渋谷凛「何してるの?」 (50)

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――――


前川みく「よしよしハナコチャン、今日もいい天気だにゃ~」ナデナデ


ワンッワンッ


渋谷凛「何してるの、みく?」


みく「おおっ、凛チャン!おっはにゃあ☆」


凛「うん。おはよう、みく。それで、何してるの?」


みく「ハナコチャンと遊んでるんだにゃ!」


凛「見たら分かるよ。どうしたの?」


みく「いやぁ~、今日はお気に入りの猫カフェに行こうと思ったんだけどね?」


みく「なんと!今日はお休みだったのにゃぁ……」


みく「それで、凛チャンの家に遊びに来たのにゃ!はぁ~、ハナコチャンは癒されるにゃぁ~」ギュッ


凛「そうだったんだ」


凛「じゃあ、これ持って」


みく「ん?リード、かにゃ?」


凛「うん。今から行こうと思ってたけど……ハナコの散歩、みくに任せるよ」


みく「にゃにゃぁ~っ!?」


凛「ほら、私も行くから。ね?」


みく「うにゃぁ~……みくは猫派なのに……」


凛「ハナコは特別なの?」


みく「もちろん!こんなに懐いてくれるのはハナコチャンだけにゃあ!」


凛「ならなおさらだよ。ほら、犬の散歩なんて初めてでしょ?」


みく「そ、それは……そうだけど」


凛「はい、決まり。ほらほら」


みく「にゃぁ~っ!今日の凛チャンはゴーインにゃあ~!!」


凛「なら、ハナコに聞こっか」


凛「ねぇハナコ、今日は私とみく、どっちがいいの?」


ワンッワンッ


凛「ほら、ハナコもみくがいいって言ってるよ?」


みく「にゃ、にゃんと……!」


凛「猫カフェに行こうとしてたんだし、この後暇でしょ?」


みく「うぅ……わ、わかったにゃ!ハナコチャン、一緒に行くにゃ!」


ワンッワンッ


みく「にゃぁっ?!は、ハナコチャン!早すぎるにゃあ!!」グイグイッ


凛「ふふっ……待ってよハナコ」


みく「凛チャンっ、みくのことも心配してにゃあ~っ!!」


――――


高垣楓「あっ……上手くできました……♪」


ガチャッ


凛「おはようございます」


凛「……何してるの、楓さん?」


楓「あら、凛ちゃんおはよう。お茶でもいかがですか?」


凛「うん、ありがとう……あ、茶柱だ」


楓「やっと茶柱、出たんですよ」


凛「そうなんだ……よかったの?」


楓「?」


凛「せっかくの茶柱なのに」


楓「いいんですよ。気にしないでください」


楓「せっかくの茶柱だから、です」


楓「だって、めったに出ることがないんだから、茶柱が立ったら幸せでしょう?」


楓「ですから、幸せのおすそ分けです」


凛「……そっか。ありがとう、楓さん」


楓「それでなんですけど、凛ちゃん。今とーっても喉が渇いてたりしませんか?」


凛「?」


楓「茶柱を立てるのに夢中になりすぎちゃいまして……ほら」


凛「わっ、こんなにお茶淹れてたの?」


楓「はい、やり過ぎちゃいました。私ってば、おっちょこちょいですね……ふふっ」


楓「でも大変だったんですよ?私左利きですから、急須が逆になっちゃいますし」


凛「そうだね……って、どうするの、このお茶?」


楓「……事務所に来たみんなに配っちゃいましょうか」


楓「あ、茶柱のお茶はみんなには内緒ですよ?凛ちゃんだけ、特別です」


凛「うん……じゃあ、いただきます」



凛「なんだか、ほっとするね」


楓「暖かいお茶ですから、ホットしますよ……ふふふ」


凛「……ふふっ」クスッ


楓「あっ、今の凛ちゃんとっても可愛かったです!もう一回、もう一回!」


凛「……嫌です」フイッ


楓「むー……」


――――


多田李衣菜「♪~♪~~」ブンブン


ガチャッ


凛「お疲れ様……」


凛「何してるの、李衣菜?」


李衣菜「おおっ、凛ちゃんいいところに!」


李衣菜「この曲すっごく格好いいんだけど……ほら、凛ちゃんも聞いてみてよ!」


凛「うん、ヘッドホン借りるね」




凛「へぇ……凄く格好いいね。なんてアーティストなの?」


李衣菜「……えっと、なんだっけ……」


李衣菜「あ、忘れた訳じゃないよ?ちょっと思い出せないだけ……」


凛「それって、忘れてない?」


凛「曲のデータから、アーティストの名前見れなかったっけ?」


李衣菜「はっ!そうだったね。えーっと……そうそう、これだよ」ポチポチ


凛「あ、このアーティスト聞いたことある。確かCMの曲とかやってたはず」


李衣菜「でしょ?私もそれで知ったから、いくつかストアからダウンロードしてみたんだ!」


凛「へぇー……いいね、このギターソロが好きだな」


李衣菜「うんうん、分かってるね凛ちゃん!」


凛「……そういえば、李衣菜はギター、弾けるようになったの?」


李衣菜「へっ?あ、うん、弾けるように、なったよ?」ポリポリ


凛「そうなんだ。私もベース、最近練習しててさ」


李衣菜「それって、CDデビューの時の?」


凛「うん。あの時は持ってるだけだったけど、ちょっとずつ練習してるんだ」


凛「元々楽器にも興味があったし、弾けたら格好いいなって思ってさ」


李衣菜「そ、そうだねー……」


凛「いつかライブでセッションとかもあるかなって思ったんだけど……今度プロデューサーに聞いてみよっか」


凛「あ、こんな時間だ。またね、李衣菜」


李衣菜「うん。またね、凛ちゃん」




バタンッ


李衣菜「……あれ、一人で練習してるの、誰も知らないはず……だよね?」


李衣菜「なつきちにも秘密にしてたんだけど……うーん、凛ちゃんは鋭いなぁ」


李衣菜「……負けてられないね、帰ったらまた練習しようっと!」


――――


パシャッ


高森藍子「……♪」


凛「何してるの、藍子?」


藍子「あ、凛ちゃん!一枚撮ってもいいですか?」


凛「う、うん……いいけど」


藍子「では……はい、チーズ♪」


パシャッ


凛「えっと、それで……何してるの?」


藍子「これですか?事務所の写真を撮ってるんです!」


藍子「見慣れた風景ですけど、今日の事務所は今日しか撮れませんからね」


凛「そんなに、すぐ変わっちゃうの?」


藍子「みんなが持ってきたものが置いてあったり、机が整理されてたりしてるんですよ」


藍子「だからいつ撮っても、同じ写真はないんです」


凛「あ、確かに……みんな、何でもかんでも持ってくるもんね」


凛「ねえ藍子、事務所の写真見てもいい?」


藍子「もちろんです♪はい、どうぞっ!」


凛「へぇ……アルバムにまとめてるんだね」


藍子「ええ、見たいって思った時に、すぐに見れますから」


藍子「それに……データで見るよりも温かみがあるような気がしませんか?」


凛「……うん。なんだか、分かるかも」


凛「へぇ……いっぱい撮ってるんだね」ペラッ


藍子「あ、凛ちゃんが写ってる写真もありますよ?確かこの辺りに……ありました」ペラッ


凛「えっ……い、いつ撮ったの、これ?」


藍子「私が事務所に来てすぐかな……ふふっ、凛ちゃんはまだ表情が固いですね」


凛「そ、そうかな?」


藍子「だって、最近の凛ちゃんはもっといい笑顔してますよ?」


藍子「昔はちょっとだけ、怖い人かなって思いましたけど……ほら、さっきの写真見てください」


藍子「ねっ?」


凛「うぅ……は、恥ずかしいからやめてよ」


藍子「それだけ、凛ちゃんも変わったんですよ」


――――


神崎蘭子「ククク……これぞ我が力を開放せし呪具か……!」


凛「何してるの、蘭子?」


蘭子「む、蒼き歌姫か!フッ……魂の共鳴を感じる……」


凛「え、どうしたの?」


蘭子「我を生みせし火の国より捧げられた、禁断の呪具よ!」


凛「へぇ、格好いいアクセサリーだね。蘭子のお母さんから?」


蘭子「如何にも!然れば我が友、歌姫にも力を授けん!」


凛「貰っていいの?」


蘭子「これほどの呪具、我が手中に持て余すは愚策よ」


蘭子「我が手には、この漆黒の十字さえあれば良し」


凛「うん、やっぱり蘭子には黒が似合うよ」


凛「でも、こんなにいっぱい……あ、これとか私に似合いそうかな」


蘭子「ククク……それは其方が手にすると、火の国からの文に予言されていたわ」


凛「もしかして、蘭子のお母さんがこれを選んでくれたの?」


蘭子「母なる大地の予言は絶対なり」


凛「そうなんだ……これは卯月に似合いそう。こっちは未央かな?」


蘭子「ほう……流石は歌姫ね」


凛「蘭子のお母さん、私達の事も見てくれてるんだね」


蘭子「……最近、家に帰っても凛ちゃんや他のみんなのことばっかりで、ちょっと淋しいですけどね」


凛「……そんなことないよ。ちゃんと蘭子のこと、見ててくれてるんじゃない?」


凛「多分、蘭子がみんなと仲良くしてるのが嬉しいんじゃないかな」


凛「お母さんからの手紙、持ってる?」


蘭子「……よ、予言はどこに……あ、あった」


凛「ごめんね蘭子、ちょっと見せて」


凛「えっと……ほら、これ。『我が魔王にも心開けし戦友が増え、我が心は獄炎の都が如く脈動するばかり』って」


蘭子「……そこまで、読んでなかった」


凛「今度、蘭子のお母さんに伝えてあげて。みんな蘭子と仲良しだってさ」


蘭子「うぅ……凛ちゃぁん……!!」


凛「あー、ほら、泣かないの」


蘭子「な、泣いてないですよ!」


凛「はいはい、落ち着いた?」


蘭子「大丈夫ですってば!」


――――


アナスタシア「カクダート ザブノー……えっと、むかしむかし、あるところに……?」


凛「何してるの、アーニャ?」


アーニャ「あ、リン。お疲れさま、です」


凛「うん、お疲れ様。それは絵本?」


アーニャ「はい。プロデューサーが日本語の練習に、って」


凛「えっと……流石に絵本は酷いんじゃないかな……?」


アーニャ「あ、違いますよ?文字はちゃんと、読めます」


アーニャ「今度、ビブリオチェーカ……えっと、図書館で、読み聞かせするそうです」


凛「ああ、そうなんだ」


アーニャ「本を読んで聞いてもらうのもいい、って言われました」


凛「うん、確かにそうかも」


アーニャ「でも……あまり自信、ないです」


凛「そうかな?アーニャは日本語、上手だと思うけど」


アーニャ「日本語、文字は読めます。でも、ロシア語の発音、先に来ます」


アーニャ「だから、全部日本語で読むの、難しいです……」


凛「そうなんだ……」


アーニャ「だから、プラークティカ。練習です」


凛「偉いね、アーニャ」


アーニャ「そうだ、リン。聞いてください」


凛「私が?」


アーニャ「ダー。これも練習、です」


アーニャ「ゾールシュカ……あ、シンデレラ、です」


凛(最初から不安だなぁ……)


アーニャ「むかしむかし、あるところに……可愛くて、優しい女の子、いました」


アーニャ「でも……女の子のお母さんとお姉さん、ニェドープリィ……えっと、意地悪?でした」


アーニャ「ある日、お城の王子様から、ターニェツ……えっと、ダンス……?あの、リン、これは」


凛「それは舞踏会だよ……アーニャ、ちょっと貸して?」




凛「……シンデレラは王子様と結婚して、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし……って、なんで私が」


アーニャ「ハラショー……リン、さすがです……!!」


凛「……ま、いっか。アーニャ、これで大丈夫?」


アーニャ「ダー。リンのおかげで、分かりました。読み聞かせ、頑張りますね」


アーニャ「……スパシーバ、リン」


――――


本田未央「むっ……!」ジーッ


未央「むむむっ……!!」ジーッ


凛「……何してるの、未央?」


未央「おおっ、しぶりんいいところに!」


未央「この二つの服さ、どっちがいいと思う?」


凛「えっと……とりあえずお店入ろうよ。ウィンドウだけ見て悩むよりいいと思うんだけど」




未央「で、しぶりんはどっちがいい?」


凛「どっちがいいって……うーん」


凛(未央が着る服だよね?だったらこっちかな)


凛「こっちの明るいオレンジとかいいんじゃない?」


未央「ええっ、しぶりんはそっち!?」


未央「ふむー……でも案外似合うかもねっ」


凛「えっ?」


未央「えっ、どしたのしぶりん?」


凛「待って待って、未央が着る服じゃないの?」


未央「いやいや、しぶりんが着る服……あっ!」




未央「……誰のとかは置いといて、とにかくしぶりんの好みを聞きたいなーって」ピュー


凛「未央、口笛吹けてないよ……」


未央「い、いやー……ばれちゃったか。ごめんしまむー」


凛「卯月もなの?ねえ、どういうこと?」


未央「あ、あはは……これはね、ホワイトデーのお返しなんだ」


凛「お返しって……そんな高いの、貰えないよ。大したものもあげてないのに」


未央「ううん、しぶりんに貰ってほしいんだ」


未央「……しぶりんがいなかったら、さ。ニュージェネレーションもなかったのかなって」


凛「そう、かな」


未央「うん。だってさ、私達の中だったらいつも、しぶりんが最初に走ってったじゃない」


未央「だから、私やしまむーも、頑張ってしぶりんを追い越そう!って、頑張れたのかもなーってさ」


未央「……だから、私やしまむーからのプレゼントってことで!しぶりんお願い!」


凛「そっか。わかった」


未央「……っ!やったっ!」


未央「じゃあ、こっちの明るいオレンジかなー」


凛「えっ、そ、それにするの!?」


未央「えー?だって、しぶりんが選んだんじゃん!」


――――


北条加蓮「♪~~」


凛「……何してるの、加蓮?」


加蓮「んー?次の髪型はどうしようかなーって思ってさ」


凛「……自分ので試してよ」


加蓮「まあまあ、それより見てよこれ。ツインテール凛ちゃん!」バァーン


凛「ねぇ、恥ずかしいんだけど」


加蓮「とりあえず写メってPさんに送ろっか」


凛「ちょ、なんでプロデューサーに送るの!?」


加蓮「いいからいいから。はいチーズ」カシャッ


凛「加蓮!お、怒るよ!!」


凛「……で、なんでまだいじってるの?」


加蓮「次は何が似合うかなーって」


凛「それ、最初の目的忘れてない?」


加蓮「ううん、忘れてないよ?」


凛「次の髪型はどうしようって……あ、まさか」


加蓮「そう!次の凛の髪型、どうしようかなって!」


凛「……はぁ」


加蓮「せっかく凛はこんなにいい髪してるんだから、もっと色々やってみようよ」


凛「私は別に……このままでいいと思うんだけど」


加蓮「だからほら、こうやって結んでみたりしようよ」


加蓮「Pさん喜ぶかもよ?」


凛「ぷ、プロデューサーは関係ないでしょ!」


凛「……そういえば加蓮、最近ずっと同じ髪型だよね?プロデューサーに何か言われたの?」


加蓮「えっ!?そ、そんなことないよ?」


凛「ほら、加蓮だって」


加蓮「あ……」


凛「……ふふっ」クスッ


加蓮「あははっ」クスクス


凛「今度、奈緒と三人で同じ髪型にしてみよっか」


加蓮「それいいね、面白そう」


――――


神谷奈緒「ああっ、ついに最終巻……!!」ガタッ


凛「何してるの、奈緒?」


奈緒「あ、凛!見ろよこれ!」


凛「それ、この前奈緒が貸してくれた漫画?」


奈緒「そうそう!ついに最終巻出たんだよ!あー、待ち遠しかった……!」


凛「へぇー……」


奈緒「あれ、凛はどこまで読んだんだ?」


凛「まだ三巻までかな」


奈緒「なんだよー……早く読んでよ、ネタバレできないじゃん」


凛「いいでしょ、読むの遅いんだし」


奈緒「ほら、もっと読んで読んで!」


凛「もう……どうしたの、奈緒?」


奈緒「だってさ……周りじゃ誰も知らない漫画だったから」


奈緒「ほら、みんなにももっと知ってほしいなって……」


凛「誰も知らないの?」


奈緒「うん。比奈さんあたり知ってるかと思ったら、誰も知らないってさ」


奈緒「だから凛に貸したんだけど」


凛「……えっ?」


奈緒「うん。凛が最初」


凛「そうなんだ……なんで私なの?」


奈緒「んー……だって、凛ってあんまり漫画とか読まないだろ?」


凛「確かにそうだね」


奈緒「だから、かな」


奈緒「凛って、あんまりアニメとかも見ないだろ?」


凛「うん。よく見るのは歌番組とかだし」


奈緒「あんまりそういう雑誌とかも読まないみたいだからさ」


奈緒「だから、みんなと話すきっかけになったらなって思ったんだけど……」


凛「……その割には、誰も知らない漫画を推すんだね」


奈緒「い、いいだろ!?あたしのお気に入りの漫画なんだし……」


凛「メイドさんがご主人様のために戦ってる漫画が?」ニヤニヤ


奈緒「や、やめろってば!もう、凛!!」


凛「……ありがとね、奈緒」


奈緒「お、おう……あ、凛知ってる?これ、カバーを外すとさ」


凛「……あっ、ここにも漫画描いてあるんだ……ふふっ、面白いね」


――――


島村卯月「これでよし、ですっ!準備完了!」


凛「何してるの、卯月?」


卯月「あ、凛ちゃん!何って、見ての通りお掃除だよ!」


凛「……確かに、ちょっと物で溢れかえってきたもんね」


卯月「だから、今日という今日は綺麗にしないと!」


凛「うん。私も手伝うよ」




卯月「……でも、不思議だよね」


凛「何が?」


卯月「こうして見てると、同じ風景の事務所って、ないんだなーって」


凛「……それ、前に藍子も言ってた」


卯月「藍子ちゃんもですか?」


卯月「いつも誰かが何か持ってきますし、プロデューサーさんはすぐ散らかしますから」


凛「うん……ほら、すぐ書類で机埋め尽くしちゃうもんね」


卯月「だから、今日は凛ちゃんと一緒にお掃除だよっ!」




凛「これで、かなり綺麗になったんじゃない?」


卯月「そうだね……あとはプロデューサーさんの机かな」


凛「……でも、書類は流石に触っちゃ駄目だよね」


卯月「うん……じゃあちょっとだけ片付けちゃおう」


凛「……触っちゃ駄目って言ったよね?下手に弄ったらプロデューサー怒るんじゃない?」


卯月「大丈夫、絶対大丈夫だよ!」


凛「……もう、卯月ったら」


卯月「えっと、こうやって……あ」


凛「どうしたの、卯月?」


卯月「ほら、この写真」


凛「……これ、事務所に入った時の私達だよね」


卯月「私に凛ちゃんに未央ちゃん、プロデューサーさん……うん、あの時の写真だよ」


凛「懐かしいな……あの頃は本当に、事務所も殺風景だったよね」


卯月「うん。あの頃から見たら、事務所も変わったのかもしれないけど」


卯月「こうして変わらないものも、あるのかなって思うんだ」


凛「……そうだね」


凛「ねえ、卯月。私と卯月と未央、ニュージェネレーションはずっと、何があっても一緒だよ」


卯月「ふふっ、どうしたの凛ちゃん?」


卯月「……うん。ずっと友達で、ライバルで……仲間だからね」


――――


凛「……何してるの、プロデューサー?」


P「ん、なんだ凛か。休憩中だよ、座ってばっかじゃ疲れるからな」


凛「お仕事終わりそう?」


P「まだ全然。どうする?先に帰るか?」


凛「ううん、終わるの待つよ」


P「そうか。しばらく掛かるし、のんびり待っててくれ」


凛「わかった」




凛「プロデューサー、コーヒー淹れたけど飲む?」


P「おお、助かる。ありがとな」


凛「ううん、いいよ。お仕事頑張ってね」


P「よし、やっと終わった……!」


凛「本当?お疲れ様、プロデューサー」


P「ごめんな、残業に付き合わせて」


凛「いいよ、私が言い出したんだし」


P「……そうか」




凛「ねえ、プロデューサー。あの時の写真、大事に飾ってるんだね」


P「ん?あの時?」


凛「アイドルが私達しかいなかった時の写真」


P「ああ、あれか」


P「なんて言うか……記念だからな。あれからこの事務所が始まったんだし」


凛「プロデューサーはさ、私がその頃から変わったように見える?」


P「ん……難しいな。変わっているし、変わっていないところもある」


凛「……そっか」


P「みんな、成長したんじゃないか?でも、あの頃のままずっと、前に向かって走っているからな」


P「……凛が一番成長したのは、みんなにいじってもらえるようになったところじゃないか?」


凛「えっ、ちょっと……どういうこと、プロデューサー?」


P「みんな、大したことなくても凛に話しかけたり絡んでいったりするだろ」


P「最初は皆、怖がってたらしいからな。そういうことをすると凛に避けられるんじゃないかって」


凛「……そうだったんだ」


P「仕方ないさ。でも、うちの事務所は凛に負けず劣らず個性的な子ばかりだったからな」


凛「うん。最初は私もびっくりしたよ」


P「その中でも輝いていられるんだから、凛は今のままでいいんじゃないか?」


凛「……そっか」


P「凛は凛のままでいい、それだけだろ」


凛「うん。ずっと、私は私のまま……どこにだって、走り出すだけだもんね」


凛「ありがと、プロデューサー」


P「そうか。それじゃ、送ってくから帰る準備……」


凛「あのさ、プロデューサー。今日は遅くなるから晩ご飯いらないって、お母さんに伝えてきてるんだ」


P「おいおい……どこがいいんだ?」


凛「どこでもいいよ。どこでもいいからさ」


凛「早く私を連れ出してほしいな……なんてね」


以上で終わりです

ありがうございました

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