【朗報】山中教授:「IPS細胞にがん化リスクなど三つ誤解ある」 (6)

◇STAP細胞の開発に絡み、会見

iPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発した京都大iPS細胞研究所長の山中 伸弥教授は10日、京都市内で記者会見し、
理化学研究所などの研究チームによ るSTAP細胞(刺激惹起(じゃっき) 性多能性獲得細胞)の開発に絡み、
「一 般の人や報道は、iPS細胞の方ががん 化のリスクが高く、作製が難しいなどと三つの誤解をしている」
と指摘した。

山中教授が誤解だと指摘したのは
▽i PS細胞はSTAP細胞よりがん化のリスクが高い▽iPS細胞の作製効率は 0.1%、STAP細胞は30%
▽iPS細胞の作製はSTAP細胞より難しい ??の3点。

続き

がん化については、マウスのiPS細 胞作製を発表した2006年当初は染色体に遺伝子を取り込ませる方法やがん遺伝子を使い、
がん化の頻度は高かったが、現在はいずれも使っていないと説明。

効率についても、当初は約0.1% だったが、09年に20%に上昇させることに成功したと話し、
STAP細胞は、酸に浸した後に生き残った細胞が約 30%の確率で多能性を獲得するため、
約10%とするのが正しく、このうち増 殖する細胞になるのは1~2割程度だと指摘した。

作製の難しさは
「iPS細胞は世界中 の誰でもどこでもできる簡単な技術で、 (別の万能細胞の)ES細胞(胚性幹細 胞)の培養法などが応用できたため世界 中で急速に普及した」
と説明。STAP 細胞について
「ES細胞やiPS細胞と の互換性がないと、積み重ねられた研究 成果が利用できない」
と指摘した。

【根 本毅、堀智行】

2014年02月10日

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