撫子「ほぉ……誰にあげるの?」
花子「ひ、秘密だし!」
撫子「花子、良く聞きな。バレンタインチョコってのはただ作るだけじゃ意味がないの。そう、愛情を込めなきゃね。私が手伝って作ったらその分チョコに込められる花子の愛情が薄まってしまう」
花子「それは困るし……」
撫子「この問題を解決する方法は一つ。手伝いである私も、花子が想う相手に対する愛情を込めながら手伝う、これしかない。でも名前も知らない相手にそこまでの感情を込めることはできない。わかる?」
花子「た、確かに……」
撫子(チョロい)
撫子「で、誰にあげるの?」
花子「うぅ……」モジモジ
撫子(我が妹ながらこれはかわいい)
花子「……ぁ」
撫子「あ?」
花子「あかりお姉さんに……//」
撫子(あかはな!あかはなきたで!)
撫子「あかりちゃんって櫻子の友達の?」
花子「……//」コクン
撫子「確かに何回か遊びに来たことはあったけど……どうして?」
花子「ひ、秘密!」
撫子「花子、いい?花子が相手のことをどう想っているか、そしてそのきっかけなどを私と花子で共有することでより愛情を云々」
花子「な、なるほどだし……」
撫子(チョロい)
花子「前に撫子おねーちゃんに頼まれてコーヒー買いに行ったことあったでしょ?」
撫子「あぁ、あったね」
花子「あの時のコーヒー自販機で買ったんだけど、最初コーヒーのボタンまでうまく手が届かなくてこまってたんだし」
花子「その時たまたま、ぁ……あかりお姉さんが通りかかって、手伝ってくれようとしたんだし」
花子「でも花子恥ずかしくて、見栄張って『自分でできます』って……でも間違えて別の飲み物のボタン押しちゃって……」
花子「でもお姉さんははなこのこと笑ったりしないで、飲み物もお姉さんがコーヒー買って花子が間違えた飲み物と交換してくれたんだし」
撫子「なるほどね」
花子「も、もういいし?」
撫子「うん、十分。花子がどれだけあかりちゃんのこと想ってるかもわかったし」
花子「うぅ……恥ずかしいし……」
撫子(からかい過ぎたかな……よし、私も気合入れて最高のチョコを作らせてあげよう)
撫子「さて、じゃあ作ろうか!」
花子「は、はいだし!」
撫子「まずは原料のカカオをどうしたものか……」
花子「そっから!?」
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