末原「メゲナイチカラが動かしてくれるんです」漫「先輩……」(167)

  全国大会 準決勝会場にて

恒子『副将戦しゅうううううりょおおおおおお!!!』

和「お疲れ様です」ペコン

恒子『トップは清澄高校の原村和!ここにきて1位です!』

健夜『さすが原村さんだね』

ダヴァン「お疲れさまデス……」

恒子『2位は有珠山!優勝候補の臨海はただいま3位です!』

健夜『なんかピリッとしないね』

絹恵「ううう……」プルプル

恒子『そして最下位は名門姫松高校!』

健夜『まぁ妥当ですね』

絹恵「お姉ちゃん……」ポロポロ

∠恒子/『大将戦は20分後ですッッッ!!!』ビシィ!!

健夜『だからその動きはなんなの……』

  姫松高校控室にて

絹恵「お姉ちゃ~ん!」ギュウウウウウ!!

洋榎「大変やったなぁ恭子……」

絹恵「みんなの点棒取られちゃったぁ!」ポロポロ

洋榎「気にすることないで絹!な!」

由子「そうなのよー!」

漫「そうですよ……うちなんてしょっぱなから半分に削られてもうたし……」

洋榎「ホンマに不発弾やな!」

末原「……」

絹恵「末原先輩!」

末原「!!な、なんですか!」

絹恵「わたしたちの分まで頑張ってください!みんなが取られた点棒を取り返してください!」ポロポロ

末原「わ、わかりました……」

赤阪「イヒヒヒヒ!末原ちゃん大プレッシャーやなぁ!みんなの期待が肩にのしかかってるで~!」

末原「うく……」

洋榎「いらんプレッシャーかけるのやめーや!恭子の顔が真っ青になってるやん!」

赤阪「末原ちゃんは追い込まれれば追い込まれるほど実力を発揮するんやで~!なぁ末原ちゃん!」

末原「は、はい……」カタカタ

漫「もうすでにカタカタしてますやん……」

末原「だ、大丈夫です!心配しないでください!みんなの仇はわたしが討ちます!」

赤阪「頼もしいな末原ちゃ~ん!いくのん末原ちゃんになら純情を捧げるで~!」

由子「不純の塊みたいな人がなに言ってるのよー……」

末原「では行ってきます……」コチコチ

絹恵「先輩腕と足が一緒に出てますよ……」

末原「あ!す、すみません……!」トコトコ…

洋榎「めっちゃ心配やな……」

末原「大丈夫大丈夫大丈夫!」トコトコ

赤阪「心配いらんで末原ちゃん……イーヒッヒッヒ……」ニヤリ

 そしてしばらくして・・・・・・

恒子『大将戦前半戦!早くも南場に突入!』

末原(やっぱ全然ダメやった!)

恒子『現在トップは清澄高校!圧倒的な実力でトップに立っています!』

咲「麻雀って楽しいね!」

恒子『そして清澄を追うのは南北海道代表・有珠山高校!糸井嘉子!』

糸井「まーじゃん、すき、とっても、たのしい」

恒子『3位は名門臨海女子!ネリー!』

ネリー「うぐぐ……このままだとガイトさんのイナズマが落ちるよ……」

恒子『そしてそしてそして!最下位は姫松高校!!末原恭子!!』

末原「く……」カタカタ

恒子『果たしてどの高校が勝ち上がるでしょうか!!!』

健夜『清澄と有珠山が凄いのか臨海と姫松が不甲斐ないのか、どっちでしょうかね』

末原(取りあえずわたしが親や!ここで巻き返しや!)カチャ

咲「えい!」カチャ

糸井「はむ!」カチャ

ネリー「てい!」カチャ

健夜『姫松はともかく臨海がここまで低調だとは想像もしてませんでしたね、なにかあったのでしょうか……』

恒子『白糸台もアレでしたし臨海女子もアレなんじゃないですか!』

健夜『……そういうメッタなことは言わないほうが良いよ』

恒子『メッタ!?つまり滅多とメタフィクションのメタを掛けたんですね!さすが上手いこと言いますねぇ小鍛冶プロ!』

健夜『別にそういうわかで言ったわけじゃないよ!やめてよ!わたしがスベったみたいじゃん!』

末原「……」カチャ

咲「それカン!」

末原「う……!」

恒子『宮永咲のカンカンマシンガンさく裂なるかァァ!!』

咲「ツモ!リンシャンカイホードラ3つ!満貫だよ!」

末原「くっ……!」

恒子『きたあぁーーーー!!!伝家の宝刀リンシャンカイホーさく裂だァァァァ!!』

末原「ううう……」

咲「ふぅ……」

恒子『なんと末原これで3回連続振り込みです!』

末原(なんやねんなんやねん……いったいこれは何なんやな……!)

咲「ふふ~ん」

末原(おかしいやろこんなの……同じ高校生とちゃうんか……!)

ネリー「早く次いくよ!」

末原(2回戦も凄い怪物揃いやったけど準決勝はそれ以上やん!)

糸井「ほっかいどうの、わたしの、申し子とは、まーじゃんです」

末原(なんやこの大会は怪物の見本市かいな……普通の麻雀させてーな……)カタカタ

末原「メゲるわ……」

末原「ハァ……」

咲「末原さん?」

末原(どうやった勝てるんやろこの面子に……)

糸井「いちばん、やくまん、すきです」

末原(勝つ方法無いやろこんなん……)

ネリー「早くしてよ!ハリーアップハリーアップ!」

末原「ちょっと待って、水ぐらい飲ませてや」ゴキュゴキュ

末原(メゲたらあかんで!とにかく考えるんや!勝つ方法を!)ゴキュゴキュ

末原「ふぅ……」

末原「……」

ネリー「ハリーアップ!」

末原(やっぱそんな方法あらへん……生半可な方法では宮永咲たちには太刀打ちできない……)ポロポロ

末原「く……」

咲「末原さん……」

ネリー「さいころ回すよ!」カラカラ

末原(どうすれば……)

と、そのとき……!

末原(え……)

末原の目の前が真っ暗になったのだ……!

末原(なんやこれは……)

今まで見えていた景色がすべて消え、末原の世界はすべて暗転したのだ……!

末原「なんやこれは……」トコトコ

末原は周りを見回す、しかしいまほんの少し前まで相対していた咲たちはどこにも居なかった……

末原「みんなどこに行ったんや……宮永さーん!ネリーさーん!糸井さーん!」スタタタタタッ!

走れど走れどみんなの姿はどこにも見当たらなかった

末原「ハァハァ……」

そこにあるのはすべて闇……!暗闇!暗黒だった……!

末原「ハハハ……つまりアレやなこれは……」ヘナヘナ

末原はその場にへたり込む

末原「つまりわたしのお先は真っ暗ということや……そういうことやな……」

末原「だれかァァァァァァァァァァ!!!!」

  シーン・・・・・・

末原「誰もいない……ホンマにわたしの行く末は真っ暗や……」ボロボロ

赤阪「イーヒッヒッヒ……なに泣いてるんや末原ちゃ~ん」

末原「う、うわぁ!だ、代行!?」

赤阪「ここで会ったが100年目やで~」フワフワー

そこに居たのは赤阪郁乃だった……

末原「なぜ代行がここに……ってかここ何なんですか!」

赤阪「ここはな……末原ちゃんたちが生きてる世界とは別の場所やで~……」

末原「つまり……あの世ということですか……」

赤阪「そうそう元フィリピンの大統領やで~!ってそれあの世やなくてアロヨや~ん!」

末原「ふざけないでください!」ブンッ!

末原は代行を殴りつける……が、しかし……!

末原「え……」スカッ!

赤阪「イーヒッヒッヒ!」

なんと末原は殴ることができなかったのだ……!

赤阪「どうしたんや末原ちゃ~ん、おメメが目玉焼きみたいになってるで~」

末原「そんなアホな……通り抜けるなんて……」

赤阪「いつでも相手になったるで~!シュッシュッ!」

末原「なんでそんな……あ!」

末原はそのとき気づいてしまった……

赤阪「今頃気づいたんか~」フワフワー

なんと赤阪郁乃がふわふわと宙に浮いているのだ……!

末原(なぜ……そんな……アホな……!)

赤阪「鳩がテポドン喰らった顔しないでや~!めっちゃおもろい顔やで~」

末原「な、なんで代行はそんな浮いてるんですか!しかも殴ろうとしても殴れないし……」

赤阪「いくのんにはいま実体ないんよ~、いくのんの意思が末原ちゃんの頭の中に入ってきてる状態やな~」

末原「そんなオカルトありえへんやろ……」ブツブツ

赤阪「それがありえるんやで~、大槻教授も真っ青やで~」フワフワー

末原「で、そんな赤阪ユーレイさんがわたしの頭の中になんの用ですか」

赤阪「柳ユーレイみたいな呼び方やめてや~いくのんはこう見えても幽霊ちゃうで~」

末原「……」

赤阪「なぁ末原ちゃん」

末原「はい」

赤阪「未来を見せたるわ」

末原「え……」

末原「ど、ど、どういう意味ですかそれは!」

赤阪「ふふ~ん♪」

末原「代行!」

赤阪「末原ちゃんあれを見るんや」サッ

末原「え……」

赤阪郁乃が指差した先には……

末原「なんやアレは……」

なんと暗闇の中に光の道が照らし出されていたのだ……!
そしてそこには麻雀牌が表示されていたのだ……

末原「なんやあれは……」

赤阪「これは末原ちゃんが進むべき道が印されているんや」

末原「わたしが進むべき道……」

赤阪「これは勝利への近道なんや」

末原「しかしなんでこれを……」

赤阪「言ったやん、未来を見せやるでって」

末原「未来……」

赤阪「あの道に印された通りに牌を切っていけば末原ちゃんは絶対に和了れるで」

末原「そんなアホな……」

赤阪「たまにはうちのことを信じてほしいで、うちは末原ちゃんに勝ってほしいんよ」

末原「代行……」

赤阪「なにをビビってんの末原ちゃんはいまでっかいチャンスを眼の前にしてるんやで」

末原「はい……」

赤阪「これを物にして勝利をつかむんや!」

末原「はい……」ポロポロ

赤阪「輝く運命は末原ちゃんの手の中にあるんやで!走るんや!」

末原「はい!」スタタタタタタッ!

赤阪「頑張ってや末原ちゃん!猛ダッシュや!」

末原「うおおおおおおおおお!!!!」スタタタタタッ!

・・・・・・

・・・

末原「てい!」カチャ!

咲「えい!」カチャ

糸井「はむ!」カチャ

ネリー「てい!」カチャ

恒子『さぁ巻き返しなるか!末原恭子!』

末原「えい!!」カチャ!

健夜『さっきと目の色が違いますね』

末原≪うおおおおおおおお!!!!≫スタタタタタッ!

末原「えい!」カチャ!

末原は赤阪代行の言うことを信じ牌を切っていく……

末原(よしっ!)

そして面白いように来るっ……!末原に有効牌……!

恒子『早くも末原イーシャンテンです!』

赤阪≪ひとりやないで末原ちゃん≫

末原(代行……)カチャ

恒子『おーっとここでテンパった末原ァァァ!!』

健夜『ここはリーチしたほうが良いと思うけど……』

糸井「ポーン!」

恒子『おっとここで糸井ポンです』

糸井「はむ!」カチャ

ネリー「てい!」カチャ

末原「……」カチャ

末原「リーチや!!」スタッ

恒子『ここでリーチだァァァァ!!!』

そして……

末原「ツモ!リーチ一発ツモドラ2!裏入ってドラ3!倍満や!!!」

恒子『きたぁぁぁぁぁ!!!!末原の逆襲が始まるぞこりゃ!!!』

末原(代行が見せてくれたとおりになった……)

  姫松高校控室にて

恒子『さァここから盛り返して行けるか姫松高校!』

末原『……』

洋榎「よっしゃ!ナイス一発や恭子!」

由子「さすが恭子なのよー!」

洋榎「せやろー!うちの恭子凄いやろー!」

絹恵「お、お姉ちゃんにはわたしが居るよ!」

赤阪「グゴーグゴー」スピーっ

漫「なんでこの人は寝てるんやろか……」

洋榎「ほっときゃいいで、寝てもらったほうがええわ静かやし」

漫「そうですね」

赤阪「グゴー……イヒヒ……」スピーっ

末原『……』

・・・

・・・・・・

  末原の意識の中にて

末原「代行やりましたよ!倍満を和了です!」

赤阪「せやろ~いくのん神の言う通りやろ~」

末原「これで反撃ののろしをあげました!この調子で次も頑張ります!」

赤阪「見えたんならすべて和了れるで~」

末原「これで勝てる……これで宮永に勝てる……」

赤阪「宮永咲ちゃんもこれには太刀打ちできないで~」

末原「代行ありがとうございます!これで宮永たちに勝てそうです!」

赤阪「喜んでもらえたら幸いやで~、でもなぁ末原ちゃん」

末原「はい」

赤阪「あの道が見れるのも1回だけやで」

末原「え……」

その瞬間末原の意識が覚醒した

末原「……は!」

恒子『末原恭子の逆襲なるか!』

末原「あの道は……あの道はどこや……」キョロキョロ

咲「末原さんどうしたの?」

末原「道が……道が……無いっ……!」

周りを見渡せどさきほどの光の道はどこにも見当たらなかった

末原「そんな……そんな……」

ネリー「早くツモってよ!末原さんのバンだよ!」

末原(あの道が……未来が見れなかったら勝てるわけないやん……)カタカタ

糸井「いっぱいロンして勝つよ」

末原(代行……代行……)

末原「助けてください代行……」

赤阪「イーヒッヒッヒ!やっぱりいくのんがいないとなにも出来ないみたいやな~末原ちゃんは~」

末原「だ、代行!……は!」

気づくとまたあの闇の中だった……

赤阪「帰ってきたで~帰ってきたで~あっかさかちゃ~ん♪」

末原「あの未来を……未来を見せてください!お願いします!」

赤阪「そんな他力本願で良いん?そんなで勝ってもうれしくないや~ん」

末原「でもっ……!あれが無いと勝てないんです!」

赤阪「でも未来見せると相当いくのんの体力を使うんやで~、楽なことやないんやで~」

末原「そうなんですか……でに未来が見れないと……」

赤阪「しょうがないなぁ末原ちゃんは~」

末原「すみません……」

赤阪「そしたらやなぁ、いくのんの契約してくれたら未来をもっと見せたるで」ニタァー

末原「契約……ですか……?」

末原「だ、代行!……は!」

気づくとまたあの闇の中だった……

赤阪「帰ってきたで~帰ってきたで~あっかさかちゃ~ん♪」

末原「どこ行ってたんですか!心配したやないですか!」

赤阪「ちょっと漫ちゃんをいじりに現世に戻ってたで~」

末原「あの未来を……またあの未来を見せてください!お願いします!」

赤阪「そんな他力本願で良いん?そんなんで勝ってもうれしくないや~ん」

末原「でもっ……!あれが無いと勝てないんです!」

赤阪「でも未来見せると相当いくのんの体力を使うんやで~、楽なことやないんやで~」

末原「そうなんですか……でも未来が見れないと……」

赤阪「しょうがないなぁ末原ちゃんは~」

末原「すみません……」

赤阪「そしたらやなぁ、いくのんの契約してくれたら未来をもっと見せたるで」ニタァー

末原「契約……ですか……?」

赤阪「そうや契約やで」

末原「なんですかその契約というのは……」

赤阪「そんなん未来を見るための契約に決まってるやん、ここで変な壺を買わせるとかしないから安心してや~」

末原「でも契約と言われるとなんか怖いですよ……」

赤阪「大丈夫やってお金取るわけちゃうし、ただやなぁ」

末原「ただ?」

赤阪「それなりの代償は頂くで……イーヒッヒッヒ……」

末原「代償……」

赤阪「どうしたんや末原ちゃん?やっぱ怖いん?」

末原「……」

赤阪「まぁしょうがないな、今回の話は無かったことに……」

末原「します!赤阪代行と契約します!」

赤阪「イヒヒヒヒヒ!!」

末原(背に腹は代えられません!勝つためにはしょうがないんです!)

赤阪「ほなこの契約書にサインしてや~」

末原φ「はい……!」カキカキカキッ!

赤阪「ハンコが無いなら母印でもええで、まぁ末原ちゃんはぺちゃぱいんやけどな~」

末原「……」ペタッ

赤阪「はい契約成立」ニコニコ

末原「それで代償というのは……」

赤阪「あ!末原ちゃん!あそこを見るんや!」

末原「あ……!」

契約した途端に末原の前にあの光の道―――未来が照らし出されたのだ……!

赤阪「行くんや末原ちゃん!走って勝利をつかむんや!」

末原「はい……!!」スタタタタタタッ!

赤阪「頑張るんやで末原ちゃん……イヒヒ……」フワフワー

そうして代行はどこかへと飛んでいった……

・・・・・・

・・・

末原「えい!」カチャ!

恒子『この局も末原絶好調!来る来る牌がドンピシャです!』

健夜『切る牌も正確だしまさに和了への最短ルートを行ってます』

末原「えい!」カチャ!

咲(どうしたんだろう末原さん……急に人が変わったみたいだよ……)

糸井「はむ!」カチャ!

恒子『しかし清澄だけではなく有珠山高校の躍進も予想外でしたねぇ』

健夜『でもあの日本公学園の大谷さんを破ったぐらいですしポテンシャルの高さは相当だと思うよ』

恒子『あのアメリカ麻雀界も大注目の大谷さんですね!あぁ大谷さんを全国大会で見たかったなぁ~』

健夜『そういうこと言っちゃダメ!』

末原「リーチ!!」

・・・・・・

・・・

末原「えい!」カチャ!

恒子『この局も末原絶好調!来る牌来る牌がドンピシャです!』

健夜『切る牌も正確だしまさに和了への最短ルートを行ってます』

末原「えい!」カチャ!

咲(どうしたんだろう末原さん……急に人が変わったみたいだよ……)

糸井「はむ!」カチャ!

恒子『しかし清澄だけではなく有珠山高校の躍進も予想外でしたねぇ』

健夜『でもあの日本公学園の大谷さんを破ったぐらいですしポテンシャルの高さは相当だと思うよ』

恒子『あのアメリカ麻雀界も大注目の大谷さんですね!あぁ大谷さんを全国大会で見たかったなぁ~』

健夜『そういうこと言っちゃダメ!』

末原「リーチ!!」

恒子『おーっと末原がリーチだァァァ!!』

咲「あ……」

ネリー「まさか……」

末原「……」カチャ

末原「……ツモ!リーチ一発ツモイッツードラ1!ハネ満!!」

恒子『きたぁぁ!!再び一発で和了りましたァァァ!!!』

末原「ふふふ……」

健夜『まるで未来が見えているかのように一発をツモるね……』

末原(よし!未来のおかげで勝てる!宮永たちに勝てる!)

恒子『3位の臨海ネリーとは5000点差まで来ましたよ!』

健夜『猛追撃だね』

末原「サイコロ回して頭をまわすで……くっ……」グググーッ

糸井「手が届かないなら椅子を前に出せばいいよー」

末原「そ、そうやな……」ガガガッ

恒子『さァ前半戦!オーラスに突入です!』

末原(この局で逆転して3位になるんや!)フンス!

末原≪うおおおおおおおお!!!!!≫スタタタタタッ!

末原「えい!」カチャ!

オーラスでも面白いように有効牌を引き当てる末原……!

恒子『すごいです末原!3巡目にしてもうすでにテンパイです!』

末原「えい!」カチャ!

健夜『一発がツモれるような牌が来るまでリーチしないみたいだね』

末原「リーチ!!」カチャ!

恒子『さァ三度一発なるか末原!!』

末原「ツモ!!リーチ一発ツモピンフ!ドラ2乗ってハネ満!!」

恒子『ファイト一発さく裂だァァァァ!!!』

ネリー「そ、そんな……そんなのおかしいよ……!」

恒子『臨海がラス転落だァァァァ!!!!』

健夜『まさに絶好調男ならぬ絶好調少女だね』

恒子『例えがアラフォーですねぇ小鍛冶プロ~』

健夜『う、うるさい!』

恒子『前半戦しゅーりょー!以前トップは清澄、2位は有珠山ですがここにきて姫松が猛追しています!』

末原「へっへ~ん3位に浮上やで~」フンスッ!

ネリー「ううう……」

咲「どうしたのネリーちゃん?」

ネリー「ガイトさんに……ガイトさんにどやされる……」カタカタ

糸井「稲葉さんに報告だー」スタスタっ

末原「控室に戻ろうっと」トテトテ

恒子『しかしすごいですね末原恭子、ここにきて面白いように一発を引き当てますよ』

健夜『一発に魅入られてるようですね、まるで千里山の園城寺選手を彷彿とさせます』

恒子『そうですねぇ、まさに一発病ってやつですね!』

健夜『その言い方は良くないよこーこちゃん……』

末原「愛のバクダンもっとたっくさん~おっことしてくれ~♪」トテトテ

健夜『……』

恒子『どうしましたか小鍛冶プロ?もしかして体が火照ってるんですか?』

健夜『更年期障害じゃないから!ただ……』

恒子『ただ?』

健夜『末原さんってあんなに背が小さかったかなぁって』

末原「ふふ~ん♪」トテトテ

  姫松高校控室にて

  ガチャン

末原「ただいま帰りましたよ」

洋榎「恭子凄いやないか!」

由子「でかしたのよー!」

絹恵「先輩はやっぱり凄いです!感動しましたよ!」

末原「えへへ……」

洋榎「でも恭子あれやな」

末原「どうしましたか?顔になんかついてますか?」

洋榎「いやそういうわけやなくてやな……」

由子「なんというか小さくなった気がするのよー……」

漫「なんか縮んでますって……」

末原「わたしが小さく?なにを言うてるんですか変なこと言わんでくださいよ」

絹恵「でも……」

末原「デモもパレードもありませんよ、久しぶりに会うから少し違和感があるだけです」

漫「でもうちより背ェ低くなってるやないですか……前はうちより少し高かったのに……」

末原「わたしが麻雀を打ってる間に漫ちゃんが成長したんやないですか?きっといま成長期なんですよ」

漫「そうですか……」

洋榎「し、しかしあれやで!よう頑張ってるで!後半戦もこの調子で頼むで!」

末原「まかせてください、必ず清澄と有珠山を撃ち落とします!」フンス!

漫「しかしあれですね……背は縮んでも胸は小さいままやから違和感皆無ですね……」ププッ

末原「……」ドゴム!

漫「かはっ……!」

洋榎「まっすぐ突き出した拳がちょうど漫の鳩尾に……」

由子「漫ちゃんアホなのよー……」

末原「ほな行ってくるで」トテトテ

漫「かはっ!かはっ!かはっ!」ポロポロ

  準決勝会場にて

恒子『さァもうすぐ運命の後半戦が始まります!』

末原「ふぅ……」

咲「どうしたの末原さん?」

末原「な、なんでも無いで!」

咲「?」

末原(なんやろ服が重い……こんなにブカブカやったけ?)

ネリー「早くしてよ!ハリーアップ!」

末原「うるさい!おチビちゃんは黙ってて!」

ネリー「おチビ!末原さんだってチビッ子じゃん!!」

恒子『なにやら不穏な雰囲気ですねぇ』ニヤニヤ

健夜『ニヤけすぎだよ……』

末原「さいころ回して頭もまわすで!!」

恒子『後半戦のスタートです!!』

その後も末原の快進撃は続いた……!

末原「ツモ!リーチ一発ツモイーペーコー!満貫!」

ネリー「なんとっ!」

恒子『さっそく一発和了です!』

末原「ツモォォ!!リーヅモ一発白中ホンイツ!倍満だよぉ!!」

糸井「これは、すごい」

恒子『末原の快進撃が止まらないぃぃ!!!』

末原「ツモツモ!リーヅモ一発ドラ1!満貫満貫満貫!!」

咲「そんな……」

健夜『まさに麻雀の神に気に入られたとしか思えない和了りの連発です……』

末原「へっへーん!」ドヤァ!

恒子『ついに姫松高校!有珠山を逆転し2位に浮上です!』

末原「すごいやろ!わたしめっちゃすごいやろ~」

咲「そ、そうだね……」

ネリー「ねぇ末原さんはなんでもそんなにちっちゃくなったの?」

末原「!!ちっちゃくないよ!!」プンプン

ネリー「ご、ごめんなさい……」

健夜『……』

恒子『どうしたんですか小鍛冶プロ?早くも老後についての心配をしてるんですか?』

健夜『違うよ!なんですぐ年齢の悩みに結びつけるかな!わたしはただ末原さんが心配なの!』

恒子『末原恭子がですか?』

健夜『あの子、和了るたびに小さくなっていく気がするよ、ほら袖なんか見てみてよ』

恒子『ああたしかになんか凄く余ってますねぇ、腕が短いからか袖の長さが余りまくりです』

健夜『小さくなりすぎてだぶだぶなんだよきっと、まるでおばけのQ太郎に出てくるハカセみたいだよ……』

恒子『……』

健夜『ん?どうしたのこーこちゃん?』

恒子『いや……例えが本当にアラフォーだなって……』

健夜『う、うるさい!こっちはドンピシャな世代なの!』

末原「……」

末原「……」

健夜『あの子は自分の体の異常に気づいてないのかなぁ……』

末原「……」

本人にはあまり自覚は無かった……が、しかし……!

末原(卓が高くて牌が見えへん……)

うすうすだが自分の異常に気付きはじめてはいたのだった

末原「ねぇ、わたしの椅子いじった?」

咲「え、いじってないよ」

糸井「やってないです」

ネリー「ネリーもやってないよ」

末原「嘘!ぜったいいたずらしたでしょ!すっごく低くなってるよ!」

ネリー「ネリーも咲ちゃんもイトーイもやってないよ!末原さんがちっちゃいだけだよ!」

末原「ちっちゃくないよ!ンモー……」

末原(しかしなんでやろ……最初はなんでもなかったのに……)キュルキュル

咲「末原さん……」

末原「わたしが親だよ!」カチャ!

恒子『前半戦から合わせるとなんと六レンチャンですよ!このままレンチャン街道を爆進するんでしょうか!』

健夜『うーん……』

いまこの状況で末原を心配してるのは小鍛冶健夜だけ……

咲「……」

ではなかった……!もう一人いたのだ……!

咲(このままだと末原さんがどうなっちゃうんだろう……)

そう宮永咲だ……!彼女が一番末原恭子のことを心配していたのだ……!

咲(衣ちゃんみたいになってるよ末原さん……ここままじゃ……)

末原「ふふ~ん♪」

咲(このままじゃ末原さんが危ないよ……!)

末原「えい!」

咲(わたしがなんとかしなきゃ!)

糸井「はむ!」カチャ!

咲「それポン!」スタッ!

恒子『おっと宮永咲、ここで鳴きましたね』

健夜『ここで流れを変えようという魂胆でしょうか』

ネリー「てい!」カチャ

咲「ポーン!」カチャ

恒子『また鳴いた!珍しいですねぇ宮永咲がカン以外で鳴くのは』

健夜『必死に流れを自分に向けようとしてるんだよきっと』

咲(末原さんの流れを断ち切んないと!)カチャ!

末原「それロンや」

咲「え……」

末原「ジュンチャンリャンペーコードラドラ、倍満や」

恒子『なんと末原は一発だけじゃない!宮永咲に倍満直撃だァァァ!!』

咲「そんな……」ゾゾゾッ

末原(鳴いて場を乱すことも織り込み済みやで)

末原「無駄なあがきはやめるんやな」

咲「ううう……」

末原(あれ椅子が下がってる……?)

末原「誰!わたしの椅子を下げて意地悪するのは!」ブンッ!

振り返ってもそこには誰もいなかった

末原「あれぇ……椅子が壊れてるのかなぁ」

咲「末原さん……」

末原「ハァハァ……」

末原≪ハァハァ……≫スタタタタタッ……

末原(なんやろう……牌までがすごく遠い……目一杯手を伸ばさな取れんやん……)

末原≪ハァハァ……≫スタタタタタッ……

末原(牌もめっちゃ重い……風邪でも引いたんやろか……)ポタポタ

うすうす感づいてはいるのだ……しかし末原はやめない……!

末原≪この未来を辿っていけば勝てるんや!あの怪物たちに勝てるんや!≫スタタタタタッ!

あの未来に魅入られてるからやめない……やめることができないのだ……!

末原「うんしょ……!」

ネリー「末原さんこどもみたい」

末原「こどもじゃない!リーチ!」

恒子『あーっとここで末原がリーチだ!』

末原「ツモ!リーヅモ一発タンヤオ!満貫!」

咲「末原さん……」

末原「う……」グググー

咲「末原さん!」

末原(なんや視界が急に下がったで……)

末原「また椅子かいな……」

しかし椅子はそれ以上高くなることはなかった

末原「おかしいで……なんなんやろこれ……」

なんとか末原は正座をしてその場を凌いだ、しかし……

末原(体が重い……牌が重い……)

急激に体が縮小した末原はそれと同時に体力を大量に消費したのだ……

末原(未来……未来を見るんや……)

徐々に正常な思考ができなくなった末原、すでに彼女はあの未来のことしか頭に無かった

末原「みらい……みらい……」

咲(末原さん……)

末原「ハァハァ……」

恒子『いやぁ試合が始まったころとは別人ですね……末原恭子……』

健夜『幼稚園児みたいだよ……』

恒子『はなまる幼稚園ですねぇ……』

末原「みらいみらい……」

咲(これ以上和了らせしちゃダメだよ!なんとかしなきゃ!でも……)

末原「みらい……みらい……」

咲(末原さんはわたしたちの手をすべて読んでるみたいだしどうすればいいんだろう……)

糸井「あの末原さん……」

末原「ちっちゃくないもん!」

糸井「牌、見えてるよ」

恒子『おーっと末原見せ牌です!』

末原「ごめんなさい……」

咲「末原さん……」

末原「みらいみらい……」ブツブツ カチャ

恒子『なんという初歩的ミス!どうしたんでしょうか末原!』

健夜『やめさせて病院につれていくべきじゃないかな……』

咲「……」

咲は思い出していた……以前読んだある小説を……

咲(スティーブンキングの『痩せゆく男』を思い出すよ……)

主人公が呪いをかけられ急激に痩せていくというホラー小説である

咲(これじゃ『縮みゆく少女』だよぉ……)

末原「ハァハァ……」

咲(このままだと末原さん死んじゃうよぉ……)ポロポロ

末原「ハァハァ……」

咲(誰か末原さんを助けてよぉ……和ちゃあん……)ポロポロ

末原「ハァハァ……」

  清澄高校控室にて

末原『ハァハァ……』

久「凄いわね……」

まこ「何なんじゃありゃいったい……」

優希「ロリロリ病にでも罹ったんだじぇきっと」

京太郎「なんだよロリロリ病って……」

まこ「副会長は大興奮じゃろうな」

和「すーすー」スピー

優希「のどちゃん寝てるじょ」

まこ「親友が苦戦しとるのに呑気じゃのう」

久「昨日ちょっとハッスルしすぎたからね~」

まこ「わりゃあ後輩になにしたんじゃ……」

久「ん?プロレスごっこよもちろん」

和「すーすー」スピー

京太郎「え!プロレスごっこ!?」

優希「おぉ!まさに大人だな!」

まこ「なにやっとるんじゃあんたは!後輩に手ェ出すなんて……!」

久「けっこう楽しかったわよ~、いっぱい技をかけたわね、
  コブラツイスト、四の字固め、DDT、タイガードライバー、エメラルドフロウジョン……」

まこ「ホンマのプロレスごっこかい……」

優希「わたしもやるじぇ!喰らえ!わたしが優希だ!」ガバァ!

京太郎「えいげん!!!」

和「すーすー」スピー

和「すー……」

・・・

・・・・・・

末原「ハァハァ……」カチャ

恒子『どんどん有効牌を引き当てます……なんか怖いぐらいにバンバンきますよ……』

健夜『わたしだってこんなには来ないよ……』

末原「ハァハァ……」カチャ

末原≪ハァハァ……≫スタタタタタタッ!

恒子『小鍛冶プロ、このまま行けば末原はチンイツをテンパイですかね≫

健夜『うん、そうだろうね』

末原≪ハァハァ……≫スタタタタタッ!

末原「えい!」カチャ!

健夜『!!違う!違うよこーこちゃん!これはチンイツじゃないよ!』

恒子『え、つまりどういう……』

末原「ハァハァ……」カチャ

健夜『九蓮だよ!末原さん九蓮宝燈を狙ってるよ!』

末原「ハァハァ……」カチャ

健夜「若さが憎い!!」

  姫松高校控室にて

末原『うぐ……』カチャ

洋榎「恭子……」

絹恵「だ、大丈夫やろか先輩……」

由子「九蓮なんて見たことないのよー……」

洋榎「うちものや……せいぜいチンロートーぐらいが関の山やで……」

末原『ちっちゃくないよ……』

絹恵「先輩どうなってしまうんやろ……」

漫「あの、うち一晩で2回九蓮和了ったことあるんすよ」

洋榎「やかましいわ!」パチコン!

漫「オバンドー!!」

末原『ハァハァ……』

・・・

・・・・・・

  末原の意識の中にて

  スタタタタタタ・・・・・・

末原「ハァハァ……」トテトテトテ!

末原(走るんや!この役満ロードを突き進むんや!)トテトテ!

末原は目に見えて小さくなっていた、服はダボダボで傍目からは上着だけを着てるように見える状態だった

末原「ハァハァ……」トテトテ

まさにおばけのQ太郎のハカセみたいな状態なのだ

末原「ハァハァ……疲れた……」ズルズル

末原は立ち止まる

末原(もうどれぐらい走ったんだろう……もう走りたくないで……でも……)

末原(ここで止まったら負けや……役満……九蓮を和了して宮永たちを飛ばすんや!)

末原「行かなくちゃ……未来に会いに行かなくちゃ……」

末原が再び走り出そうとしたそのとき……!

末原「う!なんやこれは……!」

まばゆいばかりの光が末原の前に現れたのだ……

 ピカピカー!!!

末原「なんやこれは……なんや……」

???「末原さん……末原さん……」

末原「代行!代行ですか!」

???「違います、わたしは赤阪郁乃ではありません」

末原「だったら……」

???「わたしは―――」

末原「う!!」

その光が強くなり末原は目を手で覆う

末原「ううう……」

光が小さくなったのを見計らって末原はそっと目を開ける

末原「あ!あんたは!」

末原の目の前に居たのは……

和「こんちには末原さん」

なんと天使姿の原村和だった……!

末原「清澄の原村和……」

和「いいえわたしはのどっちです」

末原「いやどう見たって原村和やん……」

和「わたしはのどっちです」

末原「(ねずっちみたいやな……)そこどいてや、わたしはこの先の未来に用があるんや」

和「……」

末原「はよどいて……」

和「これ以上この道を進んではいけません」

末原「なん……やと……」

和「あなたは間違っています、これ以上進んだら取り返しのつかないことになりますよ」

末原「なにを言うてるんや……!この役満ロードを進まないと宮永咲たちには勝てないんや!」

和「いけません!!」カッ!

末原「ひっ!」

和「あなたが見ている未来はまやかしなのですよ」

末原「嘘や!この光はわたしを常に正しい未来へと導いてくれるんや!」

和「未来が見えるとか導いてくれるとか、末原さん」

末原「なんや!」

和「そんなオカルトありえませんよ」

末原「何ですて……」

和「未来というのはあなた自身が切り開いていくモノなのです
  誰かに教えてもらうとか導いてもらうとかそういう受動的なことではないんです」

末原「しかし……」

和「末原さん目を閉じてみてください」

末原「え……」

和「目を閉じて深呼吸をしてください」

末原「う、うん……すーはー……すーはー……」

和「さぁ目を開けるのです」

末原「ん……って!なんたこれは……!」

末原が目を開けると光の道は無くなっていた……代わりにすぐ目の前には深い深い崖があった……

のどっち「これ以上行くと「事案」が発生してしまいます」しえん

末原「なんやこの崖……」

和「あなたは騙されていたのです」

末原「そんな……アホな……」

和「わたしが来るのが遅ければあなたはこの崖から真っ逆様でした」

末原「そんな……」

和「目を覚ますのです、末原さん」

末原「……」

和「世の中に美味しい話などどこにもありません
  誰かがなんとかしてくれるなんて甘いことを考えてはいけません」

末原「……」

和「自分が……自分がなんとかしないといけないんですよ」

末原「……」

和「末原さん……」

末原「そうやな……わたしが間違ってました……」

和「……」

末原「自分の力を信じるべきなんや……いついかなるときでも……」

和「わかってもらえてうれしいです」

末原「よし!こんな契約破棄や!赤阪代行の甘言にはもう騙されへん!」

和「頑張ってください末原さん」

末原「はい、いまから自分の力で未来を切り開いてきます!」 スタタタタタタッ!

和「行ってらっしゃい末原さん」ニヤリ

・・・

・・・・・・

・・・・・・

・・・

末原「……」

咲「末原さん大丈夫!?」

末原「大丈夫です!」カッ!

咲「良かった……」ホッ

恒子『さァこのイーピンを切れば九蓮テンパイです!』

末原「……」

恒子『どうしたんでしょうか末原!牌を切ろうとしません!』

末原「いらないなにも捨ててしまおう!」カチャ!

恒子『おーっと末原九蓮テンパイを拒否!』

末原(赤阪代行から見せてもらう未来なんてこっちから願い下げや!未来は己で作って行くんや!)

末原「さァここからニュー末原恭子の出発や!」

咲「それカン」

末原「え……」

恒子『さぁ宮永咲のカンカンマシンガンさく裂なるかァァァ!!』

咲「もいっこ!カン!」

末原「え、ちょっと待って……」

咲「もいっこカンだよ!!」

恒子『サンカンツだァァァァ!!!』

末原「あわわわわ……」カタカタ

咲「もうひとつおまけに……カン!!」

末原「な……!」

恒子『スーカンツだァァァァ!!!』

咲「ツモ!スーカンツショースーチーツーイーソー!トリプル役満だよ!!」

恒子『トリプル役満さく裂だァァァァァ!!!末原がトンだァァァァァ!!!』

末原「え、なにこれ、え?」

恒子『試合しゅうりょーーー!!!決勝進出は清澄と有珠山です!!!』

末原「……」

末原っ……未来を切り開けずっ……!!敗退っ……!!

  清澄高校控室にて

優希「やったじぇ!!」

京太郎「でかしたぞ咲!」

久「さすが咲ね!」

まこ「さすがワシの舎弟じゃのう」

和「すぴーすぴー」ニコニコ

優希「心なしかのどちゃんも嬉しそうだじぇ」

まこ「夢の中で咲とイチャイチャしよってからに」

和「咲さんも勝って末原さんも無事で一石二鳥……」ニヤリ

久「ん?なにか言った和?」

和「すぴーすぴー」

まこ「寝言みたいじゃのう」

和「すぴーすぴー」

  準決勝会場にて

末原「ううう……」カタカタ

咲「おつかれさまです」ペッコリン!

ネリー「ガイトさんにどやされる……」ブルブル

糸井「稲葉さんに褒められる」ホクホク

末原「天使のような悪魔の笑顔……」カタカタ

咲「恭子ちゃん体大丈夫?」

末原「恭子ちゃんじゃない!末原さん!」

咲「恭子ちゃんの体が無事でホッとしたよ!また麻雀しようね!」ギュー!

末原「う、うん///」

ネリー「……」ジーッ

末原「な、なに見下ろしてるの!」

ネリー「な、なんでもない!ふんっ!」

末原「ハァ……部室に戻らなきゃ……」トテトテ

  姫松高校控室にて

  ガチャン

末原「ただいま戻りました」トテトテ

洋榎「恭子……」

絹恵「先輩……」

末原「不甲斐ない麻雀してごめんなさい……全部わたしのせいです……」

由子「恭子は頑張ったのよー」

洋榎「そうやで気にすることないで」

絹恵「……」プルプル

末原「きぬちゃん泣かな……」

絹恵「もう我慢できひん!先輩!」ギュウウウウウウ!!

末原「ううう////」

絹恵「先輩めっちゃ可愛い!!」ギュウウウウウ!!

絹恵「せんぱーい!」ギュウウウウウ!

末原「ちょっときぬちゃん……(む、胸が……!)」

洋榎「こら絹なにやってるんや!恭子困っとるやん!」

絹恵「だってちっちゃい先輩可愛いんだもん!」

末原「ちっちゃくないもん!」

漫「めちゃくちゃちんまいですやん、ミニミニ恭子ちゃんやで」

末原「恭子ちゃんって呼ぶな!先輩やで!」パタンパタン!

漫「いまの恭子ちゃんから先輩オーラが皆無ですもん」

末原「うるさいうるさい!」パタンパタン

漫「アハハ!ちんまいから全然パンチが痛くない!アハハ!

末原「てい!」バキィ!

漫「ギニヤ!!!!」

洋榎「蹴りが思いっきり脛にヒットしたで……」

漫「ひぐぅ!なんやねんもう……」ポロポロ

末原「バカみたい!」

由子「しかし可愛いのよー」ペタンコペタンコ

末原「あ、あたまなでなでするのやめろー!」

絹恵「妹にしたいわ~」

末原「そういえば代行はどこに居るんですか……」

洋榎「仮眠室に行く言うてたけどそろそろ戻ってくるんちゃうかな」

   ガチャン

赤坂「おまたやで……」

洋榎「な……!」

由子「のよー!」

絹恵「代行!?」

末原「何ですて!」

そこでみんなが見たモノは……

赤坂「でっかくなっちゃったぁ!」

なんと天井の高さまで巨大化した赤坂郁乃の姿だった……!

漫「巨神兵ですやん……」

 のっしのっし・・・・・・

赤坂「気づいたらこんなに大きくなってたで~」

洋榎「なんやこれ……ありえへんやろ……」

絹恵「2メートル以上あるよこれ……」

赤坂「まさに第三成長期やな~」

由子「首が痛いのよー……」

漫「こんなの夜道で出くわしたら失神しますよ……」

末原「……」

絹恵「なんか末原先輩と赤坂代行を見てると深井とオーロイを思い出すで……」

赤坂「イヒヒヒ!いくのんと恭子ちゃんで最強凸凹コンビの誕生やな!これからそうやって売り出そ……」

末原「やかましいわ!」ガブリッ!

赤坂「ギニヤアアアアアアアアアアアアア!!!」

こうして末原恭子の夏は終わったのだった……

  6年後 全国大会会場にて

睦月『試合終了!2回戦に進むのは阿知賀女子に決まりました!』

ギバード「ぜ゙っ゙ご゙ぢ゙ょ゙ゔだ゙ア゙ア゙ァ゙゙ァ゙ア゙~~~~~」

睦月『しかし阿知賀女子の大将のギバード桜子の勢いは凄かったですね末原プロ』

末原『うーんギバちゃんの勢いは本物だねん☆すえきょんも彼女には一目置いてるのら!』

あれから6年後……末原恭子はロリロリアイドル雀士として活躍していたのだった……!

睦月『このギバードの勢いの正体は何なんですか?』

末原『うーん、すえきょん難しいことはわっかんないプー!』  睦月『は、はぁ』

末原『そんなことよりこれだぉむっちゃん!すえきょんの新曲【ギリギリローリングソバット】が今度出るぴょん!』

睦月『そ、そうなんですか……』

末原『これを聴けばみんな麻雀がうまくなるぞなもし☆!むっぽんもこれをぐぁんぐぁん聴いて麻雀をもっと上達させるのだ!』

睦月『う、うむ、わたしなりに精いっぱい……』

末原『これにて放送終了だコーン★!津山むっちーとすえきょんがお送りしましタンゴ!』パパン!

こうして末原恭子は新たな未来を歩んで行くのであった……

       末原「メゲナイチカラが動かしてくれるんです」漫「先輩……」   カン

以上です
読んでくれた人&猿報告猿避けの人ダンケシェーン

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