P「漂白剤」 (15)
小鳥「どうしてなんですかプロデューサーさん……」
P「ふふ……」
高木「何がおかしいんだね、キミィ?今まで我々は互いに切磋琢磨し合い、ここまで来たんじゃあないか!それがどうして今になって……」
P「所詮それはあなたたちの前での俺の姿……目に見える裏切りなんて知れてます。本当に恐ろしいのは目に見えぬ裏切り、ですよ社長」
prrrrrrr...
P「あぁ……すみません……そろそろ時間のようだ」
真「!?」バッ
P「どうした真?もう少し抱きついていてもよかったんだぞ?」
真「黙れッ!!?……なんでだよ響!!僕たちで最強のダンスユニット作るんじゃなかったのかよ!?」
響「……自分はトップアイドルにならなくちゃいけないんだ。この選択が一番良い考えだって確信してる。だから……ここでお別れだぞ」
真美「ぼくはただきみに さよならを言う練習をする」
雪歩「貴音さん……どうして……?」
貴音「……765プロになくて961プロにあるもの……それを考えればおのずと答えは出るでしょう」
伊織「……『お金(らあめん)』ね」
やよい「そんな……!?」
真美「そう、何ものも わたしの世界を変えられはしない」
春香「美希……」
美希「ハニーも響も貴音もミキを必要としてくれてる。美希が動くのにこれ以上の理由は必要ないの」
千早「美希……」
美希「……みんなと離れちゃうのはちょっぴり辛いけど、悲しみと765プロを乗り越えてミキたちはもっと強くなるの!」
あずさ「美希ちゃん……本当に961プロへ……」
亜美「こんな終わり方なんて、ないよ……!」
美希「……もう、決めたことだから」
真美「信じるのは、まだ早い」
律子「黒井社長とまで手を組んで……何のためにですか?」
P「高みを求めて」
律子「……地に堕ちましたね、プロデューサー殿」
P「驕りが過ぎるぞ、律子。最初から誰も天になど立っていない」
P「竜宮小町も、ジュピターも……日高舞すらもだ」
律子「……」
P「だが、その耐え難い天の座の空白もやがて終わる」
P「これからは、俺たちが天に立つ」
P「さようなら、765プロの諸君。弱小プロダクション所属にしては、君たちは実に面白かったよ」
~ユニットフェス~
律子「一回目の『SMOKY THRILL』、フェアリーの『オーバーマスター』にも負けてなかったわ!このままの調子で『七彩ボタン』もいくわよ!」
伊織「当然よ!!」
亜美「勝つのは亜美たちだもんね!!」
あずさ「うふふ……今なら負ける気がしないですよ、律子さん」
春香「その調子だよみんな!」
真「ボクたちは応援しかできないけど……」
やよい「うっうー!私たちの分まで頑張ってくださいー!!」
真美「私の胸に深く突き刺さるその声は 鳴り止まぬ歓声に似ている」
千早「あっ……」
春香「プロデューサーさん……!」
P「……あぁ、律子に765プロのみんな。さっきの竜宮小町のパフォーマンス、素晴らしかったな」
伊織「いけしゃあしゃあと……」
亜美「亜美たち、兄ちゃんたちには絶対に負けないかんね!!」
あずさ「今回は本気で勝ちに行きますよ~」
律子「最強の竜宮小町の前ではフェアリーなんて通過点です!私たちの順番が先攻でよかったですねプロデューサー殿。後攻な分、フェアリーも多少はみんなの印象に残りますからね」
P「……おいおい律子。あまり強い言葉を遣うなよ。弱く見えるぞ」
真「……お前っ!?」
雪歩「抑えて、真ちゃん……!」
P「まぁせいぜい俺たちを楽しませてくれよ?潰さないように蟻を踏むってのは……案外と難しいものなんだ」
律子「……どうやらプロデューサー殿はこの後のパフォーマンスもさっきとなんら変わらないものだと思っているようですね?」
P「あぁ。どうせまた三人で今度は『七彩ボタン』あたりでも歌うんだろ?もう勝負なんて見えてるんだが……律子は諦めが悪いしなぁ」
律子「『三人で』ですか。あなたこそ考えが甘いんじゃないですか?」
P「……誰か新しく入れるってのか?各々の経験に差があるユニットなんて恐るるに足らんがな」
律子「教えてあげますよ、プロデューサー殿。『最強の竜宮小町』。それは……」
律子「私自身が四人目の『竜宮小町』となることです」
このSSまとめへのコメント
ああ、最後のでようやくスレタイの意味がわかった