
鈴乃「ふふふ。だろう?」
漆原「あーでも、しんどい。疲れた…あっ」
鈴乃「ルシフェル!」
ギュウウウ
千穂(疲労で倒れかけた漆原さんを鈴乃さんが、抱くようにして助けた!?)
漆原「うぅ…頭が回らない…」
鈴乃「体力がなさすぎるだろう…」
漆原「…ねぇ、離してくれない?」
鈴乃「しかし、離したら倒れるだろう?」
漆原「じゃあ、そこの隅でいいから、そこに寝かせて」
鈴乃「はぁ~…元天使のくせに情けない」
漆原「ほっといてよ」
鈴乃「よし、ここでいいか?」
漆原「ありがとう」
鈴乃「疲れた。主に精神的に」
漆原「ベルもやっぱり女なんだね。ギュってして貰った時、柔らかかったよ」
鈴乃「なっ!?」
漆原「最近、布団で寝てないからさ。そういう感覚が新鮮だったんだ」
鈴乃「そ、そうか」
漆原「僕は疲れたから寝る。おやすみベル」
鈴乃「え?あ、ああ…おやすみ」
漆原「Zzzz」ぐー
鈴乃「…天使のような寝顔しよって…」
鈴乃「さっきの事は…不意打ちだ…卑怯…だぞ」
千穂「…鈴乃さん、顔真っ赤…」
芦屋「うぅぅぅ…」ポロポロ
千穂「芦屋さん!?」
芦屋「まさか漆原が掃除をしてくれるとは…」
千穂「ええ!?そこですか!?」
芦屋「うぅぅぅぅぅぅ」ポロポロ
千穂「もう泣かないで下さいよ。はい。これハンカチです」
芦屋「あ、ありがとうございます…」
■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~
鈴乃「の、覗きとは卑怯な!」
恵美「へぇ~」
千穂「でも、元々魔王城は真奥さんと芦屋さんの物ですし、芦屋さんが了承を出せば卑怯も何も…きっと」
鈴乃「ぐ、ぐぅ」
恵美「へぇ~、そんな事がねぇ~」ニヤニヤ
鈴乃「な、なっ!え、エミリア!なぜニヤニヤしている!」
恵美「いえいえ、普段はルシフェルの事を馬鹿にしてるけど、本当は………………なのかな~って」
鈴乃「そんな事あるわけがないだろう!信頼はしている!頼りにはしているが!」
鈴乃「断じて恋愛意識があるはずがない!」
恵美「うん。そういうことにしておいてあげるわ」
鈴乃「ぐっ、だったら私も言わせてもらうぞ!」
恵美「え?なに?」
鈴乃「先日…偶然見かけてしまったのだ」
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ガタンゴトン
鈴乃(それにしても、この電車という機械はなぜこのスピードで走れるのだろう…)
鈴乃(…)
鈴乃(ん?あれはエミリアと魔王じゃないか?)
鈴乃(そういえば、先日魔王が『アラス・ラムスの服を一緒に買いに行きたい』と駄々をこねていたな)
鈴乃(なるほど、それで買いに来たというわけか…)
鈴乃(ちょっと混雑しているが、どうにか近くに行って声をかけるか)
鈴乃(……ん?)
恵美「…」
真奥「…」グーグー
恵美「…」キョロキョロ
真奥「…」グーガー
ススッ
鈴乃(なっ!エミリアが寝ている魔王の肩に寄り添っただと!?)
恵美「…」チラチラ
真奥「…」ガーグー
コトン
鈴乃(なにっ!?今度は魔王の肩に頭を!?)
真奥「…」ガーガー
恵美「//」カァー
■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~
恵美「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああ」
千穂「遊佐さん!?どういう事ですか!?やっぱり真奥さんの事が!?」
恵美「違う!違うの!違うのよ!!!!」
鈴乃「まったく、何がどう違うのか?教えてほしいものだな」ニヤニヤ
恵美「見間違い!そうよ!これはベルの勘違いよ!」
鈴乃「ほう?」
恵美「実は私はあの時に寝ていたの!だからあれは寝相よ!」
恵美「寝ていたら隣の人の肩に頭を置くのは必然的な事よ!」
鈴乃「そうか…あくまでも真奥が好きとは言わないな?」
恵美「当たり前じゃない!あいつは私の倒すべき敵!」
千穂「そうですよね!私、遊佐さんを信じます!」
鈴乃「そういえば、先日こういう事があってな」
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
鈴乃「はぁ~…雨か…傘を持ってくるのを忘れた」
ザーザー
鈴乃「うどんグランプリというイベントがあると聞いて飛んで来たのが失敗だった」
鈴乃「やはり天気予報ぐらい確認するべきだったか」
真奥「おう。何してるんだ?」
鈴乃「魔王か…傘を持ってくるのを忘れてな」
真奥「あー、この雨だと濡れて帰るのは大変だな」
今北
読みたいけどアニメが初見の俺としてはネタバレあったりするなら複雑な所だわ
\バッ/
鈴乃「ほう…良い傘を持ってるじゃないか」
真奥「へへ。とある奴に貰った5000円くらいする傘なんだぜ」
鈴乃「ふむ。がっしりしていて、大きくてデザインも良いな」
真奥「だろう?ほら、一緒に帰るぞ」
鈴乃「なに!?」
真奥「別に一緒に入るのが恥ずかしい間柄じゃねーだろう?」
鈴乃「確かに…そうだが」
真奥「ほら、濡れて帰るぐらいなら一緒に…な?」
鈴乃「ああ。今回ばかりは礼を言うありがとう」
■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~
恵美「」
>>45
ある。ネタばれが気になるなら読まない方がいい
鈴乃「まぁ、いくら大きめの傘とは言え、やはり肩を密着させて帰ったわけだが」
千穂「私を!」
鈴乃「ん?」
千穂「なんで私を呼んでくれなかったんですか!」
千穂「呼んでくれれば、真奥さんと一緒にあいあいがさ…相合傘できたのに」
鈴乃「いや、さすがに魔王がそこまで待っててはくれないだろう」
恵美「…ふっ。ふふふふふふふふふふふふ」
鈴乃「え、エミリア?」
恵美「あいつあの傘で…ふ~ん。別に誰かとイチャイチャするためにあげたわけじゃないんだけどなー」
恵美「許さない!許さない!許さない!許さない!許さない!」
恵美「魔王のくせに!魔王のくせに!魔王のくせに!魔王のくせに!魔王のくせに!魔王のくせに!!!!!」
千穂「ゆ、遊佐さん?」
鈴乃「ちなみに今のは嘘だ」
恵美「絶対に許さない………………え?」
鈴乃「まぁ、魔王が入れてくれようとはしたんだが、ちょうど雨が止んだ。だから未遂だ」
千穂「そ、そうだんったんですね!…はぁ~。よかったぁ~」
恵美「…あっ、そうなんだ」
鈴乃「で、エミリア。何でそんなに怒ってたのだ?何で今はホッとしたような顔をしているんだ?」ニヤニヤ
千穂「…遊佐さん」
恵美「え?べ、別に悪魔の魔王が女性を襲うとしたのが許せないだけで」
鈴乃「しかし、相手は私だ…魔力が完全な魔王ならまだしも、今の魔王が私に敵うわけないだろう?」
恵美「ぐっ」
鈴乃「ほら、エミリア…素直になったらどうだ?」
恵美「違う…そんな事ない…ええ!そんな事あってたまるものですか!」
千穂「そ、そうですよね!遊佐さんは勇者!真奥さんは魔王ですもんね!」
恵美「そうよ!その通りよ!」
鈴乃「じゃあ、あれはどういうことだ?」
恵美「え?」
鈴乃「聞くのも恥ずかしかったから黙ってはいたのだが…」
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
漆原「…」
恵美「ちょっと客にお茶も出ないの?」
漆原「もう少ししたら真奥と芦屋が帰ってくるから自分でだせば?」
恵美「はぁ~。ったく、魔王城ってろくでもないわね」
漆原「うるさいなぁ~」
鈴乃(ん?エミリア魔王城に来ているのか?)
鈴乃(そうだ、ちょっと相談したい事が…窓から顔を出して声を掛けてみるか…)
鈴乃(って何!?)
恵美「んっ」
鈴乃(エミリアが…魔王城の洗濯物を取り込んでいる…というより、タオルだけを取っただと!?)
■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~
恵美「ち、違うのよ」
鈴乃「そのあと、なぜかエミリアはさっさと帰宅し、アルシエルは『魔王様のタオルが一枚なくなった』と泣いておったぞ」
千穂「…え?ど、どういう事ですか?」
恵「くんかくんか」
ア「・・・・・・」
恵「はっ」
恵美「違うの!窓の外に手を伸ばして、手のひらをぐーぱーぐーぱー運動していたら、なぜか手の中にあいつのタオルがあっただけで!」
恵美「そして、運動して汗をかいたから、ついでに使ってやっただけ!」
鈴乃「…じゃあ、なぜ返さない?」
千穂「遊佐さん、さすがにそれは…」
恵美「うっ…」
鈴乃「本当は匂いを嗅いだりしていたんじゃないのか?」
恵美「違うわ!」
真奥「何だ、持っていったのお前だったのか」
恵美「そうよ私が持って行った…って、なぁ!?」
千穂「真奥さん!?」
鈴乃「まったく、があるずとおく中に顔を出すとは無粋なやつだ。があるずとおく中に」
真奥「いや、俺もそう思ったんだが、何か険悪なムードを感じて…声だけかけておこうかと思ってな」
恵美「はぁ!?別にあなたに心配してもらうような事は何もないんですが!?」
真奥「つーか、お前はタオル返せよ」
恵美「っ!」
バンッ
真奥「痛っ!おいテメェ!何しやがる…?ん?」
鈴乃「リボンがついた箱?…プレゼント?」
恵美「見ればわかるでしょ。中身はタオルよ。あれはダメにしちゃったから…」
真奥「え?そうだったのか…だからと言って、わざわざ買わなくても良かったんだが」
千穂「あれは今有名な『昔治タオル』の包装紙ですよ!」
真奥「え?『むかしばりタオル』?」
千穂「タオルで有名なブランドです!」
恵美「い、言っておくけど!」
恵美「これはあまりにも安いタオルを使っているあなたを惨めに感じたからで」
恵美「勇者に施しを受ける魔王の屈辱的な姿を見たいだけなんだからね!」
真奥「あ、ああ」
真奥「恵美…ありがとうな。こんな高そうなブランド物…ありがたく使わせてもらうぜ」
恵美「ありがたく?何を言っているの。屈辱的に使いなさい」
真奥「ったく、どういう使い方だよ。それ」
千穂「ああっ、もうこんな時間!すいません、私バイトがあるんで」
恵美「じゃあ、今日はこの辺でお開きにしましょうか。邪魔者も来たしね」
真奥「おい」
鈴乃「千穂殿、私と一緒に行こう。今日の夕飯の買い物がしたかったのでな」
千穂「はい!…では、真奥さん、遊佐さん失礼します」
恵美「うん、またね」
真奥「バイト頑張れよ。ちーちゃん」
千穂「はい!」
…………………………………
鈴乃「そういえば、エミリアはなぜタオルを持って帰ったんだろうな?」
千穂「う~ん、私が思うに。きっと…」
鈴乃「ん?」
千穂「遊佐さんが汗を拭いたタオルを、真奥さんに使って欲しくなかったんじゃないでしょうか?」
鈴乃「ふむ…なるほど。確かに男には使ってほしくないな」
千穂「たぶん、そんな単純な理由だと思いますよ」
鈴乃「単純…そうだな、まさに単純だ。自分の嫌な匂いがついた物を普通使ってほしくない…」
鈴乃「あの時はエミリアに対して熱くなりすぎた。今度会った時に謝っておこう」
千穂「ええ。それがいいと思います」
鈴乃「そもそも勇者が魔王に惚れるという発想がどうかしていた。私もまだまだだな」
千穂「…たぶん…きっとそうだったらいいんですが」ボソッ
鈴乃「ん?」
千穂「い、いいえ」
真奥「最近、俺の下着とかシャツとかどんどん減っていないか?」
芦屋「くっ・・・・・・一体何者だ。しかも複数回に及ぶ犯行!漆原!何か手がかりはないのか」
漆原「・・・・・・」
千穂「」
恵美「」
鈴乃「・・・・・・まさかな(はらり。あっ」
…………………………………
恵美「あなた今日は暇なんでしょう?だったら夕食に付き合いなさい!」
真奥「嫌だ。そんなお金はない!」
恵美「近くにカレー専門店がオープンしたの。一回行ってみたかったのよね」
真奥「一人で行け」
恵美「馬鹿ね。こういう店は一人で入りにくいのよ。ほら奢ってあげるから」
真奥「おお!じゃあ行く!カレーなんて高価な物は普段食べねーから楽しみだ」
恵美「ふふ♪どんなカレーがあるのかな~♪」
真奥「カッレェ~♪カッレェ~♪」
終わり
これにて終わりになります。
こんな時間まで見てくれてありがとうございました!
また機会があればよろしくおねがいします!
乙。
こっちもそろそろ書こうかな。
二、三用意はあるから
梨香「き、今日は付き合ってもらって・・・・・・その。ありがとうございます」
芦屋「いえいえ。私もたまには外食をしたいので・・・・・・今日は真奥も外食ということで
暇だったんですよ」
梨香「ん? ・・・・・・なんか見覚えの後姿が」
見覚えの「ある」後姿
・・・・・・だった。
というか>>1は
恵美「ちょっと魔王?聞いてるの?」真奥「うっせえ、酔っ払い」
の人か。
>>69とか思いつきで即席で書いてるだけなので注意。
こういうのはちょくちょく書いてるんで。
最近だとエロパロのはたまスレとかで。
真奥「うおお!恵美ぃぃ好きだー」恵美「きゃああああ」
↑これかな。あと「なんで勇者の私が魔王の~」か。
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