【けいおん!】唯「10Q!」 (28)
唯「あずにゃん、10Qで勝負しよ!」
梓「何ですかそれ?」
唯「お題を一つ決めて、十個の質問でそれが何か当てるの。ただし答える側は一回だけ嘘をついてもいいっていうルールだよ」
梓「クイズなのに嘘ついても良いんですか?」
唯「知恵比べだからね」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1567432968
唯「今回は私が当てる側、あずにゃんが答える側だよ!」
梓「私が答える側ですか……」
唯「もしかして嫌だった?」
梓「いや面白そうですけど、唯先輩には頭脳戦で負ける気がしないというか」
唯「何おぅ!? 私は最近頭脳派に目覚めたんだよ!」
梓「今度は何のマンガに影響されて……」チラッ
梓(唯先輩のカバンからかいけつゾロリがはみ出してるけど)
梓(まさかあれじゃないよね……)
唯「今回は私が当てる側、あずにゃんが答える側だよ!」
梓「私が答える側ですか……」
唯「もしかして嫌だった?」
梓「いや面白そうですけど、唯先輩には頭脳戦で負ける気がしないというか」
唯「何おぅ!? 私は最近頭脳派に目覚めたんだよ!」
梓「今度は何のマンガに影響されて……」チラッ
梓(唯先輩のカバンからかいけつゾロリがはみ出してるけど)
梓(まさかあれじゃないよね……)
唯「じゃ、お題は『あずにゃんの好きな人』で!」
梓「なっ……!? い、嫌ですそんなテーマ!」
唯「え~、でも最後までバレなかったらどんなテーマだって一緒じゃん」
梓「それはそうですけど……」
唯「それともあずにゃんは私に勝てる自信が無いのかな?」
梓「」ムカッ
梓「やってやるです! 唯先輩なんかコテンパンにしてやるです!」
唯「じゃあさ、負けた方は勝った方の言うことを聞く、っていうのは?」
梓「なんだってかかってきやがれです!」
唯(ふふっ、計画通り!)
唯(あずにゃんの好きな人……それは私に他ならないよ!)
唯(ギターも上手だし、頼れるカッコいい先輩だし、毎日ハグしてるし!)
唯(憂も『お姉ちゃんのハグは世界一だよ!』って言ってくれてるし、猫ちゃんはスキンシップに弱いからね!)
唯(ふふっ、ズバっと当てたらあずにゃん、どんな顔するかなぁ?)
唯『分かった! 答えは私だね!』
梓『ど、どうしてこんなにあっさりと……』
唯『あずにゃんの考えることくらい、何だってお見通しだぜっ』
梓『ゆ、唯先輩……』キュン
唯『あずにゃん、お願いを聞いてくれるかな?』
梓『はい。私、唯先輩の為なら何でもします……』
唯(なんて完璧な計画!)
唯(もうこの勝負は貰ったも同然!)
唯(ただ、あずにゃんの嘘に惑わされちゃうかも……)
唯(いきなりはまず無いとして、しっかり者のあずにゃんなら真ん中位かな?)
唯(ま、あんまり関係ないか。答えはもう分かってるんだしっ)
唯(取りあえず、最初の質問でビシっと決めないとね!)
唯「じゃあ行くよあずにゃん、第一問!」
梓「は、はい!」
唯「その人はカッコいい先輩ですか!」
梓「全くそんなことないです」
唯「うわあああああああん!!」ダッ
梓「ちょ、どこ行くんですか唯先輩!?」
唯「ぐすん、酷いよあずにゃんあんまりだよ……」
梓「質問に答えただけで泣かれる方があんまりだと思います……」
唯(しょんなぁ、あずにゃんの好きな人、絶対に私だと思ってたのに……)
梓「ほら、続けますよ。唯先輩が言い出したんですから」
唯「じゃあ第二問その人は同じ学校ですか」プイッ
梓「何ふてくされてるですか。そうですよ」
唯「じゃあ私の知ってる人ですか」
梓「まぁ、そうだと思います。ところで、ここに誰も手の付けてない大福がありますけど」
唯「よーし! あずにゃんの好きな人をバッシリ当ててみせるぞ~!」フンスッ
梓「げんきんな人だ……」
唯(なるほど、私の知ってる人……澪ちゃんとりっちゃんはカッコいい系だから違うし)
唯(となるとムギちゃんかなぁ。あずにゃんも可愛い可愛いって言ってるし、優しいし……)
唯「その人はお金持ちですか?」
梓「普通の家庭だと思いますよ」
唯(なるほど、ムギちゃんじゃない。となれば!)
唯「その人は家事も勉強も出来る人ですか!」
梓「全然違います」
唯「なんと!?」
唯(憂とムギちゃんは、私の『お嫁に貰われるランキング』ワンツートップなのに!)
唯(もしかして、あずにゃんってしっかりしてるし、そういう人はタイプじゃないのかも)
唯(逆に、ぐうたらでほっとけない人こそあずにゃんのタイプなのかも!)
唯(……どうして私じゃないんだろ)ショボン
唯(あ、分かった! あずにゃん、誰かのお世話はしたいけど、ぐうたらしてる人は嫌いなんだ!)
唯(それなら当てはまるのは一人しかいない!)
唯「ズバリ! その人は亀ですね!」
梓「亀の人……? どっかのアニメにいましたねそんな人」
唯「アニメじゃなくてトンちゃんだよ~。あずにゃん大好きじゃん」
梓「トンちゃんの好きはそういう好きとは違うじゃないですか」
唯「いやー、ペット愛って答えで攻めてくると思って」
唯(じゃあ本当にぐうたらでほっとけない人がタイプなのかな?)
唯(私以外であずにゃんの身近なそういう人……。分かった!)
唯「その人はモップみたいな頭ですか!」
梓「唯先輩、純は憂と付き合ってるじゃないですか」
唯「そっかぁ~、えへへごめんごめえええええええ!?!?」
梓「え、もしかして憂から聞いてないんですか?」
唯「初耳だよ! っていうかあずにゃんはなんで知ってるの!?」
梓「二人とも私を介して相談してきましたから。『梓は先輩が好きだから安心して話せるよ』って、ちょっとはノロケを聞く身にも……はっ!?」
唯「……なるほどなるほど。あずにゃん、ボロを出したね」
梓「あっ、い、いや、これはっ……」
唯「隙あり第八問! その人はけいおん部の先輩ですか!」
梓「……そ、そうです……」
唯(ほほう、段々すべてが見えてきたよ!)
唯(あずにゃんは私たち以外の先輩と交流は無さそうだから、きっとこの答えは本当)
唯(残ったけいおん部のメンバーは私、澪ちゃん、りっちゃん。私は言わずもがな、澪ちゃんもりっちゃんもカッコ良い人)
唯(でもこれじゃ最初の質問と引っかかってしまう……つまり、あずにゃんは最初の質問で嘘をついていたんだ!)
唯(ふっふ~、いきなり嘘はつかない、って予想を逆手に取ろうとしたのかもだけど、私の方が一枚上手だったみたいだね!)
唯「じゃあ第九問。その人はアクセサリーをしていますか!」
梓「……はい」
唯「……その飾りは『カチューシャ』ですか!」
梓「………………いいえ」
唯「~っ!」
唯(澪ちゃんでもりっちゃんでもない! しょーきょほーで言ったら残りは……!)
唯「ふふっ、ふふふっ……とうとう尻尾を見せたねあずにゃん。猫だけに」
梓「ま、まだ分かんないじゃないですか!」
唯「そうやって強がれるのも今の内だよあずにゃん」
梓「うっ、うぅ……」
唯「あずにゃんの一番好きな人……それはズバリ私ですね!」
梓「…………」
唯「そうでしょ、あずにゃ……」
梓「……残念、違いますよ唯先輩」
唯「…………えっ、あれっ……あれ?」
唯(ど、どういうこと……?)
唯「じゃ、じゃああずにゃんの好きな人って誰なの?」
梓「それは…………そう、さわ子先生ですよ」
唯「……さ、さわちゃん!?」
梓「そうです! 暴走癖はありますけど、おしとやかで優しい先生じゃないですか。ギターも上手ですし、あぁいう人になれたらなぁって」
唯「ちょ、ちょっと待って、だってけいおん部の先輩って」
梓「先輩じゃないですか。十二年くらい」
唯「それにさわちゃんってどっちかと言えばカッコいいんじゃ……」
梓「私はおしとやかな所が好きですから」
唯「うっ、うぐぐ……」
梓「どうやら知恵比べは私の勝ちみたいですね」
唯「その余裕しゃくしゃくな態度、まさかあずにゃん、あそこで焦ったのって……」
梓「そうしたら唯先輩が油断してくれるだろうって思って」
梓「ま、唯先輩相手なら楽勝です」
唯「うわああああん! これで勝ったと思うなよー!」ダッ
唯(次は、次こそはあずにゃんに言う事きかせてやる~!)
唯(……あれ、でもあずにゃん、一体どこで嘘ついたんだろ……?)
梓「ふぅ、何とか誤魔化せた……」
梓「口を滑らせちゃった時はどうなるかと思ったけど」
梓「ちょっとパニックになっただけで、とっさに機転をきかせられて良かった……」
梓「……答え合わせで嘘ついちゃいけない、なんて言われてないもんねっ」
梓「ふふ、唯先輩に何をお願いしよっかなぁ」
終わり
短めですがおしまいです。最後までお付き合い下さりありがとうございました。
そういえばHTTが復活したらしいですね、一度で良いから生でパフォーマンスを見てみたいです
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません