【安価】魔王「安価で拠点を改造して勇者を迎え撃つ」勇者「同時進行で攻略する!」 (98)

WARNING! WARNING! WARNING!

>>1はss書きが初めてにつき、

「ここの文法おかしいぞ」

「ここが面白くない」

「それは違うよ!」

・・・等感じることがあればご指摘いただきたい。よろしくお願いします。


「だ が 断 る」

・・・あなたの気分が悪くなるだけなのでブラウザバック推奨。

「失踪も立て直しも許さん!鉄十字キラー、スパイダーマッ!」

・・・保証できないからブラウザバック推奨。

「ちくわ大明神」

・・・誰だお前。



魔王「おk?」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391332192

 その作戦は突然に始まった・・・そう、あれは不気味なほどの晴天の日だった。

側近「魔王様!」

魔王「何だ、騒々しい」スッ

基地守将「それポンです」スッスッ

軍港守将「う~ん、こうかな」スッ

城塞守将「ロン!」

軍港守将「マジかよ」

基地守将「あ~もう~」ジャラジャラジャラ

軍港守将「今日調子悪いわ」ジャラジャラジャラ

城塞守将「キヘヘヘヘ・・・」ジャラジャラジャラ

魔王「真昼間からやるものではないなあ。」ジャラジャラジャラ

側近「」イラッ

側近「魔王様!」

 即金の出した大声に、魔王は雀卓から向き直った。

魔王「あ・・・ああ、何事だ?」

側近「諜報部隊のハーピーが大手柄です!」

魔王「何?何が起こった?」



側近「『はじまりの街』で、勇者が旗揚げしたとの知らせです!」





 その頃、始まりの街。ひとりの青年が、勇者として旅立とうとしていた。彼の周りには大勢の村人が集まっている。

村人「本当に、行くのかい?」

勇者「ははは、村人さんは心配性だなあ。大丈夫、きっと帰ってくるよ。」

村人「・・・ああ・・・」

勇者「僕は、魔物たちに虐げられている人々を助けたいんだ。とても放っておけない」


町娘「勇者さん!」

勇者「ああ、町娘ちゃんか。ん?その包は・・・」

町娘「あの・・・前、美味しいって言ってくれた菓子です。持って行ってください」

勇者「ああ!ありがとう!大切に食べるよ!」


 町娘から包を受け取り、いよいよ街から出ようというところで、両親が目に付いた。孤児だった自分を引き取り、
大切に育ててくれた父と母。


勇者「父さん・・・母さん、行ってきます」

母「ああ、勇者、気をつけなよ。魔物に気をつけなよ。道に迷わないように気をつけなよ。それから・・・」

父「もう子供じゃないんだ、うまくやれるさ。」


 心配する母を制するように、目を閉じたまま父が噛み締めるように行った。少し胸が痛む。


母「・・・・・・じゃあ、行っておいで」

勇者「・・・はい、行ってきます!」


 母と父の視線を振り切るように、素朴な門を出る。周りにはまだ農家の家々が存在するが、そのうちただの草原になる。


?「勇者さん」

勇者「え?」

 予想外な声掛けに、足を止める。門のすぐ横に、鎧に身を固めた男がいた。

勇者「・・・どなたです?」

?「私は、王の使いです。あなたを王宮まで案内するために派遣されました」

勇者「それはありがたい!途中の町で道を聞こうと思っていたんです」

案内役「では、行きましょう。王宮までの道も遠い、魔物も出る。どんどん進まないと冬になります」

勇者「はい!」


 勇者の冒険が、今始まった。



ハーピー「これは大変だ!」


側近「・・・とのことです!」

魔王「ほう。始まりの街の孤児・・・か。」

基地守将「魔王様」

魔王「ん?」

 たまたま軍議で来ていた基地守将が、鹿爪らしい顔で声を上げた。


基地守将「これは由々しき事態です。我が軍は王国との戦争より数十年、施設の老朽化が進んでおります。」


城塞守将「・・・(なあ、老朽化してるのか?)」

軍港守将「(俺たちのところは魔王所に近いから新しいんだよ。)」


基地守将「恐らくやつめも王宮を経由して我が戦線を破り、神殿で女神の洗礼を受けるのでしょう。」


城塞守将「・・・(なあ、破られるのか?)」

軍港守将「(馬鹿、神殿の方は半分山賊みたいな奴らばかりだ。守りきれる方がおかしい)」


基地守将「女神の洗礼を受けた勇者には、とても今の設備では敵いません。」


城塞守将「・・・(なあ、かなわないのか?)」

軍港守将「(もうお前黙ってろよ)」


魔王「・・・何が言いたい」

基地守将「この遠征を乗り切ればどうにかなります。急ごしらえでも各拠点を増強して、勇者を撃破するのです!」

 基地首相は自信有りげに言った。魔王も頷いた。



魔王「・・・影よ」

 瞬間、魔王の影が揺らめいた。膝まづく男の影だけが、浮かび上がる。

影「ここに」

魔王「緊急軍議だ。残りの拠点の守将を集めろ」

影「仰せのままに」

 影が疾走し、扉に消えた。



魔王「・・・魔王軍拠点改修計画、とでもいったところか。側近、会議場を整えろ。」

側近「はっ!」


 続いて扉から側近が走り出た。


魔王「基地守将、なにか考えがあるのであろう?」

基地守将「もちろんです。これ、神官。」

 すると、入れ替わりに怪しげな神官が入室した。礼儀のつもりなのか、フードを後ろにどけており印象はいい。

安価神官「これはこれは魔王様。お会いできて光栄です」

魔王「・・・!?」



 その頃、勇者は王宮への道を歩いていた。草原の中にいっぽん伸びる砂利道で、荷馬車の轍の跡が生々しい。


勇者「・・・」


案内役「・・・」


 しかし彼らは、地平線を眺めてはいなかった。歩を進めつつ、周囲に油断なく気を配る。


 何か、いる。それだけはおぼろげに察した。


案内役「・・・!右です!」

勇者「!」

ゴブリン「ホブァア!」


 瞬間、背の高い草の間から二体のゴブリンが走り出た!棍棒を振り上げ、勇者に迫る!


勇者「う、うわっ!」

 勇者は咄嗟に剣を抜き、そのまま横に薙ぎ払った。ゴブリンの胸が両断され、上半身が飛んでくる!これは勇者にダメージを与えることは叶わなかったが、二体目の攻撃を当てるための目くらましにはなった。

ゴブリン「ヘブルァ!」

勇者「く・・・」

 その時、剣が飛んできてゴブリンの横っ腹に突き刺さった!

ゴブリン「ガブルゥ・・・」

 ゴブリンは完全に沈黙した。


勇者「・・・?」

案内役「私です。危なかった。魔物相手に躊躇してはいけません、斬ったと思ったら次の敵を見るんです。」

 案内役の男は剣を拾うと、ゴブリンの亡骸を振り払った。懐から取り出した布で建を軽く拭き、鞘に収める。

勇者「あ、ありがとう。気をつけるよ」

案内役「まったく、このへんも物騒になった。自警団なしには散歩も出来やしない」

 今のは本音が出た気がした。ここらへんの出身なのだろうか。

案内役「さあ、まだ四分の一です。」

勇者「よし、進もう」


 その時、草陰から小さな影が走り出た!


勇者「ッツ!?」

案内役「・・・」

 猫のような・・・それは、勇者のすねに体をこすりつけていた。ひたすらこすりつけては、上目遣いにこちらを伺っている。

 しばらく唖然としていると、不満そうな顔をして去っていった。

勇者「・・・なんですあれ」

案内役「・・・スネコスリだ。」

勇者「スネ・・・?」

案内役「外来種だ。この辺は幻想っぽいからな、各地から集まってきやがる。あれは実害はないからいいがな」

勇者「・・・」

 もうちょっとあの柔らかい毛皮を感じていたかったが・・・

 

今日はこれまで。安価神官の活躍をお楽しみに。


 ところ変わって魔王城。

城塞守将「怪しい」

軍港守将「・・・そうだな」

安価神官「ひどい!八卦とはちゃいまっせ大将方」


魔王「口を慎め・・・基地守将、この神官は?」

基地守将「彼は『安価』と呼ばれる方法で天の意思を仰ぐことができます。」

魔王「ほう」

基地守将「きっと天のご意志に沿って拠点を改修すれば、勇者を討つことも容易いでありましょう」

魔王「・・・まあ、でたらめに行うよりよかろう。」

基地守将「勇者は王宮を経由して『草原の集落』に向かうでしょう、今回はそこの改修内容を決めましょう。」

魔王「『草原の集落』?聞かないな。」

基地守将「戦争前はこちらに味方する盗賊のアジトでしたから。」

魔王「そんな末端の末端の末端を改修する必要があるのか?」

基地守将「戦争で国力を弱めた我が国にとっては、貴重な拠点です。もっとも今守備についているのは盗賊と盗賊崩れの魔物ばかりですがね」

魔王「ふむ。それでは早急に手を打たなくてはな。ほかの拠点はどうなんだ?」

基地守将「ここの方が特別ですね。王宮と神殿間に存在するのは・・・


草原の集落

 地方の草原に位置する拠点。もと自衛集落で、土塁や塀を備える。
 盗賊のアジトを経て魔王軍の拠点となり、現地の盗賊と魔王軍が共同利用している。とはいえ配置されているのは
半分盗賊のような兵ばかりである。


街道の陣屋

 大戦争時代に交通の把握、支配力の強化、進行の橋頭堡として利用することを想定して建造。集落より設備は充実しているが、
老朽化が著しい。
 現在は魔王軍の独立戦隊が駐屯。国境監視を任されたエリート兵たちが日夜訓練に励んでいる。


山頂の堅城

 街道脇の山の頂に位置し、戦争以前の戦国時代に建造された拠点。高所の戦術的優位性を基に築城されており、
急斜面と十字砲火が強力な防御力を生んでいて戦争でも落城しなかった。
 改修も行われ未だ有力な拠点であり、地方支配の軍術的面をになっている。



基地守将「こんなところでしょうか。神殿から魔王城までには私に任されている基地も含め・・・五箇所ですかね」


城塞守将「???」プスプス

軍港守将「城塞守将・・・なんでお前そんな頭で守将を任されてるんだ」


魔王「ふむ・・・」

基地守将「今回は集落の回収内容を安価で決めましょう。」

安価神官「お任せあれ」

魔王「そろそろ守将たちが集まるだろう。移動魔法というのは実に便利だ」

 
その頃、勇者はというとひたすら歩き続け・・・

勇者「あっ!案内役さん!街が見えてきましたよ!」

案内役「ええ。大きいでしょう?」

勇者「すごい、見えてる建物だけでもすごく大きいことがわかります!」

案内役「市場やギルド、図書館や博物館。王に面会したら、一通り歩いてみるのが良いでしょう。」


 と言いながら、勇者に休憩しようと手で示した。勇者は早く行きたくてウズウズしていたが、足が悲鳴をあげていたので素直に腰を下ろした。


勇者「このあたりには魔物はいないんですか?」

案内役「それは首都ですし、魔法での監視と兵士の巡回が行われていますから、ほぼ」

勇者「はあ~」

 勇者は改めて自分の街との違いを痛感した。自分は自警団として巡回する父に憧れて、強くなりたいと剣を取った。果たしてそれは幸せなことか、不幸せなことか。

案内役「・・・ちょっとこれを見てくださいよ」

勇者「え?」

 案内役は腰のポケットから写真を取り出していた。真新しい写真で、可愛らしい女性が赤ん坊を抱いて写っている。

案内役「女房です。これでも元女兵士でね」

勇者「へえ!」

 女兵士とは。活動的な印象はあるが、余りにも顔が美しい。

案内役「美人でしょ?子供は顔が写ってないが、嫁に似て可愛いんだこれが」

 案内役は初めて笑顔を見せていた。ついでにタメ口になった。

案内役「訓練兵の時から一緒だったんだが、とても手の届かない高嶺の花に思えてね。お互い田舎の出身だったし、話くらいはしたんだが」

勇者「ほう」

案内役「初陣で徹底抗戦派の魔王軍の残党と戦った時だね。彼女が手練の怨霊武者に追われている仲間を助けようとして、返り討ちにあいかけた」

勇者「それは!」

案内役「俺が見た時には槍を掴まれて、顔に蹴りを浴びていた。組み敷かれ、あわや殺されかかった時になんとか俺が倒したんだな。」

勇者「すごい!」

 先ほどのゴブリンを仕留めた鮮やかさは昔からだったのか。

案内役「その時、びっくりしたよ。抱きつかれちゃってね。どうやら彼女、訓練兵時代から俺のことが好きだったらしい。」

勇者「憎い憎い!」

案内役「よしてくれよ。そのあとはトントン拍子で、結婚することになった。彼女気は強いが俺のことは本当に愛してくれているようだしね、幸せ者だよ。」

勇者「家庭では仲はいいんですか?」

案内役「上司は気を使って軽い仕事ばかり回してくれるし、家庭の時間は取れるんだが、口喧嘩ばかりだよ。もっとも、最後にはデレるんだが。」

勇者「あはは!」

案内役「ふふふ、さてそろそろ出ましょう。もう少しです」


 案内役は写真を収め、立ち上がった。勇者の足もだいぶ楽になったので、日の入りまでには街に着けそうだ。


 舞台は再び魔王城。

影「魔王様」

魔王「守将たちは?」

影「全員到着しました。基地守将たちは?」

魔王「もう会議室だ。姿を表せ」

影「御意」


 浮かび上がっていた影が、3Dになった―――――黒尽くめの男が現れたのだった。


魔王「例の勇者だが・・・『彼』のようだ。」

影「成程。やはり只者ではない」

魔王「予定通りだ。目的はまもなく達成される」

影「・・・お供します」

魔王「いや。お前はいい」

影「!?」


 瞬間、魔王が掲げた手のひらに魔力を収束させた。目には光の玉に映る、明らかに攻撃態勢だ。しかし、影と呼ばれた男は身構える様子も見せない。


影「・・・理由をお聞かせ願えないでしょうか」

魔王「私も殺したくはない。しかし、お前は私の寂しさ・・・自分勝手さに縛られた存在だ。この世界に心を抱きながら」

影「・・・」

魔王「しかし、この『投影』の契約は固い。解くには『虚像』と『契約執行者』の同意の上で『像』を『オリジナル』に統合するほかない」

影「・・・」

魔王「このままお前を目的の達成に付き合わせるのは私のちっぽけな正義感が許さん。あまつさえこれまで苦しんできたというのに。」

影「・・・!」

魔王「統合に同意せよ。でなければ、私が今ここで消すよりほかは・・・」

影「魔王様」

 黙りこくっていた男が声を上げた。

影「『投影』とは、自らの影に相手を映す術、『オリジナル』そっくりの人形を作り出すことにほかありません。『像』は執行者に逆らえないのですから。『投影』の契約は元より意中の相手の体を好きにするために作られたのです」

魔王「ああ」

影「しかしあなたはどうです。わざわざ術式を変えてまで私を影の世界そのものに映し出し、自由を与えてくれたではありませんか」

魔王「それは俺の求めるものが人形ではなかったから・・・」

影「私は考えることができます。苦しんでいるのならとっとと逃げ出しています。」

魔王「・・・!」

影「私は貴方の考えに賛同し、力になれればと仕えているのです。統合されて自分の意思を消すくらいなら、目的のために命を使いましょう」

 魔王は腕を下ろした。男は「影の世界」に戻ったようで、姿が消えた。声だけが響く。

影「会議室へ行きましょう。目的は、『彼』を全力で叩くことでしか達成できません」

魔王「・・・ああ」

 魔王は部屋を出た。長い廊下が、目の前に伸びている。

魔王「行くか」

 安価による改修計画は、こうして始まるのだった。


今日はこれまで。伏線張ってたら安価神官活躍しなかったよ・・・

次回安価とります。

 王宮前市街地にて。勇者と案内役は、とうとう王国の首都に到着したのだった。

勇者「おお・・・!大きい・・・!」

案内役「ええ。しかし日が落ちます、とっとと王との面会を済ませてしまいましょう。」

勇者「はい、王宮は?」

案内役「こっちです・・・・・・着きました、ここです。」


 勇者の前には、大理石で組みあがった豪勢な宮殿が立ちはだかっていた。入口の前には兵士が立っていて、応急であることを高らかに宣伝しているように見えた。


案内役「さて、私はここまでです。突き当たりが玉座の間ですから、すぐにわかるでしょう。」

勇者「そうですか、ここまでありがとうございました。」

案内役「あそこの宿をとっておきました。地方ならまだしもここの連中は資本主義者ばかりですから、泊めてくれるとも限りませんから。」

勇者「それは何から何まで・・・じゃあ私は行きます」

案内役「ええ。旅の幸運を祈ります。」

勇者「さようなら!」


 勇者は手を振って、案内役と分かれると、門番に声をかけた。


勇者「すいません」

右の門番「・・・カカオッフィーフィーフィー・・・カカオッフィーフィーフィー・・・」

勇者「・・・!?」

左の門番「あー悪いね、こいつまた寝てやがんの。立ったまま寝るたあ器用な奴だ。おい!起きろ!」ユサユサ


勇者「・・・・・・いびき?」


右の門番「・・・カカオッフィーフィーフィー・・・カカグゴッ、むにゃむにゃ・・・」

左の門番「この野郎!鞘から抜かないだけありがたいと思え!」ゴッ

右の門番「あがっ!?鈍器で殴られたような痛み!?」ハッ

勇者「・・・すいません、あの・・・」

左の門番「ああ悪いね、勇者さんだろ?面会許可、出てるぜ。」

右の門番「えっ!?この青二才が!?こりゃとんだ失礼をしました!」

左の門番「青二才言うな!」ゴッ

右の門番「痛い!地味に痛い!」

左の門番「廊下の突きあたりが玉座の間だよ。どうぞお通りください」

勇者「・・・ああはい」


 勇者は宮殿に足を踏み入れた。

 廊下には警備兵が巡回している。壁の燭台には火が点っていて、明るさは十分だ。

 突き当たり・・・ここだな。縁取りが金になっているし。


中尉「勇者様ですね?」

勇者「えっ?ああはい、王はここにいらっしゃいますよね?」

中尉「はい。先程よりこちらであなたをお待ちになられております。」


 ドアの前に居た士官と思しき男がドアを開けた。ガチャリ・・・

魔王城 第二会議場

 ここ魔王城第二会議場では、魔王軍トップレベルの幹部たちが席を占めていた。

魔王「・・・全員集まっているようだな」

側近「自分の拠点をリフォームしてくれるって聞かなきゃ集まり悪かったでしょうがね」

集落守将「何です、私もこれでも忙しいんですよ」

陣屋守将「軍議には可能な限り出席すべし!で、あります!」

堅城守将「・・・」

関所守将「クヒヒ、洞窟は居心地がいいですから・・・そう、人間だと骨になってしまうほどにね・・・」

鉱山守将「ガハハ!お主は生粋の魔物だのう!」

城塞守将「リフォームなんか必要ないぜ!」

軍港守将「ああそうかい」

基地守将「魔王様!そろそろ本題に」

 相変わらず濃い奴らばかりで気が滅入る・・・

魔王「・・・側近」

側近「はい、では今回の軍議の本題である改修内容の決定について。神官、こちらへ」

安価神官「はい。私は安価という方法で天の意思を仰ぐことができます。これによって内容を決めさせていただきます」

集落守将「・・・ああそうですか」

陣屋守将「これはしたり!そんな偉人がいらっしゃったとは!」

堅城守将「・・・ほう」

関所守将「そりゃあ楽しみだ、クヒ、クヒヒヒヒ!」

鉱山守将「ほう?果たして身体鍛錬より楽しいかどうか!」

城塞守将「筋肉野郎はおいときましょー」

軍港守将「脳筋野郎が何を言うか。」

魔王「静まれ。神官、実際にやってみせたほうがよかろう。」

安価神官「ええ。側近殿、これより祈祷を行いますが何について、どのようにお伺いを立てましょう?」

側近「うーむ、では条件をつけましょう。」


 ・安価は『武装した集落』の改造内容もしくは戦い方です。3つとります。(例)櫓門を設置する (例)敷地内に閉じ込めて集中砲火


 ・条件を満たさないもの、あまりにも突飛なもの、「わけがわからないよ・・・」状態なものに関しては再安価です。


 ・集落守将「安く済んで、工事が早く済むものじゃないと勇者が来るまでに完成できないねえ。工事方法まで同梱されていれば別だが・・・まあ、途中で迎え撃つのも面白いかもねえ!」


側近「こんなところでしょうか。」

安価神官「成程。では早速祈祷に入りましょう。」

魔王「頼むぞ」

安価神官「テンジョウノカミガミヴィッパータチヨ、ワレニチエヲアタエタマエー」

安価神官「カーッ!」

安価神官「>>16!」

安価神官「>>17!」

安価神官「>>18!」


一般人に勇者一行は悪でこの世の敵だと洗脳するカルト的教会を造る(オウム真理教レベルの)

人間の町に偽装
からのカジノを作り出して勇者から搾取&魔王勢力の金の周りをよくする

中華街を作る


 安価神官「・・・うぐっ、はあはあはあ・・・」

 側近「成程」

 魔王「・・・信じて良いのだろうな?」

 基地守将「はい。宗教はあくまで宗教ですが、これは宗教ではなく世界の管理者にコンタクトを取る行為ですから」

 城塞守将「なるほど、わからん!」

 軍港守将「こればかりは俺もわからん」

 側近「では集落守将、直ちに準備にとりかかれ!」

 集落守将「・・・あの、作業資金を・・・」

 側近「カジノの収入から返せよ。経理担当に話をつけておく」

 集落守将「ところでカジノの収益はどれくらいうちに入るんで?」

 側近「おまっ・・・!」

 魔王「三分の一は集落で使っていい。」

 集落守将「へえ、ありがとうございます。では・・・」


 集落守将は使い捨て魔法書を起動し、自らの根城へ帰っていった。


 魔王「残りの内三分の一は堅城守将、女神の神殿までの拠点で分けろ」

 堅城守将「はっ。」

 陣屋守将「ありがとうございます!」

 側近「残りの三分の一は?」

 魔王「領内の公共事業に使う」

 側近「成程。」


 関所守将「クヒヒ、集落守将喜んでたねえ・・・あっしはここで失礼しますよ」

 陣屋守将「私も、設備修繕と兵の訓練がありますので失礼させていただきます!」


 関所守将と陣屋守将も立ち去る。

 
 堅城守将「魔王様、拙者も失礼させていただきます」

 鉱山守将「勇者と戦うこと考えてたら熱くなってきたー!帰って筋トレします!」


 献上守将と鉱山守将も姿を消す。残りの幹部も、腰を上げた。


 城塞守将「じゃあ、私はこれで!」

 軍港守将「水軍の訓練をしようと思います。では」


 城西首相と軍港首相が徒歩で会議室から出る。基地守将はドアの前で歩を止め、こちらに向き直る。


 基地守将「安価神官はここにおいて言って構いませんか?きっと役に立ちます」
 
 魔王「ああ。よろしく頼む」

 安価神官「もちろんです」



武装した集落

集落守将「大工を呼べ!工事開始じゃー!」


 王宮 玉座の間

 王「勇者よ、よく来た。まず謝らせてくれ。君一人に国家の一大事である魔物問題を任せてしまい、すまない。」

 勇者「いえ。私は人々に害を加える魔物が許せないだけです。」

 王「・・・魔王の世界征服宣言から勃発した大戦争は休戦条約により一段落落ち着いた。」

 勇者「存じております」

 王「ああ。しかし魔王軍を背景にした魔物の起こす事件は後を絶たない。どうにかして、魔王を叩いてしまう必要がある・・・」

 勇者「ええ。私の街も襲われかけて、自警団を結成しました。」

 王「大戦争で私の城も壊れたが、世の中も壊れた。しかしそれを正す力が今の私にはない。」

 勇者「・・・世の中・・・」

 王「旧首都の女神様のおられる神殿すら、奪還できない。この上は勇者を派遣する他ないのだ。」


 陸軍大将「・・・」

 海軍大将「・・・」

 玉座の間にいる将達は苦い顔をしていた。


 王「頼む。女神の洗礼を受け、魔王を討伐して欲しい。」


 勇者「・・・・・・もちろん、お受けします。必ず、魔王を討伐してまいります!」




 王が自ら握手を求めてきたので、勇者はもちろん従い、握手を交わした。




勇者「・・・ふう・・・」


 次に勇者が落ち着いたのは、案内役が予約してくれていたホテルだった。スイートルームとはいかないが、木製の壁や床、柱が
非常にアットホームな雰囲気で、ベッドに飛び込みたくなる。


勇者「・・・」ガサッ


 何気なくテーブルの上に置いてあった紙を見る。地図・・・か。


勇者「・・・!」


 案内役の言っていた「ギルド」・・・その文字を見つけた。


勇者「・・・明日、行ってみるか。」


 市場や「中華街予定地」も気になった。おや、中華街の完成は明日ではないか。仲間と一緒に行けたらいいなあ。


そう考えながら、勇者はベッドに横たわった。



 





 


 宿屋より約2km。大きく「中華街」と書かれた看板が目に付く。もっとも、カラーコーンとカラーバーで封鎖されていたが。
 しかしその向かいの建物、窓ガラスに「魔天真理教」と書かれた建物。中では、頭をターバンに包んだ男が帳簿をつけていた。

主任「・・・」カリカリ

集落守将「調子はどうだ?」

主任「!守将!」

 そこには、護衛とともに「武装した集落」の守将がいた。男はターバンを外し、尖った耳をあらわにする。男は首相の指示で動いていたのである。

主任「ええ、今日も中華街の見物に来た奴らを引っ掛けてやりました。人間は騙しやすいもんです」

集落守将「くくく、どんな風に言ったんだ?」

主任「カオスこそが進化の源泉であり、乱世を演出する魔王さまは進化の象徴である・・・とね。」

集落守将「くひゃひゃ、それは傑作だ・・・」

主任「それより、中華街と地下カジノはどうなんです?」

集落守将「予算を湯水のように注ぎ込んだ、もう完成だ。両方とも我が軍の優秀な資金源になってくれるだろうなア。」

主任「成程。それより、もう勇者はこの街に来ているという話ですが」

集落守将「当たり前だろう!」

主任「でしょうね。明日はどのように?」

集落守将「中華街から秘密のカジノに誘い込んで、ぼったくるだけぼったくってから酔わせて殺す。失敗したときは・・・」

主任「中華街で私が信者に襲わせる。もし失敗したら?」

集落守将「失敗した場合を考えるんじゃなくて、成功させろよな。」

主任「ええ、それはもちろん。」

集落守将「じゃあ、俺は戻るぞ。まだ準備があるからな。」

主任「はい、また。」

 
 全ては、明日の朝・・・



 次回 ファースト・コンタクト

(・ω・`)乙
安価募る時はPM8時?9時から募った方がいいよ

>>22 

安価神官「天上の神々のご用命とあらば・・・」

安価神官「これよりとる安価は、八時以降のものより採用しましょう。」

安価神官「安価前の条件説明には記載しないのでご注意ください。安価は八時からです。」

安価神官「なんで記載しないかって?投下時刻八時以降だったらとか、ややこしいからだよ。言わせんな恥ずかしい。」

安価神官「八時から次回の投下開始までが採用範囲です。」

安価神官「あと、基本的に一日に3レス分投下、安価とる日は2レス分です。驚異の更新速度。」

安価神官「ああ、こういうシステム的なレスはカウントしませんよ。」

安価神官「システムに問題があるんじゃないか、と感じた場合お知らせください。」

安価神官「貴重なご意見です。こちらにはコトダマが一発もありませんて。」

安価神官「では本日の投下開始です。・・・書き溜めしてなければ投下って言わないんですかね。」


 
勇者「・・・う」


 勇者は宿のベッドで目を覚ました。時計に目をやる。もう10時・・・なんだかんだ疲れていたんだなあ。目をこすりつつ手早く身支度をする。


勇者「・・・」ガサ


 昨日の地図を見る。


勇者「ギルドから市場・・・中華街。なんだ、一本道じゃないか。」


 勇者は仲間と市場や中華街をめぐることを想像した。どんな仲間ができるだろうか。


勇者「・・・ん?『魔天真理教』?」

勇者「あっ!『郊外の草原に魔王軍の拠点があるから注意!』か!こんな近くにも・・・!」


 勇者はこの首都が魔王軍に襲われることを考えた。一体どれほど軍が動けるだろうか。きっと王宮の守備だけでていっぱいだろう。

勇者「・・・よし!」


 勇者は決心し、部屋を飛び出す。階段を駆け降りて、受付で宿屋の主人を呼ぶ。奥さんが出てきた。


奥さん「ああ、勇者さんね。」

勇者「お代を・・・」

奥さん「いいわよ、旅、頑張って!」

勇者「そんな!ありがとうございます!」

奥さん「そうそう、これ、食べて!」


 奥さんが布に包まれたパンをくれた。まだ暖かい。


勇者「すいません・・・じゃあ、いってきます!」

奥さん「ええ、頑張ってね!」


奥さん「・・・」ニヤリ


あまりにも女性キャラが魔王側にいないような。性別とか種族教えて下さい


集落守将「ほう。賑わっているな」

中華街主任「ええ。」

 集落守将は中華街に来ていた。非常に賑わっている。

中華街主任「この辺は王様に気を使って、王国風な店しかなかったですから。開門と同時にこれです。」

集落守将「なるほどな・・・カジノの入口はどこだったか」

中華街主任「王宮周辺ではカジノは違法ですから、少し面倒です。こちらへ」

 集落守将は魔物とバレないようターバンを巻く。中華街主任は表通りから路地へ入り、寂れた中国茶専門店へ入った。

店員「いらっしゃいませ」

中華街主任「『私は南から来たものだが、北のお茶を見せてくれないか』」

店員「・・・ああ、北のお茶は非常に高価でして、奥にしまっているんです。どうぞこちらへ」


 店員は暖簾の奥を手で示す。中華街主任は躊躇なく奥へ入っていく。


集落守将「今のは?」

中華街主任「合言葉です。」


 奥にはダンボールが積まれた部屋があった。中華街主任はドアを閉めると、照明をリズム良く引っ張った。

 カチッ・・・ウィイイイイン・・・ガチャン


集落守将「なんだ今の音は?」

中華街主任「この部屋はそのままエレベーターなんですよ。ドアの奥がカジノです」

 中華街主任はこの先は自分の管轄ではない、と、ドアの奥にはついてこなかった。


カジノ主任「やあこれは守将殿!見てください、大繁盛ですよ!」

集落守将「おお・・・」

 そこには、床や天井、置かれているテーブルやスロットマシーンもきらびやかに彩られた空間があった。広さはそれほどないが、床や天井が鏡になっているせいでとても広く感じる。

カジノ主任「先ずはこのバッジを!」

集落守将「『関係者』?」

カジノ主任「・・・実を言いますと、ここでは魔法で客の欲を煽っているんでして。」

集落守将「成程、このバッジをつけていなければ私もイかれたギャンブラーか。」

カジノ主任「ムキになるとこちらのイカサマもバレにくいので。」

 集落守将は部屋の隅のバーに目をやった。

集落守将「やけ酒代も搾取か」

カジノ主任「さらに欲を煽る薬入りです。ヒヒヒ」

集落守将「フフフ、手勢を集めておけ、最後には勇者を討つからな・・・」

カジノ主任「了解です・・・」


勇者「ここがギルドか・・・」

 勇者は「ギルド」と書かれた建物の前に立っていた。意を決して中に入ると、受付に中年の男性が居た。

受付「いらっしゃい・・・お?これは、勇者さんじゃないかい?」

勇者「え?なんでそうだと・・・」

受付「いや、もう有名だよ。(きたら電話をくれと言っていた連中がいるのは黙っていよう)」

勇者「そうですか・・・あの、」

受付「旅の道連れだろ?こっちだ。」

 受付の男性は丁寧にドアを開けてくれた。そこには、様々な人種、様々な格好、様々な顔つきの冒険者たちが居た。テーブルの上に置かれた菓子やコーヒーをほうばりながら、談笑している。

受付「おおい皆!勇者が仲間をあさりにに来たぞ!ひとりずつ自己紹介してくれ!」

格闘家「私は格闘家・・・生粋の前衛だ。魔法は使えないが、アタッカーとしてなら役に立てるであろう。」

剣士「私は剣士!バランスで言ったら私で決まり、魔法攻撃も多少は使えるわ!」

武者「拙者は武者、すぴーどと防御力のバランスとスキルの高さは随一でござる!」

鎧騎士「私は鎧騎士・・・えっと、防御力なら・・・いいんじゃないかな・・・」

魔術騎士「俺は魔術騎士!俺は・・・魔法攻撃と物理攻撃を兼ね備えている、といったところか!」

竜騎士「私は竜騎士!相棒とのコンビネーションでの攻撃力とスピードの高さは自慢ね!」

戦士「オラア!俺は戦士だ!攻撃力で言ったらトップ!勇者ぐらいにしか使いこなせねえよな、俺はよ!」

槍使い「私は槍使い。スキルとスピードに関しては負けないわ。」

半機械戦士「ギギギ・・・オレハハンキカイセンシ・・・コウゲキリョクトボウギョリョクハ・・・タカイ・・・」

弓使い「やっほー、弓使いだよ!魔法攻撃力と命中率はいいって言われたことある!」

狙撃手「・・・狙撃手だ。命中率でなら誰にも劣らん」

銃士「アタイは銃士!攻撃の多彩さと攻撃回数かな、いいところは!」

レンジャー「よお、俺はレンジャー!魔王の領地に踏み込むんだろ、サバイバルと応用に通じる俺は必要だ!」

修行僧「私は修行僧です、回復魔法で役に立ちます!」

魔力加工士「俺は魔力加工士、攻撃の多彩さに長ける!」

魔法使い「私は魔法使い、攻撃魔法が得意!」

付与魔法士「・・・付与魔法士です。ステータスを上げたり・・・とか・・・」

呪術師「フフ、呪術師よ・・・倒れた味方を操ったり、敵のステータスを下げたり・・・フフフ」

召喚士「オイラは召喚士!召喚魔法の天才だぜ!」

砲術師「私は砲術師、遠距離攻撃の攻撃力の高さはトップ!絶対連れてってよね!」

賢者「フォフォフォ、賢者です。勇者のためなら、高級魔法でお役に立ちましょう。」

行商人「行商人でース!もっともアイテムに通じてるのは私ですネ!ふふ、道中でいくら売れるカ・・・」

薬師「薬師です、薬で攻撃、回復と役に立ちます。」

旅芸人「私は旅芸人!洗浄で役に立つのはステータスいじり・・・かな!ラララララー♫」

戦術士「戦術士です、先見の明を求めるなら連れて行くべきと見た。」

契約者「貴方についてけば名誉でタダ飯食えて合理的。重力を操ってダンジョン攻略、敵を攻撃と縦横無尽。」

受付「誰にする?」

勇者「・・・・・・じゃあ、>>29>>30>>31でっ!」





銃士

狙撃手

砲術師


 受付「ウホッwwwwwどんだけ銃好きなんですか勇者さんwwwww」

 勇者「いや、私は遠距離攻撃苦手なので・・・」

 受付「それにしたってwwwあまりにもwww」

 勇者「」ガスッ

 受付「アガァ!鈍器で殴られたような痛み!」

 勇者「なんか冒涜しちゃいけないものを冒涜してた気がするので」

 受付「そんな抽象的な理由でよく人を・・・あんた絶対魔王倒せるよ(白目)」

 砲術師「何はともあれ!魔王討伐の旅のお供は私たちに決定なわけね!」

 狙撃手「フン、当然だ。」

 銃士「うおおおおお!腕が鳴るぜ!」ガガガガガガガッ

 受付「どわあああここで撃つなッッッ!」

 狙撃手「」ダダダダダダダ

 狙撃手「すべて撃墜した」ドヤッ


 的確に撃ちぬかれた銃弾は狙撃手の放った弾丸とともに室内を跳ね回る!


 受付「被害拡大してどうするんだアアアアッ!!??」チュイーンチュイーン <ドワアアア!クスリツボガッ!

 狙撃手「こんなはずでは(´・ω・`)」プシューンプシューンガシーン  <オイラハコンナノヘイk

 砲術師「ああもう前途多難ね!」チュイーンカシューンバシーン     <ショウカンシイイイイ!

 銃士「ははははは!」ガシャーンバリーン          <イタッ!カスッタカスッタ!



 勇者「うわあああああじゃあさようならあああああああ」タタタタタ

 砲術師「ちょっと!おいてかないでよ!」タタタタタ

 狙撃手「発砲?」タタタタタ

 銃士「お前も相当の馬鹿だぜ」タタタタタ


 <オイユウシャハドコダ!

 <ヒー!サッキマデスワッテタイスニダンコンガ!

 <ジュウシノヤロウタダジャオカネエ!

 <キイタコトナイショクギョウナンダカラアテロy

 <ウワアアア!マホウカコウシニダンガンガ!

 <ギセイニナッタノダ・・・フルクカラツタワルインネン・・・ソノギセイニナ・・・

 <フザケテルバアイカ!キュウゴハン!

 
 こうして勇者一行の旅は始まったのでありました。この先繰り返す死闘、現れる強敵、仲間の死と新たな仲間、驚愕の真実・・・
勇者がそれに迷いつつも立ち向かうのであります・・・



 勇者「はあ・・・はあ・・・もう・・・なんであんなことに・・・」

 砲術師「ああもう、急に走ったりするから・・・あんなのギルドじゃ日常茶飯事よ?」

 狙撃手「」

 銃士「おーいそんなに速く走るな、狙撃手が息してないぜ」

 勇者一行はカオスな状況となってご都合上逃げ出したギルドからまっすぐ走ってきて、大通りに面した市場に来ていた。

 勇者「あ・・・?市場・・・そうだ皆、今日の夜か明日には魔王軍と戦おうと思うから、買い出ししておこう」

 砲術師「え?随分急ね?まあいいけど。さて、何を買おうかしら」

 狙撃手「ボクハモウツカレタンダパトラッシュ・・・」

 銃士「とりあえず『ふっかつそう』買おうぜ、仲間が減るぞー」

 勇者「そうだな・・・すいませーん」


 勇者は食品店らしき店の主人に声をかけた。


 食品店主人「はいはい、なんでしょ」

 勇者「アイテムを一通り揃えたいんですが」

 食品店主人「おお、勇者さんだね。パーティは・・・・・・遠距離物理攻撃が中心だね」

 勇者「なんかあの三人を選ばないといけないような気がして」

 食品店主人「運命か、天のお告げか・・・とりあえず、うちに売ってるので必要なのは体力回復アイテムかね。」

 勇者「はい、回復魔法使いがいないので」

 食品店主人「じゃあ、薬草を多めに買っていったほうがいいね。サービスするよ」

 勇者「ありがとう・・・ご・・・ざ・・・積み過ぎじゃないですか」

 食品店主人「30束で1250G!回復はこれに頼るんだから、多めに買っておいたほうがいいよ。」

 砲術師「おっと。商談中失礼。」

 砲術師が主人と勇者の間に割り込んできた。
 
 砲術師「実は私たちまだ買うものがあってね、700Gあたりにならないですか?」

 食品店主人「700G!?とんでもない、1250Gでもギリギリだよ」

 砲術師「勇者一行ですよ?700G」

 食品店主人「うう、1100Gなら・・・」

 砲術師「まだここで買い物しますし。700G」

 食品店主人「・・・ええい、1075G!」

 砲術師「なんの。700G」

 食品店主人「勘弁してくれ、1000G。これ以上無理だ。」

 砲術師「まだまだ。700G」

 食品店主人「・・・・・・きゅうひゃく、ななじゅうご・・・」

 砲術師「買った。これ代金だ。あと、復活アイテムをくれ」

 食品店主人「・・・へい。これだ。5個で1000G。ビタ一文もまからないぜ」

 砲術師「800Gあたりにならんか・・・ふふ、冗談だ。ほれ。」

 砲術師はアイテムを受け取ると、満面の笑みで帰ってきた。

 勇者「・・・値切るのうまいな」

 砲術師「商人にゃ及ばないけどね。さあいこう、狙撃手にアイテムを使わないと過労死する。全くもやしだな」

 

 薬屋

薬師「ありゃ?勇者さん?」

勇者「あっ、さっきの!」

薬師「俺の本業はこっちなんだ。まあさっきここに戻ってきたばっかりだがな。そうそう、食品屋のオヤジ、泣いてたぜ」

勇者「ははは・・・薬をくださいな」

薬屋主人「あいよ」

狙撃手「あっ、名前表示が・・・」

砲術師「メタ発言、ダメ、ゼッタイ。」

薬屋主人「回復薬と、攻撃力アップでいいかね。患部で止まってすぐ溶ける~液体だけどな。」

勇者「はい。いくらですか?」

薬屋主人「二つずつで、しめて300G!」

砲術師「」ギラリ

薬屋主人「食品屋のの二の舞はゴメンだぜ。おまけもやる。そら」ヒョイ

狙撃手「・・・」パシッ

砲術師「ナイスキャッチ。何この本?3冊あるけど・・・内容によってはもっと安くても・・・」

薬屋主人「あーあーあー、使い捨て魔法書だよ。炎、水、雷の下級魔法だ。一回しか使えねえから注意しな」

勇者「ありがとう、じゃあ代金」チャリ

薬屋主人「あいよ。そら、薬だ。」ガチャガチャ

 勇者は四つの瓶を受け取り、最も荷物の少ない自分のベルトにくくりつけた。

薬屋主人「投げつける攻撃薬も売ってる、また来てくれ。パーティーに空きができたら入ってやってもいいぜ」

勇者「そうならないといいですね・・・じゃあ、また来ます。」

 薬屋から離れると、すぐさま銃士が走り寄ってきた。

銃士「ははは、道に迷っちまったぜ」目が宙を泳ぎ中

砲術師「相当怒ってたわよ?攻撃薬が飛んでこないか注意することね」

銃士「ははは、なんのことかな~」

狙撃手「・・・装備屋」

勇者「あ、皆は用あるかい?」

砲術師「私は大丈夫よ。」

銃士「アタシも。装備は気をつけてるからね」

狙撃手「右に同じ」

勇者「僕も街で最低限装備してきた、じゃあ皆、中華街へ行こうか!」

?「中華街に来るあるか?」

 怪しい男が話しかけてきた。中華街の元祖となった東の国の格好をしている。頭には布を巻いていて格好良い。

怪しい男「勇者さん、私、中華街の通ある。」

砲術師「開放が今日なのにもうか。」

怪しい男「・・・開放と同時に飛び込んで散策したある。それより、付いてくるよろし。」

 勇者一行は怪しみつつも、中華街で仲間の絆を深めたいという思いもあり男に従った。



 

 

女2、男2のパーティー?

>>35
狙撃手「・・・その通りだ。銃士は男みたいだがおんn」カチャッ

銃士「おっとおー・・・指が滑りそうだぜー・・・」

砲術師「なにやってんのよ。」

勇者「あはは・・・今日の冒険始まるよ!怪しい男に中華街を案内してもらうことになった一行の運命は如何に?」


狙撃手「・・・>>1は一人殺して敵討ちの展開にしたいらしい。」

砲術師「ご都合で殺されてたまるか。銃士、撃っていいわよ。」


勇者「・・・・・・で、これかよ!」

 きらびやかな装飾に彩られた室内。怪しい男は言葉巧みに勇者一行を違法カジノに連れ込んだのだった。

怪しい男「まだ一部しか知らないとっておきのプレイスある。これは気持ちある、これだけでも楽しんでみるよろし」

 怪しい男は一行に3000Gずつ渡した。銃士は早くも期待に胸をふくらませ、駆けていきそうな勢いだ。

砲術師「・・・勇者、狙撃手、銃士。そのお金、よこして」

勇者「!?・・・はい」スッ

狙撃手「・・・・・・」スッ

銃士「嫌だ!うおおおお行くぜー!」ダダダダダドンガラガッシャーンダダダダダ

砲術師「!?ちょ、ちょっと待ちなさい!」バスッ

勇者「!?」

狙撃手「!!」

砲術師「あなたたちは先に出てて。こら!待ちなさい!」

 砲術師は金をゴミ箱の口に叩きつける(その言い方が最も妥当な勢いだった)と、銃士の後を追う。

銃士「おもしろSOー!!おらールール教えてくれやー!」

ディーラー「山札からカードを私とあなたで二枚ずつ引いて見せ合い、合計が大きかったほうが勝ちです。」

 そこに砲術師が割り込んできた。

砲術師「ちょっと!あなた、首都条例知らないの!?賭博場の経営は禁止されているはずよ!」

怪しい男「ちょっと失礼。砲術師さん、禁止されているのは経営ある。ここは資金が別なところから出ているある」

砲術師「そんな抜け道!勇者一行が賭博したなんて聞いたら、信用が失墜するわ!」

怪しい男「硬いこと言わないある。楽しんでいくよろし。ほら、勇者さんたちも」

 勇者たちは体格のいい職員たちに出口を阻まれ、狼狽えていた。

銃士「よっしゃ!じゃあ手始めに3000G!」

ディーラー「いきなりですか。ククク、では始めましょう。さあ、引いてください。」

銃士「これとこれだ!」

ディーラー「じゃあこっちを持ってください。私はこれとこれにしましょう。では・・・1,2,3!」

銃士「あーっ!負けた!」

ディーラー「ではこの3000Gは私のものです。リベンジします?」

銃士「ええいままよ、6000G!」

ディーラー「景気のいい。では引いてください。」

銃士「おりゃ!・・・おりゃ!」

ディーラー「では私が。山札を持ってください」

怪しい男「ほら。砲術師さんはやらないあるか?」

砲術師「・・・・・・」

怪しい男「(魔法が効いてきたな)」

勇者「・・・砲術師?」

狙撃手「・・・」

ディーラー「・・・ではこれとこれで。じゃあ、見せ合いましょうk・・・」

狙撃手「ストップ。」

ディーラー「!・・・はい!?」

 ディーラーは予想外な狙撃手の言葉に、凍りついた。


狙撃手「腕に穴を開けたくなかったら動くな」チャキッ

ディーラー「・・・え・・・嫌だな・・・そんな・・・ラ・・・イ・・・フル・・・・・・」

狙撃手「」ズガンズガアン!

ディーラー「ほわあ!?」ブシ

怪しい男「ちょ、ちょっと!困るある!」

 カジノは銃声に、にわかにざわつき始めた。

 その中で、ディーラーの袖から、穴の空いたトランプが二枚、パラリと落ちた。

狙撃手「今持っているのは袖の中に隠していたカード。今落ちたのは引いたカード」

砲術師「すりかえた・・・イカサマか!」

勇者「!」

銃士「ざっけんなてめえええええ!!」ズガガガガガガ

ディーラー「おっぎゃあああああ!?」


 ディーラーは体中から血を噴き出し、倒れる・・・その時、勇者たちには予想外なことが起こった。


 死体から、煙が出てきて、あっという間に魔物の姿に・・・


勇者「ッ!」キイン!


怪しい男?「バレたか・・・運のいい奴らだ」ギチギチギチ

 怪しい男が狙撃手を狙い、青竜刀を振り落としていた!

砲術師「勇者!狙撃手!どいて!」

勇者「ああ、はっ!」バッ

狙撃手「退避」

怪しい男?「!貴様!」


砲術師「カーリイイイイイイイイイ!!」ボンッ


 ズガンッ!


 瞬間、グレーネードランチャーが男の足元を吹き飛ばす!

豪商「うわあああ!?」

宝石商「きゃああああ!?」

軍人「警察か!?出してくれ!」

金貸し「出口は!?」

 辺は大騒ぎになった!砲術師は銃士の首根っこを引っつかみ、勇者と狙撃手を強く促して出口に向かう、その時!


カジノ主任「待てっ!勇者ア!」

カジノ主任「(魔天真理教のサリン部隊が到着するまで、ここで持ちこたえる!)」

砲術師「退け!」ガシャッ

銃士「お前もグルか!死ねえ!」ジャキッ

狙撃手「照準」チャキッ

勇者「魔王軍め、一般市民まで巻き込んで!」ケンジャキ


カジノ主任「擬態解除!」

 男は体を煙に包み、本来の姿を現す!その正体は、土ネズミの化け物!

ネズミ曹長「くらえ!」

砲術師「!よけろ!」

銃士「がってん!お返しだ!」

 銃士がいたところをヌンチャクが掠める!銃士はネズミに向かい、サブマシンガンを発射!

ネズミ曹長「く、う、た!痛っ!くそ、あ・・・・・・?」

狙撃手「ビューティフォー」

 ネズミ曹長はヌンチャクで銃弾を弾くことを試みるが、あえなく被弾!瞬間、銃士の背後から狙撃手が化物の眉間を撃ち抜いた!

ネズミ曹長「・・・・・・無駄だ・・・もう・・・サリン部隊が・・・」

銃士「はよ死ね!」ズガガガガ

砲術師「装填完了!カーリイイイイイイイイイ!」ボンッ

 ブシュシュシュシュッ ズガン!

ネズミ曹長「」

 ネズミの化け物はザクロになった!

勇者「・・・・・・ジーザス」

砲術師「部隊?増援か!皆、ここじゃ勝ち目がない!地上に出て迎え撃つわよ!」

銃士「イカサマしやがってええええ!!クソがあああああ!!」

狙撃手「これだから男女・・・あ・・・・・・?」

 銃士が狙撃手の眉間を撃ち抜いた!

狙撃手「・・・・・・無駄だ・・・もう・・・結婚適齢期は・・・」

銃士「死ねや」

砲術師「ふざけてる暇は・・・!」

勇者「ま、待って!」

砲術師「!」

 リーダーを失い統率が取れなくなった魔物が、裏口を目指して人間を殺しながら突き進んでいる!

勇者「僕が行く、三人は早く・・・!」

銃士「まて、アタイが行くよ!元はといえば私のせいだ、三人は早く!」

勇者「でも・・・!」

銃士「責任取らせてくれ!ほら、早く!」

砲術師「勇者!ここは任せよう!」

勇者「・・・済まない!」ダッ

砲術師「頼んだよ!外のを始末したら戻ってくる!」

銃士「ああ!」

狙撃手「ごっつぁんです」

銃士「お前だけはいつか殺す!」


 三人はカジノの外に出る!銃士はディーラーやバニーガールの皮を破った魔物どもに、銃口を向けた。


銃士「アタイを罠にかけたことを後悔しなア!」ズガガガガガガガガッ!

魔王城

影「魔王様」

魔王「・・・なんだ」

影「・・・・・・なにかお見過ごしではありませんか」

魔王「・・・どういう意味だ?」

影「上をご覧になってください」

魔王「上・・・?天井の他には・・・レス・・・しか・・・あっ!」

影「そうです。>>26です」

魔王「なっ・・・あーっ・・・も・・・>>26、すまん・・・」

 マジすいません

草原の集落守将 もと精霊(化物)
街道の陣屋守将 もと精霊(化物)
山頂の堅城守将 もと怨霊
洞窟の関所守将 もと精霊(ヌシ)
要塞の鉱山守将 もと半竜人
鋼鉄の城塞守将 もと付喪神
湖岸の軍港守将 もと水神
森林の基地守将 もと神
魔王      もと???

 全員男ですね

 女キャラ投入するか性転換させるかこのまま行くか・・・

 意見お願いします


店員「うわっ!?な、なんです!?」

勇者「どけっ!」ザシュッ

 勇者が横殴りに剣を振る。倒れる店員、煙が湧き出し化物の姿に変わる。

メジロ二等兵「ピギャー!」

砲術師「カーリイイイイイイイイイ!」ボンッ

メジロ二等兵「ちょっオーバーキr」

 バゴンッ!

砲術師「クリア!」

勇者「外に出るよ!」

狙撃手「10時、11時、2時30分に影。」

砲術師「狙撃手は援護!」

狙撃手「イエッサー」

 勇者と砲術師は勢いよくドアを開ける。


中華街主任「おい、中はどうなって・・・げえっ!貴様!」

勇者「よくも騙したな!」キイン

中華街主任「こうなれば!擬態解除!」

 男のカラダから煙が吹き出し、蠍が立ったような姿に変わる。

サソリ軍曹「この場でお前の冒険は終わりだ!」シュッ!

勇者「何を!」キイン


砲術師「こっちも始めますか。」

トカゲ一等兵「状況開始!」

バッタ上等兵「ジャンピーン・アターック!」ビョーン

砲術師「落ちろっ!」ボンッ

バッタ上等兵「あべし」バシャッ

 バッタ男は弾ける!しかし、トカゲ男が背後より小銃を発砲する!

トカゲ一等兵「くらえ!」パンッ

砲術師「くっ・・・」キイン

 間一髪ランチャーで防ぐが、トカゲ男は銃剣を装着し、刺突の姿勢をとる!

トカゲ一等兵「突貫!」ダッ

砲術師「!?」

 銃剣があわや砲術師に刺さるかと思われた時!

狙撃手「フンッ」パン

トカゲ一等兵「な・・・なんじゃこりゃー!」

砲術師「よくも!このランチャー高いのよ!?」キインッヒュッ

 ズガーンッ!手榴弾がトカゲ男を吹き飛ばす!


 その頃、勇者とサソリ男も肉弾戦を展開していた!

サソリ軍曹「ふん!はっ!」

勇者「せいっ!はっ!」

サソリ軍曹「うっ、く・・・」

勇者「どりゃーっ!」

サソリ軍曹「ぎゃあっ・・・くっ・・・せめて片目は潰すっ!」ギュアッ

勇者「!?」

 とんだサソリ男の腕の後ろから、鋭く尖った尻尾が―――!

狙撃手「フンッ」パン

サソリ軍曹「ぎゃー!俺のアイデンティティが!」

勇者「う、うりゃ!」グサリ

サソリ軍曹「ウッ」←死亡


砲術師「片付いたかしら?」

?「おーい」

勇者「!?」

狙撃手「・・・薬師」

薬師「はあはあ、こんな市街地でドンパチやりやがって、一般市民が大騒ぎだ!」

狙撃手「・・・」ジトー

砲術師「フンフーン」

勇者「じつはここにカジノがあって、魔王軍が経営してたんです!外にサリン部隊がいるとここの主任が・・・」

薬師「サリッ・・・!?馬鹿、こっちは低地だ!毒ガスは空気より重いのがほとんどだ、部隊がいるなら裏口だ!」

砲術師「なっ・・・!!」

勇者「くっそお!砲術師!」

砲術師「行くよ!」


 勇者たちは必死の形相で、道路を全力疾走し裏口に回る!


機動隊長「お前らか!道路上でグレネードランチャーや手榴弾やライフルをぶっぱなしてる輩どもは!」

狙撃手「名前名前」

機動隊長「えっ・・・?あ、ああ」

警備隊長「いや、そんなことはどうでもいい、ちょっと署まで来い!」

薬師「足元見ろし」

警備隊長「は?うお!魔物!?」

狙撃手「ここの裏口にも魔物がいるんです!早く!」

警備隊長「ちょ、ちょっと待て、魔法兵を・・・」

薬師「・・・まてよ・・・中華街が・・・・・・ということは!警備隊長!」


勇者「うぐっ、はあはあはあっ、あ!」

砲術師「ふうふう、あいつらか!?」

 そこには、大きな風車を積んだ馬車が止まっていた!

信者「!勇者だ!!」

信者「あいつらか!」

信者「新時代の到来を妨害する悪魔め!」

 しかし周りに居たのは魔物ではなく人間!

砲術師「きっと魔法で洗脳して・・・!」

勇者「くそっ、早くガスを止めないと銃士が!」スラッ

砲術師「だ、だめだ!あいつらは人間だぞ!?」

勇者「でも!」

砲術師「ええい、スタングレネードも持って来れば良かった!勇者、この上は体術で・・・」

信者「レーザービーム!」

信者「誘拐してどうする!」

信者「時事ネタやめろ!それより魔王さまに祈るんだ!」

 その時、勇者たちがやってきた道から盾と棒を持った一団がやってきた!

警備隊長「確保おおおおおおおおおおおおお!!!」

警備隊「わああああああああ!!」

警備隊「全員逮捕じゃあああああああああ!!」

信者「ぎゃあああああ!?」

信者「うわあ、逃げろ!」

信者「逆に考えるんだ、捕まっちゃってもいいさ、と・・・」

 その中から、見覚えのある男が走り出てきた!

薬師「無事か!?ガスは!?」

勇者「薬師さん!銃士が!銃士がなかに!」

薬師「なっ・・・!?」

砲術師「どうにかしてよ!」

薬師「馬鹿を言うな!ガスを打ち消す薬もないではないが今から帰って調合していたら3日はかかる!」

勇者「そんな!じゃあどうすれば!」

薬師「・・・・・・玄関から抜けきるまで、待つしか」

砲術師「そんな!」

勇者「ぼ、僕だけでも行きます!」ダッ

狙撃手「待て」ガシッ

薬師「今行っても死ぬだけだ!あと30分・・・」

砲術師「30分!?」

勇者「じゅ・・・銃士・・・銃士イイイイイイイイイ!!!」

 悲痛な叫びが、通りに響いた。


狙撃手「・・・ジューシー?」

砲術師「な、なんてことをするんだお前は!」ドンッ

狙撃手「最後に一言・・・今日の分、始まりまs」

 バガンッ!

警備隊長「言えてねーし」

警備隊「はあ~うどん食いてえな~」


宗教主任「う・・・ぐっ、はあはあはあ、はあはあはあ・・・」ダダダダダ

 野原を、男が駆けていた。転びそうになりつつも、必死に速度を保っている。彼は、いち早く目的地にたどり着く必要があったのだ。

宗教主任「はあはあはあ、くっ、はあはあ、はあはあ・・・つ、着いた・・・はあはあ」ダダダダダ・・・

 男にとって、目的地にたどり着いたときの感想はそれに尽きた。大変な事態だ、この門の向こうの将に指示をあおがなくてはならない。

ガ二等兵「ん?誰だお前!?」

チョウ一等兵「今すぐここから立ち去れ!」

宗教主任「この、ボケが!俺だ!」

 門の前に立っていた魔物の誤解を解くため、いらいらしながら擬態解除作業を取る。・・・よし、解けた。

キツネ曹長「今すぐ扉を開けろ!」

ガ二等兵「こ、これは失礼しました!ただいま開門します!」

チョウ一等兵「兵長!」

 すると、門の上からカナブンの魔物が頭を出した。

カナブン兵長「あれ?軍曹、如何しました!?」

キツネ曹長「如何しましたじゃない、緊急事態だ!門を開けろ!」

カナブン兵長「はい、ただいま!おい上等兵!手伝え!」

ハチ上等兵「了解!」

 門が開く。狐の魔物は倒れこむように中に入る。

カナブン兵長「何が起こったんです!?」

キツネ曹長「はあはあ、後で話す・・・」

集落守将「いや、今話してくれないか」

キツネ曹長「!准尉!あだっ」ドテッ

 キツネ曹長は予想外な声掛けに慌てて立ち上がりそうになり、転ぶ。

集落守将「ああいい、ご苦労だった。何が起こった?」

キツネ曹長「勇者一行が、カジノを見破りました!グレネードランチャーで前の道路まで壊しやがった、あの野郎!」

集落守将「!とすると、お前がここにいるということは・・・」

キツネ曹長「逃走用の馬車で信者を拾ってカジノの裏口に行ったら、全員お縄になってました!」

集落守将「ガスは!?」

キツネ曹長「6分くらいで・・・」

集落守将「チィッ、一人も巻き込めたかどうか!この分だとすぐここに来る、おい兵長!」

カナブン兵長「はい!」

集落守将「伝令に行け!」

カナブン兵長「了解!軍曹も呼んできます!」

集落守将「拠点を改造してないのが裏目に出たか!」


 雑居ビル地下 裏カジノ跡地

 硝煙の匂いと何か腐ったような匂いが、死体とカジノ設備の中に漂っていた。

魔法兵「『天上より伝えられし光よ、今我が進むべき道を示さん』!」

魔法兵「火魔法『ヒートブレイズ』!」カッ ドオン ガラガラガラ

 瞬間、裏口を塞いでいた瓦礫の山が轟音とともに吹き飛ぶ。ばらばらといくつかの人影が走り込んできた。

警備隊員A「うっ、ひどいなこりゃ・・・」

警備隊員B「ひぃぃ夢に出るう」

警備隊長「四の五の言うな!Aは2時方向、Bは10時方向の生存者確認!俺は裏口周辺をやる」

警備隊員A「りょ、了解・・・うっぷ」ガシャガシャ

警備隊員B「・・・い、生きてるかあ~?」ガシャガシャ

 内三人はこのように散開して作業を始めたが、後の三人は部屋の中央あたりに立ち尽くしていた。

勇者「・・・」

砲術師「・・・」

狙撃手「・・・」

 三人の視線は、店員用のテーブルにもたれかかるようにして死んでいる、一体の死体があった。引き締まった体をした、若い女性。

 銃士だった。

勇者「・・・お」

砲術師「?」

勇者「・・・起きろよ銃士・・・何寝てんだよ・・・おい・・・」ガシッ

狙撃手「・・・」

勇者「目ぇ・・・開けろよ・・・」ユサユサ

砲術師「勇者っ!」ガシッ

狙撃手「現実から目を離すなし」

勇者「は、離せよ、な、は、し、死んだ?さっきまで元気だった、じゃん」

狙撃手「人の命とは儚きもの哉」

砲術師「・・・クッ」

勇者「離せよっ!銃士、銃士!起きろよ!起きろよーっ!!うわあああああああああああああ」

狙撃手「・・・」

砲術師「・・・」

勇者「あああ・・・ゴホッ、ぐふっ・・・」ドサッ ビチャッ

 突然、勇者がうずくまる。口から出たものは、黒ずんだ赤色をしていて―――

砲術師「!?」

狙撃手「吐血」

砲術師「ゆ、勇者!」

警備隊長「ど、どうしました!え、勇者さん!?」

魔法兵「!は、早く病院へ!」

砲術師「勇者あ!お前まで死ぬなあ!」

 勇者は魔法兵に担がれてカジノを出ていく。警備隊長と砲術師は心配そうに続いた。

 狙撃手は一人、ボロボロの壁を仰ぎ見た。

狙撃手「・・・・・・」


 一方、王都から集落、陣屋へと続く街道。その途中に控えめに広がっているゴーストタウンに、一際大きな洋館があった。

 窓ガラスはことごとく割られ、壁は崩れ落ちるか落書きの被害に遭っている。玄関に至っては爆発の跡がありありと見て取れる。ドアは一つは蝶番一つで風にギイギイと軋み、一つは庭に転がっている。

 その地下。ただ一箇所、書庫は被害を免れていた。梯子が必要なほどの大きな本棚は天井に達し、床も50m四方程度の非常に大きな書庫で、魔法や呪術、錬金術に関する本がずらりと並んでいた。

 その中に、一人テーブルに腰掛けて本をめくっている男が居た。無表情だが肩肘を付いていてだるそうな印象を受ける。本もまともに読まず、ページをいじくっているだけにも見えた。

死霊使い「・・・・・・」パラリ・・・パラリ・・・

死霊使い「・・・・・・」パラ・・・

死霊使い「・・・・・・」

死霊使い「・・・これは大物だ」

 彼は本をいじるのをやめて、ボソリと一言言った。机に無造作に放り出した本がバサっと音を立てた。

死霊使い「・・・フン、勇者のパーティの一員?」

死霊使い「関係無い。むしろ俺はどちらかというと魔王陣営なんでな。」

死霊使い「さあ、俺の道具になれッ・・・!」

 彼が手のひらを差し出すと、虚空に現れた光が、そこに吸い込まれた。


 勇者「・・・?」

 目を覚ますと、白い天井が見えた。

 勇者「・・・あ・・・」

 ぼんやりする頭に対して目は段々と冴えてきて、左の窓から夕日が差し込んでいることがわかった。夕方か。えーと、西はあっちだから、東があっちで、南で、北か・・・

 砲術師「勇者!?」

 勇者「おぅ?・・・砲術、師・・・」

 どうでもいいことを考えてしまった。ええと、俺は・・・

 砲術師「よかったあ、目が覚めた?」

 勇者「・・・ここは?」

 砲術師「病院!勇者、カジノで倒れたんだよ?」

 勇者「・・・ああ・・・」

 その時廊下を白いローブを着た男が通りかかって、ああ目が覚めましたか、と言いながら近寄ってきた。

 勇者「俺は・・・俺はどうしちゃったんです?」

 医者「酸欠ですね」

 勇者「酸欠?」

 医者「呼吸器官の一部がサリンに犯されて機能しなくなったんですわ。ちょっと出血もしましたね」

 砲術師「でも、ガスは抜けてたんじゃ?」

 医者「えっと、確かに吸ったガスはごくごく少量だったんで、普通なら呼吸器官も平気だったんですがね」

 勇者「ああ」

 医者「粘膜を出す作用を抑える薬、飲んでましたよね?」

 勇者「え?なんのことです?」

 薬師「説明しよう!」

 砲術師「薬師!?」

 警備隊長「この度はどうも・・・」
 
 突如扉の向こうから薬師と警備隊の隊長が姿を現した!

 薬師「勇者は魔王軍が作った新興宗教の信者だった宿屋の女将に、粘膜を出す作用を弱める薬を盛られていたのだ!」

 勇者「おか・・・・・・あっ!」

 警備隊長「取り調べ中、宿屋を経営していた女性が勇者に出したパンに薬品を混入したことを認めました」

 薬師「まあ、それでも吸ったガスがごく少量だったから薬と魔法で処置できたけどな!」

 医者「明朝問題なければ退院でいいでしょう」

 警備隊長「そうそう、ギルドの受付が謝ってましたよ。知らずに宗教団体に勇者が来たって教えてしまったって」

 薬師「おっそろしいことだ。ん、じゃあな!」

 警備隊長「これ、フルーツです。では、引き続き頑張ってください。私たちは勇者さんの味方ですから」

 ひとしきり喋ると、三人は病室から出て行った。そうか、女将が・・・

 砲術師「・・・・・・勇者、明日、すぐ出発でいいかしら?」

 勇者「うん。仇討ち・・・かな」

 砲術師「・・・そうね、狙撃手探してくる!あいつどこいったのかしら・・・」ガタッ

 勇者「あ、砲術師!その、ありがとうな!ずっとみててくれたんだろ?」

 砲術師「あ、ああいや、気にしないで、私たち、仲間じゃない!」

 砲術師は笑顔で病室を出る。勇者は銃士の死を受け入れられたのか、自分でも分からないが、こいつらとなら前に進めると思うことができるのだった。


 勇者「・・・ふぁあ・・・」

 体が弱っているのか、消灯時間になるとすぐに欠伸が出た。明日のためにも、早めに寝ておくか・・・

 狙撃手「突撃翌隣の晩御飯」ぬっ

 勇者「うおっ!?そげ・・・な、なんでここに!?3階だぞ!?」ガラッ

 窓の外に狙撃手が突如、現れた!慌てて窓を開けてやると、枠に足をかけて乗り入れてきた。

 狙撃手「お前が入院してるからか、警備の兵が居た。」

 勇者「えっ、お前まさか・・・」

 狙撃手「ロープ銃で屋上に乗り込んで、屋上からロープで降りてきた」

 勇者「そうか・・・何でそこまでして?あと、砲術師が探してたぞ?」

 狙撃手「まず一つ目の質問に答えよう。お前に見せたいものがある、それで呼びに来た」

 勇者「明日じゃダメなのか?」

 狙撃手「魔王軍が体勢を立て直す前に『武装した集落』は落としたい、明朝出発は変えたくない」

 勇者「ああ・・・見せたい物って?」

 狙撃手「その前にもう一つの質問に答える。砲術師は既に合流した、いま表で待ってる」

 勇者「ああ、そう」

 狙撃手「見せたいもの、は・・・カジノにある。明日には爆破される、見るなら今夜だ。」

 勇者「爆破!?」

 狙撃手「執政側としてはこの事件には早く決着をつけたいらしい、残しておくより埋めてしまいたいようだ」

 勇者「ああ・・・」

 狙撃手「おしゃべりはここまでだ、そろそろ行くぞ。枕をダミーに残しておけよ」

 勇者「おう、わかってる」

 勇者は枕に布団をかけ、早くも窓から身を乗り出している狙撃手の方に歩み寄った。

 狙撃手「登れるだろう?」

 狙撃手はロープを示した。

 勇者「ああ、早く登っちゃってくれ」

 狙撃手「そう急かすな。運動は専門外なんだ」

 勇者「じゃあ俺が先に登って、引き上げようか」

 狙撃手「頼むぜ」

 勇者は手摺から下がったロープを手がかりに、壁を蹴って瞬く間に屋上へ上った。

 勇者「さ、掴まれ」

 狙撃手「ラジャー」ガシッ

 勇者「よい・・・しょっ!」グイーッ

 狙撃手「パワフルーッ!」

 勇者「えっと、これが外に通じてるロープ?」

 狙撃手「ザッツライト。そしてこれを使い給え」

 狙撃手が差し出したのはU字型の金具のようなものだった。

 勇者「・・・なんだいこれ」

 狙撃手「この中心をロープにかけて、左右を掴んで、ビャーっと降りるんだよ、ナウシカみたいに」

 勇者「・・・ああ、ナール」

 狙撃手「あ、砲術師が手を振ってら、早く行くぜー」


 勇者「・・・ふぁあ・・・」

 体が弱っているのか、消灯時間になるとすぐに欠伸が出た。明日のためにも、早めに寝ておくか・・・

 狙撃手「突撃翌隣の晩御飯」ぬっ

 勇者「うおっ!?そげ・・・な、なんでここに!?3階だぞ!?」ガラッ

 窓の外に狙撃手が突如、現れた!慌てて窓を開けてやると、枠に足をかけて乗り入れてきた。

 狙撃手「お前が入院してるからか、警備の兵が居た。」

 勇者「えっ、お前まさか・・・」

 狙撃手「ロープ銃で屋上に乗り込んで、屋上からロープで降りてきた」

 勇者「そうか・・・何でそこまでして?あと、砲術師が探してたぞ?」

 狙撃手「まず一つ目の質問に答えよう。お前に見せたいものがある、それで呼びに来た」

 勇者「明日じゃダメなのか?」

 狙撃手「魔王軍が体勢を立て直す前に『武装した集落』は落としたい、明朝出発は変えたくない」

 勇者「ああ・・・見せたい物って?」

 狙撃手「その前にもう一つの質問に答える。砲術師は既に合流した、いま表で待ってる」

 勇者「ああ、そう」

 狙撃手「見せたいもの、は・・・カジノにある。明日には爆破される、見るなら今夜だ。」

 勇者「爆破!?」

 狙撃手「執政側としてはこの事件には早く決着をつけたいらしい、残しておくより埋めてしまいたいようだ」

 勇者「ああ・・・」

 狙撃手「おしゃべりはここまでだ、そろそろ行くぞ。枕をダミーに残しておけよ」

 勇者「おう、わかってる」

 勇者は枕に布団をかけ、早くも窓から身を乗り出している狙撃手の方に歩み寄った。

 狙撃手「登れるだろう?」

 狙撃手はロープを示した。

 勇者「ああ、早く登っちゃってくれ」

 狙撃手「そう急かすな。運動は専門外なんだ」

 勇者「じゃあ俺が先に登って、引き上げようか」

 狙撃手「頼むぜ」

 勇者は手摺から下がったロープを手がかりに、壁を蹴って瞬く間に屋上へ上った。

 勇者「さ、掴まれ」

 狙撃手「ラジャー」ガシッ

 勇者「よい・・・しょっ!」グイーッ

 狙撃手「パワフルーッ!」

 勇者「えっと、これが外に通じてるロープ?」

 狙撃手「ザッツライト。そしてこれを使い給え」

 狙撃手が差し出したのはU字型の金具のようなものだった。

 勇者「・・・なんだいこれ」

 狙撃手「この中心をロープにかけて、左右を掴んで、ビャーっと降りるんだよ、ナウシカみたいに」

 勇者「・・・ああ、ナール」

 狙撃手「あ、砲術師が手を振ってら、早く行くぜー」


 勇者「・・・ふぁあ・・・」

 体が弱っているのか、消灯時間になるとすぐに欠伸が出た。明日のためにも、早めに寝ておくか・・・

 狙撃手「突撃翌隣の晩御飯」ぬっ

 勇者「うおっ!?そげ・・・な、なんでここに!?3階だぞ!?」ガラッ

 窓の外に狙撃手が突如、現れた!慌てて窓を開けてやると、枠に足をかけて乗り入れてきた。

 狙撃手「お前が入院してるからか、警備の兵が居た。」

 勇者「えっ、お前まさか・・・」

 狙撃手「ロープ銃で屋上に乗り込んで、屋上からロープで降りてきた」

 勇者「そうか・・・何でそこまでして?あと、砲術師が探してたぞ?」

 狙撃手「まず一つ目の質問に答えよう。お前に見せたいものがある、それで呼びに来た」

 勇者「明日じゃダメなのか?」

 狙撃手「魔王軍が体勢を立て直す前に『武装した集落』は落としたい、明朝出発は変えたくない」

 勇者「ああ・・・見せたい物って?」

 狙撃手「その前にもう一つの質問に答える。砲術師は既に合流した、いま表で待ってる」

 勇者「ああ、そう」

 狙撃手「見せたいもの、は・・・カジノにある。明日には爆破される、見るなら今夜だ。」

 勇者「爆破!?」

 狙撃手「執政側としてはこの事件には早く決着をつけたいらしい、残しておくより埋めてしまいたいようだ」

 勇者「ああ・・・」

 狙撃手「おしゃべりはここまでだ、そろそろ行くぞ。枕をダミーに残しておけよ」

 勇者「おう、わかってる」

 勇者は枕に布団をかけ、早くも窓から身を乗り出している狙撃手の方に歩み寄った。

 狙撃手「登れるだろう?」

 狙撃手はロープを示した。

 勇者「ああ、早く登っちゃってくれ」

 狙撃手「そう急かすな。運動は専門外なんだ」

 勇者「じゃあ俺が先に登って、引き上げようか」

 狙撃手「頼むぜ」

 勇者は手摺から下がったロープを手がかりに、壁を蹴って瞬く間に屋上へ上った。

 勇者「さ、掴まれ」

 狙撃手「ラジャー」ガシッ

 勇者「よい・・・しょっ!」グイーッ

 狙撃手「パワフルーッ!」

 勇者「えっと、これが外に通じてるロープ?」

 狙撃手「ザッツライト。そしてこれを使い給え」

 狙撃手が差し出したのはU字型の金具のようなものだった。

 勇者「・・・なんだいこれ」

 狙撃手「この中心をロープにかけて、左右を掴んで、ビャーっと降りるんだよ、ナウシカみたいに」

 勇者「・・・ああ、ナール」

 狙撃手「あ、砲術師が手を振ってら、早く行くぜー」


 勇者「・・・ふぁあ・・・」

 体が弱っているのか、消灯時間になるとすぐに欠伸が出た。明日のためにも、早めに寝ておくか・・・

 狙撃手「突撃翌隣の晩御飯」ぬっ

 勇者「うおっ!?そげ・・・な、なんでここに!?3階だぞ!?」ガラッ

 窓の外に狙撃手が突如、現れた!慌てて窓を開けてやると、枠に足をかけて乗り入れてきた。

 狙撃手「お前が入院してるからか、警備の兵が居た。」

 勇者「えっ、お前まさか・・・」

 狙撃手「ロープ銃で屋上に乗り込んで、屋上からロープで降りてきた」

 勇者「そうか・・・何でそこまでして?あと、砲術師が探してたぞ?」

 狙撃手「まず一つ目の質問に答えよう。お前に見せたいものがある、それで呼びに来た」

 勇者「明日じゃダメなのか?」

 狙撃手「魔王軍が体勢を立て直す前に『武装した集落』は落としたい、明朝出発は変えたくない」

 勇者「ああ・・・見せたい物って?」

 狙撃手「その前にもう一つの質問に答える。砲術師は既に合流した、いま表で待ってる」

 勇者「ああ、そう」

 狙撃手「見せたいもの、は・・・カジノにある。明日には爆破される、見るなら今夜だ。」

 勇者「爆破!?」

 狙撃手「執政側としてはこの事件には早く決着をつけたいらしい、残しておくより埋めてしまいたいようだ」

 勇者「ああ・・・」

 狙撃手「おしゃべりはここまでだ、そろそろ行くぞ。枕をダミーに残しておけよ」

 勇者「おう、わかってる」

 勇者は枕に布団をかけ、早くも窓から身を乗り出している狙撃手の方に歩み寄った。

 狙撃手「登れるだろう?」

 狙撃手はロープを示した。

 勇者「ああ、早く登っちゃってくれ」

 狙撃手「そう急かすな。運動は専門外なんだ」

 勇者「じゃあ俺が先に登って、引き上げようか」

 狙撃手「頼むぜ」

 勇者は手摺から下がったロープを手がかりに、壁を蹴って瞬く間に屋上へ上った。

 勇者「さ、掴まれ」

 狙撃手「ラジャー」ガシッ

 勇者「よい・・・しょっ!」グイーッ

 狙撃手「パワフルーッ!」

 勇者「えっと、これが外に通じてるロープ?」

 狙撃手「ザッツライト。そしてこれを使い給え」

 狙撃手が差し出したのはU字型の金具のようなものだった。

 勇者「・・・なんだいこれ」

 狙撃手「この中心をロープにかけて、左右を掴んで、ビャーっと降りるんだよ、ナウシカみたいに」

 勇者「・・・ああ、ナール」

 狙撃手「あ、砲術師が手を振ってら、早く行くぜー」


 勇者「・・・ふぁあ・・・」

 体が弱っているのか、消灯時間になるとすぐに欠伸が出た。明日のためにも、早めに寝ておくか・・・

 狙撃手「突撃翌隣の晩御飯」ぬっ

 勇者「うおっ!?そげ・・・な、なんでここに!?3階だぞ!?」ガラッ

 窓の外に狙撃手が突如、現れた!慌てて窓を開けてやると、枠に足をかけて乗り入れてきた。

 狙撃手「お前が入院してるからか、警備の兵が居た。」

 勇者「えっ、お前まさか・・・」

 狙撃手「ロープ銃で屋上に乗り込んで、屋上からロープで降りてきた」

 勇者「そうか・・・何でそこまでして?あと、砲術師が探してたぞ?」

 狙撃手「まず一つ目の質問に答えよう。お前に見せたいものがある、それで呼びに来た」

 勇者「明日じゃダメなのか?」

 狙撃手「魔王軍が体勢を立て直す前に『武装した集落』は落としたい、明朝出発は変えたくない」

 勇者「ああ・・・見せたい物って?」

 狙撃手「その前にもう一つの質問に答える。砲術師は既に合流した、いま表で待ってる」

 勇者「ああ、そう」

 狙撃手「見せたいもの、は・・・カジノにある。明日には爆破される、見るなら今夜だ。」

 勇者「爆破!?」

 狙撃手「執政側としてはこの事件には早く決着をつけたいらしい、残しておくより埋めてしまいたいようだ」

 勇者「ああ・・・」

 狙撃手「おしゃべりはここまでだ、そろそろ行くぞ。枕をダミーに残しておけよ」

 勇者「おう、わかってる」

 勇者は枕に布団をかけ、早くも窓から身を乗り出している狙撃手の方に歩み寄った。

 狙撃手「登れるだろう?」

 狙撃手はロープを示した。

 勇者「ああ、早く登っちゃってくれ」

 狙撃手「そう急かすな。運動は専門外なんだ」

 勇者「じゃあ俺が先に登って、引き上げようか」

 狙撃手「頼むぜ」

 勇者は手摺から下がったロープを手がかりに、壁を蹴って瞬く間に屋上へ上った。

 勇者「さ、掴まれ」

 狙撃手「ラジャー」ガシッ

 勇者「よい・・・しょっ!」グイーッ

 狙撃手「パワフルーッ!」

 勇者「えっと、これが外に通じてるロープ?」

 狙撃手「ザッツライト。そしてこれを使い給え」

 狙撃手が差し出したのはU字型の金具のようなものだった。

 勇者「・・・なんだいこれ」

 狙撃手「この中心をロープにかけて、左右を掴んで、ビャーっと降りるんだよ、ナウシカみたいに」

 勇者「・・・ああ、ナール」

 狙撃手「あ、砲術師が手を振ってら、早く行くぜー」


 勇者「・・・ふぁあ・・・」

 体が弱っているのか、消灯時間になるとすぐに欠伸が出た。明日のためにも、早めに寝ておくか・・・

 狙撃手「突撃翌隣の晩御飯」ぬっ

 勇者「うおっ!?そげ・・・な、なんでここに!?3階だぞ!?」ガラッ

 窓の外に狙撃手が突如、現れた!慌てて窓を開けてやると、枠に足をかけて乗り入れてきた。

 狙撃手「お前が入院してるからか、警備の兵が居た。」

 勇者「えっ、お前まさか・・・」

 狙撃手「ロープ銃で屋上に乗り込んで、屋上からロープで降りてきた。殺しゃしないさ」

 勇者「そうか・・・何でそこまでして?あと、砲術師が探してたぞ?」

 狙撃手「まず一つ目の質問に答えよう。お前に見せたいものがある、それで呼びに来た」

 勇者「明日じゃダメなのか?」

 狙撃手「魔王軍が体勢を立て直す前に『武装した集落』は落としたい、明朝出発は変えたくない」

 勇者「ああ・・・見せたい物って?」

 狙撃手「その前にもう一つの質問に答える。砲術師は既に合流した、いま表で待ってる」

 勇者「ああ、そう」

 狙撃手「見せたいもの、は・・・カジノにある。明日には爆破される、見るなら今夜だ。」

 勇者「爆破!?」

 狙撃手「執政側としてはこの事件には早く決着をつけたいらしい、残しておくより埋めてしまいたいようだ」

 勇者「ああ・・・」

 狙撃手「おしゃべりはここまでだ、そろそろ行くぞ。枕をダミーに残しておけよ」

 勇者「おう、わかってる」

 勇者は枕に布団をかけ、早くも窓から身を乗り出している狙撃手の方に歩み寄った。

 狙撃手「登れるだろう?」

 狙撃手はロープを示した。

 勇者「ああ、早く登っちゃってくれ」

 狙撃手「そう急かすな。運動は専門外なんだ」

 勇者「じゃあ俺が先に登って、引き上げようか」

 狙撃手「頼むぜ」

 勇者は手摺から下がったロープを手がかりに、壁を蹴って瞬く間に屋上へ上った。

 勇者「さ、掴まれ」

 狙撃手「ラジャー」ガシッ

 勇者「よい・・・しょっ!」グイーッ

 狙撃手「パワフルーッ!」

 勇者「えっと、これが外に通じてるロープ?」

 狙撃手「ザッツライト。そしてこれを使い給え」

 狙撃手が差し出したのはU字型の金具のようなものだった。

 勇者「・・・なんだいこれ」

 狙撃手「この中心をロープにかけて、左右を掴んで、ビャーっと降りるんだよ、ナウシカみたいに」

 勇者「・・・ああ、ナール」

 狙撃手「あ、砲術師が手を振ってら、警備兵は今いないらしい、早く行くぜ」


 勇者「・・・ふぁあ・・・」

 体が弱っているのか、消灯時間になるとすぐに欠伸が出た。明日のためにも、早めに寝ておくか・・・

 狙撃手「突撃翌隣の晩御飯」ぬっ

 勇者「うおっ!?そげ・・・な、なんでここに!?3階だぞ!?」ガラッ

 窓の外に狙撃手が突如、現れた!慌てて窓を開けてやると、枠に足をかけて乗り入れてきた。

 狙撃手「お前が入院してるからか、警備の兵が居た。」

 勇者「えっ、お前まさか・・・」

 狙撃手「ロープ銃で屋上に乗り込んで、屋上からロープで降りてきた。殺しゃしないさ」

 勇者「そうか・・・何でそこまでして?あと、砲術師が探してたぞ?」

 狙撃手「まず一つ目の質問に答えよう。お前に見せたいものがある、それで呼びに来た」

 勇者「明日じゃダメなのか?」

 狙撃手「魔王軍が体勢を立て直す前に『武装した集落』は落としたい、明朝出発は変えたくない」

 勇者「ああ・・・見せたい物って?」

 狙撃手「その前にもう一つの質問に答える。砲術師は既に合流した、いま表で待ってる」

 勇者「ああ、そう」

 狙撃手「見せたいもの、は・・・カジノにある。明日には爆破される、見るなら今夜だ。」

 勇者「爆破!?」

 狙撃手「執政側としてはこの事件には早く決着をつけたいらしい、残しておくより埋めてしまいたいようだ」

 勇者「ああ・・・」

 狙撃手「おしゃべりはここまでだ、そろそろ行くぞ。枕をダミーに残しておけよ」

 勇者「おう、わかってる」

 勇者は枕に布団をかけ、早くも窓から身を乗り出している狙撃手の方に歩み寄った。

 狙撃手「登れるだろう?」

 狙撃手はロープを示した。

 勇者「ああ、早く登っちゃってくれ」

 狙撃手「そう急かすな。運動は専門外なんだ」

 勇者「じゃあ俺が先に登って、引き上げようか」

 狙撃手「頼むぜ」

 勇者は手摺から下がったロープを手がかりに、壁を蹴って瞬く間に屋上へ上った。

 勇者「さ、掴まれ」

 狙撃手「ラジャー」ガシッ

 勇者「よい・・・しょっ!」グイーッ

 狙撃手「パワフルーッ!」

 勇者「えっと、これが外に通じてるロープ?」

 狙撃手「ザッツライト。そしてこれを使い給え」

 狙撃手が差し出したのはU字型の金具のようなものだった。

 勇者「・・・なんだいこれ」

 狙撃手「この中心をロープにかけて、左右を掴んで、ビャーっと降りるんだよ、ナウシカみたいに」

 勇者「・・・ああ、ナール」

 狙撃手「あ、砲術師が手を振ってら、警備兵は今いないらしい、早く行くぜ」


 勇者「・・・ふぁあ・・・」

 体が弱っているのか、消灯時間になるとすぐに欠伸が出た。明日のためにも、早めに寝ておくか・・・

 狙撃手「突撃翌隣の晩御飯」ぬっ

 勇者「うおっ!?そげ・・・な、なんでここに!?3階だぞ!?」ガラッ

 窓の外に狙撃手が突如、現れた!慌てて窓を開けてやると、枠に足をかけて乗り入れてきた。

 狙撃手「お前が入院してるからか、警備の兵が居た。」

 勇者「えっ、お前まさか・・・」

 狙撃手「ロープ銃で屋上に乗り込んで、屋上からロープで降りてきた。殺しゃしないさ」

 勇者「そうか・・・何でそこまでして?あと、砲術師が探してたぞ?」

 狙撃手「まず一つ目の質問に答えよう。お前に見せたいものがある、それで呼びに来た」

 勇者「明日じゃダメなのか?」

 狙撃手「魔王軍が体勢を立て直す前に『武装した集落』は落としたい、明朝出発は変えたくない」

 勇者「ああ・・・見せたい物って?」

 狙撃手「その前にもう一つの質問に答える。砲術師は既に合流した、いま表で待ってる」

 勇者「ああ、そう」

 狙撃手「見せたいもの、は・・・カジノにある。明日には爆破される、見るなら今夜だ。」

 勇者「爆破!?」

 狙撃手「執政側としてはこの事件には早く決着をつけたいらしい、残しておくより埋めてしまいたいようだ」

 勇者「ああ・・・」

 狙撃手「おしゃべりはここまでだ、そろそろ行くぞ。枕をダミーに残しておけよ」

 勇者「おう、わかってる」

 勇者は枕に布団をかけ、早くも窓から身を乗り出している狙撃手の方に歩み寄った。

 狙撃手「登れるだろう?」

 狙撃手はロープを示した。

 勇者「ああ、早く登っちゃってくれ」

 狙撃手「そう急かすな。運動は専門外なんだ」

 勇者「じゃあ俺が先に登って、引き上げようか」

 狙撃手「頼むぜ」

 勇者は手摺から下がったロープを手がかりに、壁を蹴って瞬く間に屋上へ上った。

 勇者「さ、掴まれ」

 狙撃手「ラジャー」ガシッ

 勇者「よい・・・しょっ!」グイーッ

 狙撃手「パワフルーッ!」

 勇者「えっと、これが外に通じてるロープ?」

 狙撃手「ザッツライト。そしてこれを使い給え」

 狙撃手が差し出したのはU字型の金具のようなものだった。

 勇者「・・・なんだいこれ」

 狙撃手「この中心をロープにかけて、左右を掴んで、ビャーっと降りるんだよ、ナウシカみたいに」

 勇者「・・・ああ、ナール」

 狙撃手「あ、砲術師が手を振ってら、警備兵は今いないらしい、早く行くぜ」


 勇者「・・・ふぁあ・・・」

 体が弱っているのか、消灯時間になるとすぐに欠伸が出た。明日のためにも、早めに寝ておくか・・・

 狙撃手「突撃翌隣の晩御飯」ぬっ

 勇者「うおっ!?そげ・・・な、なんでここに!?3階だぞ!?」ガラッ

 窓の外に狙撃手が突如、現れた!慌てて窓を開けてやると、枠に足をかけて乗り入れてきた。

 狙撃手「お前が入院してるからか、警備の兵が居た。」

 勇者「えっ、お前まさか・・・」

 狙撃手「ロープ銃で屋上に乗り込んで、屋上からロープで降りてきた。殺しゃしないさ」

 勇者「そうか・・・何でそこまでして?あと、砲術師が探してたぞ?」

 狙撃手「まず一つ目の質問に答えよう。お前に見せたいものがある、それで呼びに来た」

 勇者「明日じゃダメなのか?」

 狙撃手「魔王軍が体勢を立て直す前に『武装した集落』は落としたい、明朝出発は変えたくない」

 勇者「ああ・・・見せたい物って?」

 狙撃手「その前にもう一つの質問に答える。砲術師は既に合流した、いま表で待ってる」

 勇者「ああ、そう」

 狙撃手「見せたいもの、は・・・カジノにある。明日には爆破される、見るなら今夜だ。」

 勇者「爆破!?」

 狙撃手「執政側としてはこの事件には早く決着をつけたいらしい、残しておくより埋めてしまいたいようだ」

 勇者「ああ・・・」

 狙撃手「おしゃべりはここまでだ、そろそろ行くぞ。枕をダミーに残しておけよ」

 勇者「おう、わかってる」

 勇者は枕に布団をかけ、早くも窓から身を乗り出している狙撃手の方に歩み寄った。

 狙撃手「登れるだろう?」

 狙撃手はロープを示した。

 勇者「ああ、早く登っちゃってくれ」

 狙撃手「そう急かすな。運動は専門外なんだ」

 勇者「じゃあ俺が先に登って、引き上げようか」

 狙撃手「頼むぜ」

 勇者は手摺から下がったロープを手がかりに、壁を蹴って瞬く間に屋上へ上った。

 勇者「さ、掴まれ」

 狙撃手「ラジャー」ガシッ

 勇者「よい・・・しょっ!」グイーッ

 狙撃手「パワフルーッ!」

 勇者「えっと、これが外に通じてるロープ?」

 狙撃手「ザッツライト。そしてこれを使い給え」

 狙撃手が差し出したのはU字型の金具のようなものだった。

 勇者「・・・なんだいこれ」

 狙撃手「この中心をロープにかけて、左右を掴んで、ビャーっと降りるんだよ、ナウシカみたいに」

 勇者「・・・ああ、ナール」

 狙撃手「あ、砲術師が手を振ってら、警備兵は今いないらしい、早く行くぜ」

あーーーーーミスったーーーーーーー
連投は華麗にスルーしてください

>61
気づいたとき目の前で花火が打ち上がった気がしました、冗談抜きに・・・


 狙撃手「ビャーっ!」ビャー スタッ

 勇者「ビャー・・・これ言う必要あるのか?」ビャー スタッ

 砲術師「おみごと!それにしても、勇者が病院脱走とは・・・とんだスキャンダルね」

 狙撃手「見ればそんなこと言う奴ぁいないさ」

 勇者「あ!ロープどうする?」

 狙撃手「銃身を茂みに押し込んどけ。ロープは・・・どうせ上を見上げるやつなんかいないさ」

 砲術師「何はともあれ、行きましょう。えっと、あっちよね?」

 狙撃手「ああ。行こうか、もたもたしてると夜が明ける」

 砲術師「はあ、全く、狙撃手は何を見つけたかとっとと言えばいいのに・・・」

 狙撃手「見たほうが早いからな」

 砲術師「・・・どうだか」

 砲術師はランチャーを背負い直す。勇者はそれを見て、こう言った。

 勇者「・・・そういえば狙撃手もライフル持ちっぱだよな?」

 狙撃手「ああ、『えむにじゅういち』という型らしいな」

 勇者「『らしい』?」

 狙撃手「このへんは工業が未発達だから、精巧なライフルは遠方にしかない。型番は取り寄せた業者から聞いたんだ」

 勇者「ああ、つまりそれは出来のいいやつなんだな?この辺で作られた銃なら見たことがある」

 狙撃手「胡散臭い輸入業者の持っている奴を買うしかないんだが、俺のこれはパチもんにせよその辺のよりはいい作り」

 砲術師「私のランチャーは『こるとえむななじゅうきゅう』・・・だったかしら。」

 勇者「・・・俺の剣はそのへんで買ったやつだからなあ。」

 狙撃手「買い替えが効くのが一番」

 砲術師「昔は『伝説の剣』や『伝説の鎧』もあったらしいけど、行方不明って話よ」
 
 勇者「ふうん、誰かが持っていったのかな」

 砲術師「どうかしら。」

 狙撃手「カジノが見えてきたぞ」

 勇者「・・・ああ」

 砲術師「チッ、兵がいるわよ」

 砲術師の言うとおり、カジノの前には数人の警備隊員がいた。

 狙撃手「計算済み」ジャキッ ズギューン

 勇者「ちょ!何撃って・・・!」

 狙撃手が撃ったのは、路地の斜め向かいの建物の窓―――

 バンバン!バラパパパパパパパッ!!

 警備兵A「な!?なんだなんだ!?」

 警備兵B「待て、気をつけろ!ま、魔王軍かもしれんぞ!」

 警備兵C「なんか光ってんでー!」

 警備兵の目が斜め向かいの建物に釘付けになっているうちに、3人はするっとカジノのある建物に入ってしまった。

 狙撃手「昼間のうちにあそこに爆竹を仕込んでおいた」

 勇者「・・・大丈夫なのかそれ」

 砲術師「あの距離で爆竹に当てるなんて、流石の腕ね・・・さっさと地下に行きましょう」

 三人は店の奥へ歩を進めた。


 勇者「・・・」

 砲術師「ひどいわね」

 狙撃手「あれ・・・何処に入れたかな」ゴソゴソ

 裏カジノ跡地に到着した。そこはまさに『跡地』。壁には弾痕、焦げ跡、血、得体の知れない汚れが所狭しとこびりついていた。

 勇者「・・・で、見せたいっていうのは?」

 狙撃手「・・・ちょっと待て・・・おお、あったあった。」ゴソゴソ パッ

 狙撃手はリュックサックの奥から本を引っ張り出した。表紙には「サルでもわかる点字 対応表付き」とある。

 砲術師「どうしたのその本?」

 狙撃手「図書館で借りてきた」

 砲術師「いや、そういうことじゃなくて・・・」

 勇者「・・・!まさか、この弾痕が!」

 狙撃手「そうだ。あの銃士が何もせず死んで行くわけがない。えーと、あ、い・・・」

 狙撃手の意図がようやくわかった。彼は壁と本、解読結果を書いたメモを順番に見ていたが、しばらくするとこちらに戻ってきた。

 勇者「・・・何て?」

 砲術師「・・・」ゴクリ

 狙撃手「・・・『ぜったいまおうをたおすこと』・・・だとさ。」

 勇者「・・・・・・」

 砲術師「・・・・・・・・・ちょっと待って」

 砲術師が声を上げた。

 狙撃手「なんだ?」

 砲術師「なんであの脳筋が点字なんて?」

 狙撃手「・・・・・・この壁のダイイングメッセージからは外れるが・・・奴には目の見えない、妹がいたんだ。」

 勇者「妹!?」

 砲術師「聞いたこともないわね・・・なんであなたが知っているの?」

 狙撃手「輸入業者を紹介した帰り、ポツリポツリ言ってたんだ。」

 勇者「・・・それで?」

 狙撃手「妹は魔物に呪いをかけられていたらしくてな、両親はそれの治療のために、無理して仕事していたらしい。」

 狙撃手「しかし万策尽きて、一家心中を図ったらしい。彼女は内職関係で出かけていて無事だったらしいが」

 砲術師「妹は?」

 狙撃手「両親は死んだが、妹は生き残ったらしい。銃士はなんとか働かなきゃいけなくなった」

 狙撃手「眼科で元傭兵のおっさんと顔見知りになってたらしく、無理に頼んで傭兵にしてもらったそうだ。」

 狙撃手「そこで戦闘術を教わったらしい。しかし妹がそれを知って怒ったらしくてな」

 勇者「・・・自分のせいで危険な仕事をするなんて・・・か・・・」

 狙撃手「それで冒険者に転職したそうだ。妹は冒険話を、目を輝かせて聞いたらしい。さぞ面白そうに」

 狙撃手「しかし妹が突然自殺した。お金があれば、もっとお姉ちゃんが冒険できると遺書があったらしい」

 狙撃手「それで銃士は立ち直ったあと、冒険に精を出したらしい。妹の意思を、受け継ぐためにな。」

 狙撃手「それに今回は、妹に呪いをかけた魔物と戦うたびだった・・・なんとかやり遂げろ、というメッセージだろうな」


 狙撃手「何泣いてるんだ。病院に戻るぞ、俺たちはやり遂げないといけないんだ。」
 

 


 午前7時

 看護婦「勇者さん?おはようございます、朝食ですー」カチャ

 勇者「ああ、ありがとうございます」

 看護婦「すぐ、朝一番に診断がありますからねー」

 勇者「わかりました」

 看護婦「ではー」

 看護婦がドアを閉めて出て行く。

 勇者「ほう、うまい」パクパク

 あれから勇者はロープを手繰って屋上へ戻り、ロープ銃のアンカーを外すと、病室から伝ってきたロープを引き込んでバッグに入れた。狙撃手が指先を額からこちらに向ける合図をしているのが見えた。

 それから少し眠ったら、ちょうど日の出だった。

 勇者「・・・」パクパク

 勇者は食べながら、銃士のことを考えた。彼女の妹に呪いをかけたのも魔物だったらしいが、銃士は一介の冒険者として仲間に遺志を託したのかもしれないな・・・

 勇者「・・・俺なんかにはわからない、かな・・・」

 看護婦「勇者さん、食べ終わりましたー?」

 勇者「ああはい、今。」

 医者「おはようござい。良く眠れました?健康診断のお時間です」

 それから勇者は基本的なことから、呼吸器官の健康に関わることを質問された。勇者は特に問題なしだったらしく、最後には荷物をまとめて窓口へ行くよう言われた。

 受付「ウホッいい男」

 勇者「!?・・・あの、受付へ行けと言われたんですが。」

 受付「ああ、ここにマルをつけろ。それより、これから暇か?」

 勇者「い、いえこれ以上ないほど忙しいです」

 受付「そんなことはどうでもいい・・・前の公園のトイレに来いよ」

 勇者「・・・はい?」

 受付「やらないか」

 勇者「・・・・・・・・・さようならーっ!」ダダダダダ ガチャ

 受付「全く、ノンケはこうだから困るな・・・」

 看護婦「ちょっと!あんたのせいで泌尿器科がてんてこ舞いなのよ!自重して頂戴、それもこんな真昼間から!」

 受付「フン、そう羨むなって。ご要望とあらば俺は女でもいける口だぜ?」

 看護婦「な!?よくもそんなことをしゃあしゃあと・・・!」

 受付「お、今出てきた男・・・よく締まりそうだ」


 


 薬局

 薬師「サブキャラ随一の出演量を誇る俺!」

 勇者「ああもう、わかったからもうちょっとシャッター開けよ、怨霊か!」

 薬剤師「違う、薬師だ!」

 勇者「読解力ねえな!あとどさくさに紛れて名前表示変えんな!」

 薬剤師「こちら吸引剤です!朝夜と一日二回吸引してください!一週間分出しておきますね!」ガリガリガリ

 勇者「そこまで強く書くな!袋が破れる!」

 薬剤師「これ持って失せろ!カスが!」ポイッ ガシャーン

 勇者「寝起き悪すぎだろ!この野郎め!」

 勇者「・・・・・この薬は大丈夫なんだろうな・・・」

 砲術師「製薬に関しては大丈夫よ」

 狙撃手「プロフェッショナル・・・」

 勇者「うおっ!二人共、居たのか・・・」

 砲術師「ええ、『違う、薬師だ!』くらいから」

 狙撃手「テンプレート」

 勇者「・・・じゃあ、行こうか?」

 砲術師「ええ。アイテムは前買ったのがほとんど残ってるし」

 狙撃手「案ずるより産むが易し」

 勇者「・・・・・・銃士の弔い合戦だ!」

 3人は王都から出た。



 

 狙撃手「・・・そうだよ、俺はこういう無口キャラだったんだよ」

 砲術師「それをなぜここで言う」


 それから30分後。

 キツネ曹長「『アクアハンマー』!」

 野原。「武装した集落」の前方、虚空に現れた巨大な水の塊がハンマーのように勇者を襲う。

 砲術師「危ない!」ドカッ

 勇者「わっ!」ドサッ


 ドボオッ!


 勇者「ありがとう、危なかった」

 ガ二等兵「そこお!」ズダーン

 チョウ一等兵「連弩発射」ドヒュッ


 プシューン!ピュンピュンピュンピュンピュンッ!


 勇者「うぎゃっ!薬草薬草・・・ふう」モグモグ

 狙撃手「全然狙えん」

 砲術師「・・・ええくそ、せめて射程距離まで近づければ・・・」

 勇者「あの門の上の魔法使いが鬱陶しい!」

 キツネ曹長「『ショックスパーク』!」


 バシィ!バリバリバリッ!


 勇者「うおっ!」

 砲術師「あいつがどうにかなれば・・・狙撃手!」

 砲術師は気の上にいる狙撃手に声をかけた。

 狙撃手「魔法で巻き上がった粉塵が邪魔で無理だ」

 勇者「薬草準備しておいたほうがいいか・・・・・・・・・ん!」


 勇者はバッグの中を見て目を見開いた!


 砲術師「どうしたの?」

 勇者「狙撃手、門の上の魔法使いがいなければ脇の二人は始末できるか?」

 狙撃手「2秒くれ」

 勇者「十分だ!砲術師、行くぞ!」ザッ

 砲術師「ええ!?ちょ、もう!知らないわよ!」ザッ


 キツネ曹長「ふん、馬鹿め!ランチャーは射程外、魔法も使わないとなれば、この距離ではただの動く的よ!」

 キツネ曹長「『天上より伝えられし光よ、今我が進むべき道を示さん』火魔法、『ヒートブレイズ』!!」


 ボアッ!狐の魔物のはなった魔法が勇者達を襲う!


 砲術師「きゃあああああどうすんのよおおおおおおお!!!???」

 勇者「案ずるな!」

 勇者はこの状況を切り開く、お忘れがちなアイツを取り出した!


それは薬師にもらった―――!

 勇者「使い捨て魔法書起動!水魔法『アクアハンマー』!」

 キツネ曹長「何ィ!?」

 ドドオッ、ジュワワワワッ!!

 火炎放射は空中で水の壁に阻まれ、白い湯気を残して虚空に消えた―――

 砲術師「すっごいっ!射程距離まで20歩!」

 キツネ曹長「く、くそ!『神の光の鉄槌よ―――

 勇者「いけ、使い捨て魔法書起動!雷魔法『ショックスパーク』!」

 バリバリバリバリバリバリバリバリバリッ!!!

 キツネ曹長「アンギャアアアアスッ!?」ビリビリビリ ヒュー ボトン ブスブス

 砲術師「あと10歩!」

 ガ二等兵「曹長!?くそ、よくも!」ジャキッ

 チョウ一等兵「ハリネズミになれっ!」ガシャッ

 砲術師「くっ、あと5歩!」

 勇者「狙撃手!」

 狙撃手「湿気は苦手なんだがなあ」ドンッ

 ガ二等兵「おげっ」ドサッ

 チョウ一等兵「!?野郎、なんて腕だ!」ドヒュッ

 勇者と砲術師を襲う幾つもの矢!

 勇者「うわっこの弾幕は計算してなかった」

 砲術師「射程内・・・ってうわあ!?恐るべし孔明イィ!!」

 勇者「うわーっ!?」ピカー

 その時、バッグの奥で残った魔法書が光り輝いた!

 ボンッ!!

 勇者の意識とは全く関係なしに発動された火炎魔法は、飛んできた矢を炭にすると同時に乱気流に巻き込んだ!

 勇者「・・・!よ、よしっ!」

 チョウ一等兵「何ィ馬鹿な!魔法書を宣言なしで起動するなど、魔法使いにしか・・・」

 狙撃手「説明乙」ドンッ

 チョウ一等兵「」ドサッ

 そして妨害がなくなった砲術師は、素早く地面に片膝をつき、狙いをすました!

 砲術師「距離よし!風向きよし!照準よし!目標敵木造施設!発射アーッ!!」ドンッ

 ランチャーから飛び出した手榴弾は、煙を引きつつ高櫓を掠めて―――


 ドゴオンッ!!

 門諸共入口周辺の施設を吹き飛ばした!

 カナブン兵長「うぎゃー!!」

 ハチ上等兵「痛いどころじゃねえっ」

 砲術師「よっしゃあっ!!」

 勇者「入るぞ!リーダーを倒すんだ!」


 狙撃手「・・・おっとっと、こうしちゃいられない。脱出を援護しないと・・・裏口は~っと」ガサガサ


 オケラ二等兵「待てい!これ以上行かせんぞ!」

 モグラ軍曹「・・・」

 ジャイアントワーム「ピギャアアアアアアアアアアアアスッ!!!」ドゴンドゴン

 勇者「なんだこれ!?でっかい魔物!?」

 砲術師「チィッ魔獣か!」

 オケラ二等兵「フハハハハ、我が拠点の虎の子じゃい!行けジャイアントワーム!」

 ジャイアントワーム「ラジャアアアアアアアアアアアアッスッ!!!」ドゴンドゴン

 砲術師「吹っ飛べっ!」キン ヒュッ

 砲術師の投げた手榴弾が魔獣の足元を転がって―――

 バズンッ!

 飛ぶ礫、舞う粉塵。

 砲術師「やったか!?」

 勇者「あ、そのセリフは・・・」

 オケラ二等兵「フハハハハ!」

 ジャイアントワーム「ケッコウイタカッタアアアアアアアアアアアアアアッスッ!!!」ブオッ

 砲術師「きゃあっ!」ドカッ

 勇者「砲術師!今助けに・・・!?」

 モグラ軍曹「・・・お前の相手なら俺がしよう」ブンッ

 勇者「うぐっ!?」ガキイン!

 モグラの魔物が持っていたのは金属製の馬鍬!距離をとる勇者に、再度それを振りかざす!

 モグラ軍曹「・・・・・・覚悟はいいな、ッ!」ドウッ

 勇者「くっ、うぐっ、があっ!」ガキン ギイン ズガン!

 モグラ軍曹「・・・・・・」ブンッ

 好きを見せないよう睨みつけつつ、勇者は薬草を取り出す。

 勇者「(こ、こいつ強い?だが、素早さなら!)」モグモグ

 モグラ軍曹「・・・・・・これで最後だ!」ドウッ

 勇者「この攻撃の時に―――!」ダッ

 モグラ軍曹「!」

 勇者は振り下ろされた馬鍬の先端を紙一重で避け、横に回り込んだ!しかしこの魔物もただでは黙っていない!

 モグラ軍曹「フンヌガアッ!」ドシッ

 勇者「くっ」ズッ

 繰り出されたボディチャージに、勇者はなすすべなく倒れる。肉弾戦ではモグラの魔物が有利かと思われたが、既に勝負はついていた。

 モグラ軍曹「・・・・・・く・・・俺、としたことが・・・無念」ガクッ

 勇者「・・・ふう」

 勇者は倒される時、剣の持ち手を地面に突き、敵のタックルの勢いそのままに横っ腹に刃を突き刺していたのだった。

 勇者「・・・砲術師!砲術師は!」

 砲術師「ハアイ」

 オケラ二等兵「」

 ジャイアントワーム「」

 勇者「・・・すっげえ」


 砲術師「早く行きましょ。残弾2、あまり芳しくないわ」

 勇者「お、おう。・・・えっと、あっちか?」

 アブ一等兵「!?違いますよ!?」

 カゲロウ上等兵「こっちは司令官の居室なんかじゃありませんよ」

 砲術師「・・・」ドカッ

 カゲロウ上等兵「まさにカゲロウのような人生だっt」グシャッ

 アブ一等兵「ヒィッ!?」

 勇者「ごめんよ!せめて一撃で!」ザクッ

 アブ一等兵「」ガクッ

 砲術師「・・・あそこね」

 勇者「準備はいい?・・・じゃあ、行くよ」

 ガチャッ

 集落守将「よく来つぁぱ」ガブッ


 勇者「・・・・・・」


 砲術師「・・・・・・」


 集落守将「・・・・・・」


 勇者「・・・(噛んだ)」


 砲術師「・・・(噛んだわね)」


 集落守将「・・・(噛みました)」


 勇者「・・・・・・」


 砲術師「・・・・・・」


 集落守将「・・・・・・」


 勇者「・・・・・・」


 砲術師「・・・・・・」


 集落守将「・・・・・・・・・・・・うわあああああああああっ!!!!?!??!!!」


 魔物が擬態を解いた!

 イノシシ准尉「死ねええええええええええええええっ!!!!全員死んじまええええええええッ!!!!」ブンブン

 砲術師「来るわよ!」

 勇者「なんか締まらないけれど・・・銃士の敵討ちだっ!」





 案内:次回守将戦!勝利の行方はいかに!?


 イノシシ准尉「フーッ、はああああっ!」ザッ ドンドンドン

 砲術師「よけてっ!」バッ

 勇者「が、合点っ!」バッ

 イノシシ准尉「くっ、かあ!」ドドッ ブオン

 突進をかわされた魔物は、体勢を立て直しきれていない勇者に向かい昆をひと振りした!勇者は剣で防ぐ体制をとる。

 勇者「く、がっ!」ガチャアン

 砲術師「勇者!チッ、当たれ!」ボンッ

 イノシシ准尉「はっ!」バッ

 砲術師の攻撃を躱す魔物!

 イノシシ准尉「ぜあっ!」ドンッ

 砲術師「!」

 逆に砲術師に突進した!しかし!そこに勇者が背後より飛びかかる・・・!

 勇者「せえいっ!」ブンッ

 イノシシ准尉「く!?」チュンッ ドドドッ

 魔物はこれに気づくが、避けきれず腹に傷を負う。慌てて距離をとる。

 イノシシ准尉「こ、この・・・」

 砲術師「あ、ありがとう・・・く、残弾1・・・」ヒソヒソ

 勇者「俺が引きつける、確実に当てられるチャンスをうかがってくれ・・・もう相手は手負いだ」ヒソヒソ

 イノシシ准尉「何を話しているっ!」ブンッ

 イノシシ准尉は一瞬で間合いを詰め、昆を縦に叩きつける!

 勇者「く!」バッ

 砲術師「はっ!」ゴロゴロ

 ランチャーをかばい、転がって躱した砲術師に生じた隙!それを一城の主である魔物は見逃さず―――!

 イノシシ准尉「そっちか!」ブンッ

 砲術師「がっ!?」ガシッ

 勇者「あっ!?」

 砲術師の耳の上に、掠めるように昆がぶつかった!それだけでも砲術師は吹っ飛び、仰向けに倒れた。

 勇者「くっ、せいっ!はっ!」ブンッブンッ

 イノシシ准尉「お、ご、が!小癪な!」ガンッ ギンッ ドッ

 勇者「あがっ!チッ・・・!」バシッ ドッ ジャキンッ

 勇者は連続で斬りつけるが、魔物は昆で防ぎボディチャージを食らわす!勇者は後ずさったが、再び剣を構える。

 イノシシ准尉「今度はこちらから行くぞ!ぜえいィッ!!」ブオン

 勇者「くっ!?」ガチャンッ

 イノシシ准尉「まだまだア!!」ブイン

 魔物の返す刀の攻撃!勇者は剣で防ぐ体勢をとるが―――

 バキンッ!

 勇者「・・・え?」

 イノシシ准尉「喰らえっ!!」ブオンッ!

 

 


 砲術師「勇者ぁ避けろっ!」ジャキインッ!

 イノシシ准尉「!?貴様・・・」

 砲術師「だらあああっ!」ボンッ

 ズゴンッ!

 意識を取り戻した砲術師がランチャーを発射した!猪の魔物の巨体が爆煙に包まれる!

 勇者「ほ、砲術師!砲術師!頭、大丈夫か!?」

 砲術師「まだ、頭が、グワングワンするけど・・・大丈、夫」

 その時、煙の中から絶望的なものが現れた!

 イノシシ准尉「ウガアアアアアアアアアアアアッ!!!」ブオッ

 勇者「な!?」

 砲術師「に!?」

 イノシシ准尉「シネ!シネエエエ!」ビュウーンッ

 魔物はダメージの大きさに我を忘れている!乱暴に棍棒を投げつけた!

 勇者「ぐはっ・・・!?」ドカッ

 棍棒が胸を強打した!たまらず倒れる勇者!

 砲術師「こ、このおっ!」チャッ

 砲術師は銀色の拳銃を構えた!それは巨体の敵に対しあまりに心もとない・・・!

 イノシシ准尉「ウガアアア!!!」ドンドンドン

 魔物は生前の姿そのままに迫って来る!

 砲術師「くそ、くそ!」パン!パン!パン!パン!パン!


 イノシシ准尉「グウウ、ガアア!」ドンドンドン


 砲術師「このっ!このっ・・・!」パン!パン!パン!パン!パン!


 イノシシ准尉「ウガアアアアアア!!」ドンドンドン


 砲術師「倒れろ、倒れろよ!」パン!パン!


 イノシシ准尉「ウガアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ドンドンドン

 砲術師「・・・そん、な!」カチッ カチッ

 あまりにも非情な、弾切れを示す音。

 イノシシ准尉「ガアアアアッ!」ガシッ

 砲術師「ぐうっ・・・ゆ・・・勇者・・・!」

 砲術師の細い首をがっしりと掴む魔物!無遠慮に、無慈悲に締め付ける!

 勇者「テンジョウヨリツタエラレシチカラヨ・・・」ブツブツ

 イノシシ准尉「グウウウウッ!!」ミシミシ

 砲術師「か・・・く・・・」

 勇者「イマワガススムベキミチヲシメサン・・・!」


 勇者の手元が光り輝く!


 勇者「火魔法!『ヒートブレイズ』ッ!!」ボアッ!


 イノシシ准尉「ぐああああああ!?」ボオオオオ

 砲術師「・・・かは!げほげほ!た、助かった・・・」

 勇者が放った魔法は、魔物を一瞬にして炎に包んだ!砲術師を両の手から離し、ふらりふらりと酔ったように歩く。

 イノシシ准尉「げ、が・・・ご・・・」ドサッ

 砲術師「な・・・何?勇者、あんた魔法・・・」

 勇者「・・・ああ、王都や門で聞いた詠唱を真似してみたんだけど・・・よかった、で、出た・・・」

 砲術師「誰でも出来るわけじゃないんだよ?あんたやっぱり勇者だね・・・魔法もできるなんてね」

    案内:ぶそうしたしゅうらく を こうりゃくしました!▼

    案内:おかね を 3000G てにいれました!▼

    案内:まもののむれ が しゅつげんしました!▼

 勇者「ああ!?」

 砲術師「こ、この上まだ!?」

 カマキリ伍長「よくも司令をおおおお!!!」ドドドドドドド *軽機関銃

 アリ二等兵「殺すっ!」シュッ *スペズナズナイフ

 トンボ軍曹「同じくっ!」ビュンッ *鎖分銅

 勇者「に、逃げろお!」ダダッ

 砲術師「とんだSSSだ!」ダダッ

 二人は裏口目指して走りだした!その一瞬一瞬にも、背後から色々と飛んでくる!

 勇者「うぎゃ!?」ドサッ

 勇者の足に鎖が絡みついた!

 砲術師「勇者!?くっ!」キキッ

 トンボ軍曹「やったぞ!」ジャラッ

 砲術師は急いで勇者の足から分銅のついた鎖を外す!

 トンボ軍曹「キエェエイ!!」ビュウン

 砲術師「はっ!」ピュッ

 砲術師は魔物が振り回した鎖を躱し、反対側から分銅を叩きつけた!

 トンボ軍曹「ぎへっ!?」ドサッ

 アリ二等兵「・・・!」ドシュッ

 その背後からアリの魔物がナイフの刀身を射出した!

 砲術師「う!?」ドス

 砲術師の腕に突き刺さるナイフ!その間にも魔物は突き掛かってくる!

 アリ二等兵「はっ!」ビュン

 勇者「せえい!」バシッ

 アリ二等兵「!?」

 勇者がナイフを蹴飛ばした!そのまま体術でやっつけてしまうかと思われたが―――

 カマキリ伍長「オラオラオラーッ!」ドドドドド

 勇者「わっ、くぅ!に、逃げろ!蜂の巣になる!」ダダッ

 砲術師「あの野郎・・・!」ダダッ

 

 


 背後の機関銃に恐怖しながら必死で門をくぐった二人!しかし魔物は間も無く門に到着する!

 カマキリ伍長「馬鹿め、裏口前は一本道だ!」ドドドドド

 勇者「く、くそー!」

 砲術師「あっ!?」ドサッ

 なんということだろう、砲術師が転んでしまった!

 カマキリ伍長「そこかア―――ッ!!」ジャキイン

 勇者「ほ、砲術師っ!!」





 狙撃手「脇役も遅れて登場するんだなあ」ドンッ


 カマキリ伍長「ぐはっ・・・!?」ドシュ


 アリ二等兵「っく!?」


 カマキリ伍長「逃げろ、スナイパーだっ!・・・そこか!」ジャキイン


 狙撃手「遅い」ドンッ


 カマキリ伍長「ぐう・・・」ドサッ


 機関銃を持った魔物が、狙撃手に撃ち抜かれたのだった。

 勇者「狙撃手!」

 砲術師「あんた、いいところ全部持ってったわね・・・いてて」

 狙撃手「いいザマだぜ」


 アリ二等兵「くっ・・・貴様ら!いつかこの仇、討つ!」

 狙撃手「その前にお前を・・・」ジャキッ

 アリ二等兵「煙幕!」ボシュッ

 狙撃手「!!・・・・・・逃げられた」


 勇者「いいよ。それより砲術師に肩を貸してやってくれ」

 狙撃手「オーケイ」

 砲術師「・・・頼むわ」

 勇者「・・・じゃあ、戻ろう。休むこと、準備することも冒険のうちだ」

 3人は王都への道へ引き返し始めた。




 勇者「・・・銃士・・・」




 集落から煙がいくつも立ち上っていた。




 一章「旅立ちは決意に満ちて」              完


 魔王城 第一会議室

 側近「よいしょ、よいしょ・・・ふう」ガチャ

 側近「・・・ええい。工事が終わった途端会議で使うぞ、だなんて。椅子を運ぶのには骨が折れるぜ」

 側近「次で最後か?いい加減第二会議室との往復順路の廊下見飽きたぜ」

 側近「それはそうと・・・」

 側近「今日は巻きでお送りします。いつもより早くPCに触れられたんでね」


 王都外周の柵。本来棒を組み合わせただけの、王都にしては簡素なものだが、急遽板が取り付けられていた。なぜかというと・・・

 陣屋守将「行けーっ!進めぇ!!」

 スズメ伍長「うおおおお!」

 ゴキブリ上等兵「うわあああ!!」

 ムカデ二等兵「おらあああっ!!」

 魔王軍が攻めてきているからだ!

 一般兵A「くっ、たあ!キリがねえぜ!」ドシュッ

 一般兵B「とう!ていっ!」ザシュッ

 一般兵C「うっ、ぎゃあ!」ザクッ

 魔法兵「C!くっ、天上より伝えられし光よ、今我が進むべき道を示さん!火魔法『ヒートブレイズ』ッ!」

 ボンッ!

 カタツムリ軍曹「ギャー!」

 魔法兵「魔物め!・・・っ!?」

 ナメクジ兵長「人間がー!ちねぇ!」

 塀の上の男に襲いかかる魔物!

 魔法兵「うわあ!?」

 ナメクジ兵長「!?・・・・・・」

 魔法兵「・・・え?」

 目を開けた時には、魔物が耳の前に風穴を開けられて、ゆっくりと倒れるところだった。

 魔法兵「だ、誰が!」





 狙撃手「俺じゃい」フッ

 砲術師「可愛い女の子かと思った?残念!勇者一味でした!」ジャキンッ

 勇者「い、一味ってなんだよ!」チャキッ

 魔法兵「ゆ、勇者だと!」

 現れたのは勇者!近くにいた魔物が素早く目を走らせる!

 ムカデ二等兵「勇者!?御印頂戴ッ!」フッ   *吹き矢

 勇者「つっ!」チューン

 砲術師「吹っ飛べ!」ドンッ

 ムカデ二等兵「ウ、ウギャアァ!?」ズゴーン

 ゴキブリ二等兵「あぶなっ!」

 しかし攻撃を仕掛けた魔物は爆発に沈んだ!そこにもう一体の魔物が乱入する!

 スズメ伍長「フン、可愛いと思ってたら痛い目みるぜ!?」ビューン   *刃付きヨーヨー

 勇者「!」ガララララン

 勇者の剣にヨーヨーが絡みつく!

 スズメ伍長「そぉらよっ!」ビューン

 さらにもう一方のヨーヨーを放った!刃が空中できらりを輝き、勇者に向かう!

 魔法兵「危ない!」

 勇者「・・・へっ!」ニヤッ


 勇者「せいやあ!」ガシーンッ

 スズメ伍長「んあ!?」

 勇者は絡んだままの剣を強引に振って飛んできたヨーヨーを弾き飛ばした!たわんで使い物にならなくなるヨーヨー!

 スズメ伍長「きさ・・・ま!」フラッ

 それは剣に絡み付いたヨーヨーを持った魔物の体勢が崩れることも意味していた!

 勇者「とう!」ビュッ

 スズメ伍長「おご」ドサッ

 締めつけが弱くなった剣を勇者は魔物の首へ向けひと振り!魔物は呻きを残して沈黙した。

 砲術師「さっすがー!・・・!げっ、G!」

 ゴキブリ二等兵「お前も蝋人形にしてやろうかー!」バッ

 砲術師「謹んでお断りします!」ドンッ

 ゴキブリ二等兵「ごがぁ」バシイッ

 砲術師「た、体液が!キモッ!キモおおお!!」バンバンバン

 ゴキブリ二等兵「」ブシブシブシ

 勇者「!くるよ!」



 陣屋守将「ぬう!あのナマグサどもが!俺が行く、馬を用意しろ!」

 イタチ准尉「守将!」

 陣屋守将「早くしろ!」

 イタチ准尉「守将!!周りをよくご覧下さい!」

 陣屋守将「!」

 一般兵D「俺たちも行くぞお!」

 一般兵E「うおおおお!」

 一般兵F「追い払うな!やっつけろーっ!!」


 陣屋守将「馬鹿な・・・これだけの兵力差がありながら、なぜ!」

 イタチ准尉「勇者です。あいつが出てきて魔物を倒した途端、空気が変わりました」

 陣屋守将「・・・!あいつが、王軍の象徴だとでも言うのか!」

 イタチ准尉「その通りです。最早並大抵の損害でここを落とすことは叶いません」

 陣屋守将「・・・・・・」

 イタチ准尉「王がここから逃げないやも。あなたにもしものことがあったら、陣屋は機能しなくなります。」

 陣屋守将「・・・・・・わかっ、た。撤退命令を伝えろ」

 イタチ准尉「わかりました。ドラを鳴らせ」

 鼓手「了解っ」ジャーンジャーン

 陣屋守将「・・・・・・!待て、どこに行く!」

 イタチ准尉「この攻撃を提案したのは私です。この上は一人でも多く敵を道連れにして責任を取りましょう」

 陣屋守将「!!お、お前!なんてことを!」

 イタチ准尉「魔王様に許可を取ってもいません。責任を取らせて頂けない方が、私には耐え難いことです!」ダッ

 その魔物はそのまま勇者の目の前に飛び出し、叫んだ!

 イタチ准尉「勇者!今ここで俺が倒すっ!」
 


 勇者「・・!!」

 イタチ准尉「俺は街道の陣屋副将、イタチ!尋常に勝負!」ビュッ

 勇者「!」サッ

 塀に取り付いた板を砕く一撃!それは、一見マフラーにしか見えない代物・・・!

 狙撃手「こ、これはアジアに伝わる隠し武器、ザギー!」

 木の上から狙撃手が叫ぶ!勇者も反撃する!

 勇者「せえいっ!」ピュッ

 イタチ准尉「なんの!ぜやっ!」ビャッ

 勇者「ぐ!?」ガンッ

 勇者の兜を叩く強烈な一撃!

 イタチ准尉「もう一丁!」ビュンッ

 勇者「く、あがっ!」バシッ

 今度は肩に命中!

 勇者「このぉ!」ビュウン

 イタチ准尉「!?」ビシイッ

 しかし勇者のカウンターの斬撃が肩から横腹へ抜ける!

 イタチ准尉「がっ、まだまだっ!」ビュッ

 勇者「ぐほっ!?」ドコッ

 粘る副官!マフラーの重りが腹を打つ!

 勇者「う・・・!」

 イタチ准尉「これでどうだ!」ビュンッ

 勇者「がっ!?」ドカッ ドサッ

 倒れる勇者!

 イタチ准尉「とどめっ!」ビュウン

 勇者「・・・!」ガシッ

 イタチ准尉「あっ!?」

 振りかぶった魔物の両足首を捉える勇者!

 勇者「そりゃあ!!」ブウン

 イタチ准尉「ぐはっ!」ドタッ

 勇者「剣・・・あった!」ガシッ

 イタチ准尉「く!?」ザッ

 魔物が起き上がる頃には、勇者が剣を抱えて突っ込んできていた!


 イタチ准尉「・・・!」ズキイッ


 健康な彼なら躱していただろう。しかし、彼は大きな傷を負っていた。


 勇者「たああああ!!」ドスッ!

 イタチ准尉「がはっ・・・・・・も、申し訳ありません、守将・・・魔王様・・・」

 勇者は剣を抜く!そして倒れこんだ背中に―――

 勇者「せやあっ!!」ビシッ


 30時間後

 砲術師「あの頃は良かった」

 砲術師「魔物を倒す華々しい仕事だった」

 砲術師「なのに・・・」

 現在地は膝まで地下水の溜まった洞窟。胸まである長靴と、アルミのシャベルを装備して―――

 砲術師「なんでこんなとこで穴掘ってんのよお!?」

 勇者「手を止めるなよ・・・」

 砲術師「もう手が痛いわよ!」

 勇者「そ・・・狙撃手、交代・・・」

 狙撃手「」

 勇者「狙撃手!?」

 砲術師「このもやしに長時間の労働ができるわけがないじゃない」

 勇者「・・・ああもう、休憩!休憩にしよう!俺もマメがつぶれていたいんだっ!」

 砲術師「先が見えない作業はごめんよ・・・狙撃手ー寝たら死ぬぞー(棒読み)」

 入口に向かう勇者達。

 勇者「でも、もう少しだよ。どうやら洞窟は手投げ弾で崩されたものらしいから」

 砲術師「地盤が柔らかかったらもっとひどかったわね・・・」

 狙撃手「・・・・・・お・・・・・・」

 勇者「狙撃手!意識が戻ったぞ!」

 砲術師「なんて危険な低酸素高湿度運動・・・」

 勇者「しかし・・・陣屋はエリートどもがガッチガチに固めているんだ、ライフルやランチャーじゃ突破できない」

 砲術師「だからって洞窟から陣屋の地下の地下道に入って攻め込もうと安易に決めたのも間違いよね・・・」

 勇者「崩されているとはなあ。」

 勇者たちはある人物に陣屋の地下へ洞窟が伸びていると教わり、そこから攻め込もうと、崩された洞窟を再び開通させようと奮闘しているのである。

 砲術師「・・・ああ、懐かしい青空!」

 勇者「あ!お前!いないと思ったら一人だけ休んでたな!」



 ?「・・・」


 この人物と洞窟の存在を教えてくれた人物の正体を知るには、物語を二十数時間遡らなければならない・・・



ほむら「私の戦場は、ここじゃない」カチッ

アンバー「初々しいわね」キイン

咲夜「・・・」

DIO「・・・」


 案内役「俺だよ!」

 勇者「何大きい声出してるんですか、魔物にけがを負わされて病院にいるっていうのに」

 案内役「剣を貸してやったのは俺だろう!多少のメタは勘弁してくれ」

 砲術師「まあ、すぐ陣屋に行ってあいつらにはトドメを刺してやるから、病室で待っていることね!」

 狙撃手「指サック用意しとけよ、攻略するまでの数分は咥えていることになるから」

 案内役「おいおい、俺は対抗する勢力じゃないから、お前らが何しようが知ったこっちゃないぜ」

 勇者「あはは・・・あれ二人とも、弾は残ってる?」

 砲術師「ええ、20発も買ったから、まだ余裕ね!」

 狙撃手「俺は買わなくても十分だったからな」

 砲術師「あら、外すこともあるんじゃないの?」

 狙撃手「お前だけだ」

 砲術師「なっ・・・!っつ・・・!」

 勇者「ちょっと、仲間割れは・・・」

 案内役「頼りないメンバーだ」

 狙撃手「・・・なんだと?」

 砲術師「・・・いい度胸ね、下士官が」

 勇者「・・・二人とも」ジーン

 案内役「ははは、撤回させてもらうよ。それより・・・」

 勇者「なんです?」

 案内役「これから陣屋を攻めるのか?」

 砲術師「お返しにね」

 勇者「そういうことです」

 案内役「なら、正面から言ってもダメだと覚えておくことだ。奴ら、魔王軍の中でもエリートだ」

 狙撃手「攻めるより守るほうが有利」

 勇者「なんと!」

 砲術師「あらあら・・・何か攻略法を知っているのかしら」

 案内役「もちろんだ。木原に一つだけ、丘がある。そこの楠の根元のウロから、洞窟に入れる」

 勇者「ほう」

 狙撃手「秘密基地みてえ・・・!」キラキラ

 案内役「中は岩ばっかだし、一本道だ。昔は水が流れていたらしい」

 砲術師「それで?」

 案内役「まっすぐ進めば陣屋の地下道に出る。攻めるならそこからだ。」

 勇者「なるほど!助かりました、早速行ってみます」

 狙撃手「アディオス」

 案内役「忘れるな!奴らは全員叩き上げの手練だ、油断禁物だぞ!」

 砲術師「なめないでよね!私たち勇者一行よ!」

 狙撃手「王国の未来預かっとるわけよ」

 勇者「そういうことです、じゃ!」

 案内役「グッドラック!」

 


 狙撃手「・・・あ」

 王都から出ようと道を歩いている途中、狙撃手が何か気づいたように声を上げた。

 勇者「どうした?」

 狙撃手「・・・本返さなきゃ、点字の本。」

 勇者「あ、あれか」

 砲術師「返しときなさいよ、全く・・・」

 狙撃手「・・・あ、そういえば・・・」

 勇者「まだ何か?」

 狙撃手「うちのパーティ一人かけたぞ、ギルドに一人集めに行かなきゃなあ」

 勇者「うっ!俺たちにも用事があっただなんて」

 狙撃手「一緒に行こうぜ?」ニヤッ

 砲術師「仕方ないわね・・・」

 勇者「じゃあ図書館の外で待ってるから、返しちゃってきてくれ」

 狙撃手「おうよ」





 狙撃手「従業員全員留守じゃねえか!」

 勇者「口が悪くなった!」

 砲術師「ああもう、司書一人くらいいるかと思ったのだけど・・・先にギルドに行きましょ」

 狙撃手「ざっけんなくそ公共施設がアー!」

 勇者「おさえておさえて!」


 三人は(狙撃手は勇者が引きずっていったが)ギルドへ向かう。塀に囲まれた狭い街のこと、すぐに到着した。


 受付「おう、ひさしぶり!その節は悪かったね」

 勇者「気にしないでください、俺に薬盛った奴もいましたよ。」

 受付「さらっと恐ろしいこと言うな!」

 勇者「・・・・・・実は、一人欠けまして。新しいメンバーを見繕おうかと」

 受付「・・・そうかい、それは気の毒だね。入ってくれ」


 受付はドアを開ける。中では相変わらず、老若男女様々な冒険者たちが談笑していた。




次回 パーティ安価 


 受付「さあ、誰にするんだい?今お前が来た事バラすと大騒ぎだからね、選んだやつだけ呼んできてやろう。」

 勇者「ううん、誰にしましょうか。全員、手練に見えますが。」


 受付「女の子がいいよー、男はむさ苦しいのも多いからねー」

 砲術師「遠距離は私と狙撃手で足りてるかしら」

 狙撃手「近距離のパワー型が欲しい気もする」

 勇者「俺が少し使えるだけじゃ、魔法要員はどう考えても不足だと思うけど。回復役も欲しい」


 受付「じゃあ、俺が知っている限り各職業のメリット、デメリットを教えてやろう。」


 受付「ムキムキの男が格闘家だ。攻撃力が高く防御力が低い、生粋の前衛だ」

 受付「ロングヘアの女が剣士だ。物理攻撃、魔法攻撃を使いこなすテクニシャンだ。決定力に欠けるのが欠点か」

 受付「具足の男が武者だ。防御力と技術が高いパーティのカバー役だ。攻撃力が低いのが難点だな」

 受付「鎧しか見えない奴は鎧騎士だ。ビビリな女だが、防御力はピカイチだ。コイツは抜群に遅いぞ!」

 受付「長髪の男が魔術騎士だ。攻撃力が全体的に高いが、リーチの短さが泣き所だ」

 受付「ショートヘアの女が竜騎士だ。竜は物凄く強いが、それ以外の攻撃方法がないし、本人はそんなに強くないんだ」

 受付「毛皮の服を着た男が戦士だ。攻撃力がとにかく高いが、それ以外は短所でしかないな」

 受付「高飛車そうな女が槍使いだ。技術と、機動力は高いな。魔法と物理の攻撃力両方低いのは痛いか?」

 受付「あのサイボーグが半機械戦士だ。攻撃力は近接、遠距離ともに高い。魔法が使えないし、技術も持たないが」

 受付「ポインテールの女が弓使いだ。遠距離なら魔法、物理ともに有能だが、近接戦闘は苦手だ」

 受付「帽子の男がレンジャーだ。現地のものを使って戦うから手間がかからないが、その分安定しないのが大変だな」

 受付「あそこの尼僧は修行僧だ。回復魔法のプロフェッショナルだが、それ以外の能力が総じて低い。」

 受付「赤装束の男が魔力加工士だ。魔法、物理、近接、遠距離、特殊となんでもこなすが、アイテムの浪費家だ。」

 受付「黒装束の女が魔法使いだ。各種攻撃魔法、回復魔法も少しやるが、防御力と攻撃力が低い。」

 受付「眼鏡の男が付与魔法士だ。敵味方のステータスをいじったり、状態異常攻撃や回復もするが、攻撃力が皆無だ」

 受付「ローブの女が呪術師だ。呪いをかけたり、動かない体を操ったり出来る。本人は運動不足だが」

 受付「あそこの若いのが召喚師だ。魔物を召喚して戦わせる。魔法も少しやるが、攻撃・防御と低い。」

 受付「白髭の老人が賢者だ。高齢だが攻撃魔法、回復魔法とこなす。アイテムが必要な割に他の能力の低さが目立つな」

 受付「リュックの女が行商人だ。アイテムを巧みに使うが、決定力に欠けるな。アイテム代は自分で稼ぐから問題ない」

 受付「薬師だ、知り合いだろう?薬を使って大体の魔法の代用をする凄腕だが、近接戦闘はからきしだ」

 受付「軽装の女が旅芸人だ。ステータスいじり、状態変化のほか、物理攻撃もこなす。防御力と魔法は期待できんが」

 受付「片眼鏡の男が戦術師だ。何より頭の回転が早い、物理攻撃も多少やるが、それ以外はまるっきりだ」

 受付「コートの女は契約者だ。超能力かどうか知らんが重力を操って戦うらしい。他は有能だが、魔法は一切使えない」


 勇者「あれ、前見たときはいなかった人がいますね」

 受付「司書だ。使い捨て魔法書で幅広く魔法を使うらしい。物理は苦手らしいが」

 狙撃手「本返すぞ」

 司書「・・・点字?ていうか、あなたは・・・」


 受付「さあ、早く決めちゃってくれ、今にも見つかったらお祭り騒ぎだ。修理したばかりなんだからなー」

 勇者「ううん・・・」

 砲術師「誰にしようかしらね?」

 狙撃手「目移りしちゃうわ、とはポケットモンスターブラックのブラックシティの市民の言葉である」



 直下より安価投票

 複数投票可

 ただし一人一回のみ

 決まるまで続行



 勇者「頼んだぞ、皆!」

3票入ったら決定で。
司書人気やな。パチェさんパワー。

ポインテールってどっちだ・・・ww
司書、薬剤師は入れたいな。国家資格コンビ。

>>89ごめん、ポニーテールって書きたかったの・・・
これだから野郎が女のキャラなんて書くもんじゃねえとあれほど

それなのに司書を!司書を入れやがって!こんちくしょー!


 勇者「じゃあ、司書さんで!」

 受付「あいよ、あいつは新入りだが優秀みたいだからな。おーい、司書!」

 司書「・・・勇者一行」

 勇者「ああ、そうなんだ。ぜひ君に協力して欲しい」

 司書「・・・一人欠けたのかしら」

 勇者「・・・ああ」

 司書「ならお断りするわ」

 勇者「!なぜだいっ!」

 司書「仲間をむざむざ亡くすような奴に後ろは任せられないわ」

 勇者「・・・っ!それは、予想外で・・・」

 司書「私、冒険者は本業じゃないの。そんな思考力のない連中と昼夜過ごすのは御免ね」

 砲術師「あんた言わしておけば・・・!」

 狙撃手「勇者に任してみようじゃないか」ガッ

 砲術師「っ・・・!」

 勇者「・・・・・・」

 司書「もういいかしら、あなたのお仲間が返却した本の手続きをしなきゃいけないから」

 勇者「・・・・・・よ」

 司書「・・・は?」

 勇者「そうだよ!思考力ねえよ!自分が一番分かってんだよ!」

 突然切れる勇者!

 司書「何を言ってるのかしら」

 勇者「思考力ないせいで仲間を失ったって何回後悔したと思ってんだ!そんくらいチンパンジーでも思いつくわ!」

 司書「・・・少なくとも依頼している相手にs」

 勇者「俺は猿以下の動物か!そんなことも分かんないお前も思考力ないわ!反省しろ!」

 司書「・・・そr」

 勇者「俺は何回反省しても許されないんだよ!そんな俺の気持ちもしらんでズケズケと!それだから思考力ねえんだ!」

 司書「な・・・」

 勇者「俺は馬鹿だが、お前みたいな人の気持ちを考えない奴はクズだ!ゴミだ!もうお前になんか頼まん!」

 司書「クズ・・・!?」

 勇者「人の気持ちを推し量ることもできない奴は、書庫で一生朽ちてろ!お前と付き合う人間の方が気の毒だよ!」

 司書「・・・どうs」

 勇者「どんなに強くったってお前みたいな奴に頼むくらいなら魔物を一体でも多く道連れにして死ぬ!」

 司書「・・・・・・」

 勇者「フン、行くぜ!俺が悩まないほど銃士は小さい存在じゃなかった!こいつは死んだ仲間さえコケにしやがった!」

 司書「・・・ちょっと待ちなさいよ」

 勇者「あ?」

 司書が勇者を呼び止めた。勇者はまだ怒りの余波が残っているらしく、首を斜めに傾けておざなりな応答をする。

 司書「いいわ、ついていってあげる。」


 勇者「はあ、二度も言わせるなy」

 司書「私はたった今、プライドをずたずたに引き裂かれたわ。あんたの考えを改めさせない限り、ついていくわよ」

 勇者「・・・・・・・・・はあ、いいだろう!俺が世渡り術を教えてやる!」

 砲術師「(なんだかんだで仲間になった)」

 狙撃手「(計略・・・なわけじゃなさそうだな)」

 受付「」ホッ

 勇者「ああ、もう日が落ちるなあ。市場で薬草だけ買って、宿屋で休むことにするよ」

 砲術師「んー、まあ、楽しみは取っておくべきよね」

 狙撃手「薬は・・・いいか」

 司書「私は図書館に戻るわ、本を受け取りに行っていた副館長に館長を引き継いで、魔法書も持ってこないといけないし」

 勇者「・・・じゃあ、明日の朝三人で寄るぜ」

 砲術師「そういうことね。じゃ」

 狙撃手「グンナイッ」

 司書「・・・フンッ」

 狙撃手「デュフフ、クーデレですかぁ?諸君、砲術師ルートか、司書ルート、お好きな方を・・・」

 受付「何わけのわからないことを・・・二人行ってしまいましたよ。」

 狙撃手「チッ、読者サービスを邪魔しやがって・・・」

 受付「なんで舌打ちされないといけないんですかねえ」





 翌朝

 勇者「何っ!?案内役さんが死んだ!?」

 医者「ええ・・・誠に申し訳ないことに、容態が急変しまして・・・」

 砲術師「馬鹿な!あんなに元気だったじゃない!」

 司書「・・・」

 医者「そのとおりでして・・・」

 勇者「い、遺体は!」

 医者「専門の業者さんとおっしゃる方が取りに来ました」

 砲術師「なんてこと・・・」

 狙撃手「・・・おっしゃる、というと?」

 医者「・・・私が言ったって誰にも言わないで下さいよ?」

 勇者「え、ええ」

 医者「いつもの業者さんと違ったんです。それに、いつもの業者から遺体はどこだと問い合わせを受けたりしました」

 勇者「というと・・・取りに来た業者はいつもの業者に無断で?」

 医者「・・・きっと、あいつら行政機関ですよ」

 勇者「・・・・・・秘密警察!」

 医者「ええ・・・」

 砲術師「勇者、どうするの?」

 勇者「・・・・・・・・・・とりあえず、陣屋だ。案内役さんが教えてくれた洞窟から、行ってみよう」

 狙撃手「異議なし。司書は・・・わからんか。ついてくることだな」


 そして物語は洞窟へと繋がるのである。

 砲術師「・・・ああ、懐かしい青空!」

 勇者「あ!お前!いないと思ったら一人だけ休んでたな!」



 司書「・・・」


 狙撃手「・・・ああ、青空・・・」ガクッ

 勇者「意識が!」

 砲術師「昔、死刑囚に死刑免除を伝えるときは喜びすぎて死なないように血を抜いたらしいわよね」

 司書「私、肉体労働は専門じゃないから」

 狙撃手「・・・」

 勇者「じゃあコイツはどうすればいいんだよ?」

 砲術師「血を抜けばいいんじゃない、外に出られた喜びで死にそうなんだから」

 司書「・・・水の中につけておけばいいんじゃない」

 勇者「椎茸じゃないんだから!」

 司書「フフッ」ドヤッ

 勇者「(今のユーモアだったのか・・・すごい自信有り気な顔を・・・)」

 砲術師「じゃあ洞窟の中の水につけておこうかしら」

 狙撃手「嫌だ!」ガバッ

 砲術師「生き返った」


 魔王城 第一会議室

 魔王「諸君に集まってもらったのはほかでもない、集落陥落を知らせるためだ」

 陣屋守将「・・・承知しております」

 堅城守将「・・・勇者ならばこの程度当然のこと」

 関所守将「ヒヒヒ、死んだ、あいつ死んだ・・・クヒヒヒヒ!」

 鉱山守将「ううむ!やるな奴ら!」

 城塞守将「・・・陥落ってなんだ?」

 軍港守将「落ちたってことだよ・・・」

 基地守将「集落が、か・・・」


 城塞守将「・・・落ちた?地割れでも起きたのか?」

 軍港守将「んんんーっ・・・お前はよ・・・」


 魔王「非常に遺憾だ。これ以上被害を広げないため、陣屋や堅城には日々の業務を縮小してでも防御第一に務めること」

 側近「・・・コホン」

 陣屋守将「・・・わかっています、魔王様。無断行動については、感情に走った自分の失態であります」

 魔王「・・・わかっているならいい。しかし、精鋭による王都攻撃すら何の成果も出せずに終わったのは事実だ」

 陣屋守将「・・・」

 魔王「しかし、安価による計略では勇者のパーティの一員を殺害することに成功した。今後も安価を用いることにする」

 安価神官「ありがたき幸せでございます!」

 魔王「次に勇者が襲撃すると思われるのは陣屋・・・草原の陣屋だ。ここの改修案を安価によって決めようと思う」

 陣屋守将「・・・!」

 魔王「守将。無断行動の落とし前をつけることだ、俺に出来るのは安価で手助けすることくらいだ・・・」

 陣屋守将「はっ!」

 魔王「神官。頼むぞ」

 神官「お任せ下さい!」


 魔王「今回伺いを立てるのは『草原の陣屋』改修案だ。天上の神々、よろしく頼むぞ」




 安価神官「テンジョウノカミガミヴィッパータチヨ、ワレニチエヲアタエタマエー」

 安価神官「カーッ!」

 安価神官「>>95!」

 安価神官「>>96!」

 安価神官「>>97!」


 魔王「なんと!」

途中で消えた『物語の主人公の怨念』を集めて『死霊勇者』を作る

洞窟に誘いこむ

草原の草を野菜に変える

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