凛「嵐を呼ぶ幼稚園児」 (21)


ー川原ー


凛「……」


モバP『凛、お前の気持ちは素直に嬉しいよ』

モバP『でも俺とお前はアイドルとプロデューサーだから…それに年齢だって』

モバP『だから…すまない』



凛「バッカみたい…私ひとりだけはしゃいじゃってさ」

凛「あの人が優しく接するのは私だけじゃないって…わかってたことじゃん」

凛「私はあの人の特別なんかじゃないって…わかってたことじゃん…」



???「ねぇねぇお姉さん!納豆にはネギ入れるタイプー?」

凛「…は?」キョロキョロ

???「こっち見て、こっちだぞ」クイクイ

凛「え…?」ジッ

???「よっ」





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凛「えっと…貴方、誰?」

しんのすけ「オラ野原しんのすけ、5才」


凛「5才って…迷子?もう夕方だよ?」

しんのすけ「ううん、かーちゃんとお買いものしてたんだけどかーちゃんがはぐれちゃったんだゾ」

凛(はぐれたのはそっちなんじゃ…)

しんのすけ「まったくー、にわのかかるかーちゃんですなぁ」


凛「それをいうなら『世話のかかる』じゃない?」

しんのすけ「オオー!そーともいうー!」


凛(なんなんだろこの子…)




しんのすけ「お姉さんはこんなところでなにしてるの?」

凛「んー…なにもしてないよ、ただここにいるだけ」

しんのすけ「んんー?」ジーッ

凛「?どうしたの?」


しんのすけ「お姉さん、どっかで見たことあるゾ」

しんのすけ「はっ!?まさかこれがうんめーのであい!?」


凛「多分、私のことを見たのはテレビの中じゃない?」

しんのすけ「オオー?あ、おもいだしたゾ!」

しんのすけ「らいばるのしぶやりんちゃん!」

凛「『アイドル』の渋谷凛だよ!」

しんのすけ「そーともいうー、てじまゆー」

凛「そうとしか言わないから…」



しんのすけ「んでらいばるのしぶやりんちゃんはなんでかすかべにいるの?おしごとですかな?」

凛「アイドルだってば…ううん、プライベートだよ」

しんのすけ「ぷ、ぷらいべーど?」

凛「プライベート、お休みってこと」

しんのすけ「ほぅほぅ」


凛(ほんとは仕事抜け出してるんだけどね…プロデューサーと顔あわせられなくて)

しんのすけ「かすかべになにしにきたのー?かんこー?」

凛「ぷらーっと電車にゆられてたらね、なんとなくここで降りたんだよ」

しんのすけ「ほほぅ、おとなですなー」

凛「大人…ね」


凛(私が本当に大人だったら…プロデューサーの答えも変わってたのかな…)

しんのすけ「ねぇねぇりんちゃん」

凛「なに?」

しんのすけ「りんちゃんはどうしてらいばるになろうとしたの?」

凛「アイドルね、理由は…別にないかも」

凛「暇だったし、楽しそうだと思ったからかな」

しんのすけ「オラもいつからいばるになりたいゾ」

凛「アイドルに?どうして?」

しんのすけ「だってー、らいばるになったらキレイなお姉さんにいっぱいチヤホヤされるからだゾ!」ニヘヘー

凛「コラコラ、そんなあまい世界じゃないよ?」





しんのすけ「でも楽しいんじゃないのー?」

凛「……楽しいばかりじゃないよ」


凛「むしろ……アイドルだからこそつらいときもあるよ」

しんのすけ「……」



しんのすけ「りんちゃんりんちゃん」ツンツン

凛「ん?」


しんのすけ「ケツだけ星人ぶりぶりー!ぶりぶりー!」チョコマカチョコマカ

凛「……フフッ、ハハハハハッ!なにそれ、アハハハッ!」


しんのすけ「オオー!りんちゃんやっと笑ったゾ!」

凛「アハハハッ…え?」









しんのすけ「テレビで見るりんちゃんはうづきちゃんやみおちゃんと一緒に笑ってるゾ」

しんのすけ「なのにりんちゃん、今日はぜんぜん笑ってなかったゾ」

しんのすけ「りんちゃんはお仕事じゃないときは笑わないの?」


凛「……ううん、ちがうよ」

凛「あのね、しんちゃんにはまだわからないかもしれないけど…アイドルの仕事…というよりは仕事仲間とギスギスしちゃってるんだ、私」

凛「それが嫌で…たまらなく苦しくて…だから笑えなかったの」

凛「アイドル失格だよね…笑えないアイドルなんて」


しんのすけ「そんなことないゾ!」


しんのすけ「りんちゃん、さっき笑ったゾ」

しんのすけ「だかららいばるだゾ!ちゃんとらいばるなんだゾ!」

しんのすけ「それにりんちゃんはかわいいからネ!オラのおすみつきだゾ!エッヘン!」

凛「…ありがと、しんちゃん」


しんのすけ「それにとーちゃんが言ってたゾ」

凛「お父さんが」


しんのすけ「ぶかのかわぐちとケンカしちゃっても一緒にのみにいけばなかなおりできるって!だからりんちゃんもおしごとなかまとのみにいけばいいんだゾ!」

凛「うーん…飲みにってのは無理かな?」

凛「でも…そうだね、いつまでも逃げていられないもんね」

凛「アイドルなんだから…ファンを待たせちゃわるいしね!」ニコッ


しんのすけ「オオー!じゃあオラもふぁんになる!」

凛「あ、ファンじゃなかったんだ…」


しんのすけ「うん、オラかな子ちゃんのふぁんだもん」

しんのすけ「でもいまからりんちゃんのふぁんにもなるゾ!」

凛「へぇ、じゃあ新しくファンになってくれたしんちゃんにサービスしなきゃね」

しんのすけ「オオー!ふとももー!」

凛「もしかして太っ腹のこと…?」

しんのすけ「そーともいうー!」

凛「まったくもう…しんちゃん、好きな歌はある?」


しんのすけ「うんとねーうんとねー…んんーなやみますなぁー」

しんのすけ「あ、アクション仮面!」

凛「オッケー、じゃあいまからしんちゃんのためだけにミニライブするからね」ナデナデ


凛「いくよ、あーくしょーんかめーんー!」

しんのすけ「せーぎのかめーんー!」


凛、しんのすけ『ゴッゴッゴー、レッツゴー!』



ーーーーーー


凛「ふぅ…どう?楽しんでくれた?」

しんのすけ「なかなかじょうでき!」

凛「ありがと、ていうかもうこんな時間かぁ…しんちゃんは家に帰らなくて大丈夫なの?」

しんのすけ「んーとねー…」



???「しんのすけー!どこにいるのー!!?」

しんのすけ「おお!かーちゃんの声だゾ!」

凛「そっか、じゃあもう帰らなきゃね」

しんのすけ「うん、んじゃそういうことでー」ヒラヒラ

凛「ええ…あっさりしてるね…」


しんのすけ「お、いいわすれてたゾ!」

凛「ん?どうしたの?」



しんのすけ「次にあったらりんちゃんのお歌うたってね」

凛「フフッ…うん、約束するよ」

しんのすけ「それじゃまたねー、バイバーイ!」タッタッタッ

凛「またね、しんちゃん」ヒラヒラ




凛「……」スッ



凛「あ、もしもしプロデューサー?うん…ごめんね迷惑かけて」

凛「あのさ…プロデューサーさえよかったら、一緒にご飯でもいかない?」

凛「アイドルとして…ならいいんでしょ?」

凛「うん、約束だからねプロデューサー」




おしまい










短いけど終わりです
お付き合いいただきありがとうございました

最近仕事が忙しくてなかなか休めずこの前久しぶりにしんちゃんが見れたので感激のあまりに書きました
バレンタイン?バレンタインは中止になったと聞きましたが?


過去作

モバP「島村卯月の飼い方」etc

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