菫「宥とのファーストキスは、甘い甘いチョコの味がした」(144)

代行やで~

このスレタイ、某推理系漫画に出てきたような……

代行ありがとうございました。

スレタイマジすか?
まさかかぶってしまうとは……orz

ああ、あれが元ネタじゃないならいいんだ
悲恋になっちゃうしね

バレンタインデー 奈良


菫「ふぅ……あと少しで宥の旅館に着くな」

菫「今日は待ちに待ったバレンタインデーだ。この日の為に練習を重ねて作ったチョコも用意した」

菫「さらに今日は宥の旅館にお泊り」

菫「私が宥と交際を始めてもう半年か……」

菫「こないだのデートでやっと宥と手を繋ぐことができたし」

菫「そ、そろそろ次のステップに、す、進んでもいいだろうな……////」

菫「た、例えば――」ホワワワン

支援

菫の妄想『手料理の後に宥の唇をシャープシュート編』


菫「ごちそうさまでした」

宥「お粗末様です」

菫「本当に宥の作る料理は美味しいな」

宥「ふふ……ありがとうね」

菫「さて、デザートをいただくとするか」

宥「菫ちゃん? デザートならさっき食べたんじゃ……?」

菫「ふっ、ここにあるじゃないか」ダキッ

宥「す、菫ちゃん……?////」

菫「それではいただくとするか――宥という名のスイーツをな」キリッ

宥「もう……////」

菫「宥……」

宥「菫ちゃん……////」

…チュッ

支援

――――――――――

菫「なんてななんてななんてな////」バンバン

菫「そしてそして、その後にチョコを渡して……」

菫「そ、そのまま宥とイチャイチャしまくろう!!」

菫「よ、よし……イメージトレーニングはこれで大丈夫だな」

菫「今日こそ、ゆ、宥とのファーストキスを達成するぞ!」

菫「ど、どんな味がするんだろうな……」

菫「少女マンガの『咏に届け』ではレモンの味がすると描かれていたが……」

菫「宥の唇の味も、れ、レモンの味がするのだろうか……////」

菫「ま、まあいい。とにかく今日は宥にとっても、私にとっても、最高の一日にしてみせるぞ!」

ん?パンパンだって?

松実旅館


ガラガラ

菫「おじゃまします」

宥「あ、菫ちゃん……いらっしゃい……」ニコッ

菫(くぅ~、今日も宥の笑顔はまるで天使のようだ)

菫「会いたかったよ、宥」

宥「私も……////」

菫「うっ……////」

菫(照れてはにかむ宥、今すぐ抱きしめたい、即抱きしめたい、お持ち帰りしたい!!)

宥「さぁ上がって……お部屋に案内するね」

菫「ああ」

支援

菫「そういえば妹さんは? 姿が見えないようだが?」

宥「玄ちゃんなら、急に『おもちが私を呼んでいるのです!』って言って今朝鹿児島に行っちゃったよ……」

菫「か、鹿児島だと!?」

宥「う、うん……」

菫「いくらなんでもそれはありえないだろう!?」

宥「菫ちゃんもそう思うよね……」

菫「たとえそれが本当だとしてもだ、なんで急に――」ハッ

菫(そ、そうか……妹さんは私と宥が二人っきりになれるようにしてくれたんだな!)

菫(それならあの発言も納得がいくな)ウンウン

菫「宥、妹さんは私たちの為に気を利かせてくれたんだろうな」

宥「私たちの為に……?」

おもキチ支援

菫「ああ。今日私は宥の旅館に泊まるだろう?」

宥「うん……」

菫「私は二人っきりになったら宥とイチャイチャしたい」キッパリ

菫「しかし妹さんがいたら気になってあまりイチャイチャできないだろう」

菫「それを察した妹さんは、鹿児島に行くだなんて嘘までついて、私たちを二人っきりにしてくれたんだと思う」

宥「玄ちゃん……」ウルウル

菫「まったく……妹さんには頭が上がらないよ」フッ

宥「ありがとうね、玄ちゃん……」

菫「せっかくの妹さんのご厚意、無駄にする訳にはいかないな」

菫「今日一日、イチャイチャするぞ!!」

宥「う、うん……////」

支援

菫「そういえば私が泊まる部屋はどこなんだ?」

宥「菫ちゃんの部屋はね……私の部屋だよ?」

菫「ゆ、宥の部屋だと!?」

宥「うん……ごめんね、今日と明日は予約のお客さんはいないし……」

宥「それに菫ちゃんが泊まりに来るから、今日と明日は旅館を休業にしたの」

宥「だから今日はお部屋の掃除ができてなくって……」

宥「嫌……かな……?」

菫「いや、むしろ大歓迎だ!!」グッ

菫(旅館を休業にしたということは、妹さんだけでなく、他の客もいない)

菫(つまりこの広い旅館の中、宥と二人っきり!!)

菫(さらに宥の匂いがいっぱいの部屋で一夜を過ごせるなんて……夢のようだ……)

なんやこの変態は

居間


菫「そういえばもう夕方だな」

宥「待っててね菫ちゃん、少し早いけど、今晩御飯の用意するね……」

菫「ああ、分かった」

菫(来たぞ!! よ、よし……後はイメージトレーニング通りに進めれば……)

菫(ゆ、宥との、ふぁ、ファーストキスが……////)

宥「お待たせ菫ちゃん……」

菫「おお、美味しそうじゃないか」

宥「いっぱい作ったから、たくさん食べてね……」

菫「それでは、いただきます」パクッ


菫「」


宥「……ど、どうかな……」ドキドキ

支援

菫(……こ、これは……な、なんと言ったらいいのか……)プルプル

菫(そ、そういえば宥の手料理を食べるの、これが初めてだったな……)プルプル

菫(勝手に宥は料理上手だと思っていたが、ま、まさか料理が駄目だったとは……)プルプル

宥「……菫ちゃん?」

菫(ゆ、宥……)

菫(そ、そうだ、私は宥の恋人だ!!)

菫(宥が私の為に作ってくれた料理を残すだなんて、恋人失格だ!!)

菫(……食べてやるよ、全部食べようじゃないか!!)

菫(それが出来てこそ、宥の最愛になれるんじゃないか!!)

しえ

菫「美味しいよ」ニカッ

宥「良かった……」ホッ

菫「うん、この肉じゃが、固めの食感が私好みだ」ガツガツ

宥「じゃがいもの食感を大事にしたくって、完成する直前に入れて良かった……」

菫「こっちのきゅうりの酢の物も、酢が効いててなかなかだ」モグモグ

宥「酢の物はいっぱい酢を入れてみたの……」

菫「うん、どの料理もすごく美味しいぞ!!」パクパク

宥「どんどん食べてね……」ニコッ

菫(耐えろ……耐えてくれ、私の体!!)

菫(宥の手料理、少しとて残すわけにはいかない!!)

菫(絶対に守って見せる……この笑顔!!)

支援

菫「…………」チーン

宥「わぁ……菫ちゃん、全部食べちゃったんだ……」

菫「…………」

宥「菫ちゃん、食べてすぐ横になったら豚さんになっちゃうよ……」クスッ

菫「…………」

宥「私、食器の片付けしてくるね……」

菫(……な、なんとか完食したぞ……)

菫(途中何度か意識が飛びそうになったが、私は耐えたぞ……)

菫(よ、良かった……宥の笑顔を守ることができて……本当に…良かっ…た――)ガクッ

支援

――――――――――

「…………ね……」

菫(うぅ……あれ、一体私はどうしたんだ……?)

「……ちゃん…………めんね……」

菫(この声は……宥か……?)

「……菫ちゃん……ごめんね……」ヒックヒック

菫(宥、なんで泣いてるんだ……? 私は宥の笑顔を守れたんじゃなかったのか?)

「……ごめんね……本当にごめんね……」ヒックヒック

菫(どちらにしろ……これ以上宥を悲しませる訳にはいかない……)

菫「……ゆ、宥……」

宥「菫ちゃん……」ヒックヒック

菫「どうしたんだ、そんなに泣いて……」

支援

宥「ごめんなさい菫ちゃん……あんな料理食べさせちゃって……」ヒックヒック

菫「料理……。何を言ってるんだ、宥の料理はどれも美味しかったぞ」

宥「…………」フルフル

菫「ゆ、宥?」

宥「いいよ菫ちゃん、嘘付かなくても……」

菫「えっ……」

宥「片付けの前にね、自分用に残してた分を食べたの……」

宥「……どれもすごく不味かった……」

宥「でも菫ちゃんは美味しいって言ってくれて……全然美味しくないのに、全部食べてくれて……」グスッ

宥「私……菫ちゃんにあんな美味しくないもの出しちゃって……本当にごめんね……」ヒックヒック

支援

菫「……美味しかったさ」

宥「いいよ、もう気を遣わなくても……」グスリ

菫「……宥が私の為に一生懸命作ってくれた料理が、美味しくない訳ないじゃないか」

宥「……菫ちゃん?」

菫「だから、もう泣かないでくれ。宥に泣かれる方が、私にとっては何よりもつらいんだ」

宥「菫ちゃん……ありがとう……」グスリ

菫「宥……」ダキッ

宥「私、もっと料理練習して、今度は本当に美味しい料理を食べさせてあげるからね……」

菫「ああ、楽しみに待ってるよ」

支援

――――――――――

菫「落ち着いたか?」

宥「うん……ありがとう、菫ちゃん」

菫「これくらい、恋人として当然の事だ」

宥「それでも、ありがとうね……」ニコッ

菫「…………////」

菫(うっわ~、何度見ても宥の笑顔は最高に可愛いぞ!!)

菫(それに、宥を抱きしめてたら不思議と先ほどまで感じてた胸焼けが消えたな)

菫(さすが愛の力だな)フッ

菫(それはそうと、何か忘れてるような気がするのだが……)ウーン

菫(――あっ)

菫(キスするの忘れてた……)

支援

菫(予定では、宥の手料理を食べた後、そのままの流れで宥の唇をシャープシュートするつもりだったのだが……)

菫(想定外の宥の手料理のインパクトに、すっかり頭から抜け落ちてしまっていた……)

菫(おまけにチョコを渡すタイミングまで逃してしまうし……)

菫(仕方がない……ここは予定を変更するか……)

菫(さて、どうしたもんか……)ウーン

菫(そうだな、こういう感じはどうだろうか?)ホワワワン

菫の妄想『温泉の中で宥の唇をシャープシュート編』


カポーン

菫「いい湯だな」

宥「そうだね……」ブルッ

菫「宥? どうした、寒いのか?」

宥「うん……露天風呂だから、少し風が冷たいかな……」

菫「仕方ないな……ほら」ダキッ

宥「わぁ……////」

菫「私が温めてあげるぞ」

宥「あったかーい……////」

菫「宥……」

宥「菫ちゃん……////」

…チュッ

あのさあ

――――――――――

菫(ほんのり赤く染まる頬、火照った身体、素肌を重ねた二人、そしてキス……)

菫(温泉から上がった後の二人に障害など何もない)

菫(その流れでチョコを渡して、そのまま宥とイチャイチャオールナイトフィーバー!!)

菫(……よし、これで行こうか!!)

菫(今度こそ宥の唇をシャープシュートしてやるぞ!!)

菫「宥、そろそろ風呂にしないか?」

宥「いいけど、菫ちゃん、体調はもう大丈夫なの?」

菫「問題ない。さあ、行こうか!!」

宥「うん……」ニコッ

支援

温泉


カポーン

菫「あぁ、気持ちいいな」

宥「うちの温泉は疲労回復に良く効くから、ゆっくり浸かってね」

菫「……ゆ、宥は寒かったりしないのか?」ソワソワ

宥「ううん、大丈夫だよ……」

菫「そ、そうか……」

菫(うーん、イメージした展開と違うな……)

菫(おまけにここの温泉はかなり熱い)

菫(宥と一緒にお風呂でイチャイチャするために、熱い風呂に長時間耐えれるよう日々鍛えてたから大丈夫だが……)

菫(また計画を練り直すしかないのか……)

菫(いや、まだ諦めるのは早いな)

菫(ここから雪が降ってきたりして、気温が下がれば……)

菫(よし、しばらく様子を見るとするか)

――――――――――

十分後

宥「あったかいね……」

菫「そ、そうだな……」

菫(まだ慌てるような時間じゃない……)

――――――――――

三十分後

宥「あ、見て菫ちゃん、流れ星だよ」

菫「ほ、本当だな……き、綺麗だな……」ダラダラ

菫(ま、まだ何とか耐えられるな……)

――――――――――

支援

一時間後

宥「はぅ……気持ちいいな……」

菫「…………」ダバダバ

菫(も、もう限界だ……こ、このままでは倒れてしまう……)

菫(い、一度温泉から出るか……?)

菫(いや、駄目だ……宥のことだ、私が出たら一緒に出てしまう可能性が高い)

菫(そうなればまたもや計画は失敗に終わってしまう……)

菫(だがこのままでは……し、仕方ない、こちらから仕掛けるとするか)

菫「ゆ、宥……そっちに行ってもいいだろうか?」

宥「うん、いいよ……」

菫「そ、それじゃ――ってわっ!?」ズルッ

宥「えっ……?」

支援

ムニュッ!!

菫(い、いかん。足を滑らせてしまった……)

菫(しかしなんだ、顔全体に感じるこの柔らかいものは?)モミモミ

菫(目の前が真っ暗でよく分からないな……)

菫(ほんのり温かく、それでいて良い匂いがする……不思議とこのままでいたいな)

宥「す、菫ちゃん……だ、大丈夫……?////」

菫(宥の声が頭の上からする……?)

菫(ということは――こ、これはまさか……////)

宥「あ、あの……お胸がくすぐったいから、早く起きてくれると助かるんだけど……////」

菫(ゆ、宥の……お、おっぱ――)

ブハッ!!

宥「す、菫ちゃん!? す、すごい鼻血……だ、大丈夫!?」

菫「……ゆ、宥……最高だったよ……」ダラダラ ガクッ

宥「菫ちゃん、しっかりして!! 菫ちゃん!!」

おもち!

――――――――――

菫(うっ……また気を失ってたのか……)

菫(眩しいな……ここはどこなんだ?)

菫(……頭に柔らかい感触がするな……気持ちいいな……)

宥「あ、起きた、菫ちゃん?」

菫「ゆ、宥……」

宥「びっくりしたよ……急に鼻血を出して倒れるんだもん……」

宥「私に付き合ってのぼせるまで温泉に入らなくてもいいんだよ……?」

菫「温泉……鼻血……?」

菫「…………!!////」オモイダシタ

菫(そ、そうだった!! 確か私は足を滑らせて、ゆ、宥の、む、胸に……////)タラー

宥「わ、また鼻血が出てきた……大丈夫?」

菫「だ、大丈夫だ、問題ない」

菫「それよりここは……?」

宥「脱衣所だよ。大変だったんだよ……菫ちゃんここまで運んで……」

宥「か、身体を拭いて……ゆ、浴衣着せて……////」

菫「あ……」

宥「ご、ごめんね菫ちゃん……あまり見ないようにはしたんだけど……////」

菫(ゆ、宥に見られてしまった……////)

菫(こんなことならきちんと毛の処理を――って私は生えてなかったから大丈夫だった)

菫(そっちじゃなくて、もっと肌のケアとか、ダイエットとかしておくべきだった……)

菫「す、すまない宥……変なものを見せてしまって……」

宥「えっ、そんなことないよ。……すっごく綺麗だったよ……////」

菫「あ、ありがとう……////」

菫「そういえば、頭に感じてるこの感触はもしかして……」

宥「うん……私の膝だよ……」

菫「そ、そうか……」ドキドキ

宥「前にね、千里山の清水谷さんに、恋人が倒れた時は膝枕してあげるといいよって教えてもらったから……」

菫(千里山の部長、ナイス!!)グッ

宥「ど、どう菫ちゃん……き、気持ちいい?」

菫「あ、ああ……すごく気持ちいいよ……」

宥「良かった……」ニコッ

菫「さて、そろそろ起きるとするか」

宥「大丈夫なの、菫ちゃん?」

菫「ああ、宥の膝枕のおかげで、だいぶ良くなったよ」

菫(本当はもう少し宥の膝枕を堪能したかったがな)

菫(宥がこれ以上湯冷めして、風邪でも引いたら大変だからな)

居間


菫(千里山の部長には、感謝しないとな)

菫(まさか宥の膝枕が堪能できるとは思わなかった)

菫(ん? またもや何か忘れてるような――あっ)

菫(またキスするの忘れてた……)

菫(どうする!? もうバレンタインが終わってしまうぞ!?)

菫(こうなったら普通に渡すか!?)

菫(し、しかしそれではそこからキスに持っていくのが難しくなる……)

菫(だがバレンタインにチョコを渡せないで終わる方がまずいぞ)

菫(ああ、でもこの機会を逃したらファーストキスは当分先になるぞ……)

菫(いったい私はどうすればいいんだ!?)

宥「菫ちゃん……」

菫「あ、ゆ、宥……どうしたんだ?」

宥「これ……」スッ

菫「こ、これは……」

宥「うん。バレンタインチョコだよ……」

宥「ホントはね、もっと早く渡したかったんだけど、手作りだったから……」

宥「玄ちゃんに手伝ってもらったけど、また菫ちゃんに美味しくないもの食べさせちゃったらって思ったら、渡せなくって……」

菫「そ、そんな、私は宥の作るものならなんだって食べるぞ!?」

宥「うん、分かってるよ……。でも、やっぱり菫ちゃんには美味しいものを食べてもらいたかいから……」

宥「だからこれは食べなくていいよ。ただ、菫ちゃんに渡したかっただけだから……」

菫「…………」

菫「…………」ガサガサ

宥「す、菫ちゃん……!?」

菫「……いただきます」パクッ

菫「うん、すごく美味しいぞ」

宥「……本当に? また気を遣ってるんじゃないよね……?」

菫「本当さ。ほら、宥も食べてみればいいさ」アーン

宥「あ、うん……それじゃ……」パクッ

菫「どうだ?」

宥「うん、美味しい……」

菫「そうだろう?」

宥「良かった……美味しくできてて……」

菫「宥、ありがとう。とても美味しかった」

宥「ううん、こっちこそありがとうね、食べてくれて……」

菫「そうだ、実は私も宥の為にチョコを用意してたんだ」

宥「本当?」

菫「だが、なかなか渡すタイミングがなくてな」

菫「これなんだが……」

宥「……魔法瓶の水筒?」

菫「宥は温かいものが好きだから、ホットチョコの方がいいと思ってな」

菫「だが、すっかり冷たくなってしまったようだ」

菫「悪いが宥、温め直してくるから、台所を貸してもらってもいい――」

宥「ん……」ゴクッ

菫「ゆ、宥!?」

宥「すごくあったかくて、美味しいよ……」ニコッ

菫「ゆ、宥……」

宥「ありがとう、菫ちゃん……くしゅん!!」

菫「大丈夫か、宥!?」

宥「う、うん……」

菫「身体が冷えてしまったのか……すぐに毛布か何か持ってくるから!!」

宥「いいよ……」ピトッ

菫「ゆ、宥!?////」

宥「菫ちゃんが、あっためて?////」

菫「あ、うん……////」

菫(ゆ、宥をこんなに近くで感じられるなんて……)ドキドキ

菫(はっ!? も、もしかしてこれは、キスをする絶好のチャンスではないのか!?)ドキドキ

菫(し、しかし宥にその気がなかったら……)

菫(ど、どうなんだろうか……)チラッ

宥「…………////」スッ

菫(ゆ、宥が目を閉じた!?)

菫(こ、これは間違いないだろう……)

菫(よ、よし、い、行くぞ!!)


菫「ゆ、宥……んっ////」

チュッ


菫(や、柔らかい……宥の唇って、こんなに柔らかかったのか……)

菫(そ、それに……すごく甘い……)

菫「……ふぅ……」

宥「菫ちゃん……////」

菫「宥、ファーストキス……だな……////」

宥「うん、そうだね……////」

菫「……チョコの味か」

宥「えっ?」

菫「いや、本ではキスはレモンの味がすると描かれていたのだが」

菫「宥とのファーストキスは、甘い甘いチョコの味がした」

菫「ふとそう思っただけさ」

宥「ふふ、菫ちゃん、それはさっき私が菫ちゃんから貰ったホットチョコを飲んだからでしょ……」クスクス

菫「あ……そうだったな」

宥「でもファーストキスがチョコの味だなんて、バレンタインらしくっていいよね……」

菫「そうだな……」

宥「セカンドキスは、どんな味がするのかな……」

菫「宥……んっ!?」チュッ

宥「ん……ちゅ……」

菫「~~~~////」

宥「んん……チョコの味と……少しだけど、菫ちゃんの味がしたよ……////」

菫「わ、私も、ゆ、宥の味がした……////」

宥「菫ちゃん……」

菫「な、なんだ宥?」


宥「……来年もこうやって過ごせたらいいね……」

菫「ああ。そうだな」

翌日


菫「おはよう、宥」トントン

宥「おはよう……菫ちゃん」

菫「少し待っててくれ、今朝食を作ってるから」コトコト

宥「ごめんね、朝御飯の用意お願いしちゃって……」

菫「ははっ、気にしなくていいよ」

宥「ありがとうね……ゆっくり眠れた?」

菫「……あ、ああ……もちろん」

菫(いや、まったく眠れなかったよ。なんせ宥と同じ布団だったからな……)

菫(真横に宥の寝顔が見えて、宥の寝息が聞こえて、宥の匂いがして、宥のぬくもりを感じて……)

菫(そんな状況で眠れるやつがいる訳ないだろう!!)

宥「……全然手を出してくれないなと思ったら、菫ちゃん寝ちゃってたんだ……」ボソッ

菫「ん? 何か言ったか?」

宥「ううん、何でもないよ」プクー

菫(ど、どうしたというんだ宥は?)

菫(宥を怒らせるようなことは一切していないはずだが……)

菫(昨日の夜だって、宥に手を出したいのを必死に我慢したというのに……)

『続きまして、昨日起きました事件についてです』

『昨日夕方、鹿児島県で女子高校生の胸が何者かに触られるという事件が起きました』

『目撃者の証言から、犯人は同じ高校生くらいの女性だと思われます』

菫「まったく、変なやつが増えたもんだ」

宥「あわわ……こ、怖い……」ガクガク

菫「大丈夫だ宥、たとえ変質者が来ても、そんなやつ、私がシャープシュートしてやるさ!!」キリッ

宥「菫ちゃん、カッコいい……」

菫「そういえば、妹さんはどこに泊まったんだろうな?」

宥「そうだね……灼ちゃんの家かな?」

菫「最近こういう事件が起きてるからな。妹さんも大丈夫だとは思うが……」

宥「うん……でも心配だね……」


玄「ふふふ、今度は岩手のおもちが私を呼んでいるのです~」ワキワキ




菫「宥とのファーストキスは、甘い甘いチョコの味がした」  カン

代行、支援ありがとうございました。

コンマで白糸台か阿知賀のキャラが出たら宥菫でSS書くと言って
まさか本当に出るとは……しかもドンピシャで宥姉。
なんとか宣言通り投下できて良かったです。

宥菫では過去に宥姉が菫さんを無視するやつを書きましたが
機会があればまた甘々な宥菫で書きたいです。

最後に、バレンタインの時期に別キャラでまたバレンタインSS投下したいと思います。

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