京太郎「男子麻雀部をつくるぞ!」 (83)

咲-saki-の登場人物須賀京太郎のお話です
・なるべく原作の流れを再現するつもりです
・他作品の登場人物が男子麻雀部に加入します
・他作品のキャラの特徴が掴みきれてなかったらごめんなさい
・ちょっとした矛盾や誤字脱字を脳内で修正していただけるとありがたいです

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-清澄高校-

男子生徒は悩んでいた…

京太郎「麻雀部は相変わらず女子だらけでハーレム!だが、俺だけ弱いしフラグも立たずおまけに安定の買い出し係!」

京太郎「こうなったら、男子麻雀部をつくって俺も活躍せずにはいられないぜ!」

京太郎「とは、言っても今まで誰も入部希望してこなかったのに都合よくメンバーを集められるか…?」

彼の名は須賀京太郎、身長も高く顔も良い、普通なら運動部にでも所属して活気ある高校生活を送っているタイプ。
しかし、彼は何の縁か陰謀か、自分を含めた部員数6人、しかも彼以外全員が女子部員という『麻雀部』に所属していた。
彼自身の麻雀の腕は素人レベルだが女子部員は軒並み強いため、彼の人の良い性格もあってか自然と雑用係のようなマネージャー的ポジションに立っていた。

??「京ちゃん、一体険しい顔してどうしたの?」

男子麻雀部を作るという決意に不安を抱えている彼に一人の男がタイミングよく話しかける。

京太郎「斑目!!」

嘘喰い「なになに?悩み事でもあるの?」

男の名は斑目獏、クラスでのアダ名は『嘘喰い』、京太郎の隣の席だ。
会話も上手で非常に社交性に優れている男だが、むしろ京太郎は彼の纏う独特な雰囲気に興味を持っている。

京太郎「実は…男子麻雀部をつくろうかと…そうだ!斑目!お前麻雀部に入ってくれないか!?」

嘘喰い「麻雀部…う~ん、そうだねぇ…まぁ、いいよ別に」

京太郎「本当か!?サンキュー!よしこれで2人、あと3人だ!!」

京太郎「でも、どうやってみつけようか…」

嘘喰い「京ちゃん京ちゃん、こういうのは発想の転換だよ」

京太郎「…つまり?」

嘘喰い「探すんじゃなくて呼ぶんだよ。まぁ、見てなって」

-廊下-


京太郎(見つけるんじゃなくて、呼ぶのか…なるほど)

京太郎(でもなぁ、斑目…)

京太郎「いくらなんでも、廊下に雀卓置くって無理くりすぎるだろ!!!」

嘘喰い「え~、でも雀士と雀士は惹かれあうって何かの本で読んだよ?」

京太郎「それ、スタンド使いだから!」

京太郎(ったく、斑目は普段から他人とは何か違う雰囲気を纏っているが、この発想は無かったよ…天然か?天然なのか?)

??「へぇ…ここで麻雀ができるのかぃ?」

嘘喰い「ほら、食いついてきた」

アカギ「オレも混ぜてよ…」

京太郎「本当は、ここでは麻雀打てないからね!一応言っておくけど!!」

京太郎(この人、どことなく斑目と同じ雰囲気を感じる…)

どっかでみたぞ

嘘喰い「残念ながら4人いないから麻雀は打てないんだなこれが…ってことで、あんた麻雀部入らない?」

アカギ「…断る」

京太郎「どうして!お前麻雀がやりたいんじゃないのか!?」

アカギ「普通の麻雀なんて雀荘に行けばいくらでも打てるからな。」

アカギ「オレは、廊下に堂々と置いてある雀卓と…それを設置したお前に興味があったから話しかけただけだ」

嘘喰い「ふ~ん、じゃぁ、こんなのはどう?」ニヤッ

嘘喰い「この雀卓の上に置いてある牌…あんたが提示した牌を俺が一発で引いてやるよ」

アカギ「それだとオレにもお前にもメリットが無い…何が狙いだ」

嘘喰い「京ちゃん、今いくら持ってる?」

京太郎「え…えっと、7600円だけど」サイフゴソゴソ

嘘喰い「そう。わかった」

>>5
すみません、前に似たようなやつ(ほぼ同じやつ)投下してます…
なんかテンション上がったので多少手直しして再投下しております
まぁ、京太郎の男子麻雀部系は意外とあるので、そのたくさんの中の一部として読んでいただけるとありがたいです!


ドンッ

嘘喰い「俺は500万だから、合わせて500万7600円、もし俺が失敗したらこれはあんたのモンだ」

嘘喰い「その代わり、俺が当てたら、あんたには男子麻雀部に入ってもらう」

京太郎「おいっ!何言ってるんだ斑目!そして500万すげぇ!!」

アカギ「ククク…面白い…狂気の沙汰ほど面白い…いいぜ、成立だ」

嘘喰い「表になってる牌もあるから、俺は後ろ向いてカリ梅でも食べてるよ」

嘘喰い「そのあいだに好きなだけ洗牌していいからさ」クルッ

アカギ 「」ジャラジャラジャラ

京太郎「おいっ斑目、本当に大丈夫なのか?」

嘘喰い「大丈夫大丈夫、これくらい俺から言わせれば、プーヤンの1面くらい余裕だから」カリカリ

京太郎「本当かよ…」

アカギ「いいぜ…」

嘘喰い「んじゃ、どれを引けばいいのかな?」

アカギ「…イーソウだ」

嘘喰い「ふ~ん、イーソウねぇ…」ニヤッ

嘘喰い「これかなぁ?」カチャッ

雀卓に手を触れ一つの牌を取る嘘喰い

アカギ「!!」

京太郎「…い、イーソウだ!!」

アカギ「…フッ」

嘘喰い「とりあえず、あんたはこれで麻雀部入部ね。」

嘘喰い「あ、それと後で抜いたイーソウしっかり戻しておいてよ?」

京太郎「え?抜いた?」

アカギ「フッ…オレは何も抜いてないぞ。」ニヤッ

??「確かにイーソウは抜いた」

京太郎「お、お前は?」

アカギの影から一人の男が割って入ってきた。
絶対に校則違反であろう黒いシャツを身にまとった男は話を続けた。

哲也「あんたたちが後ろを向いてる時に確かにイーソウをギッた。」

哲也「だが、なぜあんたはこいつがイーソウを選ぶってわかってたんだ?」

嘘喰い「ん~…犯罪人相学的にかな?」

全ては嘘喰いの思惑通り。
嘘喰いはもちろんアカギがイーソウを選ぶと踏んで、あらかじめ同じ牌の種類のイーソウを隠し持っていた。

だが、なぜ、イーソウと踏んだのか?
それは最初、そうアカギが洗牌をする前の牌の位置に秘密がある。

バラバラに散りばめられた牌に見えるが、実は嘘喰いの対面の席の近くには表向きのイーソウが不自然でない程度に4つ集まっていた。

嘘喰いは、相手が誰であっても大金目当てで必ず全種類の牌を抜いてくると予想

その狙い通りアカギもそれを決行!
しかし洗牌に時間をかければ嘘喰いも怪しむと考えたアカギは一番近くにある目につきやすいイーソウを選び、抜く

だが、それさえも嘘喰いの予想通りだった

全ては嘘喰いによって張り巡らされていた罠!

この勝負、運否天賦ではなかった!!


嘘喰い「牌を抜いていないだって?」

嘘喰い「あんた、嘘つきだね」


一見安易なトリックだが、嘘喰いの話術、大金のプレッシャー、さりげない配置の牌によってアカギをはめることができた!

…と思われた

アカギ「ククク…だからオレは牌を抜いてなんかいないさ…」ニヤッ

アカギ「だって…」

哲也「抜いたのは俺だだからな!」ニヤッ


哲也の手の上に現れた4つのイーソウ

アカギの性格上、このような勝負で全部の牌を抜くなどという愚かなことはしない。
なぜならイカサマとしては証拠が現れやすく不十分である、非常に拙い戦略だからだ。
しかし、後ろから現れた哲也がまるでアカギを、そして嘘喰いを試すかの如くイーソウを抜いた。
その意図を察したアカギは何も言わず嘘喰いの出かたを見ることにした。
結果としてアカギが先刻、驚いた理由は嘘喰いの牌の入れ替えが非常に滑らかかつ正確に行われていたためだ。


アカギ「だから、オレは嘘なんかついていないさ…ククク」

アカギ「だが、約束は約束。オレは男子麻雀部に入るよ…」

アカギ「不合理こそ博打・・・それが博打の本質・・・不合理に身をゆだねてこそギャンブル…!」

スレタイだけでなんか笑ってしまった、笑っちゃダメなんだろうけど

>>12
いや、むしろ気軽に笑ってもらいながら読んでもらいたいです!
麻雀描写とかテキトーだし、内容もグダグダ、チラ裏レベルですが、京太郎ssが好きなんで書いてるだけなので!

哲也「なかなか面白いものを見せてもらったから、俺も入部しよう。」

哲也「玄人の血が騒ぐ!早くお前らと打ってみたいってな!!」

嘘喰い「屁理屈並べて…」

嘘喰い「なんか勝った気がしないけど…まぁいっか」

嘘喰い「二人とも最初っから麻雀部に入るつもりだったくせに、もったいぶるんだから…」

アカギ「フッ…なんのことかな?」

哲也「玄人なんてそんなもんさ…」

三人「ククク…」

京太郎(な…一体なんなんだこいつらは!!?)

??「500万だと…!」ゴクリッ

??「待ってくれ!オレもその勝負に…挑む!」

さらに一人の男が後ろから急いで声をかける。

嘘喰い「ふ~ん…いいけど、負けたら男子麻雀部に入部だよ?」

カイジ「ああ!その条件でいい!」

カイジ(500万を手に入れることができたら豪遊できる…圧倒的豪遊を!)

嘘喰い「メンツも揃ったことだし、東風アリアリでいいね?」

カイジ「あぁ!…あ!?」

カイジ(しまった、さっきの勝負なら俺が何かひとつの種類の牌を抜くという必勝法があったのに)

カイジ(麻雀勝負だと、完全に運否天賦だ…!)

嘘喰い「んじゃぁ、オレとあんたのサシ馬で、500万7600円と麻雀部入部を賭けようか」

カイジ(大丈夫だ…問題ない…要はコイツに勝てばいいだけ…それだけで圧倒的豪遊…!)

カイジ「いいぜ!受けて立つ!」

嘘喰い「んじゃぁ、実力テストも兼ねてってことで、そっちの二人も入ってよ。京ちゃんは部長だから見ててね」

ア哲京「わかった」

嘘喰い「あ、ごめん、あと廊下電源コードが届かないから手積みになっちゃうけど、よろしくね」

カイジ「かまわねぇ…それよりさっさと始めようぜ…!」

今回は全国編も他むぜ

-東一局:親カイジ-

※萬子:一 ソーズ:1 ピンズ:① の表し方です

カイジ(起親で、開幕イーシャンテン…!来てる!流れが…!!)

カイジ→①捨て

嘘哲「ロン」

アカギ「人和・国士のダブロンか…ハコだな」

カイジ「」ぐにゃぁ~

嘘喰い「んじゃぁ、男子麻雀部入部決定ね」

京太郎(この二人…国士13面張かよ絶対イカサマだろ…この感じだともう一人も積み込んでたな…)

京太郎(最初に公九牌を捨てるのがセオリーとはいえ…この人たち本当になんなんだ…)

この時京太郎は気づいてはいないが、この『廊下に全自動卓』ということも嘘喰いの思惑。
牌の入れ替えがスムーズに行える嘘喰いには多少の積み込みは可能。
しかし現代において手積みの麻雀はマイノリティかつ、イカサマを彷彿させるため嫌われやすい。
そのため、『全自動卓を使用』という目くらましと、『電源コードが届かない』という正当な理由で相手に警戒をさせずに手積み麻雀を行うことができる。

>>17
全国編はまだ完成していませんが、完成が近づいてきたための再投下ってことでもあります!
急いで完成させる予定なので、それまで気長に読んでていただけるとありがたいです!

嘘喰い「京ちゃん、よかったね、これで5人集まったよ」

京太郎「…あ、あぁ!そうだな!!とりあえずみんなで部室へ行こう」

哲也「部室ってのはどこにあるんだ?」

京太郎「旧校舎にあるんだ、着いてきてくれ」

嘘喰い「あ、そこのアンタ、ついでに雀卓運んできてね」

カイジ「」ぐにゃぁ~


-清澄高校麻雀部部室-

京太郎「こんにちわー」

優希「こらっ!犬!遅い!」

京太郎「だれが犬だっ!」

久「あら、須賀くん、その人たちは?」

京太郎「新しく麻雀部に入部する人たちです!…そういえば互いに自己紹介まだだったな。」

京太郎「俺は須賀京太郎!よろしく!」

嘘喰い「俺は斑目獏。好きな食べ物はカリ梅、得意なことは…プーヤンかなぁ~」

アカギ「赤木しげるだ…。」

哲也「阿佐田哲也だ。特技は麻雀だ。」

カイジ「…伊藤開示だ。カイジと呼んでくれ」

咲「京ちゃん、よくこんなにいっぱい集めたね。」

京太郎「おうっ!これで男子も団体戦に出場できるぜ!」

久「ん~困ったわねぇ…」

和「部長、どうしたんですか?」

久「実はね、今年の大会から団体戦は男女混合になるのよ」

久「まぁ、この漫画的に男子は須賀くん達だけでしょうけど」

まこ「メタ発言しおって…」

哲也「すると、あなたがたと俺たちは…」

久「そうねぇ、混合チームを作るって手もあるけど、清澄女子チームと、清澄男子チームの2チームに分かれて出場ってなるわね。」

京太郎「そんな…じゃぁ、大会で俺たちは敵どうしってことですか!?」

久「せっかく須賀くんが集めたメンバーだし、その5人で男子チームで出場するべきだと思うけど?」

嘘喰い「京ちゃん、当初の目的は男子麻雀部を作ることだったわけだし」

カイジ「ここまで来たら…勝負だろうが!」

嘘喰い「そういうこと」

京太郎「…あぁ!そうだな!」

咲「大会では敵どうしってだけだし、私たちみんな麻雀部の仲間だよ!」

久「そうね、私としても部員が増えて嬉しいわ」

久「私は、竹井久、麻雀部の部長よ。入部歓迎するわ」

アカギ「…生徒会長か」

久「この学校では『学生議会長』よ。よろしくね、赤木くん。」

アカギ「…。」

まこ「わしは、染谷まこじゃ。よろしゅうな!」

和「原村和です。よろしくお願いします。」

カイジ(おっぱいがやべぇ…!圧倒的存在感…!)

和(イヤな感じがしますね…)

咲「宮永咲です。よろしくね!」

優希「片岡優希だじぇ!そこの新入り!タコス買ってこい!!」

嘘喰い「俺?…う~ん、しょうがないなぁ…」

優希「理解力のある新入りで何よりだじぇ!」

京太郎(やっと俺もパシリ脱却か…すまん斑目!俺のために犠牲になってくれて)

久「じゃぁ、練習始めるわよ!どうする?あなたたち最初に打つ?」

アカギ「…いや、最初は『見る』ことから始めるよ」

哲也「じゃぁ、俺が入る」

久(『見る』…ね)

久「じゃぁ、私と和、阿佐田くんと須賀くんでやりましょうか」

京和「はい!」

-東一局:親京太郎-

京太郎(起家か…ここは安手でもいいから連チャンしたいところだな…)

京太郎→北

哲也「ポン!」カチャッ

京久和「!!」

京太郎(仕掛けるの早っ!?)






-8順目-

和「リーチ」

三四五七八③④⑤⑤⑤(アカ)ⅢⅣⅤ

京太郎(さすが和…先制リーチか)

京太郎(現物から捨てていくか…)→3

哲也「ロン!北、混一、一通、赤1で8000」

1245556789 北北北

京太郎「くそうっ!」

哲也「早い段階で生牌の北をポンされた時点で、混一や一通を考慮したほうがいいぜ、京太郎」

京太郎「くそうっ!」





-南三局:親 久- ドラ:中

久(さて、順位は哲也くん、和、次いで私か…)

久(この親で大きく稼ぎたいわね…)

四五(アカ)六九②②⑥⑧⑨156発北

久→北





-8巡目-

久(…ここでドラ?)

四五(アカ)六②②②③⑥⑧456 ツモ中

久「…」ニヤッ

久→⑧

アカギ「…。」





-11順目-

久(来た!)

久「リーチ!」

四五(アカ)六②②②③④⑥456中 ツモ⑤(アカ)



四五(アカ)六②②②③④⑤(アカ)456中 →⑥

まこ(わりゃぁ、5面張と三色捨ててそれかい!?)

まこ(しかも、中は河に2枚出てるから地獄単騎!相変わらず悪待ちじゃのぅ…)

アカギ「ほぉ…クク、なかなかおもしろい手順を踏むな…ツモの流れに意味を見出すってとこか…」

久「あら?私の手作りに共感してくれるなんて珍しいわね?」

久「…」ニヤッ

久「ツモ!リーチ、一発、ツモ、ドラ4、裏1…8000オール!」パラッ

哲也「5面張捨ててこの待ちを引いてくるとは…やるじゃねぇか」

和(また部長はこんな悪待ちですか…SOA)

京太郎(①…③…④…⑥…⑦…!あっ確かに5面張だ!!)





-南3局一本場:親久-

久「さて、まだここからよ!」

哲也「…。」

京太郎「よく考えたら俺だけ焼き鳥じゃね!?」

まこ「そりゃ、部長に和、それに坊や哲が相手じゃからのぅ。トんでないだけありがたく思わんかい。」

哲也「!?…染谷さん、あんたなぜその名前を…」

まこ「これみよがしに黒シャツを着ていたらそりゃわかるわ、むしろそれは校則違反で色々言われんのか気になるところじゃのぅ」

まこ「わしの家は雀荘をやっててのぅ、ノーレートの店だからあんさんは来たことがないだろうけど、噂くらいは耳にするんじゃよ」

まこ「玄人、『坊や哲』って名前をな」

哲也「そうか…別に隠してることじゃねぇから知られても構わないんだけどな」

まこ「わしは、一度でいいからあんたの麻雀を見たかったが、これから何度も見れるとはな」

哲也「あんまり期待しないでくれよ…」





-終局-

久「ノーテン。残念、せっかくの親を流しちゃったわ」

和「私もノーテンです。」

京太郎「おれも…」

哲也「待ちな!…河をよく見てみな」

まこ「こ…これは!」

久「流し満貫!?」

哲也「2000・4000だ!」

久「…阿佐田くん、ごめんね、今回の大会ルールでは流し満貫は認められてないの。だから、この試合も流し満貫は無しなのよ」

まこ「そういえば、大会ルールを教えとらんかったのぅ…」

哲也「そうだったのか、まぁ、ルール確認をしなかった俺も悪いしな。構わないぜ。んじゃぁテンパイっと」

久「え…流し満貫狙ったのにテンパイもしてるの!?」

和「ひどい偶然ですね、国士無双を狙ったほうが良かったのでは?」

まこ「さすが坊や哲…」

京太郎(流し満貫ってなんだっけ)





-オーラス:親哲也-

哲也「ツモっ!3900オール!!」

和「これで終了ですね」

久「あ~あ、負けちゃった。残念」

京太郎「何も…できなかった」


-順位-

1:哲也  46200
2:久   27000
3:和   23600
4:京太郎 3200

優希「相変わらず、京太郎は弱いじぇ…」

咲「むしろ、本当にこのメンツでよくトばなかったね…」

優希「それにしても、私の頼んだタコスはまだか!?」

久「確かに班目くん遅いわね?」

京太郎「いや、遅すぎるだろ」

ガチャァッ

その時タイミングよく部室の扉が空く、嘘喰いとはなんてタイミングの良い男なのだろうか。

嘘喰い「ぜぇ~…お…お待たせ…ぜぇ~」ハァハァ

優希「遅━━━━ッい!!半荘も待たせてどこまで買いに行ってたんだ!?」

嘘喰い「ハァ…ちょっと…ぜぇ~こ、購買まで…」

京太郎「体力無さすぎるだろっ!!?」

咲「購買って、学内だよねぇ…それでこの疲労って…」

和「それだけで息を上げるほど疲労するなんて…SOA」

久「これから買い出し係は斑目くんにしようと思ってたのに…こんなんなら、須賀君に逆戻りね…」

京太郎「そんなっ!!」

嘘喰い「時間が…かかったのは…ぜぇ~…理由がある…ゴッホゲッホ!!んっ…だよぅ…」ハァハァ

カイジ「それと体力が無ぇのは別問題だろうが…!」

嘘喰い「…ふぅ~、落ち着いた。まぁ、とりあえずほら、頼まれたタコスだ」

優希「やっとタコスにありつけるじぇ…」パクっ

優希「!!?」

その時、優希に電流が走る

嘘喰い「ニヤッ…」

和「優希!どうしました!?」

優希「う…ぅんまぁぁぁ~い!!」

咲「へ?」

優希「うまいっ…!うますぎるじぇ!!この程よい酸味にカリっとした食感!!」

優希「いつものタコスの味とは違う!!」

嘘喰い「そいつの秘密は、これだよ…」ガサゴソ

久「そ…それは!」

京太郎「カリ梅!!?」

嘘喰い「購買のおばちゃんに頼んでカリ梅を混ぜて作ってもらったのさ!」

嘘喰い「味と味が新たな旨みを引き出す…スイカに塩、梨にカリ梅…タコスにカリ梅ってね!」

久「驚きだわ…まさかそんな健康法があるなんて…こんど真似してみようかしら…」

まこ「いや、健康法とは違うじゃろ…」

アカギ「おもしろい…狂気の沙汰ほどおもしろい…」ククク…

哲也「いや、感心するとこか?」


※ちなみに試したことはないので美味しいかはわかりません






―数日後―

久「それじゃぁ、行ってくるわね」

京太郎「はい、お気を付けて!」

京太郎(女子部員は強化合宿…校内合宿所は人気だから俺たちは置き去り)

京太郎(あぁっ!一緒に行けば和とキャッキャウフフできたのになぁ…)

京太郎「くそぅっ!」

カイジ「…わかるぜ、その気持ち…!」

京太郎「カイジ…!」

熱い握手を交わすふたり グッ!

哲也「…?そんなに合宿したかったのか?」

嘘喰い「んじゃぁ、俺たちも修行がてら牌に揉まれに行きますか」

アカギ「…どこへだ?」

嘘喰い「それは~…プールです!」

みんな「はぁっ!?」





―プール龍門―

嘘喰い「さぁ、揉まれろ揉まれろ!牌に揉まれろぉ~」

哲也「こいつぁ、驚きだ…」

アカギ「なるほど…これが牌に揉まれるってことか…ククク…おもしろい」

カイジ「狂気の沙汰ってレベルじゃ無ぇぞっ…!」ざわざわ…

京太郎「痛ぇ!!ウォータースライダー痛ぇ!!」


嘘喰い、プールを貸し切り、水と大量の麻雀牌を入れ替える…!

まさに狂気の沙汰…!


哲也「その金で合宿所貸し切ればよかったじゃねぇか…」

京太郎「こんなんで強くなれるのか!?」

嘘喰い「大丈夫!京ちゃんの雀力だだ上がりだよ!」

京太郎「なんだよ雀力って、見えんのかよ!?」

嘘喰い「犯罪人相学的にね!」

京太郎「だからなんだよそれっ!」

哲也「お…オレ、そのへんの雀荘行って打ってくるわ…」

アカギ「オレも行こう…」

嘘喰い「うい~。」

嘘喰い「じゃぁ、カイジちゃんも泳ごうか!」

カイジ「」ぐにゃぁ~

嘘喰い「…さて、この辺の高校のデータでもチェックするか」

京太郎「いててててててて!痛ぇ!!」

カイジ「やべぇ!麻雀牌飲んじまったっ…!」ぐにゃぁ~

嘘喰い「♪」



こうしてそれぞれの大会までの時間は過ぎていった…





―大会当日―

京太郎「咲たちとは決勝戦まで行かないと当たらないみたいだな」

咲「うんっ!京ちゃん、決勝戦の卓で会おうね!」

京太郎「おうっ!」

まこ「わりゃぁ、随分強気じゃのぅ~自信あるんか?」

京太郎「はい!なんせ、地獄の特訓をしましたから…」

カイジ「ワァーハイガイッパイダァー…スゴイナー…」ブツブツ

京太郎「…しましたから」ずーん

咲「あ、ははは…」

和(何があったんでしょうね…)

久「さーて、雑談はこの辺にして、女子はあっちでミーティングするわよ!」

咲「はいっ!…頑張ろうね京ちゃん!」

京太郎「おうっ!」

哲也「…ところで、斑目、選手登録したのはお前だろ?オーダーはどんな感じだ?」

嘘喰い「それじゃぁ、発表しますか」





―大会当日―

京太郎「咲たちとは決勝戦まで行かないと当たらないみたいだな」

咲「うんっ!京ちゃん、決勝戦の卓で会おうね!」

京太郎「おうっ!」

まこ「わりゃぁ、随分強気じゃのぅ~自信あるんか?」

京太郎「はい!なんせ、地獄の特訓をしましたから…」

カイジ「ワァーハイガイッパイダァー…スゴイナー…」ブツブツ

京太郎「…しましたから」ずーん

咲「あ、ははは…」

和(何があったんでしょうね…)

久「さーて、雑談はこの辺にして、女子はあっちでミーティングするわよ!」

咲「はいっ!…頑張ろうね京ちゃん!」

京太郎「おうっ!」

哲也「…ところで、斑目、選手登録したのはお前だろ?オーダーはどんな感じだ?」

嘘喰い「それじゃぁ、発表しますか」

嘘喰い「先鋒・伊藤開示」

カイジ「ハイガイッパイ…アッタカクナァイ」ブツブツ

嘘喰い「次鋒・阿佐田哲也」

哲也「おうっ!」

嘘喰い「中堅・赤木しげる」

アカギ「さて、オレまで出番はあるのかな?」

嘘喰い「副将・オレ」

嘘喰い「んで、大将が須賀京太郎」

京太郎「お…俺が最後か!?」

嘘喰い「プールでシュミレーションした結果、この順番しか無いと思ったんだよ」

カイジ「プールっ…!?」ぐにゃぁ~

京太郎(…っつても、盲牌ができるようになったくらいだし、本当にあれで強くなったのか?)

哲也「もうオーダーしちゃったんだし、アレコレ言ってもしょうがない、行こうぜ」

京太郎「…お、おう」





―1回戦―

まこ「キング・クリムゾンッ」ドドドドドド…



―2回戦―

京太郎「なんとか一回戦勝てたな…」

京太郎「というより、哲也が終わらせたって言ったほうがいいな…」

哲也「まぁ、玄人から見たらあんなのほぼシロートと変わんねぇよ」

アカギ「やはりオレの出番はなかったか…」

カイジ「まぁ、2回戦は気を引き締めて行くか」

嘘喰い「確かにカイジちゃんは1回戦、プラスとはいえ、哲也ほどの活躍はなかったもんね」

カイジ「うるせぇ!」

アカギ「…ククク、始まるぜ?2回戦」

カイジ「お…おうっ!行ってくるっ…!」

京太郎「2回戦の相手は…北天神・若里、それに鶴賀学園か…」

嘘喰い「さて、カイジが行ってる間にデータでもおさらいしようか京ちゃん」

京太郎「お、おう」





―先鋒戦―

カイジ(あいつら、見ておけよ…!ぶっちぎってやる)

睦月(…うむ!)


特に見せ場無しっ…!!

―次鋒戦―

佳織「發・ホンイツ・トイトイ…でしょうか?」

哲也「そ…それは、緑一色!!」

佳織「え…あ…え?」

哲也(こいつ…初心者じゃないのか!?まさかビギナーズラック!?)

哲也(そういえば、昔、全局緑一色を狙うやつがいたな…あの時はどうやって打ったっけ?)

哲也(…関係ない!団体戦だから点棒はまだいっぱいある!いつもどうりツキを呼ぶ…)


その後細かい上がりからツキを呼び、オーラスで緑一色を上がる

―中堅戦―

智美「ワハハ…」

アカギ「ククク…」


まさに狂気っ…!狂気の沙汰っ…!

―副将戦―

嘘喰い「ロン!1000点」

嘘喰い「ツモ!300‐500」

嘘喰い「ノーテン!」

桃子(くっ!…早上がりかつ親流しが早すぎるっす!)

桃子(いくら私でも、この早さじゃ消えられないっす…)

嘘喰い「鶴賀学園の消える1年生?…あんた」

嘘喰い「嘘つきだねっ!」


ステルスモモ、消えず

―大将戦―

京太郎(暫定1位…)

京太郎「このまま逃げ切るっ…!」ゴッ

ゆみ(なっ…なんだこの気迫は!)





―控え室―

嘘喰い「お疲れ京ちゃん」

哲也「見事だったな」

京太郎「なんとか勝てたぜ!」

アカギ「よかったじゃねぇか、女子部のほうも決勝進出みたいだぜ」

カイジ「予想はしていたが、面白いことになってきたな」


―女子麻雀部―

咲「やったぁ!京ちゃん勝ったね!」

優希「さすがは、私の犬…あなどれないじぇ…」

久「清澄男女と、昨年優勝校の龍門渕」

まこ「それに、古豪風越女子…」

和「どんな相手でも勝つだけです」

久「そうね…今日は明日の決勝に備えて帰ることにしましょう」

咲「京ちゃん…大将か」

咲(京ちゃんと戦うなんて想像もしてなかったけど、この気持ち伝えるためにも…)

咲「ゴッ倒す!!」





―決勝戦―

アナ「さぁ、ついに始まりました県予選決勝戦!」

アナ「泣いても笑っても全国に行けるのはこの中の一校のみ!」

アナ「今年はどんな戦いを見せてくれるのか…!」

アナ「快進撃中の新鋭清澄高校1年 片岡優希」

アナ「同じく清澄高校、決勝唯一の男子チーム 伊藤開示」

アナ「王座を取り戻せるか!風越女子3年 福路美穂子」

アナ「再びその力を見せつけるのか!龍門渕高校2年 井上純」

アナ「決勝先鋒戦…まもなく開始です!」

優希「半荘2回なら東場は2回!これはありがたいことだじぇ!」

美穂子「決勝戦…今年は先鋒、キャプテンとして私が頑張らなくちゃね!」

純「さてと…いっちょうやりますか!」

カイジ「掴むんだ…勝利を…っ!未来はオレたちの手の中に…っ!」





―南4局―

純「ロン!5800」ニヤッ

カイジ「」ぐにゃぁ~

アナ「先鋒戦前半終了です!!」

龍門渕  136400
風越   117000

清澄女子  82000
清澄男子  64600

アナ「5分休憩の後同じメンツで後半戦を開始します!」

カイジ(まさかのラスッ…!ボケっ…!)

カイジ(しかも焼き鳥…!Wボケッ…!)

カイジ(ボケが二つで…墓穴ッ…!)

カイジ(くそっ、こんなくだらないことを言ってる場合じゃねぇ…!)

カイジ(取り返すんだ…この手で…っ!)

カイジ(まだ後半があるじゃねぇか…耐えること…耐えることなくして勝利は…ありえないんだっ!!)

カイジ(ピンチだけどチャンスッ…堂々と行け…やばい時ほど堂々とッ!)

アナ「後半戦、スタートです!!」





アナ「試合終了━━━━!!」

アナ「これは意外すぎるっ!」

風越   187900
龍門渕  113200

清澄女子  98900
清澄男子  0

アナ「古豪風越の圧勝だ━━━━!!」

アナ「そして、清澄男子が危うすぎる!!」


―清澄男子控え室―

カイジ「…お…おぅ!」

みんな「…。」

カイジ「ほら…麻雀って運ゲーなところあるじゃんよ?」

カイジ「今回はたまたま運が悪かっただけ…そうっノーカンだよ!」

カイジ「はいっ!ノーカン!ノーカン!ノーカン!」

みんな「…。」

カイジ「それに…ほら、運が悪ければ、もうトび終了だったんだぜ?逆に運が良いっていうかさ…」

カイジ「無事に次鋒に繋げられれば、No.1じゃなくてもしょうがないって!」

カイジ「オンリーワンっ!オンリーワンっ!」

みんな「…。」

バンッ!

その時、控え室のドアが勢いよく開けられる。

??「カイジッ!」

サングラスをかけ、スーツを身にまとった、いかにもカタギではなさそうな男がそこには立っていた。

カイジ「あんたは…遠藤さん!!」

カイジ「遠藤さん…応援に来てくれたんですね!いやぁ~嬉しいなぁ~」

遠藤「…行き」ボソッ

カイジ「へ?」

遠藤「地下行きだ…!」

カイジ「」ぐにゃぁ~

遠藤「お前は出来る奴だと思ってたが…あんなんじゃダメ…ッ!」

遠藤「麻雀では点棒は金と同じ…命よりも重いッ!」

遠藤「地下で…地下で働いてまたのし上がってこい!!」

カイジ「そ…そんな!やめろッ…離せ!みんな…助けてくれッ…!」

みんな「…。」

カイジ「ふざけんなッ…!仲間…ここまで一緒に来た仲間だろ…!京太郎…!助けてくれよ…!」

京太郎「…。」

カイジ「京太郎ぉぉ!!」


だが京太郎、意外にもこれをスルー

京太郎「さて、気を取り直して次鋒戦。」

京太郎「哲也、頼んだぞ!」

哲也「おうっ!」

カイジ「悪魔…ッ!鬼ッ!畜生…ッ!!」

遠藤「おら、行くぞッ!」


その後、連れ去られたカイジを見たものはいなかった






―次鋒戦―

アナ「リードを維持できるか!風越女子2年 吉留未春」

アナ「龍門渕高校2年 沢村智紀」

アナ「清澄高校2年 染谷まこ」

アナ「巻き返しなるか!同じく清澄 阿佐田哲也」

アナ「次鋒戦スタートです!」

哲也(手積みなら、燕返しでドカンと役満当てられるんだが、これは全自動卓…しかもカメラがいっぱいでサマは使えねぇ…)

哲也(こちとら、リーチさえもかけることができねぇ…)

哲也(ヒラでの勝負となると、下手すりゃ、この東一局で終わりかねねぇからなぁ…)

哲也(…全自動卓、か)

哲也(今、明らかにツキが向いてねぇ…だからこそ)

哲也(だからこそやってみる価値があるってもんよっ!)

―東一局 6巡目―

哲也(来たッ!国士13面張)

哲也(昔、全自動卓でやった時もワザと振り込んでツキを放して国士を上がったな…)

カチャッ…

哲也「ツモッ!8000・16000!!」

アナ「役満炸裂ー!!清澄男子、危機を脱する国士無双だぁー!!」

智紀(親っかぶれ…)

まこ(さすが坊や哲じゃのぅ…一番相手にしたくないやつとあたっちまったわい…)

未春(0点かと思ったらいきなり役満ですかぁ!?)

まこ「さすがじゃの…わしも本気をだすかぃな…」


まこ「 キ ン グ ・ ク リ ム ゾ ン ッ ! ! 」ドドド…



アナ「次鋒戦終了━━━━!!」

アナ「清澄男子、前半の役満和了の後、怒涛の追い上げで3位浮上!!」

風越   129200
龍門渕  108200

清澄男子  89700
清澄女子  72900


―控え室―

哲也「わりぃな、もっと場を平にしておきたかったんだが」

嘘喰い「なんせ、先鋒戦のツケが大きすぎるからねぇ~…まぁ、こんなもんっしょ!」

京太郎「いや、ホントどうなるかと思ったけどさすが哲也だよ!」

哲也「まぁ、後はアカギに任せたよ」

アカギ「まぁ、トび終了の危険はだいぶ消えたワケだし…好きに打ってくる…」

京太郎「相手は、あの部長だからくれぐれも気をつけてくれよ!」

アカギ「…あぁ」





アナ「県予選決勝中堅戦…!折り返しを制するのはどの高校か…!」

アナ「スタートですッ!」

―東一局 九巡目―

久「リーチッ!」カチャッ

アナ「清澄高校 竹井久…中堅戦最初の先制リーチですッ!」

アカギ「…。」

星夏(ドラは地獄単騎…勝負ッ!)スタッ

星夏「通らばリーチ!!」

久「通らないね…リーチ一発ドラ4 12000」

星夏「」ぐにゃぁ~

アカギ(あいつ…目を瞑ってるってことは盲牌してんのか…?)

一(あの人、衣に近い生き物なのかな…?)


※文堂さんの本名は文堂星夏です

―東二局 親:久―

星夏(テンパイ…この赤⑤は切れるのか…?)

星夏(いや、勝負だ…ッ!)

星夏「リ━━「ロン」

星夏「へ?」

久「メンタン三色ドラ3…18000!」

アカギ(なるほど…凡夫だ)


―東二局 一本場―

一(ボクだって…)

一「リーチッ!」

星夏「!!」

久(来たな…)

アカギ「…。」

一「ツモッ!3100・6100!!」



アカギ「ククク…」

―東三局 親:アカギ ドラ:4―

アカギ「ポン」 二萬

アカギ「チー」 七萬・六萬・八萬

アカギ「ポン」 八萬

アナ「おーっと、清澄男子の赤木しげる選手、怒涛のフーロだぁ!」

一(萬子の染め手か…いや、それはブラフでタンヤオもあり得る…) →⑧捨て

星夏(打点を考えると萬子は切れないし、タンヤオも考慮してドラ(4ソーズ)も切れない…) →⑨捨て

久(赤木君、仕掛けてきたわね…) →7捨て

アカギ「…カン」カチャッ 四萬

久(な…裸単騎!?)

アナ「赤木選手、四萬をカンして、リンシャン牌に手を伸ばすッ!!」

アカギ「おっと…」

久・星・一「!!?」

一(牌を倒した!?)

久(倒れた牌は何だかわからなかったけど…種類は見えた!?)

星夏(萬子!萬子!萬子萬子萬子ぅ~ッ!数字の部分は見えなかったけど、『萬』ってところは見えた!間違いない!萬子だァ~ッ!!)

アカギ「…。」カチャッ パシッ →中捨て

アナ「赤木しげる選手、リンシャン牌はツモ切りッ!」

アナ「カンドラは、またしても4ソーズだぁ!」

星夏(ドラ?関係ないッ!あの人の待ちは萬子!)カチャッ

七八九4(ドラ)778899⑦⑧⑨ ツモ→①

星夏(来たッ!跳満手!あいつの待ちは萬子ッ!これでドラを切ってダマテンだ…ッ!)

星夏(勝負ッ!)タンッ →4捨て

アナ「ここで風越女子ドラ切りテンパイだぁーッ!」

アカギ「ククク…まるで白痴だな…」

星夏(はッ!何とでも言えばいい!見せ牌なんて小学生みたいなことする人に言われても痛くも痒くも無いッ!)

アカギ「ロン」

星夏「えっ?」

ざわ…ざわ…

アカギ「ロン 12000」 パタッ

4ソーズ

星夏「」ぐにゃぁ~

アナ「赤木選手の裸単騎に風越女子、文堂選手が振り込んだーッ!」

久(なっ…赤木君の待ちは萬子じゃないっ!?)

一(すり替えっ!?いや、ボクの目から見ても不審なところはなかったような…)

星夏「審判ッ!チェック!チェックをお願いします!!」

星夏「イカサマだろッ…!」

アカギ「ククク…例え間違いでもオレがあの局面で牌を倒したりするもんかね…」

アカギ「信用するなよ…人を…」

星夏「ぐっ…!」

アナ「ここで、風越女子、文堂星夏選手の要望によりカメラチェックが入ります!」





あの時、アカギがカンする前の手はこのようだった

四四四四4  二二二(ポン) 七六八(チー) 八八八(ポン)

アカギがカンを宣言したときに使った牌はこの4つ

4四四四

両端の牌を相手に見せるように裏返すときにソーズの4はアカギの指で隠れていた

しかし、誰もそのカンが間違っているとは予想しない…故にスルー

その後リンシャン牌に手を伸ばすとき、萬子とだけわかるようにあえて牌を倒す

そして、ツモ切り。

星夏が舞い上がってツモる時の死角を利用し、4ソーズと手にある四萬子を入れ替える

つかの間見えた萬子はカンに溶け天に昇った。アカギ、無法のドラ単騎

まさに狂気の沙汰…ッ! 





アナ「カメラで確認したら確かに赤木選手は途中で牌を入れ替えているようですが…これはどのような結果になるのでしょうか…」

審判「カンをする際は、相手に牌を見せなくてはなりません。赤木選手の場合、指で隠れて見にくくなってはいたものの、その動作はありました。この場合、他家の確認不足もあるでしょう。」

審判「また、四萬は4枚確かに手の中にあり、山とのすり替えも無く、自分の番が終わってすぐに直したため和了時には正常な配置となっていました。」

審判「さらに、見せ牌での和了は無効になることが多いが今回のアガリ牌は見せてしまった牌ではありません」

審判「故に、意図的に行ったという証拠不十分のため今回は厳重注意のみとし、この和了は有効とします!」

星夏「そんなっ!」ぐにゃぁ~

久(赤木くん、やってくれるわね…)

一(ボクは一度犯した罪をこんなに引きずってるのに、この人はこんなに堂々と…)

一(面白い人だな)クスッ

アカギ「…?」

審判「では、対局を再開します!」


その後、文堂さんがキャプテンに慰められて開眼したり、
久とアカギが同時にカラテンリーチかけて「ククク…狂気の沙汰ほど…」「面白いわね…」って名台詞を分かち合ったり
アカギが一にフラグ立てたりとなんやかんやあって…

アナ「中堅戦終了━━━━!!」

アナ「先鋒から大量リードを守ってきた風越はなんと、最下位に転落!しかしまだどうなるかはわからないぞ━━━━!」


清澄女子 108500
龍門渕  106400
清澄男子 106300
風越女子  78800

―控え室―

京太郎「お疲れ!お前、あんなきわどい事するなよッ!」

哲也「なんのためにオレがヒラで打ったかわかんねぇじゃねぇか…」

アカギ「ククク…わりぃわりぃ…でもあの目が細いやつ、あの中じゃ明らかにカモだったからよぉ…」

嘘喰い「後半戦ですごい目を見開いてたけど大して強くなってなかったしね」ブハッ

アカギ「まぁ…だいぶやりやすくしておいたから、後は任せたぞ…オレは一服してくる」

京太郎「おいこら!待て、マジで止めてください!」

嘘喰い「さて…行くかな。京ちゃん、さっき頼んだことよろしくね」

京太郎「お、おうっ頑張ってみる」





アナ「全国高校生麻雀大会県予選決勝…ついに副将戦を迎えます!!」

アナ「名門風越女子2年 深堀純代!」

アナ「健闘中の無名校清澄高校男子 斑目獏!」

アナ「前年度優勝校龍門渕高校2年 龍門渕透華!」

アナ「そして、清澄女子は、昨年度インターミドル優勝者 原村和!」

アナ「まもなく試合開始です!」

―東一局 親:純代―

純代「リーチ」タンッ →⑧捨て

和「」タンッ →⑧捨て

嘘喰い「♪」タンッ →⑤捨て

透華(ノータイムでベタオリ…) →八捨て





純代「テンパイ」

和嘘透「ノーテン」


アナ「風越の一人テンパイ。なかなか硬いメンツが揃っているようですね…」

―東一局 一本場 七巡目―

和「ロン 1000は1300」

純代「はい」

嘘喰い(ボロボロの配牌から即座に喰いタン、か…)

透華(のどっちのどっちのどっち)





―オーラス 親:透華―

アナ「前半戦オーラス、ここまで原村選手しかアガっていません!原村選手以外焼き鳥状態です!」

透華(原村より目立ちますわ!!)

純代「」フンスッ

嘘喰い「」カタカタ…

― 十二巡目 ―

透華「リーチですわっ!」

和「」カチャッ

嘘喰い「!!?」カチャッ

純代「フンスッ」カチャッ

透華(ベタオリの多いこのメンツから出和了は期待していませんこと…)

透華「いらっしゃいましっ!ツモッ!8000オールいただきますわ!」ドンッ

アナ「原村選手のパーフェクトゲームを阻止する親倍だぁーッ!」

嘘喰い「」ぐにゃぁ~

透華「さぁ、連チャンでしてよ!」


―オーラス一本場 十巡目 親:透華―

透華(イー感じのイーシャンテン…)イーカンイーシャン

→5捨て

純代「ロンッ」ゴゴゴゴゴ…

透華(しまった、張られてましたか…)

純代「タンピンドラドラ7700の一本場は8000」ゴゴゴゴゴ…

透華「はいですわ」(こ、この気迫…この方、なかなかやりますわねっ!)

純代(あー、お腹減ってきたー…)ゴゴゴゴゴ…

アナ「前半戦終了です!清澄男子はまさかの焼き鳥だ!」

懐かしいな、前のやつは今でもお気に入りの中に入っています

―控え室―

嘘喰い「ふ、ふぅ…うまくいかないもんだねぇ~…」

京太郎「大丈夫か斑目!?」

嘘喰い「大丈夫、まだこれからだよ、それより頼んだのできてる?」

京太郎「あ、あぁ。前半戦の牌譜のデータをこのPCに入れておけば良かったんだよな?とりあえずできてるぞ」

嘘喰い「さすが、京ちゃん!部長の鏡だねぇ~」

京太郎「いまさら牌譜なんか見てどうするつもりなんだ?」

嘘喰い「ん~…まぁ、備えておくんだよ」

京太郎「へ?」

哲也「おい、斑目、お前、前半戦いくつかテンパイ終了してたとき、あえてノーテンってことにしただろ?なんでだ?」

嘘喰い「ん~、あれでテンパイってことになるんだぁ~知らなかったなぁ~」(棒読み)

アカギ「ククク…面白い。1000点を犠牲にして自分の手を見せなかったってことか…」

嘘喰い「…。」

京太郎(しかもテンパイの全部は七対子だった…斑目、何を考えているんだ…?)

嘘喰い「よしっ、確認終了!行ってくるね」ゴソゴソ…カリカリ

京太郎「お、おう、頑張ってこいよ!」

哲也「あいつ大丈夫か?カイジみたいな結果にならなければいいんだが…」

アカギ「ククク…だが、あいつはノーテン罰符とオーラスの親倍ツモの分しか点棒を払ってないぞ…」

哲也「!! 確かに…振り込んでねぇな…」

京太郎「俺にあいつの考えはわからねぇ…けどあいつは物事が自分の思惑通りに進んでいると必ずアレを…アレを食べるんだよ」







嘘喰い「」カリッカリ…

京太郎「カリ梅を…」

部長の鏡→部長の鑑だね。





―東一局 ドラ:九 ―

透華(またもや絶好のテンパイ…)

八八九③④⑤⑦⑧⑨2345(アカ) ツモ→6

透華「リーチですわッ!」 →九捨て

嘘喰い「ん~…いいのかなぁ~それ、ドラだよねぇ~」

透華「は?」

嘘喰い「ロン!6400」

一一四四九3366②②中中

透華「…はいですわ」(テンパイ気配が感じ取れないと思ったらダマチートイでしたの…)


―東二局 親:嘘喰い―

透華(ここは、アガって早く親番を回したいところですわね…)→⑧捨て

嘘喰い「ロン 4800」

三三四四五五(アカ)44②②⑥⑥⑧

透華(ま、また七対子ですのっ!?しかもあの手もう少し頑張ればもっといい手にできたでしょうに…)


―東三局 一本場―

嘘喰い「リーチ」 →5捨て

和(ゲンブツハナシ、2ソーズハスジ…) →2捨て

嘘喰い「ロン リーチ、一発、七対子、タンヤオ、ウラウラ」

嘘喰い「18300!!」

和「はい」

透華(ま…また七対子ですのぉ~!!?)

嘘喰い「ホントッ、京ちゃんはキモ冴えてるねぇ~…キモ冴えだよ」

>>67
ありぽーに!
>>69
マジだ!こういうミスを無くしたい…なにやってんのオレ!





―回想―

京太郎「ぐぁ~また負けた!!」ピコピコ

嘘喰い「なに?京ちゃん、またケータイで麻雀してるの?」

京太郎「い、いや、息抜きに将棋をやってるんだけどさぁ…」

嘘喰い「あぁ~確かに、これはダイブするしかないよねぇ~…」

京太郎「このコンピュータ強くてさぁ、一回しか勝ったことないんだよ…」

嘘喰い「へぇ~、でも勝ったことあるなんてすごいじゃん」

京太郎「それがさぁ、カピバラの世話をしながらやってた時でさぁ、間違って変な操作しまくっちゃったんだよね。もう、定石から外れまくりでさぁ」

嘘喰い「(カピバラ…?)でもそんな状況で勝てたとかやるじゃん」

京太郎「いや、後で調べてみたんだけどこういうゲームのコンピュータって意外とめちゃくちゃな戦略に弱いらしいんだよ」

嘘喰い「ふ~ん…」







嘘喰い(デジタル打ちは毎回パターンによって決まった打ち筋を見せるから読みやすい!オレは前半戦で和了せずに毎回七対子を狙った)

嘘喰い(俺の捨て牌に対してお前たちがどのように対応するかはもう大体把握できてる…!)

嘘喰い(しかも、捨て牌から最もアガり手が予想しずらいのは捨て牌がランダムになるこの七対子!)

嘘喰い(七対子のアガリの組み合わせは1505000000000通り、これを確率に直すと1/8.54)

嘘喰い(平和に続く高確率役…本当は解説席に盗聴器でも仕掛けようかと思ったけど、京ちゃんのキモ冴えのおかげで、リスクも減った)

嘘喰い(うまくいくか不安だったけど、なんとかなったよ…)

嘘喰い「」カリカリ

審判「そこ、清澄男子!対局中に物を食べない!!」

嘘喰い「あっ!すみません!」





アナ「試合終了――――!」

アナ「清澄男子、後半戦から怒涛の追い上げで1位浮上!」

アナ「インターミドルチャンプの原村和もその実力を他家に見せつけたぁ!」

清澄男子 118800
清澄女子 114500

龍門渕   96400
風越女子  70300

―控え室―

嘘喰い「いやぁ~京ちゃんのキモ冴えのかげで助かったよ」

京太郎「キモ冴えってなんだよ…」

哲也「あとは、大将戦だな…」

アカギ「ククク…一度は死にかけたがな…死の淵から戻ってこれたぜ…」

嘘喰い「京ちゃん、あとは部長の時間だよ」

京太郎「おうっ!行ってくるぜ!」





―会場―


咲「京ちゃん、ついに決戦だねっ!頑張ろう!」

京太郎「おうっ!手加減は抜きだぞ!」

華菜「よろしく~」(うちは今、最下位だけど華菜ちゃんあきらめないしっ!)

衣「」ヒョコッ

アナ「では、決勝大将戦スタートです!」

―東一局―

華菜「先制リーチだしっ!」

咲「…カン!」

華菜(ドラ増やしてくれてありがたいしっ!)

咲「嶺上開花ツモ!」

華菜(…!嶺上開花―――!!?)

咲「1600・3200です」

アナ「清澄女子宮永咲先制―――!」

京太郎(咲…やっぱり嶺上開花か…)

―東二局 ドラ:⑧―

華菜(張った!高い手!ツモれそうだし4位のウチとしてはリーチをかけたいところだけど…)

三四五(アカ)六七5(アカ)77⑤⑥⑦⑧⑧ ツモ→6

華菜(ここは確実にアガるためにダマでいくっ!) →7捨て

咲「」カチャッ

78五六七八八八③⑤⑦⑧⑨ ツモ→④

アナ「あーっと清澄女子宮永選手テンパイ!しかし、五萬と八萬は風越池田選手の当たり牌だぁ!」

咲「リーチ」 →7捨て

アナ「な、なんと、清澄女子宮永選手、両面に取らず8ソーズ単騎リーチ!しかもこれは地獄単騎だぁー!」

咲「カン」 ツモ→八萬

咲「嶺上開花!」ゴゴゴゴ…

華菜「な…二連続嶺上開花!!?」

京太郎(咲がノッてる…早いうちに対策しなくちゃ…)

衣「…」

―東二局 一本場―

京太郎(ツキが向いてないとき、もしくは相手に流れてしまっているときの特効薬は…和了ること!)

京太郎(こんなこと和に言ったらSOAとか言われそうだな…だけど、今はとにかく和了る!)

京太郎(俺だって牌に揉まれてきたんだ…流れを…牌の流れとツキの流れを掴む…っ!)

二四五八135(アカ)③⑤(アカ)⑤⑨⑨⑨

咲「」カチャッ →④捨て

京太郎「チー!」

二四五八135(アカ)⑨⑨⑨  ④③⑤(アカ)(チー) →⑤捨て

京太郎(咲の勢いを止めるには…順子場にするしかないっ!)





咲「リーチ」 →⑧捨て

京太郎「ロンっ!3900の一本付けは4200!」

345(アカ)⑧⑨⑨⑨ ④③⑤(アカ)(チー)三四五(チー)


アナ「清澄男子須賀選手!鳴いてからの三色で宮永選手の連荘をとめたぁー!」

京太郎(うしッ!これでツキが向いて――――!!?)

衣「」ゴゴゴゴゴゴゴ…

咲「!?」ガクブル

衣「そろそろ御戸開きといこうか…」ゴゴゴゴゴ…

咲(こ――この感じ―――!!)

京太郎(こ…こいつ、やばい…っ!!)

―東三局―

京太郎(…イーシャンテンから手が進まない…)

華菜(配牌からずっとこのままだ…)

咲(このツモ…おかしいよ…)

京太郎(全くテンパイできない…まるで海の底へ引きずり込まれるかのような…)

咲「」トンッ

京太郎「!ち、チー!」(張った!とにかく和了る!)

華菜(ばッ!なんてことするんだ…!)

衣「リーチ!」

京太郎(なっ、ラス巡前にリーチ!?)

衣「ツモ!海底!」

京太郎(ファ…ファイナルドローで決めやがった!!?いや、咲の嶺上ツモに比べたらよくある偶然…)


―東四局 ラス巡―

衣「海底ツモ!」

京太郎(な…にぃぃぃ~)ぐにゃぁ~

京太郎(二連続!!?こいつも咲と同じタイプか…!?偶然なんかじゃない!!)

―南一局 ―

京太郎(何が厄介かって…まずテンパイできないこと…それを何とかしなくちゃ)

京太郎(あきらめるな…考えろ…!)

咲「か…カン!」

咲(やったぁ、手が進んだよ!あの子が怖くなってから初めてテンパイできた…)

京太郎(ツモ切りじゃない…咲、手が進んだか…だけど)

衣「ポンッ!」

咲「!!?」

京太郎(カンドラは今、あいつが鳴いた牌…それに海底コースイン…)

―南一局 ラス巡―

咲(うっ、あがれない、このままじゃ…)チャッ タンッ

京太郎(ラスヅモ…テンパイ…けどそれを選べば龍門渕が海底…)

京太郎(ここか…?)タンッ

咲「!ろ、ロン!2000点です!」(京ちゃんが差し込んでくれたっ!)

京太郎(テンパイ捨てて差し込み…あんまりいい気持ちはしないけど、龍門渕の親を流せただけマシか…)

衣「!」(衣の親が流された…!呉越同舟…?猪口才な!!)

―南二局―

京太郎(もし、本当に天江衣の支配が有効ならおそらく今回も俺はイーシャンテン止まり…)

京太郎(咲は、嶺上牌を使ってテンパイまで持って行った…)

京太郎(それなら、俺はあえて海に引きずり込まれないように…泳ぐ!)

京太郎「ポン!」

京太郎「チー!!」

京太郎「ポンンンッ!!!」

京太郎「チーッ!!」

アナ「おぉーっと!清澄男子須賀選手、怒涛の4副露!裸単騎だぁ!!」

京太郎(…)「カン!」

アナ「さらに、加カン!そして、待ちを入れ替えたぁ―――!」

京太郎(これが咲の有効牌である可能性は大きい…カンドラも乗ったしアガれる可能性は少なくない…)

華菜(裸単騎…鳴き方的にタンヤオだろうな…だが、この点差だぞ…イーシャンテンとはいえ迷うことはないっ!)タンッ

京太郎「ロン!」(悪いな、龍門渕から取りたい点棒だが…こっちも見逃す余裕はないんでね…)

京太郎「タンヤオドラ3赤一1 8000!」

衣「…。」ニヤッ


―南三局―

京太郎(この親番は大事に扱いたい…――――!!)

衣「」ゴォォォォッ!!!

京太郎「!!!?」ガタッ

咲「!!」ウップ!!

華菜「??」

京太郎「…す、すまん」(何だ今の圧迫感は…)

咲(小さいころのおねーちゃんよりひどいよぉ…)

衣「ポン!」 ①①①

衣「ポン!」 ⑤⑤(アカ)⑤(アカ)

京太郎(この段階で2副露?…もしや…)

華菜「」タッ →1捨て

衣「ロン!」

華菜「!!?」

衣「昏鐘鳴の音が聞こえるか?…」クスッ

京太郎(やっぱり出アガリもあるのか!!?)

衣「世界が暮れ塞がると共に…お前たちの命脈も尽き果てる!!」

1白白白西西西 ①①①(ポン)⑤⑤(アカ)⑤(アカ)(ポン)

―南四局―

華菜(満貫、跳満に連続で振り込み…なんだこれ…)カタカタ

咲(おトイレ行って来ればよかったよぅ~)

京太郎(っく、なかなか鳴けない…テンパれねぇ…ッ!)

衣「ツモっ!3000・6000!!」


アナ「決勝大将戦前半戦終了――――!!」

アナ「龍門渕高校天江衣!独走状態!他校を大きく突き放したァ―――!!」


龍門渕  143600
清澄女子 114500
清澄男子 111800
風越女子  30100


―控え室―

京太郎「…ただいま」

嘘喰い「お帰り、京ちゃん、相手やばいね~」

哲也「麻雀の力もさることながら…」

アカギ「あいつはなかなかヤバイな…」

嘘喰い「京ちゃん、大丈夫…?」

京太郎「俺…あんな化け物みたいなやつと卓を共にしてるけど…なんか…」

嘘喰い「?」

京太郎「なんか、笑顔がこぼれるっていうか…楽しいんだよね…」

嘘喰い「…そうか、後半戦…頑張ってきな」

京太郎「おうっ!」ガチャツ ダダダダ…

嘘喰い「楽しい…か、もしかしたら負けちゃうかもね…」

哲也「楽しむ事はいいことだが…勝負の世界ではどこか常に冷静に自分を見てなくちゃいけねぇもんな…」

アカギ「だが、弱気に流れている人間は理に頼ろうとする、直感に頼ることが出来なくなる…その点、京太郎は強気にいけそうだな…」

嘘喰い「なんにしてもここまで来たら、京ちゃんに任せるしかないけどね…」






アナ「龍門渕高校のリードで、後半戦開始です!」

アナ「泣いても笑ってもこれがラストの半荘です!!」

―東一局 親:華菜―

京太郎(なんだろう、この感情…)

衣「ツモッ!4000・8000」

アナ「いきなり龍門渕、天江の倍満スタートだァ! 親っかぶれの風越は危ういかぁ―――!?」


―東二局 親:衣―

京太郎(いままで、雑用として扱われてきた俺が…こんなスゴイ舞台で、こんな化け物と打ってるなんて…)

衣「ツモッ!4000オール!!」

―東二局 一本場―

京太郎(ここまで来たら満足って感じかな…)

衣「ツモッ!3900オールの一本付けで4000オール!!」

―東二局 二本場―

京太郎(しかも、風越のトビ終了で幕を閉じそうだし…ニワカチームが古豪よりいい結果とかすげぇじゃんオレ!)

華菜「ふにゃぁ―――――――!!!!!」

京太郎「!!!?」

華菜「リーチ一発ツモ平和ジュンチャン三色一盃口ドラ…3 32600!!」

華菜「そろそろ…まぜろよ!」ドヤァ

華菜「華菜ちゃんは図々しいからあきらめないしッ!!」

京太郎「―――――――――!!!!」

―東三局 親:咲―

京太郎(何やってんだ俺は!何考えてるんだ俺は!)

京太郎(俺は大会に出たいから、麻雀したいから男子部を作ったのか…?―――否ッ!!)

京太郎(俺は、自分の非力さに憤慨して…強くなりたいからここまでやってきたんだッ!)

京太郎(牌に揉まれ…牌の中を泳ぎ…痛みに耐え…ここまで来た!でも…ここはまだ通過点!!)

京太郎(もっ先…もっ先…もっと先へ…もっと咲へ進むんだ!!)

京太郎(集中集中集中集中集中…。)ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

衣(むっ、対面の気配が変わった――――?)

咲(京ちゃん…)

― 十四順目 ―

京太郎「リーチ!!」タァンッ

アナ「おーっと!清澄男子このタイミングでリーチをかけたっ!」

衣「猪口才な…」(有象無象の下等生物が衣に勝てるわけがないんだから!!)

―ラス前―

衣「リーチ…」

アナ「ここで天江選手、リーチ!!これは海底ツモの前兆か!!?」

華菜(鳴けないしっ!!)

咲(カン材も無い…)

京太郎「…」ニヤッ

衣(これでアガリd―――――――!!!?)ドクンッ!!

京太郎「俺は牌の中を泳いできた…お前の支配があっても関係ない…俺は自由に強く河を泳ぐ…ッ!!」

衣(清澄につかまされた――――!!?)タンッ

京太郎「ロン!リーチ、河底、平和、ドラ1 赤1 裏1――――12000!!」

衣(こいつ…)

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