ヤムチャ「お前はチチさんと結婚して幸せか?」
悟空「そりゃあそうだ。変なこと聞くなァ。」
ヤムチャ「いやあ、お前がさ最初結婚が食い物だと思ってて約束してた訳だろ?それで約束してしまったから仕方なく結婚した。」
悟空「まぁな」
ヤムチャ「それにチチさん、結構お前に強くあたってるとこあったろ。だからお前はどう思ってたんだろうって思ってさ。」
悟空「うーん…。」
ヤムチャ「で、もっかい聞くぜ。結婚して幸せか?」
悟空「そりゃあ、おめぇ。幸せに決まってるさ。」
悟空「チチにゃ怒鳴られてばっかだったけどよ、チチはチチなりにオラや悟飯や悟天の事心配して気にかけてくれてたみてぇだし。」
悟空「オラ、最初は女と二人で暮らすなんて上手くやれるか正直わかんなかったけど…今は家にチチや悟飯や悟天がいねぇとやっぱり寂しい。」
悟空「チチは年取って大分優しくなったしな。一緒に畑耕すのも悪くねぇぞ。ハハハ。」
ヤムチャ「……そうかぁ。お前もやっぱり大人になってんだな。」
ヤムチャ「もうすぐおじいちゃんになるんだ、やっぱそうでなくちゃな。」
悟空「未だに実感沸かねぇ。悟飯ももうオラたちみたいに大人なんだな。」
ヤムチャ「ははは、ジジ臭いぞ。…おっと、そろそろお暇するか。」
悟空「ん?泊まっていかねぇのか?」
ヤムチャ「まだ寄るところあるんだ。じゃ、チチさんたちに宜しく。」
悟空「おう。また遊びに来いよ。今度はチチが居るときにこいよ。旨いもん一杯食えっぞ。」
ヤムチャ「そうする。じゃあな。」
カメハウスにて
ヤムチャ「クリリン!」
クリリン「ヤムチャさん!お久しぶりです!あの誕生日パーティー以来ですねぇ。」
ヤムチャ「そうだな。あまり集まらなくなってきたもんな。」
クリリン「皆家庭がありますから。」
ヤムチャ「はは、それを言われると俺だけ暇人みたいじゃないか。間違ってはないけどな。」
クリリン「そんなつもりじゃないですよ!…ところで今日はどうしてまた。」
ヤムチャ「聞きたいことがあってな。ああ、すぐ帰るからお構いなく。後これ土産。」
クリリン「すいません。…で聞きたいことって?」
ヤムチャ「突然で悪いけどな……お前、18号と結婚して幸せか?」
クリリン「やだなぁ、藪から棒に。勿論決まってますよ。俺は世界一、いや宇宙一の幸せものですよ。なんせ18号と結婚できて、可愛い娘までいるんだから。」
ヤムチャ「そりゃあそうか。お前さんたちを見てると幸せ家族を絵に書いたようなもんだもんな。」
クリリン「どうしてまたそんなこと聞くんです?」
ヤムチャ「……。」
ヤムチャ「いやな、俺、結婚に憧れてるからさ。まぁ、参考にと。…今、付き合ってる彼女と上手く行きそうなんだよ!それで。」
クリリン「へぇ~。しかしいつの間に?いつもなら新しい彼女が出来たらすぐに連れてきて自慢しまくるのに、今回はいないんですね。」
ヤムチャ「あ、いや、今日は彼女忙しくてさ…」
クリリン「??そうですか。」
ヤムチャ「あ、あははは。…まぁ、お前はいろいろ苦労してきたろ。だから18号と結婚して幸せそうなお前の顔見ると、なんか俺も安心できる。」
ヤムチャ「今更だけど、腐れ縁だしな。俺たち。お前とはここで何ヶ月も修行した仲でもあるしな。悟空に比べたらどうってことないだろうけど。」
クリリン「そんなことないですよ。俺にとって悟空もヤムチャさんも親友です。悟空は年が近いというかまぁ、対等に話せたんですけど、ヤムチャさんは兄貴みたいに尊敬してましたよ。今は同じ仲間として対等に話せて嬉しいです。」
ヤムチャ「かっこ悪いとこさんざん見られてるから、あれだけどな。……18号はどうだ?やっぱお前の前だと女らしい感じか?」
クリリン「いや、まぁ言葉は変わらずきついですけど、態度や表情がもう優しいんですよ。マーロンを抱くときの顔は本当に母親そのもので。」
クリリン「皆は尻に敷かれてるとか馬鹿にするけど、俺はそれでも幸せですよ。18号は惜しみない愛を俺とマーロンにくれる。だから俺も同じように返したい。そう思ってます。」
ヤムチャ「……そうか。いいな。俺もそうなれたらいいと思う。」
クリリン「ヤムチャさんはもうちょっと優柔不断を治すべきですよ。あと女癖。」
ヤムチャ「わ、分かってるよ!今度こそ、……今度こそ行けると思うから。」
クリリン「頑張ってくださいね。上手く行くように応援してますから。」
ヤムチャ「サンキュー。…おっと、そろそろいかないとな。まだ寄る所があるんだ。」
クリリン「そうですか。…また遊びに来てくださいよ?今度はその彼女も一緒に!」
ヤムチャ「……ああ。武天老師様に宜しく。」
クリリン「はい!また!」
ヤムチャ(………連れて来れるわけ、ないけどない。)
ヤムチャ(分かってるんだよ、でもな。俺は。)
C.Cにて
ヤムチャ「ここにくるのも久しぶりだな。」
ヤムチャ「……何をビビってんだ。いつも通りすればいいんだ。」
悟飯「あれ、ヤムチャさん?こんちは。」
ヤムチャ「どわっ!?ご、悟飯か。…どうした?お前もブルマに用事か?」
悟飯「僕はブリーフ博士の方に。ヤムチャさんはブルマさんに?」
ヤムチャ「あ、ああ…。」
悟飯「そうですか。じゃ、一緒に行きましょう。ブルマさん居ると思いますから。」
ヤムチャ「あ、お、おお…。ていうか押すな!お前が押すとふっ飛ばされそうで怖いんだよ!」
召使ロボ「コチラデシバラクオマチクダサイ」
悟飯「相変わらず変わってないですね、ヤムチャさん。」
ヤムチャ「お前もな。…そういえばお前、悟空ん家の隣に住むんだってな。都会じゃなくて本当にいいのか?」
悟飯「はい。ビーデルさんとちゃんと話して決めましたから。サタンさんは最後まで反対してましたけど、折れてくれました。」
ヤムチャ「そっか。生まれてくる子のためにも近くに身内がいたほうがいいかもな。それにそこまで離れてないし。」
悟飯「はい。身重になる前には引っ越せるよう頑張ってます。」
ヤムチャ「なぁ、くだらない質問で悪いが…いいか?」
悟飯「?はい、どうぞ。」
ヤムチャ「ビーデルさんと結婚するんだよな。幸せか?いや、幸せにしてやれる自信あるか?」
悟飯「幸せにします。出来る、じゃくてします。結婚を前提としているとはいえ、先に子を作ってしまった僕が言えたものでも、ないですけども。」
ヤムチャ「驚いたとはいえ、お前たちが真剣なのは知ってるから大丈夫だよ。サタンさえ喜んでただろ。結婚してないのに子供作ってても。お前が真面目なのを知ってるからな。」
悟飯「…とにかく、僕はビーデルさんを幸せにします。たとえこの先どんな困難があったとしても、僕はあの人と子供を守ります。命に代えても。…こんなこと本人の前で言えば怒られそうですけどね。」
ヤムチャ「そりゃあな。お前あってこその二人だ。お前が死んだら一番悲しむ。だから本当にやばいときは逃げればいいんだよ。」
ヤムチャ「逃げてばっかりの俺が言うんだ、あながち間違ってはないさ。」
悟飯「ヤムチャさん…あの、もしかして」
召使ロボ「ソンゴハンサマコチラヘドウゾ」
悟飯「!」
ヤムチャ「ほら、お呼びだ。行ってくるといい。」
ヤムチャ「幸せになれよ。式、決まったら是非呼んでくれ。」
悟飯「………はい。それじゃあ。」
ヤムチャ「おう、またな!」
召使ロボ「コチラデシバラクオマチクダサイ」
ヤムチャ「お、また来客か。ブルマも忙しいな。」
ターブル「あ、あなたは!」
ヤムチャ「お前はベジータの弟の…!?」
ターブル「はい、ターブルです。あなたは確か…ヤムチャさんですね?」
ヤムチャ「この前…ても、もう一年ぐらいは経つかな?元気にしてたか。」
ターブル「お陰様で。僕達が住んでいる星の復旧も終わって落ち着いてきたので前回のお礼もきちんとしたくて。」
ヤムチャ「ベジータとは大違いだな。そこまで丁寧になることないのに。悟空たち、楽しんでたしな。」
ターブル「いえ、そういう訳にはいきません。奥さんの故郷を失わずに済んだのも、他の惑星が奴らに荒らされることがなくなったのも皆さんのおかげですから。」
ターブル「ヤムチャさんも兄さん達に用があるんですか?」
ヤムチャ「まぁ、そんなところだ。……あー…」
ターブル「はい?」
ヤムチャ「失礼なこと聞くけどいいか?」
ターブル「はい、構いませんが…。」
ヤムチャ「お前、結婚して幸せか?いや、俺は結婚願望が強くてさ…でもした事ないから気になって。」
ターブル「そうですか。…はい、幸せです。とっても。」
ターブル「僕は生まれて、5歳にもならない内に辺境の星に飛ばされました。」
ターブル「父は僕を疎んでいましたし、一部の側近も僕を出来損ないと罵っていたそうです。」
ターブル「僕自身、別に父に疎まれようが側近に罵られようが平気でした。というか覚えていないんです。兄の定期通信で教えてもらっただけなので。」
ターブル「……でも、寂しさだけは埋めることはできませんでした。」
ターブル「僕は身内に捨てられた寂しさを拭うことが出来ず、辺境の星でずっと…暮らしていたんです。たとえ星の人たちが良くしてくれても、僕は寂しかった。」
ターブル「それを救ってくれたのが、妻でした。」
ターブル「最初は、ほんの些細なことでした。…ですが、僕のことを心から心配してくれて、心から怒ってくれた。そして心から愛してくれました。」
ターブル「僕達は子を成すことは出来ませんが…子を成すことだけが幸せではないと思っています。彼女もそう言ってくれてます。」
ターブル「どうでしょう、参考になりましたか?」
ヤムチャ「………。」
ヤムチャ「ああ、ありがとう。参考になったよ。」
ヤムチャ「………。」
召使ロボ「ヤムチャサマオヨビデスコチラヘドウゾ」
ヤムチャ「おっと、やっとか。…じゃあ先行かせてもらうよ。またな。」
ターブル「はい。また。」
ヤムチャ「…奥さん、大事にな。」
ターブル「は、はい…。」
ターブル「……なんだか、思いつめたみたいだったな…。」
ヤムチャ(…わかってるよ、わかってる。)
ヤムチャ(こんな質問、ブルマにしたって意味ないことぐらい)
ヤムチャ(…わかってるんだよ。)
ヤムチャ「ブルマ、入るぞ。」
ブルマ「あら、なーに?どうしたのよアンタからくるなんて!」
ヤムチャ「たまにはいいだろ。ほら、土産もあるぞ。」
ブルマ「ありがと。これブラが好きなのよね~。」
ヤムチャ「……あのさ。」
ブルマ「なに?」
ヤムチャ「あの、さ。」
ヤムチャ「本当に下らないこと聞くようで悪いけど…いいか?」
ブルマ「やぁねぇ、勿体振るような言い方しないでよ。怒んないわよ。言ってご覧なさい。」
ヤムチャ「…お前、ベジータと一緒になって幸せか?子供作って幸せか?」
ブルマ「………。」
ブルマ「そうね。…ええ幸せよ。」
ヤムチャ「……。」
ヤムチャ(…分かってた。)
ヤムチャ(何を今更。分かってただろ。あの時。こいつがトランクスを抱いていた時点で。)
ヤムチャ(俺達終わってたじゃないか。)
ブルマ「……まぁ、幸せってだけじゃなかったわ。不幸せだったこともあるわよ。息子も夫も死んじゃったりするんだから。」
ブルマ「あたしそこまで強くないもの。泣き崩れて喚いちゃうわよ。ほんとよ。…まぁ、半分冗談だけど。」
ブルマ「ねぇ、ヤムチャ。あんたに聞いていい?アンタはどうなの?アンタは……幸せ?」
ブルマ「あたしみたいな女に今更未練たらたらなんて、男らしくないわよ。」
ヤムチャ「……ああ、男らしくないな。」
ヤムチャ「お前とはいっぱい思い出があって…どれも喧嘩ばっかだったけど。」
ヤムチャ「お前ほどの女の子を俺は知らない。誰よりも強くて可愛くて、でも泣き虫で。」
ヤムチャ「………振り切るつもりで聞いたんだよ。答えも分かってた。情けないけどさ、こうでもしないと…諦められない。」
ヤムチャ「お前がトランクスを抱いてあらわれた日、俺はきっとどこかで期待してたよ。…違っているのはわかってる。あれが俺の子で、隣に俺がいる未来なんて、タイムマシンに乗ったって探せるもんか。」
ヤムチャ「ブルマ、お前が幸せならいいんだよ。…それだけでいいんだ。」
ブルマ「……ヤムチャ。」
ヤムチャ「俺は一人じゃない。恋人じゃないけど、友も相棒も居て、俺にいろんなものをくれる。それ以上を望むなんて馬鹿だよな。」
ヤムチャ「悪いな。帰るよ。…今度会うときには可愛い彼女、連れてくるからさ。」
ブルマ「…ええ。いいわよ。自慢してね。可愛い彼女!」
ヤムチャ「ああ!」
ヤムチャ(…わかってたとはいえ、やっぱ辛いな。)
ヤムチャ(でもいいさ。これで吹っ切れる。俺は前を向ける。)
ヤムチャ(大好きな女の子が幸せなんだ。それでいい。)
ヤムチャの自宅にて
ヤムチャ「ただいま。」
プーアル「おかえりなさい、ヤムチャさん。」
ヤムチャ「ああ。…疲れちまった。ビール出してくれ。」
プーアル「もう!明日から禁酒するからーって全部飲んじゃったじゃないですかぁ!」
ヤムチャ「ああ、そっか。…忘れてたぜ。まいったな。」
プーアル「買ってきますから、待っててください」
ヤムチャ「いや、いい。……プーアル、こっちへ来てくれないか。」
ヤムチャ「プーアル、お前は幸せか?」
ヤムチャ「俺といて、幸せだったか?」
プーアル「…当たり前ですよ!僕はヤムチャさんと、一緒で幸せです!一生何があっても離れません!」
プーアル「ぼくは、ぼくは…ヤムチャさんのこと、大好きだもん!」
ヤムチャ「ありがとう。…俺もお前を弟のように愛したし、相棒のように頼った。恋人のように眠りあえるのはお前だけだ。」
プーアル「はい!…え、えへへ、嬉しいです…。ぼく、ヤムチャさんがいて幸せです。」
プーアル「ヤムチャさんはどうですか?幸せですか?僕といて、幸せですか?」
ヤムチャ「勿論、幸せだ。俺はお前といて孤独を忘れられたから。」
ヤムチャ(ブルマ、俺はきっと吹っ切れる。)
ヤムチャ(お前が幸せなように、俺も幸せだからだ。)
眠いしここらで終わる
ヤムチャかっけーから!ブルマとひっついて欲しかった!でも、やっぱブルマにはベジータだと思ってるよ
プーアルとヤムチャは俺の中では兄弟みたいなもんだからその発想はなかった
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シコシコ