モバP「担当アイドルが怖いです」(149)
P(どうも、プロデューサーです。今、ユニットを担当しています)
P(全員非常に実力が高く、苦労はしていないです。でも……)
のあ「………」
雪美「………」
蘭子「ク、ククク……」
P(アイドル達が怖いです)
高峯のあ(24)
佐城雪美(10)
神崎蘭子(14)
P「あ、あの」
のあ「………どうしたの?」
雪美「……何……?」
蘭子「ククク、如何した?」
P「次の撮影があるので移動を……しようと思うんですけれど……」
のあ「そう………移ろう場所は、まるで心のようね……」
雪美「………わかった……」
蘭子「フッ……よかろう。この私を導いてみせるがいい」
P「……は、はい」
のあ「………」
P「ど、どうしたんですか?」
のあ「……場所は移ろう。心もそうでしょうね……でも、変わらないものもあるかもしれない」
P「は、はぁ」
のあ「…………確かなものなど、ないかもしれないけれど。あなたはそれを感じさせるわ」
P「……えっと、ありがとうございます……?」
雪美「…………」
P「ど、どうしたのかな?」
雪美「………大丈夫……変わらない………ずっと……」
P「う、うん……そっかぁ、そうだね……?」
蘭子「ククク……」
P「神崎さんも、いきましょう……ね?」
蘭子「フフ、いいだろう。導き手よ、我が手を取りたまえ!」
P「手をって……そういわれても……こうですか?」スッ
蘭子「お、愚か者めっ! ほ、ほんとに……もうっ」
P「え、あ……ちょっと」
のあ「…………」
雪美「…………」
P「あの、2人とも……?」
のあ「………伝わる熱は、本当に体のものだけなのかしら」
雪美「………繋がる………1人じゃない……」
P「な、なんで両手を……?」
のあ「…………いきましょう」
雪美「……うん………」
P(わ、わからない……よくわからない次元で会話してて怖い……)
P(でも本当に、3人とも実力も人気も高いんだよなぁ……持ってきた仕事は完璧にこなしてくれるし……)
蘭子『フフ……導き手の求めるものが即ち私たちの目指すものとなるのよ……』
のあ『私の空白は………貴方が埋める……貴方に足りぬ力は………私が授ける……私たちの関係はそういうもの………覚えておいて』
雪美『…………魂……繋がってる………知ってる……信じてる……』
P(………決意表明の時はこんな感じのことを言われた気がする。わからないです、怖いです)
雪美「………どうしたの………?」
P「あ、いや。少し考え事を……」
のあ「……あなたの悩みは私の悩み………そうでしょう?」
P「そ、そうなんですか……?」
雪美「…………そう……」
P「そうなんですか……」
P「えっと……些細な悩みなので特に問題は……」
のあ「……それを決めるのはあなたではない。他者の視点でこそ見える真実もある」
P「は?」
雪美「………教えて……」
P「ま、まぁ悩みって言っても……その……」
蘭子「……永劫たる空虚……」
P「あ、神崎さん。すみません待たせちゃいましたよ……ね……?」
雪美「…………ダメ……」
P「あ、あの……?」
のあ「消えないものは……絆で十分。そうでしょう?」
蘭子「……?」
P「え、えっと……ちょっと悩み相談をしててですね……」
蘭子「……導きたる光よ! 我が元へと捧げるがいい!」
P「……?」
雪美「………相談……して……?」
P「……あ、相談しろって言ってくれてるんです……か」
蘭子「如何にも。ククッ……児戯にも等しい」
のあ「…………言いなさい。さぁ……」
P(……流石にあなたたちが怖いです。なんていうのも……だけど……)
蘭子「さぁ……」
雪美「……………」ジー
のあ「……語らなければ伝わらないものもあるわ」
P(ごまかせる雰囲気でもない……どうしよう……)
P「え、えーっと……」
雪美「…………」
P「その、みなさんときちんとしたコミュニケーションがとれてないなぁ、と思ってですね……」
のあ「…………」
P「もっと仲良くなれるようになりたいなぁ、なんて……はは……」
蘭子「……禁断の園へと踏み込むか……!」
P「は、はい?」
雪美「………わかった……」
P「………うん……?」
のあ「そうね……いいわ」
P「……?」
――――
――
P(どうも、プロデューサーです)
P(本日はオフです。オフなんですけど……)
雪美「………遊園地……」
蘭子「あぁ、魂の調べが高鳴る!」
のあ「………どうしたの?」
P(なぜか担当アイドルと一緒に遊園地に来てます)
P「……なんで?」
のあ「あなたが望んだことよ」
P「そうでしたっけ……」
雪美「………メリーゴーランド……」
蘭子「ククク……」
P「……そうでしたっけ?」
のあ「お互いを深く知ることはこれから先も生きるでしょう?」
P「そうですけれど……」
雪美「………いこう……」
蘭子「フハハハ! 白馬すら黒く染めてくれよう!」
P「あっ、こら2人とも!」
P「……流石に、いい年した男がメリーゴーランドに乗るのはちょっと……」
蘭子「むぅ……それでも王たる器か!」
雪美「………王子様……?」
P「ははは……ほら、こっちで見てますから。ね?」
蘭子「……仕方なし。往くぞ、寡黙たる幻想者よ!」
雪美「………うん……」
P「……はは、結構子供らしいところもあるんだなぁ」
のあ「そうね」
P「うわぁっ!?」
P「あ、あの……?」
のあ「………あなたが、私たちを知ることを望むように。私もあなたのことを知りたいと思う」
P「はい?」
のあ「……あの2人は、いい子よ。雪美も蘭子も照れているだけ」
P「……照れてるだけで、あんな……」
のあ「それも若さでしょう……フッ、らしくないわ。私がこんなに他人を気に掛けるなんてね」
P「……そうなんですか?」
のあ「………でも、起こりうることしか起こらない。この世には必然しか存在しないでしょう」
P「はい?」
のあ「つまりは、そういうこと………あとは考えなさい」
P「………わかり、ました……」
雪美「…………」フリフリ
蘭子「フハハハ、さぁ、我が姿を焼き付けよ!」
P(……あの2人、楽しそうだな……そうだよな、まだあの2人は子供なんだし……)
P「……って高峯さんは……あれ? いない?」
P「探しに……ってあの2人をほうっておくわけには……」
P「……すぐに戻ってくる、かな……?」
雪美「………たのしい……」
蘭子「中々の余興だったわ」
P「うん、おかえりなさい……楽しかった?」
雪美「………次は……あなたも……」
蘭子「さぁ、ともに舞おう。宴よ……!」
P「へ? ちょ、ちょっと高峯さんがまだ……」
のあ「私が、何?」
P「ひゃぁっ!?」
のあ「………滑稽ね。それほどまでに驚くこと?」
P「い、いつ戻ってきたんですか……?」
のあ「2人とも、ドリンクよ……少し買ってきただけ。これもまた私……」
P「は、はぁ……」
雪美「………ありがとう……」
蘭子「フフッ、恩に着るぞ……」
P「って、言ってくれれば俺が買ってきたのに。1人でいかなくてもよかったんじゃないですか?」
のあ「……そうね。でも、1人でできることは1人で……それでいい。あなたが必要なのはそこじゃない」
P「は、はぁ……」
のあ「次は……あれね……」
雪美「………じぇっと……こーすたー……?」
蘭子「……ふ、ははは……たやすいことよ……」
P「でも身長制限は……130センチか」
雪美「………乗れる……」
蘭子「……た、たやすい……」
P(……神崎さん、さっきから顔がひきつってるけど……大丈夫かな……?)
のあ「………雪美。乗るのなら、隣にしなさい……傍なら、届くでしょう」
雪美「………うん……」
P「え? ちょっと、高峯さんは……」
のあ「蘭子と話があるわ。2人でいきなさい」
蘭子「ぇ? あっ……フッ、致し方なし。導かれよう、聖邪の魔眼の持ち主よ!」
のあ「…………」
蘭子「……う、はい……」
P「わ、わかりました。それじゃあいきましょうか……・」
雪美「………うん……」
P(……ジェットコースターなんていつぶりかな……)
雪美「………手……」
P「え? あぁ、はい」
雪美「………あたたかい……繋がり……」
P「……」
雪美「……障害………超えられる……きっと……」
ぎゅっ…
P「……怖いなら、やめておいたほうがいいんじゃないかな……?」
雪美「………平気……一緒だから………」
P(……ひょっとして、この子は……ただ、口下手なだけだったんじゃないか……?)
P「……佐城さん」
雪美「…………違う……呼ぶなら………名前……」
P「雪美さん?」
雪美「………呼び捨て。名前は……つながり……のあが言ってた……」
P「……じゃあ、雪美。大丈夫?」
雪美「…………怖くない……いっしょ……」
P「そっか。うん……そろそろ動くよ」
雪美「……うん………」
P(はは、そうか……だってまだ10歳だもんな。なんで怖がっちゃって……)
ガタン ガタン ガタン ガタン ガタン
P「……あ、よく考えたら絶叫マシンにがてぇぇええええああああああああっ!」
雪美「……きゃぁー……………」
P「………」
雪美「……楽しかった……」キラキラ
P「よ、よかったです……」
雪美「………もういっかい……」
P「え? そ、それはその……」
のあ「………無数の中から1つを選ぶ。それだけに夢中になるのも悪くないわ」
P「あ、高峯さん」
のあ「でも、それだけじゃ……退屈でしょう?」
雪美「………そう……」
のあ「……いい子ね」
P「……え、えーっと……?」
蘭子「次に向かうは納涼たる暗黒の館! さぁ、蹴散らそうぞ!」
P「か、神崎さん……?」
P(暗黒の館って……お化け屋敷か……あれ?)
蘭子「フハハハ、交霊の術もまた我が手中よ……」
P「あの、震えてますけど」
蘭子「これは、魔のモノへと対抗する結界。ククク、解すことは容易くないか」
P「……そうなんですか……」
蘭子「そうだ。フッ、瞳の持ち主ではないそなたには不可能か?」
P「……えーっと、大丈夫ですよ。怖くないです」
蘭子「ならばよしだ……さぁ、往くぞ!」
雪美「………おばけ……ひゅー、どろどろ………」
P「あぁ、雪美もほら……」
雪美「……うん………」
P(お化け屋敷か……結構凝ってるけど……)
ガタンッ!
蘭子「ひゃぁっ……あ、ふ、ふはは。このていどか、ふ、ふはははー」
雪美「……………」キュッ
P(この2人が結構怖がってるのを見たら、平気だなぁ)
蘭子「フッ……ハハハ、たやすっ」
ガタガタガタッ
蘭子「はっ、あぅぅぅ………」
雪美「………蘭子…………大丈夫………私がいる………」
蘭子「……お、おぉ……恩に着る……!」
P(……神崎さんも、かわいらしいなぁ……)
P「……ん?」
蘭子「ど、如何したというのだ!」
P「いや、そういえば高峰さんは………」
のあ「ばあ」
蘭子「きゃぁぁっ!?」
雪美「……!」
P「な、何をしてるんですか……びっくりしたぁ……
のあ「………ほんの戯れ。霊がいたとしてもそれは思う人の心の中……私はそう思うわ」
P「は、はい?」
蘭子「……うぅぅ……いじわる……」
P「え?」
蘭子「はっ!? あ……フン、この程度で我が瞳を欺けると思わぬことだな!」
のあ「腰が抜けているでしょう? 手を借りなさい」
蘭子「………はい……」
P「え? た、高峯さんちょっと……!」
P「……神崎さん、立てる?」
蘭子「……我が翼は折れ、堕天した……」
P「……えっと……?」
雪美「………立てない……」
P「……そういう意味なのかな?」
蘭子「………い、如何にも」
P「どうしようかな……高峯さん、先にいっちゃったから両側を支えることもできないし……」
雪美「………ひらめいた……」
P「どうしたんだ? 雪美……」
雪美「………めいあん……」
P「………」
蘭子「……」
雪美「……おんぶ………」
P「あの、神崎さん? 嫌ならほら、係員の人とか呼ぶから……」
蘭子「よ、よい……我が身を預けるは信ずるに値するもののみよ……」
P「……今のはなんとなくわかった。ありがとう」
蘭子「………」
P「まぁ、ゆっくりいこう。大丈夫そうだったら言ってね」
蘭子「……うむ」
雪美「……おばけ………」
P「……雪美は大丈夫か?」
雪美「………平気……あなたがいる………」
蘭子「あ……」
P「あ、神崎さん? どうしたの……?」
蘭子「そ、そなたに……我が真名を呼ぶことを………」
P「……しんめ……?」
蘭子「……わ、わたしも、なまえで、いいです……」
P「え?」
蘭子「………」
P「……えっと、蘭子……?」
蘭子「……フフ。それでよいのだ。さぁ進め、下僕よ!」
P「し、しもべってひどいなぁ」
雪美「………すすめ……しもべ……」
P「ゆ、雪美まで?1」
>>66
最終行は
「雪美まで!?」
だね、誤字
ヒュルルルル……
蘭子「ひゃぁっ!?」
ザプンッ ザバーッ!
蘭子「ひぅぅぅ……」
ドロドロドロドロ……ヌゥッ
蘭子「やぁぁ……も、やだ……グスッ……」
P(さ、さっきから背中の蘭子がどんどん泣きそうに……というか、泣いてないか……!?)
P「あぁ、やっと出口が見えた……!」
蘭子「ほ、ほんと……?」
P「あぁ、ほら……」
蘭子「……グスッ……ふ、ふはは! この程度の道で我が覇道はやまぬ!」
雪美「………楽しかった……」
P「あはは、そうだ――」
のあ「ばぁっ」
P「う、わぁっ!?」
のあ「遅かったのね。楽しめたかしら」
P「た、高峯さん……驚かせないでくださいよ……」
のあ「これは待った分。期待というのは、時間と共に膨らむものよ」
P「いや、でも……あ、そうだ蘭子……」
蘭子「……もう、やだぁ……グスッ……」
P「ら、蘭子?」
のあ「…………」
雪美「……よしよし………」
蘭子「うっ……ん……」ポロポロ
のあ「………迂闊ね」
P「ちょっと、高峯さん! 何を――」
のあ「ごめんなさい。距離というものは近いようで、遠いものだったわ」
蘭子「……ふぇ?」
のあ「あなたの涙は私のせいよ。好きにしなさい」
P「え? な、なにしてるんですか」
のあ「ケジメよ……私が泣かせてしまった。ここまでするつもりではなかったのだけれど」
蘭子「……ふ、ふん……この、ていど……なんともないわ……」
のあ「感情を出すときは小出しよりも一気によ……ごめんなさい」
蘭子「……恐れは、わが……ううん」
蘭子「……こわ、かった……です。おこりました……」
のあ「……えぇ、少し世話がすぎたようね……」
蘭子「………でも、このまま……ちょっと、いれば……へいき……かも」
ギュッ むにっ
P(……いかん、立ち止まった状態でこんな強くもたれかかられたら……! というか、普通にしゃべって……!?)
蘭子「フハハハ! さぁ、我が魔力は既に満ちた!」
雪美「………ふっかつ……」
のあ「……あなたにも世話をかけたわ。楽しむというのは難しいわね」
P「え? いや、まぁ……おんぶしただけだし、蘭子が嫌がっていないなら別にかまいませんけれど……」
蘭子「さぁ、往くぞ下僕よ!」
P「……いいのかな?」
のあ「望まぬことを強いるのは、容易くない……当然のことよ」
P「は、はい」
蘭子「次なる運命はいずこへ揺蕩う!」
雪美「………あっち……」
P「あ、あぁひっぱらないで! 2人とも落ち着いて……」
P「コーヒーカップ……」
雪美「……ぐるぐる………たのしい……」
蘭子「ふ、ははは……」
P「蘭子、大丈夫か?」
のあ「………」
蘭子「……すまぬぅ……」
P「……瞳の持ち主でも目が回るんだなぁ」
雪美「……へーき………」
P「雪美はすごいんだなぁ」
雪美「………ぶい」
P(蘭子も、雪美も……こっちが勝手に怖がってただけで……いい子だったな)
P(……だけど……)
のあ「…………」
P(高峯さんだけは読めない……気を使ってくれているのはわかるけど、距離が近いようで遠い……)
雪美「………観覧車……」
蘭子「遊覧たる回転塔……フハハ、よかろう! 往くぞ!」
P「あ……2人とも、ちょっといいかな」
雪美「………なに……?」
蘭子「フッ、如何なる出来事も我が前には些事に等しい!」
P「……実は……」
のあ「………観覧車ね。回る世界は……まるで縮図のよう。堂々巡り……」
雪美「………」
蘭子「………」
P「さ、乗りましょうか」
のあ「えぇ、じゃあ私は……」
P「……」
ガチャンッ
のあ「………? あなた、何をしているの……あの子たちは」
P「1週目は2人ずつに分かれよう、って相談をしたんです」
のあ「………どういう意味かしら」
P「高峯さんと、話がしたくて。こうしないと逃げられてしまいそうだったから」
のあ「………そう」
P「高峯さん。今日はいろいろと助かりました」
のあ「私は何もしていないわ。ただの偶然……いえ、あなたのための必然よ」
P「いいえ。助けてくれてたことぐらいわかりますよ……神崎さんのフォローについても」
のあ「あの子は……まるで月ね。見せているのは常に同じ面………本質は裏にあるのに」
P「話してみると、結構ふつうな女の子で驚きました」
のあ「………そう」
P「まぁ、その……何を話しているかはだいたいしかわかりませんけど」
のあ「人と人が本当に分かり合う……たやすくはないでしょうね。あなたも、私を知らない」
P「でも、知りたいです。助けてくれた……のあさんのこと」
のあ「………」
のあ「……自分を語る術なんて知らないわ」
P「……それでも知りたいです」
のあ「そう……私すら知らない私を、あなたが見つけるというの?」
P「……はい。見つけます。のあさんは、素敵な人だと思うから」
のあ「面白いわ………ふふっ、ならば証明しなさい。私たちの隣に立つにふさわしいのは自分だと」
P「はいっ。これからはもっと、3人それぞれに合った仕事をとってきて見せます」
のあ「そう………なら、待つわ。あなたが照らすその面が美しいと信じて、ね」
P「どんな仕事だってのあさんなら、こなしちゃいそうですけれど……」
のあ「……起こりうることしか、起こらないわ。私ができるのは、私にできることだけよ」
P「……?」
のあ「フッ……いいわ。あなたはそんなところも含めてあなたなんでしょう」
P「……」
のあ「……悪くない気分ね。空へ近づくというのは………星に手が届くよう」
P「観覧車は、真上が見えませんけどね……」
のあ「見えるもの……そうね。見えるものだけが真実とは限らないかもしれない」
P「え?」
のあ「…………」
P「あ、あの……近い……」
のあ「……がおっ」
P「わぁっ!?」
のあ「冗談よ………こういう趣向もありでしょう?」
P(……キ、キスされるかと思った)
のあ「……そういう方がお好み?」
P「え?」
ゴウン ゴウン ゴウン……
P「あ、もう下につきますよ」
のあ「……」
P「のあさん……?」
のあ「……あなたから、名前を呼んだ……そのご褒美よ」
チュッ
P「は?」
のあ「……耳。意味は調べなさい」
P「……え、いや、えっと……」
のあ「……次は4人ね。それもまた、悪くない……」
P「の、のあさんちょっと!?」
P(結局、そのあとはのあさんが目を合わせてくれなくなって……)
P(……遊園地、楽しかったな。久しぶりだったけど……3人とも、仲良くなれたし……)
雪美「………」
P「あ、どうしたの?」
雪美「…………ずるい……」
P「え?」
蘭子「わ、我が瞳を誤魔化すことはできぬ!」
P「な、なんのこと……?」
雪美「……ちゅー……」
P「な……い、いやあれは……」
のあ「…………」
P「の、のあさん!」
のあ「………導くのなら、すべての上に立つ器も必要ね」
P「は、はいっ?」
蘭子「おのれ……! 時の流れがこうも残酷とはな……!」
P「ら、蘭子……?」
蘭子「我が仮のヨリシロがこのような呪縛になろうとは……ぐぅぅ……」
雪美「………ちゅー」
チュッ
P「ちょ、ちょっと雪美! やめなさい!」
雪美「………ぶい」
P「ぶいじゃなくて……」
蘭子「……むぅ……」
P「のあさんも何か言ってください、ね?」
のあ「………あなたにはあるかしら……? 清濁併せのむだけの、器が」
P「うつわって……」
のあ「ふふっ、今日は帰りましょう」
蘭子「………いいもんっ」
のあ「……瞳を名乗るなら、もっと思慮深くなるべきね」
蘭子「……あぅぅ」
P(拝啓、父上様。私は元気です)
P(担当アイドルが怖いと相談をしましたね。今ではすっかり仲良くなりました)
P(彼女たちに合う仕事を、話し合って決めて。プロデュース業はとても楽しいです。ですが――)
蘭子「フハハハ! さぁ、今こそ契約の時!」
P「け、契約ってどうやるのかな?」
蘭子「……せ、接触により互いのアルマの波動を同調させ……」
P「同調って……手を握るとかでいいのかな」
蘭子「……えへへ」
P「あ、あはは……」
P「………えっと、雪美?」
雪美「………?」
P「なんで、膝の上に座るのかな……?」
雪美「………気持ちいい……から……?」
P「そっかぁ……うん、もう少しあとでやってあげるから……」
雪美「…………座るの、気持ちいい………あなたも……する……?」
P「え?」
雪美「………かむひあー……」ポンポン
P「……」
P「……その、のあさん。確かに仕事は持ってきましたけれど、私服にすることは……」
のあ「……………にゃん」
P「にゃ、にゃん?」
のあ「……服は外観を印象付け………私を社会の一部として位置づける」
P「は、はぁ……」
のあ「つまり、望む姿になれば望む心へと周りが変えるものよ」
P「そ、そうなんですか……」
のあ「………感じなさい。私の熱を」
P「ちょっ、だから近いですってば!」
P(拝啓、母上様)
P(アイドルたちは可愛いですが、可愛いが故につらいです)
P(……耐えられる子に産んでくださってありがとうございます。それでも――)
P(担当アイドルたちのアピールが怖いです)
おわり
のあさん結構デレデレで可愛い人
そしてそんなのあさんがリミテッドガチャで入手可能です!
今なら10回に限定アイドル確定チケット1回、スタミナドリンク13個付きで3000モバコイン!
保守支援ありがとうございました
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