男「悪い、ここの駅くるの初めてでさ」
幼馴染「決められた時間内に来ないとかバカなの? 死にたいの? もう別れますか~?」
男「すまん……早めには駅に出たんだ、ほんとうに」
幼馴染「あーなんか気分萎えたわ。元々勢いだけでオッケーしちゃった感じだったしなぁ」
男「ほんっとにごめん! ほら、今日の飯代は俺が出すから」
幼馴染「まあ、本当は私も遅れたんだけど、立場が違うじゃない? 私、付き合ってあげてる身だし」
男「……あのさ」
幼馴染「なーんか私を軽く見てない? 間に合わなきゃ死ぬとしたら遅刻しましたか男はー?」
男「……やっぱ、別れよっか」
幼馴染「は?」
男「いや、遅刻のたびにこんなの言われてたら俺やだわ」
幼馴染「ちょっ、ちょっと待ってよ、ねえ! ありえないでしょ!」
男「いや……もういいや。俺が悪かった、もう学校でも話さないようにしよう」
幼馴染「待ってよ! だってそんなの、絶対おかしいじゃん、ねえ!」
男「おかしいって何がだよ、もう遅刻ばっかでお前に嫌な思いさせるのも嫌なんだよ」
幼馴染「だって……だって男が私に告白してきたんだよ? す、好きって言ってくれたんじゃん、なのに、なのにそんなことで」
男「そんなことって言われても、文句言われ続けてそれに耐えるのにも限界があるしさ」
幼馴染「じゃ、じゃあもう文句言わないから! 一年でも一年半でも遅刻したっていいから!」
男「……いや、わかれよう。やっぱ俺たちずっと『幼馴染』の関係の方が良かったんだよ」
幼馴染「そんなぁ……」
男「……」
幼馴染「……男」
男「別れたくない?」
幼馴染「……うん」こくん
男「……わかった」
幼馴染「え?」
男「……じゃあ、『別れてあげなくてもいいよ』」ニコッ
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