凛「プロデューサーのことなんか別に好きじゃないけど?」(60)

立つ?

「お疲れ様でしたー!」



凛「お疲れ様です」

凛「……ふぅ」

P「お疲れ、今日も良かったよ」

凛「ん、ありがと」

P「今日の仕事はこれで終わりだから……このまま送って行こうか?」

凛「あー、いや、事務所まででいいよ」

P「分かった。なら裏に車回してくるから……」

凛「」 テクテク

P「その間に控え室で着替えといて……って、あれ? もう凛行っちゃったし」

ーーー
ーー



P「お、来たな」

凛「……」 ガチャ ストンッ

P「座れるか? 後ろ今ごちゃごちゃしてるけど」

凛「別に、大丈夫」

P「んじゃ行くぞー」

凛(あ、卯月からLINEきてる……) カチャカチャ

P「……」

凛「……」

P「……」

凛「……」

凛「ねぇ、プロデューサー」

P「んー?」

凛「車の中、少し整理したら?」

P「あはは、やっぱ狭いか? すまんすまん」

凛「いや狭くはないけどさ……。なんか、ものが溢れ過ぎ」

P「あぁ……。みんなが勝手に俺の車にいろんなもの置いてるせいでな」

凛「これ、事務所の車じゃないの?」

P「そうだけど、使う人俺しかいないだろ? だから、ほとんど俺のみたいなもん」

凛「職権乱用だね。ちひろさんに言っておくよ」

P「おいおい、勘弁してくれよ」

凛「……」

P「……」

凛「……」

P「……え、マジで言う気?」

凛「さぁ、どうかな?」

P「頼むから変なコト言わないでいてくれよー、凛」

凛「はいはい」

P「そうだ! 飴をあげよう。それで黙っといてくれ」

凛「どこぞのニートと一緒にしないで」

P「はは、そんなこと杏が聞いたらおこ……らないな。むしろ開き直りそうだな、あいつは」

凛「……いいから飴」

P「あれ、いるのか? 口ぶりからしていらないと思ったんだけど」

凛「ならいいや。ちひろさんに言っておくし」

P「ほら飴をあげよう今すぐあげよう。いや差し上げましょうむしろ受け取って下さい」

凛「ちゃんと前見てよ」

P「任しとけ」

凛「へぇ……濃厚ミルク入り、なんてあるんだ」

P「おぅ、杏の好きなやつでさ。前食べてみたけど、すごい美味しかった」

凛「……」

P「あいつがわがまま言ったら、それをあげてなんとか乗り切ってるんだよ」

凛「……ふーん」

凛「じゃあこれは、杏ちゃんのためにプロデューサーが車の中に置いた飴なんだ?」

P「いいや? 俺じゃなくて、杏が置いたやつだよ」

凛「……」

P「それより凛も食べてみろって。美味しいから」

凛「……」

凛「いや、いらない。私今ガム噛んでるし」

P「あれっ? そうだったか? いやー、すまんな。まぁ、後で食べてみてくれよ」

凛「……気が向いたらね」

P「あっ、そうそう。後ろにピンクのクッションあるだろ?」

凛「……」

P「凛?」

凛「……なに」

P「クッション近くにないか? ピンクのやつ」

凛「ピンクの……うん、あったよ。このクッション、プロデューサーには似合ってないね」

P「ははは、だってそれ杏のだし」

凛「……」

凛「……へぇー」

P「あいつついに俺の車の中でもダラけだしてさ。マイクッション持ち込む始末だよ」

凛「事務所の車だけどね」

P「ちひろさんには、な? なっ? お願いします」

凛「……」

凛「……」

凛「……」

凛(杏ちゃんが勝手に持ち込んだクッション……)

凛「……」

凛「」 ボスッ ボスッ

P「んー? なんか叩いてるような音がするけど?」

凛「なんでもないから運転してなよ」

凛「ねぇ、プロデューサー」

P「うわっ、ギリギリで信号捕まった……ん、なんだ?」

凛「さっきも言ったけどさ、車の中、綺麗にしようよ」

P「あー、俺もそろそろやんなきゃなーって思っててさ」

凛「それじゃあ、始めにこのクッションは本人に返しておくから」

P「いや凛がしなくても、俺があいつに返しておくよ」

凛「うるさい、私がやる」

P「えっ、あ、はい」

凛「次にタオルケットがなんで4枚もあるの?」

P「ん、あ、それな、他の子達のだな」

凛「……」

P「エアコン付けてるんだけどな。寒いのかな? なぁ、寒いか、凛?」

凛「平気」

P「そっか。もし寒かったらそのタオルケット使っていいから」

凛「平気だって。使わないし、絶対」

P「それでなんだっけ? タオルケットだったか? 置いておかないと、もし寒いって時があったらなぁー」

凛「じゃあ一枚でいいよ、みんなで共通のやつ」

P「そうだな。今度暇な時間に買ってくるよ」

凛「私、買ってきてあげようか?」

P「本当か? なら頼むよ。お金は渡すからさ」

凛「うん。ちなみに……このタオルケット、それぞれ誰の?」

P「えーっとー、んー……ポンデライオンのやつあるだろ」

凛「うん」

P「それ法子」

凛「法子、ね……」

P「白色のモコモコしたやつが、安部さん」

凛「あぁ、さんじゅうななさいね……」

P「ん? なんか言ったか?」

凛「何も言ってないから、続き」

P「ハート柄のは美穂の」

凛「……へぇ」

P「あとは……なんだろ? クローバーのやつないか?」

凛「あるよ」

P「それが智恵理のやつだ」

凛「ふーん、法子に菜々さん、美穂、智恵理、ね。分かった……」

凛「あとは……雑誌も溜まってるし」

P「そんなにか? ほっといたらすぐ溜まっちゃうんだな」

凛「旅行雑誌ばっか……なに? プロデューサー旅行いくの?」

P「いやいや。それ俺のじゃなくて……」

凛「はぁ?」

P「えっ」

凛「あ、ううん、何でもないから。続けて」

P「お、おう」

P「楓さん、温泉好きだろ?」

凛「……」

P「それでたまたまその雑誌で、温泉特集がやっててさ」

凛「……」

P「凛、聞いてる?」

凛「聞こえてるから。それで? なに?」

P「あぁ、うん。それで旅館の紹介ページ見ながら、ここ行ってみたいです、そうですよねー、って会話を楓さんと移動中によくやるんだ」

P「そのせいだな。雑誌溜まっちゃったのは」

凛「……」

P「凛?」

凛「なに? プロデューサーと楓さん、旅行いくの?」

P「あー、行きたいですねー、って話はしたかな」

凛「結局行くの? 行かないの?」

P「どうだろ? お互い忙しいしな。ははは」

凛「……」

凛「私もそう、思うかな。今すごく忙しいし、トップアイドルにもなってないのに……誰かと旅行いく暇なんてないよ」

凛「だから楓……いや、旅行いくのはやめといたら?」

P「さずかだな、凛。その上を目指す姿勢」

凛「褒めてもないもないよ」

P「ははは。でも凛は頑張ってるからな。トップアイドルになるのは、そう遠くないさ」

凛「まぁ、頑張るけど……」

P「……」

凛「……」

凛「旅行」

P「ん?」

凛「旅行。トップアイドルに誰かがなったら、記念に行ってみたら?」

P「おー、なるほどな。うん、そうか。苦労を労わないとな」

凛「誰かが、トップアイドルになったらね」

P「あぁ、任せとけ」

凛「……ん」

P「うん? どうした?」

凛「いや、別に。いい匂いするけど、気のせい?」

P「あー、それさ。多分これのせい」

凛「なにそれ?」

P「アロマディフューザー……? だっけか。それの車用」

凛「プロデューサー、アロマとか好きなんだ……意外」

P「いや。これ美嘉が置いたやつ」

凛「……」 ウィーン

P「ん? 暑かったか? 今、こっちの窓も開けるな」 ウィーン

P「いやぁ、俺煙草吸うじゃん?」

凛「あっそう」

P「ははは、冷たいなー。まぁ女の子は煙草の匂い嫌な子多いもんな」

凛「ふーん……」

P「みんなを待ってる時とか、ちょくちょく吸ってたんだよ。車の中で。でさ、美嘉も煙草嫌いらしくて、乗る度にヤニくさいヤニくさいって怒られちゃって」

凛「……」

P「それである日、これ買ってきてさ。これアタシの好きなやつなんだー、って勝手に置いちゃって。そのせいで車の中では煙草吸えなくなっちゃったんだよなー、ははは」

凛「……」

P「でもおかげで、吸う機会も減って禁煙してみようかな、って気にもなるしな。美嘉のおかげだよ」

凛「そう」

P「アロマとかあまり詳しくないけど、こういう匂いって、えーっと、柑橘系? だっけ? いい匂いだよな、最近好きになってきた」

凛「……」

凛「……プロデューサーさんの煙草の匂い、好きだったのに」 ボソッ

P「んー?」

凛「別に」ウィーン

P「お、ならこっちも閉めるぞー」 ウィーン

http://i.imgur.com/U5woK9j.jpg
http://i.imgur.com/dYQYAqf.jpg
http://i.imgur.com/VclJCK0.jpg
渋谷凛(15)

http://i.imgur.com/hDFY4to.jpg
椎名法子(13)

http://i.imgur.com/LVwRt8v.jpg
安部菜々(17?)

http://i.imgur.com/geNgjYl.jpg
小日向美穂(17)

http://i.imgur.com/DmceYkA.jpg
緒方智絵里(16)

http://i.imgur.com/O4Ms8W4.jpg
高垣楓(25)

http://i.imgur.com/T97VmcP.jpg
城ヶ崎美嘉(17)

凛「……」

P「凛、なんかソワソワしてる?」

凛「気のせいじゃない?」

P「ふーん」

凛「……それ、センスいいじゃん」

P「これ? あー、これなー。前にぶら下げてるせいで、たまに見にくいんだけどな」

凛「そのキャラのキーホルダー、今けっこう流行ってるよ」

P「へー、俺にはさっぱり分からんな」

凛「分からないのに、ぶら下げてるの?」 クスッ

P「だって加蓮が飾ったやつだし」

凛「は?」

P「一週間くらい前か? 加蓮の撮影が早めに終わった時があって、時間できたからどこか遊びにいくかー、ってことになって」

P「それでゲーセン行ったんだ。んで、これ取った」

凛「へぇ……」

P「ほら、赤と青ので2個あるだろ? それで、最初はどっちも加蓮にあげたんだけど、こっちはPさんの! ってくれて」

凛「……それがなんで車の中にあるのかな?」

P「それはその日帰りに車に乗った加蓮が、自分のぶら下げて始めてさ」

P「そしたら次にPさんのも貸して、って言われて、こうなった」

凛「……」

P「あっ、そうそう! その時加蓮なんて言ったと思う? 一緒だね、って言って笑ったんだよ!」

P「始めと比べてすっごく素直になっちゃって……。俺なんかもう変な感動して、ウルってきたもん」

P「凛もそう思わないか? 加蓮ってすごく可愛くなったよなぁ?」

凛「……」

P「なー、そう思わないか?」

凛「うるさい。黙って運転して」

P「あれ、うるさかった? ははは、ついテンション上がってな。すまんすまん」

P「あ、そうだそうだ。コンビニ寄るけど、なにか欲しいものあるか?」

凛「……ガム」

P「ガム? 今噛んでるんじゃなかっt」

凛「いいから」

P「あ、はい」

凛「……」

P「……っと。おし、じゃあ少し待っててくれ」

凛「分かった」

P「」 ガチャ テクテク

凛「……」

凛「……」

凛「」 スッ

凛「……」プルルルルル ガチャ

凛「もしもし、加蓮? 今空いてる?」

凛「うん、それでね、明日って加蓮事務所来る? え、来る? あぁ、そう、良かった」

凛「いや、別に。あのさ……少し話したいことあるんだけど。うん、そう」

凛「……違うよ、変なことじゃなくて。うん……えっ? なに? 全然怒ってないけど?」

凛「うん、ふつーだけど? そうだよ。あー……声が冷たい? 電話だからじゃない?」

凛「そんなことどうでもいいからさ。明日話せるよね? え、なに……話せるよね? ね? うん、なら待ってるから」

凛「それじゃあ明日ね。待ってるから。うん、ばいばい」

凛「……来い」 ガチャ ツーツー

ーーー
ーー



P「おーっす、待たせたな」

凛「待ったよ」

P「悪い悪い……って、あれ、助手席に移動したのか?」

凛「ダメだった?」

P「構わないけど、みんなの私物なかった?」

凛「後ろにまとめておいた」

P「ふーん、ならいいか。じゃ、いくぞー」

凛「プロデューサー」

P「なんだ?」

凛「これ、少し邪魔だから取っていい?」

P「あー、気になる? でも加蓮がさ」

凛「加蓮には私から言っておくから、大丈夫」

P「なら、いいのかな? うーん……」

凛「それにもう取ったし」

P「あーあー。加蓮にしっかり言っておいてくれよ?」

凛「うん、『しっかり』言っておくよ」

P「あぁ、加蓮といえばさ。今加蓮から電話かかってきて」

凛「……」

P「よく分からないけど、なんかすごい怯えてたような様子だったんだよ」

凛「へぇ……それは心配だね」

P「だろ? 凛さ、なにか知らないか? 加蓮に大変なことが起こってたりとか」

凛「んー、私には分からないなぁ」

P「そうか……」

凛「原因があるとしたら、自業自得かもね」

P「加蓮なにかやらかしたのか?」

凛「さぁね?」

P「はい、到着」

凛「ん」

P「なら車駐めてくるから……」

凛「いや、少しここで待ってて」

P「え? おう、分かった」

凛「ついでにみんなの私物事務所に持っていくよ」 ゴッソリ

凛「じゃあ、待ってて」

凛「」 テクテク

P「あんなにたくさんあったんだな……」

凛「」 ガチャ パタンッ

凛「お待たせ」

P「どうした? どこか行くところでもあったか?」

凛「ううん、やっぱりこのまま家まで送ってよ」

P「あぁ、大丈夫だよ。ならいくぞ」

凛「……」

凛「ねぇ」

P「どうした?」

凛「プロデューサー、禁煙、するらしいじゃん?」

P「あぁ、かもな、って話だけど」

凛「それで、他のもので口紛らわすと、禁煙になるってよく聞くよね」

P「おー、あるある」

凛「だから、はい」

P「ん、なに? ……ってガム?」

凛「私からガムあげるよ」

P「これさっき俺買ったやt」

凛「文句ある?」

P「まったく」

凛「プロデューサーのために、仕方なく私のガムをあげる」

P「うわー、ありがとうー」

凛「そういうことだから」

P「うん?」

凛「肌身離さず、私の私物を持っててね? プロデューサー」 ニコッ





ー終ー

http://i.imgur.com/XEXT3hf.jpg

しぶりんはもっとクールな方がいいと思うんですよ。あとモバマスssのMVPは画像貼ってくれる人だと思います。では

>>47
北条加蓮(16)

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