杏子「…訳がわからない」 (48)
ミキハウス
チュンチュン
杏子「…ん…何だよまだ6時前じゃねーか」モゾモゾ
さやか「…」スヤスヤサヤサヤ
杏子「さやかの奴、パジャマがはだけてやがる…ったく、風邪引くぞー」ゴソゴソ
杏子「…!?」
杏子「どういう事だおい…」
杏子「そ…そんな…さやか」
杏子「…一体何が起こって……」ガタン
さやか「…ん」
杏子「!…お、おいさやか!」
さやか「ん~…?もう朝ぁ?」
杏子「…」ゴクリ
さやか「…って、何よまだ6時前じゃん…ふわぁ」
杏子「さ、さやか…何ともねえのか?」
さやか「…え?」
さやか「?…何ともって何が?」
杏子「い、いやだから…ハッ…さやかお前…」
さやか「?」
杏子「もしかして、パッド入れてたのか…?」
さやか「はぁ?」
さやか「…何あんた?喧嘩でも売ってるの?」
杏子「いや…だっておかしいじゃねえか…!」
杏子「…なんで…」
杏子「なんでそんな平になっちまったんだ!?」
さやか「…」ペターン
杏子「…」
さやか「…」
さやか「あんた…やっぱり喧嘩売ってるよね?」
さやか「…」
杏子「な訳ねえだろ!…さやか、だってお前…」
さやか「平で悪かったわね!気にしてるんだからほっといてよ!」
杏子「…」
杏子「…」
さやか「…」プンプン
杏子(いまいち会話が噛み合ってない…?一体どうなってやがる…)
さやか「そりゃ…杏子は同い年にしてはある方かもしれないけどさ」
杏子「…は?」ハッ
フニッ
杏子「!?」
杏子「…」
杏子「どういう事だおい…」
さやか「ちょっと杏子、大丈夫?あんた寝ぼけてんじゃないの?」
杏子(ああああ…あたしの胸が…)
杏子「胸が…デカくなっている…?」フニフニ
さやか「」イラッ
杏子「…一体どういう…」
さやか「あーあー!はいはい!分かった分かった!…ようするにアレでしょ?また大きくなりました的なアピールしたいだけなんでしょあんた。はいはい。分ーかったから」ペターン
杏子「ち、違っ…」
さやか「って、あんたの馬鹿に付き合ってたらこんな時間だわ。ほらっ、早く支度支度!」
杏子「あ…ぅ…」
杏子(…これは一体どういう事なんだ)プルッ
学校
杏子「…」チラッ
さやか「…」ペター
杏子(…やっぱり綺麗さっぱりなくなってやがる)
さやか「あ!マミさーん!」
マミ「あら、美樹さんに佐倉さん!おはよう」
杏子「お、おう…」
杏子「!?」
マミ「?…なぁに?」ペターン
杏子「なっ…ななな」
マミ「?」
杏子「ない!マミ、お前さやかよりペッタンコじゃねーか!!!」
マミ「」
さやか「ちょ、杏子!」
マミ「え?ななな何…?佐倉さん、あなた…け、喧嘩売ってるの?」
杏子「いや、ちげえよ!…だってマミその胸…」
さやか「ちょっと杏子、やめなよ」
杏子「だ、だって…」
マミ「…」ペタン
さやか「ま、マミさん、杏子多分寝ぼけてるんです!朝からずっとこんなんで…ね!杏子?」
杏子「…」
杏子(なんなんだ一体…)
マミ「もう!そうだとしても、いくらなんでも失礼よっ」プンペタ
さやか「ほら杏子、マミさんに謝りなよ」
杏子「…」
教室
杏子(わからない…何がどうなってやがる)
杏子(マミもさやかもあんな…それに)
フニッフニッ
杏子「////」
杏子(なんであたしの胸がいきなり…)フニ
杏子(…ハッ待てよ。もしかしてこれは…)
杏子「ハンッ…なるほどねぇ」ボソッ
杏子(これは…ドッキリだ)
杏子(仕掛けは分からねえが、さやかとマミの奴、あたしを驚かせようって魂胆だな…)
杏子(てことは、この胸も…)グイ
杏子「?あれ?」グイグイ
杏子「いてててて」グイグイ
杏子(外れない…だと?)
さやか「…あんた、さっきから何してるのよ?」ペター
杏子「…へっ!?いや…あの…」
さやか「はっはーん…あんたさては、もっと大きくしたいんでしょ?」
杏子「いや…違…」
さやか「そういう贅沢者には~…こうだ!」モミッ
杏子「!?」
杏子「ちょっ…ばかっ…やめ///」モミモミ
さやか「うりうりぃ~」モミモミ
ガラッ
「あなた達、朝から教室で何してるのよ」
杏子(!…この声は)
杏子「ほっ!ほむら!さやかを何とか…し…っ!?」
杏子「…っ」
ほむら「どうかした?そんな驚いた顔して」
杏子「こいつは…幻覚か何かか?」
杏子(一体…どうなってやがる…っ)
さやか「おっ!ほむらおはよう!今日も立派だね~」
ほむら「ふふ」プルルン
杏子「…訳がわからない」
杏子「おい、ほむらお前…」
ほむら「なぁに?」プルルン
さやか「ほむらって本当大きいよねぇ。クラスで1番なだけあるわ」
ほむら「そういう風にからかわないで頂戴。苦労する事だって多いのだから」ドヤプル
杏子「」ヨロ…
ほむら「杏子?」プルルン
杏子「…違う」
さやか「え?」ペタン
杏子「違う…」ボソッ
杏子「あたしの知ってるほむらは…暁美ほむらは…」
さやか「?」ペターン
杏子「ほむらはもっと…絶壁だったろ…?」
さやか「杏子…?あんた、今日どうしちゃった訳?」ペターン
杏子「…っ」ガタッ
杏子「おいっあんた!暁美ほむらの胸はあんなんじゃなかったよな!?」
中沢「え…ずっとあの大きさだよ///」
杏子「っ…おい!さやかはもっとデカかったろ!?」
上条「む、昔から平坦だったよ…」
杏子「…なっ」ヨロッ
ザワザワ
杏子(どうなっちまったんだ…)
ほむら「杏子、貴女一体どうしたの?私の胸が大きいのがそんなにおかしい?」プルルン
杏子「…っ」
ほむら「悪い夢でも見たんじゃない?きっと疲れてるのよ」プルルン
杏子「…」
杏子(なんてこった…)
杏子(あたしが狂ったのではないとしたら、ついに世界が狂っちまったていうのか…?)
杏子(これは…何かの罠か?)
杏子(だとしたら…一体誰が)
授業・体育
杏子「…」フルン
さやか「…子!杏子ってば!」
杏子「!」ハッ
さやか「次、杏子呼ばれてるよ」
杏子「お、おう!」フルン
ピーッ
男子「な、なぁ、見たか?」
男子「ああ、暁美さんだろ?すげえよなー!走る度ぶるんぶるんってさ///」
男子「ばーか!ちげえよ!佐倉さんだよ!暁美さんは最高だけど、俺は佐倉さんの大きさが好きだなー」ニヤニヤ
女子「うわぁ…男子さいってー」
杏子「…っ////」フルン
杏子 (…チッ!乳がでけえと動きづれえし、あ、あんな…///)
杏子(何も良い事ねえじゃねえか…)フルン
さやか「あ、杏子ー!」
杏子「ん?…さやか」
さやか「放課後さ、ほむらとマミさんと下着見に行くんだけど、あんたもどう?」ペター
杏子「え」
さやか「ていうか、あんたまた大きくなったみたいだし、新しいの買ったら?」ペター
杏子「あ…あたしは…っ良いよ///」ダッ
さやか「あ!杏子…?」
杏子「…」
杏子「頼むよ神様…」
あたしは…元の平たい胸に会いたかった…
次の日
杏子「…はぁ」フルン
ほむら「…はぁ」プルルン
杏子「…よお、ほむら」フルン
ほむら「杏子…どうかしたの?ため息なんて、らしくないわね」プルルン
杏子「いや…ちょっとな。そっちこそ、なんかあったのかよ」フルン
ほむら「…」プルルン
ほむら「…私は…もしかしたら間違った事をしていたのかもしれないわ…」プルルン
杏子「?」
ほむら「私は…自分の望んだ世界を…本当に欲しかったものを手に入れた気になってた…」プルルン
ほむら「けど…気付いてしまったの。どんなに欲しいものでも、無理矢理手に入れたそれは、自分を苦しめるだけなんじゃないかって…」プルルン
杏子「…ほむら」フルン
杏子「…今の話し、ぶっちゃけよく分かんなかったけどよ…」フルン
杏子「辛いと思うなら、捨てちまっても良いんじゃねえか?」フルン
ほむら「…え?」プルルン
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