千秋「最近、マコトが妙に馴れ馴れしくて癪に障る」吉野「それはね」(217)

小学校

千秋「内田が言っていたドラマを見たけど、内田が絶賛するだけあって面白くなかったな」

吉野「そうなんだ」

内田「勧めた本人がいる前でいわないでよぉ!!」

千秋「あの男、優柔不断すぎる。まるで男らしくない。マコトぐらいダメな奴だ」

マコト「呼んだか、チアキ!! 呼ばれた気がしたんだけど!!」

千秋「呼んでないよ。男らしくないお前を誰も呼んでないよ」

マコト「どうしてそんなこというんだ、チアキ!! オレだって色々と頑張ってるんだぞ!! オレには母親譲りの努力家気質なところがあるからな!!」

千秋「しらん。……それはそうと、お前」

マコト「え? なに?」

千秋「最近、私のことを名前で呼ぶが、いつから私とお前はそんな気安い間柄になったんだ? すまないがお前に心を許した覚えはないぞ」

マコト「え……。えっと、それは……。べ、別にいいじゃないか。チアキのことをチアキって呼んでなにがいけないんだ? 友達だろ?」

千秋「ただのクラスメイトだよ。勝手にワンランク上にするな、バカ野郎」

これは・・・良作の予感

内田(そうか。マコちゃんとチアキはとっても仲良しだから……)

吉野「……」

マコト「なっ……。確かにクラスメイトだ。でも、オレの中ではクラスメイトはみんな友達だと思うんだ」

千秋「シュウイチは友達でいいが、お前はクラスメイトだ」

マコト「オレとシュウイチに何の違いがあるっていうんだ、チアキ!?」

千秋「もういい。この話は終わりだ」

マコト「終わってないぞ、チアキ!! 面倒になるなよ!!」

千秋「次の授業の準備でもするか」

マコト「待てって、チアキ!! いや、姫ぇ!!!」

千秋「だまれよぉー!!」ゴンッ

マコト「あぁー!!」

内田「マコトくん……」

マコト「どうしてだぁ……。別にチアキのことをチアキって読んでもいいじゃないか……」

吉野「でも、そういえば少し前まではマコトくん、チアキのこと苗字で呼んでたよね? 名前で呼ぶことになったきっかけってあったの?」

マコト「え? いや、ほら、チアキとは長い付き合いだし……。みんなチアキって言うし……釣られて……。オレにはほら、姉譲りのミーハーなところもあるし……」

吉野「でも、他の男の子は基本的に苗字で呼んでるよね? どうしてマコトくんだけそんなことに?」

内田「いや、吉野。別に深く考えなくていいんじゃない? 一人ぐらい名前で呼ぶ男の子がいたっていいと思うよ」

マコト「内田の言うとおりだ!! 吉野!! 細かいことは気にするな!!」

吉野「そうだね」

マコト「しかし、チアキは名前で呼ばれるの嫌なのかな……」

吉野「学校では苗字で呼ぶほうがいいかもしれないね」

マコト「そうだね。そうするよ」

吉野「うんっ」

内田「そーそー、学校では……」

内田(学校、では!?)

内田「よ、吉野っ!! マコトくんは学校以外でも苗字で呼んだほうが言いと思う!!」

吉野「え? ああ、うん、そうだね。マコトくんは、そのほうがいいかも。あ、私も授業の準備しなきゃ」

マコト「なぁ、内田。吉野はやっぱり……」

内田「わからないよ。とにかく、チアキに怪しまれないようにこれはからは気をつけたほうがいいよ、マコちゃん」

マコト「今はマコトだよ……」

マコト「さぁ! 掃除の時間だよ!! シュウイチ!! オレの役割はなんだ!?」

シュウイチ「掃除はもう佳境だよ」

マコト「なんでもするぞ!! チリトリか!? それとも机運びか!? ゴミ捨てか!?」

シュウイチ「それじゃあ、黒板消しを綺麗にしてくれるかな?」

マコト「任せろ!! 一週間分の汚れでも五分で落としてみせる!!」

千秋「黒板消しの掃除か……。お前にそんな大役が務まるとは思えないがな」

マコト「なんだと、チア……南っ。こんなの役不足もいいところだってところを見せてやるからな!」

千秋「なら、やってみろ」

マコト「ヨーシッ!! ――おりゃー!!」バフンッ!!

吉野「きゃっ」

内田「けほっ……けほっ……!」

マコト「ごほっ! ごほっ!! なんて汚れだ……。これは手ごわい」

千秋「げほっ……げほっ……!! おい……」

マコト「チアキ!! どうした!? 粉塗れじゃないか!!」

千秋「……バケツに水汲んで来い」

マコト「汲んできました!!!」

千秋「立ってろ」

マコト「はいっ!!」

内田「チアキ、大丈夫?」

千秋「全く、酷い目にあった。あんなバカ野郎、害でしかないな」

マコト「チアキ!! ごめん!!」

千秋「黙ってろ」

マコト「はいっ!」

千秋「あー、早くクラス替えをしたいなぁ」

吉野「でも、チアキってマコトくんのこと嫌いじゃないんでしょ?」

千秋「まぁな。男らしくないから嫌いなだけで」

吉野「それって、つまり、マコトくんって存在は嫌いじゃないんでしょ?」

千秋「まぁ、そういうことになるな」

内田「それってどういうこと? 嫌いなの? 嫌いじゃないの?」

千秋「強いていうなら面倒なだけだ」

内田「面倒なんだ……」

千秋「うむ。バカ野郎だから無関係でいたいが、そこはクラスメイトということもあり、一応付き合ってやらないと、周囲の心証も悪くなる」

内田「ねえ、チアキ。私とは友達だよね? ねえねえ」

千秋「吉野。黒板消しのほう頼めるか?」

吉野「いいよ」

千秋「吉野は頼りになるなぁ」

内田「ねえ!! チアキ!! 私はぁ!?」

マコト(あぁ……。またやってしまった……)

マコト(思えばオレはチアキのことを怒らせてばかりだな。これじゃあ、いつまでたってもマコトとしてチアキの家に遊びにいけない。ハルカさんもオレのことなんて忘れているんじゃないか……)

マコト(もっとチアキと仲良くなりたい……。ハルカさんとはマコトして会いたいんだ、オレは!!)

マコト「よーし!! がんばるぞー!!!」

シュウイチ「マコト、できれば隅のほうに移動してくれると助かるかな」

マコト「ああ!! そうだな!! 掃除の邪魔になるからな!! わかったよ!!!」

吉野「ふふっ」

千秋(あいつは本当にバカ野郎だなぁ)

南家

マコ「チアキー!! あそぼうかー!!」

千秋「マコちゃん、いらっしゃい。何して遊ぶ?」

マコ「なんでもいいよ!! チアキのしたいことをしようじゃないか!!」

千秋「マコちゃんはいつも私に合わせてくれるけど、そんなの気にしなくていいぞ。私とマコちゃんは友達……いや、親友だからな」

マコ「チアキ……オレのことをそんなふうに……?」

千秋「当然だ。唯一無二の親友だ」

マコ「チアキ!!」

千秋「マコちゃん!!」ギュッ

マコ「だ、抱きつくのは、ちょっとぉ!!」

千秋「いいじゃないか。マコちゃんは相変わらずあったかいな」スリスリ

マコ「あぁ……」

夏奈「仲いいな、あの二人」

吉野「そうだねー。マコトくんとは上手く行ってないけど」

内田「あはは……。マコトくんは関係ないんじゃないかな」

春香「ただいまー」

マコ「おかえりなさい!! ハルカさん!! お邪魔してます!!!」

春香「あら、マコちゃん。いらっしゃい」

千秋「ハルカ姉さま。夕食の準備、手伝います」

春香「そう? ありがとう」

千秋「いえ」

吉野「私も手伝います」

夏奈「……ときにマコちゃん」

マコ「なんだ、カナ?」

夏奈「学校ではチアキに嫌われているそうだね」

マコ「そうなんだ……。確かに今日は悪いことをした。でも、チアキは随分と前からオレのことを嫌っているみたいなんだ……。その原因がちっとも分からない」

内田「男らしくないからって言ってたけど」

マコ「そんなわけあるかぁ!! オレのあふれ出す野性味は、サバンナでも通用するぐらいだぞ!!!」

夏奈「今日も可愛いもの」

マコ「なぁ、カナ。オレはもう正体を打ち明けることは諦めた。でも、オレはマコトとしてこの家に遊びにきたいんだ。マコトとしてハルカさんと料理や裁縫の話がしたいんだ」

夏奈「それは別にマコちゃんでしろよ。むしろマコちゃんのほうが都合がいいんじゃないか?」

マコ「カナ。チアキに好かれるにはどうしたらいい? 教えてくれ」

夏奈「バカを直すしかないな」

マコ「死ねっていうのかぁ!?」

夏奈「バカは死んでも直らないけど」

マコ「あぁー!! じゃあ、オレはどうしたらいいんだぁー!!」

内田「マコちゃん」

マコ「でも、それっておかしくないか? 内田はチアキと仲がいいのに!!」

内田「なによそれぇ!? どーいういみぃ!?」

マコ「お前だってバカサイドの住人だろ!!」

内田「勝手にそっちに入れないでっ!!」

夏奈「しかし、さっき吉野から聞いたぞ。最近、チアキに馴れ馴れしくしているそうじゃないか」

マコ「え?」

夏奈「苗字で呼んでいた奴が、いつの間にか名前で呼び始めたら違和感を覚えて当然だ」

マコ「それは仕方ないだろ。もう癖になってて……」

夏奈「それにだ。チアキはマコちゃんに対してスキンシップすることも多い」

内田「さっきも抱きしめてたもんね」

夏奈「そうだ。チアキはマコちゃんとの距離を縮めているが、お前は違う」

マコ「な、何が違うっていうんだ?」

夏奈「チアキが余りにも近づいてくるから、自然と馴れ馴れしくなっている。マコちゃんとしてもマコトとしてもな。何故、仮面を使い分けないんだ」

マコ「そんな器用なことができるなら、女装以外の解決策を探してるよ」

夏奈「そして、これが最も重要だが。チアキは必要以上に馴れ馴れしくされるのが嫌いなんだよ」

マコ「そうなのか!?」

夏奈「ああ。この前も久しぶり一種に風呂に入ろうと思ったら、思い切り殴られたからな」

内田「それはカナちゃんが悪いんじゃ」

マコ「それなら、馴れ馴れしくしないで仲良くなる方法を教えてくれ!!」

夏奈「いいか! マコちゃん!! チアキと仲良くなりたいなら、距離をとれ!!!」

マコ「な……!?」

夏奈「一度、距離をとれば相手のことを冷静に観察できるようになる。嫌なところだけでなく、良い所も見つけられるはずだ」

マコ「距離をとる……か」

>>24
夏奈「ああ。この前も久しぶり一種に風呂に入ろうと思ったら、思い切り殴られたからな」

夏奈「ああ。この前も久しぶり一緒に風呂に入ろうと思ったら、思い切り殴られたからな」

千秋「夕飯だぞー。あつまれー」

内田「わーい!! いただきまぁーす!!」

夏奈「はぁー、腹減ったぁ」

吉野「いただきます」

春香「召し上げれ」

マコ「いつもすいません、ハルカさん」

千秋「マコちゃん、おかわりもあるかな」

マコ「……」

千秋「マコちゃん? お茶、いれてあげよう」

マコ「……自分でできるから」

千秋「マコちゃん……? 私の隣で食べないか?」

マコ「いや、オレは内田の隣で満足できるから」

内田「それどういうこと、マコちゃん?」

千秋「え……。マコちゃん……あの……」

マコ「ごめん、チアキ。これからは、少し距離を置こう。そのほうがいいと思うんだ」

千秋「どうして……?」

マコ「お互いのためだ……チアキ……」

千秋「どうして……どうして急に……マコちゃん……わ、私……何かしたのか……?」

吉野「チ、チアキ……」

千秋「ごめん……ごめんよ……マコちゃん……何が悪かったんだ……お、おしえてほしい……」

マコ「えぇ!?」

内田「わぁぁ!? チアキ!! 大丈夫!?」

千秋「うぐっ……マコちゃん……いかないで……わたし……マコちゃんにすてられたらぁ……わたし……」

春香「マコちゃん、チアキと何があったの?」

マコ「あ、いえ……あの……」

千秋「ごめんなさい……ぐすっ……マコちゃん……うぐっ……」

吉野「チアキ、泣き止んで。大丈夫だよ」

内田「チアキ、私のエビフライあげるから、元気だして」

千秋「うぅ……でもぉ……でもぉ……」

マコ「チアキ……」

夏奈「……」モグモグ

春香「カナ?」

夏奈「な、なに?」

春香「何か知っているなら、教えなさい」

夏奈「わ、私はわるくないよぉー!!」

春香「カナぁ!!」

夏奈「あぁー!!」

マコ「ご、ごめん!! チアキ!!」

千秋「ぁえ……?」

マコ「カナに言われて、その少し距離を置こうと思ったんだ!! そうしたらもっと仲良くなれるって言われて!! だから……!! とにかく、ごめん!!」

千秋「マコちゃん……ぐすっ……」

マコ「オレ、チアキともっと仲良くなりたかったんだ。ただ、純粋に、純粋にそう思って……。まさか、チアキがここまで傷つくなんて思わなかった。ごめんっ!!」

千秋「マコちゃん……。私ともっと仲良くなりたかったのか?」

マコ「ああ!!」

千秋「べ、べつに……そんな意地悪しなくても……これ以上、仲良くなるのは難しいぐらい、仲がいいと思っていたんだが……」

マコ「そうだね!! チアキとオレはもう仲良くなる余地がないくらい、仲がいいもんな!! オレがバカだったよ!!」

千秋「その通りだ!! バカ野郎!! 私を驚かせた罪は重いぞ、マコちゃん!!」

マコ「そうだね!! さあ、チアキ!! オレに何でも言ってくれ!!! 罪滅ぼしになんでもするから!!」

千秋「なら、私と一緒に寝てくれ」

マコ「それはちょっと……」

千秋「……うぅ……なんでも、いいっていったのにぃ……」

マコ「それ以外!! それ以外なら!!」

千秋「一緒に風呂に入るのは?」

マコ「それなら一緒に寝るほうがいい!!」

千秋「そうか。よかった」

内田「マコちゃん!!! 何言ってるの!?」

マコ「ああ!! しまった!! 一度ハードルが上がったから、ついできそうな気がしてしまった!!」

吉野「それじゃあ、チアキ。マコちゃんが帰るまでの間、甘えさせてもらったらどうかな?」

千秋「甘えるって?」

吉野「ほら、チアキはマコちゃんによくしてるじゃない。スキンシップ」

千秋「マコちゃぁん……ふふっ……」スリスリ

マコ「あぁぁ……ぁ……」

マコ(良い匂いがする……)

千秋「マコちゃん……これぐらいじゃ許さないからな……」スリスリ

マコ「おぉ……」

吉野「仲直りできたみたいでよかったぁ」

内田「そ、そうだね……」

夏奈「雨降ってなんとやら。私の計画通りだ」

春香「チアキを泣かしたでしょ」

夏奈「まさか、あんなことになるなんて思わなくて……」

春香「チアキはマコちゃんのこと大好きなんだから、あんなことになれば泣いて当然でしょ?」

夏奈「そうか。ハルカの言うとおりだね」

春香「普通、気がつくでしょ?」

千秋「マコちゃん……あったかい……」ギュッ

マコ「う、うん……ありがとう……」

千秋「――今日はマコちゃんとまた一つ仲良くなれたような気がする。カナのしたことは許せないが、結果的には良かった」

夏奈「そうでしょうとも。姉に感謝するんだ」

千秋「バカ野郎」

春香「カナ、調子に乗らないの」

夏奈「しかし、チアキ。マコちゃんのことをあそこまで好きだとはね。どこが好きなの?」

千秋「どこが好きって。マコちゃんは礼儀正しいし、女らしいし、見習うところも多い。それになんというか、気があうんだ」

夏奈「そうなの?」

千秋「うむ。マコちゃんを一目見たときから仲良くなれそうな感じがあったからな」

春香「あるある。第一印象で仲良くなれそうとか、この人とは気があわないとか分かるわよね」

千秋「はい。ハルカ姉さまの言うとおりです」

夏奈「ふぅん……」

千秋「お前だって気がついたら仲良くなっていた奴の一人ぐらいいるだろう?」

夏奈「そういえば……。ケイコと仲良くなった瞬間は思い出せないな……」

千秋「私も正直言えば、どこでマコちゃんと親しくなれたのか覚えていない。気がついたら親しくなっていたし」

春香「友達ってそういうものよね」

夏奈「そうか。でも、チアキ。これは例えばの話だが、その相手が実は極悪人だったら、どうする?」

千秋「なに?」

夏奈「マコちゃんが他人を騙し続ける詐欺師とかだったら、どうする? それでもチアキは仲良くできるのかい?」

千秋「愚問だな。そのときは親友として私がマコちゃんを修正するまでだ。マコちゃんに限ってそんなことはないけど」

春香「そうよね。マコちゃん、いい子だし」

千秋「はい。カナの後輩というのが信じられないぐらいに、いい子です」

夏奈(マコちゃんの好感度は南家でもかなりのものだな……。真実が知れたらどうなるのか興味もあるが、想像するだけで怖いな)

千秋「だけど、マコちゃんに対しては確かに馴れ馴れしくしすぎたところもあったかもしれない。そこは反省するべきだな」

夏奈「なんだ、心当たりがあったのか?」

千秋「この前も外へ遊びに出かけたとき、手を繋ごうとしたんだ。マコちゃんは何も言わなかったけど、困っていたかもしれない」

夏奈「困っていたんだろうね」

千秋「私は自然と繋いでいたからな……。仲がいいと言っても、ふとした瞬間に相手の嫌な部分が見えるときもあるし」

春香「でも、今日の様子を見ていればマコちゃんもスキンシップが嫌ってわけじゃないと思うけど」

千秋「だといいんですが」

夏奈(あいつ、学校では大丈夫なんだろうな? 流石に学校まではフォローできないぞ……)

翌日 小学校

吉野「おはよー、チアキ」

千秋「おはよう、吉野」

内田「昨日は大変だったね、チアキ」

千秋「そうでもない。新たな壁を越えた気分だ」

吉野「そうなんだ」

マコト「おはよう!! チアキ!!」

千秋「馴れ馴れしいな。相変わらず。苗字で呼べよ」

マコト「ご、ごめん、南」

千秋「うむ」

吉野「相変わらず、マコトくんには厳しいよね」

千秋「あんな奴、厳しいぐらいが丁度いい。ああいうバカ野郎は優しくすればするだけ付けあがるからな」

内田「そ、そうなんだ」

千秋「ああ。私の姉にも同じタイプのやつがいるからな」

マコト(昨日のチアキはあんなに抱きついてきてたのに……)

内田「チアキ、先にいってるよー」

吉野「急いでねー」

千秋「分かっている」

千秋(何故、体育なんてものがあるのか。野生の獣に襲われる心配のない日本人にとって、運動能力を強化することになんの意味があるというのか……)

千秋(水泳よりは幾分マシだが……)

千秋「――よし。行くか」

マコト「あれ、チアキ? まだ行ってなったのか?」

千秋「着替えに手間取っただけだ。そういうお前こそ、いつもはバカみたいにグラウンドへ向かうくせして今日は遅いな」

マコト「トイレに行ってて!!」

千秋「ふぅん。早くしないと遅刻するぞ」

マコト「ホントだ!! マズいな!!」

千秋「ああ。マズいな」

マコト「さぁ、チアキ!! 急ごう!!」ギュッ

千秋「なっ……!? ――なに、私の手を握ってんだ、バカ野郎!」ゴンッ

マコト「あぁー!?」

運動場

マコト「痛い……。ほっぺたが痛い……」

内田「チアキにやられたんだ」

マコト「手を握っただけなのに……どうしてだ……チアキぃ……」

吉野「どう思います、ボールさん?」

マコト「ボールさんって誰だ?」

内田「ライン引きさん、私が思うにですね」

マコト「ライン引きさんって誰だ?」

内田「カラーコーンさんのあまりにも馴れ馴れしい行為に腹が立った」

マコト「カラーコーンってオレのことか!?」

吉野「いくら仲良くなったからって、いきなり手を握ったらびっくりするよね」

内田「いくらマコトくんでもね」

マコト「それはどういう意味だ?」

吉野「どうして手を握っちゃったの?」

マコト「どうしてって言われても……。自然と握ってて……」

吉野「そうなんだ。やっぱり、昨日のことが影響しているのかな?」

内田「昨日?」

吉野「チアキとマコトくん、小1時間ぐらい抱き合ってたから」

マコト「なぁ!?」

内田「吉野!! それはマコちゃん!! マコちゃんだから!!」

吉野「あ! ごめん。間違えちゃった。マコトくんとマコちゃんって響きが似てるから」

内田「も、もー。吉野は本当によく間違えるんだから」

吉野「そうだね。ごめん、マコトくん」

マコト「い、いや。いいんだ。でも、そんなに似ているなら、オレも一度あってみたいなー、マコちゃんに」

吉野「チアキの家に来れば会えるよ? 結構、頻繁に来てるみたいだし」

マコト「そ、そうなんだー。でも、オレはチアキに嫌われているからなー。きっと、会うことはないだろうなー」

吉野「でも、マコトくん。髪の毛をセットしたら……」

内田「よ、吉野!! その話はもういいじゃない。それよりも、急ごう!! これ、持って行かないと!!」

吉野「そうだね。急ごっ」

マコト「はぁ……。また、オレはチアキに嫌われたのか……」

千秋「やっぱり、マコトは馴れ馴れしいな。あんなにパーソナルスペースが狭いやつも珍しい」

内田「そのパーソナルなんとかってなに?」

千秋「個人が持つ空間だ。一般的に狭いほど親密な関係だとされている」

吉野「それならマコトくんとは親密ってこと?」

千秋「やめてくれ。あいつの場合、元々狭いんだ。たまにそう言う奴もいる。大抵は嫌われるがな」

吉野「でも、マコトくんがそんなに近づいてくることってあったっけ?」

内田「え? うーん……。でも、無遠慮に腕を掴んでくるときはあるけど……。滅多にないかな」

吉野「チアキに対してだけ狭いってことは考えられない?」

千秋「なに? どういうことだ?」

吉野「ほら、何となく気が合う人とは距離が近くなるから」

千秋「気が合うだと? それはないな。マコトとは何をしても歯車がかみ合うことなどない」

吉野「そーかな?」

千秋「そうだ。それ以前に、男らしくないし、バカだし。どうしようもない」

内田「嫌いなんだね……」

千秋「嫌いじゃないよ。マコトはどうしようもない奴だって言いたいだけだ」

吉野「一度、聞こうと思ってたんだけど、チアキのいう男らしさってどんなものなの?」

千秋「それは……。頼りになるとか、何事にも動じないとか。あとは素直で、自分の非を潔く認めるのも大事だな」

内田「色々あるね」

千秋「反対に馴れ馴れしいやつとか、すぐに泣き言をいうやつとか、マコトとかは男らしい部類には入らない」

吉野「もうマコトくん自体が一つのジャンルになってるね」

千秋「そういうお前たちはどうなんだ? 男らしさとはどう考える?」

内田「やっぱり、お姫様だっこだよ!! 断然!! お姫様だっこができる人は男らしいと思う!!」

千秋「なんだそれは?」

内田「だからね、藤岡くんとかは男らしいんじゃないかな」

千秋「藤岡な。まぁ、藤岡は条件を満たしているかもな」

吉野「トウマもそれぐらいのことできそうだよね」

千秋「ああ、トウマな。できるだろうな。あいつも男らしいからな。マコトもトウマを見習えばいいのに。あんなにいい手本が近くにいるというのにな」

吉野「マコちゃんはどうなの?」

千秋「マコちゃんは女らしくもあり、男らしいところもある。夕方、買い物に行くときはよくついてきてくれるしな。中々、心強い」

内田「へ、へえ。そうなんだ」

昼休み

千秋「……」

内田「チアキ? どうしたの? なんかかたまってるけど」

千秋「いや……別に……」

吉野「今日のおかずに入ってた人参、大きいよね」

千秋「給食を作っている人には申し訳ないが、この雑な切りかたはいただけないな。プロならもっと粉微塵にするべきだ」

内田「それ人参が入っているかわからなくなるよ」

吉野「でも、チアキ。そろそろ食べないと午後の授業もあるし……」

千秋「分かっている。そう急かすな。呼吸を整えているところなんだ」

内田「呼吸を整えると食べられるようになるの?」

千秋「なるっ」

内田「そーなんだ! なら、がんばって、チアキ!!」

千秋「ああ……」

千秋(しかし、この人参の大きさはなんだ。誰の嫌がらせだ。調理師か。私になんの恨みがある)

マコト「チアキ!! まだ食べてるのか!? 休み時間終わるぞ!!」

千秋「うるさいよ。静かにしてろ」

マコト「そうか。チアキ、人参だめだもんな」

千秋「うるさいっていってるだろ。どっかいけよ」

マコト「よし!! オレが食べよう!!」

千秋「え?」

マコト「はむっ。――うまいっ!!」

千秋「あ……」

内田「マ、マコトくん!?」

マコト「どうした?」

内田「いや、どうしたって……」

吉野「マコトくん、駄目だよ。チアキのためにならないし」

マコト「いや、吉野。チアキは最近、よく野菜を食べるようになっている。でも、まだこのキングサイズの人参は無理だ」

千秋「なに?」

マコト「大丈夫だ、チアキ! チアキはいつもがんばってるじゃないか!!」

千秋「ちょっと待て。お前、私が今野菜を克服しようとしていることを誰から聞いた?」

マコト「え……」

千秋「そんなこと、お前に話した覚えはない。内田にも吉野にもだ。トウマも知らないはずだ。知っているのはハルカ姉さまとカナと……マコちゃんぐらいだが……」

マコト「そ、それは……カ、カナから……」

千秋「カナだと? お前とカナはそんなに親しいのか?」

マコト「いや……あの……」

千秋「そのことを知っているのは

内田(大変だ!! 下手したらバレちゃうかも!!)

千秋「お前、いつカナから家庭事情を訊けるぐらい仲良くなった?」

マコト「えーと……だからぁ……」

吉野「チアキ。チアキは隠しているつもりかもしれないけど、見ていればわかるよ?」

千秋「なに?」

吉野「最近、給食に出た野菜とか残さす食べるようになってきてるし」

千秋「そ、そうだったのか?」

吉野「マコトくんも、それを見て察したんだよね?」

マコト「お、おう!! その通りだ!! オレには父親譲りの観察眼があるからな!!」

>>62
千秋「そのことを知っているのは

千秋「そのことを知っているのは、特定の人物だけだから、カナが喋ったのなら納得だが……」

千秋「ふぅーん。まぁ、そういうことにしておいてやろう」

マコト「ふぅ……」

千秋「だが、勝手なことをするな。私はお前の手助けがなくとも人参を食べることができた。それは肝に銘じておけ」

マコト「ご、ごめん……」

千秋「ふんっ」

内田「マコトくん、流石にやりすぎだよ」

マコト「いや、いつもチアキの分を食べてるから抵抗もないし……」

内田「あれはダメだよ。おかしいもの」

マコト「やっぱり、距離をおいたほうがいいんだろうか」

内田「そのほうがいいかも」

マコト「はぁ……」

吉野「マコトくん」

マコト「は、はい」

吉野「チアキのためを思うなら、ああいうことはしないほうがいいよ?」

マコト「うん、ごめん。反省してます……」

放課後 通学路

冬馬「マコトがチアキの人参を食べた?」

内田「うん。マコちゃんのときに良く食べてあげてるからつい手が出ちゃったって言ってた」

冬馬「何やってんだよ。吉野だけじゃなくチアキにもバレるぞ」

内田「やっぱり、吉野にはバレてるのかなぁ!?」

冬馬「感付いていてもおかしくはないだろ。あの吉野だからな」

内田「うん……そうだね……」

千秋「マコトの無遠慮さは目に余るな。なんだあれは。特に今日の人参横取りありがとう事件は、ここ最近で際立って無遠慮だった」

吉野「感謝してるんだ」

千秋「してないよ。あれぐらい、あと5分もあれば食べることができた」

吉野「結構かかるね」

千秋「最近、マコトが妙に馴れ馴れしくて癪に障る。私があいつになにかしたのか? 好かれるようなことなんて特別してないはずだが」

吉野「それはね……」

内田「チ、チアキ!! 今日、遊びに行ってもいいかな!?」

千秋「いいぞー」

南家

夏奈「なるほど。それで距離をとる決心をしたわけだ」

マコ「ああ。このままじゃいつかマコトはマコちゃんだってバレてしまうかもしれない……。そうなったら、オレはここに来る術を完全に失ってしまう」

マコ「オレはここで見てはいけないものを見てきたし……」

夏奈「なに見てんだよ」

マコ「それに女装していたなんて、チアキは絶対に嫌うはずだ!! 女装なんて男らしさの欠片もないし!!」

夏奈「それ以前の問題だと思うけど」

マコ「はぁ……」

夏奈「しかし、マコちゃん。気に病むこともない。チアキにとっては嬉しいことだったはずだ」

マコ「え? そ、そうなの?」

夏奈「チアキのことだ。そのキング人参を食べるのに休み時間の全てを使っていただろうしね」

マコ「でも、チアキは自分で食べることができたって言ってたぞ」

夏奈「そんなもの嘘だ。少し食べられるようになったと言っても、こんなに小さく切らないとダメなんだから。お前だって見てきただろ。あいつは調子に乗っているだけに過ぎない」

マコ「それでもチアキにとっては大きな成長じゃないか!! お姉さんならそれを褒めてやれよ!! そして信じてやれよ!!」

夏奈「な……。お前、生意気だな」

マコ「全く。チアキは自分で食べることができたんだ。休み時間いっぱい使うこともなく、食べることが出来たんだよ。オレがそのチャンスを潰してしまっただけだ」

夏奈「マコト。お前、チアキのことが好きなのか?」

マコ「当然だろ。嫌いになる理由がないし」

夏奈「吉野や内田から聞く限り、相当酷い扱いを受けている印象しかなかったけど」

マコ「確かにチアキは辛辣だ。毒舌だよ。オレはもう一生分の暴言を言われた気さえする」

夏奈「お前、おかしな趣味でもあるんじゃないか?」

マコ「違う!! 本当はチアキが優しいことを知っているからだ!!」

夏奈「暴言吐かれているのはいいの?」

マコ「そこは関係ない!! いや、少しあるけど、それを補って余りある優しさをチアキはもっている!!」

夏奈「例えば?」

マコ「オレが怪我したしたとき絆創膏を貼ってくれた」

夏奈「それは優しさか?」

マコ「宿題に困っているとき、チアキから誘ってくれたことだってある!!」

夏奈「そのあとチアキによって出入り禁止になったな」

マコ「あれは事故とはいえ、チアキのスカートの中を……って!! あれはカナが原因だろぉー!!! あやまれー!!!」

夏奈「なんだと?」グニッ

マコ「あぅぅ……ごふぇんなふぁい……」

夏奈「だが、マコト。一つ思い違いをしているぞ」

マコ「なんだ?」

夏奈「別にチアキはね、マコトのことを嫌っているわけじゃない」

マコ「そうなのか!?」

夏奈「いや、正確に言えば、マコトがここに来ることを特に嫌がってはいない」

マコ「なんだってぇ!? それじゃあ、オレはなんのためにマコちゃんになっているんだぁー!?」

夏奈「まてまて、嫌がってはいないが別に心から歓迎しているわけじゃない。そこは間違えるな」

マコ「つまりどういうことなんだよ?」

夏奈「お前はハルカにも馴れ馴れしいから、あまり来て欲しくなんだろうね」

マコ「え? ハルカさんと仲良くするのがダメなの!?」

夏奈「チアキはね、ハルカにまとわりつく男を敵視する。だが、逆に言えばハルカに近づかなければチアキにとっては無害ということになる」

マコ「そ、そうなのか……。でも、それは無理だよ、カナ。だって、オレは……」

夏奈「分かっている。だから、お前はマコちゃんになるしかない。なるしかないんだ、マコト。残念なことにな」

千秋「ただいまー」

夏奈「おかえり、チアキ」

マコ「お、お邪魔してます」

千秋「マコちゃん。来てたのか。なにして遊ぶ? あとで内田たちも来るけど」

マコ「そ、そうだなぁ、チアキのしたいことをしよう」

千秋「またか。マコちゃん。気を使うことはないぞ? マコちゃんのほうが年上なんだし」

マコ「気なんて使ってないよ、チアキ。チアキが楽しいなら、オレも楽しくなるんだ!!」

千秋「そこまで……。なんて、男らしいんだ。マコちゃんの爪の垢を煎じて飲ませてやりたいな、あいつに」

夏奈「あいつって?」

千秋「マコトだ。あれほど男らしくないやつもいない」

夏奈「なら、女らしいか?」

千秋「どういうことだ?」

マコ「おい、カナ……」

千秋「だが、今日のあいつはまぁまぁ……いや、下の上ぐらいは男らしかったな」

マコ「え? そうなの?」

夏奈「何かあったの?」

千秋「ああ。キングオブ人参がでた。こんなに大きな人参がおかずに入っていた」

夏奈「なんだその大きさは。丸ごと一本入ってたのか?」

千秋「あるいはそうだったのかもしれない。私は若干人参が苦手だ。故に食べるには勇気が必要だった」

夏奈「普通なら授業が始まってもにらめっこすることになりそうだね」

千秋「ああ。きっと自力で食べるとなれば、そうなって居tだろう。というか、食べないという選択肢もあった」

マコ(食べるつもりはなかったのか……)

千秋「半ば諦め、誰か食べてくれないかと思った矢先、マコトが颯爽と現れ、窮地から救ってくれた」

夏奈「きちんとお礼言ったの?」

千秋「それが……いえなかった……」

マコ「え?」

夏奈「なんで言わないの!?」

千秋「いや、だって、マコトとはそこまで親密でもないんだぞ? そんなやつに人参が食べられないなんて知られるのは、少し恥ずかしいだろ」

夏奈「照れ隠しのために本当は食べることができたって嘘をついてしまったわけだね?」

千秋「まぁ、そういうことになる」

マコ(チアキ……。そうだったのか……)

夏奈「はぁー。チアキ、私はそんな恩知らずに育てた覚えはないぞ」

千秋「お前に育てられた覚えはこれっぽっちもないが」

夏奈「お礼を言う練習をしておいたほうがいいんじゃないの?」

千秋「どうやって?」

夏奈「マコちゃんが練習相手になってくれるよな?」

千秋「マコちゃんがマコトに代わりになるっていうのか?」

夏奈「お礼のシミュレートだ、チアキ。マコちゃんならチアキの全てを知っているし、別に恥ずかしくないでしょ?」

千秋「まぁ、そうだけどさ」

マコ「チアキ。オレでよければ、練習に使ってくれ!!!」

千秋「いいのか? マコちゃんには何も関係がないけど」

マコ「構うもんか!! さぁ、チアキ!!」

千秋「よし。――マコト」

マコ「え!? いや、オレはマコちゃんだけど!?」

千秋「分かっている。だが、今のマコちゃんはマコトだ。いいな?」

マコ「お、おう!」

千秋「うむ。――マコト」

マコ「ど、どうした、チアキ!?」

千秋「給食のとき、人参を食べてくれてありがとう。助かった。お前が食べてくれなかったら、昼休みはずっとあの人参キングを眺めているだけで終わっただろう」

マコ「う、うん」

千秋「お前のおかげで恥をかかずにすんだ。あのときのマコトはその……男らしかったぞ。見直した」

マコ「チアキ!! 本当か!? オレ、男らしかったか!?」

千秋「少なくともあのときはかっこよかった」

マコ「チ、チアキ……!!」

千秋「でも、恥ずかしいからああいうことはもうしないでくれ。頼むぞ」

マコ「わ、わかった!! もうしない!!」

千秋「そうか。今日、私の家にこい。お礼に何かご馳走してやろう」

マコ「絶対行くよ!! チアキ!!!」

千秋「うむ。楽しみにしておけ。――こんなところでいいか?」

夏奈「まー、いいんじゃないの? マコトも喜ぶと思うよ。チアキからお礼を言われたら」

千秋「そうか? 普段からあいつには酷いこといってるからな。きっと私は嫌われている。何を言っても喜んでくれそうにはないだろう」

マコ「そ、そんなことないって!! チアキのそういうところ、きっと伝わってるはずだ!!」

千秋「それはないな。特別何かをしたことなんてないし」

マコ「違うんだ、チアキ。チアキは普段口調は乱暴だけど、でも優しいところもあるじゃないか!」

千秋「優しいところって?」

マコ「なんだかんだ言いつつも宿題を見せてくれたりするじゃないか。困っている人を放っておけないところとか、チアキが優しい証拠じゃないか!!」

千秋「マコちゃん……」

マコ「それにあまり笑わないけど、チアキは笑うと可愛いし!! 嫌いになる要素なんてどこにもない!!」

千秋「マコちゃんはそうでも、マコトは違う。水の入ったバケツを持たせて立たせたりもしているし」

マコ「それは当然の罰だから、いいんだよ!!」

千秋「そうか?」

マコ「うん!! 全然気にしてないって!!」

千秋「マコちゃんにそういわれると、そんな気がしてくるな」

マコ「ああ!! オレが言うんだから間違いない!!」

夏奈「確かに間違いはないだろうね」

千秋「ありがとう、マコちゃん。それなら、勇気を出してマコトに言ってみよう」

マコ「おう!! 楽しみにしてるよ!!」

千秋「何故、マコちゃんが楽しみにするんだ?」

夏奈「でも、チアキ。マコトは馴れ馴れしいから嫌なんじゃなかったの?」

千秋「まぁな。でも、それを言ったら内田もそうだし」

夏奈「内田は嫌いじゃないんだよな?」

千秋「まぁな。内田はバカ野郎だが、嫌いじゃないよ。なんというか、放っておけない感じだ」

夏奈「それは分かる。目を離すとあいつは道を外れてしまいそうだからね」

千秋「同感だ。しっかり鎖で繋いでおいたほうがいい」

夏奈「なら、マコトはどう思ってるんだ?」

マコ「おぉい、カナ!?」

千秋「あいつもバカ野郎だが、まぁ、悪い奴ではないことは分かる。バカ野郎だから素直だし」

夏奈「流石、チアキ。褒めながら貶すとはね」

千秋「マコちゃんぐらい男らしいところがあれば、もっと評価してやってもいい」

夏奈「流石、チアキ。上から目線だね」

千秋「だからといって、不意に手を繋いでくるような奴はダメだな。癪に障る」

夏奈「そうなの?」

千秋「ああ。よくわからないが、とりあえず殴りたくなるんだ」

夏奈「そうかそうか」

マコ「ごめん、チアキ……」

千秋「マコちゃんが握ってくれる分には構わないよ。寧ろ、ずっと繋いでてくれてもいいから」

マコ「う、うん」

夏奈(あれ? 案外、正体が分かってもチアキは戸惑うことはあっても、怒ったりはしないかもしれないな)

千秋「と、いうわけで手を繋ごうか」

マコ「ど、どうして!?」

千秋「私がマコちゃんと手をつなぎたいからだ」

マコ「そ、そう? そうだね!! チアキが繋ぎたいっていうなら繋ごう!!」ギュッ

千秋「うむ。マコちゃんの手はいつも温かいな」

マコ「チアキの手も温かいよ!!」

夏奈「仲いいなぁ、本当に」

内田「きたよー!!!」

吉野「お邪魔します」

冬馬「おやつまだー?」

夏奈「よくきた、内田。いらっしゃい、吉野。おやつはドーナツだ、冬馬」

冬馬「やったー!! いただきまーす!!」

夏奈「手を洗ってからだ!!」

冬馬「おっと、そうか」

吉野「あ、マコちゃんだ」

千秋「うむ、マコちゃんだ」

マコ「ど、どうも……」

吉野「チアキと手を握って、どうしたの?」

千秋「マコちゃんと手を握っていると落ち着くからな」

吉野「そうなんだ」

千秋「な、マコちゃん?」

マコ「お、おう!」

内田「チアキとマコちゃんは本当に仲が良いよね」

吉野「だねー。でも、チアキはマコトくんには手厳しいよね」

千秋「まぁ、あいつはバカ野郎だからな。手厳しくしないと何をするかわからない」

夏奈「ほうほう、チアキさん。さっきと言っていることが全然違うようですが?」

千秋「違ってないよ。私の意見は一貫しているよ」

夏奈「なぁ、マコちゃん? お前も聞いてたよなぁ?」

マコ「え?」

内田「なになに? どういうことー? チアキ、なんていったのー?」

千秋「いや……」

マコ「チアキはマコトのことが嫌いだ。それは間違いない!!」

冬馬(マコトのやつ。自分でよくそんなことが言えるな……)

夏奈「マコちゃん、何を言っている? お前の耳は飾りか?」

マコ「カナこそ何を聞いてたんだよ!! チアキはマコトのことを貶しに貶してたじゃないか!!」

夏奈「いや、確かに貶していたけど」

吉野「……」

千秋「そうだ。あんな馴れ馴れしいやつ、嫌いだ」

マコ「ああ!! あんな馴れ馴れしいやつ、嫌われて当然だ!!」

内田「そ、そうなんだ……」

冬馬「何もそこまで言わなくても」

吉野「そうだよね。折角、マコちゃんが人参食べてくれたのに」

千秋「え?」

内田「吉野ったら、またぁ。それはマコトくんだから」

吉野「え? そうだったっけ?」

内田「そうだよね? そうでしょ?」

吉野「そうだね。うっかりしちゃった。ごめんごめん」

冬馬「おい、カナ。本当になにがあったんだ?」

夏奈「ん? 実はな……」

吉野「ねえ、チアキ。もしもの話だけどね。マコちゃんが、マコトくんだったら、どうする?」

内田「よ、よしのぉ!?」

千秋「何を言っている?」

夏奈「おいおい、吉野さんや。何をファンタジックなことを……」

吉野「どうする?」

千秋「いや、どうするって言われてもそれはありえないだろ。まず性別が違うし」

吉野「マコトくんが女装していると思えばいいんじゃないかな?」

夏奈「……」

冬馬「カ、カナ!! ヤバいんじゃないか!?」

夏奈「いや、吉野が自分の楽しみを自分で捨てるようなことしないと思うから、まあ、大丈夫だろ」

内田「ホントに!?」

マコ「よ、吉野! 何を言っているんだ!? オレは女だから!!」

千秋「そうだな。そもそもマコちゃんを男として見ることはできないが」

吉野「チアキは最近、マコトくんが馴れ馴れしくなったって言ってたじゃない? それって何が原因なのかなって考えたとき、マコちゃんが浮かんできちゃって」

千秋「どういうことだ?」

吉野「ほら、今もそうだけどチアキはマコちゃんとよくスキンシップしてるでしょ? その所為でマコちゃんに扮するマコトくんがチアキに心を許して、馴れ馴れしくなったんじゃないかなって」

千秋「……」

吉野「私の妄想なんだけど」

千秋「いや、吉野。確かにマコトが私に対して馴れ馴れしいが、それは別の要因があるんじゃないか?」

吉野「それでも突然、苗字で呼んでいたのにいつの間にか名前で呼び始めたって、仲良くならないとまず考えられないし。何か心当たりある?」

千秋「いや、特にないな」

吉野「だよね。チアキはマコトくんに酷いことしかしないし」

マコ「いや!! 吉野!! それはマコトが悪いんであって、チアキには一切の非はないぞ!!」

吉野「マコちゃん、中学生なのに私たちのこと詳しいね。弟か妹がいるの?」

マコ「え……いや、カナやチアキから話を聞く限りじゃ……そうかなって……」

吉野「そうなんだ。うん。確かにマコトくんが悪いときもあるけど、チアキだって意味もなくマコトくんに対して男らしくないって言ってるし……」

千秋「そ、それは事実だから」

吉野「それでも悪口はダメだよ、チアキ」

千秋「うっ……」

夏奈(千秋が押されているな。正論だしな)

吉野「話が逸れちゃった。ねえ、チアキ。マコちゃんがマコトくんなら、どうするの?」

千秋「ど、どうするって……」

吉野「やっぱり、嫌いになるのかな?」

千秋「マコちゃん……が……マコト……」

マコ「あ、チアキ……あの……」

千秋「吉野の考えは色々と飛躍しすぎている。想像もできない。SFだ」

吉野「そうかな? 急に親しくなった理由としては割と妥当だと思うんだけどな」

千秋「う……む……でもな……。仮にだ、マコちゃんがマコトだったとして、どうして女装する必要がある?」

吉野「それはチアキが中々招待してくれないから、変装してカナちゃんの後輩ってことにしちゃえば堂々と遊びにこれる、とか考えられるよね」

内田(正解だ!! 正解しちゃった!!)

夏奈(やはり、知っているのか……。吉野は……!!!)

冬馬「吉野。いくら、なんでも変装してまで家に来る理由がないんじゃないか?」

吉野「そこまでして会いたい人がいるなら、理由になると思うよ? マコトくん、ハルカちゃんのこと気に入ってたみたいだし」

マコ「なぁ……!?」

千秋「そういえば、マコトはハルカ姉さまに色目を……」

吉野「そんなに私の考えは突拍子もないかなぁ」

マコ「も、ももも、もしそうだったとして、吉野はどう思うんだ!? そんなの普通は想像したくもない事実だろ!?」

吉野「私はマコちゃんが男でも気にしないよ? 可愛いし、優しいし、男らしいし」

マコ「なんだってぇ!?」

吉野「それにもう友達から、嫌いになったりなんてできないよ」

マコ「そ、そうか……ありがとう……」

吉野「いえいえ」

夏奈「吉野。でも、証拠がない。証拠もなしにそんなこと言わないほうがいいと思う」

吉野「マコちゃんが服を脱げばいいだけだと思うけど……」

マコ「ひっ……!?」

吉野「これは私の妄想だし、別に証拠とかいいんじゃないかな?」

夏奈「そ、そうだね! ただの万が一、そうだったらって話だもんね!!」

吉野「そうそう」

内田「トウマ、どう思う?」

冬馬「オレからいえるのは、誰も吉野をとめることなんてできないってことだ」

内田「……私たちはもう見守ることしかできないの?」

千秋「……吉野。もしもの話だよな?」

吉野「うん。もしもの話だよ?」

吉田氏ね

ミスった
吉田の田は野沢菜の野

吉野に翻弄されるみなみけ

>>121
だから吉野沢菜だ

ミスった野

ごめんな

千秋「なら、言おう」

内田「カナちゃん、もしこれチアキが男でも許すって言ったら、吉野はマコちゃんがマコトくんだって、証明しようとするんじゃない!?」

冬馬「あ、ありえる……!!」

夏奈「そのときは任せろ。策はある」

内田「おー!! 流石、カナちゃん!!」パチパチ

冬馬「カナ、大丈夫なんだろうな!?」

夏奈「マコちゃんの生みの親として、責任はもつ。心配するな」

千秋「――マコトでも構わない」

マコ「なんだってぇー!?」

吉野「そうなの?」

千秋「マコちゃんは女らしいところのほうが目立つが、今までも男らしいところは見せてくれていた。夜遅くなったとき、内田や吉野を家まで必ず送るし、私やハルカ姉さまの買い物にも付き合ってくれる」

千秋「私が泣いてしまったときも何度も頭を下げてくれて、私の我侭をきいてくれた。それ以外にもマコちゃんは私のために色々としてくれている。そんな奴を男だと言われただけで嫌いになるほうが難しい」

吉野「それって、好きってことかな?」

千秋「一言でいうなら、そうなる」

マコ「チ、チアキぃ!? 急にそんなこといわれても!!」

吉野「そっか……」

夏奈「来るか……!!」

内田「わぁぁ……」

冬馬「内田、逃げる準備をしておくぞ!!」

内田「そ、そうだね!! 逃げないと!!」

千秋「吉野、満足か?」

吉野「うんっ。ごめんね、変なこと聞いちゃって」

マコ「え?」

夏奈「……あれ?」

吉野「なに?」

夏奈「終わりか?」

吉野「終わりかってどういうこと?」

夏奈「もっと追及したりするんじゃないの?」

吉野「何を追及するの?」

夏奈「……いや、なんでもない」

千秋「全く。おかしなことを訊くな、吉野。びっくりするだろ」

吉野「ごめんごめん。マコトくんが名前で呼び始めた理由を考えたら、少し面白い発想が浮かんできちゃって。どうしてもチアキに言いたかったの」

千秋「確かに面白い発想だが、それは空想の域をでないな」

吉野「だよね。女装してまで友達の家に来るなんて普通じゃないもん」

千秋「その通りだ。仮にそんなやつが居たとしてバカ野郎キングの名を欲しいままにするようなやつだろうな」

マコ「うっ……!!」

夏奈「おかしいね。腹が立ってきた」

内田「カナちゃん……」

冬馬「まぁ、女装はないよな。女装は」

吉野「でも、チアキ。それだと、マコトくんはどうしてチアキのことを名前で呼び始めたんだろうね」

千秋「バカ野郎のことはよくわかないからな。私が特に何も考えずにしたことを好意だと勘違いして、勝手に懐いている。とかそういうのだろ」

吉野「それありそうだね」

千秋「真実の多くはつまらないことだからな」

吉野「うん。そうだね」

マコ(結局、吉野は気づいているのか……いないのか……?)

吉野「それじゃあ、そろそろ帰るね」

内田「私もー」

冬馬「オレも帰るか。ナツキがうるせえし」

千秋「マコちゃん、みんなを頼むぞ」

マコ「ああ!! 任せてくれ!!! オレがみんなをガードする!!!」

千秋「うむ。任せた」

吉野「ありがとう、マコちゃん」

マコ「これがオレの役目だからな!!!」

夏奈「えらいえらい」

内田「お邪魔しましたー」

冬馬「またなー」

吉野「また、明日ね。チアキ」

マコ「またくるよー」

千秋「あ、マコちゃん。ちょっと待ってくれ」

マコ「なにー?」

千秋「――マコトなのか?」

マコ「……え? なんだって?」

千秋「マコトなのかと訊いた」

マコ「いや、チアキ!! オレはマコちゃんだから!! な、何言ってるんだ!! びっくりするなぁー!!」

マコ(カナー!! 助けてくれー!!! リビングにもどるなー!!!)

千秋「吉野がなんの確証もなしにあんなことを言うとは思えないからな。マコちゃん、お前は本当にカナの後輩なのか?」

マコ「そうだよ!!」

千秋「そうか」

マコ「おう!!」

千秋「考えてみれば、マコちゃんってマコトにつけたあだ名なんだよなぁ……」

マコ「チ、チ、チアキ!! その話はもういいだろー!!」

千秋「そうだな。悪かった」

マコ「それじゃあ……オ、オレは……ここで……」

千秋「……マコちゃん。男らしさとはなんだろうか?」

マコ「え? お、男らしさ……?」

千秋「お姫様抱っこができることか? 何事にも動じないことか?」

マコ「さぁ……どうだろうね……。オレは女の子なもんで……」

千秋「貫くことだと、私は思う」

マコ「貫く?」

千秋「自分の意思を貫き通すとこが真の男らしさではないかと思っている」

マコ「そう……なのか?」

千秋「そうだ。変装してまで憧れの人に近づこうとする意思の固さは十分男らしいと言えるだろうな。少なくとも私はそう考える」

マコ「チアキ……」

千秋「話はそれだけだ」

マコ「……ありがとう、チアキ」

千秋「何故、礼を言うんだ?」

マコ「チアキ、これからも親友でいてくれ!!」

千秋「言われなくても親友だ、バカ野郎」

マコ「それだけ聞ければ十分だよ!! それじゃあ、また明日!!!」

千秋「ああ。また明日な」

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千秋「なぁ、カナ?」

夏奈「どうしたのー? みんな帰ったのかー?」

千秋「マコちゃんって、男らしいな」

夏奈「そうだな。男らしいな」

千秋「でも、女らしいところもあるよな。ああいうのはどういう人種になるんだろうな」

夏奈「さぁ、考えたこともないよ」

千秋「そうか。まぁ、考えるほどのことでもないがな」

夏奈「なんだよぉ。自分で答えを見つけてるなら訊くなよぉ」

千秋「悪かった」

夏奈「……チアキ、どうかしのか? ずっとにやけてないか?」

千秋「いや。なに。簡単なことだったのにずっと気がつかなった自分が滑稽で」

夏奈「はい?」

千秋「少し考えればすぐにわかったことなのにな……。私もバカ野郎だったようだ」

夏奈「やっと気がついたか。自分の愚昧さに」

千秋「お前がいうなぁー!!」ゴンッ

翌日 小学校

千秋「おはよう」

内田「おはよう、チアキ!」

吉野「おはよー」

千秋「吉野……」

吉野「なに?」

千秋「お前も分かってるんだろ?」

吉野「なんのこと?」

千秋「いや、まぁ、そのスタイルを維持するなら、私も協力しよう」

吉野「よくわからないけど、ありがとう」

内田「ねーねー! 何の話!?」

千秋「内田はいいんだよ。内田は」

内田「えぇー!? どうしてぇー!?」

マコト「チアキ!! おはよう!!!」

千秋「おはよう、マコト」

内田「ねえ、ねえ。吉野、なんのことなのー!?」

吉野「さぁ。私も良く分からないから」

内田「絶対、嘘だよねぇ!?」

千秋「内田。今日はハルカ姉さまも早く帰ってくると言っていたぞー」

内田「そうなんだー」

マコト「そうなのか!?」

吉野「それじゃあ、今日もマコちゃんが来るのかな?」

千秋「多分。来るだろうな。マコちゃんはハルカ姉さまのことを慕っているし」

内田「でも、マコちゃんはカナちゃんが呼ばないと……中学生なんだし……」

千秋「そうだな。カナも今頃、マコちゃんに伝えているだろうな」

吉野「ふふ、そうだねー」

内田「マコトくん、大丈夫なの? 昨日のあれでチアキも怪しんでるんじゃ……」

マコト「いや、チアキは多分、何も気づいてないよ!! オレが言うんだから間違いない!!!」

内田「そ、そうなんだ……」

マコト「ああ!! チアキは何も知らない!! 絶対に!!」

放課後

冬馬「おーい、チアキー。帰ろうぜー」

千秋「おー。ちょっと待っててくれ。――早くしろよ、お前。こっちは早く帰りたいんだ。今日もマコちゃんが来るんだから」

マコト「よし、忘れ物はないな!! 行こう!! チアキ!!」ギュッ

千秋「あ。こら、また勝手に手を……」

マコト「あ!! ごめん!! チアキ!! ついうっかり!!」

千秋「……バカ野郎」

吉野「チアキとマコトくん、仲いいよね」

内田「どこであんなに仲良くなったの?」

吉野「さぁ……。どこだろうね?」

冬馬「マコト、おい。バレちまうぞ。少しは気をつけろよな」

マコト「うん! そうだね!! 気をつけるよ!!」

千秋「マコト、なにやってんだ。帰るぞ」

マコト「よし!! 帰ろう!!」ギュッ

千秋「だから、すぐに手を握るな、バカ野郎」

南家

マコ「きたよー!!!」

夏奈「いらっしゃい、マコちゃん。今日も来たんだ」

マコ「ハルカさんとチアキは!?」

夏奈「ハルカはまだ。チアキは部屋にいるよ」

マコ「そうか!」

夏奈「しかし、昨日は危なかったな。私も最後の手段として、マコトに私の下着を穿かせる覚悟もしていたんだけど。どうやら、その必要はないみたいでよかった」

マコ「そんなことでるかぁー!!!」

千秋「マコちゃん、きたか」

マコ「おう!! オレ、ちゃんと貫くから!! このスタイル!!!」

千秋「そうか。いや、そのスタイルまで貫くのはどうかと思うが。……まぁ、いい。でも、いつかきちんと話せよ。別に怒ったりはしないから」

マコ「まだ勇気がないけど、言うよ!!!」

千秋「うむ。マコちゃんならできるだろう。私の親友だしな」

マコ「ありがとう!! オレ、がんばるよ!!!」

夏奈「お前たち、なにかあったのか?」

>>163
マコ「そんなことでるかぁー!!!」

マコ「そんなことできるかぁー!!!」

もう付き合っちゃえよ

あ、俺内田もらうから

>>165
おれ吉野












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千秋「なにもないよ。ただ、マコちゃんがいくら馴れ馴れしくしてきても私は全てを許容できるぐらいに成長しただけだ」

夏奈「なんだそれは?」

マコ「チアキ、今日は何しようか?」

千秋「マコちゃんの好きなことでいいぞ」

マコ「いやいや、チアキの好きなことをしようじゃないか」

千秋「そうか? いつも悪いな」

マコ「気にするなよ。チアキが楽しいなら、オレも楽しいし」

千秋「バカ野郎……。言ってて恥ずかしくないのか?」

マコ「なんで?」

夏奈「仲いいな、お前たち」

春香「――ただいまー」

マコ「ハルカさん!! おかえりなさい!!」

千秋「……おい、マコちゃん。ハルカ姉さまもいいが、まずは私と遊びなさいよ」

マコ「そうだねっ! 今はチアキと遊ばなきゃ!! さぁ、なにしようか!?」


おしまい。

おれ続き書こうか?

千秋「それじゃあ、ツイスターゲームをしよう」

マコ「ツイスターゲーム?」

千秋「そう!お題の色に合わせて手足を使ってタッチするゲームだ」

マコ「なんだかわからないけどやってみるか!」

-数分後-

マコ「ちょっと千秋!この体勢はいろいろとやばく無い?」

千秋「これは相当体力を使うなぁ~次マコちゃん左手を緑」

マコ「あ、あああたおれる!!」ドサァ

千秋「大丈夫かマコちゃん!あれ?マコちゃんの股間のあれなんだ?」

千秋「これっっっっっやばっっっっいくぅっっっっ」(おまんこがいった。)

マコちん「あ、ああああいくううぅうくうううおおお」(いった。)

内田「私もっなんだか変っっっあーーーあああああ」(おまんこがいった。)

吉野(おまんこがいった。)

春香「あらあらいけない子達ね・・・いくぅ」(おまんこがいった。)

おわり

え?
だめですか?

やっぱ才能無いのかな・・・俺は

ごめんね

これがゆとりか・・・
やっぱ俺はROMするよ

もう一度いう
これがゆとりか・・・

マコ「全員しね」

千秋「ゆとりゴミ屑消えろ」

春香「天海春香です!」

マコ、千秋「いまのなんだ?」

フユキ「全員しねとりあえず氏ね」

うわぁ…

>>198
なんだよ氏ね

ID:sKZ9sp5U0のおかげでまとめには載らずに済みそうだ
助かるよ死ね

>>200
別にこんな関係ないスレがまとめられなくてもなんとも思わねえよwww

アフィが来る前のSSの人、乙!超乙!!

>>204
ありがとー

SS書いてないクズがでしゃばんなwww
そこが知れるぞゆとりゴミ屑

俺の勝ち

つまんね
Amazonギフト配る
こいや

いぇーいwww
俺の勝ち

分かりませんが、俺の勝ちやべえよ

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