男「俺の二度目の高校生活」 (15)
男「春だ!!新学期だ!」
男「恋愛だ!青春だ!」
男「ふっふっふっふ……」
オハヨー ハルヤスミナニシテター
男「わくわくするぜ……ゾクゾクするぜ……」
男「俺の!セカンドハイスクールライフ!!」
学校 校門
男「桜舞う校庭……新学期に胸をおどらせる学生たち」
男「いいね……いい!俺の夢が現実に一歩ずつ近づいているこの感触!」
教師「はい、ストップ」
男「え……」
教師「そう、そこのお前だ」
男「な、なんすか」アセアセ
教師「」プッフフ
教師「久しぶりだな」
男「なんだよ!お前か!驚かせんな!」
教師「案外、様になるもんだな。制服」
男「ふっ……どうだ?懐かしいだろ?」
教師「あぁ、懐かしいね。って言ってもブレザーだからなんか違う気もする」
男「違って当たり前だ。この制服と同じように俺は昔と違う」
教師「……だな」
教師「お前、ちょっと職員室に来い」
男「なんでだよ」
教師「転入生だからな。お前は」
職員室
教師「まったく……本当にやり直そうとは」
男「呆れるか?」
教師「当たり前だ。だが、お前の気持ちはわかってるつもりだ」
男「やはり、持つべきものは友達だな」
教師「俺を頼るのは今後も構わないが」
教師「頼むから問題だけは侵さないでくれよ」
男「理事長の息子の顔に泥を塗るようなマネはしないさ」
男「それに俺はもうガキじゃない」
教師「わかってくれるのならそれでいい」
男「ところで喫煙所って」
教師「ねーよ!!あってもその格好で吸わせねぇよ!」
教師「さ、行くぞ。朝のHRだ」
男「まさか、お前が俺の担任?」
教師「そうだ」
男「なんか……複雑だな」
教師「俺だってそうさ」
男(思えば長かったここまでの道のり……)
男(俺の23年間の人生がやっと輝きだすんだ……)
男「へっへっへ」シクシク
教師「なに……笑いながら泣いてんだ……気持ち悪い」
教室
教師「で、今日からこのクラスを受け持つのがこの俺だ」
「えー。理事長のむすこかよー」 「きびしそー」
教師「息子言うな!」
教師「それでだ。突然だが転入生を紹介する」
教師「これから一年間仲良くしてやってくれ」
教師「おい、入って来い」
ガラッ
男「しつれいしまーす!」
スタスタ
男「」カキカキ
男「俺の名前は男っていいます!今日からこの学校で、このクラスでお世話になります」
男「よろしくおねがいします!!!」
男(きたきた!!お決まりのイベント!自己紹介!そして!質問タイム!!)
教師「はい、じゃぁ男、席につけ。そこの席だ」
男「は?」
教師「あ?」
男「ちょっと待て!質問タイムは?」
教師「いらねーだろ。俺、お前のこと知ってるし」ボソッ
男「てめえはどうでもいいだろ!!馬鹿か!」
教師「あ!お前!教師に向かって!」
男「お願いします……やらせてください。質問タイム」
教師「はぁ……」
教師「はい、じゃぁ何か質問ある人」
――
―
教室
休み時間
男(つかみはばっちりだ!)
男(それに俺は他の学生と違って勉強なんかしなくていい)
男(ただ、青春と恋愛を満喫すればいいんだからな)
男(昔のように馬鹿みたい受験のため休憩時間を削り参考書とにらめっこなんかしなくていいんだ!)
男「ふっふっふ……最高だぜ」
女「あの」
男「!?」
女「最高?」
男「い、いやぁ!今日の最高気温をちょっと調べててさぁ」
男「や、やっぱもう春だし暖かいねーな、なんて……」
女「そうなんだ」
男「で、何の用かな?」アセアセ
女「えっと」
女友「いろいろ聞きたいんだよねー!前の高校のこととかさぁ!」
男友「俺も!俺も!転入生なんてすっげぇ珍しい!あんた希少種だぜ?」
男「そ、そうかそうか!なんでも聞いてくれ!」(やばい。机囲まれたの初めてだ)
男「それで、転入ってことに」(全部嘘だけど)
女「へー。色々と大変だったんだねぇ」
女友「まぁ2年は修学旅行もあるし!すぐクラスのみんなと打ち解けられるよ」
男「そっか……修学旅行もあるのか」
男友「て言っても俺たちも初めて同じクラスになるやつとか大勢いるし」
男友「スタートラインはみんな大体同じだなぁ!」
女「うん♪そうだね。早くみんなと仲良くなりたいね」
男「君たち三人は?元々、仲良さそうだけど」
男友「俺達は1年の時、クラスが一緒だったんだ」
女友「また、同じクラスになったのは私達、三人だけだけどね!」
男「へー」
男(1年過ごすだけでこんなにも仲良くなるもんなんだなぁ)
男(正直、羨ましい)
キーンコーンカーンコーン
女「そろそろ席に戻るね」
男「あ、うん」
男友「また、何か話そうぜ!」
男(若い……俺も、世間から見たらまだ若い方なんだろうが……若いな)
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