F.F「それだけじゃわからないな。どこで聞いた言葉なの?」
徐倫「娯楽室にコミックのリーフがあるだろ? あれに紛れて日本の漫画があったんだ」
エルメェス「日本語読めるのか」
徐倫「少しはね。で、その内容があんまりよくわからなくてさ」
F.F「男同士で顔近づけて喋るヤツだろ?」
徐倫「そうそう、そういうの!」
徐倫「後書き見てたら、そういうのをBLっていうんだってさ」
F.F「それならわかるよ。前に日系人の囚人で、詳しいヤツがいたなだ」
エルメェス「F.Fは何でも知ってるな」
F.F「まず徐倫が読んだのは漫画本でも薄いヤツだろ? リーフみたいに」
徐倫「そうそう。日本にもあったんだな」
F.F「漫画の中でも同人誌っていって、普通の出版社が販売するものじゃあないんだ」
F.F「日本のギークは個人や仲間同士で漫画を出版することがあるんだ」
徐倫「マジで? すごい行動力だな」
エルメェス「やつら未来に生きてるからな」
F.F「同人誌ってのはそれほど熱意のある連中が情熱に任せて作るんだ」
F.F「おまけに出版社のコードにとらわれることもない。だから好き放題やってるわけ」
F.F「とはいえ、エロい漫画が大半だな。有名なマンガやアニメのキャラクター同士をセックスさせるんだ」
徐倫「もしかして、あたしが読んだのも?」
F.F「BLはBoysLoveの略。男同士でセックスしてたろ?」
徐倫「ああ…… 言われてみれば、そうだったのかも……」
エルメェス「見てわかんねーのか?」
徐倫「変な体位でやるから、何してんのかピンとこなかったんだよ」
F.F「仕方ないよ。日本の漫画に見慣れてないとね」
エルメェス「そういうもんかな」
徐倫「……ん? ちょっと待て、有名な漫画のキャラクターを使ってるということはさ」
徐倫「日本の漫画って、こういう男同士でセックスする漫画がフツーなわけ?」
エルメェス「ヤツら未来に生きてんな」
F.F「そうでもないよ。普通の漫画からキャラクターたちがセックスしてる光景を想像して描くんだ」
徐倫「何だそりゃ!? つーことは日本人はキャップとスパイディがセックスするとか思い浮かぶのか!?」
エルメェス「キャップとフューリーなら何とかいけそうじゃあないか?」
徐倫「いや、無理だろ!」
F.F「スパイディなんてあのスーツの下にパンツはいてないからな」
F.F「日本で本格的にデビューしたら絶対そっち方面でネタにされるぞ」
徐倫「人類の夜明けだわ…」
徐倫「漫画も奥が深いもんだな」
エルメェス「奥まで入ってるもんな」
徐倫「日本人は変態が多いって聞いた事あるけど、コイツは想像をこえていたわ…」
エルメェス「日本の漫画やアニメが好きなオタクってのはみんなこういうこと考えてるもんなのか?」
F.F「嫌いな人も多いけど、いい年して見てる人の大体は考えるだろ」
徐倫「元からセックスばっかりしてるようなストーリーが多いのかね」
エルメェス「だろうな。でもなきゃこんなことホイホイ思い浮かばないだろ」
F.F「でもヤツらには面白い習性があってね」
徐倫「ここまでで充分おかしいだろ」
F.F「キャラクター同士のセックスは想像するのに、アニメの中でそれを描かれるとものすごい反発するんだ」
F.F「実際にこういう事件があった…… 有名な漫画の中で、ヒロインの女の子の元カレが出てきたんだよ」
F.F「ファンは怒り狂って、漫画を破いて出版社に送った人までいたんだぜ」
エルメェス「よくわかんねーヤツらだな。何がいけなかったんだ?」
F.F「その女の子が処女じゃなかったからさ」
徐倫「え、それダメなの?」
F.F「他にも、ゲームのヒロインが処女じゃなかったら、ディスクを割って返品したりするんだ」
徐倫「何だよおっかねぇ……」
エルメェス「それ、製作者がわざわざそういうストーリーにしなきゃ解決じゃねぇの?」
F.F「そうかもね。でも何故か時々起こるみたいだよ」
徐倫「じゃああたしらも日本でアニメになったらディスク割られちまうな」
エルメェス「えっ…?」
徐倫「…?」
F.F「……」
徐倫「オイなんだよエルメェス!? オメェまさか!」
エルメェス「……き、気にすんなよ! いーだろそのくらい!」
徐倫「いいや良くねー! 正直に吐け!」
エルメェス「こ、子供の頃から姉ちゃんに言われててよぉー…… 結婚するまでするなって……」
徐倫「お、おぅ……」
F.F「まぁ、本来その方がいいんじゃないかな」
徐倫「ともかくだ、これで安心してエルメェスが日本デビューできるな!」
F.F「そして日本のギークどもがエルメェスでエロいこと想像し始めるぜぇ~」
徐倫「エルメェス『股間にシール貼ったら処女捨てられた』とか?」
F.F「気に入ったァーーーッ!!!」
エルメェス「いい加減にしろテメェェーーーー!!!」
——娯楽室——
徐倫「男同士のセックスねぇ~ そう思って読めば見やすくなるな」
エルメェス「本気でやってんのかよ…… クソッ セリフが読めねぇ」
徐倫「他のも読んでみたくなったな」
エルメェス「でもここじゃ滅多に入荷しねーだろ。日本の一般に流通してない本なんて」
徐倫「そこが刑務所の七不思議だぜ、エルメェス… ライフルを仕入れちまったヤツだっていた」
徐倫「どうにかならないかな。ちょっとエンポリオに聞いてみよう」
徐倫「エンポリオ~? 相談があるんだ。入るよ~」
エンポリオ「おねぇちゃん? ちょ、ちょっと待って!」
徐倫「なんだ?」
少女「……」
徐倫「? 新しく入った子?」
少女「お姉さま… お待ちしておりましたわ!」スリスリ
エルメェス「え、誰!? 徐倫の知り合い?」
徐倫「いや知らないよ! エンポリオ、この子は?」
エンポリオ「……アナスイだよ」
アナスイ「チッ… バラすのが早すぎるぜ」
徐倫「うおおお、本物のアナスイもいた!?」
アナスイ「ダイバー・ダウンでこの子の中に入り込んで操作してたんだ」
徐倫「またくだらねー遊びをしてるな」
アナスイ「いやぁ、こう毎日退屈だとよぉ~… チラっと魔が差すこともあるんだよ!」
徐倫「にしちゃあずいぶん慣れてなかったか?」
アナスイ「」ギクッ
徐倫「こういうの、よくやってんの?」
ウェザー「……やる」
アナスイ「しょうがないだろ! この間、娯楽室で変な漫画見ちまったんだ」
徐倫「もしかして、日本語のリーフみたいなヤツ?」
アナスイ「お、よく知ってるな」
アナスイ「辞書ひいてもよくわかんねーセリフばっかりだったけどよぉ~…」
少女「読んでるうちに… その… こういのもいいかなって///」
徐倫「語尾に変なマーク付けるな! 何だよこういうのって!」
少女「キャッ! お姉さま、あんまりいじめないで……」
徐倫「あ… ゴメン、あんたに言ったわけじゃないんだ」
ウェザー「…」ボソボソ
エンポリオ「アナスイ、ウェザーがそこで彼女の台詞は「でもやめないでぇ」がいいって」
アナスイ「なるほど、それもアリだな」
徐倫「この変態どもめ……」
アナスイ「何をいうんだ! どこも変じゃあないぞ!」
エンポリオ「日本ではよくある遊びなんだ」
徐倫「そうなの?」
——女子監——
F.F「ああ、そういうのもあるね」
徐倫「あんの!?」
F.F「女の子同士だってセックスの対象になるうるってことさ」
エルメェス「何をどうするんだそれ?」
F.F「日本には『女の子が変身して戦う』っていう、スーパーヒーローの亜種みたいなジャンルがある」
F.F「それに出てくる子たちは大抵やりたい放題さ」
徐倫「でも女同士ったってなぁ… 面白いことないだろ」
F.F「だから生やしちゃうって手もあるね」
徐倫「おい生やすってまさか…」
エルメェス「ん? 何生やすって?」
F.F「こうだよ!」
徐倫「実演しなくていい! 変なとこ盛るな!」
F.F「これな、機能だってバッチリだぜぇ~~!」ビクンビクン
徐倫「うおお…… マジだわ」
エルメェス「なるほど、こうなってんのか……」
F.F「どっちからいく? 徐倫の方が慣れてるんだよね?」
徐倫「待て! いくってオメェ! どういうことかわかってんのか!?」
F.F「わかってるよ! 知性なら二人より上だッ!!」
ドシュウゥゥ……
徐倫「うおおおお!!!!!」
エルメェス「……」
・
・
・
F.F「どう?」
徐倫「……月イチくらいで頼むわ」
——面会室——
承太郎「久しぶりだな、徐倫」
徐倫「ディスクを入れたら具合も良くなったようだな」
承太郎「おかげさまでsな。今日来たのは話があってな」
承太郎「SPW財団日本支部が、現地の制作会社と共同でジョースター家のアニメを製作しているんだ」
徐倫「」
承太郎「現在、俺のじじいの代まで放送中だが、非常に好評らしい」
承太郎「まだ未発表の情報だが、俺とDIOの戦いも製作される見通しだ」
徐倫「それさ、あたしらにも関係あるの?」
承太郎「俺が日本へ行っている間の事には関係ないだろうが」
承太郎「今後の展開に備え、別働隊がイタリアへ資料を集めに行っている」
承太郎「それが済んだら、いずれはこっちへ来るかもしれん。まぁ、先の話だがな」
徐倫「まさか…… そこまで続かないだろ?」
承太郎「スマン」
承太郎「俺だって娘の活躍がアニメになると聞いたら、多少は口添えせずにいられなかったんだ……」
徐倫「ふざけんなテメェェーーー!! アニメになんて絶対ならねぇからな!」
おわり
アメコミにも腐女子っているのかな
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