照「照魔鏡がなくなった」(150)
だいこん
玄「うぅん……」ゴロ
玄「おねえちゃん……今何時?」
玄「…………」
玄「あぁ!!」ガバ
玄「いいいいまなんじ!?」
玄「……」ダラダラ
玄(まずいよ……完全に一晩過ごしちゃった……)
玄(て、照さんの部屋で……///)
玄(しかも弘世さんともあんなことを……///)
玄(どうしよう……みんな心配してるかなぁ……)
玄(携帯……どこやったっけ? っていうかカバン……)
玄「あった……うわぁ!」
玄(ちゃ、着信がカンストしてる……お姉ちゃん……)カタカタ
玄「は、早く帰らないと……」カタカタ
玄「あ、照さん……いないよね」
玄(書置きだけ残して……すぐに帰ろう……)カリカリ
玄(この部屋、オートロックみたいだし……大丈夫だよね)
玄「おじゃましました……」ガチャ
すいません
照「照魔鏡が吼える」
の続きです
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
玄「た、ただいまー……」
宥「…………」
玄「お、お姉ちゃん……ただいま」
宥「ねぇ、玄ちゃん」
玄「はひ!」
宥「昨日は……何してたの?」
玄「えっと……てr……宮永さんのところでお泊まりを……」
宥「なんで?」
玄「なんでって……その、仲良くなったから……」
玄(お姉ちゃんの雰囲気が……今までにないくらい怖い……)ブルッ
玄(なんとかこの場を収めないと……ほかの人に着いて来てもらえばよかった……)
玄(ん? ……なにこれ……)キュイイイイイイイ
玄(え? え? なんなの?)イイイイイイイ
ブォン
見えてしまったもの>>18
半分こされてくっつけられた照菫
玄ちゃんから、あの女の……それ以外の臭いもする……
これは……次鋒戦で戦ったあの人の……
許せない……許せないよ、私の玄ちゃんを……
玄ちゃん……私の玄ちゃん……
玄ちゃんはこれから私がきれいにして上げるとして……問題は雌豚にどうやってけじめをつけさせるかだよね?
玄ちゃんに手を出したことを後悔させないと……
そうか、二人がもう玄ちゃんを求めないように、あのふたりをくっつけちゃえばいいんだ
そうすればあの二人も寂しくないよね……
そうしよう
そうと決まれば……道具を用意しなくちゃ
ノコギリと……針と糸はお裁縫に使うやつでいいかな?
あと、あのふたりを捕獲するための道具を用意しないといけないよね
ホームセンターに行けば、一式揃えられるかな?
玄「」
玄「え? なにこれ……なんなのこれぇ……」カタカタ
宥「玄ちゃん? どうしたの?」スッ
玄「ひっ!」バッ
宥「……え」
玄「あ……あ……」
宥「玄、ちゃん?」
玄「こな、いで……」
宥「」
宥「く、くろちゃ……」
玄「いやああああああああ!!」ダダッ
宥「! くろちゃ!」
宥「そん、な……」ガクッ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
玄「はぁ……はぁ……」
玄(なんだったの……アレ……)
玄(お姉ちゃんの声が聞こえて……それで……)
玄(照さんと……弘世さんが……)
玄「うっ……」
オエェエエ
玄「はぁ……はぁ……」
玄(胃液しか出てこない……そりゃそうだよね……)
玄(でも……あれは一体……)
玄(そ、そういえば麻薬とかを使っちゃった人が、幻覚に苛まれるって……)
玄(でも私そんなのやってないし……)
玄(も、もしかして、気がつかないうちに吸っちゃってたのかな……)
玄(どうしよう……もし元に戻らなかったら……あんなのがずっと見えてるの?)カタカタ
玄「やだよぅ……こわいよぅ……」カタカタ
玄「おねえちゃ……照さん……」ポロポロ
>>41「ん? アレ……」
とよね
豊音(あれは確か……阿知賀のドラローさんだよー!)
豊音(チャンピオンに一矢報いた阿知賀のエース! うわあ、感激だよー!)
豊音(サイン貰わないと……)ダッダッダ
玄「ぅう……ん?」
ドッドッドッド
豊音「すみませーん!!」
玄「ひっ!?」
玄(な、なにあの黒づくめでおっきい人……)カタカタ
玄(に、逃げなきゃ!)ダッ
豊音「えぇ!?」
豊音「待ってー! なんで逃げるのー!?」ダッダッダッダッダ
玄(追ってきた!?)
玄「ごめんなさい! 許してくださーい!」
豊音「きゃっ」ドシーン
玄(転んだ!?)
豊音(うっ……なんか逃げられちゃうし、転んじゃうし……)
豊音(私、何か悪いことしたのかなー……)
豊音「ふぇ……」ポロ
玄(泣き出した!?)
豊音「うえぇ……」ポロポロ
玄「えっと……えっと……」オロオロ
玄「……っ」ダッ
豊音「ぅ……え?」
玄「怪我、してませんか?」
玄「そうだったんですか……すみません、失礼な真似をしてしまって……」
豊音「うぅん、ちゃんと助けてくれたし、サインもくれたし……」
豊音「こっちこそ驚かせちゃってごめんねー?」
豊音「そういえば、さっき一人で泣いてたように見えたんだけどー……」
豊音「何かあったのかなー、なんて……」
玄「あ……」
玄(どうしよう……言っちゃっていいのかな……)
玄(でも、殆ど見ず知らずの人にするような話じゃ……え)キュイイイイイイ
玄「い、いや……ダメ……」
ブォン
見えたもの>>58
シロを村へ拉致監禁するための画策
インハイ、すごく楽しかったけど……でも、もう半年で卒業……
そしたらみんなとも……シロとも、会えなくなっちゃうんだ……
どうしたら……シロと離れ離れにならないで済むかなぁ……
そうだ、シロと一緒に里帰りすればいいんだ!
卒業式のあとにシロをつれて村に帰ろう……うん!
きっとシロも喜んでくれるよー!
長はきっと反対するけど……力も使いこなせるようになったし、家の一つや二つ消し飛ばして見せれば逆らえないよー
シロの部屋は私が昔使ってた部屋にして……うーん、それだとちょっと酷いかな?
そうだ! GPS付きの首輪を用意してもらって、自分では外せないようにした上で見張りをつければ、シロも自由に動き回れるよー!
それで二人で一緒の家に住んで……毎朝シロを起こしに行くんだー
「あなた、ごはん出来ましたよー」とかとか……
キャー(≧∇≦*)
玄「」
玄(今一瞬見えたのって……座敷牢、ってやつだよね?)
玄(……よ、よくわからないけど)
玄(…………ちょっと、聞いてみよう)
玄「あ、あの……」
豊音「なにかなー?」
玄「あの、シロさんって方、ご存知ですか……?」
豊音「えー、知ってるもなにも、一緒のチームの人だよー?」
豊音「玄さんも知ってるの?」
玄「その……姉帯さんって、その人のこと、好き……だったりします?」
豊音「え! え!?」
豊音「うわ……うわわ……///」
玄(やっぱり……)
豊音「な、なんで分かるのかなー……なんて///」
玄「それと、あの……最近忍者屋敷とかに行ったりしました?」
豊音「え?」
玄「座敷牢って……知ってます?」
豊音「…………そっかぁ」
玄「ぁ……」ゾク
玄(なに、この感じ……)
豊音「なんか一瞬おかしな感じがしたと思ったんだよー……」
豊音「覗いてたんだねー……いけない人だなー」
豊音「……地下室、かな」
玄「あの……姉帯、さん?」
豊音「大丈夫だよー? 痛いことはしないから……むしろ気持ちいいこと……」
豊音「ただ……一生そのままだけどねー?」ゴゴゴ
玄「っ」ダダッ
豊音「あはは、追っかけるけどー」ダッダッダッダッダ
玄「なんっで……こんなっ……!」ダダダ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
~少し前~
―白糸台会議室―
照「おはよう尭深」
菫「おはよう」
尭深「おはようございます」
尭深「…………」スンスン
尭深「……」ギロ
照「え、なに」
尭深「……シャワーは浴びてきたほうが良かったと思いますけど」
菫「!?」ビク
照「あ……」
尭深「というか、なんな世直しの旅に出るんじゃありませんでしたっけ?」
尭深「なんで弘世先輩とお楽しみだったんですか?」
照「いや、菫とっていうよりは……」
菫「おい馬鹿っ」
尭深「……不潔」
菫「いやっ……その、これはだな……」
尭深「……まさか不純なことに照魔鏡を?」
照「そんなことはない、ちゃんと世のため人のために奔走し、仁義に反するような行いはしていない」キリッ
尭深「……怪しい」
照「」カチーン
照「ふーん……いいんだ、そんなふうに私を疑っちゃって」
照「なら見せてあげるよ……私が行ってきた聖人君子も裸足で逃げ出す清き行いを!」
照「……」
尭深「……」
照「あれ……」
尭深「はい?」
腹が痛いから次透華したらちょっと空ける
照「はぁー!」
照「ふんっ!」
照「フォオオオオオオオオ!!」
尭深「……」
照「……」
菫「おい、一体どうしたんだ?」
照「照魔鏡が…………なくなった」
次の人>>90
えりちゃん
玄(なんとか……逃げ切った……)フラフラ
玄(ちょっとだけ、わかったことがある)
玄(多分この力は、相手の心の中とかを覗いてしまう……そういうもの)
玄(私の意思とは関係なく発動してしまう……)
玄(! も、もしそうだとしたら……お姉ちゃんは……)カタカタ
ドン
えり「きゃ!」
玄「あ! ごめんなさい!!」
えり「いえ……大丈夫ですよ」
玄「本当にすみません……ボーっとしていて……」
えり「心配しないでください……あれ、あなた……」
玄「え?」
えり「阿知賀の松実玄選手……ですよね?」
玄「あ、はい……そうですけど」
えり「私、2回戦の実況をさせていただいた、針生えりと申します」
玄「2回戦の……? あっ」
えり「覚えていただけていましたか」
玄「あのっ……その、ありがとうございました」
えり「お礼を言われる意味がよくわかりませんが……どういたしまして」
玄(そっか、あの……)
えり「……顔色が悪いようですけど、どうかしましたか?」
玄「え?」
えり「さっきも足元がおぼつかない感じでしたし……」
玄「いえ……そんなことは……」キュイイイイイイ
玄(これ……は!)ブォン
見えたもの>>100
最近福与アナが結構危なっかしいので内心心配してる内に芽生えてきた思い
咏ちゃんの思いには気付いていない模様
全く、福与アナは……
あんなふうにいい加減なことばかりやっていると、そのうち本当に首になってしまいますよ?
はぁ……とっても同じアナウンサーだとは思えない……
とにかく、今度会ったらちゃんと言い聞かせておかないと
そう、あんなふうにうっとおしくて、子犬のように思慮分別なく騒いで……
元気で、明るくて、どこか放っておけなくて……
はっ、私は何を……
それにしても、もし本当にクビになったら、彼女はどうするつもりなんでしょう
行くあてがないなら私が上に直接頼んで……
べ、別に含みはないですし……ただ純粋に一人の友人として心配しているだけで……
友人といえば、最近三尋木プロによく絡まれますね
この間だってなんか指輪をプレゼントされましたし
しょうがないからつけてあげていますけど、あの人は誰に対してもあんな感じなんでしょうか……
将来が心配ですね……
玄(よかった……この人はいい人だ……)
えり「どうかしましたか?」
玄「いえ……ちょっと用事があるので、失礼します」
えり「あ、はい」
玄「あ、そうだ」
玄「福与アナとお幸せに!」
えり「…………」
えり「えぇ!?」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
尭深「本当に使えなくなってますね……」
照「……」シュン
菫(かわええ)
尭深「何か心当たりは?」
照「……全く」
尭深「……言い忘れてましたけど、というか言う必要もないと思ったんですけど」
尭深「あんまり能力を酷使しすぎると、どっか行っちゃうことが……」
照「え?」
尭深「照魔鏡って、というか能力というのは、もともと守護霊的なもの南です」
照「え、なにそれは……」
照「アレ? ス○ンド的な?」
尭深「厳密には違いますけど……まぁそんな感じだと捉えていただいても結構です」
尭深「とにかく、彼ら……いえ、彼女らにはある種の自我のようなものがあるんです」
尭深「だから酷使されたり、あとは意に沿わないような、めちゃくちゃな使い方をされると、一定の時間主の元を離れていってしまうことがあるそうなんです」
照「…………家出?」
尭深「……そうですね」
菫「渋谷、それは元に戻ってくるものなのか?」
尭深「1年以内には確実に戻ってくるそうです」
照「一年……」ゴクリ
尭深「先輩、何か心当たりはないんですか?」
照「…………」
菫「照……」
照「ダメ、思い浮かばない……」
照「どうしよう、全く心あたりがないよ……」
尭深「となると、愛想をつかされた線は薄いですね……」
尭深「となると、誰かに意図的に奪われて、封じられてしまったか……」
照「許せない……」ゴゴゴ
菫「おい、大丈夫なのかそれ」
尭深「心配しないでください、こういう真似ができるのは限られていますから」
尭深「心当たりをあたってみます」
照「お願い、尭深……私の鏡ちゃんを……」ウルウル
尭深「!」ドキン
尭深「……すぐに戻ります」ダッ
菫(すごいダッシュだ……)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
玄(それにしても、なんでいきなりこんな能力を手に入れちゃったんだろう……)
玄(さっぱりわからないよ……)
玄(とにかく、できるだけ人のいないところへ行かないと……)
玄(そしたら落ち着いて考えよう……)
玄(……あの公園、人気がなくていいかも)
玄(…………一人でブランコ漕いでる人がいる)
漕いでる人>>117
モモ
桃子「……」キィー キィー
玄(私と同じくらいの年の人かなぁ……)
玄(なんか暗い顔してる……どうしたんだろう)
玄(……)
玄(よく見ると、なかなか立派なおもちをお持ちのようで……)ジュルリ
桃子「……?」
玄(あ、目があった……)
桃子「…………あの」
玄「は、はい……」
玄(おもち見てるのバレちゃったかな?)
桃子「私が……見えるんすか?」
玄「え?」
玄(見える? それってどういう……)
玄「はぁ、まぁ普通に……」
桃子「っ!」
しまった会ったことあんじゃねぇかこの二人……
眠気でどうかしてた……
玄「あれ……東横さん?」
桃子「あ……松実、玄さん……」
玄「どうしたんですか、こんなところで」
桃子「松実さんこそ……」
玄「私は……あ!」
玄(まずい! ここでのんびり話してると、また見えちゃう!)
玄「すみません、ちょっと用事があるので失礼しま ガシ
桃子「……」
玄「え?」
桃子「よく考えたら、今の私はステルス全開だったはずっす」
桃子「どうして私のことが見えたっすか?」
玄「そ、そんなこと言われても……見えたものは見えたとしか……」
玄(あ、もしかして……)キュイイイイイイ
玄(コレのせい……だったり?)ブォン
見えたもの>>125
次はこの人に依存しよう
見えるんすか……先輩でも最後まで見抜けなかったこの最高状態を……
不思議な人っす……前はおっぱいばっかり見てるおっぱい星人さんだと思ってたっすけど……
先輩……結局先輩は、清澄の竹井に盗られてしまったっす
私が何度お願いしても、あの女に会いにいくことはやめてくれなかった
だから、私は……実力であの女を排除しようと……
結局失敗に終わってしまったっすけどね……
私の目的に気づいた先輩に、止められて
そのせいで先輩とは別れ、私は行き場所をなくしてフラフラと……
もう生きてる意味も価値も、私にはないと思ってたっす
けど、今こうして、また私を見つけてくれる人が……
この人が私を必要としてくれるかどうかはわからないっす
でも……それでも……
一度求められることを覚えてしまった私には、孤独は耐えられないっす……
この人に、ついていきたい……
私のことが見えるこの人なら、もしかしたら私を必要としてくれることがあるかもしれないっすから……
玄「…………」
桃子「あの……松実さんはこれからどっかへ行くんすか?」
玄「え? ええ……まぁ……」
桃子「あの……その……もし迷惑じゃなければ、でいいんすけど……」
桃子「私もついて行って良いっすか?」
玄「……うん、いいですよ」
桃子「!」パアァ
玄(あんなもの見せられたら……断れるわけないよ……)
玄(ちょっと危ないところもあるみたいだけど、仕方ないよね)
玄「その前に、ちょっとだけ話しておきたいことがあるんです」
桃子「なんすか?」
玄「……実は」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
尭深「先輩!」バターン
照「ふぁふぁひ!」モギュモギュ
菫「あ、お疲れ」
尭深「……何食べてるんですか?」
菫「こいつがケーキ食べたいってダダこねてな……仕方ないから買ってきた」
照「ふぁふぁひほひふ?」ズイ
尭深「……それどころじゃありません、見てください」バサ
菫「…………! これは」
照「……」モキュモキュ
尭深「限りなく黒に近い……そうは思いませんか?」
菫「この資料の通りだと、そうなるな……」
照「……」ゴックン
照「……許せない」
尭深「まだ確定したわけではありませんけど……ほぼ間違いないと思います」
照「二人とも……残りの虎姫に声をかけて」
照「討ち入りだよ……鹿児島代表、永水へ!!」
照「私の照魔鏡を……取り戻す!」ゴッ
槓
また来週くらいに最後の〆書きます
お休みなさい
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