【けいおん!】唯「10Q!」 (28)

唯「あずにゃん、10Qで勝負しよ!」

梓「何ですかそれ?」

唯「お題を一つ決めて、十個の質問でそれが何か当てるの。ただし答える側は一回だけ嘘をついてもいいっていうルールだよ」

梓「クイズなのに嘘ついても良いんですか?」

唯「知恵比べだからね」

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唯「今回は私が当てる側、あずにゃんが答える側だよ!」

梓「私が答える側ですか……」

唯「もしかして嫌だった?」

梓「いや面白そうですけど、唯先輩には頭脳戦で負ける気がしないというか」

唯「何おぅ!? 私は最近頭脳派に目覚めたんだよ!」

梓「今度は何のマンガに影響されて……」チラッ

梓(唯先輩のカバンからかいけつゾロリがはみ出してるけど)

梓(まさかあれじゃないよね……)

唯「今回は私が当てる側、あずにゃんが答える側だよ!」

梓「私が答える側ですか……」

唯「もしかして嫌だった?」

梓「いや面白そうですけど、唯先輩には頭脳戦で負ける気がしないというか」

唯「何おぅ!? 私は最近頭脳派に目覚めたんだよ!」

梓「今度は何のマンガに影響されて……」チラッ

梓(唯先輩のカバンからかいけつゾロリがはみ出してるけど)

梓(まさかあれじゃないよね……)

唯「じゃ、お題は『あずにゃんの好きな人』で!」

梓「なっ……!? い、嫌ですそんなテーマ!」

唯「え~、でも最後までバレなかったらどんなテーマだって一緒じゃん」

梓「それはそうですけど……」

唯「それともあずにゃんは私に勝てる自信が無いのかな?」

梓「」ムカッ

梓「やってやるです! 唯先輩なんかコテンパンにしてやるです!」

唯「じゃあさ、負けた方は勝った方の言うことを聞く、っていうのは?」

梓「なんだってかかってきやがれです!」

唯(ふふっ、計画通り!)

唯(あずにゃんの好きな人……それは私に他ならないよ!)

唯(ギターも上手だし、頼れるカッコいい先輩だし、毎日ハグしてるし!)

唯(憂も『お姉ちゃんのハグは世界一だよ!』って言ってくれてるし、猫ちゃんはスキンシップに弱いからね!)

唯(ふふっ、ズバっと当てたらあずにゃん、どんな顔するかなぁ?)


唯『分かった! 答えは私だね!』

梓『ど、どうしてこんなにあっさりと……』

唯『あずにゃんの考えることくらい、何だってお見通しだぜっ』

梓『ゆ、唯先輩……』キュン

唯『あずにゃん、お願いを聞いてくれるかな?』

梓『はい。私、唯先輩の為なら何でもします……』


唯(なんて完璧な計画!)

唯(もうこの勝負は貰ったも同然!)

唯(ただ、あずにゃんの嘘に惑わされちゃうかも……)

唯(いきなりはまず無いとして、しっかり者のあずにゃんなら真ん中位かな?)

唯(ま、あんまり関係ないか。答えはもう分かってるんだしっ)

唯(取りあえず、最初の質問でビシっと決めないとね!)

唯「じゃあ行くよあずにゃん、第一問!」

梓「は、はい!」

唯「その人はカッコいい先輩ですか!」

梓「全くそんなことないです」

唯「うわあああああああん!!」ダッ

梓「ちょ、どこ行くんですか唯先輩!?」

唯「ぐすん、酷いよあずにゃんあんまりだよ……」

梓「質問に答えただけで泣かれる方があんまりだと思います……」

唯(しょんなぁ、あずにゃんの好きな人、絶対に私だと思ってたのに……)

梓「ほら、続けますよ。唯先輩が言い出したんですから」

唯「じゃあ第二問その人は同じ学校ですか」プイッ

梓「何ふてくされてるですか。そうですよ」

唯「じゃあ私の知ってる人ですか」

梓「まぁ、そうだと思います。ところで、ここに誰も手の付けてない大福がありますけど」

唯「よーし! あずにゃんの好きな人をバッシリ当ててみせるぞ~!」フンスッ

梓「げんきんな人だ……」

唯(なるほど、私の知ってる人……澪ちゃんとりっちゃんはカッコいい系だから違うし)

唯(となるとムギちゃんかなぁ。あずにゃんも可愛い可愛いって言ってるし、優しいし……)

唯「その人はお金持ちですか?」

梓「普通の家庭だと思いますよ」

唯(なるほど、ムギちゃんじゃない。となれば!)

唯「その人は家事も勉強も出来る人ですか!」

梓「全然違います」

唯「なんと!?」

唯(憂とムギちゃんは、私の『お嫁に貰われるランキング』ワンツートップなのに!)

唯(もしかして、あずにゃんってしっかりしてるし、そういう人はタイプじゃないのかも)

唯(逆に、ぐうたらでほっとけない人こそあずにゃんのタイプなのかも!)

唯(……どうして私じゃないんだろ)ショボン

唯(あ、分かった! あずにゃん、誰かのお世話はしたいけど、ぐうたらしてる人は嫌いなんだ!)

唯(それなら当てはまるのは一人しかいない!)

唯「ズバリ! その人は亀ですね!」

梓「亀の人……? どっかのアニメにいましたねそんな人」

唯「アニメじゃなくてトンちゃんだよ~。あずにゃん大好きじゃん」

梓「トンちゃんの好きはそういう好きとは違うじゃないですか」

唯「いやー、ペット愛って答えで攻めてくると思って」

唯(じゃあ本当にぐうたらでほっとけない人がタイプなのかな?)

唯(私以外であずにゃんの身近なそういう人……。分かった!)

唯「その人はモップみたいな頭ですか!」

梓「唯先輩、純は憂と付き合ってるじゃないですか」

唯「そっかぁ~、えへへごめんごめえええええええ!?!?」

梓「え、もしかして憂から聞いてないんですか?」

唯「初耳だよ! っていうかあずにゃんはなんで知ってるの!?」

梓「二人とも私を介して相談してきましたから。『梓は先輩が好きだから安心して話せるよ』って、ちょっとはノロケを聞く身にも……はっ!?」

唯「……なるほどなるほど。あずにゃん、ボロを出したね」

梓「あっ、い、いや、これはっ……」

唯「隙あり第八問! その人はけいおん部の先輩ですか!」

梓「……そ、そうです……」

唯(ほほう、段々すべてが見えてきたよ!)

唯(あずにゃんは私たち以外の先輩と交流は無さそうだから、きっとこの答えは本当)

唯(残ったけいおん部のメンバーは私、澪ちゃん、りっちゃん。私は言わずもがな、澪ちゃんもりっちゃんもカッコ良い人)

唯(でもこれじゃ最初の質問と引っかかってしまう……つまり、あずにゃんは最初の質問で嘘をついていたんだ!)

唯(ふっふ~、いきなり嘘はつかない、って予想を逆手に取ろうとしたのかもだけど、私の方が一枚上手だったみたいだね!)

唯「じゃあ第九問。その人はアクセサリーをしていますか!」

梓「……はい」

唯「……その飾りは『カチューシャ』ですか!」

梓「………………いいえ」

唯「~っ!」

唯(澪ちゃんでもりっちゃんでもない! しょーきょほーで言ったら残りは……!)

唯「ふふっ、ふふふっ……とうとう尻尾を見せたねあずにゃん。猫だけに」

梓「ま、まだ分かんないじゃないですか!」

唯「そうやって強がれるのも今の内だよあずにゃん」

梓「うっ、うぅ……」

唯「あずにゃんの一番好きな人……それはズバリ私ですね!」

梓「…………」

唯「そうでしょ、あずにゃ……」

梓「……残念、違いますよ唯先輩」

唯「…………えっ、あれっ……あれ?」

唯(ど、どういうこと……?)

唯「じゃ、じゃああずにゃんの好きな人って誰なの?」

梓「それは…………そう、さわ子先生ですよ」

唯「……さ、さわちゃん!?」

梓「そうです! 暴走癖はありますけど、おしとやかで優しい先生じゃないですか。ギターも上手ですし、あぁいう人になれたらなぁって」

唯「ちょ、ちょっと待って、だってけいおん部の先輩って」

梓「先輩じゃないですか。十二年くらい」

唯「それにさわちゃんってどっちかと言えばカッコいいんじゃ……」

梓「私はおしとやかな所が好きですから」

唯「うっ、うぐぐ……」

梓「どうやら知恵比べは私の勝ちみたいですね」

唯「その余裕しゃくしゃくな態度、まさかあずにゃん、あそこで焦ったのって……」

梓「そうしたら唯先輩が油断してくれるだろうって思って」

梓「ま、唯先輩相手なら楽勝です」

唯「うわああああん! これで勝ったと思うなよー!」ダッ

唯(次は、次こそはあずにゃんに言う事きかせてやる~!)

唯(……あれ、でもあずにゃん、一体どこで嘘ついたんだろ……?)

梓「ふぅ、何とか誤魔化せた……」

梓「口を滑らせちゃった時はどうなるかと思ったけど」

梓「ちょっとパニックになっただけで、とっさに機転をきかせられて良かった……」

梓「……答え合わせで嘘ついちゃいけない、なんて言われてないもんねっ」

梓「ふふ、唯先輩に何をお願いしよっかなぁ」


終わり

短めですがおしまいです。最後までお付き合い下さりありがとうございました。
そういえばHTTが復活したらしいですね、一度で良いから生でパフォーマンスを見てみたいです

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