海未「アフィリエイト…ですか?」 (62)

穂乃果「そう。海未ちゃん、知ってる?」

海未「なんとなく聞いたことはあるけど、詳しくは…」

穂乃果「簡単に言えば広告収入ってやつだよ!私たちでブログを作って、それに広告を載せればお金が入るってわけ!」

ことり「それを使えば音ノ木坂学園の廃校をまぬがれるの?」

穂乃果「うん。今、全国にはアフィリエイトで稼いでる学生がいっぱいいるんだよ!私たちもここでスクールアフィリエイト部を作って、そのノウハウを身につければ、きっとそれに釣られた新入生が入って来てくれるはずだよ!」

ことり「確かに、学生のうちからお金を稼ぐなんて大人みたいでかっこいいね…。うん、やろう!穂乃果ちゃん!」

海未「そう簡単にいきますかね…」

数週間後

穂乃果「難しかったけど、なんとか準備はできたね」

海未「ええ。あとは実際にブログに載せる記事を書くだけです」

ことり「うーん、私文章とか書くの苦手だからなぁ」

穂乃果「大丈夫だよ!」

ことり「?」

穂乃果「今の主流は2chまとめブログ!2ちゃんねるの面白いスレッドをまとめるだけで立派なブログになるんだから!」

ことり「そうなんだ!すごいね、穂乃果ちゃん」

海未「で、でも穂乃果?それは無断転載とかの問題になるのでは…?それに、他人の書いたものを載せるだけならともかく、私たちは広告収入を得るのですよ?なんだか少し悪い気が…」

穂乃果「大丈夫大丈夫~。私たちがするのは『無断転載』じゃなくて『引用』だからね。ちゃんと出典元を明記しておけば合法なんだよ。ま、『転載禁止』にされてるのはさすがにまずいけど」

海未「まぁ、それなら…」

穂乃果「それじゃあ早速おもしろそうなスレを探そう!」

ことり「うん!」

数週間後

穂乃果「どれどれ~。昨日のアクセス数は~、と」

穂乃果「わぁ!思った以上に増えてる!やっぱり現役女子高生管理人の名前が効いてるな~」

ことり「やったね、穂乃果ちゃん!」

海未「まさかこうもあっさり上手くいくとは…」

穂乃果「…ううん、まだだよ海未ちゃん!」

海未「え?」

ことり「うん…、確かにアクセス数は少しずつ増えてるけど、まだ来年度の新入生にアピールできるほどじゃないね」

海未「どうしたらいいのでしょうか…」

穂乃果「よし!更新率をあげよう!」

ことり「ええ!でもアクセス数を稼げそうなスレを探すのは結構時間がかかるし、これ以上の更新は無理だよ~」

海未「そうですね…。まとめられそうなスレを探してからも、編集や管理作業がありますから…」

穂乃果「私にいい考えがあるの!」

次の日

穂乃果「というわけで、バイトを雇います!」

花陽「ど、どうも…」

凛「よろしくにゃ~」

真姫「しょうがないわね」

ことり「なるほど~。人手を増やすことでブログの更新率を上げられるね!」

海未「そしてそれによってさらにアクセス数を上げ、アフィリエイト収入でバイト代も賄えるというわけですか」

穂乃果「そうそう!それに、新入生へのアピールのために、もっと規模を大きくする必要があるからね!」

数週間後

ことり「更新率も上がって、アクセス数も伸びてきて順調だね!」

海未「ええ。これならきっと…」

穂乃果「まだだよ!」

海未「え?」

穂乃果「このまとめブログはもっとアクセス数を増やせる!」

ことり「え~、でもこれ以上どうやって…」

穂乃果「それはね…。こうするの!」カチャカチャ

海未「ほ、穂乃果!あなた、元のスレッドのタイトルの頭に【衝撃画像】と付け加えて何をするつもり!?」

穂乃果「ふふふ」カチャカチャ

ことり「そ、それに記事名の最後に『これはエロいwwwww』なんて言葉を添えてる!?」

穂乃果「ふふふ、こう書いておくとついつい内容が気になっちゃうでしょ?」

ことり「そうしてアクセス数をさらに増やそうって魂胆だね!」

海未「しかし、元の記事の改変はいけないのでは…」

穂乃果「大丈夫だよ、このくらい~」

ことり「そうだよね…、このくらいどうってことないよ!」

海未「そうですかね…」

数週間後

穂乃果「どんどんアクセス数が伸びてるよ!」

ことり「やったね!」

海未「私たちのまとめブログも大手サイトとして認識されるようになってきましたね」

ことり「で、でもたまに批判的な意見もあるよ…」

海未「…元々まとめブログでのアフィリエイト収入をよく思わない人は一定数いますからね」

穂乃果「そんなの関係ないじゃん!私たちにお金が入るのが嫌なら、その人は見なければいいんだよ!」

海未「そうですね。私も特に気にする必要はないと思います」

ことり「うん!」

穂乃果「よーし、そろそろ次の段階に進もうか!」

海未「次の段階とは?」

穂乃果「ふふふ」カチャカチャ

海未「ほ、穂乃果!転載したスレをいじって何をしているのですか!」

ことり「!!か、勝手にありもしないレスを追加してる!」

穂乃果「ふふふ」

海未「穂乃果!それはさすがに許せませんよ!」

穂乃果「こうした方が面白くなるし、話題の流れがまとまるでしょ?まとめブログを読むような人にとってはわかりやすい内容の方が嬉しいんだよ!」

ことり「で、でも、まとめブログなのに記事の内容が恣意的にいじられたり偏向的な内容だったりしたら良くないんじゃ…」

穂乃果「何言ってんの~。ここまで大手のブログになったんだから、そのくらい平気だよ~」

海未「だといいのですが…」

数週間後

穂乃果「アクセス数がうなぎ登りだね!」

ことり「よかった~」

海未「結果的に良かったものの、これ以上危ないことをするのはやめてくださいよ?」

穂乃果「はーい」

その日の夜

穂乃果「さーて、今日はどのスレをまとめようかな~」

穂乃果「お、この画像スレ良さそう…」

穂乃果「『転載禁止』…?ああめんどくさいなぁ。このくらいいいでしょ」カチカチ

穂乃果「よし!更新完了!寝るとしますか~」

次の日

ことり「ほ、穂乃果ちゃん!!」

穂乃果「んー?どうしたの?」

海未「穂乃果!あなたって人は!」

穂乃果「へ?」

海未「とにかくこれを見てください!」

穂乃果「これは…私が昨日まとめた記事のコメント欄?」

『ちょwww殺害予告wwwww』

『終わったなwwwww』

『これは開示やろなぁ』

穂乃果「ど、どういうこと?」

海未「だから!あなたのまとめたスレに貼られていた画像の中に、ある特定の人物の殺害を予告する内容の画像が含まれていたんです!」

穂乃果「で、でも、私が見た時にはそんな画像…」

ことり「偽装gifだったんだよ…。ぱっと見普通の画像だけど、1分くらい経つと殺害予告の画像に切り替わるの…」

穂乃果「そ、そんな…」

海未「とにかくこの記事は削除しましょう。謝罪の記事を書いておきます」

穂乃果「う、うん…。ごめんね…」

ことり「だ、大丈夫だよ!穂乃果ちゃんは悪くないし…」

海未「果たしてそうでしょうか?」

穂乃果「え…」

海未「形だけを見れば、これは私たちが殺害予告をしたということに違いありません…。もちろん『殺害予告をさせられた』と被害者ぶることもできますが、アフィリエイトを目の敵にしている人たちがこれを機に何をしでかすかわかりませんよ」

穂乃果「そ、それでも私は悪気があったわけじゃ…」

海未「それは分かっています。けれども、そんな話が通じるのなら何の心配もいらないでしょう。それに、殺害予告に関して私たちに非がないとしても、この画像スレは転載禁止と書いてあります。その画像を勝手に転載したという点では叩かれても何も言えませんよ」

穂乃果「うう…」

ことり「穂乃果ちゃん…」

海未「大事にならないといいのですが…」

次の日

ことり「ほ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ど、どうしたの?」

ことり「大変なの!これを見て!」

穂乃果「これは…なんjのスレ…?」

『【音ノ木坂】アフィ管理人高坂穂乃果殺害予告をし炎上★12】』

穂乃果「うそ…、なんで私の名前…」

海未「ドメインです…!」

穂乃果「え…?」

海未「私たちのまとめブログのドメインを取得する際に使った、穂乃果の本名がなんj民によって特定されてしまいました…!」

ことり「そんな…」

海未「恐らく名前から学校を特定したのでしょう…、そして今はすでに穂乃果の家が和菓子屋であるところまで知られています」

穂乃果「ど、どうしよう…」

ことり「そ、そうだ!警察とか、ネットに強い弁護士さんに相談すれば…」

海未「だめです!あまりことを大きくすれば奴らの思うつぼ、それに弁護士なんて当てになりません!」

穂乃果「じゃあどうすれば…」

海未「黙ってブログを閉鎖するしかないでしょう…」

穂乃果「そんな!でもそしたらこの学校は…」

海未「……」

ことり「穂乃果ちゃん…」

その日の夜

穂乃果「私どうなっちゃうんだろ…」

ピンポーン

穂乃果「はーい」ガチャ

男「こちら宅急便でーす」

穂乃果「あ、はい」

穂乃果「これは…?」パカッ

穂乃果(!!!…創○学会と幸○の科学の資料??)

プルルルルル

穂乃果「メ、メールだ」

穂乃果「うわ…、大量のメルマガ…」

次の日

海未「炎上スレの勢いはほとんど衰えてませんね…」

穂乃果「うう…」

海未「このままでは、私やことりが特定されるのも時間の問題かもしれません…」

穂乃果「え…」

ことり「穂乃果ちゃん!海未ちゃん!」

穂乃果「どうしたの、ことりちゃん」

ことり「せ、生徒会長さんが呼んでるみたい…」

生徒会室

絵里「あなたたちね、今うちの学校で問題になってるまとめブログの管理人は」

穂乃果「…はい」

絵里「先日からずっと問い合わせが来ているの。『ブログ上で殺害予告をした学生がいる』って。それにあなたたちが不正を働いてお金を得ているという内容もあったわ」

海未「それは…!」

絵里「この学園が廃校をまぬがれるなんていう望みはほぼ失われたわ。あなたたちのせいでね」

ことり「え……」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月04日 (火) 03:09:06   ID: XlbxCYk_

ドメインから個人情報特定なんてできんの?

2 :  SS好きの774さん   2014年11月04日 (火) 03:11:26   ID: XlbxCYk_

すまん米1だけど自己解決したわ。これ実話を元にしてたのね・・・。

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