和「咲さんに腹パンでもしてみますか」(126)
咲「……」サスサス
和「あのー、咲さん。大変失礼な事なんですけども」
咲「な、なに?」
和「最近太りましたよね?妙にお腹がぽっこりしてるような」
咲「きききき、気のせいだよ。あはっ…、あはは…、ははは…」サスサス
咲「お姉ちゃんみたいにお菓子食べすぎたかな」
和「……それなら、問題ないです」
咲「ダイエットしなくちゃね」
和「一緒にジムにでも通いますか?あぁ、最近体育も見学してましたね。どこか怪我でもしてるんですか?」
咲「体調悪くてついね…」サスサス
咲「ねぇ…、和ちゃん」
和「はい、何ですか?」
咲「私達は親友かな?」
和「もちろんです。咲さんの一番の親友ですよ」ニコッ
一ヶ月後
咲「……和ちゃん」
和「はい、何ですか?デレカシーに欠けるからあまり言いたくないですけど、また太りました?」
咲「相談に…乗って…欲し…い事がある」グスグス
和「どうしたんですか?ぜひ私に話して下さい。力になりますよ」
咲「……ここじゃ言いにくいから、私の家で」
場所を移動して
咲「お茶用意するね」
和「いえ、結構です。それより本題に入りましょう」
咲「……うん」
和「無理せず自分のペースで話して下さい。ゆっくり…ゆっくり…でいいですからね」
咲「お姉ちゃんやお父さんにもまだ言ってないんだけどね」
和「はい」
和(私が初めての相談相手でしょうか。よっぽど言いにくい事なんでしょうかね)
咲「最近生理が来なくなって…」
和「整理?部屋の整理はちゃんとしないと駄目ですね」
咲「……」フルフル
和「部室の整理ですか?今週は須賀君が当番でしたけど、咲さんやりたいんですか?」
咲「……」フルフル
咲「生理が来ない」ポロポロ
和「いつ!?いつからですか!いついついつ!!!!!!」バン
咲「四か月くらい前から」
和「よ、四か月ですか?」カタカタ
咲「誰にも相談出来なくて…、きっといつか来るだろうって…」グスン
和「だから時々お腹をさすってたんですね…って四か月!?」
咲「う、うん」
和「ちょっと待って下さい。携帯で調べます」ピッピッピ
和(確か私の記憶では…二ヶ月くらいだったような)
和「中絶手術は妊娠22週未満と決められており、それ以降になると母体の生命に危険を及ぼすために中絶は禁止されています…と」
咲「えっ?」
和「咲さん、今すぐ病院に行きますよ」グイッ
咲「ややや、やだ…。みんなにバレちゃうよ」カタカタ
和「隣町の産婦人科に行きます!手遅れになりたいんですか?」
咲「うっうっ…」
先生「残念ながら…、もう堕ろす事は出来ません」
和「SAO」フラッ
咲「どうしようどうしよう…」
先生「とにかく親御さんと相談ですね。貴方、プロ雀士の宮永照の妹よね?」
咲「…はい」
和「連絡しておきますね」ポチポチ
咲「ま、待って!まだ言わないで」
和「もうそんな事言ってる余裕はありません!咲さん、貴方はとんでもない過ちを犯したのですよ」
宮永家
和「咲さんのお父さんは、照さんを駅まで迎えに行きました」
咲「…そっか」
和「もう生むしかないとか…、今年の全国大会どうなりますかね?」
咲「ごめんね。出れないかもしれないね」
和「別にいいですよ。咲さんの居ない大会なんて…、私には何の価値もない…。ところで相手は誰ですか?」
咲「…言えない」ボソッ
和「はぁ?親友である私に言えないんですか!」バン
咲「相手の人にも生活とかあるし…。もう別れたし…」
和「そんな問題じゃないです!責任ですよ責任!相手って男の人ですよね?」グイッ
咲の胸倉を掴む和
咲「く、苦しいよ」ゴホッ
和「す、すいません。私とした事がつい取り乱してしまいました」ペコリ
咲「うん。私のために怒ってくれてるんだよね?」
和「…えぇ」
和(これだから男の人は…。咲さん、孕ませといて責任も取らずにとんずらとか許せるわけないじゃないですか)ギリリ
和「咲さん、その人で間違いないんですか?」
咲「う、うん。エッチな事も二回しかした事ないから…」
和「二回ですか。それで当たってしまったんですね。部長の悪待ちですか」
咲「ははは…」
咲「お父さん居ないのは悲しいけど、生むしかないよね」ポロポロ
和「……」ギリリリ
ガチャ
照「おい聞いたぞ」
咲「お、お姉ちゃん…」カタカタ
照「一発叩かせろ。話はそれからだ」
咲「うん」
パチーーーン
咲「痛い…」ヒリヒリ
照「当然だ。本気で叩いた」
咲「ごめんね…、ごめんなさい」ポロポロ
照「済んでしまった事は仕方ない。養育費も出産費も私が肩代わりしてやる」ポイッ
通帳をテーブルに置く照
照「契約金、一円も手をつけてない」
和「咲さん学校辞めずに済みますかね!?」
照「…なんだ原村か。居たのか」ジロッ
照「咲を産婦人科に連れてった事は感謝してる。謝礼だ」ピラッ
諭吉を数枚、和に渡す照
和「いりませんよ!それより咲さんの相手です、一緒に問い詰めましょう」
和「復讐してやりますよ。即婚者なら家庭を滅茶苦茶にしてやります!」
照「…すまないがここからは非常にプライベートな話になるので、お引き取り願おう」
咲「……ごめんね」ポロポロ
和「そんな!?」
咲父「原村さん、いつも娘が世話になってるけど済まないな」
咲「相談に乗ってくれてありがとう。また学校でね」
照「ささっ…、もう遅い時間だ。親御さんも心配してるだろう」
和「待って下さい!私には…、私には聞く権利はありませんか!?」
照「いつか話す。私から話すから」
和「そんな…」ポロポロ
ギィィィィィィ、バタン
和「……」
照「で、相手は誰なんだよ」
咲「----------」
咲父「一応、挨拶しとくか?」
照「殴りに行くの間違いじゃないの?」ギロッ
咲「もう…、お付き合いしてないから相手の人に迷惑かけたくない」
照「私の気が収まらないけど」
咲父「咲がいいって言うなら…、慰謝料とかはいいのか?」
咲「いらない」フルフル
咲「学校も辞める」
照・咲父「!?」
咲「このままじゃ、いずれバレてマスコミさんの餌食になっちゃうから…」
照「しかし高校くらい出ておかないと」
咲「もう…いいの…。全国大会でお姉ちゃんと仲直りも出来たし」
咲「強い人と麻雀するのは楽しかったけど…、お姉ちゃんの足枷にはなりたくない」
照「私の事は気にしなくていい!マスコミに叩かれる事くらいプロに入って慣れたよ」
そして二人の説得も跳ね除けて咲は学校を辞めた
咲「どこかでアルバイト出来る所探さないと」
二週間後
咲「お久しぶりです」ペコリ
まこ「おおっ、入院しとったんじゃってな」
優希「元気そうで何よりだじぇ」
和「……」ムスッ
咲「今日はみなさんにお別れを言いに来ました。これ退部届」スッ
まこ・和・優希「!?」
咲「家庭の事情で退学する事になってしまって…」
まこ「そんな急に言われても」
優希「あわわわわわわ」
咲「みんなごめんね。私は友達少ないから、学校辞めても仲良くして欲しい
咲「家庭の事情で退学する事になってしまって…」
まこ「そんな急に言われても」
優希「あわわわわわわ」
咲「みんなごめんね。私は友達少ないから、学校辞めても仲良くして欲しい」
和「本気なんですか?」
咲「うん、学校辞めて働くよ。お姉ちゃんの貯金は使わない」
まこ「?」
優希「?」
和「私は許可してませんけど?勝手に学校辞めて、麻雀部辞めて…。そんなオカルトありえません」
咲「和ちゃんにはすごくお世話になったね」ニコッ
咲「清澄がまた全国に行ける事を願ってるね」
まこ「かなり厳しいのぉ」
和「咲さんは麻雀辞めませんよね?」
咲「もちろん」
和「もし困った事があれば、私に相談して下さい。私はいつだって咲さんの味方ですから」
咲「パパが和ちゃんなら良かったのにね」
和「~ッッ///」
そして咲が帰った後
まこ「行ったな」
優希「和ちゃん、もういいじぇ」
和「……」プルプル
和「少し泣いていいですか?」
まこ「おぅ、貸してやる胸はないが」
優希「私とまこ先輩は席を外すじぇ」
パタン
和「うわあああああああああぁぁぁ、ああああぁぁぁぁぁあああぁぁ」ポロポロ
和「私は!誰を目標に麻雀を打てばいいんですか!?何のために!誰のために!」ウワァーン!!
和「憎い!憎いです!咲さんを不幸にした男の人が憎い憎い憎い!」
和「ううっ…、ううっ…この気持ちどこにぶつければいいのでしょうか…」プルプル
そして、和達の卒業式がやって来た
咲「和ちゃん、優希ちゃん、京ちゃん卒業式おめでとう」パーン
和「…ありがとうございます」
優希「あっと言う間の三年間だったじぇ」
京太郎「て、照さん!?」
照「暇だったから来ただけだ。赤ちゃん連れて途中で帰るよ」
咲「いつもごめんね」
照「いいよ。結局、私のお金は使わなかったよな」
久「しかし、咲が一番最初に子供作るなんてね。世の中意外な事もあるもんだ」グビグビ
まこ「そうじゃな。相手さんはバイト先で知り合った人じゃっけ?」
咲「えぇ…、もう今はお付き合いしてませんが」
和(そんな設定にしたんですね、しかし咲さんの娘さんカワイイですね)
和「咲さんの遺伝子を色濃く継いで良かった」
照「この子は麻雀強くなるよ。生まれた瞬間、私には感じた。牌に愛された子だ」
咲「麻雀はまだ教えないよ。後、賭け麻雀は勘弁してね」
照「ふふっ、プロ雀士は賭け麻雀バレたら資格剥奪だよ」
咲「さて、私はそろそろ帰ろうかな」ヨッコイショ
照「ん?私が赤ちゃん連れて帰るけど」
咲「いいよ。最近面倒かけっぱなしだし…。今日は久しぶりに部長と話したいって言ってたじゃない」
久「あら~、怒涛の大活躍を見せる宮永プロは私に興味あるのかしら?」
照「ば、ば、バカ!そんなわけないだろ///」
咲「ほら、雅。おいで」
赤ちゃん「ばぶー」
和「咲さんの娘さん、雅でみやびですか?いい名前ですね」
咲「うん、私も気に入ってるよ」ニコッ
照、久、和二次会中
久「わははははは、それでヒック!会社の上司のセクハラがひどいったらないのよヒック」
照「瑞原プロの裏の顔が怖すぎて笑えない…」ポロポロ
和「二人とも飲み過ぎですよー」
久「和はお子ちゃまなんだから、オレンジジュースでも飲んでなさいよおぉぉぉぉぉぉ、ヒック」
照「ふん、こんな体してお酒も飲めないとか」プププ
和「未成年だからです!ささっ…、照さん。グラス空いてますよ」
照「お、おぅ」
和「ウォッカとか飲んでみませんか?大人の女なら飲めるはずです」
久「わたひゃーのむー」
久「。。ooOzzZZZ…」グーゴー
和(部長は寝ましたか)
照「……」ボーーー
和「照さん、これアルマゲドンってビールらしいです。変わったお酒ですよね」ススッ
照「へんな名前」ヒャヒャヒャ
和「どうぞどうぞ。私は飲めないので照さんが飲んでください」
照「…うん」ゴクゴク
照「……」フラフラ
和「照さん、私はすごく気になる事が一つだけあります」
照「あい」コクコク
和「咲さんを不幸にした男の人です。誰ですか!?今だに気になって夜も眠れませんよ」
照「いえひゃい」フラフラ
和「お願いします。教えて下さい!別に何かするわけじゃありませんから」
照「ほんひょ?」ヒック
和「あれから約二年も経ちました。確かに咲さんが居ない清澄は寂しくて、全国大会へも行けませんでしたが…」
照「咲しゃん強いからね」ヒック
和「お願いします!咲さんに聞いても一度も教えてくれ無かった!この秘密は私の墓まで持って行きます」
照「うーん」
和「絶対に誰にも言いません」
照「誰にも?」
和「はい!」
照「…私も少し彼を恨んでるんだよね。後輩がさ…、咲との対局楽しみにしてたから」
和「……」
照「咲はプラスマイナスゼロを辞めた。強い人と麻雀を打つ事に喜びを覚えた」
照「高校三年間、真面目に麻雀に打ち込めばどれだけの逸材になったか…」ゴクゴク
和「咲さんは私が目標とする雀士です」
照「----------だよ」
和「は?」
照「----------だって。咲はアイツとしかした事ないって言ってた。」
和「……」プルプル
和「あははははははははは!!!!!ははははははははは!なるほど、なるほど!そうでしたか」
和「あの人ですか!私と咲さんのかけがえのない青春を奪っていたのは!」
照「咲ちゃんにお前に言ったって言うと本気で怒られるから言うなよ」ゴクゴク
和「ええ、もちろん」
和「さて、部長。照さん帰りますよ」
照「…」ウトウト
久「むにゃむにゃ」
和「…」ピッピッピ
和『あっもしもし。私、原村です。上埜さんが酔い潰れて貴方の名前呼んでますよ?私は用事があるのでこれで失礼します』
和「さてと」
和「…」ピッピッピ
和『夜分遅くに申し訳ありません。突然ですが○○公園まで来て下さい」』
○○公園
「なんだよ、突然野球がしたいって」
和「そんな気分の日もありますよ。しばらく貴方と会う事はありませんからね」
「思い出作り?ははは、いいぜ」
和「その前に、胸触りたいですか?私の胸ずっと見てましたよね?」
「うっ…、それは…そのな。男の性と言うか」
和「どうしようもない性ですよね」クスッ
「ホントに揉んでもいいのか?」
和「えぇ、どうぞ。ご自由に…」ボイン
「おおっ…柔らけぇ…」モミモミ
和「咲さんと比べてどうですか?ぜひ感想を聞かせて下さい」
「揉む所無かったし…って和がなんでそれを!?」
和「なぜでしょうね?」
「わかった、咲が言ったのか!?くそーあいつ」モミモミ
和「そろそろ手を離して下さい」
「もう終わりか」ショボン
「ところで野球って言う割には、ボールは?金属バットは和が持ってるが」
和「……」ブオン
グチャ!
和「……」ドカッ、ドカッ、ボォン
グチャ、グチャ、プシャアアァァァァァァ
「あが…、た、た、助け…」
和「助けなんか来ないですよ」フルスイング
ドガァァァ!
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
和「はぁはぁ…。金属バットで人を殴るのって大変ですね」
和「いい運動になりました」ニコニコ
和「さて…、警察に連絡しますか」ピポパ
トゥルルルルルル
ガチャ
和「もしもし、私は原村和は○○公園で…」
和が咲の娘に再開するのは10年後となったそうな
終わり
とんずらしたなら潰されて当然やけど
孕ませたこと知らんままやられるとかホラーってレベルじゃねーぞ
>>120
咲と照と和以外、本当の父親を知らない。みんなバイト先の男の人だと思ってる。
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