八幡「…不味っ!」ペッ 結衣「」 (15)

八幡「あ」

結衣「……」

八幡「す、すまん由比ヶ浜、つい…」

結衣「ヒッキー…ひどいよ!あたしがせっかく頑張ってお料理作ったのに!」

結衣「いくらまz…美味しくないからって吐き出しちゃうなんて!」

八幡「い、いや、これはわざとじゃないんだ!あまりにも衝撃的な味だったんで思わず!」

結衣「何それフォローになってないし!美味しくなかったのはそりゃあたしのせいだけど、吐き出すことないじゃん!」

葉山「おい、比企谷!今の見てたぞ!ちょっとひどすぎるんじゃないか?」

葉山「結衣は料理の腕はまだまだかもしれないが、お前のために思いを込めて一生懸命作ったんだぞ!
   それをあろうことか吐き出すなんて…」

結衣「隼人くん…」

八幡「い、いやでも、お前も試しに一口食べてみろよ。絶対吐き出すぜ?」

葉山「何を言ってるんだ。いくら不味かろうが料理だぞ?そんなことあるわけ……オエッ」ビチャ

結衣「」

八幡「な?」

葉山「ゴクッゴクッゴクッ(水を一気飲みする音)」

葉山「…ふぅ」

結衣「隼人くん…?」

葉山「!!…こ、これは違うんだ結衣…!ちょっと喉につかえて…」

結衣「明らかに違うよね!?ヤバイもの食べたみたいな顔してオエッとか言ってたよね!?」

葉山「ヤバイものなんて…そ、そんなことあるわけないだろう?お、美味しかったよ、うん…」

結衣「隼人くん、体震えてるよ…」

葉山「…すまない結衣。予想以上にひどい味だったからつい…」

結衣「さいてーだよ二人とも!あたしの料理吐き出した上にそんなにボロクソに言わなくてもいいじゃん!」

葉山「いや…しかし、これに関しては俺たちは悪くないんじゃないか?」

八幡「だよな。ハッキリ言ってあんなもん食わせられた俺たちが被害者と言っていいくらいだ」

葉山「ああ。あんなクソ不味いもの食べさせられて吐き出さない方がどうかしてる」

結衣「…う…うぅ…」

結衣「うぇええーーーーん!!ゆきのーーーーん!!!」ダッ

八幡「あっ由比ヶ浜!」

葉山「結衣!」

雪乃「話は聞かせてもらったわ。あなたたち、何か弁解はあるかしら?」

葉山「…雪ノ下さん」

八幡「雪ノ下…こんなこと言っても信じられないかもしれないが、あの味は相当なもんだぞ」

葉山「俺も同感だ。あんなもの食べれば誰だって吐く。俺だって吐く」

雪乃「…もういいわ。黙りなさい。比企谷くん、根性の曲がったあなたでも由比ヶ浜さんのことはもっと大事に思っていると思っていたわ」

雪乃「葉山くんも、こういうことだけはしない人間だと思っていたのだけれど、私の思い違いだったようね」

葉山「…たしかに、結果的に結衣を傷付けてしまったことはすまないと思ってる。だけどそこまで言うなら雪ノ下さん、君もあの料理を食べてみてくれないか」

雪乃「私があなたたちのように由比ヶ浜さんの料理を吐き出すとでも?ありえるわけがないでしょう、そんなこと」

結衣「ゆ、ゆきのん…!(なんか嫌な予感が…)」

雪乃「…食べるわよ」パクッ

雪乃「……!」ダッ

結衣「ゆきのん!?」

ガラッ!ダダダダダ…

\オエエエエエエエ!ビシャビシャッ/

結衣「」

ガラッ

雪乃「…ふぅ」

結衣「ふぅ…じゃないよゆきのん!今吐いてたよね!?」

雪乃「…吐いてないわ」

結衣「なんですぐわかるウソつくの!?」

雪乃「吐いてないわ」

結衣「ゆきのん、口元にゲロ付いてるよ…」

雪乃「!?」バッ

結衣「ウソだよ…」

雪乃「……ごめんなさい、由比ヶ浜さん」

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