【寄生獣SS】少女「私のお母さん」 (112)

『注意書き』

・スレタイ通り岩明均原作の漫画『寄生獣』SS(オリジナルSSじゃない)

・実写化、アニメ化ということなのでそれをきっかけにして
 田村玲子(もしくは田宮良子)のお子さんが中学生になったを勝手に捏造妄想

・つまり話の性質上名無しのオリキャラがほとんど

・寄生生物は多分だけど直接は出ない

・このSS内ではお子さんの性別は女ということにしています

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392367437

~☆


女性「――――――」

パン パンパン パン パンパン

少女(……大きく耳障りな音が、辺り一面にまき散らされる。小さいころから見慣れた夢)

女性「――――――」

少女(私は、誰かの胸元に優しく抱かれている)

パン パンパン パパン パン

女性「――――」

少女(私には、何かから守られていることだけが、ぼんやりわかる。だから大きな音の中でも怖くなかった)

パン パン パン パン パパパン パン

女性「――――」

少女(ふと見上げた先にある、慈愛に満ちた女性の顔)

パンパンパン パンパンパン

女性「――――」

パン パン パン

少女(その人は、首から下を赤と白に彩られ、清らかな目をまっすぐ前方へ向けている)

女性「――――」


少女(あなたは私じゃなくて、どこを見ているの?)




少女(――あなたはいったい、どこの誰なの?)

~☆


少年「……で、俺にどうして欲しいわけ?」

少女「私がお母さんについて調べるのを手伝ってほしい」

少年「いやいや、無理でしょ。手伝ってもどうせ役に立たないって」

少女「どうして?」

少年「だって、俺、お前のお母さんのことなんて何一つ知らないもん」

少女「大丈夫。あるわよ、情報なら重要なのが」

少年「何?」

少女「田村玲子だって、お母さんの名前。昨日オジサンに聞いた」

少年「……それだけで俺に何をどうしろって言うんだよ。つうかさ、俺に相談する理由は何?
   お前が一緒に暮らしてる子とかじゃダメなの?
   そういうひとたち相手の方が、悩みを共有できたりしていいんじゃない?」

少女「悩みを誰かと共有したいなんて私、全く思ってないんだけど。
    こういう真面目なこと話しても大丈夫だなって、
    一番思える友だちに相談して何か問題あるの?」

少女(こいつなら、なんだかんだ言って結局手伝ってくれそうだし、
    相手の下手なトラウマまでほじくり返して互いに気まずくなる、
    なんて面倒なことに万が一でもならないで済む)

少年「も、問題はそりゃあないけど……」ドキッ

少女「ほら何か、何でもいいから考えてよ」

少年(そんなこと言われてもなぁ)

少年「…………探偵にでも頼んだら?」

少女「えっ。探偵って身辺調査以外にも人捜しまでしてくれるの?」

少年「ゴメン、適当言った。わかんない」

少女「探偵っておいくら?」

少年「あの、だからゴメン。わかんないって」


少年 少女「…………」

少年(……破れかぶれの投げやりな返事で、
    ここまで深刻な顔されるとなんか申し訳ないな)

少年「えーと、あー、その、オジサン? からもっと情報は聞き出せないの?」

少女「名前以外、お母さんのこと知らないってはっきり言ってたわ」

少年「でも何か、他に取っ掛かりがないと、無い知恵絞っても俺じゃどうにもなんねーよ」

少女「……そっか。ありがと。じゃあ帰ったら、オジサンにもう一度聞いてみる」

少年「うん。……俺も帰って、明日学校でまた会うまで、何か方法ないか考えてみるよ。
   でも人捜しなんて初めてだし、やり方全然わかんねーから、期待すんなよ」

少女「手伝ってくれるの? 本当にありがと。ちゃんといつかお礼するね」

少年「……まあ何にせよ、お前のお母さんのことがわかってからの話だけどな」

少女「じゃあね」

少年「じゃ、また明日」

今日は短いけどここまで
今、立てないと多分このままずっと立てないと思ったので立てました

わざとにしても中学生っぽさのかけらもない二人の会話
それよりも少年 少女って並べると見づらいね

バレンタイン一色の世間を軽くスル―して
とりあえず原作の田村さん活躍した箇所等読み直してました

途中の展開今の所結構白紙なんですけど
人探しの方法って具体的にどういう物ありますかね?

修正>>8 九行目
× でも人捜しなんて初めてだし、やり方全然わかんねーから、期待すんなよ」

○ だけど人捜しなんてホント初めてだし、くれぐれも期待はすんな」


個人的には田村さんが登場するシーンでは、田村親子が大学で講義受けてるとき、
教授が「遺伝子の操り人形」ってところでまず田村さん映って、「自分の遺伝子を受け継ぐ子孫たち」で赤ん坊が映って
さらに利他的な母性愛等が、「存在しないんだ」って説のコマで二人同時に映るのが読んでて一番興奮する

でもその講義受けた後すぐ、新一に対して赤ん坊についてこれはあたしのだと言うのも捨てがたい

~☆

少女「ただいまー」

オジサン「おかえり」

少女「……あれ? 平間さんは?」

オジサン「平間さん? お前何か勘違いしてないか? 来るのは来週だよ、丁度一週間後」

少女「あっ、そうだっけ。てっきり今日かと思ってた」

オジサン「手洗いうがい済ませたら、夕食まではまだ結構かかるみたいだから、
      先に部屋で宿題とか勉強済ませてきなさい」

少女「うん」

オジサン「…………どうした?」

少女「……ちょっと、いいかな?」

オジサン「?」

少女「えっとね、あの、本当に何でもいいの。田村玲子さん。
    田村玲子さんのこと、名前以外で知ってることってない?」

オジサン「………………」

少女「き、昨日も私同じこと訊いたけど、一日経ってもまだその、どうしても諦めきれなくて……ね」

オジサン「……あー、その、スマンが本当に俺にはわからんのよ」

少女(……はぁ。やっぱり……ダメ、か……)

少女「そっか。繰り返し訊いて、なんかゴメンね」

オジサン「でも、そこまで知りたくてしょうがないならアレだ。俺じゃない人に訊いてみればいい。
     お前の素性のことは、丁度今名前の出た平間さんがもっと詳しく知ってるんじゃないかな?」

少女「えっ? 平間さん?」

オジサン「ああ、平間さん。俺に当時赤ん坊だったお前を引き合わせたのは、実は平間さんなんだ。
     
オジサン「……しっかしあの日かかってきた電話には、全く腰抜かすくらいにびっくりしたなぁ」
     
オジサン「育ててほしい子供が一人いる」

オジサン「なんて電話が平間さんから急にかかってくるなんて、夢にも思わなかった」     

オジサン「どうやら俺がこういうことをしてるって誰かに聞いたらしくてね。
      電話で要件をまず告げて、この日空いてますかってアポとって、
      その約束の日にお前を自ら連れて顔見せしにきたのよ」

オジサン「平間さんには俺、だいぶ以前の話ではあるけど、到底返しきれない恩を受けた。
      電話一本かかってくるまでは、彼と交流どころか消息の一つすら耳にしてなかったけど」
     
オジサン「是が非でも恩を返せるだけ返したい。そういう気負いはあった。
      だから一も二もなくハイわかりましたと、俺はお前を迎い入れることに決めた」

少女「ゴメン、ちょっと待って」

少女「これまで時々いるのが当たり前すぎて、何も違和感持たなかったけど、
    平間さんっていったい何者なの? 私の素性を知ってる……んだよね?」

オジサン「……あれ? 教えてなかったか? 元刑事だよ、刑事。
      結構お偉いさんまでいったみたいだぞ。
      でも二、三年前に年の衰えと体調不良が重なって辞めたちゃったらしいが」
     

少女「刑事……刑事……ッ!? じゃあ、私って、何かの事件に関係あったり……?」

オジサン「さあね。さっきも言ったけど知らないし、それにあれこれ考える気もないよ。
      そういう詮索されたくなかったのも、俺に預けた理由の一つなんじゃないかな?
      何にせよ俺は、自分が育ててる子たちが、将来幸せになってくれたらそれでいい」

オジサン「でも、お前がそこまで知りたいなら、自分で直接聞いてみたらいい、そう思った」

少女「……………………」

~☆

少女「何か思いついた?」

少年「ぁー……思いついたっつうか……これ以外なかったっつうか……」

少女「それで、何よ?」

少年「あのさっ、……占い師に、お前のお母さんについて、何かわからないか視てもらおうぜ」

少女「ん? ゴメン、何言ってるのかよくわかんなかったからもう一回お願い」

少年「占い師だよ、占い師。
    俺、占い師なら一人凄い人知ってるから。
    前に俺の両親が大喧嘩して――」

少女「却下」

少年「ちょっ、せめて最後まで聞いてくれてもいいじゃん!」

少女「ヤダ。却下。占いって、どうせお金かかるんでしょ?」

少年「……多分」ボソッ

少女「だったら絶対ヤダ。一円だって払いたくない」
   
少年「で、でも相談するだけだったら、俺たち子どもだしもしかしたら――」

少女「ゴメン。タダだったとしてもヤダ。
    たとえ一秒たりとも、そんなことに時間を使いたくない」

少年「あ、あァーッ、もうっ! 贅沢言うなよなァー!」

少年「こっちだって、何かないか何かないかって、これでも昨日頑張って考えたんだぞっ!」

少女「…………」

少女(まあそうでもなかったら、朝からこんな大きな声出さないよね。
    教室に他のクラスメイトたちだっているわけだし)

少女「うん。うん。それはわかる。協力してくれてるのはありがたいし、嬉しいと思ってる。
    だけど私、自分の目に見えること、納得できること以外信じないって決めてるから。ゴメンね」

少女「じゃあ代わりに俺だけで試しに聞きに行ってやる、とか考えたとしても無駄だよ。
    それで何聞かされたって、ぜぇーったい私それ信じないから」

少年「………そういうとこ、昔から無茶苦茶頑固だよな。
    何があっても自分がこれだと決めたら妥協しない」

少女「ちょっとしたことで、みんなすぐに自分の意見変えすぎなのよ。
    みんながおかしいんであって、私自身はごくごく普通だわ」

少年「普通ねぇ、よく言うよ」

少年「お前、自分が小学生のころ、陰でなんて呼ばれてたか知ってんの?」

少女「? ……まあ、なんにせよ後にしましょう。そろそろ先生が来てホームルーム始める時間だし」

少年「あっ、ホントだ。じゃあ、またあとで」

少女「うん」

今日はここまで
落ちてる間他のSS書き溜めたりそれ関連の小説読んでたから
あんま進んでないの ごめんなさい

平間さん出して思ったけどこのSS登場人物少なそうなので
ほとんど名無しのオリキャラって最初の注意書き嘘になっちゃうかもしれません

まだ今の所出来てる分の半分くらいしか投下してないけど
次々回からどういう風に進めて後半に繋げていくか何一つ考えてないので、とりあえず今日はこれくらいで切ります

~☆

少年「さっきの話の続きだけど、小学生のころ、なんて呼ばれてたか知ってる?」

少女「そんなの知らないわよ。面と向かって言われたならともかく、興味ないもの」

少年「そっ。じゃあ俺が教えてやる。『鉄の女』、そう呼ばれてた」

少女「鉄の女……」

少年「四六時中冷たい無表情。愛想の欠片もない。
    世間一般にあまり興味持ってないから、日常会話が続かない。
    クラスで浮いてるけどその癖勉強はさらっとこなす……」

少年「お前が上級生の男子をぶちのめしたとか、そういう伝説も加わって、
    いつしかみんな、お前を鉄の女と呼ぶようになった」

少年「中にはターミ○ーターって呼んでた奴もごく一部いたけど」

少女(……鉄の女って響きカッコよくてちょっと好きかも)

少年「普通の奴が、鉄の女なんて呼ばれるようになるわけない。
    普通だったらもっと感情豊かで、ちゃんと人間っぽいよ」

少女(何それ。私が人間っぽくないってこと?)ムカッ

少女「……なるほどね、確かにそれは一理あるかも。
    普通の代名詞ってくらい普通なあなたは、昔から凄く感情豊かだもの」

少女「アレははたしていつだったかしら? 
    あなたの家に私がお泊りに行った夜、怖いビデオを一緒に見てたら――」

少年「ごめん、余計なこと言って悪かった。謝る」

少女「もしかして今も同じ事になったら、またあの時みたいに――」

少年「ねーよ! もう中学生だぞ!」

少女「ふぅーん、どーだか。怖がりがちょっと時間が経ったくらいで治るのかしら?
   私には元から、怖がり屋さんの心情なんてさっぱりわかんないけど」

少年「……確かにちっちゃいころからお前って、怖いものなさそうだったよな」
   
少女「なさそうというか、周りに怖いと思う物なんて、なかったもん」

少年「は~。やっぱり度胸座ってんなー。俺には絶対真似できないわ」

少女「…………」


――だまれ。


少女(あの、時々夢に出る怖い声に比べたら、他のなんだって……)ゾワッ

少年「それに何があっても俺が知る限り、絶対泣かなかったし」

少女「……目にゴミが入ったら涙くらい出るわよ?」

少年「へっ、そんなの泣いたうちに含まねーって」

少女 少年「…………」 

少女 少年(何の話してたんだっけ?)

少女「……! そうよ、お母さんの話! 私のことなんてどうでもいいから、私のお母さんの話。
   あーもうっ、無駄に時間使っちゃった」

少年「けれど、情報がないとどうしようも……」

少女「情報ならあるわよ。新しいのが」

少年「えっ? どんな?」

少女「昨日、あなたに言われて、一応オジサンに改めて訊いてみたら――」

~☆

少年「平間さん……かぁ。なるほど、確かになんかありそうな感じ」

少女「そうでしょ? そんなにおいがプンプンするわ」

少年「……でも、なんかありそうだけじゃ、何も確かなことはわからなくないか?」

少女「ええ、それはそうね」

少女「けれど私、赤ん坊だった私が、特別な事件に巻き込まれてたんじゃないかって、予感がするの」

少年「…………平間さんが刑事、だったから?」

少女「うん。だって刑事さんだよ?
    平間さんがやった私をオジサンに仲介することって、多分児童相談所がやる仕事じゃない?
    ましてや平間さん、結構お偉いさんまで行った、らしいしさ。やっぱりなんか変だと思う」

少年「そ、そうなの?」

少女「……わ、私もはっきりとはよくわかんないけど、多分、ね」

少女「それだけじゃないよ。平間さん、私が物心ついたころからいるのが違和感ないくらいの頻度でウチに来てる。
    私をオジサンに紹介するまで、オジサンと普段交流なかったのに。おかしいと思わない?」

少年「それは……お前をオジサンとやらに紹介した責任を――」

少女「刑事を辞めてからも? ううん。やっぱり私はおかしいと思うな」

少年「…………つうか根本的に、久しぶりに昔の馴染みと再会して、
    そこから交流が始まるのってそんなに変なことか?」

少年「何かあるように見えて、事実はそんなありきたりなもんなんじゃねーの?」

少女「……ぁー。……なるほどね、その可能性はあるわね」

少女「…………」

少年「?」

少女(可能性はある……だけどなんでだろ? 妙にモヤモヤする。納得できない)

少女(何か、そこにある。理屈じゃない。そこに何かあると思うけど、何でそう思うのかわからない……)

少女(この感じ……今に始まった気がしない……ずっと、ずっと私はこれを……)

少女(これじゃまるで自分から――)

少女「っ!」

少女「…………そっか、うん、そうだよね。そうだったんだ」

少年「?」

少年「なに? どうしたの? なんか思いついた?」

少女「思いついたというか……。何か特別な事件に自分が関わってるんじゃないかって、
    どうしてここまで強く私が感じる、感じてきたのかがわかった気がする」

少女「何かあるように見える、だけじゃない。私がそこに何かあるはずだって思いたいんだ」

少女「私と、お母さんの間の何かがそこに関わってるに違いないから」

少女「そこに特別なものがないのだとしたら。私は――」

少女 少年「………………」

少年(うわ……っ!? 何この空気……)

少年(どうしよう、うん、どうにかしないと……)

少年「…………あー、あれだよ。あれ。真実はどっちかなんて今、どうせわかんないけどさ、
   平間さん絡みの何かがもしあったとしたら、お前はどういう事実がそこにあると思う?」

少女「……そうねえ、自分の隠し子、とか――」

少年「か、隠し子ぉ!?」

少女「――そういう自分や親類関係の揉み消しでもなかったら、
   常識的に考えて、余程大きな事件が絡んでるんじゃないかしら?」

少年「余程、大きな事件……」

少女「社会全体を騒がせるようなドでかいヤツ。
    お偉いさんが火消しに躍起になるような何か。
    そんな何かがあると思う、多分」

少女「私が生まれてから、赤ちゃん、つまり前後一年くらいまでの間じゃないかと思うけど、
    そこまで大きな事件ってあったのかな? あなたは何か思い当たることある?」

少年「お前が生まれてから……ってことは、俺が生まれた時と一緒って考えていいんだよな」

少女「うん」

少女「……っ!? ある!? あるよ!
    お前に関係あるかどうかはわかんねーけど、騒がせたって点ならすっげえのが一つ!!」

少女「えっ、ホント?」

少年「うん、あるある。あと数年内に宗教絡みのでっかい事件がもう一つあるけど、
    その前だと考えると、社会を騒がせたと言ったらもう絶対アレしかない。
    間違いない。保証する」




少年「――口だけ頭ってのがさ、その頃もんのすごい、大騒ぎになったんだよッ!!!」


少女「口だけ頭ぁ……?」

少女「あー、そんな感じの、昔図書室かなんかの本で見たわ」

少女「口裂け女とか、人面犬とか、河童とか……」

少女「正直、さっきの占い師がどーのって話と同じくらい胡散臭く聞こえるんだけど」

少女「あなたってそういうオカルト話とか、昔からだけどちょっと引くくらい好きよね」

少年「ちーがーう! ほ、ほかの占い師とか、超能力とか、宇宙人とかは……その、嘘かもしんない。
    それは認める。俺も自分の目でそれが確かだって証拠を見たり握ったことはないし」

少年「でもこの話は本当なんだよ! 少なくとも、社会を騒がせたってのは紛れもない事実」

少年「いい? 本気だから、先入観とか抜きにしてしっかり聞いてくれよ?
    その当時の新聞記事とか、後で家にある証拠とかも見せるから」

少年「口だけ頭……。まず、ミンチ殺人ってのが、俺らの生まれるちょっと前に――」

今日はここまで
ところどころに「鉄の」女とか原作意識したのをバラまく遊び

言い訳
原作で田村お子さん預ける先、平間さんは「施設」って言ってたけど
児童養護施設にあまり踏み込むと墓穴掘っちゃうこと間違いないとかの理由で
里親か児童養護施設のどっちか曖昧なつもりで一応書いてます

ファミリーホームは原作と時期がかみ合わない。
特別養子縁組だと自分の子供にお前の実の親は言わないだろ……とか色々考えたんですけど
「おれのおばさん」とやらを読んだら、なんかそこら辺勢いでどうにかなるなと思った

つーか作品は細かいリアリティは求めるべきだけど現実との擦り合わせなんてしなくていいと思うのよ俺は
世の中なんて細かい事なんて知らない人の方が大多数なんだからそれっぽい設定本当っぽい設定、「っぽい」で充分
法律がどうとかこんなことありえないとか言い出す奴最近目立ってきたけどそいつら頭悪いと思うわ
なんか突っ込まれたら大体「そういう設定で済む」
あだち充だって高校野球の地区が東東京と西東京で分かれてるって知らずにH2描いて南東京と北東京で押し通したんだぜ

~☆

ゴソッ ガサガサ

少女「…………」

少女(ずっと目を瞑ってるのに、眠れないな)

少女(…………口だけ頭)

少女(最初の内は荒唐無稽な与太話かと思ったけど、
    最後まで聞いたらそこまでは言い切れない感じがした)

少女(それに何だろう、口だけ頭のことを考えると、頭のどこかがチクチクする気がする)

少女(何か私に、関係があるのかな?)

少女(口だけ頭……化け物と、陰惨な事件、ミンチ殺人…………)

少女(それじゃあつまり、お母さんは口だけ頭に殺されたの?)

少女「……………」

少女(そうなのかも、知れない。お母さんは、不幸にも殺されちゃったんだ)

少女(私が助かったのは、その場にいなかったか、お母さんが守ってくれたから)

少女(だから、決して私を捨てたわけじゃ――)

少女「…………」

少女(……ふふ、ばっかみたい。こんなこと頭で捏ね繰り回しても、
    どうせ自分の目で見なきゃ信じないくせにさ)

少女(今は夜だから、布団にくるまって一人で静かに考えてるから、
    こんな弱い考えが浮かぶのかな)

少女「…………」

少女(そもそもなんでお母さんを捜そうなんて、私、考えてるんだろ?
    オジサンとオバサンじゃ、満足できないってこと? こんなに良くしてもらってるのに)

少女(会ってどうするの? 死んでたとわかってどうするの?)

少女「…………」

少女(そうよ、生きてるとわかったら、どうするの?
    私を置いて、幸せな家庭を築いてたりでもしたら、最悪じゃない)

少女(私が不必要に傷つくばかりで、そこには何の得もありはしない)

少女(お母さんが誰だったとしても、私は私。それは絶対間違いないことで――)





少女「zzzzz」スー スー

~☆

少女(記憶にない新鮮な夢。だけど始まってすぐ、小さいころから見続けてきた夢の続きだと気付いた)

少女「う……うううう…………うああああああ……」

少女「うわああああああああ」

少女(私は胸が張り裂けるくらい凄く悲しくて、思い切り泣き叫んでいるのに、
   今の私には、どうして自分が泣いているのかわからなかった)

少女(その悲しさはよそよそしくて、誰かが代わりに悲しんでくれてるみたいに感じた)

「…………悲しいのか?」

少女(誰か、男の人の声がする)

少女(自分が抱えられた腕の感触、見上げた先にある高校生くらいの男の顔)

少女(どうやら私は、彼に抱かれているようだった)



「そうか……おまえのかあさん…………死んじまったんだもんな…………」



少女「うあああああ、うあああああああああああ」



少女(お母さんが死んだ。それが本当なのか、一瞬迷う。
    何しろ判断材料はその男の人の言葉しかなかった)

少女(だけど私は、ほとんど思考せぬままあっさり彼の言葉を受け入れた。
    理屈ではなく、理解していた。それどころか、彼が直接口にしなかったことまで確信していた)

少女(お母さんはたった今、私の目の前で死んでしまったのだ)

少女(私にもようやく、どうして自分が今悲しんでいたのかが飲み込めた)

少女(ふと、私の首が横を向く。その視線の先には、赤い血まみれの「誰か」が倒れていた)


少女(「誰か」は、いつも私が夢見た人と同じ服を着ているのに、それとは全然違う「顔」をしていた)



少女(それどころかその女性の「顔」は奇妙に干からびていて、人間のどんな死に顔ともイコールではない)



少女(それでも、一目見てわかった)





少女(ああ、「彼女」こそが、「アレ」が私の……本当のお母さんなのだと)

~☆

少女「口だけ頭の見分け方って、ある?」

少年「見分け方? なんで急にそんなこと訊くんだ?」

少女「訊いちゃダメ?」

少年「別にダメじゃないけど……」

少女「血の色は、人間と一緒かな?」

少年「う、うーん、どうだろ? 俺は実物を見たことないからわかんないな」

少年「あーっ、もしかしたら血は緑色、だったりしてな?」クックックッ

少女「…………」ジー

少年「……じょ、冗談だよ。軽いジョーク、ただのコミュニケーションだって、な?」アセアセ

少年(なんで俺、いきなり無言で圧力かけられてるんだろ?)

少女「…………」ジー

少年「え、えーっと確か、口だけ頭の見分け方は……髪の毛を一本抜いてみるといい、だったはず」アセアセ

少女「髪の毛? なんで?」

少年「なんかこう、ウネウネっとするらしいよ。髪の毛抜いた奴が口だけ頭だったら。
   久々に会った奴の髪の毛抜きながら挨拶するの、一時期社会的なレベルで流行ってたみたい」

少年「久しぶりー、プチッ、ってね」

少女「あなた、よくそんなことまで調べて覚えてるわね……」

少年「興味の問題だよ」

少年「俺が興味を持った理由は……オカルトな話、父さんから色々聞かされて育ったから、かな?
    その中で一番信憑性が高そうな話となったら、頭に残るよやっぱり」

少女「ふーん。そっ」

少女(……私だって、お母さんがいたら、きっとそういう趣味の一つくらい簡単に――)

少女「…………」

少年「……?」

少女「ねえ、それじゃ私の髪、一本抜いてみてよ」

少年「えっ?」

少女「いいから。なんならあなたの髪の毛一本抜いてあげよっか?」

少年「い、いいよ。俺はいらない。第一なんで――」

少女「お願い。わたしの髪の毛を一本抜いたからって、別にあなたに損はないでしょう?」

少年「……はいはい、わかったよ。仕方ないなぁ」

プツン

少女「…………それで、どう?」

少年「どうって、普通だよ? 何の変哲もない普通の髪」

少女「そっか」

少女 少年「………………」

少女「今日私、気分悪いからもう帰るね」

少年「えっ?」

少年(なんで急に?)

少女「また、明日」

少年「お、おう。また明日」

少女「…………あと、私の血、ちゃんと赤かったから」

少年「へ?」

少女「じゃあね」スタスタ



少年(……もしかして、何かあったのか?)

少年(何かじゃ、何を訊いたらいいのかわかんねー。
    そんな曖昧な質問じゃ、どうせ答えてくんない)

少年(何か……何か…………変わった何か……)

少年「――っ! か、髪の毛っ!」

少女「?」クルッ

少年(いや、髪の毛だからなんだよ。俺のバカ)

少年「か、髪の毛どうする!? ほ、ほら、お前のコレッ!」アセアセ

少女「……ああ、どっかに捨てといてよ」スタスタ

少年「………………」

少年(コレ、普通の、髪の毛だよな……?)グイッ

少年(うん、普通の髪の毛だ)

少年「…………?」


少年(なんなの、いったい)

今日はここまで
大体最後まで話の筋は固まったけど、次回がいつになるかは未定

>>36
元々好きな作品の二次創作として、自己満足、できる範囲での辻褄合わせではあるけど、
今から予防線張る必要はなかったね

ちょっと反省

~☆

少女「………………」

少女(また今日も、眠れない)

少女「……………………」ゴロッ






少女(――私って、みんなと同じ、人間って生き物なのかな?)

少女(髪の毛は普通だった。帰ってから自分でも一本抜いて確かめたしそれは間違いない)

少女(けれど、その見分け方が絶対に正しいものだと私には言い切れない)
   
少女(仮にそれが正しかったとして、どうしてその方法が、あいつが知ってるレベルに拡散されてるの?)

少女(日常でそれを試して万が一本物に行き当たったら、
    試した人間は口だけ頭に殺されるに決まってるじゃない)

少女(私の血は赤い。だけどお母さんの血だって赤かった)

少女(見分け方がデマか、そうじゃないのか。この目で見るまでは信じ込む気になれない)

少女「…………」

少女(口だけ頭っていったいなに?)

少女(それほど恐ろしい存在ではない可能性も考えられる)

少女(ミンチ殺人という残忍な事件と、口だけ頭という別々の話が、
    上手いこと組み合わさってしまった可能性)

少女(そうなれば、口だけ頭の見分け方が拡散されていることは、
    だいぶ不自然じゃなくなる…………気がする)

少女「…………」

少女(冷静に考えて、そもそも口だけ頭が存在する前提で、
    いつまでもくよくよこんなこと考えてるのはちょっとどうかしてるわ)

少女(それに、口だけ頭が存在したとして、あの夢で見たものが全て本物だったと仮定して、
    それでもあの夢で倒れてた「ヒト」がお母さんであるとは限らない)



――そうか……おまえのかあさん…………死んじまったんだもんな…………


少女(お母さんは死んでしまった。そう、男の人が言っていた。それは事実に思える。
    ただ、だからといって、「アレ」をお母さんだと決めつけるのは短慮がすぎるかもしれない)

少女(あの夢そのものが、私の妄想に過ぎないことだって大いに考えられる)

少女(だけど、夢の中、私は間違いなく「アレ」をこの目で見た。そして、何よりどうしようもなく確信してる)

少女(それは理屈でどうこうできるものじゃない)

少女(オジサンが言ってたお母さんの名前は田村玲子であるっていう情報よりも、
    余程真摯にあの夢の光景は私の内で響いてる)

少女(……第一理屈で言ったら、私がこんなにも心をかき乱されてることが一番の不可解よ)

>>54 修正

五行目
×少女(だけど、夢の中、私は間違いなく「アレ」をこの目で見た。そして、何よりどうしようもなく確信してる)

○少女(だけど、夢の中、私は間違いなく「アレ」をこの目で見た。そして、それを母だとどうしようもなく確信している)

少女(お母さんが口だけ頭だったからといってなんだというの?)

少女(私には、例えば内に秘めた凶暴な嗜虐性なんてものはない。
    たとえお母さんが人ではない「何か」であったとしても、私は私。それは揺るがない)

少女(私には居場所があるし、何より私は人間だっていう自覚がある。
    気にする必要はない。どうでもいいことだと軽く流してしまえばいい)
    
少女(だけどお母さんが「口だけ頭」であることが、こんなにも気にかかる。頭から離れない。
    不安と、よくわからないもので気が付くと胸がいっぱいになってる)

少女(自分の気持ちなはずなのに、よくわからない。自分のことが、自分が、よくわからない)

少女「………………」

少女(平間さんは私を監視するために度々来てるのかもしれない)

少女(何か普通の人間とは違ったそぶりを見せたらそれを報告するように命ぜられて)
    
少女(人間じゃない未知なる「モノ」の監視。
    そうだとすると、おいそれと違う人には引き継げないよね)
   
少女(目には見えない私の心に、長い時間をかけ深く入り込まないといけないはずだわ。
    日ごろ何を思ってるのか、警戒されていない生の心を覗かなければならない)
   
少女(人間をミンチにするような怪物に心があるとすれば、
    そして、私が怪物なのだとしたらの話だけど…………)

少女(ふふ、だいぶ想像が陰謀論めいてきたじゃないの)

少女「…………」

少女(監視してるかもしれないのは平間さんだけじゃない。
    オジサンだって、オバサンだってそう)

少女(こんなに詳しく口だけ頭について、私に教えてくれたあいつだって怪しいわ。
    本人にその気がなくても、親に私と仲良くなるよう仕向けられて、それで――)

少女(誰が私のことを見ていてもおかしくはない)

少女(学校、道端、あらゆるお店、どこに私を見張る目があってもおかしくない)

少女(もっともおかしくはないだけで、今の時点でそれをあると思い込むのは相当にバカバカしいけど)

少女(……でもそうね、病院でお前は人間じゃないなんて一度も言われたことがないのは、
    私が人間だっていう可能性を結構引き上げてくれそうだわ)

少女(それとも、もしも私が怪物なのだとしたら、病院にすら既に手が回ってると考えるべきかな?)

少女「…………」

少女(親、両親。……私にだってお父さん、多分いるはずよね。
    今まで深く気にしたことなかったけど)

少女(お父さんは口だけ頭なのかな? 人間なのかな?)

少女(ひょっとするとお父さんが口だけ頭であっても、
    私はそんなにショックを受けないかもしれない。そんな感じがする)

少女(そう、お母さん。お母さんばかりが私の中で大きくなってるんだわ)

少女(もう、死んじゃったのに)

少女(……お母さんは私を産んで、そして、死んだ。でも私は生きてる)

少女(お母さんは私を――)


――だまれ。


少女「…………っ!」

少女「………………」

少女(だまれ)

少女(この声は、あの「ヒト」の声。今ならわかる。
    私が小さいころから夢で見続けたのは、全部あの「ヒト」だったんだ)

少女(ずっと、あの「ヒト」だけが、私を根深く揺さぶってきた)

少女(そう言えば、小さいころから、私はオバサンを名前とさん付けで呼んできた)

少女(育ててくれた恩はあるし、尊敬もしてる。人としても好きだ。
    けれどもやっぱり私にとってのお母さんは、夢の中のあの「ヒト」だけだったんだろう)

少女(でもそのことに確信が持てなかったから、持てなくなってきたから、
    我慢できなくて、確かめたくて、お母さんを捜したいなんて思って、そして…………)

少女(実は、私にとって自分が人間であるかどうかの問題なんて、意外とどうでもいい事柄なのかも)




少女(ねえ、お母さん……。「あなた」にとって私、どんな子だった?)



少女(「あなた」にとって、私を産むことは何か意味があることだった?)







少女(――私はなぜ産まれてきたんだろう…………?)

今日はここまで
何かやりたくなった時にやれるよう、フワフワ膨らみ持たせてたところをゴリゴリ削ってったから
終わりは近いと思われます 次回、次々回で平間さんとお話合いかな?

えー、色々一区切り付いたらこれを書いて、そして最後まで書き上げるつもりなのでまだかかります
とりあえず、原作もう一度何度目かわからないけどそろそろ読み返します

~☆

少女「はい、もう一杯どうぞ」

平間「うん、ありがとう」

少女(お酒を適量飲んで、口を軽くしてもらわないとね……。
    飲み過ぎて酩酊されても困るけど)

平間「…………それで?」

少女「えっ?」

平間「食後リビングに残って、
    そんな真剣な顔をしながら私のコップにお酒を注ぎ続けるってことは、
    なにかわたしと話したいことがあるんだろう?」

少女「あっ……そのっ……うん」

少女「平間さん。私のお母さんについての話なんだけど……」

平間「…………」

少女「つまりは田村玲子さん。彼女のことをもっと詳しく知りたいんです」

平間「誰からその名前を?」

少女「……あの、オジサンから」

平間「そうか」

平間 少女「………………」

少女「オジサンは、平間さんなら、
    私の素性を自分よりももっと詳しく知ってるだろうって言ってた。
    えっと、私ね……本当のことが知りたい」

平間「本当のこと、か」

少女「うん」

平間「……あー、きみの覚悟に満ちた顔を見た上で、あえてそれを言うのは気が進まないが、
    まだ、きみの年齢でそれを知るのは早いとわたしは思う。
    わたしの勝手な判断だけどせめて二十歳、成人するまで待って欲しい」

少女「…………」

平間「だが、人が自分の起源を知りたいと考えるのは当然のことだし、可能ならば人はそれを知っているべきだ。
    いずれそのふさわしい時がやって来たらきちんときみに伝える。
    たとえわたしがその時期が来るまで生きていられなかったとしても心配はいらない。遺言を残す」

平間「今はもちろん納得のいかないことだろう。それでもどうか――」

少女「――私のお母さんが口だけ頭だから、ですか?」

平間 少女「…………」

少女「昔から、夢に見るんです。
    それが特にここ一週間どんどん鮮明になってきてて……」

少女「四方では拳銃の発砲音が鳴り、お母さんが血まみれで私を胸に抱いて……」

少女「普通だったらそんな昔のことはっきり覚えてるはずないと思う。
    でも、理屈じゃなくてはっきりとわかっちゃうの。それが紛れも無く現実なんだって」

少女「お母さんが口だけ頭だって。そして、あのとき、死んじゃったんだって」

少女「私、もうこのままじゃ耐えられない。大人になるなんてとても待ってられない。
    だから、だから私は平間さんにこうして――」

平間「理屈じゃなくて、現実だとわかっている。
    それならば、きみはわたしにいったい何を聞きたいんだね?」

少女「えっ……?」

平間「……うーん、そうだな。
   例えば仮に、わたしがきみの言うことはありがちな妄想に過ぎなくて、
   お母さんは普通の人間なんだよと懇切丁寧にきみに伝えたとする」

平間「それを聞いたきみはそれを事実だと認めるか?
    その答えにはたして納得するか?」

少女「…………」

平間「あるいは逆に、きみの言うことがすべて真実だとわたしが認めたとする。
    しかし認めたとして、それがもし事実だったとしても、そこで終わりじゃないか。
    わたしの肯定は、きみにとって何か新しい情報もしくは意味のあることだろうか?」

平間「だってもう、知っているんだろう?」

少女「…………」

平間「わたしはね、実際にきみのお母さんの姿をこの目で見たことがある」
   
平間「だが、田村玲子について何を知っているか? と言われれば、
    知っているのは彼女がある時期まで高校の教師を勤めていたらしいとか、
    いわゆる第三者的な情報ばかりでしかない」

平間「きみは、お母さんのそういう素性が知りたくて、今日、わたしに声をかけたのか?」

平間「きみが本当に私から知りたかったこととは何だね?
    お母さんの素性そのもの? それともそれとは別の何か……?」


少女「………………」

少女(私が、本当に知りたいこと……?)


平間「これまで、口だけ頭について色々調べてきたのかい?」

少女「あっ……。い、色々って程じゃないかもしれないですけど、いくらかは……」

平間「だったら、東福山市役所での一件を知っているか?」

少女「東、福山……?」キョトン

平間「知らないか。まあ、そうだろうな。知らないのが普通だ」

平間「……あれこれ細かい説明は省くけれど、とにかくあれは酷いもんだった。
    あの一件では、一度に人が約五十人も死んだ。
    そして、そのとき死んだのは人間だけ、じゃなかった」

少女「……」

平間「こうして仕事を辞めて、精力的に動きまわってた頃とは違い、
   だらだら毎日過ごしていると時々考えずにはおれん」
   
平間「わたしが、それとも誰かがもっとしっかりしていれば、
    あのとき、あんなことにならずに済んだのではないか……と」

平間「あと、もうちょっとだった。部隊の練度は十分だったはずだ。
    多分装備がいくらか違えば、ああはならなかった。
    そんな意味のないシミュレーションをしてみたりな」

平間「何年経ってもその過去から逃れられん。
    警察を辞めてからむしろ思い出がよりはっきりしてきたようにすら思える。
    ……やれやれ、もう、だいぶ老いぼれたということだよ」

平間「しかし、それよりも、だ。
    今になってこの平和な社会の中でそれ以上に考えずにいられないのは、
    そもそもああいう選択をせずとも他に何かやりようはなかったのか? ということだ」

平間「所詮そういう意味では第三者でしかなかったわたしには一生わからんことだろう。
    わからんが、どうしても考えずにいうられない。
    不可解。そのモヤモヤを考えると、わたしは決まってあの探偵と、そして――」

平間「…………」ゴクッ

少女(お、お酒飲むピッチが上がってる……)

少女(さっきから私が注がなくても合間合間に飲んでるし、食前から既にチビチビ飲んでたし、
    今の話しぶり含めて考えると、どうやらいつの間にかだいぶ酔ってる……?)


平間「……」ゴクッ

平間「……なぁ、きみ。
    わたしは一人、きみのお母さんについて、
    生の声が聞けるかもしれない男を知っているよ」

少女「えっ?」

平間「実際きみが会ってみてどうなのかはわからない。
    彼が何者なのかということすら、
    わたしが本当に理解できているとは言えない」
    
平間「だが、間違いないのは、
    私が田村玲子の顔をこの目で見たあの日あの時間、
    彼は田村玲子と共にいた」


少女「…………」


少女(お母さんと、一緒にいた)


少女(発砲音。平間さんは、お母さんを見た)



少女(……それじゃあ、それじゃあもしかしてその男の人は――)

平間「あの出来事に、わたしが思う以上に何か色々と深く関係している。それは間違いないだろう。
    とはいえ、これ以上彼をわたしがどんな形であれ巻き込むことが、本当に正しいことなのか――」


少女「お願いしますっ! 平間さんっ! その人のこと、名前、教えてくださいっ!」ガシッ

平間「っ!」



少女「どうか、どうかぁっ……!」



――そうか……おまえのかあさん…………死んじまったんだもんな…………



少女(私、わたしが知りたいこと……)



平間「…………」


平間「――泉新一、という男だ」

今日はここまで
途中平間さんまでに挟もうと思ったイベント時間経ちすぎて忘れたから飛ばした
忘れたということは入れなくても良かったということだろう、多分、うん

エタらせたくないので勢いで発車
次回完結予定

~☆

<ピンポーン


少女「…………」ドキドキ


里美「はい? どちら様ですか」ガチャ


少女「……あっ。えっっと、その」

里美「?」

少女(女の人ってことは、泉新一さんなわけないよね、当然)

少女(失敗したな。なんて名乗るかとか全然考えてなかった)

少女「い、泉新一さんは現在ご在宅ですか?」

里美「新一? あー、今ちょっと出かけてます。そんなにかからない内に帰ってくると思うけど」

里美「新一にどんな用事ですか? 口頭でいいなら伝えときますよ」

少女「えっ……その、じゃあ……しばらく外で時間潰してから、また、出直します」

少女「失礼しました」ペコリ

里美「ああ、待って待って。どうせなら新一が帰ってくるまで家にあがったらどうかな?」

里美「いつ帰ってくるか、はっきりしたことわかんないもの」

少女(……そっちのほうがいいかな? どうせ外ですることなんてないんだし)

少女(それにちょっとゆっくり落ち着いて、心の準備したくなってきちゃった)

少女「いいんですか?」

里美「うん、いいよ。さあ、あがってあがって」

少女「じゃあお言葉に甘えて。おじゃまします」ペコリ

~☆

新一「その、こんにちは」

少女「こんにちは。いきなり押しかけて、本当にごめんなさい」

新一「あっ、いえいえ、そんな滅相もない」

新一 少女「…………」

少女「――あの写真は、泉さんと泉さんのお母さんですか?」

新一「写真? ……ああ、あれか。うん、そうだよ」

少女(泉さんのお母さん。私が、昔からずっと夢に見てた女の人と全く同じ顔)

少女(これで泉さんが、あの夢の男の人と関係ないってのは、やっぱりあり得ないよね)

少女(できることなら、夢の中のあの男の人の顔が、もっと記憶の中で鮮明ならよかったんだけど……)

新一「……えー、それで、きみはいったいどなた様なのかな?」

新一「中学生の女の子がわざわざおれを訪ねに来た理由ってのも、一緒にお聞かせ願えたら嬉しいなーって」

少女「あっ! ごめんなさい。まずそれですよね。……でも、名前を言ってもわからないでしょうし……」



少女「――田村玲子の娘だと言えば、わかってもらえたりしますか?」

~☆

新一「ごめんね、一度家で待たせた上に、それからこうして外へ出てもらっちゃたりなんかして」

少女「いいえ、大丈夫です。それに、こういうとこ来たこと今までなかったからなんだか楽しいです」

新一「ははっ、それならいいんだけど」

新一「……この喫茶店なら、いつも人少ないし、
   店主が最近耳遠くなってるしで、端っこに座れば好きに話せるからね」

少女「…………」

新一「まず素朴な疑問からなんだけど、誰からおれのことは聞いたの?」

少女「元刑事の平間さんから、伺いました」

新一「……あーっ、平間さんか。……えっ? あの人刑事辞めたの?」

少女「ええ、そうらしいです」

新一「へぇー……あの人が刑事辞めたって、どうもイメージし辛いなぁ」

新一 少女「…………」

新一「で、仕切り直しになるけど、きみは何のためにわざわざおれに会いに?」

少女「何のために? それは、私のお母さんのことを、泉さんに伺いたくて」

新一「…………」

新一「……でも、平間さんがどう言ってたかは知らないけど、おれは――」

少女「――二つ、凄く記憶に残る特別な夢を、私、見るんです」

新一「夢?」

少女「はい。一つ目は、パン、パン、パンって銃声から始まる夢」

新一「…………」

少女「その夢では、私は女性に抱かれてて、女性の顔は泉さんのお母さんと全く同じ」

少女「だから、お部屋の写真を見たときは、身構えてなかっただけに本当に驚きました」

少女「そして、平間さんは、泉さんと私のお母さんが、あの日あの時間、一緒にいたと言っていました」


新一「…………」

少女「もう一つの夢、二つ目の夢は、私を抱いて男の人が、
    私のお母さんは死んでしまったと言う夢」

少女「地面には、泉さんのお母さんとは全然別の顔の、女性……に似た何かが転がっている」

少女「私には、それが直観的に自らのお母さんの死骸だってことが理解できてしまう」

少女「なのに、苦しくて辛いのに、胸が張り裂けそうなはずなのに、
    どこかその悲しみが他人ごとみたいなんです」

少女「泉さんのお母さんの顔をしたお母さん。それとは全然別の顔をしたお母さん」

少女「私が悲しくないのは、お母さんが人間じゃなかったから?」

少女「ううん、違う。そうじゃなくて、まるで私自身の胸に、ぽっかり穴が開いてしまったみたいな……」

新一(胸の、穴……)

少女「私は、お母さんがいったい私をどう思ってたのかを知りたい」

少女「その答えを求めて今日、泉さんを訪ねました」

少女「もちろん、お母さんに直接訊くわけじゃないから、
    それで得られる答えは絶対に正しいと言いきれない」

少女「でも、たとえ他の人の口を介してでもその答えを見つけないと、
    多分、私のこの胸の穴は一生塞げないんです……」


新一(胸の……穴)

新一「………………」


新一「わかった。そこまで真剣に頼まれちゃ仕方ない」
    
新一「そこにおれの主観がかなり入ることは免れないけど、
    おれなりにきみのお母さんのこと、話すよ」

少女「ほ、ほんとですか?」

新一「ほんとほんと。こんなことで嘘つくつもりないって」

新一「とはいえ一応言っとくと、ここでの話は他の人に漏らしたりしないでくれよ」

新一「こういう人間じゃないとかなんとかって、人々を無駄に混乱させるだけだ」

新一「つまりあくまでも、なるべくきみとおれの間のみのお話ってことで、ね?」

少女「はい、それはもう、もちろんです」

少女「私はこのことを知って何かをしようってつもりじゃなくて、
    ただ、本当のことを知りたいと思ってるだけですから大丈夫です」

新一「……えー、その、まずは、何から聞きたい?」

少女「じゃあ、そうですね、お母さんと泉さんはどんな関係だったんですか?」

新一「ど、どんな関係? うーんそうだなぁ……なんて言ったらいいのか」

新一「おれが初めて会ったときは、きみのお母さんは田宮良子だったって言うと、
    話はかなり面倒なんだってわかってもらえるかな?」

少女「えっ? 田宮良子?」

新一「そう、それが当時の彼女の名前だった」

少女「じゃあ私のお母さんって、田宮良子が本当の名前なんですか?」

新一「…………いや、あのヒトは田村玲子と呼ぶのがふさわしいと俺は思う」

少女「?」

新一「あー、きみ自身は、お母さんがきみをどう思ってたと考えてる?」

少女「…………」

少女「――きっと邪魔でいらない子だったんじゃないかなって思います」

新一「どうして?」

少女「だって、なんで必要なんですか?」

少女「お母さんは人間じゃないのに、私って子どもを必要とする理由がどこにもない」

少女「私も頑張って色々考えてみたけど、私を必要とする理由なんて……」

少女「だけど、もしかするとあるいは、私が人間じゃなかったら――」

新一「――おれに昔、出会ったばかりの田村玲子さんが、こんな意味のことを言ってた」

少女「?」

新一「この子どもはなんだと思う? って。そのときの結論は、普通の人間の赤子ってことだった」

少女「…………」

新一「それにきみが純粋な人間であることは、おれの把握してる限り、
    他のもっと科学的な方法でも既に証明されてるはずだ」

新一「紛れもなく、きみはおれとまったく同じ人間だよ」

少女「…………」

新一「そして、彼女は別の機会にいつだったか忘れたけど、
    きみについてこんなこともおれに言ってた」

新一「用がなければ食う」

少女「…………!」

新一「しかし、きみは現にこうして健やかに生きていて、おれと二人で話をしてる」

少女「…………」

新一「銃声から始まる夢を見るって、さっき言ってたね」

少女「……はい」

新一「……そう、おれもその現場をこの目で見てた」

新一「きみのお母さんは銃に撃たれるとき、きみをこう、必死で抱いてたんだ」

新一「きみを銃弾から守ろうとして。じっと佇んで。
    きっと一人なら、逃げられたんじゃないかな。うん、戦えもしただろう」

新一「でも、そうしなかった」

少女「…………」

新一「そして、死んでしまう直前、おれにきみを優しく手渡して、お母さんは言った」




新一「――ありがとう」



少女「っ!」ビクッ


少女(…………)


少女(ありが……とう?)

新一「お母さんがきみを必要としてたか? そういうことではないんじゃないかな」

新一「銃弾でボロボロの血塗れになって、それでも生命を賭して必死にきみを守って」

新一「そして、きみが無事におれの手に渡ったらありがとうって言って」

少女(……ありがとう)

新一「そこに、邪魔でいらないなんて思う気持ちがあったとは、おれは到底信じられない」

新一「お母さんにとっては、きみが無事でいられることが意味あることだったんだよ」

新一「だからありがとうと言った」

少女(ありがとう……。だったら、だったらお母さんは――)

新一「最初から彼女がきみに対してそうだったって言うつもりは俺にはない」

新一「でも、彼女は彼女のやり方で成長していったんだと思う。
    仲間や人間、他の誰よりも早く、柔軟に彼女らしく」

新一「ついには、種族という壁を超えて人間の愛情に共感するまでに」

少女(愛情)

新一「おれはね、きみをあのとき最期に手渡されたときから、そして今でも、こう思ってるんだ」

新一「――田村玲子は、生き物としては人間ではなかったけど、
    きみにとってはただ一人、本当のお母さんだったんだって」

少女「…………」


少女(お母さん)



少女(…………)



少女(……)




――そうか……おまえのかあさん…………死んじまったんだもんな…………


少女(死んだ……)


少女(かあさんが…………)


少女(お母さん……)






少女「う……うううう…………」


少女「うああああああ……」


少女「うわああああああ」


少女「うああうううああああああ」


~☆

少女「……えっと、その、お見苦しい所お見せしてしまって」グスッ

少女「いつもはこんな……泣くことなんて……全然ないんですけど……」ゴシゴシ

新一「いやいや、気にしないで」

新一「きみって、見た目より雰囲気なんだか随分大人びて感じられるから、
    むしろそれくらい見せてくれた方が安心できる」

新一「張り詰めてるよりも、ずっと人間らしいよ」

少女(人間らしい……)

少女「……あの、泉さん。お母さんは、泣いたりしたことありましたか?」

新一「うん? そうだなぁ、おれの記憶する限りではなさそうかな?」

新一「…………ああ、でも、そうだ。笑ってたことはあったよ」

少女「笑ってた?」

新一「そう、笑ってた。他愛のないことでごく自然と違和感なく」

新一「そういうところも見ると、きみのお母さんって、
    かなり人間と紙一重ってとこまで歩み寄ってたのかもしれないね」

新一「当然違う生物としてではあるけどさ」

少女「そう、ですか」

新一「えーと……これで質問の答えとしてはいいのかな?
    一応これが俺の見解なんだけど」

少女「ええ、大丈夫です」

少女「こう、今までつっかえていたものが腑に落ちた。それで私としては満足です」

新一「そっか」

新一「……他に、なにか別の聞きたいこととか残ってたりしない?」

少女「え?」

新一「なんでもいいよ」

新一「せっかくいま田村玲子さんの記憶がだいぶしっかりしてるときに、
    何かもし残りがあったらちゃちゃっと済ませた方がいいなって」

少女(なんでも……と言われても、
    私は、お母さんが私をどう思ってたかを訊きに来ただけだし……)

少女(……いや、待てよ――)

少女「なら一ついいですか?」

新一「なに?」

少女「私の名前って、お母さんなんてつけてたんでしょう?」

新一「…………名前?」

少女「ええ。自分の娘への名前」

新一「…………」

新一(名前? 寄生生物が? この子の名前なんて記憶にも当然ないし、
    つけてるとはとても思えないぞ)

新一(ミギーだって、ジョーだって、もちろん田村玲子もみんなみんな、
    名前には頓着しなかった)

新一(あの、田村玲子が子どもに名前をつける?
    それこそ、彼女が泣いてる姿のほうがまだ想像しやすいくらいだ)

新一(……うん? 名前をつける? ああ、だったら――)

新一「ごめん。記憶に無いな。
    名前できみを呼んでたことはおそらく一度もなかったと思う」

少女「そうですか。それなら仕方ないですね。別に期待も薄かったですし――」

新一「あー、だけどね、一つ、もし田村玲子さんが自分の娘に名前をつけるなら、
    こうつけるんじゃないかって候補は俺の頭の中にあるんだ」

新一「それなら聞かせることできるけど……一応聞いとく?」

少女「あっ、はい。もちろんです。お願いします」






新一「――田村A子」

少女「エイコ? 漢字はどうなるんですか?
    コは子どもの子だってのは予想がつきますけど、エイは?」

新一「いや、そういうエイじゃなくて、ABCDEFG、アルファベットのA」

少女「……んん?」

新一「きみのお母さんは昔、ある男……うん、男に、
   便宜上Aって名前をつけたことがあるんだ」

新一「……だから今度も同じようにするかなーって考えたんだけど、
    そんな投げやりな名前って、ダメだよね」

少女「いえいえ、いいと思います。すっごい面白いですね、その名前」クスッ

新一「ん?」

少女「無茶苦茶お母さんのイメージピッタリで気に入りました、その名前」

少女「なんだか本当に、その名前をお母さんに今この瞬間与えてもらったみたい」


少女「田村A子、田村エイ子? 田村A子。 ……ふふ、ふふふ」クスクス




新一「……さっきまであんな泣いてたのに、きみってなんかその、変わってるんだね」

~☆

少年「結局お母さんについて知りたかったことはわかったのね?」

少女「うん」

少年「ふーん、で、どうだったの?」

少女「それは秘密」

少年「は?」

少女「だって、ここだけの話にしといてって言われたもの」

少年「あ、あっ、そう……」

少年(個人的で繊細な話だし、踏み込んじゃいけないのはわかるけど)

少年(平間さんって元刑事、とか聞かされた上で、
    ここだけの話とか言われると無茶苦茶気になるな)

少女「あのさ、そんなことより」

少年(そんなことじゃねーよ)

少女「お礼、何がいい?」

少年「お礼?」

少女「うん、手伝ってくれたからお礼するって言ったじゃない」

少年「えっ? でも、そうだとしても、俺全然役に立ってないし……」

少女「ううん、立ったよ。凄く立った。
    あなたがいてくれなかったら、知りたかったことまで辿りつけなかった」

少年「……」

少年(あー! そういうこと言われると、
    口だけ頭に関係ありそうでどんどん気になってくるじゃないか)

少女「だから、お礼はちゃんと受けて? ね?」ジー

少年「……はいはい、わかったわかった」

少女「何がいい?」

少年「……あそこの自販機で、ジュース一本おごってよ」

少女「それだけ? 一回きりだよ」

少年「どうせこの権利って今だけでしょ?」

少女「うん、お礼の気持ちを貯金みたいなことされても嫌だし」

少年「アレでいいよ。何かが欲しくて助けになろうとしたわけじゃない」

少女「あっそ、じゃあ買ってくるね」

少年「うん」

少女「……あっ、そうだ」

少年「?」

少女「私のこと、これから栄子って呼んでよ。都が栄えるに子どもの子」

少年「は? どゆこと?」

少女「親しい人には、そう呼ばれたいから」

少年「…………何があったの? マジで?」

少女「それは秘密」ニコッ

少年「!」ドキッ

少女「よろしくね」タッタッタッ



少年「…………」

少年(あいつがあんな顔いっぱいでニコニコ笑うの付き合い長いけど初めて見たな)

少年(なんかこう、ムズムズする)

少年(……お礼の使い道って他になかったのかな? あるわけないか、そんなの)




少年「なんなの、いったい」


終わり

完結
書ききるのに間を開けてしまったせいでモチベがダレてしまったので反省。

新一が玲子さんの死でお母さんの死を自覚できて「帰ってこれた」のとは反対に、
今度は玲子さんの娘に、お母さんの死を自覚させて、凍てついてたものを溶かしてあげるって話、

救いを人間とパラサイトという「家族」の間で恩返しするような話があったらいいなぁ、
って動機で二次創作しましたが、

田村A子がやりたかっただけと言っても間違いではない気がする。

これを読んで寄生獣の原作を読み直したい、
もしくは寄生獣のアニメや映画を見たいって気持ちを増してくれる方がいてくだされば、
とても嬉しいです。

質問とかあればHTML化処理されるまでの間受け付けます。

乙乙
夢のくだりはヒストリエのエウメネス思い出したけど意識してるの?

>>109
ヒストリエも好きだけど特に意識してなかったです。
でも、言われてみる結構似てますね。

赤ん坊の頃の話を未来に持ってくるんだから、当然っちゃ当然かもですけど。
田村さんについて確信なしのあやふやじゃお話進められそうになかったし。

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