ちなつ「べったべたのあっまあま!」 あかり「?」(83)

~吉川家~

あかり「また明日ね! ちなつちゃん!」バイバイ

ちなつ「うんまた明日! あかりちゃん!」バイバイ

ちなつ「……」

ちなつ「はぁ~……」

ちなつ「今日もまた、あかりちゃんにほんとのこと言えなかったな……」

ちなつ「どうしてあかりちゃん……、私の気持ちに気付いてくれないのかな……」

~ちなつの部屋~

ちなつ「はぁ~……」バタッ

ちなつ「やっぱりあかりちゃんにヤキモチ妬いてもらおうなんて、無理なのかな……」

ちなつ「普通自分と話してるのに他の人の話なんかされたら面白くないでしょ!?」

ちなつ「それなのにどうして……」

ちなつ「あかりちゃんはニコニコして聞いちゃうんだろ……」

ちなつ「つまんない時もぱぁっと盛り立ててくれて」

ちなつ「からかうと戸惑ったりむくれたり……」

ちなつ「でも私が相談したい時はキリッとした顔して」

ちなつ「私の顔をじっと見て、一言一言に頷いてくれて……」

ちなつ「そのあかりちゃんの顔の一つ一つを私ばっかりが知ってると思ってたけど」

ちなつ「きっと京子先輩だってそれを知ってるから、反応を見たがってちょっかいを出すのよね……」

ちなちゅっちゅ

ちなつ「結衣先輩とは落ち着いてる同士だし……」

ちなつ「櫻子ちゃんはしょっちゅう助けてもらってるし……」

ちなつ「皆があかりちゃんを見てるって思うと、どうしてこんなに苦しいんだろ……」ハァ

ちなつ「……」

ちなつ「はー、ダメダメ。私らしくないよね」

ちなつ「悩んでたらすぐにあかりちゃんに気付かれちゃうんだから……」

ちなつ「あかりちゃんにみっともないとこは見せられな……」

ちなつ「ってまたあかりちゃんの事が気になってる……///」ドキドキ

ちなつ「はぁ……」

ちなつ「悩んでばっかりはダメだよね……」

ちなつ「何か気持ちを切り替えられるものは、と……」

ちなつ「そういえばお姉ちゃん、『ちなあかの正義』の新刊買ったって言ってたな」

ちなつ「お姉ちゃんの部屋に置いてあるかな?」

~ともこさんの部屋~

ちなつ「あ、お姉ちゃんまだ帰ってきてないんだ……」

ちなつ「ま、すぐに読んで返せばいっか……」

ちなつ「えーと、えーと……あった!」

ちなつ「よいしょ……、と」グイッ

ガタッ バサバサバサッ

ちなつ「あ、他の漫画も崩れちゃった……」

ちなつ「戻さないと……」ヒョイッ

ちなつ「あれ、これカバーと中身が違う……?」

ちなつ「『あかともは世界を救う!』……?」

ちなつ「わわっ、ちょ……、これ……」ペラッ

ちなつ「いわゆるピーな本だ……///」カアァ

ちなつ「……」キョロキョロ

ちなつ「お姉ちゃんが帰ってくる前に戻せばいいよね……///」

ちなつ「さて、内容は……と///」ペラッ

『お帰りなさいあなた♪ ご飯にする? お風呂にする? (以下略)』

『プレゼントは私! 今夜は私をあなた色に染めて!』

『アンアン』

ちなつ「あ、あわわわわわ……///」ペラッ

ちなつ「ちょ、ちょっとこれは参考にはしちゃダメね……///」

ちなつ「でもピーなシーンの前なら……私とあかりちゃんにだって……」フム

ちなつ「さて、早く戻さないとお姉ちゃんが帰ってきちゃう……」

>ガラッ タダイマー

ちなつ「!」

ちなつ「ええい! 四の五の言ってられない!」ガッ

ちなつ「私の部屋へエスケープ!」ダッ

バタン!

………

ガチャッ

ともこ「ふふっ、今日も赤座さんとたくさんお話できたわ」ニコニコ

ともこ「いつか私も赤座さんとこの漫画みたいに……///」キャーッ

ともこ「あれ……? 位置が……? 違ってる……?」

ともこ「い、いや。気のせいよ、きっとそう……」オドオド

※特にトラブルには発展しませんでした。家族の優しさって大事ですよね。

~ちなつの部屋~

ちなつ「あの漫画の二人、すごくべたべたしてたな……」

ちなつ「そうよね。回りくどいことせずにあれくらいべたべたしたら……」

ちなつ「きっとあかりちゃんだって気付いてくれるよね……」

ちなつ「そ、それに私は行動的なところが魅力ってあかりちゃんも……///」カアァ

ちなつ「ってま、また、気になっちゃってる……///」

ちなつ「と、とにかく、張り切っちゃうぞー! チーナ!」グッ

~週末~

ちなつ(今日は練習なんかを言い訳にしない、ほんとのあかりちゃんとのデート……)

ちなつ(べったべたのあっまあまで、あかりちゃんに私の気持ちに気付いてもらうんだから……)グッ

ちなつ「さて、あかりちゃんは先に来てるかな……」テクテク

あかり「……」

ちなつ(あ、やっぱり先に来てた……)

ちなつ(よーし、ちょっとイタズラしちゃえ……)

ちなつ(待ち合わせのカップルといったら勿論アレよね)クスッ

ちなつ「だーれだっ♪」ピトッ

あかり「わぁっ!?」ビクッ

ちなつ「あかりちゃん……、驚きすぎ」クスッ

あかり「い、いきなりびっくりしたよぉ、ちなつちゃん!」プンプン

ちなつ(可愛い)クスッ

ちなつ「ごめんごめん。あかりちゃんの反応が見たくて」

あかり「もーっ……」

ちなつ「今日は遊びに付き合ってくれてありがとね、あかりちゃん」ニコッ

あかり「うん、遊びに誘ってもらえて、あかりもすごく嬉しいよぉ」ニコッ

ちなつ(笑いかけたら笑い返してくれる……、この笑顔が大好き)

あかり「えっと、今日は何するの?」

ちなつ「うーん、今日は天気もいいから公園でのんびりして」

ちなつ「それから、ふらっと何かお店とか見ていけたらな~、って考えてるんだけど」

ちなつ「あかりちゃん、どうかな?」

あかり「うん。あかりはそれでいいよぉ」ニコッ

ちなつ「そっか、よかった」ニコッ

………

ちなつ「うーん、もうすっかり春って感じだね」ノビッ

あかり「うん。そうだねぇ」

ちなつ「……」ギュッ

あかり「わっ」

ちなつ「あかりちゃんの手、あったかい」クスッ

あかり「うん……。ちなつちゃんの手もだよぉ」ギュッ

ちなつ(手を握ったら握り返してくれる……、このあったかさが、大好き)

あかり「あ、あの散歩してるわんちゃん、可愛いなぁ……」

ちなつ「あ、あかりちゃんって犬好きだったよね」

あかり「うん……」ジーッ

ちなつ「……」

ちなつ「あ・か・り・ちゃん?」ズイッ

あかり「は、はひっ!?」

ちなつ「今は私とお話してるんだから、私を見て!」

あかり「う、うん……」

ちなつ「私と犬、どっちが好きなの!?」ズイッ

あかり「え、え……?」タジッ

ちなつ「……」ジトーッ

ちなつ「……」クスッ

ちなつ「冗談だよ。あかりちゃん」

あかり「そ、そっかぁ」ホッ

ちなつ「全く、変に真に受けちゃうんだから……」

あかり(ちなつちゃんの顔……。あんまり冗談に見えなかったよぉ)

ちなつ(戸惑った顔も、ホッとした顔も……、大好き)

ちなつ「あ、猫だ……」

あかり「あ、ちなつちゃんは猫が好きだったよねぇ」

ちなつ「うん……」ジーッ

あかり「……」

あかり「ち、ちなつちゃんは猫とあかりどっちが……///」

ちなつ「あかりちゃん」

あかり「え!?」アタフタ

ちなつ「猫とあかりちゃんなら、迷わずあかりちゃんだよ?」ズイッ

あかり「え、ちょ……///」

ちなつ「……」クスッ

ちなつ「やり返すなら……、もうちょっと上手くやろうね?」

あかり「う、うん……」ニコッ

あかり(ち、ちなつちゃん、いきなり顔を近付けてくるから……///)ドキドキ

ちなつ(照れた顔も……、大好き)

ちなつ「猫と言えば……、またあのパジャマ着て、お泊り会でもしよっか」

あかり「うん……。いいねぇ」

ちなつ「さーて、ここで問題です」

あかり「?」

ちなつ「猫はマタタビが好きって言うけど……」

ちなつ「チーにゃんが好きな匂いってなーんだ?」

あかり「え、えーと?」

ちなつ「制限時間あと10秒……」

あかり「う、うーん……?」

ちなつ「5、4、3、2、1……」

あかり「え、えっと……」

ちなつ「はい、時間切れ~」

ちなつ「正解、知りたい?」

あかり「う、うん……」

ちなつ「正解は……」ソローッ

あかり「?」

ちなつ「あかりちゃんの匂いでしたーっ」ダキッ

あかり「わわっ、ち、ちなつちゃん……///」カアァ

ちなつ「うーん、あかりちゃんの匂い、落ち着くな~」スンスン

あかり「あ、あわわわわわ……///」カオマッカ

ちなつ(真っ赤になった顔だって、匂いだって……、大好き)

………

ちなつ「あ、そろそろお昼だね……」

あかり「うん」

ちなつ「そろそろ、お店探そっか」ギュッ

あかり「うん」ギュッ

ちなつ「あかりちゃん、何がいい?」

あかり「ちなつちゃんが好きなのなら何でもいいよぉ」

ちなつ「じゃ、あのファミレスにしよっか」テクテク

あかり「うん」アッカリアッカリ

ちなつ(並んだ時の背の高さだって、歩幅だって……、大好き)

………

~ファミレス~

あかり「あ、ドリンクバーで飲み物入れてくるね」

ちなつ「うん。お願いね」

あかり「ちなつちゃん、何がいい?」

ちなつ「うーん、お茶をお願い」

あかり「うん。わかったよぉ」アッカリアッカリ

ちなつ(優しいところが……、大好き)

あかり「はいっ、お待たせ。ちなつちゃん」コトッ

ちなつ「ありがとう、あかりちゃん」ニコッ

あかり「どういたしまして」ニコッ

ちなつ「それでは、いただきます」

あかり「いただきます」

あかり「そういえば……、ちなつちゃんってお茶いれるの上手だよね」

ちなつ「うん……。お姉ちゃんに色々教えてもらってるからね」

あかり「そっか……。羨ましいなぁ」

ちなつ「あかりちゃんにだったら毎日だって、お茶いれてあげてもいいよ」ボソッ

あかり「え? ちなつちゃん、何か言った?」

ちなつ「いや、何も?」クスッ

あかり「むー、気になる……」

ちなつ(むくれた顔だって……、大好き)

あかり「あ、ちなつちゃん……」

ちなつ「何?」

あかり「ソースがほっぺに……」

ちなつ「……」

ちなつ「あかりちゃん、こういう時はすることは一つしかないよね?」ズイッ

あかり「え、えと……///」

あかり「え、えーと……///」

ちなつ「……」

あかり「こ、これで!」ヒョイッ パクッ

ちなつ「またそれかぁ……」

あかり「う……///」

ちなつ「三度目の正直……。次はお願いね、あかりちゃん?」クスッ

あかり「うう……///」プシュー

ちなつ(ほんとは触れてくれる指だって……、大好き)

あかり「そういえば……、もう新学期になっちゃうね」

ちなつ「うん、そうだね」

あかり「あかり達、二年生になったらどんな感じなのかな?」

ちなつ(あれ? 以前も同じ事思ってた気がするけど……、気にしたらダメよね)

ちなつ「うーん、想像出来ないなぁ……」

あかり「そっか……」

ちなつ「あかりちゃんは新学期の抱負はこれ! みたいなのはある?」

あかり「え、えーと……」モジモジ

ちなつ「何?」

あかり「もっと目立てたらなー、って……///」

ちなつ「そうなんだ……」クスッ

あかり「ちなつちゃんは?」

ちなつ「うーん、そうだなぁ……」

ちなつ「……」

ちなつ「ナイショ!」

あかり「えーっ、あかりは言ったのに……」プー

ちなつ「ふふっ、ほんとはまだ決まってないってだけだよ」クスッ

あかり「そ、そっか……」

ちなつ(控え目なところだって……、大好き)

ちなつ「あ、デザートも頼んどこっか」

あかり「うん」

ちなつ「えっと……、このパフェを二人で分けて食べよっか」

あかり「うん……、いいよぉ」

ちなつ「はいっ、あかりちゃん、あーん」スッ

あかり「え、そ、そうやって?///」

ちなつ「嫌……?」シュン

あかり「う……、そ、それでは……///」パクッ

ちなつ「あかりちゃん、ちょろーい」クスッ

あかり「あ……///」

ちなつ「私が普通の顔してる時もそうやってね、あかりちゃん?」

あかり「う……///」

ちなつ(困ってたら放っておかない……、そんなとこも大好き)

あかり「あ……」

ちなつ「何?」

あかり「ち、ちなつちゃん、ほっぺにクリームが……///」

ちなつ「……」ジーッ

あかり「う……///」

ちなつ「三度目の正直、出来るかな?」クスッ

あかり「うう……///」

あかり「え、えっと……///」スッ

ちなつ「……」ドキドキ

あかり「……///」スーッ

ちなつ「…………」ドキドキドキドキ

あかり「……///」

あかり「…………///」ヒョイッ パクッ

ちなつ「あ……」ガーン

あかり「え、えと……///」

ちなつ「……」ジトーッ

あかり「う……///」

ちなつ「これは……、お手本を見せなきゃダメみたいね」ハァ

あかり「え?」

ちなつ「……」カチャ

あかり「?」

ピトッ

あかり「!?」

あかり「ち、ちなつちゃん?」

ちなつ「あかりちゃん、じっとしてて?」ガシッ

あかり「は、はひっ!?」

ちなつ「……」スーッ



チュッ



あかり「……///」プシュー

ちなつ「さ、これで次からは出来るようになるかな?」クスッ

あかり「…………///」

ちなつ「あかりちゃん?」

あかり「……………………」チーン

ちなつ「ありゃりゃ、刺激が強すぎたみたいね……」クスッ

ちなつ(純粋なところだって……、大好き)

………
……


ちなつ「今日はあちこち見て回れたね」

あかり「うん」

ちなつ「わっ、もうこんな時間……」

あかり「ちなつちゃんと一緒だと時間が早く感じるよぉ」

ちなつ「楽しい時間が過ぎるのって、早いよね」

あかり「うん……」

ちなつ(ちょっぴり寂しがりなところだって……、大好き)

          / /   ノ          、 \  \
        /  /    {            、 \  \

       /   /     i  |:.          ハ  `    ヽ
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       /    ノ    | / ヽ  {::ノ .    __i   \  ,\ )
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     |   /     ハ/  _\(:::::::::.∨::} // ヽi   '., |ヽ ヽ
     |   /    /  z===ミx ヽ,  /}ノ´_,,..  リ丶   '., } \i
     |  /    / (ん' 入_ハ   ソノ   -=ミx  》    ',|   `
     |/ 〈    〈   乂 `Y´ソ      ' ん'_人ハ i:|     }
    /  i :.   ヽ_ ,,..  ̄       .  乂 Yソ ./    /
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  丿ノ   :::::::::::::::.  \_  ,     ┃  ///// ノ::::::: ノ
  ル {   ..::::::::::::::::::.......ー´   rー、_ .┃       /  ..\
  i   Y  .::::::::::::::::::::::::::::::ヽ       ーっ    /:::::. `  \
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      V  \〈 ヽ::::::| Y     ̄ ┃:::::::::::::∧::i   Y

           ` / `く       「  ̄`i   v
         _,.-'    \     丶 ∧l        〆\
      ,..:::::::::::::::::::\    ,-─ 二 ー、  i、ー-  、      \
    /::::::::::::::::::::::::::::\ / -´ __ ノ´:::::::::::::::::::::\       \( ̄` ー 、
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'    ソ   (       )::::i  (      ソ ̄`

あかり「それじゃ、あかりはもう帰らなきゃ……」

ムギュッ

あかり「わわっ///」

ちなつ「今日は……、あかりちゃんと別れたくないな……」ギューッ

あかり「え、えーっと……///」

ちなつ「……」クスッ

ちなつ「冗談だよ。お家の人が心配しちゃうもんね」ニコッ

あかり「うん……。そうだねぇ」ニコッ

ちなつ(抱きしめて感じる……、あかりちゃんの全部が大好き!)

あかり「また明日ね! ちなつちゃん!」バイバイ

ちなつ「うん、また明日ね! あかりちゃん!」バイバイ

ちなつ(別れる時にまた明日ね、って言ってくれるあかりちゃんが……、大好き!)

………

ちなつ(色んな顔をするあかりちゃん)

ちなつ(隣で和ませてくれるあかりちゃん)

ちなつ(誰にでも優しいあかりちゃん)

ちなつ(そんなあかりちゃんを、私が引き止めちゃダメだよね)

ちなつ(でも私の大好き……、あかりちゃんに少しでも伝えられたかな?)

ちなつ(ファミレスではナイショなんて言ったけど……)

ちなつ(新学期の抱負なんて、とっくに決まってるよ)

ちなつ(それはね……)






ちなつ(あかりちゃんを絶対絶対絶対、振り向かせてみせるって! 覚悟してね、あかりちゃん!)




おしまい

乙ん

ちなあかは失恋とかあかりの片想いに縛られがちでは?
と思ったのでちなつがデレデレなパターン流行らないかなー、と思って書いた
支援して下さった方ありがとうございました

あかり「んほぉぉおおおおおお♡」プシャー
ちなつ「ヘイッ!アヘ顔肉便器一丁アガリ
!」ドピュッ

ホントのホントにおわり

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