春香「優ちゃんは子供なんだから」 (58)

春香「優ちゃんは子供なんだから」

優「だって雪降ってるんだよ!? はしゃがなきゃ損じゃないのさ」

春香「だからってそんなに走り回らなくても、危ないよ優ちゃん」

優「わーい!」

春香「傘さしながらで重たくないのかな……?」

優「わー……ぶわぁ!」

春香「優ちゃん!?」

優「傘が裏返った!?」

優「ひどい有様だよ……」

春香「あーあ、だから言ったのに」

優「これじゃあもう差せないよお……」

春香「まったく優ちゃんったら」

優「雨……雪晒しだよ、助けて春香ぁ」

春香「優ちゃんこっち来て」

優「春香?」

春香「相合傘だよ」

優「ありがとう……春香」

春香「優ちゃんもっと寄って来ていいよ?」

優「いいの?」

春香「ギュってしてもいいよ?」

優「やらないやい!」

春香「ええー」

優「でも……もっと近づく」

春香「ふふ」

優「……」ギュ

春香「優ちゃん……もっと寄って来て?」

優「……うん」

春香「もっともっと」

優「春香……って、春香の頭に雪が!」

春香「あ、あれ? 何か寒いと思った」

優「もう春香ったら、払ってあげる」

春香「ありがとう」

春香(ちょっと屈んだほうがいいかな?)

優「春香は抜けてるんだから」

春香「優ちゃんに言われたく……あっ」

春香(唇が近い……)

春香「優ちゃん……」

優「春……だ、だめだよ! 誰かに見られたら……」

春香「大丈夫……こうやって傘で隠したら……」

優「ん……」

チュ

春香「ちゅ……ん、はぁ……」

優「は……んっ、春香……ちゅ……」

春香「は……む、んちゅ……優ちゃん……」

優「春香……好き……」

春香「うん、ちゅ……私も、好き……」

優「好き……好き……ちゅっ……」

春香「……はぁ……優ちゃん可愛い」

優「春香……」

春香「優ちゃん、もっと欲しいって顔してる」

優「……わかってるなら」

春香「うん、もうちょっと……ちゅ」

優「雪……いっぱい積もっちゃった」

春香「傘を横にしてたからね」

優「また払わなくちゃいけないね」

春香「今度は私が払ってあげるね……ぱっぱっ」

優「ん……春香」

春香「優ちゃん……またしたくなって来ちゃった?」

優「ちょ、ちょっと春香! もう駄目!」

春香「ええー……優ちゃんの方からなのに……」

優「このままだとずっとキスしちゃうじゃないのさ!」

春香「ふふっ、そっかー」

優「なにさ!」

春香「優ちゃんもお返ししてくれるんだなって思って」

優「そ、そんなんじゃないやい!」

春香「息、白いね」

優「真っ白」

春香「優ちゃん顔あかーい」

優「春香だって」

春香「一緒だね、優ちゃん」

優「うん///」

春香「紅白だねえ」

優「春香がキスしてくるからでしょ!」

春香「だめだった?」

優「だめ……」

春香「え……」

優「じゃないけど……もう! 春香のばか!」

春香「ええー!?」

優「ふう……よいしょ」

優「家はあったかいなあ」

優「まったくもう、春香ってば……」

優「はぁ……」

優「唇……春香の感触がまだ残ってる……///」

優「……」ツツッ

優「春香……」

優「好き――」

優「……///」

優「ってもうこんな時間! ご飯出来てるじゃないのさ!」

春香「雪だいぶ積もっちゃったなあ」

春香「優ちゃん早く来ないかな、優ちゃんと一緒に雪景色見たいな」

優「春香ー!」

春香「優ちゃん!」

優「待った?」

春香「ううん、いま来たとこ」

優「ほんとに?」

春香「ちょっと嘘ついちゃった」

優「ごめんね春香」

春香「ううん、いいの……優ちゃんを待ってるとドキドキして楽しいから」

優「春香……あたしも春香に会えると思うとすっごくドキドキするよ」

春香「嬉しい! 優ちゃんぎゅー」

優「苦しいよ春香ー」

春香「見て優ちゃん」

優「うん、夜の間にいっぱい積もったね」

春香「雪の中で二人でいると、とってもロマンチック」

優「……」

春香「ねえ優ちゃん」

優「キスしたくなっちゃったとか言わないでよね!」

春香「な、なんでわかったの!?」

優「春香はわかりやすいからね」

春香「優ちゃんだってわかりやすいよ?」

優「そんなことないやい!」

春香「しよっか……キス」

優「しないもん……」

春香「ええー」

春香「どうして?」

優「どうしても!」

春香「優ちゃん……」

優「ほら、学校行くよ!」

春香「はあい」

優「春香はいっつもキスキス言うんだから」

春香「優ちゃんからしてくれることだってあるでしょ?」

優「そ、それはそうだけど……それとこれとは話が別なの!」

春香「ええー、同じだよっ」

コトネ「二人とも何の話してるの?」

優「うわぁ!?」

春香「こ、コトネちゃん今の聞いてた?」

コトネ「んん? 何の話してたの?」

優「き、聞いてないならいいから!」

コトネ「えー、気になるなあ春ぽっぽと優ちゃんの秘密のお話」

しずく「私も気になるかも」

春香「な、なんでもないから、ねえ優ちゃん」

優「そそ、そうだよっ! 何でもないから!」

コトネ「ふぅん、あっそうそう雪すごいねえ」

春香「一夜でこんなに降っちゃうなんてね」

コトネ「昼休みに雪合戦しようか」

優「いいねえ、それ!」

しずく「楽しみ……」

コトネ「楽しみなんだー」

しずく「わ、悪い……?」

コトネ「そんなことないよ」

しずく「だったら……」

コトネ「しずくちゃんが積極的で私は嬉しいよ」

しずく「コトネ……」

コトネ「思い出いっぱい作ろうね」

しずく「……うん」

優「到着ー!」

春香「ゆずちゃんたちもう着てるかな?」

ゆず「うーっす、おはモニ」

楓「おや、揃いも揃って」

しずく「さっきそこで一緒になったの」

コトネ「除け者にしたわけじゃないから安心してね」

ゆず「心配なんてしてないよ!」

優「ふにゃ?」

春香「優ちゃん、お昼休みだよ」

優「ん……ふぁあ……いやあ長かったねえ」

春香「優ちゃんはずっと寝てたでしょ!」

ゆず「席遠いのによくわかるなあ」

楓「やっぱりよく見てるんだねえ」

ゆず「やっぱり?」

楓「んー、言ったまんまだけど」

優「寝るのだって大変なんだよ!」

ゆず「まあこんな感じだと心配にもなるよな」

楓「はっはっはっ」

優「雪合戦しよー!」

ゆず「寒いよ……」

楓「前に私以外でやったんでしょ? だったら今回は私も」

ゆず「……しょうがないなあ」

しずく「みんな急ごう」

コトネ「しずくちゃん張り切ってるう」

しずく「……だって雪、楽しみなんだもん」

コトネ「……そうだね、楽しもう!」

春香「みんな待ってー」

優「とりゃー!」

春香「ぶべっ」

優「あはは、春香まっしろー」

春香「優ちゃんが、優ちゃんがー!」

コトネ「春ぽっぽも投げちゃえ!」

しずく「はい、雪球」

春香「ありがとう、しずくちゃん」

しずく「投げるのは苦手だけど作るのなら大丈夫」

優「よそ見してちゃ駄目だよ春香! えいっ!」

春香「わあ! もう優ちゃん!」

優「当たらないよーだ!」

ゆず「おーっと、伏兵の登場だ、とう!」

優「うわわあ!」

ゆず「はっはっは、復讐完了!」

春香「酷いよゆずちゃん!」

ゆず「ええ!?」

楓「ふふふ、伏兵の伏兵登場」

ゆず「か、楓!?」

楓「ほらほらー、避けてみろー」

ゆず「ちょ、ちょっと楓、ぶわっ!」

春香「ナイス楓ちゃん!」

楓「いえーい」

コトネ「楓っこもはしゃいでるねー」

しずく「コトネははしゃがないの?」

コトネ「私は……しずくちゃんと一緒なだけで踊りたくなるくらいはしゃいじゃってるよ」

しずく「ば、ばか……///」

春香「優ちゃん大丈夫?」

優「大丈夫じゃない……」

春香「優ちゃん!?」

優「寒いよ春香ー」

春香「じゃあ私が温めてあげる」

優「うん……春香」

春香「優ちゃん……」

優「って駄目ー! みんないるんだから!」

春香「大丈夫、みんな雪に夢中だよ」

優「……そう、かな?」

春香「私は優ちゃんに夢中……」

優「春香……私も、春香に……ん」チュ

春香「夢中だね……ちゅ……ちゅっちゅ」

優「春香……好き」

春香「校庭も真っ白になって、私の世界は真っ白になるの」

春香「真っ白な世界の中で優ちゃんだけが色づいていて」

春香「だから私は優ちゃんが欲しくなって、キスをしたくなる」

春香「優ちゃんの色で染めてほしいから」

優「ポエム?」

春香「優ちゃんエスパー!?」

優「声に出てたよ?」

春香「は、恥ずかしい……」

優「ううん、そんなことないよ……」

春香「優ちゃん……」

優「だから、もっと私の色に……染まって?」

春香「ゆ……ん」

優「春香……ちゅ……はむ、ん……」

優「春香、真っ赤になった」

春香「それは優ちゃんだって……」

優「じゃあ私たちの色だね……」

春香「優ちゃん……もっと、色付きたい」

優「いいよ、もっと……しよっか」

春香「いいの?」

優「私がしたいの」

コトネ「おーい、二人とも……あっ」

春香「!?」

優「こ、コトネちゃん!? ち、ちがっ、これはね!」

コトネ「違うの?」

春香「そ、そう! 事故というかなんというか」

コトネ「事故でキスしちゃったの?」

優「ガッツリ見られてるよ! どうするの春香!」

春香「ごごご、誤魔化すしかないよ」

コトネ「なんてね、実は結構見てたんだ」

春香「ええ!?」

優「誰も見ないって言ったじゃん春香のバカ!」

コトネ「そっかー、春香ちゃんと優ちゃんはそういう関係なんだね」

春香「そういう?」

優「……」

コトネ「私だけ知ってるのは不公平だよね、だから私たちのことも教えてあげる」

春香「わたしたち?」

コトネ「私ね、しずくちゃんと恋人同士なの、恋してるの」

優「えええ!?」

コトネ「ふふ、じゃあねしずくちゃんが待ってるから、二人共いっぱい楽しんでね」

優「……///」

春香「ねえ優ちゃん、恋ってなんなんだろう?」

優「春香……」

春香「優ちゃんは知ってる?」

優「私は……」

春香「優ちゃん?」

優「私はもう、恋を知ってるよ」

春香「え?」

優「春香……大好き」チュ

春香「うん、私も優ちゃんのこと好きだよ?」

優「春香は子供なんだから」

おしまい

スミスミ会長出番無し

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