【BDFF】アナゼル「激動の公国歴16年」【安価選択肢】 (461)

エタルニア公国歴16年、9月1日。愛機“黒騎士”艦橋にて。

士官以来マメに付けてきたこの手記も、今日で四冊目となる。長いものだ。
色々な事があったが、今ではこうして六人会議……六人のメンバーからなるエタルニア公国最高意思決定機関……として特命を預かるほどになった。
だが、まだまだ元帥閣下に受けた御恩を返すには至らない。あの地獄から救われた時初めて俺はこの世に生を受けたのだ。
これからもずっと、この命尽きるまで、公国のために。そして元帥閣下の夢の為に。この俺の全てを賭けたい。

アナゼル「……なんてな。今更書くことでもなかったか」

部下「?如何なさいましたか、アナゼル様?」

アナゼル「何でもない。それより誰か、コーヒーを淹れ直してくれないか。考え事をしている内に冷ましてしまったようだ」


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・このスレッドはニンテンドー3DSでスクウェア・エニックスより発売されているRPG
「ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー」(以下BDFF)を題材としています。

・多少の努力はしますがどうあがいてもネタバレ注意となります。

・各種情報を元にアナゼル視点で本編ストーリーを追いつつ何かが変わるかもしれないお話です。
・一部自作設定や解釈を含みますが、その一方で考証上のミスなどがある可能性もあります。もしありましたら指摘をお願いします。

・BDFFをご存じない方には少々話が理解しにくいと思いますが、気になる事がありましたらお気軽にどうぞ。可能な範囲で答えます。
・ご覧の皆様は積極的に議論や雑談をどうぞ。ただし致命的なネタバレ(主に5章以降の内容)への配慮はお忘れなく。

・執筆速度が非常に遅いので予告なしに投稿が途切れたり、極少数のみの更新をする場合があります。
・こういうの初めてなので、何か問題があったらすみません。

・時々安価で選択肢を選んで頂く場合があります。
・特定の場合や展開の都合上、コンマ判定を使用する場合があります。

◆かつての世界について

世界には4つのクリスタルがあった。
それは自然の力を伝え、人々に恵みをもたらす神聖な存在として崇められていた。

風のクリスタルは草原の地に循環と変化を促し、
水のクリスタルは草花と森に癒しと繁栄を満たし
火のクリスタルは鉄の山々に試練と文明を与え、
土のクリスタルは厳寒の野に生命と恵みを許した。

それがいつからあるのかは誰も知らない。何故あるのかも当然知らない。
だが人々はそれを神聖視し、いつしか崇め奉るための宗教が生まれた。

それは今も姿を変え、「クリスタル正教」として世界に根付いている。

◆ルクセンダルク

この世界は「ルクセンダルク」と呼ばれている。
これもまたいつから呼ばれているのかは知られていない。

世界は大きく分けて5つに大分されている。

穏やかな気候と四季を持ち、大洋に浮かぶ平和な地「カルディス地方」
平和な「カルディスラ王国」、高地に広がる「ノルエンデ村」がある。

砂漠化が進み、大地を流れる風を資源とする東南の「ナダラケス地方」
大風車を用いた工業が広まりつつある「ラクリーカ王国」がある。

ナダラケスの北、森林と草花、美しき清流が包む地「フロウエル地方」
女性以外の定住を禁じ、清貧を好とすると言われる艶花の国「フロウエル」がある。

海を挟み西南、火山と鉱山が点在する荒涼とした「エイゼン地方」
国家は無く現在は国を二分する内乱の只中である。

北西の厳高地、万年雪の凍える大地と山脈のみが広がる「エタルニア地方」
僅か16年前に旧王朝の関係者を祭り上げ建国された「エタルニア公国」がある。

◆世界情勢

世界的に勢力を拡大している「クリスタル正教」は4つのクリスタルの元に神殿を建て、神聖不可侵として守っていた。
ラクリーカには風の神殿、フロウエルには水の神殿、エイゼン地方の火山に火の神殿、そしてエタルニアの山中に地の神殿。
正教本部は地の神殿と一体とし、各神殿に巫女と呼ばれる者を配し祈祷を捧げさせていた。

しかし16年前、突如ある者たちが挙兵。正教本部でもある地の神殿を制圧し、高々と宣言した。

「エタルニア公国」の建国を。

エタルニア公国は優れた軍隊を持ち、各国のクリスタル正教信徒に対し弾圧的姿勢を取り始める。
他国から隔絶された厳高地故にその接触は一方的であり、かつ公国軍のみが所有する特殊技術「飛空挺」は軍事的優位を与えた。

不審な動向に人々が違和を覚えつつ、不気味な平穏の中エタルニア公国の建国から16年が経つ。

現在の俺の任務は、ラクリーカの秘密ドックで建造中の新型飛空挺を受領する事だ。
こちらで輸送してきた飛空挺の浮力の源である“飛行石”を取り付けることで晴れて完成となる。
受領した後は一度公国へ戻し、その後正式にカルディスラで活動中の空挺騎士団の所属となる予定だ。
エタルニアの厳高地を超えるほどではないが、緊急時の機動性や制空による利を考えると一台は飛空挺が必要だろう。
丁度旧型の飛空挺はカルディスラ進攻の折りに墜落。現在の空挺騎士団は孤立状態だ。
あいつらに限ってまさか、とは思うものの万が一という事はある。新しい飛空挺の配備を急がなければならない。

アナゼル(……しかし、一体何故飛空挺は墜落したんだ?カルディスラに対空戦力が整ったという話は聞いていないが)

飛空挺の動力源である飛空石は総司令部から発見された物を使用しており、現時点では世界のどこからも飛空石が産出されたという報告はない。
無理な対地戦闘を行わない限りそうそう撃墜されるものではない飛空挺が何故墜落したのだろうと再度考えたところで、俺はある考えに至った。

【選択肢】飛空挺を墜落させそうな空挺騎士団の人

・選択されたキャラクターとの友好度が上昇します
・友好度が上がると今後の展開に絡んでくる可能性があります

1.「あいつ」が荒っぽい操船をしたんじゃないか?
2.「あのオッサン」がヘマをしたって言うのか?
3.「姐御」がまた何かやらかしたか?
4.「あの……誰だったか」が喚いたんだろ
5.やっぱり旧型だし、単純にガタが来ていたんだな(無指定)

アナゼル(あいつが荒っぽい操船をしたんじゃないか?)

すぐに頭に浮かんだのは、豪快な笑い声と鍛え上げられた肉体。空挺騎士団の飛空挺操舵手であり、切り込み隊長役を兼ねる男。
年上ではあるが、俺の気の置けない友人でもある“闘士 ベアリング・アウト”の姿だった。

アナゼル(あいつならやりかねない、と言うか絶対やるだろうな。なんであいつが操舵手をやっているんだ?)

ベアリングは非常にいい奴である。義と情に篤く素直な男だ。見た目通りの戦闘好きで、昔はよく遅くまで訓練しては鍋をつついたものだ。
ただ、軍隊の中ではそうでもない。なんというか、こう、浅慮なところとか、勢いやノリ任せな部分、肉弾戦をしたがる性格、無茶で無鉄砲な面。
かつてベアリングが飛空挺主操舵手と聞いた時は、そろそろ団長も耄碌したんじゃあないかと思ったものだ。
因みに公国軍幹部は大体飛空挺の操舵を学んでおり、俺自身も大体の船なら一人で動かせる。

アナゼル(次の飛空挺は大切に扱って貰わないと困る。何といってもあの船はイデアの……)

飛空挺の処遇について空挺騎士団長に相談する必要がある。具体的には操舵手変更の提案か、副操舵手の養成を急がせなければ。
深刻な問題に頭を悩ませつつ、心の奥底では友人との再会を待ち遠しいと。そう思い、一人静かに笑った。


【ベアリング・アウトとの友好度が増加しました】

【アナゼルのモンクLVが増加しました】

9月3日。航海は何事もなく進み、“黒騎士”は内海に停泊。砂漠の端を歩いてラクリーカの秘密ドックに辿りついた。
ナダラケス地方の北西部、内海フロウ・ラクリーに近い山中にそれは隠されている。
「マヌマット・ボリトリィ商会」の運営するこの施設は公国の設備と並んで大規模な造船を出来る貴重な拠点だ。

商会員「ようこそいらっしゃいました、公国の暗黒騎士様。生憎当商会長は多忙により席を外しておりますが、

我々マヌマット・ボリトリィ商会一同は皆様を心より歓迎致します」

表面上ではあろうが、それなりに態度はいい。商会の会長は公国と繋がりのある人間であり、下手に機嫌を損ねては不味いと思っている事だろう。
何とかして歓待の意を示そうと群がる商会員を適当にあしらいながら、飛行石のセットを急がせる。
この飛空挺はこの後すぐに各種実用試験を行い、配備される予定なのだ。あまり時間がかかっては困る。
それに……この纏わり付くような不快な熱気と甘ったるいコーヒーは、どうしても好きになれない。早いところ済ませたいというのも本音だ。

しかしそんな俺の意に反して、作業は難航した。飛空石と船体の調整が上手くいかないらしい。

飛空挺の浮力元となる飛空石は、熱を照射することによって周囲に張った結界ごと物体を浮上させる力を持つ石だ。
これは現在では元正教団本部の地下施設からのみ発見されており、原産地や発見の過程などは一切知られていない。
しかし結界と言うのが曲者で、飛空石と船体を上手く結び付けないと力の掛かり方がおかしくなり墜落、空中分解の危険性が生まれる。
このノウハウを築くため、これまで発見以来700年の時を掛けているからこそ今の公国飛空挺技術があるのだ。
もし仮に飛空挺や飛空石が他国に奪われたとしても、研究なくば開発はおろか操船ですらそうそう上手くいくものではないだろう。
数が限られているためにおいそれと戦地に送る事は出来ないが、飛空挺は輸送面でも充分なアドバンテージをもたらしている公国技術の中核なのだ。

9月4日。そうこうしている内に一晩が過ぎてしまった。依然、遅々として作業は進んでいない。
飛空挺の建造を経験している技術者は決して多くはない。そもそも飛空挺の数自体そう多くはないのだ。
現在公国が所有している物を全て数えてもせいぜい10に満たない程度だ。

この今回開発される新型軽巡洋飛空艇、「エシャロット号」はどれだけ働いてくれるだろうか?
想像しただけで楽しみであり、この船の仕上げに関わった自分が誇らしく思えてくる。
この船が公国の未来を更に輝かしい物にしてくれるのは、名付け親からして間違いないはずだ。

アナゼル(そうだ、イデア……君のあの声が呼んだこの船は、必ず希望を運ぶ船になってくれるはずさ)

船の図面を見たイデアは、この船を「エシャロット」の様だと言った。まさかそれが正式に艦名として採用されるとは思っていなかったが。
そして完成したエシャロット号は、公国からカルディスラへと向かうのだ。そこに初陣となるイデアを乗せて!
イデアの初陣予定日は10月10日。およそ一ヶ月後だ。それまで一日たりとも惜しい。憂う要素は潰しておかなければ。

アナゼル(イデア……君は俺が守る。その為にもこのエシャロット号、入念にテストさせてもらうぞ!)

と、少々気が急いていたようだ。いくら愛する君の為とは言え、今はそれで現状が好転するわけではない。
しかし特にすることがあるわけでもない。ずっとこのドックにいても仕方がないが……

【選択肢】飛空挺作業が進まない中、アナゼルはどうなった?

・友好度が上がる以外に特殊なフラグの立つ選択肢があることもあります
・選択後に再度選択肢がある場合もあります(今回の場合は4)
・この場に居ないキャラ(今回の場合は……)に会いたい場合は上手く手順を踏みましょう


1.ん?確かあの商人は……
2.変な格好だな、何だあいつは……
3.!まさかあの方は……
4.気晴らしに町の方に出るか
5.“黒騎士”の整備でもして時間を潰そう(無指定)

アナゼル(気晴らしに町の方に出るか)

ここからでは少し遠いが南東、砂漠のど真ん中には大風車で有名なラクリーカの都がある。
急げば一日で行って戻るくらいは出来るだろう。それに飛空石のセットについては俺は詳しくないし、なんなら差し入れを買ってくるのも上司の仕事だ。
部下には知らせるが、護衛はいらない。どうしても必要なら商会員に頼るのも一つの手ではある。……貸しは作りたくない相手だが。
そうして俺は、漆黒の鎧兜を脱ぎ捨て、朝早くラクリーカの町へと向かった。

ラクリーカ王国は砂漠の中にある。その為資源らしい資源は殆ど無い。
砂漠特有の生物資源はあるが、水も土も乏しい。エタルニアとは違った方向で厳しい大地だ。しかも寒暖差がある。
だが、極めて特徴的なのが「風」である。南にある「風のクリスタル神殿」の恩恵か、非常にいい風が吹く。
ラクリーカの都はその風を逃さないように沢山の風車が所狭しと並んでいる。異様な光景だ。
だがその貪欲な姿勢は評価に値する。どのような厳しい環境にも立ち向かっていく人の強い意志の力だ。

そしてここラクリーカには、かなり前から国があった。今は忘れられつつある旧ナダラケス王朝。1800年程前に衰退の一路を辿ったと言う。
エタルニアの大地にかつて栄えた旧エタルニア王国と同時代を生きた彼の国が今も残っていたなら、世界はどのようになっていたのだろうか?

5.5-4.5
ラクリーカのコーヒーは甘い。俺は好きじゃない。コーヒーはもっと渋く苦く、香味を重んずるべきだ。
だがここの肉料理は好きだ。香辛料をふんだんに使用した、辛味の利いた味がとてもいい。
発汗を促すことにより代謝を促進、健康を保つのに一役買っている。各地域の風土に合わせた文化であり、人の知恵だ。
各地の食料を楽しむ機会に恵まれているのも、公国が誇る飛空挺のちょっとした役得と言うものだ。

さて、観光や食事、買い物などをしていたらいつの間にか夜になってしまった。
人通りは少なくなってきた。秘密ドックに戻るならそろそろだが……

【選択肢】ラクリーカの夜は寒い。どうしたものか?

・現在のアナゼルは非武装です
・「興味を持つ」事は案外難しいものです


a.南の方には風のクリスタル神殿があるな
b.西の方にはオアシスがあるんだったか?
c.東の方には何があるんだ?
d.北の方に戻って明日に備えよう(キャンセル)

アナゼル(南の方には風のクリスタル神殿があるな)

砂漠を歩くと、大きな建物が現れる。塔のような姿をしているそれが目的地だ。
世界に四つあるクリスタルの神殿。クリスタル正教の支部と言ってもいい。
確か前に調べたところによると、「巫女」と呼ばれる存在を筆頭として女性のみの信徒が集まり、日々祈り続けているのだとか。
そして「巫女」は基本的に世襲制であり、称号として……そう、確か「オブリージュ」だったか?と言う名を継いでいくものだとか。
気配を殺して密かに近づいていく。普通なら寝ている時間だが、用心に越したことは無い。

アナゼル(どうせ日々を無為に過ごしている者の集まりなのだろう、世界の平和を祈る等と言って自身の怠惰を正当化しているだけだ)

アナゼル(祈っているだけでは何も変えられない。未来を掴むのはその手で掻き分けた者だけだ!)

アナゼル(あいつらだってそうだ!俺を捨てたのはあいつらだ!どうして?自分たちの地位を脅かすと思ったからだ!)

アナゼル(俺は絶対に忘れないぞ、暗黒街で過ごしたあの日々を。醜い人間の取り繕った顔を。)



結論から言えば、俺は神殿には入っていない。男子禁制の神殿内に入るべきかどうか悩んだのもあるが、本当は違う。
明かりの付いている窓から見えた、祈りを捧げる女性の姿。長い黒髪は微動だにせず、意志を持って力強く祈っている姿。
あるいはクリスタル正教全てが悪いわけではないのだろう。無実な、単なる敬虔な信徒は多いはずだ。

アナゼル(だが、しかし)

エタルニア公国の戦いは、クリスタル正教を打ち倒すまで終わらない。「クリスタル」と言う概念を消し去るまで。
それが俺をあの地獄から拾い上げて下さった元帥閣下の為に出来ることであり、世界の全てを救うための方法なのだから。
済まない、と。迷いを振り切るための小さな呟きは、優しい風に乗って星空に消えていった。


【アナゼルが「クリスタル正教の幹部と信徒について」考えました】

【風の神殿でとある人物の後ろ姿を目撃しました】

・本日はここまでです。お付き合い下さりありがとうございます。

・初めてで緊張しました。体力も使いました。何か問題とか、読みづらかったりしませんでしたか?

・何か気になることがございましたらお気軽に質問ください。

・説明項目(◆の奴)の内容は募集しています。気になるテーマがあったら答えます。

◆アナゼル・ディー
男性。20歳。出身地不詳。
若くしてエタルニア公国軍最高意思決定機関である「六人会議」の一員となった「暗黒騎士」。公国の実権を握る元帥の忠実な片腕。
専用重飛空挺「黒騎士」を駆り、各地を巡り暗躍。時にはその暗黒剣を振るい相対する者を薙ぎ払う。

コーヒーや肉料理を好み、甘いものは苦手。いつも手帳を持ち歩き、マメに記録を付けている。
軍人である時は黒い甲冑に身を包み、兜で顔を見せない。
この物語では「暗黒騎士としてのしきたりにより、近しい人物に素顔を晒さない」という設定のため親しい人物ほど顔を知らない。

◆ベアリング・アウト
男性。24歳。出身地不詳。
エタルニア公国軍空挺騎士団の飛空挺操舵手であり、体技に優れた「モンク」。単純な性格の格闘者。
16年前のエタルニア公国挙兵に見習い兵として従軍しており、どのような理由で若くして公国軍人となったのかは謎。
難しいことや卑怯な事を嫌い、肉弾戦や肉料理を好む見た目通りの人間と言えるだろう。

9月6日。作業開始から3日目。半ば諦めかけていたところだったが、やっと作業が終了したとの報告があった。
仕上げを終えたらとうとう初飛行だ。試運転の操舵は俺に任されている。

まずは内海フロウ・ラクリーに停泊した“黒騎士”の元まで、軽く流しての試運転を行った。
専用の重飛空挺である“黒騎士”と比べれば軽巡洋艇だけあって出力こそ及ばないが、旋回能力に優れ良好な操作感を見せてくれる。
それに機関は単純に作られており、最悪操舵一人だけでも航行は可能だ。軽飛空挺の強みは運用の容易さにある。

アナゼル(うん、こいつは中々いい機体だ!出来としては充分だろう)

大まかに動かしたら、再びドックに戻す。再度調整を経て、いよいよ各種性能の実用試験を行っていくことになる。
まずは飛空石と推進機関の連続稼働試験、出力試験だ。それに船内設備の調整も必要だ。さて、忙しくなるな!

9月10日。いよいよエシャロット号の飛行、及び洋上航行のテストが開始された。
飛空挺は浮上を飛行石によって行うものの、推進力は別の内燃機関を主に用いているため洋上の航行が可能だ。構造も船舶に近い。
出力、耐久力、巡航速度、旋回能力。機体性能の検証は充分だ。空挺騎士団に要求されたスペックをしっかり満たしている。
しかし、本当の試験はこれからだ。少々荒っぽい操船を試したり、連続戦闘機動による負荷実験など、より実用に則した試験が行われる。
たっぷり10日間、入念に。そう、入念にテストしていく。万が一という事があっては困るし、この後すぐに実地なのだ。

【選択肢】大分夜も遅くなってきたし、この辺りにしておくべきか?

・時には運も必要です
・出会いの切っ掛けはいつも突然

1.ここでハンドルを東に!
2.この速度での緊急着水は可能ッ!
3.何かあってからでは遅いしな(キャンセル)

↓2

アナゼル(ここでハンドルを東に!)

衝動的に機体を回転させる。急転は想定されうる戦闘機動だ、試しておくに越したことは無い。
機体が傾き大きく揺れ、開放式の操舵席に風と衝撃が襲い掛かる。この位なら余裕で耐えられ……

アナゼル(バランスがっ!)

まずい、油断していたか!想定外の衝撃が襲い掛かり、舵輪が回る。
東に向いた船体は徐々に高度を下げ、正面の山に近付いていく!

アナゼル(こんなところでどうにかなってたまるかっ!)

力で舵輪を支え機体を安定、船首を大きく持ち上げ、高度を上げる!
山脈の天辺を掠るように飛空挺は持ち直し、ギリギリのところで衝突は避けられた。
眼下の森から噴き上がる瘴気が鬱陶しいが、機体は安定し視界も良好。危ないところだった。冷や汗が流れる。

アナゼル(今日はもう疲れているのだろう、早く帰って休んだ方がいいかも知れないな)

と、ふと地上に目をやると。森に囲まれた中に小さな泉と、明かりの点いた民家が見えた。
フロウエルの南東、難所キレート山を挟んだこの辺りは……確か「ユルヤナ地方」と言うのだったか?
かつて旧教時代に恩賜として一人の男に与えられた領地だと物の本で読んだ気がする。何分昔の事だ、記憶は曖昧だが。
それにしても、人が住んでいるという話は聞いたことがないのだが。フロウエルの工作員に問い合わせてみるべきだろうか?

物思いに耽りながらの操船は危険だ。気持ちを入れ替えて早くドックに戻ろう。
一度ちらりと振り返ると、夜の闇の中でただ一軒だけの民家が、虹のように瞬いた気がした。


【アナゼルがユルヤナ地方について興味を持ちました】

9月24日。公国を囲む厳高の山地を越えることが出来ないエシャロット号は、一旦公国近海へと曳航させて
“黒騎士”は空挺騎士団の拠点となっているカルディスラ北方のロンターノ離宮へと向かう。

風光明媚な景観は季節に合わせてその姿を変え、カルディスラ王宮と高地のノルエンデ村を結ぶ幹線道に寄り添っている。
カルディスラ統一以前は反王勢力の拠点でもあったこの場所が、我等公国軍の前線拠点として使われているというのは可笑しな話だ。

……空を飛ぶとはいえ構造は船、飛空挺を降ろすには基本的に水場が必要になる。飛空挺の稼動は案外制約が多いものだ。
しかし一時的な接舷なら高所にドックを建造することで可能だ。ロンターノ離宮には占領してすぐに飛空挺ドックが建造された。
今回はそこに“黒騎士”を寄せる。あいつもそうだが空挺騎士団には知り合いが多い、せっかくなので挨拶くらいはしておいてもいいだろう。

部下「アナゼル様、まもなくロンターノ離宮に到着します」

アナゼル「分かった。しばらくここに居ることになるからな、各員“黒騎士”の点検が済み次第拠点内で自由待機とする」

アナゼル「補給と寝所の手配はこちらから話を付けておく。ゆっくりしてくるといい」

昼過ぎ。“黒騎士”を接舷させ、タラップに降り立った俺に豪快な声がぶつけられた。

?「おおっ!この真っ黒いのが新しい飛空挺かぁああああああ?」

聞き覚えのある声。派手な勘違い。この豪快な声はまあ、アイツだな。

?「んん?アナゼル、久し振りじゃねぇかぁ」

アナゼル「相変わらずのようだな、ベアリング!」

予想通り。闘士ベアリング・アウトだ。鍛え上げられた弾ける肉体が日差しに輝いて眩しい。
熊のような大男が破顔する様は、知らないものが見ればそれなりに威圧感がある。
互いに腕を伸ばして拳を合わせれば、力強い押しが伝わる。互いに鍛錬は怠っていないのだ。
旧知の仲、話に花を咲かせつつ離宮内を歩く。それは過去から現在、そしてこれからの話へと流れていく。

ベアリング「何だ、新しい飛空挺ってのは公国に送り返しちまうのかぁ?面倒臭ぇことしやがって」

ベアリング「な、アナゼルよぉ。代わりにこの黒いのを置いてけよ、な?」

アナゼル「……悪いがこいつは俺のなんだ、欲しいなら頑張って出世してくれ」

嫌みではない。こいつは冗談で言っているんだろう。何せこんな重飛空挺を運用するには相当な人数が要るのだ。
組織のしがらみに囚われるよりも自由にやれる今の地位の方が、こいつには向いていると。そう思う。

いや、本当に「頑張っても出世できないだろうし」とか「部下が大変そうだから」とか思ってないからな!

ベアリング「ん?何焦ってるんだ?」

景観で名高いロンターノ離宮の最上階はカルディス地方を広く見渡せる。万全とは言わないが平地の見通しで守りは硬い。
夏も去りゆく9月ながら、季節感ある風が回廊を吹き抜け、エタルニアにはない穏やかで爽やかな空気を運ぶ。
執務室の扉を軽く叩けば、こちらを既に察知していたのだろうか。扉越しに声が掛けられた。

?「……開いている、入ってくれ」

アナゼル「……エタルニア公国六人会議、暗黒騎士アナゼル。こちらに配備予定の新造飛空挺についての報告がてら挨拶を、と」

?「了解した。御足労痛み入る。……楽にしてくれ」

アナゼル「……久し振りだな。元気にしてたか、おっさん?」

?「お前こそ忙しく飛び回っているようじゃないか、若造!」

急に雰囲気が軽くなる。仕事モードはここまでで、ここからはプライベートと言う奴だ。
多少上下関係はあるかもしれない(俺の方が若いが立場は上だ)が、馴れ馴れしいなどと怒りはしない。昔からの知り合いだからだ。
それにしても、このおっさんには頭が上がらない。俺だって日々研鑽は積んでいるんだ、もう少しこの扱いは何とかしてくれないものか。

?「若造が一丁前に粋がるんじゃないぞ!俺からすれば幾つになっても若造は若造だ!」

大きく笑いながら背中をバシバシ叩いてくる。俺が軍に入った頃からの付き合いであり、色々教えてもらったものだ。師匠と言っても差し支えない。
おっさん……騎士アルジェント・ハインケル。近年編成された空挺騎士団の団長であり、豊富な経験と優れた戦術眼を持つ武人だ。
暗黒剣を修めている俺だが、剣術の基礎は元帥閣下とハインケルのおっさん、それと剣聖から学んだ物だ。
出世したと言えどまだ若輩の身、何かと面倒も見てもらっている。

空挺騎士団の主要幹部は四人だ。まず団長のハインケル。そして操舵手であり突撃担当であろうベアリングの他に二人。
一人は回復を担当する白魔道士ホーリー・ホワイト。“姐御”は気の強い性格で、男共(主にベアリングだ)を尻に敷いている。
もう一人は黒魔道士オミノス・クロウ……と言うらしい。他三人は昔から知り合いなのだが、事この男に関しては面識がない。
破壊と攻撃の黒魔道を操り、実力は大したものだが性格にやや問題ありと言う報告書を読んだことがある。

一行はカルディスラ北部のここロンターノ離宮に拠点を置き、カルディスラ城に睨みを効かせている。
今現在オミノスなる者だけはカルディスラ城に近い要衝セントロ砦跡を封鎖、ロンターノ離宮への直接進軍を防ぎつつノルエンデ村との通商を妨害している。
これに対しカルディスラ王国は現在さしたる抵抗も見せていないのが不気味だ。戦力を蓄えているのか、何か策があるのか。情報は不足している。
増援の配属、つまりイデアたちを乗せたエシャロット号の到着までそう遠くはないだろう。さて、どう動いたものか……。

おい、ちょっと待て!こんなタイミングで何をする気だ!ふざけんな!

これはどういう事だ?どうしてこうなっているんだったか?今日は何日だ……9月、25日か?
兜が頭にぶつかって痛い。余程のことがない限りこれを脱ぐことはないのだが、今は外していたい。
そう、たしかあの後宴会になったんだ。潰れるほど飲まされて、それで何か重大な話をしたような気がする。
ここは寝所か?飛空挺に運び込むでもないと判断されたか、少々粗末だが個室を宛がわれたようだ。
身を起こし、水を口に含む。よく冷えたそれが感覚を刺激し、確かな目覚めが全身に沁み渡る。

【選択肢】そう、昨日した話だ。確か話した内容は……

・4つから好きなだけ選べます
・多く選ぶほど行動時間は短くなります

1.酔った勢いで俺がカルディスラに潜入するなどと(原作準拠)
2.戦支度の気配がないかノルエンデ村を見てきて欲しいと
3.セントロ砦跡にも顔を出しておいて欲しいと
4.イデアの事が心配なので早く帰ろうかなどと

↓2

・レスが付かないようなのでそろそろ寝ないとキョウリュウジャーが見れないです
・繰り返しますが複数選択可能です

本日もお付き合いくださりありがとうございました。
では↓

◆カルディスラ王国
パイレーツ・オーシャンの北、地図上ではおよそ世界の中心に位置する島国。
四季のはっきりとした穏やかな気候と漁業・林業で知られ、その位置から海洋貿易の中継港として利用されている。
島の北東には山に囲まれたノルエンデ高地が広がり、ここには林業や牧畜を営むノルエンデ村が存在する。
南にはカルディスラ王宮と王都が栄え、北東~北にセントロ砦跡を挟んでロンターノ離宮が建つ。

なお、かつては王宮と離宮にそれぞれ王派と反王派が陣取っていたが、現在より9代前のカルディスラ王によって統一され現在の状態になった。
ごく平和な国であり軍隊についての噂は聞かない。

(追記)国土内にクリスタルが存在しないため信仰意識は弱い。軍事的な働き掛けにより容易に制圧可能と思われる。
(追々記)魚料理が美味。個人的に訪れたい

アナゼル(戦支度の気配がないかノルエンデ村を見てきて欲しいと言う話だったな)

カルディスラ北の高原地帯に広がるノルエンデ村は牧畜の盛んな集落だが、食糧輸送などからカルディスラ軍の動きが窺い知れる可能性はある。
それに幹線道は封鎖しているが、我々の知らない抜け道があるといった可能性も考えられる。
カルディスラ~ノルエンデ間が実は封鎖できていない、とすれば本陣奇襲の可能性もある。
後方からの攻撃を受ければ、こちらも危ういのではないだろうか?ノルエンデ村の状況を細かく探る必要があるな。

アナゼル(しかし一方でイデアの事が心配なので早く帰ろうか、とも話したな)

イデアの出陣予定日は10月10日。あと二週間程度だ。それまでに何か出来ることは無いだろうか?
イデアの配属先であるオミノスなる人物を調べるのもいいし、剣の手ほどきをしてやるのも悪くない。
荷物の点検やサバイバル術の伝授、公国軍人として恥ずかしくない落ち着いた立ち振る舞いなど改めて練習させるべきか。
丁度四冊目の手記を付け始めて1ヶ月が経とうとしている頃だ。余裕がある内にイデアの顔を見ておきたい。

元気な、可憐な、美しい君の姿を。

なお、このように話していると姐御にはからかわれ、ベアリングやおっさんには冷やかされた。
失言をしがちな以上、酒の席と言うのは控えた方がいいのだろうか。

9月26日。最近多い気がするが、鎧兜を脱いだ姿で旅行者を装ってノルエンデ村への潜入を開始する。
街道が封鎖されているにも拘わらず、旅行者の存在に何の疑問も抱かないと言うのは少々不用心すぎやしないか。

ざっと見回してみても、戦支度をしているようには見えない。極普通ののどかな村落だ。
戦時の緊張感と言うものがまるで無く、エタルニア軍が進軍しているということを知らない者すらいる始末だ。
一応念の為と少々話を聞いて回るも、カルディスラ王都で軍事的に何かしているという話は無い。
それどころか、翌27日に名物らしい「大イノシシ狩り」を行うなどと戯けた話を耳にした。
カルディスラ王国は一体何を考えているんだ?……何も考えていないのか。

あまり収穫はなさそうだな、と思っていると小高い丘の上に二人の少年の姿が見えた。
兄弟だろうか、背のある方が羊を見ている横で、元気に駆け回っている。気楽なものだと思いつつ、楽しそうでいいなとも思う。
家族と言うものに憧れないでもないが……今はまだ、その時ではない。他にすべき事がある。

そう言えば抜け道について調べるのを忘れていたな。丁度いいのでそこの少年たちに尋ねようか。
あのぐらいの年の頃ならそういう事にも知識があるだろう。

【選択肢】どちらと話をしよう?

・接点を持つことが何らかの影響をもたらすことが稀に良くあります

1.兄のほう
2.弟のほう

話しかけた少年、弟の方は名をティル・オーリアと言った。10歳かそこらの子どもで、年相応の元気さを振りまいている。
観察し、話を聞く限りではこれと言って特徴や非凡な才能は見受けられない。
まあ、互いに話をしただけの存在だ。そう深い関係になるわけでもない。
旅人としての演技をしながらそれとなく抜け道について聞き出す。ただそれだけの事だ。

しかし随分懐かれてしまった。髪型が珍しい?よく分からん。
子どもと遊ぶのも案外悪くは無い。人間素直なのが一番だと俺は思う。
公国軍で子どもと言えば……あの憎たらしい奴だけだからな。

このような村ではあまり年の近い友人はいないようで、彼ら二人は嬉しそうに会話に華を咲かせた。
特にやはりというかなんというか、旅の話は好まれる。大抵人は自分の知らない所の話に興味を向けるものだ。
それがこの、平凡で変わり映えのしない環境しか知らないのであれば尚更。

しかし、話をしている内にとうとうこちらの素性を聞かれた。事前に用意しておいた当たり障りのない回答を返しあしらうも、
「いつまで留まっているつもりなのか」と聞かれ、そう言えばそれは決めていなかった。
回答によってはどうやら家に招いてくれるようだが……さて、何と答えるべきか?

【選択肢】いつまでノルエンデ村に居ようか

・現在は「9月26日」。イデアの初陣予定日である10月10日までには公国に戻らなければ。
・移動には数日掛かります
・10月3日に……

1.今晩にでもすぐ発つつもり(9/26晩に離宮へ帰還)
2.数日は見ていきたい(9/30頃に帰還)
3.一週間ほどじっくりと(10/3頃に帰還)
4.次の予定までは居るつもりだ(10/7頃までのんびりと)

アナゼル「そうだな、一週間ほどじっくりと見て回るつもりだ」

その言葉に兄弟は顔を見合わせ喜ぶ。まだ話を聞き足りないようだ。特に弟……ティルなどは俺の周りをグルグル回っている。
のどかなノルエンデの村を訪れる旅人は少ない。好奇心溢れる若者の内に世界を見て回る機会に恵まれた自分は、やはり幸運だ。

そしてこの小さな村では宿屋など無く、暫くは彼らの家に泊めてもらう事が決まった。ノルエンデの家庭料理、実に興味深い。

それから約束の期日まで、特にこれと言った出来事は無かった。乳製品を用いた料理はまろやかな、他の地方では味わえない穏やかなものであったこと。
オーリア兄弟の兄・ティズは弟に比べると大人しく地味だが、思ったより体力に優れていた事。
そして、軍を通せるほどではないものの「ノルエンデ渓谷道」を通ることで王都への行き来が可能であると言う情報だけをここに記しておこう。
そこに情の介在する余地はない。初めから……そのつもりだ。

あっという間に一週間が経ち、そろそろ離宮に戻らなければならない。
後ろ髪の引かれる思いは無いとは言えないが……

【選択肢】アナゼルの村を出発する時間は

1.早朝
2.昼前
3.夕方

・本日はおそらくここまでとなります。この様な時間にお付き合いありがとうございました。

・筆が余程走らない限りまた少し間が空くことと思われます。申し訳ない。

・いよいよBDFF最大のイベントがやって来ます。ここからアナゼルの物語はどう紡がれていくのか、私自身も楽しみです。

・そろそろコンマ判定系のイベントがありそうです。今の内に太陽神に開運祈願してきます。ハッピーエンドになりますように。


1.駆け出した
2.背を向けた
3.動けなかった

↓2

アナゼル「ああ、くそっ!」

明らかな命の危険だと言うのに、駆け出していた。目指すは広がる穴の外周だ。
どうしてこんなことをしたのか、自分でもよく分からない。しかし目の前で起きている事を捨て置けなかった。

元帥閣下と愛しのイデアの顔が頭に浮かぶ。閣下は俺を拾って下さった。イデアは俺とも仲良くしてくれた。
あの二人ならこんな時どうしたのだろうか?きっと同じだ。
こんな理不尽で、命が奪われていいはずがない!

アナゼル「こっちだ!掴まれ!」

崩れゆく地面を滑り降りながら、必死に手を伸ばす。すぐ横で、同じようにティズも手を伸ばす。
ティルは慌てながらも、確かにこちらを見た。その小さな手を懸命にこちらへ伸ばしている。
あと少しだ。もう少しで手が届くんだ!


1:バランスを崩す
2~5:届かない
6~9:掴んだ!
0:ティズ!

接点:+1

↓のコンマ1


……届いた!

アナゼル「離すんじゃないぞ!大丈夫だからな!」

足元は洪水を起こした滝のように土砂が滑り落ちていくが、鍛えた体幹が姿勢を保つ。
そのまま勢いよくティルを身体に引き寄せ、抱き留めた。
決して離さない。何があっても、だ!

1~5:闇に消える姿
6~9:「早く逃げよう!」
0:羊飼いってスゴイ。

歴史の修正力(二者択一):-1

↓コンマ1

「暗闇の中から希望を摘み上げた瞬間、同時に光の内に闇が生まれている。
 物事は何もかも等価交換だとする学説があります。私に言わせればそれは馬鹿馬鹿しい話ですが」
誰かの言葉を思い出す。曰く、命を救うのに同じように命を賭ける必要はないと。

けれど、今の俺はその説が正しいように感じられてしまった。

見えたのだ。

大穴の闇に消えていくティズの姿を。

これは、俺のせいなのだろうか?

両方を、二人とも救う事は出来なかったのか。

この腕の中にあるたった一つの命だけでも救うこと。それだけ考えなければならないとしても、俺は自問を止める事が出来なかった。


・本日はこれでおoooooooooooooooooooo




????「初めまして、それとも久しぶりかしら?」

????「貴方達のおかげで、彼だけでも助けることが出来た。それは本当に嬉しいこと。ありがとう!」

????「けれど、今度も彼は大穴に飲まれてしまった」

????「あの時のように、また貴方達の力を貸してくれる?」

????「……ただ」

????「“また”返して貰う事には、なるわ」

????「残された人達は、どう思うのでしょう?」

????「あの時は仕方なかったかもしれないけれど、今は分からない」

????「だから、貴方達に聞くわ。……彼を、ティズを、助けたい?」

【選択肢】

ティズを

 助けない
ニア
 助けない

【選択肢】
ティズを
 助けたい
ニア
 助けない

↓1~3くらい

助けたい
が真終章のアレが起きるってことだよな…

????「難しい決断を押し付けてしまって、御免なさい」

????「きっと、初めて会った人もいるのよね」

????「こんなに難しいこと、正解なんてきっとないのよ」

????「けれど、答えてくれた人がいる」

????「だから今は、彼を助けるわ」

????「後悔に後悔を重ねるよりも、覚悟して別れの方がきっと良い」

????「>>71さんも、他の皆さんも、信じて見守るしかないのよね」

????「それじゃ、こうやってお話しする機会もきっとないでしょうし、さようなら」

????「どうか、ルクセンダルクのみんなをお願いね」

・本日はここまでとなります。遅くまでお付き合いありがとうございました。

・ティルが生き残ったことによって今後の展開がどうなっていくのか、主に性格の描写について頭を悩ませております。
ティズが落ち着いた性格なので活発な子なのでしょうか?イデアと併せて元気さ二倍ですね。

・こんなところにもいちたりないさんが現れるとは。おのれ。

・こんばんわ。まだ書き溜めが済んでいないのですが、展開上決めておかなければいけない事項がありました。

・次レスで安価だけ出しておきます。

【選択肢】災害の後

1.全員がロンターノ離宮側に
2.アナゼル・ティルが離宮側に、ティズはカルディスラ側に
3.ティズは離宮側に、アナゼル・ティルはカルディスラ側に
4.全員がカルディスラ側に


少しの間気を失っていたようではあるが、日が暮れる頃には意識を取り戻す。
腕の中には確かにティルの温もりと重さが感じられ、無事に助けられたのだと安堵した。

見れば、都合よくロンターノ離宮側の街道付近に放り出されていたようだ。
あるいは無意識下にこちらを目指して身体が動いたのか、何にせよこれは幸運だ。
迅速にあの災害についてを報告し、対応を講じる必要がある。

少年を背負いながら、離宮の灯りへ真っ直ぐに歩いていく。
ノルエンデ村で過ごした一週間、ティズとティルの事、これからの事。
何もかもが頭の中でぐるぐると廻り続け、後ろを振り返る勇気は生まれなかった。

そうしてやっと辿りついたロンターノ離宮の中も、今なお混乱の渦中であった。
身分を証明するものは無く、一般兵に広く顔が割れるのも面倒なので忍び足で誰何を避け、割り当てられた自室に戻る。
ティルを寝台に下ろして軍人としての正装……鎧兜に身を包んだ所で、部屋の戸が叩かれた。

ハインケル「戻っておったか!部下からそれらしい人物を見たと聞いてな、見に来たのだが」

アナゼル「……ハインケル団長。報告しなければならないことが幾つもある」

出来るだけ冷たく、感情を排して告げる。これから話す事は、到底信じられまい。自分自身でもそうだ。
だが、「何が起こったのか分からない」という態度で話しては分かる話も分からなくなる。
報告を行う俺自身は、冷静に冷徹に、ただ起こった事と見たものを語らなければならない。

アナゼル「私エタルニア公国軍六人会議、暗黒騎士アナゼル・ディーは公国歴16年9月26日からノルエンデ村の状況について調査を開始。

懸念されていたカルディスラ王国軍の動きに関連する一切の戦時体制や物流は確認されず。

またカルディスラ王都とノルエンデ村を結ぶ街道以外の路については、渓谷道が一本。大規模行軍には向かず利用者は殆ど居ない模様。

……10月3日昼、ノルエンデ高地の中心部……つまりノルエンデ村中心の地盤が突如大規模崩落。周辺が完全に沈下したものと思われる。

これによりノルエンデ村の家屋建造物は余さず消滅。原因は不明。自分はその場に居合わせ、そこに居る民間人一名を救助し現地を離れた。

先刻離宮近辺の街道から徒歩で帰還、報告に至る。こちらの民間人を除いて生存者は、不明」

ハインケル「アナゼル、お主は……」

何か言いたそうにしているのは分かる。それが恐らく俺を気遣う、彼にしては珍しい言葉であるのは。
だが今の俺には、それを理解していながらも遮らずには居られなかった。

アナゼル「特に何もなければ、そっとしておいてくれないか。……今は、休みたいんだ」

ハインケル「……後で軽食を届けさせよう。安静にしていろ」

アナゼル「感謝する」

扉が静かに閉じられると、すぐさま椅子に身を委ねる。もう、本当に疲れた。
今はただ眠りたい。これからの事、ティルの事、考えなければならない事は多すぎる。
それでも、今は眠りたかった。何も考えずにいたかった。

翌早朝、目が覚めた。眠っていたのは4.5時間だろうか。鎧を着たまま椅子で眠るなど、もう慣れたものだ。
とりあえず戸を開け、扉の前に置かれていた食事を摂っていると、少年の欠伸が聞こえた。
ティルは固まっている。今置かれている状況が分からず戸惑っているのだろうか。どう説明したものか。

ティル「ええと、貴方は、誰ですか?」

そう言えば、兜をしたままだったな。

アナゼル「……と言う訳だ。信じられないと思うが」

自身の身分と事の顛末について大まかに語る。エタルニア公国軍の人間であると聞いても、彼は気にはしていないようだった。
実害を受けているわけでもなければ、カルディスラでさえ深刻に受け止められてはいなかった。遠い異国の話だと思っていたのだろうか。
しかし、流石に故郷の様子についてはショックを受けているようだ。無理もない。

ティル「そっか、村も家も……兄さんも……」

アナゼル「まだ決まった訳じゃあない。最後まで希望を捨ててはいけないぞ。

全てが闇に包まれたかに見える時、絶望の淵に立つ時、その瞬間こそ光を手にするチャンスなんだ。俺だってそうだった」

この身に余りある御恩を忘れた日などない。俺の手で命を救えた事が誇らしくもあり、救えなかった命に後悔もある。
けれど忘れてしまえば、諦めてしまえば、全てそれまでなのだ。過去は未来の為に残さなければならない。

アナゼル「それでだ、ティル。これからどうするつもりなんだ?……その、良かったら」

【選択肢】提案

・アナゼルはティズが恐らく死んでいるのだろうと思っています
・ティズはティルがアナゼルに助けられていると思っています

1.「エタルニアに来てみないか?」
2.「カルディスラ王都まで送っていくが」


・じ、時間も曜日も悪かったかな……本日はここまでにしておきます。見て下さった方ありがとうございます。

・努力目標として5日以内と自分で考えているのですが、今回はちょっとギリギリになってしまいました。
全てはBDPB第2回レイドボスが悪いのです。嘘です。もうちょっと筆を走らせられるように頑張ります。

・普段一回の投下で安価は二回くらいになっています。もっと多くした方がたくさんの方が参加できるとは思うのですが、
安価を反映出来るほど素早く書けないのでごめんなさい。安価は置いておくスタイルでこのまま続くと思います。

安価は↓にどうぞ


俺には兄弟を別々の陣営に別ける選択なんて出来ない

もうちょっと待っていれば安価が付いたとは……反省
宣言通り本日はこれまでです、いつもありがとうございます

>>86
わ、和解ルートとかありますよ!きっと!

アナゼル「カルディスラ王都まで送っていくが。街道は封鎖中で通れないからな」

ティルは俯いて何も言わない。もしも自分一人が生き残ったのだとしたら、そう考えているのだろうか。
本当にそうなら、俺のする事は大層残酷な事だろう。たった一人で突き放され、どうすればいいのか分からないまま。

アナゼル「そう不安がるんじゃない、お前にしかできないことがあるだろう?

ノルエンデ村について知っているのは、お前だけかも知れない。それを伝えなければならない」

平和ボケしたカルディスラの民なら、ティルのことも暖かく迎えてくれるだろう。
ほんの少し気の迷いを起こしかけたが、やはり子供は平和に暮らすべきだ。俺はそう思う。

アナゼル「自分の命と意志を大切にしてくれ。今はゆっくり、何をするべきかを向こうで考えるといい」

10月4日、大穴の災害から一夜明けて。俺はやはり人目を避け、ティルを連れ立って離宮の執務室に向かっていた。
最上階からの景色は、それ程変化がない。しかしあの山の向こうにあった村は、もうどこを探しても無いのだ。

机ではハインケルが忙しそうに事務仕事をしていた。何でも近日中にカルディスラ王宮を電撃的に襲撃する作戦計画らしい。
実直堅実にして大胆な一面をも持ち合わせる彼の策は経験に裏打ちされた有効打だ。それが彼を団長たらしめている。
……これから届く予定の新品の飛空挺を使ってそのような事をする豪胆さは俺には真似できないが。

ハインケル「暫定の一次調査隊をノルエンデに向けて派遣した。帰還は翌日になるだろう、誰かが先行報告を買って出てくれると助かるのだがな」

こちらを見ずに溢した声。言外にエタルニアに戻れ、と言っているのだろう。
動かせる飛空挺で早馬を走らせる為か、この先の仕事から遠ざける為か。
その不器用な気遣いが、会話の出来る今には嬉しかった。突然の出来事に、俺も落ち着く時間が欲しかった。

アナゼル「こちらは直ちにエタルニア本国に帰還し、通常任務に復帰する。これまでの協力感謝する」

ハインケル「おうおう、若造一人居たって邪魔にしかならん。とっとと帰って可愛いあの子と仲良くするんだな」

結局最後まで、こちらを見ようとはしなかった。俺もそれでいいと思った。今は多くを語る時ではない。
次に会う機会があれば、また宴会でもしようか。そう言い残して、ティルを促し執務室を後にした。

ベアリング「アナゼル、戻るのかぁ?」

アナゼル「ああ、これから忙しくなるのだろう?いつまでも邪魔しているわけにはいかないからな」

ベアリング「じゃあよう、今度会ったら全力で勝負しないかぁ?しばらく闘ってないんでな」

アナゼル「そうだな、そちらが落ち着いたらまた来る。その時は手合わせ願おう」

ベアリング「そうと決まりゃあ仕事、仕事ってなぁ!楽しみだぜぇ、へへへ」

取り急ぎ出発の準備をさせた久々の愛機“黒騎士”。ブリッジに立ち部下に指示を飛ばす。一ヶ月の特命を終えて公国への帰還だ。

アナゼル「さて、ティル。これからお前をカルディスラ南の湖まで送る。王都まで少し距離があるが、一人で行けるか?」

ティル「うん、大丈夫だよ。足には自信あるし」

少し落ち着いた様子だ。前のように元気に笑える日が来るかは分からないが、取り合えず心配はいらないだろう。

ティル「……ねえ、アナゼルさん。また、会える?」

少し前。つい昨日、同じような事をティズにも聞かれたものだ。その時は明言を避けて誤魔化したのだが、今は。

アナゼル「ああ。また会おうな」

約束は人を縛り、呪うものである。しかし同時に、強い未練や執念を与え、人を強くするものでもある。
彼に残された唯一の絆を、こうして結んでおけば、彼がまだ生きていてくれるような気がした。
俺の初めての、年下の友人だろうか。……少し気恥ずかしい。

手を振って王都へ駆け出したティルを見送り、飛空挺は北方エタルニア本国へ向けて発進する。

エシャロット号の調整から今まで、実に様々な事が起こってきた。
既に起こってしまったにも関わらず、俺の感覚は何か大きな変化の予感を感じ取っていた。

この先のルクセンダルクに、迫り来る何か。言い知れぬ波乱。
大穴がその予兆に過ぎないとすれば、世界に一体何が起こるのだろうか?

答えを求めるようにして珈琲の暗闇を覗き込んでも、何が見えるでもない。
その時が来ても、せめて後悔のないように生きたい。


~もう、見捨てて逃げるような事はない


何か眩暈のような感覚にふらつきながら、飛空挺は雲を裂く。
眼下の海はまだ、青く美しいままだった。


序章

~絶望の淵に光の手を~

10月6日。エタルニア公国軍総司令部、六人会議・議事堂。
元帥閣下は何も言わず腕を組み閉眼して、こちらの報告を聴いていた。
飛空挺の調整、ノルエンデ村への諜報、そして大穴災害の顛末。民間人を保護したと聞いた時には僅かに動きを見せた。

全てを語り終えた後、閣下は静かに口を開いた。

元帥「今回の特務、大儀であった。正式な指令書は少し掛かるが、今後は件の大穴災害について情報収集を任せる事になろう」

六人会議では末席である俺の主な任務は、各地を巡る事だ。他の大任が無い為に身軽なので、必要に応じて手を貸す事が多い。
元帥閣下はここで公国軍の統括をしていなければならず、二名はそうそう公国を離れる事の出来ない身。
残りの二名については詳しい所在すら分からない始末である。六人会議と言えど、揃う事はまず無い。

アナゼル「了解しました、これより司令部内で待機し指令に備えます」


さて、久しぶりの公国だ。これから数日は落ち付けるものと思うが……

【選択肢】10/6

・今後公国での自由時間には下のような行動選択が数多く挟まれます

1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【イデア】

2.調べ物をする
・旅先で見付けた【気になる事】や【人】、【歴史】などを調べる事が出来ます
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容については再度安価します

↓ 同レスのコンマが1~3の場合……

まずはイデアに会いに行こう。その為に帰ってきたのだ。
初陣まで間もないが、ちゃんと準備はしているだろうか?

エタルニアの中心、公国軍総司令部の48階に「元帥令嬢の居室」、つまりイデアの部屋がある。
六人会議の議事堂からはすぐ近くなのだが。

????「おや、これはこれは」

角を曲がって見えたのは、白衣にインテリ眼鏡の青年。不運にも、こんな時に嫌な奴と会ってしまった。

????「公国に戻ってらしたのですか、お勤めご苦労様です」

アナゼル「そちらこそ、日々の業務に御精が出る様で」

ヴィクター・S・コート。六人会議の一員にして「導師」、白魔道に精通した医学博士だ。
若干25歳の若さでエタルニアの医学発展に大きく貢献した天才であり、その業務上エタルニアを離れる事は多くない。
とにかく冷静な人物であるが、組織としては少々困った面もある。

アナゼル「……今日は、その、一緒ではないのだな」

ヴィクター「ええ、本日は“調整”ですので部屋にてお休み頂いております。元帥閣下への報告もそう長くは掛かりません」

アナゼル「……それでは。失礼する」

ヴィクター「こちらも特に貴方とお話しするような事はありませんので。御機嫌よう」

足早にその場を立ち去る。はっきり言ってあいつは苦手だ。何というか、精神的に危うい感じがする。
いつもはもう一人、憎たらしいくせに強い子供と一緒に居るのだが、今回は珍しく一人だ。
こいつ一人ならまあマシなのだが、二人揃うと途端に手がつけられなくなる。
何せ子供は妙に残虐で我儘だし、ヴィクターはその一切を肯定し出す。二人相手では分が悪い。

【ヴィクターに会う事が出来るようになりました】

さて、気を取り直してイデアの部屋に向かおう。

落ち着いてノックを2回。声が掛けられたのを確認して、そっと戸を開く。
イデアはどうやら荷造りの途中のようだ。出陣は四日後の予定、早くから準備しているとは感心だ。

イデア「あ、あれれ~?え~と、どこにいっちゃったのかな?」

……なんだ、失くし物をしただけか。感心して損した。
もっとこう元帥令嬢としての自覚を持ってだな、一人前の軍人としても恥ずかしくない物品の管理を……!

イデア「アナゼル!少し振りだって言うのにいきなりお説教はやめてよ、もう」

いや、しかしだな。備品の紛失は軍規に悪影響を与える訳で、新人と言えども気を引き締めて掛からなければ万が一の……

イデア「あ~もう!うるさ~い!それだけ言いに来たんだったら帰ってよ!自分で出来るから!」

【選択】イデアとどんな話をしよう?

1.いよいよの初陣と空挺騎士団について
2.今回の特命で行っていたカルディスラについて
3.大穴の災害について
4.良かったら、久しぶりに稽古を付けてやろう
5.その他ご自由に(内容を明記)
※あまりにひどい内容やメタ的な内容の場合、無効となることがあります

↓1~3くらいを総合的に

・本日も遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。
少々遅くなりすぎた気がしますがどのくらいの時間がいいのやら。

・自由行動パートにより安価の数がマッハで執筆速度は大幅ダウンの予感です。いやはや。
他の安価スレとかを見てるとあの速さは実に羨ましいと思います。

・それにしても最近安価スレが多いですね。自分も負けないように地道に更新したいと思います。
皆様の助けもあってとうとう100レス。目指せ1スレ完走の精神で頑張ります。

↓このレスは含めずに安価どうぞ

(実は連投になったり一人で取りすぎになるから自重してたとか言えない)

そのままイデアの失せ物探しに付き合いつつ、荷作りの手伝いをする。
少し前にも書いた気がするが、出陣の日まで間もない。少々先が思いやられるが、まあ新兵なら仕方ないか。

日常を共にすることにこの上ない喜びを覚える。最近あまり落ち付いた時間を過ごす事が無かった。
少し前にはエタルニア厳高地の地殻変動とその対応に追われ、測量や事情説明などで飛び回っていたし、ついこの前までは特命があった。
イデアに聞かれるまま大まかな最近の話をし、やがて話題は目前に迫った初陣の事に移っていく。

イデア「アナゼルは空挺騎士団の人と知り合いなんだっけ?じゃあ、あたしの上司ってどんな人なの?」

む。イデアの上司は副長オミノス・クロウ……直接の面識はないんだが、性格面の問題を抱えた人物とは聞いている。確か……

アナゼル「自分の思い通りにならない事を嫌い、女性や押しの強い人物に弱い内向的な人物……だったか。イデアとはあまり相性が良くなさそうだな」

イデア「なにそれ、ちょっと不安……何かいい方法、ないの?」

アナゼル「ああ、そういう時はだな……」

【選択肢】困った上司

・人間関係って難しい問題です

1.「ひたすら耐えるしかないな」(イデアのエタルニア離反率:五分のコンマ判定)
2.「そういう奴には上手く乗せるコツがある」(エタルニア離反率低下)
3.「思う様に行動するのが一番イデアらしいぞ」(エタルニア離反率向上)
4.「……済まない。俺もすごく不安になってきた」(関心事【イデアの所属先見直しについての提言】を取得)

3

・このスレッドは連投も取得も(とりあえず)ウエルカム!>>106さんとかも遠慮せずにどうぞ!
気が引ける時は安価下しつつ雑談するのもいいと思います!

・うむむ、このスレッドの運営方針も考え時なのでしょうか。休日深夜のみに絞るとか。
本日はここまでにしておいた方が良さそうなのでここまでで。
この様なスレッドを見て下さっている方々、いつもありがとうございます。

・このスレが「調味料スレ」にならずに済みますように。がんばるぞ!

・あ、安価はいつものように↓へどうぞ。こう書き込むのももう定番ですね。

・何ということだ、>>109さんごめんなさい!長文書いてたら丁度安価が来てるとは思いませんでした!
今度から書き込む前にもう一度確認するようにします!許して下さい!

・安価内容を承知しつつまた今度!早ければ明日にでも!

・こんなにも見てくれている人がいる、こんなにうれしい事はない。
本日もどうぞお付き合いください。

・怒涛の連日投下……と言うわけではなく、昨日投下しようと思っていた分です。とは言わない。

・昨日はテンションが上がりすぎな【!】が多過ぎでちょっと気持ち悪かったです。反省。

アナゼル「こう言うと無責任かもしれないが、思う様に行動するのが一番イデアらしいぞ」

イデア「え?どうゆうこと?」

アナゼル「あれこれ考えるのもいいが、良くないと思ったならしっかりその旨は伝えるべきだ。もちろん理解しようとする努力は必要だが。

よく言っているが、白と黒の両方を深く知らなければ、決して灰色を知る事は出来ないんだ」

イデアはよく物事を「黒と白」に分けて考える事がある。自分の信念や価値観、道徳観と照らし合わせて善し悪しを決定付ける考えだ。
完全な二極化と言うのは正直立ち行かないのが世の中であるが、正解を追い求める事は若者の特権であり必要な事だ。
軍人として生活を続けるならいつか理想と現実の狭間に立つ日は来るだろう。その日まではせめて、思うままに行動してほしい。
自分の心の中に灰色を作れる余裕が出来るまで、暖かく見守ってやりたいと思う。

アナゼル「分からないならまだいい」

イデア「む、なんだか大人の余裕ってカンジ?イヤなカンジ~」

【イデアの勢いに任せた行動が強化されます】

アナゼル「ところで、出陣式に向けて準備はしているのか?」

イデア「え?何何、何の話?」

アナゼル「出陣式では新兵から代表を募って真剣での試合がある。縁起を担いでわざと負けてはくれるだろうが、あまり無様だとみっともないぞ」

イデア「い、いやぁ~……私が選ばれるとは限らないし」

アナゼル「今回の出陣式は多分剣聖殿が出席されるし、そうでなくても元帥令嬢なんだ。代表は十中八九イデアだぞ」

イデア「え~、うん、ちょっと自信無くなってきた……」

少し危機感を持って欲しいと思ったのだが、ちょっと苛めすぎただろうか。
元々考えるより体を動かしている方が似合うのだから、そろそろ荷作りは止めにしてここに来た目的を果たそう。

アナゼル「その、良かったら久しぶりに稽古を付けてやろうか?色々教えたいこともある。例えば……」

【選択肢】特訓だ

・習得に成功しなくても微少の補正値は積み立てられます
・アナゼルの知っている事しか教えられません。他のアスタリスク所持者と友好度を上げることでアナゼルの技能知識は充実します

1.素人には難しい。実践暗黒剣(習得率:極低)
2.色々流派の混ざった実戦的剣術指南(習得率:高)
3.いざと言う時に役立つ、基本にして深淵。徒手体術(習得率:並)
4.その他アナゼルの教えられそうなことなら自由安価で

アナゼル「これでも様々な遣い手に師事している。折角だから剣術の修練はどうだ?」

イデア「そうだね、師匠相手に一泡吹かせるくらいはしてみたいかなーって」

アナゼル「さて、覚悟して付き合ってもらおう。俺は甘いものはそんなに好きじゃないんでな、甘くはしないぞ?」

イデア「私は甘々なものの方が好きかな~……」


総司令部別棟の屋内訓練場。万年厳しい気候のエタルニアでは行軍訓練も行うが、いつも屋外では流石に身体を壊しかねない。
それ程よく使われている場所ではないので、今回も都合よく空いている。

互いに訓練用の剣を構え対峙する。イデアの構えはここ数年で大分隙が減ってきた。剣聖殿の指導の賜物だろう。
しかし、本物の戦闘を知らない故の隙はまだまだ見え隠れする。そこを知って貰わなければならない。

聖騎士の堅守、剣聖の柔、騎士の機転、そして我流の剛剣。全て合わせたこの剣の閃き、是非味わってもらおう。

アナゼル「さあ、お手並み拝見と行こうか!」

【コンマ判定】二聖の愛弟子と妹弟子

1:イデア「あっ」グギッ
2~6:イデア「こういうの、ちょっと新鮮なカンジ」
7~9:イデア「まだまだ!」
0:イデア「何か、掴めそうな気がする」

↓コンマ1

イデア「こういうの、ちょっと新鮮なカンジ」

ひとしきり汗を流し、互いに息を吐く。なかなかどうして、剣筋はいいものだ。
華奢に見える体格からは予想出来ない程に力強い剣閃が繰り出され、単刀直入な性格をよく表している。

イデア「師匠や、エインフェリアさんとは稽古した事あるけど、アナゼルの剣はまた違うね」

アナゼル「ああ、俺のオリジナルでもあるし、ハインケルの分もある。それに、元帥閣下の剣もだ」

色々な相手と稽古することはとても大切だ。広く見聞を深める事の重要性を元帥閣下はよく俺に説いていた。
土地ごとの違い、流派ごとの違い、それを伝える為に今の地位を下さったのかもしれない。本当にありがたい。

アナゼル「今は忙しいかもしれないが、一段落ついたら元帥閣下に稽古を付けてもらうのもいいかもしれないな。

あの方の剣は凄いが、そろそろイデアも相手にはなる腕前だとは思うぞ」

剣を交えたコミュニケーション。真の達人は剣にて語り、剣を以ってその生き様とする。その域までは俺もまだまだだ。……だが、

アナゼル「さあ、もう少し続けよう。剣を使うだけが剣術じゃないぞ、盾や身体の使い方も覚えてこそ幅が広がるってものだ!」

剣の道は人と人を繋ぐ道。今はその縁に感謝するのみだ。

【イデアのナイトLVが上昇しました】【公国訓練場への移動が可能になりました。任務が無い場合、移動して訓練に励む事が出来ます】

【選択肢】10/7

・現在は任務待機中のため総司令部から出る事は出来ません

1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【イデア】【ヴィクター】

2.調べ物をする
・現在の主な調べ物:【ユルヤナ地方】【クリスタル正教の実態】その他、人や地域について調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容については再度安価します


↓2 同レスのコンマ1が7の場合……

公国総司令部48階。今日もまたイデアに会いに来てしまった。
イデアに会う以外にやる事は無いのかと言われれば無いわけではないが、後ででもできる事ばかりだ。
今の内に会えるだけ会っておきたい。任務が始まればお互いに忙しくなるだろう。

小さくノックして、許可を得てから部屋へ踏み込む。
見れば、ちゃんと荷作りを終わらせて休憩中のようだ。感心感心。

イデア「お父様とお母様の写真も持ったし、観光ガイドブックもバッチリ!」

……はぁ。

【選択肢】何をしよう

1.今日も稽古だ
2.たまには座学とかどうだろうか
3.雑談したい(内容も)
4.その他可能な範囲で

・と言うわけで、本日はここまでとなります。どうもありがとうございました。
人がいっぱいいると元気になります、魔力共鳴のごとく。いつもありがとうございます。

・イデアちゃんカワイイヤッター!皆さんイデアちゃんの事好きですね、私は男衆が好きです。
いつぞやの電撃キャラ投票ではグッドマン司令とロッソ侯爵に票を投じました。

・それではまた。どこかの夜23時位からひっそりと頑張ります!

まだかなー

・ドーモ、皆さん。私です。>>132さんに予知されていたのですが、見直してみたら殆ど金曜夜でした。
色々忙しくてどうにも……努力目標5日以内とか言ったの誰だ。では今日もよろしくお願いします。Wasshoi!

・ダイレクトマーケティング。安かったので「CRIMSON SHROUD」と「ガンマンストーリー」を買いました。
素朴で面白いいいゲームだと思います。二つ合わせても(今なら)600円。実際安い。

・上の二つもですが、古き良きACTとか雰囲気のいいRPGは大好物です。
前者ならゴエモンシリーズとか、後者ならワイルドアームズ3rdとか。BDFFもそうですね。

アナゼル「いつもいつも身体を動かしてばかりと言うのも問題なので今日は勉強をしようか。

世界地理、歴史、軍略に魔法基礎、放っておいたら自分じゃやらないだろう?文武両道が理想だぞ」

実務に入ってから勉強をするのは正直難しい。覚えるべき事が多くなるのもそうだが、何より実働関係の方が「優先度が高い」。
今必要でない、これから必要になるかも分からない内容を勉強していく余裕が無くなるのは大問題だ。
実際俺も手帳の記述がてら読書に時間を割き始めたのは、余暇を空けられるようになってからだ。

一介の軍人、単なる歯車のまま終わるなら学は無くてもよい(必要に迫られないという意味であり、あるに越した事は無いし最低限の知識は要ると思う)が、
そこは何といっても元帥令嬢。まだちょっと想像は出来ないが、いつかは公国を継いでいくのではないだろうか。
そうあれかしと願われる身ならば、年上に舌を巻かせるほどの学が無くては示しが付かない。相応の心・技・知が求められる。

……俺もまだ20だが。剣の腕は公国五指、知識も浅く広くではあるが年の割には備えているものと自負している。
傲慢かもしれないが、今の俺を追い越すぐらいはしてもらわなければ困るのだ。

【選択肢】今日の科目は

a.世界地理
b.古代エタルニア史
c.近代エタルニア史
d.魔法基礎論
e.武術座学

1:アナゼル「……」
2~5:【関心事】入手
6~8:【レア関心事】入手
9~0:【関心事】【レア関心事】両方入手

↓ 同レスのコンマ1で判定

アナゼル「今日のテーマは土地としての古代エタルニア史……つまり、クリスタル正教成立の頃の話だな」

イデア「それってつまり、どのくらい前?」

アナゼル「クリスタル正教の成立は旧エタルニア王国の滅亡とほぼ同時期、今からおよそ2400年程前の出来事だ」

イデア「あ……数字を聞いただけでちょっと目まいが」

かつて存在した旧クリスタル教とエタルニア王国はあまり好ましい関係では無かった。
歴史書によれば、エタルニア王国がクリスタルを独占しようと企み、旧クリスタル教徒の慈悲を撥ね退けた結果滅びたとある。
……真偽の程はさて置き、新体制としてクリスタル正教が発足。しかしその門出はあまり順調では無く、初代教皇は就任から1年の後病に倒れる。
その後も教皇となった人物はあまり永らえる事なく、また例外なく病に倒れ伏したと言う。

一説には、正教に恨みを持つ者が悪魔と契約し、夜を統べる復讐の王・吸血鬼(ヴァンパイア)が暗躍していた、などの雑記もある。
こちらも真偽の程は怪しいものだが、貴重な当時の風俗資料である。

しかして、吸血鬼かどうかは兎も角、実際に正教と対立している者がいたのは確かである。
正教歴にして500年頃、今から約1900年ほど昔にその吸血鬼について再び記述が現れるのだ。

時の教皇は恐るべき力を持つ賊に対し、正教内でも最高の実力を持つとされる20歳の若き司祭を異端審問官として選出。
この人物が吸血鬼と長い長い戦いを続けることとなる。その戦いは実に80年も続いたとされる。
余談だが、その激しい戦いによって大地が割れ、山が怒り、緑が消し飛んだなどの記述もある。流石に与太話の域を出ない。

そうして司祭は100歳の時、人生を賭けた戦いの末にようやく不老不死の吸血鬼を討ち取った。
その功績を讃え、教皇に並ぶ地位として「大司祭」の座が創られ、恩賜として彼の名を冠する土地が与えられたという。

アナゼル「それが、現在ユルヤナ地方と呼ばれている地域……だそうだ。なるほどな」

イデア「不老不死の怪物もそうだけど、80年間戦い続けたって言うのもちょっと信じられない話だよね」

アナゼル「全部が全部真実とも限らなければ、何か別のものを言い換えた可能性もある。歴史研究と言うのもいいものだぞ」

イデア「それじゃあ、本当じゃなかったとしてもその司祭ってよっぽど強かったんだね、ちょっと興味あるなあ」

アナゼル「ただこの話の怪しいところは、その後の事についてが殆ど残っていない事だ。

大司祭のその後、正教のその後、詳しい歴史資料の大半が作為的なまでに抹消されている」

イデア「うーん、もしかしたら不老不死の怪物が実は生きてるとか!それで証拠を消す為に……」

アナゼル「ああ、今は誰もその可能性を否定できないな」

【ユルヤナ地方の由来について知ることで疑問がやや解決しました】

10月8日。任務待機も三日目、イデアと共に過ごす時間はあっという間だ。
今日は何をして過ごそうかと考えていたのだが、何やら司令部内が慌しい様子だ。
只ならぬ事態と判断し、取り急ぎ情報部へ向かうと耳を覆いたくなるような報告が飛び込んできていた。

公国情報員「ラクリーカより、風の巫女失踪の報が入電!行き先はカルディスラです!」

ラクリーカ王国の重要監視地点である風の神殿が、もぬけの殻になっていたと言うのだ。
巫女はおろか大勢いたであろう修道女の一人も見付ける事は叶わず、港の旅客名簿を調べたところカルディスラ行きの船に名前があったと。
……実際は昨日頃には分かっていた事らしい。突然の動きを追えなかった事はいいが、報告が遅れた事は見過ごせない。
所詮は志無き者、いつ裏切られるか分からない。現地を統括するマヌマット・ボリトリィ商会への苛立ちを隠さず足早に情報部を立ち去る。

当代の風の巫女、その名を「アニエス・オブリージュ」。
今までただただ祈り続けてきたクリスタル正教が、何をしようと言うのだろうか。

六人会議・議事堂。風の巫女失踪の報は公国軍の中を駆け巡った。
元帥閣下と俺の二人で話し合い、今後の任務を見越してカルディスラへの派兵……つまりイデアの初陣だ……を一日前倒すことになった。
公国軍の総意として正式に最優先目標、「風の巫女の捕縛」が発令され、全軍はそれに従って活動することになる。
結局俺の次の任務は未定になりそうだ。風の巫女がどれほどのものか知らないが、空挺騎士団ならば幾許も掛からないだろう。

元帥「アナゼル、巫女の確保は最優先事項である。不測の事態に備え、公国で待機して貰いたいのだが」

アナゼル「……御言葉ですが、少々巫女を過大評価し過ぎなのではないでしょうか?空挺騎士団に万一があるとは思えませんが」

元帥「世界を救うためには、巫女を捕えねばならない。慎重になりすぎるくらいが良い、と。私はそう思っている」

アナゼル「……そうまでして求める巫女とは、一体どの様なものなのですか?」

元帥「クリスタルの巫女はクリスタルを正しく扱う事が出来る。そして、誤った扱いをすることも出来る」

アナゼル「土のクリスタルのように、現在の公国による管理が正しくないとは思えません」

元帥「あれは違うのだ。適切な対処をしただけに過ぎん」

土のクリスタルから抽出されているエネルギーは、白魔道の波動を強化し転用する事で医療を支えている。
病の一切を克服したと外の国々は噂し、いつしかエタルニアは「不死の国」とも言われている。

クリスタルに頼らない人々の生活、そして信仰対象としてではないクリスタルの公国による適切な管理。
アンチクリスタリズムの理想を叶える時、この国にある土のクリスタルはどのように扱われるのか。
その恩恵を享受している公国民の生活がどう変わるのか。それはまだ分かっていない。

しかし、その中で何故巫女が必要なのだろうか?巫女による扱いとは一体何なのか。

元帥「アナゼル。今のお前にはまだ判断材料が足りていないのかも知れん。大穴災害以後世界で起きていると言う天変地異についての調査を任せよう」

ルクセンダルクには分からないことが余りにも多すぎる。俺はそれを知らなければならない。……そんな気がする。

【土のクリスタルについて疑問を持ちました】

【選択肢】10/8

・【関心事】については人に聞く事での解決も一つの手段です
・分かりやすいように【レア関心事】にマークを付けてみました
・先程の「座学」の内容それぞれについて調べることも出来ます


1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【イデア】【ヴィクター】

2.調べ物をする
・現在の主な関心事:【ユルヤナ地方(これ以上調べられません)】【☆クリスタル正教の実態】【土のクリスタル】
・その他、人や地域、歴史などについて調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容については再度安価します

↓同レスコンマ1が7の場合……?

少々時間は経っているが、折角公国に居るのだからやはりイデアに会いに行こう。

急な予定変更で出陣が翌日になった為か、イデアも慌てて準備を見直している。
先日荷造りを手伝っていなかったら、今頃は酷いことになっていたのだろう。

アナゼル「イデア、いよいよ初陣だな」

イデア「あ、アナゼル。そうだね、明日なんて、ちょっと急でビックリしちゃった」

微笑む顔は可憐な花のようだが、今のイデアはその裏に儚さを隠しているように感じる。
やはり不安なのだろう。生まれ育った地を離れる事、戦いに出る事。何もかもが今までとは変わっていく。

アナゼル「イデア、無理するなよ」

頑張り屋な君の事だ、きっと思ったままに行動するし、無茶もするだろう。その方が君らしいんだ、止めはすまい。
けれど、せめて無事に帰ってきて欲しい。それだけが俺の願いだ。

【選択肢】何か伝えておく事は

1.ティル・オーリアと言う知り合いの事
2.困った時は空挺騎士団の幹部(オミノス除く)を頼る事
3.自分を信じて行動することを忘れない事
4.その他何かあれば自由安価で

↓2

・自由安価の時は↓2にしようと思ったのですが今後は止めておくことにしますね。
本日もこの様な遅くまでお付き合いありがとうございました。

・久々に文章をいっぱい書きました。この初期の形式の方が個人的には好きなのですが、
安価が多くなるとどうしても短くまとまり気味ですね。

・頑張って来週には来ますの予定ですが、場合によってはすぐの可能性もあります。安定しないなあ。

と言うわけで安価はこのレスをカウントして↓さんにお願いしますね、お疲れ様です!

・こんばんは。もう毎週金曜日が定番化しつつありますが、今週はちょっと忙しくて遅れそうになりました。
もし「来ます」と言って来れなかったら残念なので、自分勝手ながら固定化はしない方針でお願いします。
もちろん、一週間で投下できそうにない時は連絡させてもらいたいと思います。

・今回はちょっと文量が多くなりすぎたので二回安価分出来るかは怪しいです。申し訳ない。

・では、相も変わらずこの様なスレですがお付き合い下さる方、見て下さってる方、いつもありがとうございます。
今日も今日とてまったり進行で始まります。

アナゼル「そうだ。イデア、ちょっといいか?」

カルディスラには彼がいる。自分で会いに行く機会はまず無いし、相手が会いに来ることもないとは思うが。
純粋にどうしているのか気になるのでイデアに話をしておくか。

アナゼル「カルディスラにちょっとした知り合いがいるんだ。もしも機会があったら様子を見ておいて欲しい」

手近な紙を掴み、記憶を頼りに手を動かす。幾重にも引かれた線の集合はものの数分で形を為す。
……うん、我ながらいい絵だ。これなら誰が見ても分かる。

イデア「え、知り合いってこの子が?なんだかちょっと意外かな、アナゼルにしては」

アナゼル「ああ、自分でもそう思っている」

元気にしているか。希望を失ってはいないか。村の人は見つかったか。
何と声を掛けるべきかは分からないが、自分のしたことの責任は果たさなければならない。
命を救ったならば、奪ったならば、その先を見届けなければならない。

【イデアにティルの容姿を伝え、助けになるよう頼みました】

その後暫く話し、荷物の最終点検にも付き合い、思い出話や小言を交わしていつものように別れた。
特別なことは何も必要はない、ただいつも通りに。

廊下に出ると少し寒い。万年雪の高地だが秋ともなればまた一層寒くなってくる。
外は雪、夜の帳が落ちて降雪が目立つ。予報によれば明日には晴れるとの事だ。

世界が大きく変わっていく事への不安はあり、その中にイデアを送り出していくこともまた不安である。
……手帳を見返してみると、俺も随分グダグダと思い悩んでいるものだ。
悩んでいてもこればかりは当人の問題だろうに。

明日、イデアの出陣式を見届けた後、俺もまた公国を発つ。
世界を見回り、起きている異常について調査する任務だ。
まだどこへ向かうかも決めていないが、取りあえず動き出せば何かを掴めるのだろうか。

大穴の事、世界の異常、巫女の事。各地の公国軍を視察するのもいい。そのついでにまた食文化に舌鼓を打ち、甘いものがあったなら土産も考えよう。

公国歴16年、10月9日。予報通りのよく晴れた朝。
公国軍総司令部別棟、屋内訓練場。数千人を収容できるこの場所に、多くの新兵を含む部隊が集結していた。
今日は新たにカルディスラ地方へ向かい、空挺騎士団の指揮下に入る者たちの出陣式だ。
ここ暫くは新規の任務が無かった為、これを初陣とする兵は少なくない。

その中で、イデアは両刃の長剣を構える。出陣式の目玉、真剣試合だ。
相対するは公国にその人ありと謳われる、“剣聖”ノブツナ・カミイズミ。イデアの剣の師だ。
若草色の美しい着物は、かつて存在したと言う和の国の意匠を感じさせる。そしてその剣の技もまた、和の国伝来のものと言われている。

細く平たい芸術品のような曲線美と、鋭く研ぎ澄まされた片刃が特徴的な独特の武器、“刀”。
打ち合いには向かないが、切れ味や殺傷力は目を瞠るものがあるそれを誰よりも上手く扱う。
その上武器と言う武器、刃物の類であればおよそ扱えぬものは無い。それ故の剣聖である。

試合は接戦とまでは行かないものの、白熱したものである。
イデアが体躯に似合わぬ膂力で剣を振るえば、剣聖殿は流水か舞う木の葉かのようにそれをいなす。
普通は性別が逆なのではと思うが、剛剣と柔剣の邂逅であろう。

しかし力強い剣も、当たらなければどうにもなりはしない。
滑らかで、緩やかで、優雅な舞のようにすら見える体捌きは全ての剣閃を逸らしていく。

イデアの動きには少し緊張が見られるようだ。無理もない、相手が父親と肩を並べるあの剣聖なのだ。
しっかりしろ、と気つけの声を上げてしまいたい衝動に駆られるが、ぐっと堪える。
これはイデアの試練であるし、神聖な試合に部外者が口を出すべきではないのだから。

ふと、二人の目が順にこちらを見た気がした。
意識を向けられた感覚と言うのだろうか、信頼の籠った眼差しを感じた。

イデアが剣を右に構えて遠間から走り込む。あのまま大振りに叩きつけるのではまず当たらないが……
次の行動は以外にも突きだ。構えを崩しながらも勢いは乗せ、厚い刃が剣聖の体を真っ直ぐに……いや、僅かに左寄りに狙う。
このブレを見逃す甘さは無く、身体を傾けイデアの右に回り込むと刀の峰を刃に叩き付けんとする。武器を落として終わりか?
突き出した腕が伸び切った状態では剣を保つ事は出来まい、これで終わりかと思ったその時、あのブロードソードが消えた。

次の瞬間、イデアの掬い上げるような切り上げが剣聖の刀を打ち、天高く搗ち上げた。

右腰から突きを繰り出したイデアは、自身の体が流れる方向を理解し態と突きを左に逸らした。
当然相手は右側に回り込み、側面からこちらを狙うだろう。特にこの試合では武器を狙って決着とする所だ。
勢い付けた突きを外して体勢が崩れた様に見せ掛けた後、そのまま力と勢いを持って全身を左に捻る。
大きく身体を一回転させ、武器を打ちに来た相手の獲物を斜めから打ち上げた。そう言う技だ。

全く、いくら力には自信があると言っても無茶をする物だ。
一歩間違えば本当に体勢を崩しかねないし、そもそも実戦では相手が武器を狙ってくる可能性は薄い。
一瞬ながら相手に背を向けると言うのもかなり危険な行動であり、フェイントとしては大胆過ぎて読めなかったというところか。

しかし、その勝とうと必死な所は素晴らしい。勝つ為に考えていたのか?
先日俺は「技によって生まれる力があれば、その逆。力によって生まれる技もまたある」と説いた。
要は今ある物を活かせば方策が浮かぶと言う物で、剛柔いずれも貴賎は無い。
あれがイデアなりの「力技」なのだとしたら、俺はそれを褒め称えよう。

……もちろん、実戦に則した駄目出しは容赦なくするがな!

そうして数瞬の後に刀が地に落ち、音を立てる。
誰が見ても明らかな、決着の印である。

緊張した空気が少しずつ弛緩し、兵の間に広がっていた動揺が、理解を受け入れざわめき立つ。
イデアの表情は遠目に分かりづらいが、多分驚きと自信の混ざった顔をしているだろう。
一方剣聖殿は、いつも通りの細目ながら僅かに笑みを浮かべている。成長を祝う気持ちがあるのだろう。

ゆったりとした動きで先程の獲物を拾い上げると、愛弟子に向かい礼をした。
気が緩んでいたイデアは慌てて居直り、返礼する。ああいう態度が愛らしい。

剣聖「己の味を活かした技、見事だった。これからもその剣、己の心と共に決して曇らせる事の無いよう精進しなさい。

……愛弟子の初陣に餞別をと考えていたが、今の君には預けられる。この刀を持ちなさい」

名を「伊勢守」、剣聖がいつも差していると言う刀である。どう言った曰くがあるのかは知らないが、とても大切にしている。
それを預けるのだ。卒業か皆伝か、確かに認められた証となる。

そうして出陣式は終わり、兵たちがあのエシャロット号へ乗り込んでいく。
イデアはこちらを小さく振り返り、他の者に気取られない程度に手を振り微笑んだ。
独特の機影が見えなくなるまで、俺は敬礼の姿勢を崩さなかった。

ああ、イデアは行ってしまった。
その行く先に困難が立ちはだかろうとも、それを乗り越えられるよう強くあれ。
その道程に幾つもの迷いがあろうとも、己の道を歩みたまえ。


次に会えたら、全てが終わって帰ってきたならば、その時に。
話したいことがあるんだ。

【選択肢】10/9

・今後の事を考えなければいけません。カルディスラ以外のどこの地方へ調査に向かうか、相談や調べ物をするのも良いかも知れません
・人と会う切っ掛けは色々な所に転がっているのかもしれません

1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【ヴィクター】

2.調べ物をする
・現在の主な関心事:【ユルヤナ地方(独学ではこれ以上は不可)】【☆クリスタル正教の実態】【土のクリスタル】
・その他、人や地域、歴史、>>135の内容なども調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容については再度安価します

3.公国内を移動
現在の公国内で移動できる場所:【公国市街地】【総司令部訓練棟(誰か居るようです)】

↓同レスコンマ1が7の場合……?

……公国総司令部蔵書室。かつての教団本部から集められた古書や公国の運営に関わる書類が集められている。
今日ここを訪れたのは他でもない、以前元帥閣下が言っていた事についてだ。

アナゼル(“土のクリスタルは適切な対処をしただけ”、公国の目指す管理とは違う。あの言葉の真意は一体?)

土のクリスタルが放つエネルギーを抽出し、それを白魔道に応用して強化する事で医療技術を発展させた。
それが公国内での一般認識である。俺もそういうものだと思っていた。

この認識の何が違うんだ?過程を分解して考えるんだ、管理とは違う状態である事、真に望ましい状態ではない事、白魔道医療……。


1~5:「……昔から公国にいる人物なら何か知っているかもしれない」
6~8:「……医療目的では、ない?」
9~0:「“抽出した”、これが違う……のか?」

↓コンマ1

・レスがつかないので本日はここまでになります。お付き合い頂いた方々、並びにいつも見て下さっている方々ありがとうございました。

・過去を知り信頼を集め、絆の力で未来を掴む。ここからどの様に未来を切り開くのかは私にもわからない楽しみです。

・では。判定コンマはいつも通り↓にお願いしますね。

・こんばんは。初めましての方はありがとうございます、毎度の方もありがとうございます。私だ。
こっそりチマチマ投下していきますね。進撃見る時間は投下途切れるかもしれません。すまぬ。

・今日はゴルフ回だったので何となく物足りない日曜日でした。

・ロストヒーローズをまた遊びたくなったので、「斬属性縛り」で遊んでます。
最近になってやっと縛りプレイの良さに目覚めつつあります。

アナゼル「……分からない、分からないな」

意図的に、ではないのだろうが、これについての資料が見当たらない。
初めから邪推するような事が無かった……とは思えない。一切の資料が無いのはおかしい。
保管場所が異なる可能性もある。土のクリスタルのある旧正教本部、今は“不死の塔”と呼ばれている場所か?
だとすると厄介だ、あの場所への立ち入りは極一部の者に限られている。

ならば、他の方面から調べてみるしかない。
地のクリスタルが現在の状態になったのは公国建国後間もない。当時から参加している兵なら何か知っているだろうか。
公国建国当時から籍を置いていた人物は……

1:空挺騎士団幹部(の内三人)
2:ボリトリィ
3:ナジット
4:エインフェリア
5:ディローザ
6:カミイズミ
7:バルバロッサ
8:カ・ダ
9:ヴィクター

0、もしくは同じ数字の場合は「もう片方の数字に隣接する2つ」
例:コンマ【30】では2・3・4の情報、【33】でも同様
00の場合全て

↓のコンマ1と10

古い資料となるとあまり整備されていないが……断片的にあった。これらの人物について下調べをしていこう。

……フィオーレ・ディローザ。正教総本山強襲部隊の副官を担当し、保管されていた資料や物品の押収などを担当。
“赤魔道士”であり、魔法から戦闘まで何事も器用にこなすオールラウンダー。今年で38歳。
出世欲が強く、常にそのチャンスを狙っている少々危険な傾向のある人物で、上辺の付き合いが目立つ。
現在は“艶花の国フロウエル”にて“ブラッドローズ特務隊”の隊長、国内での正教信仰衰退に向けた工作を行っている。
……上告が揉み消された跡があるが、武力でないにせよ少々性急で過激な手段に訴えている、ようだ。信頼のおける人物かは怪しい。

それと……ノブツナ・カミイズミ。神殿強襲部隊の隊長、元帥閣下の右腕として制圧を実行。
先の出陣式で見たばかりの“剣聖”と呼ばれる人物。元帥閣下とは古くからの付き合いを窺わせ、並べて“二聖”とも。
常に落ち着いており、正々堂々とした精神の持ち主。俺も師事した事があるが、とても立派な人物だと思う。
現在は……エイゼンベルグの内戦に秘密裏に介入?そんな計画が進んでいたのか、よく知らなかったな。
また数日間は公国に滞在している予定らしい。会いに行くには丁度いいな。


……なるほど、中々有意義な情報が得られた。
視察先を決める時にはこれを念頭に置いて考えるのも良さそうだな。

あるいは“不死の塔”に行く手段を考えるか、だが。
気が進まないが不死の塔の関係者……ヴィクターに頭を下げれば、不可能ではないだろう。……気が、進まないが。
いっそ忍び込むにしても【隠密技術のプロか腕のいい盗賊辺り、専門の協力者が必要だ。】そうまでする価値があるか?

しかし。今はこのように自由行動しているが、近日中に視察調査の行き先を決めておかなければならない。
そう、あと2.3日くらいか。可能なら事前調査などもしておきたいものだ。

【ディローザ、カミイズミについて情報を得ました。強襲作戦当時の事について聞くことが出来ます】

【選択肢】10/10

・現在の主な目的:「世界の異変についての視察調査」の行き先を決める

1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【ヴィクター】

2.調べ物をする
・現在の主な関心事
【☆クリスタル正教の実態】クリスタル正教の光と闇、信徒と宗教者の違い
【ユルヤナ地方】一通りの調べた、あとは実際に行ってみるしかないだろうな
【土のクリスタル】当時の事を知る人物に話を聞くか、不死の塔に行って調べるか……。

・その他、人や地域、歴史、>>135の内容なども調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容について明記されていなければ再度安価します

3.公国内を移動
現在の公国内で移動できる場所:【公国市街地】【総司令部訓練棟(まだ誰か居るようです)】

↓同レスコンマ1が7の場合……?

……公国軍総司令部第1階、白魔道医療プラント室。
重篤な負傷兵の治療や私的研究などに利用されているここが、ヴィクター博士の主な居室だ。
そこかしこに飛空挺に負けじと計器や配管があり、迂闊に触るのがいかに危険かは計り知れない。

衛生上の都合という名目で設置されている呼び鈴を鳴らし、許可が出た上で密閉扉を開けて中へ滑り込む。
勿論、来客用の前室だ。恐らくこの男が一番奥の部屋に通すのは、あの憎たらしい幼女だけだろう。

ヴィクター「御機嫌よう。態々大して関わりも無い私の所に何か御用ですか?」

アナゼル「……六人会議同士親睦を深めよう、とかでは駄目かな?そんなつもりは毛頭無いが」

ヴィクター「その件については概ね同意します。少なくとも私にはその必要がありませんから」

こいつは……隠すつもりが無いだけまだマシだが、この敵意と言うか無関心と言うか。
全身からそういう雰囲気を出している。

【選択肢】御用件を窺いましょう

1.調べ物をしたいので不死の塔に立ち入る許可が欲しい
2.白魔法を教えてほしい
3.【土のクリスタル】について聞く
4.【☆クリスタル正教の実態】について一応聞いてみる
5.【ユルヤナ地方】について駄目元で聞いてみる
6.その他に何かあれば自由安価で


アナゼル「土のクリスタルと、白魔法への応用について聞きたいことがある」

ヴィクター「色に似合わず勉強熱心ですね。良いでしょう、お答えしますよ」

……一々噛みついていては話が進まない、ここは堪えよう。質問をしている立場、俺は借りているのだから。


ヴィクター「土のクリスタルは教義によれば祈りの力、自然の力の集合体とも言われていますがこれは恐らく正確ではない。

私としてはエネルギーの変換貯蔵装置ではないかと推測しています。そしてそれを再度自然に還元する、謎めいた永久機関ですね。

その土のクリスタルから漏れ出すエネルギーは、白魔道の強化に利用され医療分野において目覚ましい成果を上げておりますが、

白魔道に限った事ではなく、恐らくはあらゆる分野に転用出来ます。黒魔道や気功のような物、薬や魔道具にも。

まあ、黒魔道の専任研究者が居ない為に開発はされていません。何より、元帥の意向に反する様子ですので」

アナゼル「エネルギーを増幅するエネルギー……か。それで漏れ出す、とは?」

ヴィクター「ご存じ無いから質問しているのだと思いますが、土のクリスタルのエネルギーは人工的に抽出しているものではありません。

元帥閣下と大層親密である貴方なら、最終的なクリスタルからの脱却とクリスタルの利用が明らかに相反している事に気付きませんか?

……強力なエネルギーが本来と異なる形で野に放たれると何が起こるか分からない。負荷を掛ける事でどの様なリスクがあるのかも不明瞭、

今は事故によって漏れ出したエネルギーを消費する為に転用しているに過ぎません」

ヴィクター「原因となった事故に公国は関与していないと聞いています。何より当時、その件について緊急協議が開かれた時は父も……いや、

誰も彼もが大変な慌てようでしたからね。意図的なものであったなら、その後の対処についても考えられていたでしょう」

アナゼル「……当時から公国軍に居たのか?それ程年には差が無いと思っていたが」

ヴィクター「ご存じの通り、私は有体に言って天才ですので。……質問は以上ですか?私も忙しい身なので、これで失礼しますよ」

アナゼル「ああ、貴重な話をありがとう。また気になる事があったら立ち寄らせてもらおう」


土のクリスタルは事故の産物、公国は適切な対処をしただけ。
巫女はクリスタルを正しくも誤っても扱う事が出来る唯一の存在。

もしかしたら、土のクリスタルからエネルギーが漏れ出した原因は……とすれば、巫女は非常に危険な存在だ。


【土のクリスタルについての疑問が昇華、クリスタルと巫女についての疑問に変化しました】

【ヴィクターと少しだけ仲良くなりました】

【選択肢】10/11

・現在の主な目的:「世界の異変についての視察調査」の行き先を決める
期限:10/13

1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【ヴィクター】

2.調べ物をする
・現在の主な関心事
【☆クリスタル正教の実態】クリスタル正教の光と闇、信徒と宗教者の違い
【ユルヤナ地方】一通りの調べた、あとは実際に行ってみるしかないだろうな
【クリスタルと巫女】巫女の能力……正教関連か、不死の塔で調べられるか?少し難しいか

・その他、人や地域、歴史、>>135の内容なども調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容について明記されていなければ再度安価します

3.公国内を移動
現在の公国内で移動できる場所:【公国市街地】【総司令部訓練棟(まだ誰か居るようです)】

↓同レスコンマ1が7の場合……?

六人会議の者は全員が対等であると共に、独自裁量での行動権を持つ。理屈の上ではそういう扱いだ。
ただ、実際がそうであるかと言うと違う。実質的には軍を統括する元帥閣下が一段上、その更に上に主権者であるエタルニア公王が居る。
……この公王と言う人物、俺は殆ど見た事が無いのだが。六人会議の万年空席枠、その片方が公王だ。

さて、議事堂にて元帥閣下に謁見の許可を取る。お忙しい方ではあるが、気さくにお話しして下さるのはとてもありがたい。
何かと良くして頂いているのをいつも感じ、あの日から貰ってばかりの自分が少し嫌になる。

元帥「アナゼルか。何かあったか?」

【選択肢】上司と話す話題とは

1.「巫女を侮っていた事、反省と謝罪をと」(視察を中止、公国残留を確定)
2.「閣下にも、ご息女にも良くして頂いており」(元帥一家についての話)
3.「調査の方針を決定致しましたので報告を」(視察先地域を次安価で確定)
4.「自分なりに調べて参りましたが、よければ」(強襲作戦当時の話)
5.その他何かあれば自由安価で


5

>>179
内容が記載されていませんので書き込みをどうぞ。今後は出来たら同レス内での記載をお願いします。

・安価ありがとうございました。そろそろ遅くなってまいりましたので、本日はこれまでに。
参加して下さった皆様、ご覧下さっている方々、いつも本当にありがとうございます。

・気付けばこのスレッドも一ヶ月半ほど経ち、容量が100KBを超えました。
完結まで何スレ分の文章を書くことになるかは分かりませんが、これからも頑張ります。

・ところで、>>171の窺うは伺うの方が適切でしたね。乏しい語彙を振り絞りつつ、極力ぼろが出ない様に気を付けたいものです。

・その内余裕がありましたら、ここまでのまとめとInterludeを作成したいと思います。余裕がありましたら。

・日付変わっちまったぜ。毎度の方もそうでない方もこんばんは、私です。
人がいれば今日も元気にブレイブリーデフォルトしましょう。

・特に書くことが無かった。

アナゼル「自分なりに調べて参りましたが、よければ当時。……公国建国前の作戦について、お聞きしたいと思いまして」

元帥閣下は少し驚き、納得した後で昔を懐かしむような目で宙を見た。
恐らく話しにくい内容であろう。俺はただ次の言葉をじっと待つのみだ。

元帥「……もう16年も前になる、時間の経つのは早いものだ。

あの当時、私は世界を渡り歩き見聞を深めると共に協力者を打診して回っていた。

それぞれの思惑があるだろうが、皆正教に対して腹に一物あるものばかりだった」

現在の公国軍幹部は確かに一癖も二癖もある者ばかりだ。しかしそれでも公国に所属しているのは、理由があるからに他ならない。

元帥「実際、この計画を主導していたのは私以外の二人だった。彼らは正教に何か思うところがあるらしく、私が引き込まれた形だ。

彼らの協力なくしてはここまで来れなかったと思う。感謝の意味も含め、六人会議の席は二つ空けているのだ。

……最も、彼らは初めの頃から表舞台に立つつもりは全くもって無いようなのだが」

現在のエタルニア公王と、もう一人。建国以前から計画を立て、元帥閣下がそれに賛同する形で合流した。
歴史書にも載っていないような話だ。しかし何故、彼らはそのような事をしたのだろう?
正教を攻撃するのに自身の手を下す訳でもなく、その後も地位名誉の一切を求めずに。

元帥「戦力も充実してきた頃、ある報せがあった。正教が近々ある大規模な儀式を執り行う、と言うものだった。

この儀式は何が起こるか分からない危険を秘めたものであり、私は止めるべきと直感していた。

その為に私は独断で当初の予定を大幅に切り上げ、妻と生まれたばかりの娘を置いて挙兵したのだ」

正教歴2385年、大規模な軍勢がクリスタル正教本部及び土のクリスタル神殿を占拠。
旧エタルニア王国侯爵の子孫を公王としてエタルニア公国の建国が宣言される。
これは有名な話であるし、皆良く知っている。

元帥「……しかし、僅かに遅かった。儀式の影響はクリスタルに及び、未知の危険をもたらした」

アナゼル「クリスタルのエネルギーが漏出した……でしょうか?」

元帥「うむ。巫女の祈祷はクリスタルを覚醒励起し、そのエネルギーを爆発的に高めると言う。

そのような危険な儀式を中断する為に、土の巫女は止むを得ず……私が斬った」

アナゼル「では、巫女の確保はクリスタル安定の為と言うことでしょうか」

元帥「…………彼らは、危惧していた。その為に、巫女を手元に置く必要があるそうだ」

彼ら、彼ら。その二人とは一体何者であり、何を考えて行動しているのか。
今の我々にはその思惑を理解する事は出来ないが、敵であれば戦うし、味方であればそれでいい。

元帥「必ずや、巫女を捕らえなければならない」


【☆謎の協力者について興味を持ちました】

【公国軍元帥との友好が少しだけ深まりました】

【選択肢】10/12

・現在の主な目的:「世界の異変についての視察調査」の行き先を決める 期限:10/13に最終決定
・会う機会が多い人物、初めから絆がある(好きにせよ嫌いにせよ)人物の友好度は変化しにくいです。仕様です。

1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【ヴィクター】

2.調べ物をする
・現在の主な関心事
【☆クリスタル正教の実態】クリスタル正教の光と闇、信徒と宗教者の違いか
【ユルヤナ地方】一通り調べた、あとは実際に行ってみるしかないだろうな
【クリスタルと巫女】巫女がクリスタルを暴走させる……?まだよく分からない
【☆謎の協力者】気になるが、手掛かりが何一つ無いのではな

・その他、人や地域、歴史、>>135の内容なども調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容について明記されていなければ再度安価します

3.公国内を移動
現在の公国内で移動できる場所:【公国市街地】【総司令部訓練棟】

↓同レスコンマ1が7の場合、また6の場合……

思い立ったらすぐ行動。元帥閣下の貴重な昔話を聞いてすぐ翌日、俺はまた蔵書室へと足を運んでいた。
話の中にあった、謎の人物たち。公国の立ち上げに助力したと言う、影の王。
過去の資料を洗い直し、ヴィクターや元帥の話と併せてその人物の尻尾くらいは掴めないものか。


しかしまあ……やはりというべきか、資料は見つからない。
強襲部隊の編成についての書類など、先日の調べ物の範囲では情報はあるのだが。
こと“その人物達”についてとなると、どうにも……


1~5:「分からん。さっぱり分からん」
6~7:「不死の塔に資料を移動した形跡……一日探してこれだけか」
8:「部隊編制の書類?組織場所は……ユルヤナ地方、か」
9:「当時の新聞?……エタルニア公王、侯爵位」
0:「何だこれ、見た事のない絵本だな」

↓コンマ1で

いい数字出ろ!

ふと、資料の山からこぼれ落ちた一冊の本が目に留まる。
薄くて大きい赤い装丁、ざっと見絵本のようだ。

アナゼル「何だこれ、見た事のない絵本だな……何でこんなものがこの蔵書庫に」

表紙に題は書かれていない。少し躊躇いつつ、やがて手を掛け本を開く……。


むかしむかしあるところに、ひとりのせいねんがいました。

せいねんはとてもいいちすじのひとりむすこで、かぞくからあいされまっすぐにそだちました。

せいぎかんのつよいせいねんはだれからもしんらいされ、したわれていました。


しかし、それをよくおもわないひとがいました。

わるいことをしていたわるいひとは、せいねんをだましてはじをかかせました。

せいねんはとてもきずつき、じぶんのしろへとかえっていきました。


それでもわるいひとはまんぞくしません。じぶんのしたわるいことを、せいねんのせいにしました。

せいねんとそのかぞくは、そんなことはしていない、なにかのまちがいだといいました。

けれども、わるいひととそのなかまはきくみみをもちません。


ひとびとはみな、うそであるとわかっていました。

しかし、くちにだすことはできません。

わるいひとは、ほんとうのことをいったらひどいめにあわせるとおどしていたのです。


せいねんはとてもかなしみ、いかり、そらにむかってさけびました。

いかづちがしろにおち、まっかなほのおがしろをつつみこみました。

やがてほのおをとじこめるようにおおゆきがふり、しろはこおりついてしまいました。

アナゼル「……何だったんだ、これは?」

何を教訓とした話なんだ……まるで訳が分からん。
民話や神話の類とも思えないが、歴史にこういう記述はあったか?



?「ああ、それは私の本なんだ。よかったら渡してくれないかな?」

アナゼル「……どうぞ、見知らぬ人」

?「いやあ、随分昔に戯れに書いたのだが、こんなところに紛れ込んでいたとは。城を探しても見つからない訳だね」

?「それでは、さようなら。またどこかで」



アナゼル「……?本が無くなっている」

気が付くと怪しい絵本は無くなっていた。誰かが持って行ったのなら気付くはずだが。
……ひどく頭が重い。何かとても疲れているのか?異常だ。

【城】。それは……なんだったか。とにかく城だ。


?「ふむ。中々の精神力だね、効き目が薄いようだ」


【よく分からないが城の事を心に刻みました】

【?から一方的に認知されました】

【選択肢】10/13

・現在の主な目的:「世界の異変についての視察調査」の行き先を決める 期限:10/13に最終決定

1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【ヴィクター】

2.調べ物をする
・現在の主な関心事
【☆クリスタル正教の実態】クリスタル正教の光と闇、信徒と宗教者の違いか
【ユルヤナ地方】一通り調べた、あとは実際に行ってみるしかないだろうな
【クリスタルと巫女】巫女がクリスタルを暴走させる……?まだよく分からない
【☆謎の協力者】城……城ってなんだ?


・その他、人や地域、歴史、>>135の内容なども調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容について明記されていなければ再度安価します

3.公国内を移動
現在の公国内で移動できる場所:【公国市街地】【総司令部訓練棟】

↓同レスコンマ1が7の場合、また6の場合……

・書くのに時間掛け過ぎたなあ。もう遅い様ですので本日はこれにて。お付き合いくださりありがとうございます。
ちょっと無理矢理感のある展開だったかなとか自分でも思っていないわけではない。

>>189さん、やってくれたな……スペシャルボーナスですから盛大に面識(ただし一方通行)をプレゼント。
重要ですよーマジ重要ですよーお二方との面識は。

・それでは。またお会いしましょう。次もきっと金曜ごろになるのかなあ。
あ、安価は↓で!忘れるところだった。

・あっという間にスレッド順位が下がっていく。最近スレ立てが活発化しているんだなあ。
どうも私だ。初めましての方はこんなスレに目を付けてくれてありがとう。いつもの方はいつも本当にありがとう。
本日もチマチマと進めていきますよ。例によって進撃見る時間はどうのこうの。

・アナゼルは勇気を持って何を止めるのか。ブレイブリーにデフォルトしたいですね。ええ。

なんだか昨日の記憶が曖昧だ。黒魔法には精神に影響を及ぼすものがあると言うが、そういうのを疑う。
怪しい本を見た事は覚えているのだが、その本はいつの間にか無くなっていた。

それはさておき今日も蔵書室にやってきた。まだ気になる事は残っている。
二人の協力者、その謎に迫る過程で“城”が大切な事項だった気がする。

世界広しと言えど、城と呼ぶような城はそう多くない。世界地理についてはよく学んできたのだ、すぐに思い当たる。
それは“吸血鬼城”と呼ばれる。エタルニア領の北西山間部にひっそりと佇む謎の建造物だ。
氷に覆われたような城には古の財宝や貴重な書物が眠るも、永劫の時を生きる吸血鬼がそれを許さないと言う。
歴史の端に書かれた吸血鬼伝承の、現在に残る痕跡とでも言えようか。

ただ、気になる点はある。恐らく無人の城だが、誰も中に入った事は無いのだと言う。
誰もが気にしながら放置しているのは、冷静になって考えてみれば少し異常だ。
調査や解体についての検討すらされていない、あって当たり前の物の認識。
……不気味だ。


1~4:吸血鬼城の場所
6~8:+吸血鬼城の立地
9~0:+吸血鬼と言えば

↓コンマ1

当然そんなに意識されてない場所、何か物珍しい情報があるわけも無く。
見た目や場所について以外の有力な情報を得る事は出来なかった。

吸血鬼城は近くに飛空挺を寄せにくい為、移動するには歩いていく事になる。
移動経路は頭に叩き込んでおくが、一日しっかり掛かりそうなので【余暇を探して行く】事になるだろう。


しかし、吸血鬼か……もし本当にいるとすれば、どの様な生物なのだろうか。
イメージから浮かび上がるその姿は、人とさして変わらぬ姿をしながら生き血を吸う超常の生物だ。
超再生能力を持つとも、人間を軽くひねる怪力とも言われている。もしそのような怪物と戦うならば、どう対処したものか。

少し考えていて、それから一人で頭を振った。
現実的にあり得ないことを想定するのは児戯に等しい考えだ。
それに予め対策を考えるのは良いことでも、手の内の分からない相手とどう戦うかなどは無駄に近い。
変に先入観を持ちこまず、観察力を重点して対処するより他にない。


吸血鬼城に、ユルヤナ地方。
今度の余暇は予定で一杯になりそうだが、まずは目先の任務だ。
少し不謹慎ながら、次の仕事は早いとこ終わらせて休暇を頂きたいものだと思った。

【謎の協力者に関係ありそうな吸血鬼城の場所を突き止めました】

そうしてその夜。俺は内心焦っていた。

元帥「……最近熱心に調べ物をしているようだが、何か成果は上がったか?」

アナゼル「いえ、お伝え出来るほどの内容には程遠く」

元帥「まあよい。それで、異変調査の行き先についてはどう決めたか?

世界の各地で異変が起こっていると言う。詳しいお前ならば何かと思うところがあるのだろうな」

アナゼル(……何も調べてない、ような。ここ最近はクリスタルや過去の事を調べてばかりだったし)

何と答えようか。実によくない。宿題を忘れていた事を提出日に思い出したような気まずさだ。
これが子どもならば忘れていたと素直に言えば良いのだろうが、今は優しく嘘を吐くべきタイミングだ。

最近の内容で、何か行き先を決めるのに有益な調べ物はあっただろうか?
それを利用してリアリティのある理由を用意しよう。嘘を隠すには一つの真実だ。

【選択肢】あくまで視察なので

・カルディスラ→空挺騎士団がいるし近日大規模作戦予定中なので邪魔するのはよくない
・エタルニア→最近ずっと籠り切りだったし他の所に行った方がいいぞ(元帥談)
・ユルヤナ→あのような人のいないところ、調査するなとは言わないが後回しでよい
・よって候補地は以下の三か所に

1.ナダラケス地方へ向かう
2.フロウエル地方へ向かう
3.エイゼン地方へ向かう


ユルヤナ近めだし、ヴァルキリー伸ばせる可能性も考えて2

しかしアナゼルも吸血鬼城入るために石碑カラードラゴンしなきゃいけないのかな?ww

アナゼル「……では、フロウエル地方へ向かおうと思います」

元帥「ふむ、フロウエルか。あの地方はブラッドローズ特務隊が担当していたな」

アナゼル「作戦進捗についての報告がやや滞っているという話を耳にしました。

その件について直接、古参であられる特務隊長ディローザ殿に尋ねておきたいと思いまして」

元帥「成程。あの地には豊かな自然と水のクリスタルがある、何らかの異常があれば影響も大きかろう」

……見事な理由だ。どこもおかしいところはない。
他にも剣聖門下で兄弟子であるエインフェリアも配属されているし、そちらに会いに行くのも良い。
ユルヤナ地方が地理的に近いこともあり何か現地人から情報が得られるかとも考えられる。
公私混同ではない。あくまで物のついでに行うだけだし、立派な情報収集だ。


元帥「しかし、自らフロウエルに向かおうとは……考えすぎだったか」

アナゼル「?それは、どう言う…………!」

元帥「いや、失言だった。謝罪する」

アナゼル「閣下、私は気にしていません。……最早あの場所には特別な感情はありませんので」


【次なる目的地はフロウエルに決定しました】

interlude-1

→10/8・夜
ノルエンデ高地・ノルエンデ村跡

????「急な山道ですね……本当にこの上に、“奇跡の人”が現れるのでしょうか?」

????「“奇跡の人”はノルエンデ村の生き残り、きっと様子を見に来ているわ!」


ティズ「……本当に、もう何もないんだな」

ティル「兄さん、これからどうしよう」


????「人がいました!もしかしてあの人たちが……エアリー?どうしました?」

エアリー「な、何でもないよ!ほらアニエス、あの人たちに聞いてみましょ!」

エアリー(……二人とも生きている?どう言う事なの……珍しいパターンだわ)


ティズ「本当にあの大穴を塞ぐ事が出来るのなら、僕は君に付いていきたい。けど、ティルは……」

ティル「兄さんに付いていくよ!色んなところを回ってみたいし!」

ティル(それに、世界を回っていれば、もう一度貴方に会えるような気がするんだ)


それからの行動は早かった。
事前に通達していた通りに副官以下直属の部下たちを招集、“黒騎士”の準備を進めさせる。
それ程長い滞在にはしないつもりだが、万一に備え余分は用意しておく。

翌10月14日、朝早くに“黒騎士”は公国の空を発つ。
カルディス北海、クストラ列島を回り南西へ。目指すはフロウエルだ。

航海は何事も無く順調に進み、兵員のやる気も悪くない。
その場に居合わせていた為か、全員何かしら大穴災害には思うところがあるのだろう。
影響を調査する今回の任務は単調なものになってしまうだろうと危惧していたが、この分では心配はいらなさそうだ。

クストラ近辺の洋上はエタルニアに負けず劣らずの寒さだ。
態々気密扉を開けて外に出る兵員は居ないようだったが、つい気分が向いて外に出てみる。

……なんだ?少し変な雰囲気がする。空気が濁っているような、嫌な感覚が若干ながらある。

違和感の正体はすぐ眼下の海にあった。
海の水が、とても危険な雰囲気を発しているのだ。

エタルニアは厳高地に囲まれているため、海を見る機会は非常に少ない。
これが他の地方ならばすぐに気付いただろうが、その点は唯一の弱みだ。

観測手に周囲を警戒させるも、どうやら見渡す範囲の海がこの状況らしい。
着水可能な場所が残っていれば良いのだが、そうでなければラクリーカ経由で陸路となる。


ふと、フロウエルには水のクリスタルがあることを思い出した。
大穴の影響による異変は各地で起きているらしいが、海の異変の元凶がもしも水のクリスタルだとしたら……。

到着してみれば、どうやら内海フロウ・ラクリーには影響が及んでいないようだった。
いざとなればラクリーカの秘密ドックも近い。長期の滞在となっても問題はなさそうだ。

ただし、フロウエル領には大規模な港が無い。“黒騎士”を接舷する良い場所が無く、あまり大規模な物資の搬入は出来ないようだ。
物流が閉じ気味の空間故、特務隊が長期に渡る潜入をしているのだろうが、その内情はあまり伝わってこない。

結局フロウエルに上陸する人員は数を絞り、副官に艦を任せて周辺海洋の調査を頼んでおいた。
男性の定住を禁ずると言うフロウエル、留まるには相応の出費が痛いところだ。

10月16日。
潜入ではお馴染となった格好で、俺はフロウエルへと足を踏み入れた。

【選択肢】まず手始めに

1.町の様子を見ていこう
2.現地工作員との合流が最優先だ
3.クリスタル神殿の内偵だな
4.町の外の名所を探そう


1

そっか、アナゼルさん元フロウエルの難民(?)みたいなものだったから

・安価ありがとうございます。頂いたところで本日はここまでになります。
見て下さった皆様、レス下さった皆様、いつもありがとうございます。

・フロウエル編突入!本編シナリオに先駆けてやってきたアナゼルはどんな影響をもたらすのやら。

>>202
流石に任務で忙しい人にはそんなお使いは頼まない……と思います、きっと
でも案外あの人お茶目なので分かりませんね。

>>209
そんな感じの記述があったので、そんな感じで想定しています。
あの国、男児はどうしてるんでしょうね。瘴気溢れる森に捨てるとか流石に笑えません。


それでは!次回もなにとぞよろしくお願いします。

・いつも通りに23時ごろから投下したいと思ったので告知をば

・共有PCの使用権が取れないこともあるのでご了承いただきたい

・安価レスは勿論乙や安価内の書きこみは本当に力になっています、ありがとう

◆Standing by...◆

・このスレッドのアナゼル・ディーは以下のステータスでお送りします

・性格
「イデア大好き」
【旅するグルメ】
【調べ物に没頭】

・技能
「暗黒騎士」
【モンク】

・交流変化
ベアリング・アウト→「友人」から【親友】
ティル・オーリア→「面識なし」から【救った責任】
ティズ・オーリア→「難儀な少年」から【救えなかった命】
ヴィクター・S・コート→「かなり苦手」から【今一つ合わない】
イデア・リー→「最愛の人」から【手の掛かる妹のような最愛の人】
????→「面識なし」から【忘却】

・以下何事も無かったかのように再開

◆Open your eyes for the next “Bravely default”...◆

敬虔なるクリスタル信徒、それも女性たちによる祈りの国。
水の恵みが美しき自然を彩り、その中に寄り添った清貧な生活を好とする国。
長いことここには来ていなかった……と言うか、改めて来たのは初めてかもしれない。

アナゼル「なんだ、ここは……」

思わず言葉が漏れ出した。不安と少しの期待を胸に訪れた俺を出迎えたのは、あまりに華美な装飾の繁華街だった。
どこをどう見ても一般的なフロウエルのイメージには結びつかない。強いて言うなら「艶花の国」には当てはまるかもしれない。

見渡す限りの繁華街。目に痛々しい彩色と灯りは、ある意味で幻想的な世界を演出している。この世のものとは思いがたい。
あからさまに浮ついた空気に乗って、花のような匂いが漂ってくる。……文字だけ見れば聞こえはいいが、ハッキリ言ってキツイ。
明らかに人工的な“臭い”、香水だろうか。道行く女性の誰もが同じ臭いを身に纏っている。

目の眩む通りにいるのが耐えられなくなり、僅かな希望を胸に手近なレストランへ滑り込む。
フロウエルの名産は水を活かした野菜やコメ、麦などだ。国風に沿った素朴な味がとても良いと聞いて期待していた。……していた。

……甘い。手抜きとかではなく、物理的に甘い。時間を惜しんで大通りの店に入ったのが間違いだった。
スイーツが人気を集めているのは知っていたが、まさか食べ物がどれも甘くなっているとは。
流石は女性だらけの国。イデアが来たがりそうだが、個人的にはあまり来てほしくない。教育上良くない。
尚、見た目はとても綺麗だったと付け加えておく。味も決して不味いわけではない。期待していたものと大幅に違っただけで。

それにしても恐ろしい程の変わり様だ。公国が介入し始めてから数年と聞いていたが、これがその影響だとすればどの様な手を使ったのか。
人の心を変えるのは簡単であるとも難しいとも言うが、街の様子から国民性まで変えるとなれば穏やかではない。
ブラッドローズ特務隊、隊長フィオーレ・ディローザ。なかなかどうして、恐るべき人物なのではないか。……二重の意味で。

さて、大まかに復習しておこう。
ブラッドローズ特務隊はフロウエルへの潜入を考慮して、隊長を除き女性で組織された部隊だ。
幹部級として、ヴィーナス三姉妹が揃って所属して任務に当たっている。

まず長女、エインフェリア・ヴィーナス。ヴァルキリー、戦乙女である。年上の25歳だ。
槍の扱いに長け、剣聖門下でもある。性格は職務に忠実ながらも誇りある武人と聞いている。
面識はない……多分ないが、イデアから話を聞くこともあり、好感の持てる人物ではないだろうか。

そして次女、メフィリア・ヴィーナス。召喚士なる独特の体系を持つ術師だ。年の近い21歳。
召喚魔法は異世界の存在を呼び出し使役する術。呼び出した相手に左右されるものの強く破壊的な力を発すると言われている。
個人的な事はよく知らないのだが、近年に恋人を喪ったとの話が聞こえてきた事がある。

最後に三女、アルテミア・ヴィーナス。森や野に伏せ、獲物を狙う狩人だ。イデアよりも下の14歳。
正確無比にして高速な弓術を持ち、容易く追い詰め狩りをするという。
少し人付き合いが苦手らしいと聞いてはいるが、やはり詳しくは無い。直接対面してしまったらどうすべきが悩むところだ。

ブラッドローズ特務隊との接触、クリスタル正教信徒についての調査、大穴災害に伴う異変状況の調査。
あとクリスタル神殿の内偵やユルヤナ地方の調査なんかもある。
明日から本格的に活動を開始しよう。まずはどこから片付けていくべきか?

宿を取って眠りにつく。通りほど無節操ではないが、花の香りがそこかしこからする。
ちょっと帰りたくなった。次の補給機会があればコーヒー豆を少し貰っておこう……。

【選択肢】10/17

・現在の目的:現地工作員に接触(達成する事でいつでも帰還選択が可能になります)
・海洋異常については“黒騎士”に残した副官たちに任せています

1.街をうろつこうか
・コンマ判定で様々なイベントが起きるかも
2.情報収集しよう
・[クリスタル神殿について]【ユルヤナ地方】[周辺の名所]など
・もちろん自由安価も受付中
3.街を出る
・特に行く当てが無いので非推奨



・こっそりこそこそ私です。まとまった時間が確保できなさそうな予感がするので、
次の安価までの分だけをそっと投下しておこうと思いました。

・他のスレを巡回する合間にでも、朝起きてからでも、気の向いた時にどうぞ。

……当然と言えば当然だが女性ばかりだ。男性など旅行者しかいないのだから当然だが。
小物屋、花屋、服屋、女性向けの店が多い。こうしてうろついていれば、何か発見があるだろうか。

ふと目に入った花屋の店員。何か、こう……鍛えてる感じがする。
足捌きが上手いと言うか、体幹のブレが微少と言うか。力強さと安定感、引き締まった肉体。
余念のない美の追求者ならば姿勢にも気を遣うのだろうが、この辺りでそう考えている者はいないように見える。

よし、まずは話掛けてみよう。それとなく用件が伝わりそうな文句は……

アナゼル「もし、そこのお嬢さん」

女性「はぁい、お兄さん、何かお探しですか?贈り物でしたら是非美しい当店の花束をどうぞ!」

アナゼル「……雪国では見られないような、“血の様に紅い薔薇”はあるかな?」

女性「……最高級の物なら街のどこかに、他は野薔薇を探さないと駄目ですね」

アナゼル「棘の少ない薔薇が生えてるのは何処かな?」

女性「ちょっと分かりません、私ずっとこの店にいるので」

アナゼル「分かったよ、ありがとう」

……隊長ディローザは街の中、それ以外は街の外。彼女は潜伏が長いので、今どうしているかは知らない。
あまり有益な情報ではないが、接触したい相手に合わせた方向性で調べていくべきと分かったのはありがたい。

街中を探すならともかく、外を探すにはある程度検討を付けなければならないな。
生憎と経験が無い為、フロウエルの地理には疎い。地元住民に聞くより他にない。

その後も街を暫くうろついていたが、目立った収穫は無く宿に戻った。
観光産業が盛んな地方ゆえに、宿代は馬鹿にならない。
同時に潜入した他の部下たちは今頃無事にやっているだろうか、心配しつつ俺は床に就いた。


【個別調査が可能になりました】

【選択肢】10/18

・現在の目的:現地工作員(幹部)に接触(達成する事でいつでも帰還選択が可能になります)

1.街をうろつこうか
・コンマ判定でイベントが起きるかも知れない

2.情報収集しよう
・[クリスタル神殿について]【ユルヤナ地方】[周辺の名所]など
・[エインフェリアの居そうな場所][メフィリアの居そうな場所][アルテミアの居そうな場所]も調査可能
・[ディローザを探す]も可能
・もちろん自由安価も受付中

3.街を出る
・現時点ではクリスタル神殿くらいしか行く当ては無い



・とまあ、短いながら本日はこれにて。時間が無いので失礼。

・ご覧になってくださっている皆様に月並みながら感謝を。

・安価は例によって↓へ受け流した。

・こんばんは。私です。

・がんばる。

調べるだけ調べたらあとは足で探すのみ。何、【二、三日も探せば確実に見付かる】筈だ。
幸運の巡り合わせがあれば会えるだろうが、そうでなければ地道に候補地を潰していくしかない。

今はまだ早朝、時間はある。順調に行けば【二か所ほど当たれそう】だが、さて……


1:変な人に捕まった
2-4:見付からないがまだまだ探す(再判定)
5-7:痕跡だ、上手くいけば見付かりそうだ(再判定)
8-9:案外あっさり見付かるものだ
0:見付け……ん?(特殊イベント再判定)

候補地がまだ多い:-1


↓コンマ1

……これは、微妙に隠した跡があるが大人数の移動の痕跡が残っている。
フロウエルには軍が無いので、態々隠す必要もないからと疎かにしているのだろうか?

狩人として一切の妥協は無いと音に聞くアルテミアであれば痕跡を残すヘマはすまいし、
そう言った心得があるとは聞かないメフィリアなら尚更だ。単にあの二人が隊を率いているのをイメージできないのもそうだが。
よって中途半端に隠した跡があると言う事は……そう、エインフェリア隊のものだろう。

追跡は諜報、俺の仕事の一環ではある。重点的にマークすべき人材など未だ知らないが。
僅かに残る樹の痕、草の折れ、土の沈みを追う。書物知識ではあるが、それが功を奏する。
マニュアル通りに素直な隠蔽工作は、俺の知識にあるそれと上手い具合に合致しているようだ。

1:……って、誰だお前は?
2-3:……むむむ
4-9:見付けたぞ
0:……人影が、少ないな?


↓コンマ1

……流石にそう甘くは無い、か。だが痕跡は見つかった、この近辺に居たことは明らかなのだが。

もう夜だ。そろそろ戻らないと街に帰り着く事は出来ない。……折角の手掛かりを放棄するのは惜しい。

そう言えば、いつぞやの飛空挺動作試験の晩もこんな事で悩んでいた。あの時にちらりと見えたユルヤナ地方。
そこに民家の光を見た事が興味を持ったきっかけだったな。一月前とは思えないほどに色々あった。

さて……

1.迷っては元も子もない、街に戻るか
2.いや、ここは探す!



2の場合同レスコンマで判定
1:……どこだここは
2:キリングフィールド・サップーケイ
3:変な奴がいるぞ!
4-5:普通に見付からない
6-9:野営しているな……助かった
0:人数が少ない?

アナゼル「エタルニア公国軍ブラッドローズ特務隊とお見受けする。こちらの部隊長に取り次いで頂きたい」

夜間突然の訪問と言う事で警戒はされていたが、用件を告げると案外すんなりと通された。
どうやら部隊名や公国軍外秘について軽く言及した事が事態をスムーズに進めた様だ。

エインフェリア「お待たせした。ブラッドローズ特務隊実行部隊長、エインフェリア・ヴィーナスだ」

アナゼル「そちらの武勇は存じている。エタルニア公国六人会議末席、“暗黒騎士”アナゼル・ディーだ」

姿を現したエインフェリアはいかにも真面目で素直な、武人然とした様子だ。
こう言う人間は付き合いやすいし、好感が持てる。さぞかし人望も厚いのであろう。

エインフェリア「六人会議殿が態々この様な所まで来られるとは、一体どの様な要件あっての事だろうか?」

物怖じした態度も、過剰にへつらう態度も無い。戦場に身を置くと図太くなるとハインケルは言う。
何かを隠す理由も無いため、こちらは任務の一切を簡潔に話す事にした。

世界異変以後の影響調査。これが主目的だ。忘れてはいない。
現時点でこちらの調査した内容を話し、互いに情報交換をする。

エインフェリア「……海洋の異変か。こうして木々の中に身を潜めていては分からないものだ、な」

アナゼル「それで、フロウエルでは何か変わった事は起きていないか?」

エインフェリア「すぐに思い当たる事は無い。ラクリーカの方から、“風が止んだ”と言う話を小耳に挟んだ程度か」

ラクリーカの風、フロウエルの海。……もしかすれば、エイゼンベルクの火山への影響などもあるのだろうか。
少し突飛な発想だが、クリスタルとそれの司る属性に関係があるとすればあるいは。

エインフェリア「しかし、ノルエンデ高地の大穴か……奇妙な事が起こるものだな。実際その場にいたのならば信じざるを得まいが」

話題はノルエンデの事から次第に新兵の出陣式、共通の知り合いであるイデアの話へと移る。
負けず嫌いなエピソード、憧憬を寄せている姉弟子、色々と良い話が聞けた。凄く良い話だ。

夜は更ける。何か、あと話しておくべき事は無かっただろうか。


1.現在の任務について
2.フィオーレ・ディローザについて
3.周辺地理について
4.その他自由に


エインフェリア「周辺の地理?……そうだ、この地図を使って説明しよう」

取り出したのはいかにも古臭い地図。そこらの図書館や古本屋で埃を被っていそうな代物だ。

エインフェリア「今いるのが、フロウエルの北。この辺りだ。メフィリアはこっちの花園、アルテミアはこちらの大森林に居ると聞いている」

よかった、取り合えず近くにはいないようだ。鉢合わせの危険が無いなら安心して歩き回れるな。

エインフェリア「この辺りにはいくつか遺跡が点在していて、こう言った古地図には役立つ情報も多いんだ。ふふふ」

アナゼル「正教由来の遺跡や修行場などか、確かに興味深いな。……そう言えば、ユルヤナ地方への陸路があると聞いたが」

エインフェリア「ユルヤナ地方?ああ、それはこのフロウエルの南東の方の、キレート山を抜けた先だな」

ふむ、キレート山。歩いて通れるのであれば、まあ良かった。

アナゼル「大体この様な所かな、説明感謝する。では悪いが、寝所を少し借りさせてもらう」

エインフェリア「あ、ああ。他にもいくつか地図はあるから、良かったらまた見に来てくれても構わないぞ」


……私物か?


【エインフェリアとの友好度が上昇しました】【アナゼルのヴァルキリーLVが少しアップしました】

【選択肢】10/20

1.エインフェリア隊に同行
・少しの間同行します。会話などを行えます

2.他の場所へ移動
・フロウエル市街、東の大森林、フロウエルの花園、キレート山、水のクリスタル神殿へ移動可能です

3.任務達成報告
・フロウエル地方での任務を完了として帰路に就きます


……ブラッドローズ特務隊の安否及び作戦行動中であることは確かに確認した。
また情報交換により、かの天変地異と関連付けられるような影響は特に見られず。
少々フロウエルの町の様子が様変わりしていた事は特筆すべき異変かどうか悩むが、そんなところか。

俺はエインフェリア隊に別れを告げ、フロウエルの町へと戻る。
事前に示し合わせておいた通り、宿に伝言を残して帰還連絡を行っておく事にした。

20日夜、マヌマット・ボリトリィ商会秘密ドックへ発光信号を送る。黒騎士は既に調査を終え、そちらに着艦していたとの事。
迎えの小舟が出され、少数の潜入調査員は黒騎士へと戻る。
そして翌21日未明、すぐさま公国へ向けて出発となった。

なんだかあっという間と言うか、少し調査不足だったかもしれない。だがまあ必要十分な範囲だ。
最終報告に向け、部下一同の収集した情報を纏めることにした。

1-4:特に何もない
5-7:聖花祭と花乙女
8-9:美を競う花と森の荒廃
0:山を越える仕立屋

↓コンマ1

・なんかいつもこの時間になると失速する事が多いんですが何かアニメとかやってましたっけ?
でもなんだかんだで120分経ってるので仕方ないのかと思いつつ寝る事にします。

・次回もきっと金曜23時か、もうちょっと早いかもしれません。流石に金曜ロードショーの時間中だと人いませんかね。

・電撃的に帰還したアナゼルを待っていたのは……次回はあの人たちの運命を決める戦慄のコンマパートです!
コンマの貯蔵は十分か!お楽しみに!コンマは↓、忘れないよ。

部下は街中での噂話を中心に調べていたようで、その報告にはやや雑多な内容が含まれていた。
任務には直接関係は無いものの、俺の興味を引いたのは「山を越える仕立屋」の話だった。

何でも毎年年末近くになると、キレート山の向こうから老人が行商にやってくる。
その御老体が自ら仕立てたと言う服はとても良質にして可憐、美麗。
美の極致を目指すイマドキの女性には見逃せない情報だとか。

衣服云々はどうでもいいが、キレート山道はそれなりに険しく危険。
通り抜けてもユルヤナ地方なる未開地しかない為、余程の物好きでなければ通る事は無い。
つまり老人はその先に住んでいる、そうに違いない。

本当に人が住んでいる、何故だろうか。
ともあれ俺の好奇心が導いたユルヤナ地方への関心は、幸運にも満たされつつある。


そして数日の移動を経て、公国へ到着したのが23日。
帰ってきた俺を出迎えたのは、予想できる筈もないような異常事態であった。

・こんばんわ。私だす。人がいればいいなあ。

・結局金曜ロードショー終わりの時間になってしまった。しめやかに更新する。

interlude

時間は遡る。

→10/14・夜
ノルエンデ渓谷


ベアリング「ちょこまか逃げやがんなぁ、こうなったら俺が直接捕まえて……」

ホーリー「あんたが降りたら誰がこの船を動かすんだい!ちったあ考えな!」


ティズ「何とか逃げ切れそうだ……大丈夫かい?アニエス、ティル」

ティル「僕は平気、アニエスさんも大丈夫そうだね」

アニエス「ええ、しかし皆さんに迷惑を掛けてしまいました……」

ティズ「気にしないで……穴を塞げる可能性がある君が、僕の希望なんだ」

→10/15・昼
カルディスラ街道・王都南の湖


ベアリング「よく来たな、風の巫女様」

ホーリー「何匹かおまけのガキが付いてきてるみたいだけど、まあいいよ。大人しく捕まりな」

ティズ「お前たち、一体アニエスをどうするつもりだ!」

ベアリング「そりゃあ勿論……どうするんだ?」

ホーリー「知らないね。知っててもあんたが知る必要はないし、教えないよ」

ティズ「それならアニエスを渡す訳にはいかない!」

ベアリング「お?やる気かぁ?いいぜ、相手になってやる」


ティル「……」


1-4:バトルフィールド展開
5-0:その必要はない

子供が三人:-1
再戦の約束:+1
懐疑的:+1


↓コンマ1でご機嫌判定

・……

・↓どうぞ

アスタリスクバトルフィールド、展開


ベアリング「よっしゃあ、行くぜ!んぅう、弾けろ俺の肉体!筋肉の躍動!」

ホーリー「大人を無礼るとどうなるか、たっぷりカラダに教えてあげるよ!」

アニエス「どうしても立ち塞がると言うのなら、戦うしかありませんか」

ティズ「アニエスは僕が守る!」

ティル「うーん、なんか……」


1-4:死亡
5-9:生存
0(補正によらない):同行

アスタリスク・バトルフィールド:-2
何か気になる:+1
再戦の約束:+1
白魔法:+1
自暴自棄:死亡が確定した場合もう一方に-2

↓でベアリング生存判定

↓2でホーリー生存判定

・確かに重要なコンマではありますが、このスレそんなに人いないので……
目に付いたなら取ってやってください。お願いしますだ。人がいなければ今日はここまで。

・毎週金曜日の更新を目指していますがどうなるか分かりません。
1レスずつ更新して目に付いた方に安価を取って貰う形式にするべきか検討中……

・責任重大とか気にしないで!ダイジョブダッテ!↓へスライドだ!

~ここまでのあらすじ~

若き暗黒騎士アナゼル・ディーはエタルニア公国の幹部級。今日も忙しく各地を飛び回ります。

突如起きた謎の災害、それを契機に変わり始める状況。彼は知る由もないが、

捕獲命令の出されていた「クリスタル正教の巫女」はカルディスラ王国に居たのだ……

そしてそこにはアナゼルの想い人、イデア・リーも兵として配属されていた。

・というわけで、予定より早めの時間からこっそりと更新。
カルディスラのInterludeを終わるくらいまで進めたいなあ。

・今回はエンディングルートのヒントを。
【大祈祷】【召喚魔法】【不死の法】この三つを揃えると……うふふ。パラレルエンド。
完全なるグッドエンドに辿り着くには、例の二人は勿論元帥の説得や巫女の説得も必要になります。

ホーリー「……チッ、ガキ三人に負かされた上情けまで掛けられるなんてね」

ベアリング「今回は完全に俺たちの負けだな。少ぉーしだけ、油断があった」

ベアリング「また勝負してぇなあ。そんときゃ絶対負けねえのによ……いってぇ!」

ホーリー「ほら、治療してんだから動くんじゃないよ!全く、あんたはいつも無茶するんだ」


アニエス「助かりました、二人とも。私一人で行っていたらこうはならなかったでしょう」

ティズ「あいつらの目的は分からないけど、取り合えず皆が困ってるんだ。何とかしなきゃ」

ティル「……ねえ、兄さん。兄さんってそんなに強かったの?」

ティズ「そりゃ、僕はお前のお兄ちゃんだからね。この位何ともないさ」

アニエス「そういうものなのでしょうか?何分世俗の事には疎くて……」

ティズ「アニエスは真面目だな、そんなに気にしなくてもいいよ」


ティル(戦いの途中、随分と殺気立っていたような気がしたんだけど……気のせいかな)

→10/18
カルディスラ街道・セントロ砦跡


オミノス「……はあ、全く、なんなんだよ。あの街の奴らふざけてるよ」

オミノス「大人しく巫女を差し出せばいいのに。そうしないから、燃やしてやったんだ」

オミノス「偉そうに出てった……あ、あの白女だって結局失敗したらしいじゃないか、僕の昇進のチャンスなんだ」

オミノス「大体任務なのに何で止められなきゃいけないんだよ、これだから女は……」

オミノス「そもそも新兵の癖に言う事は聞かないし、目つきが反抗的だし」

オミノス「元帥令嬢じゃなかったら誰も面倒見ようなんて思わないよあんなのは……」

オミノス「って言うか何で僕の所に来るんだよ、面倒臭いなぁ」


イデア「……あいつ……!」ギリギリ


※イデアの勢い強化により表が少し変化している

1-2:オミノス「曲者か!」ファイアー
3-6:オミノス「……何だよ」
7-9:イデア「成敗!」
0:オミノス「……悪かったな」

剣技の心得:+1

↓コンマ1

イデア「……やっぱり我慢できない!」ガタッ

オミノス「何だ!曲者か!」ファイアー

イデア「え」


1:死亡
2-4:重症、直ちに離宮へ搬送
5-7:負傷、巫女一行により王都へ搬送
8-0:回避からのカウンター

↓がんばれ

オミノス「そんな……がふっ」

イデア「……危なかった、やってて良かった対魔法戦闘」


ティズ「あれ?君は……」

アニエス「ティズ、ティル、あの人は王都であの魔法使いを止めていた人では?」

ティル「それにあれって、あの魔法使いじゃ?もしかして味方?」


イデア「大体事情は分かった、確かに何か公国のしている事は強引で乱暴なカンジ」

アニエス「しかし、見ず知らずの私達の為に国を裏切ると言うのは……」

イデア「いーのいーの、私がしたくてやってる事だし、裏切るわけじゃない。見極めるのよ」


イデア(それに……)チラッ

ティル「?」ニコッ

イデア(アナゼルに頼まれてたんだっけ、この子……ティル・オーリア。確かに放ってはおけないかな)


オミノス「」

→10/20
ロンターノ離宮三階・執務室

ハインケル「ただの娘と思っていたが、彼らを破ってくるとはその実力確かなようだ」

アニエス「これ以上カルディスラ王国に迷惑は掛けられません。王を返し、手を引いてください!」

ハインケル「軍人に説得が通ると思っているのか!大義の為にやらねばならん事だ、巫女よ覚悟!」

ティズ「話が通じないのか!?」

ティル「どうして戦わなきゃいけないんだ、こんなの……」

イデア「話して聞いてくれるような人じゃないよ!……多分」


ハインケル(どうして若造が執心の元帥令嬢が居るのだ!?これではやりにくいな……)


1:死亡
2-4:気絶、カルディスラに引き渡し
5-7:投降、カルディスラに引き渡し
8-9:捕虜、エシャロット号で監禁
0(補正によらない):友好的同行

生け捕り狙い:+1
対話の意思:+1


ハインケル「……無念、ここまでか」

アニエス「命まで取る気はありません。私たちはあくまでかの大穴を塞ぐ為にクリスタルの元へ向かわなければいけないのです」

ティズ「かといって、ここに置いていくわけにもいかないからね。悪いけど、一緒に来てもらうよ」

イデア「……どこか、適当な所で降ろして貰えるように言ってみるね」

ティル「……おじさん」コソッ

ハインケル「やはり、見覚えがあると思ったが。ノルエンデの少年だったか」ヒソヒソ

ティル「ごめんね、こんなことになっちゃって」ヒソヒソ

ハインケル「いやなに、敗者は黙して語らず。命があるだけで儲けものと思っている」ヒソヒソ

ティル「……公国って、一体何で戦うの?何で巫女さんを捕まえようとするの?」ヒソヒソ

ハインケル「それは……実際のところ分からんのだ。元帥閣下は何か重要な秘密を知っておられる筈だが」ヒソヒソ

ティル「それが分かれば、なんとか戦わなくて済むのにね」ヒソヒソ

ハインケル「……立派な少年だな。兄にも見習わせたいくらいだ」


ティル「そう言えば、その……アナゼルさんは?」ヒソヒソ

ハインケル「分からんが、多分今は公国に居るだろう。お主らが旅を続けるなら必ずまた会う機会はあるはずだ」

ティル「そう、だね。アナゼルさんならきっと話を分かってくれると思うんだけどな」

ハインケル「それと、ちょいと頼まれてくれんか?」

→10/30
カルディスラ城下町・夜の墓場


オーウェン「指示によるとここの筈だが……」

ベアリング「げっ、どうしてここが分かった!?」

ホーリー「まいったね、こんなに早く見つかるとは」

オーウェン「待て待て、取って食おうと言うつもりじゃない!手紙を届けに来たんだ」


オーウェン「……差し支えなければ、手紙の内容について聞かせてもらえないか?

幾ら巫女様が許したとはいえ貴方達は公国の人間だ。また何か悪さをするんじゃないかと疑いを振り切れないんだ」

ホーリー「いいよ、ほら見な。アタシ達の団長ハインケルからの手紙だ、巫女の一行に捕まったが存命。

残った空挺騎士団員は投降でもなんでもして最終的に公国に戻ることを最優先に行動しろ、って書いてあるよ」

ベアリング「困ったらアナゼルを頼れ、とも書いてあるなあ。頼むぜ、アナゼルよう」

オーウェン「なるほど確かに。特に悪さをしないのであれば、我々は貴方達をどうこうするつもりはありません」

ホーリー「あーあ、甘いね。残念、アタシは甘ちゃんは好きじゃないんだよ」

ベアリング「それじゃ自由にさせてもらうぜぇ。まずは大っぴらに酒場に行くか!」


ティルが一番年下のはずなのにブレーキ役になりつつあるなww

まあ原作はブレーキ役無しのアクセル全開だったが

あれ 酒場ってリングアベルがナンパしてるんじゃなかったっけ

・バルス?ああ、それって次回のモンスーノ?
どうも。地道な更新だけが取り柄の私です。今回はまた文量ばかり多くなってしまいました。
とりあえず安価まで投下するので、ゆっくりじっくり読んでいただければ幸いでございます。

>>284
プレイヤーの操作するキャラクタに冷静な目を向けられる、ある種のメタ的存在です。
それを差し引いても「公国軍に知り合いがいる」「動機がそこまで差し迫ったものではない」という余裕もありますが。

>>285-286
この世界にはリングアベルはいない想定です。「アナゼルの手帳」準拠ではありますが。
「残り6→5」のみのイレギュラーだと思っています。この世界は……8くらいでしょうか。きっと。

公国歴16年、10月24日。公国軍総司令部、自室の執務机にて。秋も深まり、冬支度が手放せなくなってきた今日この頃。
俺はカルディスラから寄せられた情報の纏め作業に当たっていた。

カルディスラに到着した風の巫女はすぐにノルエンデ村跡へ向かった。
これを捕捉した空挺騎士団はベアリング・アウト、ホーリー・ホワイト両名の部隊で追跡。
市街への示威行為などで巫女を誘き出す事に成功するも、抵抗に遭い敗走。存命ながら合流は叶わず。

セントロ砦跡を封鎖していたオミノス・クロウは王都の建築物に火を放つなど少々性急な行動に走っていたが、
巫女とその従者二名によって襲撃され落命。巫女の戦闘力は想像以上だったようだ。

同時期、かねてから計画していた電撃作戦によりアルジェント・ハインケルはカルディスラ王都を急襲。
武勇で名を馳せる兵士長オーウェンには手こずるも、無事カルディスラ王の捕縛に成功。
有利な交渉を行う予定であった。これにて降伏を引き出せるのではないかと思われた。

しかし数日後、公国兵の一人が巫女一行をロンターノ離宮内に招き入れた。
脅されていたか、裏切ったか……真実は定かではない。
巫女はまさしく破竹の快進撃を見せ、そのままアルジェント・ハインケルを打ち破り王を奪還した。

巫女一行はエシャロット号を奪取。操船技術を得るためかハインケルを捕虜として同行させているようだ。
現在はまだ操船技術の習得を続けているところだろう。何せ飛空挺の操縦は結構気を使うものだ。
思わぬ足止めにはなったが、今後の巫女一行の動向が不安である。

これが此度のカルディスラでの大捕り物の顛末である。
完全にしてやられたというか、巫女一行の戦闘力が想定外であったというばかりだ。

なお、巫女を通してカルディスラ内の敗残兵にはハインケルからの指令が伝えられたようだ。
これ以上の抵抗活動は無用、投降でも何でもして最終的に公国に生きて戻ることと。あの人らしい。


上記のような内容を編纂し元帥閣下に報告すると、刻み付けられた眉間の皺が一層深まった。
カルディスラでの作戦展開は事実上不可能、巫女は飛空挺を手に入れる。
巫女の目的は分からないが、非常に不安定な状態になってしまった。

元帥「巫女の行動が分からぬ以上、即時報告の厳命を出すより他に手がないな」

アナゼル「それでは、私は……」

【選択肢】状況判断だ

・現在は10/24


1.「カルディスラへ赴き、兵員の収容を急ぎます」(全体で5日ほど掛かります)
2.「続報あるまで公国で待機します」(翌日から自由行動)


アナゼル「巫女の事が気掛かりですので、各地からの続報あるまで公国で待機します」

元帥「うむ、頼むぞ。情報があれば直ちに動いてもらう事になるだろうからな」

判断材料が足りていなかったとはいえ、巫女を侮っていたのは事実だ。俺自身まだ知らないことが多すぎる。
巫女の目撃情報が掴めたなら“黒騎士”で駆け付けよう。おっさんに「若造」を撤回させるチャンスだ。

それにしても、イデアは今頃どうしているだろうか。
少なくとも戦死者報告には挙がっていなかったのだが……カルディスラの兵員が知っていればよいが。
理想は何事も無かったかのように戻ってきてくれる事だ。

【選択肢】10/25

・再び自由行動モードに入ります
・いつ頃イベントが起こるかについては本編の記述通りとだけ

1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【ヴィクター】

2.調べ物をする
・現在の主な関心事
【☆クリスタル正教の実態】クリスタル正教の光と闇、信徒と宗教者の違いか
【ユルヤナ地方】人が住んでいる裏付けが得られた。実際に行ってみたい
【クリスタルと巫女】巫女がクリスタルを暴走させる……?まだよく分からない
【☆謎の協力者】吸血鬼城……そこに何か、鍵があるのだろうか?

・その他、人や地域、歴史、>>135の内容なども調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容について明記されていなければ再度安価します

3.移動する
・現在の公国内で移動できる場所:【公国市街地】【総司令部訓練棟】【吸血鬼城】【不死の塔(立ち入り許可無し)】
・現在は待機中ですが、黒騎士の整備期間を取っているので遠出できます

↓コンマが7、6でそれぞれ遭遇

・明日ちょっと早いので、安価を了承して本日はここまでとなります。
短いながら、本日もどうもありがとうございました。毎週欠かさず更新していきたいと思います。

・キャラクタの台詞回しというのがどうにも苦手で、筆を執るにも毎回中々苦心しております。
違和感や意見、疑問などありましたら是非。

・BDFF海外発売で評判が良かったとしても続編展開はまだ数年先でしょうかね。
それまでには何とか完結できるといいのですが。今年中にこのスレを使い切れるのか……

・安価1つ分だけやるます

待機時間の有効活用と言う事で、俺は個人的にここ吸血鬼城に来ていた。
エタルニアの細い山間道を歩く事暫く、吹き付ける風がもう冷たい。11月ともなれば初雪は近いだろう。

凍り付いた城と称されるのは誰もその門が開かれた所を見ていないからか、それとも城の変わらぬ美しさ故か。
吸血鬼が住むと言う噂も全くの事実無根であり、そも実際に城を見た上で騒いでいる者がどれほど居るものか。

アナゼル「さて……来てみたは良いが」

近くで見ればその異質さが更に際立つ。建築様式もどこか古臭い。
これは確かに遥か昔からの存在、吸血鬼が建てた城だと言っても説得力がある、

アナゼル「取りあえずは……人が居ればそれで疑問が解消だな」

正面に据えられた大扉に歩み寄る。これだけ格式ある城ならちゃんとノッカーくらいはあろうな。

突如、何処からか声が掛けられる。

??「ようこそ、いらっしゃいませ。久方振りの客人かな?」

素早く戦闘態勢を取り周囲を警戒する。耳に意識を遣るも音源は特定できない。
気配も感じられず、魔法らしき感覚もない。一体どの様な手品を使っているのか?

??「そう警戒しないでくれ。君が客人であれば、こちらから敵対する理由は無いよ」

余裕を崩さない態度。客として迎える姿勢。声はこの城の主であり、力のある存在だと思われる。
あながち吸血鬼が今もここに居ると言う話、嘘ではないのかもしれない。

アナゼル「悪いが、この辺鄙な場所に居て、得体の知れない方法で姿も見せずに声を掛ける者を易々と信用は出来ない」

??「ふむ、それは最もだ。失礼した、姿を見せよう。その後で信用に足るかどうか判断してくれ」

瞬間、風が吹き付け僅かに視界を遮る。向き直った時には既に男が現れていた。
貴族然とした衣服、端正な顔立ち、しかしながら隠しきれない飄々とした雰囲気。
浮世離れした気配の人物は一切の警戒を見せず自然体の態度、自身の安全をアピールしているようだ。

??「我が名はレスター。レスター・ド・ロッソ、気軽にレスター卿とでも呼んでくれ」

アナゼル「……アナゼル・ディーだ」

レスター「ああ、君の事はよく存じ上げているよ。ブレイブは随分と気に掛けているようだから」

アナゼル「こちらの事を知っているのならば説明は不要か。ならば、そちらの事も教えて頂きたいものだな」

レスター「これはまた失礼を。一方的に知られていると言うのはさぞかし不快かと思うよ、済まない」

仰々しい礼を一つして、本当に申し訳なさそうな声色で話す。これで演技ならからかわれているのだろうが、
これがもしも本心、素の行動なのだとすればいささか慇懃の気が過ぎるのではないか。
そう思わせるほどの怪人物振りを出会って間もなく理解した。

レスター「だがしかし、申し訳ない。説明は城の中でと決まっていてね。この門を開けるには手順がいる」

レスター「世界各地に隠したキーストーン6つを集めてもらわなければいけない、そう言う決まりなんだが……」

【選択肢】暗黒騎士様は公務で多忙

1.「ならば、力ずくで開かせるだけだ」
2.「面倒だが、それしかないのか?」
3.「こちらも忙しいんだ、もう少し何とかならないか?」
4.「……付き合ってられないな」


・了承しつつ今回はこれまでに。本当に細切れで申し訳ない。

・毎週金曜日、地道に続ける。これだけは破らずにいたいと思います。

・諸事情により早めに投下。

・空を飛んだりするメガネの少年には一切の対抗意識がない事をここに宣言する。

アナゼル「面倒だが、それしか方法がないのか?」

レスター「どこを探せばいいかは教えてあげよう。あとは君自身の足と、力で手にするんだ」

再び冷たい風が吹く。目を逸らしたつもりは無かったが、やはりレスター卿の姿は消えていた。
生気を失い、静寂を取り戻した吸血鬼城の扉には印のつけられた世界地図が佇む。

アナゼル(まったく、面倒な事になったものだ)

しかもあの男、まず間違いなく核心的な情報を握っているのだから無視が出来ない。
やれ世界旅行だと言っても、こちらは色々と忙しい時なのだが……

アナゼル(……ん?これは)

世界地図の裏面に、小さく書き残されていた文字。
随分と古臭い文字であったが、その内容は俺を驚愕させるに十分な内容だった。


「試練を乗り越える力を示してくれ。久方振りの来客たらん事を、心よりお待ちしているよ。

追伸・忙しい中で探しに行くのは大変だろうし、君が望むならいつでも行けるようにとブレイブにお願いしておくよ」


【キーストーン探索がいつでも選択可能になりました】

【選択肢】10/26

・キーストーン集めが出来ますが、相応の日数が掛かります
・現在は「巫女の動向を各地で捜索中」、続報を待っている所です


1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【ヴィクター】

2.調べ物をする
・現在の主な関心事
【☆クリスタル正教の実態】クリスタル正教の光と闇、信徒と宗教者の違いか
【ユルヤナ地方】人が住んでいる裏付けが得られた。実際に行ってみたい
【クリスタルと巫女】巫女がクリスタルを暴走させる……?まだよく分からない
【☆謎の協力者】吸血鬼城、レスター卿……キーストーン集め、やるしかないか

・その他、人や地域、歴史、>>135の内容なども調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容について明記されていなければ再度安価します

3.移動する
・現在の公国内で移動できる場所:【公国市街地】【総司令部訓練棟】【吸血鬼城】【不死の塔(立ち入り許可無し)】
・レスター卿の根回しにより【キーストーン探索]が出来ます


↓コンマ6で遭遇

時間を置けば忙しくなる可能性はある。こう言う時は、面倒なことから片付けるのが一番いい。
俺は早速キーストーン探索の準備を進める。飛空挺を回せる最低限の用意だけがあれば十分なので、そう時間はかからない。

言えば平気と書いてあった通り、元帥閣下にその旨を伝えに行くのは少し気が引けた。
けれどもキーストーンのキの字が出た時点で元帥はすぐに項垂れた。

元帥「よい、何も聞かん。その代り、早急に済ませるんだぞ」


さて、印は6つ。どこのキーストーンを目指すべきか?


1.エタルニア領(必要日数:1日)
2.エイゼン領(必要日数:2日)
3.カルディスラ領(必要日数:2日)
4.フロウエル領(必要日数:3日)
5.ラクリーカ領(必要日数:3日)
6.ユルヤナ領(必要日数:?日)


・諸事情により本日はここまでにさせて貰いたいと思います。
見て下さってくれている方々にはいつもありがとうと感謝、そして申し訳ない。

・次回、戦闘の予感。

・今回は戦闘があります。コンマ取得など、お付き合い頂ければ幸いです。

・戦闘システムについてはやや試験的ですが、そうそう戦闘の機会とかないでしょうきっと

・使用上人数が必要な気もするので連取も時間も気にせずにどうぞ

やってきたのはラクリーカ王国の西。MB商会秘密ドックのやや南だ。
地元の人間でも由来は知られていない、不思議な形の石碑“オベリスク”。
一説によれば旧ナダラケス王朝の衰退期に建てられたものらしい。

アナゼル「暑いな……こうも変わるものか」

風のない砂漠は実に熱い。クリスタル異変の影響かは未詳ながら、世界異変の影響はあった。
ここラクリーカでは風が殆ど吹かなくなってしまい、風車を利用した重工業はストップ状態だ。
体感的な暑さも厳しいし、まるで良いことがない。原因調査と解決も期待できない。

四角錐形の石碑は近付くと思ったより大きい。表面にはよく分からない文様が彫られており、風化が激しい。
この中に試練と鍵を隠したとレスター卿は言うが、どういう……

手を触れた途端、石碑が光輝く。それを中心に、辺りの空気が吸い込まれるように渦巻く!
刻まれた文様に沿って光が疾走り、細かく枝分かれして何らかの図形を映し出す!
緑色によって描かれたそれは、直ぐに絵では無く実体を持った姿として俺の目の前に現れたではないか!

一対の翼を持つ、鱗に包まれた緑の巨躯。
その牙は万難を噛み砕き、その爪は万障を切り裂く。
周囲の空気が守るように渦巻き、軽い砂嵐が巻き起こる。
今尚伝承にも語られ、種として現存もしている大型生物。紛れも無くそれは、

アナゼル「石碑から……ドラゴンだとっ!?」

恐らくは“風”の竜種、一対一では厳しい相手かもしれないが……久し振りにいい運動が出来そうだな!

アナゼル「来るかっ!」


【戦闘が開始されます:VS風竜ワイヴァーン】

【暗黒騎士アナゼル】
HP:5000/5000
「たたかう」:*100+500
「暗黒」:HP10%を消費し*400+2000の闇属性攻撃、ジョブ特性で強化済
「練気」:使用ターンを含まない2ターンの間攻撃力を1.5倍にする。物理攻撃全般に有効

「デフォルト」:ダメージを半分にしつつBPを1蓄積する。
「ブレイブ」:BPを消費して行動回数を増加させる。1ターンに3回まで可能

VS

【風竜ワイヴァーン】
HP:20000/20000
基本攻撃力:*50+250
ストームブレス:敵一体には使用しない
嵐眼:ストームブレスを必要としない相手には使用しない

戦闘を行います

コマンドを入力、そのコンマ1で判定します

※「ブレイブ」を行う際は回数と直後に行う行動を明記の上、ブレイブした分コマンド数が増えます

・例
317:ブレイブ2 練気

318:たたかう

319:暗黒

コマンド入力は↓から
ブレイブした場合は増えた分のコマンドをどうぞ

敵の攻撃はこのレスのコンマで計算

どのみちダメくらうの確定だろうし、BP稼ぎつつ被ダメの減る「デフォルト」で

アナゼルはデフォルトした……BPを“1”蓄積!

ワイヴァーンの攻撃は防御体制によって阻まれる!

(4*50+250)/2=225
アナゼル:4775/5000


【暗黒騎士アナゼル】
HP:4775/5000
BP:“1”

「たたかう」:*100+500
「暗黒」:HP10%を消費し*400+2000の闇属性攻撃、ジョブ特性で強化済
「練気」:使用ターンを含まない2ターンの間攻撃力を1.5倍にする。物理攻撃全般に有効

「デフォルト」:ダメージを半分にしつつBPを1蓄積する。
「ブレイブ」:BPを消費して行動回数を増加させる。1ターンに3回まで可能

VS

【風竜ワイヴァーン】
HP:20000/20000
基本攻撃力:*50+250
ストームブレス:敵一体には使用しない
嵐眼:ストームブレスを必要としない相手には使用しない

コマンド入力↓  ブレイブした場合は増えた分のコマンドをどうぞ

敵の攻撃はこのレスのコンマで計算

・二人いれば回るんですがねえ。
いつも見て下さってる>>317さんありがとうございます。

・暫くは続けるのでコマンドは気軽にどうぞ↓

・今日も元気にこんばんは。私です。やっていきます。

・スレッドを建ててから約四ヶ月、本編内での時間経過はおよそ二ヶ月。
この調子だと完結まではあと……十四ヶ月くらいかかりますよ。ペースダウンも考えるともっと掛かる。
……じっくり続けて再来年までには終わるといいですね。

・ともあれ続編の体験版の様な完全版らしき廉価版ことBDFS、フォーザ・シークウェルが公式に発表となりました。
バトルシステムやイベント関連など気になる点は多いですが、私はとにかくパーティチャットのリプレイが欲しいです。

残りのキーストーンは5つ。ゆっくり休んでいる暇はない。
早急にそれらを回収し、謎を解き明かすのだ。
有事に備え遠い地域から手を付けていくとするならば、次は……。

ユルヤナ地方。これまで調べた情報を纏めると、古代エタルニア時代の功績ある大司祭に与えられた土地。
その名と同じ者が賜ったここは、人の手が加えられていない自然の聖域。無人の楽園だとも噂される。
しかし俺は以前、この森の中に灯を見た。山を越え、フロウエルへ訪れる老人の存在も語られている。
この様な場所に住む理由は分からないが、話を聞ければ恐らくユルヤナ地方については大体分かるだろう。

前回のキーストーンには守護竜が居た。エタルニア戦闘竜と比較してもより原種に近いものだ。
凶暴な気性と属性の力を宿した存在は脅威と言えよう。
何か具体的な準備をして行った方がいいかとも思うが……。

1.万能薬セットを持っていこう
2.汎用回復薬セットを用意しよう
3.別にどうでもいい


アナゼル「備えあれば憂いなし、とも言うか」

緊急時用の薬箱に用意したのは、汎用性の高い回復薬の詰め合わせだ。
ポーション、ハイポーション、少し貴重なエクスポーションも用意しておいた。

探索は自分一人になるだろうし、休憩の拠点があるかどうかも怪しいものである。
暗黒剣による消耗や未知の障害との接触があれば、回復手段は必ず必要になる。
以前と同程度の戦闘力を持つ竜種が待ち構えているとすれば、準備しておいて罰は当たらない。


【戦闘時に使用できる回復薬セットを用意しました】


ユルヤナ地方。フロウエル地方から連なるキレート山の東に位置するその地は、一つの湖を中心に森林が広がる何もない場所だ。
陸路でのアクセスにはキレート山脈に沿った長く険しい山道を抜ける必要がある。
さりとて海路で接岸可能な場所は無く、飛空挺がある故の気軽、気楽な訪問である。
森の静寂をそっと斬り裂き、公国歴16年の10月31日、重飛空挺“黒騎士”はユルヤナの湖に降り立つ。

どれほど探す事になるかと気に掛けていたが、人の姿はあまりにも呆気なく見付かることとなった。
それもその筈、湖には「飛空挺を想定した」桟橋が掛けられており、そこからさほどの距離も無しに民家らしき物が見えたからだ。

樹齢の計り知れない大樹を一本そのまま削って作ったような邸宅だ。
遠目にも広く快適そうな外観であり、表札代わりと思しき看板には「森の仕立屋」とある。
噂通りに腕のいい仕立屋の御老体がご住まいであれば、大層驚かれた事だろう。
俺は、そっと邸宅の方へと進んで行った。元よりこの訪問は俺自身の我儘。全ての責は負う覚悟だ。

アナゼル「もし、どなたかいらっしゃるか?」

??「何じゃ何じゃ、何か御用かの?」

声を挙げると姿を現したのは、古風な装束の老人だった。どこか元気そうな、飄々とした雰囲気を纏っているように感じる。
何かの紋章か、糸巻き車のようにも見える特徴的な杖を付いている。浮世離れした隠者か。

アナゼル「初めまして。私はエタルニア公国軍、アナゼル・ディーと申す者。故あってこの近辺を少々調査したいと思い、

その為にこちらの湖に暫く飛空挺を停泊する許可を頂きたく存じます」

??「ほーう、ほう。ご丁寧にどうも。……そうじゃな、まあいいじゃろう。森をどうこうしようとか、そう言うつもりでなければの」

アナゼル「それは勿論。ここの環境をいたずらに崩したりする事はこちらとしても本意ではありませんので」

??「何なら泊まっていくかの?ワシも一人暮らしで寂しくてな、たまには人の話も聞きたいんじゃが」

アナゼル「そこまでお世話になる訳には、と思いますが……右も左も分かりませんので、申し訳ないですがよろしくお願いします」

老師「それじゃあ、暫くよろしくの。ワシは……まあ、人は老師と呼んだりするかの。好きに呼んで構わんよ」

その後は老師殿とあれこれと会話しながら夕飯の席を整えることとなった。
旅で培った料理センスは口に合ったようで、曰く「これで可愛い女の子の手作りだったら言う事なしじゃのう」とか。

老師殿は随分と前からここに居を構え一人で暮らしているらしく、時たまフロウエルまで徒歩で赴いては仕立てた服を売るのだと言う。
山道は危険ではないかと尋ねると、「平気平気。これでもワシ結構強いんじゃよ?」と冗談混じりに言っていた。
実際幾つかは分からないが随分と元気に見えるので、体力も精神も活力あふれる健康体なのだろう。

さて、明日は早起きして石碑の探索を行わねばなるまい。
ユルヤナ地方の大森林を見て回るのもいいが、先にすべき事を片付けておく方が気が楽だ。


【ランダムイベントの類】

1-2:ユルヤナ地方ってどんなところ?
3-4:この服、どこかで……?
5-7:ここに来た目的
8-9:最近の世界情勢の話
0:どうしてキツネが喋るんだ


・そんなこんなで45分、2安価分で本日はこれまでに。
ご覧頂いている皆様にはいつもいつも感謝の念を送っております。

・話進まないね、仕方ないね。

・それでは。いつもながらコンマを↓に宜しくお願いします。。

・こんばんわ。相も変わらず私です。今夜も地道にやっていきます。

・明日はMH4の発売日ですね。私も買いに行きます。色々楽しみです。
毎回使用武器を変えているのですが、新武器を振るべきか悩むところです。

・夜更かししすぎない程度にやっていきます。ので安価後45分ほどで更新が自動終了します。

老師殿との何気ない会話。この近辺の事や好みの女性の事など。
察しているのだろうか、こちらの素性などについては殆ど聞かれなかったのだが、ただ一つ聞かれた事があった。

老師「それにしても、こんな所まで一体何を調べに来たんじゃ?ワシが言うのも何だが、何もない所じゃよ」

何を話しても受け止めてくれそうな懐の深さに期待してか、あるいは正直に話した所で信じるものかと思ったのか。
俺はまあ、正直に一部始終を話した訳だ。某所のある人物から言われ、世界各地に散らばるキーストーンを探していると。
しかし老人の反応は苦笑でも疑念でもない、予想外の反応であった。

老師「彼奴、そんな事しとったのか。ヒマなんじゃのう」

アナゼル「……は?」

……は?

聞く所によれば、何でもレスター卿と老師は古くからの知り合いらしい。
互いに暇を持て余したが故に隠棲して趣味に打ち込む日々だとか。

老師「こんな若い軍人さんに面倒な事をさせるのう。あんたも忙しかろう?」

アナゼル「ええ、まあ。合間を見つけて何とかと思っているのですが」

老師「にしても、一体何の用じゃ?ただの好奇心じゃあるまいて」

アナゼル「聞きたいことがあります。ちょっと昔の事について」

兜で顔は見せないが、真摯に語る。単なる物見遊山ではなく、明らかにすべき真実を暴かねばならない。
老師は納得したようにうなずき思案していたが、少ししてやっと口を開いた。

老師「ワシもちょっと興味出てきた、少し手伝っちゃろう。なに、遠慮はいらんて」

【コンマ】気紛れ

1-4:キーストーン1個分
5-6:キーストーン2個分
7-8:キーストーン3個分
9:ワシも同行するよん
0:吸血鬼城へGOじゃ


↓コンマ1で老師が手伝ってくれるようです

・どうもどうも。私です。

・あ、いや、MH4やってたわけではないんです本当デスヨ。
そんなこんなで別スレの方は更新が大変遅れている事を怒られるのが怖いのでここでお詫びします。

・最近筆のノリが今一つなのですが頑張ります。ブレイブリーな投下時間を限界突破して頑張りたいものです。

老師「それじゃ、その城まで行くかの」

アナゼル「……いや、しかしキーストーンは」

老師「面倒じゃね、扉をぶち壊して入ればええんじゃない?」

アナゼル「余り目立つのは」

老師「ワシあいつの事そんなに好きじゃないもんね。あいつも多分似たようなもんじゃし?」

アナゼル「一応約束という形に」

老師「忙しいって言ってたじゃろうに、ちゃっちゃか済むなら良かろうぞ」

公国歴16年11月2日。忙しく世界を飛び回っていたが、気が付けばもう冬だ。
新年の足音が近付いているのが分かる程に透き通る空気の中、俺はエタルニアに帰還した。
ユルヤナ地方への遠征はさしたる収穫も得られなかった……少なくとも今のところは。

老師は現地で合流すると言って消えてしまった。こちらとしても部下への言い訳を考えるのは骨なので助かるが。
何はともあれ、目指すべきは吸血鬼城だ。レスター卿とユルヤナの老師、二人が待っている。


城の大扉まで着くと、既に二人が待っていた。
老師はしてやったりと言う顔で、レスター卿は頭を抱えている。

レスター「……はぁ。君は大した人物だ。こういう方法で来るとは」

いや待ってくれ、俺は正直この案には反対したんだが……

老師「人脈、人徳も力じゃよ。わざわざワシに会いに来て話を通そうなんて殊勝なじゃもん」

自分から嬉々としてやったよな?仲良くないとか昔の恨みがとか言ってなかったか老師?

レスター「まあ、別にいいか。そこまで重要ではないし」

そうなのか!?あんな難題を出しておいて……

老師「真面目じゃのう、もう少し肩の力抜いたらどうじゃ」

永い永い、俺個人には想像もつかない程の時を経て久しぶりに開かれたであろう吸血鬼城の大扉。
その内側には、やはり暗く冷たい静寂と闇が広がっている。
この城は正式にはアイスコフィン城などとも呼ばれているらしく、その名にふさわしい冷気が封じられている。

広々とした城内を上へ上へと上って行く。所々に気になる古めかしい家具や芸術品が鎮座している。
時々何者かの気配を感じる事もあったが、こちらを窺う様に近くをうろついた後に去っていく。
レスター卿によれば、「雰囲気作りの一環だよ」との事だ。最後まで何が居るのかは教えてもらえなかったが。

また、各階の大部屋には独特な雰囲気の絵が掛けられていた。家族の肖像、この城と思われる絵、業火、そして未知の存在。
何か深い意味合いを描いていながら、今の俺には理解できないものであったが、その中に一つだけ既知の存在があった。

アナゼル「これは……アスタリスク?」

公国の幹部級にはそれぞれ「アスタリスク」と呼ばれる秘石が配られている。
これには職能付与と言う神秘的な力が込められており、手にした者は「職の力」を得られるのだ。
俺も「暗黒騎士」のアスタリスクを持っており、これによって暗黒剣の更なる習熟の助けとしている。
そして、目の前の絵に描かれているのは紛れもないアスタリスクであった。

アナゼル「公国の秘密であるアスタリスク……レスター卿、そしてその旧知たる老師、一体あなた達は何者なのですか?」

足を止めて問う。最上階には城主の玉座が置かれ、そこに座るレスター卿の姿は紛れもない高貴の身だ。

レスター「……君が最近、色々な調べ物をしている事はこちらも知っている。だから、一つの回答をしようと思う」

老師「お主が来る前に話しておったんじゃが、あんまり一辺に話すのも良くないと思うんでのう」


レスター「結論から言うと、君が調べていた公国建国の協力者とは、私達二人だよ」

レスター「おっと、我々の目的は話せない。今はまだその時ではない、そう思うからね」

老師「まあなんじゃ、あの青年がの?昔のワシらを見ているようじゃったんで、つい」

レスター「細かい話はもう少し状況が動いてから話すよ。ただ我々は少なくとも公国の敵ではない、これは確かだ」

老師「アスタリスクを用意したのもワシじゃし。作り方については企業秘密じゃが」


アナゼル「……分かった、分かりました」

いや全く分からない。正直よく分からない。
公国立ち上げの協力者とはこの二人だと言う。なるほど怪しげな術や不思議な説得力はあるだろう。
しかし、彼らの目的や個人性は一切不明のままだ。
一切の打算無くその様な事をすると、信じられるだろうか?

レスター「まあ、そんな所かな。それではまた何かあったら呼んでくれ。今度はこちらから本部に出向くよ」

老師「お主はもう少し外に出た方が良いと思うぞ?いっつもいっつも暗ーく引き篭っておるから陰気な顔なんじゃ」

レスター「元帥殿は私の事が苦手な様だしね。今更何か手助けしたり、口出ししたりと言うものでもないだろう?」

アナゼル「……そう言えば、お二人が協力者と言う事は六人会議の空席二名なのですか?」

老師「そんなのもあったのう。まあワシは特に何もしてないんじゃが」

レスター「一応エタルニア公王と言う事になっている、かな?家名で国に箔が付くなら安いものだよ」


【レスター卿、ユルヤナの老師と友好的な関係を結びました】

【公国にいる際、レスター卿に会いに行くことが出来ます】

【☆謎の協力者→☆二人の目的 に変化しました】

【選択肢】11/3

・現在の任務:巫女捜索の続報を待って待機

1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【ヴィクター】【レスター卿】

2.調べ物をする
・現在の主な関心事
【☆クリスタル正教の実態】クリスタル正教の光と闇、信徒と宗教者の違いか
【ユルヤナ地方】森ばかりの場所だったが、思わぬ人物が住んでいたものだ
【クリスタルと巫女】巫女がクリスタルを暴走させる……?まだよく分からない
【☆二人の目的】レスター卿とユルヤナの老師……どう言う人物なのか見極めなければ

・その他、人や地域、歴史、>>135の内容なども調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容について明記されていなければ再度安価します

3.移動する
・現在の公国内で移動できる場所:【公国市街地】【総司令部訓練棟】【不死の塔(立ち入り許可無し)】


↓コンマ6で遭遇

・あばばばばば

・本日の更新は哀れな>>1が寝過したため無くなりました。申し訳ない

・次のレスでコンマ取りますのでそれのみ。本当に申し訳ない

少し振りだが、今日もまた公国軍総司令部資料室へとやってきた。
調べ物の内容、気になるのはあの二人の目的だ。

エタルニア公王レスター・ド・ロッソ、正体不明のユルヤナの老師。
恐るべき実力者であろう二人はアスタリスクや作戦計画などで正教との対立を支援していた。

調べて分かる事かどうかは微妙な所だが、何を考えているのか。
どの様な利や義を見出して公国にこれほどまで協力したのか、それを俺は知らなければならない。

アナゼル「まずはこれまでの情報を整理しよう、あの二人の目的に関連しそうな内容は……」

1-6:「巫女の捕縛……」
7-8:「ロッソ侯爵家……」
9:「クリスタル正教?」
0:「“エタルニア奪還史”?」

↓コンマ

・……

・やっていきます。

これまでの情報と言っても、彼らに関連しそうな内容はここ最近の物ばかりだ。
何かヒントは無いだろうか?

アナゼル「確か以前……聞いた話によれば……」

~~~~~~~~~~

元帥「…………彼らは、危惧していた。その為に、巫女を手元に置く必要があるそうだ」

~~~~~~~~~~

そう、そうだった。この時元帥閣下からお聞きした話で俺は、クリスタル正教本部の儀式阻止作戦と公国建国についてを尋ねた。
そしてその立役者として裏から関わっていたのが二人の協力者……今の俺が知る所のレスター卿とユルヤナの老師だった。

正教に思う所があり、正教本部のあったエタルニアへの侵攻作戦を計画していたと言うのはまあ問題ない。
しかし、巫女の存在についてはとても神経質であったように思える。
巫女の真価とはどの様なものなのか?それを知っているからこそ、巫女の捕縛を目的としていたのだろうか?

アナゼル「巫女……クリスタルの、巫女か」

巫女について、俺は知らないことばかりだ。それを知ることが出来れば、俺にも彼らの思惑が少しは掴めるだろうか?


【二人の目的には巫女が絡んでいるようです】

【選択肢】11/4

・現在の任務:巫女捜索の続報を待って待機

1.人に会う
・現在会う事の出来る人物:【元帥閣下】【ヴィクター】【レスター卿】

2.調べ物をする
・現在の主な関心事
【☆クリスタル正教の実態】クリスタル正教の光と闇、信徒と宗教者の違いか
【ユルヤナ地方】森ばかりの場所だったが、思わぬ人物が住んでいたものだ
【クリスタルと巫女】巫女がクリスタルを暴走させる……?まだよく分からない
【☆二人の目的】巫女を手中に置く必要があった……何故か?巫女の真価とは

・その他、人や地域、歴史、>>135の内容なども調べることが可能です
・行った事のない地域や会った事のない公国軍の人物について調べることも出来ます
・調べ物の内容について明記されていなければ再度安価します

3.移動する
・現在の公国内で移動できる場所:【公国市街地】【総司令部訓練棟】【不死の塔(立ち入り許可無し)】


↓コンマ6で遭遇

巫女の捕縛は最優先指令である。ならば当然、俺の取るべき行動は一つ。

アナゼル「巫女が見つかったとあればこうしては居られません。自分も直ちにラクリーカへ向かい、巫女の捕縛を」

元帥「そう言うと思っていたぞ。……アナゼル、任せた」

言うが早いか、退出して飛空挺の準備を急がせる。この時の為に“黒騎士”はいつでも動かせるようにしてきたのだ。
……焚き続けた分の燃料代は馬鹿にならないが、そこは遊ばせていた分の給金でどうとでもなる。

いつ如何なる時でも、世界の何処へでも。必要とあれば駆け付け、尽力し、執行する。
それが六人会議として俺自身に与えられている任。暗黒騎士としての責務。
闇の様に冷酷で、夜の様に神出鬼没に。俺はそう在れているだろうか。

巫女の捕縛は最優先指令である。ならば当然、俺の取るべき行動は一つ。

アナゼル「巫女が見つかったとあればこうしては居られません。自分も直ちにラクリーカへ向かい、巫女の捕縛を」

元帥「そう言うと思っていたぞ。……アナゼル、任せた」

言うが早いか、退出して飛空挺の準備を急がせる。この時の為に“黒騎士”はいつでも動かせるようにしてきたのだ。
……焚き続けた分の燃料代は馬鹿にならないが、そこは遊ばせていた分の給金でどうとでもなる。

いつ如何なる時でも、世界の何処へでも。必要とあれば駆け付け、尽力し、執行する。
それが六人会議として俺自身に与えられている任。暗黒騎士としての責務。
闇の様に冷酷で、夜の様に神出鬼没に。俺はそう在れているだろうか。


一章

~犬には犬の誇り~

11月8日。時季は秋口ではあるものの、ナダラケス地方の砂漠では昼間熱く夜冷える環境が一年中続いている。
俺は“黒騎士”をMB商会の秘密ドックに置くと、すぐに調査活動を開始する事にした。
このまま留まっても、面倒な挨拶と無駄な籠絡の他に期待は出来ない。
それに先日の手土産で貸しを作っている状態もある。余計な会話で消費させずに維持しておきたい。

アナゼル「とは言ったものの……」

特に手掛かりがある訳ではない。人の集まる場所は都のみであるが、ノコノコと顔を出す程不用心とは思えない。
広大な砂漠のどこかに居るとすれば見付け出すのはまず不可能だし、こちらも捜索は御免被りたい。
風の巫女が唯一立ち寄りそうなのが風のクリスタル神殿である。修道女たちは全て行方が知れない。

アナゼル「そこまで詳しくはないんだよな……」

他にどの様なものがあるのか、実はよく知らない。フロウエルでもそうだったが、まずは下調べだ。
必ずこのラクリーカに居る筈なのだ、気合を入れていこう。

【選択肢】11/8

現在の任務:風の巫女及びその一行を発見する
現在地:ラクリーカの都


1.街を適当にうろつこう
コンマ次第で何か起こったり起こらなかったり

2.何はともあれ情報収集
「周辺の気になる所」や「最近の話題」などなど

3.移動する
「風の神殿」「MB商会秘密ドック」「ナダラケス砂漠」に移動可能



やはり巫女との接触は避けるべきだ。こちらの存在を気取られていないのであれば、機が熟するまで待たなければならない。
捕縛作戦は後回しとし、対象の目的や行動について突きとめる事が後に繋がる。
一方的に捕捉出来る状況を作るには……どうすればいいだろうか?

具体的な案を考えるか、あるいはひたすら街中を捜索するか。相手が街中に居るとは限らないのが困ったものだ。
いっそ先日泊まったという宿に言伝をし、巫女の来訪を内密に報せてくれるよう頼んでみるか。
それでさえ、どこからか漏れる危険性もある。何せ相手は一般人だ、【よっぽどの金を積まなければ安心は出来ない】。

そしてもう一つの優先すべき事項は、奪われた飛空挺の捜索だろう。
エシャロット号は小型で長期的船速こそ劣るものの、小回りや敏捷性は逃亡者が持つには厄介なレベルだ。
航行不能なダメージを与えるか、最悪の場合は沈める事も考えなければならない。
この付近で飛空挺が停泊できそうな所はそう多くない。【探そうと思えばすぐに見付かる】だろう……恐らくは。


どちらにしても発見後の行動については状況判断で動くより他にない。慎重に、努めて慎重に行動しなければ。

【選択肢】11/8・夜

・判定0により同日中のエクストラ行動ターン
・現在の方針:巫女一行に気付かれないように相手を捕捉狙い/飛空挺を捜索


1.街中を捜索
低確率で巫女一行を発見できる/極低確率で巫女一行に発見される

2.飛空挺を捜索
高確率で飛空挺を発見できる/低確率で巫女一行に発見される

3.その他の調査(調査項目を指定)
「巫女一行の足取り」や「周辺地理」、「最近の出来事」など

4.移動(場所指定)
「風のクリスタル神殿」「MB商会秘密ドック」に移動可能



潜んでいる俺の前に現れたのは、美しい黒髪の年若い女性であった。
いつ何処で見たのかは分からないが、ここ最近見覚えがあるような、不思議な印象を受ける。
一般的な基準で言って十分に可愛らしい、清楚な雰囲気を漂わせる彼女こそが風の巫女か。

飛空挺の縁に寄り掛かり、空を見上げ、溜め息を吐いている。
何を考えているのかは分からないが、状況が状況なのだ。弱音の一つも吐きたい頃だろう。

アナゼル(とは言え、こちらも遊びでやっているわけでは無い。巫女の目的が何であれ、その確保が俺の任務だ)

期せずして発見の機会に恵まれた、巫女(と思しき女性)と飛空挺の所在。
こんなに上手く行くと、空挺騎士団敗走の件を思い出し返って不安になる。

手練であろう巫女の従者については未だにその姿をも確認できていないこともある。
準備とタイミングが必要だ。もう少し相手を観察し、情報収集をしなければならない。

それからもう暫く監視を続けた後、何も起こらないことを確認してから俺は部下に監視を任せて眠りに就いた。

【選択肢】11/9

現在の所持情報:「飛空挺の所在」「巫女(?)の人相」
現在の未確定情報:「巫女の従者」「巫女一行の目的」


1.飛空挺の監視を続ける
巫女一行の情報を消極的に収集します

2.立ち寄りそうな街中で張る
巫女一行の目的や方針について消極的に調査します

3.巫女捕縛作戦の計画
実際に巫女を捕獲するための手段を模索します

4.気分転換
特に任務とは関係ないであろう情報が耳に入ってくるかもしれません

翌早朝、俺は停泊する飛空挺エシャロット号近辺へ潜み、部下から監視を引き継ぐ。
やることが決まり切っているのならば態々自分でやらなくとも良いのではないかと思う者もいるのだろうが、
個人的に情報収集と言うのは、自分自身でやる方が性に合っていると思う。

部下を信頼していないと言う訳ではないのだが、日頃からそういう任務に就いている事が殆どのためか、
自分から行動する事が癖の様なものになっている。何もしない時間を過ごすのが苦手と言われた事もあるが、その通りかもしれない。
しかしながら実働主義で地道、しかも年下の上司であるこんな俺に着いて来てくれる部下は本当にありがたいと思っている。
功績を挙げる事を決して焦りも渇望もしないが、日頃の恩義に報いるという意味では何がしかの手柄が望ましい。

飛空挺の監視は丸一日続けていたが、思ったより人の出入りは見られない。
船の中に籠り切りなのか、此方の目を出し抜いて船外に出ているのか、あるいは初めから船は蛻の殻か。
接触を避ける上で、無用なリスクは冒せないが、さて……。

【コンマ】張り込み

1:「何者ですか!?」
2-4:……特に何も起こらない!
5:黒髪の美女だな
6:暑さで頭がどうかしたのか、最愛の君が見える
7:生きていてくれたのか!
8:ティル……どうしてそこに居るんだ
9:おっさん、楽しそうじゃないか
0:小さい魔物か!


↓コンマ1

そのまま見張りを続けるも、これと言って変化は見られない。
熱い日差しがやがて傾き、過酷な砂漠の夜が訪れる。

アナゼル(参ったな)

仕方なくその日は退散し、翌日の行動に備える事にした。

【選択肢】11/10

現在の所持情報:「飛空挺の所在」「巫女(?)の人相」
現在の未確定情報:「巫女の従者」「巫女一行の目的」


1.飛空挺の監視を続ける
巫女一行の情報を消極的に収集します

2.立ち寄りそうな街中で張る
巫女一行の目的や方針について消極的に調査します

3.巫女捕縛作戦の計画
実際に巫女を捕獲するための手段を模索します

4.気分転換
特に任務とは関係ないであろう情報が耳に入ってくるかもしれません

情報については未だ不十分ではあるが……そろそろ巫女捕縛の為に考えを巡らせる頃合いだろう。
巫女一行の戦力は不明ながら、伝聞には年若い従者が三人と聞いている。
空挺騎士団の面々を破ったという手練相手ならば、黒騎士の手勢だけでは戦力不足か。

そもそも暗黒剣は諸刃の刃、継戦能力に難があるため多数を相手にするのは苦手である。
実力の程を問わずとも人数がいると言うだけで躊躇いがある。
こちらも仲間を増やして対処するか、どうにかして一人ずつ無力化していくか……
敵が飛空挺であるという点も憂慮すべき問題だ。追い詰めても逃走の目が残る。

1.気は進まないが商会に協力を要請
2.時間が掛かっても信頼のおける増援を要請
3.手勢で包囲、物量戦を仕掛ける
4.“黒騎士”で艦戦に持ち込む
5.陽動を張って自ら潜入し暗殺を狙う(殺しはしないが)
6.その他、自由安価


ここで巫女一行を逃したとして、相手がどこへ逃れられるか。
もう一度発見するチャンスは恐らくあるだろうが、一度見つかってしまえば二度とその警戒は解けないだろう。
……こちらが発見されていないという仮定の下であるが。

なので、飛空挺はエシャロット号の停泊を観測に留め、フロウ・ラクリーに残したまま陸路でのユルヤナ地方潜入を検討する。
以前に聞いた話ではフロウエルとユルヤナ地方はキレート山道を通って行き来が可能だ。
大森林が広がっている彼の地には隠棲の住まい以外にまともな場所は無く、より近距離での監視が可能になる。
巫女一行の状況についてより密接に、近距離で観察する事が出来れば更なる情報が得られる。

直ちにメンバーの選別を行う。単身での潜入では探索範囲や監視に限界がある。
噂のキレート山道入口、出口、エシャロット号、その他何か見付かれば人を割く必要が出る。
自身含めて六人程度か、隠密行動の能力を重点的に絞っていこう。

緊急発進した“黒騎士”であったが、方針の転換からその行動は適度な上昇のみに留まった。
遠距離からエシャロット号の存在を観測した後、俺と部下五名をフロウエル側の岸に降ろす。

キレート山はフロウエルから東、道を逸れた先に広がる。かつて大きな力によって引き裂かれたと言う伝説があるとかないとか。
相応の危険は伴うものの、二つに割れた山の間。絶壁の崖道を通る事が出来る。
地の底には深い闇が広がっており、足を滑らせれば死は免れない。野生の生物にも注意を払い進まねばならない。


急ぎの出発から2日が経ち、11月13日。我々一行は無事ユルヤナ地方へと侵入する。
道中不審な人物を見かけたり、凶暴な大亀と遭遇したりと言った事があったがここでは省略する。
既にこの地にいると思われる巫女一行との鉢合わせに細心の注意を払いつつ森を抜け、老師の住まいに到着。

やはり巫女と知り合いであったというユルヤナの老師は、巫女一行は今はこの場を離れているが数日中には戻ると言った。
その詳細な理由や居場所については語ろうとしない辺り、積極的に協力してくれると言う訳ではないのだろう。

巫女一行の追跡を始めてから数日が経つが、未だ捕縛に至る決定的な隙は見出せず、それどころか内情や目的すら不明だ。
俺にしても多少の焦りはある。巫女を放置しておく事で起こり得る重大な不利益、任務の遂行。
動きが無いのであれば尚更、活動報告に記す内容も必要になる。
本人が話そうとしないとしても、何かひとつくらいは聞いておかなければなるまい。

【選択肢】尋ねるのは、巫女の……

1.「目的」
2.「仲間」
3.「意志」
4.「あなたとの関係」



??「あ……貴方が、老師様が話しておられた……?」

気配の接近を察して向き直れば、そこにはいつか見た後ろ姿に合致する女性が声を掛けてきていた。
あの時夜のエシャロット号で見た、そしていつかの日に風の神殿の中で見掛けた姿であった。
風の巫女。紛れ無く、これが我々が追い求める巫女の一人。現状その行方がはっきりしており、様々な活動を行っていると言う。

話しかける声は控え目で、どう接していいのか分からないのだろう。無理もない。
自分とほぼ敵対しているであろう者が、突然平和的に話がしたいと言ってきたのだから。
ならばこちらから名乗り、手を明かすのが筋と言うものだろう。

アナゼル「エタルニア公国六人会議が一人、暗黒騎士アナゼル。心配せずともここで手出しするつもりはない」

??「……風の巫女、アニエス・オブリージュと申します」

アニエス「老師様も言っておられましたが、どうしても私は貴方の事を完全に信じ切る事は出来ません」

アナゼル(それは、そうだ。老師もいるのだ、鎧を脱げと言うならしよう。剣を置けと言うなら従おう。そのつもりだが)

アニエス「……なので、私が最も信を置いている仲間をここに同席させて貰いたいのですが、構いませんか?」

アナゼル「その程度、断る理由もない。どの様な者でも自由に…………ッ!?」


ティズ「アニエス、いくら老師様が言っていたからとしても、こんな危険な事をする必要はないと僕は思うよ」

アニエス「確かに、わざわざ公国の追手と会って話をするなんて普通では考えられない事だと私も思います」

アニエス「けれど、この方は私がここにいる事を知った上で話を持ちかけてきました。そこには何か……理由があると思うのです」

ティズ「それは……そうかもしれないけど!けど君にもしもの事があったら、僕は……」

アニエス「ですが、彼らが私たちにとって障害となるのなら、いずれ……」


アナゼル(ティズ……?ティズ・オーリアか!生きていたのか……!あの状況で、よくぞ……)

アナゼル(…………正直、絶望的な状況だと思っていたが)

アナゼル(しかし、今は再会を喜ぶ状況ではない。知らぬ振りをしていれば名前の似た別人とでも思うだろう)

アナゼル「話はまとまっただろうか?風の巫女よ、こちらから聞きたい事がまず一つある。そしてそちらの疑問にも答えよう」

アニエス「分かりました。差し支えない範囲であれば答えましょう」

アナゼル「先ず第一の質問だ。風の巫女、貴女の目的は一体何なのだ?」

アニエス「……目的、とは?正直な話、少し質問の意図が掴めないのですが……」

アナゼル「貴女が今何を目的としているのか、何をしようとしているのか。それをお聞きしたい」

アニエス「クリスタルの巫女はクリスタルとルクセンダルクの為に行動しています。今はこの世界の異変を抑える事こそが目的です」

アナゼル(異変を抑える……そのような事が可能なのであれば、成程どちらが悪かという話だが)


アニエス「私からは、そうですね。エタルニア公国軍の目的について聞きたいです」

アナゼル「我々の目的はアンチクリスタリズムの遂行。クリスタル正教からの脱却、これを目指す事だ」

アニエス「……あのようにカルディスラを攻める事が、その目的に必要な事だというのでしょうか?」

アナゼル(……俺自身も少し性急であったとは思うが、ここは少し迂闊をつついてやるか)

アナゼル「……確かに我々はカルディスラ王国に対してやや急進的に要望しているのは確かだが、詳細については調査中だ」

アナゼル「そのように武力的な行為が行われたと言うならば近くカルディスラから抗議があるだろうし、それは外交の問題である」

アナゼル「巫女殿はルクセンダルクの為にと、各国の外交姿勢について介入の意思があるとお考えか?」


アニエス「え……えっと」

ティズ(必要であればそれも辞さない!って言いたいところだけど、ラクリーカでも言われたな……これはその国の問題だって)

アニエス(今は公国が何をしていようとも、それについて大々的な抗議をするだけの力がありません)

アニエス(カルディスラ王は全面的に協力すると仰られていましたが、公国が本気で攻め落とすつもりならばあっという間だったかとも)


アニエス(ラクリーカのマヌマット王は私の事をよく思っておられないようですし、行動で示すより他に無いのが現状ですね)

アニエス(あからさまな悪事を見過ごす事はしませんが……使命の為に旅をしている私たちに、あまり余裕が無いのも事実です)

アナゼル「失礼。少々意地の悪い返しであったか?そちらの発言は質問には数えないでおく故、こちらの質問にも答える必要はないとしておこう」


アナゼル「では、次の質問に移ろうか?」

【選択肢】一問一答

アナゼルの得ている情報
・巫女はクリスタルを覚醒励起させる事が出来、土のクリスタルのエネルギー漏出にも深く関わっている
・元帥としてはクリスタルの管理の為に、またレスター卿と老師も何かを危惧して巫女を手元に置く必要があると考えている
・風の巫女の目的は異変を抑え、世界を救う事。……老師によれば、それは「クリスタルの解放」を行う事?


1.世界の異変を抑える、とは具体的にどの様にする?
2.クリスタルの解放、とは一体何なのか?
3.クリスタル正教についてどの様に考えているか?
4.改めて、クリスタルの巫女とはどの様なものなのか?
5.その他(自由安価)


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月02日 (日) 01:31:46   ID: hEK9mRvp

5!

2 :  SS好きの774さん   2015年04月04日 (土) 16:25:57   ID: YAVPTEUF

はよ

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