梓「これが日常ですから」唯「茶飯事ですから」 (5)

あずにゃん3号「なーお」

梓「にゃう、にゃう」

あずにゃん3号「な?」

梓「…………」ナデナデ

あずにゃん3号「……」スヤァ……

梓「よしよし。えらいね、あずにゃん3号は。呼べばちゃんと私の傍に寄りそって来てくれるんだから」

梓「そう思いますよね、唯?」

唯「悪気はけっしてございませぬ……」土下座

梓「ふーん?悪気がなければ嫁との約束をすっぽかして飲んできて良い、と言うんですね?」

唯「そんなつもりは滅法ございませぬ……」

梓「酒臭いから顔をあげないで!」

唯「はい……」土下座

梓「いいですか!?わたしが朝にあれだけ今晩の約束を忘れないよう念を押したっていうのに!結婚してからまだ一年目の新婚で不

安だったけど、唯の誕生日のために慣れない腕でお金のかかった料理を作って孤独に待ってたのに!」

梓「唯は呑気に他の女と居酒屋デートでデレデレしてて!!信じらんない!」

唯「デ、デートじゃないもん……」

梓「ごめんなさい、浮気でしたね。言葉を間違えましたぁ」

唯「ちがうの!あの女の人は同じ桜高で働くただの同僚の先生で!わたしの面倒をよく見てくれてて、今日も誕生日を祝ってくれて

……」

梓「へぇーただの同僚に唯は全身で抱きつくんだー。社会人になったらわたし以外のHTTのみんなにさえめったに抱き付かなくな

ったのにー(棒)」

唯「あれはおぶってもらっただけだよ……。飲みすぎてわたしの足がおぼつかなくなっちゃったから、女同僚さんがうちまでタクシ

ーで付き合ってくれたんだよ……」

梓「やっぱり付き合ってるんじゃないですかー!!」

唯「そっちじゃなくてー!」

梓「もう知りませーん。料理と同じくらい身体も心も冷めちゃいました。お風呂入ったあとなのに風邪ひいちゃう。おやすみなさい



唯「あずにゃん…………」

梓「あっ、今夜はわたし一人でダブルベッドを使うんで、唯先輩はどうぞ同僚さんのベッドにでも潜ればいいんです……っ」

唯「…………」

梓「そうです……それがいいです。前からあのベッドを一人で使ってみるのが夢だったです……。唯は寝相がわるくて、わたしの領

分が狭いんです。だからこれで……」

唯「……どこまでも猫さんだなあ」ギュッ

梓「っ……いまさら抱きつかれたってうれしくありません。放してください」

唯「あずにゃんの身体冷たいね」

梓「放してください……酒の臭いが移ります」

唯「放さない」

梓「わがままです……」

唯「欲しいものは逃がさないからね、えへへ」

梓「……何言ってんですか」

唯「ごめんね。約束をすっぽかしたのは本当に悪かったって思ってるよ。浮気なんてしてないよ?あずにゃんが一生懸命作ってくれ

た料理も、温めて食べるよ。ね?」

梓「贖罪のつもりですか……」

唯「それもある……でもね、一番の理由はあずにゃんにわたしの愛を受け取ってもらいたいから」

梓「…………」

唯「あずにゃんはさっき心が冷めた、て言ってたでしょ?だから、わたしの愛で温めたい」

梓「……ほんとうにそれは、わたしに向けた愛ですか。同情に過ぎないんじゃないですか……」

唯「同情じゃない。わたしの愛はあずにゃんの心だけを温めるんだよ」

唯「愛してるよ、あずにゃん」ギュッ

梓「…………もう、約束をすっぽかさないでよ?」

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