カービィ「ぷはぁ~、やっぱ葉巻はいいねぇ」
デデデ「なんでしょう、カービィさん」
カービィ「おう、何かおめぇといろいろ愚痴りたくなっちまってよ」
デデデ「はぁ……なんでまた」
カービィ「馬鹿おめぇ、新作発売してからそこそこ経っただろ。だからだよ」
※世界観を投げ捨てています
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カービィ「ふぅ~、話す前にお前も一本やるか?」
デデデ「えっと……カメラ回ってないからってそんな渋い顔して葉巻吸うのはどうかと思いますけど……」
カービィ「プライベートまであんな媚び得るような顔してられるか」
デデデ「イメージってものが……」
カービィ「普段からあんな意思疎通の出来なさそうな事出来るかよ。"ハァイ"とか"ポィヨォ"しか言えねぇのは正直つらいぞ?」
カービィ「んじゃ改めて……お前との付き合いは思えば初代からだったねぇ」
デデデ「そりゃ一応俺もシリーズのラスボスですから」
カービィ「ラスボスぅ?ハッハッハ、笑わせるね。今じゃ見る影もねぇや」
デデデ「はぁ……」※実際横スクアクションでラスボスを務めたのは初代のみ
カービィ「でさぁ、今までずっと気がかりだったんだけどよ」
カービィ「お前なんで初代でプププランドから食料奪ったの?」
デデデ「いや……あの……出来心で」
カービィ「出来心ぉ?お前さぁ、ふざけてんの?」
カービィ「自国民をお前の我がままで飢え死にさせる気だったのか?それでも大王かぁ?あ、自称だったか!」
カービィ「偶然俺がプププランドに旅に来ていたから事なきを得たけど、そのまま放置しいていたら国がどうなっていたと思う?」※カービィは当時旅人だった
デデデ「それは……その……ほんの悪戯のつもりで……ちゃんと返す気でした」
カービィ「いたずらにしちゃゲスなレベルでやり過ぎてるしよ」
カービィ「俺なら間違いなく飢え死にするね、1日持たずして」
デデデ「カービィさん、敵の吸い込み出来るじゃないっすか……」
カービィ「お前飯がなきゃ他の連中食えってか!?食人を推奨してんのかこの国は!?」
デデデ「カービィさんいつもウチの国民食ってるじゃないですか!」
カービィ「馬鹿野郎、後でちゃんと出してやってるに決まってるだろ!」
デデデ「消化とかするんじゃないんすか」
カービィ「どいつでも関係なくちゃんと家に帰してやってるよ」
カービィ「考えてもみろよ、食べ物を取ったときは回復してるだろ?その他を吸いこんでも回復しないのがその証拠だ」
デデデ「そういうことだったんすね」
カービィ「夢の国を唱っている世界観だぞ?ファンシー系なのにそんな残酷な事出来るワケねぇだろ」
デデデ「いえ、カービィシリーズって結構背景がブラックな気もしますが」
カービィ「子供に分からなきゃいいんだよ子供に」
デデデ「あ、それじゃあその他の方法で倒した人たちはどうしてるんですか?」
デデデ「体当たりで消滅させたりコピー能力で切り刻んだりトロッコで轢いたり」
カービィ「……」
デデデ「……」
カービィ「末路を聞きてぇか?」
デデデ「いえ、いいです……」
カービィ「まぁともかくだ。最近のお前は食べ物を盗むとかそういった悪事をやらなくなっただけ成長したともいえるな」
デデデ「はぁ……思えばここ最近はずっとカービィさんの味方ですしね」
カービィ「そうだな、お前というギャラリーが増えたおかげかどうかは知らないが、不味い飯を食う羽目になった連中がいるけどな」
デデデ「誰ですか?」
カービィ「ほらアイツらだよ。リックとか……俺のしもべ達」※彼らは当時しもべ扱いされていました
デデデ「あー……」
カービィ「新キャラを増やす事無く既存のキャラで俺の相方を務めさせる。それは大いに結構」
デデデ「最近はずっと俺とメタナイトとバンダナワドルディっすね」
カービィ「操作キャラやお助けキャラとしてはもう鉄板になっちまったな」
カービィ「そのせいで見てみろよ。3を最後にリック、カイン、クーはトリデラまで本人の出演が無かったんだよ」
デデデ「トリデラではお助けキャラでもなくステージギミックのお邪魔キャラでしたね……」
カービィ「終いにはチュチュ、ナゴ、ピッチ、ついでにグーイ。こいつら本人を見てねぇぞ。ってかグーイ以外3でしか見てねぇ」
デデデ「64はストーンカッターの一形態でしたっけ。そういやアニメにも居ませんでしたね」
カービィ「メタナイトやワドルディが俺の傍らにいるせいで扱いにくくなったのかねぇ」
デデデ「一応彼らの方が歴史は長いですし……」
カービィ「そういやメタナイトは2作目の夢の泉からだったな」
カービィ「そう、夢の泉の事とアニメの事でちょっと勘違いしてたんだけどよ」
デデデ「何をですか?」
カービィ「お前とメタナイトって、部下と上司の関係じゃなくて赤の他人なんだってな」
デデデ「あ、そうみたいっすね」
カービィ「お前も把握出来てないのかよ」
カービィ「まぁお前たちの関係はスターロッドの欠片を渡し渡され程度だったな」
デデデ「実力者って聞いてたんでナイトメア復活阻止の為に欠片を渡したんですが……」
カービィ「アイツ俺に無敵キャンディ渡すわで何故か俺の手助けし始めてたな」
デデデ「リメイクでは無かったことになりましたけどね」
カービィ「ソード強制したりとかアイツ自分勝手で我がまますぎるだろう」
デデデ(あんたに言われたくないよ)
カービィ「おまけにいつの間にか俺のライバルポジションだ」
デデデ「俺の立つ瀬が無くなりましたね」
カービィ「新作で思いっきりお前の株は上がったがもっと精進しろよ」
デデデ「はぁ……」
カービィ「あと、メタナイトとお前の事でちょっと気になることがあるんだけどよ」
デデデ「はい?」
カービィ「Wiiで多人数プレイ出来るだろ?それでキャラ切り替えで俺以外にも使えるじゃん?」
デデデ「俺とメタナイトとバンダナワドルディですね。それが何か?」
カービィ「メタナイトにも言えるんだけどよ、お前ら二人よく口移しなんて芸当出来るな」
デデデ「回復システム上仕方ないじゃないっすか……アレ無いと友達同士で食料の取り合いになりますよ。大体カービィさんだって」
カービィ「俺やワドルディはいいんだよ、スパデラですでにやってるしビジュアルも可愛い系だし」
デデデ「メタナイトも仮面外したらカービィさんと同じ顔してるじゃないですか」
カービィ「でもお前よく考えろよ?」
カービィ「タラコ唇のオッサンと変態の仮面が目の前で食料口移ししてるんだぞ?」
カービィ「地獄絵図以外の何物でもねぇよ。よく平気で出来るなお前ら」
デデデ「この世界観だから許される事ですよ……それに俺に言われても仕方ないっすよ」
カービィ「男同士たぁ、たまげたもんだなぁ」
デデデ「この世界は性別不明のキャラばかりですよ」
カービィ「……ふぅ、にしても。こう愚痴ばっかりだと変に神経擦り減るな」
デデデ(俺の方が辛いっての)
カービィ「腹も減ったし何か出前取るか。おいデデデ、カワサキのとこで出前取るけどお前何食う?奢ってやるよ」ピッポッパ
デデデ「あ、いいっすか?じゃあタコスとチャーシューメンとレバニラ炒めで」
カービィ「あいよ。あ、カワサキか?カービィだ。出前頼む」
カービィ「激辛カレーライスとさつまいもとマキシムトマト、あとオプションで元気ドリンク。それとタコスと……」
カービィ「……んじゃ頼むよ」ピッ
デデデ「あ、カービィさんなんかシンプルっすね」
カービィ「最近医者に太り気味だって言われてな、若干控えてるんだよ」
デデデ「なんかすみません、俺ばっかり沢山頼んで」
カービィ「ったく嫌がらせかよ……」
デデデ「所で、太り気味ってどういうことっすか?パッと見分からないんですけど」
カービィ「ああ、見た目からは分からない程度には絞ってるからな」
カービィ「これでもシリーズの主人公なんだ、常に新作に備えて体作りはしている」
デデデ「へぇ、すごいっすねぇ」
カービィ「当然だよ」
カービィ「一番気を使うのは肌だ。毎日美容パックと洗顔は欠かせねぇ。後専属でマッサージ師もいる」
カービィ「このポヨポヨの見た目を維持するのには1日でもサボる事は出来ん」
デデデ「カービィさん柔らかいですもんね」
カービィ「ああ、他には体系維持の為の運動もしているな」
カービィ「毎日グルメット全コースをホイールで爆走。もちろん食べ物は全て避けているが」※グルメット:グルメレース会場
デデデ「ホイールで走ったら意味ないんじゃ……」
カービィ「いつも解除時なんかはケロッっとした表情をしているが、アレ実は滅茶苦茶疲れるんだぞ」
カービィ「いくらコピー能力とはいえ自分で超回転して走ってるんだ、察しろ」
デデデ「プレイヤーに疲れ切った顔見せるわけにはいきませんからね……」
カービィ「キャラ作りも大変だよ」
デデデ「じゃあ葉巻とかやめてくださいよ」
カービィ「なーに、ここは夢の国だ。こういった大人の趣向も無害なもんで出来ているのさ」プハー
デデデ「ホントかなぁ……」
カービィ「お前も健康には気を遣えよ?見るからにメタボ体系なんだからよ」
デデデ「これでもホバリング出来るくらいには軽いっすよ。あとそこそこ体重無いとハンマー振れないですし」
カービィ「そういや食べ物の話題で気になることがあるんだけどよ」
デデデ「なんで落ちている食べ物が腐らないのか、って話は無しですよ」
カービィ「今さらそんな野暮ったい事言わねぇよ」
カービィ「元気ドリンクとマキシムトマトを除いて回復量って基本一律なんだよな」
デデデ「シリーズによっては変わりますけどね」
カービィ「でさ、その中でも初代からある元気ドリンクって異様に回復量多いよな」
デデデ「最初の方はゲージ2つ分回復でしたけど。普通の食べ物との差別化じゃないっすか?高級感ありますし」
カービィ「絶対あれ原料ヤバイもの使ってるよな。普通の栄養剤じゃないってアレ」
デデデ「ンな事言ったらマキシムトマトとか麻薬扱いじゃないですか」
カービィ「能力付きの食べ物とかも不思議だよな、激辛カレーライスは火を噴きだすし。さつまいもは謎の空気弾連射だし」
デデデ「あんたそれ全部さっき注文したやつじゃないですか」
カービィ「突然食いたくなったんだよ」
デデデ「食べてる最中こっち向かないでくださいよ」
カービィ「分かってるようっせぇな」
カービィ「だがまぁ、話を戻すが。こういう丸っこい可愛らしい体系が幸いしてアクション以外のゲームでも使ってもらえるのがいいところだな」
デデデ「カービィボウルにブロックボール、ピンボール、変わり種でコロコロカービィなんてのもありましたね」
カービィ「最近はそういった番外作品でも体系を生かせるもののオファーが無いな」
デデデ「きらきらとかエアライドとかもですか、これももう10年以上前ですけど」
カービィ「毛色が違うがタッチや毛糸、あつめてなんてのもな。俺がやるからこそ可愛くまとまるんだけどな」
デデデ「ですねぇ」
カービィ「シリーズを重ねるごとに見た目もデブから可愛い系に昇華していった俺だが、しかしやはりアクションが一番だな」
カービィ「横スクこそ古き良き時代のアクションゲームだしな」
デデデ「このシリーズ自体同じ横スクだったマリオとは違う方向へ続く任天堂の顔ですしね」
カービィ「初期の頃のシンプルなあっちとは違ってシナリオも深いしな」
デデデ「大体説明書で語られる程度でしたけど。本格的になってきたのはスパデラですね」
カービィ「ああ、文章やムービーでわかりやすく解説してるからな」
デデデ「鏡の大迷宮もいい感じですよね。シャドーカービィとダークメタナイトの立ち位置とか」
カービィ「お前、鏡だけピンポイントで出てないけどな……」
デデデ「……いいっすよ別に、新作でちゃんとそこら辺のシナリオに絡みましたから。最後に俺がディメ……」
カービィ「おっとそこまでだ、新作は多くは語るな」
デデデ「はぁ……」
カービィ「ウルデラなんかでは更にシナリオ追加で今後のシリーズのラスボスの方向性を決定づけたしな」
デデデ「番外のタッチがまさか本編に絡むなんて思ってもみませんでしたよ」
カービィ「まぁボスの名前だけだけどな。後にキャラ間の設定もだが」
デデデ「ダークマター連発でウンザリしてたんでよかったですけど」
カービィ「俺は現在進行形でラスボス勢に絡んでる可能性のあるダークマターの設定好きだが……」
カービィ「あ、そうか、お前ダークマターに3回も体乗っ取られてたな」
デデデ「64はダーク・リムロですけどね」※公式アナウンスが無いためダークマター一族との関係は不明
デデデ「飽きれかえるほど平和な国プププランドって毎回初めに言われますけど、正直どうなんでしょうね」
カービィ「侵略者だらけだな。まぁこんな平和な土地だからこそ変な連中に目を付けられるのかもしれん」
デデデ「……ドロッチェ団」
カービィ「やめろ、アレはお互いにいい思い出は無い」
デデデ「ですね、俺にいい思い出が無いのはカービィさんのせいですけど」
カービィ「だからアレは悪かったって」
カービィ「しかし……もう誕生から20年以上かぁ。ちょっと前に20周年迎えて後3年で25周年だよ……」
デデデ「早いものですねぇ」
カービィ「初期ネームのままだったらここまで来れなかっただろうなぁ」※初期名ティンクル・ポポ
デデデ「カービィさんの名前はポポポでしたっけ。それじゃあ嫌ですね」
カービィ「スマブラでの俺の選択時の声が『ポポポゥ↓(いい声)』になっちまうよ。これはダメだな」
デデデ「俺が『デデデェ↓(いい声)』だからですか」
カービィ「でもまぁ」
デデデ「?」
カービィ「こう……お前とは20年以上連れ添った仲だしよ」
カービィ「いろいろ愚痴は言ったけど……俺、お前の事好きだよ」
デデデ「えッ!」
カービィ「要所要所で漢を見せてくれるし、なんつーか頼りになるんだよ」
カービィ「"ああ、こいつが後ろに居れば背中を任せられる"的な?」
カービィ「メタナイトが俺の今のライバルっつーなら……お前は俺のパートナーだ」
デデデ「カービィさん……!」
カービィ「あー、その。ッつーわけでさ……」
カービィ「今後とも、よろしく頼む!」ペコッ
デデデ「こ、こちらこそ!いい敵でありいい仲間でいさせてください!」ペコッ
「ちわー、出前でーす」
カービィ「お、来た来た」
デデデ「すっかり忘れてましたね。はいはい出ますよ」ガチャ
ナゴ「あっ……」
デデデ「あっ」
カービィ「あっ」
ナゴ「ど、どうもお久しぶりです二人とも……」
デデデ「お、おう……」
カービィ「元気……してたか?」
ナゴ「はい、おかげさまで……」
デデデ(うわぁ……)
カービィ(気まずい……)
ナゴ「二人とも……仲いいんすね」
デデデ「まぁ……」
カービィ「一緒に食事するくらいには……」
ナゴ「……」
カービィ「……」
デデデ「……」
カービィ「と、ところで……さ、お前今なにしてるの……?」
ナゴ「見ての通りバイトで食いつないでますよ……彼女養ってるんで」
デデデ「ああ、居たねそういえば……」
ナゴ「苦しいんですよ。あなた達みたいにいつもレギュラーで出られる訳じゃないですから……」
デデデ「……」
カービィ「……ほかの連中は?」
ナゴ「ピッチはまだ親元から離れてないみたいです、いい歳して。グーイは分かりません」
ナゴ「チュチュは……ボーイフレンドのヒモになってるとか……」
ナゴ「リック、カイン、クーは……チッ」
デデデ(舌打ち!?)
カービィ(アイツらはちょこちょこ出てるからなぁ……)
ナゴ「と、とにかくこれ出前です!」
カービィ「お、おう。ありがとな」
ナゴ「…………お元気で」ペッ
デデデ「……」
カービィ「……」
カービィ「お前、恵まれてるんだな」
デデデ「はい……ああならなくてよかったです、ホント」
カービィ「おいデデデ、ちょっとこっち来い」デデデ「あ、はい」 完
終わった
やっぱカービィシリーズはこの二人じゃないとダメだわ
もしお付き合いしていただいた方がいましたら、どうもありがとうございました
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