佐天「写輪眼を開眼する能力かぁ」(113)
立つか?
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佐天「…はぁ…はぁ…」タッタッタッ
佐天(どうしよう。もうこんな時間だよ)
佐天「…ん? あれは御坂さんと…誰? 男の人が話してる」
佐天(も、もしかして御坂さんの彼氏かな!?)
御坂『―――私は超能力者なのよ? 何の力もない無能力者相手に気張ると思ってるの?』
佐天(……え)
続きはどうした?
レスないから辞めるとか甘えた事抜かすなよ
佐天(………)
男『あの、それな? お前が三二万八五七一分の一の才能の持ち主なのは良く分かってるけどさ、長生きしたかったら人を見下すような言い方やめた方がいいぞ、ホント』
佐天「…見下してる? 御坂さんが無能力者を……私を…そんなわけ」
御坂『うっさい。欠陥に直接クスリ打って耳の穴から脳直で電極ぶっ刺して、そんな変人じみた事をしてスプーンの一つも曲げられないんじゃ、ソイツは才能不足って呼ぶしかないじゃない』
佐天「…ッ!」タッ
佐天(…嘘。嘘だ。御坂さんがそんなこと言うはずないよ。アレはあの男のひとの力で……ッ)コケッ、ドサッ
佐天「……あはははは」
佐天(……やっぱり御坂さんも内心では私の事を見下して優越感に浸ってたんだ…)
佐天(……信じてたのに…)キュイイイン
スキルアウトA「おいおい、何だよ。こんなとこに女の子が倒れてるぞ!」
スキルアウトB「…は? マジか」
佐天「………」スクッ
スキルアウトC「おっ、なんだ可愛いじゃねぇか! どうだ今から一緒に遊ばねぇか」
スキルアウトA「ハハハハハ。確かに結構イケてるな!」
スキルアウトB「まだまだガキじゃねぇか。だが、それはそれで…」ゴクリ
佐天「――さい」
スキルアウトA「は?」
佐天「……聞こえなかった? うるさいですよ」
スキルアウトB「あんだと!」
佐天「……あっ…いえ…すいません」
スキルアウトA「ハッ、今さら許して貰おうたって遅ぇよ!」
スキルアウトB「おいおい慈悲くらい与えてやろうぜ。そうだなまずはオレたちと一緒に楽しもうぜ」
スキルアウトC「それいいな!」
佐天「……」キッ
佐天(何。この感じは……相手の口の動きが…一挙手一投足の全てが手に取るように分かる…)
佐天「…お断りします。それでは私は失礼します」ペコッ
佐天(これは何かの…能力なのかな?)
スキルアウトA「おいおい、そのまま“ハイそうですか”と返すわけねぇだろうが!」
スキルアウトB「そうだ、グハッ」キィイイン、ドサッ
スキルアウトC「なんだ!?」
「…………」スタスタ
佐天「……え?」
テンポ悪過ぎるな
佐天「……誰」
佐天(白髪に赤い瞳の……男の子?)
一方通行「………」スタスタ
一方通行(次の実験は…)
スキルアウトA「おい、テメェ! 待てよガキ」
一方通行「………」スタスタ
スキルアウトC「無視してんじゃ、ねぇよ!」タッ
一方通行「………」スタスタ…キィイイン
スキルアウトC「グハッ…」バタン
佐天「……す、すごい」
佐天(い、今。あの人なにもしてなかった。ただ、歩いてるだけで武装集団のひとたちをあっという間に…)
一方通行「……」スタスタ
佐天「あ、あの待ってください!」
一方通行「………」スタスタ
佐天「あの! お願いですから待って」
佐天(…このひとの皮膚を覆うように何か見える…これは何)
一方通行「………」ピタッ
一方通行「おい、クソガキ。着いてくンじゃねェよ」ギロッ
佐天「ひっ…」
一方通行「チッ…」スタスタ
一方通行(今から大事な大事な実験だってのによォ)
佐天「ちょっと待ってくださいってば!」
一方通行「…何度も言わせンなよ、ガキ。着いてくンな。次はねェぞ」
佐天「………じゃあひとつだけ聞いていいですか?」
一方通行「……なンだ?」
佐天「その皮膚のやつは何ですか?」
一方通行「…は?」
佐天「いや、その皮膚を覆うように出てるものは何なのかなぁーと思いまして」
一方通行「……何を言ってンだオマエ。そンなもン…」
一方通行(…皮膚を覆うように…?)
佐天「…見えないんですか?」
一方通行「おい、ガキ。ホントにそンなもン見えてンのか?」
佐天「えぇ、一応。薄い膜みたいに肌を包み込んでます」
一方通行「………」
一方通行(このガキ。オレの能力の詳細を知ってンのか。いや、そンな風には見えない。それにこのガキの眼……)
一方通行「オイ、オマエ。その眼はなンだ?」
佐天「…その眼?」
佐天「な、なななな何ですかコレ! 瞳に変な模様が」
一方通行「……能力に目覚めたばかりか。まァ、いい。オイ、オマエ」
佐天「は、はい? 何ですか!」
一方通行「他に変わったことはねェか?」
佐天「……変わったことですか」
佐天「あっ、そういえばさっきのひとたちの一挙手一投足が全て分かりました」
一方通行「…は?」
佐天「いえ、ですからさっきのひとたちが何を言おうとしたのか等のことが全て先に分かったんですよ」
一方通行「………」
一方通行(予知能力か読心能力。それとも他の何かか…)
佐天「あとは、そうですね…」
スキルアウトA「…この…野郎…」フラフラ・・・ボワッ
佐天「………」キュイイイン・・・ボワッ
佐天「どうやら見た能力をコピー出来るみたいです」ヒュン
スキルアウトA「…グワァアアアアア…」メラメラ
一方通行「……成程。オマエ、面白ェな」
佐天「…ッ…痛」
一方通行「…? どォしたンだ」
佐天「…ッ…アッ…グッ…アタマ…が…イタイ…」
一方通行「…オマエ。レベルは?」
佐天「…ゼ、ゼロ…です…」
一方通行「……そンなンで他人の能力をいきなり使おうとするからそォなる」ポン
佐天「…っ…あれ…徐々に痛みが…」
一方通行「オマエの脳を正常に戻した。そのコピー能力を使いたいンならもっとレベルを上げろ」
佐天「…はい」
一方通行「オイ、オマエ。名前はなンだ」
佐天「さ、佐天です」
一方通行「まずは身体検査をしろ。そンでこっから先のオマエの方針が決まる」
佐天「…分かりました。えっと、あなたの名前は…」
一方通行「忘れた」タンッ
佐天「…え? あっ、ちょっと待ってくださ……行っちゃった」
数日後。
佐天「やった! やったよ、初春! 能力者になれた! それもレベル3」バサァ
初春「えっ、ホントですか! おめでとうございます! …ってスカートめくるのはやめてください! それで能力は何だったんですか?」
佐天「それがまだ分からないらしいんだ」
初春「どんな感じの能力なんです?」
佐天「予知能力みたいな感じかな」
初春「へぇ、何にせよ。御坂さん達にも報告を…」
佐天「あっ、ごめんね。今から研究施設に行かないといけないんだ。私の口から直接伝えたいから御坂さん達にはまだ内緒で!」
初春「はい、分かりました!」
佐天(……絶対に御坂さんを超えてみせる。その為にはもっともっとレベルを上げないと……もっと…)
研究施設。
科学者「ツリーダイアグラムの導き出した結論では、君のレベルはもうあがらない」
佐天「……えっ」
佐天(そ、そんな……それじゃあ…御坂さんには…)
科学者「だけど、ただひとつだけ方法がなくはない。ただ、あまりオススメはしない」
佐天「………その方法。教えてください」
科学者「………君は今のままでも十分な」
佐天「まだです! まだ御坂さんには及びません! お願いします! その方法を教えてください!」
科学者「………」
科学者「君にとっての最愛の友―――初春飾利を殺すことだ」
佐天「……えっ」
科学者「最初に言っただろう。あまりオススメはしない、と」
佐天「………」
科学者「君は今のままでも強い。十分だろう―――」
佐天「………」
佐天(初春を……殺すこと。初春を殺す。私が? そんなの……そんなこと……)
科学者「―――超電磁砲―――」
佐天「………」ピクッ
佐天(だけど……初春を殺せば…私のレベルは上がる。御坂さんに勝てるかもしれない。でも―――初春は―――親友―――そう。親友)
佐天「あは、あははははは! そうだよ、初春は私の親友なんだよ?」
科学者「―――分かってくれたか!」
佐天「うん、分かってくれるよ。初春は私の親友―――――だから私の気持ちを理解してくれるよね。親友なら――――私に殺されてくれるよね」
科学者「っ!?」
佐天「あの御坂さんに勝てるかもしれないんだよ。初春だって喜んでくれるはず! だって私の大切な親友なんだから―――」
科学者「………」
佐天「それで? 私はどうすればいいんですか?」
科学者「……………………君は本当にソレで良いのかい…?」
佐天「…何がですか?」
科学者「…いや、なんでもない………実験日は明後日の18時だ。場所は操車場だ」
佐天「分かりました」
佐天「………初春。私の為に死んでくれるよね」
佐天「…あははは。あはははははははははははははははは―――――!」
一方通行「よォ、久しぶりだなァ」
佐天「あっ、一方通行さん。この間は助けてくれてありがとうございました」ペコッ
一方通行「あァ、それでオマエもやンのか?」
佐天「何をです?」
一方通行「…人形破壊」
佐天「…そんな奇妙なことはやりませんよ。私はただ初春を……初春と…そう…初春と一緒に御坂さんに勝ちたいだけですよ」
一方通行「そォか」
一方通行「なァ、オマエは…」
佐天「…はい? なんですか」
一方通行「いや、何でもねェ。オマエも大変だなァと思ってよォ」
佐天「一方通行さんは大変なんですか?」
一方通行「…別に」
佐天「それで一方通行さんはどうしてここに?」
一方通行「まァ、オマエに興味があっただけだ」
佐天「へぇ、それは私のことを口説いてるんですか?」
一方通行「……オマエの能力に興味があっただけだ。ガキに興味はねェ」
佐天「……そうですか。ちょっと残念」
一方通行「そンでオマエは超電磁砲に勝つことだけが目的か?」
佐天「…? そうですけど他に何かありますか?」
一方通行「いや、まァそォだなァ。超電磁砲をぶち殺した後はどォするつもりなンだ?」
佐天「…? そうですね、考えたこともありませんね。まぁ、その時になったら考えますよ」ニコッ
一方通行「……そォか。まァいい。オレは今から実験だ。オマエはオマエで頑張れ。じゃあな」タッ
佐天「………はい。分かり…ってもういませんね」
翌日。
佐天「うーいーはーるー!」バサァ
初春「ひゃっ!」
佐天「おっ、今日は水玉模様か…」
初春「さ、佐天さん! もうやめてください!」
佐天「あはははは、ごめんね。これで最後にするよ♪」ニコッ
初春「?」
初春「それで今日は御坂さんたちと約束してるんですけど、佐天さんも来ますか?」
佐天「うーん、私は……やっぱりいいや。ちょっと今日も実験があるし」
初春「…………そうですか」
初春(……佐天さん)
翌日。夕方。操車場。
初春「……えっと…確か…この辺りだったよね…」
初春(佐天さん…)
佐天「うーいーはーるー♪」バサァ
初春「ひゃっ!」
佐天「おっ、今日はキャラモノのパンツかぁ」
初春「さ、さささ佐天さん! 昨日、最後だって言ってたじゃないですか!」
佐天「えーっ、そんなこと言ったかな?」
初春「言いました!」
佐天「うーん、でも安心して。今のが本当に最後だから♪」
初春「…佐天さん。それって…やっぱり私を殺すんですか?」
佐天「…え?」
初春「最近の佐天さんの様子が気になって少し調べさせていただきました」
佐天「もう初春ったら。そんなに私のことが気になるんだ…」
初春「なんですか…これ。この実験…こんなの…」
佐天「初春? なんで泣いてるの?」
初春「そんなの…決まってるじゃないですかぁ…!」
佐天「あっ、分かった! 私のレベルが上がるのが嬉しいんだね。やっぱり初春は私の大切な友達」
初春「…佐天さん」
佐天「―――だから私の為に死んでね」タッ
ヒュン・・・ズドォオオン
佐天「……いきなり何するんですか、御坂さん」
美琴「…佐天さん。あなたこそ自分が何をしようとしているのか分かってるの?」
佐天「……分かってますよ。御坂さんを超える為に」
美琴「…ッ! なんで…そんなことを…」
佐天「今、言いましたよね。御坂さんを超える為に、と」
美琴「だからその理由を聞いてんのよ!」
佐天「…理由? そんなの決まってるじゃないですか。あなたに見下され続けることが耐え切れないんですよ」
美琴「わ、私は佐天さんを見下したことなんて…」
佐天「……いつまで無自覚のフリを続けているんですか?」
美琴「…え?」
佐天「…無能力者相手には本性を出す必要もないんですか? ああ、そういえば今はレベル3でしたね」
佐天「あの夜、鉄橋での話をたまたま聞きました。まさかあんな風に私たちのことを思っていたとは…」
美琴「あの夜? 鉄橋…!」
佐天「…思い出しましたか?」
美琴「アレは違っ」
佐天「何が違うんですか?」
美琴「…ッ」
初春「…佐天…さん…」
佐天「なに、初春」
初春「…佐天さんは本当に…私を殺せるんですか?」
佐天「…? 何を言ってるの、初春」グサッ
初春「えっ…佐…天さ……ん…ぐふっ」バタ
美琴「ッ、初春さん!?」
佐天「あはははは、殺せるに決まってるじゃん。もうそれだけの力はあるんだよ?」
美琴「…このッ!」ビリビリ
佐天「…油断しましたね、御坂さん。この眼の用途は書庫に登録されているだけじゃないんですよ…」
レベル0…河村(ただの波動球)
レベル1…
レベル2…菊丸(分身)
レベル3…千歳(未来予知)
レベル4…樺地(コピー能力)、真田(瞬間移動)
レベル5…幸村(完全催眠)、対戦相手を操る高校生
テニヌだとこんな感じか?
佐天「…初春。ごめんね、大好きな私の親友。せめて最後は安らかに…」
心臓を貫かれ、倒れた初春を抱えた佐天は、飛来する雷撃の槍を回避する。
佐天「無粋ですね、御坂さん。親友との最期の別れなんですよ? 相手は後でしてあげますよ。だから今は介入しないでください」
美琴「いい加減にッ…しろ! 今すぐ病院に連れていけばまだ間に合う可能性が…」
佐天「―――天照」
瞬間、佐天の両方の瞳に六芒星の模様が現れる。直後、初春のカラダが黒い炎に包まれた。
佐天「さようなら、初春」
初春の存在が消滅するのを悲しむように佐天の頬を赤い涙が伝い、地に零れる。
美琴「…なに…それ…」
佐天「…………」
美琴「何なのよ、その眼は!」
佐天「知りませんか? 私の能力ですよ」
美琴「……ッ」
佐天「……あは。あははははははははははははは――――――――――!!!」
佐天「これで! これで私はまたひとつ御坂さんに近付けましたよ!」
美琴「…佐天さん」
佐天「何ですか、御坂さん!」
美琴「……このままあなたを野放しにしているわけにはいかない!」
刹那、複数の雷撃の槍が飛来する。それを回避した直後、佐天には見えた。砂鉄の剣が自分の直前まで迫る光景が見えた。
佐天「…ッ」
が、その剣は振り下ろされ、佐天は初春を刺した懐刀を片手に砂鉄の剣に対抗する。
が、佐天の短刀は呆気なく切断され、そのまま砂鉄の剣に腕を切り落とされる。
佐天「…ぐッ!」
大量の血が溢れ、佐天は膝を付き、その光景を見た美琴は力を抜いた。格下の敵に対する油断。
直後、美琴の体が黒い炎に包まれた。
美琴「…ッ…ぎゃああ…熱い…アツッ…あああああ…」
佐天「…あは…油断……大敵……ですよ……御…坂…さん…」
佐天は立ち上がり、黒い炎に包まれ、地を転がり、悶え苦しむ美琴の様子を見下すように眺める。
佐天「…ふふふ。なんだ、御坂さん。御坂さんはずっとこんな光景を独り占めしていたんですね…」
美琴「……ぁ……ァ……っ……」
佐天「…ずるいひとですね。でも、これからは……私のモノ」
佐天「………………………あはははは…」
その直後、佐天が倒れた。心臓に何らかの遺物が刺さり、彼女は笑みを浮かべたまま息絶えた。
佐天を殺した人物は完全に炭と化した御坂を抱き上げる。が、それと共に御坂の焼け焦げた肉体は崩壊した。
黒子「あ…あああ…お…姉…様…ああ…あああああ………イヤァアアアア――――――!!」
おわり
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