ロイド「……実はそれアイスコーヒーなんだ」
コレット「え……。あ、ホントだね。冷たいモンね。ウッカリしてたよ」
ロイド「嘘。本当はホットコーヒーなんだ」
コレット「え……」
ロイド「コレット!!やっぱり感覚が!!」
コレット「そんなことないよ!!だいじょぶだいじょぶ!!」
ロイド「そんなわけあるかよ!!」
コレット「これ、アイスコーヒーだよ!!だってほら、頭からかぶれるもん!!」ジャバー
ロイド「……」
コレット「ほら、熱くないよ!!これ、アイスコーヒーだもんっ!!大丈夫だよ、ロイド!!」
ロイド「全然大丈夫じゃないだろ、コレット!!それはホットコーヒーだぞ!?」
コレット「冷えたの!!そう!!今日、寒いからコーヒーが瞬間冷凍しちゃっただけだよ!!」
ロイド「……分かった。ちょっとまっててくれ」
コレット「うん、ロイドがそう言うなら」
ロイド「―――お待たせ。新しいコーヒー、淹れてきた」
コレット「わーい、ありがとう、ロイド」
ロイド「……熱いか?」
コレット「……つ、つめたいよ?」
ロイド「そうか。なんだ、やっぱり分かってるんだな」
コレット「も、勿論だよ!!ロイドったら!!」
ロイド「……ホットなんだけどな」
コレット「……あつっ!!あちち!!これ、マグカップも持ってられないくらい熱いね!!ロイド!!ふーふーしなきゃね!ふー……ふー……えへへ」
ロイド「コレット……」
コレット「私、猫舌だから、まだ飲めないや!!」
ロイド「……」
ジーニアス「ロイドー、さっきのアイスコーヒーだけど、丁度良かった?」
コレット「え……?」
ロイド「コレット。もういいって。全部分かってるから」
コレット「な、なにが?私はどこもおかしくないよ!!ホントだよ!?」
ロイド「……なら、今の気温知ってるか?」
コレット「気温?えっと……21度ぐらい?」
ロイド「……35度だ」
コレット「えぇ!?―――あ、いや、そっかそっか。どうりで熱いとおもったー。脱がなきゃね」ヌギヌギ
ジーニアス「わー!!コレット!!こんなところでぬいじゃだめだって!!」
コレット「でも、汗ばむから脱がないとっ」
ロイド「……ホントは10度もないんだ」
コレット「……そっか、さむいねー。ぶるるっ。へっきゅしゅん!えへへ、くしゃみも出るほどだね、ロイドー」
ジーニアス「コレット……どうしちゃったのさ?」
コレット「え?だって、寒いから毛布にくるまらないと。くるくるー♪」
ジーニアス「今、20度くらいで適温だよ?そんなことしたら暑いでしょ」
コレット「……」
ロイド「コレット……」
コレット「くるくるー……てるてるぼうすっ」
ロイド「隠すなって。もう全部分かってるから」
コレット「私、どこもおかしくないよ、ホントに。だいじょぶ」
ロイド「手、貸してみろ」
コレット「こう?」
ロイド「……」ギュッ
コレット「あ……ロイドの温もりが手から伝わってくるよ。嬉しい……」
ロイド「今、全力で握りしめてるけど、痛くないか?」ギュゥゥゥ
コレット「わ、わたし、これでも鍛えてるからっ!!いたくないもん!!」
ロイド「そっか……」
ジーニアス「ロイドのそれ、結構痛いと思うけどなぁ」
コレット「えー?ぜんぜんだよー?へーき、へーき」
ロイド「……」
コレット「寧ろ、ロイドの力強さが伝わってきて私は幸せだよ?」
ロイド「もう、握ってないけど」
コレット「お……」
ロイド「コレット!!」
コレット「違うよ、ロイド!!私はロイドの体温なら触れてなくても感じるから、もうバカになちゃってて!!」
ロイド「……」
ジーニアス「コレット、そうなの?」
コレット「うんっ。もうどこにロイドがいるかわかっちゃうの」
ジーニアス「そんな特殊能力、いつ身についたのさ?」
コレット「うーんと、ロイドと出会ってからからな?よく覚えてないや、えへへ」
ジーニアス「コレットもロイドのこと好きだなー」
コレット「うんっ」
ロイド「……」サワサワ
コレット「ロイドを一目見たときから、血湧き肉躍る感じだったよー」
ジーニアス「へえ……って、ロイド!!なにやってるの?!」
コレット「え?」
ロイド「今、お尻ずっと触ってたけど、何も感じなかっただろ?」
コレット「きゃあ!!ロイド、エッチ!!でも、お尻触るの上手だね!!気付かなかった!!!」
ロイド「……」
ジーニアス「ロイド!!スケベ大王じゃあるまいし!!」
ロイド「ごめん、コレット……」
コレット「う、ううん……いいんだけど……」
ロイド「本当に大丈夫なんだな?」
コレット「私はげんきだよ!ほら、げんきっげんきっ!!えい、えい、おー!!」
ロイド「そうか……。悪いな、コレット。変なことして」
コレット「ロイドだったらいいのいいの!!」
ロイド「そうだ、コレット。久しぶりに競争でもしないか?」
コレット「うん!!するする!!」
ジーニアス「ロイド、競争って……」
ロイド「ここからあの木まで走るぞ」
コレット「よーし、まけないぞー」パタパタ
ロイド「羽は禁止な」
コレット「あ、ごめんごめん。これ、癖になってて」
ロイド「よし。いくぞ。よーい、ドン!!」
コレット「えーい!!」ダダダダッ
コレット「きゃぁ?!」ドタッ
コレット「失敗しちゃった。えへへ」
ロイド「コレット、足が変な方向に曲がってるぞ?」
コレット「え?!―――うぅー!!いたたた!!骨折しちゃった!!リフィル先生よんできて!!いたい、いたいよー!!粉砕骨折してるかも!!」ジタバタ
ジーニアス「曲がってないでしょ、なにいってるのさ」
コレット「あ、ほんとだ」
ロイド「……」
コレット「……」
ロイド「やっぱり、戦闘でもおかしいと思ってたんだ。日に日に大げさに痛がるようになってたし」
コレット「お、折れてるよ!!―――えーい!!」グググッ
ジーニアス「コレット!!!何自分で折ろうとしてるのさ?!」
コレット「おれてるから……わたし……足、折れたから……!」ググッ
ジーニアス「そんなわけないでしょ?!しっかりしって、コレット!!」
コレット「ジーニアス……」
ロイド「どうして言ってくれなかった?」
コレット「……だって……ホントに骨折してるし、ホットかアイスかの区別もつくし、暑ければちゃんと脱げるし……」
ロイド「コレット……」
コレット「……ロイドぉ……ごめんね……」
ロイド「ほら、膝、怪我してる」
コレット「ホントだ。ゴメンね」
ロイド「いいから。グミ、食べるか?」
コレット「ありがとう」パクッ
ロイド「……」
コレット「痛くなくなった!」
ロイド「それ、ただの芋だけどな」
コレット「芋グミだよね」
ロイド「……辛くなったらいってくれよ?」
コレット「うん」
ジーニアス「コレット、本当に大丈夫?ちょっと様子が変だけど」
コレット「どこが?いつも通りの私だよ?」
ジーニアス「そういわれたら、そうなんだけどさ」
コレット「さ、もうねよ。ふわー、ねむたいね、ロイド」
ロイド「そうだな」
コレット「……」ギンギン
コレット「うーん……」ゴロンッ
コレット(やっぱり、眠くならないなぁ……)
コレット「よっと……。見張りでもしよっと」
ロイド「……コレット、どうしたんだ?」
コレット「あ、ロイド。見張り役、かわるよ」
ロイド「今、クラトスと交代したばかりだからいいよ」
コレット「なら、私も見張りするね」
ロイド「寝たほうがいいぞ」
コレット「今はロイドと見張りがしたいなーって」
ロイド「……眠たくならないのか」
コレット「……ううん。今だけ。きっと、あと2分ぐらいで瞼が重くなると思うよ」
ロイド「なら、いいんだ」
コレット「うん。あ!いま、眠気がきたかも!!」
ロイド「……」
コレット「でね、そこで先生がね」
ロイド「もう30分だな」
コレット「え……」
ロイド「眠たくないのか?」
コレット「じ、じつはとっても眠たくて……」
ロイド「なら、もう寝たほうが……」
コレット「ぐぅー……ろいどぉ……もうたべられないよぉ……むにゃむにゃ……」
ロイド「……」
コレット「すぅ……すぅ……」
ロイド「コレット……寝たのか?」
コレット「……うん」
ロイド「そうか……」サワサワ
コレット「もうたべられないよぉ……ふふ……すぅ……すぅ……」チラッ
コレット(ロイドが私のふとももを触ってる……!!)
ロイド「……」サワサワ
コレット(これは私が寝ているかどうか確認すると同時に感覚の有無を見てる……きっとそう……)
コレット(どうしよう……。起きたら寝てないことバレちゃうし……起きなかったら感覚がなくなってることがバレちゃうし……)
ロイド「……」サワサワ
コレット(でも、こんなことロイドにされて嬉しいけど、させちゃいけないって先生やクラトスさんにも言われてるし……)
コレット(さりげなく……さりげなく……姿勢をかえて……)
コレット「うぅーん」ススッ
ロイド「……」サワサワ
コレット(やめてくれない!?どうしよう……私、されるがまま……?)
ロイド「……コレット、寝てるのか?」
コレット「うぅ……ん……」
ロイド「……」サワサワ
コレット「……」チラッ
コレット(今度はお腹さすってる……!!もう、おきたほうがいいかなぁ……。でも、これぐらいで起きたら変かなぁ……?)
コレット(基準がわかんないよぉー……!!)
ロイド「……」モミモミ
コレット(うーん……お腹ってでも、そこまで敏感なところじゃないよね。胸とか足とかよりは全然)
コレット(と、いうことは、今起きるのは不自然。うんっ。それで決まり)
ロイド「……」コチョコチョ
コレット(でも、足、お腹でしょ……。どんどん上がってきたら……次は胸……)
ロイド「……」チュッ
コレット(それは流石にダメだよね。うん。結婚とかしてないもん。そういうことは結婚してからってクラトスさん、言ってたし!)
ロイド「……」
コレット(今、なにしてるかなぁ……)チラッ
コレット(何もしてない!!えー!!)
ロイド「……」
コレット(ロイド、私のこと嫌いなのかなぁ……)
コレット「はぁ……」
ロイド「コレット?」
コレット「なに?」
ロイド「起きたのか?」
コレット「あ、うん……ちょっと、ねむちゃったね。ごめんね」
ロイド「いや、いいんだけどさ」
コレット「……ね、ねえ、ロイド?」
ロイド「どうした?」
コレット「やっぱり……リフィル先生とかしいなのほうが……よかったりする?」
ロイド「なんの話だ?」
コレット「ほ、ほら、私……ぺったんこだし……」
ロイド「コレットは十分可愛いと思うぞ」
コレット「え?ほ、ほんと?」
ロイド「ああ。コレットは可愛いじゃないか」
コレット「かわいいって……そんな……」モジモジ
ロイド「声も可愛いし、仕草も可愛いよな」サワサワ
コレット「そ、そうかなー?えへへ」
ロイド「うん。可愛いよ」モミモミ
コレット「ロイド―――」
コレット(私……胸……触られてる……)
ロイド「……」
コレット「あの……ロイド?エッチなことは……」
ロイド「コレット……。ずっと、触ってたんだぞ?」
コレット「……」
ロイド「コレットが俺の隣にきてから、ずっと」
コレット「そんなに?!ロイド!!エッチ!!もうダメっ!!」バッ
ロイド「だって、コレットが嫌がらないから……」
コレット「……ロ、ロイドの触り方が上手いから、気持ちよくて言い出せなかっただけ!!」
ロイド「気持ちよかったのか?」
コレット「えっと……多分」
ロイド「そうか……。なら、もうちょっとだけいいよな?」
コレット「そんなに……触りたいの……?」
ロイド「コレットが気持ちいいっていいなら」
コレット「な、なら……」
ロイド「よし」モミモミ
コレット「……」
ロイド「気持ちいいか?」
コレット「う、うんっ。とってもいいよ!!もっとして!!もっともっと!!」
ロイド「よーし!!」
コレット「あーん、ロイドーいいーいいよー」
ロイド「……」
コレット「もっとつよくー」
リフィル「―――コレット、ロイドの隣でなに卑猥な独り言を叫んでいるのかしら?」
コレット「え……あれ!?ロイド?!なんで触ってないの!?」
ロイド「コレット……」
コレット「あ、あの……え……」
リフィル「コレット……。別に貴方達が付き合おうが勝手にしてくれていいけど、風紀ってものを考えてもらわないと困るわ」
コレット「……」
リフィル「ジーニアスだっているんだから」
コレット「ごめんなさい……」
リフィル「で、どうしてそんな独り言を?」
コレット「えっと……妄想に耽っていて……」
リフィル「妄想が口に出るタイプだったの?大変ね、コレット。これからは禁止」
コレット「ごめんなさい」
ロイド「待ってくれ、先生。違うんだ」
リフィル「何が違うの?」
ロイド「俺が頼んだんだ。コレットにああいうことを言ってくれって」
リフィル「そうなの?」
コレット「違う!!私が自発的に言いました!!」
リフィル「もう……貴方達は……」
コレット「ごめんね、ロイド。私の所為で怒られて……」
ロイド「俺の所為だろ。コレットは何も悪くない」
コレット「えへへ、ロイド、優しい。すきっ」
ロイド「それじゃあ、先生。見張り、よろしく」
リフィル「え……私、お手洗いだけ……」
ロイド「コレット、眠れそうか?」
コレット「うん、もう平気だよ、ありがとっ」
ロイド「……なぁ、コレット?」
コレット「なに?」
ロイド「自分だけ背負い込むな。できることなら、何でもするから」モミモミ
コレット「うんっ。ロイドにはなんでも話すね」
ロイド「感覚はあるんだよな?」
コレット「ばっちりだよ。だって……ロイドの温もりが……全身を温めてくれるもん……」ギュゥゥ
ロイド「……」
翌日
ロイド「コレット、これ食べてみてくれないか」
コレット「いいよー、はむっ」
ロイド「……どうだ?」
コレット「うーん……」バリボリ
ロイド「辛いか?」
コレット「甘い……かなぁ……個人的にはなんだけど……」ドキドキ
ロイド「それ、唐辛子なんだけど」
コレット「わ、わたしはほら!!口からファイヤーボールが撃てるから、私にとっては甘いぐらいだよ!!ホントに!!」
ロイド「コレット……なんでも話すって昨日言ってくれたのに……」
コレット「私、生まれつき味覚障害で……」
ロイド「辛味は痛覚が反応するってジーニアスが言ってた」
コレット「……ロイド……」
ロイド「もういい!!コレット!!どうしてなにも言ってくれないんだ!!明らかにおかしいだろ!!!」
コレット「だって……だって……」
ロイド「何も言ってくれないなら、もう何も言わなくていい!!」
コレット「ロイド……ごめん……あの……わたし……ロイドに心配かけたくないから……わたっ――」オロオロ
ロイド「……」プイッ
コレット「……っ」
ロイド「もういいよ。コレットは何も言ってくれないんだな」
コレット「……!!」パクッパクッ
ロイド「俺は悲しいよ……コレット……」
コレット「……!!!!!」パクパクッ
ロイド「……コレット?」
コレット「……!!!」ジタバタ
ロイド「なんだよ。怒ってるのは俺のほうだぞ」
コレット「!!!!」ギュゥゥゥ
ロイド「やめろよ!!もうコレットのことなんて……!!」
コレット「……!!!」ピョンピョン
ロイド「コレット、本当にどうしたんだ?」
コレット「……」
ロイド「また何も言ってくれないんだな」
コレット「……!」フルフル
ロイド「俺、コレットに信用されてなかったんだな。ゴメン」
コレット「……!?」
ロイド「それじゃあ……」
コレット「……!!」ギュゥゥゥ
ロイド「なんだよ?」
コレット「……」
ロイド「ほら、やっぱり何も言ってくれない」
コレット「……」フルフル
ロイド「コレット!!感覚がないんだろ!?眠くもならないんだろ?!」
コレット「……」フルフル
ロイド「嘘はいいって!!」
コレット「……」
ロイド「なら、ほら。これはホットかアイスかわかるか?」
コレット「……」
ロイド「どっちだ?」
コレット「……」ジャバー
ロイド「コレット?!」
コレット「……」ニコニコ
ロイド「それ、ホットだから、熱いだろ」
コレット「……!!」コクコクッ
ロイド「……」
コレット「……」アチチチッ
ロイド「コレット……まさか……声を……?」
コレット「……!!」ブルブル
ロイド「声を失ったのか?」
コレット「……!!」フルフルフルフル
ロイド「なら、なんか言ってくれよ」
コレット「……」キョロキョロ
ロイド「コレット?」
コレット「……」テテテッ
ロイド「おい……何して……」
コレット「……」モゾモゾ
ロイド「……」
コレット「にゃぁー。にゃぁ、にゃぁー。なぁー」
ロイド「コレット。服の中に隠した、猫が鳴いてるだけだろ?」
コレット「……」テテテッ
ロイド「……もうやめろって……コレット……」
コレット「わんっ!!」
ロイド「服に入れた子犬が吠えてるだけだろ?」
コレット「わんっ!!わんっ!!!」フルフル
ロイド「違うって言い張るんだな?」
ロイド「なら、3+4は?」
コレット「……」
ロイド「俺でも分かる問題だぞ?」
コレット「わんっ!!わんっ!!わんわん!!わんっ!!わんっ!!!わんっ!!」
ロイド「……」
コレット「……わふっ」
ロイド「不正解だな」
コレット「……」モゾモゾ
子犬「くぅーん?」
コレット「……」バイバイ
ロイド「コレット、もう諦めろってば……」
コレット「……」パタパタ
ロイド「羽で扇いでも誤魔化せないって」
コレット「……」プイッ
ロイド「拗ねてもダメだ。いい加減、全部正直に話してくれ。頼む!!コレット!!」
コレット「……」
ロイド「え?手を?」
コレット「……」コクッ
ロイド「はい。何するんだ?」
コレット「……」ススッ
ロイド「うわ!!くすぐったい!!」
コレット「……?」
ロイド「わ、悪い……急にされたから……」
コレット「……!」
ロイド「名案でも思いついたか?」
コレット「……」フリフリ
ロイド「コレット……お尻を振って、どうした?」
コレット「……」フリフリフリ
ロイド「なんだ……?」
クラトス「ロイド、何をしている?……コレットに誘惑でもされているのか?」
ロイド「クラトス。いや、急にコレットがお尻をふりはじめて……」
クラトス「なに……」
コレット「……」フリフリフリ
クラトス「……何の踊りだ?」
ロイド「さぁ……」
クラトス「おい、コレット。ロイドの前で可笑しな真似はするな」
コレット「……」フリフリフリフリフリ
クラトス「やめろと言っている!!」
コレット「……!!」
クラトス「どうした?」
コレット「……」フリフリ
クラトス「尻を振るな。はしたない」
コレット「……」シュン
ロイド「コレット……どうしちまったんだよ、本当に……」
コレット「……」フリフリフリ
リフィル「―――そう、天使化が進むにつれてコレットは人間としての機能を失っていたのね」
クラトス「そういうことになるな」
コレット「……」フリフリフリ
ジーニアス「でも、コレットはお尻を振ってるし、案外楽しそうだよね」
ロイド「ああ。そうなんだよなぁ。……コレット、楽しいか?」
コレット「……」フリフリフリ
ロイド「なら、いいんだけど」
リフィル「なら、次は……」
ジーニアス「一周したら全快するんじゃない?」
ロイド「そうかもな!!」
ジーニアス「きっとそうだよ!!ね、コレット!!がんばろっ!!」
コレット「……」フリフリフリ
コリン「ねえ、しいな。あれって、お尻をふってるんじゃなくて、何か文字をかいてるよね?」
しいな「あたしもそう思ってた。……つらい……たび……やめたいよ……って書いてるような気がするね」
コレット「……」フリフリフリ
数日後 テセアラ
ロイド「……ジーニアス?」
ジーニアス「なに?」
ロイド「一周したら元に戻るんじゃなかったのか?」
ジーニアス「そ、それは……」
ロイド「……あれは……どうみて……」
コレット「……」ゲシッ!!ゲシッ!!!
子犬「キャン!!キャン!!」
しいな「こら!!コレット!!子犬は蹴るもんじゃないよ!!」
リフィル「やめなさい!!コレット!!」
コレット「……」バシッ!!!バシッ!!!
子犬「きゅん!!!きゃん!?」
しいな「叩くもんでもないよ!!!」
ロイド「悪化してるじゃないか……あんなの……コレットじゃ……」
ジーニアス「で、でも、きっとコレットの部分もあるよ!!絶対!!」
ロイド「コレット?」
コレット「……」
ロイド「ホットコーヒー、淹れた。熱いから気をつけろよ」
コレット「……」スッ
ロイド「受け取ってくれた……もしかして、本当にジーニアスが言ったとおり、コレットの部分も……」
コレット「……」ジャバー
ロイド「そんな部分は残ってなくていい!!コレット!!目を覚ましてくれよ!!コレットぉ!!」
コレット「……」
ロイド「ホットコーヒーを頭からかぶるなんて、誰がどう見てもおかしいだろう?!なぁ!!」
コレット「……」
ロイド「コレット……俺は……どうしたら……うぅ……」
コレット「……」
ロイド「……はい、ホットコーヒー」
コレット「……」ジャバー
ロイド「ダメか……。コレットがコーヒー塗れになっちまうだけだな……。もうやめよう……」
ジーニアス「あ、ロイド。見てみて、あの子」
ロイド「え?」
プレセア「……」スタスタ
ジーニアス「可愛いと思わない?」
ロイド「ああ、そうだな。確かに」
コレット「……」
ジーニアス「あ、こっちに来るよ」
プレセア「……」スタスタ
ロイド「間近で見ると大人びてて、いいな」
ジーニアス「でしょ?いいよね……かわいいなぁ……」
コレット「……」バッ
プレセア「……?」
コレット「……」ゲシッ!!!ゲシッ!!!
プレセア「痛いです、やめてください」
ロイド「なにやってるんだ!!コレット!!!」
ジーニアス「ご、ごめんね?怪我はない?」
プレセア「はい。損傷は軽微」
ジーニアス「よかった。えっと、僕はジーニアスっていうんだ。き、きみは?」
プレセア「プレセア・コンバティール」
ジーニアス「プレセアかぁ……可愛い名前だね。へへ」
プレセア「……」
ロイド「うん。いい名前だと思う」
プレセア「……」
コレット「……」バシンッ!!!バシンッ!!!!
プレセア「うっ……んっ……うっ……」
ロイド「コレット!!プレセアが困ってるからやめろって!!」
コレット「……」
ロイド「どうしたんだよ、コレット?プレセアの何が気に入らないんだ?」
ジーニアス「あれじゃない?プレセアって子犬みたいな可愛さがあるからぁ……」
プレセア「こいぬ……」
ロイド「なら、プレセアはコレットに近づかせないほうがいいな」
ジーニアス「そうだね」
コレット「……」
プレセア「……」
コレット「……」ジリジリ
プレセア「戦闘準備」
ロイド「そういえば、プレセアにもエクスフェアがあるな。要の紋がないけど」
ジーニアス「そうだね……。ロイド、なんとかしてあげられないかな?」
ロイド「材料があればつくってやれるんだけど」
コレット「……」ブゥン!!!
プレセア「危ないです」サッ
コレット「……」ググッ
プレセア「……」グググッ
ジーニアス「ロイド、また二人が喧嘩しちゃってるよ」
ロイド「コレット、ダメだって何回言えばわかるんだ?」
数日後
ロイド「できたー!!要の紋!!」
ジーニアス「やったぁ!!さっそくプレセアにつけてみようよ!!」
ロイド「そうだな!!!プレセア!!こっちにこい!!」
プレセア「……」テテテッ
ロイド「これ、俺からのプレゼントな」
プレセア「……」
ジーニアス「気分はどう?」
プレセア「……あれ?私は……?」
ロイド「よかったぁー。正気に戻ったみたいだ!!」
ジーニアス「わーい!!プレセア!!よかったね!!ロイドのおかげなんだよ!!」
ロイド「材料はジーニアスが集めてくれたけどな」
プレセア「ロイドさん、ありがとうございます」
ロイド「なーに、いいってことよ。なんつってな!!」
コレット「……」ピキッ
コレット「……」スタスタ
プレセア「コレットさん?」
コレット「……」
プレセア「な、なんですか?」
コレット「……」ググッ
プレセア「あぁ、やめてください……これはロイドさんがわたしに……」
コレット「……」グググッ
ロイド「コレット!!!やめろ!!!」
ジーニアス「コレット!!やめてよ!!!コレットったらぁ!!!」
プレセア「うぅぅ……やめて……ください……」
コレット「……」ググググッ
ロイド「なんでこんなことするんだよ!!コレット!!」
コレット「……」ピタッ
プレセア「ひ、ひどいです……コレットさん……」
ジーニアス「コレット!!プレセアが怯えちゃったじゃないか!!」
コレット「……」
ロイド「コレット……ほら、ホットコーヒーでも飲んで落ち着こうぜ」
コレット「……」ジャバー
プレセア「こ、これっとさん……どうしてコーヒーを頭から……」
ジーニアス「プレセア!!見ちゃダメだ!!」ギュッ
ロイド「コレット……」
コレット「……」ポタポタ
ロイド「今、拭いてやるから。じっとしてろよ?」
コレット「……」
ロイド「どうしてプレセアにあんなことしたんだ?」フキフキ
コレット「……」ウルウル
ロイド「……ん?コレット……?」
コレット「……」ポロポロ
ジーニアス「コレットが……泣いてる……?」
ロイド「コレット?おい!!コレット?!」
コレット「……」フリフリフリフリフリフリ
ロイド「お尻を振り始めたぞ……」
プレセア「ひぃ……」
ジーニアス「コレット!!正気にもどったかどうかわからないよ!?」
コレット「……」フリフリフリフリ
ロイド「やめてくれ!!プレセアが怖がってる!!言いたいことがあるなら俺の手に文字をなぞるようにして触ってくれ!!」
コレット「……」ススッ
ロイド「くっ……くすぐったい……」
コレット「……」
ロイド「えっと……ど、う……して……わたしに、は……くれないの……?」
コレット「……」
ロイド「なんのことだ?」
コレット「……」ススッ
ロイド「プレゼ、ント……?プレセアのプレゼントか?」
コレット「……」コクコクッ
ロイド「コレット……胸元みてみろって」
コレット「……え?」
ロイド「あるだろ?」
コレット「……ある……これ、ロイドのだ……あれ?あれれ?」
ロイド「こっちにきたときにコレットにあげたんだ。気がつかなかったのか?」
コレット「そ、そうなんだ……ごめんね……」
ロイド「コレットはドジだなぁ」
コレット「えへへ、ホントだね」
ジーニアス「ロイド!!それよりもコレット!!コレットが!!」
ロイド「あ……」
コレット「なに?」
ロイド「コレット、声が……戻ってる!!戻ってるぞ!!」
コレット「え?ホントに?ロイド、それホント!?ホントだったら、私嬉しい!!」
ロイド「本当だって!!コレットの可愛い声が聞こえる!!」
コレット「ロイドがそういうなら信じるっ!!」
ロイド「これ食べてみろ、コレット」
コレット「うんっ!!はむっ」
ロイド「どうだ?」
コレット「うーん……」バリバリ
ロイド「コレット……」
コレット「ひゃぁ!!かふぁい!!ろふぃふぉ!こりぇ、かっりゃいねぇ!!!ふぇへへ」
ロイド「だって、唐辛子だからな!!辛くて当たり前だろ!!」
コレット「ひょっか!!ひょーだひょね!!あひゃひゃ、うへひー!!!」
ロイド「よかったなぁ!!コレット!!!本当に一時はどうなるかと……」
コレット「ふん……ふん……」
ロイド「コレット……おかえり……」
コレット「りょひど……たりゃいりゃ……」
プレセア「コレットさん、よかったですね」
コレット「ぷりゃれあ、ごひぇんふぇ?」
プレセア「いいえ、気にしていません」
ロイド「……実はそれアイスコーヒーなんだ」
コレット「え……。あ、ホントだね。冷たいモンね。ウッカリしてたよ」
ロイド「嘘。本当はホットコーヒーなんだ」
コレット「え……」
ロイド「……実はそれアイスコーヒーなんだ」
コレット「え……。あ、ホントだね。冷たいモンね。ウッカリしてたよ」
ロイド「嘘。本当はホットコーヒーなんだ」
コレット「え……」
ロイド「……実はそれアイスコーヒーなんだ」
コレット「え……。あ、ホントだね。冷たいモンね。ウッカリしてたよ」
ロイド「嘘。本当はホットコーヒーなんだ」
コレット「え……」
ロイド「……実はそれアイスコーヒーなんだ」
コレット「え……。あ、ホントだね。冷たいモンね。ウッカリしてたよ」
ロイド「嘘。本当はホットコーヒーなんだ」
コレット「え……」
ロイド「……実はそれアイスコーヒーなんだ」
コレット「え……。あ、ホントだね。冷たいモンね。ウッカリしてたよ」
ロイド「嘘。本当はホットコーヒーなんだ」
コレット「え……」
ロイド「……実はそれアイスコーヒーなんだ」
コレット「え……。あ、ホントだね。冷たいモンね。ウッカリしてたよ」
ロイド「嘘。本当はホットコーヒーなんだ」
コレット「え……」
ロイド「……実はそれアイスコーヒーなんだ」
コレット「え……。あ、ホントだね。冷たいモンね。ウッカリしてたよ」
ロイド「嘘。本当はホットコーヒーなんだ」
コレット「え……」
ジーニアス「ほら、コレット。牛乳のんで」
コレット「うん」ゴクッゴクッ
ロイド「……」サワサワ
コレット「ぶふっ!?―――ロ、ロイド!!お尻触っちゃだめ!!」
ロイド「すげーよ!!コレット!!敏感になってるじゃないか!!」
コレット「あ、そっか!!うん!!もっと、さわっていいよ!!」
ロイド「よしよし」モミモミ
コレット「きゃ!!ロイド、胸は触っちゃだめ!!」
ロイド「コレット、完璧だな」
コレット「これも全部、ロイドのおかげだね……。本当にありがとう……」
ロイド「いいんだ。コレットが無事ならそれで」
コレット「ロイド……」
プレセア「コレットさん、鼻から牛乳が出ていますよ」
コレット「ありがとう、プレセア。今ふくね」ゴシゴシ
ジーニアス「安心できたところで、ちょっとコーヒーブレイクにしよっか。僕がみんなの分、用意するよ」
ジーニアス「はい、プレセア。熱いから気をつけてね」
プレセア「わかりました。気をつけます」
ロイド「コレット、ホットコーヒー」
コレット「ありがとう、ロイド」
ロイド「ホットコーヒー、熱いだろ?」
コレット「うんっ、あっつあつだね!」ジャバー
プレセア「……!!」ビクッ
ジーニアス「うわぁぁぁ!!!コレットぉ!?」
コレット「あつい!!ロイド!!あつよ!!どーしよう?!」オロオロ
ロイド「なにやってんだよ!!ほら!!拭けって!!」
コレット「ごめんね!!ロイド!!ごめんねー!!私、ドジで!!」
ロイド「分かった、分かったから!!」
『その後数ヶ月間、コレットのホットコーヒーを頭からかぶる癖は治らなかった……。そしてその都度、プレセアは怯えていたという……』
おしまい
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